JP2015004634A - 回転角度検出装置、画像処理装置及び回転角度検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、小型で安価に回転機構の回転角度を検出する。【解決手段】回転角度検出装置1は、複数のホール素子2U、2V、2Wからなる回転検出部2が出力する回転体の回転角度に応じた差動信号に基づいて、振幅検出部5が、その振幅値を検出する。平均化部6が、振幅値検出部5による所定の複数回の検出における振幅値を平均化して補正値を求め、オフセット補正部7が、前記差動信号を該補正値に基づいて補正して補正差動信号を出力する。角度探索部11が、該補正差動信号に基づいて前記回転体の回転角度を検出する。【選択図】 図1
Description
本発明は、回転角度検出装置、画像処理装置及び回転角度検出方法に関し、詳細には、小型で安価に回転体の回転角度を正確に検出する回転角度検出装置、画像処理装置及び回転角度検出方法に関する。
プリンタ装置、ファクシミリ装置、複写装置、スキャナ装置、複合装置等の画像処理装置においては、駆動モータによって駆動機構を駆動することで、画像読取動作や画像形成動作等の画像処理を行うのに必要な各部を所定速度で駆動させている。
そして、駆動モータ等の回転体を意図する速度で回転駆動するために、従来、回転体の回転角度に応じて正弦波状に変化する信号を出力するセンサを回転体の周囲に配置して、回転角度検出装置で、該センサの出力信号に基づいて回転体の回転角度の検出を行なっている。具体的には、センサとして、ホール素子等の磁気センサが用いられ、回転角度検出装置は、該磁気センサの出力信号から逐次探索アルゴリズムを用いて回転体の回転角度の検出を行っている。
ところが、センサの出力信号から逐次探索アルゴリズムを用いて回転体の回転角度を検出しても、センサ自体のオフセットや回転角度検出装置内のオフセットの影響を受けて、検出角度に誤差が生じる。すなわち、センサの不平衡電圧のような正弦波信号の信号オフセットや、逐次探索アルゴリズムを実行するためのオペアンプやコンパレータ等の入力オフセットのような処理回路に存在するオフセットの影響を受けて検出角度に誤差が生じる。
そこで、従来、印加される磁界に応じた電圧を出力するホール素子と、前記ホール素子から出力された電圧を、第1のタイミングと第2のタイミングとで逆極性になるように切り替えて出力するスイッチ回路と、前記スイッチ回路から入力された電圧を増幅して出力する増幅器と、一端が前記増幅器の一方の出力端子に接続され、前記増幅器から出力された電圧を保持する記憶素子と、前記増幅器の他方の出力端子と、前記記憶素子の他端と
の間に接続されたスイッチとを備え、前記第1のタイミングで、前記スイッチが閉じて、前記増幅器から出力された電圧を前記記憶素子に保持させる一方、前記第2のタイミングで、前記スイッチが開いて、前記増幅器の前記他方の出力端子と、前記記憶素子の前記他端との間の電圧が出力されるように構成されるとともに、前記スイッチ回路は、第1の入力用記憶素子と第2の入力用記憶素子とを備え、前記第1のタイミングで、前記ホール素子から出力された電圧を前記第1の入力用記憶素子に保持させるとともに、前記第2の入力用記憶素子に保持された電圧を前記増幅器に出力する一方、前記第2のタイミングで、前記ホール素子から出力された電圧を前記第2の入力用記憶素子に保持させるとともに、前記第1の入力用記憶素子に保持された電圧を前記増幅器に出力するように構成された磁界センサが提案されている(特許文献1参照)。
の間に接続されたスイッチとを備え、前記第1のタイミングで、前記スイッチが閉じて、前記増幅器から出力された電圧を前記記憶素子に保持させる一方、前記第2のタイミングで、前記スイッチが開いて、前記増幅器の前記他方の出力端子と、前記記憶素子の前記他端との間の電圧が出力されるように構成されるとともに、前記スイッチ回路は、第1の入力用記憶素子と第2の入力用記憶素子とを備え、前記第1のタイミングで、前記ホール素子から出力された電圧を前記第1の入力用記憶素子に保持させるとともに、前記第2の入力用記憶素子に保持された電圧を前記増幅器に出力する一方、前記第2のタイミングで、前記ホール素子から出力された電圧を前記第2の入力用記憶素子に保持させるとともに、前記第1の入力用記憶素子に保持された電圧を前記増幅器に出力するように構成された磁界センサが提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、この従来技術は、ホール素子の駆動用端子と信号出力端子を時分割で切り替えることで、正弦波信号の信号成分に対して、オフセットが交互に反転する信号を利用してオフセットをキャンセルしようとしている。
また、従来、少なくとも2つの磁気センサを用い、該各磁気センサから回転体の回転角度に対応して出力されるセンサ出力信号を信号処理部に入力して所定の信号処理を行うことにより、該回転体の回転角度を検出する回転角度センサであって、前記信号処理部は、前記回転体の回転角度に対応して出力される正弦波又は余弦波状のセンサ出力信号の最大値と最小値とをセンサ毎に加算することにより、オフセット値を算出するオフセット算出処理と、該算出されたオフセット値がデジタル値に換算された換算オフセット値を、前記センサ出力信号からセンサ毎に減算することにより、感度誤差を算出する感度誤差算出処理と、前記換算オフセット値を用いて、前記センサ出力信号に含まれるオフセット値を補正するオフセット補正処理と、前記算出された感度誤差がデジタル値に換算された換算感度誤差を用いて、前記オフセット補正されたセンサ出力信号に対して感度補正を行う感度補正処理とを、所定の演算回路に基づいて実行する較正手段と、前記回転体の回転角度と、前記センサ出力信号と、前記オフセット値と、該オフセット値がデジタル値に換算された換算オフセット値と、前記感度誤差と、該感度誤差がデジタル値に換算された換算感度誤差とを、それぞれ一時的に記憶する記憶手段と、前記所定の演算回路によって前記感度補正された後の較正されたセンサ出力信号を用いて、所定の線形補間処理を実行することにより、前記回転体の回転角度を算出する回転角度算出手段とを具えた回転角度センサが提案されている(特許文献2参照)。
すなわち、この従来技術は、正弦波信号の最大値と最小値を検出して、これらの最大値と最小値から正弦波信号のオフセット値を算出して、該オフセット値を用いてオフセットをキャンセルしようとしている。
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、オフセットを適切にかつ安価に除去する上で、改良の必要があった。
すなわち、特許文献1記載の従来技術にあっては、ホール素子の駆動用端子と信号出力端子を時分割で切り替えている。その結果、複数のホール素子の駆動配線を直列に接続することができず、基板上の配線が複雑な状態となり、安定性とコスト面において、改良の必要があった。また、ホール素子を除く回転角度検出装置を1つのIC(Integrated Circuit:集積回路)で構成する場合、ICに対して、ホール素子1つ当たり4端子が必要になるため、ICの端子数が増加してコストが高くつくという問題があった。
また、特許文献2記載の従来技術にあっては、正弦波信号の最大値と最小値のみを用いてオフセットの補正を行っている。したがって、ノイズによる誤検出の影響を受けやすく、精度を向上させる上で、改良の必要があった。また、回転体の偏心等により生じる回転体1回転内の正弦波信号の振幅変動が存在する場合は、その振幅変動の影響を受けて、オフセット量を正しく検出することができず、正確な補正を行うことができない。その結果、角度検出の精度を向上させる上で、改良の必要があった。
そこで、本発明は、オフセットを安価かつ正確に除去して、回転体の回転角度を安価かつ正確に検出することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の回転角度検出装置は、回転体の回転角度に応じて正弦波状に変化するとともに、それぞれ位相の異なる検出信号を出力する状態で配設されている複数の回転検出手段と、所定の回転角度において前記回転検出手段の出力する前記検出信号の振幅値を検出する振幅値検出手段と、前記振幅値検出手段による所定の複数回の検出における振幅値を平均化して補正値を求める補正値生成手段と、前記検出信号を前記補正値に基づいて補正して補正検出信号を出力する補正手段と、前記補正検出信号に基づいて前記回転体の回転角度を検出する回転角度検出手段と、を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、オフセットを安価かつ正確に除去して、回転体の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図13は、本発明の回転角度検出装置、画像処理装置及び回転角度検出方法の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の回転角度検出装置、画像処理装置及び回転角度検出方法の一実施例を適用した回転角度検出装置1の回路構成図である。
図1において、回転角度検出装置1は、回転検出部2、差動部3、量子化部4、振幅検出部5、平均化部6、オフセット補正部7、ベクトル生成部8、回転演算部9、符号判定部10、角度探索部11及びクロック発生部12等を備えている。
回転検出部(回転検出手段)2は、3つのホール素子2U、2V、2Wを備えており、各ホール素子2U、2V、2Wは、例えば、DCブラシレスモータの回転軸等の回転体に取り付けられている。
すなわち、回転駆動検出装置1は、DCブラシレスモータ等の回転軸である回転体を検出対象として、該回転体の回転角度を検出する。
通常、DCブラシレスモータは、相互に120度の位相差を有し、Y字結線されているU相、V相、W相の3相のコイルと、該コイルと対向するとともにS極とN極が交互に並ぶ状態で位置に配置されている永久磁石である回転体とを備えている。DCブラシレスモータは、端子からU相、V相、W相の駆動電流が、回転体の角度に応じて適切に転流されることで、回転駆動される。なお、DCブラシレスモータは、回転体を駆動するためには、磁気センサであるホール素子の検出する差動信号の出力方向及び磁束の方向に対して、垂直に電圧を印加する必要がある。
この回転角度検出装置1及びDCブラシレスモータは、複合装置等の画像処理装置に適用され、回転体の回転軸(図示略)には、画像処理装置の駆動機構が連結される。
そして、上記ホール素子2U、2V、2Wは、回転体の近傍の所定位置に固定配置されており、2対の端子を備えている。ホール素子2U、2V、2Wは、その一方の対に、駆動電圧が印可され、その他方の対から、回転体の磁界に応じて変化するU相、V相、W相の差動信号(検出信号)HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW−をそれぞれ出力する。差動信号HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW−は、その差分が、回転体の回転角度θに対して、次式(1)で示す正弦波形状をしている。
また、差動信号HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW−は、その振幅Au、Av、Awが、ホール素子2U、2V、2Wの素子感度と永久磁石による磁界の強さ等によって決まる係数と、ホール素子2U、2V、2Wを駆動する電圧に比例する。
そして、ホール素子2U、2V、2Wは、通常、上記差動信号HU+、/HU−、HV+/HV−、HW+/HW−をシングルエンド化して、アナログ変換したアナログホール信号が、相互に120度の位相差を持つ正弦波となる位置に固定配置されている。
ホール素子2U、2V、2Wは、駆動電圧が印加される端子対が、直列に接続されており、ホール素子2Uの端子対の一方が、駆動電圧源Vdrvに、ホール素子2Wの端子対の他方が、抵抗R1を介して接地GNDに接続されている。
回転検出部2の各ホール素子2U、2V、2Wは、信号端子対から上記差動信号HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW−を、差動部3へ出力する。
差動部3は、U相差動アンプ31、V相差動アンプ32及びW相差動アンプ33を備えている。U相差動アンプ31には、ホール素子2UからU相差動信号HU+、HU−が、V相差動アンプ32には、ホール素子2VからV相差動信号HV+、HV−が、W相差動アンプ33には、ホール素子2WからW相差動信号HW+、HW−が、それぞれ入力される。
U相差動アンプ31は、式(1)の上段に示したように、U相差動信号HU+、HU−の差分をとって、U相正弦波信号Vuを出力する。
V相差動アンプ32は、式(1)の中段に示したように、U相差動アンプ31と同様に、V相差動信号HV+、HV−の差分を取り、V相正弦波信号Vvを出力する。
W相差動アンプ33は、式(1)の下段に示したように、U相差動アンプ31と同様に、W相差動信号HW+、HW−の差分を取り、W相正弦波信号Vwを出力する。
なお、差動アンプ31、32、33は、倍率、波形の中心をオフセットする演算を加える構成であってもよい。
そして、差動アンプ31、32、33の出力するU相正弦波信号Vu、Vv、Vwは、相互に120度の位相差を有し、回転角度θに対して、図2に示すような波形となっている。なお、図2に示す波形には、後述するオフセットや1回転周期振幅変動は、含まれておらず、簡単のために、3相の正弦波信号Vu、Vv、Vwの振幅Au、Av、Awが等しいものとして示されている。
U相差動アンプ31及びV相差動アンプ32は、それぞれ正弦波信号Vu、Vvを、量子化部4及び振幅検出部5へ出力し、W相差動アンプ33は、W相正弦波信号Vwを振幅検出部5へ出力する。
量子化部4は、U相AD変換器41及びV相AD変換器42を備えており、U相AD変換器41には、U相差動アンプ31から正弦波信号Vuが、V相AD変換器42には、V相差動アンプ32から正弦波信号Vvが、それぞれ入力される。
U相AD変換器41は、後述するサンプルトリガfsが到来するたびに、U相正弦波信号VuをAD(アナログデジタル)変換して、AD変換結果をU相波形データVu_dとしてオフセット補正部7及び振幅検出部5へ出力する。
このU相波形データVu_dは、次式(2)に示すように、U相正弦波信号Vuの値に量子化係数Gqを乗じた値になる。
Vu_d=Gq*Vu・・・(2)
また、V相AD変換器42は、U相AD変換器41と同様の構成であり、サンプルトリガfsが到来するたびに、V相正弦波信号VvをAD変換して、AD変換結果をV相波形データVv_dとしてオフセット補正部7及び振幅検出部5へ出力する。
また、V相AD変換器42は、U相AD変換器41と同様の構成であり、サンプルトリガfsが到来するたびに、V相正弦波信号VvをAD変換して、AD変換結果をV相波形データVv_dとしてオフセット補正部7及び振幅検出部5へ出力する。
このV相波形データVv_dは、次式(3)に示すように、V相正弦波信号Vvの値に量子化係数Gqを乗算した値になる。
Vv_d=Gq*Vv・・・(3)
なお、量子化部4は、2つのAD変換器41、42を用いているが、1つのAD変換器を時分割で交互に使用する構成であってもよい。
なお、量子化部4は、2つのAD変換器41、42を用いているが、1つのAD変換器を時分割で交互に使用する構成であってもよい。
オフセット補正部(補正手段)7は、U相減算器71とV相減算器72を備えている。オフセット補正部7は、U相減算器71に、U相AD変換器41からU相波形データ(検出信号)Vu_dが入力され、V相減算器72に、V相AD変換器42からV相波形データ(検出信号)Vv_dが入力される。
U相減算器71は、次式(4)に示すように、U相波形データVu_dから、後述する平均化部6から入力されるU相補正値Adj_uを減算して、減算結果をU相補正波形データVu_dsとしてベクトル生成部8へ出力する。
Vu_ds=Vu_d−Adj_u・・・(4)
V相減算器72は、次式(5)に示すように、V相波形データVv_dから、平均化部6から入力されるV相補正値Adj_vを減算して、減算結果をV相補正波形データVv_dsとしてベクトル生成部8へ出力する。
V相減算器72は、次式(5)に示すように、V相波形データVv_dから、平均化部6から入力されるV相補正値Adj_vを減算して、減算結果をV相補正波形データVv_dsとしてベクトル生成部8へ出力する。
Vv_ds=Vv_d−Adj_v・・・(5)
そして、振幅検出部(振幅値検出手段)5は、トリガ生成部51、U相正側振幅ラッチ回路52p、U相負側振幅ラッチ回路52n、V相正側振幅ラッチ回路53p及びV相負側振幅ラッチ回路53nを備えている。振幅検出部5は、差動部3からの正弦波信号Vu、Vv、Vwに基づいて、量子化部4からのU相波形データVu_dとV相波形データVv_dの正側ピークと負側ピークに相当するデータである振幅データVu_p、Vu_n、Vv_p、Vv_nを検出して、平均化部6へ出力する。
そして、振幅検出部(振幅値検出手段)5は、トリガ生成部51、U相正側振幅ラッチ回路52p、U相負側振幅ラッチ回路52n、V相正側振幅ラッチ回路53p及びV相負側振幅ラッチ回路53nを備えている。振幅検出部5は、差動部3からの正弦波信号Vu、Vv、Vwに基づいて、量子化部4からのU相波形データVu_dとV相波形データVv_dの正側ピークと負側ピークに相当するデータである振幅データVu_p、Vu_n、Vv_p、Vv_nを検出して、平均化部6へ出力する。
トリガ生成部51は、差動部3から入力される正弦波信号Vu、Vv、Vwに基づいて、量子化部4からの波形データVu_d、Vv_dをサンプリングするタイミングを示す検出トリガtrgu_p、trgu_n、trgv_p、trgv_nを生成する。トリガ生成部51は、生成した検出トリガtrgu_p、trgu_n、trgv_p、trgv_nを、U相正側振幅ラッチ回路52p、U相負側振幅ラッチ回路52n、V相正側振幅ラッチ回路53p及びV相負側振幅ラッチ回路53nへ出力する。
トリガ生成部51は、U相正側検出トリガtrgu_pを、次式(6)で示す条件を満たすタイミングで生成する。
Vv−Vw=0、かつ、Vu≧0・・・(6)
また、トリガ生成部51は、U相負側検出トリガtrgu_nを、次式(7)で示す条件を満たすタイミングで生成する。
また、トリガ生成部51は、U相負側検出トリガtrgu_nを、次式(7)で示す条件を満たすタイミングで生成する。
Vv−Vw=0、かつ、Vu<0・・・(7)
ここで、回転体の1回転当たり正弦波信号が2周期の場合、正弦波信号Vu、Vv、VwとU相検出トリガtrgu_p、trgu_nは、図3に示すような関係にある。すなわち、図3に示すように、U相正側検出トリガtrgu_pは、U相正弦波信号Vuの正側のピークにおいて発生し、U相負側検出トリガtrgu_nは、U相正弦波信号の負側のピークにおいて発生する。
ここで、回転体の1回転当たり正弦波信号が2周期の場合、正弦波信号Vu、Vv、VwとU相検出トリガtrgu_p、trgu_nは、図3に示すような関係にある。すなわち、図3に示すように、U相正側検出トリガtrgu_pは、U相正弦波信号Vuの正側のピークにおいて発生し、U相負側検出トリガtrgu_nは、U相正弦波信号の負側のピークにおいて発生する。
そして、トリガ生成部51は、V相正側トリガtrgv_pと、V相負側トリガtrgv_nについても、上記U相正側検出トリガtrgu_p、U相負側検出トリガtrgu_nの場合の式(6)、式(7)と同様のタイミングで生成し、図3に示すようなタイミングとなる。
なお、各検出トリガtrgu_p、trgu_n、trgv_p、trgv_nは、各相毎の正弦波信号Vu、Vv、Vwの振幅差や後述するオフセットにより理想位置から誤差が生じる。ところが、振幅を検出する正弦波のピーク近傍においては波形変化(微分値)が小さいため、検出トリガの発生するタイミングに多少の誤差が生じても振幅を精度よく検出することができる。
そして、U相振幅ラッチ回路52p、52nは、量子化部4から波形データVu_dが入力され、また、U相検出トリガtrgu_p、trgu_nがトリガ生成部51から入力される。U相振幅ラッチ回路52p、52nは、U相検出トリガtrgu_p、trgu_nが到来するタイミングで、波形データVu_dをラッチして、それぞれU相正側振幅データVu_p、U相負側振幅データVu_nとして平均化部6へ出力する。
また、V相振幅ラッチ回路53p、53nは、量子化部4から波形データVv_dが入力され、また、V相検出トリガtrgv_p、trgv_nがトリガ生成部51から入力される。V相振幅ラッチ回路53p、53nは、V相検出トリガtrgv_p、trgv_nが到来するタイミングで、波形データVv_dをラッチして、それぞれV相正側振幅データVv_p、V相負側振幅データVv_nとして平均化部6へ出力する。
すなわち、振幅検出部5は、回転体の回転角度における所定の等間隔毎に回転検出部2のホール素子2U、2V、2Wの出力する差動信号の振幅値を検出する。
また、振幅検出部5は、差動部3からの正弦波信号Vu、Vv、Vwに基づいて、複数の差動信号である正弦波信号Vu、Vv、Vwを相互に演算した信号がゼロクロスする角度において、回転検出部2であるホール素子2U、2V、2Wの出力する差動信号の振幅値を検出している。
平均化部(補正値生成手段)6は、U相用とV相用の平均化処理器61、62を備えている。U相用平均化処理器61は、U相振幅ラッチ回路52p、52nからU相正側振幅データVu_p、U相負側振幅データVu_nが入力される。U相用平均化処理部61は、これらU相正側振幅データVu_p、U相負側振幅データVu_nに基づいて、U相正弦波信号Vuに含まれているオフセット成分を示すU相補正値(補正値)Adj_uを算出してオフセット補正部7へ出力する。V相用平均化処理器62は、V相振幅ラッチ回路53p、53nからV相正側振幅データVv_p、V相負側振幅データVv_nが入力される。V相用平均化処理部62は、これらV相正側振幅データVv_p、V相負側振幅データVv_nに基づいて、V相正弦波信号Vvに含まれているオフセット成分を示すV相補正値(補正値)Adj_vを算出してオフセット補正部7へ出力する。
そして、平均化部6は、回転体の1回転の整数倍の回転において振幅検出部5が検出する振幅値を平均化して前記補正値であるU相補正値Adj_u、V相補正値Adj_vを求めている。
オフセット補正部7は、上述のように、U相波形データVu_d及びV相波形データVv_dからそれぞれU相補正値Adj_u及びV相補正値Adj_vを減算してオフセット成分を除去した補正検出信号であるU相補正波形データVu_ds及びV相補正波形データVv_dsをベクトル生成部8へ出力する。
ベクトル生成部8は、減算器で構成されているX軸生成部81と加算器で構成されているY軸生成部82を備えており、X軸生成部81及びY軸生成部82にそれぞれU相補正波形データVu_ds及びV相補正波形データVv_dsが入力される。
X軸生成部81は、次式(8)の上段に示すように、U相補正波形データVu_dsからV相補正波形データVv_dsを減算した値に、倍率を乗算して、演算結果をX軸信号Xとして、回転演算部9へ出力する。
Y軸生成部82は、次式(8)の下段に示すように、U相補正波形データVu_dsとV相補正波形データVv_dsを加算して、演算結果をY軸信号Yとして、回転演算部9へ出力する。
なお、本実施例の回転角度検出装置1においては、120度の位相差をもつ2つの正弦波信号Vu、Vvから直交する2つの信号X、Yを生成しているが、2つの正弦波信号Vu、Vvのみに限るものではない。すなわち、直交した2つの信号X、Yを得ることができる場合には、2つ以上の正弦波信号から加減算して信号X、Yを生成したり、正弦波信号Vu、Vvが元々直交しているときには、波形データVu_d、Vv_dをそのままX軸信号X、Y軸信号Yとして、ベクトル生成部8を備えない構成であってもよい。
回転演算部9は、乗算器91、92、減算器93及びメモリ94等を備えている。回転演算部9は、乗算器91に、ベクトル生成部8のX軸生成部81からX軸信号Xが入力され、乗算器92に、ベクトル生成部8のY軸生成部82からY軸信号Yが入力される。回転演算部9は、X軸信号X及びY軸信号Yにより表現されるベクトルを、後述する検出角度θdの値に従って回転変換して、演算結果である回転X軸信号X’、回転Y軸信号Y’により表現される回転ベクトルを符号判定部10へ出力する。なお、図1においては、本実施例では、回転体の回転角度検出を回転Y軸信号Y’のみを用いて行っているため、回転Y軸信号Y’を生成する回路のみが記載されていて、回転X軸信号X’を生成する回路については、記載されていないが、同様の構成で生成することができる。
メモリ94は、不揮発メモリであり、それぞれ1周期を64分割して、振幅を127[LSB]で表す基準正弦波である正弦データdsin及び余弦データdcosを格納している。メモリ94は、後述する角度探索部11の出力する6ビットの語長をもつ検出角度θdが入力され、図6に示すように、該検出角度θdの値に従って、それぞれ対応するデータ値(正弦データdsin、余弦データdcos)を、乗算器91、92へ出力する。
乗算器91、92は、次式(9)の上段2式に示すように、X軸信号Xにメモリ94からの正弦データdsinを、Y軸信号Yにメモリ94からの余弦データdcosを乗算して、演算結果をそれぞれ乗算結果信号Xsin、Ycosとして減算器93へ出力する。なお、回転演算部9は、図示しない回転X軸信号X’用の乗算器において、次式(9)の下段2式に示すように演算して、乗算結果信号Xcos、Ysinを生成する。
Xsin=X*dsin
Ycos=Y*dcos
Xcos=X*dcos・・・(9)
Ysin=Y*dsin
減算器93は、乗算器91、92からの乗算結果信号Xsin、Ycosに対して、次式(10)の下段に示す減算を行って、演算結果を回転Y軸信号Y’として符号判定部10へ出力する。
Ycos=Y*dcos
Xcos=X*dcos・・・(9)
Ysin=Y*dsin
減算器93は、乗算器91、92からの乗算結果信号Xsin、Ycosに対して、次式(10)の下段に示す減算を行って、演算結果を回転Y軸信号Y’として符号判定部10へ出力する。
X’=Xcos+Ysin
Y’=−Xsin+Ycos・・・(10)
なお、式(10)の上段の演算は、上記回転X軸信号X’用の図示しない減算器によって実行される。
Y’=−Xsin+Ycos・・・(10)
なお、式(10)の上段の演算は、上記回転X軸信号X’用の図示しない減算器によって実行される。
符号判定部10は、回転演算部9から回転Y軸信号Y’が入力される。符号判定部10は、図7に示すように、回転X軸信号X’と回転Y軸信号Y’により表される回転ベクトル(X、Y)が、回転の目標であるX軸(Y’=0)を挟んで予め設けられている幅(2×th)の不感帯に対して、上であるか下であるかを判定する。そして、符号判定部10は、この判定を、回転Y軸信号Y’の値のみに基づいて行っている。
すなわち、符号判定部10は、次式(11)に示すように、回転Y軸信号Y’が正側の不感帯幅(+th)以上であると、Hiの上側判定信号UPを、正側の不感帯幅(+th)未満のときには、Loの上側判定信号UPを、それぞれ角度探索部11へ出力する。
そして、このように、符号判定部10は、X軸近傍に不感帯が設けられているため、検出角度θdが頻繁にアップ、ダウンを繰り返すチャタリングを防止することができる。
角度探索部(回転角度検出手段)11は、図8に示すように、トリガfsが入力される毎に、判定信号UP、DNの論理がHiであるか、Loであるかチェックして、検出角度θdのカウントアップとカウントダウンを行って、角度探索する。具体的には、角度探索部11は、トリガfsが入力されたときに、上側判定信号UPの論理がHiであると、検出角度θdを「1」だけカウントを増加させ、下側判定信号DNの論理がLoであると、検出角度θdを「1」だけカウントを減少させて、検出角度θdを出力する。すなわち、角度探索部11は、判定信号UP、DNに基づいて、回転ベクトルが目標位相であるX軸になるまで回転演算部9により該回転ベクトルを回転させて、該回転ベクトルと前記ベクトルとの角度を、回転体の回転角度として検出して検出角度θdを出力する。そして、上記2つの判定信号UP、DNは、上側基準値(+th)及び下側基準値(−th)の設定により、同時にHiとなることはない。
検出角度θdは、角度検出装置1の検出値であり、本実施例の角度検出装置1においては、語調6ビットの繰り返しカウントとなっている。
クロック発生部12は、発振器12aと分周器12b等を備えている。クロック発生部12は、発振器12aが、所定周波数のクロック信号clkを発振出力して、分周器12bが、このクロック信号clkを分周してトリガfsを、角度探索部11等の必要な各部に出力する。
このように、本実施例の回転角度検出装置1は、回転演算部9、符号判定部10及び角度探索部11を有することで、回転X軸信号X’及び回転Y軸信号Y’により表現される回転ベクトルは、X軸信号X及びY軸信号Yにより表現される元のベクトルの位置から、目標であるX軸へ1ステップずつ回転し、X軸近傍まで回転した後は、常にX軸に追従する。この元のベクトルから回転ベクトルへの回転量が検出角度θdであり、回転角度θの検出値である。
そして、回転角度検出装置1は、振幅検出部5が、回転検出部2の出力する2相以上の差動信号に対してそれぞれ振幅データ(振幅値)Vu_p、Vu_n、Vv_p、Vv_nを検出し、平均化部6が、振幅検出部5の検出する2相以上の各差動信号に対する前記振幅データVu_p、Vu_n、Vv_p、Vv_nをそれぞれ平均化してそれぞれ補正値であるU相補正値Adj_u、V相補正値Adj_vを求め、オフセット補正部7が、2相以上の前記各差動信号を、前記各U相補正値Adj_u、V相補正値Adj_vに基づいてそれぞれ補正してそれぞれU相補正波形データVu_ds及びV相補正波形データVv_dsを出力する処理を繰り返し行う。
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例の回転角度検出装置1は、オフセットを安価かつ正確に除去して、回転体の回転角度を安価かつ正確に検出する。
すなわち、回転角度検出装置1は、ホール素子2U、2V、2Wにおける正弦波信号に不平衡電圧という信号オフセットが存在し、また、差動部3の差動アンプ31〜33、量子化部4のAD変換器41、42等に、それぞれ入力オフセット等の回路オフセットが誤差として存在し、検出角度θdの誤差要因となる。
そこで、本実施例の回転角度検出装置1は、これらオフセットをキャンセルするU相補正値Adj_u及びV相補正値Adj_vを、振幅検出部5と平均化部6で生成して、オフセット補正部7で、U相波形データVu_d及びV相波形データVv_dからそれぞれU相補正値Adj_u及びV相補正値Adj_vを減算することでオフセット成分を除去する。
すなわち、回転角度検出装置1は、差動部3が、DCブラシレスモータ等の回転体の回転角度を検出するホール素子2U、2V、2Wの出力する差動信号HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW−の差分をとって、U相正弦波信号Vu、V相正弦波信号Vv、W相正弦波信号Vwを生成する。差動部3は、U相正弦波信号Vu、V相正弦波信号Vvを、量子化部4及び振幅検出部5へ出力し、W相正弦波信号Vwを、振幅検出部5へ出力する。
回転角度検出装置1は、量子化部4で、U相正弦波信号Vu、V相正弦波信号Vvを、サンプルトリガfsに基づいて、AD変換して、U相波形データVu_d及びV相波形データVu_dを生成して、オフセット補正部7及び振幅検出部5へ出力する。このU相波形データVu_d及びV相波形データVu_dには、上記オフセット成分が存在する。
振幅検出部5は、差動部3からの正弦波信号Vu、Vv、Vwに基づいて、量子化部4からのU相波形データVu_dとV相波形データVv_dの正側ピークと負側ピークに相当するデータである振幅データVu_p、Vu_n、Vv_p、Vv_nを平均化部6へ出力する。すなわち、振幅検出部5は、そのトリガ生成部51が、差動部3からの正弦波信号Vu、Vv、Vwに基づいて、量子化部4からの波形データVu_d、Vv_dをサンプリングするタイミングを示す検出トリガtrgu_p、trgu_n、trgv_p、trgv_nを生成する。トリガ生成部51は、上記式(6)及び式(7)を満たすタイミングで検出トリガtrgu_p、trgu_n、trgv_p、trgv_nを生成する。
そして、振幅検出部5は、そのU相振幅ラッチ回路52p、52nが、U相検出トリガtrgu_p、trgu_nの到来するタイミングで、波形データVu_dをラッチして、それぞれU相正側振幅データVu_p、U相負側振幅データVu_nとして平均化部6へ出力する。また、振幅検出部5は、そのV相振幅ラッチ回路53p、53nが、V相検出トリガtrgv_p、trgv_nの到来するタイミングで、波形データVv_dをラッチして、それぞれV相正側振幅データVv_p、V相負側振幅データVv_nとして平均化部6へ出力する。
平均化部6は、そのU相用平均化処理器61が、U相正側振幅データVu_p、U相負側振幅データVu_nに基づいて、U相正弦波信号Vuに含まれているオフセット成分を示すU相補正値Adj_uを算出してオフセット補正部7へ出力する。平均化部6は、そのV相用平均化処理器62が、V相正側振幅データVv_p、V相負側振幅データVv_nに基づいて、V相正弦波信号Vvに含まれているオフセット成分を示すV相補正値Adj_vを算出してオフセット補正部7へ出力する。
そして、オフセット補正部7は、U相波形データVu_d及びV相波形データVv_dからそれぞれU相補正値Adj_u及びV相補正値Adj_vを減算してオフセット成分を除去したU相補正波形データVu_ds及びV相補正波形データVv_dsをベクトル生成部8へ出力する。
ベクトル生成部8は、X軸生成部81及びY軸生成部82によって、U相補正波形データVu_ds及びV相補正波形データVv_dsから、X軸信号X及びY軸信号Yを生成して、回転演算部9へ出力する。
回転演算部9は、X軸信号X及びY軸信号により表現されるベクトルを、検出角度θdの値に従って回転変換して、演算結果である回転X軸信号X’、回転Y軸信号Y’により表現される回転ベクトルを生成し、回転Y軸信号Y’を符号判定部10へ出力する。
符号判定部10は、回転の目標であるX軸(Y’=0)を挟んで予め設けられている幅(2×th)の不感帯に対して、上であるか下であるかを判定し、Hi、Loの判定信号UP、DNを角度探索部11へ出力する。
角度探索部11は、判定信号UP、DNに基づいて、回転ベクトルが目標位相であるX軸になるまで回転演算部9により該回転ベクトルを回転させて、該回転ベクトルと前記ベクトルとの角度を、回転体の回転角度として検出して検出角度θdを出力する。
そして、回転角度検出装置1は、上記平均化部6が、図9に示すように、補正値算出処理を行う。すなわち、平均化部6は、まず、検出周期カウンタのカウントnを初期化し(ステップS101)、正側振幅検出フラグflgu_p、負側振幅検出フラグflgu_nを初期化する(ステップS102)。次に、平均化部6は、検出トリガtrgu_p、trgu_nが到来するのを待つ(ステップS103)。
平均化部6は、検出トリガtrgu_p、trgu_nが到来すると、到来した検出トリガが、正側検出トリガtrgu_pと負側検出トリガtrgu_nのいずれであるかチェックする(ステップS104)。
平均化部6は、ステップS104で、正側検出トリガtrgu_pが到来すると、正側振幅データVu_pをVu_p(n)に保存して、正側検出フラグflgu_pをアサートする(ステップS105)。平均化部6は、正側検出フラグflgu_pをアサートすると、検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされているかチェックする(ステップS106)。
ステップS106で、双方の検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされていないとき(ステップS106で、NOのとき)には、平均化部6は、ステップS103に戻って、同様の処理を行う(ステップS103〜S106)。
ステップS104で、負側検出トリガtrgu_uが到来すると、平均化部6は、負側振幅データVu_nをVu_n(n)に保存し、負側検出フラグflgu_nをアサートする(ステップS107)。平均化部6は、負側検出フラグflgu_nをアサートすると、検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされているかチェックする(ステップS106)。
ステップS106で、双方の検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされていないとき(ステップS106で、NOのとき)には、平均化部6は、ステップS103に戻って、同様の処理を行う(ステップS103〜S107)。
ステップS106で、双方の検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされているとき(ステップS106で、YESのとき)には、平均化部6は、検出周期カウントnを「1」だけインクメントする(ステップS108)。平均化部6は、検出カウントnをインクリメントすると、該検出周期カウントnが1回転当たりの正弦波信号周期数N0に達したかチェックする(ステップS109)。
平均化部6は、ステップS109で、検出カウントnが正弦波信号周期数N0に達していないとき(ステップS109で、NOのとき)には、ステップS102に戻って、上記同様に処理する(ステップS102〜S109)。
平均化部6は、ステップS109で、検出カウントnが正弦波信号周期数N0に達していると(ステップS109で、YESのとき)、U相の場合、次式(13)により補正値Adj_uを算出する(ステップS110)。
平均化部6は、補正値Adj_u、Adj_vを算出すると、ステップS101に戻って、上記同様の処理を繰り返し行う(ステップS101〜S110)。
すなわち、上述のように、実際の正弦波信号には、ホール素子2U、2V、2Wの不平衡電圧や差動部3の差動アンプ31〜33の入力オフセット等のオフセット誤差が存在する。さらに、永久磁石を備える回転体の偏心等に起因して、回転体1回転の周期で正弦波の振幅が変動する誤差が存在する。
これら誤差を含む正弦波信号の波形は、例えば、1回転当たり正弦波が2周期の場合には、図10に示すようになり、次式(14)のように表される。
この場合、例えば、正弦波信号の2点(最大値・最小値)の中点からオフセット補正値を算出すると、図10からも明らかなように、正しいオフセット補正値を得ることができない。
そこで、本実施例の回転角度検出装置1は、振幅検出部5によって、1回転内で略等間隔で検出した正弦波信号のU相正側振幅データVu_p、U相負側振幅データVu_nとV相正側振幅データVv_p、V相負側振幅データVv_nを検出している。そして、平均化部6が、U相正側振幅データVu_p、U相負側振幅データVu_nとV相正側振幅データVv_p、V相負側振幅データVv_nを平均化して、U相補正値Adj_u、V相補正値Adj_vを求めている。
回転角度検出装置1は、オフセット補正部7が、U相波形データVu_d及びV相波形データVv_dからそれぞれU相補正値Adj_u及びV相補正値Adj_vを減算してオフセット成分を除去したU相補正波形データVu_ds及びV相補正波形データVv_dsをベクトル生成部8へ出力する。
したがって、1回転周期の振幅変動の影響を正確に除去することができ、精度の高いオフセット補正を行うことができる。
さらに、本実施例の回転角度検出装置1は、直列接続した3つのホール素子2U、2V、2Wの出力である3相の正弦波信号のオフセットに対して、各相毎に、正弦波信号同士が交差するタイミングで、正弦波信号の振幅をサンプリングして、検出した1回転分の振幅値を平均化して、オフセット補正値Adj_u、Adj_vを算出している。
したがって、端子や配線を増加させることなく、1回転周期の振幅変動の影響を除去してオフセット補正値を精度よく求めることができ、オフセット補正を正確に行って、角度検出の検出精度を向上させることができる。
また、本実施例の回転角度検出装置1は、回転検出部2が出力し、振幅検出部5が複数回検出した差動信号の振幅値を、平均化部6が平均化して補正値を求めて、該補正値に基づいてオフセット補正部7が該差動信号を補正する処理を、繰り返し継続的に実行させている。
したがって、経時的なオフセットの変化をも補正することができ、経時的な角度検出精度の悪化を防ぐことができる。
なお、回転角度検出装置1は、電源の投入直後等においては、図11に示す初期補正値算出処理を行い、その後、図9に示した補正値算出処理を行う。
すなわち、平均化部6は、電源の投入等が行われると、まず、検出周期カウンタのカウントnを初期化し(ステップS201)、正側振幅検出フラグflgu_p、負側振幅検出フラグflgu_nを初期化する(ステップS202)。次に、平均化部6は、検出トリガtrgu_p、trgu_nが到来するのを待つ(ステップS203)。
平均化部6は、検出トリガtrgu_p、trgu_nが到来すると、到来した検出トリガが、正側検出トリガtrgu_pと負側検出トリガtrgu_nのいずれであるかチェックする(ステップS204)。
平均化部6は、ステップS204で、正側検出トリガtrgu_pが到来すると、正側振幅データVu_pをVu_p(n)に保存して、正側検出フラグflgu_pをアサートする(ステップS205)。平均化部6は、正側検出フラグflgu_pをアサートすると、検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされているかチェックする(ステップS206)。
ステップS206で、検出フラグflgu_p、flgu_nのうち少なくとも一方がアサートされていないとき(ステップS206で、NOのとき)には、平均化部6は、ステップS203に戻って、同様の処理を行う(ステップS203〜S206)。
ステップS204で、負側検出トリガtrgu_uが到来すると、平均化部6は、負側振幅データVu_nをVu_n(n)に保存し、負側検出フラグflgu_nをアサートする(ステップS207)。平均化部6は、負側検出フラグflgu_nをアサートすると、検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされているかチェックする(ステップS206)。
ステップS206で、検出フラグflgu_p、flgu_nのうち少なくとも一方がアサートされていないとき(ステップS206で、NOのとき)には、平均化部6は、ステップS203に戻って、同様の処理を行う(ステップS203〜S207)。
ステップS206で、双方の検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされているとき(ステップS206で、YESのとき)には、平均化部6は、検出周期カウントnを「1」だけインクメントする(ステップS208)。平均化部6は、検出カウントnをインクリメントすると、U相の場合、次式(15)により初期補正値Adj_uを算出する。
平均化部6は、初期補正値Adj_u、Adj_vを算出すると、該検出周期カウントnが1回転当たりの正弦波信号周期数N0に達したかチェックする(ステップS210)。
平均化部6は、ステップS210で、検出カウントnが正弦波信号周期数N0に達していないとき(ステップS210で、NOのとき)には、ステップS202に戻って、上記同様に処理する(ステップS202〜S210)。
平均化部6は、ステップS210で、検出カウントnが正弦波信号周期数N0に達していると(ステップS210で、YESのとき)、初期補正値算出処理を終了する。
回転角度検出装置1は、この初期補正値算出処理において、平均化部6が、振幅検出部5の検出する前記振幅値が所定の複数回になるまでは、該振幅検出部5が既に検出している該振幅値に基づいて初期補正値Adj_u、Adj_vを算出し、該振幅値が該所定の複数回に達すると、該所定の複数回の振幅値に基づいて該初期補正値Adj_u、Adj_vを算出する。
このようにすると、回転体の回転開始後、速やかにオフセットを低減することができ、回転体の回転開始直後から回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
そして、平均化部6は、その平均化処理器61、62、例えば、平均化処理器61が、図12に示すような移動平均フィルタであってもよい。なお、以下の説明では、U相用の平均化処理器61について説明するが、V相用の平均化処理器62も同様である。
すなわち、平均化処理器61は、加算器61a、N0個のラッチ回路61b、N0―1個の加算器61c及び除算器61dを備えており、各ラッチ回路61bに、フィルタトリガfsaが入力される。
加算器61aは、U相正側振幅データVu_p、U相負側振幅データVu_nが入力され、これらU相正側振幅データVu_p、U相負側振幅データVu_nを加算して、直列接続された先頭のラッチ回路61bへ出力する。
ラッチ回路61bは、上記N0個が直列に接続され、フィルタトリガfsaが入力される毎に、加算器61aの出力または上段のラッチ回路61bの出力を順次ラッチして後段のラッチ回路61bへ出力するとともに、加算器61cへ出力する。
各加算器61cは、直列接続されている相前後する2段のラッチ回路61bの出力が入力され、2つのラッチ回路61bの出力を加算して次段の加算器61cまたは除算器61dへ出力する。
除算器61は、最終段の加算器61cの出力に、1/(2*N0)を乗算することで、平均化し、補正値Adj_uとして出力する。
すなわち、平均化処理器61は、フィルタトリガfsaをベースとして、回転体の1回転当たりの正弦波周期数N0個の時系列データの単純平均をとって、補正値Adj_uを生成する。また、平均化処理器62は、平均化処理器61と同様の構成であって、同様の処理を行うことで、補正値Adj_vを生成する。
そして、平均化処理器61、62は、平均化処理器61の場合について、図13に示すようなフィルタトリガ生成処理を内部で行って、フィルタトリガfsaを生成する。なお、平均化処理器62も図13と同様のフィルタトリガ生成処理を行ってフィルタトリガfsaを生成する。
図13において、平均化処理器61は、正側振幅検出フラグflgu_p、負側振幅検出フラグflgu_nを初期化し(ステップS301)、検出トリガtrgu_p、trgu_nが到来するのを待つ(ステップS302)。
平均化処理器61は、検出トリガtrgu_p、trgu_nが到来すると、到来した検出トリガが、正側検出トリガtrgu_pと負側検出トリガtrgu_nのいずれであるかチェックする(ステップS303)。
平均化処理器61は、ステップS303で、正側検出トリガtrgu_pが到来すると、正側検出フラグflgu_pをアサート(flgu_p=1)する(ステップS304)。
平均化処理器61は、正側検出フラグflgu_pをアサートすると、検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサート(flgu_p=flgu_n=1)されているかチェックする(ステップS305)。
ステップS305で、双方の検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされていないとき(ステップS305で、NOのとき)には、平均化処理器61は、ステップS302に戻って、同様の処理を行う(ステップS302〜S305)。
ステップS303で、負側検出トリガtrgu_uが到来すると、平均化処理器61は、負側検出フラグflgu_nをアサート(flgu_n=1)する(ステップS306)。
平均化処理器61は、負側検出フラグflgu_nをアサートすると、検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされているかチェックする(ステップS305)。
ステップS305で、双方の検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされていないときには、平均化処理器61は、ステップS302に戻って、同様の処理を行う(ステップS302〜S306)。
ステップS305で、双方の検出フラグflgu_p、flgu_nがともにアサートされているとき(ステップS305で、YESのとき)には、平均化処理器61は、フィルタトリガfsaを発生させる(ステップS307)。
平均化処理器61は、フィルタトリガfsaを発生させると、ステップS301に戻って、正側振幅検出フラグflgu_p、負側振幅検出フラグflgu_nの初期化から上記同様に処理する(ステップS301〜S307)。
このようにすると、オフセット補正値を算出する平均化部6での平均化処理を移動平均フィルタを用いた移動平均法により処理することができ、正弦波信号の振幅検出1回毎にオフセット補正値を更新することができる。その結果、オフセット補正値の更新時に検出角度の大きな変化を防止して、滑らかに補正することができる。すなわち、オフセット補正時において、検出角度の急峻な変化を防止することができる。
このように、本実施例の回転角度検出装置1は、回転体の回転角度に応じて正弦波状に変化するとともに、それぞれ位相の異なるU相、V相、W相の差動信号(検出信号)HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW−を出力する状態で配設されている複数のホール素子2U、2V、2Wからなる回転検出部(回転検出手段)2と、所定の回転角度において回転検出部2の出力する前記差動信号の振幅値であるU相正側振幅データVu_p、V相負側振幅データVv_nを検出する振幅検出部(振幅値検出手段)5と、振幅検出部5による所定の複数回の検出における振幅値であるU相正側振幅データVu_p、V相負側振幅データVv_nを平均化して補正値であるU相補正値Adj_u、V相補正値Adj_vを求める平均化部(補正値生成手段)6と、前記差動信号を前記補正値であるであるU相補正値Adj_u、V相補正値Adj_vに基づいて補正して補正検出信号であるU相補正波形データVu_ds及びV相補正波形データVv_dsを出力するオフセット補正部(補正手段)7と、前記補正検出信号に基づいて前記回転体の回転角度を検出する角度探索部(回転角度検出手段)11と、を備えている。
したがって、端子数や配線の数を増やすことなく、補正値を得ることができる。その結果、簡単な構成で安価に、かつ、正確にオフセットを除去することができ、回転体の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
また、本実施例の回転角度検出装置1は、DCモータの回転軸等の回転体の回転角度を回転角度検出部で検出して該回転体を回転制御し、該回転体の回転を利用して駆動機構を駆動させて各種画像処理を施すプリンタ装置、複合装置等の画像処理装置において、前記回転角度検出部として、適用されている。
したがって、DCモータの回転軸等の回転角度を安価かつ正確に検出することができ、画像処理装置を安価なものとすることができるとともに、適切な画像処理を行うことができる。
さらに、本実施例の回転角度検出装置1は、回転体の回転角度に応じて正弦波状に変化するとともに、それぞれ位相の異なるU相、V相、W相の差動信号(検出信号)HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW−を出力する状態で配設されている複数のホール素子2U、2V、2Wからなる回転検出部(回転検出手段)2が、所定の回転角度において出力する該検出信号のであるU相正側振幅データVu_p、V相負側振幅データVv_nを検出する振幅値検出処理ステップと、前記振幅値検出処理ステップによる所定の複数回の検出における振幅値を平均化して補正値であるU相補正値Adj_u、V相補正値Adj_vを求める補正値生成処理ステップと、前記差動信号を前記補正値であるU相補正値Adj_u、V相補正値Adj_vに基づいて補正して補正検出信号であるU相補正波形データVu_ds及びV相補正波形データVv_dsを出力する補正処理ステップと、該補正検出信号に基づいて前記回転体の回転角度を検出する回転角度検出処理ステップと、を有する回転角度検出方法を実行している。
したがって、端子数や配線の数を増やすことなく、補正値を得ることができる。その結果、簡単な構成で安価に、かつ、正確にオフセットを除去することができ、回転体の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
また、本実施例の回転角度検出装置1は、前記振幅検出手段である振幅検出部5が、前記回転角度における所定の等間隔毎に前記回転検出部2の出力する前記差動信号の振幅値を検出している。
したがって、より正確にオフセット成分を除去することができ、回転体の回転角度を安価かつより正確に検出することができる。
さらに、本実施例の回転角度検出装置1は、補正値生成手段である平均化部6が、前記回転体の1回転の整数倍の回転において振幅検出部5が検出する振幅値(U相正側振幅データVu_p、V相負側振幅データVv_n)を平均化して前記補正値(U相補正値Adj_u、V相補正値Adj_v)を求めている。
したがって、正弦波状に変化する差動信号における回転体1回転内の振幅変動の影響をキャンセルすることができ、より一層簡単かつ正確に回転体の回転角度を安価かつより正確に検出することができる。
また、本実施例の回転角度検出装置1は、補正値生成手段である平均化部6が、前記振幅検出部5の検出する前記振幅値が前記所定の複数回になるまでは、該振幅検出部5が既に検出している該振幅値に基づいて前記補正値を算出し、該振幅値が該所定の複数回に達すると、該所定の複数回の振幅値に基づいて該補正値を算出する。
したがって、回転体の回転開始後、速やかにオフセットを低減することができ、回転体の回転開始直後から回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
さらに、本実施例の回転角度検出装置1は、前記振幅検出部5が、複数の前記検出信号を相互に演算した信号がゼロクロスする角度において、前記回転検出部2の出力する前記差動信号の振幅値を検出している。
したがって、より一層簡単な構成でオフセットを検出することができ、より一層簡単かつ正確に回転体の回転角度を安価かつより正確に検出することができる。
また、本実施例の回転角度検出装置1は、前記振幅検出部5が、前記回転検出部2の出力する2相以上の前記差動信号に対してそれぞれ前記振幅値を検出し、前記平均化部6が、前記振幅検出部5の検出する2相以上の各前記差動信号に対する前記振幅値をそれぞれ平均化してそれぞれ前記補正値を求め、前記オフセット補正部7が、2相以上の前記各差動信号を、前記各補正値に基づいてそれぞれ補正してそれぞれ前記補正検出信号を出力する。
したがって、2相以上の差動信号を補正することができ、回転体の回転角度の検出精度をより一層向上させることができる。
さらに、本実施例の回転角度検出装置1は、前記回転検出部2が出力し、前記振幅検出部5が複数回検出した前記差動信号の振幅値を、前記平均化部6が平均化して前記補正値を求めて、該補正値に基づいて前記オフセット補正部7が該差動信号を補正する処理を、繰り返し実行させている。
したがって、温度変化等のオフセットの経時変化に対しても補正することができ、回転体の回転角度の検出精度をより一層向上させることができる。
また、本実施例の回転角度検出装置1は、前記平均化部6が、前記振幅検出部5による複数回の検出における前記振幅値を、移動平均法で平均化して前記補正値を求めている。
したがって、正弦波状の差動信号の振幅検出1回毎にオフセットの補正値を更新することができ、オフセット補正時における検出角度の大きな変化を防止することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 回転角度検出装置
2 回転検出部
2U、2V、2W ホール素子
3 差動部
31 U相差動アンプ
32 V相差動アンプ
33 W相差動アンプ
4 量子化部
41 U相AD変換器
42 V相AD変換器
5 振幅検出部
51 トリガ生成部
52p U相正側振幅ラッチ回路
52n U相負側振幅ラッチ回路
53p V相正側振幅ラッチ回路
53n V相負側振幅ラッチ回路
6 平均化部
61、62 平均化処理器
61a 加算器
61b ラッチ回路
61c 加算器
61d 除算器
7 オフセット補正部
8 ベクトル生成部
81 X軸生成部
82 Y軸生成部
9 回転演算部
91、92 乗算器
93 減算器
94 メモリ
10 符号判定部
11 角度探索部
12 クロック発生部
12a 発振器
12b 分周器
HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW− 差動信号
Au、Av、Aw 振幅
Vu、Vv、Vw 正弦波信号
Vu_d U相波形データ
Vv_d V相波形データ
fs サンプルトリガ
Adj_u U相補正値
Adj_v V相補正値
Vu_ds U相補正波形データ
Vv_ds V相補正波形データ
trgu_p、trgu_n、trgv_p、trgv_n 検出トリガ
Vu_ds U相補正波形データ
Vv_ds V相補正波形データ
θd 検出角度
2 回転検出部
2U、2V、2W ホール素子
3 差動部
31 U相差動アンプ
32 V相差動アンプ
33 W相差動アンプ
4 量子化部
41 U相AD変換器
42 V相AD変換器
5 振幅検出部
51 トリガ生成部
52p U相正側振幅ラッチ回路
52n U相負側振幅ラッチ回路
53p V相正側振幅ラッチ回路
53n V相負側振幅ラッチ回路
6 平均化部
61、62 平均化処理器
61a 加算器
61b ラッチ回路
61c 加算器
61d 除算器
7 オフセット補正部
8 ベクトル生成部
81 X軸生成部
82 Y軸生成部
9 回転演算部
91、92 乗算器
93 減算器
94 メモリ
10 符号判定部
11 角度探索部
12 クロック発生部
12a 発振器
12b 分周器
HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW− 差動信号
Au、Av、Aw 振幅
Vu、Vv、Vw 正弦波信号
Vu_d U相波形データ
Vv_d V相波形データ
fs サンプルトリガ
Adj_u U相補正値
Adj_v V相補正値
Vu_ds U相補正波形データ
Vv_ds V相補正波形データ
trgu_p、trgu_n、trgv_p、trgv_n 検出トリガ
Vu_ds U相補正波形データ
Vv_ds V相補正波形データ
θd 検出角度
Claims (10)
- 回転体の回転角度に応じて正弦波状に変化するとともに、それぞれ位相の異なる検出信号を出力する状態で配設されている複数の回転検出手段と、
所定の回転角度において前記回転検出手段の出力する前記検出信号の振幅値を検出する振幅値検出手段と、
前記振幅値検出手段による所定の複数回の検出における振幅値を平均化して補正値を求める補正値生成手段と、
前記検出信号を前記補正値に基づいて補正して補正検出信号を出力する補正手段と、
前記補正検出信号に基づいて前記回転体の回転角度を検出する回転角度検出手段と、
を備えていることを特徴とする回転角度検出装置。 - 前記振幅値検出手段は、
前記回転角度における所定の等間隔毎に前記回転検出手段の出力する前記検出信号の振幅値を検出することを特徴とする請求項1記載の回転角度検出装置。 - 前記補正値生成手段は、
前記回転体の1回転の整数倍の回転において前記振幅値検出手段が検出する振幅値を平均化して前記補正値を求めることを特徴とする請求項1または請求項2記載の回転角度検出装置。 - 前記補正値生成手段は、
前記振幅値検出手段の検出する前記振幅値が前記所定の複数回になるまでは、該振幅値検出手段が既に検出している該振幅値に基づいて前記補正値を算出し、該振幅値が該所定の複数回に達すると、該所定の複数回の振幅値に基づいて該補正値を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の回転角度検出装置。 - 前記振幅値検出手段は、
複数の前記検出信号を相互に演算した信号がゼロクロスする角度において、前記回転検出手段の出力する前記検出信号の振幅値を検出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の回転角度検出装置。 - 前記振幅値検出手段は、
前記回転検出手段の出力する2相以上の前記検出信号に対してそれぞれ前記振幅値を検出し、
前記補正値生成手段は、
前記振幅値検出手段の検出する2相以上の各前記検出信号に対する前記振幅値をそれぞれ平均化してそれぞれ前記補正値を求め、
前記補正手段は、
2相以上の前記各検出信号を、前記各補正値に基づいてそれぞれ補正してそれぞれ前記補正検出信号を出力することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の回転角度検出装置。 - 前記回転角度検出装置は、
前記回転検出手段が出力し、前記振幅値検出手段が複数回検出した前記検出信号の振幅値を、前記補正値生成手段が平均化して前記補正値を求めて、該補正値に基づいて前記補正手段が該検出信号を補正する処理を、繰り返し実行させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の回転角度検出装置。 - 前記補正値生成手段は、
前記振幅値検出手段による複数回の検出における前記振幅値を、移動平均法で平均化して前記補正値を求めることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の回転角度検出装置。 - 回転体の回転角度を回転角度検出部で検出して該回転体を回転制御し、該回転体の回転を利用して駆動機構を駆動させて各種画像処理を施す画像処理装置において、
前記回転角度検出部は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の回転角度検出装置であることを特徴とする画像処理装置。 - 回転体の回転角度に応じて正弦波状に変化するとともに、それぞれ位相の異なる検出信号を出力する状態で配設されている複数の回転検出手段が、所定の回転角度において出力する該検出信号の振幅値を検出する振幅値検出処理ステップと、
前記振幅値検出処理ステップによる所定の複数回の検出における振幅値を平均化して補正値を求める補正値生成処理ステップと、
前記検出信号を前記補正値に基づいて補正して補正検出信号を出力する補正処理ステップと、
前記補正検出信号に基づいて前記回転体の回転角度を検出する回転角度検出処理ステップと、
を有することを特徴とする回転角度検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013131323A JP2015004634A (ja) | 2013-06-24 | 2013-06-24 | 回転角度検出装置、画像処理装置及び回転角度検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013131323A JP2015004634A (ja) | 2013-06-24 | 2013-06-24 | 回転角度検出装置、画像処理装置及び回転角度検出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015004634A true JP2015004634A (ja) | 2015-01-08 |
Family
ID=52300650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013131323A Pending JP2015004634A (ja) | 2013-06-24 | 2013-06-24 | 回転角度検出装置、画像処理装置及び回転角度検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015004634A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111630351A (zh) * | 2018-01-11 | 2020-09-04 | 三菱电机株式会社 | 旋转角度检测装置 |
-
2013
- 2013-06-24 JP JP2013131323A patent/JP2015004634A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111630351A (zh) * | 2018-01-11 | 2020-09-04 | 三菱电机株式会社 | 旋转角度检测装置 |
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