JP2015014592A - タイヤの走行試験装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このように、加圧された支持液を用いてベルトを荷重支持装置から浮上させる技術を採用した走行試験装置としては、特許文献1、特許文献2に開示されたものが知られている。
即ち、本発明のタイヤの走行試験装置は、2つのドラムの間に水平に架け渡されたベルトと、該ベルトの平坦面を下面側から支持する荷重支持装置と、を有するタイヤの走行試験装置において、前記荷重支持装置には、該荷重支持装置とベルトとの間に支持液を供給して前記ベルトを下方から支持する給液手段が設けられており、前記給液手段は、前記荷重支持装置とベルトとの間に支持液を吐出可能な給液孔を前記荷重支持装置の上面に沿って複数備えており、且つ前記タイヤの接地状況に応じて変化する前記荷重支持装置の上面における流体圧力に基づいて、各給液孔から吐出される支持液の流量が調整可能とされていることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記給液手段は、前記荷重支持装置の上面における流体圧力に基づいて弁開度を調整することで、各給水孔から吐出される支持液の流量を調整可能な流量調整弁を有しているとよい。
なお、好ましくは、前記給液手段は、各給液孔から吐出される支持液の供給圧力がタイヤ内圧より大きくなるように、各給液孔から吐出される支持液の流量を調整するように構成されているとよい。
なお、好ましくは、前記流量調整手段は、前記導水管を流通する支持液の圧力または流量を計測可能なセンサを、前記流量調整手段に近い側に有しており、前記センサで計測された圧力または流量の計測信号に基づいて、前記導水管を通る支持液の流量が調整されるとよい。
図1に示すように、タイヤの走行試験装置1は、タイヤを装着するスピンドル軸2と、正逆に回転自在とされた駆動ドラム3と、駆動ドラム3に対して距離をあけて軸心同士が互いに平行となるように設けられる従動ドラム4と、駆動ドラム3と従動ドラム4との間に架け渡された無端の金属板の走行ベルト(以降、ベルト5と呼ぶ)とを有している。
具体的には、荷重支持装置6は、上面がタイヤを支持するタイヤ支持面8となっており、このタイヤ支持面8に沿ってベルト5を摺動することができるようになっている。また、このタイヤ支持面8は、ベルト走行方向と直角な方向(以降、幅方向)に沿った長さが、ベルト5の幅より若干大きなものとなっていて、幅方向全域に亘ってベルト5を支持できるようになっている。さらに、タイヤ支持面8には、ベルト5の裏面に対して加圧された水や油等の支持液を噴射する給液手段7が配備されていて、荷重支持装置6は、この給液手段7から給液された支持液の静圧を利用して、ベルト5がタイヤ支持面8に接触しないようにベルト5を荷重支持装置6の上面(タイヤ支持面8)から浮上させている。
具体的には、複数の給液ユニット9は、いずれも支持液を吐出する給液孔10(円形孔)と、タイヤ支持面8における支持液の圧力(流体圧力)を計測する圧力センサ11とを有しており、タイヤの走行方向及び幅方向に所定の距離をあけて並設するように、タイヤ支持面8に等間隔をあけて配備されている。
また、給液孔10の上側は、支持液給液室13に連通する下側に比べて内径が大きい円筒状に形成されており、ベルト5に対して支持液の接触面積を大きくして、ベルト5に対して十分な浮上力を発揮できるようになっている。
つまり、タイヤのゴムの剛性がゼロと仮定した場合には、タイヤの接地圧力はタイヤ内圧に一致する。しかし、実際のタイヤにはゴムの剛性があるため、タイヤの接地圧力は、タイヤのゴム剛性の分だけタイヤの接地圧力をタイヤ内圧よりも大きな値となっている。
これらの理由から、タイヤを載せたままベルト5を荷重支持装置6の上面から浮上させようとすれば、支持液の供給圧力をタイヤ内圧より大きな値としなくてはならないのである。
具体的には、圧力センサ11は、荷重支持装置6の上面に取り付けられて、支持液の圧力を計測する感圧素子などから形成されている。この圧力センサ11で計測された支持液の圧力は、流量調整弁12に信号として送られている。
さらに、荷重支持装置6の上面には、給液孔10から供給された支持液を捕集する復水溝18が設けられている。この復水溝18は、荷重支持装置6の上面において給液ユニット9を周囲から取り囲むように形成されており、各給液孔10から噴出された支持液を給液ユニット9の外側で捕集できるようになっている。
例えば、ある給液ユニット9の圧力センサ11で支持液の圧力を計測し、圧力センサ11で計測された圧力の計測値が予め入力されていた圧力の設定値より大きい場合を考える。
一方、圧力センサ11で計測された圧力の計測値が予め入力されていた圧力の設定値より小さい場合、言い換えればベルト5とタイヤ支持面8との間に発生している圧力が大気圧と同程度である場合には、「タイヤが接地していない」と判断することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のタイヤの走行試験装置1について、図を用いて説明する。
また、ピストン20の下面は、ピストン20の上面と同様に水平方向に沿って平坦な面状に形成されている。ピストン下面には大気圧が作用している。このピストン20の下面にはバネ25が配備され、このバネ25の付勢力によりピストン20を上方に押動できるように加わっている。バネ力の調整によりピストンが動作する為の隙間圧の調整を行う。
例えば、上述したピストン20の上面に、上述した圧力の設定値より大きい圧力が作用する場合、言い換えれば「タイヤが接地している」場合を考える。
このような場合には、タイヤの接地によりベルト5とタイヤ支持面8との間の隙間の圧力が上昇し、ピストン20の上面に上方から加わる圧力も大きくなる。このピストン20に加わる力が上述したバネ25の付勢力を上回ると、ピストン20がストッパ26にあたるまで下方に移動し、給液手段7が「開(ON)」に切り替わる。
このようにタイヤから加わる圧力が低下すると、ベルト5とタイヤ支持面8との間の隙間の圧力が減少し、ピストン20の上面に上方から加わる力も減少する。そうすると、上述したバネ25の付勢力がピストン20に上方から加わる力を上回るようになり、バネ25の付勢力に抗してピストン20が上方に移動して、給液手段7が「開(ON)」から「閉(OFF)」に切り替わる。
なお、ピストン20が開の状態で、タイヤの接地圧力が小さくなる時に、ピストン20が上方に移動して閉になる前に、切り欠き部24を流れる水の流量が急激に増加し、その水の勢いによりピストン20が上方に移動せずにピストン20が閉にならない場合がある。給水路37から切り欠き24を通過する流体がピストン20を下に押し下げる流体力を発生させるためである。一方、図5に示す様に、切り欠き24の上端の隙間d(切り欠き24の上端と支持液供給室13との間に形成される隙間d)を小さくすると、流体の動圧が静圧に変換されピストンを上方に移動される流体力が発生する。つまり、図4に示すストッパ26の高さを変えて、隙間dを調整することにより、ピストン20の閉動作の確実性が増す。また、弁閉操作に必要となる力を任意に調整することが可能となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のタイヤの走行試験装置1について、図を用いて説明する。
このように流量調整手段27と荷重支持装置6とを別の場所に設けることができれば、荷重支持装置6の内部、特にベルト5の下方に十分なスペースを設けることができないような場合であっても、流量調整手段27を荷重支持装置6から離れた位置に余裕を持って設置することが可能となり、設置スペースによる制約を受けなくなる。
この導水管28は、例えばフレキシブルチューブのように折り曲げ自在な管材から形成されており、距離をあけて配備された流量調整手段27と荷重支持装置6との間をさまざまなルートで接続可能とされている。このような折り曲げ自在な導水管28を用いれば、装置を配備する工場などのレイアウトに影響を受けることなく、流量調整手段27を設けることができ、タイヤの走行試験装置1の利便性を高めることが可能となる。
つまり、圧力センサ11で計測された「タイヤ支持面8の圧力」が予め定められた圧力の設定値以上の場合は、「タイヤが接地している」と判断する。そして、切替弁16(流量調整弁12)を「開(ON)」に切り替える。そうすると、上述したポンプ14を介して貯留タンク15の支持液が支持液供給管17及び導水管28を通じて支持液給液室13に導入され、支持液給液室13の支持液がさらに給液孔10を通じてタイヤ支持面8から噴出し、水切りシールで水密に隔離されたベルト5と荷重支持装置6との間に噴出した支持液の静圧によってベルト5が浮上する。
また、第3実施形態の走行試験装置1では、荷重支持装置6とは別に設けられる流量調整手段27は非常にシンプルな構成となっているため、流量調整手段27において弁の動作状況を確認しやすくなる。例えば、流量調整手段27の一部をガラスやアクリル製にして内部が可視化できるようにしたり、各導水管に流量メーターを設けるなどすれば、弁の動作がさらに確認しやすくなり、メンテナンス性の向上にも寄与することができる。
また、第3実施形態における上述以外の構成並びに作用効果については、第1実施形態と同様である。それゆれ、これらの実施形態と同様な部分については説明を省略する。
[第4実施形態]
上述した第3実施形態のように流量調整手段27と荷重支持装置6とを別に設ける構成は、第4実施形態に示すような切替弁16を用いない流量調整手段27にも適用することができる。
図7に示すように、第4実施形態のタイヤの走行試験装置1も、第2実施形態と同様に貫通孔21内を上下に移動するピストン20(パッシブに動作するピストン弁)を用いたものとなっている。第4実施形態のタイヤの走行試験装置1が第2実施形態と異なっている点は、第3実施形態同様に荷重支持装置6と流量調整手段27とが別に設けられており、両部材間が一つの導水管28を介して連結されている点である。
なお、第4実施形態における上述以外の構成並びに作用効果については、第2実施形態と同様である。それゆえ、これらの実施形態と同様な部分については説明を省略する。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態のタイヤの走行試験装置1について、図を用いて説明する。
このような圧損が発生すると、圧力センサ11で計測される圧力の正確さが低下したり、切替弁19やピストン20の動作に誤作動が生じたりしやすくなる。そこで、第5実施形態及び第6実施形態のタイヤの走行試験装置1では、タイヤ支持面8の支持液の圧力を導水管28ではなく導圧管29で流量調整手段27まで導くようにしている。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態のタイヤの走行試験装置1について、図を用いて説明する。
具体的には、第6実施形態のタイヤの走行試験装置1では、流量調整手段27の内部に、貫通孔21同様に上方に沿って延びる分岐管30が形成されている。この分岐管30は貫通孔21の側方に形成されており、その分岐管30の下端は貫通孔21の上下方向の中途側に連結されている。また、この分岐管30の上端には導水管28の下端が接続されている。そして、導圧管29の上端は上述した圧力検出孔31に繋がっている。さらに、貫通孔21の上端は上方に向かって開口しており、この貫通孔21の開口に上述した導圧管29が接続されている。
また、第6実施形態のタイヤの走行試験装置1では、タイヤ支持面8の圧力が圧損なく直接ピストン20に作用する構成であるため、ピストン20の開閉動作(上下動)が安定し、流量調整手段27により支持液の流量調整を確実に行うことが可能となる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態のタイヤの走行試験装置1について、図を用いて説明する。
このようなピストン20の「開き放し状態」を回避するため、上述した第2実施形態では、ピストン20の下側にピストン20を上方に向かって付勢するバネ25を設け、弁開動に必要とされる力に比べて弁閉鎖に必要とされる力の方が小さくなるようにして、バネ25によりピストン20の閉鎖を補助する機構を設けていた。
すなわち、図10〜図13に示すように、第7実施形態の流量調整手段27は、ピストン20の外側に、このピストン20の外周面に嵌り込んだ状態で上下方向に移動する弁部材32を設けている。つまり、第7実施形態の流量調整手段27は、支持液の流量を調整するピストン20に加えて、ピストン20の「開き放し状態」を回避する弁部材32を設けたものとなっている。
内外流通孔33は、弁部材32の周壁に周方向にほぼ等間隔をあけて複数箇所(例えば、3箇所あるいは4箇所)に亘って形成されており、弁部材32の外側の支持液を周壁を貫通して内側に導入できるようになっている。
例えば、図10に示すように、タイヤ支持面8の支持液の圧力が高くなり、ピストン20が開となっている状態を考える。このとき、導水管28を介してピストン20の上面に作用する支持液の圧力が所定の圧力を超えているので、ピストン20はバネ25の付勢力に抗して下方に移動する。
このように弁部材32に上方に向かって力が加わると、第2バネ34の付勢力に抗して弁部材32が上方に移動する。やがて、図12に示す位置まで、弁部材32が上方に移動すると、支持液案内部36の開口位置と内外流通孔33の開口位置とが上下方向にずれて、支持液案内部36と内外流通孔33との連通が遮断されて、支持液が供給されなくなる。
図13に示すように、タイヤ支持面8の圧力が十分に低くなった場合には、ピストン20が上方に移動して切欠部24での支持液の流通が遮断されると共に弁部材32が第2バネ34の作用で再び下方に移動するので、図10に示す初期状態に復帰することが可能となる。
なお、第7実施形態における上述以外の構成並びに作用効果については、第4実施形態と同様である。それゆれ、これらの実施形態と同様な部分については説明を省略する。
また、タイヤの前後方向や左右方向のように互いに対称となる位置においては、圧力センサ11や流量調整弁12の設定や制御を共通化して、支持液の噴出の一元管理することもできる。
2 スピンドル軸
3 駆動ドラム
4 従動ドラム
5 ベルト
6 荷重支持装置
7 給液手段
8 タイヤ支持面
9 給液ユニット
10 給液孔
11 圧力センサ
12 流量調整弁
13 支持液給液室
14 ポンプ
15 貯留タンク
16 切替弁
17 支持液供給管
18 復水溝
19 支持液回収部
20 ピストン
21 貫通孔
22 位置決め部
23 バネ取付部
24 切欠部
25 バネ
26 ストッパ
27 流量調整手段
28 導水管
29 導圧管
30 分岐管
31 圧力検出孔
32 弁部材
33 内外流通孔
34 第2バネ
35 支持片
36 支持液案内部
37 給水路
Claims (8)
- 2つのドラムの間に水平に架け渡されたベルトと、該ベルトの平坦面を下面側から支持する荷重支持装置と、を有するタイヤの走行試験装置において、
前記荷重支持装置には、該荷重支持装置とベルトとの間に支持液を供給して前記ベルトを下方から支持する給液手段が設けられており、
前記給液手段は、前記荷重支持装置とベルトとの間に支持液を吐出可能な給液孔を前記荷重支持装置の上面に沿って複数備えており、且つ前記タイヤの接地状況に応じて変化する前記荷重支持装置の上面における流体圧力に基づいて、各給液孔から吐出される支持液の流量が調整可能とされていることを特徴とするタイヤの走行試験装置。 - 前記給液手段は、
前記荷重支持装置の上面に沿って複数設けられると共に前記荷重支持装置の上面おける流体圧力を計測する圧力センサを有していることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの走行試験装置。 - 前記給液手段は、前記荷重支持装置の上面における流体圧力に基づいて弁開度を調整することで、各給水孔から吐出される支持液の流量を調整可能な流量調整弁を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤの走行試験装置。
- 前記流量調整弁は、弁開動に必要とされる力に比べて、弁閉鎖に必要とされる力の方が小さくなる構成とされていることを特徴とする請求項3に記載のタイヤの走行試験装置。
- 前記給液手段は、各給液孔から吐出される支持液の供給圧力がタイヤ内圧より大きくなるように、各給液孔から吐出される支持液の流量を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤの走行試験装置。
- 前記各給液孔から吐出される支持液の流量を調整する流量調整手段が、前記荷重支持装置とは別に設けられ、
前記荷重支持装置に設けられる前記複数の給液孔と、前記複数の給液孔から吐出される支持液の流量を調整する前記流量調整手段と、が複数の導水管で繋がっている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤの走行試験装置。 - 前記流量調整手段は、前記導水管を流通する支持液の圧力または流量を計測可能なセンサを、前記流量調整手段に近い側に有しており、
前記センサで計測された圧力または流量の計測信号に基づいて、前記導水管を通る支持液の流量が調整される
ことを特徴とする請求項6記載のタイヤの走行試験装置。 - 前記流量調整手段は、前記導水管を流通する支持液の圧力または流量に基づいて弁開度を調整することで、前記各給水孔から吐出される支持液の流量を調整可能な流量調整弁を有している
ことを特徴とする請求項6記載のタイヤの走行試験装置。
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2017
- 2017-06-29 JP JP2017127712A patent/JP2017203777A/ja active Pending
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