JP2002162255A - レゾルバ/デジタル変換装置および変換方法 - Google Patents

レゾルバ/デジタル変換装置および変換方法

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JP2002162255A
JP2002162255A JP2000355784A JP2000355784A JP2002162255A JP 2002162255 A JP2002162255 A JP 2002162255A JP 2000355784 A JP2000355784 A JP 2000355784A JP 2000355784 A JP2000355784 A JP 2000355784A JP 2002162255 A JP2002162255 A JP 2002162255A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 A/D変換器の直流誤差を除去し、またマイ
クロコンピュータに過大な負荷をかけることなく、角度
を正確に検出することができるレゾルバ/デジタル変換
装置を提供する。 【解決手段】 1相励磁2相出力のレゾルバ/デジタル
変換装置10のR相巻線3に、励磁信号として矩形波を
供給し、A相巻線1およびB相巻線2からの出力電圧を
それぞれA/D変換器13でサンプリングする。サンプ
リングは、励磁信号1周期につき2回行い、連続するサ
ンプリングデータを引き算する。これによって、直流誤
差成分が除去される。励磁信号の波形を矩形波とするこ
とで、安定してサンプリングを行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機や内燃機関
などの回転機器の回転角度を検出するレゾルバのレゾル
バ出力信号をデジタル角度信号に変換するレゾルバ/デ
ジタル変換装置および変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のレゾルバ/デジタル変換装置に関
わるハードウェアは、専用の集積回路として構成される
ことが多いが、このような集積回路を用いることはコス
トが高くなってしまうといった問題を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電動機を駆動する駆動
装置や、内燃機関を制御する制御装置にはマイクロコン
ピュータが組込まれることが多いので、制御装置に組込
まれるマイクロコンピュータを用い、マイクロコンピュ
ータの持つ機能を最大限に利用することによって、レゾ
ルバ/デジタル変換に関わるハードウェアを最大限に利
用し、レゾルバ/デジタル変換に関わるハードウェアを
最小にすることが望まれる。また、典型的な先行技術と
して、以下の3つの先行技術が挙げられる。 イ):特開平10−111145 レゾルバデジタル変
換方法 ロ):特開平11−118520 ディジタル角度変換
方法 ハ):特開平09−265504 レゾルバ/デジタル
信号出力方法 これらの先行技術には、以下に述べるような問題点が存
在する。
【0004】イ)およびロ)では、レゾルバの出力信号
をA/D変換器に取込んでいる。これらの場合、A/D
変換時には、直流成分誤差が不可避的に生じ、A/D変
換されたデジタル値は誤差を含むため、角度検出を正確
に行なうことができないという問題がある。直流成分誤
差が生じる主な原因として、A/D変換器内部のスケー
リング抵抗の抵抗値が温度や経時変化により変化するこ
と、A/D変換器内部のD/Aコンバータの出力電圧が
誤差を含むことが挙げられる。イ)では回路の構成上、
サンプルを行なう点が励磁信号の1周期の間における1
点に限定される。前述の誤差を小さくするには、より高
精度のA/D変換器を用意するほかに解決方法はなく、
ハードウェアのコストアップを招く。またロ)では、サ
ンプル回数を多くとってフーリエ変換するという手法を
採用しているため、直流電圧の誤差は除去可能である。
しかし、マイクロコンピュータによる演算量が過大とな
り、高速な処理を行なえるマイクロコンピュータを必要
とし、ハードウェアの制約が厳しくなるという問題点が
あった。
【0005】本発明の目的は、A/D変換時に生じる直
流誤差を除去し、またマイクロコンピュータに過大な負
荷をかけることなく、角度を正確に検出することができ
るレゾルバ/デジタル変換装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、回転機器に取付けられる1相励磁2相出力のレゾル
バ本体と、レゾルバ本体から得られる2相のレゾルバ出
力をサンプリングしデジタル信号に変換するアナログ/
デジタル変換器と、アナログ/デジタル変換器からのデ
ジタル信号に基づいて回転機器の回転角度および回転角
速度の少なくともいずれか一方を算出する演算手段とを
有するレゾルバ/デジタル変換装置において、前記アナ
ログ/デジタル変換器は、励磁信号の1周期のうち、2
回サンプリングを行なうことを特徴とするレゾルバ/デ
ジタル変換装置である。
【0007】請求項2記載の本発明は、前記演算手段
は、サンプリングした連続する2回のデータを引き算し
たデータを用いて演算を行なうことを特徴とする。
【0008】レゾルバ/デジタル変換装置は、レゾルバ
本体と、アナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換
器と略記する)と演算手段とを有する。電動機や内燃機
関などの回転機器は、マイクロコンピュータを内蔵する
制御装置を有し、前記演算装置は、この制御装置で実現
される。つまり、本発明の演算手段は、レゾルバ専用集
積回路でなく、回転機器に設けられる制御装置のソフト
ウェアとして実現される。これによって、レゾルバ/デ
ジタル変換装置の低コスト化が図られる。
【0009】前述したように、A/D変換器では、サン
プリングデータは直流誤差を含む。したがって、1周期
に1回のサンプリングを行なうレゾルバ/デジタル変換
装置では、正確に回転角度を算出することが困難であ
る。これに対し、本発明では、サンプリングを励磁信号
1周期のうち2回行い、連続する2回のデータを引き算
によって、誤差が除去される。これによって、安価なA
/D変換器であっても高精度に角度を検出することがで
きる。また従来技術のように、1周期あたりに多点をサ
ンプリングし、フーリエ変換して角度を算出する場合に
は、演算手段での演算処理量が膨大となり、回転機器に
設けられる制御装置では処理できない場合があるが、本
発明では2点のみのサンプリングであるので、回転機器
に設けられる制御装置で充分に演算可能である。また、
1周期あたり2点のみのサンプリングであるので、低速
のA/D変換器を用いることができ、これによっても低
コスト化が図られる。
【0010】A/D変換器は、たとえば−2.5V〜+
2.5Vの入力信号を変換するタイプ(両入力タイプ)
と、0V〜5Vの入力信号を変換するタイプ(片入力タ
イプ)とがあり、両入力タイプの場合には、励磁信号は
極性に関して対称の波形を必要とする。本発明では、サ
ンプリングした2点のデータを引き算して演算するの
で、励磁信号を、極性に関して対称とする必要がない。
したがって、安価な素子を使用可能であり、装置の低コ
スト化が図られる。
【0011】請求項3記載の本発明は、サンプリング点
は、励磁信号の波形の切替わり点から所定時間遅れた点
で行い、2回のサンプリングは、180度の位相差をも
って行なうことを特徴とする。
【0012】これによって、安定してサンプリングを行
なうことができる。請求項4記載の本発明の励磁信号
は、矩形波、ノコギリ波、三角波、正弦波といった周期
的な信号であることを特徴とする。
【0013】レゾルバ/デジタル変換装置がアナログ回
路素子で構成される場合は、回路の構成上の理由から、
励磁信号を正弦波波形とすることが多い。しかし、本発
明においては、励磁信号が正弦波に限定されることはな
く、矩形波や高調波を含む歪み波であってもよい。
【0014】請求項5記載の本発明は、位置推定器と速
度推定器とにより回転角度と回転角速度とを算出するこ
とを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、レゾルバ/デジタル変換
装置において、マイクロコンピュータのソフトウェアの
処理による位置推定器と速度推定器により回転角度と回
転角速度を同時に算出することができる。
【0016】請求項6記載の本発明は、1相励磁2相出
力のレゾルバから得られる2相のレゾルバ出力をサンプ
リングし、回転角度および回転角速度の少なくともいず
れか一方を算出するレゾルバ/デジタル変換方法におい
て、前記サンプリングを、励磁信号の1周期のうち2回
行なうことを特徴とするレゾルバ/デジタル変換方法で
ある。
【0017】本発明に従えば、2点サンプリング点で回
転角度を算出するので、誤差のうち、直流成分が除去さ
れ、高精度に回転角度を検出することができる。また、
A/D変換器は安価なものでよく、これによって低コス
ト化が図られる。
【0018】
【発明の実施の形態】レゾルバにはその巻線の方式によ
って各種の方式があるが、本発明で対象とするレゾルバ
は、1相励磁・2相出力方式のレゾルバについて述べ
る。回転子の巻線に電流を流すためには給電のためにス
リップリングとブラシが必要になるが、スリップリング
とブラシとを回転変圧器に置き換えたブラシレスタイプ
のレゾルバもある。なお、回転子に巻線を施さないリラ
クタンス型レゾルバと呼ばれる形式のレゾルバで、電気
的には見かけ上1相励磁・2相出力方式と同等の電気的
特性を持つものがある。本発明のレゾルバデジタル変換
方式では、この方式のレゾルバも対象とする。
【0019】1相励磁・2相出力方式のレゾルバの代表
的な構成を図1に示す。この例では、幾何的に90度の
位相差をもつ2つの巻線、A相巻線1とB相巻線2とが
固定子に巻かれ、回転子には1つの巻線、R相巻線3が
巻かれている。R相巻線3は励磁巻線とも呼ばれる。R
相巻線は回転子に固定されているために、回転子の回転
に伴って向きを変える。固定子側の2つの巻線、すなわ
ちA相巻線1とB相巻線2は幾何的に互いに直交してお
り、磁気的な結合はない。R相巻線には、通常、一定の
角周波数、一定の振幅の正弦波交流電圧が印加される。
この結果、回転子はこの角周波数で励磁される。印加さ
れる交流電圧の電圧の振幅をVrとし、角周波数をωo
とする。R相巻線3と、A相巻線1およびB相巻線2と
の間の磁気的な結合は、レゾルバ軸の回転角度によって
変化する。B相巻線2とA相巻線1とは、幾何的に90
度の位相差をもつ。レゾルバの回転角度をθとし、R相
巻線3と、A相巻線1およびB相巻線2との間の磁気的
な結合係数Mar,Mbrは、回転子の回転角度θの関
数となる。 Mar=Mcosθ,Mbr=Msinθ
【0020】ここにMは正定数であって、レゾルバの構
造と巻線とによって決まる。いまR相巻線3に角周波数
ωoの交流電圧fo(t)を印加する。ここにtは時刻
を表している。このときA相巻線1とB相巻線2とに誘
起させる電圧Va,Vbは以下のようになる。 Va=Marfo(t)=Mcosθfo(t) Vb=Mbrfo(t)=Msinθfo(t)
【0021】産業界で広く用いられているレゾルバ/デ
ジタル変換装置は、上記のA相巻線1、B相巻線2に誘
起される瞬時電圧Va,Vbおよび、R相巻線3に印加
される電圧fo(t)をもとに、回転子の角度θを求
め、デジタル値に変換するものである。 θ=tan-1(Va/Vb)
【0022】レゾルバデジタル変換装置が、アナログ回
路素子で構成される場合は、回路の構成上の理由から、
励磁電圧を正弦波波形とすることが多い。
【0023】この場合、上記交流電圧fo(t)は正弦
波波形となり、交流電圧の振幅をVroとすれば、 fo(t)=Vro sinωo t と表現できる。このときのA相巻線1とB相巻線2とに
誘起される電圧Va,Vbの一例を図2に示す。また、
レゾルバの出力信号が、A/D変換器によって取込ま
れ、ソフトウェアでレゾルバ/デジタル変換が行われる
場合には、回路構成をシンプルにするために、励磁信号
を矩形波波形とすることも可能である。交流電圧の振幅
をVrrとすれば、交流電圧fo(t)は次のように表現で
きる。 fo(t)=Vrr sgn(sinωot)
【0024】ここに関数sgn()は符号関数であり、かっ
こ内が正の値をもつときには+1の値を、負の値をもつ
ときには−1の値をとる。このときのA相とB相の巻線
に誘起される電圧Va,Vbの一例を図3に示す。
【0025】図4は、本発明の実施の一形態のレゾルバ
/デジタル変換装置10のハードウェア構成を示す図で
ある。レゾルバ/デジタル変換装置10は、レゾルバ本
体11と、励磁信号発生回路12と、A/D変換器13
と、マイクロコンピュータ14とから構成される。レゾ
ルバ本体11は、回転角度を検出するモータなどの回転
機器に取付けられ、前述したA相巻線、B相巻線、R相
巻線を有する。励磁信号発生回路12は、R相巻線を励
磁する回路であり、A/D変換器13は、A相巻線用の
A/D変換器13aとB相巻線用A/D変換器13bと
を有する。マイクロコンピュータ14は、回転機器の制
御装置に内蔵されるものであり、本来、回転機器を制御
するために設けられるものであるが、本発明では、これ
をレゾルバ/デジタル変換装置の角度算出の演算に用い
る。
【0026】本実施形態では、励磁信号発生回路12
は、矩形波を発生することを特徴としている。矩形波
は、デジタル素子によって構成されるカウンタ・タイミ
ング回路15で発生される。この矩形波は、巻線を励磁
するのに必要な電圧に増幅回路16で増幅され、レゾル
バ本体のR相巻線に供給される。また、矩形波の増幅回
路は、巻線を励磁するために充分な電流を供給できるも
のとする。増幅回路16のゲインは1でもよく、この場
合は産業界で広く用いられるデジタル回路用素子を使用
してもよい。本実施形態では、正弦波を取扱う必要がな
いので、巻線を駆動するためのリニアアンプや正弦波発
振回路が不要となる。また、カウンタ・タイミング回路
15は、R相励磁信号だけでなく、A/D変換器13へ
の変換開始信号、マイクロコンピュータ14への変換終
了信号を生成する。次に、図5を参照してカウンタ・タ
イミング回路15について説明する。
【0027】カウンタ・タイミング回路15はデジタル
回路で構成され、1つのバイナリカウンタ20と、2つ
の比較器21,22で構成される。バイナリカウンタ2
0の最上位ビットはそのままR相励磁電圧波形として出
力される。この出力は、R相を励磁に必要な電流を流す
ための増幅回路(バッファIC)16に与えられる。比
較器21は、バイナリカウンタの下位n−1ビットと、
もう1つの予め定められた値Eとを比較して、値が一致
したときに変換終了信号を生成する。
【0028】A相巻線に誘起されている電圧VaとB相
巻線に誘起される電圧Vbは、それぞれA/D変換器1
3によってアナログ値からデジタル値に変換される。A
/D変換器13によってVaとVbとがサンプリングさ
れるのは同時刻である。
【0029】図6は、カウンタ・タイミング回路16に
よる変換開始信号および変換終了信号のタイミング・チ
ャートである。励磁信号(R相駆動信号)は矩形波であ
り、安定した一定の電圧値を半周期毎にとるので、A相
巻線およびB相巻線電圧は、励磁信号の電圧の切替わり
後に、安定した一定電圧をとる。したがって、この安定
した部分でサンプリングされるように、変換開始時刻を
決定する値Sが決定される。A/D変換を行なうには、
変換器の特性によって定まる変換時間を要するので、変
換開始信号の時刻と、変換終了信号の時刻の時間差は、
A/D変換器13の変換時間よりも大きく取られ、この
変換時間から前記予め定める値Eが決まる。サンプリン
グは、搬送波(励磁信号)の1周期のうちに2回行われ
る。1回は、搬送波が正の値をとる半周期内の1つの時
刻であり、もう1回は搬送波に対しておよそ180度の
位相差をもって行われる。矩形波の信号によって励磁さ
れるので、A相巻線電圧およびB相巻線電圧も、1周期
に2回の安定した一定の電圧値が存在し、180度の位
相差をもって1周期に2回サンプリングする場合、安定
した値をサンプリングすることができる。これによっ
て、伝送線路の特性などによってサンプリングの時間遅
れが発生したとしても、一定の値をサンプリングするこ
とができ、変換誤差を低減させることができる。
【0030】次に、図7を参照してマイクロコンピュー
タ14の内部でソフトウェアによって行われる処理を示
す。A相巻線電圧、B相巻線電圧は、A/D変換器13
a,13bによってデジタル化され、マイクロコンピュ
ータ14によってその値が読込まれた後、差分・符号補
正処理される。次に、図8を参照して、差分・符号補正
処理について説明する。
【0031】時刻0から15の間に、AD変換器13に
よりA相(sin成分)のデータをそれぞれA0からA1
5までサンプリングしたとき、以下の処理を行う。 (A0−A1)・sgn、(A1−A2)・sgn、(A2−
A3)・sgn、(A3−A4)・sgn、…(An−An-1
・sgn
【0032】搬送波fo(t)の周波数成分を除去するため
に、1サンプル前の時刻のサンプリングデータから現在
時刻のサンプリングデータを引いて差分を算出する。図
の点線部分はモータの角度が180度を超えたことを意
味する。180度を超えたとき差分の符号を正から負に
変える必要がある。差分に関数sgnを乗算して符号を補
正する。この例の場合は、時刻が0,2,4,6,8,
10,12,14のとき、sgn=1であり、時刻が1,
3,5,7,9,11,13,15のとき、sgn=−1
である。180度以前において(An−An-1)・sgnは
正の値となり、180度以後においては負の値とするこ
とができる。
【0033】以上の搬送波fo(t)の周波数成分を目的と
した処理は、サンプリングデータの差分を算出するた
め、次の2つの働きを有する。サンプリングデータに
含まれるAD変換器の直流分誤差の除去、サンプリン
グデータに高域通過フィルタをかけることができる。
【0034】本発明では、推定角度θを求めるのに、実
角度φと推定角度θとの偏差φ−θを算出し、この偏差
と2個の積分器を用いて、推定角速度vおよび推定角度
θを算出する。
【0035】図9は、実角度から推定角速度vを求める
伝達関数のブロック図である。積分器30からの出力が
推定角度θであり、この推定角度θと、実際の角度φと
から偏差φ−θが算出される。この偏差φ−θは、ゲイ
ンを乗じた後、再び上記の積分器30に入力される。こ
のことによって、推定角度θは、常に実際の角度に追従
しようと働く。したがって、推定角度θが実際の角度φ
に追従するように、フィードバックゲインを選べば、積
分器30への入力は推定角速度vとして利用される。回
転機器が一定回転で回り続ける場合、速度は一定になる
ので、積分器30への入力はゼロでない一定値でなけれ
ばならない。一方、推定角度θが実角度φに完全にトラ
ッキングしてしまえば、角度の偏差φ−θはゼロとな
る。この場合には、フィードバックゲインに積分器を含
ませる必要がある。これが積分器29である。また、フ
ィードバックゲインが積分器のみの場合は、系が安定と
ならない。そこで、比例要素をフィードバックゲインに
追加して、ダイピングを追加する。これが位相補償器3
1である。よって、最終的な制御構成図は、図9に示す
ようになる。図9の制御系の伝達関数は次のようにな
る。 ‘y(s)/x(s) = sKi/(s2+sKp+Ki)
【0036】ωn 2=Ki,2ζωn=Kpとすれば、自然
角周波数ωnおよび減衰定数ξを適切に選ぶことによ
り、ブロック図中のKiとKpを決定することができる。
たとえば、減衰定数ξ=1/√2とする。
【0037】次に、図7のマイクロコンピュータ14の
ブロック図と、図10のフローチャートを参照して、回
転速度推定値と、回転角度推定値の算出方法を説明す
る。
【0038】まず、ステップS1において、A/D変換
器13a,13bで変換されたA相とB相のサンプリン
グデータがマイクロコンピュータ14に読込まれる。ス
テップS2では、sgn=1であるか否かが判断され、1
の場合は、ステップS3に進み、−1の場合は、ステッ
プS4に進む。ステップS3では、An−An-1が、sin
φとして算出され、Bn−Bn-1が、cosφとして算出さ
れる。ここで、φは実際の角度である。次に、ステップ
S5で、推定角度θのsinとcosの値をsin cosテーブル
27から読出す。ステップS6では、演算回路28で、
φ−θ=sinφ cosθ−cosφ sinφを演算し、偏差φ−
θを算出する。ステップS7では、積分器29で積分
し、ステップS8で積分値sに定数Ki・τ・2π/2
56を乗じて推定角速度vを算出する。次のステップS
9では、推定角速度vを積分器30で積分するととも
に、位相補償器31で位相補償を行い、推定角度θを算
出する。つまり、Ki・τ2・s+Kp・τ・(φ−θ)
を算出する。また、この推定角度θは、前述したsin co
sテーブル27で参照される。最後のステップS10
で、An-1=An,Bn-1=Bnとしてサンプリングデータ
を1つずつずらして一連の処理が終了する。このような
スタートからエンドまでの一連の処理を、マイクロコン
ピュータ14の制御周期毎に行なう。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、サンプリングを励磁信
号の1周期のうち2回行い、連続する2回のデータを引
き算するので、サンプリングデータに直流誤差が含まれ
ていたとしても、引き算によって、誤差が除去され、こ
れによって、安価なA/D変換器であっても高精度に角
度を検出することができる。また、レゾルバの励磁巻線
を駆動するドライバは、極性に関する対称性を要求され
ないため、安価な素子が使用可能である。
【0040】また、角度を推定するための演算は、レゾ
ルバ出力1周期に対して2回しか行われず、低速のA/
D変換器が使用可能である。また、演算量も少なくて済
み、回転機器に設けられる制御装置のマイクロコンピュ
ータで演算することができる。以上により、装置の低コ
ストを実現できる。
【0041】また本発明によれば、励磁信号に矩形波を
用いることで、1周期に2回安定してサンプリングを行
なうことができ、レゾルバ本体の特性に起因する波形歪
みがあっても、精度良く角度検出ができる。また上述し
た実施形態では、励磁信号矩形波としたが、本発明はこ
れに限定されるものでなく、正弦波であってもよく、高
調波を含む歪み波であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とするレゾルバの構造を示す図で
ある。
【図2】正弦波で励磁したときのA相とB相の巻線に誘
起される電圧。
【図3】矩形波で励磁したときのA相とB相の巻線に誘
起される電圧。
【図4】本発明の実施の一形態のレゾルバ/デジタル変
換装置10のハードウェア構成を示す図である。
【図5】カウンタ・タイミング回路15のブロック図で
ある。
【図6】信号のタイミングを示すタイムチャートであ
る。
【図7】マイクロコンピュータ14のブロック図であ
る。
【図8】B相(sin成分)のデータと、それに対する符
号の付与を説明する図である。
【図9】推定角度を算出する伝達関数のブロック図であ
る。
【図10】マイクロコンピュータで演算するソフトウェ
アのフローチャートである。
【符号の説明】
1 A相巻線 2 B相巻線 3 R相巻線 10 レゾルバ/デジタル変換装置 11 レゾルバ本体11 12 励磁信号発生回路 13 A/D変換器 14 マイクロコンピュータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機器に取付けられる1相励磁2相出
    力のレゾルバ本体と、レゾルバ本体から得られる2相の
    レゾルバ出力をサンプリングしデジタル信号に変換する
    アナログ/デジタル変換器と、アナログ/デジタル変換
    器からのデジタル信号に基づいて回転機器の回転角度お
    よび回転角速度の少なくともいずれか一方を算出する演
    算手段とを有するレゾルバ/デジタル変換装置におい
    て、前記アナログ/デジタル変換器は、励磁信号の1周
    期のうち、2回サンプリングを行なうことを特徴とする
    レゾルバ/デジタル変換装置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、サンプリングした連続
    する2回のデータを引き算したデータを用いて演算を行
    なうことを特徴とする請求項1記載のレゾルバ/デジタ
    ル変換装置。
  3. 【請求項3】 サンプリング点は、励磁信号の波形の切
    替わり点から所定時間遅れた点で行い、2回のサンプリ
    ングは、180度の位相差をもって行なわれることを特
    徴とする請求項1または2に記載のレゾルバ/デジタル
    変換装置。
  4. 【請求項4】 励磁信号は、矩形波、ノコギリ波、三角
    波、正弦波といった周期的な信号であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1つに記載のレゾルバ/デジ
    タル変換装置。
  5. 【請求項5】 位置推定器と速度推定器とにより回転角
    度と回転角速度とを算出することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1つに記載のレゾルバ/デジタル変換装
    置。
  6. 【請求項6】 1相励磁2相出力のレゾルバから得られ
    る2相のレゾルバ出力をサンプリングし、回転角度およ
    び回転角速度の少なくともいずれか一方を算出するレゾ
    ルバ/デジタル変換方法において、前記サンプリング
    を、励磁信号の1周期のうち2回行なうことを特徴とす
    るレゾルバ/デジタル変換方法。
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