JP2015005668A - 差動信号伝送回路及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サブトラクティブ法により両面フレキシブルプリント基板に形成される差動信号伝送回路において、所望の差動インピーダンスの許容公差を確保しつつ広い範囲の製造公差を実現する。【解決手段】差動信号伝送回路は、ベースフィルム1と、このベースフィルム1の一方の面に並設された差動信号を伝送する2本の信号線4と、ベースフィルム1の一方の面に2本の信号線4の外側にそれぞれ形成されたGND線3と、ベースフィルム1の他方の面に形成されたGNDパターン5とを有し、信号線4、GND線3及びGNDパターン5をサブトラクティブ法により形成したマイクロストリップ構造を有する。信号線4及びGND線3は、信号線4とGND線3との間の距離Xに対する2本の信号線4間の距離Sの比率Uが、1.0〜2.8となるように形成されている。【選択図】図1
Description
この発明は、フレキシブルプリント基板の絶縁層上に形成される差動信号伝送回路及びその製造方法に関する。
近年の高速信号伝送技術においては、一対の信号線を使用してデータ信号を伝送する差動伝送技術が多用されている。差動信号伝送では、差動信号伝送回路を構成する2本の信号線で互いに逆位相の信号を伝送するようにしている。このため、シングルエンド伝送に比べて耐ノイズ性に優れ、小さな信号振幅で高速にデータ信号を伝送することができる。
差動信号伝送は、種々の規格によってその回路上の特性インピーダンスである差動インピーダンスZdiffが定められている。差動インピーダンスZdiffは、例えば2本の信号線間距離Sや回路幅W、信号線と接地(GND)線との間の距離X、基板の絶縁層を挟んで信号線と反対側の面に形成された回路と信号線との間の距離h等の種々の要素によって求まることが知られている。
差動信号伝送においては、例えば携帯情報端末の小型化や伝送するデータ量の増加等に伴いつつも更に耐ノイズ性を改善するために、一般的には2本の信号線を近付けて配置する(すなわち、信号線間距離Sを小さくする)ことが好ましいとされている。こうすることで、一方の信号線を流れる電流により発生する磁力線の多くが他方の信号線へ終端するような閉じた系とすることができ、外部からのノイズ耐性を高めることができるからである。
また、同様の理由により、信号線とGND線との間の距離Xは極力広い方が好ましいとされている。例えば、下記非特許文献1には、信号線間で十分な結合を得るには、信号線間距離Sに対し、信号線とGND線との間の距離Xが、X≧2Sであることが望ましいとされている。すなわち、信号線とGND線との間の距離Xに対する信号線間距離Sの比率(S/X)をUとすると、U=0.5となるように回路設計されることが好ましいとされている。
LVDSオーナーズ・マニュアル 第3版−2004年12月,ナショナルセミコンダクタージャパン株式会社発行,p3−8,3−9
しかしながら、上述した非特許文献1に開示されているような比率Uが0.5となるような差動信号回路を、例えばサブトラクティブ法により作製しようとすると、導体パターンのエッチング工程においてエッチングの進行度合いに差が生じてしまう。このため、サブトラクティブ法での製造性を考慮すると信号線とGND線との間の距離Xと信号線間距離Sは同じであった方が良く、所望の割合の差動インピーダンスZdiffの許容公差を確保した状態で比率Uが1.0となるように回路設計することが好ましい。そして、差動信号伝送回路の広い範囲での製造公差を実現するためには、信号線間距離Sが長い方が望ましいので、比率Uを含めた回路設計においては更なる改良の余地があるといえる。
この発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、サブトラクティブ法により両面フレキシブルプリント基板に形成される差動信号伝送回路において、所望の差動インピーダンスの許容公差を確保しつつ広い範囲の製造公差を実現することができる差動信号伝送回路及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る差動信号伝送回路は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に並設された差動信号を伝送する2本の信号線と、前記絶縁層の一方の面に前記2本の信号線の外側にそれぞれ形成されたGND線と、前記絶縁層の他方の面に形成された配線層とを有し、前記信号線、GND線及び配線層を、前記絶縁層にサブトラクティブ法により形成した両面フレキシブルプリント基板によるマイクロストリップ構造の差動信号伝送回路において、前記信号線及びGND線は、前記信号線と前記GND線との間の距離Xに対する前記2本の信号線間の距離Sの比率Uが、1.0〜2.8となるように形成されていることを特徴とする。
本発明に係る差動信号伝送回路によれば、信号線とGND線との間の距離Xに対する2本の信号線間の距離Sの比率Uが、1.0〜2.8となるように形成されているので、サブトラクティブ法での両面フレキシブルプリント基板における製造性を向上させつつ、所望の差動インピーダンスの許容公差を確保して広い範囲の製造公差を実現することができる。
本発明の一実施形態においては、前記信号線の導体厚tは、18μm〜27μmである。
本発明の他の実施形態においては、前記比率Uは、1.8±0.5である。
本発明に係る差動信号伝送回路の製造方法は、サブトラクティブ法により絶縁層の一方の面に、並設された差動信号を伝送する2本の信号線と、その外側のGND線を形成し、他方の面に配線層を形成する、両面フレキシブルプリント基板によるマイクロストリップ構造の差動信号伝送回路の製造方法において、前記絶縁層の一方の面に設けられた導体層の上に、前記信号線と前記GND線との間の距離Xに対する前記2本の信号線間の距離Sの比率Uが、1.0〜2.8となるようにレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクとしたエッチングにより前記導体層を選択的に除去し、前記レジストパターンを前記導体層から剥離して除去することを特徴とする。
本発明に係る差動信号伝送回路の製造方法によれば、上記差動信号伝送回路の作用効果と同様に、サブトラクティブ法での製造性を向上させつつ、所望の差動インピーダンスの許容公差を確保して広い範囲の製造公差を実現することが可能となる。
本発明によれば、サブトラクティブ法により両面フレキシブルプリント基板に形成されるマイクロストリップ構造の差動信号伝送回路において、所望の差動インピーダンスの許容公差を確保しつつ広い範囲の製造公差を実現することができる。
以下、添付の図面を参照して、この発明の実施の形態に係る差動信号伝送回路及びその製造方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る差動信号伝送回路が形成された両面フレキシブルプリント基板の断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る差動信号伝送回路は、例えば両面フレキシブルプリント基板(以下、「両面FPC」と呼ぶ。)100により形成され、可撓性及び絶縁性を有するベースフィルム1と、このベースフィルム1の一方の面側に形成された接地(GND)線3からなるGNDパターンと、これらGND線3の間に形成された差動信号を伝送する一対の平行な信号線4からなる信号伝送パターンと、ベースフィルム1の他方の面側に形成されたベタパターン状のGNDパターン5とから構成される。なお、GNDパターン5は、他の配線層であっても良い。
両面FPC100は、導体層としての銅箔がベースフィルム1の両面に予め設けられている銅張積層板や、銅箔がベースフィルム1に接着剤等を介して貼り合わされた構造の基板等からなる。両面FPC100のベースフィルム1は、例えば厚さが25μm〜50μm程度のPET、PEN、PI、PA又は液晶ポリマー(LCP)等の絶縁材料からなる。
GND線3、信号線4及びGNDパターン5は、例えば厚さ12μm〜30μm程度、好ましくは18μm〜27μmの銅箔等の導電性材料から形成されている。なお、GND線3は、信号線4の回路幅Wよりも十分に大きな回路幅で形成されている。また、図示は省略するが、GND線3及び信号線4上やGNDパターン5上には、これらを保護することを主目的としたカバーレイフィルムが接着層を介して貼着されていても良い。
差動信号伝送回路は、GND線3と信号線4との間の距離Xに対する一対の信号線4間の距離Sの比率Uが、1.0〜2.8となるように、好ましくは1.8±0.5となるように形成されている。ここで、この差動信号伝送回路の製造方法による製造処理について説明する。
差動信号伝送回路の製造処理においては、まず、例えば両面に銅からなる導体層が形成された両面銅張積層板を準備する。そして、この両面銅張積層板の一方の面側の導体層の上に、形成される信号線4とGND線3との間の距離Xに対する2本の信号線4間の距離Sの比率Uが、1.0〜2.8となるように設計されたレジストパターンを形成する。
次に、形成したレジストパターンをマスクとしてエッチングを施して、一方の面側の導体層を選択的に除去し、最後に、レジストパターンを導体層から剥離して除去することで、ベースフィルム1の一方の面側に上述したような信号線4及びGND線3が形成された両面FPC100からなる差動信号伝送回路を製造する。
上述したように、本実施形態に係る差動信号伝送回路においては、信号線4とGND線3との間の距離Xに対する2本の信号線4間の距離Sの比率Uが、1.0〜2.8となるように回路設計されることが重要である。このため、本発明者は、まず、LVDSオーナーズ・マニュアルに則った従来の設計指針に基づく差動信号伝送回路を作製した。
図2は、従来の設計指針で設計した差動信号伝送回路の一例における2本の信号線間の距離Sと差動インピーダンスとの関係を示すグラフである。図3は、従来の設計指針で設計した差動信号伝送回路における回路設計例を表す図である。図4は、回路設計例における製造公差と差動インピーダンスとの関係を示すグラフである。
図2のグラフにおいては、横軸が2本の信号線4間の距離Sを表し、縦軸が差動インピーダンスZdiffの値(Ω)を表しており、これらの関係が線31により表されている。一例として、従来の設計指針で設計した差動信号伝送回路は、設計差動インピーダンスZdiffを100Ωとし、ベースフィルム1に50μm厚のPIを用いた両面FPCに形成されたマイクロストリップ構造を有するもので、図2に示すように、2本の信号線4間の距離Sが50μm程度のときに差動インピーダンスZdiffが100Ωを多少超えた位になる。
そして、上記距離Sが58μm程度のときに差動インピーダンスZdiffが101Ωを多少超えたピークとなり、距離Sが58μm程度を超えた辺りから差動インピーダンスZdiffがピークを下回るようになり、距離Sが125μm程度のときに差動インピーダンスZdiffが87Ω程度となるような回路特性を有する。
このような差動信号伝送回路においては、差動インピーダンスZdiffが100Ω以上になっているものであれば、信号線4の回路幅Wを調整して差動インピーダンスZdiffを100Ωまで下げることができる。しかし、サブトラクティブ法による製造性を考慮したときには、回路幅Wや距離Sの最小値ができるだけ大きい方が製造しやすいといえる。従って、この差動信号伝送回路の好ましい回路設計例は、次のようになる。
すなわち、図3に示すように、回路設計例による設計値は、2本の信号線4のそれぞれの回路幅Wが70μm、2本の信号線4間の距離Sが70μmで、信号線4とGND線3との間の距離Xが140μmとなり、全体の回路パターンの線間部分を含むパターン幅の総計は490μmとなる。
そして、この設計値によれば、従来の設計指針にて推奨されている通り、信号線4とGND線3との間の距離Xに対する2本の信号線4間の距離Sの比率Uは0.5となる。なお、このような比率Uが0.5となるときの差動信号伝送回路の製造公差を考慮すると、次のようになる。
図4のグラフにおいては、横軸が製造公差(μm)を表し、縦軸が差動インピーダンスZdiffの値(Ω)を表しており、比率Uが0.5のときのこれらの値が線32により表されている。図4に示すように、例えば差動インピーダンスZdiffの設計差動インピーダンスZdiffに対する管理公差を10%以内に抑えようとした場合は、差動インピーダンスZdiffの値は100Ω±10Ωとなり90Ω〜110Ωの範囲内となる。この場合、回路パターンの製造管理幅は線32より導かれて−12μm〜10μm程度(すなわち、10%管理公差22μm程度)となることが分かる。
一方、上記従来の設計指針で設計した差動信号伝送回路と同様に、設計差動インピーダンスZdiffを100Ωとし、ベースフィルム1に50μm厚のPIを用いた両面FPCに形成されたマイクロストリップ構造を有し、全体の回路パターンの線間部分を含むパターン幅の総計を490μmとしたもので、エッチングによるパターン形成性を考慮した場合の回路設計例は、例えば次のようになる。
図5は、本発明の一実施形態に係る差動信号伝送回路における回路設計例を表す図である。図5に示すように、本回路設計例においては、信号線4とGND線3との間の距離Xに対する2本の信号線4間の距離Sの比率Uが1.0(すなわち、距離Xと距離Sとが均等)となっている。
そして、本回路設計例による設計値は、2本の信号線4のそれぞれの回路幅Wが86μm、2本の信号線4間の距離Sが106μmであり、信号線4とGND線3との間の距離Xが106μmとなる。なお、このような比率Uが1.0となるときの差動信号伝送回路の製造公差を考慮すると、次のようになる。
図6は、差動信号伝送回路における製造公差と差動インピーダンスとの関係を示すグラフである。図6のグラフにおいては、図4と同様に横軸が製造公差(μm)を表し、縦軸が差動インピーダンスZdiffの値(Ω)を表しており、比率Uが1.0のときのこれらの値が線33により表されている。
図6に示すように、上記のような差動インピーダンスZdiffの管理公差を10%以内に抑えようとした場合は、回路パターンの製造管理幅は線33より導かれて−15μm〜13μm程度(すなわち、10%管理公差28μm程度)となることが分かる。このように、設計差動インピーダンスZdiffを一定の管理公差の範囲内に設定した場合においては、上述した比率Uが0.5となる従来の設計指針に従った差動信号伝送回路よりも、本実施形態に係る回路設計のように比率Uが1.0となる設計指針に従った差動信号伝送回路の方が、回路パターンの製造管理幅の範囲が広くなることが分かる。そして、本発明者の検証により、比率Uは1.0のみならず、1.0〜2.8まで広く設定できることが判明した。
従って、本実施形態に係る差動信号伝送回路は、サブトラクティブ法での製造性を向上させることができる。また、所望の差動インピーダンスの許容公差を確保してつつ広い範囲の製造公差を実現することができる。なお、本発明者は、上記比率Uが1.0〜2.8の範囲において、よりも好ましくなる場合があるかを検証するために、上述した条件下の差動信号伝送回路において回路設計を変更した種々の実験を繰り返し、次のような結果を得た。
図7は、本発明の他の実施形態に係る差動信号伝送回路における回路設計例を表す図である。図8は、差動信号伝送回路における製造公差と差動インピーダンスとの関係を示すグラフである。図9は、差動信号伝送回路における比率Uと差動インピーダンスの10%管理公差との関係を示すグラフである。本発明者が実施した実験結果によると、次のような比率Uが導き出された。
すなわち、設計差動インピーダンスZdiffを100Ωとし、ベースフィルム1に50μm厚のPIを用いた両面FPCに形成されたマイクロストリップ構造を有し、全体の回路パターンの線間部分を含むパターン幅の総計を490μmとした上で、信号線4とGND線3との間の距離Xに対する2本の信号線4間の距離Sの比率Uが、1.8±0.5となるものが好ましいことが判明した。
具体的には、比率Uを1.8程度にした場合の回路設計例による設計値は、図7に示すように、2本の信号線4のそれぞれの回路幅Wが92.5μm、2本の信号線4間の距離Sが145μmであり、信号線4とGND線3との間の距離Xが80μmとなった。そして、このような比率Uが1.8となるときの差動信号伝送回路の製造公差を考慮すると、次のようになった。
図8のグラフにおいては、図4や図6と同様に横軸が製造公差(μm)を表し、縦軸が差動インピーダンスZdiffの値(Ω)を表しており、比率Uが1.8のときのこれらの値が線34により表されている。図8に示すように、差動インピーダンスZdiffの管理公差を10%以内に抑えようとした場合は、回路パターンの製造管理幅は線34より導かれて−16μm〜15μm程度(すなわち、10%管理公差31μm程度)となった。この場合においては、例えば上述した比率Uが1.0となる設計指針に従った差動信号伝送回路よりも、更に回路パターンの製造管理幅の範囲が広くなることが判明した。
なお、上述した実施形態に係る差動信号伝送回路において、比率Uが1.0〜2.8となることは、図9からも把握することができる。図9のグラフにおいては、横軸が比率Uを表し、縦軸が差動インピーダンスZdiffの10%管理公差の値(μm)を表しており、これらの関係が線35により表されている。
図9に示すように、比率Uが1.0〜2.8の範囲内では、10%管理公差が28μm以上となり、ピークの10%管理公差である31μmのときは比率Uが1.8となっていることが分かる。このように、比率Uが1.0〜2.8、好ましくは1.8±0.5の範囲においては、サブトラクティブ法を用いた回路形成を行った場合に、安定してインピーダンスコントロールされた差動信号伝送回路の製造を可能にし、安定的に高速信号伝送を行うことが可能となる。
以下、実施例により差動信号伝送回路について具体的に説明する。図10は、差動信号伝送回路の実施例における比率Uと10%管理公差との計算結果に基づく関係を示すグラフである。また、図11は、差動信号伝送回路の実施例において計算結果をオフセットした比率Uとパターン幅の製造管理公差との関係を示すグラフである。
本実施例においては、設計差動インピーダンスZdiffを100Ωとし、ベースフィルム1の材質及び厚さを変更した。また、信号線4やGND線3の厚さを変更し、ベースフィルム1とこれら信号線4やGND線3との間の接着剤の有無に基づく厚さを考慮して、サンプル1〜サンプル4までの4種類の差動信号伝送回路のサンプルを作製した。そして、各サンプル1〜4について、上記比率U及び差動インピーダンスZdiffの10%管理公差を計算した。
サンプル1のベースフィルム1の材質はPIで厚さは50μm、信号線4等の厚さは18μmとした。サンプル2のベースフィルム1の材質はPIで厚さは25μm、接着剤の厚さは10μm、信号線4等の厚さは12μmとした。サンプル3のベースフィルム1の材質はPIで厚さは50μm、接着剤の厚さは10μm、信号線4等の厚さは27μmとした。更に、サンプル4のベースフィルム1の材質は液晶ポリマーで厚さは50μm、信号線4等の厚さは18μmとした。
これら各サンプル1〜4の計算結果に基づく比率Uと10%管理公差との関係は、図10に示すようになった。例えば、サンプル1については、比率Uが0.5のときは10%管理公差が22μmとなり、比率Uが1.0のときは10%管理公差が29μmとなった。また、比率Uが1.5或いは2.0のときは10%管理公差が30.5μmとなり、比率Uが2.5のときは10%管理公差が29.5μmとなった。
サンプル2については、比率Uが0.5のときは10%管理公差が20.5μmとなり、比率Uが1.0のときは10%管理公差が26μmとなった。また、比率Uが1.5或いは2.0のときは10%管理公差が28μmとなり、比率Uが2.5のときは10%管理公差が27μmとなった。
サンプル3については、比率Uが0.5のときは10%管理公差が31.5μmとなり、比率Uが1.0のときは10%管理公差が41μmとなった。また、比率Uが1.5或いは2.0のときは10%管理公差が43.5μmとなり、比率Uが2.5のときは10%管理公差が42μmとなった。
サンプル4については、比率Uが0.5のときは10%管理公差が27μmとなり、比率Uが1.0のときは10%管理公差が34μmとなった。また、比率Uが1.5或いは2.0のときは10%管理公差が36μmとなり、比率Uが2.5のときは10%管理公差が35μmとなった。
そして、各サンプル1〜4の計算結果を、それぞれ例えば比率Uが1.0で全体の回路パターンの線間部分を含むパターン幅の製造管理公差が0となるようにオフセット変換すると、図11に示すようになる。図11においては、各サンプル1〜4の全てにおいて、比率Uが1.0〜2.8の範囲で製造管理公差を0よりプラス側の領域にすることが可能であり、これにより、設計差動インピーダンスZdiffに基づく差動インピーダンスZdiffの管理公差を十分満たすことが可能であることが判明した。
以上のような結果から、本発明に係る差動信号伝送回路によれば、マイクロストリップ構造における従来の差動インピーダンスZdiffの設計方式に比べて製造公差を広く得ることができ、よりインピーダンスマッチングされた信号伝送路を高確率で製造することができて、差動信号の伝送特性を向上させることが可能となった。
1 ベースフィルム
3 GND線
4 信号線
5 GNDパターン
100 両面フレキシブルプリント基板
3 GND線
4 信号線
5 GNDパターン
100 両面フレキシブルプリント基板
Claims (4)
- 絶縁層と、
この絶縁層の一方の面に並設された差動信号を伝送する2本の信号線と、
前記絶縁層の一方の面に前記2本の信号線の外側にそれぞれ形成されたGND線と、
前記絶縁層の他方の面に形成された配線層と
を有し、前記信号線、GND線及び配線層を、前記絶縁層にサブトラクティブ法により形成した両面フレキシブルプリント基板によるマイクロストリップ構造の差動信号伝送回路において、
前記信号線及びGND線は、前記信号線と前記GND線との間の距離Xに対する前記2本の信号線間の距離Sの比率Uが、1.0〜2.8となるように形成されている
ことを特徴とする差動信号伝送回路。 - 前記信号線の導体厚tは、18μm〜27μmである
ことを特徴とする請求項1記載の差動信号伝送回路。 - 前記比率Uは、1.8±0.5である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の差動信号伝送回路。 - サブトラクティブ法により絶縁層の一方の面に、並設された差動信号を伝送する2本の信号線と、その外側のGND線を形成し、他方の面に配線層を形成する、両面フレキシブルプリント基板によるマイクロストリップ構造の差動信号伝送回路の製造方法において、
前記絶縁層の一方の面に設けられた導体層の上に、前記信号線と前記GND線との間の距離Xに対する前記2本の信号線間の距離Sの比率Uが、1.0〜2.8となるようにレジストパターンを形成し、
前記レジストパターンをマスクとしたエッチングにより前記導体層を選択的に除去し、
前記レジストパターンを前記導体層から剥離して除去する
ことを特徴とする差動信号伝送回路の製造方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150113 |