JP2015132593A - 回転角度検出装置、回転角度検出方法及び画像形成装置 - Google Patents

回転角度検出装置、回転角度検出方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、少ない構成要素で安価に回転体の回転角度を正確に検出する。
【解決手段】回転角度検出装置1は、回転体の回転角度に応じて変化するとともに、それぞれ位相の異なる複数の検出信号を出力する状態で配設されている複数のホール素子20a、20bの出力する2つ以上の検出信号に基づいて、角度探索部KTが、該回転体の回転角度θを検出して検出角度θpとして出力する。回転角度検出装置1は、擬似3次高調波生成部14が、該検出角度θpを所定倍した倍角検出角度に基づいて、擬似3次高調波を生成し、演算部3が、前記検出信号と該擬似3次高調波を演算して、該検出信号から高調波を除去して角度探索部KTへ出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転角度検出装置、回転角度検出方法及び画像形成装置に関し、詳細には、少ない構成要素で安価に回転体の回転角度を正確に検出する回転角度検出装置、回転角度検出方法及び画像形成装置に関する。
プリンタ装置、ファクシミリ装置、複写装置、スキャナ装置、複合装置等の画像処理装置においては、駆動モータによって駆動機構を駆動することで、画像読取動作や画像形成動作等の画像処理を行うのに必要な各部を所定速度で駆動させている。
画像処理装置は、駆動モータを意図する速度で回転駆動するために、従来、回転角度検出部として、磁気検出素子を備えた磁気式エンコーダを用いて、回転体の回転を検出している。
そして、従来、回転体に固定され、且つ、前記回転体の回転軸と垂直な一方向に磁化された円板状の永久磁石と、前記永久磁石の半径方向または軸方向に空隙を介して対向するように固定体に配置された磁界検出素子と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダにおいて、前記磁界検出素子は、前記回転体の回転中心に対して同心円状に配置されると共に、互いに周方向に機械角で60度位相がずれている2個1対の磁界検出素子を互いに機械角で180度位相をずらした位置に3対設けてあり、前記信号処理回路は、互いに180度位相をずらして対向する1対の磁界検出素子同士の出力信号の差を取ることにより偶数次の高調波成分を除去すると共に、前記3対の磁界検出素子に対して3個設けられた第1差動増幅器と、前記3個の第1差動増幅器により偶数次の高調波成分を除去した差動出力信号を任意に二つずつ組み合わせることにより、前記偶数次の高調波成分を除去した後の差動出力信号に含まれる3次の高調波成分を除去する第2差動増幅器と、前記第2差動増幅器で得た信号から回転角の絶対位置を演算する角度演算回路とより構成してある磁気式エンコーダが提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、この従来技術は、磁気検出素子が、回転体の回転中心に対して、同心円状に配置されるとともに、相互に周方向において機械角で、60度位相がずれている2個を1対として、相互に機械角で、180度位相がずれた状態で3対高精度に配置されていることを、前提としている。そして、この従来技術は、相対向する1対の磁気検出素子同士の出力信号の差をとることで、偶数次の高調波成分を除去し、高調波成分を除去した差動出力信号のうち任意の2つの信号の差をとることで、3次高調波成分を除去して、角度検出精度の向上を図っている。
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、磁気検出素子が、回転体の回転中心に対して、同心円状に配置されるとともに、相互に周方向において機械角で、60度位相がずれている2個を1対として、相互に機械角で、180度位相がずれた状態で3対高精度に配置されていることが前提となっている。したがって、磁気検出素子の出力する信号に含まれている3次高調波を正確に除去するためには、部品の高精度な取付精度が要求され、大型化するとともに、コストが高くつくという問題があった。
そこで、本発明は、より少ない回転検出手段で回転体の回転角度を安価かつ正確に検出することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の回転角度検出装置は、回転体の回転角度に応じて変化するとともに、それぞれ位相の異なる複数の検出信号を出力する状態で配設されている複数の回転検出手段と、2つ以上の前記検出信号に基づいて前記回転体の回転角度を検出して検出角度として出力する角度探索手段と、前記検出角度を所定倍した倍角検出角度に基づいて、擬似高調波を生成する擬似高調波生成手段と、前記検出信号と前記擬似高調波を演算して、該検出信号から高調波を除去して前記角度探索手段へ出力する高調波除去手段と、を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、より少ない回転検出手段で回転体の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
本発明の第1実施例を適用した回転角度検出装置の回路構成図。 DCブラシレスモータの腰部概略構成図。 ホール素子の検出信号の一例を示す図。 初期位相検出部のブロック構成図。 直交信号及び除去検出信号の検出角度に対する位相関係を示す図。 補正X軸直交信号Xと補正Y軸直交信号Yで表されるベクトルの一例を示す図。 回転ベクトルで表されるベクトルの一例を示す図。 正弦波生成部のブロック構成図。 3次高調波振幅演算部のブロック構成図。 検出信号の各種位相差による信号X、Yの信号レベルが一致するときの信号レベルの絶対値と3次高調波の割合の関係を示す図。 比較部における比較処理を示すフローチャート。 角度設定部における検出角度及び周期カウント信号の設定処理を示すフローチャート。 他の3次高調波振幅演算部のブロック図。 本発明の第2実施例を適用した回転角度検出装置の回路構成図。 本発明の第3実施例を適用した回転角度検出装置の回路構成図。 補正検出信号HU’、HV’の信号レベルが一致するときの各位相差における信号レベルの絶対値と3次高調波割合の関係を示す図。 本発明の第4実施例を適用した回転角度検出装置の回路構成図。
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図12は、本発明の回転角度検出装置、回転角度検出方法及び画像形成装置の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の回転角度検出装置、回転角度検出方法及び画像形成装置の第1実施例を適用した回転角度検出装置1の回路構成図である。
図1において、回転角度検出装置1は、信号補正部2、演算部3、直交化部4、初期位相検出部5、振幅補正部6、検出角度乗算部7、加・減算部8、比較部9、角度設定部10、角度変換部11、正弦波生成部12、3次高調波振幅演算部13及び擬似3次高調波生成部14等を備えている。回転角度検出装置1は、複合装置等の画像処理装置に適用され、画像処理装置の駆動モータ、例えば、ブラシレスモータの回転軸である回転体の回転角度の検出等に適用される。
回転角度検出装置1は、U相ホール素子20aとV相ホール素子20bからの回転検出信号HU0、HV0が、差動増幅部21a、21bを介して入力される。
U相ホール素子20a及びV相ホール素子20bは、図2に示すように、DCブラシレスモータ(回転機構)30に取り付けられており、DCブラシレスモータ30には、さらに、W相ホール素子20cが取り付けられている。
すなわち、回転角度検出装置1は、DCブラシレスモータ30の回転軸である回転体31を検出対象として、該回転体31の回転角度(以下、適宜、回転角度θと表す。)を検出する。
そして、DCブラシレスモータ30は、図2に示すように、通常、3相12極の場合、相互に120度の位相差を有し、Y字結線されているU相、V相、W相の3相のコイル(図示略)と、該コイルと対向するとともに30°毎にS極とN極が交互に並ぶ状態で配置されている永久磁石である回転体31とを備えている。DCブラシレスモータ30は、端子からU相、V相、W相の駆動電流が、回転体31の角度に応じて適切に転流されることで、回転駆動される。なお、DCブラシレスモータ30は、回転体31を駆動するためには、ホール素子20a、20b、20cの検出する検出信号の出力方向及び磁束の方向に対して、垂直に電圧を印加する必要があるが、図2では、省略している。
この回転角度検出装置1及びDCブラシレスモータ30は、複合装置等の画像処理装置に適用され、回転体31の回転軸(図示略)には、画像処理装置の駆動機構が連結される。
そして、上記ホール素子20a、20b、20cは、回転体31の近傍の所定位置に固定配置されており、回転体31の磁界に応じて変化するU相、V相、W相の検出信号HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW−をそれぞれ出力する。本実施例では、ホール素子20a、20b,20cは、40°毎に配置されているが、このような配置に限るものではない。ホール素子20a、20b、20cは、3相ブラシレスモータに求められる構成として、S極とN極との1周期分の角度に対して、2π/3ずつ位相がずれた位置にU相、V相、W相のホール素子20a、20b、20cが配置されていればよい。また、本実施例では、ブラシレスモータ30が、12極6ペアの回転体31である場合を例にして示しているが、他の構成であってもよい。
このように配置されているホール素子20a、20b、20cは、図3に示すような検出信号を出力し、この検出信号は、3次高調波が重畳された信号となっている。図3において、細線で示すsinθの曲線は、3次高調波が重畳されていない場合の検出信号であり、この場合の検出信号は、SN極1ペアで1周期の正弦波形状となる。図2のDCブラシレスモータ30の場合、12極6ペアであるので、検出信号は、回転体31の1回転で6周期の正弦波となる。図3において、太線で示す(sinθ+sin3θ)の曲線は、3次高調波が重畳されている場合の検出信号であり、SN極1ペアで1周期の正弦波と、破線で示す3周期の正弦波(3次高調波)が加算された信号である。なお、図3では、比較のために、3次高調波が重畳されていない場合の検出信号sinθと3次高調波sin3θが重畳されている場合の検出信号(sinθ+sin3θ)の振幅を一致させている。また、図3では、7%の3次高調波が重畳されている場合を示している。ホール素子20a、20b、20cの検出信号に高調波が重畳される原因は、回転体31の着磁ムラやホール素子の設置位置等による。
図3から分かるように、3次高調波の重畳されている検出信号は、3次高調波の重畳されていない信号に比較して、正弦波の山が膨らんだ状態となる。
そして、U相ホール素子20a、V相ホール素子20b及びW相ホール素子20cは、本実施例では、DCブラシレスモータ3検出専用に設けられたものであってもよい。いずれであっても、上述のように配設されているホール素子20a、20b、20cは、それぞれ、U相検出信号HU+、HU−、V相検出信号HV+、HV−及びW相検出信号HW+、HW−を、差動増幅部21a、21b及び図示しない差動増幅部へ出力する。
差動増幅部21a、21b及び図示しない差動増幅部は、各相の検出信号をシングルエンド化して、次式(1)で示す検出信号HU0、HV0、HW0を、回転角度検出装置1へ出力する。
HU0=Asin(θ+φu)+Asin3(θ+φu)
HV0=Asin(θ+φv)+Asin3(θ+φv)・・・(1)
HW0=Asin(θ+φw)+Asin3(θ+φw)
ここで、A、Aは、振幅を示しており、UVW相の各検出信号は、振幅、位相に差がなく、オフセットがないものとした場合が示されている。また、検出角度θは、検出信号1周期を2πとした場合を示しており、本実施例においては、U相の初期位相φuを、φu=0とした場合、V相の初期位相φv、W相の初期位相φwは、それぞれ、φv=−2π/3、φw=2π/3である。
そして、回転角度検出装置1は、上記3次高調波が重畳された検出信号HU0、HV0、HW0のうち、2つの検出信号HU0、HV0が、入力される。
上記ホール素子20a、20b、20cの出力する検出信号は、理想的には、正弦波状に変化するが、実際には、上述のように、回転体31の着磁ムラや、ホール素子の設置位置等の影響等により、回転体31の回転角度θに応じて、基本正弦波に3次高調波が重畳された波形形状で変化する。そこで、回転角度検出装置1は、後述するように、この3次高調波を適切に除去して、2つのホール素子20a、20bの検出信号に基づいて、回転体31の回転角度θを正確に検出する。
そして、図1において、回転角度検出装置1は、その信号補正部2が、信号補正器2aと信号補正器2bを備えている。信号補正器2aと信号補正器2bには、上記U相ホール素子20aとV相ホール素子20bが検出して、差動増幅部21a、21bでシングルエンド化された検出信号HU0、HV0が入力される。
信号補正器2a、2bは、それぞれ信号の振幅が目標振幅値Atgtに一致するように振幅を調整するとともに、それぞれの信号のオフセットを除去して、補正検出信号HU1、HV1として演算部3へ出力する。
すなわち、信号補正器2aは、検出信号HU0のピーク値の絶対値HU0peakを検出して、補正ゲインGu=Atgt/HU0peakを算出し、検出信号HU0に補正ゲインGuを乗算して、振幅を目標振幅値Atgtに一致させた補正検出信号HU1を生成する。また、信号補正器2aは、検出信号HU0の上ピーク値HU0pkp、下ピーク値HU0pkmを検出して、補正オフセットofsu=(HU0pkp+HU0pkm)/2を算出し、検出信号HU0から補正オフセットofsuを減算して、オフセットを除去する。信号補正器2bは、信号補正器2aと同様に、検出信号HV0のピーク値の絶対値HV0peakを検出して、補正ゲインGv=Atgt/HV0peakを算出し、検出信号HV0に補正ゲインGvを乗算して、振幅を目標振幅値Atgtに一致させた補正検出信号HV1を生成する。また、信号補正器2bは、検出信号HV0の上ピーク値HV0pkp、下ピーク値HV0pkmを検出して、補正オフセットofsv=(HV0pkp+HV0pkm)/2を算出し、検出信号HV0から補正オフセットofsvを減算して、オフセットを除去する。この補正検出信号HU1、HV1は、上記式(1)で表わされる。
そして、後述する3次高調波振幅演算部13は、その3次高調波振幅演算処理において、補正検出信号HU1、HV1の振幅が、目標振幅値Atgtに一致し、かつ、オフセットがないことを前提としている。したがって、信号補正部2は、各信号補正器2a、2bにおける上記オフセット除去処理と振幅補正処理を、所定回数、少なくとも1回以上行うことが望ましい。
演算部(高調波除去手段)3は、減算器3aと減算器3bを備えており、それぞれ信号補正器2aと信号補正器2bから補正検出信号HU1と補正検出信号HV1が入力される。演算部3は、補正検出信号HU1、HV1から3次高調波を除去して、直交化部4へ出力する。
すなわち、減算器3aは、後述する擬似3次高調波生成部14から擬似高調波として擬似3次高調波A3・sin3(θp+φu)が入力される。演算器3aは、補正検出信号HU1から擬似3次高調波A3・sin3(θp+φu)を減算することで、補正検出信号HU1に含まれる3次高調波成分を除去した除去検出信号HUを生成し、直交化部4及び初期位相検出部5へ出力する。また、減算器3bは、乗算器114から擬似3次高調波A3・sin3(θp+φv)が入力される。減算器3bは、補正検出信号HV1から擬似3次高調波A3・sin3(θp+φv)を減算することで、補正検出信号HV1に含まれる3次高調波成分を除去した除去検出信号HVを生成し、直交化部4及び初期位相検出部5へ出力する。
なお、本実施例では、補正検出信号HU1、HV1に含まれる3次高調波と同相の正弦波を後述する正弦波生成部12で生成し、演算部3で補正検出信号HU1、HV1から減算して高調波の除去を行なっているが、3次高調波の除去は、この方法に限るものではない。例えば、演算部3を、加算器とし、正弦波生成部12で補正検出信号HU1、HV1に含まれる3次高調波と逆相の正弦波を生成して、該加算器で補正検出信号HU1、HV1に加算することで、3次高調波を除去してもよい。
直交化部(直交化手段)4は、加算アンプ4aと差動ゲインアンプ4bを備えており、除去検出信号HUと除去検出信号HVの直交化を行って、X軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0を生成して、振幅補正部6へ出力する。
すなわち、加算アンプ4aは、除去検出信号HUと除去検出信号HVが入力され、除去検出信号HUと除去検出信号HVを加算してX軸直交信号X0を生成して、振幅補正部6へ出力する。差動ゲインアンプ4bは、そのプラス端子に、除去検出信号HVが入力され、そのマイナス端子に、除去検出信号HUが入力される。差動ゲインアンプ4bは、除去検出信号HVから除去検出信号HUを減算して、Y軸直交信号Y0を生成して、振幅補正部6へ出力する。
すなわち、直交化部4は、加算アンプ4a及び差動ゲインアンプ4bにおいて、除去検出信号HU、HVに対して、次式(2)に示す演算を行って、X軸直交信号X0とY軸直交信号Y0を生成する。なお、式(2)においては、明確化するために、初期位相φu、φvをそれぞれ、φu=0、φv=φとし、回転角度検出装置1が起動直後であって、3次高調波が除去されていないものとしている。
X0=HV+HU
=2A1cos(φ/2)・sin(θ+φ/2)
+2A3cos(3φ/2)・sin(3θ+3φ/2)
Y0=HV−HU
=2A1sin(φ/2)・cos(θ+φ/2)
+2A3sin(3φ/2)・cos(3θ+3φ/2)・・・(2)
このX軸直交信号X0とY軸直交信号Y0は、相互に直交の関係となっている。
初期位相検出部5は、図4に示すように、2つのゼロクロス位相検出器5a、5bを備えており、除去検出信号HU、HVがそれぞれに別れて入力されるとともに、後述する角度設定部10から検出角度θpが入力される。初期位相検出部5は、検出角度θpを基準にした検出信号HU、HVの初期位相φu、φvを生成し、擬似3次高調波を生成するために、正弦波生成部12へ供給する。
すなわち、ゼロクロス位相検出器5aは、除去検出信号HUを正弦波としてとらえたときの検出角度θpの変化によって、負から正、または、正から負へのゼロクロスが生じる位相を検出し、該ゼロクロスが生じる位相を初期位相φuとして検出して出力する。ゼロクロス検出器5bは、除去検出信号HVを正弦波としてとらえたときの検出角度θpの変化によって、負から正、または、正から負へのゼロクロスが生じる位相を検出し、該ゼロクロスが生じる位相を初期位相φvとして検出して出力する。
すなわち、後述する補正後X軸直交信号X及び補正後Y軸直交信号Yを基に回転体31の回転角度θを検出する場合の検出角度θpと、除去検出信号HU、HVの関係は、図5のように示される。図5に示されるように、除去検出信号HU、HVを正弦波として捉えると、検出角度θpが増加、かつ、負から正へのゼロクロスが生じる位相、または、θpが減少、かつ、正から負へのゼロクロスが生じる位相を、検出信号HU、HVの検出角度θpを基にして正弦波を表わす場合の初期位相φu、φvとすることができる。そこで、ゼロクロス検出器5a、5bは、除去検出信号HU、HVがゼロクロスしたときの検出角度θpを検出して、除去検出信号HU、HVの初期位相φu、φvとして出力している。
なお、初期位相検出部5は、初期位相φu、φvの検出において、検出角度θpが減少、かつ、負から正へのゼロクロスが生じる位相、もしくは、検出角度θpが増加、かつ、正から負へのゼロクロスが生じる位相からπを減じた位相を、初期位相φu、φvとしてもよい。また、初期位相検出部5は、上記両方の動作を行なってもよい。
再び、図1において、振幅補正部(振幅補正手段)6は、X振幅補正器6aとY振幅補正器6bを備えており、それぞれ、直交化部4の加算アンプ4aと差動ゲインアンプ4bからX軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0が入力される。振幅補正部6は、X軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0の振幅値を、所定の目標振幅値Atgtに一致させるように、X軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0にゲインを乗じて、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yを生成する。振幅補正部6は、生成した補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yを、検出角度乗算部7及び3次高調波振幅演算部13に出力する。
すなわち、X振幅補正部6aは、X軸直交信号X0のピークX0peakを検出して、補正ゲインGx=Atgt/X0peakを生成し、X軸直交信号X0に補正ゲインGxを乗算して補正X軸直交信号Xを生成する。また、Y振幅補正部6bは、Y軸直交信号Y0ピークY0peakを検出して、補正ゲインGy=Atgt/Y0peakを生成し、Y軸直交信号Y0に補正ゲインGyを乗算して補正Y軸直交信号Yを生成する。
これら補正X軸直交信号Xと補正Y軸直交信号Yは、互いに直交であり、かつ、振幅が一致した信号となっている。したがって、補正X軸直交信号Xと補正Y軸直交信号Yとで示されるベクトルの角度θによって、図6に示すように検出信号の位相を表現することができる。したがって、直交化部4の加算アンプ4aと差動ゲインアンプ4bは、ベクトル演算するベクトル演算部として機能している。なお、検出信号HU0と検出信号HV0の位相差が直交している場合には、加算アンプ4aと差動ゲインアンプ4b、すなわち、直交化部4は不要である。
検出角度乗算部7は、振幅補正部6から補正X軸直交信号Xと補正Y軸直交信号Yが入力されるとともに、回転角度検出装置1の動作に応じて設定されている検出角度θpにおける正弦波sinθp、cosθpが後述する正弦波生成部12から入力される。検出角度乗算部7は、補正X軸直交信号Xと補正Y軸直交信号Yに、正弦波sinθp、cosθpを乗算して、加・減算部8に出力する。
すなわち、検出角度乗算部7は、正弦波乗算器7a、余弦波乗算器7b、7c、正弦波乗算器7dを備えている。正弦波乗算器7aは、補正X軸直交信号Xと正弦波sinθpが入力され、これら補正X軸直交信号Xと正弦波sinθpを乗算して、加・減算部8へ出力する。余弦波乗算器7bは、補正X軸直交信号Xと正弦波cosθpが入力され、これら補正X軸直交信号Xと正弦波cosθpを乗算して、加・減算部8へ出力する。余弦波乗算器7cは、補正Y軸直交信号Yと余弦波cosθpが入力され、これら補正Y軸直交信号Yと余弦波cosθpを乗算して、加・減算部8へ出力する。正弦波乗算器7dは、補正Y軸直交信号Yと正弦波sinθpが入力され、これら補正Y軸直交信号Yと正弦波sinθpを乗算して、加・減算部8へ出力する。
加・減算部8は、減算器8aと加算器8bを備えており、減算器8aには、正弦波乗算器7aと余弦波乗算器7cの乗算結果が、加算器8bには、余弦波乗算器7bと正弦波乗算器7dの乗算結果が、それぞれ入力される。加・減算部8は、検出角度乗算部7の乗算結果を加・減算処理を行って、回転ベクトルX’、Y’を生成して、回転ベクトルY’を比較部9へ出力する。
すなわち、減算部8aは、正弦波乗算器7aの乗算結果から余弦波乗算器7cの乗算結果を、次式(3)のように減算して、回転ベクトルY’を生成し、比較部9へ出力する。
Y´=−X・sinθp+Y・cosθp・・・(3)
加算器8bは、余弦波乗算器7bの乗算結果と正弦波乗算器7dの乗算結果を、次式(4)のように加算して、回転ベクトルX’を生成して、出力する。
X´=X・cosθp+Y・sinθp・・・(4)
上記式(3)、(4)は、補正X軸直交信号Xと補正Y軸直交信号Yによって表されるベクトルを、検出角度θpだけ時計周りに回転させるため演算である。したがって、回転ベクトルX´と回転ベクトルY´によって示されるベクトルは、図7に示すように、補正X軸直交信号Xと補正Y軸直交信号Yによって表されるベクトルを、検出角度θpだけ時計周りに回転させたベクトルとなる。
すなわち、回転角度θが検出角度θpである(θ=θp)であると、回転ベクトルY´の値はゼロであり、回転ベクトルX´の値は、上記式(1)における目標振幅値Atgtである。
そこで、本実施例の回転角度検出装置1においては、検出角度θpを調整しながら算出される回転ベクトルX´、Y´の値を監視する。そして、回転角度検出装置1は、常に、X´=Atgt、Y´=0となるように検出角度θpを設定しながら、その検出角度θpの値に基づいて、検出信号HU0、HV0の位相を求める。
なお、本実施例の回転角度検出装置1においては、θ=θpである場合、すなわち、基準角度が0°である場合について説明するが、図6及び図7に示す角度そのものには関係していない。すなわち、図6、図7に示す角度変化が、検出信号HU0、HV0の位相に対応しており、基準角度は、0°に限るものではない。
比較部9は、加・減算部8の減算器8aの減算結果である回転ベクトルY’が入力され、回転ベクトルY’の値がゼロであるか否かを判断して、判断結果に応じて検出角度θpの設定値を変更するためのUP信号及びDN信号を角度設定部10へ出力する。
角度設定部10は、単位回転角度θstepを参照して、比較部9から入力されるUP信号及びDN信号に基づいて検出角度θpの値を設定して正弦波生成部12等の必要な各部へ出力するとともに、検出角度θpの値及び周期カウント信号Tを角度変換部11へ出力する。ここで、単位回転角度θstepは、検出角度θpを設定する際に回転ベクトルX’、Y’を回転させる単位回転角度であり、予め角度設定部10の内部メモリ等に格納されている。また、周期カウント信号Tは、0〜5の繰り返しカウントである。
角度変換部11は、角度設定部10から検出角度θpと周期カウント信号Tが入力され、検出角度θpを回転体31の回転角度θRに変換して出力する。
すなわち、図2に示した回転体31は、その1周期が、ホール素子20a、20b、20cからの正弦波状の検出信号HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW−の6周期分に相当する。そして、角度設定部10の出力する検出角度θpの値は、ホール素子20a、20b、20cの検出信号に基づいて求められた角度であるため、回転体31の回転角度ではなく、検出信号1周期における位相を示す角度である。
したがって、角度変換部11は、0〜5の繰り返しカウントである周期カウント信号Tにより、回転体31の回転位置が6周期分の正弦波の周期のどの周期に相当するかを判断するとともに、検出角度θpの出力を考慮して回転体31の詳細な回転位置を求める。
具体的に、角度変換部11は、次式(5)の演算を行うことで、検出角度θpを、回転体31の回転角度θRに変換する。回転角度検出装置1は、この回転角度θRを、回転体31の回転角度θとして検出して、出力する。
θR=(360×T+θp)/N・・・(5)
正弦波生成部12は、角度設定部10から検出角度θpが入力されるとともに、初期位相検出部5から初期位相φu、φvが入力される。正弦波生成部12は、検出角度θpの値に応じて、sinθp、cosθpの値を求めて、検出角度乗算部7へ出力し、また、検出角度θp及び初期位相φu、φvの値に応じて、sin3(θp+φu)、sin3(θ+φv)の値を求めて、擬似3次高調波生成部14へ出力する。
正弦波生成部12は、図8に示すように、加算器41、42、43、増幅器44、45、メモリ46及び正弦波ルックアップテーブル部47等を備えている。算器41は、検出角度θpが入力されるとともに、メモリ46から角度π/2が入力され、検出角度θpと角度π/2を加算して、加算結果(θp+π/2)を正弦波ルックアップテーブル部47へ出力する。
加算器42は、検出角度θpと初期位相φuが入力され、検出角度θpと初期位相φuを加算して、加算結果(θp+φu)を増幅器44へ出力する。増幅器44は、加算器42から入力される加算結果を3倍に増幅(3・(θp+φu))して、正弦波ルックアップテーブル部47へ出力する。
加算器43は、検出角度θpと初期位相φvが入力され、検出角度θpと初期位相φvを加算して、加算結果(θp+φv)を増幅器45へ出力する。増幅器45は、加算器43から入力される加算結果を3倍に増幅(3・(θp+φv))して、正弦波ルックアップテーブル部47へ出力する。
ルックアップテーブル部47は、上記加算器41からの加算結果(θp+π/2)、増幅器44からの増幅結果(3・(θp+φu))、増幅器45からの増幅結果(3・(θp+φv))が入力されるとともに、検出角度θpが入力される。ルックアップテーブル部47は、これら検出角度θp、加算結果(θp+π/2)、増幅結果(3・(θp+φu))、(3・(θp+φv))に基づいて、予め内部メモリに登録されているルックアップテーブルを参照して、sinθpの値、cosθp=sin(θp+π/2)の値、sin3(θp+φu)の値、sin3(θp+φv)の値を出力する。
上記検出角度乗算部7、加・減算部8、比較部9、角度設定部10、角度変換部11及び正弦波生成部12は、全体として、2つ以上の前記検出信号に基づいて回転体31の回転角度θを検出して検出角度θpとして出力する角度探索部(角度探索手段)KTとして機能している。
3次高調波振幅演算部(擬似高調波振幅生成手段)13は、振幅補正部6のX振幅補正器6aとY振幅補正器6bから、検出信号(直交化信号でもある)として補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yが入力され、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yに含まれる3次高調波の振幅値を演算して、擬似3次高調波生成部14へ出力する。
この3次高調波振幅演算部13は、図9に示すように、信号レベル一致検出器51、信号レベル絶対値検出器52、減算器53、メモリ54、PID( Proportional Integral Derivative)コントローラ55、加算器56、不揮発性メモリ57及び帰還部58を備えている。
信号レベル一致検出器51は、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yが入力され、これらの信号レベルが一致すると、信号en(n)を信号レベル絶対値検出器52へ出力する。
信号レベル絶対値検出器52は、さらに、補正Y軸直交信号Yが入力され、信号en(n)が入力されると、その瞬間の補正Y軸直交信号Yの信号レベルの絶対値YX=Y(n)を検出して、減算器53へ出力する。なお、このときの補正Y軸直交信号Yの信号レベルの絶対値YX=Y(n)は、補正X軸直交信号Xの信号レベルと等しい。
上記信号レベル一致検出器51及び信号レベル絶対値検出器52は、全体として、振幅検出部(振幅検出手段)58として機能している。
減算器53は、さらに、メモリ54から所定の目標値が入力され、目標値から絶対値YX=Y(n)を減算して、差分err(n)をPIDコントローラ55へ出力する。
PIDコントローラ55は、入力される差分err(n)の制御を、出力値と目標値との偏差(Proportional(比例))、その積分(Integral)、及び、微分(Differential)の3つの要素によって演算処理して、3次高調波振幅値補正量ΔA3(n)を加算器56へ出力する。
加算器56は、さらに、前回の出力である3次高調波振幅値A3(n−1)に目標値補正値KA3・(目標値−YX=Y(n))を加算した値が入力される。加算器56は、次式(6)で示すように、これらの前回の3次高調波振幅値A3(n−1)と目標値補正値KA3・(目標値−YX=Y(n))の加算結果に、3次高調波振幅値補正量ΔA3(n)を加算して、今回の3次高調波振幅値A3(n)を不揮発性メモリ57へ出力する。
A3(n)=A3(n−1)+KA3・(目標値−YX=Y(n))・・・(6)
ここで、KA3は、正の値である。
すなわち、各UV相検出信号間位相差(30°、60°、240°、300°)におけるUV相検出信号に含まれる3次高調波の振幅に対する割合と、そのときの補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの信号レベルが一致するときの信号レベル値の絶対値は、図10に示すような関係にある。補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの振幅は、振幅補正部6によって、例えば、「1」(Atgt=1)に規格化されている。この場合、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの信号レベルが一致するときの信号レベルの絶対値は、3次高調波割合の増減に対して、図10に各位相差の場合について示すように、単調に減少する。また、UV相検出信号の信号間の位相差が、どのような値であっても、上記関係は変わらず、また、3次高調波の割合が0%のときの信号レベル一致時の信号レベルの絶対値は、一定である。
したがって、3次高調波振幅演算部13は、メモリ54に、目標値として、図10に示す3次高調波の割合が0%のときの値0.7071(=1/√2)が格納されると、式(6)の演算を数回実行することで、簡易、かつ、自動的に3次高調波振幅値A3(n)を求めることができる。なお、3次高調波振幅演算部13は、目標振幅値Atgtの値は、「1」以外にも、様々な値を取りうるため、メモリ54に、目標振幅値Atgtの値に応じた目標値を、適宜格納することができる。
上記減算器53、目標値を記憶するメモリ54、PIDコントローラ55、加算器56、不揮発性メモリ57及び帰還部58は、全体として、前記検出信号の振幅値に基づいて該検出信号に含まれる前記高調波の高調波振幅値を求める高調波振幅値検出部(高調波振幅値検出手段)59として機能している。
また、本実施例の3次高調波振幅演算部13は、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの信号レベルが一致するときに信号en(n)を出力しているが、検出角度θpが、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの信号レベルが一致するときの位相θX=Yとなるときに、信号en(n)を出力してもよい。
さらに、本実施例の回転角度検出装置1のように、2相の正弦波信号を用いて回転角度を検出する場合、信号レベルが一致するときの検出角度は、どのような誤差が含まれていても一定の値となる。例えば、θX=Yは、π/4、または、5π/4である。
したがって、検出角度θpがπ/4、または、5π/4に一致するときに、信号en(n)を出力すると、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの信号レベルの一致を検出することなく、YX=Y(n)を検出することができる。
また、本実施例の3次高調波振幅演算部13は、加算器56の後段に読み書き可能な不揮発性メモリ57を備え、3次高調波振幅値A3(n)の値が更新される毎に、3次高調波振幅値A3(n)の値を更新している。したがって、3次高調波振幅演算部13の電源が一旦OFFになって、再度、電源がONになり、3次高調波振幅演算処理を開始する際に、不揮発性メモリ57に記録されている前回処理時の最終的な3次高調波振幅値A3(n)を該処理の初期値として利用することができる。その結果、3次高調波振幅演算部13は、3次高調波振幅演算処理の初期から3次高調波を除去することができる。
さらに、図10から分かるように、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの振幅値と、検出信号HU、HV間の位相差が既知であると、3次高調波振幅値A3(n)を一意的に決定することができる。したがって、3次高調波振幅演算部13は、大容量のルックアップテーブル及び高精度な演算器を用いて、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの振幅値と検出信号HU、HV間の位相差に基づいて、一意的に3次高調波振幅値A3(n)を決定する構成としてもよい。
擬似3次高調波生成部(擬似高調波生成手段)14は、上記3次高調波振幅演算部13から3次高調波振幅値A3(n)が入力されるとともに、正弦波生成部12から正弦波sin3(θp+φu)、sin3(θ+φv)の値が入力される。擬似3次高調波生成部14は、これらの値から擬似3次高調波A3・sin3(θp+φu)、A3・sin3(θp+φv)を生成する。
擬似3次高調波生成部14は、乗算器14a、14bを備えている。乗算器14aは、3次高調波振幅値A3(n)の値と正弦波sin3(θp+φu)が入力され、これらを乗算して、擬似3次高調波A3・sin3(θp+φu)を生成して、演算部3の減算器3aへ出力する。乗算器14bは、3次高調波振幅値A3(n)の値と正弦波sin3(θp+φu)が入力され、これらを乗算して、擬似3次高調波A3・sin3(θp+φv)を生成して、演算部3の減算器3bへ出力する。
なお、回転角度検出装置1は、図示しないが、全体の動作を制御する制御部及び操作部等を備えており、制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えている。制御部は、ROM内に、回転角度検出装置1としての基本プログラム及び本発明の回転角度検出方法を実行する回転角度検出プログラムを格納している。制御部は、ROM内のプログラムに基づいて、回転角度検出装置1の各部を制御して、回転角度検出装置1としての基本処理を実行するとともに、本発明の回転角度検出方法を実行する。操作部は、各種操作キー等を備えており、回転角度検出装置1に実行させる各種動作の設定、特に、本発明の回転角度検出方法における各種設定操作を行うのに使用される。
すなわち、回転角度検出装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の回転角度検出方法を実行する回転角度検出プログラムを読み込んで制御部のROM等に導入することで、後述するより少ない回転検出手段で回転体の回転角度を安価かつ正確に検出する回転角度検出方法を実行する回転角度検出装置として構築されている。この回転角度検出プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の回転角度検出装置1は、より少ないホール素子(回転検出手段)20a、20bで回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出する。
すなわち、本実施例の回転角度検出装置1は、磁気検出素子であるU相ホール素子20aとV相ホール素子20bが、回転角度検出装置1の適用される画像処理装置の駆動モータ、例えば、DCブラシレスモータ30の回転体31に対して、理想的には、電気角で、2π/3の位相差を有する状態で配設される。
そして、回転角度検出装置1は、このDCブラシレスモータ30の回転体31を検出対象として、該回転体31の回転角度θを検出する。
ホール素子20a、20bは、図3に示したような検出信号を出力するが、この検出信号は、回転体31の着磁ムラ等によって、高調波、主に、3次高調波が重畳された信号となっている。ホール素子20a、20bの検出信号に3次高調波が重畳されていると、回転角度検出装置1は、ホール素子20a、20bの検出信号に基づいて、正確に回転体31の回転角度θを検出することができない。
そこで、回転角度検出装置1は、ホール素子20a、20bの検出信号HU+、HU−、HV+、HV−が、差動増幅部21a、21bでシングルエンド化された検出信号HU0、HV0から、3次高調波を除去して、回転体31の回転角度θを正確に検出する。
まず、回転角度検出装置1は、入力される検出信号HU0、HV0を、信号補正部2の信号補正器2aと信号補正器2bで、上述のように、その信号振幅を目標振幅値Atgtに一致するように調整するとともに、オフセットを除去する。信号補正部2は、振幅調整及びオフセット除去した補正検出信号HU1、HV1を演算部3へ出力する。
演算部3は、その減算器3aと減算器3bで、補正検出信号HU1、HV1から擬似3次高調波生成部14から入力される擬似3次高調波A3・sin3(θp+φu)、A3・sin3(θp+φv)を減算し、補正検出信号HU1、HV1から3次高調波を除去する。演算部3は、3次高調波を除去した除去検出信号HU、HVを直交化部4及び初期位相検出部5へ出力する。
直交化部4は、加算アンプ4aと差動ゲインアンプ4bによって、上記式(1)の演算を行って、除去検出信号HUと除去検出信号HVの直交化を行い、X軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0を生成して、振幅補正部6へ出力する。
振幅補正部6は、X振幅補正器6aとY振幅補正器6bによって、X軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0の振幅値を目標振幅値Atgtに一致させるように、X軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0にゲインを乗じて補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yを生成する。振幅補正部6は、生成した補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yを、検出角度乗算部7及び3次高調波振幅演算部13に出力する。
検出角度乗算部7は、補正X軸直交信号Xと補正Y軸直交信号Yに、回転角度検出装置1の動作に応じて設定されている検出角度θpにおける正弦波sinθp、cosθpを乗算して、加・減算部8に出力する。この正弦波sinθp、cosθpは、正弦波生成部12から検出角度乗算部7に入力される。
加・減算部8は、その減算器8aと加算器8bが、検出角度乗算部7の乗算結果に対して、上記式(3)、(4)の加・減算処理を行って、回転ベクトルX’、Y’を生成して、回転ベクトルY’を比較部9へ出力する。
比較部9は、加・減算部8の減算器8aの減算結果である回転ベクトルY’の値がゼロであるか否かを判断して、判断結果に応じて検出角度θpの設定値を変更するためのUP信号及びDN信号を角度設定部10へ出力する。
すなわち、比較部9は、図11に示すように、減算器8aから入力される回転ベクトル信号Y´の出力値を取得し(ステップS101)、回転ベクトル信号Y´の絶対値が所定の閾値αを超えているか否かを判断する(ステップS102)。
なお、閾値αは、回転ベクトル信号Y´の値がゼロであるか否かを判断するための閾値である。回転ベクトル信号Y´の値がゼロであることを厳格に判断すると、少しでもゼロからずれがあると、検出角度θpの設定値を頻繁に変更する必要があり、検出角度θpの値が安定しない。そこで、比較部9は、検出角度θpの値を安定させるために、閾値αを設けて、回転ベクトル信号Y´のゼロからのズレが許容範囲内であると、ゼロであるとみなす。
閾値αの値は、目標振幅値Atgtと単位回転角度θstepに応じて、例えば、次式(7)によって定められる。
α=Atgt・sin(θstep/2)×1.0〜1.1・・・(7)
そして、比較部9は、ステップS102で、回転ベクトル信号Y´の絶対値がα以下であると(ステップS102で、NOのとき)、現在の検出角度θpの設定値が回転体31の回転位置を正確に表していると判断し、処理を修了する。
比較部9は、ステップS102で、回転ベクトル信号Y´の絶対値がαよりも大きいと(ステップS102で、YESのとき)、回転ベクトル信号Y´が正の値であるか負の値であるかを判断する(ステップS103)。
ステップS103で、回転ベクトル信号Y´が正の値であると(ステップS103で、YESのとき)、比較部9は、図7に示したベクトル回転において、検出角度θpの値が、回転角度θの値よりも小さい状態であると判断する。そこで、比較部9は、検出角度θpの値を増加させるための命令であるUP信号を出力し、比較処理を終了する(ステップS104)。
ステップS103で、回転ベクトル信号Y´が負の値であると(ステップS103で、NOのとき)、比較部9は、図7に示したベクトル回転において、検出角度θpの値が、回転角度θの値よりも大きい状態であると判断する。そこで、比較部9は、検出角度θpの値を減少させるための命令であるDN信号を出力し、比較処理を終了する(ステップS105)。
比較部9は、このUP信号及びDN信号を、検出角度θpを加減算することを命令する信号として、角度設定部10へ出力する。
比較部9は、このような比較処理を高速で繰り返し行うことにより、検出角度θpの設定値を、常に検出信号の位相θに合わせるようにする。
そして、角度設定部10は、比較部9から入力されるUP信号及びDN信号に基づいて、単位回転角度θstepを参照して、検出角度θpの値を設定する。角度設定部10は、設定した検出角度θpを、正弦波生成部12等の必要な各部へ出力するとともに、検出角度θpの値及び周期カウント信号Tを角度変換部11へ出力する。
すなわち、角度設定部10は、図12に示すように、単位角度θstepを初期値として検出角度θpの出力を開始する(ステップS201)。
角度設定部10は、その後、上記比較部9から取得した信号がUP信号であるかチェックする(ステップS202)。
ステップS202で、UP信号であると(ステップS202で、YESのとき)、角度設定部10は、現在の検出角度θpの設定値に単位回転角度θstep分の角度を加算し(ステップS203)、検出角度θpが360°を超えたかチェックする(ステップS204)。角度設定部10は、この段階で、出力する検出角度θpの値を、単位回転角度θstep分増加する。
ステップS202で、UP信号でないとき(ステップS202で、NOのとき)、角度設定部10は、DN信号であるかチェックする(ステップS205)。
ステップS205で、DN信号であると(ステップS205で、YESのとき)、角度設定部10は、現在の検出角度θpの設定値から単位回転角度θstep分の角度を減算し(ステップS206)、検出角度θpが360°を超えたかチェックする(ステップS204)。角度設定部10は、この段階で、出力する検出角度θpの値を、単位回転角度θstep分減少する。
ステップS204で、現在の検出角度θpの設定値が360°を超えていると(ステップS204で、YESのとき)、角度設定部10は、現在の検出角度θpの設定値から360°を減算する(ステップS207)。角度設定部10は、さらに、周期カウント信号Tに「1」を加算して出力するとともに(ステップS208)、周期カウント信号Tが「5」を超えているかチェックする(ステップS209)。
ステップS204で、現在の検出角度θpの設定値が360°以下であると(ステップS204で、NOのとき)、角度設定部10は、現在の検出角度θpの設定値が0°以下であるか判断する(ステップS210)。
ステップS210で、現在の検出角度θpの設定値が0°以下であると(ステップS210で、YESのとき)、角度設定部10は、現在の検出角度θpの設定値に360°を加算する(ステップS211)。角度設定部10は、さらに、周期カウント信号Tから「1」を減算して出力するとともに(ステップS212)、周期カウント信号Tが「5」を超えているかチェックする(ステップS209)。
そして、ステップS209で、現在の周期カウント信号Tの設定値が「5」を超えていると(ステップS209で、YESのとき)、角度設定部10は、周期カウント信号Tを「0」として出力する(ステップS213)。角度設定部10は、周期カウント信号Tを出力すると、ステップS202に戻って、上記同様に処理する(ステップS202〜S213)。
ステップS209で、現在の周期カウント信号Tの設定値が「5」未満であると(ステップS209で、NOのとき)、角度設定部10は、現在の周期カウント信号Tの設定値が0未満であるか判断する(ステップS214)。
ステップS214で、現在の周期カウント信号Tの設定値が0未満であると(ステップS214で、YESのとき)、角度設定部10は、周期カウント信号Tを「5」として出力する(ステップS215)。角度設定部10は、周期カウント信号Tを出力すると、ステップS202に戻って、上記同様に処理する(ステップS202〜S215)。
ステップS214で、現在の周期カウント信号Tの設定値が「0」以上であると(ステップS214で、NOのとき)、角度設定部10は、周期カウント信号Tの設定値を変更することなく、ステップS202に戻って、上記同様に処理する(ステップS202〜S215)。
角度設定部10は、上記設定処理を繰り返し行うことで、比較部9の動作に応じて検出角度θpを調整して、出力する。
そして、角度変換部11は、上記式(5)に基づいて、角度設定部10から入力される周期カウント信号Tに基づいて、角度設定部10から入力される検出角度θpを、回転体31の回転角度θRに変換して出力する。すなわち、角度変換部11は、0〜5の繰り返しカウントである周期カウント信号Tにより、回転体31の回転位置が6周期分の正弦波の周期のどの周期に相当するかを判断するとともに、検出角度θpの出力を考慮して回転体31の詳細な回転位置を求める。
そして、正弦波生成部12は、角度設定部10から入力される検出角度θpの値に応じて、sinθp、cosθpの値を求めて、検出角度乗算部7へ出力する。また、正弦波生成部12は、初期位相検出部5から入力される初期位相φu、φvの値に応じて、sin3(θp+φu)、sin3(θ+φv)の値を求めて、擬似3次高調波生成部14へ出力する。
また、3次高調波振幅演算部13は、振幅補正部6のX振幅補正器6aとY振幅補正器6bから入力される補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yに含まれる3次高調波の振幅値A3(n)を演算して、擬似3次高調波生成部14へ出力する。
そして、擬似3次高調波生成部14は、3次高調波振幅演算部13から入力される3次高調波振幅値A3(n)の値と、正弦波生成部12から入力される正弦波sin3(θp+φu)、sin3(θ+φv)の値を乗算して、擬似3次高調波A3・sin3(θp+φu)、A3・sin3(θp+φv)を生成する。擬似3次高調波生成部14は、生成した、擬似3次高調波A3・sin3(θp+φu)、A3・sin3(θp+φv)を、演算部3の減算器3aと減算器3bへ出力する。演算部3の減算器3aと減算器3bが、上述のように、補正検出信号HU1、HV1から擬似3次高調波A3・sin3(θp+φu)、A3・sin3(θp+φv)を減算して、補正検出信号HU1、HV1から3次高調波を除去する。
したがって、回転体31の回転角度を検出する回転検出手段として、2つのホール素子20a、20bを用い、ホール素子20a、20bからの検出信号HU0、HV0から正確に3次高調波を除去して、回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
なお、上記3次高調波振幅演算部13は、補正X軸直交信号Xと補正Y軸直交信号Yの信号レベルが一致したときにおける補正Y軸直交信号Yの1つの信号レベルの絶対値YX=Y(n)に基づいて、3次高調波の振幅値を演算している。この補正X軸直交信号Xと補正Y軸直交信号Yの信号レベルが一致したときにおける補正Y軸直交信号Yの信号レベルの絶対値は、1つに限るものではなく、例えば、図13に示すように、2つの信号レベルの平均値(アベレージ)を用いてもよい。
すなわち、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの信号レベルが一致する位相は、検出信号1周期間で2箇所存在する。そこで、図13に示す3次高調波振幅演算部13Aのように、その2箇所の信号レベルを検出して、平均化した信号レベルを用いて3次高調波振幅値を生成してもよい。なお、図13において、図9と同様の構成部分には、同一の符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
図13において、3次高調波振幅演算部13Aは、信号レベル一致検出器51、検出角度判定器61a、61b、2つの信号レベル絶対値検出器52a、52b、平均化処理器62、減算器53、メモリ54、PIDコントローラ55、加算器56、不揮発性メモリ57及び帰還部58を備えている。
この3次高調波振幅演算部13Aは、入力された補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの信号レベルが一致すると、信号レベル一致検出器51が、信号en(n)を、検出角度判定器61a及び検出角度判定器61bへ出力する。
検出角度判定器61aは、信号en(n)が入力されると、検出角度θpの値が、0<θp≦πであるときに、信号en1(n)を、信号レベル絶対値検出器52aへ出力する。また、検出角度判定器61bは、信号en(n)が入力されると、検出角度θpの値が、π<θp≦2πであるときに、信号en2(n)を、信号レベル絶対値検出器52bへ出力する。
信号レベル絶対値検出器52aは、信号en1(n)が入力されると、その瞬間の補正Y軸直交信号Yの信号レベルの絶対値YX=Y1(n)を検出し、平均化処理器62へ出力する。
信号レベル絶対値検出器52bは、信号en2(n)が入力されると、その瞬間の補正Y軸直交信号Yの信号レベルの絶対値YX=Y2(n)を検出し、平均化処理器62へ出力する。
平均化処理器62は、絶対値YX=Y1(n)と絶対値YX=Y2(n)が入力されると、これら絶対値YX=Y1(n)、YX=Y2(n)の平均値を算出して、絶対値YX=Y(n)として、減算器53へ出力する。
上記信号レベル一致検出器51、検出角度判定器61a、61b、信号レベル絶対値検出器52a、52b及び平均化処理器62は、全体として、全体として、2つの直交化信号である補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの振幅値が一致する位相と検出角度θpとが一致するタイミングにおいて、2つの該補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yのいずれかの振幅値、または、平均値を検出信号の振幅値として検出する振幅検出部(振幅検出手段)63として機能している。
3次高調波振幅演算部13Aは、以後の処理を、図9の場合と同様に実行し、3次高調波振幅値A3(n)を求めて、擬似3次高調波生成部14へ出力する。
このようにすると、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yにオフセットが存在する場合であっても、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yの信号レベル検出の誤差を抑制することができ、より正確な3次高調波振幅値A3(n)を生成することができる。
そして、本実施例の回転角度検出装置1は、検出角度乗算部7以降の各部によって、図7に示したベクトルの回転を利用して回転体31の回転位置に応じた検出角度θpを求めている。したがって、回転角度検出装置1は、各部の機能を単純化することができ、回路のクロック数を少なくしたり、回路規模を小さくすることができる。
このように、本実施例の回転角度検出装置1は、回転体31の回転角度θに応じて変化するとともに、それぞれ位相の異なる複数の検出信号を出力する状態で配設されている複数のホール素子(回転検出手段)20a、20bと、2つ以上の前記検出信号に基づいて前記回転体31の回転角度θを検出して検出角度θpとして出力する角度探索部(角度探索手段)KTと、前記検出角度θpを所定倍した倍角検出角度に基づいて、擬似3次高調波(擬似高調波)を生成する擬似3次高調波生成部(擬似高調波生成手段)14と、前記検出信号と前記擬似3次高調波を演算して、該検出信号から高調波を除去して角度探索部KTへ出力する演算部(高調波除去手段)3と、を備えている。
したがって、少なくとも2つのホール素子20a、20bによって検出された検出角度θpに基づいて、検出信号に重畳されている3次高調波と同等の擬似3次高調波を生成して、検出信号から3次高調波成分を除去することができる。その結果、少なくとも2つのホール素子20a、20bと安価な回路構成で、3次高調波成分を除去して、回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
また、本実施例の回転角度検出装置1は、回転体31の回転角度θに応じて変化するとともに、それぞれ位相の異なる複数の検出信号を出力する状態で配設されている複数のホール素子(回転検出手段)20a、20bのうち、2つ以上の該検出信号に基づいて該回転体31の回転角度θを検出して検出角度θpとして出力する角度探索処理ステップと、前記検出角度θpを所定倍した倍角検出角度に基づいて、擬似3次高調波(擬似高調波)を生成する擬似高調波生成処理ステップと、前記検出信号と前記擬似3次高調波(擬似高調波)を演算して、該検出信号から高調波を除去して角度探索処理ステップへ出力する高調波除去処理ステップと、を有する回転角度検出方法を実行している。
したがって、少なくとも2つのホール素子20a、20bによって検出された検出角度θpに基づいて、検出信号に重畳されている3次高調波と同等の擬似3次高調波を生成して、検出信号から3次高調波成分を除去することができる。その結果、少なくとも2つのホール素子20a、20bと安価な回路構成で、3次高調波成分を除去して、回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
さらに、本実施例の回転角度検出装置1は、前記擬似高調波の振幅値を生成する3次高調波振幅演算部(擬似高調波振幅生成手段)13を、さらに備え、該3次高調波振幅演算部13が、適宜のタイミングに、前記検出信号のうち、適宜の検出信号の振幅値を検出する振幅値検出部(振幅検出手段)58、63と、該検出信号の振幅値に基づいて該検出信号に含まれる前記高調波の高調波振幅値を求める高調波振幅値検出部(高調波振幅値検出手段)59と、を備え、擬似3次高調波生成部(擬似高調波生成手段)14が、前記高調波振幅値に対応する振幅値の前記擬似3次高調波(擬似高調波)を生成する。
したがって、検出信号に重畳されている高調波の振幅値が分からない場合にも、適切に、検出信号に重畳されている3次高調波と同等の擬似3次高調波を生成して、検出信号から3次高調波成分を除去することができる。その結果、少なくとも2つのホール素子20a、20bと安価な回路構成で、3次高調波成分を除去して、回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
また、本実施例の回転角度検出装置1は、振幅検出部(振幅検出手段)58が、2つの前記検出信号の振幅値が一致するタイミングを前記タイミングとして、2つの該検出信号のいずれかの振幅値を前記検出信号の振幅値として検出している。
したがって、検出信号に重畳されている高調波の振幅値が分からない場合にも、特定の位相の検出信号の振幅値を検出することができ、検出信号に重畳されている3次高調波と同等の擬似3次高調波を生成して、検出信号から3次高調波成分を除去することができる。その結果、少なくとも2つのホール素子20a、20bと安価な回路構成で、3次高調波成分を除去して、回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
さらに、本実施例の回転角度検出装置1は、前記高調波除去手段である演算部3の出力する前記検出信号を、相互に演算して、直交化するX軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0(直交化信号)を出力する直交化部(直交化手段)4と、2つの前記直交化信号を所定の目標振幅値に一致させる補正を行う振幅補正部(振幅補正手段)6と、を備え、前記振幅検出部(振幅検出手段)58が、2つの前記直交化信号の振幅値が一致するタイミングを前記タイミングとして、2つの該直交化信号のいずれかの振幅値を前記検出信号の振幅値として検出する。
したがって、検出信号に重畳されている高調波の振幅値、検出信号の位相差がわからず、さらに、検出信号に位相差がない場合にも、特定の位相の検出信号の振幅値を検出することができる。その結果、検出信号に重畳されている3次高調波と同等の擬似3次高調波を生成して、検出信号から3次高調波成分を除去することができ、少なくとも2つのホール素子20a、20bと安価な回路構成で、3次高調波成分を除去して、回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
また、本実施例の回転角度検出装置1は、前記演算部(高調波除去手段)30の出力する前記除去検出信号(検出信号)を、相互に演算して、直交化する直交化信号(X軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0)を出力する直交化部(直交化手段)4と、2つの前記直交化信号を所定の目標振幅値に一致させる補正を行う振幅補正部(振幅補正手段)6と、を備え、前記振幅検出部(振幅検出手段)58が、2つの前記直交化信号の振幅値が一致する位相と前記検出角度θpとが一致するタイミングを前記タイミングとし、2つの該直交化信号のいずれかの振幅値を前記検出信号の振幅値として検出する。
したがって、検出信号に重畳されている高調波の振幅値、検出信号の位相差がわからず、さらに、検出信号に位相差がない場合にも、特定の位相の検出信号の振幅値をより一層簡易に検出することができる。その結果、検出信号に重畳されている3次高調波と同等の擬似3次高調波を生成して、検出信号から3次高調波成分を除去することができ、少なくとも2つのホール素子20a、20bと安価な回路構成で、3次高調波成分を除去して、回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
さらに、本実施例の回転角度検出装置1は、前記高調波除去手段である演算部3の出力する前記検出信号の振幅を、所定の目標振幅値に一致させて、高調波除去検出信号(補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Y)を出力する振幅補正部(振幅調整手段)6を、さらに備え、前記振幅検出部(振幅検出手段)58が、2つの前記高調波除去検出信号の振幅値が一致するタイミングを前記タイミングとして、2つの該高調波除去検出信号のいずれかの振幅値を前記検出信号の振幅値として検出し、前記高調波振幅値検出部(高調波振幅値検出手段)59が、前記振幅検出部58の検出する前記振幅値と、前記検出信号の位相差と、前記目標振幅値に応じた該検出信号の目標検出信号振幅値と、の差分をPID制御して、前記高調波振幅値を求めている。
したがって、PID制御によって、高調波振幅を容易に求めることができ、検出信号に重畳されている3次高調波と同等の擬似3次高調波を生成して、検出信号から3次高調波成分を除去することができる。その結果、少なくとも2つのホール素子20a、20bと安価な回路構成で、3次高調波成分を除去して、回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
また、本実施例の回転角度検出装置1は、前記高調波振幅値検出部(高調波振幅値検出手段)59が、前記振幅検出部(振幅検出手段)58の検出する振幅値と、前記目標振幅値に応じた前記検出信号の目標検出信号振幅値との差分をPID制御して、前記高調波振幅値を求めている。
したがって、高調波の振幅が分からず、検出信号の位相差がわからない場合であっても、PID制御によって、簡単かつ容易に校長は振幅値を求めることができる。その結果、少なくとも2つのホール素子20a、20bと安価な回路構成で、3次高調波成分を除去して、回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
さらに、本実施例の回転角度検出装置1は、前記高調波振幅値検出部(高調波振幅値検出手段)59が、前記検出角度1周期の間に、前記振幅検出部(振幅検出手段)58の検出する2つの前記直交化信号の振幅値の絶対値の平均値と、前記目標振幅値との差分をPID制御して、前記高調波振幅値を求めている。
したがって、検出信号にオフセットがある場合においても、PID制御によって、簡単かつ容易に校長は振幅値を求めることができる。その結果、少なくとも2つのホール素子20a、20bと安価な回路構成で、3次高調波成分を除去して、回転体31の回転角度を安価かつ正確に検出することができる。
図14は、本発明の回転角度検出装置、回転角度検出方法及び画像形成装置の第2実施例を適用した回転角度検出装置100の回路構成図である。
本実施例の回転角度検出装置100は、上記第1実施例の回転角度検出装置1と同様の回転角度検出装置に適用したものであり、第1実施例の回転角度検出装置1と同様の構成部分には、同一の符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
本実施例の回転角度検出装置100は、補正X軸直交信号X、補正Y軸直交信号Yに基づいて、回転体31の回転位置に応じた検出角度θpを求めるものである。
図14において、回転角度検出装置100は、第1実施例の回転角度検出装置1と同様の信号補正部2、演算部3、直交化部4、初期位相検出部5、振幅補正部6、角度変換部11、正弦波生成部12、3次高調波振幅演算部13及び擬似3次高調波生成部14を備えているとともに、角度設定部101を備えている。この回転角度検出装置100は、第1実施例の回転角度検出装置1が備えていた検出角度乗算部7、加・減算部8及び比較部9を備えていない。そして、回転角度検出装置100には、U相ホール素子20aとV相ホール素子20bからの回転検出信号HU0、HV0が、差動増幅部21a、21bを介して入力される。
そこで、回転角度検出装置100は、振幅補正部6のX振幅補正部6aは、生成した補正X軸直交信号Xを、3次高調波振幅演算部13へ出力するとともに、角度設定部101へ直接出力する。また、Y振幅補正部6bは、生成した補正Y軸直交信号Yを、3次高調波振幅演算部13へ出力するとともに、角度設定部101へ直接出力する。
そして、角度設定部101は、X振幅補正部6aからの補正X軸直交信号Xと、Y振幅補正部6bからの補正Y軸直交信号Yとのarctan(アークタンジェント)を、次式(8)のように演算することで、検出角度θpを求める。
Figure 2015132593
また、角度設定部101は、第1実施例の角度設定部10と同様に、演算した検出角度θpの値が、360°を超えて0°に戻ったときには、周期カウント信号Tを出力する。
そして、角度設定部101は、式(8)の演算を、回転体31の回転に追従させてリアルタイムに実現するには、高周波数クロックによって、処理を実行することとなる。
このようにすると、より一層簡単な構成でかつ安価に、検出信号から3次高調波を適切に除去することができる。
図15及び図16は、本発明の回転角度検出装置、回転角度検出方法及び画像形成装置の第3実施例を示す図であり、図15は、本発明の回転角度検出装置、回転角度検出方法及び画像形成装置の第3実施例を適用した回転角度検出装置110の回路構成図である。
なお、本実施例は、上記第1実施例と同様の回転角度検出装置110に適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例と同様の構成部分には、同一の符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
本実施例の回転角度検出装置110は、ホール素子20a、20bからの回転検出信号HU0、HV0の位相差が既知の場合、すなわち、ホール素子20a、20bの取付角度が既知で正確である場合に適用したものである。
図15において、回転角度検出装置110は、第1実施例の回転角度検出装置1と同様の信号補正部2、演算部3、直交化部4、初期位相検出部5、振幅補正部6、検出角度乗算部7、加・減算部8、比較部9、角度設定部10、角度変換部11、正弦波生成部12及び擬似3次高調波生成部14を備えているとともに、振幅補正部111及び3次高調波振幅演算部112を備えている。
そして、回転角度検出装置110には、U相ホール素子20aとV相ホール素子20bからの回転検出信号HU0、HV0が、差動増幅部21a、21bを介して入力される。
振幅補正部111は、U相振幅補正器111aとV相振幅補正器111bを備えている。振幅補正部111は、演算部3で補正検出信号HU1、HV1から3次高調波を除去することで目標振幅値Atgtから振幅値が変化した除去検出信号HU、HVの振幅値を、目標振幅値Atgtに再度一致させる補正を行う。
U相振幅補正器111aは、減算器3aから除去検出信号HUが入力される。U相振幅補正器111aは、減算器3aで補正検出信号HU1から擬似3次高調波A3・sin3(θp+φu)を減算して3次高調波を除去することで目標振幅値Atgtから振幅値が変化した除去検出信号HUの振幅値を、目標振幅値Atgtに再度一致させる補正を行う。U相振幅補正器111aは、振幅補正した補正検出信号HU’を、直交化部4、初期位相検出部5及び3次高調波振幅演算部112へ出力する。
V相振幅補正器111bには、減算器3bから除去検出信号HVが入力される。V相振幅補正器111bは、減算器3bで補正検出信号HV1から擬似3次高調波A3・sin3(θp+φv)を減算して3次高調波を除去することで目標振幅値Atgtから振幅値が変化した除去検出信号HVの振幅値を、目標振幅値Atgtに再度一致させる補正を行う。V相振幅補正器111bは、振幅補正した補正検出信号HV’を、直交化部4、初期位相検出部5及び3次高調波振幅演算部112へ出力する。
すなわち、図16に示すように、補正検出信号HU’、HV’の信号レベルが一致するときのUV間の各位相差(30°、60°、240°、300°)における信号レベルの絶対値と3次高調波の割合の関係が示される。図16から分かるように、各UV相検出信号間の位相差φuvが異なることによって、3次高調波割合が0%であるときの信号レベル一致時の信号レベルが異なる。この一致時の信号レベルは、位相差φuvを変数とした関数で決定され、3次高調波割合が増加するとともに、一致時の信号レベルは単調増加する。
したがって、3次高調波振幅演算部112は、図9に示した3次高調波振幅演算部13とする。そして、この3次高調波振幅演算部112に、補正検出信号HU´、HV´を入力し、目標値Atgtを、位相差φuvと補正検出信号HU´、HV´の振幅値に応じた3次高調波0%時の補正検出信号HU´、HV´の信号レベル一致時の信号レベルに設定する。このようにすると、3次高調波振幅演算部112は、上記式(6)の演算を行い、簡易的に3次高調波振幅値A3(n)を演算することができる。なお、このときのKA3は負の値となる。
また、図10に示したように、補正検出信号HU´、HV´の振幅値と、位相差φuvが既知であると、3次高調波振幅値A3(n)を一意的に決定することができる。したがって、3次高調波振幅演算部112は、大容量のルックアップテーブルや、高精度な演算器を用いて、補正検出信号HU´、HV´の振幅値と、位相差φuvを基に、一意的に3次高調波振幅値を決定する構成としてもよい。
このようにすると、より一層簡単な構成でかつ安価に、検出信号から3次高調波を適切に除去することができる。
図17は、本発明の本発明の回転角度検出装置、回転角度検出方法及び画像形成装置の第4実施例を適用した回転角度検出装置120の回路構成図である。
なお、本実施例は、上記第1実施例と同様の回転角度検出装置120に適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例と同様の構成部分には、同一の符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
本実施例の回転角度検出装置120は、DCブラシレスモータ30がもともと備えている転流タイミング検出用のホール素子等のように、ホール素子20a、20bは、相互に120°の位相差を有して配設されている。
図17において、回転角度検出装置120は、第1実施例の回転角度検出装置1と同様の信号補正部2、直交化部4、振幅補正部6、検出角度乗算部7、加・減算部8、比較部9、角度設定部10、角度変換部11、正弦波生成部12及び3次高調波振幅演算部13を備えているとともに、減算器121及び擬似3次高調波生成部122を備えている。回転角度検出装置120は、第1実施例の回転角度検出装置1の備えていた演算部3、初期位相検出部5を備えていない。
そして、回転角度検出装置120は、DCブラシレスモータ30がもともと備えているホール素子のように、相互に120度の位相差を有して配設されているホール素子20as、20bsからU相、V相の検出信号HU+/HU−、HV+/HV−が、増幅器21a、21bでシングルエンド化されて検出信号HUO、HV0として入力される。
回転角度検出装置120は、この検出信号HUO、HV0を、上記同様に、信号補正部2の信号補正器2a、2bは、それぞれ信号の振幅が目標振幅値Atgtに一致するように振幅を調整するとともに、それぞれの信号のオフセットを除去して、検出信号HU、HVとして直交化部4へ出力する。
そして、直交化部4は、去検出信号HUと検出信号HVの直交化を行って、X軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0を生成して、X軸直交信号X0を、減算器121へ、Y軸直交信号Y0を振幅補正部6のY振幅補正器6bへ出力する。
すなわち、DCブラシレスモータ30に元々備わっているホール素子のように、ホール素子20as、20bsから出力される検出信号HU0、HV0の位相差φuvは、−2π/3である。このとき、上記式(2)より、X軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0は、次式(8)のように求められ、Y軸直交信号Y0には3次高調波が含まれていない。
X0=A1sin(θ−π/3)−2A3sin(3θ−π)
Y0=−√3/2cos(θ−π/3)・・・(8)
したがって、本実施例の回転角度検出装置120は、検出信号HU0、HV0から3次高調波を除去するために、X軸直交化信号X0を出力する直交化部4の加算器4aの後段にのみ、減算器121を設け、X軸直交信号X0から3次高調波を除去する。
すなわち、減算器121は、擬似3次高調波生成部122から擬似3次高調波A3・sin3θpが入力される。減算器121は、X軸直交信号X0から該擬似3次高調波A3・sin3θpを減算して、3次高調波を除去し、X軸直交信号X0’を、振幅補正部6のX振幅補正器6aへ出力する。
そして、擬似3次高調波生成部122は、乗算器122aのみを備えており、3次高調波振幅演算部13から3次高調波振幅値A3(n)が入力され、正弦波生成部12から正弦波sin3θpのみが入力される。乗算器122aは、3次高調波振幅値A3(n)と正弦波sin3θpを乗算して、擬似3次高調波A3・sin3θpを、減算器121に出力する。
また、正弦波生成部12は、角度設定部10から入力される検出角度θpのみに基づいて、sinθ、cosθを生成して、検出角度乗算部7へ出力するとともに、正弦波sin3θを生成して、乗算器122aへ出力する。
このように、本実施例の回転角度検出装置120は、ホール素子(回転検出手段)20a、20bが、相互に120°の位相差を有する状態で配設されている。
したがって、より一層簡単な構成の回転角度検出装置120により、安価にDCブラシレスモータ30の回転体31回転角度θを正確に検出することができる。
なお、上記各実施例においては、検出信号に含まれている高調波のうち、3次高調波に着目して、該3次高調波を除去している。
したがって、より一層安価にかつ効果的に高調波を除去して、回転体31の回転角度を正確に検出することができる。
また、上記第1、第3及び第4実施例においては、演算部3で高調波を除去した検出信号に基づいて、回転体31の回転角度θに応じたX軸直交信号X0、Y軸直交信号Y0で示されるベクトルを、直交化部(ベクトル演算部)4で求めている。そして、これらの実施例は、正弦波生成部12の出力する正弦波を、検出角度乗算部7及び加・減算部8で該ベクトルに積和して、回転演算した回転ベクトルX’、Y’を生成して、回転ベクトルY’に追従するように、角度設定部10で検出角度θpを設定する。そして、正弦波生成部12は、この検出角度θpを用いて正弦波を生成して、擬似3次高調波生成部14が、この正弦波を用いて擬似3次高調波を生成している。
したがって、正弦波生成部12を有効利用することができ、より一層回路構成を小さくして、安価にすることができる。
さらに、上記第1、第2及び第3実施例においては、検出角度θpを1周忌とする周期関数として捉えた場合の検出信号の初期位相を、初期位相検出部5で検出し、正弦波生成部12が、該初期位相に基づいて、前記正弦波を生成している。
したがって、検出信号の検出角度θpに対する初期位相が不明な場合においても、適切な擬似3次高調波を生成して、検出信号から3次高調波を適切に除去することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 回転角度検出装置
2 信号補正部
2a、2b 信号補正器
3 演算部
3A3b 減算器
4 直交化部
4a 加算アンプ
4b 差動ゲインアンプ
5 初期位相検出部
5a、5b ゼロクロス位相検出器
6 振幅補正部
6a X振幅補正器
6b Y振幅補正器
7 検出角度乗算部
7a、7d 正弦波乗算器
7b、7c 余弦波乗算器
8 加・減算部
8a 減算器
8b 加算器
9 比較部
10 角度設定部
11 角度変換部
12 正弦波生成部
13 3次高調波振幅演算部
14 擬似3次高調波生成部
14a、14b 乗算器
20a U相ホール素子
20b V相ホール素子
20c W相ホール素子
21a、21b 差動増幅部
30 DCブラシレスモータ
31 回転体
41、42、43 加算器
44、45 増幅器
46 メモリ
47 正弦波ルックアップテーブル部
51 信号レベル一致検出器
52 信号レベル絶対値検出器
53 減算器
54 メモリ
55 PIDコントローラ
56 加算器
57 不揮発性メモリ
58 帰還部
100 回転角度検出装置
101 角度設定部
110 回転角度検出装置
111 振幅補正部
111a U相振幅補正器
111b V相振幅補正器
112 3次高調波振幅演算部
120 回転角度検出装置
121 減算器
122 擬似3次高調波生成部
KT 角度探索部
HU+/HU−、HV+/HV−、HW+/HW− 検出信号
HU0、HV0 回転検出信号
HU1、HV1 補正検出信号
X0 X軸直交信号
Y0 Y軸直交信号
Atgt 目標振幅値
特開2001−033277号公報

Claims (11)

  1. 回転体の回転角度に応じて変化するとともに、それぞれ位相の異なる複数の検出信号を出力する状態で配設されている複数の回転検出手段と、
    2つ以上の前記検出信号に基づいて前記回転体の回転角度を検出して検出角度として出力する角度探索手段と、
    前記検出角度を所定倍した倍角検出角度に基づいて、擬似高調波を生成する擬似高調波生成手段と、
    前記検出信号と前記擬似高調波を演算して、該検出信号から高調波を除去して前記角度探索手段へ出力する高調波除去手段と、
    を備えていることを特徴とする回転角度検出装置。
  2. 前記回転角度検出装置は、
    前記擬似高調波の振幅値を生成する擬似高調波振幅生成手段を、
    さらに備え、
    前記擬似高調波振幅生成手段は、
    適宜のタイミングに、前記検出信号のうち、適宜の検出信号の振幅値を検出する振幅検出手段と、
    前記検出信号の振幅値に基づいて該検出信号に含まれる前記高調波の高調波振幅値を求める高調波振幅値検出手段と、
    を備え、
    前記擬似高調波生成手段は、
    前記高調波振幅値に対応する振幅値の前記擬似高調波を生成することを特徴とする請求項1記載の回転角度検出装置。
  3. 前記振幅検出手段は、
    2つの前記検出信号の振幅値が一致するタイミングを前記タイミングとして、2つの該検出信号のいずれかの振幅値を前記検出信号の振幅値として検出することを特徴とする請求項2記載の回転角度検出装置。
  4. 前記回転角度検出装置は、
    前記高調波除去手段の出力する前記検出信号を、相互に演算して、直交化する直交化信号を出力する直交化手段と、
    2つの前記直交化信号を所定の目標振幅値に一致させる補正を行う振幅補正手段と、
    を備え、
    前記振幅検出手段は、
    2つの前記直交化信号の振幅値が一致するタイミングを前記タイミングとして、2つの該直交化信号のいずれかの振幅値を前記検出信号の振幅値として検出することを特徴とする請求項2または請求項3記載の回転角度検出装置。
  5. 前記回転角度検出装置は、
    前記高調波除去手段の出力する前記検出信号を、相互に演算して、直交化する直交化信号を出力する直交化手段と、
    2つの前記直交化信号を所定の目標振幅値に一致させる補正を行う振幅補正手段と、
    を備え、
    前記振幅検出手段は、
    2つの前記直交化信号の振幅値が一致する位相と前記検出角度とが一致するタイミングを前記タイミングとし、2つの該直交化信号のいずれかの振幅値を前記検出信号の振幅値として検出することを特徴とする請求項2または請求項3記載の回転角度検出装置。
  6. 前記回転角度検出装置は、
    前記高調波除去手段の出力する前記検出信号の振幅を、所定の目標振幅値に一致させて、高調波除去検出信号を出力する振幅調整手段を、
    さらに備え、
    前記振幅検出手段は、
    2つの前記高調波除去検出信号の振幅値が一致するタイミングを前記タイミングとして、2つの該高調波除去検出信号のいずれかの振幅値を前記検出信号の振幅値として検出し、
    前記高調波振幅値検出手段は、
    前記振幅検出手段の検出する前記振幅値と、前記検出信号の位相差と、前記目標振幅値に応じた該検出信号の目標検出信号振幅値と、の差分をPID制御して、前記高調波振幅値を求めることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の回転角度検出装置。
  7. 前記高調波振幅値検出手段は、
    前記振幅検出手段の検出する振幅値と、前記目標振幅値に応じた前記検出信号の目標検出信号振幅値との差分をPID制御して、前記高調波振幅値を求めることを特徴とする請求項4または請求項5記載の回転角度検出装置。
  8. 前記高調波振幅値検出手段は、
    前記検出角度1周期の間に、前記振幅検出手段の検出する2つの前記直交化信号の振幅値の絶対値の平均値と、前記目標振幅値との差分をPID制御して、前記高調波振幅値を求めることを特徴とする請求項4または請求項5記載の回転角度検出装置。
  9. 前記回転角度検出手段は、
    出力される相互の前記検出信号の位相差が、π/3の倍数となる状態で配設されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の回転角度検出装置。
  10. 回転体の回転角度に応じて変化するとともに、それぞれ位相の異なる複数の検出信号を出力する状態で配設されている複数の回転検出手段のうち、2つ以上の該検出信号に基づいて該回転体の回転角度を検出して検出角度として出力する角度探索処理ステップと、
    前記検出角度を所定倍した倍角検出角度に基づいて、擬似高調波を生成する擬似高調波生成処理ステップと、
    前記検出信号と前記擬似高調波を演算して、該検出信号から高調波を除去して前記角度探索処理ステップへ出力する高調波除去処理ステップと、
    を有していることを特徴とする回転角度検出方法。
  11. 回転軸の回転角度を回転角度検出部で検出して該回転軸を回転制御し、該回転軸の回転を利用して駆動機構を駆動させて各種画像形成処理を行う画像形成装置において、
    前記回転角度検出部は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の回転角度検出装置であることを特徴とする画像形成装置。
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