JP2015015816A - 支持碍子装着部用アダプタ - Google Patents
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Abstract
Description
支持碍子には様々な種類がある。そのうちの一つとして長幹碍子の形態のものがある。このような支持碍子は鉄塔に設けた支持碍子装着部にボルトとナットで固定され、吊下げ状態で支持される(図1参照)。支持碍子装着部は、支持碍子を取り付けるために用意された専用の台座の他、鉄塔のプレートの一部である場合もある。
一方の懸垂碍子連は、複数の懸垂碍子を互いに連結したものであり、長幹碍子に類似する形状を有している(図5参照)。このような懸垂碍子連を用いたジャンパー線の支持については、例えば特許文献1に開示がある。
しかし、支持碍子は比較的数が少なく流通量も多くない。このためストックがなかったり、製造者などに発注しても直ぐに入手できなかったりして、支持碍子を速やかに交換できないという問題が発生している。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、支持碍子が折れたり損傷したりした場合の復旧を速やかに行なえるようにすることを目的とする。
請求項1の発明では、ベースの接合面を支持碍子装着部に密着させると共に、支持碍子装着部の装着孔と第一取付孔群を構成する第一取付孔とを連通させた状態にて、両孔にボルトを挿通し、ボルトにナットを螺着することで、支持碍子装着部用アダプタを支持碍子装着部に固定する。また、接合面の裏面側に設けられた懸垂碍子取付部に懸垂碍子を取り付けることで、支持碍子装着部に支持碍子装着部用アダプタを介して懸垂碍子を取り付ける。また、第二取付孔群を利用して、第二円周に沿って形成された装着孔を有する他の部材と接合することができる。
請求項2の発明において第二取付孔群は、支持碍子装着部に形成された装着孔の位置に適合する位置に形成されている。即ち、第二取付孔群を構成する第二取付孔は、支持碍子装着部用アダプタを鉄塔の支持碍子装着部に取り付ける為に用いられる。ここで、支持碍子装着部に形成される装着孔が沿う円は、支持碍子のサイズによって様々な大きさのものが存在する。支持碍子装着部用アダプタは、第一円周に沿って形成された第一装着孔群と第二円周に沿って形成された第二装着孔群とを有するので、異なるサイズの支持碍子が装着される支持碍子装着部に対して、支持碍子装着部用アダプタ1つで対応することができる。
請求項3の発明において第二取付孔群は、電線把持金具に形成された装着孔の位置に適合する位置に形成されている。即ち、第二取付孔群を構成する第二取付孔を用いて、支持碍子装着部用アダプタに電線把持金具を装着することができる。
請求項4に記載の発明は、前記第一取付孔群を構成する第一取付孔と、前記第二取付孔群を構成する第二取付孔は、夫々丸孔であることを特徴とする。
請求項4の発明では、夫々の取付孔が丸孔であるので、支持碍子装着部用アダプタを支持碍子装着部や電線把持金具と一体化させたときの位置ずれを効果的に防止する。
請求項5の発明では、第一取付孔と第二取付孔の周方向位置を異ならせたので、第一円周と第二円周の距離(半径の差)が第一取付孔と第二取付孔の直径よりも狭い場合であっても、第一取付孔と第二取付孔とを互いに干渉しない位置に形成することができる。従って、第一取付孔と第二取付孔とが一体化せず、ベースの強度低下を防止できる。
請求項6に記載の発明は、前記懸垂碍子取付部は、前記懸垂碍子の上部に所定のギャップを隔てて対向配置された2つのブラケット間に差し込まれる差込片であることを特徴とする。
請求項6の発明では、2つのブラケット間に差し込まれる差込片を備えたので、いわゆるクレビス形の連結用金具を有する懸垂碍子に直接取り付けることが可能である。
請求項7に記載の発明は、前記懸垂碍子取付部は、前記懸垂碍子の上部連結用金具に形成されたソケット穴に係合するピンボールであることを特徴とする。
請求項7の発明では、ソケット穴に係合するピンボールを備えたので、いわゆるボールソケット形の連結用金具を有する懸垂碍子に直接取り付けることが可能である。
図1は、支持碍子とその取付構造を示す斜視図である。
鉄塔の腕金101には、支持碍子110の一端を装着するための支持碍子装着部103が設けられている。図示する支持碍子装着部103は、腕金に取り付けられた支持碍子取付用の専用の台座である。このほか、支持碍子装着部103は、腕金101を構成するプレート(鋼材)に直接形成したものであってもよい。
図示する支持碍子装着部103は円板状の部材であり、支持碍子110を装着する装着面(下面)は平面である。支持碍子装着部103には、同一円周(例えば第一円周12A)上に等間隔で(45度毎に)配置された8つの碍子装着孔105が貫通形成されている。碍子装着孔105は丸孔である。碍子装着孔105は、支持碍子装着部103に装着する支持碍子110の種類に合わせて、碍子側取付孔113と連通する位置に形成されている。
碍子装着孔105に碍子側取付孔113を位置合わせしてボルトBを貫通させ、このボルトBにナットNを螺合させて締め付けることで支持碍子装着部103に取付プレート111が固定される。こうして支持碍子110は、支持碍子装着部103に吊下げられた状態で固定的に支持される。
支持碍子の一例である中実SP碍子について説明する。図2は、中実SP碍子の一例を示す図である。
中実SP碍子120には、中実の笠付磁器棒121の軸方向両端にフランジ状の取付プレート123が接着されている。取付プレート123は、鉄塔の腕金101に設けられた支持碍子装着部103(図1参照)に中実SP碍子120を装着する場合、及び中実SP碍子120に電線把持金具130(図3参照)を取り付けるために用いられる。なお、中実SP碍子同士を軸方向に連結するために用いられることもある。
取付プレート123には、同一円周上に等間隔で(45度毎に)配置された8つの碍子側取付孔125が貫通形成されている。碍子側取付孔125が沿う円の直径は、碍子の規格に応じて210mm、190mm、170mm等の種類がある。
ここで電線把持金具について説明する。図3は、電線把持金具の一例を示す図である。
電線把持金具130は、単数又は複数の電線を支持するための金具であり、平板状のベースプレート131と、ベースプレート131の一面側に設けられて電線Dを支持する電線支持部132と、を備えている。
ベースプレート131には同一円周上に等間隔で(90度毎に)4つの金具側取付孔133が貫通形成されている。各金具側取付孔133は中実SP碍子120の碍子側取付孔125と連通するように、装着する中実SP碍子120の種類に合わせた位置に形成されている。即ち、中実SP碍子120の種類に応じて複数種類の電線把持金具130が存在するので、装着する中実SP碍子120の種類に応じた金具側取付孔133を有する電線把持金具130を選択して使用することになる。
中実SP碍子120に電線把持金具130を取り付ける場合は、ベースプレート131の全ての金具側取付孔133と、取付プレート123から1つおきに選択された4つの金具側取付孔133とを夫々連通させてボルトBを挿通し、ナットNにて締結する。従って、後に詳述する本発明の支持碍子装着部用アダプタを用いて電線把持金具130を中実SP碍子120に接続する場合、電線把持金具130、ボルトB、及びナットNを再利用する。
支持碍子の一例である長幹支持碍子について説明する。図4は、長幹支持碍子の一例を示す図である。
長幹支持碍子140には、中実の笠付磁器棒141の軸方向一端にフランジ状の取付プレート143が固着され、軸方向他端に電線把持金具150が固着されている。取付プレート143は、鉄塔の腕金101に設けられた支持碍子装着部103(図1参照)に長幹支持碍子140を装着する場合に用いられる。
取付プレート143には、同一円周上に等間隔で(90度毎に)配置された4つの碍子側取付孔145が貫通形成されている。その他の構成は、中実SP碍子の場合と同様であるので、その説明を省略する。また、支持碍子装着部103に長幹支持碍子140を装着する方法についても、中実SP碍子の場合と同様であるので、その説明を省略する。
電線把持金具150は、長幹支持碍子140の軸方向他端に固定されたキャップ金具151と、キャップ金具151との間で電線Dを挟圧する挟圧金具153とを備えている。キャップ金具151からは、長幹支持碍子140の軸方向に沿って2本のボルトBが突出しており、挟圧金具153に形成された孔(不図示)にボルトBを挿通してナットNを締結することにより、電線Dを挟圧、支持する。従って、後に詳述する本発明の支持碍子装着部用アダプタを用いて電線Dを支持する場合、長幹支持碍子140には固着されていない挟圧金具153とナットNを再利用することができる。ただし、別途ボルトBを用意する必要がある。
支持碍子の代わりに用いる懸垂碍子(懸垂碍子連)について説明する。図5は、懸垂碍子連の一例を示す図である。
懸垂碍子連160は、複数の懸垂碍子161を互いに連結したものである。個々の懸垂碍子161は、磁器から成る傘状の碍子本体163の上部と下部に夫々連結用の上部金具(上部連結用金具)165、下部金具(下部連結用金具:不図示)をセメント等により接着固定した構成を備えている。
懸垂碍子には、大きく分けてクレビス形の連結用金具を備えたものと、ボールソケット形の連結用金具を備えたものがある。
図6(a)〜(c)は、クレビス形の懸垂碍子を示す図である。
懸垂碍子170の上部金具171はいわゆるクレビス形状であり、所定のギャップGを隔てて対向配置された2つのブラケット173を備えている。また、下部金具175は、差込片177(ピンアイ)から構成されている。2つのブラケット173間に差込片177を差込み、各ブラケットと差込片に夫々形成した軸穴173a、177a内にコッターピン179(軸部材)を差し込んでから抜け止め用の割りピン181により抜けを防止している。
図7は、ボールソケット形の懸垂碍子を示す図である。
懸垂碍子190の上部金具191はいわゆるソケットであり、頂部から軸方向(上下方向、懸垂碍子の連結方向)に沿って形成された第一凹所193aと、側面から軸方向と直交する方向に沿って形成されて第一凹所193aと連通する第二凹所193bとを備えたソケット穴193が形成されている。第二凹所193bは、軸方向と直交する方向における断面形状が、第一凹所193aよりも大径である。また、上部金具191の側面には割りピン挿入用のピン穴195が形成されており、ピン穴195により第二凹所193bの内外が連通している。
下部金具197はいわゆるピンボールであり、概略軸状のピン部197aの先端にピン部197aよりも大径のボール197bが形成されている。
上部金具191の第一凹所193aに下部金具197のピン部197aを係合させ、第二凹所193bにボール197bを係合させ、ボール197bと第二凹所193bの底部との間に割りピン199を挿入してその先端をピン穴195から突出させることで、抜けを防止している。
本発明の第一の実施形態に係る支持碍子装着部用アダプタについて図8、及び図9に基づいて説明する。図8は、第一の実施の形態に係る支持碍子装着部用支持碍子装着部用アダプタを懸垂碍子取付部側から見た斜視図である。図9は、第一の実施の形態に係る支持碍子装着部用アダプタを懸垂碍子取付部側から見た平面図である。
支持碍子装着部用アダプタ1は、中実SP碍子120の取り付けに用いられる支持碍子装着部103(図1参照)に装着することで、中実SP碍子120の代わりに図6や図7に示す懸垂碍子を装着可能にした点に特徴がある。さらに、支持碍子装着部用アダプタ1を上下反転させることにより、電線把持金具を装着可能にした点にも特徴がある。
ベース10は概略円板状であり、その一面にフラットな接合面11を有する。接合面11は支持碍子110を吊下げ固定するための支持碍子装着部103のフラットな下面に密着状態で接合する。また、接合面11は電線把持金具130のベースプレート131のフラットな上面に密着状態で接合する。
なお、ベース10の外形は、多角形状であっても、楕円状であっても、その他の形状であってもよい。
ベース10には、複数の取付孔13が形成されている。
各取付孔13は、ベース10の外周側から、第一円周12A上に配置された第一取付孔13aと、第二円周12B上に配置された第二取付孔13bと、第三円周12C上に配置された第三取付孔13cと、を有する。第一取付孔13a、第二取付孔13b、第三取付孔13cは、夫々第一取付孔群、第二取付孔群、第三取付孔群を構成する。第一円周12Aと第二円周12Bと第三円周12Cは同心状に配置されており、各円は同一の中心点を有する。
第一取付孔13a、第二取付孔13b、及び第三取付孔13cは、中実SP碍子120(図2参照)の碍子側取付孔125と同一の配置を有する。従って、第一取付孔13a、第二取付孔13b、及び第三取付孔13cは、それぞれ支持碍子装着部103(図1参照)に形成される各碍子装着孔105と連通する位置に形成されている。例えば第一円周12Aの直径は210mm、第二円周12Bの直径は190mm、第三円周12Cの直径は170mm等のように、中実SP碍子の装着孔の規格(位置)に合致するように設定されている。支持碍子装着部用アダプタ1は、異なるサイズの支持碍子が装着される支持碍子装着部に対して、支持碍子装着部用アダプタ1つで対応することができる。
なお、第二取付孔13bも第三取付孔13cも、取付孔が沿う円周の直径が第一取付孔13aとは異なるだけで、それ以外の構成は第一取付孔13aと同様である。また、各取付孔は同一の大きさ(同一の直径)である。
なお、本実施形態において第三円周12Cは、第一円周12Aとの半径差が取付孔の直径よりも大きいので、第三取付孔13cの周方向位置を第一取付孔13aの周方向位置と同一にしても、両取付孔が連続又は一体化することはない。このため、本実施形態においては、両取付孔の周方向位置を同一としている。
上述のように、中実SP碍子120の碍子側取付孔125は、電線把持金具130の金具側取付孔133に適合する位置にある。即ち、支持碍子装着部用アダプタ1の各取付孔13は、電線把持金具130の装着にも用いられる。
懸垂碍子取付部について説明する。ベース10の接合面11の裏面中央には、懸垂碍子取付部20を備える。懸垂碍子取付部は、クレビス形の懸垂碍子(図6)の上部金具に適合するピンアイ形状としてもよいし、ボールソケット形の懸垂碍子(図7)の上部金具に適合するピンボール形状としてもよい。
図8に示す支持碍子装着部用アダプタ1は、クレビス形の懸垂碍子170(図6参照)に設けられた上部金具171(クレビス)を直接的に接続可能なピンアイ形状の懸垂碍子取付部20Aを備えている。即ち、懸垂碍子取付部20Aは、懸垂碍子170の上部に所定のギャップを隔てて対向配置された2つのブラケット173間に差し込まれる差込片(ピンアイ)である。また、懸垂碍子取付部20Aはコッターピン179挿入用の軸穴21を有する。
クレビス形の懸垂碍子170の下部金具175(ピンアイ)に支持碍子装着部用アダプタ1を連結する場合は、懸垂碍子取付部20Aと下部金具175との間に、軸方向(懸垂碍子の連結方向)両端にピンアイを取り付け可能なクレビスを備えたいわゆる平行クレビス(連結金具)を介在させる。
ボールソケット形の懸垂碍子190の上部金具191(ソケット)に支持碍子装着部用アダプタ1を連結する場合は、懸垂碍子取付部20Aと上部金具191との間に、いわゆるボールクレビス200(連結金具)を介在させる(図14(b)参照)。ボールクレビス200は、軸方向一端にソケットに係合するピンボール203を備え、軸方向他端にピンアイを取り付け可能なクレビス201を備えた連結金具である。
ボールソケット形の懸垂碍子190の下部金具197(ピンボール)に支持碍子装着部用アダプタ1を連結する場合は、懸垂碍子取付部20Aと下部金具197との間に、いわゆるソケットクレビス205(連結金具)を介在させる(図14(b)参照)。ソケットクレビス205は、軸方向一端にピンボールを係合させるソケット207を備え、軸方向他端にピンアイを取り付け可能なクレビス209を備えた連結金具である。
図10に示す支持碍子装着部用アダプタ1は、ボールソケット形の懸垂碍子170(図7参照)に設けられた上部金具171(ソケット)を直接的に接続可能なピンボール形状の懸垂碍子取付部20Bを備えている。即ち、懸垂碍子取付部20Bは、概略軸状のピン部23とピン部23の先端に設けられたボール25とを有しており、ソケット穴193に係合する。
ボールソケット形の懸垂碍子190の下部金具197(ピンボール)に支持碍子装着部用アダプタ1を連結する場合は、懸垂碍子取付部20Bと下部金具197との間に、軸方向両端にピンボールを係合可能なソケットを備えた連結金具を介在させる。
クレビス形の懸垂碍子170の上部金具171(クレビス)に支持碍子装着部用アダプタ1を連結する場合は、懸垂碍子取付部20Bと上部金具171との間に、いわゆるソケットリンク(連結金具)を介在させる。ソケットリンクは、軸方向一端にクレビスを取り付け可能なピンアイを備え、軸方向他端にピンボールを係合させるソケットを備えた連結金具である。
クレビス形の懸垂碍子170の下部金具175(ピンアイ)に支持碍子装着部用アダプタ1を連結する場合は、懸垂碍子取付部20Bと下部金具175との間に、いわゆるソケットクレビス205(連結金具)を介在させる(図14(b)参照)。ソケットクレビス205は、軸方向他端にピンアイを取り付け可能なクレビス209を備え、軸方向一端にピンボールを係合させるソケット207を備えた連結金具である。
支持碍子装着部用アダプタの使用方法について説明する。図11(a)〜(c)、図12(d)〜(f)、図13(g)〜(j)に示す模式図は、支持碍子装着部用アダプタを用いた懸垂碍子の取り付け方法の各工程を示している。以下においては、ピンアイ形の懸垂碍子取付部20Aを備えた支持碍子装着部用アダプタ1を用いて、ボールクレビス形の懸垂碍子190を取り付ける方法の例により説明する。
図11〜図13に示す懸垂碍子190(懸垂碍子連160)の取り付け方法は、ジャンパー線(図示せず)を支持している中実SP碍子120(支持碍子110)が折れたり損傷したりした場合に、この中実SP碍子120に換えて懸垂碍子190を取り付ける方法である。
中実SP碍子120の下端に位置する取付プレート123には、電線把持金具130がボルトBとナットNとの締め付けによって固定されている(図11(a)、図3)。そこでボルトBとナットNとを緩めて取り外すことで、中実SP碍子120から電線把持金具130を取り外す(図11(b))。なお、この作業を行う前に、電線把持金具130からジャンパー線(図示せず)を予め取り外しておく。
支持碍子装着部103には、中実SP碍子120の上端に位置する取付プレート123がボルトBとナットNとの締め付けによって固定されている(図11(b)参照)。そこでボルトBとナットNとを緩めて取り外すことで、支持碍子装着部103から中実SP碍子120を取り外す(図11(c)参照)。
まず支持碍子装着部用アダプタ1を用意して支持碍子装着部103にアクセスする(図12(d)参照)。次いで支持碍子装着部用アダプタ1の接合面11を支持碍子装着部103に接合させ、碍子装着孔105(図1参照)と取付孔13(図8、図9参照)とを位置合わせしてボルトBを貫通させ、このボルトBにナットNを螺合させて締め付ける。これによって支持碍子装着部103に支持碍子装着部用アダプタ1を固定することができる。
さらに、ボールクレビス200にボールソケット形の懸垂碍子190(図6参照)を装着する(図12(f))。ボールクレビス200のピンボール203を懸垂碍子190の上部金具191のソケット穴193に係合させ、割りピン(不図示)を挿入して抜けを防止する。
懸垂碍子190の下部金具197に、ソケットクレビス205(図14(b)参照)を取り付ける(図13(g))。ソケットクレビス205は、下部金具197(ピンボール)を係合させるソケット207と、懸垂碍子取付部20A(ピンアイ)に係合可能なクレビス209と、を備えている。ソケット207に下部金具197を係合させ、割りピン(不図示)を挿入して抜けを防止する。
ソケットクレビス205に支持碍子装着部用アダプタ1を取り付ける(図13(h))。クレビス209の軸穴(不図示)に懸垂碍子取付部20Aの軸穴21内にコッターピン(軸部材:不図示)を差し込み、コッターピンに抜け止め用の割りピン(不図示)を挿入して抜けを防止する。
支持碍子装着部用アダプタ1に電線把持金具130を取り付ける(図13(i))。ベースプレート131の金具側取付孔133(図3参照)と、支持碍子装着部用アダプタ1の取付孔13(図8、9参照)とを位置合わせしてボルトBを貫通させ、このボルトBにナットNを螺合させて締め付ける。これによって支持碍子装着部用アダプタ1に電線把持金具130を固定することができる(図13(j))。
第三の工程後、電線把持金具130を利用してジャンパー線(図示せず)を支持する。
本実施の形態によれば、支持碍子装着部103に支持碍子装着部用アダプタ1を介して懸垂碍子190を取り付けることができる。したがって中実SP碍子120が折れたり損傷したりした場合の復旧を速やかに行なうことができる。
中実SP碍子120が備える取付プレート123に形成された碍子側取付孔125の位置は様々で一様ではない。このため鉄塔側の支持碍子装着部103に形成されている碍子装着孔105の位置も中実SP碍子120の種類に合わせて様々であり一様でない。これに対して本実施の形態の支持碍子装着部用アダプタ1では第一乃至第三取付孔群を同心円状に配置している。複数の取付孔群の中から碍子装着孔105の位置に対応する取付孔群を選択し、この取付孔群に含まれる取付孔13を利用して支持碍子装着部103に支持碍子装着部用アダプタ1を装着する。このため一様ではない碍子装着孔105の位置に対する取付孔13の位置適合性が優れ、支持碍子装着部103に対する支持碍子装着部用アダプタ1の適合性を向上させることができる。
ベース10は平板形状である。このため形状がシンプルで取り扱い性が良好である。また形状がシンプルな分だけ量産がし易い。ベース10は円形状である。このため形状がシンプルで取り扱い性が良好である。特に角がないために作業中の作業員を怪我から守ることができる。
本実施の形態では、懸垂碍子を支持するための懸垂碍子取付部としてピンアイ又はピンボールを用いている。このため、支持碍子装着部用アダプタ1を懸垂碍子の上部金具に直接取り付けることができる。また、連結金具を介在させることで、懸垂碍子の上部金具と適合しない懸垂碍子取付部20を有する支持碍子装着部用アダプタ1を取り付けることができる。
本発明の第二の実施形態に係る支持碍子装着部用アダプタについて図14に基づいて説明する。図14は、第二の実施の形態に係る支持碍子装着部用アダプタを示す図であり、(a)は懸垂碍子取付部側から見た平面図であり、(b)は、懸垂碍子を装着した様子を示す側面図である。
本実施形態に係る支持碍子装着部用アダプタ2は、長幹支持碍子140の取り付けに用いられる支持碍子装着部に装着することで、長幹支持碍子140の代わりに懸垂碍子を装着可能にした点に特徴がある。さらに、支持碍子装着部用アダプタ2を上下反転させることにより、電線把持金具が装着可能である点は、第一の実施形態と同様である。
本実施形態に係る支持碍子装着部用アダプタは、第一の実施形態とは装着孔の位置が異なっている。なお、その他の構成は第一の実施形態と同様であるので、第一の実施形態と同一の符号を付して適宜その説明を省略する。
ベース10には、複数の取付孔13が形成されている。
各取付孔13は、ベース10の外周側から、第一円周12A上に配置された第一取付孔13aと、第二円周12B上に配置された第二取付孔13b、を有する。第一取付孔13aと第二取付孔13bは、夫々第一取付孔群、第二取付孔群を構成する。第一円周12Aと第二円周12Bは同心状に配置されており、各円は同一の中心点を有する。
第一取付孔13aは長幹支持碍子140(図4参照)の碍子側取付孔145と同一の配置を有する。従って、第一取付孔13aは、支持碍子装着部103に形成された長幹支持碍子140装着用の碍子装着孔105連通する。
第一取付孔13aは、長幹支持碍子140の碍子側取付孔145と同様に、第一円周12A上に等間隔で(90度毎に)配置されている。即ち、第一取付孔群13a、13a…は4つの第一取付孔13aを有する。第一取付孔13aはボルトBの軸部が挿通可能な丸孔であり、支持碍子装着部103(図1参照)の碍子装着孔105と連通させた状態で両孔にボルトBを挿通し、ナットNを用いて締結したときに、支持碍子装着部103に対する支持碍子装着部用アダプタ2の相対移動を効果的に阻止する。
第二取付孔13bは長幹支持碍子140の挟圧金具153(電線把持金具)に貫通形成された孔と同一の配置を有し、この孔と第二取付孔13bは連通する。ここで、第二取付孔13bは第二円周上に等間隔で(180度毎に)形成されている。第二取付孔群は、所定の間隔を隔てて配置された2つの第二取付孔13bを有する。即ち、第二取付孔群を構成する第二取付孔を用いて、支持碍子装着部用アダプタに電線把持金具を装着することができる。
2つの支持碍子装着部用アダプタ2の支持碍子装着部103への取り付け、及び懸垂碍子連160との接続については第一の実施形態と同様である。
懸垂碍子連160に電線を取り付ける場合、懸垂碍子連160に長幹支持碍子140の電線把持金具150の挟圧金具153とナットNを流用する。
接合面11の裏面から第二取付孔13bにボルトBを挿通し、ボルトBの軸部を接合面11側に突出させる。2つのボルトBの軸部間に電線Dを配置し、挟圧金具153に形成された各孔に夫々ボルトBの軸部を挿通する。そして、ナットNを螺着することで、接合面11と挟圧金具153との間に電線を挟圧、保持する。
以上のように本実施の形態によっても、第一の実施形態と同様に、支持碍子装着部103に支持碍子装着部用アダプタ2を介して懸垂碍子190を取り付けることができる。したがって長幹支持碍子140が折れたり損傷したりした場合の復旧を速やかに行なうことができる。
Claims (7)
- 支持碍子の一端を取り付けるために鉄塔に設けられた支持碍子装着部に接合する接合面を備えるベースと、
前記支持碍子装着部に第一円周に沿って複数個形成された装着孔の位置に合わせて前記ベースに貫通形成された第一取付孔群と、
前記第一取付孔群とは直径が異なる同心円状の第二円周に沿って複数個貫通形成された第二取付孔群と、
前記接合面の裏面側に配置されて、懸垂碍子を取り付けるための懸垂碍子取付部と、を備えたことを特徴とする支持碍子装着部用アダプタ。 - 前記第二取付孔群は、前記第二円周に沿って前記支持碍子装着部に複数個形成された装着孔の位置に合わせて前記ベースに貫通形成されていることを特徴とする請求項1に記載の支持碍子装着部用アダプタ。
- 前記第二取付孔群は、前記第二円周に沿って前記支持碍子の他端に取り付ける電線把持金具に複数個形成された装着孔の位置に合わせて前記ベースに貫通形成されていることを特徴とする請求項1に記載の支持碍子装着部用アダプタ。
- 前記第一取付孔群を構成する第一取付孔と、前記第二取付孔群を構成する第二取付孔は、夫々丸孔であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の支持碍子装着部用アダプタ。
- 前記第一取付孔群を構成する第一取付孔の周方向位置と、前記第二取付孔群を構成する第二取付孔の周方向位置とが異なることを特徴とする請求項4に記載の支持碍子装着部用アダプタ。
- 前記懸垂碍子取付部は、前記懸垂碍子の上部に所定のギャップを隔てて対向配置された2つのブラケット間に差し込まれる差込片であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の支持碍子装着部用アダプタ。
- 前記懸垂碍子取付部は、前記懸垂碍子の上部連結用金具に形成されたソケット穴に係合するピンボールであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の支持碍子装着部用アダプタ。
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