JP6318538B2 - 角度検出装置、角度検出方法 - Google Patents
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Description
例えば、図18に示すように、永久磁石のS極、N極を交互に円筒状に配置した、検出対象である回転体6と、回転体6の近傍にその回転方向に対して90°の角度で固定配置されたX相およびY相の磁気センサ5X、5Yが備えられている。この場合の磁気センサ5X、5Yの出力信号Vx、Vyは、数17および図19に示すように、回転体の回転角度θに対して、それぞれ90°位相がずれた余弦、正弦の波形になる。但し、図19は出力信号Vx、Vyの振幅(Ax、Ay)が等しい場合の波形を示す。
そのために、このデジタル角度測定システムでは、可変増幅器の直前にチョッパースイッチを、可変増幅器の直後にチョッパー復調器を備えており、回路コストが増大するという問題がある。
また、特許文献1のデジタル角度測定システムでは、磁気センサとは別体に構成されるセンサIC内で、磁気センサ出力信号を増幅するよう構成されており、磁気センサ感度が小さく、永久磁石の着磁が小さい等の場合は、磁気センサ出力信号の振幅が小さくなる。よって、磁気センサとセンサICを接続する配線等において、外的なノイズの影響を受けやすいという問題もある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置を概略的に示すブロック図である。また、図2はホール素子の動作原理を説明する図である。
ここでは、まず、ホール素子を用いた磁気センサの動作原理を図2および数1を用いて説明する。
このときの前記ホール素子出力電圧VHは、ホール素子1の形状により決まる比例係数Kh、キャリア移動度μh、磁束密度Bm、ホール素子駆動電圧Vinを用いて、数1で表すことができる。
以上がホール素子1の動作原理の説明である。
まず、ホール素子1U,1Vについて説明する。本実施形態の角度検出装置におけるホール素子1U,1Vは、従来と同様に永久磁石を備えた回転体(図示せず)の近傍に配置された磁気センサ素子である。ホール素子1U,1Vは、既に述べたように各々2対の端子を備え、一方の対にはホール素子駆動電圧Vinが印加され、他方の対からはホール素子出力電圧(出力信号)VHが出力する。本実施形態では、回転体の回転角度検知のため、1対のホール素子1U、1Vは、互いに120°の位相差を持って配置されている。
ここで、ホール素子1Uの出力信号は、U相差動信号HU+、HU−であり、永久磁石による磁界の変化により、その差分は、前記回転体の回転角度θについて数2の上段に示す正弦波形で表される。また、前述のホール素子の動作原理で示したとおり、その振幅Auは後述するホール素子を駆動する電圧である駆動電圧Vdrvに比例する。
図3は、ホール素子1U、1VのU相とV相の正弦波信号VuとVvを表す図である。
なお、本実施形態の説明においては、数2における2つの信号の振幅Au、Avは等しいものとする。また、本実施形態におけるホール素子1U、1Vは、本発明における複数のセンサに相当する。
U相差動部51Uは、減算器であり、数2の上段に示す差分演算を実行して、演算結果を出力する。つまりホール素子1Uの出力信号であるU相差動信号HU+、HU−をシングルエンド化して、U相正弦波信号Vuとして出力する。
V相差動部51Vは、減算器であり、数2の下段に示す差分演算を実行して、演算結果を出力する。つまりホール素子1Vの出力信号であるV相差動信号HV+、HV−をシングルエンド化して、V相正弦波信号Vvとして出力する。
分周器26は、前記クロックclkを分周して、トリガfsおよび積算トリガffbを出力する。なお、積算トリガffbの周期は、トリガfsの周期より十分に遅く設定する。
AD変換部60は、U相AD変換部61U、およびV相AD変換部61Vを備える。U相AD変換部61Uは、分周器26からトリガfsが到来するごとに、U相差動部51Uの出力であるU相正弦波信号Vuをアナログ・デジタル変換して、変換後のデジタルデータを、U相正弦波データDuとして出力する。このとき、U相正弦波信号VuとU相正弦波データDuの関係は、所定のAD変換係数Kadを用いて、数3上段の式で表される。
なお、U相正弦波信号Vuにおける量子化分解能以下の値については、切り捨てる、または積算して整数部へ繰り上げるなどの処理を行う。
なお、U相AD変換部61Uと、V相AD変換部61Vは、1つのAD変換部を時分割で使う構成としてもよい。
以下、ベクトル生成部40の構成について説明する。
X軸データ生成部41Xは、倍率を含む減算器であり、トリガfsが到来してAD変換部61U、61VによるAD変換が完了した後に、2つの正弦波データDu、Dvに対して、数4の上段に示す式による減算を実行して、演算結果をX軸データDxとして出力する。
即ち、ベクトル生成部40は、図4(ホール素子の出力信号であるUV相の正弦波信号VuとVvのUV軸からXY軸への変換を示す図)に示す軸変換を行い、X軸データ(信号)Dx及びY軸データDyを生成する。X軸データDxおよびY軸データDyは、X軸データDxおよびY軸データDyの回転角度θと出力値との関係を示す図である図5および数4に示すように、それぞれ振幅をKad*Auとする直交した波形(余弦波と正弦波)となる。
なお、本実施形態におけるベクトル生成部40は、本発明のベクトル生成手段に相当する。
加算器37は、前記トリガfsが到来して、前記乗算器35により乗算結果Xcos、Ysinが更新された後に、数6上段に示すように、乗算結果Xcos、Ysinの加算(Xcos+Ysin)を実行し、演算結果を、回転X軸データDx’として出力する。
以上が、回転演算部30の説明である。
なお、本実施形態における回転演算部30は、本発明におけるベクトル回転手段に相当する。
以下、この符号判定部10について説明する。
下側判定部16は、前記トリガfsが到来して、前記減算器36により回転Y軸データDy’が更新された後に、数8の式で示すように、回転Y軸データDy’が下側基準値(−Hys)以下のときに、下側判定信号DNをHiとして出力する。
以上が、符号判定部10の構成および動作の説明である。
なお、本実施形態における符号判定部10は、本発明における符号判定手段に相当する。
角度カウンタ20は、ここでは、カウント幅6bit(0〜63)のアップダウン繰り返しカウンタであり、カウント値を検出角度信号に相当する検出角度データθdとして出力する。
角度カウンタ20のカウント処理は、図8(角度カウンタの動作を示すタイミングチャート)に示すように、前記トリガfsが到来して、符号判定部10により判定信号UP、DNが更新された後に、上側判定信号UPの論理がHiならば、検出角度データθdを1カウント増加(アップ)させる。また、下側判定信号DNの論理がHiならば、 検出角度データθdを1カウント減少(ダウン)させる。2つの判定信号UP、DNは、上側基準値(+Hys)および下側基準値(−Hys)の設定により、同時にHiとなることはない。
検出角度データθdは、角度検出装置による回転角度の検出値θに相当する。
以上が、角度カウンタ20の説明である。
本実施形態における角度カウンタ20は、本発明における角度カウンタに相当する。
なお、図7に示すように、X軸近傍に不感帯を設けることにより、検出角度データθdが頻繁にアップ、ダウンを繰り返すチャタリングを防止することができる。
以上が、本発明における回転角度検出機能の説明であり、本実施形態における、ベクトル生成部40、回転演算部30、符号判定部10、角度カウンタ20が、本発明における角度探索手段に相当する。
比較部71は、数9に示すように、本発明の振幅信号に相当する回転X軸データDx’と、正弦波信号Vu、Vvの振幅の振幅目標値に相当する目標振幅Xtgtとを比較して、その結果を表す振幅誤差信号UDを出力する。即ち、回転X軸データDx’が目標振幅Xtgtより小さいときは、振幅誤差信号UDをHiとして、それ以外のときはLoとして出力する。
なお、本実施形態における比較部71は、本発明における振幅比較手段に相当する。
なお、本実施形態における積算部75が、本発明における積算手段に相当する。
なお、本実施形態における変調部78が、本発明における変調手段に相当する。
なお、本実施形態におけるLPF81が、本発明の平滑化手段に相当する。
また、パルス信号Plsを平滑化して得た駆動制御信号Adrvを、ここでは積算信号という。
なお、本実施形態における駆動部85は、本発明におけるセンサ駆動手段に相当する。
ここで、正弦波信号の振幅補正における、本実施形態による効果について説明する。
即ち、従来のデジタル角度測定システムでは、正弦波信号に対して増幅アンプによりゲインを乗じる場合、数13に示すように、正弦波形に増幅アンプのオフセットOfsが加算され、新たな誤差要因となる。
また、ホール素子1U、1Vの感度や永久磁石の着磁が小さい場合でも、ホール素子1U、1Vの駆動電圧Vdrvを増減して、正弦波信号の振幅が小さくなることを防止して、配線における外的なノイズの影響を受け難くすることができる。
また、簡易なロジック回路で積算手段、変調手段を構成しているため、正弦波信号の振幅を一定に制御する機能を低コストで実現することができる。
次に、第2の実施形態に係る角度検出装置について図面を参照して説明する。
図12は、第2の実施形態における角度検出装置の全体構成を概略的に示す図である。
ここで、ホール素子1U、1V、差動部50、AD変換部60、ベクトル生成部40、回転演算部30、符号判定部10、角度カウンタ20、発振子25、分周器26、比較部71、積算部75は、いずれも第1の実施形態と同様である。したがって、これらについての説明は、第1の実施形態について行った説明を援用してここでは省略する。
なお、DA部79のグリッチを減衰するために、LPF(ローパスフィルタ)を追加する構成としてもよい。
以上が、DA部79の説明であり、本実施形態におけるDA部79が、本発明のDA手段に相当する。
なお、本実施形態における駆動部85は、本発明におけるセンサ駆動手段に相当する。
また、ホール素子1U、1Vの感度や永久磁石の着磁が小さい場合でも、正弦波信号の振幅が小さくなることを防止して、配線における外的なノイズの影響を受け難くすることができる。
また、簡易なロジック回路で積算手段を実現しているため、正弦波信号の振幅を一定に制御する機能を低コストで実現することができる。
以下、第3の実施形態に係る角度検出装置の構成について、図面を参照して説明する。但し、第1の実施形態と共通する説明は省略する。
まず、本実施形態における角度検出装置の構成は、第1の実施形態の図1と同様である。
即ち、ホール素子1U、1V、差動部50、AD変換部60、ベクトル生成部40、回転演算部30、符号判定部10、角度カウンタ20、発振子25、分周器26、比較部71、積算部75、駆動部85は、第1の実施形態と同様である。
図16は、第3の実施形態における、変調部78の構成を示すブロック図である。図17Aは、第3の実施形態における、変調部のパルス密度変調を示す図であり、図17Bは、変調部の動作を示すタイミングチャートである。
変調部78は、図16に示すように、8bit加算器add8と2つのディレイD1、D2を備える。
8bit加算器add8は、図示のように積算値Dintと後述するラッチ加算値sumdとを加算して、加算結果の下位8bitを加算値sumとして出力する。但し、積算値Dint、ラッチ加算値sumdの語長は、いずれも8bitとする。加算結果が8bitを超える場合、つまり桁上がりがある場合は、キャリーcyをHighとして出力する。
第1のディレイD1は、加算値sumを、クロックclkの到来ごとにラッチしてラッチ加算値sumdとして出力する。第2のディレイD2は、キャリーcyをクロックclkの到来ごとにラッチして、パルス信号Plsとして出力する。つまり、図17Aには、積算値Dintの例として65が、またsumdの例として、81,146,211・・・が示されている。ここで、積算値Dintの65と例えばsumdの値211を加算すると276となる。したがって、その加算結果は8bit(256)を超える桁上がりとなりキャリーcyが発生し、ディレイD2を介してPlsが発生する。一方そのときのsumはキャリーcyが発生した結果20となる。
同様に、図17Bにおいて、例えば、積算値Dint=128のときは、2clk区間のうち、1区間はパルス信号PlsがHighとなり、残り1区間はパルス信号PlsがLowとなるため、パルス密度は1/2となる。また、積算値Dint=192のときは、4clk区間のうち、3区間はパルス信号PlsがHigh(3パルスと数える)となり、残り1区間はパルス信号PlsがLowとなるため、パルス密度は3/4となる。
変調部78は、以上のようにして、積算値Dintの値をパルス信号Plsのパルス密度(単位時間当たりのパルス数)に変換して出力する。つまり、パルス密度は積算値Dintに比例する。
変調部78は以上のとおりであり、この変調部78は、本発明における変調手段に相当する。
以上が、第3の実施形態に係る角度検出装置の説明である。本実施形態によれば、正弦波信号の振幅と目標振幅値との誤差の積算値に基づいて、ホール素子1U、1Vの駆動電圧Vdrvを増減して、正弦波信号の振幅を制御するよう構成している。そのため、入力オフセットをキャンセルする回路が不要であり、前記振幅を一定に制御する機能を低コストに実現することができる。
また、ホール素子1U、1Vの感度や永久磁石の着磁が小さい場合でも、正弦波信号の振幅が小さくなることを防止して、配線における外的なノイズの影響を受け難くすることができる。
また、簡易なロジック回路で積算手段、変調手段を実現しているため、正弦波信号の振幅を一定に制御する機能を低コストで実現することができる。
(1)正弦波信号の振幅と目標振幅値との誤差の積算値に基づいて、磁気センサの駆動電圧を増減して正弦波信号の振幅を制御するため、入力オフセットをキャンセルする回路が不要となる。また、前記振幅を一定に制御する機能を低コストに実現することができ、さらに、磁気センサの感度や永久磁石の着磁が小さい場合でも、正弦波信号の振幅が小さくなることを防止して、配線における外的なノイズの影響を受け難くすることができる。
(2)簡易なロジック回路で変調手段を実現できるため、正弦波信号の振幅を一定に制御する機能を低コストで実現することができる。
(3)逆正接のような複雑な演算を用いず、前記回転角度の検出が可能であり、回路規模を増大することなく低コストに角度検出装置を実現することができる。
Claims (5)
- 回転体の回転角度に応じてそれぞれ位相の異なる複数の正弦波信号を出力するよう配置された複数のセンサと、
前記複数の正弦波信号に基づいて前記回転角度を検出し、かつ前記正弦波信号の振幅を検出して振幅信号として出力する角度探索手段と、
前記振幅信号と所定の振幅目標値とを比較し、比較結果を表す振幅誤差信号を出力する振幅比較手段と、
前記比較結果を表す振幅誤差信号を積算した積算信号を出力する積算手段と、
前記積算信号をパルス状の信号に変調して、パルス信号として出力する変調手段と、
前記パルス信号を平滑化して、駆動信号として出力する平滑化手段と、
を備え、
前記積算信号に基づいて、前記複数の正弦波信号の振幅の誤差を補正することを特徴とする角度検出装置。 - 請求項1に記載された角度検出装置において、
前記変調手段は、前記積算信号をパルス密度変調して、前記パルス信号として出力することを特徴とする角度検出装置。 - 請求項1または2に記載された角度検出装置において、
前記振幅比較手段は、前記振幅信号と所定の振幅目標値とを比較し、前記振幅信号が所定の振幅目標値よりも小さいとき、前記積算手段は、前記積算信号をカウントアップし、それ以外のときは前記積算信号をカウントダウンすることを特徴とする角度検出装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載された角度検出装置において、
前記角度探索手段は、前記複数の正弦波信号に基づいてベクトルを生成するベクトル生成手段と、前記ベクトルを検出角度データの値に従って回転させるベクトル回転手段と、前記回転したベクトルが、所定の基準値に対して正方向または負方向に位置するかを判定した結果を符号判定信号として出力する符号判定手段と、前記符号判定信号に基づいてカウント値を増減して、前記カウント値を検出角度信号として出力する角度カウンタとを備えることを特徴とする角度検出装置。 - 回転体の回転角度に応じてそれぞれ位相の異なる複数の正弦波信号を出力するよう配置された複数のセンサを備えた角度検出装置における角度検出方法であって、
前記複数の正弦波信号に基づいて前記回転角度を検出し、かつ前記正弦波信号の振幅を検出して振幅信号として出力する角度探索工程と、
前記振幅信号と所定の振幅目標値とを比較し、比較結果を表す振幅誤差信号を出力する振幅比較工程と、
前記比較結果を表す振幅誤差信号を積算した積算信号を出力する積算工程と、
前記積算信号をパルス状の信号に変調して、パルス信号として出力する変調工程と、
前記パルス信号を平滑化して、駆動信号として出力する平滑化工程と、
を有し、
前記積算信号に基づいて、前記複数の正弦波信号の振幅の誤差を補正することを特徴とする角度検出方法。
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