JP2015008721A - 植栽基盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも軽量化を図ることができ、かつ、維持管理を含めて手間をかけずに植物を植栽することが可能な植栽基盤を提案する。【解決手段】構築物Bの上面に敷設された耐根層2と、耐根層2の上面に敷設された第一植栽層3と、第一植栽層3の上面に敷設された第二植栽層4とを備える植栽基盤1であって、第一植栽層3は、無機物と有機物とが混合されてなる第一培土6と第一培土6に隣接して敷設された排水路8とからなり、第二植栽層4は、第一培土6とは異なる配合により無機物と有機物とが混合されてなる第二培土7からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、構築物の上に植栽を行うための植栽基盤に関する。
都市部のヒートアイランド現象の対策技術の一つとして、建物屋上のコンクリート面を植物により被覆する屋上緑化が着目されている。屋上緑化は、建物に吸収される太陽光を低減する効果に加え、植物の蒸散によるクーリング効果も期待できる。
また、条例によって新設建物の屋上の一定面積以上を緑化するよう義務付けられるなど、屋上緑化は自治体が主体となって推進されつつある。
そのため、屋上緑化に使用する緑化システムとして、軽量で維持管理を含めて手間をかけずに緑化できるシステムが開発されてきた。
例えば、特許文献1には、人工軽量土など植栽土壌の下に親水性ロックウールを貯水層として敷設し、従来の緑化システムに比べて散水量を1/2に低減できる屋上緑化用の植栽基盤が開示されている。
なお、親水性ロックウールは、鉱物に由来する繊維を親水性バインダーによって積層したものであり、体積の90%程度まで含水することができる。
特開2009−39079号公報
特許文献1に記載の緑化システムでは、貯水層(ロックウール)に多量に貯水された水分によって人工軽量土が過湿になり根腐れが生じるのを防ぐために、人工軽量土の厚みを貯水層の厚みに対して2.5倍以上に規定している。そのため、緑化植物を含む植栽基盤全体の重量の軽量化に限界があった。
本発明は、前記問題点を解決するものであって、軽量化を図ることができ、かつ、維持管理を含めて手間をかけずに植物を植栽することが可能な植栽基盤を提案することを課題とする。
このような課題を解決する本発明の植栽基盤は、構築物の上面に敷設された耐根層と、前記耐根層の上面に敷設された第一植栽層と、前記第一植栽層の上面に敷設された第二植栽層とを備える植栽基盤であって、前記第一植栽層は、無機物と有機物とが混合されてなる第一培土と前記第一培土に隣接して敷設された排水路とからなり、前記第二植栽層は、前記第一培土とは異なる配合により無機物と有機物とが混合されてなる第二培土からなることを特徴としている。
かかる植栽基盤によれば、異なる配合の培土により、植栽層が第一植栽層と第二植栽層との上下2層に分離されているため、水を重力方向で移動させて、植物の根腐れが生じることを防ぐことが可能となる。
また、第一植栽層の排水路により培土中の余剰水を排水するため、第一植栽層および第二植栽層内の水分を、植栽に適した状態にすることができる。
第一培土および第二培土は、保水機能を有する無機物と保水機能を有する有機物とを組み合わせることにより構成されているため、植栽および軽量化に適している。
前記第一培土の有効水分量および飽和透水係数が、それぞれ前記第二培土の有効水分量および飽和透水係数よりも大きく、前記排水路の有効水分量および飽和透水係数が、それぞれ前記第一培土の有効水分量および飽和透水係数よりも大きければ、植物の生育に適した水分を保持しながら余分な水分を排出させることが可能となる。
ここで、有効水分量とは、対象となる土壌が植物の生育に適した保水力を備えているかを評価するための指標であって、土壌水の毛管ポテンシャルが植物の生育に適した値のときの土壌の含水量と植物の成長が阻害される値のときの含水量の差分として計測される。
前記無機物が粒状綿であり前記有機物がピートモスであれば、親水性に優れた粒状綿と、保水性に優れたピートモスとの組み合わせにより、植物の根付けがよく、かつ、植物への水分の供給性にも優れた薄厚の植栽基盤を形成することができる。
前記排水路が、鉱物由来の繊維が3次元方向に絡まることにより構成された板状のロックウールからなれば、ロックウール内に毛管が多方向に形成されているため、第一植栽層の第一培土に含まれる水分の均一化を図ることができる。つまり、ロックウール内を水が自由に流れるため、第一植栽層内の余剰水の排水を均等に行うことができる。
前記排水路が格子状に敷設されていれば、植栽基盤の設置面積にかかわらず、余剰水の排水を効率的に行うことができる。
なお、前記第一培土の前記粒状綿と前記ピートモスとの体積比が4:1〜2:1の範囲内であって、前記第二培土の前記粒状綿と前記ピートモスとの体積比が1:4〜1:2の範囲内であれば、重力による第二植栽層から第一植栽層への水の流下に効果的である。
本発明の植栽基盤によれば、従来よりも軽量化を図ることができ、かつ、維持管理を含めて手間をかけずに植物を植栽することが可能となる。
本実施形態に係る植栽基盤を示す断面図である。 (a)および(b)は、植栽基盤の施工手順を示す斜視図である。 (a)および(b)は、図2の(b)に続く植栽基盤の施工手順を示す斜視図である。 植栽基盤の確認試験結果を示すグラフであって、(a)は試験開始1カ月の調査結果、(b)は試験開始3カ月後の調査結果である。 他の形態に係る植栽基盤の一部を示す平面図である。
本実施形態の植栽基盤1は、構築物Bの上に植栽を行うために構成されており、図1に示すように、耐根層2と、第一植栽層3と、第二植栽層4と、枠部材5とを備えている。
本実施形態では、構築物Bの屋上のコンクリート面を被覆するように植栽基盤1を形成する場合について説明するが、植栽基盤1の形成箇所は限定されない。
耐根層2は、構築物Bの上面に敷設されている。
本実施形態の耐根層2は、ポリエチレン製の遮水シートにより構成されている。なお、耐根層2を構成する材料は、植物の根の貫通を防ぐとともに水の浸透を防ぐことが可能であれば限定されない。
本実施形態の耐根層2は、第一植栽層3の下面および側面を覆うように敷設されている。つまり、耐根層2は、枠部材5内の空間の底面を覆うとともに、端部が枠部材5に沿って立設されている。なお、耐根層2の端部は、第一植栽層3の上端と同等または第一植栽層3の上端を越える高さであれば限定されない。
耐根層2には、底面(構築物B側の面)と側面(枠部材5側の面)との角部に排水孔(図示せず)が所定の間隔により形成されている。なお、排水孔の配設ピッチおよび数は限定されないが、後記する枠部材5の排水口の形成箇所に応じて形成する。
第一植栽層3は、耐根層2の上面に敷設されている。
本実施形態では、2.0〜2.5cmの厚さで、第一植栽層3を敷設する。なお、第一植栽層3の厚さは限定されない。
第一植栽層3は、粒状綿とピートモスとが混合されてなる第一培土6と、第一培土6に隣接して敷設された排水路8とからなる。
本実施形態の第一培土6は、粒状綿とピートモスとの体積比が概ね3:1となるように配合されている。なお、第一培土6の粒状綿とピートモスとの体積比は、3:1に限定されるものではないが、粒状綿の体積をピートモスの体積より大きくすることが好ましく、より好適には、粒状綿とピートモスの体積比を4:1〜2:1の範囲内で適宜設定することが好ましい。
また、第一培土6は、有効水分量が、第二培土7の有効水分量よりも多く、排水路8の有効水分量よりも少なくなるように調整されている。
本実施形態では、粒状綿として、粒状に加工された親水性のロックウールを採用する。親水性のロックウールには、鉱物由来の繊維が3次元方向に絡まることによって、多方向に毛管が形成されたものを採用する。なお、粒状綿を構成する材料は、これに限定されない。
ピートモスは、保水性に優れる有機系の土壌改良材である。なお、本実施形態では、ミズゴケを主原料としたものを採用するが、ピートモスの種類は限定されるものではなく、アシ、ヨシ、スゲ、ヌマガヤ、ヤナギ等の堆積物を主原料としたものを使用してもよい。
なお、本実施形態では、第一培土6を、粒状綿とピートモスとの混合体により構成するが、第一培土6を構成する材料は、保水機能を有する無機物と保水機能を有する有機物との混合体であれば限定されない。例えば、保水機能を有する無機物として、パーライトやイソライト等を使用してもよい。また、保水機能を有する有機物として、ヤシ繊維やバーク堆肥等を使用してもよい。
第二植栽層4は、図1に示すように、第一植栽層3の上面に敷設されている。
本実施形態では、1.5〜2.0cmの厚さで、第二植栽層4を敷設する。なお、第二植栽層4の厚さは、第一植栽層3の厚さと同等以下であれば限定されない。
第二植栽層4は、第一培土6とは異なる配合により粒状綿とピートモスとが混合されてなる第二培土7からなる。なお、第二培土7を構成する粒状綿およびピートモスには、第一培土6に使用したものと同じものを使用する。
本実施形態の第二培土7は、粒状綿とピートモスとの体積比が概ね1:3となるように配合されている。なお、第二培土7の粒状綿とピートモスとの体積比は、1:3に限定されるものではないが、粒状綿の体積をピートモスの体積より小さくすることが好ましく、より好適には、粒状綿とピートモスの体積比を1:4〜1:2の範囲内で適宜設定することが好ましい。これは、鉱物繊維で構成された粒状綿に比べて、有機質繊維であるピートモスのほうが植物の根が馴染みやすいためである。
第一培土6と第二培土7は、粒状綿とピートモスとの体積比の違いにより、第二培土7の有効水分量および飽和透水係数がそれぞれ第一培土6の有効水分量および飽和透水係数よりも小さくなるように構成されている。
つまり、第一植栽層2と第二植栽層3は、上層の第二培土7中の余剰水が、下層の第一培土6へ移動しやすくなるように構成されている。
排水路8は、培土(第一培土6、第二培土7)に混合されている粒状綿の組成と同様に、親水性のバインダーによって鉱物由来の繊維が3次元方向に絡まることにより成型された板状のロックウールからなる。この排水路8を構成するロックウールは、有効水分量および飽和透水係数が、それぞれ第一培土6の有効水分量および飽和透水係数よりも大きい。
つまり、第一植栽層3は、第一培土6中の余剰水が、排水路8へ移動しやすくなるように構成されている。
本実施形態の排水路8は、枠部材5と第一培土6との間に敷設されていて、第一培土6の両端を挟むように敷設されている。
なお、図1では、排水路8が2列敷設されている場合について説明するが、排水路8の列数は植栽基盤1の形状や規模に応じて適宜設定すればよい。例えば、枠部材5内の空間に、3列以上の排水路8を形成してもよいし、格子状の排水路8を形成してもよい(図2の(a)参照)。
また、排水路8を構成する材料は限定されるものではないが、培土(第一培土6、第二培土7)に混合されている無機物と組成が同じ材料を採用する。例えば、培土の無機物としてパーライトを使用する場合には、袋状の容器等の内部にパーライトを詰めたものを使用すればよい。
なお、排水路8として敷設する板状ロックウールの大きさや間隔については、培土全体(第一培土6および第二培土7)の有効水分量の総量に対して板状ロックウールの有効水分量が等しいかやや少なくなるように設定する。
ここで、排水路8は、植栽基盤1から浸み出してきた余剰水を貯留し、重力によって適宜、耐根層2の排水孔から排出する機能を有する必要があるため、親水性のバインダーによって鉱物繊維が3次元方向に絡み合うように成型されたロックウールで、有効水分量(pF1.8〜3.0)は700リットル/m以上、飽和透水係数が10−3〜10−4m/sのものを適用する。
表1に、本実施形態の第一培土6、第二培土7および排水路8の有効水分量および飽和透水係数を示す。
Figure 2015008721
ここで、有効水分量とは、対象となる土壌が植物の生育に適した保水力を備えているかを評価するための指標として使われているものである。土壌水の毛管ポテンシャル(pF)が植物の生育に適した値(pF1.8)のときの土壌の含水量と植物の成長が阻害される値(pF3.0)のときの含水量の差分として計測される。
また、飽和透水係数は、土の中を水が流れる(流下する)速度を示している。
表1に示すように、植栽基盤1は、有効水分量および飽和透水係数が、第二培土7、第一培土6、排水路8の順に大きくなるように構成されているため、余剰水が上層から下層、下層から排水路8へと移動しやすくなっている。
例えば、縦1m、横1mで厚さ4cmの植栽基盤1において、厚さ2cm、幅20cmの板状ロックウールを四辺に敷くと、第二培土7の有効水分量は1m×1m×0.02m×314L=6.3Lとなり、第一培土6は0.6m×0.6m×0.02m×452L=3.3Lとなり、培土全体の有効水分量は9.6Lとなる。一方、板状ロックウールの有効水分量は(1m×0.2m×0.02m×709L)×2+(0.6m×0.2m×0.02m×709L)×2=9.1Lで、植栽土壌全体の有効水分量にほぼ等しく平衡状態にあるため、植栽基盤1が乾きすぎることも過湿になることもない。
枠部材5は、第一植栽層3および第二植栽層4の周囲を囲っている。
本実施形態の枠部材5は、構築物Bの上面にコンクリート製ブロックを枠状に敷設することにより構成されている。なお、枠部材5を構成する材料は限定されなく、例えば現場打ちコンクリートにより形成してもよい。また、枠部材の高さは、第一植栽層3および第二植栽層4の厚さ等に応じて適宜設定すればよい。
枠部材5には、耐根層2に形成された排水孔と連通する排水口(図示せず)が形成されている。排水口は、枠部材5の下端に形成された溝であってもよいし、枠部材5を貫通する孔であってもよい。また、排水口は、枠部材5を構成するコンクリート製ブロックの目地に形成されていてもよい。
本実施形態の植栽基盤1の第二植栽層3の上面には、芝生などの被覆植物9が植えられている。なお、植栽基盤1に植えられる植物は限定されるものではなく、例えば、根鉢の高さが4cm程度に加工された地被植物のプラグ苗を植え付けてもよい。
次に、植栽基盤1の形成方法について説明する。
まず、構築物Bの屋上に枠部材5を形成する(図2の(a)参照)。
次に、枠部材5により囲まれた空間内に、遮水シートを敷設して耐根層2を形成する。このとき、遮水シート(耐根層2)は、枠部材5により囲まれた空間の底面を覆うとともに、端部が枠部材5の表面(側面)に沿って立設するように敷設する(図1参照)。遮水シート(耐根層2)の立設高さは、第一植栽層3の高さと同等の高さとする。
次に、図2の(a)に示すように、枠部材5により囲われた空間に排水路8を敷設する。
板状ロックウールの大きさは植栽基盤1全体の厚みに応じて調整する。例えば、芝生など地被植物を植え付ける植栽基盤1として用いる場合には、植栽基盤1全体の厚みを4cm、第一植栽層3を2cm、第二植栽層4を2cmと設定するが、その際の板状ロックウールの厚さは第一植栽層3に合わせて2cmとする。また、板状ロックウールの幅については、植栽基盤1全体の有効水分量と板状ロックウールの有効水分量がほぼ同等となるように、植栽基盤1の厚みが4cmのときには20cmとする。この厚さ2cm、幅20cmの板状ロックウールを、耐根層2の立設部に沿って植栽基盤1の外周に敷設する。
続いて、図2の(b)に示すように、排水路8により囲まれた開口部に第一培土6を敷き詰めて、第一植栽層3を形成する。なお、開口部の大きさは、縦60cm、横60cmである。
次に、図3の(a)に示すように、第一植栽層3の上面に、第二培土7を敷設して、第二植栽層4を形成する。
そして、第二植栽層4の上面に、マット状に成型された被覆植物9を植栽する。
以上、本実施形態の植栽基盤1によれば、保水量と透水係数が異なる2種類の培土(第一培土6、第二培土7)を上下2層に敷設することで、植物の育成に適した水分を保持しつつ、余剰水を適宜排水することができる。
また、植栽基盤1によれば、植栽層が第一植栽層3と第二植栽層4との上下2層に分離されているため、水を重力方向で移動させて、植物の根腐れが生じることを防ぐことが可能となる。
植栽基盤1では、第一培土6の有効水分量および飽和透水係数が、それぞれ第二培土7の有効水分量および飽和透水係数よりも大きいため、第二植栽層4の余剰水は、第一植栽層3へと移動する。つまり、植栽基盤1によれば、植物の根が密生している地表面付近が過湿になることがないため、植栽基盤1の厚さが小さい場合であっても、培土内が過湿になることがない。ゆえに、植栽基盤1の薄層化および軽量化が可能となる。
また、排水路8の有効水分量および飽和透水係数が、それぞれ第一培土6の有効水分量および飽和透水係数よりも大きいため、第一培土6内の余剰水は排水路8へと移動するため、第一培土6内が過湿になることもない。
さらに、耐根層2には、所定の間隔で排水孔が形成されているため、排水路8に集まってきた余剰水が適宜排水されるように構成されているため、第一植栽層3内が過湿になることが防止されている。
排水路8は、鉱物由来の繊維が3次元方向に絡まることにより構成された板状のロックウールにより構成されているため、第一植栽層3の第一培土6に含まれる水分の均一化を図ることができる。つまり、当該ロックウールは、毛管が途切れることなく多方向に形成されているため、ロックウール内を水が自由に流れるため、第一植栽層3内の余剰水の排水を均等に行うことができる。
第一培土6および第二培土7が、親水性に優れた粒状綿と保水性に優れたピートモスとの組み合わせにより構成されているため、植物の根付けがよく、かつ、植物への水分の供給性にも優れた薄厚の植栽基盤1を形成することができる。つまり、有機物と無機物とを組み合わせることにより構成された第一培土6および第二培土7は、植栽および軽量化に適している。
粒状綿とピートモスの混合物や板状ロックウールといった性状、組成が類似しているものによって第一培土6、第二培土7および排水路8が構成されているため、毛管が途切れることはなく、植栽基盤1中の余剰水は上層から下層、排水路8を通って、効率的に植栽基盤1外に排出される。
以下、本実施形態に係る植栽基盤1による植物の生育を確認するために行った確認試験について説明する。
本確認試験は、東京都内にある12階建てビルの屋上に、遮水シート(耐根層2)と仕切り板(枠部材5)によって区分けした1mの区画が9区画ある試験体(3×3m)を設けた。
そして、体積比を変えて調整した3種類の粒状綿とピートモスの混合物(培土)を植栽基盤として、それぞれを3区画に敷き均し、日本芝を植え付けた。表2に、3種類の培土の配合を示す。なお、植栽基盤中の余剰水を排水するために、各区間の下端部に幅10cm、厚さ2.5cmの棒状のロックウールを敷設した。
Figure 2015008721
試験区1〜試験区3は、それぞれ3区画を有しているが、各試験区の3区画のうちの2区画(処理区b,c)には、ドリップ式給水管を敷設した。そして、処理区cには週に1回、処理区bには隔日の頻度で、タイマー式電磁弁によってそれぞれ約3ヵ月間給水した。また、各試験区が有する3区画のうちの残りの区画(処理区a)には給水管は敷設せず、無散水のまま維持する処理区とした。
なお、粒状綿とピートモスの体積比や構成が日本芝の生育に及ぼす影響を評価するために、試験体を設置してから1ヶ月ほど週1回の頻度で散水して芝を十分に活着させた後、散水頻度を変える試験を開始した。また、試験期間中は、刈り込みや除草といった管理作業を行わないで、各区画の草高、被覆度、雑草混入率を定期的に調査した。
図4に試験開始後1カ月と3カ月の調査時の基盤構成と散水頻度を変えた各区画の被覆度スコアを調査した結果を示す。図4の(a)に示すように、試験開始1カ月後の調査時では、雨水のみで管理した処理区aの中ではピートモスを75%配合した基盤(試験区3)における被覆度スコアが高く、隔日散水した処理区cでは粒状綿を75%配合した基盤(試験区1)における被覆度が高かった。
図4の(b)に示すように、試験開始3カ月後の調査時では、基盤の構成が2層構造(試験区2)で週1回の頻度で散水した処理区bにおける被覆度が最も高かった。また、試験区2では、被覆度スコアに散水頻度による差異は認められなかった。
以上のことから、ピートモスを75%配合した植栽基盤は保水性に優れていることが明らかとなった。また、粒状綿を75%配合した基盤においては植物を維持するために散水頻度を増やす必要があることが明らかとなった。
粒状綿とピートモスの体積比が異なる混合物を上下2層に敷き均した植栽基盤(試験区2)における植物の生育状況は、散水頻度による影響を受けにくく、2層構造の植栽基盤は植物の生育に適した保水性および排水性を備えていると考えられた。
なお、試験体を撤去する際に各区画の基盤を掘り返し、日本芝の根張り状況を確認したところ、試験区2では、基盤の底面一面に根が張っており、根量が最も多かった。それに対して、ピートモスを75%配合した試験区1では、排水性が劣るためか日本芝の根量が最も少なかった。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、構築物の屋上に植栽基盤1を形成する場合について説明したが、植栽基盤1の設置個所は限定されない。
また、前記実施形態では、排水路8を平面視枠状に形成する場合について説明したが、排水路8の形状は限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、排水路8を格子状に形成してもよい。
図5では、縦3m、横3mの植栽基盤1を形成する場合について例示している。このとき、排水路8は、厚さ2cm、幅20cmの板状ロックウールで外縁を囲まれた内側に、厚さ2cm、幅40cmの板状ロックウールを1m間隔で格子状に敷設することによって、植栽基盤1全体の排水路8を構成する。
このように、排水路8が格子状に形成されていれば、第一培土6内の余剰水の排水を効率的に行うことができる。
1 植栽基盤
2 耐根層
3 第一植栽層
4 第二植栽層
5 枠部材
6 第一培土
7 第二培土
8 排水路
9 被覆植物

Claims (6)

  1. 構築物の上面に敷設された耐根層と、
    前記耐根層の上面に敷設された第一植栽層と、
    前記第一植栽層の上面に敷設された第二植栽層と、を備える植栽基盤であって、
    前記第一植栽層は、無機物と有機物とが混合されてなる第一培土と、前記第一培土に隣接して敷設された排水路と、からなり、
    前記第二植栽層は、前記第一培土とは異なる配合により無機物と有機物とが混合されてなる第二培土からなることを特徴とする、植栽基盤。
  2. 前記第一培土の有効水分量および飽和透水係数が、それぞれ前記第二培土の有効水分量および飽和透水係数よりも大きく、
    前記排水路の有効水分量および飽和透水係数が、それぞれ前記第一培土の有効水分量および飽和透水係数よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の植栽基盤。
  3. 前記無機物が粒状綿であり、前記有機物がピートモスであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の植栽基盤。
  4. 前記排水路が、鉱物由来の繊維が3次元方向に絡まることにより構成された板状のロックウールからなることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の植栽基盤。
  5. 前記排水路が、格子状に敷設されていることを特徴とする、請求項4に記載の植栽基盤。
  6. 前記第一培土の前記粒状綿と前記ピートモスとの体積比が4:1〜2:1の範囲内であって、
    前記第二培土の前記粒状綿と前記ピートモスとの体積比が1:4〜1:2の範囲内であることを特徴とする、請求項3に記載の植栽基盤。
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