JP2007159603A - 積層シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来よりも装着感に優れた身体貼付用積層シートを提供しようとするもの。
【解決手段】 合成樹脂製の基材フィルム1の少なくとも片面に、合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層2が積層されると共に、前記基材フィルム1についてJIS K7311に準拠して測定した20%伸張時の引張応力をM1、前記基材フィルム1とパターン層2が積層された積層シートについてJIS K7311に準拠して測定した20%伸張時の引張応力をM2とすると、前記M1とM2が0.1≦M2/M1≦0.5の関係を有する。合成樹脂製の基材フィルムの少なくとも片面に、合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層が積層されており、基材フィルムの変形に伴ってパターン層が積層された積層シート全体として伸縮することとなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 合成樹脂製の基材フィルム1の少なくとも片面に、合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層2が積層されると共に、前記基材フィルム1についてJIS K7311に準拠して測定した20%伸張時の引張応力をM1、前記基材フィルム1とパターン層2が積層された積層シートについてJIS K7311に準拠して測定した20%伸張時の引張応力をM2とすると、前記M1とM2が0.1≦M2/M1≦0.5の関係を有する。合成樹脂製の基材フィルムの少なくとも片面に、合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層が積層されており、基材フィルムの変形に伴ってパターン層が積層された積層シート全体として伸縮することとなる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、医療用のドレッシング材や化粧品用途などに利用することができ伸縮性や装着感に優れた積層シートに関するものである。
従来、傷を保護したり治療したりするために皮膚表面に貼付して使用する貼付材は、皮膚表面の凹凸によく馴染み、反復して起る伸縮や屈曲に追従できるように、柔軟性に富んだ防水性のフイルムその他のシ−トを用い、これの一面に粘着剤層を設けたものを使用しているが、上記シ−トは柔軟性に富んでいるために、全体に腰がなく、容易に折曲ったり、粘着剤層同志が付着して使用できなくなることも多く、誰でもが簡単に貼付けることがなかなかに難かしく、このような柔軟性に富んでいるシ−トを皮膚表面などの所望の位置にしわを寄せることもなく的確に貼付けることができ、また貼付けた後でも体の動き等につれてこれに順応でき、患部を充分に保護することができるようにすることを目的として、次のような貼付材が提案されている(特許文献1参照)。
この貼付材は、防水性と共に透湿性と通気性を併せ持つ柔軟性のプラスチックフイルムの一面に、該プラスチックフイルムに比べてやゝ腰のある柔軟性を持った不織布を重ね合せて一体とし、その不織布側に粘着剤層を形成しており、これを傷部などに当てるようにしながら患部に粘着剤層を押当てるようにすると、柔軟で伸縮性を持った表面のプラスチックフイルムも、これより腰の強い不織布によって適度の展張作用が与えられているので、粘着剤層同志が付着するようなこともなく、さらに貼付材の全体が適度の伸縮性を有しているので、患部に凹凸があってもその表面によく順応しながら、しわが寄ることもなくきれいに貼付けることができる、というものである。
しかし、この貼付材を肘などに貼った場合に伸びると不織布の繊維の交絡がほどけてきて伸縮性が減退することがあり、またプラスチックフィルムに不織布が追従し難く柔軟性が発揮され難くなり装着時に異物感を感じ易いという問題があった。
特開平8−10283号公報(図1)
そこでこの発明は、従来よりも装着感に優れた積層シートを提供しようとするものである。
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の積層シートは、合成樹脂製の基材フィルムの少なくとも片面に、合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層が積層されると共に、前記基材フィルムについてJIS K7311に準拠して測定した20%伸張時の引張応力をM1、前記基材フィルムとパターン層が積層された積層シートについてJIS K7311に準拠して測定した20%伸張時の引張応力をM2とすると、前記M1とM2が0.1≦M2/M1≦0.5の関係を有することを特徴とする。
この積層シートは、合成樹脂製の基材フィルムの少なくとも片面に、合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層が積層されており、基材フィルムの変形に伴ってパターン層が積層された積層シート全体として伸縮することとなる。
そして、基材フィルムの20%伸張時の引張応力M1と、前記基材フィルムとパターン層が積層された積層シート(基材フィルム+パターン層)の20%伸張時の引張応力M2が、0.1≦M2/M1≦0.5の関係を有するので、基材フィルムの引張応力M1に対して積層シートの引張応力M2を前記範囲のように小さめに設定することにより、積層シート全体の厚みの割りには伸縮し易いものとなり、積層シートの厚み感にしては軽い力で伸縮性を示す。また、軽い伸縮性で身体の装着面に追従することとなるので、装着時の違和感や異物感が少ないものとなる。更に、装着した際に不織布を使用した場合のように装着端部が擦れてほつれが発生することも回避され、長時間装着しても快適性を持続し得る。
ここで、前記基材フィルムとパターン層が積層された積層シートの20%伸張時の引張応力M2は、基材フィルムの厚みT1(図1参照)とパターン層の平均高さT2(図1参照)の合計T1+T2を積層シートの総厚みと想定して求められる値をいう。
また、前記合成樹脂製の基材フィルムとして例えば厚さ5〜300μmのものを好適に使用することができ、その材質としては特に限定されるものではなく、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、各種エラストマー等が挙げられるが、伸縮性を有するということからポリウレタン樹脂、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の各種エラストマー等が好ましく、透湿性に優れるポリウレタン系エラストマーがより好ましい。
さらに、合成樹脂から成るパターン層の材質として、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン系エラストマー樹脂、ポリスチレン系エラストマー樹脂、ポリオレフィン系エラストマー樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びその他の熱可塑性樹脂の単体或いは混合品などが使用できる。
合成樹脂製の基材フィルムに対し、合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層は、例えばパターン印刷により積層することができる。
(2)前記凹凸を備えたパターン層はメッシュ状の構造を有することとしてもよい。
このように構成すると、メッシュ状(格子状ないし網目状)の幾何学的模様を有するパターン層は、その格子ないし網目が存する部分(凸部)によって厚み感が付与されると共に、格子ないし網目が存しない開放領域(凹部)は基材フィルムに起因する透湿性が維持され通気性が担保されて身体への貼付時に蒸れ難くより快適なものとなる。また、格子ないし網目が存する方向へのコシの強さが担保される。
このように構成すると、メッシュ状(格子状ないし網目状)の幾何学的模様を有するパターン層は、その格子ないし網目が存する部分(凸部)によって厚み感が付与されると共に、格子ないし網目が存しない開放領域(凹部)は基材フィルムに起因する透湿性が維持され通気性が担保されて身体への貼付時に蒸れ難くより快適なものとなる。また、格子ないし網目が存する方向へのコシの強さが担保される。
(3)前記凹凸を備えたパターン層はドット状の構造を有することとしてもよい。
このように構成すると、連続的ではないドット状の構造によって基材フィルムへの追随性がよく柔軟性に優れると共に、開放領域を広くとれ透湿性が維持されやすい。
このように構成すると、連続的ではないドット状の構造によって基材フィルムへの追随性がよく柔軟性に優れると共に、開放領域を広くとれ透湿性が維持されやすい。
(4)前記凹凸を備えたパターン層は亀甲状の形状を有することとしてもよい。
このように構成すると、パターン層は亀甲状(六角形状、ハニカム状)の形状を有し空隙域が比較的多い構造であるので基材の伸縮に追従しやすい。また、斜め方向へのコシの強さも担保される。
このように構成すると、パターン層は亀甲状(六角形状、ハニカム状)の形状を有し空隙域が比較的多い構造であるので基材の伸縮に追従しやすい。また、斜め方向へのコシの強さも担保される。
(5)前記パターン層の目付を10〜100g/m2の範囲に設定してもよい。
このように設定すると積層シート全体の腰を適度に強くすることができ、身体への装着時にシワが殆ど生じることなく取扱いやハンドリングに優れる。
このように設定すると積層シート全体の腰を適度に強くすることができ、身体への装着時にシワが殆ど生じることなく取扱いやハンドリングに優れる。
(6)前記基材フィルムの透湿性は、40℃、90%RHの雰囲気でJIS Z0208(B法)に準拠して測定される透湿度が120g/m2・24hrs以上であることとしてもよい。
このようにすると、装着部にかいた汗が適度に揮散され蒸れることなく長時間装着することが可能となる。
このようにすると、装着部にかいた汗が適度に揮散され蒸れることなく長時間装着することが可能となる。
(7)前記パターン層の表面に粘着層を形成して身体貼付用の積層シートとしてもよい。すなわちこの積層シートは、身体への装着面(基材フィルム側としたりパターン層側とすることができる)に粘着層を設けて身体貼付用とすることができる。
このように構成すると、パターン層の表面の粘着層側を身体に装着した際、前記パターン層の凹凸によって皮膚に刺激を与えて血行促進を図り、装着箇所が傷の治療の場合は治癒を速めることができる。
このように構成すると、パターン層の表面の粘着層側を身体に装着した際、前記パターン層の凹凸によって皮膚に刺激を与えて血行促進を図り、装着箇所が傷の治療の場合は治癒を速めることができる。
ここでパターン層の表面に粘着層を形成する態様として、パターン層の凹凸の頂部のみに粘着層を形成したり(通気性、透湿性を維持しやすい。図1及び図2参照)、主としてパターン層の凹凸の間隙のみに粘着層を形成したり(強い粘着力が維持できる、図3参照)、パターン層の凹凸の頂部と凹凸の間隙の双方に粘着層を形成したり(強い粘着力が維持できる、図4参照)、パターン層の凹凸の間隙及びその上層に粘着層を形成したり(より強い粘着力が維持できる。図5参照)することできる。
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
積層シートの厚み感にしては軽い伸縮性を有するので、従来よりも装着感に優れる積層シートを提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5に示すように、この実施形態の身体貼付用の積層シートは、合成樹脂製の基材フィルム1の片面に、合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層2が積層されている。前記パターン層2は、空孔3を有する。この身体貼付用積層シートは、医療用のドレッシング材や絆創膏、化粧品用途その他に利用することができる。
前記合成樹脂製の基材フィルム1として厚さ5〜300μmのものを好適に使用することができ、その材質としてポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、各種エラストマーが挙げられ、伸縮性を有するということからポリウレタン樹脂、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の各種エラストマーが好ましく、なかでも40℃、90%RHの雰囲気でJISZ0208(B法)に準拠して測定される透湿度が120g/m2・24hrs以上のものが好ましい。この観点からするとポリウレタン系エラストマーが最良である。
合成樹脂から成るパターン層2の材質として、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン系エラストマー樹脂、ポリスチレン系エラストマー樹脂、ポリオレフィン系エラストマー樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、及びその他の熱可塑性樹脂の単体或いは混合品などが使用できる。前記パターン層2の目付は、10〜100g/m2の範囲に設定することが好ましい。
そして、前記基材フィルム1についてJIS K7311に準拠して測定した20%伸張時の引張応力をM1、前記基材フィルム1とパターン層2が積層された積層シート(基材フィルム1+パターン層2)についてJIS K7311に準拠して測定した20%伸張時の引張応力をM2とすると、前記M1とM2が0.1≦M2/M1≦0.5の関係を有することとしている。前記基材フィルム1とパターン層2が積層された積層シートの20%伸張時の引張応力M2は、基材フィルム1の厚みT1(図1参照)とパターン層2の平均高さT2(図1参照)の合計T1+T2を積層シートの総厚みと想定して求められる値をいう。なお、絆創膏の実際の使用時に伸張される最大伸度は一般的には20%程度までである。
前記凹凸を備えたパターン層2の態様として、メッシュ状(格子状ないし網目状)、ドット状、亀甲状(六角形状、ハニカム状)などの幾何学的模様とすることができる。図1乃至図5に示すように、この実施形態では、前記パターン層2はメッシュ状(格子状)の構造を有することとした。この合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層2は、合成樹脂製の基材フィルム1に対し、溶融した状態でパターン状に転写する公知のパターン印刷法により積層して製造した。
この身体貼付用積層シートは、身体への装着面(基材フィルム1側としたりパターン層2側とすることができる)に粘着層4を設けることができるが、この実施形態ではパターン層2の表面に粘着層4を形成した。前記粘着層4として、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系のものなどを用いることができる。
パターン層2の表面に粘着層4を形成する態様として、パターン層2の凹凸の頂部のみに粘着層4を形成したり(通気性、透湿性を維持しやすい。図1及び図2参照)、主としてパターン層2の凹凸の間隙のみに粘着層4を形成したり(強い粘着力が維持できる。図3参照)、パターン層2の凹凸の頂部と凹凸の間隙の双方に粘着層4を形成したり(強い粘着力が維持できる。図4参照)、パターン層2の凹凸の間隙及びその上層に粘着層4を形成したり(より強い粘着力が維持できる。図5参照)することできる。
また前記基材フィルム1は透湿性を有すると共に、その透湿性は40℃、90%RHの雰囲気でJIS Z0208(B法)に準拠して測定される透湿度が120g/m2・24hrs以上となるようにした。
次に、この実施形態の身体貼付用積層シートの使用状態を説明する。
この身体貼付用積層シートは、合成樹脂製の基材フィルム1の片面に、合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層2が積層されており、基材フィルム1の変形に伴ってパターン層2が積層された積層シート全体として伸縮することとなる。
そして、基材フィルム1の20%伸張時の引張応力M1と、前記基材フィルム1とパターン層2が積層された積層シート(基材フィルム1+パターン層2)の20%伸張時の引張応力M2が、0.1≦M2/M1≦0.5の関係を有するので、基材フィルム1の引張応力M1に対して積層シートの引張応力M2を前記範囲のように小さめに設定することにより、積層シート全体の厚みの割りには伸縮し易いものとなり、積層シートの厚み感にしては軽い力で伸縮性を示し、従来よりも装着感に優れるという利点がある。また、軽い伸縮性で身体の装着面に追従することとなるので、装着時の違和感や異物感が少ないものとなるという利点がある。実際の感覚面では、全体がフニャフニャし過ぎて取り扱い難いということはなく且つ固くてゴワゴワし過ぎるということもない適度な風合いを併せ持つ。なお、M2/M1が0.1未満とすると、積層シートの腰が損なわれ取り扱い性に劣るものとなり、0.5より大きいと身体等への追従性が損なわれ装着性に劣るものとなった。
また、装着した際に不織布を使用した場合のように装着端部が擦れてほつれが発生することも回避され、長時間装着しても快適性を持続し得るという利点がある。
更に、前記基材フィルム1が透湿性を有すると共に前記パターン層2はメッシュ状の構造を有することとしており、メッシュ状のパターン層2はその格子が存する部分(凸部)によって厚み感が付与されると共に、格子が存しない開放領域(凹部)は透湿性を有する基材フィルム1のみによる透湿性が維持され通気性が担保されて身体への貼付時に蒸れ難くより快適なものとなるという利点がある。ここで、パターン層2がドット状の構造を有することとすると開放領域を広くとれ透湿性が維持されやすいという利点があり、亀甲状(六角形状、ハニカム状)の形状を有することとするとパターン層2が基材の伸縮に追従しやすいという利点がある。
その上、前記パターン層2の表面に粘着層4を形成しており、パターン層2の表面の粘着層4側を身体に装着した際、前記パターン層2の凹凸によって皮膚に刺激を与えて血行促進を図り、装着箇所が傷の治療の場合は治癒を速めることができるという利点がある。
前記パターン層2の目付を10〜100g/m2の範囲に設定したので積層シート全体の腰を適度に強くすることができ、身体への装着時にシワが殆ど生じることなく取扱い・ハンドリングに優れるという利点がある。
また前記基材フィルム1の透湿性は、40℃、90%RHの雰囲気でJIS Z0208(B法)に準拠して測定される透湿度が120g/m2・24hrs以上であり、装着部にかいた汗が適度に揮散され蒸れることなく長時間装着することが可能となる。
次に、この発明の構成をより具体的に説明する。
(実施例1)
厚さ25μmのポリウレタン樹脂製の基材フィルム1の片面に、ポリウレタンエラストマー樹脂とポリスチレンエラストマー樹脂が9:1でブレンドされた合成樹脂から成るメッシュ状(メッシュ開口の大きさ:縦横800μm、メッシュの太さ:300μm)の凹凸を備えたパターン層2(厚さ75μmで目付が30g/m2)を溶融状態で転写する公知のパターン印刷法により積層し、身体貼付用積層シートを作製した。この身体貼付用積層シートの総厚は100μmである。前記パターン層2の表面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着層4(図1,2参照)を形成した。前記基材フィルム1の透湿性は、40℃、90%RHの雰囲気でJIS Z0208(B法)に準拠して測定される透湿度が2920g/m2・24hrsであった。
(実施例1)
厚さ25μmのポリウレタン樹脂製の基材フィルム1の片面に、ポリウレタンエラストマー樹脂とポリスチレンエラストマー樹脂が9:1でブレンドされた合成樹脂から成るメッシュ状(メッシュ開口の大きさ:縦横800μm、メッシュの太さ:300μm)の凹凸を備えたパターン層2(厚さ75μmで目付が30g/m2)を溶融状態で転写する公知のパターン印刷法により積層し、身体貼付用積層シートを作製した。この身体貼付用積層シートの総厚は100μmである。前記パターン層2の表面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着層4(図1,2参照)を形成した。前記基材フィルム1の透湿性は、40℃、90%RHの雰囲気でJIS Z0208(B法)に準拠して測定される透湿度が2920g/m2・24hrsであった。
(実施例2)
厚さ25μmのポリウレタン樹脂製の基材フィルム1の片面に、ポリウレタンエラストマー樹脂とポリスチレンエラストマー樹脂が9:1でブレンドされた合成樹脂から成るメッシュ状(実施例1と同様)の凹凸を備えたパターン層2(厚さ125μmで目付が50g/m2)を溶融状態で転写する公知のパターン印刷法により積層し、身体貼付用積層シートを作製した。この身体貼付用積層シートの総厚は150μmである。パターン層2の表面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着層4(図1,2参照)を形成した。前記基材フィルム1の前記透湿度は、2920g/m2・24hrsであった。
厚さ25μmのポリウレタン樹脂製の基材フィルム1の片面に、ポリウレタンエラストマー樹脂とポリスチレンエラストマー樹脂が9:1でブレンドされた合成樹脂から成るメッシュ状(実施例1と同様)の凹凸を備えたパターン層2(厚さ125μmで目付が50g/m2)を溶融状態で転写する公知のパターン印刷法により積層し、身体貼付用積層シートを作製した。この身体貼付用積層シートの総厚は150μmである。パターン層2の表面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着層4(図1,2参照)を形成した。前記基材フィルム1の前記透湿度は、2920g/m2・24hrsであった。
(比較例1)
厚さが25μmのポリウレタン樹脂製のフィルム(単層フィルム)により身体貼付用シートを作製した。前記フィルムの片面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着層を形成した。この25μmのポリウレタン樹脂製のフィルムは、実施例1,2の基材フィルムに相当するものである。前記フィルムの前記透湿度は、2920g/m2・24hrsであった。
厚さが25μmのポリウレタン樹脂製のフィルム(単層フィルム)により身体貼付用シートを作製した。前記フィルムの片面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着層を形成した。この25μmのポリウレタン樹脂製のフィルムは、実施例1,2の基材フィルムに相当するものである。前記フィルムの前記透湿度は、2920g/m2・24hrsであった。
(比較例2)
厚さが100μmのポリウレタン樹脂製のフィルム(単層フィルム)により身体貼付用シートを作製した。前記フィルムの片面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着層を形成した。前記フィルムの前記透湿度は、730g/m2・24hrsであった。
厚さが100μmのポリウレタン樹脂製のフィルム(単層フィルム)により身体貼付用シートを作製した。前記フィルムの片面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着層を形成した。前記フィルムの前記透湿度は、730g/m2・24hrsであった。
(比較例3)
厚さが150μmのポリウレタン樹脂製のフィルム(単層フィルム)により身体貼付用シートを作製した。前記フィルムの片面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着層を形成した。前記フィルムの前記透湿度は、580g/m2・24hrsであった。
厚さが150μmのポリウレタン樹脂製のフィルム(単層フィルム)により身体貼付用シートを作製した。前記フィルムの片面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着層を形成した。前記フィルムの前記透湿度は、580g/m2・24hrsであった。
(比較例4)
厚さが25μmのポリウレタン樹脂製のフィルム(単層フィルム)により身体貼付用シートを作製し、その片面の全面にアクリル系粘着剤を塗布し、更にチュールネットを前記粘着剤に食い込ませた形状にて接着したものを作製した。前記フィルムの前記透湿度は、2920g/m2・24hrsであった。
厚さが25μmのポリウレタン樹脂製のフィルム(単層フィルム)により身体貼付用シートを作製し、その片面の全面にアクリル系粘着剤を塗布し、更にチュールネットを前記粘着剤に食い込ませた形状にて接着したものを作製した。前記フィルムの前記透湿度は、2920g/m2・24hrsであった。
(比較例5)
厚さ25μmのポリウレタン製の基材フィルムの片面に、ポリウレタンエラストマー樹脂とポリスチレンエラストマー樹脂が9:1でブレンドされた合成樹脂からなるメッシュ状(実施例1と同様)の凹凸を備えたパターン層(厚み:20μm、目付:8g/m2、総厚:45μm)を溶融状態で転写する公知のパターン印刷法により積層し、積層シートを作成した。この、積層シートの総厚は50μmである。積層シートのパターン層の表面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着剤層を形成し、身体貼着用積層シートとした。前記基材フィルムの前記透湿度は、2920g/m2・24hsであった。
厚さ25μmのポリウレタン製の基材フィルムの片面に、ポリウレタンエラストマー樹脂とポリスチレンエラストマー樹脂が9:1でブレンドされた合成樹脂からなるメッシュ状(実施例1と同様)の凹凸を備えたパターン層(厚み:20μm、目付:8g/m2、総厚:45μm)を溶融状態で転写する公知のパターン印刷法により積層し、積層シートを作成した。この、積層シートの総厚は50μmである。積層シートのパターン層の表面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着剤層を形成し、身体貼着用積層シートとした。前記基材フィルムの前記透湿度は、2920g/m2・24hsであった。
(比較例6)
厚さ25μmのポリウレタン製の基材フィルムの片面に、ポリウレタンエラストマー樹脂とポリスチレンエラストマー樹脂が9:1でブレンドされた合成樹脂からなるメッシュ状(実施例1と同様)の凹凸を備えたパターン層(厚み:275μm、目付:110g/m2、総厚:300μm)を溶融状態で転写する公知のパターン印刷法により積層し、積層シートを作成した。この、積層シートの総厚は250μmである。積層シートのパターン層の表面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着剤層を形成し、身体貼着用積層シートとした。前記基材フィルムの前記透湿度は、2920g/m2・24hsであった。
厚さ25μmのポリウレタン製の基材フィルムの片面に、ポリウレタンエラストマー樹脂とポリスチレンエラストマー樹脂が9:1でブレンドされた合成樹脂からなるメッシュ状(実施例1と同様)の凹凸を備えたパターン層(厚み:275μm、目付:110g/m2、総厚:300μm)を溶融状態で転写する公知のパターン印刷法により積層し、積層シートを作成した。この、積層シートの総厚は250μmである。積層シートのパターン層の表面の全面にアクリル系粘着剤を塗布して粘着剤層を形成し、身体貼着用積層シートとした。前記基材フィルムの前記透湿度は、2920g/m2・24hsであった。
各実施例及び比較例で得られた身体貼付用シートの20%伸張時の引張強度(JIS K7311準拠)を測定した。すなわち、実施例及び比較例の身体貼付用シートのサンプルからJIS K7311に規定されたダンベル状試験片(有効試料幅5mm)を採取し、引張試験機(島津製作所社製オートグラフ、商品名AGS−H)でつかみ間隔が35mmになるように固定した。そして、300mm/minの速度で引張り、20%伸ばした時の荷重の測定を行った。この数値から、身体貼付用シートのサンプルの基材フィルム1の引張応力M1、前記基材フィルム1とパターン層2が積層された積層シートの引張応力M2を算出した。これらの値は縦方向と横方向とを両方とって、その平均値とした。
実施例1のM2/M1であるが、基材フィルム1の厚みは25μm、前記基材フィルム1とパターン層2が積層された積層シートの厚みは100μmである。これより試験片の断面積は100μm(0.1mm)×5mmで0.5mm2となる。20%伸張時の場合、引張応力(M2)は荷重値÷断面積で0.94MPa(縦横の平均値)であった。一方、基材フィルム1の引張応力(M1)は、同様にして20%伸張時の場合、2.67MPa(縦横の平均値)であった。よって、この場合のM2/M1は0.94MPa÷2.67MPaで0.35となる。この数値は0.1≦M2/M1≦0.5の範囲内である。
実施例2のM2/M1であるが、基材フィルム1の厚みは25μm、前記基材フィルム1とパターン層2が積層された積層シートの厚みは150μmである。これより20%伸張時の場合、同様にして引張応力(M2)は0.88MPa(縦横の平均値)であった。一方、基材フィルム1の引張応力(M1)は、20%伸張時の場合、2.67MPa(縦横の平均値)であった。よって、この場合のM2/M1は0.88MPa÷2.67MPaで0.33となる。この数値は0.1≦M2/M1≦0.5の範囲内である。
比較例5のM2/M1は、0.52(>0.5)であった。
比較例6のM2/M1は、0.09(<0.1)であった。
上記各実施例及び比較例で得られた身体貼付用シートのサンプルについて、以下の方法で性能評価を行った。
(A)柔軟性
各実施例及び比較例で得られた身体貼付用シートのサンプルについて、成人男性5人の皮膚にそれぞれ貼付し、装着中の柔軟性(柔軟で伸び易く快適かどうか)について5段階(0:良い〜4:悪い)で評価し、その評価値の平均を算出した。
(B)装着性
各実施例及び比較例で得られた身体貼付用シートのサンプルについて、成人男性5人の皮膚にそれぞれ貼付する際への装着性(くしゃくしゃにならずに貼り易いかどうか)について5段階(0:良い〜4:悪い)で評価し、その評価値の平均を算出した。
(A)柔軟性
各実施例及び比較例で得られた身体貼付用シートのサンプルについて、成人男性5人の皮膚にそれぞれ貼付し、装着中の柔軟性(柔軟で伸び易く快適かどうか)について5段階(0:良い〜4:悪い)で評価し、その評価値の平均を算出した。
(B)装着性
各実施例及び比較例で得られた身体貼付用シートのサンプルについて、成人男性5人の皮膚にそれぞれ貼付する際への装着性(くしゃくしゃにならずに貼り易いかどうか)について5段階(0:良い〜4:悪い)で評価し、その評価値の平均を算出した。
結果を表1にまとめる。なお表中、M1(MPa)の項目の(2.92/2.41)等は(縦方向/横方向)の数値を併記したものであり、その上の数値2.67がその平均値である。
(C)総合評価
実施例1(積層シート100μm)と比較例2(単層フィルム100μm)とを比較すると、総厚が同一であるのに実施例1(柔軟性:0.6)では比較例2(柔軟性:2.9)より軽い力で伸縮性を示し、シートが伸びる際に必要とされる力はより小さなものであった。また、実施例2(積層シート150μm)と比較例3(単層フィルム150μm)とを比較すると、総厚が同一であるのに実施例2(柔軟性:0.9)では比較例3(柔軟性:3.5)より軽い力で伸縮性を示し、シートが伸びる際に必要とされる力はより小さなものであった。すなわち、実施例1、2は比較例2、3によりもそれぞれ柔軟性に優れていた。
実施例1(積層シート100μm)と比較例2(単層フィルム100μm)とを比較すると、総厚が同一であるのに実施例1(柔軟性:0.6)では比較例2(柔軟性:2.9)より軽い力で伸縮性を示し、シートが伸びる際に必要とされる力はより小さなものであった。また、実施例2(積層シート150μm)と比較例3(単層フィルム150μm)とを比較すると、総厚が同一であるのに実施例2(柔軟性:0.9)では比較例3(柔軟性:3.5)より軽い力で伸縮性を示し、シートが伸びる際に必要とされる力はより小さなものであった。すなわち、実施例1、2は比較例2、3によりもそれぞれ柔軟性に優れていた。
比較例5(M2/M1=0.52>0.5)は、身体等への追従性があまりよくなく装着性に劣る(4.0)ものであった。比較例6(M2/M1=0.09<0.1)は、積層シートの腰が損なわれ柔軟性に劣る(4.0)ものであった。
また、比較例1(単層フィルム25μm)は装着性(3.6)であり、腰がなくフニャフニャしていた。比較例4(単層フィルム25μmにチュールネットを接着)は柔軟性(3.2)でゴワゴワし、装着性(3.6)も悪かった。
すなわち、M1とM2が0.1≦M2/M1≦0.5の関係を有する実施例1,2のものは、全体的な装着感に優れたものであった。
透湿性、伸縮性、装着性、取扱い性に優れる高性能の積層シートとして医療用途や化粧品用途その他各種の用途に好適に使用することができる。
1 基材フィルム
2 パターン層
4 粘着層
2 パターン層
4 粘着層
Claims (7)
- 合成樹脂製の基材フィルム(1)の少なくとも片面に、合成樹脂から成る凹凸を備えたパターン層(2)が積層されると共に、前記基材フィルム(1)についてJIS K7311に準拠して測定した20%伸張時の引張応力をM1、前記基材フィルム(1)とパターン層(2)が積層された積層シートについてJIS K7311に準拠して測定した20%伸張時の引張応力をM2とすると、前記M1とM2が0.1≦M2/M1≦0.5の関係を有することを特徴とする積層シート。
- 前記凹凸を備えたパターン層(2)はメッシュ状の構造を有する請求項1記載の積層シート。
- 前記凹凸を備えたパターン層(2)はドット状の構造を有する請求項1記載の積層シート。
- 前記凹凸を備えたパターン層(2)は亀甲状の形状を有する請求項1記載の積層シート。
- 前記パターン層(2)の目付を10〜100g/m2の範囲に設定した請求項1乃至4のいずれかに記載の積層シート。
- 前記基材フィルム(1)の透湿性は、40℃、90%RHの雰囲気でJIS Z0208(B法)に準拠して測定される透湿度が120g/m2・24hrs以上である請求項1乃至5のいずれかに記載の積層シート。
- 前記パターン層(2)の表面に粘着層(4)を形成した請求項1乃至6のいずれかに記載の身体貼付用積層シート。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2005-12-09 JP JP2005355673A patent/JP2007159603A/ja active Pending
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