JP2015000872A - 身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、従来の貼付剤は、例えば口、鼻、バストトップ、膝などの身体の曲面部や凹凸部に貼付剤を貼付すると、支持体が身体の曲面に追従せず、その結果、貼付剤と皮膚との間に浮きが生じ易くなり、ひいては貼付剤が剥がれやすいという問題を有していた。
しかし、上記の貼付剤は、切込み部に含水層が存在しないことに加えて、貼付時に切込み部の両サイドが離間するため、切込み部近傍の皮膚は含水層が非接触の状態となり、よってこの部分には含水層に含まれる有効成分の効果を与えることができないという問題があった。また、口、鼻、バストトップ、膝などの身体の形状には個人差があり、切込み部形状を全ての人に対応させるのは困難であった。さらには、膝などは面積が大きいため、たとえ切込み部を設けたとしても、支持体のコシが含水層の伸縮を妨げるので、膝の曲面あるいは曲げ伸ばしに追従するのは困難であるという問題があった。
また、皮膚全面に含水層が接することとなるので、貼付領域全体に含水層による効果を与えることができる。
さらに、含水層のみからなる領域は、従来の支持体と含水層両方に切込みを入れる方法に比べて身体の形状に厳密に合わせる必要がないので、形状や大きさに個人差のある箇所にも貼付可能である。
本発明に係る貼付剤(10)は、フィルム状支持体(1)と、フィルム状支持体(1)の少なくとも片面に積層されてなる含水層(2)とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する所望の領域aが含水層(2)のみからなることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤である。
フィルム状支持体(1)としては、特に限定されるものではなく、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の織布又は不織布、或いは天然ゴム、合成ゴム等を用いることができ、好ましくは、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、より望ましくはポリエステル、ポリウレタンである。
フィルム状支持体(1)の厚みは用途に応じて適宜調整されるが、好ましくは2μm〜200μmである。この理由は、200μmを超えると支持体の伸縮性が損なわれ、貼付時に違和感を感じ、また、2μm未満の場合は支持体にコシが無く、貼付時に貼付作業が困難になるため、いずれの場合も好ましくないからである。
本発明に係る含水層とは、少なくとも水を含むとともに、貼付時に被貼付面に対し何らかの効果をもたらすように機能する層をいう。
前記効果としては、例えば、保湿、細胞賦活、美肌、美白、抗酸化、抗炎症、冷却、シワ取り等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これら効果を得るために、公知の有効成分を添加してもよく、その添加量も適宜調整される。
含水層(2)は、任意に、保存剤、乳化剤、pH調整剤、吸収促進剤等を含んでも良い。
本発明の貼付剤の含水層(2)表面に、任意に、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、OPPフィルム、ポリエチレンをラミネートした紙等のカバーフィルムを敷いてもよい。これにより、含水層の乾燥、汚染等を防ぐことができる。
図2に示すように、含水層(2)の貼付側表面に複数の凹部(3)を設けることができる。凹部(3)の形状、数、位置などは適宜決定される。これにより、貼付剤(10)の伸縮性をさらに向上させることができるので、身体の曲面への追従がより可能となる。
貼付剤(20)は、貼付時に眼と鼻の外縁部及び眼の縦方向中央部に対応する領域bが含水層(2)のみからなり、その他の領域cはフィルム状支持体(1)と含水層(2)からなる。つまり、領域bにおいて、フィルム状支持体(1)が存在せず開口している。図4に示すように、貼付剤(20)は、眼と鼻を覆うように貼付されて使用され、これにより、眼と鼻の曲面に追従するとともに眼を開閉する際の動きにも追従することができるので、貼付しても簡単に剥がれてしまうことなく、密着性に優れた眼及び鼻を含む領域に貼付可能な貼付剤とすることができる。
貼付剤(30)は、貼付時に上唇と下唇との境界部に対応する領域dと、貼付時に上唇と下唇の外縁部に対応する領域eが含水層(2)のみからなり、その他の領域fはフィルム状支持体(1)と含水層(2)からなる。図6に示すように、貼付剤(30)は、口唇を覆うように貼付されて使用され、これにより、口唇の曲面に追従するとともに口を開閉する際の動きにも追従することができるので、貼付しても簡単に剥がれてしまうことなく、密着性に優れた口唇を含む領域に貼付可能な貼付剤とすることができる。
このように本発明の貼付剤は、広い面積を同時に覆う貼付剤としても、浮きや剥がれが生じることなく使用可能である。
貼付剤(50)は、貼付時にバストトップに対応する領域及びその周辺部(領域i)が含水層(2)のみからなる。つまり、領域iにおいて、フィルム状支持体(1)が存在せず開口している。領域iは含水層(2)のみから形成されているので、この領域iにおいて本発明の貼付剤(50)は伸縮性に優れている。よって、バストトップの曲面に追従することができるので、貼付しても簡単に剥がれてしまうことなく、密着性に優れたバストトップ用の貼付剤とすることができる。
領域iの形状は、任意の形状とすることができ、大きさは通常の人のバストトップの大きさよりも大きめに設定することができる。これにより、より広範囲の人が使用することが可能となる。
貼付剤(20)の外形の形状は任意の形状とすることができ、例えば図9に示されるように星形(花びら型)とすることができる。
貼付剤(60)は、貼付時に上唇と下唇との境界部に対応する領域jと、貼付時に上唇と下唇の外縁部に対応する領域kが含水層(2)のみからなる。つまり、領域j及びkにおいて、フィルム状支持体(1)が存在せず開口している。領域j及びkは含水層(2)のみから形成されているので、この領域j及びkおいて本発明の貼付剤(60)は伸縮性に優れている。よって、口唇の曲面に追従するとともに口を開閉する際の動きにも追従することができるので、貼付しても簡単に剥がれてしまうことなく、密着性に優れた口唇用の貼付剤とすることができる。
貼付剤(60)の外形形状は任意の形状とすることができ、例えば図10に示されるように口唇形状に対応した形状とすることができる。
含水層(2)の貼付側表面には、複数の凹部(3)を設けることができる。複数の凹部(3)の形状は、特に限定されるものではなく、図11,13に示すように格子状とすることができ、図12,14に示すように直線状とすることもできる。
この複数の凹部(3)により、貼付剤の伸縮性をさらに向上させることができ、身体の曲面部や凹凸部に対しての密着性をさらに向上させることができる。
フィルム状支持体(1)には複数の切込み(4)を設けることができる。この複数の切込み(4)はフィルム状支持体(1)のみに設け、含水層(2)には設けない。これにより、身体の曲面部や凹凸部において含水層(2)の切込み部の両サイドが離間して空きが生じるという問題が発生することなく、貼付剤の強度を維持しつつ身体の曲面部や凹凸部に対して密着性に優れる貼付剤とすることができる。
複数の切込み(4)は、図20〜24に示すように、細かく且つ複数の方向に設けることが好ましい。これにより、様々な方向へ追従が可能となるので、貼付剤の強度を維持しつつ身体の曲面部や凹凸部に対する密着性をさらに向上させることができる。
前記プライマー層の厚みは、好ましくは0.1〜50μmである。この理由は、50μmを超えるとプライマー層の伸長回復率とプライマー層の透明性がともに低下し、0.1μm未満の場合はプライマー層の破断点伸度及び強度に低下傾向が確認される為いずれの場合も好ましくないからである。
薬剤は目的により種々のものを添加でき、例えば、アルツハイマー、禁煙、狭心症、リウマチ、脳卒中、癌などの治療薬剤を添加することができる。薬剤の添加量は薬剤の種類により適宜調整される。貼付剤が皮膚に貼られることにより、含水層(2)中に含まれる薬剤が経皮ルートで投与される。
本発明に係る含水層はゲル状であるから、使用時には優れた使用感・感触を提供することができる。
まず、片面に凹部(51)が形成されたシート部材(5)を準備する。
シート部材(5)は、任意の材料により形成され、例えば、ポリプロピレン、PET等の合成樹脂により製造される。
シート部材(5)の厚さは特に限定されないが、0.05〜0.8mmとされ、この厚さのシート部材(5)は好適に製造することができる。尚、この厚さは、好ましくは、各部において略均一とされる。
凹部(51)の深さは、好ましくは、0.1〜5mm、更に好ましくは、0.5〜3mmとされる。
凹部(51)の形状は、限定されるものではなく、四角形状や丸形状、その他任意の形状とすることができる。凹部(51)は熱成型、真空成形等により形成することができる。
凹部(51)内に流し込む材料の量は、特に限定されないが、含水層(2)が所望の厚みになるように決定するとよい。
含水層(2)の材料を凹部(51)に流し込んで含水層(2)が硬化(ゲル化)するまで一定時間待つ。この一定時間は、10〜30分、好ましくは約20分であり、この放置時間を設けることにより、含水層(2)は適度に硬化し、厚みを有するようになる。
図25と異なる点として、シート部材(5)の凹部(51)に複数の凸部(52)が形成されている。これにより、含水層(2)の貼付側表面に複数の凹部(3)を備えた貼付剤(図2及び11−14参照)を製造することができる。凸部(52)の形状、数、位置などは適宜決定される。これにより、伸縮性に優れ、身体の曲面への追従がより可能となる貼付剤を製造することができる。
ポリアクリル酸ナトリウム5重量部、乾燥水酸化アルミニウム1重量部、グリセリン25重量部、酒石酸1重量部、精製水60重量部を錬合して得た含水層(厚さ2000μm)の表面に、貼付時に眼と鼻の外縁部及び眼の縦方向中央部に対応する領域が開口した図3に示す形状のポリウレタンフィルム(厚さ70μm)を配置して、実施例1の貼付剤を製造した。
一方、ポリウレタンフィルムに開口が無いこと以外は実施例1と同じ条件で、比較例1の貼付剤を製造した。
実施例1と比較例1の貼付剤をそれぞれ10人の評価者に貼付し、密着性の評価を行った。評価は2項目について行い、貼付してから30分後の貼付剤の貼付状態を、○:全く剥がれてない、△:少し剥がれている、×:ほぼ剥がれている、で目視評価し、貼付剤を貼付したときの密着感を、○:全く隙間が空いていないと感じる、△:少し隙間が空いていると感じる、×:かなり隙間が空いていると感じる、で官能評価した。○を2点、△を1点、×を0点とし、計30点以上を合格とした。結果を表1に示す。
2 含水層
3 凹部
4 切込み
5 シート部材
10、20、30、40、50、60 貼付剤
51 凹部
52 凸部
Claims (7)
- フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域が前記含水層のみからなることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
- 前記含水層の貼付側表面に複数の凹部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
- 複数の切込みが前記フィルム状支持体のみに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
- 前記複数の切込みが2種類以上の方向の切込みからなることを特徴とする請求項3記載の身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
- 貼付時に眼と鼻の外縁部及び眼の縦方向中央部に対応する領域が前記含水層のみからなることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
- 貼付時に上唇と下唇との境界部に対応する領域と、貼付時に上唇と下唇の外縁部に対応する領域とが、前記含水層のみからなることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
- 貼付時にバストトップに対応する領域及びその周辺部が前記含水層のみからなることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
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