JP2016186986A - プリント配線板及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波の信号伝送時における伝送特性が良好で、小型化・薄型化に好適であるとともに屈曲耐性が高いプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁性基材10の一方主面に、グランドランド11Gを含む第1導電層11を形成する工程と、グランドランド11Gの位置に応じてスルーホールTHが形成された保護層CLを、第1導電層11の一方主面側に積層する工程と、保護層CLの一方主面の所定領域及びスルーホールTH内壁面に第2導電層21を形成する工程と、を含むプリント配線板の製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリント配線板及びプリント配線板の製造方法に関する。
絶縁基材の一方主面にアース回路が形成されるとともに、他方主面にスルーホールランドが形成され、一方主面のアース回路の接点と、この接点に対応する開口部が形成された絶縁樹脂被覆層の表面とを被うように銀ペーストをスクリーン印刷することにより、シールド層として機能する導電被覆層が形成されたフレキシブルプリント配線板が知られている。(特許文献1)。
特開平11−177192号公報
しかしながら、銀ペーストを用いて形成されたシールド層は相対的に抵抗値が高いため、高周波の信号伝送時における伝送特性が不十分であるという問題がある。また、銀ペーストを用いて形成されたシールド層の厚さは比較的厚くなるので、小型化・薄型化の要請に反するという問題がある。さらに、銀ペースト中の銀粒子と樹脂との界面がクラックの起点となる傾向があるため、屈曲耐性が劣るという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、高周波の信号伝送時における伝送特性が良好で、小型化・薄型化に好適であるとともに屈曲耐性が高いプリント配線板を提供することである。
[1] 本発明は、絶縁性基材の一方主面に、グランドランドを含む第1導電層を形成する工程と、前記グランドランドの位置に応じた位置にスルーホールが形成された保護層を前記第1導電層の一方主面側に積層する工程と、前記スルーホールの内壁面と、当該内壁面に連なる前記保護層の一方主面の所定領域に第2導電層を形成する工程と、を備えるプリント配線板の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
[2] 上記発明において、前記第2導電層を形成する工程に、無電解めっき処理又は成膜処理を含ませることにより上記課題を解決する。
[3] 上記発明において、絶縁性基材と、前記絶縁性基材の一方主面に形成され、グランドランドを含む第1導電層と、前記グランドランドの位置に対応する位置に形成されたスルーホールを有し、前記第1導電層の一方主面側に形成された保護層と、前記保護層の一方主面に形成されたシールド層と、当該シールド層に連なるように前記スルーホールの内壁面に沿って形成され、前記シールド層と前記グランドランドとを接続する層間接続層とを含む第2導電層と、を備えるプリント配線板を提供することにより、上記課題を解決する。
[4] 上記発明において、前記シールド層と前記グランドランドとを、前記層間接続層のみによって接続することにより、上記課題を解決する。
[5] 上記発明において、前記第2導電層の厚さを10[μm]以下とすることにより、上記課題を解決する。
本発明によれば、高周波数帯における伝送特性を良好に維持しつつ、小型化・薄型化に好適であるとともに、屈曲耐性の高いプリント配線板を提供できる。
本発明の一実施形態におけるプリント配線板の断面図である。 図1に示すプリント配線板の製造方法を説明するための図である。 本実施形態の実施例に係るプリント配線板の平面図である。 図3Aに示すプリント配線板のA−A´断面図である。 実施例の伝送損失の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、装置内部の回路間、回路と装置間、又は装置間を接続する伝送線路に、本発明に係るプリント配線板1を適用した例を説明する。本実施形態のプリント配線板1は、高速信号の伝送に適しており、LVDS、MIPI,HDMI(登録商標),USBなどの各種規格に基づく伝送を行うことができる。
図1は、本実施形態におけるプリント配線板1の断面構造を説明するための断面図である。
図1に示すように、本実施形態のプリント配線板1は、絶縁性基材10の両主面に第1導電層11が形成された構造を有する。もちろん、本実施形態のプリント配線板1は、絶縁性基材10及び第1導電層11が3層以上の多層積層構造としてもよい。
本実施形態のプリント配線板1は、絶縁性基材10と、この絶縁性基材10の一方主面(図中上側の+z方向側)に形成された第1導電層11を備える。絶縁性基材10は、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などの可撓性を有し、厚さが10[μm]〜250[μm]の樹脂製シートである。第1導電層11は、銅、銀、金などの導電性材料で構成される。本実施形態の第1導電層11は、銅により形成される。
第1導電層11は、少なくともグランドランド11Gを含む。第1導電層11は、信号を伝送する信号線を含んでもよい。本実施形態の第1導電層11は、めっき層11aを含んでもよい。たとえば、第1導電層11の表面には、めっき層11aを形成してもよい。同様に、グランドランド11Gの表面に、めっき層11aを形成してもよい。また、図1に示すように、本実施形態のプリント配線板1は、絶縁性基材10の他方主面(図中下側の−z方向側)に形成された第1導電層11を備えてもよい。他方主面側の第1導電層11は、一方主面側の第1導電層11と同様の技術的構成であるので、同じ符号を付し、その説明を援用する。一方主面側の第1導電層11と他方主面側の第1導電層11とは、ビアホール12によって接続されてもよい。
図1に示すように、一方主面側:図中+z方向(及び/又は他方主面側:図中−z方向)の第1導電層11は、保護層CL1,CL2(以下、総称してCLと記載することもある)に被われる。保護層CLは、カバーレイや、感光性液状レジストなどのカバー材料である。材料としては、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステル(PE)などの絶縁性材料を用いることができる。
保護層CLは、第1導電層11の一方主面側(図中上側)に、その第1導電層11を被うように積層される。本実施形態の保護層CLは、接着層13とカバーフィルム14とを含む。保護層CLの態様は特に限定されない。保護層CLは、接着層13とカバーフィルム14とが予め積層された、カバーレイフィルムであってもよい。保護層CLの接着層13は印刷などにより形成してもよい。
なお、保護層CLには、第1導電層11のグランドランド11Gの位置に応じてスルーホールTHが形成されている。このスルーホールTHは事前に形成してもよいし、積層後に形成してもよい。
本実施形態の保護層CLの一方主面(図中上側)の所定領域には、第2導電層21が形成されている。第2導電層21は、保護層CLの一方主面上のシールド層21aと、スルーホールTHの内壁面に形成された層間接続層21bとを含む。シールド層21aが形成される保護層CLの一方主面は、スルーホールTHの内壁面に連なる。層間接続層21bは、保護層CLのスルーホールTHの内壁面に沿って形成され、この内壁面に連なるシールド層21aとグランドランド11Gとを電気的に接続する機能を有する。保護層CLの一方主面に形成されたシールド層21aとスルーホールTHの内壁面に形成された層間接続層21bとは、連なる。スルーホールTHの内壁面には、スルーホールTHの底面を構成するグランドランド11Gの表面を含む。本実施形態の層間接続層21bは、スルーホールTHの内壁側の側面と、内壁側の底面とに沿った導電層である。
本実施形態のプリント配線板1において、保護層CLのグランドランド11Gとシールド層21aとは、層間接続層21bのみにより接続される。つまり、グランドランド11Gとシールド層21aとの電気的な接続経路の間に、層間接続層21b以外の導電体は存在しない。具体的に、グランドランド11Gの表面には、金などのめっき層は形成されていない。
本実施形態のプリント配線板では、無電解めっき処理、真空成膜による蒸着処理、スパッタリング処理を用いて、第2導電層21を形成することにより、その厚さを薄くできる。一般的な片面板を積層させた3層構造のプリント配線板と比較しても、プリント配線板の総厚を薄くできるので、薄型装置(パーソナルコンピュータ、タブレット端末)の筐体内に組み込みやすい。ちなみに、一般的な片面板は、厚さ25[μm]のポリイミドシートと、厚さ1[μm]以下の接着材と、厚さ12.5[μm]の銅箔とを備え、合計の厚さは約38.5[μm]の厚さを有する。また、折り曲げによる応力負荷を小さくできるので、筐体内で接続部が破損することや、配線にクラックが入るなどの使用後の不良の発生を抑制できる。
また、一般的な片面板を積層させた3層構造のプリント配線板の場合には、グランドランドとの接続信頼性を確保するために、層間接続部のめっき層を厚く形成する必要がある。めっき層を厚くする場合には、シールド部分の銅の箔厚みも厚くしなければならない。このように、めっき層及びシールド部分が厚くなると、プリント配線板が厚くなる。プリント配線板の総厚が厚くなると、薄型の端末装置の筐体内に収容することができなくなる場合がある。これに対し、本実施形態の第2導電層21では、グランドランド11Gの層厚とシールド層21aの層厚とを薄く且つ均一にできるので、接続信頼性の確保と装置の薄型化というトレードオフを両立させることができる。
ところで、対応量のデジタル情報を高速伝送するために、高い信号伝送特性が求められる。装置自体が発生するノイズによる音声品質/画像像品質の劣化や、誤動作を防止する観点から、フレキシブルプリント配線板にはシールドが設けられる。
先述したように、シールド効果を得るために、銀ペーストにより形成されたシールド層を設けることが行われているが、銀ペーストは抵抗値が相対的に高く、高周波帯での伝送特性が期待値に達していない。これに対し、本実施形態のプリント配線板1の第2導電層21は、銀ペーストによるシールド層よりも接続抵抗値を小さくすることができる。このように、本実施形態のプリント配線板1の第2導電層21は、接続抵抗値を安定させ、高周波帯においても良好な伝送特性を得ることができる。また、銀ペーストは銀粒子と樹脂(たとえば、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂)を含む。硬化処理を経て樹脂は硬くなるので、銀ペーストを用いて作製したプリント配線板1を折り曲げると、銀粒子と樹脂の界面、又は樹脂内にクラック(割れ)が生じる。このように、銀ペーストを用いたプリント配線板はクラックが生じる可能性があるため、屈曲部分を含むプリント配線板には不向きである。これに対し、本実施形態のプリント配線板1の第2導電層21は、銀ペーストを用いていないので、上述した銀ペーストに起因してクラックが発生するリスクを低減できる。
また、シールド効果を得るために、シールドフィルムを配置することが行われている。シールドフィルムは、保護層とシールド層と異方性導電性接着材層とが一体化されたフィルム状の材料である(例えば特開2005-276873)。シールドフィルムは、プリント配線板に貼り合わせ、加熱・加圧処理を行うことにより、異方性導電性接着材層に含まれる導電性フィラーをグランドランドに接続させる。一般に、プリント配線板の製造工程においては、多くの場合、コンデンサやチップなどの部品を実装するために、240〜260℃ピークの加熱工程(リフロー工程)が行われる。シールドフィルムを使用する場合において、シールドフィルムをプリント配線板に貼り合せた後に、この加熱工程(リフロー工程)を行うと、プリント配線板とシールドフィルムとの接触部で水分やアウトガスが蒸発し、これによる膨れが発生する。製造工程におけるプリント配線板の膨れは、接続抵抗値を不安定にさせるという問題がある。これに対し、本実施形態では、シールドフィルムを用いることなく、グランドランド11Gとシールド層21aとの間の接続抵抗値を低く抑えることができるので、シールドフィルムを用いたときの上記不都合(リフロー工程における膨れ)を避けることができる。このように、本実施形態のプリント配線板1の第2導電層21は、接続抵抗値を安定させ、高周波帯においても良好な伝送特性を得ることができる。
また、シールドフィルムを用いる場合には、金型等を用いてその外形加工を行うため、最小曲率、最小開口径、隣接する刃間距離等の制約がある。これに対し、本実施形態のプリント配線板1は、サブトラクティブ法において、フォトリソグラフィー技術を用いてシールド層21aを形成するため、微細なデザインにも対応できる。その結果設計自由度が向上する。
特に限定されないが、本実施形態のプリント配線板1における第2導電層21の厚さは、13[μm]以下であることが好ましい。さらに好ましい第2導電層21の厚さは10[μm]以下である。さらに好ましい第2導電層21の厚さは5[μm]以下である。さらに好ましい第2導電層21の厚さは3[μm]以下である。同様に、本実施形態のプリント配線板1におけるシールド層21aの厚さは、13[μm]以下であることが好ましい。さらに好ましいシールド層21aの厚さは10[μm]以下である。さらに好ましいシールド層21aの厚さは5[μm]以下である。さらに好ましいシールド層21aの厚さは3[μm]以下である。シールド層21aの厚さを10[μm]以下とすることにより、他の構成のプリント配線板や、他の方法で作製したプリント配線板では達成できない薄さのプリント配線板1を得ることができる。特に、シールド層21aの厚さを3[μm]以下とすることにより、他の構成のプリント配線板や、他の方法で作製したプリント配線板と比較して、プリント配線板1の薄さにおいて顕著な効果を得ることができる。特に限定されないが、プリント配線板1の薄さの限界値(下限値)は、要求される性能、薄膜形成工程の性能、めっき工程の性能によって適宜に設定される。
上述した本実施形態のシールド層21aを含む第2導電層21の厚さ(10[μm]以下)は、銀ペーストにより形成された一般的なシールド層の厚さ15[μm]よりも薄く、プリント配線板1の薄化に貢献する。上述した本実施形態のシールド層21aを含む第2導電層21の厚さ(10[μm]以下)は、シールドフィルムにより形成された一般的なシールド層(シールド層+層間接着層)の厚さ15[μm]よりも薄く、プリント配線板1の薄化に貢献する。さらに、本実施形態のシールド層21aを含む第2導電層21の厚さ(10[μm]以下)は、絶縁性基材の主面に銅箔を貼って形成されたシールド層(銅箔+接着材)の厚さ約13.5[μm]よりも薄く、プリント配線板1の薄化に貢献する。
続いて、図2(A)〜(D)に基づいて、本実施形態のプリント配線板1の製造方法を説明する。
図2(A)に示す、第1導電層11が形成されたプリント配線板1´を作製する。第1導電層11は、グランドランド11Gを含む。
まず、第1導電層11が形成された絶縁性基材10を準備する。多層積層板を製造する場合には、所望の第1導電層11が形成された複数の絶縁性基材10を準備する。本実施形態において、第1導電層11が形成された絶縁性基材10は、例えば厚さ25[μm]のポリイミドからなる絶縁性シートの両主面に厚さ12.5[μm]の銅箔が形成された銅張基板(CCL:Copper Clad Laminated)を用いて作製される。特に限定されないが、本実施形態では、サブトラクティブ法などの一般的なフォトリソグラフィー技術を用いて、銅張基板の一方主面側(図中+z方向側)の銅箔の所定領域をエッチングし、所望の第1導電層11を形成する。銅張基板の他方主面側(図中−z方向側)の銅箔についても、銅箔の所定領域をエッチングして、所望の第1導電層11を形成する。
第1導電層11を被うように絶縁性基材10の一方主面側(図中+z方向側)に保護層CL1を積層し、反対側の他方主面側(図中−z方向側)に別の保護層CL2を積層する。この保護層CLにはグランドランド11Gが露出するように、グランドランド11Gの位置に応じてスルーホールTHが形成されている。スルーホールTHは、積層前に金型により切り抜いて形成しておいてもよい。スルーホールTHは、積層後にNCドリルを用いて穿孔してもよいし、レーザー処理により穿孔してもよい。
次に、図2(B)に示すように、保護層CLの表面の所定領域及びスルーホールTHの内壁面にシード層20を形成する。シード層20は後に行われるめっき処理における導電体として機能する。第2導電層21は、シード層20の形成処理とめっき処理とを含む工程により形成される。シード層20が形成される保護層CLの所定領域は、保護層CLの一部であってもよいし全部であってもよい。シード層20は、所定のパターン(配線形状)に形成されてもよい。なお、本実施形態の製造方法では、絶縁性の保護層CLの表面に直接シード層20を形成する。この工程におけるシード層20は導電性の薄膜である。特に限定されないが、本実施形態のシード層20は、無電解めっき処理又は成膜処理により形成される。
本実施形態の真空成膜処理は、粒子の物理的な運動を利用した物理的気相成長法(PVD)と、化学反応を利用した化学的気相成長法(CVD)とを含む。本実施形態の物理的気相成長法(PVD)は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法を含む。真空蒸着法は、膜を構成する膜材を真空中において加熱、溶解、蒸発させて、対象物に付着させる手法である。スパッタリング法は、真空の筐体と膜材からなる電極(ターゲット)との間に高い電圧(数百ボルト)を印加し、不活性ガス(例えばアルゴン等)の添加により放電を発生させる。その放電のエネルギーによってガス粒子にプラス電荷を帯びさせる。プラス電荷を帯びたガス粒子は負極に引きつけられる。このガス粒子が電極に衝突して、電極(膜材)の一部を飛び出させ、飛び出した膜材により対象物の表面に膜を形成する。イオンプレーティング法は、イオン化された雰囲気中において、膜材を対象物表面に蒸着させる方法である。本実施形態の成膜処理としては、本願出願時に知られた手法を用いることができる。この成膜処理により形成されるシード層20の厚さは、40[nm]〜100[nm]である。
本実施形態の無電解めっき処理は、めっき液に含まれる還元剤の酸化作用において放出される電子により、被めっき物に金属皮膜を析出させる処理である。電気めっきのように通電させることなく金属膜を形成できる。このため、絶縁性の保護層CLの表面に導電体であるシード層20を形成できる。特に限定されないが、本実施形態の無電解めっき処理としては、無電解銅めっき法、無電解ニッケルめっき法、無電解パラジウムめっき法、無電解金めっき法、無電解コバルトめっき法を用いることができる。もちろん、本願出願時に知られた無電解めっき法を用いて、シード層20を形成できる。この無電解めっき処理により形成されるシード層20の厚さは、80[nm]〜250[nm]である。
さらに、図2(C)に示すように、図2(B)の処理で形成した薄膜のシード層20をベースとして第2導電層21を形成する。本実施形態では、シード層20を導電体として、めっき処理により第2導電層21を形成する。図2Cに示すように、必要な領域Rにのみ第2導電層21を形成するために、領域R以外の領域R1にレジストを形成してからめっき処理を行う。めっき処理はスルーホールTH内部にも実施される。このめっき処理により、保護層CLの表面の所定領域にシールド層21aが形成され、スルーホールTHの内側の内壁面には層間接続層21bが形成される。めっき処理を行うことにより、シード層20の表面に第2導電層21が形成される。シード層20と第2導電層21とは同じ金属で構成され、その間に境界(界面)は生じない。つまり、シード層20は第2導電層21の一部となる。めっき処理は、シールド層21a及び層間接続層21bの厚さが所望の厚さとなるように行われる。このめっき処理により、シールド層21a及び層間接続層21bにより第2導電層21が形成される。めっき処理によりシールド層21a及び層間接続層21bが一体として形成されるので、グランドランド11Gとシールド層21aとは、層間接続層21bにより電気的に接続される。しかも、めっき処理によりシールド層21a及び層間接続層21bが同時に形成されるので、その接続抵抗を低くさせることができる。
続いて、図2(D)に示すように、エッチング処理により、第2導電層21を形成しない領域R1のシード層20を除去する。
最後に、図1に示す本実施形態のプリント配線板1を得るために、必要に応じて第2導電層21を被う絶縁層22を形成する。シート状のものを貼りつけて絶縁層22を形成してもよいし、液状のものを印刷して絶縁層22を形成してもよい。
<実施例>
以下、本発明の本実施形態における実施例を説明する。以下に説明する実施例により、本実施形態のプリント配線板1の伝送損失を検証する。
実施例として、図3Aに示す、所定の態様のプリント配線板1を得た。本実施例に係るプリント配線板1の長さは200[mm]である。図3Aに示すように、本実施例に係るプリント配線板1は、絶縁性基材10の一方主面に2本の信号線S1,S2と、これらを挟むように、その両脇に並列に配置された2本のグランド線G1,G2を有する。これらは、先に説明した本実施形態の第1導電層11に対応する。
図3Aに示すA−A´線に沿う断面を図3Bに示す。図3Bに示すように、絶縁性基材10の一方主面側には信号線S1,S2及びグランド線G1,G2が掲載されている。絶縁性基材10の他方主面側には、銅箔15が形成されている。接着層13及びカバーフィルム14を含む保護層CLが、信号線S1,S2及びグランド線G1,G2を被うように、積層されている。上面側にはカバーフィルム14が位置する。さらに、保護層CLの表面(カバーフィルム14の表面)には第2導電層21が形成されている。第2導電層21の表面には絶縁層22が形成されている。
図3A及び図3Bに示す構成で、実施例1のプリント配線板1と、比較例1のプリント配線板を作製した。比較例1のプリント配線板のシールド層は、銀ペーストをスクリーン印刷することにより形成した。実施例1のプリント配線板1の構成部材とその厚さと、比較例1のプリント配線板の構成部材とその厚さとを、下掲の表1にまとめて表示した。表1に示すように、実施例1のプリント配線板1と比較例1のプリント配線板とは、保護層の表面に形成されたシールド機能を備える導電層の厚さが異なる。具体的に実施例1のプリント配線板における第2導電層21の厚さは3[μm]であるのに対して、比較例1において、銀ペーストをスクリーン印刷することにより形成されたシールド層の厚さは15[μm]である。それ以外の構成については共通する。
Figure 2016186986
実施例1及び比較例1について、伝送損失を計測した。本実施形態では、VNA(ベクトルネットワークアナライザ)を用いて伝送損失を測定した。具体的にAgilent Technologies社製のN5230CのVNAを使用した。ネットワークアナライザは、高周波回路網の通過・反射電力の周波数特性を測定する。測定はディファレンシャルモードで行い、基準抵抗は90[Ω]とした。測定プローブとしては、Suss Microtech社製の高周波プローブ:GSSG500を使用した。上述した実施例1に係るサンプル5個と、比較例1に係るサンプル5個について、伝送損失を測定し、それらの測定値を統計処理して平均値を図3Cに示した。
図3Cにおいて、実施例1の伝送損失の特性を実線にて示した。他方、比較例の伝送損失の特性を破線にて示した。図3Cに伝送損失としてSdd21の変化を示す。Sdd21は、一般的なS21と同様に、入力信号について入力端から出力端までの間の減衰の度合(周波数に対するdB)を示す。一般的なS21が一本の信号線についての評価であるところ、Sdd21は二本の信号線についての評価を示す。
図3Cに示すように、本実施形態に係る実施例1のプリント配線板1は、比較例1に係るプリント配線板よりも、伝送損失が低いことを確認できた。
このように、本実施例に係るプリント配線板1は、高周波数帯における伝送特性を良好に維持する。さらに、シールド層21aを薄く構成できるので、小型化・薄型化に好適であり、かつ屈曲耐性の高いプリント配線板を提供できる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…プリント配線板
10…絶縁性基材
11…第1導電層
11a…めっき層
11G…グランドランド
12…ビアホール
CL1,CL2,CL…保護層
13…(カバーレイの)接着層
14…(カバーレイの)カバーフィルム
20…シード層
21…第2導電層(シード層を含む)
21a…シールド層
21b…層間接続層
22…絶縁層

Claims (5)

  1. 絶縁性基材の一方主面に、グランドランドを含む第1導電層を形成する工程と、
    前記グランドランドの位置に応じた位置にスルーホールが形成された保護層を前記第1導電層の一方主面側に積層する工程と、
    前記スルーホールの内壁面と、当該内壁面に連なる前記保護層の一方主面の所定領域に、第2導電層を形成する工程と、を備えるプリント配線板の製造方法。
  2. 前記第2導電層を形成する工程は、無電解めっき処理又は成膜処理を含む請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 絶縁性基材と、
    前記絶縁性基材の一方主面に形成され、グランドランドを含む第1導電層と、
    前記グランドランドの位置に対応する位置に形成されたスルーホールを有し、前記第1導電層の一方主面側に積層された保護層と、
    前記保護層の一方主面に形成されたシールド層と、当該シールド層に連なるように前記スルーホールの内壁面に沿って形成され、前記シールド層と前記グランドランドとを接続する層間接続層と、を含む第2導電層と、を備えるプリント配線板。
  4. 前記シールド層と前記グランドランドとは、前記層間接続層のみにより接続される請求項3に記載のプリント配線板。
  5. 前記第2導電層の厚さは、10[μm]以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載のプリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021117501A1 (ja) * 2019-12-10 2021-06-17 日東電工株式会社 配線回路基板の製造方法

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