JP2015014712A - 光学フィルム及び光学フィルムの作製方法 - Google Patents

光学フィルム及び光学フィルムの作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015014712A
JP2015014712A JP2013141407A JP2013141407A JP2015014712A JP 2015014712 A JP2015014712 A JP 2015014712A JP 2013141407 A JP2013141407 A JP 2013141407A JP 2013141407 A JP2013141407 A JP 2013141407A JP 2015014712 A JP2015014712 A JP 2015014712A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
film
plate
optical
vertical alignment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013141407A
Other languages
English (en)
Inventor
章伸 牛山
Akinobu Ushiyama
章伸 牛山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013141407A priority Critical patent/JP2015014712A/ja
Publication of JP2015014712A publication Critical patent/JP2015014712A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】逆分散特性により簡易に作製することができる正のCプレートによる光学フィルム、この光学フィルムの作製方法を提案することを目的とする。
【解決手段】透明基材2と、透明基材2上に形成された垂直配向膜3と、垂直配向膜3の配向規制力により配向した状態で固化した逆分散特性による液晶材料による光学機能層4とによる積層体を備え、光学機能層4は、450nm〜650nmの波長λにおける0度入射の位相差(Re0(λ))が20nm以下で、斜め入射角θ(θ>0)の位相差(Reθ(λ))が0度入射の位相差よりも大きく、かつ波長λが増加するに従い、位相差(Reθ(λ))が増加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム及び光学フィルムの作製方法に関し、特に波長分散特性が逆分散特性である正のCプレートを備えた光学フィルムに関する。
近年、フラットパネルディスプレイ等に適用される光学フィルムは、位相差層により透過光に所望の位相差を付与して所望する光学特性を確保するものが提供されている(特許文献1)。この種の光学フィルムは、透明フィルム等による基材の表面に配向膜が作製され、この配向膜の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で硬化して位相差層が作製される。このような位相差層に適用される液晶材料は、通常、正の波長分散特性を備えているものの、近年、逆分散特性による液晶材料が提案されている(特許文献2、3)。なおここで逆分散特性とは、短波長側ほど透過光における位相差が小さい波長分散特性であり、より具体的には、450nmの波長におけるリタデーション(R450)と、550nmの波長におけるリタデーション(R550)との関係が、R450<R550である。
また画像表示パネルにおいては、Aプレート、Cプレート等を利用して視野角特性、色味等の種々の光学特性を改善する方法が提案されており、特許文献4には、Aプレート、Cプレートを使用したISP液晶表示装置の光学補償に係る工夫が提案されている。なおここで光学補償は、黒表示の際に直線偏光板からの斜め方向の光漏れを低減する構成である。またCプレートは、nx=ny<nz又はnx=ny>nzで表され、nx=ny<nzは正のCプレートであり、nx=ny>nzは負のCプレートである。またAプレートは、nx>ny=nz又はnz=nx>nyで表され、nx>ny=nzは正のAプレートであり、nz=nx>nyは負のAプレートである。なおnx、ny(nx≧ny)は面内方向の屈折率であり、nzは厚さ方向の屈折率である。
これらの光学フィルムのうち正のAプレートは、位相差層に適用される正の波長分散特性による液晶材料、逆分散特性による液晶材料を使用して、それぞれ正の波長分散特性、逆分散特性により作製することができる。
これに対して正Cプレートにおいては、いわゆるCプレート用の液晶材料による塗工液を塗布して乾燥硬化させることにより作製することができる。しかしながら従来の正のCプレート用の液晶材料にあっては、正の波長分散特性を備えている。
またバーチカル・アライメント(VA)液晶表示装置等では、垂直配向膜により液晶材料を垂直方向に配向させており、特許文献5〜10等には、VA液晶に関する垂直配向膜の工夫が提案されている。
ところで正のCプレートを、逆分散特性により簡易に作製することができれば、光学補償等において、一段と所望する光学特性を簡易に確保することができると考えられる。これにより簡易に逆分散特性を備えた正のCプレートによる光学フィルムを作製できることが望まれる。
特開平10−68816号公報 米国特許第8119026号明細書 特表2010−522892号公報 特表2006−520008号公報 特開2011−227484号公報 特開2012−163945号公報 特開2004−83810号公報 特開2009−258665号公報 特開2006−337958号公報 特開2005−308924号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、逆分散特性により簡易に作製することができる正のCプレートによる光学フィルム、この光学フィルムの作製方法を提案することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、位相差層の作製に供する逆分散特性による液晶材料を使用して、垂直配向膜によりこの液晶材料を配向させて正のCプレートを作製する場合には、正分散特性による液晶材料を垂直配向膜により配向させる場合のような、配向膜とは逆側面で液晶材料が面内方向に配向するような入射角依存性を有効に回避して、液晶材料を配向させることができるとの知見を得、本発明を完成するに至った。
(1) 垂直配向膜と、
前記垂直配向膜の配向規制力により配向した状態で固化した逆分散特性による液晶材料による光学機能層とによる積層体を備え、
前記光学機能層は、
450nm〜650nmの波長λにおける0度入射の位相差(Re0(λ))が20nm以下で、斜め入射角θ(θ>0)の位相差(Reθ(λ))が0度入射の位相差よりも大きく、かつ波長λが増加するに従い、位相差(Reθ(λ))が増加する。
(1)によれば、ハイブリッド配向を有効に回避して垂直配向膜により液晶分子を垂直方向(厚み方向)に配向させて逆分散特性による正のCプレートの光学機能層を得ることができる。
(2) 垂直配向膜を作製する配向膜作成工程と、
前記垂直配向膜の上に、逆分散特性による液晶材料による塗工液を塗布して、前記垂直配向膜の配向規制力により前記液晶材料を配向させた状態で固化させることによりCプレートとして機能する光学機能層を作製する光学機能層作成工程とを備える。
(2)によれば、ハイブリッド配向を有効に回避して垂直配向膜により液晶分子を垂直方向(厚み方向)に配向させて逆分散特性による正のCプレートの光学機能層を得ることができる。
本発明によれば、逆分散特性により簡易にCプレートを作製することができ、さらにはこのCプレートを使用した光学フィルムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る光学フィルムを示す断面図である。 図1の光学フィルムに係る入射角依存性の説明に供する図である。 図1の光学フィルムに関する正面位相差を示す図表である。 図1の光学フィルムに関する斜め方向の位相差を示す図表である。 図1の光学フィルムの波長分算特性を示す図表である。 図1の光学フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の説明に供する光学フィルムを示す断面図である。 実施例及び比較例の説明に供する図表である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るCプレートを示す断面図である。この実施形態に係る画像表示装置では、このCプレート1を各種の光学フィルムと共に液晶表示パネルの視聴者側面に配置して、種々に光学特性を向上する。なおこでこの光学特性の向上は、例えば視野角特性の向上、斜め方向に係る光漏れの低減に係る光学補償、色味の補正等である。
ここでCプレート1は、nx=ny<nzの光学特性である正のCプレートであり、逆分散特性の波長分散特性を備える。より具体的に、450nm〜650nmの波長λにおける0度入射の位相差(Re0(λ))が20nm以下で、斜め入射角θ(θ>0)の位相差(Reθ(λ))が0度入射の位相差(Re0(λ))よりも大きく、これにより正のCプレートとして機能する。またさらに波長λが増加するに従い、斜め入射角θ(θ>0)の位相差(Reθ(λ))が増加する光学特性を備え、これにより逆分散特性により機能する。これによりこのCプレート1に係る画像表示装置では、広い波長帯域で所望の光学特性を確保できるように構成される。
このCプレート1は、透明フィルム材による基材2に、垂直配向膜3、光学機能層4を順次作製して形成される。ここで基材2は、PETフィルム、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムを適用することができるものの、Cプレートとしての機能を損なわないようにする観点から、光学異方性の小さな材料を適用することが好ましい。
垂直配向膜3は、基板上に塗膜として設けることで、光学機能層4に適用される液晶分子の分子軸をホメオトロピック配向させる機能を有する配向膜であり、VA液晶表示装置等に適用される各種の垂直配向膜を適用することができ、例えばポリイミド配向膜、LB膜による配向膜等を適用することができる。具体的に、垂直配向膜3の構成材料としては、例えば、レシチン、シラン系界面活性剤、チタネート系界面活性剤、ピリジニウム塩系高分子界面活性剤、n−オクタデシルトリエトキシシラン等のシランカップリング系垂直配向膜用組成物、長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有する可溶性ポリイミドや長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有するポリアミック酸等のポリイミド系垂直配向膜用組成物が挙げられる。より具体的には、垂直配向膜用組成物として、ジェイエスアール(株)製のポリイミド系垂直配向膜用組成物「JALS−2021」や「JALS−204」、日産化学工業(株)製の「RN−1517」、「SE−1211」、「EXPOA−018」等の市販品を適用することができる。
垂直配向膜3は、垂直配向膜材料による塗工液を基材2に塗布して乾燥、加熱することにより作成される。
光学機能層4は、Cプレートとしての光学的機能を担う層であり、各種の光学フィルムの位相差層の作製に供する液晶材料であって、波長分散特性が逆分散特性である液晶材料により形成される。
ここで各種の光学フィルムの位相差層の作製に供する液晶材料であって、正の波長分散特性を備えた液晶材料は、垂直配向膜上に塗布して硬化(固化)させた場合、いわゆるハイブリッド配向により液晶分子が配向し、その結果、リタデーション値の入射角依存性に偏りが発生する。なおここでハイブリッド配向とは、液晶分子が複数のモードにより配向しているものであり、この正の分散特性の液晶材料を垂直配向膜上に塗布して硬化させた場合、垂直配向膜直近では垂直方向に配向しているものの、垂直配向膜から遠ざかるに従って徐々に配向方向が水平方向に変化しているものと考えられる。
図2において、符号LXによる特性が、この正の分散特性の液晶材料によるリタデーション値の計測結果であり、入射角依存性の偏りを見てとることができる。これに対して符号L2及びL3は、正の波長分散特性を示すCプレート用液晶材料によるリタデーション値の計測結果であり、入射角0度を中心にした対称形状によるリタデーション値の変化を見てとることができる。
なお符号LXは、以下のようにして作成した試料によるものである。すなわち下記液晶化合物(5)に開始剤としてBASF社製イルガキュア184、もしくはイルガキュア907を液晶材料に対して4%加えて、さらに塗工性向上を目的としてDIC製のメガファックシリーズであるフッ素系ポリマー(F477)を液晶層の厚みに応じて0.1%から0.5%程度加えて、MIBK、シクロヘキサノン、またはMIBKとシクロヘキサノンの混合溶剤を用いて固形分濃度25%に溶解してインクを作製する。インキを流量調整してダイヘッドコーティング方式でPET基材(E5100)及び垂直配向膜の積層体上に塗工した後、110℃設定で3分間の乾燥工程を得て、Fusion社製のHバルブで照射量が380mJ/cmになるように窒素雰囲気下で紫外線硬化により配向固定して作製する。
Figure 2015014712
また符号L2は、メルク社製液晶材料であるRMM28による計測結果であり、PETCフィルム(東洋紡製E5100)、垂直配向膜の積層体上に、RMM28を固形分濃度25%になるようにメチルイソブチルケトンで調整したインキを流量調整してダイヘッドコーティング方式で塗工した後、乾燥温度55℃で、2分間乾燥させ、Fusion社製のHバルブで照射量が380mJ/cmになるように窒素雰囲気下で紫外線を照射して硬化させて作成した。なお計測の際にPETフィルムの位相差をキャンセルするため、粘着付きガラスに転写して測定を行った。
また符号L3は、DIC社製液晶材料であるUCL−018による計測結果であり、PETフィルム(東洋紡製E5100)、垂直配向膜の積層体上に、UCL−018を固形分濃度25%になるようにメチルイソブチルケトンで調整したインキを流量調整してダイヘッドコーティング方式で塗工した後、乾燥温度65℃で、2分間乾燥させ、Fusion社製のHバルブで照射量が380mJ/cmになるように窒素雰囲気下で紫外線を照射して硬化させて作成した。なお計測の際にPETフィルムの位相差をキャンセルするため、粘着付きガラスに転写して測定を行った。なおこれらのなおリタデーション値の計測は、王子計測機器(株)社製 KOBRA−WRを用いて測定した。
なおこれらの測定サンプルにおいて、垂直配向膜3は、無機系垂直配向膜の一つであるEXPOA−018をエタノール/ブチルセロソルブ系の溶媒に4%の濃度で溶かし,希薄溶液状態で使用した。PETフィルム(東洋紡製E5100)にEXPOA−018をダイヘッドコーティング方式にて塗工し、乾燥温度120℃で、5分間乾燥させて作成した。膜厚は100nmであった。
しかしながら種々に実験した結果によれば、位相差層の作製に供する液晶材料であって、波長分散特性が逆分散特性である液晶材料にあっては、このようなハイブリッド配向を生じることなく、垂直配向膜3の配向規制力により垂直方向に配向し、これにより図2、符号L1により示すように、正のCプレート液晶による場合と同様の入射角0度を中心とした対称形状の入射角依存性を確保することができる。
またこの場合、図3、図4及び図5に正面方向及び斜め方向のリタデーション値の計測結果を示すように、逆分散特性の波長分散特性を確保することができる。なお図4及び図5は、斜め入射角θが40度の場合の位相差(Re40(λ))の例である。
なおこの符号L1による計測結果は、図1の構成によるCプレートのものであり、特表2010−522892号公報記載の化合物(1)、RM(1)、RM(3)の混合物を5:3:2の配合比でトルエン/シクロヘキサノンの7:3の混合溶剤に溶解させて、固形分濃度が21.5%になるように調整したインキを流量調整してダイヘッドコーティング方式でPETフィルム2、垂直配向膜3の積層体上に塗工した後、乾燥温度65℃で、2分間乾燥させ、Fusion社製のHバルブで照射量が380mJ/cmになるように紫外線を照射して硬化させて光学機能層4を作成した。垂直配向膜は、符号LXのサンプルと同一である。
図6は、Cプレート1の製造工程を示すフローチャートである。この実施形態において、基材2は、ロールにより提供される。この製造工程は、基材2を供給リールから引き出し、垂直配向膜作製工程(ステップSP2)において、ダイ等による垂直配向膜3の塗工液を塗布した後、乾燥、加熱処理し、これにより垂直配向膜3を作製する。続いて光学機能層作成工程(ステップSP3)において、光学機能層4の塗工液を塗布した後、乾燥させて紫外線の照射により硬化させ、これにより光学機能層4を作製する。
この実施形態によれば、垂直配向膜の上に、位相差層の作製に供する波長分散特性が逆分散特性である液晶材料によりCプレートの光学機能層を作製することにより、簡易に逆分散特性による正のCプレートの光学フィルムを得ることができる。
〔第2実施形態〕
この実施形態では、画像表示パネルに配置される各種の光学フィルムに一体にCプレートを作製するようにして、このCプレートに上述の実施形態に係るCプレート1の構成を適用する。
このためこの実施形態では、この一体化に係る構成の光学フィルムにおいて、正のCプレートを配置する箇所の部材表面に、垂直配向膜、Cプレートの光学機能層を順次作成する。
なおこのような光学フィルムとしては、パッシブ方式の3次元画像表示に適用されるパターン位相差フィルム、液晶表示パネルの出射面に配置される直線偏光板による光学フィルム、この直線偏光板とカラーフィルタを一体化した光学フィルム、円偏光板による反射防止フィルム等、種々の構成を広く適用することができる。
ここで液晶表示パネルの出射面に配置される直線偏光板による光学フィルム、この直線偏光板とカラーフィルタを一体化した光学フィルムにあっては、Cプレートを使用した光学補償が種々に提案されており、このCプレートに適用することができる。
また円偏光板による反射防止フィルムにおいては、Cプレートの配置により視野角特性、色味を改善することができ、このCプレートに適用することができる。
図7は、実施形態の光学フィルムの検討に供した画像表示装置の構成を示す断面図である。この図7に示す光学フィルム16は、上述した液晶表示パネルの出射面に配置される直線偏光板とカラーフィルタを一体化した光学フィルムにCプレートを適用して光学補償に供する例である。
この図7において、液晶表示装置10は、IPS液晶表示装置(In−plane Switching liquid crystal display;IPS−LCD)であり、バックライト12の前面に液晶表示パネル13が配置される。なおこの図7において、水平方向及び垂直方向を示す矢印による記号、奥行方向を示す二重丸による記号は、直線偏光板の吸収軸方向、液晶セル及び位相差層の遅相軸方向を示す。
液晶表示パネル13は、IPS液晶による液晶セル14が設けられ、この液晶セル14のバックライト側に、例えば感圧性の粘着層(図示せず)により直線偏光板15が設けられる。なお直線偏光板15は、透明フィルムからなる基材15A及び15Cにより、直線偏光板として機能を担う光学機能層である偏光子15Bを挟持して構成される。
液晶表示パネル13は、液晶セル14の出射面に光学フィルム16が配置される。この光学フィルム16は、光学補償のための光学補償層17、偏光子18、表面材である基材19を備える。また光学補償層17が、液晶セル14側から、+Cプレート17A、+Aプレート17Cの積層体により構成される。基材19は、TAC等の透明フィルムが適用され、直線偏光板15と同様に直線偏光板としての光学機能層が設けられる。光学フィルム16は、この光学機能層により偏光子18が形成され、これにより基材19及び偏光子18により出射面側の直線偏光板が構成される。またこの積層体における+Cプレート17Aが、上述の垂直配向膜、Cプレートの光学機能層の積層体により構成される。
この実施形態では、各種の光学フィルムに適用して、垂直配向膜と、位相差層の作製に供する波長分散特性が逆分散特性である液晶材料によりCプレートの光学機能層とを作製することにより、簡易に逆分散特性による正のCプレートを備えた光学フィルムを得ることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更し、さらに組み合わせることができる。
すなわち上述の第2実施形態では、パターン位相差フィルム、直線偏光板等の光学フィルムにCプレートを設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら以外の各種の光学フィルムに一体に設ける場合にも広く適用することができる。
〔実施例〕
図8は、図7の構成による実施例及び比較例の検討結果を示す図表である。この図8に記載の実施例1〜3、比較例1〜3は以下のように構成される。
〔実施例1〕
図7の構成において、具体的に以下のようにして作成した。
(垂直配向膜)
無機系垂直配向膜の一つであるEXPOA−018をエタノール/ブチルセロソルブ系の溶媒に4%の濃度で溶かし,希薄溶液状態で使用した。PETフィルムによる基材(東洋紡製E5100)にEXPOA−018をダイヘッドコーティング方式にて塗工し(膜厚:100nm),乾燥温度120℃、5分間乾燥させて作成した。
(+Cプレート:逆分散ポジティブCプレート(液晶L1))
このようにして作成したPET基材上の垂直配向膜に、特表2010−522892号公報記載の化合物(1)、RM(1)、RM(3)の混合物を5:3:2の配合比で、トルエン/シクロヘキサノンの7:3の混合溶剤に溶解させて、固形分濃度が21.5%になるように調整したインキを測定波長550nmでの厚み位相差Rth(550)が−80nmになるように塗工時に流量調整してダイヘッドコーティング方式でラビング後の基材に塗工した。その後、乾燥温度65℃で、5分間乾燥させた後にFusion社製のHバルブで照射量が380mJ/cmになるように紫外線を照射して硬化することで固定化した。PETの位相差をキャンセルするため、液晶層を粘着付きガラスに転写して、王子計測機器(株)社製 KOBRA−WRを用いて厚み位相差Rth(550)を測定した。
<光学フィルム16>
次に延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜(光学機能層)を作製し、富士フィルム社製セルロースアセテートフィルム(ZRD60SL)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の両面に貼り付けて作成した。この偏光板に帝人社製ポリカーボネートの延伸フィルムA(S−148)の遅相軸が偏光子の吸収軸と直交するように粘着剤を用いて貼合せ、これによりこの延伸フィルムAによるAプレートを一体化した。さらにPET基材付き液晶L1を延伸フィルムAに粘着剤を用いて貼合し、貼合後PET基材のみを剥離した。
<直線偏光板15>
次に延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、富士フィルム社製セルロースアセテートフィルム(ZRD60SL)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の両面に貼り付け偏光板を形成した。
<液晶表示パネル13>
次にアップル社製iPhone4Sを分解して、パネルに貼合されている2枚の偏光板を剥離した後、出射側の液晶セルに光学フィルム6を偏光子の吸収軸が液晶セルの遅相軸と直交するように粘着剤を介して貼合し、バックライト側の液晶セルに直線偏光板の吸収軸が液晶セルの遅相軸と一致するように粘着剤を介して貼合することで、液晶表示パネル3を作製した。
<黒表示における光漏れ、色味目視評価>
作製した液晶表示パネル13を黒表示になるように設定し、黒輝度の測定装置LUMINANCE COLORIMETER BM-5A(株式会社トプコン製)を用いて、測定距離60cmにより計測して評価した。
〔実施例2〕
延伸フィルムAを帝人社製ポリカーボネートの延伸フィルムB(W−142)に変更する以外は実施例1と同様に作製し、光漏れ、色味を目視にて評価した。
〔実施例3〕
+Aプレート17Bを日本ゼオン社製シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムに変更し、液晶L1の厚み位相差Rth(550)を調整する以外は実施例1と同様に作製し、光漏れ、色味を目視にて評価した。
〔比較例1〕
液晶L1を液晶L2に変更する以外は実施例3と同様に作製して評価した。
〔比較例2〕
+Aプレート17Bを日本ゼオン社製シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムに変更し、液晶L2により厚み位相差Rth(550)を調整して+Cプレート17Aを作製する以外は比較例2と同様に作製し、光漏れ、色味を目視にて評価した。
〔比較例3〕
光学補償層17を、−Cプレート、+Cプレート17A、+Aプレート17Bの積層体により構成した。
(−Cプレート)
波長450nm及び波長550nmにおけるリタデーションド値の比率Rth1(450)/Rth1(550)が1.22になる棒状液晶材料にカイラル剤としてBASF社製LC−756を棒状液晶材料の重量比に対して15wt%添加し、開始剤としてBASF社製イルガキュア907を棒状液晶材料(11)の重量比に対して4%添加した。これらすべてを固形分濃度が30%になるようにシクロヘキサノンに溶解した。この溶液を測定波長550nmでのリタデーション値Rth1(550)が150nmになるように塗工時に流量調整してダイヘッドコーティング方式で東洋紡製PET基材上に塗工した。その後、乾燥温度110℃で、2分間乾燥させた後にFusion社製のHバルブで照射量が380mJ/cmになるように紫外線を照射することで配向を固定し、これによりPETフィルムに−Cプレートを積層したロールを作製した。
また液晶L2により厚み位相差Rth(550)に調整して+Cプレートを作製し、これらを+Aプレートと積層して光学補償層を構成する点を除いて、比較例2と同一に作成した。
これら実施例1〜3によれば、この図8では明確ではないものの、比較例1、2による場合に比して、+Cプレートの波長分散を抑圧できることが判った。すなわち比較例1、2は+Cプレートの厚み位相差の波長分散が正分散性を有するため、斜め45度方向の色味が劣る。比較例3は斜め45度方向の色味は顕著に改善されているが、−Cプレートと+Cプレートの|Rth|の差が本発明の差より大きく、また|Rth|の値が大きいため、高波長分散材料が必要になり適用できる材料が制限されることにより塗工性が悪く、正面の黒輝度が悪化することがわかった。
1 Cプレート
2、15A、15C、19 基材
3 垂直配向膜
4 光学機能層
10 液晶表示装置
12 バックライト
13 液晶表示パネル
14 液晶セル
15 直線偏光板
15A、15C 基材
15B、18 偏光子
16 光学フィルム
17 光学補償層
17A +Cプレート
17B +Aプレート

Claims (2)

  1. 垂直配向膜と、
    前記垂直配向膜の配向規制力により配向した状態で固化した逆分散特性による液晶材料による光学機能層とによる積層体を備え、
    前記光学機能層は、
    450nm〜650nmの波長λにおける0度入射の位相差(Re0(λ))が20nm以下で、斜め入射角θ(θ>0)の位相差(Reθ(λ))が0度入射の位相差よりも大きく、かつ波長λが増加するに従い、位相差(Reθ(λ))が増加する。
    光学フィルム。
  2. 垂直配向膜を作製する配向膜作成工程と、
    前記垂直配向膜の上に、逆分散特性による液晶材料による塗工液を塗布して、前記垂直配向膜の配向規制力により前記液晶材料を配向させた状態で固化させることによりCプレートとして機能する光学機能層を作製する光学機能層作成工程とを備える
    光学フィルムの作製方法。
JP2013141407A 2013-07-05 2013-07-05 光学フィルム及び光学フィルムの作製方法 Pending JP2015014712A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013141407A JP2015014712A (ja) 2013-07-05 2013-07-05 光学フィルム及び光学フィルムの作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013141407A JP2015014712A (ja) 2013-07-05 2013-07-05 光学フィルム及び光学フィルムの作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015014712A true JP2015014712A (ja) 2015-01-22

Family

ID=52436462

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013141407A Pending JP2015014712A (ja) 2013-07-05 2013-07-05 光学フィルム及び光学フィルムの作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015014712A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018136483A (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 住友化学株式会社 光学フィルム及びその製造方法
WO2018164126A1 (ja) * 2017-03-08 2018-09-13 富士フイルム株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示装置、位相差フィルム、円偏光板
JP2018194709A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 大日本印刷株式会社 位相差フィルム、転写用積層体、光学部材、表示装置、及び、位相差フィルムの製造方法
KR20180132644A (ko) 2016-03-30 2018-12-12 니폰 제온 가부시키가이샤 광학 이방성층 및 그 제조 방법, 광학 이방성 적층체 및 그 제조 방법, 광학 이방성 전사체, 편광판, 그리고 화상 표시 장치
CN109085704A (zh) * 2017-06-14 2018-12-25 住友化学株式会社 光学膜
KR20200019143A (ko) 2017-06-30 2020-02-21 니폰 제온 가부시키가이샤 광학 이방성층 및 그 제조 방법, 광학 이방성 적층체, 전사용 복층물, 편광판, 그리고 화상 표시 장치
JPWO2018221470A1 (ja) * 2017-05-29 2020-03-26 大日本印刷株式会社 位相差フィルム、液晶組成物、光学部材、表示パネル、表示装置、及び、位相差フィルムの製造方法
CN113820779A (zh) * 2021-08-30 2021-12-21 华为技术有限公司 偏光片及其制备方法、显示面板

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008273925A (ja) * 2006-12-15 2008-11-13 Fujifilm Corp 光学フィルムおよび位相差板、並びに液晶化合物
JP2010522892A (ja) * 2007-03-30 2010-07-08 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 負の光学的分散を有する複屈折層

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008273925A (ja) * 2006-12-15 2008-11-13 Fujifilm Corp 光学フィルムおよび位相差板、並びに液晶化合物
JP2010522892A (ja) * 2007-03-30 2010-07-08 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 負の光学的分散を有する複屈折層

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180132644A (ko) 2016-03-30 2018-12-12 니폰 제온 가부시키가이샤 광학 이방성층 및 그 제조 방법, 광학 이방성 적층체 및 그 제조 방법, 광학 이방성 전사체, 편광판, 그리고 화상 표시 장치
JPWO2017170455A1 (ja) * 2016-03-30 2019-02-07 日本ゼオン株式会社 光学異方性層及びその製造方法、光学異方性積層体及びその製造方法、光学異方性転写体、偏光板、並びに画像表示装置
US10705274B2 (en) 2016-03-30 2020-07-07 Zeon Coporation Optically anisotropic layer and production method therefor, optically anisotropic laminate and production method therefor, optically anisotropic transfer body, polarization plate, and image display device
JP2018136483A (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 住友化学株式会社 光学フィルム及びその製造方法
WO2018164126A1 (ja) * 2017-03-08 2018-09-13 富士フイルム株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示装置、位相差フィルム、円偏光板
US10935836B2 (en) 2017-03-08 2021-03-02 Fujifilm Corporation Organic electroluminescent display device, phase difference film, and circularly polarizing plate
JPWO2018164126A1 (ja) * 2017-03-08 2019-12-19 富士フイルム株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示装置、位相差フィルム、円偏光板
JP2018194709A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 大日本印刷株式会社 位相差フィルム、転写用積層体、光学部材、表示装置、及び、位相差フィルムの製造方法
JPWO2018221470A1 (ja) * 2017-05-29 2020-03-26 大日本印刷株式会社 位相差フィルム、液晶組成物、光学部材、表示パネル、表示装置、及び、位相差フィルムの製造方法
JP2019124905A (ja) * 2017-06-14 2019-07-25 住友化学株式会社 光学フィルム
CN109085704A (zh) * 2017-06-14 2018-12-25 住友化学株式会社 光学膜
KR20200019143A (ko) 2017-06-30 2020-02-21 니폰 제온 가부시키가이샤 광학 이방성층 및 그 제조 방법, 광학 이방성 적층체, 전사용 복층물, 편광판, 그리고 화상 표시 장치
CN113820779A (zh) * 2021-08-30 2021-12-21 华为技术有限公司 偏光片及其制备方法、显示面板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015014712A (ja) 光学フィルム及び光学フィルムの作製方法
TWI359310B (ja)
TWI530717B (zh) 偏振板及其製備方法和包括它的液晶顯示器
JP6159290B2 (ja) 液晶パネル及び該液晶パネルに用いられる偏光子積層体
JP6766318B2 (ja) 光学フィルム、転写フィルム、画像表示装置、光学フィルムの製造方法及び転写フィルムの製造方法
WO2017221405A1 (ja) 長尺光学フィルム積層体、長尺光学フィルム積層体のロール及びips液晶表示装置
WO2018180938A1 (ja) 表示装置、及び、表示装置の製造方法
WO2018151295A1 (ja) 液晶表示装置
JP2020106781A (ja) 円偏光板および光学表示デバイス
JP7351621B2 (ja) 円偏光板および光学表示デバイス
US20200292739A1 (en) Image display apparatus and circularly polarizing plate to be used in the image display apparatus
WO2020203316A1 (ja) 位相差フィルム、偏光板および画像表示装置
TW201738596A (zh) 偏光板之套組及使用該套組之ips模式液晶顯示裝置
JP2018060152A (ja) Ipsモード用の偏光板のセット及びそれを用いたipsモード液晶表示装置
JP6756112B2 (ja) 光学フィルム及び画像表示装置
JP6287371B2 (ja) 光学フィルム、光学フィルム用転写体、及び画像表示装置
TW202237382A (zh) 偏光板及偏光板的製造方法
JP6368994B2 (ja) 液晶表示装置、光学フィルム及び光学フィルム用転写体
JP2021002059A (ja) 光学フィルム、転写フィルム、画像表示装置、光学フィルムの製造方法及び転写フィルムの製造方法
JP2020204783A (ja) 光学フィルム、画像表示装置
TW201819957A (zh) 光學構件
JP2018060150A (ja) Ipsモード用の偏光板のセット及びそれを用いたipsモード液晶表示装置
JP6756106B2 (ja) 光学フィルム及び画像表示装置
JP2022065609A (ja) 偏光板及び画像表示装置
JP2017122864A (ja) 光学フィルム、画像表示装置、及び光学フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160530

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170815