JP3408238B2 - レゾルバ/デジタル変換装置および変換方法 - Google Patents
レゾルバ/デジタル変換装置および変換方法Info
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Description
などの回転機器の回転角度を検出するレゾルバのレゾル
バ出力信号をデジタル角度信号に変換するレゾルバ/デ
ジタル変換装置および変換方法に関する。
わるハードウェアは、専用の集積回路として構成される
ことが多いが、このような集積回路を用いることはコス
トが高くなってしまうといった問題を有する。
装置や、内燃機関を制御する制御装置にはマイクロコン
ピュータが組込まれることが多いので、制御装置に組込
まれるマイクロコンピュータを用い、マイクロコンピュ
ータの持つ機能を最大限に利用することによって、レゾ
ルバ/デジタル変換に関わるハードウェアを最大限に利
用し、レゾルバ/デジタル変換に関わるハードウェアを
最小にすることが望まれる。また、典型的な先行技術と
して、以下の3つの先行技術が挙げられる。 イ):特開平10−111145 レゾルバデジタル変
換方法 ロ):特開平11−118520 ディジタル角度変換
方法 ハ):特開平09−265504 レゾルバ/デジタル
信号出力方法 これらの先行技術には、以下に述べるような問題点が存
在する。
をA/D変換器に取込んでいる。これらの場合、A/D
変換時には、直流成分誤差が不可避的に生じ、A/D変
換されたデジタル値は誤差を含むため、角度検出を正確
に行なうことができないという問題がある。直流成分誤
差が生じる主な原因として、A/D変換器内部のスケー
リング抵抗の抵抗値が温度や経時変化により変化するこ
と、A/D変換器内部のD/Aコンバータの出力電圧が
誤差を含むことが挙げられる。イ)では回路の構成上、
サンプルを行なう点が励磁信号の1周期の間における1
点に限定される。前述の誤差を小さくするには、より高
精度のA/D変換器を用意するほかに解決方法はなく、
ハードウェアのコストアップを招く。またロ)では、サ
ンプル回数を多くとってフーリエ変換するという手法を
採用しているため、直流電圧の誤差は除去可能である。
しかし、マイクロコンピュータによる演算量が過大とな
り、高速な処理を行なえるマイクロコンピュータを必要
とし、ハードウェアの制約が厳しくなるという問題点が
あった。
流誤差を除去し、またマイクロコンピュータに過大な負
荷をかけることなく、角度を正確に検出することができ
るレゾルバ/デジタル変換装置を提供することである。
磁2相出力のレゾルバ本体11であって、固定子に、9
0度の位相差をもつA相巻線1とB相巻線2とが巻か
れ、回転機器によって回転される回転子に、励磁巻線3
が巻かれ、励磁巻線3と、A相巻線1およびB相巻線2
との磁気的な結合は、回転子の回転角度φによって変化
するレゾルバ本体と、 (b)一定の角周波数ω0および一定の振幅Vrの周期
的な交流電圧である励磁信号を、励磁巻線3に、印加す
る励磁信号発生回路12と、 (c)アナログ/デジタル変換器13a,13bであっ
て、A相巻線1からのA相出力電圧Aと、B相巻線2か
らのB相出力電圧Bとを、同時刻でサンプリングし、こ
のサンプリング時刻は、励磁信号の1周期のうち、半周
期毎に180度の位相差をもって1回ずつ、合計2回、
サンプリングを行う時刻であり、サンプリングしたA相
出力電圧AとサンプリングしたB相出力電圧Bとを、デ
ジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器と、 (d)差分・符号補正手段25,26であって、アナロ
グ/デジタル変換器の出力に応答し、1サンプル前と現
在とのサンプリングデータの差分(An−1−An),
(Bn−1−Bn)を算出し、その算出した差分がレゾ
ルバの回転子の角度φに応じて正または負に符号を補正
する差分・符号補正手段25,26と、 (e)差分・符号補正手段25,26の出力に応答し、
φを実角度とするとき、符号補正された一方の前記差分
(An−1−An)を算出する第1算出手段と、 (f)差分・符号補正手段25,26の出力に応答し、
符号補正された他方の前記差分(Bn−1−Bn)を算
出する第2算出手段と、 (g)入力される推定角度θの信号に応答し、推定角度
θのsinθとcosθの値を出力するsin・cos出力手段と、 (h)第1算出手段と第2算出手段とsin・cos出力手段
とからの出力に応答し、sinφ、cosφ、sinθ、cosθに
よって偏差φ−θを算出する第3算出手段と、 (i)第3算出手段の出力に応答し、偏差φ−θを積分
して推定角速度vを算出する第1積分器29と、 (j)第3算出手段の出力に応答し、偏差φ−θが与え
られ、比例要素を有し、系を安定化する位相補償器31
と、 (k)第1積分器29の出力と位相補償器31の出力と
を積分し、推定角度θを算出して第1算出手段に与える
第2積分器30とを含むことを特徴とするレゾルバ/デ
ジタル変換装置である。本発明は、励磁信号発生回路1
2は、矩形波の励磁信号を導出し、アナログ/デジタル
変換器は、励磁信号の波形の切替わり時刻から前記A相
およびB相出力電圧A,Bが安定する所定時間遅れたサ
ンプリング時刻でサンプリングを行うことを特徴とす
る。
本体と、アナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換
器と略記する)と演算手段とを有する。電動機や内燃機
関などの回転機器は、マイクロコンピュータを内蔵する
制御装置を有し、前記演算装置は、この制御装置で実現
される。つまり、本発明の演算手段は、レゾルバ専用集
積回路でなく、回転機器に設けられる制御装置のソフト
ウェアとして実現される。これによって、レゾルバ/デ
ジタル変換装置の低コスト化が図られる。
プリングデータは直流誤差を含む。したがって、1周期
に1回のサンプリングを行なうレゾルバ/デジタル変換
装置では、正確に回転角度を算出することが困難であ
る。これに対し、本発明では、サンプリングを励磁信号
1周期のうち2回行い、連続する2回のデータを引き算
によって、誤差が除去される。これによって、安価なA
/D変換器であっても高精度に角度を検出することがで
きる。また従来技術のように、1周期あたりに多点をサ
ンプリングし、フーリエ変換して角度を算出する場合に
は、演算手段での演算処理量が膨大となり、回転機器に
設けられる制御装置では処理できない場合があるが、本
発明では2点のみのサンプリングであるので、回転機器
に設けられる制御装置で充分に演算可能である。また、
1周期あたり2点のみのサンプリングであるので、低速
のA/D変換器を用いることができ、これによっても低
コスト化が図られる。
2.5Vの入力信号を変換するタイプ(両入力タイプ)
と、0V〜5Vの入力信号を変換するタイプ(片入力タ
イプ)とがあり、両入力タイプの場合には、励磁信号は
極性に関して対称の波形を必要とする。本発明では、サ
ンプリングした2点のデータを引き算して演算するの
で、励磁信号を、極性に関して対称とする必要がない。
したがって、安価な素子を使用可能であり、装置の低コ
スト化が図られる。
なうことができる。本発明は、励磁信号発生回路12
は、ノコギリ波、三角波または正弦波の励磁信号を導出
することを特徴とする。
路素子で構成される場合は、回路の構成上の理由から、
励磁信号を正弦波波形とすることが多い。しかし、本発
明においては、励磁信号が正弦波に限定されることはな
く、矩形波や高調波を含む歪み波であってもよい。
機関であって、電動機または内燃機関に備えられ、電動
機または内燃機関を制御し、マイクロコンピュータ14
を内蔵する制御装置が設けられ、この制御装置は、前記
差分・符号補正手段25,26と、第1算出手段と、第
2算出手段と、sin・cos出力手段と、第3算出手段と、
第1積分器29と、位相補償器31と、第2積分器30
とを、ソフトウェアの実行によって実現することを特徴
とする。
ゾルバ本体は、固定子に、90度の位相差をもつA相巻
線1とB相巻線2とが巻かれ、回転機器によって回転さ
れる回転子に、励磁巻線3が巻かれ、励磁巻線3と、A
相巻線1およびB相巻線2との磁気的な結合は、回転子
の回転角度φによって変化する1相励磁2相出力の構成
を有し、励磁信号発生回路12から、一定の角周波数ω
0および一定の振幅Vrの周期的な交流電圧である励磁
信号を、励磁巻線3に、印加し、アナログ/デジタル変
換器によって、A相巻線1からのA相出力電圧Aと、B
相巻線2からのB相出力電圧Bとを、同時刻でサンプリ
ングし、このサンプリング時刻は、励磁信号の1周期の
うち、半周期毎に180度の位相差をもって1回ずつ、
合計2回、サンプリングを行う時刻であり、こうしてサ
ンプリングしたA相出力電圧AとB相出力電圧Bとを、
デジタル信号に変換し、差分・符号補正手段25,26
によって、アナログ/デジタル変換器の出力に応答し、
1サンプル前と現在とのサンプリングデータの差分(A
n−1−An),(Bn−1−Bn)を算出し、その算
出した差分がレゾルバの回転子の角度φに応じて正また
は負に符号を補正し、第1算出手段によって、差分・符
号補正手段25,26の出力に応答し、φを実角度とす
るとき、符号補正された一方の前記差分(An−1−A
n)を算出し、第2算出手段によって、差分・符号補正
手段25,26の出力に応答し、符号補正された他方の
前記差分(Bn−1−Bn)を算出し、sin・cos出力手
段によって、入力される推定角度θの信号に応答し、推
定角度θのsinθとcosθの値を出力し、第3算出手段に
よって、第1算出手段と第2算出手段とsin・cos出力手
段とからの出力に応答し、sinφ、cosφ、sinθ、cosθ
によって偏差φ−θを算出し、第1積分器29によっ
て、第3算出手段の出力に応答し、偏差φ−θを積分し
て推定角速度vを算出し、位相補償器31によって、第
3算出手段の出力に応答し、偏差φ−θが与えられ、比
例要素を有し、系を安定化し、第2積分器30によっ
て、第1積分器29の出力と位相補償器31の出力とを
積分し、推定角度θを算出して第1算出手段に与えるこ
とを特徴とするレゾルバ/デジタル変換方法である。
転角度を算出するので、誤差のうち、直流成分が除去さ
れ、高精度に回転角度を検出することができる。また、
A/D変換器は安価なものでよく、これによって低コス
ト化が図られる。
1相励磁・2相出力方式のレゾルバである。回転子の巻
線に電流を流すためには給電のためにスリップリングと
ブラシが必要になるが、スリップリングとブラシとを回
転変圧器に置き換えたブラシレスタイプのレゾルバもあ
る。
的な構成を図1に示す。この例では、幾何的に90度の
位相差をもつ2つの巻線、A相巻線1とB相巻線2とが
固定子に巻かれ、回転子には1つの巻線、R相巻線3が
巻かれている。R相巻線3は励磁巻線とも呼ばれる。R
相巻線は回転子に固定されているために、回転子の回転
に伴って向きを変える。固定子側の2つの巻線、すなわ
ちA相巻線1とB相巻線2は幾何的に互いに直交してお
り、磁気的な結合はない。R相巻線には、通常、一定の
角周波数、一定の振幅の正弦波交流電圧が印加される。
この結果、回転子はこの角周波数で励磁される。印加さ
れる交流電圧の電圧の振幅をVrとし、角周波数をωo
とする。R相巻線3と、A相巻線1およびB相巻線2と
の間の磁気的な結合は、レゾルバ軸の回転角度によって
変化する。B相巻線2とA相巻線1とは、幾何的に90
度の位相差をもつ。レゾルバの回転角度をφとし、R相
巻線3と、A相巻線1およびB相巻線2との間の磁気的
な結合係数Mar,Mbrは、回転子の回転角度φの関
数となる。 Mar=Mcosφ,Mbr=Msinφ
造と巻線とによって決まる。いまR相巻線3に角周波数
ωoの交流電圧fo(t)を印加する。ここにtは時刻
を表している。このときA相巻線1とB相巻線2とに誘
起させる電圧Va,Vbは以下のようになる。 Va=Marfo(t)=Mcosφfo(t) Vb=Mbrfo(t)=Msinφfo(t)
ジタル変換装置は、上記のA相巻線1、B相巻線2に誘
起される瞬時電圧Va,Vbおよび、R相巻線3に印加
される電圧fo(t)をもとに、回転子の角度φを求
め、デジタル値に変換するものである。 φ=tan-1(Va/Vb)
路素子で構成される場合は、回路の構成上の理由から、
励磁電圧を正弦波波形とすることが多い。
波波形となり、交流電圧の振幅をVroとすれば、 fo(t)=Vro sinωo t と表現できる。このときのA相巻線1とB相巻線2とに
誘起される電圧Va,Vbの一例を図2に示す。また、
レゾルバの出力信号が、A/D変換器によって取込ま
れ、ソフトウェアでレゾルバ/デジタル変換が行われる
場合には、回路構成をシンプルにするために、励磁信号
を矩形波波形とすることも可能である。交流電圧の振幅
をVrrとすれば、交流電圧fo(t)は次のように表現で
きる。 fo(t)=Vrr sgn(sinωot)
こ内が正の値をもつときには+1の値を、負の値をもつ
ときには−1の値をとる。このときのA相とB相の巻線
に誘起される電圧Va,Vbの一例を図3に示す。
/デジタル変換装置10のハードウェア構成を示す図で
ある。レゾルバ/デジタル変換装置10は、レゾルバ本
体11と、励磁信号発生回路12と、A/D変換器13
と、マイクロコンピュータ14とから構成される。レゾ
ルバ本体11は、回転角度を検出するモータなどの回転
機器に取付けられ、前述したA相巻線、B相巻線、R相
巻線を有する。励磁信号発生回路12は、R相巻線を励
磁する回路であり、A/D変換器13は、A相巻線用の
A/D変換器13aとB相巻線用A/D変換器13bと
を有する。マイクロコンピュータ14は、回転機器の制
御装置に内蔵されるものであり、本来、回転機器を制御
するために設けられるものであるが、本発明では、これ
をレゾルバ/デジタル変換装置の角度算出の演算に用い
る。
は、矩形波を発生することを特徴としている。矩形波
は、デジタル素子によって構成されるカウンタ・タイミ
ング回路15で発生される。この矩形波は、巻線を励磁
するのに必要な電圧に増幅回路16で増幅され、レゾル
バ本体のR相巻線に供給される。また、矩形波の増幅回
路は、巻線を励磁するために充分な電流を供給できるも
のとする。増幅回路16のゲインは1でもよく、この場
合は産業界で広く用いられるデジタル回路用素子を使用
してもよい。本実施形態では、正弦波を取扱う必要がな
いので、巻線を駆動するためのリニアアンプや正弦波発
振回路が不要となる。また、カウンタ・タイミング回路
15は、R相励磁信号だけでなく、A/D変換器13へ
の変換開始信号、マイクロコンピュータ14への変換終
了信号を生成する。次に、図5を参照してカウンタ・タ
イミング回路15について説明する。
回路で構成され、1つのバイナリカウンタ20と、2つ
の比較器21,22で構成される。バイナリカウンタ2
0の最上位ビットはそのままR相励磁電圧波形として出
力される。この出力は、R相に励磁に必要な電流を流す
ための増幅回路(バッファIC)16に与えられる。比
較器21は、バイナリカウンタの下位n−1ビットと、
もう1つの予め定められた値Eとを比較して、値が一致
したときに変換終了信号を生成する。
巻線に誘起される電圧Vbは、それぞれA/D変換器1
3によってアナログ値からデジタル値に変換される。A
/D変換器13によってVaとVbとがサンプリングさ
れるのは同時刻である。
よる変換開始信号および変換終了信号のタイミング・チ
ャートである。励磁信号(R相駆動信号)は矩形波であ
り、安定した一定の電圧値を半周期毎にとるので、A相
巻線およびB相巻線電圧は、励磁信号の電圧の切替わり
後に、安定した一定電圧をとる。したがって、この安定
した部分でサンプリングされるように、変換開始時刻を
決定する値Sが決定される。A/D変換を行なうには、
変換器の特性によって定まる変換時間を要するので、変
換開始信号の時刻と、変換終了信号の時刻の時間差は、
A/D変換器13の変換時間よりも大きく取られ、この
変換時間から前記予め定める値Eが決まる。サンプリン
グは、搬送波(励磁信号)の1周期のうちに2回行われ
る。1回は、搬送波が正の値をとる半周期内の1つの時
刻であり、もう1回は搬送波に対しておよそ180度の
位相差をもって行われる。矩形波の信号によって励磁さ
れるので、A相巻線電圧およびB相巻線電圧も、1周期
に2回の安定した一定の電圧値が存在し、180度の位
相差をもって1周期に2回サンプリングする場合、安定
した値をサンプリングすることができる。これによっ
て、伝送線路の特性などによってサンプリングの時間遅
れが発生したとしても、一定の値をサンプリングするこ
とができ、変換誤差を低減させることができる。
タ14の内部でソフトウェアによって行われる処理を示
す。A相巻線電圧、B相巻線電圧は、A/D変換器13
a,13bによってデジタル化され、マイクロコンピュ
ータ14によってその値が読込まれた後、差分・符号補
正処理される。次に、図8を参照して、差分・符号補正
処理について説明する。
よりA相(sin成分)のデータをそれぞれA0からA1
5までサンプリングしたとき、以下の処理を行う。 (A0−A1)・sgn、(A1−A2)・sgn、(A2−
A3)・sgn、(A3−A4)・sgn、…、(An−1−
An)・sgn
に、1サンプル前の時刻のサンプリングデータから現在
時刻のサンプリングデータを引いて差分を算出する。図
8の縦の点線部分はモータの角度が180度を超えたこ
とを意味する。180度を超えたとき差分の符号を正か
ら負に変える必要がある。差分に関数sgnを乗算して符
号を補正する。この例の場合は、時刻が0,2,4,
6,8,10,12,14のとき、s gn=−1であり、
時刻が1,3,5,7,9,11,13,15のとき、
sgn=+1である。180度以前において(An−1−
An)・sgnは正の値となり、180度以後において
(An−1−An)・sgnを負の値とすることができ
る。
した処理は、サンプリングデータの差分を算出するた
め、次の2つの働きを有する。サンプリングデータに
含まれるA/D変換器の直流分誤差の除去、サンプリ
ングデータに高域通過フィルタをかけることができる。
角度φと推定角度θとの偏差φ−θを算出し、この偏差
と2個の積分器を用いて、推定角速度vおよび推定角度
θを算出する。
る伝達関数のブロック図である。積分器30からの出力
が推定角度θであり、この推定角度θと、実際の角度φ
とから偏差φ−θが算出される。この偏差φ−θは、ゲ
インを乗じた後、再び上記の積分器30に入力される。
このことによって、推定角度θは、常に実際の角度に追
従しようと働く。したがって、推定角度θが実際の角度
φに追従するように、フィードバックゲインを選べば、
積分器30への入力は推定角速度vとして利用される。
回転機器が一定回転で回り続ける場合、速度は一定にな
るので、積分器30への入力はゼロでない一定値でなけ
ればならない。一方、推定角度θが実角度φに完全にト
ラッキングしてしまえば、角度の偏差φ−θはゼロとな
る。この場合には、フィードバックゲインに積分器を含
ませる必要がある。これが積分器29である。また、フ
ィードバックゲインが積分器のみの場合は、系が安定と
ならない。そこで、比例要素をフィードバックゲインに
追加して、ダイピングを追加する。これが位相補償器3
1である。位相補償器31の出力は、第1積分器29の
出力である推定角速度vに加えられておらず、これによ
って実角度φが変化したときの誤差を抑制することがで
きる。よって、最終的な制御構成図は、図9に示すよう
になる。図9の制御系の伝達関数は次のようになる。 v/φ = sKI/(s2+sKp+KI)
角周波数ωnおよび減衰定数ξを適切に選ぶことによ
り、ブロック図中のKIとKpを決定することができ
る。たとえば、減衰定数ξ=1/√2とする。
ブロック図と、図10のフローチャートを参照して、回
転速度推定値と、回転角度推定値の算出方法を説明す
る。
器13a,13bで変換されたA相とB相のサンプリン
グデータがマイクロコンピュータ14に読込まれる。ス
テップS2では、sgn=1であるか否かが判断され、1
の場合は、ステップS3に進み、−1の場合は、ステッ
プS4に進む。ステップS3では、An−1−Anが、
si nφとして算出され、Bn−1−Bnが、cosφとし
て算出される。ここで、φは実際の角度である。次に、
ステップS5で、推定角度θのsinとcosの値をsin cos
テーブル27から読出す。ステップS6では、演算回路
28で、φ−θ=sinφ cosθ−cosφ sinθを演算し、
偏差φ−θを算出する。ステップS7では、積分器29
で積分し、ステップS8で積分値sに定数KI・τを乗
じて推定角速度vを算出する。次のステップS9では、
推定角速度vを積分器30で積分するとともに、位相補
償器31で位相補償を行い、推定角度θを算出する。つ
まり、KI・τ2・s+Kp・τ・(φ−θ)を算出す
る。また、この推定角度θは、前述したsin cosテーブ
ル27で参照される。最後のステップS10で、An-1
=An,Bn-1=Bnとしてサンプリングデータを1つず
つずらして一連の処理が終了する。このようなスタート
からエンドまでの一連の処理を、マイクロコンピュータ
14の制御周期毎に行なう。
号の1周期のうち2回行い、連続する2回のデータを引
き算するので、サンプリングデータに直流誤差が含まれ
ていたとしても、引き算によって、誤差が除去され、こ
れによって、安価なA/D変換器であっても高精度に角
度を検出することができる。また、レゾルバの励磁巻線
を駆動するドライバは、極性に関する対称性を要求され
ないため、安価な素子が使用可能である。
ルバ出力1周期に対して2回しか行われず、低速のA/
D変換器が使用可能である。また、演算量も少なくて済
み、回転機器に設けられる制御装置のマイクロコンピュ
ータで演算することができる。以上により、装置の低コ
ストを実現できる。
用いることで、1周期に2回安定してサンプリングを行
なうことができ、レゾルバ本体の特性に起因する波形歪
みがあっても、精度良く角度検出ができる。また上述し
た実施形態では、励磁信号矩形波としたが、本発明はこ
れに限定されるものでなく、正弦波であってもよく、高
調波を含む歪み波であってもよい。
ある。
起される電圧の波形図である。
起される電圧の波形図である。
換装置10のハードウェア構成を示す図である。
ある。
る。
る。
号の付与を説明する図である。
る。
アのフローチャートである。
Claims (5)
- 【請求項1】 (a)1相励磁2相出力のレゾルバ本体
11であって、 固定子に、90度の位相差をもつA相巻線1とB相巻線
2とが巻かれ、 回転機器によって回転される回転子に、励磁巻線3が巻
かれ、 励磁巻線3と、A相巻線1およびB相巻線2との磁気的
な結合は、回転子の回転角度φによって変化するレゾル
バ本体と、 (b)一定の角周波数ω0および一定の振幅Vrの周期
的な交流電圧である励磁信号を、励磁巻線3に、印加す
る励磁信号発生回路12と、 (c)アナログ/デジタル変換器13a,13bであっ
て、 A相巻線1からのA相出力電圧Aと、B相巻線2からの
B相出力電圧Bとを、同時刻でサンプリングし、 このサンプリング時刻は、励磁信号の1周期のうち、半
周期毎に180度の位相差をもって1回ずつ、合計2
回、サンプリングを行う時刻であり、 サンプリングしたA相出力電圧AとサンプリングしたB
相出力電圧Bとを、デジタル信号に変換するアナログ/
デジタル変換器と、 (d)差分・符号補正手段25,26であって、 アナログ/デジタル変換器の出力に応答し、 1サンプル前と現在とのサンプリングデータの差分(A
n−1−An),(Bn−1−Bn)を算出し、その算
出した差分がレゾルバの回転子の角度φに応じて正また
は負に符号を補正する差分・符号補正手段25,26
と、 (e)差分・符号補正手段25,26の出力に応答し、 φを実角度とするとき、符号補正された一方の前記差分
(An−1−An)を算出する第1算出手段と、 (f)差分・符号補正手段25,26の出力に応答し、 符号補正された他方の前記差分(Bn−1−Bn)を算
出する第2算出手段と、 (g)入力される推定角度θの信号に応答し、推定角度
θのsinθとcosθの値を出力するsin・cos出力手段と、 (h)第1算出手段と第2算出手段とsin・cos出力手段
とからの出力に応答し、sinφ、cosφ、sinθ、cosθに
よって偏差φ−θを算出する第3算出手段と、 (i)第3算出手段の出力に応答し、偏差φ−θを積分
して推定角速度vを算出する第1積分器29と、 (j)第3算出手段の出力に応答し、偏差φ−θが与え
られ、比例要素を有し、系を安定化する位相補償器31
と、 (k)第1積分器29の出力と位相補償器31の出力と
を積分し、推定角度θを算出して第1算出手段に与える
第2積分器30とを含むことを特徴とするレゾルバ/デ
ジタル変換装置。 - 【請求項2】 励磁信号発生回路12は、矩形波の励磁
信号を導出し、 アナログ/デジタル変換器は、励磁信号の波形の切替わ
り時刻から前記A相およびB相出力電圧A,Bが安定す
る所定時間遅れたサンプリング時刻でサンプリングを行
うことを特徴とする請求項1記載のレゾルバ/デジタル
変換装置。 - 【請求項3】 励磁信号発生回路12は、 ノコギリ波、三角波または正弦波の励磁信号を導出する
ことを特徴とする請求項1記載のレゾルバ/デジタル変
換装置。 - 【請求項4】 回転機器は、電動機または内燃機関であ
って、 電動機または内燃機関に備えられ、電動機または内燃機
関を制御し、マイクロコンピュータ14を内蔵する制御
装置が設けられ、 この制御装置は、前記差分・符号補正手段25,26
と、第1算出手段と、第2算出手段と、sin・cos出力手
段と、第3算出手段と、第1積分器29と、位相補償器
31と、第2積分器30とを、ソフトウェアの実行によ
って実現することを特徴とする請求項1〜3のうちの1
つに記載のレゾルバ/デジタル変換装置。 - 【請求項5】 レゾルバ本体を準備し、 このレゾルバ本体は、 固定子に、90度の位相差をもつA相巻線1とB相巻線
2とが巻かれ、 回転機器によって回転される回転子に、励磁巻線3が巻
かれ、 励磁巻線3と、A相巻線1およびB相巻線2との磁気的
な結合は、回転子の回転角度φによって変化する1相励
磁2相出力の構成を有し、 励磁信号発生回路12から、一定の角周波数ω0および
一定の振幅Vrの周期的な交流電圧である励磁信号を、
励磁巻線3に、印加し、 アナログ/デジタル変換器によって、 A相巻線1からのA相出力電圧Aと、B相巻線2からの
B相出力電圧Bとを、同時刻でサンプリングし、 このサンプリング時刻は、励磁信号の1周期のうち、半
周期毎に180度の位相差をもって1回ずつ、合計2
回、サンプリングを行う時刻であり、 こうしてサンプリングしたA相出力電圧AとB相出力電
圧Bとを、デジタル信号に変換し、 差分・符号補正手段25,26によって、 アナログ/デジタル変換器の出力に応答し、 1サンプル前と現在とのサンプリングデータの差分(A
n−1−An),(Bn−1−Bn)を算出し、その算
出した差分がレゾルバの回転子の角度φに応じて正また
は負に符号を補正し、 第1算出手段によって、 差分・符号補正手段25,26の出力に応答し、 φを実角度とするとき、符号補正された一方の前記差分
(An−1−An)を算出し、 第2算出手段によって、 差分・符号補正手段25,26の出力に応答し、 符号補正された他方の前記差分(Bn−1−Bn)を算
出し、 sin・cos出力手段によって、 入力される推定角度θの信号に応答し、推定角度θのsi
nθとcosθの値を出力し、 第3算出手段によって、 第1算出手段と第2算出手段とsin・cos出力手段とから
の出力に応答し、sinφ、cosφ、sinθ、cosθによって
偏差φ−θを算出し、 第1積分器29によって、 第3算出手段の出力に応答し、偏差φ−θを積分して推
定角速度vを算出し、 位相補償器31によって、 第3算出手段の出力に応答し、偏差φ−θが与えられ、
比例要素を有し、系を安定化し、 第2積分器30によって、 第1積分器29の出力と位相補償器31の出力とを積分
し、推定角度θを算出して第1算出手段に与えることを
特徴とするレゾルバ/デジタル変換方法。
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