[第1実施形態]
図1に示すように、スロットマシン(遊技機)10は、収納箱11と、前面扉12とを備えている。収納箱11には、前面扉12が開閉自在に取り付けられる。前面扉12は、上扉12aと、下扉12bとからなる。上扉12aと下扉12bは、それぞれ収納箱11に軸着され、開閉自在に支持される。
上扉12aには、図柄表示部13が設けられている。図柄表示部13の奥には、それぞれ回転自在に設けられた第1リール17a、第2リール17b、第3リール17cが配置されている。
図2に示すように、第1〜第3リール17a〜17cの外周面には、複数種類の図柄が配列されている。なお、本実施形態では、図柄として、「赤セブン」、「青セブン」、「BAR」、「ベル」、「スイカ」、「花スイカ」、「チェリー」、「リプレイ(REP)」、「スター」及び「花」の10種類の図柄を第1〜第3リールに配列している。第1〜第3リール17a〜17cが停止すると、図柄表示部13を通して、1リール当たり縦方向に3個の図柄が表示される(図1及び図13参照)。
下扉12bには、実物のメダル(遊技媒体)を投入してベットするためのメダル投入口(遊技媒体投入口)18と、クレジット(貯留)されたメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン(ベットボタン)19、及び1ベットボタン(ベットボタン)20と、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー21と、第1〜第3リール17a〜17cの回転を停止させる際に操作される第1〜第3ストップボタン22a〜22cと、メダルを払い出す払い出し口23と、払い出し口23から払い出されたメダルを受ける受け皿24と、クレジットされたメダルを精算する際などに操作される返却ボタン26とが設けられている。
スロットマシン10では、1枚のメダルをベット(1ベット)する場合は、メダル投入口18に実物のメダルを1枚投入、又は、1ベットボタン20を1回操作すればよい。また、ベット可能な最大枚数までメダルをベット(MAXベット)する場合は、MAXベットボタン19を1回操作して一括でMAXベットする他、MAXベットとなるまでメダル投入口18に実物のメダルを1枚ずつ投入、又は、1ベットボタン20を1回ずつ操作すればよい。
1枚のメダルをベットすると(1ベットした状態では)、図柄表示部13を通して1リール当たり縦方向に3個表示された図柄のうち、各リールの中段の図柄を横方向に結ぶように設定された1本の入賞ラインが有効化される。また、2枚のメダルをベットすると(2ベットした状態では)、前述した中段の入賞有効ライン(有効化された入賞ライン)に加えて、図柄表示部13を通して1リール当たり縦方向に3個表示された図柄のうち、各リールの上段の図柄を横方向に結ぶように設定された1本の入賞ライン、及び、各リールの下段の図柄を横方向に結ぶように設定された1本の入賞ラインが有効化、すなわち、横方向の3本の入賞ラインが有効化される。さらに、3枚のメダルをベットすると(MAXベットした状態では)、前述した横方向の3本の入賞有効ラインに加え、図柄表示部13を通して1リール当たり縦方向に3個表示された図柄のうち、第1リール17aの上段の図柄、第2リール17bの中段の図柄、第3リール17cの下段の図柄を斜め方向に結ぶように設定された1本の入賞ライン、及び、第1リール17aの下段の図柄、第2リール17bの中段の図柄、第3リール17cの上段の図柄を斜め方向に結ぶように設定された1本の入賞ラインが有効化、すなわち、5本の入賞ラインが有効化される。
入賞ラインが有効化されると、すなわち、1ベット〜MAXベットのいずれかの状態となると、スタートレバー21が有効化される。そして、有効化されたスタートレバー21が操作されることで遊技が開始される。
遊技が開始されると当選役抽選が行われ、複数種類の当選役のいずれかまたはハズレが決定される。当選役抽選は、抽選テーブルを用いて行われる。抽選テーブルは、ベット数に対応して複数設けられており、ベット数が多くなるほど出玉率が高くなり、後述するボーナス役が当選する確率が高い遊技者にとって有利な抽選テーブルを用いて当選役抽選が行われる。また、当選役抽選では、後述するボーナス内部中モード中に更なるボーナス役の抽選を行わないようにしているため、ボーナス内部中モード中に再度ボーナスが当選しない。
また、遊技が開始されると、第1〜第3リール17a〜17cが回転を開始する。第1〜第3リール17a〜17cは、回転速度が所定速度に達するまで加速され、回転速度が所定速度となると、この回転速度が維持されて定常回転となる。
第1〜第3リール17a〜17cが定常回転となると、第1〜第3ストップボタン22a〜22cが有効化される。第1〜第3ストップボタン22a〜22cは、第1〜第3リール17a〜17cに対応して設けられており、有効化された後に操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止される。そして、第1〜第3リール17a〜17c全ての回転が停止された際に、入賞有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
図3に示すように、当選役の種類は、ボーナス役、再遊技役、小役に大別される。ボーナス役は、入賞すると後述するボーナスモードへと移行する当選役であり、再遊技役は、入賞すると新たなメダルをベットすることなく次回の遊技が可能となる当選役であり、小役は、入賞すると入賞した小役の種類に応じた枚数のメダルが払い出される当選役である。なお、本実施形態では、ボーナス役として、入賞有効ライン上に赤セブン図柄が3つ揃った際に入賞となる赤セブンボーナス役、再遊技役として、入賞有効ライン上にREP図柄が3つ揃った際に入賞となるリプレイ役、小役として、入賞有効ライン上にベル図柄が3つ揃った際に入賞となって、1ベットで遊技を行った場合には2枚、2ベットで遊技を行った場合には5枚、3ベットで遊技を行った場合には9枚のメダルが払い出されるベル役を設けている。
なお、ボーナス役は、当選した遊技で入賞することが出来なかった場合であっても当選状態が維持されて、入賞するまでは次回以降の遊技においても当選している状態となるが、再遊技役及び小役は、当選した遊技で入賞することが出来なかった場合には当選状態は維持されない。
図4に示すように、スロットマシン10は、通常モード、ボーナス内部中モード、ボーナスモードの3種類の遊技モードで遊技が行われる。通常モード及びボーナス内部中モードでは1ベット〜3ベット(MAXベット)の範囲で自由にベット数を選択して遊技を行うことができる遊技モードであるが、ボーナスモードは3ベットでのみ遊技を行うことができる遊技モードである。これら3種類の遊技モードは、ボーナス状態(ボーナス役の当選の有無や入賞の有無)に応じて分類分けされており、通常モードは、図5に示す抽選テーブル1を用いて当選役抽選が行われ(なお、抽選テーブル1は、3ベットした場合の抽選テーブルであり、図示しないが、2ベットした場合には、抽選テーブル1に対してベル役及び赤セブンボーナス役の当選確率が2/3となっている抽選テーブルを用い、1ベットした場合には、抽選テーブル1に対してベル役及び赤セブンボーナス役の当選確率が1/3となっている抽選テーブルを用いて当選役抽選が行われる)、ボーナス役が非当選の状態(後述するメモリ33にボーナス役の当選フラグが書き込まれていない状態)かつ非入賞の状態(後述するメモリ33にボーナス役の当選フラグが書き込まれた状態)であり、さらに、後述するボーナスモードでもない遊技モードである。また、ボーナス内部中モードは、図5に示す抽選テーブル2を用いて当選役抽選が行われ(なお、抽選テーブル2は、3ベットした場合の抽選テーブルであり、図示しないが、2ベットした場合には、抽選テーブル1に対してベル役の当選確率が2/3となっている抽選テーブルを用い、1ベットした場合には、抽選テーブル1に対してベル役の当選確率が1/3となっている抽選テーブルを用いて当選役抽選が行われる)、ボーナス役が当選している状態であるが非入賞の状態である遊技モードである(以下、ボーナス役が当選している状態であるが非入賞の状態のことを、内部中状態、ボーナス内部中状態などと称する場合がある。)。さらに、ボーナスモードは、図5に示す抽選テーブル3(99/100の確率でベル役が当選し、1/100の確率でいずれの当選役にも当選しない)を用いて当選役抽選が行われ、ボーナス役の入賞に基づいて移行し、ボーナスモードの開始からの累積払い出し枚数が所定枚数を超えることが終了条件であり、通常モードよりも更にメダルを増やすことができる有利な状態で遊技が行われる遊技モードである。スロットマシン10では、通常モードで遊技が開始され、通常モード中に当選役抽選でボーナス役(本実施形態では赤セブンボーナス役)が当選するとボーナス内部中モードに移行する。そして、ボーナス内部中モードでボーナス役が入賞すると、ボーナスモードへと移行し、ボーナスモードで前述した終了条件を満たすと通常モードへと戻る。
図6に示すように、スロットマシン10の内部には、スロットマシン10の各部を制御することによって遊技の実行及び進行を制御するメイン制御基板30と、液晶ディスプレイ及びスピーカ(いずれも図示を省略した)を制御することによって演出の実行及び進行を制御するサブ制御基板31とが設けられている。
メイン制御基板30とサブ制御基板31とは、メイン制御基板30からサブ制御基板31へは遊技の状態を示す情報など各種情報の送信が可能となっているが、サブ制御基板31からメイン制御基板30へは一切の情報を送信できないようになっている(情報の通信は、メイン制御基板30からサブ制御基板31への単方向通信となっている)。
サブ制御基板31には、AT抽選部45が設けられている。AT抽選部45は、後述するAT抽選を実行する。サブ制御基板31は、ATが当選したか否かの判定を行うとともに、ATが当選した場合はAT機能の発動状態(ATが発動した状態、ATが当選したが発動していない状態)の判定を行う。AT機能を発動させることが決定すると、液晶ディスプレイやスピーカなどを作動させ、この旨の報知を行う。
メイン制御基板30には、前述した当選役抽選を行う当選役決定部32の他、メモリ33(クレジット手段)が設けられている。
メモリ33には、遊技の実行プログラム、実行データなどの各種情報が格納されている。メイン制御基板30は、メモリ33に記憶された情報に基づいてスロットマシン10の各部を駆動制御する。また、メモリ33は、毎回の遊技ごとに利用される当選フラグ(当選役抽選で当選した当選役の種類を示すフラグ)などのデータの一時的な保管や書き換えに用いられる。さらに、メモリ33は、クレジットされたメダルの数を記憶するとともに、クレジット可能なメダルの数には上限数(50枚)が設けられている。すなわち、メモリ33は、クレジット数を管理するためのカウンタ(クレジット手段)として用いられている。
メイン制御基板30は、当選役抽選でいずれかの当選役が当選すると、この当選役に対応する当選フラグをメモリ33に書き込み、書き込まれた当選フラグに対応する当選役が入賞すると、この当選役に対応付けされた処理を実行して、この当選フラグを消去する。また、メイン制御基板30は、遊技が終了したときに再遊技役や小役に対応する当選フラグが書き込まれていた場合は、これらをメモリ33から消去する。なお、本実施形態では、メモリ33に保管できるボーナス役の当選フラグが1つのみとされており、ボーナス役が当選するとこのボーナス役を入賞させるまで、新たなボーナス役が当選しないようになっている。
メイン制御基板30には、メダルセンサ34、ベット信号センサ35、スタート信号センサ36、ストップ信号センサ37、リール駆動コントローラ38、ホッパ装置39が接続されている。
メダルセンサ34はメダル投入口18から投入されたメダルを検知し、メダル検知信号をメイン制御基板30に入力する。ベット信号センサ35は、MAXベットボタン19、1ベットボタン20が操作されたことを検知してベット信号をメイン制御基板30に入力する。スタート信号センサ36はスタートレバー21が操作されたことを検知し、スタート信号をメイン制御基板30に入力する。ストップ信号センサ37は、第1〜第3ストップボタン22a〜22cが操作されたことを検知し、ストップ信号をメイン制御基板30に入力する。
リール駆動コントローラ38には、第1〜第3リール17a〜17cを回転させる第1〜第3ステッピングモータ(図示せず)と、第1〜第3リール17a〜17cそれぞれの外周に立設された検出片を検知する第1〜第3センサ(図示せず)とが接続されている。第1〜第3ステッピングモータは、周知のように、供給された駆動パルスの個数に応じた量(角度)だけ回転軸を回転させることでリールを回転させる。第1〜第3センサは、第1〜第3リール17a〜17cの回転位置を検出し、検出信号を出力する。リール駆動コントローラ38は、第1〜第3センサからの検出信号に基づいて、第1〜第3ステッピングモータへ供給する駆動パルスの個数や単位時間当たりの供給数をコントロールすることによって、リールの回転を制御する。
メイン制御基板30は、メダル検知信号やベット信号に基づいてメダルがベットされたか否かを検知する。そして、メダルがベットされた場合にスタートレバー21の操作を有効化する。スタートレバー21が有効化された後、スタート信号が入力されると遊技が開始される。メイン制御基板30は、遊技開始に伴って当選役決定部32を作動させて当選役抽選を実行させるとともに、リール駆動コントローラ38を介して第1〜第3リール17a〜17cの回転を開始させる。
第1〜第3リール17a〜17cの回転が定常回転となった後に第1〜第3ストップボタン22a〜22cが操作されると、ストップ信号センサ37からストップ信号がメイン制御基板30に入力される。これに応答し、メイン制御基板30は、リール駆動コントローラ38を作動して、操作された第1〜第3ストップボタン22a〜22cに対応するリールの停止制御を行う。停止制御では、当選役抽選の結果に基づいて、周知の引き込み制御が行われる。引き込み制御では、第1〜第3ストップボタン22a〜22cが操作されたときの入賞有効ライン上のコマを0コマ目として、0〜4コマ目の範囲、すなわち5コマの引き込み範囲内に当選図柄(当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄)が含まれている場合に、当選図柄が入賞有効ライン上に停止するように第1〜第3リール17a〜17cの回転が停止される。
メイン制御基板30は、全てのリールが停止したときに当選役抽選で当選した当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する処理を行う。すなわち、再遊技役が入賞すると新たなベット無しで次回の遊技を可能とする。また、小役が入賞すると、クレジットに空きがある場合は入賞した小役の種類に応じた枚数のメダルがクレジットに払い出され、クレジットに空きがない場合はホッパ装置39を駆動して入賞した小役の種類に応じた枚数のメダルを受け皿24に払い出す。また、ボーナス役が入賞するとボーナスモードへと移行させる。
また、メイン制御基板30には、ベット数記憶部41と、返却制御部(返却手段)42とが設けられている。さらに、メイン制御基板30には、返却ボタン26が接続され、返却ボタン26が操作された際にメダル返却信号が入力される。
ベット数記憶部41には、第1記憶領域43と、第2記憶領域44とが設けられている。第1記憶領域43には、1ベットボタン20またはMAXベットボタン19の操作によりベットされたメダルの数(第1ベット数)が記憶される。他方、第2記憶領域44には、メダル投入口18に投入されてベットされたメダルの数(第2ベット数)が記憶される。
返却制御部42には、返却ボタン26が操作された際のメダル返却信号がメイン制御基板30を介して入力される。返却制御部42は、メダル返却信号が入力されると、これに応答して、メダルを返却するメダル返却処理を行う。以下、返却制御部42によって行われるメダル返却処理について、図7〜9を用いて説明する。
図7に示すように、返却制御部42は、メダル返却信号の入力の有無を監視し、メダル返却信号が入力されると、遊技中か否かを判定する。遊技中であった場合はメダル返却処理を行わない。遊技中でなかった場合はメダル返却処理を開始する。メダル返却処理が開始されると、ベットされたメダルが存在するか否かを判定する。
そして、返却制御部42は、ベットされたメダルが存在しない状態で返却ボタン26が操作された場合、メモリ33を参照してクレジットされている全てのメダルの枚数を調べ、この枚数のメダルをホッパ装置39を作動させて受け皿24に返却する。
一方、返却制御部42は、ベットされたメダルが存在する状態で返却ボタン26が操作された場合、クレジットされたメダルの返却を行わずに、ベットされた全てのメダルの返却のみを行う。このとき、返却制御部42は、第1返却モードと、第2返却モードとのいずれかで駆動されてベットされたメダルの返却を行う。
第1返却モードは、ベットされたメダルを全て受け皿24に返却する返却モードである。他方、第2返却モードは、MAXベットボタン19、1ベットボタン20の操作によりベットされたメダルをクレジットへ返却し、残り(すなわち、メダル投入口18へ実物のメダルを投入することによりベットされたメダル)を受け皿24へ返却する返却モードである。
図8に示すように、返却制御部42には、遊技モードと、各遊技モードで選択される返却モードとの関係を規定した、モード選択テーブル46が記憶されている。本実施形態では、前述したように、遊技モードとして、通常モード、ボーナス内部中モード、ボーナスモードを備えており、モード選択テーブル46には、通常モードとボーナスモードとに第1返却モードが対応付けされ、ボーナス内部中モードに第2返却モードが対応付けされている。
図9に示すように、返却制御部42は、ベットされたメダルを返却する際に、遊技モードを判定する。そして、返却制御部42は、判定された遊技モードをモード選択テーブル46に照合させ、遊技モードに対応付けされた返却モードでメダルの返却を行う。
これにより、通常モード、ボーナスモードでは、ベットされたメダルの返却が第1返却モードで行われる。第1返却モードで返却を行う場合、返却制御部42は、ベット数記憶部41を参照して、第1記憶領域43に記憶された第1ベット数、及び、第2記憶領域44に記憶された第2ベット数を読み出す。そして、第1ベット数と第2ベット数との合計ベット数に相当する枚数のメダルを受け皿24に返却する。
一方、ボーナス内部中モードでは、ベットされたメダルの返却が第2返却モードで行われる。第2返却モードで返却を行う場合、返却制御部42は、ベット数記憶部41を参照して、第1ベット数、及び、第2ベット数を読み出す。そして、第1ベット数に相当する枚数のメダルはクレジットに返却(すなわち、メモリ33のクレジット数を管理するカウンタを第1ベット数分カウントアップ)し、第2ベット数に相当する枚数のメダルは受け皿24に返却する。
以上のように、本実施形態では、ボーナス内部中モード(特定の遊技状態)でベットされたメダルを返却する際に、MAXベットボタン19、1ベットボタン20の操作によりベットされたメダルをクレジットへ返却するようにした。そのため、各ベットボタンを操作してベットした分がクレジットに返却されるのでクレジットが空にならず、再びベットボタンを操作してベットすることができる。これにより、遊技者が受け皿24からメダルを取り出し、メダル投入口18に投入し直さなければならないといった問題を防止できる。
つまり、ボーナス内部中モードは、新たにボーナス役が当選することがないため、ベット数を多くしてボーナス役の当選確率を高くする意味がない。また、引き込み制御に関しては、1ベットよりも2ベット及び3ベットの方が引き込める範囲が広くなり有利である。しかしながら、入賞有効ラインが1本であっても(引き込み制御で引き込める範囲が狭くても)ボーナス役を入賞させることができる遊技者(目押しのできる遊技者)にとっては、ベット数を多くして入賞有効ラインの本数を増やす(入賞させやすくする)意味がない。このため、ボーナス内部中モードでは、メダルの消費を抑えるために1ベットで遊技を行った方が効率が良い場合がある。一方、通常モードでは、ベット数を増やして出玉率を高くしたり(図3参照)、ボーナス役の当選確率を高くしたり、入賞有効ラインの本数を増やすことによって目押しに自信がない遊技者に対してメリットを付与するといった意味があるので、MAXベットで遊技を行った方が効率が良い場合がある。よって、遊技者は、通常モードでは、MAXベットボタン19を操作し、ボーナス内部中モードでは、1ベットボタン20を操作してベットを行うことが多い。
しかし、通常モードからボーナス内部中モードに移行したにも関わらず、誤って、通常モードと同様にMAXベットボタン19を操作してしまう場合もある。このような場合、返却ボタン26を操作してベットしたメダルを返却するが、その際にメダルが受け皿24に返却されると、遊技者が受け皿24からメダルを拾って、メダル投入口18に投入し直さなければならず不便といった問題がある。本実施形態では、このような場合(ベット数を変更して遊技を継続したい場合)、MAXベットボタン19、1ベットボタン20の操作によりベットされたメダルがクレジットへ返却されるのでクレジットが空にならず、前述した問題を防止できる。
なお、本実施形態では、当選役抽選の結果に基づいてリールの停止制御が行われるので、リールが停止したときに表示された図柄の組合せによって(いわゆる、リーチ目やチャンス目が表示されたか否かによって)ボーナス役が当選したか否か(ボーナス内部中モードとなったか否か)を推察することができるが、ボーナス内部中モードとなったことをより確実に遊技者に知らせるために、ボーナス役が当選した際にこの旨を報知してもよい。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態、及び、後述する第3〜第4実施形態の説明では、上述した第1実施形態と同様の部材については、同様の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、前述した第1実施形態と同様に、ベットされたメダルを返却する際の返却モードとして第1、第2の2種類の返却モードが設けられ、ベットされたメダルを返却する際には、遊技モードを判定し、判定された遊技モードをモード選択テーブルに照合させて、遊技モードに応じた返却モードでメダルの返却を行う。
一方、第2実施形態では、第1実施形態とは当選役の種類と数が異なっている。
第2実施形態では、図10に示すように、ボーナス役としてRBB役、シフトRB役及びCBB役、再遊技役としてリプレイ役、小役としてベル役及び第1スイカ役〜第8スイカ役を設けている。
RBB役は、入賞するとRBB遊技が行えるボーナス役であり、第1リール17a〜第3リール17cに青セブン図柄が3つ揃ったときに入賞となる。
シフトRB役は、入賞すると後述するRB遊技が行えるボーナス役であり、第1リール17a〜第3リール17cにBAR図柄が3つ揃ったときに入賞となる。
ここで、RBB役が入賞するとRBB遊技が開始し、後述するRBB一般中状態へと移行する。そして、RBB一般中状態においてシフトRB役が当選し、かつ当選した遊技で入賞させることが出来なかった場合には、次遊技以降、入賞するまでシフトRB内部中状態となり、シフトRB役が入賞すると後述するRB状態へ移行し、RB状態において所定回数の遊技(例えば、8回遊技)の実行または所定当選役が所定回数入賞(例えば、8回入賞)のいずれかを満たすと、再度RBB一般中状態へと移行する。ただし、RBB遊技が開始してからの累積払い出し枚数が所定枚数に達すると、RBB一般中状態及びRB状態のいずれの状態であっても、RBB遊技が終了する。
CBB役は、入賞すると後述するCBB遊技(このときの状態はCBB状態)が行えるボーナス役であり、第1リール17a〜第3リール17cの順に「青セブン図柄・青セブン図柄・赤セブン図柄」が揃ったときに入賞となる。
リプレイ役は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ベル役は、1ベットで行った遊技で入賞すると4枚、2ベットで行った遊技で入賞すると8枚、3ベットで行った遊技で入賞すると9枚のメダルの払い出しが行われ、第1リール17a〜第3リール17cにベル図柄が3つ揃ったときに入賞となる役である。
第1スイカ役は、1ベットで行った遊技で入賞すると4枚、2ベットで行った遊技で入賞すると8枚、3ベットで行った遊技で入賞すると9枚のメダルの払い出しが行われ、第1リール17a〜第3リール17cにスイカ図柄が3つ揃ったときに入賞となる役である。
第2スイカ役〜第8スイカ役についても、図10に示すように、第1スイカ役と同様にして設けられている。
第2実施形態では、図11に示すように、後述する各遊技モードにおいて、抽選される役が異なっており、当選した当選領域によって、当選する役が異なっている。
なお、図11中の第1左押し〜第2右押しは、複数の当選役が同時に重複して当選(重複当選)する6種類の重複当選領域であり、具体的には、図12に示すように、複数の役が同時に当選する当選領域である。
この各重複当選領域は、第1〜第3ストップボタン22a〜22cの各押し順(操作順序)に対して正解または不正解が対応付けられており、押し順が正解か否かによって重複当選している当選役のうちいずれを入賞させるように引き込み制御を行うのかが変化する。そして、この引き込み制御と第1〜第3リール17a〜17cの図柄配列(図2参照)との関係から、押し順が正解したか否かによって、入賞の可否や入賞する当選役の種類が変化する。
具体的には、「第1左押し」重複当選領域は、ベル役、第1スイカ役、第2スイカ役、第3スイカ役、第4スイカ役が重複当選したものである。この「第1左押し」重複当選領域には、正解の押し順として「左押し」(全てのリールが回転している状態でリールの回転を停止させる際に、最初に第1ストップボタン22aが操作されること)が対応付けされている。そして、「第1左押し」重複当選領域が当選役抽選で当選している状態で「左押し」をした場合、いずれかの入賞ライン上にベル図柄が3つ揃ってベル役が入賞するように引き込み制御が行われる。なお、全てのリールに関してベル役に対応する図柄組み合わせを構成するベル図柄は、いずれのタイミングでストップボタン22を操作しても常に引き込み範囲内に存在する(図2参照)ので、押し順が正解の場合は必ずベル役が入賞する。
一方、この「第1左押し」重複当選領域には、不正解の押し順として「中押し」(全てのリールが回転している状態でリールの回転を停止させる際に、最初に第2ストップボタン22bが操作されること)及び、「右押し」(全てのリールが回転している状態でリールの回転を停止させる際に、最初に第3ストップボタン22cが操作されること)が対応付けされている。そして、例えば、「第1左押し」重複当選領域が当選役抽選で当選している状態で「中押し」をした場合は、第2リール17bについて、第2ストップボタン22bの操作されたタイミングに応じて、第1スイカ役〜第4スイカ役のいずれかに対応する図柄組み合わせを構成する図柄、すなわちスイカ図柄あるいは花スイカ図柄が引き込まれる。なお、第1スイカ役〜第4スイカ役に対応するスイカ図柄と花スイカ図柄は、各図柄を区別しなければ、いずれかは常に引き込み範囲内に存在する(図2参照)ため、第1スイカ役〜第4スイカ役のいずれかに対応する図柄組み合わせを構成する図柄を必ず引き込むことが可能となっている。その後に、例えば第2リール17bにおいて所定の入賞有効ライン上にスイカ図柄が停止している場合に第3ストップボタン22cを操作すると、第3ストップボタン22cの操作されたタイミングに応じて、入賞できる可能性の残っている第1スイカ役あるいは第3スイカ役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄、すなわちスイカ図柄あるいは花スイカ図柄が引き込まれる。その後に、例えば第2リール17b及び第3リール17cにおける同一入賞有効ライン上にスイカ図柄が停止している場合に第1ストップボタン22aを操作すると、第2リール17b及び第3リール17cにおいてスイカ図柄が停止している入賞有効ライン上にスイカ図柄が引き込めるタイミングで第1ストップボタン22aが操作された場合には当該入賞有効ライン上にスイカ図柄が引き込まれて第1スイカ役の入賞となり、当該入賞有効ライン上にスイカ図柄が引き込めないタイミングで第1ストップボタン22aが操作された場合には、いずれの役も入賞しない。
なお、「第1左押し」重複当選領域が当選役抽選で当選している状態で「右押し」をした場合も、「中押し」をしたときと同様、第1スイカ役〜第4スイカ役のいずれかの入賞となるか、あるいはいずれの役も入賞しない。
また、「第2左押し」重複当選領域〜「第2右押し」のいずれかが当選した場合についても、「第1左押し」重複当選領域が当選した場合と同様、第1ストップボタン22a〜第3ストップボタン22cを操作する順番とタイミングとに応じて、ベル役が入賞する場合と、いずれかのスイカ役が入賞する場合と、いずれの役も入賞しない場合とがあるように制御が行われる。
第2実施形態では、入賞ラインは、図13に示すように、図柄表示部13を通して1リール当たり縦方向に3個表示された図柄のうち、各リールの中段の図柄を横方向に結ぶように設定された1本の「中央入賞ライン62M」と、第1リール17aの上段、第2リール17bの中段及び第3リール17cの下段の図柄上に伸びる「下り入賞ライン62D」と、第1リール17aの下段、第2リール17bの中段及び第3リール17cの上段の図柄上に伸びる「上り入賞ライン62U」と、第1リール17aの上段、第2リール17bの中段及び第3リール17cの上段の図柄上に伸びる「V字入賞ライン62V」と、第1リール17aの下段、第2リール17bの中段及び第3リール17cの下段の図柄上に伸びる「逆V字入賞ライン62R」とが設けられている。
そして、第2実施形態では、いずれのベット数でも上述した入賞ライン全て、すなわち、「中央入賞ライン62M」、「下り入賞ライン62D」、「上り入賞ライン62U」、「V字入賞ライン62V」及び「逆V字入賞ライン62R」の5本の入賞ラインが有効化される。
また、第2実施形態では、遊技モードの種類や数が前述した第1実施形態とは異なり、これに伴って、モード選択テーブルの内容、すなわち、遊技モードと各遊技モードで選択される返却モードとの対応関係も、前述した第1実施形態とは異なっている。
具体的には、図14に示すように、第2実施形態で用いられるモード選択テーブル51は、遊技状態を12種類に分類した第1〜第12遊技モードと、各遊技モードで選択される返却モードとの対応関係が規定されている。第1〜第12の各遊技モードは、ボーナス状態と、RT状態(リプレイ役の当選確率がどのようになっているか)との組合せパターンの違いにより分類分けされている。
第1遊技モードは、ボーナス状態が通常状態(ボーナス役が非当選の状態かつ非入賞の状態)であり、かつ、RT状態が非RT状態(リプレイ役の当選確率が、所定の基準値(1/4.3の確率)に設定された状態)である遊技モードである。第1遊技モードでは、1ベット〜3ベット(MAXベット)の範囲でベット数を選択して遊技を行うことができ、ベット数に関わらず非RT状態のリプレイ役の当選確率が変動しない設定である。この第1遊技モードでは、3ベットで遊技を行った場合、図11に示す抽選テーブルAを用いて当選役抽選が行われる(なお、図示を省略するが、2ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルAに対して第1左押し〜第2右押しが2/3の当選確率となった抽選テーブルを用い、1ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルAに対して第1左押し〜第2右押しが1/3の当選確率となった抽選テーブルを用いる)。
また、第1遊技モードでは、後述する第7遊技モードにおいてAT抽選で当選していた場合には、当選役抽選において第1左押し〜第2右押しのいずれかの重複当選領域に当選した際に、正解の押し順が報知されるATが行われる。なお、このATは、他の遊技モードに移行するまで行われる。
この第1遊技モードは、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせにもなっていないブランク図柄組み合わせのうち、第1のブランク図柄組み合わせが表示されることにより後述するRT1状態へ移行し、第2のブランク図柄組み合わせが表示されることにより後述するRT2状態へ移行する遊技状態(遊技モード)であり、第2のブランク図柄組み合わせを揃えることができればRT2状態へ移行することが可能な遊技状態であることから遊技を終了する可能性が一概に高いとは言えないが、3ベット以外で遊技を行う可能性が低いと言える。そして、このような場合は、遊技を終了したくて返却ボタン26を操作していることが十分に考えられるが、それにもかかわらず、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却されると速やかに遊技を終了できないので不便である。よって、第1遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第1返却モードで行うようにしている。
なお、第1のブランク図柄組み合わせ及び第2のブランク図柄組み合わせとしては、適宜設定することができるが、例えば、後述する図20に示す当選役の種類のひとつであるボーナス役のうちBB1役に対応する12種類の図柄組み合わせの一部を、本実施形態においては当選役として扱わずに、第1のブランク図柄組み合わせとして設定し、残部を第2のブランク図柄組み合わせとすることができる。
第2遊技モードは、ボーナス状態が通常状態であり、かつ、RT状態がRT1状態(リプレイ役の当選確率が、非RT状態よりも低く設定(1/7.3の確率に設定)された状態)である遊技モードである。第2遊技モードでは、1ベット〜3ベット(MAXベット)の範囲でベット数を選択して遊技を行うことができ、ベット数に関わらずRT1状態のリプレイ役の当選確率が変動しない設定である。この第2遊技モードでは、3ベットで遊技を行った場合、図11に示す抽選テーブルBを用いて当選役抽選が行われる(なお、図示を省略するが、2ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルBに対して第1左押し〜第2右押しが2/3の当選確率となった抽選テーブルを用い、1ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルBに対して第1左押し〜第2右押しが1/3の当選確率となった抽選テーブルを用いる)。この第2遊技モードは、第1遊技モードよりもリプレイ役の当選確率が低く、第1遊技モードと比較して不利である。さらに、RT2状態には移行しないように形成されており、かつ、第1のブランク図柄組み合わせが表示されてから100回の遊技を行わないと非RT状態に移行しないように形成されていることから、第2遊技モードにおいて遊技者が遊技を終了する可能性は高いと考えられる。また、3ベット以外で遊技を行う可能性は低いと言える。そして、このような場合は、第1遊技モードと同様に、遊技を終了したくて返却ボタン26を操作しているにもかかわらず、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却されると速やかに遊技を終了できず不便である。よって、第2遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第1返却モードで行うようにしている。
第3遊技モードは、ボーナス状態が通常状態であり、かつ、RT状態がRT2状態(リプレイ役の当選確率が、非RT状態よりも高く設定(1/2.3の確率に設定)された状態)である遊技モードである。第3遊技モードでは、1ベット〜3ベット(MAXベット)の範囲でベット数を選択して遊技を行うことができる設定である。この第3遊技モードでは、3ベットで遊技を行った場合、図11に示す抽選テーブルCを用いて当選役抽選が行われる(なお、図示を省略するが、2ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルCに対して第1左押し〜第2右押しが2/3の当選確率であり、かつ、リプレイ役の当選確率も2/3となった抽選テーブルを用い、1ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルCに対して第1左押し〜第2右押しが1/3の当選確率であり、かつ、リプレイ役の当選確率も1/3となった抽選テーブルを用いる)。この第3遊技モードは、第1遊技モードと比較してリプレイ役の当選確率が高く、さらに、RT1状態には移行しないように形成されており、かつ、第2のブランク図柄組み合わせが表示されてから200回の遊技を行うまでは、非RT状態に移行しないように形成されていることからメダルを投入せずに遊技を行える確率が高いことによってメダルを増やせる可能性が高く(設計上はメダルを増やせるように設計されている)、また、第1の遊技モードと比較して、メダルを減らさずに、当選に基づいて高い利益が得られるRBB役やCBB役の当選を待てることから、有利な遊技モードであると言える。そのため、第3遊技モードでは、3ベット以外で遊技を行う可能性が高いとは言えないものの、いわゆるチャンス目が表示された際には1ベットあるいは2ベットで遊技を行ってボーナス役を入賞させることにチャンレジしてみることも考えられるとともに、メダルを増やすことが期待できる有利な遊技モードであることから、遊技を終了するとは考えにくい。そして、このような場合、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却された方が速やかに遊技を継続できるので便利である。よって、第3遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第2返却モードで行うようにしている。
第4遊技モードは、ボーナス状態がボーナス内部中状態(RBB役、CBB役のいずれかが当選している状態かつ非入賞の状態)であり、かつ、RT状態が非RT状態である遊技モードである。第4遊技モードでは、1ベット〜3ベット(MAXベット)の範囲でベット数を選択して遊技を行うことができ、ベット数に関わらず非RT状態のリプレイ役の当選確率が変動しない設定である。この第4遊技モードでは、3ベットで遊技を行った場合、図11に示す抽選テーブルDを用いて当選役抽選が行われる(なお、図示を省略するが、2ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルDに対して第1左押し〜第2右押しが2/3の当選確率となった抽選テーブルを用い、1ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルDに対して第1左押し〜第2右押しが1/3の当選確率となった抽選テーブルを用いる)。第4遊技モードでは、RBB役またはCBB役を入賞させることが可能であり、RBB遊技またはCBB遊技を行えることが決定されているという有利な遊技モードであることから、遊技を終了するとは考え難く、また、ボーナス役を入賞させるに際して1ベットあるいは2ベットとする可能性がある。そして、このような場合、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却された方が速やかに遊技を継続できるので便利である。よって、第4遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第2返却モードで行うようにしている。
第5遊技モードは、ボーナス状態がボーナス内部中状態であり、かつ、RT状態がRT1状態である遊技モードである。第5遊技モードでは、1ベット〜3ベット(MAXベット)の範囲でベット数を選択して遊技を行うことができ、ベット数に関わらずRT1状態のリプレイ役の当選確率が変動しない設定である。この第5遊技モードでは、3ベットで遊技を行った場合、図11に示す抽選テーブルEを用いて当選役抽選が行われる(なお、図示を省略するが、2ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルEに対して第1左押し〜第2右押しが2/3の当選確率となった抽選テーブルを用い、1ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルEに対して第1左押し〜第2右押しが1/3の当選確率となった抽選テーブルを用いる)。第5遊技モードでは、RBB役またはCBB役を入賞させることが可能であり、RBB遊技またはCBB遊技を行えることが決定されているという有利な遊技モードであることから、遊技を終了するとは考え難く、また、ボーナス役を入賞させるに際して1ベットあるいは2ベットとする可能性がある。このような場合、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却された方が速やかに遊技を継続できるので便利である。よって、第5遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第2返却モードで行うようにしている。
第6遊技モードは、ボーナス状態がボーナス内部中状態であり、かつ、RT状態がRT2状態である遊技モードである。第6遊技モードでは、1ベット〜3ベット(MAXベット)の範囲でベット数を選択して遊技を行うことができる設定である。この第6遊技モードでは、3ベットで遊技を行った場合、図11に示す抽選テーブルFを用いて当選役抽選が行われる(なお、図示を省略するが、2ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルFに対して第1左押し〜第2右押しが2/3の当選確率であり、かつ、リプレイ役の当選確率も2/3となった抽選テーブルを用い、1ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルFに対して第1左押し〜第2右押しが1/3の当選確率であり、かつ、リプレイ役の当選確率も1/3となった抽選テーブルを用いる)。第6遊技モードでは、RBB役またはCBB役を入賞させることが可能であり、RBB遊技またはCBB遊技を行えることが決定されているという有利な遊技モードであることから、遊技を終了するとは考え難く、また、第1実施形態と同様の理由によりボーナス役を入賞させるに際して1ベットあるいは2ベットとする可能性がある。さらには、本実施形態では、リプレイ役とボーナス役が同時に当選状態となった場合には、リプレイ役の入賞を優先させるように形成されており、リプレイ役が3ベットよりも当選しにくい1ベットあるいは2ベットを用いて遊技をすることが考えられる。そして、このような場合、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却された方が速やかに遊技を継続できるので便利である。よって、第6遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第2返却モードで行うようにしている。
第7遊技モードは、ボーナス状態がRBB一般中状態である遊技モードである。第7遊技モードでは、1ベット〜3ベット(MAXベット)の範囲でベット数を選択して遊技を行うことができるが、リプレイ役の当選確率が0、すなわち、リプレイ役が当選しないように設定されている。この第7遊技モードでは、3ベットで遊技を行った場合、図11に示す抽選テーブルGを用いて当選役抽選が行われる(なお、図示を省略するが、2ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルGに「ハズレ」の当選領域がシフトRB役となり、かつ、抽選テーブルGに対して第1左押し〜第2右押しが2/3の当選確率となった抽選テーブルを用い、1ベットで遊技を行った場合には、役抽選テーブルGにおける「ハズレ」の当選領域がシフトRB役となり、かつ、抽選テーブルGに対して第1左押し〜第2右押しが1/3の当選確率となった抽選テーブルを用いる)。なお、抽選テーブルGでは、シフトRB役を抽選していないが、例えば2ベットで遊技した場合にシフトRB役を1/100の確率で抽選するなど、あまりシフトRB役の当選が期待できない程度の極めて低い確率で抽選するように形成することも可能である。
第7遊技モードは、シフトRB役が当選したものの入賞していなければ第8遊技モードへ移行し、シフトRB役が当選かつ入賞すると第9遊技モードへ移行し、RBB遊技の開始時からの累積払い出し枚数が所定枚数に達するとこの第7遊技モードが終了して第1遊技モードへ移行するようになっている。第7遊技モードでは、1ベット及び2ベットで遊技を行うとシフトRB役の抽選が行われるもののAT機能を発動させるか否かの抽選(AT抽選)が行われず、3ベットで遊技を行うとシフトRB役の抽選を行わないもののAT抽選が行われる。すなわち、第7遊技モードでは、1ベットあるいは2ベットしてRB状態へ移行させる遊技を行うか、3ベットしてAT機能を発動させて遊技を行うか、ベット数を変更することで遊技状態を選択することができる。そのため、RBB一般中状態では、シフトRB役の抽選を受けるために1ベットあるいは2ベットで遊技を行いたいにもかかわらず、誤ってMAXベットボタン19を操作して3ベットしてしまう可能性がある。そして、このような場合、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却された方が速やかに遊技を継続できるので便利である。また、1ベット及び2ベットにおいてはシフトRB役の抽選を受けられ、3ベットにおいてはAT抽選を受けられることから、遊技者にとって有利な遊技状態であると言え、第7遊技モードでは遊技を終了するとは考え難い。よって、第7遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第2返却モードで行うようにしている。
第8遊技モードは、ボーナス状態がシフトRB内部中状態である遊技モードである。なお、第8遊技モードでは、第7遊技モードと同様に、1ベット〜3ベット(MAXベット)の範囲でベット数を選択して遊技を行うことができ、リプレイ役の当選確率が0、すなわち、リプレイ役が当選しないように設定されている。この第8遊技モードでは、3ベットで遊技を行った場合、図11に示す抽選テーブルHを用いて当選役抽選が行われる(なお、図示を省略するが、2ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルHに対して第1左押し〜第2右押しが2/3の当選確率となった抽選テーブルを用い、1ベットで遊技を行った場合には、抽選テーブルHに対して第1左押し〜第2右押しが1/3の当選確率となった抽選テーブルを用いる)。第8遊技モードは、RBB役に入賞してRBB一般中状態が開始した遊技からの累積払い出し枚数が所定枚数に達すると第1遊技モードへ移行し、シフトRB役を入賞させると第9遊技モードへと移行する。第8遊技モードでは、第7遊技モードとは異なり、AT抽選もシフトRB役の抽選も行われない。しかし、RB遊技を行えることが決定されているという有利な遊技モードであることから、遊技を終了するとは考え難く、また、シフトRB役を入賞させるに際して1ベットあるいは2ベットとする可能性がある。よって、第8遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第2返却モードで行うようにしている。
第9遊技モードは、ボーナス状態がRB状態である遊技モードである。なお、第9遊技モードでは、3ベット(MAXベット)のみを選択して遊技を行うことができ、リプレイ役の当選確率が0、すなわち、リプレイ役が当選しないように設定されている。この第9遊技モードでは、図11に示す抽選テーブルI(99/100の確率でベル役が当選する抽選テーブル)を用いて当選役抽選が行われる。第9遊技モードは、RBB役に入賞してRBB一般中状態が開始した遊技からの累積払い出し枚数が所定枚数に達すると第1遊技モードへ移行し、RBB遊技の開始からの累積払い出し枚数が所定枚数に達していない状態で、所定回数の遊技(例えば、8回遊技)の実行または所定当選役が所定回数入賞(例えば、8回入賞)のいずれかを満たすと、第7遊技モードへと移行する。
第9遊技モードは、3ベットでのみの遊技が行われるRB状態として設定されており、ほぼ毎遊技ベル役に入賞ができる(ベル役は、当選すると第1〜第3リール17a〜17cの全てにおいて、同一の入賞有効ライン上にベル図柄が必ず引き込まれるように設定されている)遊技モードであることから、第9遊技モードで遊技を終了するとは考え難いが、ベット数を変更して遊技を継続するといったことがない。そして、このような場合は、有利な遊技状態に滞在しているにもかかわらず、時間がなくなってしまった等の理由により遊技を終了しなくてはいけない等の理由が考えられる。その場合に、遊技を終了したくて返却ボタン26を操作しているにもかかわらず、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却されると速やかに遊技を終了できず不便である。よって、第9遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第1返却モードで行うようにしている。
第10遊技モードは、ボーナス状態がCBB状態であり、かつ、RT状態が非RT状態である遊技モードである。CBB状態では、毎遊技、当選役抽選の結果によらず全ての小役が当選状態に設定されるとともに、第1リール17aのスベリコマ数が0〜1コマとなるように設定されている。第10遊技モードでは、3ベット(MAXベット)のみで遊技を行うことができる設定である。この第10遊技モードでは、3ベットで遊技を行うと、図11に示す抽選テーブルJを用いて当選役抽選が行われる。
CBB状態は開始した遊技からの累積払い出し枚数が所定枚数に達すると終了し、第10遊技モードが終了すると第1遊技モードに移行する。
第10遊技モードは、毎遊技、当選役抽選の結果によらず全ての小役が当選状態に設定されるため、第10遊技モードで遊技を終了するとは考え難いが、ベット数を変更して遊技を継続するといったことがない。そして、このような場合は、有利な遊技状態に滞在しているにもかかわらず、時間がなくなってしまった等の理由により遊技を終了しなくてはいけない等の理由が考えられる。その場合に、遊技を終了したくて返却ボタン26を操作しているにもかかわらず、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却されると速やかに遊技を終了できず不便である。よって、第10遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第1返却モードで行うようにしている。
第11遊技モードは、ボーナス状態がCBB状態であり、かつ、RT状態がRT1状態である遊技モードである。第11遊技モードでは、3ベット(MAXベット)のみで遊技を行うことができる設定である。この第11遊技モードでは、3ベットで遊技を行うと、図11に示す抽選テーブルKを用いて当選役抽選が行われる。
CBB状態は開始した遊技からの累積払い出し枚数が所定枚数に達すると終了し、第11遊技モードが終了すると、RT1状態が終了していない場合には、第2遊技モードに移行し、第11遊技モードが終了すると同時にRT1状態が終了した場合には、第1遊技モードへ移行する。また、第11遊技モード中にRT1状態が終了した場合には、CBB状態が終了していなくても第10遊技モードへ移行する。
第11遊技モードは、毎遊技、当選役抽選の結果によらず全ての小役が当選状態に設定されるため第11遊技モードで遊技を終了するとは考え難いが、ベット数を変更して遊技を継続するといったことがない。そして、このような場合は、有利な遊技状態に滞在しているにもかかわらず、時間がなくなってしまった等の理由により遊技を終了しなくてはいけない等の理由が考えられる。その場合に、遊技を終了したくて返却ボタン26を操作しているにもかかわらず、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却されると速やかに遊技を終了できず不便である。よって、第11遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第1返却モードで行うようにしている。
第12遊技モードは、ボーナス状態がCBB状態であり、かつ、RT状態がRT2状態である遊技モードである。第12遊技モードでは、1ベット〜3ベット(MAXベット)の範囲でベット数を選択して遊技を行うことができ、この第12遊技モードでは、3ベットで遊技を行うと、図11に示す抽選テーブルL(3ベットの場合のみ図示)を用いて当選役抽選が行われる。また、第12遊技モードでは、CBB状態中のRT2状態のリプレイ役の当選確率が、ベット数に応じて変動するように設定されている。具体的には、3ベットではリプレイ役の当選確率が1/2.3となり、2ベットではリプレイ役の当選確率が1/4.3となり、1ベットではリプレイ役の当選確率が1/7.3となる。ここで、当選役抽選でリプレイ役が当選すると、リプレイ役及び全ての小役が当選状態となるが、この場合にはリプレイ役に対応する図柄組み合わせを構成するREP図柄が、いずれの小役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄よりも優先して入賞有効ライン上に引き込まれるように設定されている。そのため、第12遊技モードでは、第1〜第3リール17a〜17cを順に停止(第1〜第3ストップボタン22a〜22cを順押し)すると、リプレイ役に当選してない場合には必ず当選している小役が入賞してメダルを増やすことができるが、リプレイ役に当選している場合には、小役が入賞せずにリプレイ役の入賞となってしまう。そうすると、第12遊技モードでは、3ベットよりも2ベット、2ベットよりも1ベットで遊技を行った方が、同量のメダルであっても、より早期に獲得することが出来る。また、CBB状態は開始した遊技からの累積払い出し枚数が所定枚数に達すると終了し、第12遊技モードが終了すると、RT2状態が終了していない場合には、第3遊技モードに移行し、第12遊技モードが終了すると同時にRT2状態が終了した場合には、第1遊技モードへ移行する。また、第12遊技モード中にRT2状態が終了した場合には、CBB状態が終了していなくても第10遊技モードへ移行する。
そして、RT2状態は第2のブランク図柄組み合わせが表示されてから200回の遊技を行うまでは非RT状態に移行しないように形成されていることから、CBB状態を早期に終了させることにより、第12遊技モードの終了後により長く第3遊技モードで遊技を行えるため、1ベットあるいは2ベットで遊技を行うことが考えられる。また、第12遊技モードは、毎遊技、当選役抽選の結果によらず全ての小役が当選状態に設定されるため第12遊技モードで遊技を終了するとは考え難い。よって、第12遊技モードでは、ベットされたメダルの返却を第2返却モードで行うようにしている。
以上のように、第2実施形態では、第1実施形態と比較して遊技モードを細分化し、各遊技モードのうち、ベット数を変更して遊技を継続する可能性が高い遊技モードにおいて、第2返却モードでメダルの返却を行うようにした。これにより、より最適な返却先にメダルを返却することができ、メダル投入口18に投入し直さなければならないといった問題をより確実に防止できる。
なお、第2実施形態では、第10、第11遊技モードにおいて3ベットのみで遊技できるようにしたが、第12遊技モード同様、1ベット〜3ベットのいずれかによって遊技を行うようにしてもよい。なお、その際には、1ベット、2ベットの遊技では、3ベットにおいて用いる抽選テーブルに対して、リプレイ役の当選確率が3ベット>2ベット>1ベットの関係となるようにしてもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態でも、前述した第1、第2実施形態と同様に、ベットされたメダルを返却する際の返却モードとして第1、第2の2種類の返却モードが設けられ、ベットされたメダルを返却する際には、遊技モードを判定し、判定された遊技モードをモード選択テーブルに照合させて、遊技モードに応じた返却モードでメダルの返却を行う。
一方、第3実施形態では、当選役の種類、遊技モードの種類や数が前述した第1、第2実施形態とは異なり、これに伴って、モード選択テーブルの内容、すなわち、遊技モードと各遊技モードで選択される返却モードとの対応関係も、前述した第1、第2実施形態とは異なっている。
当選役は、第1実施形態で用いた当選役に加え、図15に示すように、ボーナス役として特殊RB役、小役として第1スイカ役〜第8スイカ役が設けられる。特殊RB役は、入賞すると後述する特殊RB遊技(このときの状態は特殊RB状態(特殊RBモード))が行える役であり、第1リール17a〜第3リール17cの順に「赤セブン図柄・BAR図柄・BAR図柄」が揃ったときに入賞となる役である。
ここで、第3実施形態では、図15に示すように、ベル役は、2ベットで行った遊技で入賞すると9枚、3ベットで行った遊技で入賞すると15枚のメダルの払い出しが行われる役として設定され、第1スイカ役〜第8スイカ役は、2ベットで行った遊技で入賞すると9枚、3ベットで行った遊技で入賞すると15枚のメダルの払い出しが行われる役として設定されている。
図16に示すように、第3実施形態では遊技モードとして前述した第1実施形態の3種類の遊技モード(通常モード、ボーナス内部中モード及びボーナスモード)に新たに特殊RBモードを加えた4種類の遊技モードが設けられ、第3実施形態で用いられるモード選択テーブル61では、新たに加えられた特殊RBモードに対しては第2返却モードが対応付けされている。
また、第3実施形態の通常モード、ボーナス内部中モード及びボーナスモードは、3ベットでのみ遊技を行うことができるように設定された遊技モードであり、通常モードでは図17に示す抽選テーブルMを用いて当選役抽選を行い、ボーナス内部中モードでは図17に示す抽選テーブルNを用いて当選役抽選を行い、ボーナスモードでは図17に示す抽選テーブルOを用いて当選役抽選を行う。一方、特殊RBモードは、3ベットまたは2ベットのいずれで遊技を行うかを遊技者が選択でき、いずれのベット数でも期待値的にはメダルが増え易い遊技モードであり、3ベットで遊技を開始すると図17に示す抽選テーブルP1を用いて当選役抽選を行って後述する押し順当てゲームが行われ、2ベットで遊技を開始すると図17に示す抽選テーブルP2を用いて当選役抽選を行って後述する鉄板入賞ゲームが行われる。これら2種類のゲームのいずれかを選択する際に、ベット数を間違ってしまい、ベット数を変更して他方のゲームを行いたい場合も生じる。そして、このような場合は、ベットボタンを操作してベットされたメダルがクレジット手段に返却された方が速やかに遊技を継続できるので便利である。よって、特殊RBモードでは、ベットされたメダルの返却を第2返却モードで行うようにしている。
以下、特殊RBモードについて詳細に説明する。
特殊RBモードへは、通常モードにおいて、特殊RB役が当選した後に入賞すると移行する。そして、特殊RBモードは、押し順当てゲームまたは鉄板入賞ゲームで所定回数の遊技(例えば、8回遊技)の実行または所定当選役が所定回数入賞(例えば、8回入賞)のいずれかを満たすと終了して通常モードへと戻る。
押し順当てゲームでは、後述するように第1〜第3ストップボタン22a〜22cの押し順により入賞の可否が決まる当選役として、重複当選領域のいずれかが必ず当選し(各当選領域の当選確率は同一あるいは同等に設定)、いずれのストップボタンを最初に操作したかといった3通りの押し順のうち、正解の押し順であればこの当選役が入賞して15枚のメダルを獲得できる(すなわち、1/3の確率で15枚のメダルを獲得できる)。また、残り2/3の確率で不正解であった場合でも、1/2の確率で当選役が入賞して15枚のメダルを獲得できる。つまり、押し順当てゲームは、2/3の確率で15枚のメダルを獲得でき(12枚のメダルが純増し)、1/3の確率でメダルを取りこぼす(3枚のメダルが純減する)。
そのため、押し順当てゲームは、1遊技当たりの平均純増枚数の期待値が(12×2/3)+(−3×1/3)=7枚であり、8回の遊技全てを押し順当てゲームで行った場合、平均総純増枚数の期待値は56枚となる。また、8回の押し順当てゲームの全てでメダルを獲得できた場合は12×8=96枚の純増となる反面、8回の押し順当てゲームの全てでメダルを取りこぼした場合は24枚の純減となる。このように、押し順当てゲームは、ストップボタンの操作順次第で、メダルの増減に最大120枚の差ができるので、ハイリスクハイリターンな遊技性がある。
他方、鉄板入賞ゲームでは、後述するように入賞した際に9枚のメダルが払い出されるベル役が必ず当選し、かつ、ストップボタンの押し順や操作タイミングによらずこの当選役が必ず入賞するようになっている。そのため、鉄板入賞ゲームを8回の遊技全てを鉄板入賞ゲームで行った場合、1遊技当たりの平均純増枚数の期待値が9−2=7枚であり、平均総純増枚数の期待値は56枚となる。また、8回の鉄板入賞ゲームが終了した際に7×8=56枚の純増となる。このように、鉄板入賞ゲームは、ストップボタンの押し順や操作タイミングによらず必ず56枚のメダルを獲得できるので、ローリスクローリターンな遊技性がある。
また、これら押し順当てゲームと鉄板入賞ゲームとは、1遊技当たりの平均純増枚数の期待値が同じ7枚であるため、いずれのゲームを選択したかによって有利不利は変化しない。よって、特殊RBモードでは、1ゲームごとにベット数が選択可能であり、ベット数を選択することによって、これらいずれのゲームを行うかを遊技者の好みによって選択できる。すなわち、ベット数を2枚とするか3枚とするかを遊技者の好みによって選択できる。しかし、特殊RBモードでは、押し順当てゲームと鉄板入賞ゲームとのいずれで遊技を行うかを選択できる反面、2ベット(鉄板入賞ゲーム)で遊技を行おうとしていたにも関わらず、3ベットしてしまい、ベット数を変更したい場合も生じる。よって、特殊RBモードでは、ベットされたメダルの返却を第2返却モードで行うようにしている。
次に、押し順当てゲームと鉄板入賞ゲームを発現させるための具体的な構成について説明を行う。
第3実施形態では、入賞ラインは、第2の実施の形態と同様であり、いずれのベット数でも入賞ライン全て、すなわち、「中央入賞ライン62M」、「下り入賞ライン62D」、「上り入賞ライン62U」、「V字入賞ライン62V」及び「逆V字入賞ライン62R」の5本の入賞ラインが有効化される。
以上の構成により、第3実施形態において、特殊RBモードで遊技が開始されると、制御部30がベット数を判定し、ベット数が3枚であれば押し順当てゲームで遊技を進行させ、ベット数が2枚であれば鉄板入賞ゲームで遊技を進行させる。
押し順当てゲームで遊技を進行する場合、まず、3ベットされたことにより5本全ての入賞ラインが有効化され、スタートレバー21の操作を契機として行われる当選役抽選で前述した重複当選領域のいずれかが必ず当選する。そして、第2実施形態同様、第1左押し〜第2右押しの重複当選領域のそれぞれについて、第1〜第3ストップボタン22a〜22cの各押し順(操作順序)に対して正解または不正解が対応付けられており、押し順が正解か否かによって重複当選している当選役のうちいずれを入賞させるように引き込み制御を行うのかが変化するように形成されており、この引き込み制御と第1〜第3リール17a〜17cの図柄配列(図2参照)との関係から、押し順が正解したか否かによって、入賞の可否や入賞する当選役の種類が変化するように設計されているため、1/3の確率で押し順が正解した場合は、ベル役が入賞する。2/3の確率で不正解であった場合でも、1/2の確率で第1スイカ役〜第8スイカ役のいずれかが入賞する。また、3ベットでは、ベル役、第1スイカ役〜第8スイカ役のいずれかが入賞した場合、メダルの払い出し枚数を15枚としている。そのため、押し順当てゲームでベル役、または、第1スイカ役〜第8スイカ役が入賞すると15枚のメダルを獲得できる。
鉄板入賞ゲームで遊技を進行する場合、まず、2ベットされたことにより5本の入賞ラインが有効化される。また、鉄板入賞ゲームではスタートレバー21の操作を契機として行われる当選役抽選で必ずベル役が当選する。前述のように、ベル役に対応する図柄組み合わせ「ベル図柄・ベル図柄・ベル図柄」を構成するベル図柄は、常に引き込み範囲内に存在するので、鉄板入賞ゲームでは、ストップボタンの押し順及びストップボタンの押下タイミングによらず、「ベル図柄・ベル図柄・ベル図柄」が対応付けられたベル役のみが毎遊技必ず入賞する。また、鉄板入賞ゲームでベル役が入賞すると9枚のメダルを獲得できる。
以上のように、特殊RBモードでは、押し順当てゲームと鉄板入賞ゲームとのいずれで遊技を行うかを選択できる反面、2ベット(鉄板入賞ゲーム)で遊技を行おうとしていたにも関わらず、3ベットしてしまい、ベット数を変更したい場合も生じるため、第2返却モードでメダルの返却を行うようにした。これにより、より最適な返却先にメダルを返却することができ、メダル投入口18に投入し直さなければならないといった問題をより確実に防止できる。
なお、前述した押し順当てゲームや鉄板入賞ゲームが選択できる特殊RBモード中に、AT機能を発動させてもよい。この場合のAT機能は、特殊RBモードが終了すると終了するように形成され、AT機能を発動させる場合、押し順当てゲームにおいて、液晶ディスプレイやスピーカ(いずれも図示省略)などを作動させ、正解の押し順が報知される。また、AT機能を発動させる場合、特殊RB役が当選したときにAT機能を発動させるか否かの抽選(AT抽選)を行う。そして、AT抽選でATが当選(AT機能を発動させることが決定)すると、液晶ディスプレイやスピーカなどを作動させ、この旨が報知される。
ATが発動すると、押し順当てゲームでは、毎回、正解の押し順が報知され、報知された押し順通りにストップボタンを操作すると、1遊技当たり確実に12枚のメダルが純増する(1遊技当たりの純増値は12枚となる)。そして、8回の遊技全てで押し順当てゲームを正解の押し順で行った場合、96枚のメダルが純増する。
他方、ATが発動しないと、押し順当てゲームでは、2/3の確率で12枚のメダルが純増し、1/3の確率で3枚のメダルが純減する(1遊技当たりの純増期待値は7枚となる)。そして、8回全てで押し順当てゲームを行い、8回の遊技で全部不正解だと24枚のメダルが純減し、全部正解だと96枚のメダルが純増する(確率上は、8回の遊技で56枚のメダルが純増する)。
なお、鉄板入賞ゲームについて、ATに当選していたとしてもAT機能は発動せず、AT機能の有無に関わらずベル役が必ず入賞するものの、ベル役が入賞した際のメダル払い出し枚数を11枚(1遊技当たりの純増値が9枚)としてもよい。この場合、8回の遊技で72枚のメダルが純増する。
このようにすると、特殊RBモードでAT機能が発動する場合、押し順当てゲームの方が鉄板入賞ゲームよりも有利となり、特殊RBモードでAT機能が発動しない場合、鉄板入賞ゲームの方が押し順当てゲームよりも有利となる。よって、遊技者は、特殊RBモードでAT機能が発動する場合は、3ベットで遊技を開始して押し順当てゲームを行い、AT機能が発動しない場合は、2ベットで遊技を開始して鉄板入賞ゲームを行うという遊技性ができる。
以上のようにすると、特殊RBモードでAT機能が発動する場合、3ベットで押し順当てゲームを行うことが有利なので、3ベットした後に返却ボタン26を操作し、ベットされたメダルを返却して新たに2ベットして鉄板入賞ゲームを行うといったことは考え難い。また、2ベットの状態から3ベットへと変更する場合は、返却ボタン26を操作する必要はない。つまり、特殊RBモードでAT機能が発動する場合に返却ボタン26が操作されてベットされたメダルの返却が要求されたときは、遊技を終了するときであると考えられる。よって、AT抽選を行うAT抽選部45をメイン制御基板30に設けた上で、メイン制御基板30によって、ATが当選したか否かの判定を行うとともに、ATが当選した場合はAT機能の発動状態(ATが発動した状態、ATが当選したが発動していない状態)の判定を行うことで、特殊RBモードでAT機能が発動する場合に、ベットされたメダルの返却を行う際には、第1返却モードでメダルの返却を行うようにしても良い。
他方、特殊RBモードでAT機能が発動しない場合、2ベットで鉄板入賞ゲームを行うことが有利であるが、この場合、MAXベットボタン19を押下してしまうなどにより誤って3ベットしてしまう恐れがあり、このように誤って3ベットしてしまった場合は、ベットされたメダルを返却ボタン26の操作によって返却して、新たに2ベットして鉄板入賞ゲームを行う。そして、このように、ベット数を変更して遊技を継続する場合は、ベットされたメダルが受け皿24に返却されてしまうと不便である。よって、AT抽選を行うAT抽選部45をメイン制御基板30に設けた上で、メイン制御基板30によって、ATが当選したか否かの判定を行うとともに、ATが当選した場合はAT機能の発動状態(ATが発動した状態、ATが当選したが発動していない状態)の判定を行うことで、特殊RBモードでAT機能が発動しない場合に、ベットされたメダルの返却を行う際には、第2返却モードでメダルの返却を行うようにしても良い。
このようにすると、特殊RBモードにおいて、AT機能が発動するか否かによって第1、第2のいずれの返却モードでベットされたメダルの返却を行うかを切り分けることによって、より適切な返却先にベットされたメダルが返却される。これにより、ベット数を変更して遊技を継続したいにも関わらず、ベットされたメダルが受け皿24に返却されてしまい、遊技者が受け皿24からメダルを取りだして再度メダル投入口18に投入しなければならないといった問題をより確実に防止できる。
[第4実施形態]
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態でも、前述した第1〜第3実施形態と同様に、ベットされたメダルを返却する際の返却モードとして第1、第2の2種類の返却モードが設けられ、ベットされたメダルを返却する際には、遊技モードを判定し、判定された遊技モードをモード選択テーブルに照合させて、遊技モードに応じた返却モードでメダルの返却を行う。なお、第4実施形態で用いられる入賞有効ラインについては、第2、第3実施形態と同様である。
一方、第4実施形態では、遊技モードの種類や数が前述した第1〜第3実施形態とは異なり、これに伴って、モード選択テーブルの内容、すなわち、遊技モードと各遊技モードで選択される返却モードとの対応関係も、前述した第1〜第3実施形態とは異なっている。
具体的には、図18に示すように、第4実施形態では遊技モードとして、ボーナス役に関する状態(ボーナス役の当選や入賞の状態や、ボーナス役の入賞に基づいて移行するボーナスモード中であるか否か)によって区分けされた7種類の遊技モードA〜Gが設けられ、第4実施形態で用いられるモード選択テーブル71では、遊技モードA,B,D(特定遊技モード)に対しては第2返却モードが対応付けされ、それ以外の遊技モード(MAXベット遊技モード)に対しては第1返却モードが対応付けされている。
また、第4実施形態では、図19Aに示すように、メイン制御基板30では、ボーナス役の当選や入賞の状態、ベット数、第1返却モードで返却を実行するか第2返却モードで返却を実行するか等を管理している。図19Bに示すように、サブ制御基板31では、AT抽選及びAT抽選の結果に応じたATの状態を管理、すなわち、AT抽選の実行によってATが当選したか否かの判定を行うとともに、ATが当選した場合はAT機能の発動状態(ATが発動した状態、ATが当選したが発動していない状態)の判定を行っている。そして、第4実施形態では、ベット数を変化させながら遊技を実行させることによって、ボーナス役の当選や入賞を制御するとともに、ボーナス役の状態とAT機能の発動状態とを組み合わせることによって、前述した遊技モードA〜Gを発現させている。
また、第4実施形態では、図20に示すように、ボーナス役として、BB1役、BB2役の2種類が設けられている。BB1役は12種類の各々異なる図柄組み合わせのいずれかが揃うと入賞となり、BB2役は第1リール17aから順に赤セブン図柄、青セブン図柄、赤セブン図柄が揃った際に入賞となる。また、第4実施形態では、ベル役は、2ベットで行った遊技で入賞すると2枚、3ベットで行った遊技で入賞すると9枚のメダルの払い出しが行われる役として設定され、第1スイカ役〜第8スイカ役は、2ベットで行った遊技で入賞すると2枚、3ベットで行った遊技で入賞すると9枚のメダルの払い出しが行われる役として設定されている。
図21に示すように、BB1役、BB2役は、ベット数に応じて当選するか否か、入賞するか否かが設定されている。具体的には、BB1役は、3ベットのみ当選及び入賞することが可能(図21において「○」を表示)であり、3ベット以外では当選も入賞もしないようになっている(図21において「×」を表示)。一方のBB2役は、2ベットでのみ当選及び入賞することが可能(図21において「○」を表示)であり、2ベット以外では当選及び入賞しないようになっている(図21において「×」を表示)。
また、第4実施形態では、第3実施形態と同様に、ボーナス役(BB1役あるいはBB2役)と小役が同時に当選状態となることがある。すなわち、BB1役あるいはBB2役が当選した状態(遊技モードB、E、G)で、図22に示す第1左押し〜第2右押しのいずれかの当選領域に当選すると、BB1役あるいはBB2役と、ベル役及び4種類のスイカ役(図12参照)が同時に当選状態となる。これら同時に当選状態となっている小役とボーナス役とは、前述した第2実施形態と同様に、第1〜第3ストップボタン22a〜22cの各押し順の正解または不正解に対応しており、押し順が正解か否かによって重複当選している当選役のうちいずれを入賞させるように引き込み制御を行うのかが変化する。そして、この引き込み制御と第1〜第3リール17a〜17cの図柄配列(図2参照)との関係から、押し順が正解したか否かによって、入賞の可否や入賞する当選役の種類が変化する。
第4実施形態では、小役は、ボーナス役よりも優先して引き込まれるように設定されている。そして、BB1役が当選した状態で、ベル役及び4種類のスイカ役(図12参照)が当選した場合には、正解の押し順で操作がされた場合にベル役が入賞し、押し順が不正解の場合には、第2実施形態同様に、いずれかのスイカ役が入賞可能な場合にはスイカ役が入賞するものの、いずれのスイカ役も入賞できない場合には、第2実施形態とは異なりBB1役が入賞するように設定されている。例えば、BB1役が当選した状態で図12の「第1左押し」の当選領域に当選した場合、正解押し順である「左押し」をすると、全てのリールについて、ベル図柄をいずれかの入賞有効ライン上に3つ揃えて停止させてベル役が入賞する。また、不正解押し順である「中押し」を行うと、第2リール17bにおいて、スイカ図柄を引き込めるタイミングで第2ストップボタン22bを操作した場合にはスイカ図柄がいずれかの入賞有効ライン上に停止し、その後に、第1リール17aにおいて、スイカ図柄を引き込めるタイミングで第2ストップボタン22bを操作した場合には第2リール17bにおいてスイカ図柄が表示されている入賞有効ラインと同一の入賞有効ライン上にスイカ図柄が停止するが、さらにその後に、第3リール17cにおいて、スイカ図柄を引き込めるタイミングで第3ストップボタン22cが操作されると、第1リール17a及び第2リール17bにおいてスイカ図柄が表示されている入賞有効ラインと同一の入賞有効ライン上にスイカ図柄が停止して第1スイカ役の入賞となるが、第3リール17cにおいて、スイカ図柄を引き込めないタイミングで第3ストップボタン22cが操作されると、第1リール17a及び第2リール17bにおいてスイカ図柄が表示されている入賞有効ラインと同一の入賞有効ライン上にベル図柄が停止してBB1役の入賞となる。
第1左押し以外の当選領域が当選した場合も第1左押しと同様であり、このようにして、正解押し順でベル役が入賞し、不正解押し順でいずれかのスイカ役が入賞可能な場合にはいずれかのスイカ役が入賞し、不正解押し順でいずれかのスイカ役も入賞しなかった場合には、BB1役が必ず入賞するようになっている。
また、BB2役が当選した状態で、ベル役及び4種類のスイカ役(図12参照)が当選した場合には、正解の押し順で操作がされた場合にベル役が入賞し、押し順が不正解の場合には、第2実施形態同様に、いずれかのスイカ役が入賞可能な場合にはスイカ役が入賞するが、いずれのスイカ役も入賞できない場合には、いずれの役も入賞しないように設定されている。例えば、BB2役が当選した状態で図12の「第1左押し」の当選領域に当選した場合、正解押し順である「左押し」をすると、全てのリールについて、ベル図柄をいずれかの有効ライン上に3つ揃えて停止させてベル役が入賞する。また、不正解押し順である「中押し」を行うと、第2リール17bにおいて、スイカ図柄を引き込めるタイミングで第2ストップボタン22bを操作した場合にはスイカ図柄がいずれかの入賞有効ライン上に停止し、その後に、第1リール17aにおいて、スイカ図柄を引き込めるタイミングで第2ストップボタン22bを操作した場合には第2リール17bにおいてスイカ図柄が表示されている入賞有効ラインと同一の入賞有効ライン上にスイカ図柄が停止するが、さらにその後に、第3リール17cにおいて、スイカ図柄を引き込めるタイミングで第3ストップボタン22cが操作されると、第1リール17a及び第2リール17bにおいてスイカ図柄が表示されている入賞有効ラインと同一の入賞有効ライン上にスイカ図柄が停止して第1スイカ役の入賞となるが、第3リール17cにおいて、スイカ図柄を引き込めないタイミングで第3ストップボタン22cが操作されると、いずれの役の入賞にもならないように第1リール17a及び第2リール17bにおいてスイカ図柄が表示されている入賞有効ラインと同一の入賞有効ライン上に所定の図柄(例えばリプレイ図柄)が停止する。
以下、図23を用い、遊技モードA〜Gについて、詳細に説明する。
遊技モードAは、工場出荷時点でセットされている初期状態のモードであり、第4実施形態では、遊技モードAから遊技が開始される。遊技モードAは、BB1役もBB2役も非当選の状態である。この遊技モードAは2ベットと3ベットとのいずれかを選択して遊技を行うことができ、2ベットで遊技を行うと、図22の抽選テーブルQ1を用いて当選役抽選が行われ、BB2役の抽選が行われるとともに、サブ制御基板31に設けられたAT抽選部45によってAT抽選が行われる。なお、BB2役はリプレイ役と同時に当選するように設定されているが、BB2役とリプレイ役とが同時に当選した場合には、必ずリプレイ役が入賞し、BB2役は入賞しないように設定されている。BB2役が当選したもののBB2役が当選した遊技ではBB2役が入賞せず、かつ、このBB2役が当選するまでにAT抽選でATに当選しなかった場合は、後述する遊技モードBへ移行する。なお、遊技モードAで2ベットで遊技を行い、BB2役が当選する以前にAT抽選でATに当選した場合は、後述する遊技モードDへ移行する。
一方、この遊技モードAにおいて3ベットで遊技を行うと、図22の抽選テーブルQ2を用いて当選役抽選が行われ、BB1役の抽選が行われる。ただし、この遊技モードAでは、3ベットで遊技を行った場合、AT抽選を所定ゲーム数行わない(3ベットで遊技を行った後に2ベットで遊技をしてもAT抽選を行わない)等のペナルティが設けられている。なお、BB1役はリプレイ役と同時に当選するように設定されているが、BB1役とリプレイ役とが同時に当選した場合には、必ずリプレイ役が入賞し、BB1役は入賞しないように設定されている。そして、BB1役が当選すると、BB1役が入賞しないことによって後述する遊技モードGへ移行する。なお、遊技モードAでは、3ベットでの遊技にはペナルティが設けられていることが報知されるとともに、2ベットでの遊技を推奨する報知がなされる。
すなわち、この遊技モードAでは、2ベットで遊技を行うとAT抽選が行われるものの、3ベットで遊技を行ってもAT抽選はされず、後述するように遊技モードAにおいて2ベットで遊技を行えば、他の遊技状態への移行を経て最終的に最も有利な遊技状態である遊技モードEに移行することが可能となるものの、3ベットで遊技を行う限りは、この遊技モードEに移行することができないように形成されているため、ベット可能な最大数未満の遊技媒体がベットされた状態で遊技を行う(2ベットで遊技を行う)方が、ベット可能な最大数の遊技媒体がベットされた状態で遊技を行う(3ベットで遊技を行う)よりも有利となっている。
この遊技モードAでは、間違って3ベットしてしまい2ベットに変更する可能性がある。また、遊技モードAは、後述する遊技モードFから移行される遊技モードでもあり、後述する遊技モードFではMAXベットボタンを操作してMAXベット(3ベット)して遊技が行われるために、遊技モードFに引き続いて行われた遊技モードAでの遊技においてMAXベットボタンを操作してしまう可能性が高い。この点を考慮すると第2返却モードでベットされたメダルの返却を行う方が便利であるため、第2返却モードでメダルの返却を行うようにしている。
遊技モードBは、遊技者が通常モードと認識して遊技時間の大半を費やす遊技モードであり、BB2役が当選したが、非入賞である状態(BB2内部中状態)である。遊技モードBでは、2ベットで遊技を行っても3ベットで遊技を行っても図22の抽選テーブルRを用いて当選役抽選を行い、BB2役が当選した状態であるため、新たなボーナス役の抽選を行わない。この遊技モードBは、3ベットでの遊技だけAT抽選が行われ、2ベットでの遊技には前述したペナルティを科すとともに3ベットでの遊技を推奨する報知がなされることで、通常は3ベットで遊技を実行させる。ただし、3ベットでの遊技では、ボーナス役BB2役に対応する図柄組み合わせが揃わないように制御されるため、BB2役は入賞しない。そして、3ベットで遊技を実行してAT抽選で当選した場合に、2ベットで遊技を実行させる(前述のペナルティを解除し、2ベットを推奨する報知を行う)。2ベットの遊技では、BB2役に対応する図柄組み合わせが揃い得るように制御されるため、ボーナス役BB2役を入賞させることによって遊技モードCへと移行させる。
この遊技モードBでは、通常は3ベットで遊技が行われ、この3ベットの遊技でAT抽選に当選することによって2ベットで遊技が行われる(遊技モードCへ移行させるための遊技のみ2ベットで遊技を行う)ことになるため、ベット数を間違えて3ベットから2ベットに変更する可能性が高い。よって、第4実施形態では、遊技モードBにおいてベットされたメダルを返却する際には、第2返却モードでメダルの返却を行うようにしている。
なお、AT抽選は、遊技モードA及び遊技モードBでのみ行われるように形成されている。
遊技モードCは、BB2役が入賞することによって移行するボーナスモードである。この遊技モードCは、2ベットでのみ遊技が実行され(MAXベットボタン19を操作すると2ベットされる)、図22の抽選テーブルSを用いて当選役抽選が行われるとともに、第2実施形態のCBB状態と同様の遊技モード(ボーナス役及びリプレイ役を抽選せず、かつ、当選役抽選によらずに全ての小役を当選状態とする)であり、遊技モードCの開始からの累積払い出し枚数が所定枚数を超えると、AT抽選で当選していない場合には遊技モードAへ移行し、AT抽選で当選している場合には遊技モードDへ移行する。
この遊技モードCでは、2ベットでのみ遊技が行われるため(MAXベットしても2ベットされるため)、ベット数を間違って変更するといったことがない。よって、第4実施形態では、遊技モードCにおいてベットされたメダルを返却する際には、第1返却モードでメダルの返却を行うようにしている。
遊技モードDは、遊技モードCが終了した後に遊技モードEに移行させるためのモードである。遊技モードDは、遊技モードA同様にBB1役もBB2役も非当選の状態であるが、遊技モードAとは異なってATが当選している状態である。そして、3ベットで遊技を行うことによって、遊技モードAと同様に図22の抽選テーブルQ2を用いて当選役抽選が行われ、BB1役が当選すると遊技モードEへ移行する。また、2ベットで遊技を行うと、遊技モードAと同様に図22の抽選テーブルQ1を用いて当選役抽選が行われ、BB2役が当選すると遊技モードBへ移行する。
この遊技モードDでは、既にAT抽選に当選しているため、遊技モードBに移行させる必要がなく、遊技モードEに移行させるためにBB1役を当選させる必要があることから、通常は3ベットで遊技が行われ、3ベットを2ベットに変更して遊技を行う可能性が低い。しかし、第4実施形態では、AT抽選はサブ制御基板31に設けられたAT抽選部45が行っており、メイン制御基板30がATに当選しているか否かを判断することができない(メイン制御基板30が遊技モードAと遊技モードDの判別ができない)ことから、遊技モードDにおいてベットされたメダルを返却する際には、遊技モードAと同様、第2返却モードでメダルの返却を行うようにしている。
なお、AT抽選部45をサブ制御基板31ではなくメイン制御基板30が有するように形成すれば、メイン制御基板30がATに当選しているか否かを判断することができる。この場合には、遊技モードDでは、2ベットと3ベットとのいずれかを選択して遊技が行われるものの、既にAT抽選に当選しているために遊技モードBに移行させる必要がないために通常は3ベットで遊技が行われ、3ベットを2ベットに変更して遊技を行う可能性が低いことから、遊技モードDにおいてベットされたメダルを返却する際には、第1返却モードでメダルの返却を行うようにしてもよい。
遊技モードEは、所定の終了条件を満たすまでAT機能が発動するモードであり、BB1役が当選したが、非入賞である状態(BB1内部中状態)である。この遊技モードEは、2ベットで遊技を行うと図22の抽選テーブルT1を用いて当選役抽選が行われ、3ベットで遊技を行うと図22の抽選テーブルT2を用いて当選役抽選が行われる。2ベットで遊技を行っても3ベットで遊技を行っても、BB1役が当選している状態であるためボーナス役については新たに抽選を行わないが、第1左押し〜第2右押しの重複当選領域のいずれかが当選するように抽選が行われる。この遊技モードEは、第1左押し〜第2右押しの重複当選領域のいずれかが当選した場合には3ベットでの遊技でBB1役及び小役のいずれかが入賞し得るが、3ベットで、かつ、AT機能が発動していれば押し順を正解させてベル役(図20に示すように配当は9枚)を入賞させることにより手持ちのメダルを増加させることができつつ、遊技者にとって有利な状態で遊技を継続できる。一方、2ベットでの遊技では、図20に示すようにベル役の配当がいずれも2枚であることから、手持ちのメダルが増加させることが期待できない。そして、所定の終了条件を満たしてAT機能の発動が終了し、3ベットした遊技で図12に示す第1左押し〜第2右押しのいずれかの重複当選領域で当選した場合には、押し順が不正解となると、内部当選しているBB1役が入賞して遊技モードFへ移行する(有利な状態が終了する)。
なお、AT機能の発動が終了していなくても、3ベットした遊技で第1左押し〜第2右押しのいずれかの重複当選領域で当選した場合であって、押し順が不正解となった場合には、内部当選しているBB1役が入賞して遊技モードFへ移行する。
この遊技モードEでは、2ベットと3ベットとのいずれかを選択して遊技が行われるが、2ベットをして遊技を行っても、AT機能も発動せず、手持ちのメダルを増加させることもできないことから、3ベットで遊技を行うのが通常であり、3ベットを2ベットに変更して遊技を行う可能性が低い。よって、第4実施形態では、遊技モードEにおいてベットされたメダルを返却する際には、第1返却モードでメダルの返却を行うようにしている。
遊技モードFは、BB1役が入賞することによって移行するボーナスモードである。この遊技モードFは、2ベットでのみ遊技が実行され(MAXベットボタン19を操作すると2ベットされる)、図22の抽選テーブルSを用いて当選役抽選が行われるとともに、第2実施形態のCBB状態と同様の遊技モード(ボーナス役及びリプレイ役を抽選せず、かつ、当選役抽選によらずに全ての小役を当選状態とする)であり、遊技モードFの開始からの累積払い出し枚数が所定枚数を超えると、遊技モードAへ移行する。
この遊技モードFでは、2ベットでのみ遊技が行われるため(MAXベットしても2ベットされるため)、ベット数を間違って変更するといったことがない。よって、第4実施形態では、遊技モードFにおいてベットされたメダルを返却する際には、第1返却モードでメダルの返却を行うようにしている。
遊技モードGは、BB1役が当選したが、非入賞である状態(BB1内部中状態)であり、かつAT機能が当選も発動もしていない状態である。この遊技モードGは、2ベットで遊技を行うと図22の抽選テーブルT1を用いて当選役抽選が行われ、3ベットで遊技を行うと図22の抽選テーブルT2を用いて当選役抽選が行われる。2ベットで遊技を行っても3ベットで遊技を行っても、BB1役が当選している状態であるためボーナス役については新たに抽選を行わないが、第1左押し〜第2右押しの重複当選領域のいずれかが当選するように抽選が行われる。この遊技モードGは、3ベットでの遊技でBB1役及び小役のいずれかが入賞し得るが、3ベットをしてもAT機能が発動しないため、手持ちのメダルを増加させることが期待できない。一方、2ベットでの遊技においても、図20に示すように小役の配当がいずれも2枚であることから、手持ちのメダルが増加させることが期待できない。そして、3ベットした遊技で第1左押し〜第2右押しのいずれかの重複当選領域で当選した場合には、押し順が不正解となると、内部当選しているBB1役が入賞して遊技モードFへ移行する。
この遊技モードGでは、2ベットと3ベットとのいずれかを選択して遊技が行われるが、2ベットをして遊技を行っても、AT機能の抽選も発動もせず、手持ちのメダルを増加させることもできず、BB1役を入賞させることができないためにAT抽選を行う遊技モードAあるいは遊技モードBへ移行することもができないことから、3ベットで遊技を行うのが通常であり、3ベットを2ベットに変更して遊技を行う可能性が低い。また、第4実施形態では、前述のようにAT抽選はサブ制御基板31に設けられたAT抽選部45が行っており、メイン制御基板30がATに当選しているか否かを判断することができない(メイン制御基板30が遊技モードEと遊技モードGの判別ができない)。
よって、第4実施形態では、遊技モードGにおいてベットされたメダルを返却する際には、第1返却モードでメダルの返却を行うようにしている。
ただし、AT抽選部45をサブ制御基板31ではなくメイン制御基板30が有するように形成すれば、メイン制御基板30がATに当選しているか否かを判断することができる。
なお、第4実施形態では、遊技モードAを第2返却モードでメダルを返却するようにしたが、第1返却モードとしても良い。なぜならば、遊技モードAは遊技者にとって有利ではなく、さらに、遊技モードAの後に移行する遊技モードBも後述のように遊技者にとって有利ではないことから、遊技モードAでは、遊技を終了するためにベットされたメダルの返却を行う可能性が高いと考えることも可能である。そして、この考えによれば、第1返却モードでベットされたメダルの返却を行う方が遊技者にとって便利であるとも言える。よって、遊技モードAにおいてベットされたメダルを返却する際に、第1返却モードでメダルの返却を行うようにしても良い。なお、この場合に、同時に遊技モードDにおいても第1返却モードとするようにしてもよい。
また、遊技モードAを第2返却モードでメダルを返却するように設計しつつ、遊技モードBにおいて第1返却モードとしても良い。遊技モードBにおいては遊技者にとって有利な遊技モードではなく、2ベットで遊技を行ってBB2役を入賞させる遊技を行う割合が低いと考えられることも可能であることから、この考えに従い、遊技モードBにおいてベットされたメダルを返却する際に、第1返却モードでメダルの返却を行うようにしても良い。
いずれにしても、遊技全体において、第1返却モードでメダルの返却を行う場合と、第2返却モードでメダルの返却を行う場合があるように設計されていれば良い。
また、第4実施形態では、1つの遊技モード中は1つの返却モードに固定されている例で説明をしたが、1つの遊技モード中に返却モードを切り替えてもよい。例えば、遊技モードBでは、AT抽選で当選していない状態では、3ベットでしか遊技が行われずに、ベット数を変更する可能性が低いが、AT抽選で当選した状態では、2ベットへと変更されるので、誤って3ベットしてしまい、2ベットへと変更する可能性がある。よって、メイン制御基板30がAT抽選部45を有するようにして、メイン制御基板30によってATが当選したか否かの判定を行うとともに、ATが当選した場合はAT機能の発動状態を判定するように制御すれば、AT抽選部45においてAT抽選を行う場合に、遊技モードBにおいて、AT抽選で当選するまでは第1返却モードでベットされたメダルの返却を行い、AT抽選で当選した後は、返却制御部42が第2返却モードでベットされたメダルの返却を行うように切り替えてもよい。
また、第4実施形態では、遊技モードAで2ベットでBB2役を当選させ、遊技モードDで3ベットでBB1役を当選させる遊技性としたが、所定の遊技モードにおいて、いずれのベット数を用いて遊技を行い、その際にいずれのボーナス役を当選させるかについて、適宜設定を変更しても良い。例えば、遊技モードAでは3ベットでBB2役を当選させ、遊技モードDでは2ベットでBB1役を当選させる遊技性としても良い。また、遊技モードAで3ベットでBB1役を当選させるように管理し、遊技モードDでは2ベットでBB1役を当選させる遊技性としても良い。
また、第4実施形態では、遊技モードA及び遊技モードBでAT抽選を行うようにしたが、遊技モードFでAT抽選を行うようにしても良い。この場合、遊技モードFにおいてAT抽選で当選した場合には、遊技モードFが終了すると、遊技モードDに移行することができる。また、AT抽選を3ベットでのみ行う例で説明したが、AT抽選を行うベット数は適宜変更しても良い。例えば、AT抽選を2ベットでのみ行うようにしても良い。
なお、本発明は、上述の各実施形態を相互に組み合わせても良い。また、設ける遊技状態や、各遊技状態のいずれで第1返却モード、第2返却モードで返却を行うかについては、上述の実施形態に限定されず、自由に設定して良い。
なお、上述の実施形態では、クレジットに空きがある状態で、ベットされたメダルをクレジットに返却するようにしたが、クレジットに空きがない状態(クレジット可能な上限数を超えてしまう場合)は、クレジット可能な上限数を超えた枚数分の実物のメダルを受け皿24に返却しても良い。
なお、上述の実施形態では、メイン制御基板30とサブ制御基板31とを分けた例で説明したが、これらを分けずに1つの基板としても良い。
なお、上述の実施形態では、ベットされたメダルを遊技モードに応じた返却モードで返却するようにしたが、ベット数の選択が不可能な遊技モードで返却ボタン26が操作された場合は、第1返却モードで返却しても良い。例えば、ベット数の選択が不可能な遊技モードで返却ボタン26が操作された場合は、ベットされたメダルを第1返却モードで返却した上で、ベット数の選択が可能な遊技モードにおいては、第2返却モードで返却することができる。
なお、上述の実施形態では、ベットされたメダルを遊技モードに応じた返却モードで返却するようにしたが、所定の操作手段が所定の操作態様で操作された場合、遊技モードに関わらず、ベットされたメダルをすべて受け皿24に返却しても良い。この場合、例えば、返却ボタン26、MAXベットボタン19、1ベットボタン20の少なくとも2つ以上を同時に操作された場合にベットされたメダルを第1返却モードで返却しても良い。また、所定の操作手段を長押し(例えば2秒以上長押し)した場合や、連続で操作(例えば2回連続で操作)した場合に、ベットされたメダルを第1返却モードで返却しても良い。
なお、上述の実施形態では、ベットされたメダルを遊技モードに応じた返却モードで返却するようにしたが、遊技モードに関わらず、返却ボタン26が操作された場合は、ベットされたメダルを第2返却モードで返却するように設計することも可能である。
また、所定の操作手段が所定の操作態様で操作された場合に、遊技モードに関わらず、第2返却モードで返却しても良い。
なお、上述の実施形態では、ベット数記憶部41には、第1記憶領域43に第1ベット数(ベットボタンの操作によりベットされたメダルの数)、第2記憶領域44に第2ベット数(メダル投入口18に投入されてベットされたメダルの数)を記憶したが、ベット数記憶部41に、ベットされたメダルの総数(第3ベット数)を記憶する第3記憶領域を設けても良い。また、3種類のベット数(第1〜第3ベット数)のうち、2種類のベット数を記憶する記憶領域を設ければ、これら2種類の記憶領域に記憶された値から、残り1種類のベット数を算出しても良い。この場合は、2種類の記憶領域のそれぞれに記憶されたベット数に基づいて、残り1種類のベット数を算出するベット数算出手段を設ける。
なお、上記実施形態では、実物のメダルを投入するスロットマシンの場合で説明したが、記録されている情報を書き換え可能なプリペイドカードを投入するスロットマシンの場合でも良い。この場合、プリペイドカードからベットされたメダルを第2返却モードで返却する際に、プリペイドカードに返却するようにする。