JP2015011855A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】素子基板上に樹脂材料で形成された光学層を有し、額縁領域を小さくしても光学層の膜厚ムラが抑えられ表示品質に優れた有機EL装置を提供する。【解決手段】有機EL装置1は、素子基板10と、素子基板10上に設けられた、陽極24と、陽極24に対向して配置された陰極25と、陽極24と陰極25との間に配置された発光機能層26とを含む発光素子27と、発光素子27上に発光素子27を覆うように設けられた封止層30と、封止層30上に設けられ、樹脂材料で形成されたカラーフィルター層50と、を備え、封止層30は、外縁部に封止層30の中央部を囲むように配置され中央部と比べて膜厚が厚く形成された凸状部35を有していることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。
有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置は、陽極と陰極との間に発光機能層が挟持された発光素子を素子基板上に備えている。発光機能層の材料は、大気中の水分や酸素と容易に反応し劣化するものが多い。そのため、発光素子を覆うように緩衝層とガスバリア層とを配置して、水分や酸素の侵入を防止する薄膜封止構造と呼ばれる技術が用いられている。薄膜封止構造(緩衝層、ガスバリア層)は、例えば、素子基板上の発光素子が配列された発光領域よりも広い範囲に配置される。また、カラーフィルターは、例えば、素子基板上の発光素子と対向配置される対向基板に設けられる。
有機EL装置が、例えばヘッドマウントディスプレイ(HMD)等の小型の電子機器の表示装置として利用される場合、有機EL装置には、画素の高精細化や、額縁領域(発光領域の周囲の発光に実質的に寄与しない領域)の極小化が求められる。画素を高精細化するためには、発光素子とカラーフィルターとの位置ずれをより小さく抑えることが必要となる。そのため、カラーフィルターを、対向基板ではなく素子基板の薄膜封止構造の上に形成するオンチップカラーフィルター構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の有機EL装置では、樹脂材料からなる平坦化層(緩衝層)と無機材料からなる封止層(ガスバリア層)とを含む薄膜封止構造の上に、複数の着色層を有するカラーフィルターが形成される。複数の着色層と、着色層(画素の領域)同士を区画する隔壁とは、アクリル等の樹脂材料で構成される。カラーフィルターを形成する際は、素子基板上の全面、すなわち、薄膜封止構造の外周端部よりも外側まで着色層が塗布され、その後、着色層のうち発光領域以外の部分が除去される。
特開2012−38677号公報
ところで、特許文献1に記載のようなオンチップカラーフィルター構造を有する有機EL装置においては、薄膜封止構造上の全面に塗布された着色層の樹脂材料を濡れ広がらせてレベリングする際に、薄膜封止構造の外周端部における素子基板との段差の付近で樹脂材料の膜厚が薄くなる。有機EL装置の額縁領域を小さくすると、発光領域の外周端部と素子基板の外周端部との距離が小さくなるので、発光領域の外周端部と薄膜封止構造の外周端部との距離、すなわち、カラーフィルターの外周端部と薄膜封止構造の外周端部との距離も小さくなる。その結果、発光領域内における着色層(カラーフィルター)の膜厚が中央部と比べて外縁部で薄くなるため、発光領域内で発光ムラ(色ムラや輝度ムラ)が生じて有機EL装置の表示品質が低下してしまうという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、基板と、前記基板上に設けられた、第1の電極と、前記第1の電極に対向して配置された第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された有機発光層と、を含む発光素子と、前記発光素子上に前記発光素子を覆うように設けられた封止層と、前記封止層上に設けられ、樹脂材料で形成された光学層と、を備え、前記封止層は、外縁部に前記封止層の中央部を囲むように配置され前記中央部と比べて膜厚が厚く形成された凸状部を有していることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、発光素子を覆う封止層が外縁部に中央部と比べて膜厚が厚く形成された凸状部を有しており、封止層上に樹脂材料で形成された光学層が設けられている。そのため、光学層を形成する際に、素子基板上の全面に樹脂材料を塗布すると、樹脂材料は封止層の凸状部に跨るように配置されるが、凸状部の外側に配置された樹脂材料が外周端部における素子基板との段差付近でレベリングされても、凸状部の内側に配置された樹脂材料の外側への濡れ広がりは凸状部により抑止される。したがって、凸状部がない場合と比べて、凸状部の内側に形成される光学層の膜厚をより均一にできる。これにより、凸状部の内側における発光ムラが抑えられるので、電気光学装置の表示品質を向上させることができる。
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記封止層は、樹脂材料で形成された第1の封止層と、前記第1の封止層を覆うように無機材料で形成された第2の封止層と、を含み、前記封止層の前記凸状部は、前記第1の封止層の外縁部に前記第1の封止層の中央部を囲むように配置された凸状部の形状が反映されたものであることが好ましい。
本適用例の構成によれば、封止層の凸状部は、封止層を構成する第1の封止層の凸状部の形状が反映されたものである。第1の封止層は樹脂材料で形成されるので、第1の封止層を無機材料で形成する場合と比べて、凸状部を容易に形成することができる。
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記封止層の前記凸状部は、平面視で前記発光素子が配置された領域の周囲を囲むように設けられており、前記光学層は、前記封止層の前記凸状部よりも内側に配置されていることが好ましい。
本適用例の構成によれば、平面視で発光素子が配置された発光領域の周囲を囲むように封止層の凸状部が設けられており、凸状部よりも内側に光学層が配置されている。これにより、発光領域内において光学層の膜厚を均一にすることができる。
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記封止層の前記凸状部の厚さは、前記光学層の厚さの50%以上かつ400%以下であることが好ましい。
封止層の凸状部の厚さが光学層の厚さの50%未満であると、光学層を形成するために凸状部の内側に配置された樹脂材料の外側への濡れ広がりが抑止されにくくなる。一方、封止層の凸状部の厚さが光学層の厚さの400%を超える程度まで厚くなると、凸状部の幅が大きくなるため、封止層の外周端部がより外側に広がってしまい、額縁領域が大きくなってしまうこととなる。本適用例の構成によれば、封止層の凸状部の厚さが光学層の厚さの50%以上かつ400%以下であるので、凸状部の内側に配置された光学層を形成するための樹脂材料の外側への濡れ広がりを抑止しつつ、額縁領域を小さく抑えることが可能となる。
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記光学層は、積層された2層以上の層を含んでいてもよい。
本適用例の構成によれば、光学層が積層された2層以上の層を含んでいるので、光学層が異なる機能を有する2層以上の層で構成された電気光学装置を提供できる。
[適用例6]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記光学層は、カラーフィルター層を含んでいてもよい。
本適用例の構成によれば、光学層としてカラーフィルターを備えることで、特定の色光やフルカラーでの表示または発光が可能な電気光学装置を提供できる。
[適用例7]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記光学層は、マイクロレンズアレイを含んでいてもよい。
本適用例の構成によれば、光学層としてマイクロレンズアレイを備えることで、発光素子からの光を集光して射出することが可能な電気光学装置を提供できる。例えば、マイクロレンズアレイとカラーフィルターとを備える電気光学装置の場合、遮光層で遮光されてしまう光をマイクロレンズで集光することによりカラーフィルターの開口部(画素の領域)に入射させることが可能となるので、光の利用効率を高めることができる。
[適用例8]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本適用例の構成によれば、発光ムラが抑えられ、高い表示品質を有する電気光学装置を備えた電子機器を提供できる。
[適用例9]本適用例に記載の電気光学装置の製造方法は、基板上に、第1の電極と有機発光層と第2の電極とを配置して発光素子を形成する工程と、前記発光素子上に前記発光素子を覆うように第1の封止層と第2の封止層とを積層して封止層を形成する工程と、前記封止層上に樹脂材料を塗布して光学層を形成する工程と、を備え、前記第1の封止層を形成する工程では、前記第1の封止層の前記外縁部に前記中央部と比べて膜厚が厚い凸状部を形成することを特徴とする。
本適用例の製造方法によれば、第1の封止層の前記外縁部に前記中央部と比べて膜厚が厚い凸状部を形成する。そのため、光学層を形成する工程において、凸状部の内側に配置される樹脂材料の外側への濡れ広がりが凸状部により抑止されるので、凸状部を形成しない場合と比べて、凸状部の内側に形成される光学層の膜厚をより均一にできる。
[適用例10]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記第1の封止層を形成する工程では、前記樹脂材料が通過する第1の部分と、前記第1の部分を囲むように配置され前記樹脂材料が通過しない第2の部分と、を有するスクリーンマスクを介して前記樹脂材料を塗布することが好ましい。
本適用例の製造方法によれば、容易に第1の封止層の外縁部に凸状部を設けることができる。
[適用例11]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記スクリーンマスクの前記第2の部分の厚さを変化させることが好ましい。
本適用例の製造方法によれば、スクリーンマスクの第2の部分の厚さを変化させることにより、第1の部分の外縁部における樹脂材料の盛り上がり量が変化するので、形成される第1の封止層の凸状部の膜厚を調整することができる。
[適用例12]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記スクリーンマスクの前記第1の部分の外縁部と中央部とにおいて開口率を異ならせることが好ましい。
本適用例の製造方法によれば、スクリーンマスクの第1の部分の外縁部と中央部とにおいて、開口率、すなわち単位面積当たりの開口面積の比率を異ならせることにより、第1の部分の外縁部と中央部とにおいて樹脂材料の単位面積当たりの塗布量を異ならせることができる。これにより、形成される第1の封止層の凸状部の膜厚と、凸状部の内側の部分の膜厚との差を調整することができる。
[適用例13]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記光学層を形成する工程は、複数の着色層を形成する工程を含み、前記複数の着色層を形成する工程では、前記複数の着色層のうち膜厚が最も厚い前記着色層を最後に形成することが好ましい。
例えば、複数の着色層として3色の着色層が並ぶように配置された光学層を形成する場合、最初に形成された着色層のうちの必要な部分以外を除去すると、残される部分の両側で下層の封止層が露出する。そして、次に形成された着色層のうちの必要な部分以外を除去すると、残される部分の片側で下層の封止層が露出するが、最後に形成された着色層のうちの必要な部分以外を除去する際は、残される部分の両側に先に形成された着色層が存在する。ここで、必要な部分以外を除去する際、残される部分の少なくとも片側で下層の封止層が露出する場合、残される着色層の剥れが生じる可能性があり、着色層の厚さが厚いほどそのリスクは大きくなる。本適用例の製造方法によれば、複数の着色層のうち膜厚が最も厚い着色層を最後に形成するので、着色層の剥れが生じるリスクを小さく抑えることができる。
第1の実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の構成を示す模式平面図。 図2のA−A’線に沿った概略断面図。 図3のB部の拡大図。 図3のC部の拡大図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する模式図。 第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する模式図。 スクリーンマスクの構成を説明する模式図。 スクリーンマスクの構成を説明する模式図。 第2の実施形態に係る有機EL装置の構成を示す概略断面図。 第3の実施形態に係る電子機器としてのヘッドマウントディスプレイの構成を示す概略図。 従来の封止層を備えた有機EL装置の比較例を示す図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大又は縮小して表示している。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、又は基板の上に他の構成物を介して配置される場合、又は基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
(第1の実施形態)
<有機EL装置>
まず、第1の実施形態に係る電気光学装置としての有機EL装置の構成について図を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図2は、第1の実施形態に係る有機EL装置の構成を示す模式平面図である。なお、図2では、対向基板40及び接着層41(図3参照)の図示を省略している。
図1に示すように、有機EL装置1は、スイッチング素子としてトランジスターを用いたアクティブマトリックス型の有機EL装置である。トランジスターは、例えば、薄膜半導体層を用いた薄膜トランジスター(Thin Film Transistor、以下、TFTという)である。
有機EL装置1は、基板としての素子基板10(図2参照)と、素子基板10上に設けられた走査線12と、走査線12に対して交差する方向に延びる信号線13と、信号線13に並列に延びる電源線14とを備えている。信号線13には、シフトレジスター、レベルシフター、ビデオライン、及びアナログスイッチを備えた信号線駆動回路15が接続されている。また、走査線12には、シフトレジスター及びレベルシフターを備えた走査線駆動回路16が接続されている。
走査線12と信号線13とによりサブ画素39(図2参照)の領域が区画されている。サブ画素39は、有機EL装置1の表示の最小単位であり、例えば、走査線12の延在方向と信号線13の延在方向とに沿ってマトリックス状に配列されている。各サブ画素39には、スイッチング用トランジスター21と、駆動用トランジスター23と、保持容量22と、第1の電極としての陽極24と、第2の電極としての陰極25と、有機発光層を含む発光機能層26とが設けられている。
陽極24と、陰極25と、発光機能層26とによって、発光素子(有機EL素子)27が構成される。発光素子27では、陽極24側から注入される正孔と、陰極25側から注入される電子とが発光機能層26の有機発光層で再結合することにより発光が得られる。
有機EL装置1では、走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン状態になると、信号線13を介して供給される画像信号が保持容量22に保持され、保持容量22の状態に応じて駆動用トランジスター23のソースとドレインとの間の導通状態が決まる。そして、駆動用トランジスター23を介して陽極24が電源線14に電気的に接続したとき、電源線14から陽極24に電流が流れ、さらに発光機能層26を通じて陰極25に電流が流れる。
この電流は、駆動用トランジスター23のソースとドレインとの間の導通状態に応じたレベルとなる。このとき、駆動用トランジスター23のソースとドレインとの間の導通状態、すなわち、駆動用トランジスター23のチャネルの導通状態は、駆動用トランジスター23のゲートの電位により制御される。そして、発光機能層26の有機発光層は、陽極24と陰極25との間に流れる電流量に応じた輝度で発光する。
換言すれば、発光素子27の発光状態を駆動用トランジスター23により制御するとき、駆動用トランジスター23のソース及びドレインのいずれか一方が電源線14に電気的に接続され、駆動用トランジスター23のソース及びドレインのいずれか他方が発光素子27に電気的に接続される。
図2に示すように、有機EL装置1は、素子基板10上に、略矩形の平面形状を有する発光領域Eと、発光領域Eの周囲を囲む額縁領域Fとを有している。発光領域Eは、有機EL装置1において、実質的に発光に寄与する領域である。額縁領域Fは、有機EL装置1において、実質的に発光に寄与しない領域である。
なお、携帯機器等の電子機器では、機器の外形を小型化するため、電子機器の外形に対して表示部をできるだけ大きく(広く)することが求められる。したがって、有機EL装置1が携帯機器等の小型の電子機器の表示部に用いられる場合、素子基板10の外形に対して、発光領域Eは極力大きく(広く)、額縁領域Fは極力小さい(狭い)ことが望ましい。
発光領域Eには、サブ画素39(発光素子27)が、例えばマトリックス状に配列されている。サブ画素39は、例えば略矩形の平面形状を有している。サブ画素39の略矩形状の4つの角は丸く形成されていてもよい。この場合、サブ画素39の平面形状は、4つの辺と4隅に対応する湾曲部から構成される。
本実施形態に係る有機EL装置1は、赤色(R)を発光するサブ画素39Rと、緑色(G)を発光するサブ画素39Gと、青色(B)を発光するサブ画素39Bと、を有している。以下では、対応する色を区別しない場合には、単にサブ画素39と記す。各サブ画素39には、発光素子27が設けられている。
発光素子27上には、発光素子27を覆うように封止層30が設けられている。封止層30は、発光領域Eよりも広い範囲に配置されている。換言すれば、封止層30の外周端部は額縁領域Fに配置されている。封止層30は、その外縁部に平面視で枠状に設けられた凸状部35を有している。凸状部35は、発光領域Eの周囲を囲むように設けられていることが好ましい。
封止層30上には、光学層としてのカラーフィルター層50が設けられている。カラーフィルター層50は、平面視で封止層30の凸状部35よりも内側に、発光素子27が配置された発光領域Eと重なるように配置されている。
発光領域Eの周囲には、2つの走査線駆動回路16(図1参照)と検査回路(図示省略)とが配置されている。検査回路は、有機EL装置1の作動状況を検査するための回路である。素子基板10の外周縁部には、陰極用配線(図示省略)が配置されている。また、素子基板10の一つの辺側には、端子部37が設けられている。有機EL装置1は、端子部37において、例えば、駆動用ICを備えたフレキシブル基板等に接続される。
本実施形態に係る有機EL装置1では、サブ画素39R,39G,39Bにより、画像を形成する際の一つの単位である画素38が構成される。有機EL装置1は、それぞれの画素38においてサブ画素39R,39G,39Bのそれぞれの輝度を適宜変えることで、種々の色の光を射出することができる。これにより、有機EL装置1は、フルカラー表示又はフルカラー発光が可能である。
なお、有機EL装置1は、発光領域の外側、すなわち額縁領域Fに発光素子27が配置されたダミー領域を備えていてもよい。この場合、ダミー領域に配置される発光素子27は、陽極24を備えていなくてもよい。また、有機EL装置1がダミー領域を備えている場合、封止層30の凸状部35が発光領域Eの外側のダミー領域の周囲を囲むように設けられており、封止層30の凸状部35の内側において、カラーフィルター層50が発光領域Eだけでなくダミー領域にも配置されていてもよい。
次に、第1の実施形態に係る有機EL装置1の構造について図3、図4、及び図5を参照して説明する。図3は、図2のA−A’線に沿った概略断面図である。図4は、図3のB部の拡大図である。図5は、図3のC部の拡大図である。
図3を参照して、有機EL装置1の概略構造を説明する。図3に示すように、有機EL装置1は、発光素子(有機EL素子)27が設けられた素子基板10と、素子基板10との間に発光素子27を挟むように配置された対向基板40と、素子基板10と対向基板40との間に配置された接着層41と、を備えている。
素子基板10上には、発光素子27と、隔壁28(図4参照)と、陰極保護層29と、封止層30と、カラーフィルター層50とが設けられている。有機EL装置1は、カラーフィルター層50を素子基板10上に備える、いわゆるオンチップカラーフィルター構造を有している。
本明細書では、素子基板10の上面に平行な一方向をX方向とし、上面に平行であってX方向と交差する方向をY方向とする。また、X方向及びY方向と交差する素子基板10の厚さ方向をZ方向とする。なお、図2に示すように有機EL装置1を素子基板10の上面の法線方向(Z方向)から見ることを「平面視」といい、図3に示すように有機EL装置1の断面をY方向から見ることを「断面視」という。また、図3における有機EL装置1の対向基板40側(+Z方向)を「上方」といい、素子基板10側(−Z方向)を「下方」という。
本実施形態に係る封止層30は、素子基板10上に陰極保護層29を覆うように設けられている。封止層30は、第1の封止層としての緩衝層32と、第2の封止層としてのガスバリア層34とで構成される。
緩衝層32は、陰極保護層29上に設けられている。緩衝層32は、発光領域Eと重なるとともにその外周端部が額縁領域Fまで到達するように形成される。緩衝層32の外周端部は、陰極保護層29の外周端部よりも内側に配置されていることが好ましい。緩衝層32は、外縁部に、上方に向けて膨らんだ凸状部33を有している。凸状部33は、緩衝層32において中央部と比べて膜厚が厚く形成された部分である。凸状部33は、発光領域Eの周囲を囲むように設けられている。凸状部33は、発光領域Eの外側、すなわち額縁領域Fに配置されていることが好ましい。
ガスバリア層34は、陰極保護層29と緩衝層32とを覆うように設けられている。ガスバリア層34の外周端部は、緩衝層32の外周端部よりも外側に配置されていることが好ましい。ガスバリア層34は、緩衝層32上に略均一な膜厚で形成されている。したがって、ガスバリア層34の表面は、凸状部33を有する緩衝層32の表面が反映された形状となる。すなわち、封止層30は、外縁部に、緩衝層32の凸状部33の形状が反映された凸状部35を有しており、凸状部35は、発光領域Eの周囲を囲むように配置されている。凸状部35の発光領域E側の端から緩衝層32の端までの幅(X方向における長さ)をHとする。
カラーフィルター層50は、封止層30(ガスバリア層34)上に設けられている。カラーフィルター層50は、封止層30の凸状部35よりも内側に、発光素子27と重なるように配置されている。
カラーフィルター層50までが設けられた素子基板10と対向基板40とは、接着層41を介して接着固定されている。接着層41は、例えば、封止層30と重なる範囲に配置されている。
有機EL装置1が、発光素子27から発した光が素子基板10の下方側に射出されるボトムエミッション型である場合には、素子基板10に透光性材料が用いられる。また、有機EL装置1が、発光素子27から発した光が、上方の対向基板40側に射出されるトップエミッション型である場合には、対向基板40に透光性材料が用いられる。本実施形態では、有機EL装置1がトップエミッション型であるものとする。
図4を参照して、有機EL装置1の詳細構造を説明する。図4に示すように、素子基板10は、基板本体11と回路素子層17とを有する。基板本体11は、例えば、ガラス、石英、樹脂、セラミックス等からなる。基板本体11の材料は、シリコン(Si)であってもよい。対向基板40は、例えば、ガラス、石英、樹脂、セラミックス等の透光性を有する材料からなる。
回路素子層17は、基板本体11上に設けられている。回路素子層17は、駆動用トランジスター23と、図示しない層間絶縁層及び平坦化層を含んでいる。駆動用トランジスター23は、サブ画素39(39R,39G,39B)毎に設けられている。駆動用トランジスター23は、半導体膜とゲート絶縁層とゲート電極とドレイン電極とソース電極とを備えている。ゲート電極は、半導体膜を覆うゲート絶縁層を間に挟んで半導体膜のチャネル領域に平面的に重なるように配置されている。
ドレイン電極は、ゲート電極とゲート絶縁層とを覆う層間絶縁層に設けられたコンタクトホールを介して、半導体膜のドレイン領域に導電接続されている。ソース電極は、同様にコンタクトホールを介して、半導体膜のソース領域に導電接続されている。平坦化層は、ドレイン電極及びソース電極を覆うように設けられており、これらの電極やその他の配線部による表面の凹凸を緩和している。
陽極24は、素子基板10上に、サブ画素39(39R,39G,39B)毎に設けられている。陽極24は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)等の金属酸化物や合金等で構成される。陽極24は、例えば、平面視で略矩形状に形成されている。陽極24は、回路素子層17に設けられたコンタクトホールを介して、駆動用トランジスター23のドレイン電極に電気的に接続されている。
隔壁(バンク)28は、素子基板10上に平面視で略格子状に設けられている。隔壁28は、例えば、断面形状が傾斜面を有する台形状であり、隣り合う陽極24間の絶縁性を確保するとともに、サブ画素39の形状を所望の形状(例えば、トラック形状)にするために、陽極24の周縁部に所定幅で乗り上げるように形成されている。
隔壁28の開口部が、サブ画素39の領域となる。また、隔壁28と重なる領域、すなわちサブ画素39の領域以外の領域が、遮光領域53となる。隔壁28は、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶剤性を有する有機材料からなる。隔壁28は、例えばシリコン酸化膜(SiO2)等の無機材料で形成されていてもよい。
発光機能層26は、例えば、隔壁28により区画された各サブ画素39(39R,39G,39B)の領域における陽極24上に設けられている。発光機能層26は、例えば、白色発光する有機発光層を備えている。発光機能層26は、陽極24と隔壁28とを覆うように発光領域Eの全面に亘って設けられていてもよい。
発光機能層26は、有機材料で構成された有機発光層(エレクトロルミネッセンス層)を有する。発光機能層26は、有機発光層の他に、正孔輸送層、正孔注入層、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層、電子阻止層等の他の層を備える構成であってもよい。有機EL装置1がトップエミッション型の場合、発光機能層26から発せられた各色光は、図4に矢印で示すように上方へ射出される。
発光機能層26上には、隔壁28及び発光機能層26を覆うように陰極25が設けられている。陰極25は、例えば、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)等の金属又はこれらの金属化合物で構成される。
陰極保護層29は、陰極25や陰極用配線(図示省略)を覆うように設けられている。陰極保護層29は、酸素や水分から発光素子27を保護する機能を有する。また、上層の緩衝層32に含まれる有機成分から陰極25を含む発光素子27を保護する機能も有する。陰極保護層29は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(SiN)、シリコン酸窒化膜(SiON)等の無機材料で構成される。陰極保護層29は、例えば、ECRスパッタ法やイオンプレーティング法等の高密度プラズマ成膜法を用いて形成される。
緩衝層32は、陰極保護層29上に設けられている。緩衝層32は、素子基板10の反りや体積膨張により発生する応力や外部から加えられる機械的衝撃及び応力を緩和して、上層のガスバリア層34及び下層の陰極保護層29にクラックや剥れが発生することを防止する機能を有する。また、緩衝層32は、発光領域Eにおいて、隔壁28の形状に起因する陰極保護層29表面の段差や凹凸を緩和して、ガスバリア層34が成膜される面を略平坦化することにより、ガスバリア層34における応力が集中する部位を少なくする機能を有する。
緩衝層32の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の透光性を有する樹脂材料を用いることができる。これらの中でも、硬化する際の収縮(体積変化)の度合いが少ないエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
ガスバリア層34は、陰極保護層29と緩衝層32とを覆うように設けられている。ガスバリア層34は、その内側に酸素や水分が浸入するのを防止する機能を有する。これにより、陰極25や発光機能層26への酸素や水分の浸入が抑えられるので、陰極25や発光機能層26の劣化等を抑えることができる。ガスバリア層34は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(SiN)やシリコン酸窒化膜(SiON)等の無機化合物からなる。ガスバリア層34は、例えば、ECRスパッタ法やイオンプレーティング法等の高密度プラズマ成膜法を用いて硬い緻密な膜に形成される。
カラーフィルター層50は、封止層30上(ガスバリア層34上)に設けられている。カラーフィルター層50は、カラーフィルター51と、隔壁52とで構成される。カラーフィルター層50は、カラーフィルター51として、赤色(R)光を透過するカラーフィルター51Rと、緑色(G)光を透過するカラーフィルター51Gと、青色(B)光を透過するカラーフィルター51Bとを有している。
カラーフィルター51R,51G,51Bは、それぞれサブ画素39R,39G,39Bに対応して、例えば、Y方向に沿うストライプ状に配置されている。カラーフィルター51R,51G,51Bは、例えば、顔料等が分散されたネガ型のアクリル等の透光性樹脂材料をパターニングして形成されている。以下では、対応する色を区別しない場合には、単にカラーフィルター51と記す。
各カラーフィルター51には、各サブ画素39の発光色に合せた顔料が分散されている。カラーフィルター51Rには、赤色光に相当する波長範囲の光、すなわち波長が略610nm〜略750nmの範囲内の光を透過させ、それ以外の波長範囲の光を吸収する材料が分散されている。
カラーフィルター51Gには、緑色光に相当する波長範囲の光、すなわち波長が略500nm〜略560nmの範囲内の光を透過させ、それ以外の波長範囲の光を吸収する材料が分散されている。カラーフィルター51Bには、青色光に相当する波長範囲の光、すなわち波長が略435nm〜略480nmの範囲内の光を透過させ、それ以外の波長範囲の光を吸収する材料が分散されている。
隔壁52は、各サブ画素39の領域に対応する各カラーフィルター51の領域を区画している。換言すれば、隔壁52は、サブ画素39の領域以外の遮光領域53に配置されている。隔壁52は、発光素子27から発せられた光のうち、遮光領域53から射出される光を遮光又は減光する機能を有する。隔壁52は、例えば、Y方向に沿うストライプ状に配置されている。
隔壁52は、カラーフィルター51R,51G,51Bのいずれか一つがその機能を兼ねる構成としてもよいし、カラーフィルター51R,51G,51Bのうちの少なくとも2つが積層された構成としてもよい。なお、カラーフィルター51R,51G,51Bは、マトリックス状に配置されていてもよい。その場合、隔壁52は、サブ画素39の領域を区画する隔壁28に対応して略格子状に配置されていてもよい。
カラーフィルター層50までが設けられた素子基板10と対向基板40とは、接着層41を介して接着固定されている。接着層41は、例えば、エポキシ樹脂などの透光性を有する接着剤からなる。接着層41は、素子基板10と対向基板40とを固定するとともに、外部からの機械的衝撃を緩和する機能を有する。
続いて、図5を参照して、封止層30の構成をさらに説明する。図5に示すように、緩衝層32の膜厚が最も厚い部分の厚さ(Y方向における長さ)をL1とする。緩衝層32の膜厚が最も厚い部分は、凸状部33の頂点部分であり、厚さL1は陰極保護層29の表面(上面)29aと凸状部33の頂点とのY方向における距離である。
また、緩衝層32において、凸状部33の内側の略平坦な部分の厚さ(Y方向における長さ)をL2とし、略平坦な部分を基準とした凸状部33の厚さ(Y方向における長さ)をL3する。厚さL2は、額縁領域Fに配置された陰極保護層29の表面(緩衝層32側の面)29aを基準面とした際の、陰極保護層29の表面29aと、緩衝層32の略平坦な部分の表面(上面)32aとのY方向における距離である。厚さL3は、緩衝層32の略平坦な部分の表面32aと凸状部33の頂点とのY方向における距離である。
封止層30の凸状部35の厚さ(Y方向における長さ)をL4する。厚さL4は、ガスバリア層34の略平坦な部分の表面(上面)34aと凸状部35の頂点とのY方向における距離である。ここで、ガスバリア層34の膜厚は、緩衝層32の略平坦な部分の厚さL2や凸状部33の厚さL3と比べると、ガスバリア層34の全域に亘って均一であると見なすことができる。ガスバリア層34の膜厚をT1とし、膜厚T1が緩衝層32上の全域に亘って均一であるとすると、L4=L3=L1−L2となる。
封止層30において、カラーフィルター層50の膜厚をT2とすると、凸状部35の厚さL4(凸状部33の厚さL3)は、カラーフィルター層50の膜厚T2の50%以上かつ400%以下程度であることが好ましく、カラーフィルター層50の膜厚T2の50%以上かつ200%以下程度であることがより好ましい。これは、以下の理由による。
凸状部35の厚さL4(凸状部33の厚さL3)がカラーフィルター層50の膜厚T2の50%未満であると、カラーフィルター層50を形成する際に凸状部35の内側に配置された樹脂材料の外側への濡れ広がりが抑止されにくくなる。なお、カラーフィルター層50を形成する方法については後述する。
一方、凸状部35の厚さL4(凸状部33の厚さL3)が、カラーフィルター層50の膜厚T2の400%を超える程度まで厚くなると、凸状部35の幅(X方向における長さであり、図3にHで示す)も相対的に大きくなる。そうすると、封止層30の外周端部がより外側(素子基板10の外周端部側)に広がることとなり、結果として、額縁領域Fが大きくなってしまう。
また、凸状部35は発光領域Eよりも外側(額縁領域F)に配置されていることが好ましいが、凸状部35の幅が大きい場合に額縁領域Fを小さくしようとすると、ガスバリア層34の略平坦な部分の表面34aから凸状部35が立ち上がる部分が発光領域Eの内側に配置されてしまうこととなる。
本実施形態の構成によれば、凸状部35の厚さL4(凸状部33の厚さL3)がカラーフィルター層50の膜厚T2の50%以上かつ400%以下であるので、カラーフィルター層50を形成する際に、凸状部35の内側に配置された樹脂材料の外側への濡れ広がりを抑止しつつ、額縁領域Fを小さく抑えることができる。また、凸状部35の厚さL4(凸状部33の厚さL3)がカラーフィルター層50の膜厚T2の200%以下であると、額縁領域Fをより小さく抑えることが可能となる。
なお、緩衝層32の略平坦な部分の厚さL2は、隔壁28の形状(厚さ)に起因する陰極保護層29表面の段差や凹凸を緩和するとともに、素子基板10の反り等や外部からの応力を緩和するために必要となる厚さとして適宜設定される。本実施形態では、例えば、緩衝層32の略平坦な部分の厚さL2を2μm程度とし、凸状部33の厚さL3を2μm程度としている。したがって、凸状部35の厚さL4は2μm程度であり、緩衝層32の最も厚い部分の厚さL1は4μm程度である。カラーフィルター層50の膜厚T2を1.5μm程度とすると、凸状部35の厚さL4(凸状部33の厚さL3)は、カラーフィルター層50の膜厚T2の約133%となる。
<有機EL装置の製造方法>
次に、第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を図6、図7、図8、及び図9を参照して説明する。図6及び図7は、第1の実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明する模式図である。図8及び図9は、スクリーンマスクの構成を説明する模式図である。
なお、有機EL装置1は、例えば、有機EL装置1(素子基板10)を複数枚取りできる大型のマザー基板の状態で加工が行われる。そして、最終的にそのマザー基板から有機EL装置1(素子基板10)を切り出して個片化することにより、複数の有機EL装置1が得られる。図6及び図7では、個別の素子基板10の状態を示している。なお、図6及び図7の各図は、図2のA−A’線に沿った概略断面図に相当する。
まず、図6(a)に示すように、公知の技術を用いて、素子基板10上に発光素子27を形成し、発光素子27を覆うように陰極保護層29を形成する。陰極保護層29は、その外周端部が額縁領域Fまで到達するように形成される。陰極保護層29は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(SiN)、シリコン酸窒化膜(SiON)等の無機材料を用いて、ECRスパッタ法やイオンプレーティング法等の高密度プラズマ成膜法により形成される。
次に、図6(b)に示すように、陰極保護層29が形成された素子基板10上に、樹脂材料を塗布して、緩衝層32を形成する。緩衝層32は、発光素子27と重なるとともに、その外周端部が額縁領域Fまで到達するように形成される。なお、緩衝層32の外周端部は、陰極保護層29の外周端部よりも内側に配置されることが好ましい。
緩衝層32を形成するための樹脂材料としては、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂を用いることで、他の樹脂材料を用いる場合と比べて、硬化するときの収縮の度合いを小さく抑えることができる。樹脂材料が硬化するときの収縮の度合いが大きいと、素子基板10の反りや歪みが生じ易くなる。
エポキシ樹脂としては、熱硬化型やUV硬化型のビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることができるが、本実施形態では、熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。UV硬化型の樹脂はUV(紫外線)光を照射することにより発光機能層26が劣化するおそれを伴うが、熱硬化型の樹脂はこのようなリスクを伴わない点で好ましい。
緩衝層32を形成するための樹脂材料は、例えば、スクリーン印刷法を用いて塗布される。このとき、塗布面(陰極保護層29)の濡れ性、スクリーンマスクに配置された乳剤71の厚さT3、及びスクリーンマスクの開口率を制御することで、緩衝層32と凸状部33とを同時に形成でき、凸状部33の厚さL3を調整することができる。
一例として、塗布面(陰極保護層29)の濡れ性と、スクリーンマスクに配置された乳剤71の厚さT3とによって、凸状部33を形成しその厚さL3を調整する方法について説明する。図8に、本実施形態で用いるスクリーンマスク70の概略構成を示す。図8(a)はスクリーンマスク70の平面図であり、図8(b)は図8(a)のD−D’線に沿った概略断面図である。
図8(a)及び(b)に示すように、スクリーンマスク70は、第1の部分70bと、第1の部分70bの周囲を囲むように配置された第2の部分70aとを有する。第1の部分70bは、樹脂材料が通過するメッシュ等が設けられた開口部である。第2の部分70aは、樹脂材料が通過しないように乳剤71が配置された非開口部である。図8(b)に示すように、第2の部分70aに配置された乳剤71の厚さをT3とする。
水の接触角が40度となるように調整した塗布面(陰極保護層29)に対してスクリーンマスク70を用いて塗布すると、第1の部分70bにおいて樹脂材料がスクリーンマスク70を通過して素子基板10上に配置される。このとき、第1の部分70bを通過した樹脂材料のうち、外縁部70cに対応する部分の膜厚が中央部の膜厚と比べて厚くなる。この結果、第1の部分70bを通過した樹脂材料のうちの外縁部70cに対応する部分に、図6(b)に示す凸状部33が形成される。なお、樹脂材料の塗布面は水の接触角が30度〜60度に調整されていることが好ましく、40度〜50度に調整されていることがさらに好ましい。
本実施形態では、塗布面(陰極保護層29)の濡れ性として液体が水である場合の接触角を40度とし、乳剤71の厚さT3を20μmとし、第1の部分70bの開口率を100%とした。なお、開口率が100%とは、第1の部分70bにメッシュ以外に乳剤等が配置されていないことを意味する。この結果、凸状部33の厚さL3が2μm、緩衝層32の略平坦な部分の厚さL2が2μm、最も厚い部分の厚さL1が4μmの緩衝層32が得られた。
ここで、乳剤71の厚さT3を厚くすることにより、凸状部33の厚さL3を厚くすることができる。例えば、乳剤71の厚さT3を25μmとすることで、凸状部33の厚さL3が6μmの緩衝層32が得られた。この場合も、第1の部分70bの開口率は変わらないので、緩衝層32の略平坦な部分の厚さL2は2μmとなり、最も厚い部分の厚さL1は8μmとなる。このように、乳剤71の厚さT3を変化させることで、緩衝層32における凸状部33の厚さL3を調整することができる。
また、本実施形態では、図9に示すスクリーンマスク72を用いることもできる。図9(a)はスクリーンマスク72の平面図であり、図9(b)は図9(a)のK部の拡大図であり、図9(c)は図9(b)のD−D’線に沿った概略断面図である。
図9(a)に示すように、スクリーンマスク72は、樹脂材料が通過する第1の部分72b及び第3の部分72cと、第1の部分72bの周囲を囲むように配置された樹脂材料が通過しない第2の部分72aとを有する。第1の部分72bは、開口率が100%であり、第3の部分72cの周囲を囲むように配置されている。
図9(b)及び(c)に示すように、第3の部分72cには、部分的に乳剤71が配置されており、第1の部分72bと比べて開口率が低減されている。したがって、第3の部分72cでは、第1の部分72bと比べて通過する樹脂材料の単位面積当たりの量が減少する。これにより第3の部分72cの開口率が減少することで、第1の部分72bを通過した樹脂材料の膜厚は、第3の部分72cを通過した樹脂材料の膜厚よりも厚くなる。
第3の部分72cにおける開口率は、乳剤71が配置される部分と乳剤71が配置されない部分との平面的な面積比率により変化する。例えば、上述と同様の条件で、乳剤71の厚さT3を20μmとし、第3の部分72cにおける開口率を50%とすると、緩衝層32の略平坦な部分の厚さL2が1μmとなる。この場合、緩衝層32の膜厚が最も厚い部分の厚さL1は、乳剤71の厚さT3に依存するため、上述と同様に4μmとなる。この結果、凸状部33の厚さL3(=L1−L2)は、3μmとなる。このように、第3の部分72cにおける開口率を変化させることで、緩衝層32における略平坦な部分の厚さL2と凸状部33の厚さL3とを調整することができる。
なお、緩衝層32における略平坦な部分の厚さL2は、第1の部分72b及び第3の部分72cにおけるメッシュの厚さを変化させることで、調整することも可能である。
続いて、塗布した樹脂材料に熱処理を行い、硬化(固化)させる。これにより、緩衝層32が形成される。
次に、図6(c)に示すように、陰極保護層29と緩衝層32とを覆うように、ガスバリア層34を形成する。ガスバリア層34は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(SiN)やシリコン酸窒化膜(SiON)等の無機化合物を用いて、ECRスパッタ法やイオンプレーティング法等の高密度プラズマ成膜法を用いて硬い緻密な膜に形成される。これにより、緩衝層32とガスバリア層34とで封止層30が構成され、緩衝層32の凸状部33に対応する凸状部35が形成される。なお、ガスバリア層34は、その外周端部が緩衝層32の外周端部よりも外側に配置されるように形成することが好ましい。
次に、図6(d),(e)及び図7(a),(b),(c),(d)に示す各工程を実施することにより、封止層30上にカラーフィルター層50(カラーフィルター51R,51G,51B及び隔壁52)を形成する。
まず、図6(d)に示すように、封止層30が形成された素子基板10上に、赤色光を透過する着色層(カラーフィルター)51Rを形成する。着色層51Rとして、波長が略610nm〜略750nmの範囲内の光を透過させる材料が分散されたネガ型の感光性アクリル等の樹脂材料を用いる。
着色層51Rの樹脂材料を、例えば、スピンコート法やスリットコート法により、素子基板10上の全面に塗布する。着色層51Rの樹脂材料は、封止層30の凸状部35に跨るように配置される。樹脂材料が塗布された素子基板10を所定の時間放置して、樹脂材料を濡れ広がらせるためのレベリングを行う。このとき、凸状部35の外側に配置された樹脂材料が封止層30の外周端部における素子基板10との段差付近でレベリングされても、凸状部35の内側に配置された樹脂材料は、凸状部35により外側への濡れ広がりが抑止されるので、凸状部35の内側でレベリングされる。これにより、凸状部35の内側では着色層51Rの膜厚が略均一となり、中央部と比較して外縁部側の着色層51Rの膜厚が薄くなることを防止できる。
次に、図6(e)に示すように、着色層51Rをフォトリソグラフィー法によりパターニングして、赤色のサブ画素39Rの領域(図4参照)以外の領域から着色層51Rを選択的に除去する。着色層51Rのうち、凸状部35と重なる部分及び凸状部35よりも外側の部分も選択的に除去される。このとき、着色層51Rのうち、サブ画素39Rの領域を囲む領域、すなわち、遮光領域53(図4参照)と重なる部分を除去せず残留させる。なお、フォトリソグラフィー法とは、対象となる薄膜に現像工程とエッチング工程を順に実施してパターニングする手法である。本実施形態では対象となる薄膜が感光性アクリルであるため、現像工程がエッチング工程を兼ねている。
続いて、選択的に残された着色層51Rに熱処理を施して硬化させる。これにより、封止層30上における凸状部35の内側において、赤色のサブ画素39Rの領域に残留した着色層51Rが赤色のカラーフィルター51Rとなる。また、遮光領域53に残留した着色層51Rが隔壁52として機能する。
次に、図7(a)に示すように、カラーフィルター51Rが形成された素子基板10上に、緑色光を透過する着色層(カラーフィルター)51Gを形成する。着色層51Gとして、波長が略500nm〜略560nmの範囲内の光を透過させる材料が分散されたネガ型の感光性アクリル等の樹脂材料を用いる。
着色層51Gの樹脂材料を、例えばスピンコート法等により、素子基板10上の全面に塗布する。着色層51Gの樹脂材料は、封止層30の凸状部35を跨るように配置される。樹脂材料が塗布された素子基板10を所定の時間放置して、樹脂材料を濡れ広がらせるためのレベリングを行う。このとき、凸状部35の内側に塗布された着色層51Gの樹脂材料は、凸状部35により外側への濡れ広がりが抑止されるので、凸状部35の内側でレベリングされる。これにより、凸状部35の内側では着色層51Gの膜厚が略均一となる。
次に、図7(b)に示すように、着色層51Gをフォトリソグラフィー法によりパターニングして、緑色のサブ画素39Gの領域(図4参照)以外の領域から着色層51Gを選択的に除去する。このとき、着色層51Gのうち、サブ画素39Gの領域を囲む領域、すなわち、遮光領域53(図4参照)と重なる部分を残留させる。なお、このパターニング時において、着色層51Gの下層に形成されている赤色のカラーフィルター51R及び隔壁52(着色層51R)は既に硬化しているため、エッチングにより損なわれることはない。
続いて、選択的に残された着色層51Gに熱処理を施して硬化させる。これにより、緑色のサブ画素39Gの領域に残留した着色層51Gが、緑色のカラーフィルター51Gとなる。また、遮光領域53に残留した着色層51Gが隔壁52として機能する。この結果、カラーフィルター51Rとカラーフィルター51Gとの間の隔壁52の少なくとも一部は、着色層51R上に着色層51Gが積層された構成となる。
次に、図7(c)に示すように、カラーフィルター51R,51Gが形成された素子基板10上に、青色光を透過する着色層(カラーフィルター)51Bを形成する。着色層51Bとして、波長が略435nm〜略480nmの範囲内の光を透過させる材料が分散されたネガ型の感光性アクリル等の樹脂材料を用いる。
着色層51Bの樹脂材料を、例えばスピンコート法等により、素子基板10上の全面に塗布する。着色層51Bの樹脂材料は、封止層30の凸状部35に跨るように配置される。樹脂材料が塗布された素子基板10を所定の時間放置して、樹脂材料を濡れ広がらせるためのレベリングを行う。このとき、凸状部35の内側に塗布された着色層51Bの樹脂材料は、凸状部35により外側への濡れ広がりが抑止されるので、凸状部35の内側でレベリングされる。これにより、凸状部35の内側では着色層51Bの膜厚が略均一となる。
次に、図7(d)に示すように、着色層51Bをフォトリソグラフィー法によりパターニングして、青色のサブ画素39Bの領域(図4参照)以外の領域から着色層51Bを選択的に除去する。このとき、着色層51Bのうち、サブ画素39Bの領域を囲む領域、すなわち、遮光領域53と重なる部分を残留させる。
続いて、選択的に残された着色層51Bに熱処理を施して硬化させる。これにより、青色のサブ画素39Bの領域に残留した着色層51Bが、青色のカラーフィルター51Bとなる。また、遮光領域53に残留した着色層51Bは隔壁52として機能する。この結果、カラーフィルター51Gとカラーフィルター51Bとの間の隔壁52の少なくとも一部は、着色層51G上に着色層51Bが積層された構成となる。カラーフィルター51Bとカラーフィルター51Rとの間の隔壁52の少なくとも一部は、着色層51R上に着色層51Bが積層された構成となる。
なお、上述の工程において、着色層51R,51G,51Bを形成する工程の順は、上述の工程順には限定されないが、着色層51R,51G,51Bのうち膜厚が最も厚く形成される着色層を最後に形成することが好ましい。
例えば、上述の工程順では、図6(e)に示すように、最初に形成された着色層51Rのうちの必要な部分以外を除去すると、残された着色層51Rからなる隔壁52の両側で下層の封止層30が露出する。そのため、残される着色層51Rの外周端部で剥れが生じる可能性があり、着色層51Rの厚さが厚いほどそのリスクは大きくなる。
図7(b)に示すように、次に形成された着色層51Gのうちの必要な部分以外を除去すると、残された着色層51Gからなる隔壁52部分の片側で下層の封止層30が露出する。そのため、最初に形成された着色層51Rよりもリスクが小さくはなるが、残される着色層51Gの外周端部で剥れが生じる可能性がある。
図7(d)に示すように、最後に形成された着色層51Bのうちの必要な部分以外を除去する際は、残される部分の両側に先に形成された着色層51R又は着色層51Gのいずれかが存在する。そのため、最後に形成される着色層51Bでは、残される着色層51Bの外周端部で剥れが生じる可能性が最も小さくなる。したがって、異なる着色層同士の間で下層の封止層30との密着性に差がない場合は、膜厚が最も厚く形成される着色層を最後に形成することが好ましい。着色層同士の間で下層の封止層30との密着性に差がある場合には、密着性が最も低い(最も剥れやすい)着色層を最後に形成することが好ましい。
以上の工程により、サブ画素39R,39G,39Bには、それぞれカラーフィルター51R,51G,51Bが形成され、サブ画素39R,39G,39Bを囲む遮光領域53には、隔壁52が形成される。この結果、封止層30上における凸状部35の内側に、カラーフィルター層50が形成される。
隔壁52のうち、カラーフィルター51Rとカラーフィルター51Gとが隣り合う部分は、着色層51Rと着色層51Gとの2層で構成される。隔壁52のうち、カラーフィルター51Gとカラーフィルター51Bとが隣り合う部分は、着色層51Gと着色層51Bとの2層で構成される。隔壁52のうち、カラーフィルター51Bとカラーフィルター51Rとが隣り合う部分は、着色層51Bと着色層51Rとの2層で構成される。着色層51R,51G,51Bは、特定の波長範囲の光以外の光を吸収する層である。したがって、2層の着色層が積層された隔壁52は、1層の着色層の場合と比べてより高い遮光性を有している。
本実施形態では、樹脂材料からなる着色層51R,51G,51Bで隔壁52を形成するので、隔壁52を着色層51R,51G,51Bとは別の材料で形成する場合と比べて、成膜及びパターニング工程の実施回数を低減できる。また、金属材料を用いて隔壁52を形成する場合と比べて、金属成膜工程における加熱処理、及びフォトリソグラフィー工程における湿式処理(エッチング処理)等を実施することなく隔壁52を形成できる。したがって、素子基板10上に形成された発光素子27に対して上述の加熱処理や湿式処理等が与える影響を低減できるので、信頼性がより向上した有機EL装置1を製造できる。
次に、上述の工程でカラーフィルター層50を形成した後、公知の技術を用いて、素子基板10と対向基板40とを、接着層41を介して接着固定する。以上により、図3に示す有機EL装置1を製造することができる。
本実施形態に係る有機EL装置1は、封止層30上にカラーフィルター層50が形成されたオンチップカラーフィルター構造を有しており、外縁部に凸状部35が設けられた封止層30を備えている。ここで、凸状部35が設けられた封止層30を備えていることによる効果を、従来の封止層を備えた有機EL装置と比較して説明する。
図12は、従来の封止層を備えた有機EL装置の比較例を示す図である。詳しくは、図12(a)は比較例としての有機EL装置3の概略断面図であり、図12(b)はカラーフィルター層を形成する工程を説明する図である。なお、図12(a)では、対向基板40及び接着層41の図示を省略している。
図12(a)に示すように、有機EL装置3は、素子基板10上に設けられた、発光素子27と、隔壁28(図示省略)と、陰極保護層29と、封止層36と、カラーフィルター層50とを備えている。有機EL装置3は、本実施形態に係る有機EL装置1と同様に、オンチップカラーフィルター構造を有している。
封止層36は、緩衝層31と、ガスバリア層34とで構成されている。本実施形態と比較して、緩衝層31が外縁部に凸状部を有していない点、すなわち、封止層36が外縁部に凸状部を有していない点が異なっている。より具体的には、緩衝層31の厚さは、中央部では略平坦であるが、外縁部31aでは外周端部に向かって薄くなっている。換言すれば、緩衝層31の膜厚は、中央部において最も厚くなっている。したがって、封止層36の膜厚は、中央部において最も厚く、外縁部36aで外周端部に向かって薄くなっている。
カラーフィルター層50は、封止層36上に設けられ、発光素子27が配置された発光領域Eと重なるように配置されている。カラーフィルター層50のうち、外縁部36a側の部分50aでは、その中央部よりも膜厚が薄くなっている。このように、発光領域E内にカラーフィルター層50の膜厚が異なる部分があると、発光領域E内で発光ムラ(色ムラや輝度ムラ)が生じて有機EL装置3の表示品質が低下してしまうという課題がある。
有機EL装置3の構成において、カラーフィルター層50の部分50aで膜厚が薄くなる理由を、図12(b)を参照して説明する。図12(b)は、封止層36上に着色層51Rの樹脂材料を塗布する工程を示す図であり、本実施形態の図6(d)に対応している。
図12(b)に示すように、着色層51Rの樹脂材料を、例えばスピンコート法等により素子基板10上の全面に塗布し、所定の時間放置して濡れ広がらせるためのレベリングを行うと、樹脂材料が素子基板10上に濡れ広がる。このとき、封止層36の膜厚が外縁部36aで外周端部に向かって薄くなっているので、樹脂材料は、発光領域Eから封止層36の外縁部36aへ、さらに封止層36の外周端部における素子基板10との段差の外側へと、濡れ広がりレベリングされる。そのため、形成される着色層51Rの膜厚は、中央部では略均一となるが、封止層36の外縁部36a側の部分51aでは中央部よりも薄くなる。これにより、発光領域E内において、着色層51Rの膜厚にムラが生じてしまう。
また、図示を省略するが、着色層51Gの樹脂材料を塗布する工程(本実施形態の図7(a)に対応する工程)、及び着色層51Bの樹脂材料を塗布する工程(本実施形態の図7(c)に対応する工程)においても同様に、着色層51G,51Bの樹脂材料が濡れ広がることにより、発光領域E内において着色層51G,51Bの膜厚にムラが生じてしまう。この結果、図12(a)に示すように、発光領域Eと重なる領域に形成されるカラーフィルター層50の膜厚にムラが生じてしまうこととなる。
このようなカラーフィルター層50の膜厚ムラを低減するためには、封止層36(緩衝層31)の外周端部をより外側(素子基板10の端部側)へ配置することが必要となるが、その結果として、発光領域Eに対して額縁領域Fが相対的に大きくなってしまう。
これに対して、本実施形態に係る有機EL装置1は、外縁部に凸状部35が設けられた封止層30を備えているので、素子基板10上に塗布される着色層51R,51G,51Bの樹脂材料のうち、凸状部35の内側に配置された樹脂材料は、凸状部35の内側に留まりレベリングされる。これにより、凸状部35の内側では着色層51R,51G,51Bの膜厚が略均一となるので、膜厚が略均一なカラーフィルター層50を形成することができる。この結果、額縁領域Fを小さく抑えつつ、発光ムラを抑えて有機EL装置1の表示品質を向上させることができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)発光素子27を覆う封止層30が外縁部に中央部と比べて膜厚が厚く形成された凸状部35を有しており、封止層30上に樹脂材料で形成されたカラーフィルター層50が設けられている。そのため、カラーフィルター層50を形成する際に、素子基板10上の全面に着色層51の樹脂材料を塗布すると、樹脂材料は封止層30の凸状部35に跨るように配置されるが、凸状部35の外側に配置された樹脂材料が封止層30の外周端部における素子基板10との段差付近でレベリングされても、凸状部35の内側に配置された樹脂材料の外側への濡れ広がりは凸状部35により抑止される。したがって、凸状部35がない場合と比べて、凸状部35の内側に形成されるカラーフィルター層50の膜厚をより均一にできる。これにより、凸状部35の内側における発光ムラが抑えられるので、有機EL装置1の表示品質を向上させることができる。
(2)封止層30の凸状部35は、封止層30を構成する緩衝層32の凸状部33の形状が反映されたものである。緩衝層32は樹脂材料で形成されるので、緩衝層32を無機材料で形成する場合と比べて凸状部33を容易に形成することができる。
(3)平面視で発光素子27が配置された発光領域Eの周囲を囲むように封止層30の凸状部35が設けられており、凸状部35よりも内側にカラーフィルター層50が配置されている。これにより、発光領域E内においてカラーフィルター層50の膜厚を均一にすることができる。
(4)封止層30の凸状部35の厚さがカラーフィルター層50の厚さの50%未満であると、カラーフィルター層50を形成するために凸状部35の内側に配置された樹脂材料の外側への濡れ広がりが抑止されにくくなる。一方、封止層30の凸状部35の厚さがカラーフィルター層50の厚さの400%を超える程度まで厚くなると、凸状部35の幅が大きくなるため、封止層30の外周端部がより外側に広がってしまい、額縁領域Fが大きくなってしまうこととなる。本実施形態の構成によれば、封止層30の凸状部35の厚さがカラーフィルター層50の厚さの50%以上かつ400%以下であるので、凸状部の内側に配置されたカラーフィルター層50を形成するための樹脂材料の外側への濡れ広がりを抑止しつつ、額縁領域Fを小さく抑えることが可能となる。
(5)光学層としてカラーフィルター層50を備えることで、特定の色光やフルカラーでの表示または発光が可能な有機EL装置1を提供できる。
(6)スクリーンマスク70,72を用いて、スクリーン印刷法により緩衝層32を形成する。このとき、塗布面(陰極保護層29)の濡れ性、スクリーンマスク配置された乳剤71の厚さを調整することにより、スクリーンマスク70,72の第1の部分70b,72bの外縁部において樹脂材料が盛り上がるので、容易に緩衝層32の外縁部に凸状部33を設けることができる。
(7)スクリーンマスク70の第2の部分70aの厚さT3を変化させることにより、第1の部分70bの外縁部70cにおける樹脂材料の盛り上がり量が変化するので、形成される緩衝層32の凸状部33の膜厚を調整することができる。
(8)スクリーンマスク72の第1の部分72bと第3の部分72cとにおいて、開口率、すなわち単位面積当たりの開口面積の比率を異ならせることにより第1の部分72bと第3の部分72cとにおいて樹脂材料の単位面積当たりの塗布量を異ならせることができる。これにより、形成される緩衝層32の凸状部33の膜厚と、凸状部33の内側の部分の膜厚との差を調整することができる。
(9)3色の着色層51R,51G,51Bが並ぶように配置されたカラーフィルター層50を形成する場合、最初に形成された着色層51Rのうちの必要な部分以外を除去すると、残される部分の両側で下層の封止層30が露出する。そして、次に形成された着色層51Gのうちの必要な部分以外を除去すると、残される部分の片側で下層の封止層30が露出するが、最後に形成された着色層51Bのうちの必要な部分以外を除去する際は、残される部分の両側に先に形成された着色層51R,51Gが存在する。ここで、必要な部分以外を除去する際、残される部分の少なくとも片側で下層の封止層30が露出する場合、残される着色層51R,51Gの剥れが生じる可能性があり、着色層51R,51Gの厚さが厚いほどそのリスクは大きくなる。本実施形態の製造方法によれば、着色層51R,51G,51Bのうち膜厚が最も厚い着色層を最後に形成するので、着色層の剥れが生じるリスクを小さく抑えることができる。
(第2の実施形態)
<有機EL装置>
次に、第2の実施形態に係る電気光学装置としての有機EL装置の構成について図を参照して説明する。図10は、第2の実施形態に係る有機EL装置の構成を示す概略断面図である。なお、図10は、図2のA−A’線に沿った断面図に相当する。
第2の実施形態に係る有機EL装置2は、第1の実施形態に係る有機EL装置1に対して、光学層としてカラーフィルター層及びマイクロレンズアレイの2層を備えている点が異なるが、他の構成はほぼ同じである。第1の実施形態に係る有機EL装置1と共通する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図10に示すように、第2の実施形態に係る有機EL装置2は、素子基板10上に、発光素子27と、隔壁28(図示省略)と、陰極保護層29と、封止層30と、マイクロレンズアレイ60と、カラーフィルター層50と、を備えている。マイクロレンズアレイ60は、封止層30上の凸状部35の内側に設けられている。マイクロレンズアレイ60は、レンズ層61に形成された凸状のマイクロレンズ62と、光路長調整層64とで構成される。
レンズ層61は、例えば、透光性を有する樹脂材料からなる。レンズ層61は、凸状(例えば、球面状)に形成されたマイクロレンズ62を有している。マイクロレンズ62は、各サブ画素39(図2参照)に対応して配置されている。すなわち、マイクロレンズ62は、各発光素子27及び各カラーフィルター51(図4参照)に対応して配置されている。なお、カラーフィルター層50の隔壁52がストライプ状に形成されている場合、マイクロレンズ62は、隔壁52の延在方向に沿って延在し、延在方向と交差する方向の断面が凸状に形成されたシリンドリカルレンズであってもよい。
マイクロレンズ62は、発光素子27から発せられた光を、対向基板40側へ向けて集光する。有機EL装置2では、発光素子27から発せられた光のうち、カラーフィルター層50の隔壁52(図4参照)で遮光(又は減光)されてしまう光をマイクロレンズ62で集光することにより、カラーフィルター51(各サブ画素39の領域)に入射させることが可能となるので、光の利用効率を高めることができる。
マイクロレンズ62は、例えば、封止層30を覆うように素子基板10上の全面に樹脂材料を塗布してレンズ層61を形成し、レンズ層61のうち凸状部35の内側に配置された部分に、グレースケールマスクや多段露光を用いたフォトリソグラフィー法等により凸状部(マイクロレンズ62)を形成することにより得られる。レンズ層61のうち、凸状部35の内側の部分以外は除去される。なお、図10に示すレンズ層61では、X方向の中央部において、個々のマイクロレンズ62の図示を省略している。
光路長調整層64は、レンズ層61を覆うように設けられている。光路長調整層64は、光透過性を有し、レンズ層61とは異なる屈折率を有する樹脂材料からなる。光路長調整層64は、マイクロレンズ62からカラーフィルター層50の隔壁52(図4参照)までの距離を所望の値に合わせる機能を有する。したがって、光路長調整層64の層厚は、マイクロレンズ62の焦点距離などの光学条件に基づいて適宜設定される。
光路長調整層64は、例えば、レンズ層61を覆うように素子基板10上の全面に樹脂材料を塗布し、凸状部35の内側の部分以外を除去することにより得られる。光路長調整層64の表面(上面)は略平坦となっている。カラーフィルター層50は、光路長調整層64上に設けられている。
カラーフィルター層50は、第1の実施形態と同様に、光路長調整層64を覆うように素子基板10上の全面に着色層51R,51G,51B(図6(d)、図7(a),(c)参照)の樹脂材料を塗布しパターニングすることにより形成される。
第2の実施形態に係る有機EL装置2は、光学層としてマイクロレンズアレイ60とカラーフィルター層50とを備えている。マイクロレンズアレイ60とカラーフィルター層50との膜厚を合計した光学層の総厚をT4とすると、凸状部35の厚さL4は、光学層の総厚T4の50%以上かつ400%以下程度であることが好ましく、光学層の総厚T4の50%以上かつ200%以下程度であることがより好ましい。
レンズ層61及び光路長調整層64を形成する際は、カラーフィルター層50の着色層51R,51G,51Bと同様に、それぞれの層を形成するための樹脂材料がスピンコート法等により素子基板10上の全面に塗布される。したがって、素子基板10上に塗布されるレンズ層61及び光路長調整層64の樹脂材料のうち、凸状部35の内側に配置された樹脂材料は、凸状部35の内側に留まりレベリングされる。これにより、凸状部35の内側でレンズ層61及び光路長調整層64の膜厚が略均一となるので、膜厚が略均一なレンズ層61及び光路長調整層64を形成することができる。
また、カラーフィルター層50は、光路長調整層64上に形成されるが、凸状部35の厚さL4がマイクロレンズアレイ60とカラーフィルター層50との膜厚を合計した光学層の総厚T4の50%以上かつ400%以下とすることで、凸状部35の内側に配置された着色層51R,51G,51Bの樹脂材料の外側への濡れ広がりが抑止される。これにより、着色層51R,51G,51Bを形成する工程においても、凸状部35の内側で膜厚を略均一とすることができる。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)光学層としてマイクロレンズアレイ60とカラーフィルター層50とを備えた第2の実施形態に係る有機EL装置2においても、第1の実施形態と同様に、発光ムラを抑えて表示品質を向上させることができる。
(2)光学層が、マイクロレンズアレイ60及びカラーフィルター層50のように、異なる機能を有する2層以上の層で構成された有機EL装置2を提供できる。
(3)光学層としてマイクロレンズアレイ60を備えることで、発光素子27からの光を集光して射出することができる。マイクロレンズアレイ60とカラーフィルター層50とを備える有機EL装置2の場合、隔壁52で遮光されてしまう光をマイクロレンズ62で集光することによりカラーフィルター層50の開口部(サブ画素39の領域)に入射させることが可能となるので、光の利用効率を高めることができる。
なお、上述の説明では、マイクロレンズアレイ60(レンズ層61及び光路長調整層64)を樹脂材料で形成することとしたが、マイクロレンズアレイ60(レンズ層61及び光路長調整層64)を無機材料で形成する構成としてもよい。この場合も、凸状部35の厚さL4を、マイクロレンズアレイ60とカラーフィルター層50との膜厚を合計した光学層の総厚T4の50%以上かつ400%以下とすることで、着色層51R,51G,51Bを形成する工程において、凸状部35の内側で膜厚を略均一とすることができる。
また、有機EL装置2が、光学層としてマイクロレンズアレイ60の1層のみを備えた構成としてもよい。例えば、有機EL装置2の発光素子27が、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光を発光する発光機能層26を有している場合、カラーフィルター層50はなくてもよい。このように、光学層がマイクロレンズアレイ60のみで構成される場合は、凸状部35の厚さL4をマイクロレンズアレイ60(レンズ層61及び光路長調整層64)の膜厚の50%以上かつ400%以下(より好ましくは、50%以上かつ200%以下)とすればよい。
(第3の実施形態)
<電子機器>
次に、第3の実施形態に係る電子機器について図11を参照して説明する。図11は、第3の実施形態に係る電子機器としてのヘッドマウントディスプレイの構成を示す概略図である。
図11に示すように、第3の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)100は、左右の目に対応して設けられた2つの表示部101を備えている。観察者Mはヘッドマウントディスプレイ100を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部101に表示された文字や画像などを見ることができる。例えば、左右の表示部101に視差を考慮した画像を表示すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部101には、第1の実施形態に係る有機EL装置1、又は、第2の実施形態に係る有機EL装置2が搭載されている。したがって、表示ムラのない優れた表示品質を有するとともに、小型で軽量のヘッドマウントディスプレイ100を提供することができる。
ヘッドマウントディスプレイ100は、2つの表示部101を有する構成に限定されず、左右のいずれかに対応させた1つの表示部101を備える構成としてもよい。
なお、第1の実施形態に係る有機EL装置1、又は、第2の実施形態に係る有機EL装置2が搭載される電子機器は、ヘッドマウントディスプレイ100に限定されない。有機EL装置1が搭載される電子機器としては、例えば、パーソナルコンピューターや携帯型情報端末、ナビゲーター、ビューワー、ヘッドアップディスプレイなどの表示部を有する電子機器が挙げられる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形及び応用が可能である。変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上記実施形態に係る有機EL装置1,2では、スクリーン印刷により緩衝層32の凸状部33を形成する構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、緩衝層32の樹脂材料をスピンコート法等により素子基板10上に塗布した後、塗布した樹脂材料をグレースケールマスクや多段露光を用いたフォトリソグラフィー法等により加工して、凸状部33を形成してもよい。
(変形例2)
上記実施形態に係る有機EL装置1,2は、カラーフィルター層50の隔壁52が着色層51R,51G,51Bの少なくとも1層からなる構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。カラーフィルター層50の隔壁52は、例えば、黒色顔料を分散等させた樹脂材料をパターニングして形成されていてもよい。黒色顔料を分散等させた樹脂材料で隔壁52を形成する場合は、着色層51R,51G,51Bを形成する工程の前に隔壁52を形成する工程を実施することが好ましい。
このような構成であっても、隔壁52を形成する工程において、素子基板10上の全面に塗布された隔壁52の樹脂材料のうち、封止層30の凸状部35の内側に配置された樹脂材料が凸状部35の内側に留まりレベリングされるので、形成される隔壁52の膜厚を略均一にすることができる。これにより、カラーフィルター層50の膜厚ムラを抑えることができるとともに、隔壁52の遮光(減光)特性を略均一にすることができる。
(変形例3)
上記実施形態に係る有機EL装置1,2は、光学層として、カラーフィルター層50又はマイクロレンズアレイ60の少なくとも一方を備えた構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。光学層は、例えばエタロン等の、特定の波長帯域の光を選択的に透過させる光フィルターであってもよい。このような構成であっても、樹脂材料で光フィルターを形成する工程において、樹脂材料が封止層30の凸状部35の内側に留まりレベリングされるので、光フィルターの透過特性を略均一にすることができる。
(変形例4)
上記実施形態に係る有機EL装置1,2は、発光機能層26が白色光を発光する場合、又は、発光機能層26が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光を発光する場合を例にとり説明したが、本発明はこのような形態に限定されない。有機EL装置1,2は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各波長帯域の光を共振させる光共振構造を有していてもよい。
1,2,3…有機EL装置(電気光学装置)、10…素子基板(基板)、24…陽極(第1の電極)、25…陰極(第2の電極)、26…発光機能層(有機発光層)、27…発光素子、30,36…封止層、31,32…緩衝層(第1の封止層)、33…凸状部、34…ガスバリア層(第2の封止層)、35…凸状部、50…カラーフィルター層(光学層)、60…マイクロレンズアレイ(光学層)、70,72…スクリーンマスク、70a,72a…第2の部分、70b,72b…第1の部分、100…ヘッドマウントディスプレイ(電子機器)。

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた、第1の電極と、前記第1の電極に対向して配置された第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された有機発光層と、を含む発光素子と、
    前記発光素子上に前記発光素子を覆うように設けられた封止層と、
    前記封止層上に設けられ、樹脂材料で形成された光学層と、を備え、
    前記封止層は、外縁部に前記封止層の中央部を囲むように配置され前記中央部と比べて膜厚が厚く形成された凸状部を有していることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記封止層は、樹脂材料で形成された第1の封止層と、前記第1の封止層を覆うように無機材料で形成された第2の封止層と、を含み、
    前記封止層の前記凸状部は、前記第1の封止層の外縁部に前記第1の封止層の中央部を囲むように配置された凸状部の形状が反映されたものであることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記封止層の前記凸状部は、平面視で前記発光素子が配置された領域を囲むように設けられており、
    前記光学層は、前記封止層の前記凸状部よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記封止層の前記凸状部の厚さは、前記光学層の厚さの50%以上かつ400%以下であることを特徴とする請求項2または3に記載の電気光学装置。
  5. 前記光学層は、積層された2層以上の層を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記光学層は、カラーフィルター層を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記光学層は、マイクロレンズアレイを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  9. 基板上に、第1の電極と有機発光層と第2の電極とを配置して発光素子を形成する工程と、
    前記発光素子上に前記発光素子を覆うように第1の封止層と第2の封止層とを積層して封止層を形成する工程と、
    前記封止層上に樹脂材料を塗布して光学層を形成する工程と、を備え、
    前記第1の封止層を形成する工程では、前記第1の封止層の前記外縁部に前記中央部と比べて膜厚が厚い凸状部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  10. 前記第1の封止層を形成する工程では、前記樹脂材料が通過する第1の部分と、前記第1の部分を囲むように配置され前記樹脂材料が通過しない第2の部分と、を有するスクリーンマスクを介して前記樹脂材料を塗布することを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置の製造方法。
  11. 前記スクリーンマスクの前記第2の部分の厚さを変化させることを特徴とする請求項10に記載の電気光学装置の製造方法。
  12. 前記スクリーンマスクの前記第1の部分の外縁部と中央部とにおいて開口率を異ならせることを特徴とする請求項10または11に記載の電気光学装置の製造方法。
  13. 前記光学層を形成する工程は、複数の着色層を形成する工程を含み、
    前記複数の着色層を形成する工程では、前記複数の着色層のうち膜厚が最も厚い前記着色層を最後に形成することを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
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