JP2015007186A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低発熱性能と耐摩耗性能を改善する。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対して、ラジカル発生剤0.01〜3質量部、一般式(1)又は(2)で表される硫黄化合物0.1〜10質量部、補強性充填剤10〜120質量部をからなるゴム組成物。式中、R1は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R2は水素原子、特定置換基を示し、AはNH、O又はS、xは1〜4の整数。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びその製造方法、並びに該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
従来、例えば空気入りタイヤに用いられるゴム組成物においては、転がり抵抗を低減するために、発熱しにくくすること、すなわち、低発熱性能を改良することが求められており、様々な検討がなされている。
例えば、特許文献1には、ゴム組成物中でのカーボンブラックの分散性を向上させ、カーボンブラックとゴム分子間の化学結合を強固にするゴム−カーボンブラック用カップリング剤として、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィドなどのスルフィド化合物を配合することが開示されている。しかしながら、スルフィド基と芳香族縮合複素環との間にアルキレン基が介在したスルフィド化合物では、ゴム分子への反応性が低く、必ずしも十分な効果が得られないことが判明した。
特許文献2には、シリカ配合ジエン系ゴム組成物において、加工性、低発熱性能及び耐摩耗性能を向上するために、多官能基含有ジスルフィド化合物をジエン系ゴムに予備混合し、得られた予備混合物にシリカを混合することが開示されている。同文献には、ジスルフィド化合物として芳香環含有ジスルフィド化合物も開示されているが、複素環を含有するものは開示されておらず、また芳香環とスルフィド基が直接結合されているため、ゴムとの結合が強固ではないと考えられる。
特許文献3には、ゴム組成物の低発熱性能を向上するために、ジエン系ゴムに、硫黄とともに、4,4’−ジピリジルジスルフィドなどの特定の官能基を持つジスルフィド化合物を予備混合し、得られた予備混合物にカーボンブラックを混合することが開示されている。しかしながら、複素環とスルフィド基とが直接結合されているため、ゴムとの結合が強固ではないと考えられる。
特許文献4には、ジエン系ゴムに、メルカプト基含有シランカップリング剤とともに、2−メルカプトベンズイミダゾールなどのイミダゾール化合物を混合しマスターバッチ化した後、該マスターバッチにシリカを混練することが開示されている。しかしながら、該イミダゾール化合物は、本発明で用いる硫黄化合物とは構造が異なる上に、ジエン系ゴムに生じるラジカルをキャップしたり、シランカップリング剤から生じるラジカルを捕捉したりするラジカルスカベンジャーとして配合されているにすぎない。
特開2013−23610号公報 特開2010−18691号公報 特開2010−18715号公報 特開2012−153865号公報
ところで、ゴム組成物においては、耐摩耗性能を向上することが求められることがある。耐摩耗性能を向上するために、カーボンブラック等の補強性充填剤の配合量を増やすと、一般に低発熱性能が損なわれるので、低発熱性能を損なうことなく耐摩耗性能を向上することが求められる。
本発明は、以上の点に鑑み、低発熱性能と耐摩耗性能を改善することができるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対して、ラジカル発生剤0.01〜3質量部と、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1種の硫黄化合物0.1〜10質量部を予備混合し、得られた予備混合物に、カーボンブラック及びシリカからなる群より選択された少なくとも1種の補強性充填剤10〜120質量部を添加し混合してなるものである。
Figure 2015007186
式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、AはNH、NR、O又はSを示し、Rは炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示す。xは1〜4の整数を示す。
本発明に係るゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴムに、ラジカル発生剤と、上記一般式(1)で表される化合物及び上記一般式(2)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1種の硫黄化合物を予備混合する工程と、得られた予備混合物に、カーボンブラック及びシリカからなる群より選択された少なくとも1種の補強性充填剤を添加し混合する工程と、を含むものである。
本発明の好ましい態様に係る空気入りタイヤは、その少なくとも一部に該ゴム組成物を用いたものである。
本発明によれば、特定の構造を持つ硫黄化合物をラジカル発生剤とともにジエン系ゴムと予備混合し、得られた予備混合物に補強性充填剤を混合することにより、低発熱性能、耐摩耗性能及び耐老化性能をバランス良く改善することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴムに、ラジカル発生剤とともに、特定の硫黄化合物を予備混合し、得られた予備混合物に補強性充填剤を添加し混合してなるものである。
該ゴム組成物において、ゴム成分としての上記ジエン系ゴムについては、特に限定されない。使用可能なジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。より好ましくは、NR、SBR、BR、又はこれらの2種以上のブレンドゴムである。
ジエン系ゴムとしては、また、上記で列挙したものの分子末端又は分子鎖中において、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アルコキシ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基及びカルボキシル基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基が導入されることで、当該官能基により変性された変性ジエン系ゴムを用いてもよい。これらの官能基は、シリカやカーボンブラックなどの粒子表面の官能基(例えば、シリカ表面のシラノール基、カーボンブラック表面のカルボキシル基やフェノール性水酸基、キノン基など)と相互作用(反応性、親和性)があるものであり、補強性充填剤の分散性を向上させることができる。ここで、アミノ基としては、1級アミノ基だけでなく、2級もしくは3級アミノ基でもよい。なお、2級又は3級アミノ基の場合、置換基である炭化水素基の炭素数は合計で15以下であることが好ましい。アルコキシ基としては、−OR(但し、Rは例えば炭素数1〜4のアルキル基)として表させるメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。アルキルシリル基としては、−SiR(但し、Rは例えば炭素数1〜4のアルキル基)として表されるトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基などが挙げられる。アルコキシシリル基としては、上記アルキルシリル基の3つのアルキル基のうち少なくとも1つが上記アルコキシ基で置換されたものが挙げられ、例えば、トリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基などが挙げられる。変性ジエン系ゴムとしては、変性SBR及び/又は変性BRが好ましい。
本実施形態のゴム組成物において、ジエン系ゴムは、変性ジエン系ゴム単独でもよく、変性ジエン系ゴムと未変性のジエン系ゴムとのブレンドでもよい。変性ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム100質量部のうち、1〜100質量部で使用することができ、好ましくは10〜80質量部であり、より好ましくは20〜50質量部である。
本実施形態で用いる硫黄化合物は、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物からなる群から選択された少なくとも1種である。式(1)で表される化合物は、芳香族縮合複素環がアルキレン基を介してメルカプト基と結合したチオール化合物であり、式(2)で表される化合物は、スルフィド基の両末端に、芳香族縮合複素環がアルキレン基を介して結合した構造(ビス体構造)を有するスルフィド化合物である。
Figure 2015007186
これら式(1)及び(2)において、Rは、炭素数1〜6のアルキレン基(即ち、アルカンジイル基)を示し、直鎖状でも分岐状でもよい。Rの具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、又はヘキサメチレン基等が挙げられる。好ましくは、Rは−(CH−で表される直鎖のアルキレン基であり、ここでn=1〜6の整数(好ましくはn=1〜3の整数)である。
式(1)及び(2)中のRは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、又はn−ヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のものである。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のものである。環状のアルキル基又はアルケニル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、また、2−メチルシクロプロピル基のように環炭素原子に結合したアルキル基などの置換基を有するものでもよく、更には、シクロプロピルメチル基のように側鎖から水素原子を除去してできる基であってもよい。
式(1)及び(2)中のAは、NH、NR、O又はSを示し、NH又はNRの場合、複素環はベンズイミダゾリル基であり、Oの場合、複素環はベンズオキサゾリル基であり、Sの場合、複素環はベンズチアゾリル基である。これらの中でも、シリカ表面のシラノール基に対する物理結合の点から、NHが特に好ましい。Rは、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、その具体例及び好ましい炭素数は上記Rと同じである。
式(2)中のxは1〜4の整数であり、より好ましくは2〜4の整数である。
式(1)で表されるチオール化合物の具体例としては、2−(ベンズイミダゾリルー2)エタン−1−チオール、2−(5−メチルーベンズイミダゾリル−2)エタン−1−チオール、2−(ベンズイミダゾリル−2)プロパン−1−チオール、2−(5−メチルーベンズイミダゾリル−2)プロパン−1−チオール、3−(ベンズイミダゾリル−2)プロパン−1−チオール、4−(ベンズイミダゾリル−2)ブタン−1−チオール、5−(ベンズイミダゾリル−2)ペンタン−1−チオール、6−(ベンズイミダゾリル−2)ヘキサン−1−チオール、2−(ベンズオキサゾリル−2)エタン−1−チオール、2−(ベンズオキサゾリル−2)プロパン−1−チオール、3−(ベンズオキサゾリル−2)プロパン−1−チオール、4−(ベンズオキサゾリル−2)ブタン−1−チオール、5−(ベンズオキサゾリル−2)ペンタン−1−チオール、6−(ベンズオキサゾリル−2)ヘキサン−1−チオール、2−(ベンズチアゾリル−2)エタン−1−チオール、2−(ベンズチアゾリル−2)プロパン−1−チオール、3−(ベンズチアゾリル−2)プロパン−1−チオール、4−(ベンズチアゾリル−2)ブタン−1−チオール、5−(ベンズチアゾリル−2)ペンタン−1−チオール、6−(ベンズチアゾリル−2)ヘキサン−1−チオールなどが挙げられ、これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
式(2)で表されるスルフィド化合物の具体例としては、ビス(ベンズイミダゾリル−2)メチルスルフィド、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルスルフィド、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルトリスルフィド、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド、3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルジスルフィド、5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルジスルフィド、6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、2,2’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルジスルフィド、2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルテトラスルフィドなどが挙げられ、これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
式(1)で表されるチオール化合物は、例えば、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物、又は2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、メルカプトカルボン酸系化合物を、4Nの塩酸中で反応させることによって合成することができる。式(2)で表されるスルフィド化合物は、例えば、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物、又は2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、チオジカルボン酸系化合物を、4Nの塩酸中で反応させることによって合成することができる。
1,2−ジアミノベンゼン系化合物としては、例えば、1,2−ジアミノベンゼン、2,3−トリレンジアミン、1,2−ジアミノ−3−エチルベンゼン、1,2−ジアミノ−3−n−プロピルベンゼン、1,2−ジアミノ−3−イソプロピルベンゼン、1,2−ジアミノ−3−n−ブチルベンゼン等が挙げられる。2−アミノチオフェノール系化合物としては、例えば、2−アミノチオフェノール、2−アミノ−3−メチルチオフェノール、2−アミノ−3−エチルチオフェノール、2−アミノ−3−n−プロピルチオフェノール、2−アミノ−4−メチルチオフェノール、2−アミノ−4−エチルチオフェノール、2−アミノ−4−n−プロピルチオフェノール、2−アミノ−5−メチルチオフェノール、2−アミノ−5−エチルチオフェノール、2−アミノ−5−n−プロピルチオフェノール、2−アミノ−6−メチルチオフェノール、2−アミノ−6−エチルチオフェノール、2−アミノ−6−n−プロピルチオフェノール等が挙げられる。2−アミノフェノール系化合物としては、例えば、2−アミノフェノール、2−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−3−エチルフェノール、2−アミノ−3−n−プロピルフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノール、2−アミノ−4−エチルフェノール、2−アミノ−4−n−プロピルフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−5−エチルフェノール、2−アミノ−5−n−プロピルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−6−エチルフェノール、2−アミノ−6−n−プロピルフェノール等が挙げられる。メルカプトカルボン酸系化合物としては、例えば、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトブタン酸、メルカプトペンタン酸、メルカプトヘキサン酸等が挙げられる。チオジカルボン酸系化合物としては、例えば、チオジグリコール酸、ジチオジグリコール酸、テトラチオジグリコール酸、チオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸、トリチオジプロピオン酸、テトラチオジプロピオン酸、ジチオジブチル酸、テトラチオジブチル酸、ジチオジペンチル酸、テトラチオジペンチル酸、ジチオジヘキシル酸、テトラチオジヘキシル酸等が挙げられる。
式(1)又は(2)で表される硫黄化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。このような配合量とすることで、低発熱性能、耐摩耗性能、及び耐老化性能の改善効果を高めることができる。該硫黄化合物の配合量は、より好ましくは0.5〜5質量部であり、さらに好ましくは1〜4質量部である。
本実施形態で用いるラジカル発生剤としては、ジエン系ゴムとの予備混合中に酸素ラジカル、炭素ラジカル、又は硫黄ラジカルを発生することができるものを用いることができ、しゃく解剤及び硫黄から選択される少なくとも1種であることが好ましい。特には、一般に硫黄よりも低温で効果を発揮することができることから、しゃく解剤を用いることがより好ましい。
しゃく解剤(素練り促進剤)としては、例えば、o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィド、o−ベンズアミドチオフェノールの亜鉛塩、キシリルメルカプタン、β−ナフチルメルカプタン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
硫黄としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
ラジカル発生剤の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.01〜3質量部であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2質量部であり、更に好ましくは0.1〜1.0質量部である。また、ラジカル発生剤の配合量は、式(1)又は(2)で表される硫黄化合物100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量部である。
本実施形態で用いる補強性充填剤は、カーボンブラック及び/又はシリカであり、すなわち、カーボンブラック単独でも、シリカ単独でも、カーボンブラックとシリカの併用でもよい。補強性充填剤は、より好ましくは、カーボンブラック、又はカーボンブラック及びシリカからなることである。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。例えば、タイヤトレッドゴムに用いる場合、窒素吸着比表面積(NSA)(JIS K6217−2)が70〜150m/gであるものが好ましく用いられ、具体的には、SAF級(N100番台)、ISAF級(N200番台)、HAF級(N300番台)(ともにASTMグレード)のものが好ましく用いられる。
シリカとしても、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。シリカのBET比表面積(JIS K6430に記載のBET法に準じて測定)は、特に限定されないが、90〜250m/gであることが好ましく、より好ましくは150〜220m/gである。
補強性充填剤の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して10〜120質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜120質量部であり、更に好ましくは30〜100質量部であり、更に好ましくは40〜100質量部である。カーボンブラックの配合量は、3〜120質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜120質量部であり、更に好ましくは20〜100質量部であり、一実施形態として30〜80質量部でもよい。シリカの配合量は、100質量部以下であることが好ましく、例えば10〜80質量部でもよく、また20〜50質量部でもよい。一実施形態において、カーボンブラックの配合量はシリカの配合量以上でもよい。
補強性充填剤としてシリカを配合する場合、シリカの分散性を向上するために、シランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカの配合量の2〜20質量%であることが好ましく(すなわち、シリカ100質量部に対してシランカップリング剤2〜20質量部)、より好ましくは5〜15質量%である。シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィドシランカップリング剤; 3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプトシランカップリング剤; 3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどの保護化メルカプトシランカップリング剤などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の各成分の他に、亜鉛華、ステアリン酸、オイル、老化防止剤、軟化剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。上記加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄成分が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量はジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴムに、ラジカル発生剤と、上記特定の硫黄化合物を予備混合する工程(予備混合工程)と、これにより得られた予備混合物に補強性充填剤を添加し混合する工程(通常混合工程)とを含むものである。これらの混合は、ゴム組成物の混合に一般に用いられる、例えば、バンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混練り機を用いて行うことができる。
予備混合工程(第1工程)では、ジエン系ゴム100質量部に対して、ラジカル発生剤0.01〜3質量部と上記特定の硫黄化合物0.1〜10質量部を添加し、混練り機を用いて予備混合することで、予備混合物であるマスターバッチを作製する。かかる予備混合中に、ラジカル発生剤から発生したラジカルの作用で、上記硫黄化合物をジエン系ゴムのゴム分子に反応させることができる。
予備混合工程では、シランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤とともに予備混合することにより、低発熱性能、耐摩耗性能及び耐疲労性能の改善効果を更に高めることができる。シランカップリング剤の配合量は、基本的には通常混合工程で添加される補強性充填剤の配合量に応じて、その配合量の2〜20質量%にて配合されるので、予備混合工程におけるジエン系ゴムに対する比率は必ずしも重要ではないが、該ジエン系ゴム100質量部に対して、例えば0.5〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。
予備混合工程は、ジエン系ゴムと、ラジカル発生剤と、上記特定の硫黄化合物と、任意にシランカップリング剤を混合するものであり、基本的にはこれ以外の成分(例えば加硫促進剤などの上記各種添加剤)は混合しない。また、補強性充填剤も、予備混合工程では配合しないことが好ましく、従って、予備混合物は実質的に補強性充填剤を含有しない。ここで、実質的に含有しないとは、補強性充填剤の量が予備混合物全量中の20質量%以下であることを意味する。より好ましくは、補強性充填剤の量は予備混合物全量中の10質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。
予備混合工程は、ジエン系ゴムと上記特定の硫黄化合物とを反応させるために行うものであり、予備混合物の温度が90〜160℃に達するまで混練り機で混合することが好ましい。密閉式混練機でのゴムの混練は、通常30〜80℃から混練が開始され、混練とともに温度が上昇し、所定の温度(排出温度)となったときに排出する。予備混合工程では、かかる排出温度が90〜160℃の範囲内であることが好ましい。ラジカル発生剤としてしゃく解剤を用いた場合、より低温域でラジカルを発生して上記反応を行うことができるため、混練温度の上限を下げることにより、ジエン系ゴムの熱劣化を抑えて、耐摩耗性能や耐老化性能を向上することができる。排出温度は、より好ましくは90℃以上140℃未満であり、更に好ましくは100〜130℃である。なお、混練時間については、基本的には排出温度で制御されるため、特に限定されないが、30〜300秒間であることが好ましい。
通常混合工程では、上記で得られた予備混合物に、カーボンブラック及び/又はシリカからなる補強性充填剤を添加し混合することにより、ゴム組成物を作製する。ジエン系ゴムに硫黄化合物を反応させた予備混合物に、補強性充填剤を添加し混合することにより、硫黄化合物と補強性充填剤が相互作用により結合して、低発熱性能、耐摩耗性能及び耐老化性能を向上することができる。なお、通常混合工程で添加する補強性充填剤の量は、上述した補強性充填剤の配合量の通りである。
通常混合工程では、補強性充填剤とともに、上記各種添加剤を配合することができる。なお、通常混合工程では、上記した効果を損なわない範囲内で、予備混合物として配合されるジエン系ゴムに加え、他のジエン系ゴムを追加的に配合してもよい。
通常混合工程は、更に2つの混合工程に分けることができる。すなわち、上記予備混合物に少なくとも補強性充填剤を混合する第2工程と、その後、得られた混合物に加硫剤としての硫黄と加硫促進剤を配合し混合する第3工程(最終混合工程)とに分けて実施してもよい。この場合、通常は、第2工程において補強性充填剤とともに、シランカップリング剤、亜鉛華、オイル、老化防止剤、ステアリン酸などの他の添加剤が配合され、これらが上記予備混合物とともに混練される。そして、得られた混合物に対し、第3工程において硫黄と加硫促進剤が添加し混練されて、最終のゴム組成物が調製される。第2工程における混練温度(即ち、混練機からの排出温度)は、特に限定されず、通常のノンプロ練りに準拠して設定することができ、例えば、120〜170℃であることが好ましく、より好ましくは130〜160℃である。第3工程における混練温度(即ち、混練機からの排出温度)は、特に限定されず、通常のプロ練りに準拠して設定することができ、例えば、70〜110℃であることが好ましく、より好ましくは80〜100℃である。
本実施形態に係るゴム組成物は、空気入りタイヤや、防振ゴム、コンベアベルトなどのゴム部分を形成する各種ゴム組成物に用いることができる。好ましくは、タイヤに用いることであり、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、各種空気入りタイヤのゴム部分を構成することができる。一実施形態として、空気入りタイヤのトレッドゴム及び/又はサイドウォールゴムに用いることが好ましく、転がり抵抗を低減して低燃費性能に優れ、また耐摩耗性能及び耐疲労性能に優れたタイヤを製造することができる。
本実施形態によれば次の作用効果が奏される。補強性充填剤がカーボンブラックを含む場合、上記硫黄化合物の芳香族縮合複素環がカーボンブラックと相互作用すること、また、その硫黄部分がゴムと反応することにより、カーボンブラックとゴムとの結合が強固となり、低発熱性能及び耐摩耗性能が向上する。ここで、複素環と硫黄が直接結合していると、一旦ゴム分子と結合したとしても、開裂も同時におきやすく、結合度合いが低下するが、上記特定の硫黄化合物では複素環と硫黄との間にアルキレン基が挿入されているため、ゴム分子との結合の開裂が抑制されるので、耐老化性能を向上することができる。一方で、上記アルキレン基が挿入されていると、ゴム分子への反応性が低いが、本実施形態であると、ラジカル発生剤を用いた予備混合を行うことにより、反応性を高めることができる。
また、補強性充填剤がシリカを含む場合でも、上記特定の硫黄化合物であると、芳香族縮合複素環中のアミノ基とシリカの表面シラノール基とが物理結合することにより、シリカとゴムとの結合を高めて、低発熱性能、耐摩耗性能及び耐老化性能を向上させることができる。さらに、該硫黄化合物の複素環は塩基性であるため、シランカップリング剤中のアルコキシ基の加水分解を促進させ、シリカとシランカップリング剤との反応性向上にも効果があると考えられる。そのため、該硫黄化合物は、補強性充填剤としてシリカを用いた場合にも、またカーボンブラックとシリカを併用した場合にも有効である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例で使用した原材料は以下の通りである。
[原材料]
・NR:RSS3号
・SBR:ランクセス社製「VSL5025−0HM」
・変性SBR:アルコキシル基及びアミノ基末端変性溶液重合SBR、JSR(株)製「HPR355」
・BR:JSR(株)製「BR01」
・変性BR:スズカップリングされ、アミノ基が導入されたブタジエンゴム、日本ゼオン(株)製「BR1250H」
・カーボンブラック:HAF、東海カーボン(株)製「シースト3」(NSA=79m/g)
・シリカ:エボニック・デグサ社製「Ultrasil VN3」
・シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック・デグサ社製「Si69」
・オイル:昭和シェル石油(株)製「エキストラクト4号S」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1号」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS20」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ワックス:日本精蝋(株)製「OZOACE0355」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
・加硫促進剤1:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
・加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
・化合物A:2-メルカプトベンズイミダゾール、大内新興化学工業(株)製「ノクラックMB」
・化合物B:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製「ノクセラーDM」
・化合物C:2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド(特開2013−23610号公報における段落0033の参考例1に従い合成)
・化合物D:2−(ベンズイミダゾリル−2)エタン−1−チオール(下記合成例1)
・しゃく解剤:o,o'-ジベンズアミドジフェニルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製「ノクタイザーSS」。
化合物C及びDの化学式は以下の通りである。
Figure 2015007186
[合成例1]
反応容器に4Nの塩酸1000mL、1,2-ジアミノベンゼン108g、3−メルカプトプロピオン酸106gを投入し、撹拌しながら、95℃で12時間反応をさせた。その後、室温にて25%アンモニア水を560mL入れて撹拌した後、析出物を分離し、洗浄、乾燥することにより、反応物150gを得た。得られた反応物につき、H−NMR及び13C−NMR解析を行い、2−(ベンズイミダゾリル−2)エタン−1−チオールであることを確認した。
[第1実施例]
下記表1に示した配合(特に示した以外は質量部)に従い、バンバリーミキサーを用いて、実施例及び比較例のタイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。詳細には、実施例1では、第1工程においてジエン系ゴムに化合物Cとしゃく解剤を添加混練し(75℃から混練を開始し160℃で排出)、次いで、得られた予備混練物に、第2工程で、硫黄及び加硫促進剤を除く成分を添加混練し(排出温度=160℃)、その後、得られた混合物に、第3工程で、硫黄と加硫促進剤を添加混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。実施例2〜5は、実施例1に対し、第1工程で添加する成分を表1の通り変更し、実施例6〜10は、実施例1〜5に対し、第1工程での排出温度を160℃から120℃に変更した。比較例1〜6は第1工程を省略した例である。比較例7〜11は第1工程で配合する成分を変更し、その他は実施例1と同様に調製した例である。
得られた各ゴム組成物について、150℃×30分で加硫して試験片を作製し、低発熱性能と耐摩耗性能と耐老化性能を評価した。各評価方法は、以下の通りである。
・低発熱性能:JIS K6394に準じて、温度70℃、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み2%の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、低発熱性能に優れることを示し、転がり抵抗の低減による低燃費性に優れることを意味する。
・耐摩耗性能:JIS K6264に準じて、ランボーン摩耗試験機を用いて、荷重3kg、スリップ率20%、温度23℃、落砂量20g/分で摩耗量を測定し、摩耗量の逆数について比較例1の値を100とした指数で表示した。値が大きいほど、耐摩耗性能に優れることを示す。
・耐老化性能:試験片を、90℃に温度調節したギヤーオーブン中にて168時間加熱して熱履歴を与えた後、JIS K6251に準拠した引張試験を行って破断強度を測定し、老化前の破断強度に対する老化後の破断強度の保持率を求め、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、保持率が高く、耐老化性能に優れることを意味する。
結果は、表1に示す通りであり、コントロールである比較例1に対し、上記式(1)又は式(2)で表される硫黄化合物をラジカル発生剤とともにジエン系ゴムに予備混合した実施例1〜10であると、低発熱性能、耐摩耗性能及び耐老化性能に顕著な改善効果が得られた。また、実施例1,2と実施例3,4との対比、及び実施例6,7と実施例8,9との対比から明らかなように、ラジカル発生剤としては、しゃく解剤の方が硫黄よりも効果が高かった。また、実施例6,7のように、ラジカル発生剤としてしゃく解剤を使用した場合、低温での処理が可能であるため、第1工程での排出温度を120℃と下げたことにより、ゴム分子の劣化を抑えて、耐摩耗性能と耐老化性能の効果が一層向上していた。また、実施例5,10のように、変性ジエン系ゴムを用いたことにより、低発熱性能、耐摩耗性能及び耐老化性能の点で更なる改善効果が得られた。
これに対し、比較例4,5では、式(1)又は式(2)で表される硫黄化合物を用いたものの、予備混合を行っていないので、実施例に対し、低発熱性能の向上効果がやや劣るだけでなく、耐摩耗性能と耐老化性能の向上効果にも劣っていた。比較例8,9では、芳香族縮合複素環と硫黄が直接結合した化合物A及びBを用いたので、低発熱性能の改善効果は得られたものの、当該化合物とゴム分子との結合が開裂しやすく、耐摩耗性能及び耐老化性能の改善効果が小さかった。比較例10,11では、予備混合時にラジカル発生剤を添加しなかったので、改善効果が不十分であった。
Figure 2015007186
[第2実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合(質量部)に従い、第1実施例と同様にしてタイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物について、150℃×30分で加硫して試験片を作製し、低発熱性能と耐摩耗性能と耐老化性能を評価した。各評価方法は、第1実施例と同じであるが、いずれも比較例12の値を100とした指数で示した。
結果は、表2に示す通りであり、カーボンブラックとシリカを併用した場合においても、上記式(1)又は式(2)で表される硫黄化合物をラジカル発生剤とともにジエン系ゴムに予備混合したことにより、実施例11〜14に示すように、低発熱性能、耐摩耗性能及び耐老化性能に顕著な改善効果が得られた。また、予備混合工程において、更にシランカップリング剤を添加することにより、実施例15,16に示すように、低発熱性能、耐摩耗性能及び耐老化性能に更なる改善効果が得られた。
Figure 2015007186

Claims (8)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対して、ラジカル発生剤0.01〜3質量部と、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1種の硫黄化合物0.1〜10質量部を予備混合し、得られた予備混合物に、カーボンブラック及びシリカからなる群より選択された少なくとも1種の補強性充填剤10〜120質量部を添加し混合してなるゴム組成物。
    Figure 2015007186
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、AはNH、NR、O又はSを示し、Rは炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示す。xは1〜4の整数を示す。)
  2. 前記ラジカル発生剤がしゃく解剤であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記ラジカル発生剤が硫黄であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  4. 前記硫黄化合物が前記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記ジエン系ゴムが、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アルコキシ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基及びカルボキシル基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基で変性された変性ジエン系ゴムを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
  7. ジエン系ゴムに、ラジカル発生剤と、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1種の硫黄化合物を予備混合する工程と、
    得られた予備混合物に、カーボンブラック及びシリカからなる群より選択された少なくとも1種の補強性充填剤を添加し混合する工程と、
    を含むゴム組成物の製造方法。
    Figure 2015007186
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、AはNH、NR、O又はSを示し、Rは炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を示す。xは1〜4の整数を示す。)
  8. 前記予備混合において、予備混合物の温度が90℃以上140℃未満の温度に達するまで混練り機で混合を行うことを特徴とする請求項7記載のゴム組成物の製造方法。
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