JP2015004786A - 手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図21(a),(b)に示すように手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置600には、Z方向に光軸を有するレンズ614を保持するレンズホルダ602と、Z方向に巻回されてレンズホルダ602に装着されたフォーカスコイル603と、これらの外周側に配設され、マグネットホルダ605に保持された永久磁石604と、Z方向と直角な方向に延在しマグネットホルダ605に接続されてレンズホルダ602を懸架支持する上側板バネ606及び下側板バネ607と、これら上側及び下側板バネ606,607を挟持する上側基板608及びストッパ609とよりなるオートフォーカス用レンズ駆動装置601をX方向及びY方向に搖動させる構成が採用されている。
すなわち、搖動部としてのオートフォーカス用レンズ駆動装置601は、一端側がベース610に接続されてZ方向に延在するサスペンションワイヤ611の他端側に接続されることにより、X方向及びY方向に搖動可能に懸架支持される。そして、X方向及びY方向に巻回された手振れ補正用コイル612a,612bをシールドカバー613の側面内壁に取り付け、永久磁石604の外側磁極面に対して空隙を隔てて対向させる。手振れ補正用コイル612a,612bに通電すると、手振れ補正用コイル612a,612bにはY方向及びX方向のローレンツ力が生じる。オートフォーカス用レンズ駆動装置601に搭載されている永久磁石604には、このローレンツ力に対する反力が生じるので、懸架されたオートフォーカスレンズ駆動装置601をローレンツ力とは反対の方向に搖動させることができる。
この問題を防ぐためにこの手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置600においては、ホール素子等よりなる位置検出手段615をベース610に取り付けて、サスペンションワイヤ611に懸架されたオートフォーカス用レンズ駆動装置601のX方向及びY方向への中心からのずれ(以下、中心ずれともいう)を検出し、中心ずれ補正電流を手振れ補正用コイル612a,612bに供給して、オートフォーカス用レンズ駆動装置601を適正な中心位置に戻した上で、手振れ補正電流を手振れ補正用コイル612a,612bに重畳的に通電させるという複雑な制御方法が採用されている。
それ故、この手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置600には、上記補正に係る電流を発生させるための追加部品や追加制御回路等が必要となり、手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置600が大型化する上に部品コストや組立コストが上昇し、さらに消費電力が増加する問題があった。
これにより、搖動部が軽量化され、かつ搖動用コイルの駆動効率が高くなるので、バネ係数の大きな搖動用バネ部材によってレンズキャリアを懸架支持することができるようになり、ずれ補正をしなくてもレンズの中心ずれを抑制することができるので、位置検出手段やずれ補正制御回路の搭載が不要となって、小型化とコスト低減と低消費電力化とが可能な手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置を提供できる。
これにより、搖動部が軽量化され、かつ搖動用コイルの駆動効率が高くなるので、バネ係数の大きな搖動用バネ部材によってレンズキャリアを懸架支持することができるようになり、ずれ補正をしなくてもレンズの中心ずれを小さくすることができるので、位置検出手段やずれ補正制御回路の搭載が不要となって、小型化とコスト低減と低消費電力化とが可能な手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置を提供できる。
また、本願発明は、中間ヨークが前記永久磁石の狭隙部において前記移動用コイルの内周側に設けられベース側に保持されていることを特徴とする。これにより、搖動用コイルの駆動効率を低下させることなく移動用コイルを効率よく駆動させることができる。
図1は、本実施の形態1に係る手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置100の構成を模式的に示す縦断面模式図である。図2は本実施の形態1に係る手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置100の搖動懸架の要部を示す斜視図、図3は永久磁石と搖動用コイル及び移動用コイルの位置関係を示す要部斜視図である。図4は永久磁石と磁気ヨークによる磁気回路を示す斜視図である。図5は移動用バネ部材による懸架を示す斜視図である。また図6は本実施の形態1に係る手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置100の全体を示す分解斜視図である。
以下、図示しないレンズの光軸方向をZ方向、被写体側をZ方向前方(+Z側)とする。
そして、移動用コイル保持部102sの先端が前側キャリアホルダ102Aの後側面と接続されて、レンズキャリア101がキャリアホルダ102によってZ方向の前後から空隙を隔てて挟まれ、搖動可能に懸架支持される。
搖動用バネ部材接続部101bのZ方向後方、すなわち2個の移動用コイル保持部102sの中間部において、Z方向に延在する4本の搖動用バネ部材106の後端部が後側キャリアホルダ102Bの搖動用バネ部材接続部102aに接続され、搖動用バネ部材106の前端部がレンズキャリア101の搖動用バネ部材接続部101bに接続される。このようにして、レンズキャリア101におけるレンズ保持部101aの後方端部は後側キャリアホルダ102Bの搖動用バネ部材接続部102aの前面と空隙を隔ててZ方向に対向し、搖動用バネ部材接続部101bの前側面は前側キャリアホルダ102Aの後側面と空隙を隔ててZ方向に対向する。
その結果、キャリアホルダ102は、レンズキャリア101をX方向及びY方向へ搖動可能に懸架支持する。
なお、本例においては、搖動用コイル104として一対のX側搖動用コイル104X;104Xと、一対のY側搖動用コイル104Y;104Yとの二対(合計4個の搖動用コイル)を用いたが、これに限らず、X側搖動用コイル104X及びY側搖動用コイル104Yのいずれか一方のみ(単方向)で搖動稼働することや、一対のX側搖動用コイル104X;104X及びY側搖動用コイル104Y;104Yのうち、対としない片側コイルのみにより搖動稼働とする等、必要に応じて様々な変形が可能である。
以上のように、手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置100の搖動部は、図示しないレンズと、レンズキャリア101と、搖動用コイル104とのみにより軽量に構成される。
磁気ヨーク109は、Z方向の中央部が開口した直方体箱形であり、4個の永久磁石105を外周側から覆う。磁気ヨーク109は前側磁気ヨーク109A及び後側磁気ヨーク109Bよりなり、それぞれ軟鉄等よりなる強磁性の板材を絞り加工や打ち抜き加工等によって成形される。前側磁気ヨーク109Aは、前側側面ヨーク109aと横側側面ヨーク109cと背面ヨーク109dと内側ヨーク109eとにより一体的に構成されており、後側磁気ヨーク109Bは、前側磁気ヨーク109Aとは別体に形成された板状の後側側面ヨーク109bよりなる。
前側側面ヨーク109aは永久磁石105の磁極面105aに隣接する前側の側面とZ方向に空隙を隔てて対向し、横側側面ヨーク109cは永久磁石105の磁極面105aに隣接する両横側の側面と横方向に空隙を隔てて対向し、後側磁気ヨーク109Bの後側側面ヨーク109bは永久磁石105の磁極面105aに隣接する後側の側面とZ方向に空隙を隔てて対向し、内側ヨーク109eは、永久磁石105の磁極面105aと径方向に空隙を隔てて対向する。これにより、磁極面105aから発生した磁束は、前側側面ヨーク109aと後側側面ヨーク109bと横側側面ヨーク109cと内側ヨーク109eとに集められて、背面ヨーク109dを経由して反対側の磁極面105cに導かれる。
また、移動用コイル103は、永久磁石105の磁極面105aと内側ヨーク109eとの間に、それぞれに空隙を隔てて径方向に対向するように配置される。
前側移動用バネ部材107Aは、Z方向とは直角な方向に延在し、2つに分割された円弧状の内側保持部107Aaと、四角枠の角部で分割された短冊状の外側保持部107Abと、径方向に蛇行しながら周方向に延長し、内側保持部107Aa及び外側保持部107Abとを連結する4本の腕部107Acとを備える。また、後側移動用バネ部材107Bは、Z方向とは直角な方向に延在し、4つに分割された円弧状の内側保持部107Baと、四角枠の角部で分割された短冊状の外側保持部107Bbと、径方向に蛇行しながら周方向に延長し、内側保持部107Ba及び外側保持部107Bbとを連結する4本の腕部107Bcとを備える。これらの腕部107Ac,107Bcは、キャリアホルダ102をベース108に懸架するバネとして機能する。
また、移動用バネ部材107の外側保持部107Abはベース108側に接続される。具体的には、図1及び図6に示すように、前側移動用バネ部材107Aの外側保持部107Abは、永久磁石105の前方に取付けられる前側スペーサ112の前面に接続され、後側移動用バネ部材107Bの外側保持部107Bbは永久磁石105の後側に配置される後側スペーサ111の後面に接続される。このように、移動用バネ部材107により、キャリアホルダ102はベース108に対してZ方向へ移動可能に支持される。
そして、移動用コイル103に通電すれば移動用コイル103に+Z方向のローレンツ力が生じ、キャリアホルダ102は移動用バネ部材107の−Z方向への復元力と釣り合った位置までZ方向前方(+Z)に移動する。従って、キャリアホルダ102に懸架支持されたレンズキャリア101をキャリアホルダ102と共にZ方向前方に移動させることができる。
このため、カメラの姿勢を変化させても搖動用バネ部材106の撓み変形が少ないのでレンズの中心ずれが小さい。従って、位置検出手段やずれ補正制御回路等の追加部品の搭載が不要となり、小型化やコスト低減、低消費電力化が可能となる。
複数の部材を組み合わせた幾つかのセミアッシーを組み立てた後、単品部材及びセミアッシーを順次組み上げて手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置100を完成させる。
まず、後側キャリアホルダ102Bの移動用コイル保持部102sに移動用コイル103を装着し、搖動用バネ部材接続部102aに4本の搖動用バネ部材106の後端部を接続し、後側移動用バネ部材107Bの内側保持部107Baの前側面を後側キャリアホルダ102Bの後側面に接続してキャリアホルダアッシーとする。
前側磁気ヨーク109Aの内側に、バネ押え113と前側移動用バネ部材107Aと前側スペーサ112と永久磁石105とを順に−Z方向から挿入して固定し、ヨークアッシーとする。
また、ベース108のX側縁部に端子110を装着し、後側磁気ヨーク109Bをベース108の前側の面に取付けてベースアッシーとする。端子110は、図示しない外部の電源に接続され、移動用コイル103及び搖動用コイル104に稼働電流を供給する。
すなわち、ベースアッシー上にキャリアホルダアッシーを乗せ、キャリアホルダアッシーに接続された後側移動用バネ部材107Bの外側保持部107Bbの上に後側スペーサ111を乗せて、外側保持部107Bb及び後側磁気ヨーク109Bをベース108と後側スペーサ111とにより挟持する。次に、レンズキャリア101をキャリアホルダアッシーの内側に挿入し、搖動用バネ部材106の前端部をレンズキャリア101の搖動用バネ部材接続部101bに接続した後、前側キャリアホルダ102Aをレンズキャリア101の前側に配置し、後側キャリアホルダ102Bの移動用コイル保持部102sの先端部と接続する。次に、搖動用コイル104を移動用コイル103の径方向外側から搖動用コイル保持部101cに装着する。
そして、これらの上からヨークアッシーを被せ、永久磁石105の後端部を+Z側から後側スペーサ111に押し付けて固定し、前側移動用バネ部材107Aの内側保持部107Aaの後側面を前側キャリアホルダ102Aの前端面に接続する。前側磁気ヨーク109Aが組み上げた部材全体を覆うことにより、移動用及び搖動用の磁気回路の効率を高めるとともに、カメラ内外への電磁波の入出射を防ぎ、外力による上記部材の損傷や変形を防止する。
同様にX側搖動用コイル104Xに通電すれば、通電方向に応じて搖動部を+X方向や−X方向に効率よく搖動させることができる。
また、X側及びY側搖動用コイル104X,104Yに同時に通電すれば、X側及びY側搖動用コイル104X,104Yへの通電量の大きさに応じて適切なXY合成方向に搖動部を効率よく搖動させることができる。
また、磁気ヨーク109に内側ヨーク109eを設けて移動用コイル103の内側に挿入すれば、永久磁石105の磁極面105aから発生して移動用コイル103に印加される磁束密度Bを高めることができるので、通電された移動用コイル103に生じるローレンツ力を増大させることができ、移動用コイル103の推進効率、すなわちオートフォーカス駆動の効率を高めることができる。
また、永久磁石105の磁極面105aが搖動用コイル104の巻回正面に空隙を隔てて対向しているので、搖動用コイル104に印加される磁束密度Bが高くなり、効率よく搖動稼働させることができる。これによって、バネ係数の大きな搖動用バネ部材106を使用することができるので、搖動用バネ部材106の撓み変形をより小さくすることが可能となる。
また、前側,横側及び後側側面ヨーク109a,109c,109bが搖動用コイル104の巻回外周側に配置され、ベース108側に装着されているので、搖動部の質量を増加させることなく搖動用コイル104に印加される磁束密度Bを一層増大させることができ、搖動用コイル104に生じる搖動推力がさらに高まる。このため、搖動用バネ部材106のバネ係数をさらに高めることができるので、搖動用バネ部材106の撓み変形をさらに小さくすることができる。
そのため本発明によれば、カメラの姿勢変化によるレンズの中心ずれが少ない手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置100を提供できるようになり、位置検出手段やずれ補正制御回路等の追加部品の搭載が不要となるので、小型化やコスト低減、低消費電力化が可能となる。
また、内側ヨーク109eが移動用コイル103の内周側に設けられているので、移動用コイル103に印加される磁束を増大でき、移動用コイル103に生じる移動推力、すなわちオートフォーカス駆動の効率を高めることができる。このため、低電力でフォーカス駆動が可能となり、低消費電力化が可能となる。
すなわち、図8に示す磁気ヨーク209は、永久磁石205毎に個別に設けられ、一方が開口した直方体状の箱形をなしており、永久磁石205の磁極面205aを除く5面を囲んでおり、開口部209kを内側に向けて、永久磁石205とともにZ軸と平行な軸周りに90度間隔で循環配置されている。開口部209kにおけるZ方向前方に前側側面ヨーク209aが形成され、開口部209kにおけるZ方向後方に後側側面ヨーク209bが形成され、永久磁石205の横方向両側に横側側面ヨーク209cが形成され、永久磁石205の背面には背面ヨーク209dが形成されている。そして、前側側面ヨーク209a,後側側面ヨーク209b,横側側面ヨーク209cのそれぞれは、永久磁石205の磁極面205aに隣接する側面と空隙を隔てて対向している。このような磁気回路とすることによっても、磁束が搖動用コイル104に効率よく印加されて搖動推力が大きくなり、バネ係数の大きな搖動用バネ部材106を用いることができる。このため、搖動部の軽量化技術と相俟って、カメラの姿勢変化によるレンズの中心ずれが少なくなる。その結果、中心ずれ補正が不要になり、位置検出手段やずれ補正制御回路等の追加部品が省略でき、小型化やコスト低減、低消費電力化が可能となる。
また、図9に示すような五角柱状の永久磁石305をZ軸と平行な軸周りに循環配置して内径側を向いた面を磁極面305aとして、それぞれの永久磁石305の間でV字形の磁気ヨーク309の横側側面ヨ-ク309cを挟持させる構造としても、効率よい搖動を可能にすることができる。なお、永久磁石305の形状は五角柱状に限らず、三角柱状その他の多角柱状としてもよい。
この場合も前記実施の形態1と同様に、レンズを保持するレンズキャリア401はキャリアホルダ402によりX方向及びY方向へ搖動可能に支持され、キャリアホルダ402はベース408によりZ方向へ移動可能に支持されている。キャリアホルダ402は前側キャリアホルダ402Aと後側キャリアホルダ402Bとにより構成されており、レンズキャリア401は、Z方向に延在する搖動用バネ部材406の一方の端部がキャリアホルダ402側に接続され、他方の端部がレンズキャリア401に接続されて、X方向及びY方向へ搖動可能となっている。また、キャリアホルダ402は、Z方向と直角な方向に延在する移動用バネ部材407の内周側がキャリアホルダ402側に接続され、外周側がベース408側に接続されて、Z方向へ移動可能となっている。このため、レンズキャリア401は、Z方向に移動するキャリアホルダ402の位置に関わらず、オートフォーカス稼働によってX方向及びY方向への搖動することができる。
搖動用バネ部材接続部401bのZ方向後方、すなわち角部の2個の移動用コイル保持部402sの中間部において、Z方向に延在する4本の搖動用バネ部材406のZ方向後端部がキャリアホルダ402の搖動用バネ部材接続部402aに接続され、搖動用バネ部材406の前端部がレンズキャリア401の搖動用バネ部材接続部401bに接続される。このようにして、レンズキャリア401におけるレンズ保持部401aの後方端部は後側キャリアホルダ402Bの搖動用バネ部材接続部402aの前面と空隙を隔ててZ方向に対向し、搖動用バネ部材接続部401bの前側面は前側キャリアホルダ402Aの後端面と空隙を隔ててZ方向に対向する。
その結果、キャリアホルダ402は、レンズキャリア401をX方向及びY方向へ搖動可能に懸架支持する。
以上のように、搖動部は図示しないレンズとレンズキャリア401と搖動用コイル404とのみにより軽量に構成される。
前側側面ヨーク409aは永久磁石405の磁極面405aに隣接する前側の側面とZ方向に空隙を隔てて対向し、横側側面ヨーク409cは永久磁石405の磁極面405aに隣接する両横側の側面と横方向に空隙を隔てて対向し、後側側面ヨーク409bは永久磁石405の磁極面405aに隣接する後側の側面とZ方向に空隙を隔てて対向する。これにより、磁極面405aから発生した磁束は、前側側面ヨーク409aと後側側面ヨーク409bと横側側面ヨーク409cとに集められて、背面ヨーク409dを経由して反対側の磁極面405cに導かれる。
前側移動用バネ部材407Aと後側移動用バネ部材407Bとは、いずれも同一形状をなし、共に、Z方向とは直角な方向に延在し、2つに分割された円弧状の内側保持部407aと、四角枠の角部で分割された短冊状の外側保持部407bと、径方向及び周方向に蛇行しながら周方向及び径方向に延長し、内側保持部407a及び外側保持部407bとを連結する4本の腕部407cとを備える。これらの腕部407cが、キャリアホルダ402をベース408に懸架するためのバネとして機能する。
そして、キャリアホルダ402は、移動用コイル403に通電すれば移動用コイル403に+Z方向のローレンツ力が生じ、移動用バネ部材407の−Z方向への復元力と釣り合った位置までZ方向前方に移動する。従って、キャリアホルダ402に懸架支持されたレンズキャリア401をキャリアホルダ402と共にZ方向前方に移動させることができる。
図12は、本実施の形態2に係る手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置500の構成を模式的に示す縦断面模式図である。図13は本実施の形態2に係る手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置500の搖動懸架の要部を示す斜視図、図14は永久磁石と搖動用コイル及び移動用コイルの位置関係を示す要部斜視図である。図15は、永久磁石と磁気ヨークによる磁気回路を示す斜視図である。図16は、移動用バネ部材による懸架を示す斜視図である。また図17は、本実施の形態2に係る手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置500の全体を示す分解斜視図である。なお、図14は、永久磁石505の前側側面505bを見やすく示すために搖動用コイル504の一部をカットして示している。
キャリアホルダ502は、前側キャリアホルダ502Aと後側キャリアホルダ502Bとにより構成されており、Z方向に延在する搖動用バネ部材506の一方の端部がキャリアホルダ502側に接続され、他方の端部がレンズキャリア501に接続されて、レンズキャリア501はX方向及びY方向へ搖動可能となっている。また、Z方向と直角な方向に延在する移動用バネ部材507の内周側がキャリアホルダ502側に接続され、外周側がベース508側に接続されて、キャリアホルダ502はZ方向へ移動可能となっている。本図から明らかなように、レンズキャリア501は、オートフォーカス稼働によってZ方向に移動するキャリアホルダ502の位置に関わらず、X方向及びY方向へ搖動することができる。
すなわち、移動用コイル保持部502sの外側において、Z方向に延在する4本の搖動用バネ部材506の後端部がキャリアホルダ502の搖動用バネ部材接続部502aに接続され、搖動用バネ部材506の前端部がレンズキャリア501の搖動用コイル保持部501bに接続される。このようにして、レンズキャリア501におけるレンズ保持部501aの後方端部は後側キャリアホルダ502Bの搖動用バネ部材接続部502aの前面と空隙を隔ててZ方向に対向し、搖動用コイル保持部501bの前側面は前側キャリアホルダ502Aの後端面と空隙を隔ててZ方向に対向する。
その結果、キャリアホルダ502は、レンズキャリア501をX方向及びY方向へ搖動可能に懸架支持する。
なお、本例においては、搖動用コイル504として一対のX側搖動用コイル504X;504Xと、一対のY側搖動用コイル504Y;504Yとの二対(合計4個の搖動用コイル)としたが、これに限らず、X側搖動用コイル504X及びY側搖動用コイル504Yのいずれか一方のみ(単方向)で搖動稼働することや、対としない片側コイルのみにより搖動稼働とする等、必要に応じて様々な変形が可能である。
前側側面ヨーク509aは、搖動用コイル504のZ方向前方に配置される。つまり、前側側面ヨーク509aのZ方向下方には、移動用コイル504及び永久磁石505の前側側面505bが順に配置され、それぞれが空隙を隔ててZ方向に対向する。また、中間ヨーク509bは移動用コイル503の四隅部503sの内側に配置され、四隅部503sと空隙を隔てて径方向に対向する。
前側移動用バネ部材507Aは、Z方向とは直角な方向に延在し、4つに分割された円弧状の内側保持部507Aaと、対角位置で2つに分割された四角枠状の外側保持部507Abと、周方向に蛇行しながら径方向に延長して内側保持部507Aa及び外側保持部507Abとを連結する4本の腕部507Acとを備える。後側移動用バネ部材507Bは、Z方向とは直角な方向に延在し、4つに分割された円弧状の内側保持部507Baと、四角枠の角部で分割された短冊状の外側保持部507Bbと、周方向に蛇行しながら径方向に延長して内側保持部507Ba及び外側保持部507Bbとを連結する4本の腕部507Bcとを備える。これらの腕部507Ac,507Bcが、キャリアホルダ502をベース508に懸架するためのバネとして機能する。
そして、移動用コイル503に通電すれば移動用コイル503に+Z方向のローレンツ力が生じ、キャリアホルダ502は移動用バネ部材507の−Z方向の復元力と釣り合った位置までZ方向前方に移動する。従って、キャリアホルダ502に懸架支持されたレンズキャリア501をキャリアホルダ502と共にZ方向前方に移動させることができる。
このため、カメラの姿勢を変化させても搖動用バネ部材506の撓み変形が少ないのでレンズの中心ずれを小さくすることができる。従って、位置検出手段やずれ補正制御回路等の追加部品の搭載が不要となり、小型化やコスト低減、低消費電力化が可能となる。
複数の部材を組み合わせた幾つかのセミアッシーを組み立てた後、単品の部材及びセミアッシーを順次組み上げて手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置500を完成させる。
まず、レンズキャリア501の搖動用コイル保持部501bの後側面に搖動用コイル504を装着してレンズキャリアアッシーとする。
さらに四角枠状のマグネットホルダ512の内壁に設けた4箇所の凹部512aに永久磁石505をそれぞれ挿入してマグネットアッシーとする。
また、後側キャリアホルダ502Bの移動用コイル保持部502sに移動用コイル503を装着し、搖動用バネ部材接続部502aに4本の搖動用バネ部材506の後端部を接続し、後側移動用バネ部材507Bにおける内側保持部507Baの前側面を後側キャリアホルダ502Bの後側面に接続してキャリアホルダアッシーとする。
また、ベース508のX側縁部に端子510を装着し、後側スペーサ511をベース508の前側の面に取付けてベースアッシーとする。端子510は、図示しない外部の電源に接続され、移動用コイル503及び搖動用コイル504に稼働電流を供給する。
すなわち、ベースアッシー上にキャリアホルダアッシーを積み上げ、キャリアホルダアッシーに接続された後側移動用バネ部材507Bの外側保持部507Bbを後側スペーサ511に接続する。その上にマグネットアッシーを乗せて、後側スペーサ511とマグネットホルダ512の後端部とにより後側移動用バネ部材507Bの外側保持部507Bbを挟持する。
次に、レンズキャリアアッシーをキャリアホルダアッシーの内側に挿入し、搖動用バネ部材506の前端部をレンズキャリア501の搖動用コイル保持部501bに接続する。そして、前側キャリアホルダ502Aをレンズキャリア501の前側に配置し、後側キャリアホルダ502Bの移動用コイル保持部502sの先端部と接続する。これらの前方に磁気ヨーク509を配置して中間ヨーク509bを移動用コイル503の四隅部503sの内側に挿入し、前側側面ヨーク509aの後側面をマグネットホルダ512の四隅部の突出部512bの先端に接続する。
次に、前側移動用バネ部材507Aを前側キャリアホルダ502Aの前側に配置して、内側保持部507Aaの後側面を前側キャリアホルダ502Aの前端面に接続し、外側保持部507Abの後側面を前側側面ヨーク509aの前側面に接続する。そして、前側移動用バネ部材507Aの前面にカバー513を乗せて、前側移動用バネ部材507Aの外側保持部507Abを前側側面ヨーク509aとカバー513とにより挟持する。最後にシールドケース514を被せて、組み上げた部材全体を覆うことにより、カメラ内外への電磁波の入出射を防ぐとともに、外力による上記部材の損傷や変形を防止する。
また、X側及びY側搖動用コイル504X,504Yに同時に通電すれば、X側及びY側搖動用コイル504X,504Yへの通電量の大きさに応じて適切なX,Y合成方向に搖動部を効率よく搖動させることができる。
また、磁気ヨーク509に中間ヨーク509bを設けて移動用コイル503の四隅部503sの内側に挿入すれば、図15(b)に示すように、永久磁石505の磁極面505aの隅部から生じる磁束Pを中間ヨーク509bに集め、案内部509c及び前側側面ヨーク509aの外周部を介して反対側の磁極面505cに導くことができる。これにより、移動用コイル503の隅部503sに逆向きで印加される磁束Qが抑制されるので、隅部503sに生じる−Z方向を向いたローレンツ力を抑えることができ、移動用コイル503の推進効率、すなわちオートフォーカス駆動の効率を高めることができる。
また、永久磁石505の前側側面505bがZ軸方向に巻回された搖動用コイル504に空隙を隔てて対向しているので、搖動用コイル504に印加される磁束密度Bが高くなるため、効率よく搖動稼働させることができる。これにより、バネ係数の大きな搖動用バネ部材506を使用することができるので搖動用バネ部材506の撓み変形を少なくすることができる。
また、前側側面ヨーク509aが永久磁石505の前側側面505bの前方でベース508側に装着されているので、搖動部の質量を増加させることなく搖動用コイル504に印加される磁束密度Bを一層増大させることができ、搖動用コイル504に生じる搖動推力がさらに高まる。このため、搖動用バネ部材506のバネ係数をさらに高めることができるので搖動用バネ部材506の撓み変形をさらに少なくすることが可能となる。
そのため本発明によれば、カメラの姿勢変化によるレンズの中心ずれが少ない手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置500を提供でき、位置検出手段やずれ補正制御回路等の追加部品の搭載が不要となり、小型化やコスト低減、低消費電力化が可能となる。
また、中間ヨーク509bが移動用コイル503の四隅部503sの内周側に設けられているので、移動用コイル503の四隅部503sに印加される逆向きの磁束Qを抑制でき、移動用コイル503に生じる移動推力、すなわちオートフォーカス駆動の効率を高めることができる。このため、低電力でフォーカス駆動が可能となり、低消費電力化が可能となる。
また、図20に示すように、永久磁石505の前方にX側搖動用コイル504XとY側搖動用コイル504Yとよりなる搖動用コイル504を配置し、永久磁石505の後方に後方X側搖動用コイル524Xと後方Y側搖動用コイル524Yとよりなる後方搖動用コイル524をそれぞれ配置するようにしてもよい。これらの場合も搖動用コイル504,後方搖動用コイル524は、Z方向に巻回されてレンズキャリア501に装着され、巻回正面が永久磁石505の前側側面505bや後側側面505cに空隙を隔てて対向する位置に配設されればよい。
102 キャリアホルダ、103 移動用コイル、104 搖動用コイル、
105 永久磁石、106 搖動用バネ部材、107 移動用バネ部材、
108 ベース、109 磁気ヨ−ク。
Claims (4)
- 被写体方向をZ方向前方として、Z方向を光軸とするレンズを保持するレンズキャリアと、キャリアホルダと、永久磁石と、移動用コイルと、搖動用コイルと、ベースと、移動用バネ部材と、搖動用バネ部材とを備え、
前記搖動用バネ部材は、Z方向に延在して一方の端部が前記キャリアホルダ側に接続され、他方の端部が前記レンズキャリア側に接続され、
前記移動用バネ部材は、Z軸とは直角な方向に延在して一方の端部が前記キャリアホルダ側に接続され、他方の端部が前記ベース側に接続され、
前記移動用コイルはZ方向に巻回されて前記キャリアホルダに装着され、
前記搖動用コイルは、Z方向と直角な方向に巻回されて前記移動用コイルの径方向外側において前記レンズキャリアに装着され、
前記永久磁石は、前記搖動用コイルの外側において磁極面を内側に向けて前記ベース側に装着され、
前記搖動用コイルの巻回正面は前記永久磁石の前記磁極面と空隙を隔てて対向し、
前記移動用コイルの巻回側面は、前記搖動用コイルの空心開口部において前記永久磁石の前記磁極面と空隙を隔てて対向していることを特徴とする手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置。 - 被写体方向をZ方向前方として、Z方向を光軸とするレンズを保持するレンズキャリアと、キャリアホルダと、永久磁石と、移動用コイルと、搖動用コイルと、ベースと、移動用バネ部材と、搖動用バネ部材とを備え、
前記搖動用バネ部材は、Z方向に延在して一方の端部が前記キャリアホルダ側に接続され、他方の端部が前記レンズキャリア側に接続され、
前記移動用バネ部材は、Z軸とは直角な方向に延在して一方の端部が前記キャリアホルダ側に接続され、他方の端部が前記ベース側に接続され、
前記移動用コイルはZ方向に巻回されて前記キャリアホルダに装着され、
前記搖動用コイルは、Z方向に巻回されて前記永久磁石の前方及び後方のいずれか一方または両方の側において前記レンズキャリアに装着され、
前記永久磁石は、前記移動用コイルの外側において磁極面を内側に向けて前記ベース側に装着され、
前記搖動用コイルの巻回正面は、前記永久磁石の前記磁極面に隣接する側面と空隙を隔てて対向し、
前記移動用コイルの巻回側面は、前記永久磁石の前記磁極面と空隙を隔てて対向していることを特徴とする手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置。 - 側面ヨークが前記永久磁石の前記磁極面に隣接する側面に空隙を隔てて対向し、前記ベース側に保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置。
- 中間ヨークが前記永久磁石の狭隙部において前記移動用コイルの内周側に設けられ、前記ベース側に保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の手振れ抑制機能付きレンズ駆動装置。
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