JP2015005474A - 結着剤、電極材スラリー、電極及びその製造方法並びに二次電池 - Google Patents
結着剤、電極材スラリー、電極及びその製造方法並びに二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015005474A JP2015005474A JP2013131384A JP2013131384A JP2015005474A JP 2015005474 A JP2015005474 A JP 2015005474A JP 2013131384 A JP2013131384 A JP 2013131384A JP 2013131384 A JP2013131384 A JP 2013131384A JP 2015005474 A JP2015005474 A JP 2015005474A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- salt
- binder
- electrode material
- chitosan
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
【課題】非水系二次電池の電極材に含有させ、電極材の集電体に対する密着性を向上できる結着剤を提供する。【解決手段】非水系二次電池の電極材に含有させるための結着剤を、平均置換度0.1以上のカルボキシアルキルキトサン又はその塩で構成する。前記カルボキシアルキルキトサン又はその塩は平均置換度0.3〜1.0のカルボキシメチルキトサン塩であってもよい。前記カルボキシアルキルキトサン又はその塩は、25℃の1重量%水混合液において、100〜2000mPa・sの粘度を有していてもよい。前記カルボキシアルキルキトサン又はその塩は、カルボキシメチルキトサンのナトリウム塩、アンモニウム塩及びアミン塩からなる群より選択された少なくとも1種であってもよい。前記結着剤と水と電極活物質とを組み合わせて非水系二次電池の電極材スラリーを調製してもよい。【選択図】なし
Description
本発明は、リチウムイオン電池などの非水系二次電池の電極材に含有させ、電極材(電極膜)の集電体に対する密着性を向上できる結着剤、この結着剤を含む電極材スラリー、非水系二次電池用電極及びその製造方法、並びに非水系二次電池に関する。
近年、携帯電話やノートパソコン等のモバイル端末機器の駆動電源として、高いエネルギー密度を有し、高容量であるリチウムイオン電池に代表される非水電解質二次電池(非水系二次電池)が広く利用されている。さらに、前記モバイル端末機器は、高性能化、小型化及び軽量化が進められており、さらにはハイブリッド自動車(HEV)や電動工具等にも非水系ニ次電池が用いられるようになってきており、非水系ニ次電池のより高容量化、高出力化が検討されている。一方、非水系二次電池の高度化に伴って、極板製造工程において電極塗膜が集電体から剥がれ落ちたり、充放電の繰り返しによる電極の膨張・収縮により、集電体から電極塗膜が剥離して、電池特性が低下する課題があり、電極塗膜と集電体とのより高い密着性が要求されている。
従来から、リチウムイオン電池の電極材料としては、樹枝状の電析リチウムの成長による内部短絡の虞のない炭素粉末が利用されている。リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な炭素粉末としては、例えば、コークス、黒鉛、有機物の焼成体などが提案されている。中でも、負極活物質として黒鉛粒子を用いたリチウムイオン二次電池は、安全性が高く、かつ高容量であるため、広く用いられている。最近では、特にオリビン型の正極活物質の導電性を高めるため、正極活物質に炭素コーティングをする研究も多数報告されている。
炭素粉末を用いて電極を作製する場合、通常、炭素粉末と結着剤と有機溶媒とを混練してスラリー化し、電極集電体上に塗布し、乾燥固化することにより、炭素粉末を集電体に結着する方法が採用されている。結着剤としては、通常、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等が使用される。しかし、PVDFなどの結着剤は、N−メチルピロリドン(NMP)などの有機溶媒に溶解して使用する必要があり、高コストになるとともに、環境への悪影響が大きい。このため、PVDF−NMP系に代えて、セルロース誘導体などの多糖類を結着剤として利用する方法が検討されている。
特開平7−192722号公報(特許文献1)には、リチウムイオンを吸蔵放出することが可能な炭素粉末を結着剤にて銅製集電体に密着させてなる負極を備えるリチウム二次電池において、前記結着剤としてアセチルセルロース、アセチルグルコサミン、アセチルガラクトサミン又はアセチルコリンを用いたリチウム二次電池が開示されている。この文献には、アセチルセルロースなどを炭素粉末の結着剤として使用すると、充放電を繰り返した後の電池容量の低下を改善できることが記載されている。
しかし、この結着剤では、電極塗膜と集電体との密着性は充分ではなく、PVDFと同様に、NMPと混練してスラリーを調製している。
これに対して、多糖類の中でも、親水性の高いカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いる方法も検討されており、PVDF−NMP系に代えて、CMCとスチレン−ブタジエンゴム(SBR)とを結着剤として用い、これらの結着剤を水に分散・溶解させて使用する方法も提案されている。
特に、負極の結着剤にCMCを使用した場合において、負極活物質層(負極材)と集電体との密着性は、主としてCMCにより確保されていることが明らかになってきており、例えば、特開2009−43641号公報(特許文献2)には、負極活物質と水溶液系の負極活物質層用結着剤とを含む負極活物質層が負極集電体の表面に形成された非水電解質電池用負極において、前記負極活物質層の表面に、無機微粒子と非水溶液系の多孔質層用結着剤とを含む多孔質層が形成され、且つ前記負極活物質層用結着剤にエーテル化度が0.5以上0.75以下であるCMCが含まれている非水電解質電池用負極が開示されている。この文献の実施例では、負極用結着剤として、CMCとSBRとを組み合わせている。
また、特開2007−234348号公報(特許文献3)には、正極と負極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、前記負極が、負極活物質として、黒鉛と黒鉛化メソカーボンマイクロビーズとを含み、負極結着剤として、エーテル化度が0.6以上0.8以下のCMCとSBRとを有する非水電解質二次電池が開示されている。
さらに、特開2011−65797号公報(特許文献4)には、負極材と集電体の密着性を高めるため、平均置換度0.4以下のCMC又はその塩で構成された密着性向上剤を用いる方法が開示され、特開2011−90935号公報(特許文献5)には、同様の理由でCMCのアンモニウム塩又はアミン塩で構成された密着性向上剤を用いる方法が開示されている。これらの文献の実施例でも、密着性向上剤(結着剤)として、CMC又はその塩とSBRとを組み合わせている。
しかし、これらCMC又はその塩で構成された結着剤を用いる場合、製造工程が複雑になる問題や、もしくは近年の高度化した要求においては、電極材と集電体との密着性は充分ではないという問題があった。さらに、加工プロセスで分液して取り扱いに注意を要するSBRを併用する必要があった。
一方、WO2011/074269号パンフレット(特許文献6)には、多糖類と、ブロックイソシアネート構造を有するポリマーと、溶媒と、導電性付与材及び/又は電極活物質とを含む塗工液を、リチウムイオンバッテリーの負電極製造用塗工液として用いる方法が開示されている。この文献には、好ましい多糖類として、キトサン、ヒドロキシアルキルキトサン、カルボキシアルキルキトサン、カプロラクトン変性キトサン、ヒドロキシアルキルセルロース及びカルボキシアルキルセルロースが記載され、実施例では、グリセリル化キトサン、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルセルロースを使用している。この文献には、ブロックイソシアネート構造から発生したイソシアネート基を多糖類の水酸基と反応して架橋構造を形成することが記載され、実施例では、前記多糖類と、ブロックイソシアネート構造を有するポリマーと、N−メチル−2−ピロリドンとを混合している。
しかし、この塗工液では、ブロックイソシアネート構造を有するポリマーを併用する必要があり、高コストで環境への悪影響も大きい有機溶媒も含む。なお、この文献には、カルボキシアルキルキトサンの詳細は記載されていない。
従って、本発明の目的は、非水系二次電池の電極材に含有させ、電極材の集電体に対する密着性を向上できる結着剤、この結着剤を含む電極材スラリー、電極及びその製造方法、並びに非水系二次電池を提供することにある。
本発明の他の目的は、有害な有機溶媒や、取り扱いが困難な他の結着剤及び架橋剤を含まず、取り扱い性に優れ、非水系二次電池の電極材スラリーの集電体に対する塗工性を改善できる結着剤、この結着剤を含む電極材スラリー、電極及びその製造方法、並びに非水系二次電池を提供することにある。
本発明の他の目的は、粘度が低く、塗工性に優れ、平滑な塗膜を容易に形成できる結着剤、この結着剤を含む電極材スラリー、電極及びその製造方法、並びに非水系二次電池を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の置換度を有するカルボキシアルキルキトサン又はその塩を非水系二次電池の電極材(電極膜)に含有させると、電極材の集電体に対する密着性を向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の結着剤は、非水系二次電池の電極材に含有させるための結着剤であって、平均置換度0.1以上のカルボキシアルキルキトサン又はその塩で構成されている。前記カルボキシアルキルキトサン又はその塩は、平均置換度0.3〜1.0のカルボキシメチルキトサン塩であってもよい。前記カルボキシアルキルキトサン又はその塩は、25℃の1重量%水混合液において、100〜2000mPa・sの粘度を有していてもよい。前記カルボキシアルキルキトサン又はその塩は、カルボキシメチルキトサンのナトリウム塩、アンモニウム塩及びアミン塩からなる群より選択された少なくとも1種であってもよい。
本発明には、前記結着剤と水と電極活物質とを含む非水系二次電池の電極材スラリーも含まれる。前記電極活物質は、金属酸化物、珪素単体又は炭素材で構成されていてもよい。前記電極活物質の割合は、固形分換算で、結着剤1重量部に対して、50〜200重量部程度であってもよい。本発明の電極材スラリーは、さらに水性バインダーを含んでいてもよい。本発明の電極材スラリーにおいて、前記結着剤は平均置換度0.1以上のカルボキシアルキルキトサン又はその塩からなり、有機溶媒を含まなくてもよい。
本発明には、前記電極材スラリーを集電体の上に塗布する非水系二次電池用電極の製造方法も含まれる。
本発明には、前記方法により得られた非水系二次電池用電極も含まれる。この電極は、リチウムイオン電池の正極又は負極であってもよい。
本発明には、前記電極を備えた非水系二次電池も含まれる。
本発明では、特定のエーテル化度を有するカルボキシアルキルキトサン又はその塩で構成されているため、非水系二次電池の電極材に含有させると、電極材と集電体との密着性を向上できる。特に、銅箔などの集電体に対する密着性を向上できるため、リチウムイオン電池の負極のための結着剤として適している。さらに、水に溶解するため、有機溶媒が不要であり、取り扱い性を向上できる。また、密着力が高く、結着剤をカルボキシアルキルキトサン又はその塩のみで構成できるため、SBRなどの他の結着剤や架橋剤も不要であり、さらに取り扱い性を向上できる。さらに、スラリーの粘度が低く、塗工性に優れるため、平滑な塗膜を容易に形成できる。
[結着剤]
本発明の結着剤は、特定の平均置換度を有するカルボキシアルキルキトサン又はその塩で構成されており、非水系二次電池の電極材に含有させると、電極活物質同士又は電極活物質と集電体とを強固に結着でき、電極材の集電体に対する密着性を向上することができる。また、界面活性剤や分散剤を使用することなく、水不溶性の電極活物質を均一に分散でき、電極活物質同士又は電極活物質と集電体とを強固に結着できる。カルボキシアルキルキトサン又はその塩を用いると、密着性が向上する理由は明らかではないが、ヒドロキシル基とカルボキシル基とアミノ基との組み合わせによる効果によって、銅箔などの集電体との相互作用が向上するためであると推定できる。
本発明の結着剤は、特定の平均置換度を有するカルボキシアルキルキトサン又はその塩で構成されており、非水系二次電池の電極材に含有させると、電極活物質同士又は電極活物質と集電体とを強固に結着でき、電極材の集電体に対する密着性を向上することができる。また、界面活性剤や分散剤を使用することなく、水不溶性の電極活物質を均一に分散でき、電極活物質同士又は電極活物質と集電体とを強固に結着できる。カルボキシアルキルキトサン又はその塩を用いると、密着性が向上する理由は明らかではないが、ヒドロキシル基とカルボキシル基とアミノ基との組み合わせによる効果によって、銅箔などの集電体との相互作用が向上するためであると推定できる。
カルボキシアルキルキトサンは、例えば、カルボキシメチルキトサン、カルボキシエチルキトサンなどのカルボキシC1−4アルキルキトサンなどが挙げられる。これらのカルボキシアルキルキトサンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、製造が容易な点および集電体との密着性を向上できる点から、カルボキシメチルキトサンが好ましい。
カルボキシアルキルキトサン又はその塩(特にカルボキシメチルキトサン塩)において、カルボキシアルキル基(又は塩を形成したカルボキシアルキル基)の平均置換度(又は平均エーテル化度、DS)は、電極材と集電体との密着性向上の点から、0.1以上であればよく、例えば、0.1以上であり、かつ置換可能な上限値に近い1.5以下(すなわち、0.1〜1.5)であってもよい。平均置換度は、CMCよりも高い密着性を実現できる点から、例えば、0.15〜1.4(例えば、0.2〜1.3)、好ましくは0.25〜1.1、さらに好ましくは0.3〜1.0(特に0.4〜0.95)程度であり、電極材スラリーの取り扱い性や塗工性と、電極材としての密着性とを両立できる点から、例えば、0.3〜1.1、好ましくは0.4〜1.05、さらに好ましくは0.5〜1.0(特に0.7〜1.0)程度であってもよい。置換度が大きすぎると密着性が低下する虞があり、小さすぎると溶解性および操作性が低下する虞がある。なお、「平均置換度」とは、キトサンを構成するグルコサミン(キトース)単位の2及び6位のヒドロキシル基に対する置換度(置換割合)の平均値であり、最大値は2である。但し、平均エーテル化度が2の完全エーテル化物は製造することが容易ではなく、その入手が困難であるため、入手可能な範囲でエーテル化度を選択できる。また、平均エーテル度が小さすぎると、水に対して溶解性が低下し、結着剤としての機能が低下する傾向がある。
カルボキシアルキルキトサン塩(特にカルボキシメチルキトサン塩)としては、例えば、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩など)などの一価金属塩、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)などの二価金属塩、アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、アミン塩[アルカノールアミン塩(エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン塩など)、複素環式アミン塩(モルホリン塩など)、低級アルキルアミン塩(モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンなどのモノ乃至トリC1−4アルキルアミン)など]、又はこれらの複塩などが例示できる。カルボキシアルキルキトサン又はその塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、カルボキシアルキルキトサンのアルカリ金属塩(ナトリウム塩又はカリウム塩、特に、ナトリウム塩)、アンモニウム塩、アミン塩(特に、モノメチルアミンなどのモノC1−3アルキルアミン塩)などが好ましい。
カルボキシアルキルキトサン又はその塩は、部分又は完全塩型(酸型)カルボキシアルキルキトサンであってもよい。カルボキシアルキルキトサンにおいて、遊離のカルボキシル基(カルボキシアルキルキトサンの遊離のカルボキシル基)をAモル、塩を形成したカルボキシル基(カルボキシアルキルキトサンの塩を形成したカルボキシル基)をBモルとするとき、[A/(A+B)]×100(%)で表される酸型化率は、密着性の点から、例えば、0.01〜100%の範囲から選択でき、例えば、30%以下(例えば、0.01〜30%、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは1〜10%程度であってもよい。
なお、カルボキシアルキルキトサン又はその塩の酸型化率は、酸又はアルカリ滴定、電導度測定、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルなどの慣用の方法を利用して測定できる。
カルボキシアルキルキトサン又はその塩の1重量%水混合液(水分散液又は水溶液)の粘度(25℃、ブルックフィールド粘度計、ローターNo.4、60rpm)は、結着剤の接着機能を向上させて、電極材と集電体との密着性を向上できる点から、例えば、100〜2000mPa・s、好ましくは150〜1500mPa・s、さらに好ましくは200〜1000mPa・s程度であり、電極材スラリーの取り扱い性や塗工性と両立させる点から、例えば、100〜1000mPa・s、好ましくは200〜800mPa・s、さらに好ましくは300〜600mPa・s(特に400〜500mPa・s)程度であってもよい。粘度が高すぎると、塗工性が低下し、表面が平滑な膜を形成するのが困難となる傾向がある。
カルボキシアルキルキトサン又はその塩の平均重合度(粘度平均重合度)は、特に制限されないが、例えば、100〜2000、好ましくは200〜1800、さらに好ましくは3000〜1500程度である。重合度が小さすぎると操作性が低下する虞がある。
カルボキシアルキルキトサン又はその塩の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、無定形状、粉粒状などである。レーザー回折式粒度分布計で測定した平均粒径(D50)は、例えば、1〜100μm、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜40μm程度であってもよい。
カルボキシアルキルキトサン又はその塩の製造方法は、特に限定されず、市販品を使用してもよく、慣用の方法により合成してもよい。慣用の方法としては、水、低級アルコール(エタノールやイソプロピルアルコールなどのC1−4アルカノール等)などの水溶性溶媒中で、カルボキシル基含有エーテル化剤を用いてエーテル化する方法が汎用され、特に、主溶媒成分として、イソプロピルアルコールを使用する有機溶媒法が好ましい。なお、平均置換度は、モノクロロ酢酸などのカルボキシル基含有エーテル化剤及びイソプロピルアルコールなどの溶媒の割合を変えることなどにより調整できる。
[電極材スラリー]
本発明の電極材スラリーは、結着剤と水と電極活物質とを含んでもよい。本発明の結着剤は、水に対する溶解性が高いため、有機溶媒を用いることなく、電極活物質をスラリー状に分散できる。本発明の電極材スラリーは、有機溶媒を実質的に含まないのが好ましい。本発明の電極材スラリーは、水性溶媒(前述の低級アルコールなど)などの有機溶媒を含んでいてもよいが、有機溶媒の割合は、水100重量部に対して100重量部以下、好ましくは0.1〜100重量部、さらに好ましくは1〜50重量部程度である。
本発明の電極材スラリーは、結着剤と水と電極活物質とを含んでもよい。本発明の結着剤は、水に対する溶解性が高いため、有機溶媒を用いることなく、電極活物質をスラリー状に分散できる。本発明の電極材スラリーは、有機溶媒を実質的に含まないのが好ましい。本発明の電極材スラリーは、水性溶媒(前述の低級アルコールなど)などの有機溶媒を含んでいてもよいが、有機溶媒の割合は、水100重量部に対して100重量部以下、好ましくは0.1〜100重量部、さらに好ましくは1〜50重量部程度である。
電極活物質としては、非水系二次電池の種類に応じて選択でき、例えば、炭素材(カーボン)、金属単体、珪素単体(シリコン)、珪素化合物[酸化硅素、金属珪酸塩(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、アルミノ珪酸マグネシウムなど)など]、鉱物質(ゼオライト、ケイソウ土、焼成珪成土、タルク、カオリン、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト、クレーなど)、金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど)、金属酸化物(アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、二酸化マンガン、二酸化チタン、二酸化鉛、酸化銀、酸化ニッケル、リチウム含有複合酸化物など)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ニッケル、水酸化カドミウムなど)、金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)などが挙げられる。これらの電極活物質は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの電極活物質のうち、金属酸化物、珪素単体、炭素材が好ましい。具体的には、リチウムイオン電池に利用される電極活物質では、正極活物質として、金属酸化物が汎用され、負極活物質としては、珪素単体、炭素材(特に炭素材)が汎用される。
金属酸化物としては、リチウム複合酸化物[例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiCoxNi1−xO2(0<x<1)、LiMn2O4、LiTi5O12など]などが利用される。
特に、本発明の結着剤は、珪素単体又は炭素材で構成された負極活物質の密着性に対して効果的である。
珪素単体としては、無定形珪素(アモルファスシリコン)などのシリコンなどが利用される。
炭素材としては、膨張性黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ピッチ系炭素、コークス粉などであってもよいが、充放電特性に優れる点から、天然又は人造黒鉛(特に人造黒鉛)が好ましい。これらの炭素材は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
炭素材の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状(又は扁平状)、薄片状(又は鱗片状)、粉粒状などであってもよい。これらの形状のうち、黒鉛の場合、扁平状の粒子を複数集合又は結合した構造を有しているため、扁平又は鱗片状である場合が多い。扁平又は鱗片状の中でも、充放電特性の点から、比較的球形に近い形状(等方形状)が好ましい。すなわち、長径と短径との比(アスペクト比)は、例えば、1.01〜10、好ましくは1.1〜5、さらに好ましくは1.3〜3(特に1.3〜2)程度である。
レーザー回折式粒度分布計で測定した炭素材の平均粒径(D50)は、例えば、1〜100μm、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜40μm(特に15〜30μm)程度であり、通常、10〜30μm(例えば、10〜25μm)程度であってもよい。
電極活物質には、導電助剤[例えば、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック)などの導電性カーボンブラックなど]を、炭素材100重量部に対して0.1〜30重量部(特に1〜10重量部)程度の割合で併用して、電極の導電性を向上させてもよい。
電極活物質の割合は、結着剤1重量部に対して、50〜200重量部、好ましくは70〜150重量部、さらに好ましくは80〜120重量部(特に90〜110重量部)程度であってもよい。本発明では、結着剤に対する電極活物質の割合が大きくても、電極材の密着性を向上できる。
本発明の電極材スラリーは、CMCを含む従来のスラリーとは異なり、バインダー(他の結着剤)と組み合わせることなく、高い密着力を発現できる。そのため、本発明の電極材スラリーは、バインダー(他の結着剤)を実質的に含まなくてもよく、含まないスラリーが好ましい。さらに、本発明の電極材スラリーは、架橋剤(例えば、イソシアネート基を有する化合物など)を実質的に含まなくてもよく、含まないスラリーが好ましい。
なお、本発明の電極材スラリーは、さらに集電体に対する密着性をさらに向上させるために、慣用の水性バインダーを含んでいてもよい。慣用の水性バインダーは、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(SBRラテックス)などの水分散性の合成ゴムラテックス又はエマルジョンであってもよい。バインダーの割合は、前記結着剤100重量部に対して、100重量部以下程度であり、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは10〜80重量部(特に20〜50重量部)程度である。
電極材スラリーにおいて、全固形分の割合は、20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%程度であってもよい。電極材スラリーの固形分の割合が、このような範囲にあるため、集電体に塗布することにより得られた塗膜の収縮はなく、高い密着性を保持できる。
電極材スラリーの粘度(25℃、ブルックフィールド粘度計、ローターNo.4、30rpm)は、例えば、200〜5000mPa・s、好ましくは300〜3000mPa・s、さらに好ましくは500〜2000mPa・s程度であってもよい。電極材スラリーの粘度がこのような範囲にあるため、集電体に対する塗布性は高い。
電極材スラリーを集電体に塗布することにより得られた塗膜において、銅箔に対する90度剥離強度は、JIS K6854−1に準じて、5〜20N/m程度の範囲から選択でき、例えば、6〜18N/m、好ましくは7〜16N/m、さらに好ましくは8〜15N/m(特に10〜13N/m)程度であってもよい。剥離強度がこのような範囲にあるため、プレス加工しても、電極材(電極膜又は塗膜)の脱落が抑制される。
[電極材スラリーの製造方法]
本発明の電極材スラリーは、結着剤と電極活物質とを水中で混合することにより、製造できる。混合順序は特に限定されないが、各成分を一括して水に投入して混合してもよく、例えば、結着剤を水に溶解した後、電極活物質を添加して混合してもよい。
本発明の電極材スラリーは、結着剤と電極活物質とを水中で混合することにより、製造できる。混合順序は特に限定されないが、各成分を一括して水に投入して混合してもよく、例えば、結着剤を水に溶解した後、電極活物質を添加して混合してもよい。
前記混合方法は、特に限定されず、慣用の攪拌手段、例えば、撹拌棒などを用いた手攪拌であってもよく、機械的攪拌手段(攪拌棒、攪拌子など)、超音波分散機などが利用できる。機械的攪拌手段としては、例えば、ホモミキサー、ホモディスパー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、リボンミキサー、V型ミキサーなどの慣用のミキサーなどが挙げられる。
電極材は、前記電極材スラリーを集電体の上に塗布した後、乾燥することにより、製造できる。電極材スラリーの塗布は、集電体の一方の面でもよく、両面であってもよい。集電体としては、銅、アルミニウム、金、銀などの導電体で構成された金属箔を利用できる。
電極材ペーストの塗布量は、例えば、20〜350g/m2、好ましくは30〜300g/m2、さらに好ましくは50〜250g/m2程度であり、塗布膜の厚み(乾燥厚み)は、例えば、10〜500μm、好ましくは20〜200μm、さらに好ましくは30〜200μm程度であってもよい。
電極材スラリーの塗布方法は、特に限定されず、慣用の方法、例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、リバースコーター、バーコーター、コンマコーター、ディップ・スクイズコーター、ダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、シルクスクリーンコーター法などが挙げられる。乾燥方法としては、特に限定されず、自然乾燥の他、熱風、遠赤外線、マイクロ波などを利用してもよい。
本発明の電極材で構成された電極は、各種の非水系二次電池の電極として利用できるが、リチウムイオン電池の負極として好ましく利用できる。リチウムイオン電池は、例えば、本発明の結着剤を用いて得られた負極材と、慣用の正極材、セパレータ及び電解液とで構成できる。例えば、正極材は、アルミニウム、銅、金、銀などの金属箔で構成された集電体と、前述のリチウム複合酸化物で構成された正極活物質とで形成されていてもよい。セパレータは、多孔質ポリプロピレン製不織布、多孔質ポリエチレン製不織布などのポリオレフィン系の多孔質膜、炭素質セパレータなどで構成されていてもよい。電解液は、電解質[LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiCl、LiI、Li(C2F5SO2)2Nなどのリチウム塩など]を、有機溶媒(プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートなど)に溶解した非水電解液などであってもよい。さらに、電解液の代わりに、ゲル電解質(例えば、ポリエチレンオキサイドやポリフッ化ビニリデンなどのポリマーを電解に含有させてゲル化した電解質)を用いたポリマー(ゲルポリマー)リチウムイオン電池であってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」又は「%」は、特にことわりのない限り、重量基準である。さらに、結着剤の粘度、及び電極と集電体との密着性は、以下の方法で測定した。
(結着剤の1%水混合液の粘度)
ブルックフィールド粘度計LVDVII+を用いて、ローターNo.4を使用し、60rpmの回転数で、25℃における粘度(mPa・s)を測定した。
ブルックフィールド粘度計LVDVII+を用いて、ローターNo.4を使用し、60rpmの回転数で、25℃における粘度(mPa・s)を測定した。
(密着性)
前記実施例及び比較例で作製した負極板を用いて、集電体である銅箔と負極塗膜との剥離強度を、JIS K6854−1に準拠して、張り付きのない銅箔部分を引っ張り測定した。試験片の寸法は幅が25mm、接着部分の長さが90mmで行った。密着性は、比較例1の剥離強度を1.0としたときの相対値で評価した。
前記実施例及び比較例で作製した負極板を用いて、集電体である銅箔と負極塗膜との剥離強度を、JIS K6854−1に準拠して、張り付きのない銅箔部分を引っ張り測定した。試験片の寸法は幅が25mm、接着部分の長さが90mmで行った。密着性は、比較例1の剥離強度を1.0としたときの相対値で評価した。
実施例1
(結着剤の合成)
キトサン100gを、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/148g/148g)中に添加し、室温で60分撹拌した。攪拌後の混合溶液に対して、さらにモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=160g/180g)を徐々に添加した。70℃に昇温し60分撹拌後徐々に室温まで冷却し、ろ過して固形分を分離した。固形分を2.5Lのメタノールで洗浄し、乾燥した後粉砕した。得られたカルボキシメチルキトサンの平均置換度は0.95であった。この固形分を結着剤(カルボキシメチルキトサン1)として用いた。
(結着剤の合成)
キトサン100gを、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/148g/148g)中に添加し、室温で60分撹拌した。攪拌後の混合溶液に対して、さらにモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=160g/180g)を徐々に添加した。70℃に昇温し60分撹拌後徐々に室温まで冷却し、ろ過して固形分を分離した。固形分を2.5Lのメタノールで洗浄し、乾燥した後粉砕した。得られたカルボキシメチルキトサンの平均置換度は0.95であった。この固形分を結着剤(カルボキシメチルキトサン1)として用いた。
(電極の調製)
得られた結着剤を用いて、リチウムイオン電池の負極を作製した。すなわち、負極活物質として人造黒鉛(日立化成工業(株)製「MAG−D」)99部、結着剤1部を、水100部に分散させて、スラリーを調製した。厚み10μmの銅箔に、乾燥後の塗布量が100g/m2となるようにアプリケーターにより塗布後、乾燥して電極を作製した。
得られた結着剤を用いて、リチウムイオン電池の負極を作製した。すなわち、負極活物質として人造黒鉛(日立化成工業(株)製「MAG−D」)99部、結着剤1部を、水100部に分散させて、スラリーを調製した。厚み10μmの銅箔に、乾燥後の塗布量が100g/m2となるようにアプリケーターにより塗布後、乾燥して電極を作製した。
実施例2
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/75g/75g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=49g/55g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度0.15のカルボキシメチルキトサン2を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/75g/75g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=49g/55g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度0.15のカルボキシメチルキトサン2を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
実施例3
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/75g/75g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=82g/90g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度0.25のカルボキシメチルキトサン3を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/75g/75g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=82g/90g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度0.25のカルボキシメチルキトサン3を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
実施例4
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/124g/124g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=130g/144g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度0.40のカルボキシメチルキトサン4を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/124g/124g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=130g/144g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度0.40のカルボキシメチルキトサン4を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
実施例5
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/199g/199g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=215g/240g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度1.10のカルボキシメチルキトサン5を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/199g/199g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=215g/240g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度1.10のカルボキシメチルキトサン5を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
実施例6
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/248g/248g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=274g/305g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度1.40のカルボキシメチルキトサン6を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/248g/248g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=274g/305g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度1.40のカルボキシメチルキトサン6を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
参考例1
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/75g/75g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=16g/18g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度0.05のカルボキシメチルキトサン7を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
キトサン100gに対して、イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水混合溶液(イソプロピルアルコール/水酸化ナトリウム/水=2250g/75g/75g)及びモノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール混合溶液(モノクロロ酢酸/イソプロピルアルコール=16g/18g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、平均置換度0.05のカルボキシメチルキトサン7を得た後、得られた結着剤を用いて電極を作製した。
比較例1
結着剤として、カルボキシメチルセルロース(株式会社ダイセル製「CMCダイセル2200」:平均置換度0.95)を用いる以外は実施例1と同様にして、電極を作製した。
結着剤として、カルボキシメチルセルロース(株式会社ダイセル製「CMCダイセル2200」:平均置換度0.95)を用いる以外は実施例1と同様にして、電極を作製した。
実施例及び比較例で得られた結着剤の特性、密着性を評価した結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、実施例の結着剤は、粘度が低く、取り扱い性に優れる上に、密着性も高い。これに対して、比較例の結着剤は粘度が高い。
本発明の結着剤は、リチウムイオン電池やポリマーリチウムイオン電池などの非水系二次電池の電極材に好適に使用できる。特に、本発明の結着剤を用いて得られた電極材を備えたリチウムイオン電池は、電極材と集電体との密着性が高く、充放電容量が高いため、電気機器(特に、携帯電話機器、ポータブル機器などのモバイル機器)、電気自動車やハイブリッド自動車(HEV)など種々の分野で利用できる。
Claims (13)
- 非水系二次電池の電極材に含有させるための結着剤であって、平均置換度0.1以上のカルボキシアルキルキトサン又はその塩で構成された結着剤。
- カルボキシアルキルキトサン又はその塩が、平均置換度0.3〜1.0のカルボキシメチルキトサン塩である請求項1記載の結着剤。
- カルボキシアルキルキトサン又はその塩が、25℃の1重量%水混合液において、100〜2000mPa・sの粘度を有する請求項1又は2記載の結着剤。
- カルボキシアルキルキトサン又はその塩が、カルボキシメチルキトサンのナトリウム塩、アンモニウム塩及びアミン塩からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の結着剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の結着剤と水と電極活物質とを含む非水系二次電池の電極材スラリー。
- 電極活物質が、金属酸化物、珪素単体又は炭素材で構成されている請求項5記載の電極材スラリー。
- 電極活物質の割合が、固形分換算で、結着剤1重量部に対して、50〜200重量部である請求項5又は6記載の電極材スラリー。
- さらに水性バインダーを含む請求項5〜7のいずれかに記載の電極材スラリー。
- 結着剤が平均置換度0.1以上のカルボキシアルキルキトサン又はその塩からなり、有機溶媒を含まない請求項5〜8のいずれかに記載の電極材スラリー。
- 請求項5〜9のいずれかに記載の電極材スラリーを集電体の上に塗布する非水系二次電池用電極の製造方法。
- 請求項10記載の方法により得られた非水系二次電池用電極。
- リチウムイオン電池の正極又は負極である請求項11記載の電極。
- 請求項11又は12記載の電極を備えた非水系二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013131384A JP2015005474A (ja) | 2013-06-24 | 2013-06-24 | 結着剤、電極材スラリー、電極及びその製造方法並びに二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013131384A JP2015005474A (ja) | 2013-06-24 | 2013-06-24 | 結着剤、電極材スラリー、電極及びその製造方法並びに二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015005474A true JP2015005474A (ja) | 2015-01-08 |
Family
ID=52301198
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013131384A Pending JP2015005474A (ja) | 2013-06-24 | 2013-06-24 | 結着剤、電極材スラリー、電極及びその製造方法並びに二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015005474A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017069108A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 日本ゼオン株式会社 | リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用電極およびリチウムイオン二次電池 |
JP2017123264A (ja) * | 2016-01-07 | 2017-07-13 | 日本ゼオン株式会社 | 電気化学素子用導電性組成物、電気化学素子電極用組成物、接着剤層付集電体及び電気化学素子用電極 |
CN109004230A (zh) * | 2018-08-09 | 2018-12-14 | 芜湖彰鸿工程技术有限公司 | 一种锂离子电池正极浆料及其制备方法 |
CN112142917A (zh) * | 2020-11-04 | 2020-12-29 | 扬州工业职业技术学院 | 一种改性壳聚糖水性粘结剂及其制备方法 |
CN112234202A (zh) * | 2020-09-28 | 2021-01-15 | 中国电子科技集团公司第十八研究所 | 一种高性能锂氟化碳电池及其制备方法 |
CN113725438A (zh) * | 2021-09-02 | 2021-11-30 | 广州市乐基智能科技有限公司 | 一种固态锂电池用水性复合粘结剂及其应用 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1167213A (ja) * | 1997-08-21 | 1999-03-09 | Jsr Corp | 電池電極用組成物および電池電極 |
JP2011090935A (ja) * | 2009-10-23 | 2011-05-06 | Daicel Chemical Industries Ltd | 非水系二次電池の電極材の集電体に対する密着性向上剤及び電極 |
CN102760883A (zh) * | 2012-07-13 | 2012-10-31 | 中国科学院广州能源研究所 | 锂离子电池用新型壳聚糖及其衍生物水系粘结剂 |
-
2013
- 2013-06-24 JP JP2013131384A patent/JP2015005474A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1167213A (ja) * | 1997-08-21 | 1999-03-09 | Jsr Corp | 電池電極用組成物および電池電極 |
JP2011090935A (ja) * | 2009-10-23 | 2011-05-06 | Daicel Chemical Industries Ltd | 非水系二次電池の電極材の集電体に対する密着性向上剤及び電極 |
CN102760883A (zh) * | 2012-07-13 | 2012-10-31 | 中国科学院广州能源研究所 | 锂离子电池用新型壳聚糖及其衍生物水系粘结剂 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017069108A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 日本ゼオン株式会社 | リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用電極およびリチウムイオン二次電池 |
JP2017123264A (ja) * | 2016-01-07 | 2017-07-13 | 日本ゼオン株式会社 | 電気化学素子用導電性組成物、電気化学素子電極用組成物、接着剤層付集電体及び電気化学素子用電極 |
CN109004230A (zh) * | 2018-08-09 | 2018-12-14 | 芜湖彰鸿工程技术有限公司 | 一种锂离子电池正极浆料及其制备方法 |
CN109004230B (zh) * | 2018-08-09 | 2020-11-20 | 义乌市君胜科技有限公司 | 一种锂离子电池正极浆料及其制备方法 |
CN112234202A (zh) * | 2020-09-28 | 2021-01-15 | 中国电子科技集团公司第十八研究所 | 一种高性能锂氟化碳电池及其制备方法 |
CN112142917A (zh) * | 2020-11-04 | 2020-12-29 | 扬州工业职业技术学院 | 一种改性壳聚糖水性粘结剂及其制备方法 |
CN112142917B (zh) * | 2020-11-04 | 2022-12-16 | 扬州工业职业技术学院 | 一种改性壳聚糖水性粘结剂及其制备方法 |
CN113725438A (zh) * | 2021-09-02 | 2021-11-30 | 广州市乐基智能科技有限公司 | 一种固态锂电池用水性复合粘结剂及其应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6841668B2 (ja) | 結着剤、電極用スラリー、電極及びその製造方法並びに二次電池 | |
US11094934B2 (en) | Electrode slurry, electrode and process for producing the same, and secondary battery | |
KR102564699B1 (ko) | 전극용 슬러리, 전극 및 그의 제조 방법 그리고 이차 전지 | |
JP5481156B2 (ja) | 非水系二次電池の電極材の集電体に対する密着性向上剤及び電極 | |
CN102760883B (zh) | 锂离子电池用新型壳聚糖及其衍生物水系粘结剂 | |
US7914929B2 (en) | Aqueous dispersion with a starch and lithium and titanium mixed oxide base for a lithium storage battery electrode | |
KR102368398B1 (ko) | 비수계 전해액 이차 전지의 전극용 카르복시메틸셀룰로오스염의 제조 방법, 비수계 전해액 이차 전지용 전극, 및 비수계 전해액 이차 전지 | |
JP2015005474A (ja) | 結着剤、電極材スラリー、電極及びその製造方法並びに二次電池 | |
JP6882899B2 (ja) | 電極用スラリー、電極及びその製造方法並びに二次電池 | |
JP2011063673A (ja) | 水系ペースト及びその製造方法 | |
KR20180063077A (ko) | 비수계 이차 전지 전극용 바인더 조성물, 비수계 이차 전지 전극용 슬러리 조성물, 비수계 이차 전지용 전극, 및 비수계 이차 전지 | |
JP5530851B2 (ja) | リチウムイオン二次電池の電極製造方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法 | |
TWI777139B (zh) | 電化學裝置用接合劑、電極合劑、電極、電化學裝置及二次電池 | |
TWI772337B (zh) | 非水電解質二次電池負極及非水電解質二次電池 | |
JP2017069108A (ja) | リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用電極およびリチウムイオン二次電池 | |
KR20190122690A (ko) | 비수계 이차 전지 전극용 바인더 조성물, 비수계 이차 전지 전극용 도전재 페이스트 조성물, 비수계 이차 전지 전극용 슬러리 조성물, 비수계 이차 전지용 전극 및 비수계 이차 전지 | |
JP6849443B2 (ja) | 電極用スラリーの製造方法、電極及び二次電池の製造方法 | |
KR101910988B1 (ko) | 이차 전지 부극용 바인더 조성물, 이차 전지 부극용 슬러리 조성물, 이차 전지용 부극 및 이차 전지 | |
JP2024516273A (ja) | リチウムイオン電池用アノードインク配合物 | |
TW201603375A (zh) | 非水電解質二次電池用電極 | |
WO2019065883A1 (ja) | 電気化学素子用バインダー | |
KR101583142B1 (ko) | 이차전지용 전극 및 이의 제조방법 | |
JP4804624B2 (ja) | 複合炭素材料およびリチウム二次電池用電極 | |
WO2020012972A1 (ja) | 芳香族脂肪族混合セルロースエステル、非水電解質二次電池正極用添加剤、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池用正極の製造方法 | |
JP2020009680A (ja) | 非水電解質二次電池正極用添加剤、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池用正極の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160304 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170124 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170801 |