JP2005104929A - パック用シートとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 着用感が良好であり、粘着性も良く、パック成分の皮膚への浸透も良いパック用シートとその製造方法を提供する。
【解決手段】 パック用材料をシート状に成形し、このシート状パック剤の貼付面に所定パターンの連続模様による凹凸20を形成する。パック剤は、例えば寒天0.5〜5%、キサンタンガム0.01〜3%、ローカストビーンガム0〜3%の重量比で含有し、キサンタンガムとローカストビーンガムの合計が重量比で1%未満であり、ポリアクリル酸やポリアクリル酸ナトリウムを0.01〜3%含有する。また、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩をベースにしたゲルでも良い。
【選択図】 図1

Description

この発明は、シート状に形成された美容用のパック用シートとその製造方法に関する。
従来、美容用のパック剤は、例えば紙や不織布で作られた支持体に、美容成分を含んだ平らな表面の粘着性の膏体が、均一に塗工されているものがある。この美容用のパック剤の使用方法は、顔等に膏体が直接接触するように貼り、所定時間放置し、膏体に含まれる美容成分を肌に浸透させるものである。さらに、剥がす際にも皮膚上の汚れや老化した角質を取り去り、美容効果が発揮される。
また、支持体が設けられておらず、膏体自体に保形性を持たせて、表面が平らなシート状に形成したパック剤がある。このようなパック剤は、たとえば基剤としてゴム系含水ゲルを用いたもの、ポリアクリル酸塩、多価アルコール及び水を主成分として用いたもの等が提案されている。その他に、特許文献1に開示されているように、ゲル状材料をシート状に形成したものもある。
特開平3−81213号公報
上記従来の技術の支持体を有する粘着性のパック剤やゲル状パック剤は、皮膚への貼付面が平らで均一な面であり、貼付した皮膚の呼吸を阻害し、また発汗による蒸れや剥離が生じ、着用感が良好なものではなかった。また、貼付面が皮膚に密着してしまうため、液体成分のパック用薬剤の皮膚への浸透が十分に行われないという問題もあった。
この発明は上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、着用感が良好であり、粘着性も良く、パック成分の皮膚への浸透も良いパック用シートとその製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、パック用材料をシート状に成形し、このシート状パック剤の貼付面に所定パターンの連続模様による凹凸を形成したパック用シートである。上記シート状パック剤はゲルであり、このゲルは、寒天0.5〜5%、キサンタンガム0.01〜3%、ローカストビーンガム0〜3%の重量比で含有し、キサンタンガムとローカストビーンガムの合計が重量比で1%未満であり、ポリアクリル酸とポリアクリル酸ナトリウムの少なくとも一方を0.01〜3%含有したものである。または、上記シート状パック剤は、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩をベースにしたゲルでも良い。
またこの発明は、パック用材料をシート状に成形し、このシート状パック剤の貼付面に対して、所定パターンの連続模様による凹凸の型を押し付けてシート状パック剤表面に凹凸を形成するパック用シートの製造方法である。上記シート状パック剤はゲルであり、ゲルが硬化する途中で上記型による型押しを行い、その後、さらにゲルを硬化させるものである。
この発明のパック用シートは、確実に皮膚に貼り付けられるともに、貼付面の凹凸による通気性があり、蒸れがなく着用感が良好である。また、液体の美容成分が凹部に溜まり、効果的に皮膚に浸透し、高い美容効果を得ることができる。しかも、パック剤の凸部が皮膚に密着し剥がれにくく、発汗等によっても剥がれにくい。
また、製造も容易であり、工程数の増加なく確実にパック剤表面に凹凸を形成することができる。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図4は、この発明の一実施形態を示したものであり、この実施形態のパック用シート10は、ほぼ一定の厚みを有するシート状に形成され、ゲル状のパック剤内に美容成分を含有する。このパック用シート10は、図1に示すように、顔の上部表面に貼付可能な構成である顔上部用シート10aと、鼻から下及び顎部に貼付する顔下部用シート10bから成る。また、図3に示す、目元用シート10c等、適宜の形状に形成されている。
このパック用シート10は、図2に示すように、親水性繊維や疎水性繊維、またはこれらの混紡または積層体で構成された不織布や織布から成る支持体12により保持されている。支持体12の繊維素材は、例えばPET、CPP、OPP、PE等である。また支持体12は、不織布のみの支持体の他、不織布にPE,PET、CPP、OPP、またはポリウレタン等のフィルムをラミネートしたものでも良い。さらに、これらのフィルムに親水処理したものでも良い。
パック用シート10のパック剤の組成は、例えば寒天0.5〜5%、好ましくは1.5%、キサンタンガム0.01〜3%、好ましくは0.8%、ローカストビーンガム0〜3%、フェノキシエタノール0.2%、1.3−ブチレングリコール3%、グリセリン5〜40%、好ましくは10%、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸ナトリウム0.01〜3%、好ましくは0.3%、残りは精製水である。また、その他に適宜美容成分等が添加される。
パック用シート10の貼付面には、図1に示すように、格子状に凹凸20が形成されている。凹凸20の凸部20aは矩形に形成され、凹部20bは凸部20a間に形成された格子状の溝である。そして、凹凸20が形成された貼付面に、剥離シート14が貼り付けられている。
この実施形態のパック用シート10の製造方法は、図4に示すように、支持体12に硬化する前のパック剤溶液22を塗布し、わずかに硬化させて、その表面に凹凸20を形成するための型であるダイロール24を押し付ける。ダイロール24の表面には、パック用シート10の凹部20bを形成する格子状の凸条24aが形成され、これにより、ある程度硬化したパック剤のゲルはその型の形状に成型され、凹凸20が形成される。
この実施形態のパック用シート10を使用するときは、図示しないラミネートパックを開封して、剥離シート14をパック用シート10から剥がす。そして、パック用シート10を、顔の所望の箇所に貼付し、その状態で所定時間放置する。
このパック用シート10によれば、パック剤の貼付面に形成された凹凸20により、凹部20bには水に溶解した美容成分が溜まり、皮膚に効果的に美容成分が浸透する。しかも、凸部20aのパック剤は確実に皮膚に粘着し、パック剤からも美容成分を皮膚に浸透する。また、凹部20bにより通気性も確保され、蒸れが少なく着用感が良好なものである。
なお、この発明のパック用シートは、上記実施形態に限定されるものではなく、パック用シートのパック剤の組成は、寒天をベースとしたゲルの他、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩をベースにしたものでも良い。たとえば、EDTA(エデト酸塩(エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム))0〜0.2%、酒石酸0〜1.0%、防腐剤0.01〜0.3%、架橋剤0.01〜1.0%、ポリアクリル酸Na1.0〜10%、CMC(カルボキシメチルセルロース)0〜10%、ポリアクリル酸0〜25%、ヒマシ油0〜1.0%、グリセリン5〜40%、増量剤0.1〜10%、吸水ポリマーなど0.01〜5%、及び水適量の組成で形成しても良い。
また、凹凸の形状は、矩形以外に、図5に示すような適宜の形状の凸部また凹部にすることができる。パック用シートのパック剤やその他各材料の含有率は、一定の範囲内で変更可能であり、剥離シートやラミネートパックの素材は自由に変更可能である。
この発明の一実施形態のパック用シートの背面図である。 この実施形態のパック用シートの縦断面図である。 この実施形態のパック用シートの他の形状の使用例を示す正面図である。 この実施形態のパック用シートの製造工程を示す平面図である。 この発明のパック用シートの凹凸の他の形状例を示す平面図である。
符号の説明
10 パック用シート
12 支持体
20 凹凸
20a 凸部
20b 凹部
22 パック剤溶液
24 ダイロール

Claims (5)

  1. パック用材料をシート状に成形し、このシート状パック剤の貼付面に所定パターンの連続模様による凹凸を形成したことを特徴とするパック用シート。
  2. 上記シート状パック剤はゲルであり、このゲルは、寒天0.5〜5%、キサンタンガム0.01〜3%、ローカストビーンガム0〜3%の重量比で含有し、キサンタンガムとローカストビーンガムの合計が重量比で1%未満であり、ポリアクリル酸とポリアクリル酸ナトリウムの少なくとも一方を0.01〜3%含有したものであることを特徴とする請求項1記載のパック用シート。
  3. 上記シート状パック剤は、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩をベースにしたゲルであることを特徴とする請求項1記載のパック用シート。
  4. パック用材料をシート状に成形し、このシート状パック剤の貼付面に対して、所定パターンの連続模様による凹凸の型を押し付けてシート状パック剤表面に凹凸を形成することを特徴とするパック用シートの製造方法。
  5. 上記シート状パック剤はゲルであり、ゲルが硬化する途中で上記型による型押しを行い、その後、さらにゲルを硬化させることを特徴とする請求項4記載のパック用シートの製造方法。
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