JP2015189110A - 画像形成方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクと処理液とを用いる画像形成方法において、処理液の吸収特性によって分類される記録媒体の種類に応じて塗工量を変えることが可能である処理液塗工方法を用いた画像形成方法を提供することにある。【解決手段】インクと処理液とを用いる画像形成方法において、処理液吸収特性により分類される記録媒体の種類に応じた処理液塗工量を予め割り当てておき、画像形成前の記録媒体の種類の選択により予め割り当てられた処理液塗工量を選定し、選定された塗工量で処理液を記録媒体に塗工してからインクによる画像形成を行い、画像形成に用いる記録媒体の種類に応じて処理液塗工量の切り替えを可能として各種記録媒体への画像形成を可能とする。【選択図】図1
Description
本発明は、インクと、インクの高粘度化成分を含む処理液とにより記録媒体に画像を形成する画像形成方法及びこの画像形成方法に用いる画像形成装置に関する。
インクを用いた画像形成方法として、版を用いずに画像情報に応じた画像形成を可能とするインクジェット記録方法が知られている。インクジェット記録においても高速記録や高画質記録への対応が求められている。
画像形成の高速化を可能とするインクジェット記録方式としては、長尺ライン状の記録ヘッドを並べて記録媒体の記録面の幅全体をカバーし、記録ヘッドに対して記録媒体を移動させることで画像形成を行う方式が知られている。
高画質での画像形成については、インクジェット記録方法では、吐出口から吐出されたインク滴が短時間に直接記録媒体上に着弾するため、インク吸収速度の速いインクジェット記録専用紙を用いることで高画質化を実現している。
画像形成の高速化を可能とするインクジェット記録方式としては、長尺ライン状の記録ヘッドを並べて記録媒体の記録面の幅全体をカバーし、記録ヘッドに対して記録媒体を移動させることで画像形成を行う方式が知られている。
高画質での画像形成については、インクジェット記録方法では、吐出口から吐出されたインク滴が短時間に直接記録媒体上に着弾するため、インク吸収速度の速いインクジェット記録専用紙を用いることで高画質化を実現している。
一方、インクジェット記録専用紙だけでなく、市販の様々な記録媒体、特に商業印刷分野で用いられている安価な商業印刷用の記録媒体(一般に印刷用紙と呼ばれる)に高速・高画質な画像が記録可能であることが望まれている。しかし、印刷用紙のような記録媒体では、そのインク吸収性がインクジェット用のインクと適合せず、良好な画像を高速で形成することが困難な場合がある。
たとえば、インクジェット用のインクの吸収速度が遅い印刷用紙では、打滴されたインクが印刷用紙の表面上にとどまり、紙面上でのドット滲みや拡がりが生じたり、色境界での滲み(ブリーディング)が生じたりするため画像が劣化してしまう場合がある。インクジェット用インクの吸収速度が速い印刷用紙では、その内部に高速にインクが浸透するために画像濃度が低下して十分に高画質な画像を形成することができない場合がある。
そこで、上記のような画像劣化を防ぐために、インクの着色材成分としての顔料を凝集させる成分を含む処理液を記録媒体に塗工した後、記録媒体上で処理液とインクと反応させて高画質画像を得るインクジェット画像形成方法が開示されている。(特許文献1参照)
しかし、記録媒体の種類により処理液の吸収速度が異なることで塗工工程からインクによる画像形成工程までの時間で処理液の塗工状態が変化したり、処理液の記録媒体内への浸透により記録媒体の表面において十分な量の処理液を確保できなかったりする場合がある。このような場合には、処理液を用いる効果を十分に得ることができない。例えば、記録媒体上の処理液量が多すぎる、すなわち、過度に厚い処理液層が形成されると、そこに着弾したインク滴によるドットに変形が生じる。これとは逆に、記録媒体上で十分な量の処理液が確保されない場合でも、インクに含まれる顔料の凝集反応率が低下してドットの変形が生じ、ブリーディングの発生を抑えることもできなくなる。これらのドットの変形は、画像劣化の原因となり、中でも、複数色のインクにより二次色を表現する個所などのインクの打ち込み量が多くなる画像部では画像劣化が顕著となる。
しかし、記録媒体の種類により処理液の吸収速度が異なることで塗工工程からインクによる画像形成工程までの時間で処理液の塗工状態が変化したり、処理液の記録媒体内への浸透により記録媒体の表面において十分な量の処理液を確保できなかったりする場合がある。このような場合には、処理液を用いる効果を十分に得ることができない。例えば、記録媒体上の処理液量が多すぎる、すなわち、過度に厚い処理液層が形成されると、そこに着弾したインク滴によるドットに変形が生じる。これとは逆に、記録媒体上で十分な量の処理液が確保されない場合でも、インクに含まれる顔料の凝集反応率が低下してドットの変形が生じ、ブリーディングの発生を抑えることもできなくなる。これらのドットの変形は、画像劣化の原因となり、中でも、複数色のインクにより二次色を表現する個所などのインクの打ち込み量が多くなる画像部では画像劣化が顕著となる。
上記の画像劣化を防ぐ方法として、各記録媒体の処理液吸収速度に対して塗工量を決めることにより、インクによる画像形成工程において記録媒体上でほぼ同様な画像の形成を可能とする塗工状態にすることができる。そこで、各記録媒体の処理液吸収性に応じて塗工量を制御できる処理液の塗工方法が望まれでいる。
一般に塗工液量を塗工装置内で変えるための技術としては、ダイコーティングやグラビアコーティングなど種々の技術がある。
画像を形成するために処理液の塗工厚さは、ドットの径よりも十分に小さいことが必要となり、更に処理液塗工で印刷用紙の風合いを損ねないためには、約数μm以下の厚さの処理液塗工が必要である。これを実現するための塗工技術としては、オフセットグラビア塗工方法が選択される。
画像を形成するために処理液の塗工厚さは、ドットの径よりも十分に小さいことが必要となり、更に処理液塗工で印刷用紙の風合いを損ねないためには、約数μm以下の厚さの処理液塗工が必要である。これを実現するための塗工技術としては、オフセットグラビア塗工方法が選択される。
一般に、オフセットグラビア塗工用の装置は、第8図に示すごとく、塗工液を供給するための供給パン205とグラビアロール201、オフセットロール203、バックアップロール204から主に構成される。グラビアロール201にはドクターブレード202が当接されている。塗工液は、供給パン205に供給され、まずグラビアロール201で汲み上げられる。グラビアロール201の表面には、凹部からなるセルが形成されている。このグラビアロールは、フレキソ印刷ではアニロックスロールと呼ばれる。グラビアロール201のセルに充填された液のあふれ液をドクターブレード202で削ぎ取り、塗工液を計量すると同時にオフセットロール203に液を転移せしめる。次に、オフセットロール203とバックアップロール204との間にPET(ポリエチレンテレフタレート)など非吸収媒体であるウェッブが通り、オフセットロール203上の塗工液がウェッブに塗工される。この塗工方法では、グラビアロールのセル容積を変えることによって塗工量を変えることが可能である。更に、3つのロール回転速度を可変とし、それぞれのロールの回転速度を上げることにより、更なる薄層塗工を実現することが可能となる。
この方法によれば、ロール間や、ロールとウェッブ間に速度差を与えることにより、塗工面をスムージングし、塗工ムラを軽減することや、ロールやウェッブへの塗工液の転移率を上述した速度差により変え、塗工量を制御することができる。(非特許文献1参照)
しかし、上記塗工方法は、より薄層塗工を実現するためのものであり記録媒体の種類により塗工量を可変とするためのものではない。また、薄層塗工のための各ロールの速度差設定が複雑となる。その理由としては塗工液粘度のせん断力による変化を挙げることができ、この粘度変化に対応してロール間の速度差を設定する必要があり、その結果、塗工を安定状態にするための速度条件設定が複雑となる。更に、塗工対象が記録用紙の場合には、記録用紙の搬送速度と異なるロール回転速度を用いると、記録用紙の表面に傷がつくという問題を生じる。
しかし、上記塗工方法は、より薄層塗工を実現するためのものであり記録媒体の種類により塗工量を可変とするためのものではない。また、薄層塗工のための各ロールの速度差設定が複雑となる。その理由としては塗工液粘度のせん断力による変化を挙げることができ、この粘度変化に対応してロール間の速度差を設定する必要があり、その結果、塗工を安定状態にするための速度条件設定が複雑となる。更に、塗工対象が記録用紙の場合には、記録用紙の搬送速度と異なるロール回転速度を用いると、記録用紙の表面に傷がつくという問題を生じる。
処理液とインクジェット用インクを用いた画像形成における処理液塗布装置としては、単一の計量ロールと複数個の塗布ロールを有する構成の処理液塗布装置が特許文献2に開示されている。この処理液塗布装置では、記録媒体の搬送方向に対して順方向に回転する複数の塗布ロールを記録媒体の搬送方向に対して並列に設けられており、単一の計量ローラからこれらの塗布ローラに処理液が順次供給されるようになっている。更に、記録媒体の搬送方向上流側の塗工ローラによる塗工量よりも下流側の塗工ローラによる塗工量が少なくなるように、複数の塗工ローラへの処理液供給量を調整する調整手段が設けられている。この塗布装置を用いた処理液の塗布方法は、複数の塗布ローラのぞれぞれの塗布量を上記のように調製する調整手段を用いることで塗工むらを低減し、更に、塗布ローラの周速と記録媒体の搬送速度を同じにして一定とすることで記録媒体を傷つけることがない、という利点を有する。しかしながら、特許文献2には、処理液吸収速度の異なる記録媒体を同一の処理液塗布装置で処理する点について、更には、記録媒体の処理液吸収速度に応じて塗布量を変化させる点についての記載はない。
原崎勇次著「初級コーティング技術入門」加工技術研究会2007年
インクと処理液とを用いる画像形成方法において、種々の記録媒体、特に異なる処理液吸収特性を有する記録媒体に対応して目的とする画像形成を可能とする画像形成方法及びそのための画像形成装置が求められている。しかしながら、従来技術においては、複雑な制御を必要とせずに記録媒体の処理液吸収特性に応じて処理液の塗工量を切り替え可能な処理液塗布方法や塗布装置は提供されていない。
従って、本発明の目的は、インクと処理液とを用いる画像形成方法において、処理液の吸収特性によって分類される記録媒体の種類に応じて塗工量を変えることが可能である処理液塗工方法を用いた画像形成方法を提供することにある。本発明の更なる目的は、インクと処理液とを用いる画像形成方法において、従来既知のグラビア塗工方法のように複雑な塗工ロールの制御を必要としない処理液塗工方法を用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明にかかる画像形成方法は、インクと、インクの高粘度化成分を含む処理液とにより記録媒体に画像を形成する画像形成方法において、
前記記録媒体の種類を選択することにより、処理液吸収特性による分類される種類の異なる記録媒体のそれぞれに対して予め割り当てられた塗工量からなる群から、前記選択された種類に対して予め割り当てられた塗工量を選定して処理液の選定塗工量とする塗工量選定工程と、
前記記録媒体の記録面に、塗工手段により前記選定塗工量での処理液の塗工を行う塗工工程と、
前記処理液が塗工された記録媒体の記録面に、インクにより画像を形成する画像形成工程と、
を有し、
前記記録媒体の種類に応じて前記処理液の塗工量の切り替えを可能としたことを特徴とする画像形成方法である。
前記記録媒体の種類を選択することにより、処理液吸収特性による分類される種類の異なる記録媒体のそれぞれに対して予め割り当てられた塗工量からなる群から、前記選択された種類に対して予め割り当てられた塗工量を選定して処理液の選定塗工量とする塗工量選定工程と、
前記記録媒体の記録面に、塗工手段により前記選定塗工量での処理液の塗工を行う塗工工程と、
前記処理液が塗工された記録媒体の記録面に、インクにより画像を形成する画像形成工程と、
を有し、
前記記録媒体の種類に応じて前記処理液の塗工量の切り替えを可能としたことを特徴とする画像形成方法である。
本発明にかかる画像形成装置は、インクと、インクの高粘度化成分を含む処理液とにより記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記記録媒体の種類を選択することにより、処理液吸収特性により分類される種類の異なる記録媒体のそれぞれに対して予め割り当てられた塗工量からなる群から、前記選択された種類に対して予め割り当てられた塗工量を選定して処理液の選定塗工量とする塗工量選定手段と、
前記記録媒体の記録面に、前記選定塗工量での処理液の塗工を行う塗工手段と、
前記処理液が塗工された記録媒体の記録面に、インクにより画像を形成する画像形成手段と、
を有し、
前記記録媒体の種類に応じて前記処理液の塗工量の切り替えを可能としたことを特徴とする画像形成装置である。
前記記録媒体の種類を選択することにより、処理液吸収特性により分類される種類の異なる記録媒体のそれぞれに対して予め割り当てられた塗工量からなる群から、前記選択された種類に対して予め割り当てられた塗工量を選定して処理液の選定塗工量とする塗工量選定手段と、
前記記録媒体の記録面に、前記選定塗工量での処理液の塗工を行う塗工手段と、
前記処理液が塗工された記録媒体の記録面に、インクにより画像を形成する画像形成手段と、
を有し、
前記記録媒体の種類に応じて前記処理液の塗工量の切り替えを可能としたことを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、処理液の吸収特性によって分類される記録媒体の種類に応じて塗工量を変えることが可能であり、かつ従来既知のグラビア塗工方法のように複雑な塗工ロールの制御を必要としない処理液の塗工方法及びそのための装置を提供することができる。本発明によれば、かかる処理液の塗工方法を用いた画像形成方法及びそのための画像形成装置を提供することができる。
本発明にかかる画像形成方法は、インクと、インクの高粘度化成分を含む処理液とにより記録媒体に画像を形成する画像形成方法であり、少なくとも以下の工程を有する。
(1)前記記録媒体の種類を選択することにより、処理液吸収特性により分類される種類の異なる記録媒体のそれぞれに対して予め割り当てられた塗工量からなる群から、前記選択された種類に対して予め割り当てられた塗工量を選定して処理液の選定塗工量とする塗工量選定工程。
(2)前記記録媒体の記録面に、塗工手段により前記選定塗工量での処理液の塗工を行う塗工工程。
(3)前記処理液が塗工された記録媒体の記録面に、インクにより画像を形成する画像形成工程。
本発明にかかる画像形成方法では、記録媒体の種類に応じて処理液の塗工量の変更が可能となっており、種々の記録媒体に対して、記録媒体ごとに適切な処理液塗工量を付与して、良好な画像形成を行うことができる。
(1)前記記録媒体の種類を選択することにより、処理液吸収特性により分類される種類の異なる記録媒体のそれぞれに対して予め割り当てられた塗工量からなる群から、前記選択された種類に対して予め割り当てられた塗工量を選定して処理液の選定塗工量とする塗工量選定工程。
(2)前記記録媒体の記録面に、塗工手段により前記選定塗工量での処理液の塗工を行う塗工工程。
(3)前記処理液が塗工された記録媒体の記録面に、インクにより画像を形成する画像形成工程。
本発明にかかる画像形成方法では、記録媒体の種類に応じて処理液の塗工量の変更が可能となっており、種々の記録媒体に対して、記録媒体ごとに適切な処理液塗工量を付与して、良好な画像形成を行うことができる。
記録媒体の種類は、その記録面における処理液の吸収特性に基づいて分類され、この吸収特性としては吸収速度を用いることが好ましい。記録媒体の記録面に目的とする処理液の塗工状態を得るには、その記録面の処理液の吸収特性を考慮しておくことが重要である。例えば、処理液の吸収速度が低い場合は、処理液の塗工からインク付与による画像形成までの間に記録媒体中に吸収される処理液量が少ないため、処理液の塗工量を少なくしても記録媒体上に十分な量の処理液を維持することが可能となる。一方、処理液の吸収速度が高い場合は、処理液の塗工からインク付与による画像形成までの間に記録媒体中に吸収される処理液量が多くなり、記録媒体上に必要量の処理液を維持するにはその塗工量を多くしておく必要がある。そこで、本発明においては、記録媒体の処理液の吸収特性により分類される種類に対して適した処理液の塗工量を、処理液の吸収特性と、処理液の塗工からインクの記録媒体への付与までの時間等の条件を考慮して検討して予め決定しておく。このようにして決定された塗工量を記録媒体の種類ごとに割り当てておき、記録媒体の種類を選択することによって、その種類に予め割り当てられた塗工量が自動的に選定されるようにしておく。工程(1)では、このようにして得られる、処理液吸収特性により分類される種類の異なる記録媒体のそれぞれに対して予め割り当てられた塗工量からなる群から、画像形成工程での処理を行う記録媒体の種類を選択することで、自動的に処理液の塗工量を「選定塗工量」として選定することが可能となる。
工程(2)では選定塗工量での処理液の記録媒体の記録面への塗工が行われ、工程(3)では処理液が塗工された記録媒体の記録面へのインクによる画像形成が行われる。工程(3)では、処理液が塗工された状態にある記録媒体の記録面にインクが付着すると、インクの高粘度化が生じ、所望としないインクの滲みやブリーディングなどによる画質の低下を防止することができる。
工程(1)は、記録媒体の種類を入力する入力部と、入力された記録媒体の種類に応じて選定塗工量を選定する塗工量選定部と、選定塗工量を前記塗工手段に指示する塗工量指示部とを有する塗工量選定手段を用いて行うことができる。
また、工程(2)には、処理液を計量して塗工ロールに供給する計量ロールと、複数の塗工ロールとを有し、これらの複数の塗工ロールのそれぞれが前記異なる塗工量の各々に対応して設けられており、これらの複数の塗工ロールから、選定塗工量用の塗工ロールを選択して塗工ロール移動手段により前記記録媒体の記録面への塗工位置に移動させることにより行う方法を用いることができる。
また、工程(2)には、処理液を計量して塗工ロールに供給する計量ロールと、複数の塗工ロールとを有し、これらの複数の塗工ロールのそれぞれが前記異なる塗工量の各々に対応して設けられており、これらの複数の塗工ロールから、選定塗工量用の塗工ロールを選択して塗工ロール移動手段により前記記録媒体の記録面への塗工位置に移動させることにより行う方法を用いることができる。
記録媒体を塗工手段に対して相対的に移動させる構成とすることができ、このような場合には、複数の塗工ロールを記録媒体の移動方向に対して並列して設けることが好ましい。
これらの複数の塗工ロールとしては、記録媒体の移動方向に対して順方向に、かつ前記記録媒体の移動速度に同期して回転する塗工ロールを用いることが塗工ロールによる記録媒体の損傷を防ぐことができ、更に、塗工量の制御を簡便に行うことが可能となる。
更に、並列された複数の塗工ロールを、計量ロールから処理液が供給される塗工ロールを先頭塗工ロールとして処理液の流れが形成されるように接続して配置することができる。その際に、処理液の流れの上流部にある塗工ロール上よりも下流部にある塗工ロール上の処理液の量を小さく設定することにより、これらの複数の塗工ロールを予め割り当てられた異なる塗工量の各々に対応させることができる。塗工ロール移動手段により選定塗工量用の塗工ロールでの塗工を行う際に、計量ロールからの処理液の流れを選定塗工量用の塗工ロールまでの流れとなるように各塗工ロールの配置を変更することによって、計量ロールから選定塗工量用の塗工ロールまで効率良く供給するこが可能となる。
工程(3)における画像形成には、インクにより画像形成が可能である各種の画像形成方法を用いることができるが、インクジェット法による画像形成方法が好適に利用できる。
これらの複数の塗工ロールとしては、記録媒体の移動方向に対して順方向に、かつ前記記録媒体の移動速度に同期して回転する塗工ロールを用いることが塗工ロールによる記録媒体の損傷を防ぐことができ、更に、塗工量の制御を簡便に行うことが可能となる。
更に、並列された複数の塗工ロールを、計量ロールから処理液が供給される塗工ロールを先頭塗工ロールとして処理液の流れが形成されるように接続して配置することができる。その際に、処理液の流れの上流部にある塗工ロール上よりも下流部にある塗工ロール上の処理液の量を小さく設定することにより、これらの複数の塗工ロールを予め割り当てられた異なる塗工量の各々に対応させることができる。塗工ロール移動手段により選定塗工量用の塗工ロールでの塗工を行う際に、計量ロールからの処理液の流れを選定塗工量用の塗工ロールまでの流れとなるように各塗工ロールの配置を変更することによって、計量ロールから選定塗工量用の塗工ロールまで効率良く供給するこが可能となる。
工程(3)における画像形成には、インクにより画像形成が可能である各種の画像形成方法を用いることができるが、インクジェット法による画像形成方法が好適に利用できる。
上記の工程(1)〜(3)に加えて、工程(3)で形成された画像の乾燥工程を更に設けることができる。更に、工程(1)で形成された画像に対し、加熱及び圧力の少なくとも一方により画像を定着する定着工程を更に設けることもできる。
本発明にかかる画像形成方法及びそれに用いる画像形成装置によれば、記録媒体の種類を変えた場合においても、目的とする処理液の塗工量の供給と塗工層の形成を安定して行うことが可能となり、高画質を有する画像形成の高速化にも対応することができる。
以下に画像形成装置の図を用いて本発明の実施形態の一例についての詳細を説明する。
〔画像形成装置の全体構成〕
図1は本実施形態にかかる画像形成方法に用いる装置の一例の概略構成を示した模式図である。図示するように、本実施形態の画像形成装置1は、記録媒体繰り出しロール3、記録媒体巻き取りロール4、処理液塗工部5、インク吐出部6、溶媒除去部7及び定着部8を主たる構成としている。図1に示す装置では、処理液塗工部5が塗工手段を、インク吐出部6が画像形成手段を、溶媒除去部7が画像乾燥手段を、定着部8が定着手段をそれぞれ構成している。また、インク吐出部6と溶媒除去部7での処理が行われる領域には、記録媒体の搬送を補助する補助部9が設けられており、記録媒体2の裏面をサポートしている。記録媒体繰り出しロール3、記録媒体巻き取りロール4以外の各部は、装置外装10内に収められている。
〔画像形成装置の全体構成〕
図1は本実施形態にかかる画像形成方法に用いる装置の一例の概略構成を示した模式図である。図示するように、本実施形態の画像形成装置1は、記録媒体繰り出しロール3、記録媒体巻き取りロール4、処理液塗工部5、インク吐出部6、溶媒除去部7及び定着部8を主たる構成としている。図1に示す装置では、処理液塗工部5が塗工手段を、インク吐出部6が画像形成手段を、溶媒除去部7が画像乾燥手段を、定着部8が定着手段をそれぞれ構成している。また、インク吐出部6と溶媒除去部7での処理が行われる領域には、記録媒体の搬送を補助する補助部9が設けられており、記録媒体2の裏面をサポートしている。記録媒体繰り出しロール3、記録媒体巻き取りロール4以外の各部は、装置外装10内に収められている。
制御処理装置11は、装置内の各部の動作を制御するための装置であり、各部と不図示のラインにより接続されている。制御処理装置11には、以下の機能が組み込まれている。
(A)目的とする画像の形成に必要な画像信号をインク吐出部6に送信する。
(B)記録媒体2の搬送手段に対して、処理液の塗工、画像形成、溶媒乾燥及び定着に適した速度での記録媒体の搬送を指示する。
(C)記録媒体2の種類を選択することにより、処理液塗工部5に、選択された記録媒体2に対応する処理液の塗工量を塗工可能なロール配置を指示する。
図示した画像形成装置における記録媒体2は所定幅を有し、記録媒体繰り出しロール3中に巻き取られた状態でセットされ、画像形成後に記録媒体巻き取りロール4に巻き取られる構成となっている。記録媒体2の搬送途中に記録媒体2への張力を懸けるロール(不図示)が存在する。記録媒体2は、搬送経路の不図示の複数のロールや巻き取りロール4が駆動ロールとなってモータ(不図示)の動力が伝達され、このモータの駆動により記録媒体2が図1の矢印A方向(以下記録媒体搬送方向)に搬送されるように構成されている。これらの各部によって記録媒体の搬送手段が構成されている。
記録媒体2の搬送方向と同期して、周辺に配置された処理液塗工部5、インク吐出部6、溶媒除去部7、定着部8の各ユニットが作動するようになっている。
(A)目的とする画像の形成に必要な画像信号をインク吐出部6に送信する。
(B)記録媒体2の搬送手段に対して、処理液の塗工、画像形成、溶媒乾燥及び定着に適した速度での記録媒体の搬送を指示する。
(C)記録媒体2の種類を選択することにより、処理液塗工部5に、選択された記録媒体2に対応する処理液の塗工量を塗工可能なロール配置を指示する。
図示した画像形成装置における記録媒体2は所定幅を有し、記録媒体繰り出しロール3中に巻き取られた状態でセットされ、画像形成後に記録媒体巻き取りロール4に巻き取られる構成となっている。記録媒体2の搬送途中に記録媒体2への張力を懸けるロール(不図示)が存在する。記録媒体2は、搬送経路の不図示の複数のロールや巻き取りロール4が駆動ロールとなってモータ(不図示)の動力が伝達され、このモータの駆動により記録媒体2が図1の矢印A方向(以下記録媒体搬送方向)に搬送されるように構成されている。これらの各部によって記録媒体の搬送手段が構成されている。
記録媒体2の搬送方向と同期して、周辺に配置された処理液塗工部5、インク吐出部6、溶媒除去部7、定着部8の各ユニットが作動するようになっている。
本実施形態においては、記録媒体2の搬送形態として、ロール方式を用いているがこれに限らず、枚葉方式でも可能である。枚葉方式を用いる場合の記録媒体の搬送形態としては、例えばドラム形式を用いることができる。枚葉方式によって記録媒体の種類が頻繁に変わる場合においても、本発明にかかる画像形成装置によれば、記録媒体2の種類に応じて迅速に塗工量を変えることが可能である。ここで各構成要素を詳細に説明する。
(記録媒体)
記録媒体2としては、塗工層を有する印刷用紙が好適に用いられる。塗工層を有する記録媒体2は、一般のオフセット印刷などに用いられ、コート紙等と称される、いわゆる塗工紙である。塗工紙は、セルロースを主体とした上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗工してコート層を設けたものである。記録媒体の坪量は、70g/m2〜350g/m2の範囲から選択されることが好ましく、より好ましくは70g/m2〜200g/m2の範囲から選択される。塗工紙としては、コート層形成用の基材としも機能する原紙と、カオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましい。
塗工紙は、一般に上市されているものを入手して使用できる。例えば、一般印刷用塗工紙を用いることができる。具体的には、日本製紙(株)製の「オーロラコート」、「ユーライト」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OKトップコート」、「ニューエイジ」等のコート紙(A2、B2)及び三菱製紙社製の「ニューVマット」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製の「特菱アート」等のアート紙(A1)などを挙げることができる。
記録媒体2としては、塗工層を有する印刷用紙が好適に用いられる。塗工層を有する記録媒体2は、一般のオフセット印刷などに用いられ、コート紙等と称される、いわゆる塗工紙である。塗工紙は、セルロースを主体とした上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗工してコート層を設けたものである。記録媒体の坪量は、70g/m2〜350g/m2の範囲から選択されることが好ましく、より好ましくは70g/m2〜200g/m2の範囲から選択される。塗工紙としては、コート層形成用の基材としも機能する原紙と、カオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましい。
塗工紙は、一般に上市されているものを入手して使用できる。例えば、一般印刷用塗工紙を用いることができる。具体的には、日本製紙(株)製の「オーロラコート」、「ユーライト」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OKトップコート」、「ニューエイジ」等のコート紙(A2、B2)及び三菱製紙社製の「ニューVマット」等のコート紙(A2、B2)、王子製紙(株)製の「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製の「特菱アート」等のアート紙(A1)などを挙げることができる。
ここで、記録媒体2の処理液吸収速度と処理液塗工量の関係について詳細に説明する。
記録媒体2の処理液吸収速度の違いは記録媒体2のコート材や製造方法よるものである。すなわち、処理液吸収速度は処理液の物性が変化しなければ、記録媒体の表面状態や空隙率等によって変化する。これらの記録媒体の表面状態や空隙率等が影響する処理液吸収速度による塗工紙の分類は、キャストコート紙、グロスコート紙、マットコート紙との分類と良く適合している。同じ分類の系列(種類)に属するものであれば、塗工紙の処理液吸収特性はほぼ同じである。その吸収速度は、マットコート紙>グロスコート紙>キャストコート紙の順である。そして、その吸収速度比はキャストコートで1とするとグロスコート紙で4倍、マット紙で8倍の吸収速度であることが鋭意検討の結果わかっている。処理液の粘度によって、吸収時間は変化するが吸収速度比は変わらない。
処理液吸収特性における記録媒体の分類としては、処理液吸収速度の速い順に、上質紙>マットコート紙>グロスコート紙>キャストコート紙との分類を用いることができる。上質紙は表面にコート層といわれる層がないものである。通常のコート紙には、マットコート紙、グロスコート紙、キャストコート紙等が含まれる。これらのコート紙では、通常、記録媒体両面に10μmほどのコート層が存在している。マットコート紙とグロスコート紙は、表面の粗さが異なるために、処理液吸収特性も異なるものとなっている。キャストコート紙は、コート層が50μm程度と厚く、更に、後工程で表面を熱圧でプレスして光沢を向上させているものである。記録媒体の分類としては、更に、(A)キャストコート紙、(B)グロスコート紙及びマットコート紙、(C)上質紙の3つのカテゴリーでの分類を用いることもできる。
記録媒体2の処理液吸収速度の違いは記録媒体2のコート材や製造方法よるものである。すなわち、処理液吸収速度は処理液の物性が変化しなければ、記録媒体の表面状態や空隙率等によって変化する。これらの記録媒体の表面状態や空隙率等が影響する処理液吸収速度による塗工紙の分類は、キャストコート紙、グロスコート紙、マットコート紙との分類と良く適合している。同じ分類の系列(種類)に属するものであれば、塗工紙の処理液吸収特性はほぼ同じである。その吸収速度は、マットコート紙>グロスコート紙>キャストコート紙の順である。そして、その吸収速度比はキャストコートで1とするとグロスコート紙で4倍、マット紙で8倍の吸収速度であることが鋭意検討の結果わかっている。処理液の粘度によって、吸収時間は変化するが吸収速度比は変わらない。
処理液吸収特性における記録媒体の分類としては、処理液吸収速度の速い順に、上質紙>マットコート紙>グロスコート紙>キャストコート紙との分類を用いることができる。上質紙は表面にコート層といわれる層がないものである。通常のコート紙には、マットコート紙、グロスコート紙、キャストコート紙等が含まれる。これらのコート紙では、通常、記録媒体両面に10μmほどのコート層が存在している。マットコート紙とグロスコート紙は、表面の粗さが異なるために、処理液吸収特性も異なるものとなっている。キャストコート紙は、コート層が50μm程度と厚く、更に、後工程で表面を熱圧でプレスして光沢を向上させているものである。記録媒体の分類としては、更に、(A)キャストコート紙、(B)グロスコート紙及びマットコート紙、(C)上質紙の3つのカテゴリーでの分類を用いることもできる。
(処理液塗工部)
制御処理装置11では、記録媒体2の種類が入力されると、異なる種類の記録媒体に予め割り当てられた塗工量からなる群から、入力された記録媒体の種類に対応する塗工量が「選定塗工量」として選定される。処理液塗工部5は、制御処理装置11から記録媒体2の種類に対応した選定塗工量に関する処理液塗工動作モード信号を受信する。その後、処理液塗工部5は、処理液塗工動作モード受信信号により各ロール配置を、塗布ロール移動手段の有する駆動モータ(不図示)で設定する。
制御処理装置11では、記録媒体2の種類が入力されると、異なる種類の記録媒体に予め割り当てられた塗工量からなる群から、入力された記録媒体の種類に対応する塗工量が「選定塗工量」として選定される。処理液塗工部5は、制御処理装置11から記録媒体2の種類に対応した選定塗工量に関する処理液塗工動作モード信号を受信する。その後、処理液塗工部5は、処理液塗工動作モード受信信号により各ロール配置を、塗布ロール移動手段の有する駆動モータ(不図示)で設定する。
図1の実施形態における処理液塗工部5について、図2及び図3を用いて更に詳細に説明する。本説明では、説明を簡単にするためにグロスコート紙とマットコート紙を用いた場合の処理液塗工部5を図2および図3を用いて説明する。なお、図2及び図3における処理液塗工部5の有する第2塗工ロール14、第4塗工ロール16が異なる選定塗工量用の塗工ロールである。
図2は、グロスコート紙の場合の処理液塗工手段の図である。記録媒体2は、グロスコート紙(オーロールコート紙、坪量127.9g/m2)であり、図1に示した如く、ロール紙形態で搬送を行う。制御処理装置11でグロスコート紙を選択すると処理液塗工部5で駆動モータ(不図示)により、図2に示した各ロールの配置が設定される。
この場合、最終ロール(第4ロール16)が選定塗工量用として記録媒体2に接して処理液12を塗工する形態となる。処理液塗工部5に配置された各ロールは、第1ロール13、第2ロール14、第3ロール15、第4ロール16と、記録媒体2を介して対向した位置に配置されるバックアップローラ17、18からなる。第1〜第4のロールは、各ロールの中心軸が平行に配置された状態で、記録媒体2の搬送方向に沿って並列されており、ロール移動手段によって各ロールの位置の変更が可能となっている。グラビアロール13から第4ロール16までの全てが接続された配置では、グラビアロール13から第2ロール14に転移された処理液12は、その後、第3ロール15、第4ロール16の順で転移される。このようにして、グラビアロール13から第4ロール16までの処理液12の流れが形成される。なお、これらロールの中で、第2ロール14及び第4ロール16のいずれかが記録媒体の移動方向と順方向に回転する塗布ロールとして記録媒体の種類に応じて切り替えられて用いられる。また、第3ロール15は第2ロール14から第4ロール16へ処理液を搬送する補助ロールであり、第2ロール14及び第4ロール16に接続された際には、これらのロールに追従して回転する。
第1ロール13(一般にグラビアロールと呼ばれる。以下グラビアロール13ともいう。)は、表面に凹部のセルを有しその容積で初期供給量を決定する計量ロールである。これらのロール中で、第2ロール14と第4ロール16が塗工ロールであり、記録媒体2の種類に応じて予め割り当てられた塗工量(選定塗工量)での塗工を担当する。
この場合、最終ロール(第4ロール16)が選定塗工量用として記録媒体2に接して処理液12を塗工する形態となる。処理液塗工部5に配置された各ロールは、第1ロール13、第2ロール14、第3ロール15、第4ロール16と、記録媒体2を介して対向した位置に配置されるバックアップローラ17、18からなる。第1〜第4のロールは、各ロールの中心軸が平行に配置された状態で、記録媒体2の搬送方向に沿って並列されており、ロール移動手段によって各ロールの位置の変更が可能となっている。グラビアロール13から第4ロール16までの全てが接続された配置では、グラビアロール13から第2ロール14に転移された処理液12は、その後、第3ロール15、第4ロール16の順で転移される。このようにして、グラビアロール13から第4ロール16までの処理液12の流れが形成される。なお、これらロールの中で、第2ロール14及び第4ロール16のいずれかが記録媒体の移動方向と順方向に回転する塗布ロールとして記録媒体の種類に応じて切り替えられて用いられる。また、第3ロール15は第2ロール14から第4ロール16へ処理液を搬送する補助ロールであり、第2ロール14及び第4ロール16に接続された際には、これらのロールに追従して回転する。
第1ロール13(一般にグラビアロールと呼ばれる。以下グラビアロール13ともいう。)は、表面に凹部のセルを有しその容積で初期供給量を決定する計量ロールである。これらのロール中で、第2ロール14と第4ロール16が塗工ロールであり、記録媒体2の種類に応じて予め割り当てられた塗工量(選定塗工量)での塗工を担当する。
まず、グラビアロール13上に接して設けられたドクターブレード19とグラビアロール13間に処理液12が供給されて処理液溜りが形成される。処理液溜りからグラビアロール13上のセルに処理液12が供給されるとともにグラビアロール13の回転動作とともにドクターブレード19によって、セル上の処理液が削ぎ取られることにより塗工ロールへの初期の供給量が決定される。
計量された処理液12は第2ロール14に転移される。第2ロール14〜第4ロール16の表面は弾性ゴムが使用される。各ロールの表面は処理液12に対する濡れ性があり、処理液12をはじくことがないことが必要であり、各ロールの表面には処理液12の表面張力に対応したゴム表面が求められる。
各ロールの表面を構成するゴム材料としては、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、シリコーンゴムなどが好適に用いられる。また、各ロールの有するゴム表面を既知の技術であるプラズマやコロナ処理等により表面エネルギーを変え、処理液12濡れ性を向上してもよい。ゴム材料の硬さは、JIS6253準拠のデュロメータで20から70°が好ましく、より好ましくは20から50°である。塗工ロールが硬すぎる場合に、記録媒体の表面粗さが大きいと、塗工ロールが記録媒体表面の凹凸に追従できず、塗工むらが発生する場合がある。一方、柔らかすぎるゴム材料を用いた柔らか過ぎる塗工ロールを用いると、塗工ロール間でのニップの形成時の「ずり」により塗工ロールが変形し、塗工むらが発生する場合がある。
計量された処理液12は第2ロール14に転移される。第2ロール14〜第4ロール16の表面は弾性ゴムが使用される。各ロールの表面は処理液12に対する濡れ性があり、処理液12をはじくことがないことが必要であり、各ロールの表面には処理液12の表面張力に対応したゴム表面が求められる。
各ロールの表面を構成するゴム材料としては、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、シリコーンゴムなどが好適に用いられる。また、各ロールの有するゴム表面を既知の技術であるプラズマやコロナ処理等により表面エネルギーを変え、処理液12濡れ性を向上してもよい。ゴム材料の硬さは、JIS6253準拠のデュロメータで20から70°が好ましく、より好ましくは20から50°である。塗工ロールが硬すぎる場合に、記録媒体の表面粗さが大きいと、塗工ロールが記録媒体表面の凹凸に追従できず、塗工むらが発生する場合がある。一方、柔らかすぎるゴム材料を用いた柔らか過ぎる塗工ロールを用いると、塗工ロール間でのニップの形成時の「ずり」により塗工ロールが変形し、塗工むらが発生する場合がある。
グラビアロール13は計量ロールであるので、第2ロール14への塗工量は、グラビアセルの容積でほぼ決まることが分っており、使用するグラビアロールのセル形状により転移率は、セル容積の30〜40パーセントである。
一連のグラビアロール13から第2ロール14に転移された処理液12は、その後、第3ロール15、第4ロール16の順で転移されて、第4ロール16までの処理液12の流れを形成する。
第2ロール14から第4ロール16のゴム特性は同じものとして説明すると、ゴム特性が同じであるからロール間での処理液の転移率は50%となる。具体的には、グラビアロール13にセル容積15ml/m2のものを用いた場合、連続塗工の状態で第2ロール14への転移量は、約30%であり約4ml/m2である。各ロールからの戻り液があるため、第4ロール上の処理液量は、1.1ml/m2となりグロスコート紙への塗工量は、0.6ml/m2である。このように、第2ロール14から第4ロール16のゴム特性は同じ場合においても、これらのロールを接続して処理液の流れを形成すると、処理液の流れにおける上流部のロール上での処理液量よりも下流部のロール上の処理液の量は少なくなる。
一連のグラビアロール13から第2ロール14に転移された処理液12は、その後、第3ロール15、第4ロール16の順で転移されて、第4ロール16までの処理液12の流れを形成する。
第2ロール14から第4ロール16のゴム特性は同じものとして説明すると、ゴム特性が同じであるからロール間での処理液の転移率は50%となる。具体的には、グラビアロール13にセル容積15ml/m2のものを用いた場合、連続塗工の状態で第2ロール14への転移量は、約30%であり約4ml/m2である。各ロールからの戻り液があるため、第4ロール上の処理液量は、1.1ml/m2となりグロスコート紙への塗工量は、0.6ml/m2である。このように、第2ロール14から第4ロール16のゴム特性は同じ場合においても、これらのロールを接続して処理液の流れを形成すると、処理液の流れにおける上流部のロール上での処理液量よりも下流部のロール上の処理液の量は少なくなる。
なお、各ロールの表面は、処理液12で濡れることが必要であるため、各ロール表面のゴムの表面エネルギーを制御し、塗工量を調整することが可能である。この場合、下流部のロール上の処理液量は少なくなり、処理液層はより薄層化されるので、この下流部のロールの表面の表面エネルギーを上流側よりも低くすることが、ロール上に薄い処理液層を安定して形成する上で好ましい。
また、塗工量の調節は各ロールの表面の硬さによって制御することもできる。柔らかなロール表面からの塗工量は少なくなるため、複数配列されたロールの処理液の流れの下流側に柔らかなロールを配置することで、そのロールからの塗工量を減じることが可能となる。更に、各ロール間での表面エネルギー差に加えてロール表面の硬度差を併用して、処理液の流れの上流側から下流側に向かって塗工量が低減するロール配置を得ることもできる。
また、塗工量の調節は各ロールの表面の硬さによって制御することもできる。柔らかなロール表面からの塗工量は少なくなるため、複数配列されたロールの処理液の流れの下流側に柔らかなロールを配置することで、そのロールからの塗工量を減じることが可能となる。更に、各ロール間での表面エネルギー差に加えてロール表面の硬度差を併用して、処理液の流れの上流側から下流側に向かって塗工量が低減するロール配置を得ることもできる。
本実施形態では、処理液供給系は、グラビアロール13とドクターブレード19でできる液溜りに処理液を供給する形態であるが、これに限定されず、通常使用されるパン方式やチャンバードクター方式なども用いることができる。
図3では、マットコート紙の場合の処理液塗工手段を説明する。記録媒体2はマットコート紙(ニューVマット紙、坪量 127.9g/m2)である。制御処理装置11でマットコート紙を選択すると処理液塗工部5は図3に示したロール配置となり、第3ロール15が第2ロール14から離れ、第4ロール16が記録媒体2であるマットコート紙から離れる。そして、選定塗工量用の塗工ロールとして第2ロール14が記録媒体2に接し、処理液12を塗工する。この状態で、第1ロール13からの処理液の流れは、第2ロール14までとなり、第3ロール15への処理液の流れは遮断される。
この時、前記同様にグラビアロール13でセル容積15ml/m2を用いた場合、ニューVマット紙上での塗工量は、約2ml/m2となる。なお、第2ロールから第4ロールのゴム材料の硬さは、紙の表面凹凸に追従することが必要になるため柔らかいことが好ましい。このゴム硬度としては、20〜70°の範囲から選択されることが好ましく、25°〜50°の範囲から選択されることがより好ましい。
隣接するロール間での圧力は、2〜10kg/cm2の範囲から選択されることが好ましく、4〜8kg/cm2の範囲から選択されることがより好ましい。
この時、前記同様にグラビアロール13でセル容積15ml/m2を用いた場合、ニューVマット紙上での塗工量は、約2ml/m2となる。なお、第2ロールから第4ロールのゴム材料の硬さは、紙の表面凹凸に追従することが必要になるため柔らかいことが好ましい。このゴム硬度としては、20〜70°の範囲から選択されることが好ましく、25°〜50°の範囲から選択されることがより好ましい。
隣接するロール間での圧力は、2〜10kg/cm2の範囲から選択されることが好ましく、4〜8kg/cm2の範囲から選択されることがより好ましい。
なお、本実施例では、グロスコートとマットコート紙の場合で説明したが、キャストコート紙を用いた場合も塗工ロールを複数設けて多種の記録媒体に対応可能である。また、ロールの配置により、塗工量の大小配列は、記録媒体の搬送方向に沿って「塗工量大→塗工量小」及び「塗工量小→塗工量大」どちらでの配置でも設定することが可能である。
(処理液)
本発明における処理液塗工部5で使用する処理液12について説明する。処理液12は、インク高粘度化成分を含有する。ここで、インクの高粘度化には、少なくとも以下の各場合が含まれる。
・インクを構成している色材や樹脂等のインクの高粘度化に寄与する成分が、インク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインク全体の粘度上昇が認められる場合。
・インク中の色材などの凝集可能な成分が凝集する事により局所的に粘度上昇を生じる場合。
本発明における処理液塗工部5で使用する処理液12について説明する。処理液12は、インク高粘度化成分を含有する。ここで、インクの高粘度化には、少なくとも以下の各場合が含まれる。
・インクを構成している色材や樹脂等のインクの高粘度化に寄与する成分が、インク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインク全体の粘度上昇が認められる場合。
・インク中の色材などの凝集可能な成分が凝集する事により局所的に粘度上昇を生じる場合。
このインク高粘度化成分は記録媒体2上でのインク全体、あるいはインク中の成分の流動性を低下せしめて、画像形成時のブリーディング、ビーディングを抑制する効果がある。
すなわち、インクジェット法を用いた画像形成においては単位面積当たりのインク塗工量が多量となる場合があり、そのような時にはインクの滲みや混じり合いであるブリーディング、ビーディングが起こりやすい。しかし、処理液12が記録媒体2上に塗工されている事によって、インクにより画像が形成される時にインクの流動性が低下するためブリーディングやビーディングが起こりにくく、結果として画像が良好に形成・保持されることとなる。
すなわち、インクジェット法を用いた画像形成においては単位面積当たりのインク塗工量が多量となる場合があり、そのような時にはインクの滲みや混じり合いであるブリーディング、ビーディングが起こりやすい。しかし、処理液12が記録媒体2上に塗工されている事によって、インクにより画像が形成される時にインクの流動性が低下するためブリーディングやビーディングが起こりにくく、結果として画像が良好に形成・保持されることとなる。
使用するインク高粘度化成分は、画像形成に使用するインクの種類によって適切に選択するのが望ましい。例えば、染料を色材として含有する染料インクに対しては高分子凝集剤を用いることが有効であり、顔料を色材として含有する顔料インクに対しては、多価の金属イオンを含有する液体や、酸緩衝液などのpH調整剤を用いることが有効である。また別のインク高粘度化成分の例として、カチオンポリマーなど複数のイオン性基を有する化合物を用いるのも良い。また、これらの化合物を2種類以上併用するのも有効である。
インク高粘度化成分として使用できる高分子凝集剤としては、例えば、陽イオン性高分子凝集剤、陰イオン性高分子凝集剤、非イオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤等が挙げられる。
インク高粘度化成分として使用できる金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+およびAl3+等の三価の金属イオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。そして、これらの金属イオンを含有する液体を塗工する場合には、金属塩水溶液として塗工することが望ましい。金属塩の陰イオンとしては、Cl−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、I−、Br−、ClO3 −、HCOO−、RCOO−(Rはアルキル基)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に、これらの1種以上または2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属塩水溶液を用いる場合の金属塩濃度は0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。また、20質量%以下が好ましい。
インク高粘度化成分として使用できる金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+およびAl3+等の三価の金属イオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。そして、これらの金属イオンを含有する液体を塗工する場合には、金属塩水溶液として塗工することが望ましい。金属塩の陰イオンとしては、Cl−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、I−、Br−、ClO3 −、HCOO−、RCOO−(Rはアルキル基)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に、これらの1種以上または2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属塩水溶液を用いる場合の金属塩濃度は0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。また、20質量%以下が好ましい。
また、インク高粘度化成分として使用できるpH調整剤としてはpHが7未満の酸性溶液が好適に用いられる。酸性溶液を形成するための酸としては、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸、蓚酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸等の有機酸が挙げられる。またこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩も同様に好ましく用いることができる。更に、これらの1種以上または2種以上を組み合わせて用いることができる。
またpH緩衝能を有する酸緩衝液(バッファー)は、インクにより見かけ上の処理液濃度が低下してもpHの変動が少ないためインクとの反応性が衰えないので、極めて好適に用いられる。pH緩衝能を得るためには、処理液中に緩衝剤を含有させることが好ましい。
用いることのできる緩衝剤としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム等の酢酸塩、リン酸水素塩、炭酸水素塩、或いは、フタル酸水素ナトリウム、フタル酸水素カリウム等の多価カルボン酸の水素塩を用いることができる。更に、多価カルボン酸の具体例としては、フタル酸以外にも、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等が挙げられる。これ以外でも、添加することによってpHに対して緩衝作用を発現させる従来公知の化合物は、いずれも好適に用いることができる。更に、これらの1種以上または2種以上を組み合わせて用いることができる。
用いることのできる緩衝剤としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム等の酢酸塩、リン酸水素塩、炭酸水素塩、或いは、フタル酸水素ナトリウム、フタル酸水素カリウム等の多価カルボン酸の水素塩を用いることができる。更に、多価カルボン酸の具体例としては、フタル酸以外にも、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等が挙げられる。これ以外でも、添加することによってpHに対して緩衝作用を発現させる従来公知の化合物は、いずれも好適に用いることができる。更に、これらの1種以上または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、処理液12は、水、または水と水溶性有機溶剤との混合物を水性液媒体とし、上述した各種のインク高粘度化成分を含有させて調製することができる。水溶性有機溶剤としては、例えば、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルカンジオール類。ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテルなどのグリコールエーテル類。エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノールなどの炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド類。アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オンなどのケトン、又は、ケトアルコール。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類。グリセリン。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのアルキレングリコール類。チオジグリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体などの多価アルコール類。2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物などが好適に用いられる。また、これらの中から2種類以上の物を選択して混合して用いることもできる。また、処理液は必要に応じて所望の性質を持たせるため、上記の成分のほかに消泡剤、防腐剤、防黴剤などを適宜に添加することができる。
また処理液12には、定着性を向上させるために、もしくは最終的に形成された画像の堅牢性を向上させるために、各種樹脂を添加することもできる。樹脂を添加しておくことで定着時の被記録体への接着性を良好な物としたり、インク被膜の機械強度を高めたりすることが可能である。また種類によっては画像の耐水性の向上も見込める。樹脂としては、インク高粘度化成分と共存でき、かつ目的とする効果が得られるものであればあれば制限は無い。例としてポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの有機ポリマーが好適に用いられる。またインクに含まれる成分と反応し架橋するような樹脂も好適である。例としては、インク中での色材分散のために頻繁に用いられるカルボン酸と反応し架橋する、オキザゾリンやカルボジイミドが挙げられる。
これらの樹脂は処理液溶媒に溶解させてあっても良いし、エマルション状態やサスペンション状態で添加してあっても良い。
また、処理液は界面活性剤を加えてその表面張力を適宜調整して用いることができる。界面活性剤としては、イオン性、非イオン性、カチオン性、アニオン性等の公知の界面活性剤から目的とする効果を得ることができるものを適宜選択し使用することができる。また、界面活性剤として側鎖型ポリエーテル変性シロキサン化合物を含有してもよい。更に、記録媒体表面の処理液による良好な濡れ性が得られるように、記録媒体の種類に対応できる表面張力を有するように処理液を調製することが好ましい。
これらの樹脂は処理液溶媒に溶解させてあっても良いし、エマルション状態やサスペンション状態で添加してあっても良い。
また、処理液は界面活性剤を加えてその表面張力を適宜調整して用いることができる。界面活性剤としては、イオン性、非イオン性、カチオン性、アニオン性等の公知の界面活性剤から目的とする効果を得ることができるものを適宜選択し使用することができる。また、界面活性剤として側鎖型ポリエーテル変性シロキサン化合物を含有してもよい。更に、記録媒体表面の処理液による良好な濡れ性が得られるように、記録媒体の種類に対応できる表面張力を有するように処理液を調製することが好ましい。
記録媒体への処理液の塗工量は、上記の如く、目的とするインクの高粘度化が達成できること、印刷用紙の性状(風合いと呼ばれる)を変えないことなどの要件を考慮して決定される。この値は、0.1〜5g/m2程度の範囲から選択することができる。つまり、インクの高粘度化を生じさせる範囲において少ない塗工量による薄層塗工が好ましい。
(インク吐出部)
処理液塗工部5で処理液12が塗工された後、画像形成手段としてのインク吐出部6からインクが吐出され、記録媒体2の表面に画像が形成される。インク吐出部6は、処理液塗工部5の搬送方向下流側に配置される。インク吐出部6には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクに対応する記録ヘッド6K、6C、6M、6Yが設けられている。各記録ヘッド6K、6C、6M、6Yは記録媒体2に対向する吐出面から外部の画像信号に応じて、それぞれ対応する各色インクを吐出する。これにより、記録媒体2の記録面上に各色インクで画像が形成される。
尚、インク吐出部5は、そのインク吐出方式や形態について特に限定されるものではない。コンティニュアス方式のほか、電気熱変換素子(発熱素子)や電気機械変換素子(ピエゾ素子)などを用いるオンデマンド方式にてインク吐出を行うものを用いることもできる。
また、インク吐出部6としては、例えば図1の構成に関して言えば、図面に直交する方向に、すなわち記録媒体2の記録面の横幅全体にわたって吐出口を配列してなるラインヘッド形態のインクジェットヘッドを用いることができる。更に、記録媒体2の記録面に対して走査して画像形成を行う走査型形態のインクジェットヘッドを用いることもできる。さらに、画像形成に使用するインクの色に応じた数の走査型形態のインクジェットヘッドを用いることもできる。このように、インク吐出部6に使用する画像形成手段の構成や形態は特に限定されない。
処理液塗工部5で処理液12が塗工された後、画像形成手段としてのインク吐出部6からインクが吐出され、記録媒体2の表面に画像が形成される。インク吐出部6は、処理液塗工部5の搬送方向下流側に配置される。インク吐出部6には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクに対応する記録ヘッド6K、6C、6M、6Yが設けられている。各記録ヘッド6K、6C、6M、6Yは記録媒体2に対向する吐出面から外部の画像信号に応じて、それぞれ対応する各色インクを吐出する。これにより、記録媒体2の記録面上に各色インクで画像が形成される。
尚、インク吐出部5は、そのインク吐出方式や形態について特に限定されるものではない。コンティニュアス方式のほか、電気熱変換素子(発熱素子)や電気機械変換素子(ピエゾ素子)などを用いるオンデマンド方式にてインク吐出を行うものを用いることもできる。
また、インク吐出部6としては、例えば図1の構成に関して言えば、図面に直交する方向に、すなわち記録媒体2の記録面の横幅全体にわたって吐出口を配列してなるラインヘッド形態のインクジェットヘッドを用いることができる。更に、記録媒体2の記録面に対して走査して画像形成を行う走査型形態のインクジェットヘッドを用いることもできる。さらに、画像形成に使用するインクの色に応じた数の走査型形態のインクジェットヘッドを用いることもできる。このように、インク吐出部6に使用する画像形成手段の構成や形態は特に限定されない。
(インク)
インクとしては、処理液により高粘度化可能なものから、インク吐出部6からの吐出性能等の画像形成に必要とされる特性を有するものを選択して用いることができる。このようなインクとしては、少なくとも、色材成分と液媒体を含むインクを用いることができる。液媒体としては、水、あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物等の水性液媒体を用いることができ、水性液媒体を用いて水性インクを得ることができる。画像形成にインクジェット法を用いる場合には、インクジェット用の水性インクとして広く用いられている染料及び/または顔料を色材として含有するインクを用いることができる。特に、顔料インクは、堅牢性のよい印刷画像が得られるため好適である。
染料としては、例えば、C.Iダイレクトブルー6、8、22、34、70、71、76、78、86、142、199、C.Iアシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、117、120、167、229、C.Iダイレクトレッド1、4、17、28、83、227、C.Iアシッドレッド1、4、8、13、14、15、18、21、26、35、37、249、257、289、C.Iダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132、142、C.Iアシッドイエロー1、3、4、7、11、12、13、14、19、23、25、34、44、71、C.Iフードブラック1、2、C.Iアシッドブラック2、7、24、26、31、52、112、118等が挙げられる。これらの1種以上または2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料としては、例えば、C.Iピグメントブルー1、2、3、15:3、16、22、C.Iピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、112、122、C.Iピグメントイエロー1、2、3、13、16、83、カーボンブラックNo2300、900、33、40、52、MA7、8、MCF88(三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL330R、660R、MOGUL(キャボット製)、Color Black FW1、FW18、S170、S150、Printex35(デグッサ製)等が挙げられる。これらの1種以上または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの顔料は、形態としての限定を受けず、例えば、自己分散タイプ、樹脂分散タイプ、マイクロカプセルタイプ等のものをいずれも使用することが可能である。
インクとしては、処理液により高粘度化可能なものから、インク吐出部6からの吐出性能等の画像形成に必要とされる特性を有するものを選択して用いることができる。このようなインクとしては、少なくとも、色材成分と液媒体を含むインクを用いることができる。液媒体としては、水、あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物等の水性液媒体を用いることができ、水性液媒体を用いて水性インクを得ることができる。画像形成にインクジェット法を用いる場合には、インクジェット用の水性インクとして広く用いられている染料及び/または顔料を色材として含有するインクを用いることができる。特に、顔料インクは、堅牢性のよい印刷画像が得られるため好適である。
染料としては、例えば、C.Iダイレクトブルー6、8、22、34、70、71、76、78、86、142、199、C.Iアシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、117、120、167、229、C.Iダイレクトレッド1、4、17、28、83、227、C.Iアシッドレッド1、4、8、13、14、15、18、21、26、35、37、249、257、289、C.Iダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132、142、C.Iアシッドイエロー1、3、4、7、11、12、13、14、19、23、25、34、44、71、C.Iフードブラック1、2、C.Iアシッドブラック2、7、24、26、31、52、112、118等が挙げられる。これらの1種以上または2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料としては、例えば、C.Iピグメントブルー1、2、3、15:3、16、22、C.Iピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、112、122、C.Iピグメントイエロー1、2、3、13、16、83、カーボンブラックNo2300、900、33、40、52、MA7、8、MCF88(三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL330R、660R、MOGUL(キャボット製)、Color Black FW1、FW18、S170、S150、Printex35(デグッサ製)等が挙げられる。これらの1種以上または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの顔料は、形態としての限定を受けず、例えば、自己分散タイプ、樹脂分散タイプ、マイクロカプセルタイプ等のものをいずれも使用することが可能である。
インクには色材としての顔料を分散させるための分散樹脂を含有させることができる。この顔料の分散剤としては、水溶性で、重量平均分子量が1,000〜15,000程度の分散樹脂が好適に使用できる。具体的には、例えば、ビニル系水溶性樹脂;並びに、スチレンおよびその誘導体、ビニルナフタレンおよびその誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル酸およびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、イタコン酸およびその誘導体、フマル酸およびその誘導体から選択されるモノマーを用いたブロック共重合体或いはランダム共重合体、また、これらの塩等が挙げられる。
また、最終的に形成された画像の堅牢性をより向上させるために、水溶性樹脂や水溶性架橋剤を添加することもできる。用いられる材料としてはインク成分と共存できるものであれば制限は無い。水溶性樹脂としては上記した分散樹脂等を挙げることができ、これらの分散樹脂等を用いることで、インク中での顔料の分散機能に加えて、画像の堅牢性向上機能を更に得ることができる。水溶性架橋剤としては、反応性の遅いオキザゾリンやカルボジイミドがインク安定性の面で好適に用いられる。
インクの水性液媒体に含有させる水溶性有機溶剤としては、高沸点で蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。このような水溶性有機溶剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン等を挙げることができる。また、これらの中から選択した2種類以上のものを混合して用いることもできる。
また、粘度、表面張力等を調整する成分として、エチルアルコールやイソプロピルアルコール等のアルコール類や界面活性剤をインク中に添加することもできる。
インクを構成する成分の配合比についても限定を受けることがなく、選択したインクジェットヘッドの吐出力、ノズル径等から吐出可能な範囲で、適宜に調製することが可能である。一般的には、質量基準で、色材0.1〜10%、水溶性有機溶剤5〜40%、界面活性剤0.01〜5%とし、残りを純水で調整したインクを用いることができる。
また、粘度、表面張力等を調整する成分として、エチルアルコールやイソプロピルアルコール等のアルコール類や界面活性剤をインク中に添加することもできる。
インクを構成する成分の配合比についても限定を受けることがなく、選択したインクジェットヘッドの吐出力、ノズル径等から吐出可能な範囲で、適宜に調製することが可能である。一般的には、質量基準で、色材0.1〜10%、水溶性有機溶剤5〜40%、界面活性剤0.01〜5%とし、残りを純水で調整したインクを用いることができる。
(溶媒除去部)
溶媒除去部7には、記録媒体2上に形成されたインク凝集画像から定着可能な状態にまで液体成分を除去するための手段を配置している。一例としては、加熱送風機(不図示)を設けた乾燥炉7Aが配置されている。記録媒体2の最適な記録条件のために記録媒体2上に形成されたインク凝集画像から液体成分を減少させることが好ましい。液体成分の減少が不十分であると次工程である定着部8において余剰液体がはみ出し画像乱れを引き起こすことがある。
液体成分を減少させるための手段としては、各種の液体成分除去手段から、インクを用いて形成された画像に含まれる液体成分の種類に応じた液体成分除去手段を選択して用いることができる。反応液及びインクが水性液媒体を含有する場合には、伝熱、輻射を可能とする加熱手段、例えば赤外線加熱などによる加熱蒸発手段や、乾燥空気を送風する手段、吸収体による液体吸水手段、またこれらの組み合わせによる手段が好適に用いられる。
溶媒除去部7には、記録媒体2上に形成されたインク凝集画像から定着可能な状態にまで液体成分を除去するための手段を配置している。一例としては、加熱送風機(不図示)を設けた乾燥炉7Aが配置されている。記録媒体2の最適な記録条件のために記録媒体2上に形成されたインク凝集画像から液体成分を減少させることが好ましい。液体成分の減少が不十分であると次工程である定着部8において余剰液体がはみ出し画像乱れを引き起こすことがある。
液体成分を減少させるための手段としては、各種の液体成分除去手段から、インクを用いて形成された画像に含まれる液体成分の種類に応じた液体成分除去手段を選択して用いることができる。反応液及びインクが水性液媒体を含有する場合には、伝熱、輻射を可能とする加熱手段、例えば赤外線加熱などによる加熱蒸発手段や、乾燥空気を送風する手段、吸収体による液体吸水手段、またこれらの組み合わせによる手段が好適に用いられる。
(定着部)
定着部8には、記録媒体2上に形成された画像を接触させ、画像を定着形成させる加熱加圧ローラ8A、8Bが配置されている。図1に例示した装置においては加熱加圧ローラ8A、8Bで記録媒体2を挟み込むように加圧し、効率の良い画像定着を実現している。本実施形態によれば、この段階で既に記録媒体2上でインク中の液体成分は減少し高粘度化されているので、コート紙などインク吸収量の少ない記録媒体を用いても良好な画像を形成することができる。
定着部8には、記録媒体2上に形成された画像を接触させ、画像を定着形成させる加熱加圧ローラ8A、8Bが配置されている。図1に例示した装置においては加熱加圧ローラ8A、8Bで記録媒体2を挟み込むように加圧し、効率の良い画像定着を実現している。本実施形態によれば、この段階で既に記録媒体2上でインク中の液体成分は減少し高粘度化されているので、コート紙などインク吸収量の少ない記録媒体を用いても良好な画像を形成することができる。
(記録媒体の搬送を補助する補助部)
記録媒体の搬送を補助する補助部9は、搬送を補助する部材である。形態は、本実施例ではガイドであるが、ロールを多段配置した構成としてもよい。また、インク吐出部6の描画工程で安定な画像形成を行うため加熱する構成にしてもよい。
記録媒体の搬送を補助する補助部9は、搬送を補助する部材である。形態は、本実施例ではガイドであるが、ロールを多段配置した構成としてもよい。また、インク吐出部6の描画工程で安定な画像形成を行うため加熱する構成にしてもよい。
(ブロック図)
図4は画像形成装置の制御系の概略構成例を示すブロック図である。
図4は画像形成装置の制御系の概略構成例を示すブロック図である。
本実施例形態の記録装置1において、CPU101は、記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。メモリ102は、それらの処理手順等のプログラムを格納するROM(不図示)と、それらの処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(不図示)と、を含む記憶部である。I/F103は、記録装置1と、ホストコンピュータ等の画像データの供給源である制御処理装置11との間において、データやコマンド等の情報を授受するためのインターフェイスである。
また、制御処理装置11は、選択された記録媒体2の種類の情報をI/F103を通してCPU101に信号を送る。その信号に従ってCPU101は処理液塗工部5の駆動モータに信号を送り、各ロールの位置を制御する。バスライン120には、記録媒体2の駆動ロールを駆動する搬送用の駆動モータ9、処理液塗工部5、インク吐出部6、溶媒除去部7、定着部8の各部が接続されている。さらに、バスライン120には、各工程の加熱用ヒータ104と送風用モータ105の各部が接続されている。したがって、CPU101は、バスライン120を介して各部と適宜信号を授受しながら、所要の制御を実行することができる。また、制御対象である各部には状態検出用センサが配設されており、それらの検出信号は、バスライン120を介してCPU101に伝達することができ
(一連動作)
次に、図5のフローチャートに基づいて、記録装置の一連の記録動作について説明する。画像形成装置1の電源が投入されて、記録の開始が指示されると、まず初期開始処理を実行する(ステップS1)。その開始処理においては、記録媒体2の搬送用駆動モータをONとし、記録媒体を所定位置に設定する。その後駆動モータをOFFとする。さらに、各工程にある加熱用ヒータをONとし所定の温度に昇温する。これにより、各部を所定温度に設定・調節することができる。溶媒除去部7において、送風用モータを駆動する。 また、インク吐出部6に配置したインクジェットヘッドによるインクの吐出のためのクリーニングを行う。次に、コンピュータ等の制御処理装置11で記録媒体2について、グロス媒体(グロスコート紙)かマット媒体(マットコート紙)かについての指定を行う(ステップS2)。
(一連動作)
次に、図5のフローチャートに基づいて、記録装置の一連の記録動作について説明する。画像形成装置1の電源が投入されて、記録の開始が指示されると、まず初期開始処理を実行する(ステップS1)。その開始処理においては、記録媒体2の搬送用駆動モータをONとし、記録媒体を所定位置に設定する。その後駆動モータをOFFとする。さらに、各工程にある加熱用ヒータをONとし所定の温度に昇温する。これにより、各部を所定温度に設定・調節することができる。溶媒除去部7において、送風用モータを駆動する。 また、インク吐出部6に配置したインクジェットヘッドによるインクの吐出のためのクリーニングを行う。次に、コンピュータ等の制御処理装置11で記録媒体2について、グロス媒体(グロスコート紙)かマット媒体(マットコート紙)かについての指定を行う(ステップS2)。
記録媒体2の種類の指定をすると処理液塗工部5のロール配置を決め、処理液塗工部5の各ロールが接離を行なう(ステップS3)。具体的には、グロスコート紙を選択した場合は、ロール位置駆動系により、各ロールを移動させ図2に示した配置とする。この時、各ロールは、記録媒体2に接しておらず、配置を終えた状態で均し運転を行う(ステップS4)。
初期状態が終了したことを装置内部のセンサで確認が取れた(ステップS5)後、記録開始を制御処理装置11から指示すると駆動系によって記録媒体2の搬送が開始される。同時に画像信号を受け取ると、その画像信号に基づいて、インク吐出部6による吐出動作を制御するための記録データを生成して、それをメモリ領域へ展開する(ステップS7)。例えば、画像信号として、本例において使用する各インク色(K、C、MおよびY)に対応し、かつノズルからのインクの吐出の有無に対応する2値の画像信号が制御処理装置11から送られてくる。この場合には、データは、インク吐出動作を規制する記録データとして、各色インク吐出記録ヘッド用のメモリ領域に展開する。また、3値以上の多値の画像信号が制御処理装置11から送られてくる場合には、CPU101が所定の2値化処理プログラムを実行することによって、その画像信号を2値の画像信号に変換する。
より具体的に、解像度1200dpiのカラー画像を記録する際には、まず、記録装置内の画像処理部(不図示)が、制御処理装置11から送られた多値の画像信号を誤差拡散法により2値化して、K、C、MおよびYの2値化記録データを生成する。
同時に定着部8の各ロールが駆動回転する。搬送駆動されている記録媒体2に対して、処理液塗工部5は、第4ロールを記録媒体に接触させ、第4ロールとバックアップロールとに挟まれて塗工が開始される。 処理液塗工部5で処理液が記録媒体に塗工された後、記録データ(インクの吐出データ)に基づいて、インク吐出部6の記録ヘッド6(6K、6C、6M、6Y)を駆動することにより、それらの記録ヘッド6からインクを吐出させ、画像信号により指示された画像が形成される。その後、水分等の液体成分を含む画像は溶媒除去部7にて乾燥処理される。定着部8における各ロールの押圧制御装置によって所定の定着圧が付与され、画像が記録媒体2上に定着される。画像形成が終了することによりすべての駆動モータが停止する。
より具体的に、解像度1200dpiのカラー画像を記録する際には、まず、記録装置内の画像処理部(不図示)が、制御処理装置11から送られた多値の画像信号を誤差拡散法により2値化して、K、C、MおよびYの2値化記録データを生成する。
同時に定着部8の各ロールが駆動回転する。搬送駆動されている記録媒体2に対して、処理液塗工部5は、第4ロールを記録媒体に接触させ、第4ロールとバックアップロールとに挟まれて塗工が開始される。 処理液塗工部5で処理液が記録媒体に塗工された後、記録データ(インクの吐出データ)に基づいて、インク吐出部6の記録ヘッド6(6K、6C、6M、6Y)を駆動することにより、それらの記録ヘッド6からインクを吐出させ、画像信号により指示された画像が形成される。その後、水分等の液体成分を含む画像は溶媒除去部7にて乾燥処理される。定着部8における各ロールの押圧制御装置によって所定の定着圧が付与され、画像が記録媒体2上に定着される。画像形成が終了することによりすべての駆動モータが停止する。
以上のようにして、記録媒体の搬送、処理液塗工、インク像の形成、溶媒除去、および定着を含む一連の動作により、記録媒体2に対する画像形成が完了すると、終了処理が行われる(ステップ8)。記録を続ける場合には、画像信号に応じて、上記の一連の動作を繰り返すことができる。一方、記録動作を終了して電源を切る場合には、各ヒータの駆動および記録媒体2の回転駆動のオフを行う(ステップS9〜10)。
マットコート紙を選択した場合には図3のロール配置とし、それ以外は上記と同様にして各動作を行う。
マットコート紙を選択した場合には図3のロール配置とし、それ以外は上記と同様にして各動作を行う。
(実施例1)
本実施例で使用されるインクおよび処理液、並びに処理液塗工部を以下に示す。なお、部または%は特に記載されていない限り、質量基準である。
本実施例で使用されるインクおよび処理液、並びに処理液塗工部を以下に示す。なお、部または%は特に記載されていない限り、質量基準である。
(インク)
処理液との混合により凝集を伴う高粘度化を引き起こす顔料インクの一例として以下のものを挙げることができる。
処理液との混合により凝集を伴う高粘度化を引き起こす顔料インクの一例として以下のものを挙げることができる。
すなわち、以下に示す調製方法により、顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色インクY、M、CおよびKを得ることができる。
[ブラックインクK]
アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エチルアクリレート共重合体、酸価400、重量平均分子量6,000、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)を分散剤として用い、以下の組成に示す各材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去し、重量平均粒径100nmの粒子を含むカーボンブラック分散体を作製した。
(カーボンブラック分散体の組成)
・P−1水溶液(固形分20%):40部
・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製):24部
・グリセリン:15部
・エチレングリコールモノブチルエーテル:0.5部
・イソプロピルアルコール:3部
・水:135部
次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含有されたインクジェット用のブラックインクKを得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エチルアクリレート共重合体、酸価400、重量平均分子量6,000、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)を分散剤として用い、以下の組成に示す各材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去し、重量平均粒径100nmの粒子を含むカーボンブラック分散体を作製した。
(カーボンブラック分散体の組成)
・P−1水溶液(固形分20%):40部
・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製):24部
・グリセリン:15部
・エチレングリコールモノブチルエーテル:0.5部
・イソプロピルアルコール:3部
・水:135部
次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含有されたインクジェット用のブラックインクKを得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
[シアンインクC]
ブラックインクKの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下の組成に示す各材料を用いて、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分散処理を行い、重量平均粒径120nmの粒子を含むシアン色分散体を作製した。
(シアン色分散体の組成)
・P−1水溶液(固形分20%):30部
・C.I.ビグメントブルー15:3:24部
(ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学)
・グリセリン:15部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:0.5部
・イソプロピルアルコール:3部
・水:135部
上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料が含有されたインクジェット用のシアンインクCを得た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
[マゼンタインクM]
ブラックインクKの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下の組成に示す各材料を用いて、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分散処理を行い、重量平均粒径115nmの粒子を含むマゼンタ色分散体を作製した。
(マゼンタ色分散体の組成)
・P−1水溶液(固形分20%):20部
・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学):24部
・グリセリン:15部
・イソプロピルアルコール:3部
・水:135部
上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクMを得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
[イエローインクY]
アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量11,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノールアミン)を分散剤として用い、以下の組成に示す各材料を用いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処理を行い、重量平均粒径103nmの粒子を含むイエロー色分散体を作製した。
(イエロー分散体の組成)
・P−2水溶液(固形分20%):35部
・C.I.ピグメントイエロー180:24部
(ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製)
・トリエチレングリコール:10部
・ジエチレングリコール:10部
・エチレングリコールモノブチルエーテル:1.0部
・イソプロピルアルコール:0.5部
・水:135部
上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料が含有されたインクジェット用のイエローインクYを得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
ブラックインクKの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下の組成に示す各材料を用いて、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分散処理を行い、重量平均粒径120nmの粒子を含むシアン色分散体を作製した。
(シアン色分散体の組成)
・P−1水溶液(固形分20%):30部
・C.I.ビグメントブルー15:3:24部
(ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学)
・グリセリン:15部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:0.5部
・イソプロピルアルコール:3部
・水:135部
上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料が含有されたインクジェット用のシアンインクCを得た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
[マゼンタインクM]
ブラックインクKの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下の組成に示す各材料を用いて、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分散処理を行い、重量平均粒径115nmの粒子を含むマゼンタ色分散体を作製した。
(マゼンタ色分散体の組成)
・P−1水溶液(固形分20%):20部
・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学):24部
・グリセリン:15部
・イソプロピルアルコール:3部
・水:135部
上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクMを得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
[イエローインクY]
アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量11,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノールアミン)を分散剤として用い、以下の組成に示す各材料を用いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処理を行い、重量平均粒径103nmの粒子を含むイエロー色分散体を作製した。
(イエロー分散体の組成)
・P−2水溶液(固形分20%):35部
・C.I.ピグメントイエロー180:24部
(ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製)
・トリエチレングリコール:10部
・ジエチレングリコール:10部
・エチレングリコールモノブチルエーテル:1.0部
・イソプロピルアルコール:0.5部
・水:135部
上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料が含有されたインクジェット用のイエローインクYを得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
(処理液)
上記インク中の着色剤としての顔料を凝集する処理液および処理液に先だって記録媒体に塗工する補助液は、以下のようにして得ることができる。すなわち、下記の成分を混合溶解した後、さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品名:フロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧濾過した後、KOHでpHを4.0に調整し、無色の処理液A1を得ることができる。
[A1の成分]
・レブリン酸:40部
・側鎖型ポリエーテル変性シロキサン
・商品名:BYK349(ビックケミー社製):30部
・1,5−ペンタンジオール:5部
・KOH:1部
・水:残部
画像形成装置の処理液塗工部5の処理液塗工ユニットのブレード上に上記処理液A1を供給した。次に制御処理装置11にて、記録媒体としてオーロラコート紙(日本製紙製 坪量127.9g/m2)を選定した。処理液塗工ユニットでは、各ロールの配置はオーロールコート紙用に設定された。ここで使用したグラビアロールとして、ヘキサゴナル形状のセル(セル容積:15ml/m2)を有するセラミックス製ロールを用い、ドクターブレードで処理液A1を計量した。各ロールの駆動に伴い、第2ロール、第3ロール、第4ロールに処理液A1は転移された。第2ロール、第3ロール、第4ロールの表面にはゴム硬さ25°のEPDMゴムロール(明和ゴム社製)を取り付けた。各ロールのニップ圧力は、4kg/cm2であった。記録装置の記録速度は、0.3m/sである。最終的に記録媒体上に第4ロールから処理液A1が転移された。その時の塗工液の塗工量は、0.6g/m2であった。塗工量は、シートの一部を切り取り重量にて測定した。ただし、水分蒸発が生じるために処理液乾燥後の重量から初期塗工量を算出した。画像開始信号とともに、処理液塗工ユニットで記録媒体上に処理液を塗工した。この後、記録ヘッドにて記録媒体に描画を行い、グロスコート紙にインク凝集像を得た。インク凝集像を70℃の温風乾燥にて水分を飛ばした後、定着ローラを用いて定着温度120℃で画像を記録媒体に定着させた。
上記インク中の着色剤としての顔料を凝集する処理液および処理液に先だって記録媒体に塗工する補助液は、以下のようにして得ることができる。すなわち、下記の成分を混合溶解した後、さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品名:フロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧濾過した後、KOHでpHを4.0に調整し、無色の処理液A1を得ることができる。
[A1の成分]
・レブリン酸:40部
・側鎖型ポリエーテル変性シロキサン
・商品名:BYK349(ビックケミー社製):30部
・1,5−ペンタンジオール:5部
・KOH:1部
・水:残部
画像形成装置の処理液塗工部5の処理液塗工ユニットのブレード上に上記処理液A1を供給した。次に制御処理装置11にて、記録媒体としてオーロラコート紙(日本製紙製 坪量127.9g/m2)を選定した。処理液塗工ユニットでは、各ロールの配置はオーロールコート紙用に設定された。ここで使用したグラビアロールとして、ヘキサゴナル形状のセル(セル容積:15ml/m2)を有するセラミックス製ロールを用い、ドクターブレードで処理液A1を計量した。各ロールの駆動に伴い、第2ロール、第3ロール、第4ロールに処理液A1は転移された。第2ロール、第3ロール、第4ロールの表面にはゴム硬さ25°のEPDMゴムロール(明和ゴム社製)を取り付けた。各ロールのニップ圧力は、4kg/cm2であった。記録装置の記録速度は、0.3m/sである。最終的に記録媒体上に第4ロールから処理液A1が転移された。その時の塗工液の塗工量は、0.6g/m2であった。塗工量は、シートの一部を切り取り重量にて測定した。ただし、水分蒸発が生じるために処理液乾燥後の重量から初期塗工量を算出した。画像開始信号とともに、処理液塗工ユニットで記録媒体上に処理液を塗工した。この後、記録ヘッドにて記録媒体に描画を行い、グロスコート紙にインク凝集像を得た。インク凝集像を70℃の温風乾燥にて水分を飛ばした後、定着ローラを用いて定着温度120℃で画像を記録媒体に定着させた。
次に記録媒体2を、ニューVマット紙に変えて一連の画像形成を行った。記録媒体2の設定以外は、記録条件は同様の条件とした。
まず、制御処理装置11にて、記録媒体をニューVマット(三菱製紙製 坪量127.9g/m2)に選定した。処理液塗工ユニットでは、各ロールの配置はニューVマット用に設定された。グラビアロール13として上記と同じロールを用い、ドクターブレード19で処理液A1を計量した。ロールの駆動に伴い、第2ロールに処理液A1は転移された。その時の処理液の塗工量は、3.0g/m2であった。塗工量は、シートの一部を切り取り重量にて測定した。ただし、水分蒸発が生じるために処理液乾燥後の重量から初期塗工量を算出した。画像開始信号とともに、処理液塗工ユニットで記録媒体上に処理液を塗工した。この後、記録ヘッドにて記録媒体に描画を行い、ニューVマット紙にインク凝集像を得た。インク凝集像を70℃の温風乾燥にて水分を飛ばした後、定着ローラにより定温度120℃で画像を記録媒体に定着させた。
上記工程において、2つの記録媒体に良好な画像が形成できた。処理液塗工部5においては、塗工方向が同方向であり、ロールの回転速度も記録媒体と等速であるため記録媒体2や画像を傷つけることなく画像を形成できた。また、各ロールの速度を変えなで塗工液を記録媒体に塗工することが可能なため、記録媒体を変更しても、変更された記録媒体に応じて塗工状態の条件設定を逐一設定し直すこと無しに指定の塗工量での塗工ができ、簡単な操作で一連の画像形成が可能となった。
まず、制御処理装置11にて、記録媒体をニューVマット(三菱製紙製 坪量127.9g/m2)に選定した。処理液塗工ユニットでは、各ロールの配置はニューVマット用に設定された。グラビアロール13として上記と同じロールを用い、ドクターブレード19で処理液A1を計量した。ロールの駆動に伴い、第2ロールに処理液A1は転移された。その時の処理液の塗工量は、3.0g/m2であった。塗工量は、シートの一部を切り取り重量にて測定した。ただし、水分蒸発が生じるために処理液乾燥後の重量から初期塗工量を算出した。画像開始信号とともに、処理液塗工ユニットで記録媒体上に処理液を塗工した。この後、記録ヘッドにて記録媒体に描画を行い、ニューVマット紙にインク凝集像を得た。インク凝集像を70℃の温風乾燥にて水分を飛ばした後、定着ローラにより定温度120℃で画像を記録媒体に定着させた。
上記工程において、2つの記録媒体に良好な画像が形成できた。処理液塗工部5においては、塗工方向が同方向であり、ロールの回転速度も記録媒体と等速であるため記録媒体2や画像を傷つけることなく画像を形成できた。また、各ロールの速度を変えなで塗工液を記録媒体に塗工することが可能なため、記録媒体を変更しても、変更された記録媒体に応じて塗工状態の条件設定を逐一設定し直すこと無しに指定の塗工量での塗工ができ、簡単な操作で一連の画像形成が可能となった。
(実施例2)
図6及び図7に他の実施例である処理液塗工部5について説明する。
(処理液塗工部)
処理液塗工部5では、制御処理部11に選択した記録媒体2を入力すると制御処理装置11で処理液塗工動作モードを選択し、処理液塗工部5のロール配置を駆動モータ(不図示)で決定する。その後、記録媒体2に対応した処理液塗工量を決定する。他の実施形態における処理液塗工部5について図6、図7を用いて更に詳細に説明する。なお、記録媒体の構成や記録媒体に付与したマーキングをセンサ等で読み取って自動的に記録媒体の種類を選択する機構を利用して、記録媒体2の選択データを制御処理部11に入力してもよい。本実施例では、前記実施例と同様にグロスコート紙とマットコート紙を用いた。また、インクと処理液は実施例1と同様なものを用いた。
図6及び図7に他の実施例である処理液塗工部5について説明する。
(処理液塗工部)
処理液塗工部5では、制御処理部11に選択した記録媒体2を入力すると制御処理装置11で処理液塗工動作モードを選択し、処理液塗工部5のロール配置を駆動モータ(不図示)で決定する。その後、記録媒体2に対応した処理液塗工量を決定する。他の実施形態における処理液塗工部5について図6、図7を用いて更に詳細に説明する。なお、記録媒体の構成や記録媒体に付与したマーキングをセンサ等で読み取って自動的に記録媒体の種類を選択する機構を利用して、記録媒体2の選択データを制御処理部11に入力してもよい。本実施例では、前記実施例と同様にグロスコート紙とマットコート紙を用いた。また、インクと処理液は実施例1と同様なものを用いた。
図6は、グロスコート紙の場合の処理液塗工手段の図である。記録媒体2は、グロスコート紙(オーロールコート紙、坪量127.9g/m2)を用いた。制御処理装置11でグロスコート紙を選択すると処理液塗工部5は駆動モータ(不図示)により、図6に示したロール配置を設定する。この場合、各ロールの配置は、最終ロールが記録媒体2に接して処理液12を塗工する形態である。各ロールは、第1ロール13、第2ロール14、第3ロール15、第4ロール16、第5ロール20と記録媒体2を介して配置されるバックアップローラ17、18からなる。第1ロール13としては、セル容積が18ml/m2である(グラビアロールを用いた。まず、グラビアロール13上に接して設けられたドクターブレード19とグラビアロール13間に処理液12が供給されて液溜りが形成される。液溜りからグラビアロール13上のセルに処理液12が供給されるとともにグラビアロール13の回転動作とともにドクターブレード19によって、セル上の処理液が削ぎ取ることにより初期の塗工量が決定された。処理液12は第2ロール14〜第5ロール20に転移される。第2ロール14〜第5ロール20の表面を処理液12に対する濡れ性がある弾性ゴムとしてのシリコーンゴムにより形成した。グラビアロール13から第2ロール14に転移された処理液12は、その後、第3ロール15、第4ロール16、第5ロール20の順で転移されていく。ゴム特性が同じであるからロール間での処理液の転移率は約50%となる。第2ロール14への転移量は、約30%であり約3ml/m2である。したがって第4ロール上の処理液量は、1.4ml/m2であるからグロスコート紙への塗工量は、0.7ml/m2である。
第5ロール20は、第4ロールの塗工後の液を平滑にするロールである。塗工ロールの表面には、記録媒体の種類によっては塗工後の残処理液上に記録媒体のパターンが残される。結果、連続処理液塗工に塗工ムラを引き起こすことがある。この現象を防止するために、第5ロール20として平滑ロールを設けることで、より安定な処理液の塗工が可能となる。従って、図6に示すロール配置を有する処理液塗工部は、第5ロール20によって第3ロール15から第4ロール16への処理液転移のむらの無い進行が可能となるため、安定した塗工ができるという特徴を有している。
図7では、マットコート紙の場合の処理液塗工手段を説明する。記録媒体2はマットコート紙(ニューVマット紙、坪量 127.9g/m2)である。制御処理装置11でマットコート紙を選択すると処理液塗工部5は図7に示したロール配置となり、第4ロール15が第3ロール14から離れ、第4ロール16が記録媒体2であるマットコート紙から離れる。そして、第2ロール14が記録媒体2に接し、処理液12を塗工する。セル容積が18ml/m2であるグラビアロール13を用いているので、ニューVマット紙上での塗工量は、3ml/m2となる。なお、第2ロール14から第4ロール16のゴム材料の硬さは、紙の表面凹凸に追従することが必要になるため柔わかいことが好ましく、このゴム硬度として25°を採用した。各ロール間の圧力は、4kg/cm2であった。この時、第3ロール15が第2ロール14の塗工後の表面を平滑にするため、第3ロール15によってグラビアロール13から第2ロール14への処理液の転移をむらなく行うことができる。従って、図7に示すロール配置を有する処理液塗工部は、安定した塗工が可能となる特徴を有している。
1 画像像形成装置
2 記録媒体
3 記録媒体繰り出しロール
4 記録媒体巻き取りロール
5 処理液塗工部
6 インク吐出部
7 溶媒除去部
8 定着部
2 記録媒体
3 記録媒体繰り出しロール
4 記録媒体巻き取りロール
5 処理液塗工部
6 インク吐出部
7 溶媒除去部
8 定着部
Claims (20)
- インクと、前記インクの高粘度化成分を含む処理液とにより記録媒体に画像を形成する画像形成方法において、
前記記録媒体の種類を選択することにより、処理液吸収特性により分類される種類の異なる記録媒体のそれぞれに対して予め割り当てられた塗工量からなる群から、前記選択された種類に対して予め割り当てられた塗工量を選定して選定塗工量とする塗工量選定工程と、
前記記録媒体の記録面に、塗工手段により前記選定塗工量での前記処理液の塗工を行う塗工工程と、
前記処理液が塗工された記録媒体の記録面に、前記インクにより画像を形成する画像形成工程と、
を有し、
前記記録媒体の種類に応じた前記処理液の塗工量の切り替えを可能としたことを特徴とする画像形成方法。 - 前記処理液吸収特性が、処理液吸収速度である請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記塗工量選定工程が、前記記録媒体の種類を入力する入力部と、前記入力された記録媒体の種類に応じて前記選定塗工量を選定する塗工量選定部と、前記選定塗工量を前記塗工手段に指示する塗工量指示部とを有する塗工量選定手段により行われる請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 前記塗工手段が、前記処理液を計量して塗工ロールに供給する計量ロールと、複数の塗工ロールとを有し、これらの複数の塗工ロールのそれぞれが前記異なる塗工量の各々に対応して設けられており、これらの複数の塗工ロールから前記選定塗工量用の塗工ロールを選択して塗工ロール移動手段により前記記録媒体の記録面への塗工位置に移動させて前記塗工を行う請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記記録媒体を前記塗工手段に対して相対的に移動させ、前記複数の塗工ロールを前記記録媒体の移動方向に対して並列して設け、前記複数の塗工ロールとして、前記記録媒体の移動方向に対して順方向に、かつ前記記録媒体の移動速度に同期して回転する塗工ロールを用い、塗工ロール移動手段によって前記選定塗工量用の塗工ロールを前記記録媒体の記録面への塗工位置に移動させて前記処理液の塗工を行う請求項4に記載の画像形成方法。
- 前記並列された複数の塗工ロールを、前記計量ロールから処理液が供給される塗工ロールを先頭塗工ロールとして接続して前記処理液の流れを形成し、前記処理液の流れの上流部にある塗工ロール上よりも下流部にある塗工ロール上の処理液の量を小さく設定することにより、これらの複数の塗工ロールを前記異なる塗工量の各々に対応させ、前記塗工ロール移動手段により前記選定塗工量用の塗工ロールでの塗工を行う際に、前記計量ロールからの処理液の流れを前記選定塗工量用の塗工ロールまでの流れに制御する請求項5に記載の画像形成方法。
- 前記複数の塗工ロールが2つの塗工ロールからなる請求項5〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記画像形成工程において形成された画像を乾燥する乾燥工程を更に有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記記録媒体上に形成された画像に対し、加熱及び圧力の少なくとも一方により画像を定着する定着工程を更に有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記画像を水性インクを用いたインクジェット法により形成する請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- インクと、前記インクの高粘度化成分を含む処理液とにより記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記記録媒体の種類を選択することにより、処理液吸収特性により分類される種類の異なる記録媒体のそれぞれに対して予め割り当てられた塗工量からなる群から、前記選択された種類に対して予め割り当てられた塗工量を選定して前記処理液の選定塗工量とする塗工量選定手段と、
前記記録媒体の記録面に、前記選定塗工量での前記処理液の塗工を行う塗工手段と、
前記処理液が塗工された記録媒体の記録面に、前記インクにより画像を形成する画像形成手段と、
を有し、
前記記録媒体の種類に応じて前記処理液の塗工量の切り替えを可能としたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記処理液吸収特性が、処理液吸収速度である請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記塗工量選定手段が、前記記録媒体の種類を入力する入力部と、前記入力された記録媒体の種類に応じて前記選定塗工量を選定する塗工量選定部と、前記選定塗工量を前記塗工手段に指示する塗工量指示部とを有する請求項11または12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記塗工手段が、前記処理液を計量して塗工ロールに供給する計量ロールと、複数の塗工ロールとを有し、これらの複数の塗工ロールのそれぞれが前記異なる塗工量の各々に対応して設けられており、これらの複数の塗工ロールから前記選定塗工量用の塗工ロールを選択して前記記録媒体の記録面への塗工位置に移動させるための塗工ロール移動手段を更に有する請求項12または13に記載の画像形成方法。
- 前記記録媒体を前記塗工手段に対して相対的に移動させ、前記複数の塗工ロールを前記記録媒体の移動方向に対して並列して設け、前記複数の塗工ロールとして、前記記録媒体の移動方向に対して順方向に、かつ前記記録媒体の移動速度に同期して回転する塗工ロールを用い、塗工ロール移動手段によって前記選定塗工量用の塗工ロールを前記記録媒体の記録面への塗工位置に移動させて前記処理液の塗工を行う請求項14に記載の画像形成装置。
- 前記並列された複数の塗工ロールが、前記計量ロールから処理液が供給される塗工ロールを先頭塗工ロールとして、前記処理液の流れの形成が可能となるように接続されており、該処理液の流れの上流部にある塗工ロール上よりも下流部にある塗工ロール上の処理液の量を小さく設定することにより、これらの複数の塗工ロールを前記異なる塗工量の各々に対応させ、前記塗工ロール移動手段により前記選定塗工量用の塗工ロールでの塗工を行う際に、前記塗工ロール移動手段による塗工ロールの移動により、前記計量ロールからの処理液の流れを前記選定塗工量用の塗工ロールまでの流れに制御される請求項15に記載の画像形成装置。
- 前記複数の塗工ロールが2つの塗工ロールからなる請求項14〜16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成工程において形成された画像の乾燥を行う手段を有する請求項11〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記記録媒体上に形成された画像に対し、加熱及び圧力の少なくとも一方により画像を定着する定着手段を更に有する請求項11〜18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段が、水性インクを吐出して画像形成を行うインクジェットヘッドを有する請求項11〜19のいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014068275A JP2015189110A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 画像形成方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014068275A JP2015189110A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 画像形成方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015189110A true JP2015189110A (ja) | 2015-11-02 |
Family
ID=54424048
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JP2014068275A Pending JP2015189110A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 画像形成方法および装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015189110A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017007331A (ja) * | 2015-06-19 | 2017-01-12 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録方法 |
JP2017114112A (ja) * | 2015-12-17 | 2017-06-29 | 株式会社リコー | 液体を吐出する装置、媒体に対して処理液を付与する方法、画像形成方法 |
US10369784B2 (en) | 2017-04-21 | 2019-08-06 | Seiko Epson Corporation | Printing apparatus and printing method |
US10569549B2 (en) | 2018-01-16 | 2020-02-25 | Seiko Epson Corporation | Printing apparatus and printing method |
-
2014
- 2014-03-28 JP JP2014068275A patent/JP2015189110A/ja active Pending
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