JP2015015485A - 発光モジュールおよび灯具ユニット - Google Patents

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久芳 大長
辰哉 松浦
Tatsuya Matsuura
辰哉 松浦
康章 堤
Yasuaki Tsutsumi
康章 堤
正宣 水野
Masanori Mizuno
正宣 水野
杉森 正吾
Shogo Sugimori
正吾 杉森
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Abstract

【課題】発光モジュールにおける光波長変換部材による光の利用効率を向上させる。【解決手段】発光モジュール40において、光波長変換セラミック52は板状に形成され、半導体発光素子48が発する光の波長を変換して出射する。光波長変換セラミック52は、縁部に近づくにしたがって半導体発光素子48に近づくよう傾斜するテーパー面52aを有する。光波長変換セラミック52は透明であり、変換後の発光波長帯の全光線透過率が40%以上となるよう設けられる。【選択図】図3

Description

本発明は、発光モジュールおよびその製造方法、発光モジュールを備える灯具ユニットに関する。
近年、高寿命化や消費電力低減などを目的として、車両前方に光を照射する灯具ユニットなど強い光を照射するための光源としてLED(Light Emitting Diode)などの発光素子を有する発光モジュールを用いる技術の開発が進められている。しかし、このような用途で用いるためには発光モジュールに高輝度や高光度が求められることになる。ここで、例えば白色光の取り出し効率を向上させるべく、主として青色光を発光する発光素子と、青色光により励起されて主として黄色光を発光する黄色系蛍光体と、発光素子から青色光を透過させ、黄色系蛍光体からの黄色光以上の波長の光を反射する青色透過黄色系反射手段と、を備える照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、一般的な粉状の蛍光体を用いて光の波長を変換する場合、光が蛍光体の粒子に当たったときにその光の光度が弱められるため、光の高い利用効率を実現することは難しい。このため、例えば発光層によって放出された光の経路内に配置されたセラミック層を備える構造体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−59864号公報 特開2006−5367号公報
ここで図9に、半導体発光素子202の上面に断面が長方形状の光波長変換セラミック204が積載された発光モジュール200における光の進路の一例を示す。半導体発光素子202で発せられた光の一部は斜めに進む。このような光は光波長変換セラミック204の出射面の内側で反射され、さらに光波長変換セラミック204の端面の内側で再び反射され半導体発光素子202に戻る。このように半導体発光素子202に戻る光はそのまま半導体発光素子202に吸収されやすく、光の利用効率の低下に繋がる。
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、発光モジュールにおける光波長変換部材による光の利用効率を向上させることにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の発光モジュールは、発光素子と、発光素子が発する光の波長を変換して出射する板状の光波長変換部材と、を備える。光波長変換部材は、縁部に近づくにしたがって厚みが減少するよう傾斜するテーパー面を有する。
この態様によれば、縁部に向かって進む光をテーパー面から外部に効率よく出射させることができる。このため、縁部周辺で反射して発光素子に戻る光を減らすことができ、光の利用効率を向上させることができる。
光波長変換部材は、透明であってもよい。この態様によれば、光波長変換部材の内部を光が通過するときの光度の減少を抑制することができる。このため、発光素子が発する光を効率的に利用することが可能となる。
光波長変換部材は、変換後の発光波長帯の全光線透過率が40%以上であってもよい。発明者の鋭意なる研究開発の結果、光波長変換部材における変換後の発光波長帯の全光線透過率が40%以上の透明な状態であれば、光波長変換部材による光の波長の適切な変換と光波長変換部材を通過する光の光度の減少抑制とを両立することが可能であることが判明した。したがってこの態様によれば、光度減少を抑制しつつ光波長変換部材を通過する光の波長を適切に変換することが可能となる。
テーパー面は、縁部に近づくにしたがって発光素子に近づくよう傾斜してもよい。この態様によれば、発光素子が光を発する方向と同様の方向に光波長変換部材から光を効率よく出射させることができる。
テーパー面は、縁部に近づくにしたがって発光素子から遠ざかるよう傾斜してもよい。この場合、テーパー面上に設けられ、光波長変換部材から出射しようとする光を反射する反射層をさらに備えてもよい。この態様においても、発光素子が光を発する方向と同様の方向に光波長変換部材から光を効率よく出射させることができる。
本発明の別の態様は、発光モジュールの製造方法である。この方法は、入射した光の波長を変換して出射する板状の光波長変換部材に、縁部に近づくにしたがって厚みが減少するよう傾斜するテーパー面を設ける工程と、発光素子が発する光が光波長変換部材に入射するよう発光素子および光波長変換部材を配置する工程と、を備える。
この態様によれば、板状の光波長変換部材を用いるためテーパー面を容易に設けることができる。このため、光の利用効率が良好な発光モジュールを簡易に製造することが可能となる。
本発明のさらに別の態様は、灯具ユニットである。この灯具ユニットは、発光素子と、発光素子が発する光の波長を変換して出射する板状の光波長変換部材と、を有する発光モジュールと、発光モジュールから出射された光を集光する光学部材と、を備える。光波長変換部材は、縁部に近づくにしたがって厚みが減少するよう傾斜するテーパー面を有する。
この態様によれば、光の利用効率が良好な発光モジュールを用いて灯具ユニットを製造することが可能となる。このため、高輝度または高光度の灯具ユニットを提供することができる。
本発明によれば、発光モジュールにおける光波長変換部材による光の利用効率を向上させることができる。
第1の実施形態に係る車両用前照灯の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る発光モジュール基板の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る発光モジュールの構成を示す図である。 第2の実施形態に係る発光モジュールの構成を示す図である。 第3の実施形態に係る発光モジュールの構成を示す図である。 第4の実施形態に係る発光モジュールの構成を示す図である。 第5の実施形態に係る発光モジュールの構成を示す図である。 第6の実施形態に係る発光モジュールの構成を示す図である。 半導体発光素子の上面に断面が長方形状の光波長変換セラミックが積載された発光モジュールにおける光の進路の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る車両用前照灯10の構成を示す断面図である。車両用前照灯10は、灯具ボディ12、前面カバー14、および灯具ユニット16を有する。以下、図1において左側を灯具前方、右側を灯具後方として説明する。また、灯具前方にみて右側を灯具右側、左側を灯具左側という。図1は、灯具ユニット16の光軸を含む鉛直平面によって切断された車両用前照灯10を灯具左側から見た断面を示している。なお、車両用前照灯10が車両に装着される場合、車両には互いに左右対称に形成された車両用前照灯10が車両左前方および右前方のそれぞれに設けられる。図1は、左右いずれかの車両用前照灯10の構成を示している。
灯具ボディ12は開口を有する箱状に形成される。前面カバー14は透光性を有する樹脂またはガラスによって椀状に形成される。前面カバー14は、縁部が灯具ボディ12の開口部に取り付けられる。こうして、灯具ボディ12と前面カバー14とによって覆われる領域に灯室が形成される。
灯室内には、灯具ユニット16が配置される。灯具ユニット16は、エイミングスクリュー18によって灯具ボディ12に固定される。下方のエイミングスクリュー18はレベリングアクチュエータ20が作動することにより回転するよう構成されている。このため、レベリングアクチュエータ20を作動させることで、灯具ユニット16の光軸を上下方向に移動することが可能となっている。
灯具ユニット16は、投影レンズ30、支持部材32、リフレクタ34、ブラケット36、発光モジュール基板38、および放熱フィン42を有する。投影レンズ30は、灯具前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、その後方焦点面上に形成される光源像を反転像として灯具前方に投影する。支持部材32は、投影レンズ30を支持する。発光モジュール基板38には発光モジュール40が設けられている。リフレクタ34は、発光モジュール40からの光を反射して、投影レンズ30の後方焦点面に光源像を形成する。このようにリフレクタ34および投影レンズ30は、発光モジュール40が発した光を灯具前方に向けて集光する光学部材として機能する。放熱フィン42は、ブラケット36の後方側の面に取り付けられ、主に発光モジュール40が発した熱を放熱する。
支持部材32には、シェード32aが形成されている。車両用前照灯10はロービーム用光源として用いられ、シェード32aは、発光モジュール40から発せられリフレクタ34にて反射した光の一部を遮ることで、車両前方においてロービーム用配光パターンにおけるカットオフラインを形成する。ロービーム用配光パターンは公知であることから説明を省略する。
図2は、第1の実施形態に係る発光モジュール基板38の構成を示す図である。発光モジュール基板38は、発光モジュール40、基板44、および透明カバー46を有する。基板44はプリント配線基板であり、上面に発光モジュール40が取り付けられている。発光モジュール40は、無色の透明カバー46によって覆われている。したがって、透明カバー46の内部は中空となっている。発光モジュール40は、半導体発光素子48および光波長変換部材である光波長変換セラミック52を有する。光波長変換セラミック52は、半導体発光素子48の上面に積載されている。
図3は、第1の実施形態に係る発光モジュール40の構成を示す図である。半導体発光素子48は、LED素子によって構成される。第1の実施形態では、半導体発光素子48として、青色の波長の光を主として発する青色LEDが採用されている。具体的には、半導体発光素子48は、サファイヤ基板上にGaN系半導体層を結晶成長させることにより形成されるGaN系LED素子によって構成されている。半導体発光素子48は、例えば1mm角のチップとして形成され、発する青色光の中心波長は470nmとなるよう設けられている。なお、半導体発光素子48の構成や発する光の波長が上述したものに限られないことは勿論である。
光波長変換セラミック52は、いわゆる発光セラミック、または蛍光セラミックと呼ばれるものであり、青色光によって励起される蛍光体であるYAG(Yttrium Alminium Garnet)粉末を用いて作成されたセラミック素地を焼結することにより得ることができる。このような光波長変換セラミックの製造方法は公知であることから詳細な説明は省略する。
こうして得られた光波長変換セラミック52は、半導体発光素子48が主として発する青色光の波長を変換して黄色光を出射する。このため、発光モジュール40からは、光波長変換セラミック52をそのまま透過した青色光と、光波長変換セラミック52によって波長が変換された黄色光との合成光が出射する。こうして白色の光を発光モジュール40から発することが可能となる。
また、光波長変換セラミック52には、透明なものが採用されている。第1の実施形態において「透明」とは、変換後の発光波長帯の全光線透過率が40%以上のことを意味するものとする。発明者の鋭意なる研究開発の結果、変換後の発光波長帯の全光線透過率が40%以上の透明な状態であれば、光波長変換セラミック52による光の波長を適切に変換できると共に、光波長変換セラミック52を通過する光の光度の減少も適切に抑制できることが判明した。したがって、光波長変換セラミック52をこのように透明な状態にすることによって、半導体発光素子48が発する光をより効率的に変換することができる。
また、光波長変換セラミック52はバインダーレスの無機物で構成され、バインダーなどの有機物を含有する場合に比べて耐久性の向上が図られている。このため、例えば発光モジュール40に1W(ワット)以上の電力を投入することが可能となっており、発光モジュール40が発する光の輝度および光度を高めることが可能となっている。
なお、半導体発光素子48は青以外の波長の光を主として発するものが採用されてもよい。この場合も、光波長変換セラミック52には、半導体発光素子48が発する主とする光の波長を変換するものが採用される。なお、光波長変換セラミック52は、この場合においても半導体発光素子48が主として発する波長の光と組み合わせることにより白色または白色に近い色の波長の光となるよう、半導体発光素子48が発する光の波長を変換してもよい。
光波長変換セラミック52は板状に形成される。半導体発光素子48から発せられた光のうち、一部は発光面に対して斜めに進む。例えば断面が長方形状に光波長変換セラミック52が形成されている場合、こうして光波長変換セラミック52の表面に向かって斜めに進むため、光波長変換セラミック52の内部において反射して半導体発光素子48に戻る可能性がある。半導体発光素子48は反射して戻ってきた光を吸収するため、光の利用効率を低下させることに繋がる。
また、光波長変換セラミック52の表面に向かって斜めに進み、内部で反射して光波長変換セラミック52の縁部から外側に出射する光も存在する。しかし、このように進む光は光波長変換セラミック52内部において波長が変換される確率が高くなり、このため縁部から出射する光は上面から出射する光との色の違いが大きくなり、大きな色ズレが発生するおそれがある。
このため光波長変換セラミック52は、縁部に近づくにしたがって厚みが減少するよう傾斜するテーパー面52aを有する。第1の実施形態では、テーパー面52aは、縁部に近づくにしたがって半導体発光素子48に近づくよう傾斜する。このようにテーパー面52aを設けることによって、縁部周辺において斜めに進行する光に対しても、光波長変換セラミック52の表面に対する光の進行角度を90度に近づけることができ、光波長変換セラミック52の内部における光の反射を抑制することができる。このため、半導体発光素子48に戻る光を抑制することができ、半導体発光素子48が発する光の利用効率を向上させることができる。
また、このようにテーパー面52aを設けることで、光波長変換セラミック52の内部を長い距離通過して出射する光を減らすことができる。このため、光波長変換セラミック52から出射される光に生じる色ズレを抑制することができる。
発光モジュール40を製造するにあたって、まず板状の光波長変換セラミック52の端部に縁部に近づくにしたがって厚みが減少するよう傾斜するテーパー面52aを設ける。テーパー面52aは、レーザー加工などによって設けることができる。なお、光波長変換セラミック52の成型時にテーパー面52aを設けてもよい。その後、テーパー面52aが設けられた側と反対側の面を半導体発光素子48の上面(発光面)に取り付ける。これにより、半導体発光素子48が発する光が光波長変換セラミック52に入射するよう半導体発光素子48および光波長変換セラミック52を配置することができる。第1の実施形態に係る発光モジュール40では、このように板状の光波長変換セラミック52を用いるためテーパー面52aを容易に設けることができる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る発光モジュール60の構成を示す図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール60が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
発光モジュール60の構成は、光波長変換セラミック52に代えて光波長変換部材である光波長変換セラミック62が設けられている点を除いて、上述した発光モジュール40と同様である。光波長変換セラミック62は、縁部に近づくにしたがって厚みが減少するよう傾斜するテーパー面62aを有する。第2の実施形態では、テーパー面62aは、半導体発光素子48の端部よりも発光面が広がる方向に突出し、縁部に近づくにしたがって半導体発光素子48の発光面から遠ざかるよう傾斜する。このようにテーパー面62aを設けることによって、上述と同様に光波長変換セラミック62の内部における光の反射を抑制することができる。なお、テーパー面62aから出射する光は斜め下方向に進む。このため、この光を上方に向けて反射する反射鏡がテーパー面62aの周辺に設けられていてもよい。
発光モジュール60を製造するにあたって、板状の光波長変換セラミック62に予めテーパー面62aを設け、テーパー面62aが設けられた側の面を半導体発光素子48の上面に取り付ける。第2の実施形態においても、このように板状の光波長変換セラミック62を用いるため、テーパー面62aを容易に設けることができる。
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係る発光モジュール70の構成を示す図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール70が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
発光モジュール70の構成は、光波長変換セラミック52に代えて、光波長変換部材である光波長変換セラミック72、および透明セラミック74が設けられている点を除いて、上述した発光モジュール40と同様である。光波長変換セラミック72は、第1の実施形態における光波長変換セラミック52と同様の形状に形成される。したがって、光波長変換セラミック72も縁部に近づくにしたがって半導体発光素子48に近づくよう傾斜するテーパー面72aを有する。光波長変換セラミック72は、テーパー面72aが設けられた側と反対側の面が半導体発光素子48の上面に取り付けられる。
透明セラミック74は、光波長変換セラミック72の形状をくり抜いた形状に形成され、このくり抜いた部分に光波長変換セラミック72が収容されて一体的となるよう、光波長変換セラミック72の上部に取り付けられる。このように透明セラミック74を設けることによって、図5において破線で示すように光波長変換セラミック72の上面における光の反射を抑制することができる。このため、半導体発光素子48に戻る光を減らすことができ、光の利用効率を向上させることが可能となる。
なお、透明セラミック74の縁部から出射する光を上方に向けて反射する反射鏡が発光モジュール70の周辺に設けられていてもよい。また、透明セラミック74に代えて、セラミックでない他の透明部材が光波長変換セラミック72の上面に一体的に取り付けられてもよい。
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態に係る発光モジュール80の構成を示す図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール80が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
発光モジュール80の構成は、光波長変換セラミック52に代えてセラミックユニット82が設けられている点を除いて、上述した発光モジュール40と同様である。セラミックユニット82は、光波長変換部材である光波長変換セラミック84および反射層86を有する。
光波長変換セラミック84は、縁部に近づくにしたがって厚みが減少するよう傾斜するテーパー面84aを有する。第4の実施形態では、テーパー面84aは、半導体発光素子48の端部よりも発光面が広がる方向に突出し、縁部に近づくにしたがって半導体発光素子48の発光面から遠ざかるよう傾斜する。反射層86は、テーパー面84a上に設けられる。反射層86は反射鏡をテーパー面84aに取り付けてもよく、例えばアルミ蒸着などの鏡面処理をテーパー面84aに施して形成してもよい。反射層86は、テーパー面84aと接する部分に反射面86aが形成される。
発光モジュール80を製造するにあたって、板状の光波長変換セラミック84にまずテーパー面84aを設ける。次に、このテーパー面84a上に反射層86を設けてセラミックユニット82を構成する。テーパー面84aが設けられた側の光波長変換セラミック84の面を半導体発光素子48の上面に接着などにより固定することによって、このセラミックユニット82を半導体発光素子48に取り付ける。
こうして製造された発光モジュール80では、半導体発光素子48から発せられた光のうち、光波長変換セラミック84の縁部周辺を斜めに進み反射面86aから出射しようとする光は、反射面86aによって発光モジュール80の上方に向けて反射される。このようにテーパー面84a上に反射層86を設けることによって、光の利用効率を向上させると共に、多くの光を発光モジュール80の上方に向けて出射させることができる。
(第5の実施形態)
図7は、第5の実施形態に係る発光モジュール90の構成を示す図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール90が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
発光モジュール90の構成は、光波長変換セラミック52に代えてセラミックユニット92が設けられている点を除いて、上述した発光モジュール40と同様である。セラミックユニット92は、光波長変換部材である光波長変換セラミック94、および反射層96を有する。
光波長変換セラミック94は、縁部に近づくにしたがって厚みが減少するよう傾斜するテーパー面94aを有する。第4の実施形態では、テーパー面94aは、半導体発光素子48の端部よりも発光面が広がる方向に突出し、縁部に近づくにしたがって半導体発光素子48の発光面から遠ざかる方向に進むよう傾斜する。反射層96は、テーパー面94a上に設けられる。反射層96は反射鏡をテーパー面94aに取り付けてもよく、例えば上述の鏡面処理をテーパー面94aに施して形成してもよい。反射層96は、テーパー面94aと接する部分に反射面96aが形成される。
発光モジュール90を製造するにあたって、板状の光波長変換セラミック94にまずテーパー面94aを設ける。また、テーパー面94aが設けられた側の面に、例えばエッチングやレーザ加工によって、半導体発光素子48の形をそのままくり抜いた凹部を形成する。テーパー面94a上に反射層96を設けてセラミックユニット92を構成する。次に、光波長変換セラミック94に形成された凹部に半導体発光素子48を収容して接着などによって固定することにより、セラミックユニット92を半導体発光素子48に取り付ける。
こうして製造された発光モジュール90では、半導体発光素子48から発せられた光のうち、光波長変換セラミック94の縁部周辺を斜めに進み反射面96aから出射しようとする光は、反射面96aによって発光モジュール90の上方に向けて反射される。このようにテーパー面94a上に反射層96を設けることによって、光の利用効率を向上させると共に、多くの光を発光モジュール90の上方に向けて出射させることができる。
(第6の実施形態)
図8は、第6の実施形態に係る発光モジュール100の構成を示す図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール100が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
発光モジュール100の構成は、光波長変換セラミック52に代えて透明セラミック102およびセラミックユニット104が設けられている点を除いて、上述した発光モジュール40と同様である。
透明セラミック102は板状に形成され、縁部周辺にテーパー面102aが設けられる。透明セラミック102のテーパー面102aが設けられた面には、半導体発光素子48の形をそのままくり抜いた凹部が形成される。
セラミックユニット104は、光波長変換部材である光波長変換セラミック106、および反射層108を有する。光波長変換セラミック106は、縁部に近づくにしたがって厚みが減少するよう傾斜するテーパー面106aを有する。第6の実施形態では、テーパー面106aは、半導体発光素子48の端部よりも発光面が広がる方向に突出し、縁部に近づくにしたがって半導体発光素子48から遠ざかるよう傾斜する。反射層108は、テーパー面106a上に設けられる。反射層108は反射鏡をテーパー面106aに取り付けてもよく、例えば上述の鏡面処理をテーパー面106aに施して形成してもよい。反射層108は、テーパー面106aと接する部分に反射面108aが形成される。
発光モジュール100を製造するにあたって、透明セラミック102にまずテーパー面102aを設ける。また、透明セラミック102のうちテーパー面102aが設けられた側の面に、例えばエッチングやレーザ加工によって、半導体発光素子48の形をそのままくり抜いた凹部を形成する。さらに、板状の光波長変換セラミック106にテーパー面106aを設け、テーパー面106a上に反射層108を設けてセラミックユニット104を構成する。
透明セラミック102に形成された凹部に半導体発光素子48を収容して接着などによって固定することにより、透明セラミック102をまず半導体発光素子48に取り付ける。次に、透明セラミック102の上面に、光波長変換セラミック106のうちテーパー面106aが設けられた面を接着などにより固定する。こうしてセラミックユニット104を透明セラミック102に取り付ける。
こうして製造された発光モジュール100では、半導体発光素子48から発せられた光のうち、光波長変換セラミック106の縁部周辺を斜めに進み反射面108aから出射しようとする光は、反射面108aによって発光モジュール100の上方に向けて反射される。このようにテーパー面106a上に反射層108を設けることによって、光の利用効率を向上させると共に、多くの光を発光モジュール100の上方に向けて出射させることができる。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
ある変形例では、半導体発光素子48と光波長変換セラミックとの間に、光学フィルタが設けられる。この光学フィルタは、半導体発光素子48が主として発する青色光を透過する。また、この光学フィルタは、光波長変換セラミックによって青色光の波長が変換され主として発せられる黄色光を反射する。この光学フィルタを半導体発光素子48と光波長変換セラミックとの間に配置することにより、まず半導体発光素子48が発する光の大部分を光波長変換セラミックに出射させることができる。また、光波長変換セラミックによって波長が変換される際に光が拡散することで半導体発光素子48に向かって進もうとする黄色の波長の光を反射することができる。このため、半導体発光素子48が発した光を効率よく利用することができ、発光モジュール40が発する光の光度や輝度の低下を抑制することが可能となる。
光学フィルタは、光波長変換セラミックの一方の面上に屈折率の異なる材料を交互に蒸着して積層することにより多層膜化したダイクロイックミラーにより構成されてもよい。また、例えばロングパスフィルタ、ショートパスフィルタ、またはバンドパスフィルタが採用されてもよい。
40 発光モジュール、 48 半導体発光素子、 52 光波長変換セラミック、 52a テーパー面、 60 発光モジュール、 62 光波長変換セラミック、 62a テーパー面、 70 発光モジュール、 72 光波長変換セラミック、 72a テーパー面、 74 透明セラミック、 80 発光モジュール、 82 セラミックユニット、 84 光波長変換セラミック、 84a テーパー面、 86 反射層、 86a 反射面、 90 発光モジュール、 92 セラミックユニット、 94 光波長変換セラミック、 94a テーパー面、 96 反射層、 96a 反射面、 100 発光モジュール、 102 透明セラミック、 102a テーパー面、 104 セラミックユニット、 106 光波長変換セラミック、 106a テーパー面、 108 反射層、 108a 反射面、 200 発光モジュール、 202 半導体発光素
本発明によれば、発光モジュールにおける光波長変換部材による光の利用効率を向上させることができる。

Claims (6)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子が発する光の波長を変換して出射する板状の光波長変換セラミックスであって、縁部に近づくにしたがって厚みが減少するよう傾斜するテーパー面と、前記発光素子の形状をくり抜いた凹部とを有する光波長変換セラミックスと、
    前記テーパー面上に設けられ、前記光波長変換セラミックスから出射しようとする光を反射する反射層と、
    を備え、
    前記発光素子は、前記光波長変換セラミックスに形成された前記凹部に収容されることを特徴とする発光モジュール。
  2. 前記光波長変換セラミックスは、透明であることを特徴とする請求項1に記載の発光モジュール。
  3. 前記光波長変換セラミックスは、変換後の発光波長帯の全光線透過率が40%以上であることを特徴とする請求項2に記載の発光モジュール。
  4. 前記テーパー面は、縁部に近づくにしたがって前記発光素子に近づくよう傾斜することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の発光モジュール。
  5. 前記テーパー面は、縁部に近づくにしたがって前記発光素子から遠ざかるよう傾斜することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の発光モジュール。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の発光モジュールと、
    前記発光モジュールから出射された光を集光する光学部材と、
    を備えることを特徴とする灯具ユニット。
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