全ての量、比率、及びパーセンテージは、特に記載のない限り、重量である。組成物中の全ての成分量は合計で100重量%である。簡単な発明の概要及び要約は、参照により本明細書に引用したものとする。冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ、明細書の文脈により特に示されない限り、1つ以上を指す。範囲の開示には、範囲それ自体と、その中に包含される任意の数、並びに端点が含まれる。例えば、2.0〜4.0の範囲の開示には、2.0〜4.0の範囲だけでなく、2.1、2.3、3.4、3.5、及び4.0の個々の数、並びにその範囲に包含される任意の他の数も含まれる。更に、例えば2.0〜4.0の範囲の開示には、例えば2.1〜3.5、2.3〜3.4、2.6〜3.7、及び3.8〜4.0の部分集合、並びにその範囲に包含される任意の他の部分集合も含まれる。同様に、マーカッシュ群の開示には、群全体と、その中に包含される任意の個々の要素及び部分集合も含まれる。例えば、マーカッシュ群、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基の開示は、個々のアルキルメンバー、アルキル及びアリールのサブグループ、並びにそこに包含される任意の他の個々のメンバー及びサブグループを含む。
「アルキル」とは、非環式、分枝状又は非分枝状の一価の飽和炭化水素基を意味する。アルキルは、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル、並びに炭素原子数6以上の一価の分枝飽和炭化水素基が例示される。
「アラルキル」とは、ペンダント及び/又は末端アリール基を有するアルキル基、又はペンダントアルキル基を有するアリール基を意味する。アラルキル基の例としては、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、及びフェニルブチルが挙げられる。
「炭素環式化合物」及び「炭素環式」とは、それぞれ、炭化水素環を意味する。炭素環式化合物は単環式でもよく、あるいは、縮合環、架橋環、又はスピロ多環式環であってもよい。単環式の炭素環式化合物は、炭素原子数3〜9のものであってよく、炭素原子数4〜7のものであってもよく、あるいは炭素原子数5〜6のものであってもよい。多環式の炭素環式化合物は、炭素原子数7〜17のものであってよく、炭素原子数7〜14のものであってもよく、あるいは炭素原子数9〜10のものであってもよい。炭素環式化合物は飽和又は部分不飽和であってよい。
「シクロアルキル」とは、飽和炭素環式化合物を意味する。単環式のシクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが例示される。
「ハロゲン化炭化水素」とは、炭素原子に結合した1つ以上の水素原子がハロゲン原子に形式上(formally)置換された炭化水素を意味する。ハロゲン化炭化水素基としては、ハロアルキル基、ハロゲン化炭素環基、及びハロアルケニル基が挙げられる。ハロアルキル基としては、フッ素化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、及び塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及び3−クロロプロピル)が挙げられる。ハロゲン化炭素環基としては、フッ素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル)、及び塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、及び2,3−ジクロロシクロペンチル)が挙げられる。ハロアルケニル基としては、アリルクロリドが挙げられる。
「ヘテロ原子」とは、IUPAC周期表(http://www.iupac.org/fileadmin/user_upload/news/IUPAC_Periodic_Table−1Jun12.pdf)の13〜17族の、炭素を除く任意の元素を意味する。「ヘテロ原子」としては、例えば、N、O、P、S、Br、Cl、F、及びIが挙げられる。
「ヘテロ原子含有基」とは、水素原子及び炭素原子からなり、かつ少なくとも1つのヘテロ原子を含む有機基を意味する。ヘテロ原子含有基は、例えば、1つ以上のアシル、アミド、アミン、カルボキシル、シアノ、エポキシ、ハロゲン、ヒドロカルボノオキシ、イミノ、ケトキシム、メルカプト、オキソ、酸素、オキシム、及び/又はチオールを含んでいてよい。例えば、ヘテロ原子含有基が1つ以上のハロゲン原子を含む場合、ヘテロ原子含有基は上記で定義されたハロゲン化炭化水素基であってもよい。あるいは、ヘテロ原子が酸素の場合、ヘテロ原子含有基は例えば、アルコキシ基及びアルキルアルコキシ基等のヒドロカルボノオキシ基であってもよい。
「ヘテロアルキル」基とは、少なくとも1つのヘテロ原子を含む非環式、分枝状又は非分枝状の一価の飽和炭化水素基を意味する。「ヘテロアルキル」としては、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子(例えば、N、O、P、又はS)に置換されたハロアルキル基及びアルキル基が挙げられ、ヘテロ原子がOの場合、ヘテロアルキル基はアルコキシ基であってもよい。
「複素環」及び「複素環式」とは、それぞれ、炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を環の中に含む環状基を意味する。複素環中のヘテロ原子はN、O、P、S、又はこれらの組み合わせであってよい。複素環は単環式でもよく、あるいは、縮合環、架橋環、又はスピロ多環式環であってもよい。単環式複素環は、環の中に3〜9の構成原子を有してもよく、あるいは4〜7の構成原子を有してもよく、あるいは5〜6の構成原子を有してもよい。多環式複素環は、環の中に7〜17の構成原子を有してもよく、あるいは7〜14の構成原子を有してもよく、あるいは9〜10の構成原子を有してもよい。複素環は飽和又は部分不飽和であってよい。
「複素芳香族」とは、炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を環の中に含む完全不飽和環含有基を意味する。複素芳香族としては、ピリジル等のヘテロアリール基が挙げられる。複素芳香族としては、ヘテロアラルキル(すなわち、ペンダント及び/又は末端ヘテロアリール基を有するアルキル基、又はペンダントアルキル基をもつヘテロアリール基)が挙げられる。ヘテロアラルキルの例としては、メチルピリジル及びジメチルピリジルが挙げられる。
「...を含まない」は、組成物がその成分を感知不可能な量しか含有しない、又は、その成分を含まない同じ組成物と比較したときに、実施例のセクションに記載のとおり測定される、目視による粘度を変化させるのに不十分な量でしかその成分を組成物が含有しないことを意味する。例えば、本明細書に記載の組成物は、スズ触媒を含まないものであり得る。「スズ触媒を含まない」は、組成物が、組成物中の他の成分の加水分解性基との縮合反応を触媒できるスズ触媒を感知不可能な量でしか含有しない、又は、スズ触媒を含まない同じ組成物と比較したときに、実施例のセクションに記載のとおり測定される目視による粘度を変化させるのに不十分な量でしか組成物がスズ触媒を含有しないことを意味する。組成物は、チタン触媒を含まないものであり得る。「チタン触媒を含まない」は、組成物が、組成物中の他の成分の加水分解性基との縮合反応を触媒できるチタン触媒を感知不可能な量でしか含有しない、又は、チタン触媒を含まない同じ組成物と比較したときに、実施例のセクションに記載のとおり測定される目視による粘度を変化させるのに不十分な量でしか組成物がチタン触媒を含有しないことを意味する。あるいは、本明細書に記載される組成物は、金属縮合反応触媒(本明細書に記載される成分(A)を除く)を含まないものであってよい。「金属縮合反応触媒を含まない」とは、組成物が、縮合反応に触媒作用を及ぼすことができる、周期表(the CRC Handbook of Chemistry and Physics,65th ed.,CRC Press,Inc.,Boca Raton,Florida,1984の表紙裏に記載)の3a、4a、5a、又は4b族の金属の化合物(例えば、Al、Bi、Hf、Sn、Ti、及び/又はZrの化合物)を感知不可能な量でしか含有せず、ここで、上記金属原子に結合するいずれの置換基も下記表1に記載の配位子とは異なることを意味する。あるいは、「金属縮合反応触媒を含まない」とは、その金属縮合反応触媒(成分(A)を除く)を含まない同じ組成物と比較したときに、実施例のセクションに記載のとおり測定される目視による粘度を変化させるのに不十分な量しかその金属縮合反応触媒を組成物が含有しないことを意味する。この定義のため、「感知不可能な量」は、例えばASTM D7151−05 ICP−AES(誘導結合プラズマ原子発光分析)による絶縁油中の元素測定のための標準試験方法(Standard Test Method for Determination of Elements in Insulating Oils by Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry(ICP−AES))に記載の方法に従って測定されてよい。
「非官能性」とは、成分(例えば、ポリオルガノシロキサン)が縮合反応に関与する加水分解性基をもたないことを意味する。
本明細書において使用される略語は下記に定義される。略語「cP」とは、センチポアズを意味する。「DP」とは、ポリマーの重合度を意味する。「FTIR」とは、フーリエ変換赤外分光分析を意味する。「GPC」とは、ゲル浸透クロマトグラフィーを意味する。「Mn」とは、数平均分子量を意味する。Mnは、GPCを使用して測定され得る。「Mw」とは、重量平均分子量を意味する。「NMR」とは、核磁気共鳴を意味する。「Me」とは、メチルを意味する。「Et」とは、エチルを意味する。「Ph」とは、フェニルを意味する。「Pr」とは、プロピルを意味し、iPr及びnPr等の様々な構造を含む。「iPr」とは、イソプロピルを意味する。「nPr」とは、ノルマルプロピルを意味する。「Bu」とは、ブチルを意味し、nBu、2級ブチル、tBu、及びiBu等の様々な構造を含む。「iBu」とは、イソブチルを意味する。「nBu」とは、ノルマルブチルを意味する。「tBu」とは、三級ブチルを意味する。
少なくとも1つの縮合反応可能な成分(組成物)を有する組成物は、
(A)チタン含有縮合反応触媒、及び
(B)1分子当たり平均で1つ以上の加水分解性置換基を有するケイ素含有ベースポリマー(ベースポリマー)を含む。理論に縛られることを望むものではないが、Ti含有縮合反応触媒は、ベースポリマーの縮合反応に対し触媒作用を及ぼすのに効果的であると特徴づけることができると考えられる。ベースポリマーは縮合反応可能な加水分解性置換基を有する。ベースポリマーの縮合反応は反応生成物を調製する。この組成物は、場合により、1つ以上の追加の成分を更に含み得る。1つ以上の追加の成分は、成分(A)及び(B)とは異なる。好適な追加の成分は、(C)架橋剤;(D)乾燥剤;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤;(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤;(J)難燃剤;(K)表面改質剤;(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)非反応性結合剤;(O)老化防止添加剤;(P)水放出剤;(Q)顔料;(R)レオロジー添加剤;(S)賦形剤(例えば溶媒及び/又は希釈剤);(T)粘着付与剤;(U)腐食防止剤;並びにこれらの組み合わせにより例示される。
成分(A)は触媒的に有効量のチタン含有縮合反応触媒を含む。このチタン含有縮合反応触媒は、Ti前駆体と配位子との反応生成物を含む。理論に縛られることを望むものではないが、Ti−配位子錯体をこの反応生成物は含んでいると考えられる。Ti前駆体は、Ti前駆体と配位子との反応生成物とは異なる。Ti前駆体は、Ti前駆体と配位子との反応により調製されるTi−配位子錯体とは異なる。
Ti前駆体は、Tiの有機化合物であり、一般式(i):Ti−A4(式中、Aはそれぞれ独立して置換可能な置換基である)を有する。Aはそれぞれ一価の有機基であってよい。Aの一価の有機基の例としては、一価の炭化水素基、アミノ基、シラザン基、カルボン酸エステル基及びヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。あるいは、Aは炭化水素基及びヒドロカルボノオキシ基からなる群より選ばれてもよい。
Aの一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル及びシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル基(例えば、ベンジル及び2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、Aはそれぞれベンジル等のアラルキル基であってもよい。
Aのアミノ基の例としては、式−NA’2を有するものが挙げられ、式中、A’はそれぞれ独立して水素原子又は一価の炭化水素基である。A’の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、及び飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル、シクロペンタジエニル及びシクロオクタジエニル等の不飽和炭素環基)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル及び2−フェニルエチル)に例示される炭素環基が挙げられる。あるいは、A’はそれぞれ水素原子、又はメチル若しくはエチル等の炭素原子数1〜4のアルキル基であってもよい。
あるいは、一般式(i)のAはそれぞれシラザン基であってもよい。
あるいは、一般式(i)のAはそれぞれカルボン酸エステル基であってもよい。適切なAのカルボン酸エステル基の例としては、限定するものではないが、エチルヘキサン酸(例えば、2−エチルヘキサン酸)、ネオデカン酸、オクタン酸、及びステアリン酸が挙げられる。
Aの一価のヒドロカルボノオキシ基の例は、式−O−A”を有するものでもよく、式中、A”は一価の炭化水素基である。A”の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル及びヘキセニル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル、及びナフチル)、並びにアラルキル(例えば、ベンジル及び2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A”はそれぞれ、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、又はt−ブチル等のアルキル基であってもよい。あるいは、A”はそれぞれアルキル基であってよく、又は、A”はそれぞれエチル、イソ−プロピル又はn−プロピル等のプロピル、又はブチルであってもよい。あるいは、A”はそれぞれエチルであってもよい。
あるいは、Aはそれぞれ、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、又はt−ブチル等のアルキル基であってもよい。あるいは、Aはそれぞれ、エチル、ベンジル、メシチル、フェニル、−NEt2、シクロオクタジエン、エトキシド、イソ−プロポキシド、ブトキシド、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、オクタン酸、及びステアリン酸からなる群より選ばれてもよい。
前駆体としての使用が適切なTiの有機化合物は、市販されている。例えば、Ti前駆体は、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)n−ブトキシド、又はチタン(IV)t−ブトキシド等のチタンのアルコキシドであることができる。このようなチタンアルコキシドは市販されている。例えば、チタン(IV)エトキシド及びチタン(IV)イソプロポキシドは、Strem Chemicals Inc.(Newburyport,Massachusetts,U.S.A.)から入手可能である。チタン(IV)n−ブトキシド及びチタン(IV)t−ブトキシドはSigma−Aldrich(St.Louis,Missouri,U.S.A.)より入手可能である。Ti(NMe2)4及びTi(NEt2)4等のチタンのアミノ化合物もまた、Strem Chemicals,Inc.より市販されている。成分(A)は、MCAT GmbH(Universitatsstrasse 10,78457 Konstanz,Gebaude L,Germany)より市販されているテトラベンジルチタン等のチタンのアラルキル化合物を含んでもよい。
配位子は、Tiと配位する有機化合物である。この有機化合物は中性形態と共役塩基形態を含む。理論に縛られることを望むものではないが、配位子は、上記一般式(i)のTi前駆体中の、置換可能な1つ以上の置換基Aの例に置き換わり、成分(A)の反応生成物を形成すると考えられる。
一般式(ii)において、Q1はO及びSから選択されるヘテロ原子である。Q2は、O、N、P及びSから選択されるヘテロ原子である。下付き文字xは、Q2として選ばれたヘテロ原子の価数により、1〜5の整数であり、あるいは1〜2の整数である。あるいは、Q1はOであってもよい。あるいは、Q2はO又はNであってもよい。あるいは、Q2はNであってもよい。
一般式(ii)において、A1はH又は一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。あるいは、A1はH又はアルキルであってもよい。あるいは、A1はH又はMeであってもよい。
一般式(ii)において、A2はH又は一価の有機基であるが、但し、Q2がSである場合、A2はメチル基以外の一価の炭化水素基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、複素芳香族基、ヒドロカルボノオキシ基、及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
一般式(ii)において、A3は、H、ハロゲン原子、及び一価の有機基から選択されるが、但し、A3はMeではない。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。あるいは、A3はHである。
一般式(ii)において、A4、A5、及びA6はそれぞれ独立してH、ハロゲン原子、及び一価の有機基から選択される。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。あるいは、A3、A4、A5、及びA6のうち2つは、互いに結合してアリール、アラルキル、又は複素芳香族等の縮合環構造を形成してもよい。あるいは、A6はアリール又はアラルキルである。あるいは、A4はアルキル又はアラルキルである。あるいは、A5はH又はハロゲン原子である。一般式(ii)の配位子の例としては、表1に示される配位子1、6、7、17、25、26、27、30、31、33、34、38、55、63、64、69、70、及び75が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(iii):
を有してもよい。
一般式(iii)において、Q3はO及びSから選択されるヘテロ原子である。一般式(iii)に示されている炭素−炭素結合はそれぞれ単結合又は二重結合である。
一般式(iii)において、A7はそれぞれ独立してH、ハロゲン原子、及び一価の有機基から選択される。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ基及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
一般式(iii)において、A
8は、一価の炭化水素基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、及び式:
で表わされる一価の有機基(式中、
*は、一般式(iii)中の窒素原子に結合する位置を示す)から選択され、Q
3、A
7、A
8、A
9、A
10、及びA
11は本明細書で定義されている通りである。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環基が挙げられる。
一般式(iii)において、A9、A10、及びA11はそれぞれ独立してH、ハロゲン原子、及び一価の有機基から選択される。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環基が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。あるいは、A10及びA11は、互いに結合してアリール基、アラルキル基、複素環基、又は複素芳香族基等の環構造を形成していてもよい。一般式(iii)の配位子の例としては、表1に示される配位子2、8、13、14、33、46、52、86、及び87が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(iv):
を有してもよい。
一般式(iv)において、Q4、Q5、及びQ6はそれぞれ独立してN、O、及びSから選択されるヘテロ原子である。一般式(iv)に示されている炭素−炭素結合はそれぞれ単結合又は二重結合である。
一般式(iv)において、A14及びA15はそれぞれ独立して水素原子及び一価の有機基から選択される。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
一般式(iv)において、A16、A17、A18、及びA19はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、及び一価の有機基から選択されるが、但し、あるいはA17及びA18は互いに結合して、Q5と共に、複素環基又は複素芳香族基を形成してもよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
一般式(iv)において、A20は、存在しない(例えば、Q5がO又はSの場合)か、水素原子及び一価の有機基から選択される。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。一般式(iv)の配位子の例としては、表1に示される配位子4、5、7、21、32及び63が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(v):
を有してもよい。
一般式(v)において、A21は二価の有機基である。A21は炭化水素基であってよく、又はA21はヘテロ原子含有基であってもよい。A21が炭化水素基である場合、A21はアリーレン基、アルカリーレン基、又は炭素原子数2〜12のアルキレン基であってよい。A21がヘテロ原子含有基である場合、A21は複素芳香族基であってよい。適切な二価の炭化水素基としては、アルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びシクロヒドロカルビレンが挙げられる。適切な二価のヘテロ原子含有基としては、二価のヒドロカルボノオキシ及び二価のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。一般式(v)の配位子の例としては、表1に示される配位子19、23、24、82及び85が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(vi):
を有してもよい。
一般式(vi)において、下付き文字aは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。
一般式(vi)において、A22は一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
一般式(vi)において、A23は一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
一般式(vi)において、−−−A24は、ピリジン環中の炭素原子に結合した置換基を表す。A24はハロゲン原子又は一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。一般式(vi)の配位子の例としては、表1に示される配位子28、29、30、及び62が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(vii):
を有してもよい。
一般式(vii)において、下付き文字bは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数であって、−−−A25はフェニル環中の炭素原子に結合した置換基を表す。A25はハロゲン原子又は一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
一般式(vii)において、Q7はO及びSから選択されるヘテロ原子である。Q8はO、NH、S、及びPから選択される。
一般式(vii)において、A26はH又は一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。あるいは、A26はH、アルキル基、及びアリール基から選択される。
一般式(vii)において、A27はH又は一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。あるいは、A27はH、アルキル基、アラルキル基、及びアラルキル基から選択されてもよい。
一般式(vii)において、A28はH、一価の炭化水素基、又はNを含有しない一価のヘテロ原子含有基である。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
一般式(vii)において、A27及びA28はQ8を含む複素環基を形成してもよく、又はQ8を含む複素芳香族基を形成してもよいが、但し、Q8がOの場合、環構造中の追加のヘテロ原子はNH、S、O、及びPから選択されてもよく、すなわち、Q8に加えて、Nが上記環中のヘテロ原子である場合、Nに結合する環中の2つの結合は単結合であり、このNは更に水素原子と結合する。一般式(vii)の配位子の例としては、表1に示される配位子11、22、41、42、47、48、49、53、56、76、77及び81が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(viii):
を有してもよい。
一般式(viii)において、Q9及びQ10はヘテロ原子であり、それぞれ独立してO及びSから選択される。
一般式(viii)において、A29及びA32はそれぞれ独立してH及び一価の有機基から選択される。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。あるいは、A29及びA32は、それぞれ独立してH、アルキル基、アラルキル基、及びアラルキル基から選択されてもよい。
一般式(viii)において、A30及びA31はそれぞれ、炭素原子数が1以上の二価の有機置換基であるが、但し、A30及びA31は、アリール基、アラルキル基、又は複素芳香族(heteroatomatic)基等の環構造の構成原子であってもよいが、但し、A30及びA31は三級アミンではなく、またフェニルメチルケトン官能性を含まない。A30とA31との間の結合は単結合又は二重結合であってもよく、また、任意で環構造の一部としてもよい。一般式(viii)の配位子の例としては、表1に示される配位子9、10、22、37、39、43、44、45、55、60、65、及び66が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(ix):
を有してもよい。
一般式(ix)において、Q11及びQ12はヘテロ原子を表す。Q11及びQ12は、それぞれ独立してO及びSから選択される。
一般式(ix)において、A33は一価の芳香族基;共役複素芳香族基(但し、前記共役複素芳香族基中のヘテロ原子はO及びNから選択される)、又は縮合複素芳香族基(但し、前記縮合複素芳香族基中のヘテロ原子はO及びSから選択される)である。一般式(ix)の配位子の例としては、表1に示される配位子12、15、18、36、59、83、及び84が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(x):
を有してもよい。
一般式(x)において、Q13はN、O、P及びSから選択されるヘテロ原子である。A34、A35、A36、及びA37はそれぞれ独立してH又は一価の有機基であるが、但し、A34、A35、A36、及びA37のうち2つは互いに結合して、炭素環、アリール基、アラルキル基、複素芳香族基等の環構造を形成してもよい。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。一般式(x)の配位子の例としては、表1に示される配位子51、58、61、79、及び80が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xi):
を有してもよい。
一般式(xi)において、
は単結合又は二重結合を表す。Q
14は、O、P及びSから選択されるヘテロ原子である。Q
14に選ばれたヘテロ原子の価数によって、また、Q
14と炭素原子との間の結合が単結合か二重結合かによって、A
40は存在しないか、又は水素原子である。
一般式(xi)において、A38及びA39はそれぞれ独立してH又は一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。あるいは、A38及びA39はそれぞれ独立して、H、アルキル、アリール、アラルキル、及び複素芳香族基から選択されてもよい。一般式(xi)の配位子としては、表1に示される35、71、及び74が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xiii):
を有してもよい。
一般式(xiii)において、A42及びA43はそれぞれ独立してH及び一価の炭化水素基から選択される。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。あるいは、A42はHであってもよい。あるいは、A43はアリール又はアラルキルであってもよい。
一般式(xiii)において、A41はH及び一価の有機基から選択される。A41の一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。あるいは、A41はアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であってもよい。一般式(xiii)の配位子の例としては、表1に示される配位子20が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xiv):を有してもよい。
一般式(xiv)において、A45は一価の有機基である。A45の一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。は、一価の炭化水素基である。A45の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A45の一価の炭化水素基は、フェニル等のアリール基又はベンジル等のアラルキル基であってもよい。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。あるいは、A45はそれぞれ複素環基又は複素芳香族基であってもよい。
一般式(xiv)において、A
46はそれぞれ独立してH又は一価の有機基である。A
46の一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。は、一価の炭化水素基である。A
46の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A
46の一価の炭化水素基は、Me、Et、Pr、又はBu等のアルキル基であってもよい。A
46の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
46の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
46のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシによって例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。あるいは、A
46はそれぞれHであってもよい。
一般式(xiv)において、A
47はそれぞれ独立して一価の有機基であり、下付き文字cは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。A
47の一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。は、一価の炭化水素基である。A
47の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A
47の一価の炭化水素基は、Me、Et、Pr、又はBu等のアルキル基であってもよい。あるいは、A
47はそれぞれPrであってもよい。A
47の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
47の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
47のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。一般式(xiv)の配位子の例としては、表1に示される配位子20が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xv):
を有してもよい。
一般式(xv)において、Q15はNH、O、及びSから選択される。あるいは、Q15はNHである。
一般式(xv)において、A48は一価の有機基である。A48の一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。A48の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A48の一価の炭化水素基は、Ph等のアリール基又はベンジル等のアラルキル基であってもよい。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ基及びハロゲン化炭化水素基、並びにフェニルメチルケトン等のケトン基が挙げられる。
一般式(xv)において、A49は一価の有機基である。A49の一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及び炭素環が挙げられる。あるいは、A49の一価の炭化水素基は、Me、Et、Pr、又はBu等のアルキル基であってもよい。あるいは、A49はMeであってもよい。適切な一価のヘテロ原子含有基としては、ヒドロカルボノオキシ及びハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
一般式(viii)において、A
50は一価の炭化水素基である。A
50の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A
50は、炭素原子数1〜4のアルキル基等のアルキル基であってもよい。あるいは、A
50はそれぞれHであってもよい。A
50の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
50の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
50のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。
あるいは、配位子は一般式(xvi):
を有してもよい。
一般式(xvi)において、Q16はC、O、及びSから選択される。Q17はC及びNから選択される。五員環は、飽和、部分不飽和、又は完全不飽和であってよい。
一般式(xvi)において、A51は一価の有機基である。A51の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A51はPh等のアリール基であってもよい。あるいは、A51はそれぞれ、2−フェニルメチル、2−メチルフェニル、又は3,5−ジメチルフェニル等のアラルキル基であってもよい。
A
51の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
51の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
51のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。あるいは、A
51はアルキル又はアラルキルであってもよい。
一般式(xvi)において、A52及びA55はそれぞれ独立して、存在しないか(すなわち、環が不飽和である、及び/又は、ヘテロ原子の原子価が満たされている場合)、又は一価の炭化水素基から選択される。A52及び/又はA55の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A52及び/又はA55は存在しなくてもよく、又はMe、Et、Pr、及びBuから選択されるアルキル基であってもよい。一般式(xvi)の配位子の例としては、表1に示される配位子79及び80が挙げられる。
一般式(xvi)において、A53及びA54はそれぞれ独立して一価の有機基から選択される。適切な一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。一価の炭化水素基としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A53及び/又はA54は、Ph等のアリール、又はフェニルメトキシ等のアラルコキシであってもよい。
一般式(xvi)において、A56はH又は一価の炭化水素基である。A56の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A56は、炭素原子数1〜6のアルキル基等のアルキル基であってもよい。あるいは、A56は炭素環基であってもよい。あるいは、A56は、シクロヘキシル等のシクロアルキル基であってもよい。あるいは、A56は、ベンジル等のアラルキル基であってもよい。あるいは、A56は水素原子であってもよい。一般式(xvi)の配位子の例としては、表1に示される配位子79及び80が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xvii):
を有してもよい。
一般式(xvii)において、A57及びA58はそれぞれ単結合又は二重結合によりPに結合し、A59はフェニル環中の炭素原子に結合した置換基を表す。A57及びA58はそれぞれ独立して、OH、O(すなわち、上記結合がP原子への二重結合である場合)、及び一価の有機基から選択される。A59は一価の有機基である。下付き文字eは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数であり、あるいは下付き文字eは0である。
一般式(xvii)において、A57、A58、及びA59の一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってもよい。一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A57、A58、及び/又はA59は、Ph等のアリール基であってもよい。あるいは、A57、A58、及び/又はA59はそれぞれ、2−フェニルメチル、2−メチルフェニル、又は3,5−ジメチルフェニル等のアラルキル基であってもよい。
A
57、A
58、及び/又はA
59の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
57、A
58、及び/又はA
59の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
57、A
58、及び/又はA
59のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。一般式(xvii)の配位子の例としては、表1に示される配位子12が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xviii):
を有してもよい。
一般式(xviii)において、下付き文字fは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数であり、あるいは下付き文字fは0である。A60はそれぞれ独立して一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。A60の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A60はMe、Et、Pr、又はBu等のアルキル基であってもよい。
A
60の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
60の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
60のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。一般式(xviii)の配位子の例としては、表1に示される配位子15が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xix):
を有してもよい。
一般式(xix)において、下付き文字gは、Q18に選ばれる原子の価数により、0又は1であり、Q18はC及びNから選択される。Q19はS及びOから選択される。Q20はSH及びOHから選択される。
一般式(xix)において、A61、A62、及びA63はそれぞれ独立してH又は一価の有機基であるが、但し、あるいはA62及びA63は互いに結合して縮合複素環基又はQ18を含有する五員環と共に縮合複素芳香族基を形成してもよい。A61、A62、及び/又はA63の一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってもよい。一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A61、A62、及び/又はA63(又は、互いに結合している場合は、A62及びA63の組み合わせ)は、Ph等のアリール基であってもよい。あるいは、A61、A62、及び/又はA63はそれぞれ、2−フェニルメチル、2−メチルフェニル、又は3,5−ジメチルフェニル等のアラルキル基であってもよい。
A
61、A
62、及び/又はA
63の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
61、A
62、及び/又はA
63の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
61、A
62、及び/又はA
63のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。A
62及びA
63が互いに結合している場合、上述のとおり、それらは炭素環基、芳香族基、複素環基、又は複素芳香族基を形成してもよいが、縮合して五員複素環を形成する。一般式(xix)の配位子の例としては、表1に示される配位子18及び36が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xx):
を有してもよい。
一般式(xx)において、下付き文字hは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。A64はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、OH、及び一価の有機基から選択される。ハロゲン原子はBr、Cl、F、又はIであってもよく、あるいはBr、Cl、又はFであってもよく、あるいはCl又はFであってもよい。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。A64の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A64は、Ph又はナフチル等のアリール基であってもよい。あるいは、A64はそれぞれ、2−フェニルメチル、2−メチルフェニル、又は3,5−ジメチルフェニル等のアラルキル基であってもよい。
A
64の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
64の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
64のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。あるいは、A
64はそれぞれ独立して、F、OH、Me、tBu、及びナフチルから選択される。一般式(xx)の配位子の例としては、表1に示される配位子59、83及び84が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xxi):
を有してもよい。
一般式(xxi)において、A65及びA66はそれぞれ独立して一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。A65及び/又はA66の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A65及び/又はA66は、Ph等のアリール基であってもよい。あるいは、A65及び/又はA66はそれぞれ、2−フェニルメチル、2−メチルフェニル、又は3,5−ジメチルフェニル等のアラルキル基であってもよい。
A
65及び/又はA
66の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
65及び/又はA
66の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
65及び/又はA
66のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。一般式(xxi)の配位子の例としては、表1に示される配位子45が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xxii):
を有してもよい。
一般式(xxii)において、A67、A68、及びA69はそれぞれ独立して一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。A67、A68、及び/又はA69の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A67、A68、及び/又はA69は、Ph等のアリール基であってもよい。あるいは、A67、A68、及び/又はA69は、2−フェニルメチル、2−メチルフェニル、又は3,5−ジメチルフェニル等のアラルキル基であってもよい。
A
67、A
68、及び/又はA
69の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
67、A
68、及び/又はA
69の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
67、A
68、及び/又はA
69のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。一般式(xxii)の配位子の例としては、表1に示される配位子43が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xxiii):
を有してもよい。
一般式(xxiii)において、Q20及びQ21はそれぞれ独立してN及びOから選択される。Q20がOの場合、A71は存在しない。A74は、部分飽和又は完全飽和していてよい、五員環構造を表す。
一般式(xxiii)において、A70は一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。A70の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A70はPh等のアリール基であってもよい。あるいは、A70はそれぞれ、2−フェニルメチル、2−メチルフェニル、又は3,5−ジメチルフェニル等のアラルキル基であってもよい。
A
70の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
70の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
70のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。
一般式(xxiii)において、A71は存在しないか、又は一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。A71の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A71はPh等のアリール基であってもよい。あるいは、A71はそれぞれ、2−フェニルメチル、2−メチルフェニル、又は3,5−ジメチルフェニル等のアラルキル基であってもよい。
A
71の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
71の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
71のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。
一般式(xxiii)において、A72は一価の炭化水素基である。A72の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A72はMe、Et、Pr、又はBu等のアルキル基であってもよく、あるいはMeであってもよい。
一般式(xxiii)において、下付き文字iは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。A73はそれぞれ独立して一価の有機基である。一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。A73の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A73はPh等のアリール基であってもよい。あるいは、A73はそれぞれ、2−フェニルメチル、2−メチルフェニル、又は3,5−ジメチルフェニル等のアラルキル基であってもよい。
A
73の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
73の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
73のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。一般式(xxiii)の配位子の例としては、表1に示される配位子41及び77が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xxiv):
を有してもよい。
一般式(xxiv)において、Q22及びQ23はそれぞれ独立して、O及びSから選択される。下付き文字jは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数であり、あるいは下付き文字jは3である。下付き文字kは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数であり、あるいは下付き文字kは0である。
一般式(xxiv)において、A74はH及び一価の有機基から選択される。A76及びA77はそれぞれ独立して一価の有機基である。
一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。A75、A76、及び/又はA77の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A75、A76、及び/又はA77は、Me、Et、Pr、又はBu等のアルキル基であってもよく、あるいはMeであってもよい。
A
75、A
76、及び/又はA
77の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
75、A
76、及び/又はA
77の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
75、A
76、及び/又はA
77のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。一般式(xxiv)の配位子の例としては、表1に示される配位子81が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xxv):
を有してもよい。
一般式(xxv)において、
は単結合又は二重結合を表す。Q
24はO及びSから選択される。あるいは、Q
24はOである。Q
25、Q
26、及びQ
27はそれぞれ独立して、C、N、O、及びSから選択される。あるいは、Q
25は、C、N、及びOから選択されてもよい。あるいは、Q
26は、C、N、及びOから選択されてもよい。あるいは、Q
26は、C及びNから選択されてもよい。あるいは、Q
27は、C、N、及びOから選択されてもよい。
一般式(xxv)において、A
78はそれぞれ独立して、H及び一価の有機基から選択される。A
79は、(Q
25の価数により)存在しないか、H及び炭素原子数2以上の一価の有機基から選択される。A
80及びA
81はそれぞれ独立して、(Q
26及びQ
27それぞれの価数により)存在しないか、H又は一価の有機基から選択される。A
82及びA
83はそれぞれ独立して、一価の有機基であるが、但し、あるいはA
82及びA
83は互いに結合して、炭素環基、アリール基、アラルキル基、複素芳香族基、又は複素環基等の環構造を形成してもよい。A
82及びA
83が互いに結合する場合、配位子は一般式(xxvi):
(式中、下付き文字mは、0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数であり、A
84はそれぞれ独立して一価の有機基)を有してもよい。
A78、A80、A81、A82、A83、及び/又はA84に適切な一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基が挙げられる。A78、A80、A81、A82、A83及び/又はA84の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A78、A80、A81、A82、A83及び/又はA84は、Me、Et、Pr、又はBu等のアルキル基であってもよく、あるいはMeであってもよい。あるいは、A80は、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択されてもよい。
A
78、A
80、A
81、A
82、A
83、及び/又はA
84の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
78、A
80、A
81、A
82、A
83、及び/又はA
84の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
78、A
80、A
81、A
82、A
83、及び/又はA
84のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。あるいは、A
78はH及びMeから選択されてもよい。あるいは、A
78はHであってもよい。あるいは、A
80は存在しないか、シクロヘキシル等の炭素環、Ph等のアリール、及びエトキシ等のアルコキシから選択されてもよい。あるいは、A
81は存在しないか、Hから選択されてもよい。
一般式(xxv)において、A79は炭素原子数2以上の一価の有機基であってもよい。A79の適切な一価の有機基は、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってよい。A79の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A79は、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択されてもよい。
A
79の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
79の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
79のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOEt、OPr、及びOBuに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。あるいは、A
79は存在しないか、フェニル等のアリール、及び
等のハロゲン化フェニルから選択されてもよい。一般式(xxv)の配位子の例としては、表1に示される配位子50、54、57、67、68、72、及び78が挙げられる。
あるいは、配位子は一般式(xxvi):
を有してもよい。
一般式(xxvi)において、A85及びA86はそれぞれ独立して一価の有機基である。A85及び/又はA86に適切な一価の有機基としては、一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基が挙げられる。A85及び/又はA86の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル)、飽和炭素環基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル)又は不飽和炭素環基(例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル)に例示される炭素環基、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル)、及びアラルキル(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)が挙げられる。あるいは、A85及び/又はA86は、Me、Et、Pr、又はBu等のアルキル基であってもよく、あるいはMeであってもよい。あるいは、A85は、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択されてもよい。
A
85及び/又はA
86の一価のヘテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又はヒドロカルボノオキシ基が挙げられる。A
85及び/又はA
86の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、フッ素化アルキル基(例えば、CF
3、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチル)、及びクロロメチル等の塩素化アルキル基等のハロアルキル基が挙げられる。A
85及び/又はA
86のヒドロカルボノオキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。アルコキシ基はOMe、OEt、OPr、及びOBuに例示され、あるいはOMeに例示される。アラルキルオキシ基はフェニルメトキシ及びフェニルエトキシに例示される。あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環中の炭素原子に結合した1つ以上の置換基を有するアリール基又はアラルキル基であってもよく、この場合、その1つ以上の置換基はヘテロ原子(例えば、上述のアラルキルオキシ、又は
(式中、
*は結合の位置を示す)等の基)を含む。あるいは、A
85及び/又はA
86はそれぞれ独立して、複素芳香族基、アラルキルオキシ基、又は
から選択される基でもよい。一般式(xxvi)の配位子の例としては、表1に示される配位子73が挙げられる。
成分(A)の調製に使用が適切な配位子例の中性型を下記表1に示す。
あるいは、配位子は、前駆体の選択も含む様々な要因によって選択されてもよい。例えば、前駆体が、チタン(IV)エトキシド等のチタンのアルコキシドである場合、上記配位子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、24、25、26、27、28、29、30、32、33、35、37、38、39、40、41、42、43、44、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、及び88(上記表1に示される)からなる群より選ばれる配位子であってもよい。あるいは、上記配位子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、17、19、20、21、22、24、25、26、27、28、29、30、32、33、35、37、38、39、40、41、42、43、44、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、及び88からなる群より選ばれる配位子であってもよい。
あるいは、前駆体が、テトラベンジルチタン等のチタンのアラルキル化合物である場合、上記配位子は、1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、及び88(上記表1に示される)からなる群より選ばれる配位子であってもよい。
あるいは、Ti−配位子錯体を含む組成物の組成物硬化時間に基づき配位子は選択されてもよい。例えば、配位子は、48時間目視粘度が5である反応生成物を少なくとも1つ生じた配位子(例えば、上記表1の配位子24及び84)からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、48時間目視粘度が4である反応生成物を少なくとも1つ生じた配位子(例えば、上記表1の配位子12、24、52、59、77、83、及び84)からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、48時間目視粘度が3である反応生成物を少なくとも1つ生じた配位子(例えば、上記表1の配位子12、15、18、19、30、41、43、45、59、71、73、77、78、79、80、81、83、85、86、及び88)からなる群より選ばれてもよい。
上記表1に示される各種配位子は市販されている。配位子35は、American Custom Chemical Corporation(San Diego,California,U.S.A.)より市販されている。配位子2、6、9、12、15、16、17、18、19、21、22、23、32、33、34、38、41、44、82、83、及び85は、Sigma−Aldrich,Inc.(St.Louis,Missouri,U.S.A.)より市販されている。配位子50及び84は、Alfa Aesar(Ward Hill,Massachusetts,U.S.A.)より市販されている。配位子36は、LaboTest(ドイツ)より市販されている。配位子27は、Princeton Biomolecular Research,Inc.(Princeton,New Jersey,U.S.A.)より市販されている、2−([(2−メトキシフェニル)アミノ]メチル)フェノールである。配位子49は、Maybridge Chemical Co.,Ltd.(ベルギー)より市販されている。配位子37及び39は、TCI America(Portland,Oregon,U.S.A.)より市販されている。配位子87は、Toronto Research Chemicals Inc.(North York,Ontario,Canada)より市販されている。配位子51は、Vitas−M Laboratory Ltd.(Moscow,Russia)より市販されている。成分(A)を調製するために本明細書において使用される配位子は表1に示される配位子であってもよい。
あるいは、配位子は、表1の配位子に化学的に類似している基(例えば、同様の構造を持つ等)から選択されてもよい。例えば、配位子は、配位子18及び51からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子6、20、24、31、43、45、48、53、55、63、64、及び82からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子2、8、13、14、33、34、46、52、86、及び87からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子41及び47からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子9、10、15、16、17、19、22、39、42、44、56、59、60、65、66、69、70、81、83、84、85、及び88からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子76及び77からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子78であってもよい。あるいは、配位子は、配位子28、29、30、及び62からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子1、11、25、26、及び27からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子3、4、5、7、23、49、及び74からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子21及び32からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子35、36、37、及び40からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子38、73、及び75からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子50、54、57、及び72からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子58であってもよい。あるいは、配位子は、配位子61及び80からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子67及び68からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子71及び79からなる群より選ばれてもよい。あるいは、配位子は、配位子12であってもよい。
あるいは、成分(A)の調製に使用される配位子は、式
の3,5−ヘプタンジオン、又は式
の2−アセチル−1−テトラロンであってもよく、両者共にSigma−Aldrich,Inc.(St.Louis,Missouri,U.S.A.)より入手可能である。
成分(A)は、上述の、配位子及びTi前駆体を反応させる工程を含み、それによりTi−配位子錯体を含む触媒活性反応生成物を形成する方法で調製されてもよい。この方法は、任意で、Ti前駆体と配位子を混合する前に、Ti前駆体と配位子のどちらか1つ又は両方を、溶媒に溶かす工程を更に含んでもよい。適切な溶媒は、成分(S)として下記に示されるものが例示される。あるいは、配位子は容器の中で溶媒に溶かされてもよく、その後、その溶媒は、Ti前駆体を配位子の入った容器に加える前に、取り除いてもよい。配位子とTi前駆体の分量は、配位子とTi前駆体とのモル比(配位子:金属比)が10:1〜1:10、あるいは3:1〜1:2、あるいは1:1〜2:1の範囲となるように選択してもよい。Ti前駆体と配位子の混合は、両者を共に混ぜ合わせる、又は容器を振とうする等の、任意の簡便な手段で行ってもよい。
Ti前駆体と配位子との反応は、上述のように調製されたTi前駆体と配位子とを、加熱して、又は室温(25℃)にて一定時間、反応させる等の任意の簡便な手段で行ってもよい。加熱は、加熱マントル、加熱コイル、又は上記容器をオーブンに入れる等の任意の簡便な手段により行われてよい。反応温度は、選択された具体的なTi前駆体及び配位子の反応性、配位子:金属比を含む様々な要因に依存するが、反応温度は25℃〜200℃、あるいは25℃〜75℃の範囲であってもよい。反応時間は、選択された反応温度を含む様々な要因に依存するが、反応時間は1分〜48時間、あるいは45分〜60分の範囲であってもよい。配位子とTi前駆体は、順次、混合してから加熱されてもよい。あるいは、配位子とTi前駆体は、同時に、混合と加熱をされてもよい。
成分(A)の触媒活性反応生成物の調製方法は、任意で、反応後に溶媒を加える工程を更に含んでいてもよい。適切な溶媒は、成分(S)として下記に示されるものが例示される。あるいは、溶媒が存在する場合(例えば、加熱前又は加熱中に、Ti前駆体と配位子との混合を行いやすくするために用いられた場合)、この方法は、任意で、反応副生成物及び/又は溶媒を取り除く工程を更に含んでいてもよい。副生成物は、例えば、H−A(式中、Aは上記一般式(i)で定義されたとおりである)、又は配位子がTi前駆体と反応する際に、Ti前駆体の有機基が反応することにより生じる全ての種を含む。副生成物は、加熱又は真空下でのストリッピング、蒸留、又はこれらの組み合わせ等の任意の簡便な手段により取り除かれてよい。得られる単離されたTi−配位子錯体は、成分(A)の触媒活性反応生成物として用いられてよい。
あるいは、成分(A)として触媒活性反応生成物を使用する前に、反応副生成物を取り除かなくてもよい。例えば、溶媒を取り除いて又は取り除かずに、上記のように配位子とTi前駆体を反応させてよく、得られる触媒活性反応生成物(Ti−配位子錯体、反応副生成物、及び任意で溶媒又は希釈剤を含む)は成分(A)として使用されてよい。理論に縛られることを望むものではないが、Ti−配位子錯体のほかにも、副生成物は縮合反応触媒として作用し得る、又はTi−配位子錯体の助触媒又は活性剤として作用し得ると考えられる。したがって、反応生成物は縮合反応に触媒作用を及ぼし得る。
組成物は1種の触媒を含んでいてもよい。あるいは、組成物は2種以上の上記触媒を成分(A)として含んでいてもよく、この2種以上の触媒は、配位子の選択、前駆体の選択、配位子:金属比、及び一般式(i)中のA基の定義等のうち、少なくとも1つ以上の性質が異なる。組成物はスズ触媒を含まなくてもよく、あるいは組成物はチタン触媒を含まなくてもよい、またあるいは組成物はスズ触媒及びチタン触媒を含まなくてもよい。あるいは、組成物は、Ti原子に結合するいずれの置換基も表1に示される配位子とは異なり、且つ、そのようなTi化合物が成分(B)の加水分解性基の縮合反応に触媒作用を及ぼし得る、いかなるTi化合物も含まなくてもよい。あるいは、組成物は、成分(A)を除く金属縮合反応触媒を含まないものであってもよい。あるいは、組成物は、成分(A)以外の、成分(B)の加水分解性基の縮合反応に触媒作用を及ぼし得る、いかなる成分も含まないものであってもよい。
組成物中に、成分(A)は触媒的に有効量存在する。正確な量は、成分(A)の反応性、成分(B)の種類と分量、及び、任意の追加の成分が存在する場合、その種類と分量といった、様々な要因によって異なる。しかし、組成物中の成分(A)の分量は、組成物中の全ての成分の合計重量基準で、1ppm(パーツ・パー・ミリオン)〜5%、あるいは0.1%〜2%、あるいは1ppm〜1%、あるいは1ppm〜500ppm、あるいは1ppm〜430ppm、あるいは1ppm〜220ppm、あるいは1ppm〜115ppmの範囲であってもよい。
成分(B)はケイ素含有ベースポリマー(ベースポリマー)である。成分(B)は、1分子当たり平均で1つ以上の、共有結合した加水分解性置換基を有するポリマー主鎖を含む。あるいは、この1つ以上の加水分解性置換基は、加水分解性シリル置換基である。ポリマー主鎖は、ポリジオルガノシロキサン等のポリオルガノシロキサン、有機ポリマー主鎖、又はシリコーン−有機コポリマー主鎖(ポリマー主鎖中の原子に共有結合した加水分解性シリル置換基を1つ以上有する)から選択されてもよい。あるいは、成分(B)のポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン主鎖又は有機主鎖であり得る。あるいは、成分(B)のポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン主鎖であり得る。加水分解性置換基は、水素原子、ハロゲン原子、アミド基(例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、又はメチルアセトアミド基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基)、ヒドロカルボノオキシ基(例えば、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基)、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、オキシモ基、ケトキシモ(ketoximo)基、アルコキシシリルヒドロカルビレン基、又はこれらの組み合わせにより、例示される。あるいは、成分(B)は、1分子当たり平均で2個以上の加水分解性置換基を有し得る。成分(B)中の加水分解性置換基は、ポリマー主鎖上の末端位置、側鎖位置又は末端位置と側鎖位置の両方に位置し得る。あるいは、成分(B)中の加水分解性置換基は、ポリマー主鎖上の1つ以上の末端位置に位置し得る。成分(B)は、直鎖、側鎖、環状又は樹脂性構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖、側鎖、又は環状構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖又は側鎖構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖構造及び樹脂状構造を含み得る。成分(B)は、ホモポリマー又はコポリマー又はこれらの組み合わせを含み得る。
成分(B)は、以下の式(ii)の基の中に含有される加水分解性置換基を有し得る。
式中、Dはそれぞれ独立して、酸素原子、二価の有機基、二価のシリコーン有機基、又は二価の炭化水素基と二価のシロキサン基との組み合わせを表し、Xはそれぞれ独立して加水分解性置換基を表し、Rはそれぞれ独立して一価の炭化水素基を表し、下付き文字cは0、1、2又は3を表し、下付き文字aは0、1又は2を表し、下付き文字bは0以上の値を有するが、但し、平均で少なくとも1つのXが式中に存在するように、(a+c)の合計は少なくとも1である。あるいは、添字bは、0〜18の範囲の値を有し得る。
あるいは、各Dはそれぞれ独立して、酸素原子及び二価の炭化水素基から選択され得る。あるいは、各Dは、酸素原子であり得る。あるいは、各Dは、アルキレン基(例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン又はヘキシレン)、アリーレン基(例えば、フェニレン)、又はアルキルアリーレン基(例えば、
)。あるいは、Dの例は酸素原子であり得、一方、Dの異なる例は二価の炭化水素基である。
あるいは、Xはそれぞれ独立して、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アミド基(例えば、アセトアミド、メチルアセトアミド基、又はベンズアミド基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、オキシモ基、ケトキシモ基、及びハロゲン原子からなる群より選ばれる加水分解性置換基であってもよい。あるいは、Xはそれぞれ独立して、アルコキシ基、アミド基、アシルオキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基及びオキシモ基からなる群より選ばれてもよい。
あるいは、上記の式中の各Rは独立して、1〜20個の炭素原子のアルキル基、6〜20個の炭素原子のアリル基、及び7〜20個の炭素原子のアラルキル基から選択され得る。
あるいは、添字bは0であり得る。
成分(B)は、ベースポリマーの0.2mol%〜10mol%、あるいは0.5mol%〜5mol%、あるいは0.5mol%〜2.0mol%、あるいは0.5mol%〜1.5mol%、あるいは0.6mol%〜1.2mol%の範囲の量で上記の式(ii)により説明されている基を含み得る。
成分(B)は、直鎖構造を持つポリオルガノシロキサン主鎖、すなわち、ポリジオルガノシロキサン主鎖を有し得る。成分(B)がポリジオルガノシロキサン主鎖を有する場合、成分(B)は、アルコキシ末端封鎖ポリジオルガノシロキサン、アルコキシシリルヒドロカルビレン末端封鎖ポリジオルガノシロキサン、ヒドロキシル末端封鎖ポリジオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせを含み得る。
成分(B)は、以下の式(I)のポリジオルガノシロキサンを含み得る。
式中、R
1はそれぞれ独立して加水分解性置換基であり、R
2はそれぞれ独立して一価の有機基であり、R
3はそれぞれ独立して酸素原子又は二価の炭化水素基であり、下付き文字dはそれぞれ独立して1、2又は3であり、下付き文字eは、25℃にて少なくとも100mPa・sの粘度及び/又は少なくとも87のDPを、このポリジオルガノシロキサンに与えるのに十分な値を有する整数である。DPはポリスチレン標準液による校正を用いて、GPCにより測定してもよい。あるいは、添字eは、1〜200,000の範囲の値を有し得る。
R1に適切な加水分解性置換基としては、限定するものではないが、X基について上述した加水分解性置換基が挙げられる。あるいは、R1の加水分解性置換基は、ハロゲン原子、アセトアミド基、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、アルコキシ基、アミド基、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、オキシモ基、ケトキシモ基、及びメチルアセトアミド基から選択され得る。
R2に好適な有機基としては、限定されるものではないが、炭化水素基及びハロゲン化炭化水素基のような一価の有機基が挙げられる。R2の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びベンジル)、並びにアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)が挙げられる。R2の一価のハロゲン化炭化水素基の例としては、限定するものではないが、塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ素化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)、及びフッ素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル)が挙げられる。R2の他の一価の有機基の例としては、限定するものではないが、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)、及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)、及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル)が挙げられる。あるいは、R2はそれぞれ、メチル等のアルキル基であってもよい。
成分(B)は、上記の式(I)において、下付き文字dがそれぞれ1であり、R3がそれぞれ酸素原子である場合、α,ω−二官能性ポリジオルガノシロキサンを含んでもよい。例えば、成分(B)は、式(II):R1R2 2SiO−(R2 2SiO)e’−SiR2 2R1(式中、R1及びR2は上記のとおりであり、下付き文字e’は、式(II)のポリジオルガノシロキサンに上記の粘度を与えるのに十分な値の整数である。あるいは、添字e’は、1〜200,000、あるいは50〜1,000、あるいは200〜700の範囲の値を有し得る。)を有してもよい。
あるいは、成分(B)は、上記の式(II)のヒドロキシル官能性ポリジオルガノシロキサンを含んでもよい(式中、R1はそれぞれヒドロキシル基であってよく、R2はそれぞれ、メチル等のアルキル基であってよく、下付き文字e’は、25℃にて100mPa・s以上の粘度をヒドロキシル官能性ポリジオルガノシロキサンが有するような値を有してよい。あるいは、下付き文字e’は50〜700の範囲の値を有してもよい)。例示的なヒドロキシル末端封鎖ポリジオルガノシロキサンは、ヒドロキシル末端封鎖ポリジメチルシロキサンである。成分(B)としての使用に好適なヒドロキシル末端封鎖ポリジオルガノシロキサンは、対応するオルガノハロシランの加水分解及び縮合、又は、環式ポリジオルガノシロキサンの平衡化といった、当該技術分野において既知の方法により調製され得る。
あるいは、成分(B)は、例えば、上記の式(I)においてR
3がそれぞれ二価の炭化水素基、又は二価の炭化水素基と二価のシロキサン基との組み合わせである場合に、アルコキシシリルヒドロカルビレン末端封鎖ポリジオルガノシロキサンを含んでもよい。各R
3は、アルキレン基(例えば、エチレン、プロピレン、又はヘキシレン)、アリーレン基(例えば、フェニレン)、又はアルキルアリーレン基(例えば、
)。あるいは、R
1及びR
2はそれぞれアルキルであってもよく、R
3はそれぞれアルキレン(例えば、エチレン)であってもよく、下付き文字dはそれぞれ3であってもよい。
アルコキシシリルヒドロカルビレン末端封鎖ポリジオルガノシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサンを(アルコキシシリルヒドロカルビル)テトラメチルジシロキサンと反応させることにより、調製され得る。
あるいは、成分(B)は、水分硬化性シラン官能性有機ポリマーを含み得る。あるいは、有機ポリマーは、ポリマー主鎖中の少なくとも半分の原子が、ケイ素原子に結合した加水分解性置換基を含有する末端水分硬化性シリル基を有する炭素原子であるポリマーであってもよい。有機ポリマーは、例えば、炭化水素ポリマー、ポリエーテル、アクリレートポリマー、ポリウレタン及びポリ尿素から選択することができる。
成分(B)は、エラストマーであってよく、すなわち、0℃未満のガラス転移温度(Tg)を有し得る。成分(B)がエラストマーである場合、Tgに基づき、成分(B)は、半結晶質及び非晶質ポリオレフィン(例えば、α−オレフィン)とは区別することができ、一般に熱可塑性ポリマーと呼ばれる。
成分(B)は、シリル化ポリ(α−オレフィン)、イソ−モノ−オレフィンとビニル芳香族モノマーのシリル化コポリマー、ジエンとビニル芳香族モノマーのシリル化コポリマー、オレフィンとジエンのシリル化コポリマー(例えば、ポリイソブチレンとイソプレンから調製されたシリル化ブチルゴム、場合によりハロゲン化されていてもよい)、又はこれらの組み合わせ(シリル化コポリマー)、イソ−モノ−オレフィンのシリル化ホモポリマー、ビニル芳香族モノマーのシリル化ホモポリマー、ジエンのシリル化ホモポリマー(例えば、シリル化ポリブタジエン又はシリル化水素添加ポリブタジエン)、又はこれらの組み合わせ(シリル化ホモポリマー)、又はシリル化コポリマーとシリル化ホモポリマーとの組み合わせを含んでもよい。議論を進めるため、シリル化コポリマー及びシリル化ホモポリマーは、集合的に「シリル化ポリマー」と表される。シリル化ポリマーは、シリル化ポリマーの原子に共有結合している1つ以上のハロゲン基、特に臭素基、を任意で含んでいてもよい。
好適なモノ−イソ−オレフィンの例としては、限定するものではないが、イソアルキレン(例えば、イソブチレン、イソペンチレン、イソヘキシレン及びイソヘプチレン)、あるいはイソブチレンが挙げられる。好適なビニル芳香族モノマーの例としては、限定するものではないが、アルキルスチレン(例えば、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン及びパラ−メチルスチレン)、あるいはパラ−メチルスチレンが挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びt−ブチル、あるいはメチルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル及びヘキセニル、あるいはビニルが挙げられる。シリル化有機ポリマーは、20,000〜500,000、あるいは50,000〜200,000、あるいは20,000〜100,000、あるいは25,000〜50,000、あるいは28,000〜35,000の範囲のMnをもっていてもよく。Mnの値は、1モル当たりのグラム数(g/mol)として示され、トリプル検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン分子量標準に基づいて計算した。
適切なシリル化ポリ(α−オレフィン)の例は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例としては、VESTOPLAST(登録商標)として流通している縮合反応硬化性シリル化ポリマーが挙げられ、これはDegussa AG Coatings & Colorants(Marl,Germany,Europe)から市販されている。
簡潔に言えば、シリル化コポリマーの調製方法は、i)炭素原子数4〜7のイソ−モノ−オレフィンの残留物を含む繰り返し単位を50モル%以上、及びビニル芳香族モノマーの残留物を含む繰り返し単位を50モル%以下含有するオレフィンコポリマー、ii)少なくとも2つの加水分解性基及び少なくとも1つのオレフィン系不飽和炭化水素又はヒドロカルボノオキシ基を含有するシラン、及びiii)フリーラジカル発生剤、を接触させる工程を含む。
あるいは、シリル化コポリマーは、既知の方法(例えば、イソシアネート官能性アルコキシシランと反応させる手法、Naの存在下で塩化アリルと反応させ、その後、ヒドロシリル化する手法)により、市販のヒドロキシル化ポリブタジエン(例えば、Cray Valley SA(Paris,France)から商品名Poly BD及びKrasolで市販されているもの)を転化する工程を含む方法により、調製され得る。
あるいは、適切なシリル改質炭化水素ポリマーの例としては、シリル改質ポリイソブチレンが挙げられ、これはテレケリックポリマーの形態で市販されている。シリル改質ポリイソブチレンは、例えば、シリル置換アルキルアクリレート又はメタクリレートモノマー(例えば、ジアルコキシアルキルシリルプロピルメタクリレート又はトリアルコキシシリルプロピルメタクリレート)から誘導された硬化性シリル基を含有することができ、これは、リビングアニオン重合、原子移動ラジカル重合又は連鎖移動重合により調製されたポリイソブチレンと反応することができる。
あるいは、成分(B)は、ポリエーテルを含み得る。ポリエーテルの1つのタイプは、式(−CtH2t−O−)の繰り返しオキシアルキレン単位を含むポリオキシアルキレンポリマーである(式中、下付き文字tは2〜4の範囲の値を有する整数である)。ポリオキシアルキレンポリマーは典型的には末端ヒドロキシル基を有し、例えば、末端ヒドロキシル基を過剰なアルキルトリアルコキシシランと反応させて末端アルキルジアルコキシシリル基を導入することにより、ケイ素原子に結合した加水分解性置換基を有するシリル基で容易に末端封鎖することができる。あるいは、重合は、ヒドロシリル化型プロセスによって生じ得る。ほとんどオキシプロピレン単位から構成されるポリオキシアルキレンは、多くの封止剤用途に好適な特性を有し得る。末端アルキルジアルコキシシリル又はトリアルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレンポリマー(特にポリオキシプロピレン)は、成分(A)及び水分の存在下で互いに反応し得る。これらのベースポリマーを含む組成物は、任意で、更に架橋剤を含んでいてもよい。
あるいは、加水分解性シリル基を有する有機ポリマーは、アクリレートポリマーとすることができ、これはアクリレート及び/又はメタクリレートエステルモノマーの付加ポリマーであり、アクリレートポリマー中に少なくとも50モル%の繰り返しモノマー単位を含んでいてもよい。適切なアクリレートエステルモノマーの例は、n−ブチル、イソブチル、n−プロピル、エチル、メチル、n−ヘキシル、n−オクチル及び2−エチルヘキシルアクリレートである。適切なメタクリレートエステルモノマーの例は、n−ブチル、イソブチル、メチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル及びラウリルメタクリレートである。一部の適用例では、アクリレートポリマーは、周囲温度よりも低いTgを有してもよく、アクリレートポリマーはメタクリレートポリマーよりも低いTgのポリマーを生じ得る。例示的なアクリレートポリマーは、ポリブチルアクリレートである。アクリレートポリマーは、スチレン、アクリロニトリル又はアクリルアミドのような他のモノマーをより少量含有する。アクリレートポリマーは、従来のラジカル重合又はリビングラジカル重合(例えば、原子移動ラジカル重合)、可逆的付加開裂連鎖移動重合、又はアニオン重合(例えば、リビングアニオン重合)といった様々な方法により調製することができる。硬化性シリル基は、例えば、シリル置換アルキルアクリレート又はメタクリレートモノマーから誘導することができる。加水分解性シリル基(例えば、ジアルコキシアルキルシリル又はトリアルコキシシリル基)は、例えば、ジアルコキシアルキルシリルプロピルメタクリレート又はトリアルコキシシリルプロピルメタクリレートから誘導することができる。アクリレートポリマーが、反応性末端基を形成する重合プロセス(例えば、原子移動ラジカル重合、連鎖移動重合又はリビングアニオン重合)により調製された場合、アクリレートポリマーは、シリル置換アルキルアクリレート又はメタクリレートモノマーと容易に反応して、末端加水分解性シリル基を形成することができる。
シラン改質ポリウレタン又はポリ尿素は、例えば、末端エチレン性不飽和基を有するポリウレタン又はポリ尿素を、加水分解性基とSi−H基とを含有するシリルモノマー(例えば、ジアルコキシアルキルケイ素水素化物又はトリアルコキシケイ素水素化物)と反応させることにより、調製することができる。
あるいは、ベースポリマーは、シリコーン−有機ブロックコポリマー主鎖を有してもよく、これは少なくとも1つのポリオルガノシロキサン基のブロックと、少なくとも1つの有機ポリマー鎖のブロックと、を含む。ポリオルガノシロキサン基は、式−(R4 fSiO(4−f)/2)−(式中、R4はそれぞれ独立して、有機基、例えば、炭素原子数1〜18の炭化水素基、炭素原子数1〜18のハロゲン化炭化水素基(例えば、クロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル、及びノナフルオロヘキシル)、炭素原子数18以下のヒドロカルボノオキシ基、あるいは、酸素原子含有基(例えば、(メタ)アクリル又はカルボキシル)、窒素原子含有基(例えば、アミノ官能基、アミド官能基、及びシアノ官能基)、硫黄原子含有基(例えば、メルカプト基)により例示される別の有機基であり、下付き文字fは平均で1〜3、あるいは1.8〜2.2の範囲の値を有する)の基を含んでもよい。
あるいは、R4はそれぞれ、炭素原子数1〜10の炭化水素基、又はハロゲン化炭化水素基であってもよく、下付き文字fは0、1又は2であってもよい。R4に適切な基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、シクロヘキシル、フェニル、トリル基、塩素又はフッ素で置換されたプロピル基(例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル)、クロロフェニル、β−(ペルフルオロブチル)エチル又はクロロシクロヘキシル基が挙げられる。
ポリマー主鎖中の有機ブロックは、例えば、ポリスチレン及び/又は置換ポリスチレン、例えば、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(ビニルメチルスチレン)、ジエン、ポリ(p−トリメチルシリルスチレン)及びポリ(p−トリメチルシリル−α−メチルスチレン)を含み得る。ポリマー主鎖中に組み込まれてもよい他の有機基としては、アセチレン末端オリゴフェニレン、ビニルベンジル末端芳香族ポリスルホンオリゴマー、芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステル系モノマー、ポリアルキレン、ポリウレタン、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリアミド、及び芳香族ポリアミドを挙げることができる。
あるいは、成分(B)のシロキサン有機ブロックコポリマー中の有機ポリマーブロックは、平均式(−CgH2g−O−)h(式中、下付き文字gは2〜4の範囲の値の整数であり、下付き文字hは4以上の整数である)で表される繰り返しオキシアルキレン単位を含むポリオキシアルキレン系ブロックであってもよい。各ポリオキシアルキレンポリマーブロックの数平均分子量(Mn)は300〜10,000の範囲であってよい。更に、オキシアルキレン単位は必ずしもポリオキシアルキレンブロックの全体にわたって同一でなくともよく、単位毎に異なることができる。例えば、ポリオキシアルキレンブロックは、オキシエチレン単位(−C2H4−O−)、オキシプロピレン単位(−C3H6−O−)、又はオキシブチレン単位(−C4H8−O−)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。あるいは、ポリオキシアルキレンポリマー主鎖は、オキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位を主成分としてもよい。他のポリオキシアルキレンブロックは、例えば、構造:−[−R5−O−(−R6−O−)i−Pn−CR7 2−Pn−O−(−R6−O−) j−R5]−(式中、Pnは1,4−フェニレン基であり、R5はそれぞれ、同一又は互いに異なって、炭素原子数2〜8の二価の炭化水素基であり、R6はそれぞれ、同一又は互いに異なって、エチレン基又はプロピレン基であり、R7はそれぞれ、同一又は互いに異なって、水素原子又はメチル基であり、下付き文字i及びjはそれぞれ3〜30の範囲の値を持つ正の整数を表す)の単位を含んでもよい。
あるいは、成分(B)は、成分(B)について上述したポリマーのうちの1つに加えて又はその代わりに、シリコーン樹脂を含み得る。好適なシリコーン樹脂は、MQ樹脂により例示され、これは、次の式のシロキサン単位を含む:
R29 wR30 (3−w)SiO1/2及びSiO4/2、(式中、R29及びR30は、一価の有機基(例えば、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びベンジル)、及びアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)により例示される一価の炭化水素基)、ハロゲン化炭化水素基(塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ素化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)及びフッ素化シクロアルキル(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルにより例示される))、及び、他の一価の有機基(例えば、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル)であり、下付き文字wの各例は、0、1又は2である。あるいは、R29及びR30はそれぞれ、アルキル基であってもよい)MQ樹脂は、0.5:1〜1.5:1の、Mユニット対Qユニットのモル比(M:Q)を有し得る。これらのモル比は、Si29 NMR分光法により簡単に測定される。この技法は、シリコーン樹脂の総ヒドロキシル量に加えて、シリコーン樹脂及び最初のシリコーン樹脂中に存在したネオペンタマー(neopentamer)Si(OSiMe3)4から誘導されたR29 3 SiO1/2(「M」)単位とSiO4/2(「Q」)単位の濃度を量的に測定することができる。
MQシリコーン樹脂は、液体炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン及びヘプタンにより例示される)のような溶媒又は液体有機ケイ素化合物(低粘度環状及び直鎖ポリジオルガノシロキサン)に可溶性である。
MQシリコーン樹脂は、式X”SiO3/2により表される末端単位を2.0%以下、あるいは0.7%以下、あるいは0.3%以下を含んでもよい。(式中、X”は、ヒドロキシル又は加水分解性基(例えば、アルコキシ(例えば、メトキシ及びエトキシ)、アルケニルオキシ(例えば、イソプロペニルオキシ)、ケトキシモ(例えば、メチルエチルケトキシモ)、カルボキシ(例えば、アセトキシ)、アミドオキシ(例えば、アセトアミドオキシ)、及びアミノキシ(例えば、N,N−ジメチルアミノキシ))を表す)シリコーン樹脂中に存在するシラノール基の濃度は、FTIRを使用して測定することができる。
MQシリコーン樹脂の所望の流動特性を達成するのに望ましいMnは、少なくとも部分的に、シリコーン樹脂のMn及びこの成分中に存在するR29により表される有機基のタイプに応じ異なることができる。MQシリコーン樹脂のMnは、典型的には3,000超、より典型的には4500〜7500である。
MQシリコーン樹脂は、任意の好適な方法により調製することができる。このタイプのシリコーン樹脂は、報告によると、対応するシランの共加水分解により、又は当該技術分野において既知のシリカヒドロゾルキャッピング法(silica hydrosol capping methods)により、調製されている。簡単に述べると、この方法は、酸性条件下でシリカヒドロゾルをトリメチルクロロシラン等の加水分解性トリオルガノシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン又はそれらの組み合わせと反応させる工程と、M及びQ単位を含む生成物(MQ樹脂)を回収する工程を包含する。得られるMQ樹脂は、2〜5重量パーセントのケイ素結合ヒドロキシル基を含有し得る。
MQシリコーン樹脂を調製するのに使用される中間体は、式R29 3SiXのトリオルガノシランであってもよい。(式中、Xは、成分(B)について上述したように、4個の加水分解性基(例えば、ハロゲン、アルコキシ又はヒドロキシル)を有するシラン、又はアルカリ金属ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム)のいずれかの加水分解性基を表す)。
一部の組成物では、シリコーン樹脂中のケイ素結合ヒドロキシル基(すなわち、HOR29SiO1/2又はHOSiO3/2基)の量は、シリコーン樹脂の総重量の0.7重量%未満、あるいは0.3重量%未満であることが望ましいものであり得る。シリコーン樹脂の調製中に形成されるケイ素結合ヒドロキシル基は、シリコーン樹脂を、適切な末端基を含有するシラン、ジシロキサン又はジシラザンと反応させることにより、トリヒドロカルビルシロキシ基又は加水分解性基に転化される。加水分解性基を含有するシランは、シリコーン樹脂のケイ素結合ヒドロキシル基の理論量よりも過剰に添加されてもよい。
様々な好適なMQ樹脂が、例えばDow Corning Corporation(Midland、MI、U.S.A.)、Momentive Performance Materials(Albany、N.Y.、U.S.A.)、及びBluestar Silicones USA Corp.(East Brunswick、N.J.、U.S.A.)等の企業から市販されている。例えば、DOW CORNING(登録商標)MQ−1600固形樹脂、DOW CORNING(登録商標)MQ−1601固形樹脂、及びDOW CORNING(登録商標)1250界面活性剤、DOW CORNING(登録商標)7466樹脂、及びDOW CORNING(登録商標)7366樹脂(これらは全てDow Corning Corporationから市販されている)が、本明細書に記述されている方法での使用に好適である。あるいは、これもDow Corning Corporationから市販されているDOW CORNING(登録商標)MQ−1640 Flake樹脂のようなM、T及びQ単位を含有する樹脂が使用され得る。このような樹脂は、有機溶媒の溶液として供給され得る。
あるいは、シリコーン樹脂は、シルセスキオキサン樹脂、すなわち、式(R31SiO3/2)のT単位を含有する樹脂を含んでもよい。R31はそれぞれ独立して水素原子及び一価の有機基、例えば、一価の炭化水素基(アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、及びシクロヘキシル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル、及びベンジル)、及びアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)により例示される)、ハロゲン化炭化水素基(塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ素化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、及び2,3−ジクロロシクロペンチル)、及びフッ素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルにより例示される)、及び別の一価の有機基(例えば、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)、及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル))から選択されてもよい。本明細書での使用に好適なシルセスキオキサン樹脂は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例えば、重量平均分子量(Mw)が1,200g/molであり、DPが15であるメチルメトキシシロキサン・メチルシルセスキオキサン樹脂はDOW CORNING(登録商標)US−CF 2403樹脂としてDow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されている。あるいは、シルセスキオキサン樹脂は、フェニルシルセスキオキサン単位、メチルシルセスキオキサン単位、又はこれらの組み合わせを有してもよい。このような樹脂は、当該技術分野において既知であり、これもまたDow Corning CorporationからDOW CORNING(登録商標)200 Flake樹脂として市販されている。あるいは、シリコーン樹脂は、式(R31 2SiO2/2)及び/又は(R31R32SiO2/2)のD単位と、式(R31SiO3/2)及び/又は(R32SiO3/2)のT単位とを含んでもよい、すなわち、DT樹脂である(式中、R31は上記の通りであり、R32は、上記のX基のような加水分解性基である)。DT樹脂は当該技術分野において既知であり、市販されており、例えば、メトキシ官能性DT樹脂としては、DOW CORNING(登録商標)3074及びDOW CORNING(登録商標)3037樹脂が挙げられ、シラノール官能性樹脂としては、DOW CORNING(登録商標)800 Series樹脂が挙げられ、これらもまたDow Corning Corporationから市販されている。他の好適な樹脂としては、メチル及びフェニル基を含有するDT樹脂が挙げられる。
組成物に添加されるシリコーン樹脂の量は、組成物の最終用途に応じ変動することができる。例えば、組成物の反応生成物がゲルである場合、シリコーン樹脂はほとんど又は全く添加されない可能性もある。しかしながら、組成物中のシリコーン樹脂の量は、組成物の全成分の重量に基づいて0〜90重量%、あるいは0.1〜50重量%の範囲であり得る。
成分(B)の量は、組成物の反応生成物の最終用途、成分(B)に選択されるベースポリマーのタイプ、並びに、もし存在すれば、存在する任意の追加の成分のタイプ及び量といった様々な因子に応じて異なることができる。しかしながら、成分(B)の量は、組成物の0.01〜99重量%、あるいは10〜95重量%、あるいは10〜65重量%の範囲であり得る。
成分(B)は、1つの単一ベースポリマー、又は以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上のベースポリマーを含む組み合わせであり得る:平均分子量、加水分解性置換基、シロキサン単位、配列、及び粘度。成分(B)の1つのベースポリマーが1分子当たり平均で1〜2個のみの加水分解性置換基を含有する場合、組成物は、1分子当たり平均で2個を超える加水分解性置換基を有する追加のベースポリマー、又は成分(C)架橋剤を更に含み得る。
組成物は、場合により、1つ以上の追加の成分を更に含んでもよく、すなわち、成分(A)及び(B)に加えて、成分(A)及び(B)とは異なる1つ以上の成分を更に含んでもよい。追加の成分は、存在する場合、組成物の使用方法及び/又は組成物の硬化生成物の最終用途のような因子に基づいて選択され得る。追加の成分は、(C)架橋剤;(D)乾燥剤;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤(例えば、(f1)補強充填剤、(f2)増量充填剤、(f3)伝導性充填剤(例えば、導電性、熱伝導性、又はその両方));(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤(例えば、(h1)殺真菌剤、(h2)除草剤、(h3)殺虫剤、又は(h4)抗菌剤);(J)難燃剤;(K)表面改質剤(例えば、(k1)接着促進剤又は(k2)離型剤);(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)非反応性結合剤;(O)老化防止添加剤;(P)水放出剤;(Q)顔料;(R)レオロジー添加剤;(S)賦形剤;(T)粘着付与剤;(U)腐食防止剤;及びこれらの組み合わせであってもよい。追加の成分は互いに異なる。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの、又は追加の成分(C)〜(U)のそれぞれ、又はこれらの組み合わせは、成分(B)の縮合反応を完全には妨げない。
成分(C)は、成分(B)が1分子当たり平均で1又は2個のみの加水分解性置換基を含有する場合に、並びに/あるいは、組成物の縮合反応により調製される反応生成物の架橋密度を増加させるために、組成物に添加され得る架橋剤である。一般に、成分(C)は、組成物の反応生成物において所望される架橋度に依存して変動できる官能基により、並びに、反応生成物が縮合反応の副生成物に起因する重量喪失を著しく示すことのないように、選択される。一般に、成分(C)の選択は、組成物が、水分不透過性パッケージにおいて、数ヶ月にわたる保存中に有用であるべく十分な反応性を保つように、行われる。一般に、成分(C)は成分(C)の加水分解性置換基が成分(B)に反応するように選択される。例えば、成分(B)のXがヒドロキシ基である場合、成分(C)の加水分解性置換基は、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、アシロキシ基、ヒドロカルボノオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、メルカプト基、オキシモ基、ケトキシモ基、又はアルコキシシリルヒドロカルビレン基、又はこれらの組み合わせであってもよい。成分(C)の正確な量は、選択されるベースポリマー及び架橋剤のタイプ、ベースポリマー及び架橋剤の加水分解性置換基の反応性、並びに、反応生成物に所望される架橋密度といった因子に応じて変動できる。しかしながら、架橋剤の量は、成分(B)100重量部に基づいて、0.5〜100重量部の範囲であり得る。
成分(C)は、加水分解性基を有するシラン架橋剤、又はその部分若しくは完全加水分解生成物を含み得る。成分(C)は、成分(B)の加水分解性置換基と反応性である置換基を、1分子当たり平均で2個を超えて有する。成分(C)に適切なシラン架橋剤の例は、一般式(III)R8 kSi(R9)(4−k)(式中、R8はそれぞれ独立して、一価の炭化水素基(例えば、アルキル基)であり、R9はそれぞれ加水分解性置換基であり、これは成分(B)について上述したXと同じであってもよい。あるいは、R9はそれぞれ、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アセトアミド基、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、アルコキシ基、アミド基、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、オキシモ基、ケトキシモ基、又はメチルアセトアミド基であってもよく、下付き文字kの各例は、0、1、2、又は3であってもよい)を有してもよい。成分(C)について、添字kは、2より大きい平均値を有する。あるいは、添字kは、3〜4の範囲の値を有し得る。あるいは、R9はそれぞれ独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アセトキシ、アミド、又はオキシムから選択され得る。あるいは、成分(C)は、アシルオキシシラン、アルコキシシラン、ケトキシモシラン、及びオキシモシランから選択され得る。
成分(C)は、アルコキシシラン(ジアルコキシシラン(例えば、ジアルキルジアルコキシシラン)、トリアルコキシシラン(例えば、アルキルトリアルコキシシラン)、テトラアルコキシシランにより例示される)、又は、その部分若しくは完全加水分解生成物、又はこれらの別の組み合わせを含み得る。好適なトリアルコキシシランの例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせ、あるいは、メチルメトキシシランが挙げられる。好適なテトラアルコキシシランの例としては、テトラエトキシシランが挙げられる。硬化性シリコーン組成物中で使用されるアルコキシシランの量は、成分(B)100重量部当たり0.5〜15重量部の範囲であり得る。
成分(C)は、アシルオキシシラン(例えば、アセトキシシラン)を含み得る。アセトキシシランとしては、テトラアセトキシシラン、オルガノトリアセトキシシラン、ジオルガノジアセトキシシラン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。このアセトキシシランは、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル及び三級ブチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル又はヘキセニル)、アリル基(例えば、フェニル、トリル、又はキシリル)、アラルキル基(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)、及びフッ素化アルキル基(例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル)を含有し得る。例示のアセトキシシランとしては、限定するものではないが、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、プロピルトリアセトキシシラン、ブチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、オクチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、フェニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、成分(C)は、オルガノトリアセトキシシラン、例えば、メチルトリアセトキシシランとエチルトリアセトキシシランとを含む混合物、を含み得る。硬化性シリコーン組成物中で使用されるアセトキシシランの量は、成分(B)100重量部当たり0.5〜15重量部、あるいは3〜10重量部の範囲であり得る。
組成物中で使用され得るアルコキシ基とアセトキシ基とを両方含有する成分(C)に好適なシランの例としては、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、ビニルジアセトキシシラン、ビニルアセトキシジメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(C)として適しているアミノ官能性アルコキシシランは、H2N(CH2)2Si(OCH3)3、H2N(CH2)2Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、及びこれらの組み合わせにより例示される。
成分(C)に好適なオキシモシランとしては、アルキルトリオキシモシラン(例えば、メチルトリオキシモシラン、エチルトリオキシモシラン、プロピルトリオキシモシラン、及びブチルトリオキシモシラン)、アルコキシトリオキシモシラン(例えば、メトキシトリオキシモシラン、エトキシトリオキシモシラン及びプロポキシトリオキシモシラン)、又はアルケニルトリオキシモシラン(例えば、プロペニルトリオキシモシラン又はブテニルトリオキシモシラン)、アルケニルオキシモシラン(例えば、ビニルオキシモシラン)、アルケニルアルキルジオキシモシラン(例えば、ビニルメチルジオキシモシラン、ビニルエチルジオキシモシラン、ビニルメチルジオキシモシラン、又はビニルエチルジオキシモシラン)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(C)に好適なケトキシモシランとしては、メチルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(methyl tris(methylpropylketoximo)silane)、メチルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、エチルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン(ethyl tris(dimethylketoximo)silane)、エチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン(ethyl tris(methylethylketoximo)silane)、エチルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(ethyl tris(methylpropylketoximo)silane)、エチルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン(ethyl tris(methylisobutylketoximo)silane)、ビニルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(vinyl tris(methylpropylketoximo)silane)、ビニルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、テトラキス(ジメチルケトキシモ)シラン(tetrakis(dimethylketoximo)silane)、テトラキス(メチルエチルケトキシモ)シラン、テトラキス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(tetrakis(methylpropylketoximo)silane)、テトラキス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン(tetrakis(methylisobutylketoximo)silane)、メチルビス(ジメチルケトキシモ)シラン(methylbis(dimethylketoximo)silane)、メチルビス(シクロヘキシルケトキシモ)シラン(methylbis(cyclohexylketoximo)silane)、トリエトキシ(エチルメチルケトキシム)シラン(triethoxy(ethylmethylketoxime)silane)、ジエトキシジ(エチルメチルケトキシム)シラン(diethoxydi(ethylmethylketoxime)silane)、エトキシトリ(エチルメチルケトキシム)シラン、メチルビニルビス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン(methylvinylbis(methylisobutylketoximo)silane)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、成分(C)は、高分子であり得る。例えば、成分(C)は、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン)、1,4−ビス[トリメトキシシリル(エチル)]ベンゼン、及びビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドといった、ジシランを含み得る。
成分(C)は、1つの単一の架橋剤、又は、以下の特性のうちの少なくとも1つにおいて異なる2つ以上の架橋剤を含む組み合わせであり得る:加水分解性置換基、及びケイ素に結合した他の有機基、並びに、高分子架橋剤が使用される場合には、シロキサン単位、構造、分子量及び配列。
成分(D)は、乾燥剤である。乾燥剤は、様々な供給源由来の水を捕捉する。例えば、乾燥剤は、水及びアルコールといった、縮合反応の副生成物を捕捉し得る。
成分(D)に好適な吸着剤の例としては、無機粒子を挙げることができる。吸着剤は、10マイクロメートル以下、あるいは5マイクロメートル以下の粒径を有し得る。吸着剤は、例えば、10Å(オングストローム)以下、あるいは5Å以下、あるいは3Å以下といった、水及びアルコールを吸着するのに十分な平均孔径を有し得る。吸着剤の例としては、沸石(例えば、菱沸石、モルデン沸石及び方沸石)、分子篩(例えば、アルカリ金属のアルミノケイ酸塩、シリカゲル、シリカマグネシアゲル、活性炭、活性アルミナ、酸化カルシウム)及びこれらの組み合わせが挙げられる。
市販の乾燥剤の例としては、乾燥分子篩(例えば、Grace Davidsonから商品名SYLOSIV(登録商標)で、及びZeochem(Louisville,Kentucky,U.S.A.)から商品名PURMOLで市販されている3Å(オングストローム)の分子篩、並びに、Ineos Silicas(Warrington,England)から入手可能なDoucilゼオライト4A等の4Å(オングストローム)の分子篩)が挙げられる。他の有用な分子篩としては、UOP(Illinois,U.S.A.)から全て市販されているMOLSIV ADSORBENT TYPE 13X、3A、4A、及び5A、Atofina(Philadelphia,Pennsylvania,U.S.A.)からのSILIPORITE NK 30AP及び65xP、並びに、W.R.Grace(Maryland,U.S.A.)から入手可能な分子篩が挙げられる。
あるいは、乾燥剤は、化学的手段により水及び/又は他の副生成物を捕捉し得る。(成分(C)に加えて)組成物に添加された一定量のシラン架橋剤は、化学的乾燥剤としても機能し得る。理論に束縛されるものではないが、化学的乾燥剤は、組成物の複数の構成部分を一緒に混合した後に、この組成物を水に触れさせないようにするために、多部構成組成物(multiple part composition)の乾燥部分に添加され得る。例えば、乾燥剤として好適なアルコキシシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(D)の量は、選択される具体的な乾燥剤に依存する。しかしながら、成分(D)が化学的乾燥剤である場合、その量は、0部〜5部、あるいは0.1部〜0.5部の範囲であり得る。成分(D)は、1つの化学的乾燥剤であり得る。あるいは、成分(D)は、2つ以上の異なる化学的乾燥剤を含み得る。
成分(E)は、増量剤及び/又は可塑剤である。非官能性ポリオルガノシロキサンを含む増量剤を、組成物に使用することができる。例えば、非官能性ポリオルガノシロキサンは、式R22 2SiO2/2の二官能性単位及び式R23 3SiD’−の末端単位を有してもよい。(式中、R22及びR23はそれぞれ独立して一価の有機基(例えば、一価の炭化水素基(アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、及びブチル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル、及びヘキセニル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル、及びナフチル)、及びアラルキル基(例えば、フェニルエチル)により例示される)であり、D’は、酸素原子、又は末端単位のケイ素原子を別のケイ素原子と連結する二価基(例えば、成分(B)について上述した基D)であり、あるいは、D’は酸素原子である)非官能性ポリオルガノシロキサンは、当該技術分野において既知であり、市販されている。好適な非官能性ポリオルガノシロキサンは、限定するものではないが、ポリジメチルシロキサンにより例示される。このようなポリジメチルシロキサンとしては、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されているDOW CORNING(登録商標)200流体が挙げられ、5E−5m2/s(50cSt)〜0.1m2/s(100,000cSt)、あるいは5E−5m2/s(50cSt)〜0.05m2/s(50,000cSt)、あるいは0.0125〜0.06m2/s(12,500〜60,000cSt)の範囲の粘度を有し得る。
有機可塑剤は、上記の非官能性ポリオルガノシロキサン増量剤に加えて、又はその代わりに、使用され得る。有機可塑剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。有機可塑剤は、フタル酸塩、カルボン酸塩、カルボン酸エステル、アジピン酸塩、又はこれらの組み合わせを含み得る。有機可塑剤は、ビス(2−エチルヘキシル)テレフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボキシレート、2−エチルヘキシルメチル−1,4−ベンゼンジカルボキシレート、分枝状及び直鎖の1,2シクロヘキサンジカルボン酸,ジノニルエステル、ビス(2−プロピルへプチル)フタレート、ジイソノニルアジペート、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
有機可塑剤は、式
の基を1分子当たり平均で少なくとも1つ有してもよい。(式中、R
18は、水素原子又は一価の有機基を表す。あるいは、R
18は、分枝状又は直鎖一価の炭化水素基を表してもよい。)一価の有機基は、4〜15個の炭素原子、あるいは9個〜12個の炭素原子のアルキル基といった、分枝状又は直鎖の一価の炭化水素基であり得る。好適な可塑剤は、アジピン酸塩、カルボン酸塩、フタル酸塩及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
あるいは、有機可塑剤は、環式炭化水素中の炭素原子に結合した上記の式の基を、1分子当たり平均で少なくとも2個有し得る。有機可塑剤は、次の一般式を有し得る:
(式中、Z基は、3個以上の炭素原子、あるいは3〜15個の炭素原子を有する炭素環基を表す。添字sは、1〜12の範囲の値を有し得る。Z基は、飽和又は芳香族であり得る。R
20はそれぞれ独立して水素原子、又は分枝状若しくは直鎖の一価の有機基である。R
19の一価の有機基は、メチル、エチル、又はブチルといった、アルキル基であってもよい。あるいは、R
20の一価の有機基は、エステル官能基であってもよい。R
19はそれぞれ独立して、4〜15個の炭素原子のアルキル基といった、分枝状又は直鎖の一価の炭化水素基である。)
好適な有機可塑剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。可塑剤は、フタレート、例えば、ジアルキルフタレート、例えば、ジブチルフタレート(Eastman(商標)DBP可塑剤)、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、又はジイソデシルフタレート(DIDP)、ビス(2−プロピルヘプチル)フタレート(BASF Palatinol(登録商標)DPHP)、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート(Eastman(商標)DOP可塑剤)、ジメチルフタレート(Eastman(商標)DMP可塑剤);ジエチルフタレート(Eastman(商標)DMP可塑剤);ブチルベンジルフタレート、及びビス(2−エチルヘキシル)テレフタレート(Eastman(商標)425可塑剤);ジカルボキシレート、例えば、ベンジル、C7〜C9直鎖及び分枝アルキルエステル、1,2ベンゼンジカルボン酸(Ferro SANTICIZER(登録商標)261A)、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(BASF Palatinol(登録商標)TOTM−I)、ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボキシレート(Eastman(商標)168可塑剤);2−エチルヘキシルメチル−1,4−ベンゼンジカルボキシレート;1,2シクロヘキサンジカルボン酸、ジノニルエステル、分枝及び直鎖(BASF Hexamoll *DINCH);ジイソノニルアジペート;トリメリタート、例えば、トリオクチルトリメリタート(Eastman(商標)TOTM可塑剤);トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサン酸)(Eastman(商標)TEG−EH可塑剤);トリアセチン(Eastman(商標)トリアセチン);非芳香族二塩基酸エステル、例えば、ジオクチルアジペート、ビス(2−エチルヘキシル)アジペート(Eastman(商標)DOA可塑剤、及びEastman(商標)DOA可塑剤,Kosher)、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(BASF Plastomoll(登録商標)DOA)、ジオクチルセバシン酸塩、ジブチルセバシン酸塩及びジイソデシルコハク酸塩;脂肪族エステル、例えば、ブチルオレイン酸塩及びメチルアセチルリシノレート;リン酸塩、例えば、トリクレジルリン酸塩及びトリブチルリン酸塩;塩素化パラフィン;炭化水素油、例えば、アルキルジフェニル及び部分水素化テルフェニル;プロセス油;エポキシ可塑剤、例えば、エポキシ化大豆油及びベンジルエポキシステアリン酸塩;トリス(2−エチルヘキシル)エステル;脂肪酸エステル;及びこれらの組み合わせを含み得る。その他の適切な可塑剤及びそれらの市販元としては、BASF Palamoll(登録商標)652及びEastman 168 Xtreme(商標)可塑剤が挙げられる。
あるいは、ポリマー可塑剤を使用することもできる。ポリマー可塑剤の例としては、様々な方法によりビニル若しくはアリルモノマーを重合することによって得られるアルケニルポリマー;ポリアルキレングリコールエステル(例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、及びペンタエリスリトールエステル);二塩基酸(例えば、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸及びフタル酸)と二価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコール)から得られるポリエステル可塑剤;それぞれ500以上の分子量を有するポリエーテルポリオール(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール)とポリスチレン(例えば、ポリスチレン及びポリ−α−メチルスチレン)とを含むポリエーテル;並びに、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエンアクリロニトリル及びポリクロロプレンが挙げられる。
有機可塑剤が存在する場合、有機可塑剤の量は、組成物中の全成分の総重量に基づいて、5〜150重量部の範囲であり得る。
成分(E)について上述したポリオルガノシロキサン増量剤及び有機可塑剤は、それぞれ単独で、又は、これらを2つ以上組み合わせて、のいずれかで使用され得る。低分子量有機可塑剤と高分子量ポリマー可塑剤を組み合わせて使用してもよい。組成物中で使用される成分(E)の正確な量は、組成物及びその硬化生成物の所望される最終用途といった様々な因子によって異なることができる。しかしながら、成分(E)の量は、組成物中の全成分の総重量に基づいて0.1〜10重量%の範囲であり得る。
成分(F)は、充填剤である。充填剤は、補強充填剤、増量充填剤、伝導性充填剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、組成物は、場合により、成分(f1)補強充填剤を更に含み得、これは、存在する場合には、組成物の0.1〜95重量%、あるいは1〜60重量%の範囲の量で添加され得る。成分(f1)の正確な量は、組成物の反応生成物の形態、及び、他の充填剤が添加されるかどうか、といった様々な因子によって異なる。好適な補強充填剤の例としては、補強シリカ充填剤(例えば、ヒュームシリカ、シリカエアロゲル、シリカキセロゲル及び沈殿シリカ)が挙げられる。ヒュームドシリカは、当該技術分野において既知であり、市販されている:例えば、Cabot Corporation(Massachusetts,U.S.A.)から名称CAB−O−SILで販売されているヒュームドシリカ。
組成物は、場合により、成分(f2)増量充填剤を、組成物の0.1〜95重量%、あるいは1〜60重量%、あるいは1〜20重量%の範囲の量で更に含み得る。増量充填剤の例としては、破砕石英、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム(例えば、軽質炭酸カルシウム)、酸化亜鉛、タルク、珪藻土、酸化鉄、粘土、雲母、白亜、二酸化チタン、ジルコニア、砂、カーボンブラック、グラファイト、又はこれらの組み合わせが挙げられる。増量充填剤は、当該技術分野において既知であり、例えば、U.S.Silica(Berkeley Springs,WV)により名称MIN−U−SILで販売されている破砕シリカといったように、市販されている。好適な軽質炭酸カルシウムとしては、SolvayからのWinnofil(登録商標)SPM、並びに、SMIからのUltrapflex(登録商標)及びUltrapflex(登録商標)100が挙げられる。
組成物は、場合により、成分(f3)伝導性充填剤を更に含む。伝導性充填剤は、熱伝導性又は導電性であってよく、あるいはいずれもであってもよい。伝導性充填剤は、当該技術分野において既知であり、金属粒子(例えば、アルミニウム、銅、金、ニッケル、銀、及びこれらの組み合わせ);非伝導性基材上にコーティングされたこのような金属;金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛及びこれらの組み合わせ)、溶融性充填剤(例えば、はんだ)、窒化アルミニウム、アルミニウム三水和物、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、炭素繊維、ダイヤモンド、グラファイト、水酸化マグネシウム、オニキス、炭化ケイ素、炭化タングステン、及びこれらの組み合わせにより例示される。
あるいは、他の充填剤が組成物に添加されてもよく、タイプ及び量は、組成物の硬化生成物の最終用途等の因子によって異なる。このような他の充填剤の例としては、磁気粒子(例えば、フェライト)、及び誘電性粒子(例えば、溶融ガラス微小球、チタニア、及び炭酸カルシウム)が挙げられる。
組成物は、場合により、成分(G)処理剤を更に含み得る。成分(G)の量は、選択される処理剤のタイプ、処理される粒子のタイプ及び量、粒子が組成物の添加前に処理されるのかどうか、又は、粒子がその場で処理されるのかどうか、といった因子に応じて変動することができる。しかしながら、成分(G)は、組成物の0.01〜20重量%、あるいは0.1〜15重量%、あるいは0.5〜5重量%の範囲の量で使用され得る。粒子、例えば、充填剤、物理的乾燥剤、特定の難燃剤、特定の顔料、及び/又は、特定の水放出剤は、存在する場合には、場合により、成分(G)で表面処理され得る。粒子は、組成物に添加される前に、又は、その場にて、成分(G)で処理され得る。成分(G)は、アルコキシシラン、アルコキシ官能性オリゴシロキサン、環式ポリオルガノシロキサン、ヒドロキシル官能性オリゴシロキサン、例えば、ジメチルシロキサン、又はメチルフェニルシロキサン、又は脂肪酸を含み得る。脂肪酸の例としては、ステアリン酸カルシウムといったステアリン酸塩が挙げられる。
成分(G)として使用できる一部の代表的な有機ケイ素充填剤処理剤としては、シリカ充填剤を処理するのに通常使用される組成物、例えば、オルガノクロロシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザン(例えば、ヘキサアルキルジシラザン)、及びオルガノアルコキシシラン、例えば、C6H13Si(OCH3)3、C8H17Si(OC2H5)3、C10H21Si(OCH3)3、C12H25Si(OCH3)3、C14H29Si(OC2H5)3、及びC6H5CH2CH2Si(OCH3)3が挙げられる。使用できる他の処理剤としては、アルキルチオール、脂肪酸、チタン酸塩、チタン酸塩カップリング剤、ジルコン酸塩カップリング剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、成分(G)は、式:R13 oSi(OR14)(4−p)を有するアルコキシシランを含んでよい(式中、下付き文字pは1〜3の範囲の値を有してもよく、あるいは下付き文字pは3である。各R13はそれぞれ独立して、1〜50個の炭素原子、あるいは8〜30個の炭素原子、あるいは8〜18個の炭素原子の一価の炭化水素基といった、一価の有機基である。R13としては、ヘキシル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル及びオクタデシル等のアルキル基、並びにベンジル及びフェニルエチル等の芳香族基が挙げられる。R13は、飽和又は不飽和、並びに、分枝状又は非分枝状であり得る。あるいは、R13は、飽和及び非分枝状であり得る。
各R14は、独立して、1〜4個の炭素原子、あるいは1〜2個の炭素原子の飽和炭化水素基である。成分(G)は、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせにより例示される。
アルコキシ官能性オリゴシロキサンはまた、処理剤としても使用され得る。例えば、好適なアルコキシ官能性オリゴシロキサンとしては、式(R15O)qSi(OSiR16 2R17)(4−q)のものが挙げられる。(式中、添字qは1、2、又は3であり、あるいは添字qは3である。各R15は、アルキル基であり得る。各R16は、1〜10個の炭素原子の不飽和一価の炭化水素基であり得る。各R17は、少なくとも10個の炭素原子を有する不飽和一価の炭化水素基であり得る。)
金属充填剤等の特定の粒子は、アルキルチオール(例えば、オクタデシルメルカプタン)、脂肪酸(例えば、オレイン酸及びステアリン酸)、及びこれらの組み合わせで処理され得る。
他の処理剤としては、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンが挙げられる。好適なアルケニル官能性ポリオルガノシロキサンとしては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:
(式中、下付き文字rは、1,500までの値を有する)。
あるいは、水素結合可能なポリオルガノシロキサンが、処理剤として有用である。充填剤の表面を処理するためのこの方法は、相溶性の部分を充填剤表面に繋ぎ止める手段として、集積している又は分散している又はその両方のいずれかの多数の水素結合を利用する。水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、水素結合可能なケイ素結合基を1分子当たり平均で少なくとも1つ有する。この基は、多数のヒドロキシル官能基を有する有機基、又は、少なくとも1つのアミノ官能基を有する有機基から選択され得る。水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、水素結合が、充填剤に対するポリオルガノシロキサンにとっての主な取り付け様式であることを意味する。ポリオルガノシロキサンは、充填剤と共有結合を形成できなくてもよい。ポリオルガノシロキサンは、縮合可能なシリル基(例えば、ケイ素が結合したアルコキシ基、シラザン、及びシラノール)を含まなくてもよい。水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、糖−シロキサンポリマー、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。あるいは、水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、糖−シロキサンポリマーであり得る。
成分(H)は、殺生物剤である。成分(H)の量は、選択される殺生物剤のタイプ及び所望される効果といった因子に応じて変動することができる。しかしながら、成分(H)の量は、組成物の全成分の重量に基づいて0重量%超〜5重量%の範囲であり得る。成分(H)は、(h1)殺真菌剤、(h2)除草剤、(h3)殺虫剤、(h4)抗菌剤、又はこれらの組み合わせにより、例示される。
成分(h1)は、殺真菌剤であり、例えば、殺真菌剤としては、N−置換ベンゾイミダゾールカルバメート、ベンゾイミダゾリルカルバメート(例えば、メチル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、エチル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、イソプロピル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−5−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−5−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[2−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{1−(N,N−ジメチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[N−メチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−クロロベンゾイミダゾリル]}カルバメート、及びメチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−ニトロベンゾイミダゾリル]}カルバメート)、10,10’−オキシビスフェノキサルシン(商品名:Vinyzene,OBPA)、ジ−ヨードメチル−パラ−トリルスルホン、ベンゾチオフェン−2−シクロヘキシルカルボキサミド−S,S−ジオキシド、N−(フルオロジクロリド(fluordichloride)メチルチオ)フタルイミド(商品名:Fluor−Folper,Preventol A3)、メチル−ベンゾイミダゾール−2−イルカルバメート(商品名:Carbendazim,Preventol BCM)、亜鉛−ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)(亜鉛ピリチオン)2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾール、N−フェニル−ヨードプロパルギルカルバメート、N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロリド−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、及び/又は、トリアゾリル化合物(例えば、銀を含有するゼオライトと組み合わせたテブコナゾール)が挙げられる。
成分(h2)は除草剤であり、例えば、好適な除草剤としては、アミド系除草剤(例えば、アリドクロルN,N−ジアリル−2−クロロアセトアミド、CDEA 2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド、エトニプロミド(RS)−2−[5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロフェノキシ]−N−エチルプロピオンアミド)、アニリド系除草剤(例えば、シサニリドシス−2,5−ジメチルピロリジン−1−カルボキシアニリド、フルフェナセット4’−フルオロ−N−イソプロピル−2−[5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ]アセトアニリド、ナプロアニリド(RS)−α−2−ナフトキシプロピオンアニリド)、アリールアラニン系除草剤(例えば、ベンゾイルプロップN−ベンゾイル−N−(3,4−ジクロロフェニル)−DL−アラニン、フラムプロップ−M N−ベンゾイル−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−D−アラニン)、クロロアセトアニリド系除草剤(例えば、ブタクロールN−ブトキシメチル−2−クロロ−2’,6’−ジエチルアセトアニリド、メタザクロル2−クロロ−N−(ピラゾール−1−イルメチル)アセト−2’,6’−キシリジド、プリナクロル(RS)−2−クロロ−N−(1−メチルプロパ−2−イニル)アセトアニリド)、スルホンアニリド系除草剤(例えば、クロランスラム3−クロロ−2−(5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イルスルホンアミド)安息香酸、メトスラム2’,6’−ジクロロ−5,7−ジメトキシ−3’−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−スルホンアニリド)、抗生物質系除草剤(例えば、ビラナホス4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−L−ホモアラニル−L−アラニル−L−アラニン)、安息香酸系除草剤(例えば、クロランベン3−アミノ−2,5−ジクロロ安息香酸、2,3,6−TBA 2,3,6−トリクロロ安息香酸)、ピリミジニルオキシ安息香酸系除草剤(例えば、ビスピリバック2,6−ビス(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)安息香酸)、ピリミジニルチオ安息香酸系除草剤(例えば、ピリチオバック2−クロロ−6−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルチオ)安息香酸)、フタル酸系除草剤(例えば、クロルタールテトラクロロテレフタル酸)、ピコリン酸系除草剤(例えば、アミノピラリド4−アミノ−3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸)、キノリンカルボン酸系除草剤(例えば、キンクロラック3,7−ジクロロキノリン−8−カルボン酸)、ヒ素系除草剤(例えば、CMAカルシウムビス(水素メチルアルソネート)、MAMAアンモニウム水素メチルアルソネート、亜ヒ酸ナトリウム)、ベンゾイルシクロヘキサンジオン系除草剤(例えば、メソトリオン2−(4−メシル−2−ニトロベンゾイル)シクロヘキサン−1,3−ジオン)、ベンゾフラニルアルキルスルホネート系除草剤(例えば、ベンフレセート2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチルベンゾフラン−5−イルエタンスルホネート)、カルバミン酸塩系除草剤(例えば、カルボキサゾールメチル5−tert−ブチル−1,2−オキサゾール−3−イルカルバメート、フェナスラム(fenasulam)メチル4−[2−(4−クロロ−o−トリルオキシ)アセトアミド]フェニルスルホニルカルバメート)、カルバニル酸塩系除草剤(例えば、BCPC(RS)−sec−ブチル3−クロロカルバニレート、デスメジファム エチル3−フェニルカルバモイルオキシフェニルカルバメート、スウェップメチル3,4−ジクロロカルバニレート)、シクロヘキセンオキシム系除草剤(例えば、ブトロキシジム(RS)−(EZ)−5−(3−ブチリル−2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(1−エトキシイミノプロピル)−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エン−1−オン、テプラロキシジム(RS)−(EZ)−2−{1−[(2E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル}−3−ヒドロキシ−5−ペルヒドロピラン−4−イルシクロヘキサ−2−エン−1−オン)、シクロプロピルイソオキサゾール系除草剤(例えば、イソキサクロルトール4−クロロ−2−メシルフェニル5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−4−イルケトン)、ジカルボキシミド系除草剤(例えば、フルメジン2−メチル−4−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリル)−1,2,4−オキサジアジナン−3,5−ジオン)、ジニトロアニリン系除草剤(例えば、エタルフルラリンN−エチル−α,α,α−トリフルオロ−N−(2−メチルアリル)−2,6−ジニトロ−p−トルイジン、プロジアミン5−ジプロピルアミノ−α,α,α−トリフルオロ−4,6−ジニトロ−o−トルイジン)、ジニトロフェノール系除草剤(例えば、ジノプロップ4,6−ジニトロ−o−シメン−3−オール、エチノフェンα−エトキシ−4,6−ジニトロ−o−クレゾール)、ジフェニルエーテル系除草剤(例えば、エトキシフェンO−[2−クロロ−5−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリルオキシ)ベンゾイル]−L乳酸)、ニトロフェニルエーテル系除草剤(例えば、アクロニフェン2−クロロ−6−ニトロ−3−フェノキシアニリン、ニトロフェン2,4−ジクロロフェニル4−ニトロフェニルエーテル)、ジチオカルバメート系除草剤(例えば、ダゾメット3,5−ジメチル−1,3,5−チアジアジナン−2−チオン)、ハロゲン化脂肪族系除草剤(例えば、ダラポン2,2−ジクロロプロピオン酸)、クロロ酢酸)、イミダゾリノン系除草剤(例えば、イマザピル(RS)−2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)ニコチン酸)、無機除草剤(例えば、四ホウ酸二ナトリウム十水和物、アジ化ナトリウム)、ニトリル系除草剤(例えば、クロロキシニル3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシベンゾニトリル、イオキシニル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−ヨードベンゾニトリル)、有機リン系除草剤(例えば、アニロホスS−4−クロロ−N−イソプロピルカルバニロイルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオネート、グルホシネート4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニン、フェノキシ系除草剤(例えば、クロメプロップ(RS)−2−(2,4−ジクロロ−m−トリルオキシ)プロピオンアニリド、フェンテラコール2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)エタノール)、フェノキシ酢酸系除草剤(例えば、MCPA(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)酢酸)、フェノキシ酪酸系除草剤(例えば、MCPB 4−(4−クロロ−o−トリルオキシ)酪酸)、フェノキシプロピオン酸系除草剤(例えば、フェノプロップ(RS)−2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)プロピオン酸)、アリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤(例えば、イソキサピリホップ(RS)−2−[2−[4−(3,5−ジクロロ−2−ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオニル]イソオキサゾリジン)、フェニレンジアミン系除草剤(例えば、ジニトラミンN1,N1−ジエチル−2,6−ジニトロ−4−トリフルオロメチル−m−フェニレンジアミン)、ピラゾリルオキシアセトフェノン系除草剤(例えば、ピラゾキシフェン2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノン)、ピラゾリルフェニル系除草剤(例えば、ピラフルフェン2−クロロ−5−(4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−1−メチルピラゾール−3−イル)−4−フルオロフェノキシ酢酸)、ピリダジン系除草剤(例えば、ピリダフォル6−クロロ−3−フェニルピリダジン−4−オール)、ピリダジノン系除草剤(例えば、クロリダゾン5−アミノ−4−クロロ−2−フェニルピリダジン−3(2H)−オン、オキサピラゾン5−ブロモ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−フェニルピリダジン−4−イルオキサム酸)、ピリジン系除草剤(例えば、フルロキシピル4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジルオキシ酢酸、チアゾピルメチル2−ジフルオロメチル−5−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−イソブチル−6−トリフルオロメチルニコチネート)、ピリミジンジアミン除草剤(例えば、イプリダム6−クロロ−N4−イソプロピルピリミジン−2,4−ジアミン)、四級アンモニウム系除草剤(例えば、ジエタムクアット1,1’−ビス(ジエチルカルバモイルメチル)−4,4’−ビピリジニウム、パラクアット1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジニウム)、チオカルバメート系除草剤(例えば、シクロエートS−エチルシクロヘキシル(エチル)チオカルバメート、チオカルバジルS−ベンジルジ−sec−ブチルチオカルバメート)、チオカルボネート除草剤(例えば、EXD O,O−ジエチルジチオビス(チオホルメート))、チオ尿素系除草剤(例えば、メチウロン1,1−ジメチル−3−m−トリル−2−チオ尿素)、トリアジン系除草剤(例えば、トリアジフラム(RS)−N−[2−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1−メチルエチル]−6−(1−フルオロ−1−メチルエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、クロロトリアジン系除草剤(例えば、シプラジン6−クロロ−N2−シクロプロピル−N4−イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン、プロパジン6−クロロ−N2,N4−ジ−イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、メトキシトリアジン系除草剤(例えば、プロメトンN2,N4−ジ−イソプロピル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、メチルチオトリアジン系除草剤(例えば、シアナトリン2−(4−エチルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2−メチルプロピオニトリル)、トリアジノン系除草剤(例えば、ヘキサジノン3−シクロヘキシル−6−ジメチルアミノ−1−メチル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン)、トリアゾール系除草剤(例えば、エプロナズN−エチル−N−プロピル−3−プロピルスルホニル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド)、トリアゾロン系除草剤(例えば、カルフェントラゾン(RS)−2−クロロ−3−{2−クロロ−5−[4−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−4−フルオロフェニル}プロピオン酸)、トリアゾールピリミジン系除草剤(例えば、フロラスラム2’,6’,8−トリフルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアニリド)、ウラシル系除草剤(例えば、フルプロパシルイソプロピル2−クロロ−5−(1,2,3,6−テトラヒドロ−3−メチル−2,6−ジオキソ−4−トリフルオロメチルピリミジン−1−イル)ベンゾエート)、尿素系除草剤(例えば、シクルロン3−シクロ−オクチル−1,1−ジメチル尿素、モニソウロン(monisouron)1−(5−tert−ブチル−1,2−オキサゾール−3−イル)−3−メチル尿素)、フェニル尿素系除草剤(例えば、クロロクスロン3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1,1−ジメチル尿素、シデュロン1−(2−メチルシクロヘキシル)−3−フェニル尿素)、ピリミジニルスルホニル尿素系除草剤(例えば、フラザスルフロン1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)尿素、ピラゾスルフロン5−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸)、
トリアジニルスルホニル尿素除草剤(例えば、チフェンスルフロン3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)チオフェン−2−カルボン酸)、チアジアゾリル尿素除草剤(例えば、テブチウロン1−(5−tert−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,3−ジメチル尿素)、並びに/又は、未分類の除草剤(例えば、クロルフェナック(2,3,6−トリクロロフェニル)酢酸、メタゾール2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1,2,4−オキサジアゾリジン−3,5−ジオン、トリタック(tritac)(RS)−1−(2,3,6−トリクロロベンジルオキシ)プロパン−2−オール、2,4−D、クロリムロン、及びフェノキサプロップ)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(h3)は、殺虫剤である。好適な殺虫剤は、アトラジン、ダイアジノン、及びクロロピリホスにより、例示される。議論を進めるため、殺虫剤は、昆虫忌避剤(例えば、N,N−ジエチル−メタ−トルアミド)及びプレスロイド(例えば、ピレトリン)を包含するものとする。
成分(h4)は、抗菌剤である。好適な抗菌剤は市販されており、例えば、DOW CORNING(登録商標)5700及びDOW CORNING(登録商標)5772が挙げられ、これらはDow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)からのものである。
あるいは、成分(H)は、例えば、ホウ素無水物、ホウ砂又は八ホウ酸二ナトリウム四水和物といったホウ素含有物質を含んでよく、これは殺虫剤、殺真菌剤、及び/又は難燃剤として機能し得る。
成分(J)は、難燃剤である。好適な難燃剤としては、例えば、カーボンブラック、水酸化アルミニウム水和物、及びケイ酸塩(例えば、ウォラストナイト)、白金及び白金化合物を挙げることができる。あるいは、難燃剤は、ハロゲン系難燃剤(例えば、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド(octabromordiphenyl oxide)、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモビフェニルオキシド、ジフェニルオキシベンゼン、エチレンビス−テトラブロモフタルアミド、ペンタブロモエチルベンゼン、ペンタブロモベンジルアクリレート、トリブロモフェニルマレイン酸イミド、テトラブロモビスフェニルA、ビス−(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス−(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ポリジブロモフェニレンオキシド、トリブロモフェニルアリルエーテル、ビス−ジブロモプロピルエーテル、テトラブロモフタル酸無水物、ジブロモネオペンチルグリコール、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ペンタブロモジフェニルオキシド、トリブロモスチレン、ペンタブロモクロロシクロヘキサン、テトラブロモキシレン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリスチレン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、トリフルオロプロペン及びPVCから選択され得る。あるいは、難燃剤は、リン系難燃剤(例えば、(2,3−ジブロモプロピル)−ホスフェート、リン、環式リン酸塩、トリアリルホスフェート、ビス−メラミニウムペンテート、ペンタエリスリトール二環式ホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、ホスフィンオキシドジオール、トリフェニルホスフェート、トリス−(2−クロロエチル)ホスフェート)、リン酸エステル(例えば、トリクレイル(tricreyl)、トリキシレニル、イソデシルジフェニル、エチルヘキシルジフェニル)、様々なアミンのリン酸塩(例えば、リン酸アンモニウム、トリオクチル、トリブチル又はトリス−ブトキシエチルホスフェートエステル)から選択され得る。他の難燃剤としては、テトラアルキル鉛化合物(例えば、テトラエチル鉛)、ペンタカルボニル鉄、メチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル、メラミン及び誘導体(例えば、メラミン塩)、グアニジン、ジシアンジアミド、スルファミン酸アンモニウム、アルミナ三水和物、及び水酸化マグネシウムとアルミナ三水和物を挙げることができる。
難燃剤の量は、選択される難燃剤、及び溶媒が存在するかどうかといった因子に応じて変動することができる。しかしながら、組成物中の難燃剤の量は、組成物の全成分の総重量に基づいて0重量%超〜10重量%の範囲であり得る。
成分(K)は、表面改質剤である。好適な表面改質剤は、(k1)接着促進剤又は(k2)離型剤により、例示される。成分(k1)に好適な接着促進剤は、遷移金属キレート、ハイドロカルボノオキシシラン、例えば、アルコキシシラン、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせ、アミノ官能性シラン、又はこれらの組み合わせを含み得る。接着促進剤は、当該技術分野において既知であり、式R24 tR25 uSi(OR26)4−(t+u)を有するシランを含んでよく、式中、R24はそれぞれ独立して、少なくとも3個の炭素原子を有する一価の有機基であり、R25は、接着促進基(例えば、アミノ、エポキシ、メルカプト、又はアクリレート基)を有するSiC結合置換基を少なくとも1つ含有し、下付き文字tは0〜2の範囲の値を有し、下付き文字uは1又は2のいずれかであり、(t+u)の合計は3以下である。あるいは、接着促進剤は、上記シランの部分縮合体を含み得る。あるいは、接着促進剤は、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせを含み得る。
あるいは、接着促進剤は、不飽和又はエポキシ官能性化合物を含み得る。あるいは、接着促進剤は、不飽和又はエポキシ官能性アルコキシシランを含み得る。例えば、官能性アルコキシシランは、式R27 vSi(OR28)(4−v)を有することができ、添字vは1、2又は3であり、あるいは、添字vは1である。各R27は、それぞれ独立して一価の有機基であるが、但し、少なくとも1つのR27は、不飽和有機基又はエポキシ官能性有機基である。R27のエポキシ官能性有機基は、3−グリシドキシプロピル及び(エポキシシクロヘキシル)エチルにより例示される。R27の不飽和有機基は、3−メタクリロイルオキシプロピル、3−アクリロイルオキシプロピル、並びに、ビニル、アリル、ヘキセニル、ウンデシレノイル(undecylenyl)等の不飽和一価の炭化水素基により例示される。R28は、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子、あるいは1〜2個の炭素原子の飽和炭化水素基である。R28は、メチル、エチル、プロピル及びブチルにより例示される。
好適なエポキシ官能性アルコキシシランの例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な不飽和アルコキシシランの例としては、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ウンデシレノイル(undecylenyl)トリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン及びこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、接着促進剤は、上記のようなヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランの反応生成物、又は、ヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランの物理的ブレンド等のエポキシ官能性シロキサンを含み得る。接着促進剤は、エポキシ官能性アルコキシシランとエポキシ官能性シロキサンの組み合わせを含み得る。例えば、接着促進剤は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、ヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応生成物と、の混合物、あるいは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンの混合物、あるいは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニル/ジメチルシロキサンコポリマーの混合物により、例示される。
あるいは、接着促進剤は、H2N(CH2)2Si(OCH3)3、H2N(CH2)2Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、及びこれらの組み合わせ等に例示される、アミノ官能性アルコキシシラン等のアミノ官能性シランを含んでいてもよい。
あるいは、接着促進剤は、遷移金属キレートを含み得る。好適な遷移金属キレートとしては、チタン酸塩、アセチルアセトナトジルコニウム等のジルコン酸塩、アセチルアセトナトアルミニウム等のアルミニウムキレート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(k2)は、離型剤である。好適な離型剤は、フッ素化化合物(例えば、フルオロ官能性シリコーン又はフルオロ官能性有機化合物)により、例示される。
あるいは、成分(K)にの表面改質剤は、組成物の反応生成物の表面の外観を変化させるために使用することができる。例えば、表面改質剤は、組成物の反応生成物の表面の光沢を増加させるために使用することができる。このような表面改質剤は、アルキル及びアリル基を有するポリジオルガノシロキサンを含み得る。例えば、DOW CORNING(登録商標)550流体は、Dow Corning Corporationから市販されている、0.000125m2/s(125cSt)の粘度を有するトリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルフェニル)シロキサンである。
あるいは、成分(K)は、亜麻仁油、桐油、大豆油、ヒマシ油、魚油、麻実油、綿実油、オイチシカ油及び菜種油といった、植物又は動物資源から得られる天然油であり得る。
成分(K)の正確な量は、成分(K)として選択される表面改質剤のタイプ、並びに、組成物及びその反応生成物の最終用途といった、様々な因子に応じて異なる。しかしながら、成分(K)は、存在する場合、組成物の重量に基づいて0.01〜50重量部、あるいは0.01〜10重量部、あるいは0.01〜5重量部の範囲の量で組成物に添加され得る。成分(K)は、1つの接着促進剤であってもよい。あるいは、成分(K)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる表面改質剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。
鎖延長剤は、二官能性シラン及び二官能性シロキサンを含んでよく、これらは、架橋が生じる前にポリオルガノシロキサン鎖の長さを延長する。鎖延長剤は、硬化生成物の引張弾性率を減少させるために使用することができる。鎖延長剤と架橋剤は、成分(B)中の加水分解性置換基との反応において競合する。顕著な鎖延長を得るためには、二官能性シランは、これと共に使用される三官能性架橋剤よりもかなり高い反応性を有する必要がある。好適な鎖延長剤としては、ジアミノシラン(例えば、ジアルキルジアセトアミドシラン又はアルケニルアルキルジアセトアミドシラン、特にメチルビニルジ(N−メチルアセトアミド)シラン又はジメチルジ(N−メチルアセトアミド)シラン)、ジアセトキシシラン(例えば、ジアルキルジアセトキシシラン又はアルキルアルケニルジアセトキシシラン)、ジアミノシラン(例えば、ジアルキルジアミノシラン又はアルキルアルケニルジアミノシラン)、ジアルコキシシラン(例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン)、並びに、α−アミノアルキルジアルコキシアルキルシラン、2〜25の重合度を有し、1分子当たり平均で少なくとも2個の加水分解性基(例えば、アセトアミド又はアセトキシ又はアミノ又はアルコキシ又はアミド又はケトキシモ置換基)を有するポリジアルキルシロキサン、並びに、ジケトキシミノシラン(diketoximinosilanes)(例えば、ジアルキルケトキシミノシラン及びアルキルアルケニルジケトキシミノシラン)が挙げられる。成分(L)は、1つの鎖延長剤であってもよい。あるいは、成分(L)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる鎖延長剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。
成分(M)は、末端封鎖剤であり、これはM単位、すなわち、式R29 3SiO1/2のシロキサン単位を含む。(式中、R29はそれぞれ独立して、一価の炭化水素基等の、成分(B)とは反応性ではない一価の有機基を表す)成分(M)は、一方の末端をトリオルガノシリル基(例えば、(CH3)3SiO−)により、もう一方の末端をヒドロキシル基により末端封鎖されたポリオルガノシロキサンを含んでよい。成分(M)は、ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)であり得る。ヒドロキシル末端基とトリオルガノシリル末端基の両方を有するポリジオルガノシロキサンは、全ての末端基の50%超、あるいは75%超をヒドロキシル基として有し得る。ポリジメチルシロキサン中のトリオルガノシリル基の量は、組成物の縮合反応により調製される反応生成物の弾性率を制御するために使用することができる。理論に束縛されるものではないが、トリオルガノシリル末端基の濃度が高いほど、特定の硬化生成物における弾性率が低くなり得ると考えられている。成分(M)は、1つの末端封鎖剤であってもよい。あるいは、成分(M)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる末端封鎖剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。
成分(N)は、非反応性のエラストマー有機ポリマーであり、すなわち、成分(B)と反応しないエラストマー有機ポリマーである。成分(N)は成分(B)と相溶性であり、すなわち、成分(N)は成分(B)と二相系を形成しない。成分(N)の気体及び水分透過性は低くてもよい。成分(N)は、30,000〜75,000の範囲のMnを有し得る。あるいは、成分(N)は、高分子量の非反応性エラストマー有機ポリマーと低分子量の非反応性エラストマー有機ポリマーとのブレンドであり得る。この場合、高分子量ポリマーは100,000〜600,000の範囲のMnを有し、低分子量ポリマーは900〜10,000、あるいは900〜3,000の範囲のMnを有する。Mnの範囲の下端の値は、成分(N)が成分(B)及び組成物の他の成分と相溶性を有するように、選択され得る。
成分(N)は、ポリイソブチレンを含み得る。ポリイソブチレンは当該技術分野において既知であり、市販されている。成分(N)として使用に好適な例としては、BASF Corporation(ドイツ)により商品名OPPANOL(登録商標)で流通しているポリイソブチレンが挙げられる。
他のポリイソブチレンとしては、日油株式会社化成事業部(150〜6019東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号恵比寿ガーデンプレイスタワー、日本)からの最高分子量の水素添加ポリイソブテンPARLEAM(登録商標)SV(POLYSYNLANE SV)(動粘度(98.9℃)4700)といった異なるParleamグレードが挙げられる。他のポリイソブチレンは、ExxonMobil Chemical Co.(Baytown,Texas,U.S.A.)から市販されており、例としては、商品名VISTANEX(登録商標)(例えば、MML−80、MML−100、MML−120、及びMML−140)で流通しているポリイソブチレンが挙げられる。VISTANEX(登録商標)ポリイソブチレンは、鎖末端オレフィン結合のみを含有する長い直鎖マクロ分子から構成されるパラフィン系炭化水素である。VISTANEX(登録商標)MMポリイソブチレンは、70,000〜90,000の範囲の粘度平均分子量を有する。低分子量ポリイソブチレンとしては、VISTANEX(登録商標)LM(例えば、LM−MS(8,700〜10,000の範囲の粘度平均分子量、これもまたExxonMobil Chemical Co.製))及びVISTANEX LM−MH(10,000〜11,700の粘度平均分子量)、並びに、AmocoからのSoltex PB−24(Mn 950)及びIndopol(登録商標)H−100(Mn 910)及びIndopol(登録商標)H−1200(Mn 2100)が挙げられる。他のポリイソブチレンは、BP Chemicals(London,England)により商品名NAPVIS(登録商標)及びHYVIS(登録商標)で流通している。これらのポリイソブチレンとしては、NAPVIS(登録商標)200、D10及びDE3、並びに、HYVIS(登録商標)200が挙げられる。NAPVIS(登録商標)ポリイソブチレンは、900〜1300の範囲のMnを有し得る。
あるいは、成分(N)は、ブチルゴムを含み得る。あるいは、成分(N)は、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。SEBS及びSEPSブロックコポリマーは、当該技術分野において既知であり、Kraton Polymers U.S.LLC(Houston,Texas,U.S.A.)からKraton(登録商標)Gポリマーとして、及びKuraray America,Inc.(New York,NY,U.S.A.)からSeptonポリマーとして市販されている。あるいは、成分(N)はポリオレフィンプラストマーを含んでいてもよい。ポリオレフィンプラストマーは、当該技術分野において既知であり、Dow Chemical Company,Elastomers & Specialty Products Division(Midland,Michigan,U.S.A.)からAFFINITY(登録商標)GA 1900及びAFFINITY(登録商標)GA 1950として市販されている。
成分(N)の量は、組成物の重量に基づいて0部〜50部、あるいは10部〜40部、あるいは5部〜35部の範囲であり得る。成分(N)は、1つの非反応性エラストマー有機ポリマーであり得る。あるいは、成分(N)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる非反応性エラストマー有機ポリマーを含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。あるいは、成分(N)は、成分(B)が有機ポリマー主鎖を有するベースポリマーを含む場合に、組成物に添加され得る。
成分(O)は、老化防止添加剤である。老化防止添加剤は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、熱安定剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。好適な酸化防止剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。好適な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、及び、フェノール系酸化防止剤と安定剤の組み合わせが挙げられる。フェノール系酸化防止剤は、完全立体障害フェノール及び部分障害フェノールを含む。あるいは、安定剤は、テトラメチル−ピペリジン誘導体のような立体障害アミンであってもよい。適切なフェノール系酸化防止剤としては、ビタミンE、及びCiba Specialty Chemicals(U.S.A.)からのIRGANOX(登録商標)1010が挙げられる。IRGANOX(登録商標)1010は、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含む。紫外線吸収剤の例としては、分枝状及び直鎖の、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール(TINUVIN(登録商標)571)が挙げられる。紫外線安定剤の例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピぺリジル/セバケート、及びこれらの組み合わせ(TINUVIN(登録商標)272)が挙げられる。これらの及び他のTINUVIN(登録商標)添加剤(例えば、TINUVIN(登録商標)765)は、Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,NY,U.S.A.)から市販されている。その他の紫外線及び光安定剤は市販されており、ChemturaからのLowLite、PolyOneからのOnCap、E.I.du Pont de Nemours and Company(Delaware,U.S.A.)からのLight Stabilizer 210に例示される。あるいは、(高分子量)オリゴマーの安定剤は、例えば、組成物又はその硬化物から安定剤が移る可能性を最小限にするために使用されてもよい。オリゴマーの酸化防止剤安定剤(特に障害アミン光安定剤(HALS))は、Ciba TINUVIN(登録商標)622であり、これは、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールと共重合したブタン二酸のジメチルエステルである。熱安定剤は、酸化鉄及びカーボンブラック、カルボン酸鉄、セリウム水和物、ジルコン酸バリウム、オクタン酸セリウム及びオクタン酸ジルコニウム、並びにポルフィリンを含み得る。
成分(O)の量は、選択される特定の老化防止添加剤及び所望される老化防止効果といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、成分(O)の量は、組成物の重量に基づいて0〜5重量%、あるいは0.1〜4重量%、あるいは0.5〜3重量%の範囲であり得る。成分(O)は、1つの老化防止添加剤であってもよい。あるいは、成分(O)は、2つ以上の異なる老化防止添加剤であってもよい。
成分(P)は、適用温度範囲にわたって水を放出する水放出剤である。成分(P)は、組成物と部分的又は完全に反応するのに十分な量の水を成分(P)が含有するように、並びに、使用温度(すなわち、組成物が使用される温度)に十分な時間にわたって曝露されたときに成分(P)が十分な量の水を放出するように、選択される。しかしながら、成分(P)は、組成物の製造工程の間及び組成物を貯蔵する間に過度の水が放出されないように水を十分に捕捉する。例えば、成分(P)は、組成物が使用される適用プロセスの間又はその後に、十分な水が組成物の縮合反応に利用可能であるように、組成物の混練中に水を十分に捕捉する。この「制御放出」特性はまた、過度の水が適用プロセス中にあまりにも急速に放出されないようにするという効果をもたらし得るが、それは、これが組成物の縮合反応により形成される反応組成物中に発泡又は空隙を生じ得るからである。軽質炭酸カルシウムは、適用温度が80℃〜120℃、あるいは90℃〜110℃、あるいは90℃〜100℃の範囲である場合に、成分(P)として使用され得る。しかしながら、組成物が連続(二軸)混練装置で調製される場合、成分は、短い時間にわたって適合温度よりも20℃〜30℃高い温度にて混練され得る。それゆえに、成分(P)は、混練中に含水量の全てを放出せず、しかしながら、十分な時間にわたって適切な範囲の温度に曝露されると成分(P)が組成物の縮合反応に十分な量の水を放出するように、選択される。
好適な水放出剤の例は、金属塩水和物、水和分子篩、及びSolvayから商品名WINNOFIL(登録商標)SPMで入手可能な軽質炭酸カルシウムにより、例示される。選択される水放出剤は、組成物のために選択される他の成分(例えば、触媒のタイプ及び量)、混練、包装、及び適用中のプロセス条件といった、様々な因子に応じて異なることができる。二軸混練装置において、滞留時間は、数分未満、典型的には1〜2分未満であり得る。成分は急速に加熱されるが、それは、容器における及び軸に沿った表面積/容積比が高く、成分をせん断することにより熱が生じるからである。どれだけの量の水が成分(P)から得られるかは、水結合能力、温度、曝露時間(持続時間)、及び混練装置の中を通過する組成物を剥離するために使用される真空のレベルに応じて異なる。理論に縛られることを望むものではないが、120℃の二軸混練温度では、組成物が90℃にて適用された場合、室温にて1〜2週間にわたる縮合反応により組成物を反応させるのに十分な水が析出したCaCO3上に残るものと考えられる。
水放出剤は、例えば、ベースポリマーの水透過性が低い場合(例えば、ベースポリマーが有機ポリマー主鎖を有する場合)に、添加することができ、並びに/又は、組成物中の成分(P)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の選択、及び、任意の追加の成分が存在するかどうかといった様々な因子に応じて異なるが、成分(P)の量は、組成物の重量に基づいて5〜30部の範囲であり得る。
理論に縛られることを望むものではないが、組成物を適用温度に加熱すると、熱は水を遊離させ、水は、成分(B)の加水分解性基と反応して組成物を反応させると考えられる。組成物中に残されるアルコール及び/又は水等の副生成物は、乾燥剤により捕捉され得、これにより、縮合反応(平衡反応である)は完了に向かって進行する。
成分(Q)は、顔料である。議論を進めるため、用語「顔料」は、本明細書に記載の組成物の反応生成物に色を付与するのに使用される任意の成分を包含するものとする。顔料の量は、選択される顔料のタイプ及び反応生成物の所望される色合いといった様々な因子に応じて異なる。例えば、組成物は、組成物中の全成分の量に基づいて、0〜20重量%、あるいは0.001〜5重量%の顔料を含み得る。
好適な顔料の例としては、インディゴ、二酸化チタンStan−Tone 50SP01 Green(PolyOneから市販されている)及びカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックの代表的な非限定例としては、Shawiniganアセチレンブラック(Chevron Phillips Chemical Company LPから市販されている)、SUPERJET(登録商標)カーボンブラック(LB−1011)(Elementis Pigments Inc.(Fairview Heights,IL U.S.A.)により供給されている)、SR 511(Sid Richardson Carbon Co,(Akron,OH U.S.A.)により供給されている)、並びに、N330、N550、N762、N990(Degussa Engineered Carbons(Parsippany,NJ,U.S.A.))が挙げられる。
組成物は、場合により、組成物のレオロジーを改質するために、組成物の重量に基づいて最大で5重量%、あるいは1〜2重量%の成分(R)レオロジー添加剤を更に含み得る。レオロジー添加剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例としては、ポリアミド、Evonikから市販されているPolyvest、King Industriesから市販されているDisparlon、Du Pontから市販されているKevlar Fibre Pulp、Nanocorから市販されているRheospan、Lubrizolから市販されているIrcogelが挙げられる。他の好適なレオロジー添加剤としては、ポリアミド蝋、硬化ヒマシ油誘導体、及び金属石鹸(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸バリウム)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、成分(R)は、25℃にて固体(蝋)である微結晶性ワックスを含み得る。融点は、所望される温度の適用範囲の下端にて蝋が融点を有するように、選択することができる。理論に束縛されるものではないが、成分(R)は、流動特性を改善する一方で、例えば、組成物を基材に適用した後に、組成物を数度冷却する際に生強度を急激に増大(すなわち、温度降下に伴って組成物から生成されるシールの負荷保持能力の増加に対応する粘度の大幅な増加)を可能にする加工助剤として働くと考えられる。理論に束縛されるものではないが、蝋の組み込みは、充填剤の組み込み、(組成物の製造中の)混練及び脱気、及び混合(多部構成組成物の複数の構成部分の適用中の静的又は動的混合)を促進し得ると考えられる。蝋は、溶融すると加工助剤として働き、混練中の組成物において充填剤の組み込み、混練プロセスそれ自体、並びに、使用される場合には脱気工程を容易にすると考えられる。蝋は、100℃未満の溶融温度では、単純な静的ミキサーでも、適用前の多部構成組成物の複数の構成部分の混合を促進し得る。蝋はまた、80℃〜110℃、あるいは90℃〜100℃の範囲の温度にて、良好なレオロジーを伴って、組成物の適用を促進し得る。
成分(R)としての使用に好適な蝋は、無極性炭化水素であり得る。蝋は、分枝状構造、環状構造、又はこれらの組み合わせを有し得る。例えば、石油微結晶性ワックスは、Strahl & Pitsch,Inc.(West Babylon,NY,U.S.A.)から入手可能であり、例としては、SP 96(62℃〜69℃の範囲の融点)、SP 18(73℃〜80℃の範囲の融点)、SP 19(76℃〜83℃の範囲の融点)、SP 26(76℃〜83℃の範囲の融点)、SP 60(79℃〜85℃の範囲の融点)、SP 617(88℃〜93℃の範囲の融点)、SP 89(90℃〜95℃の範囲の融点)、及びSP 624(90℃〜95℃の範囲の融点)が挙げられる。その他の石油微結晶性ワックスとしては、Crompton Corporation(Petrolia,Pennsylvania,U.S.A.)からMultiwax(登録商標)の商標の下、市販されているワックスが挙げられる。これらのワックスは、79℃〜87℃の範囲の融点をもち、飽和分枝及び環状の非極性炭化水素を含む180−W、76℃〜83℃の範囲の融点をもち、飽和分枝及び環状の非極性炭化水素を含むMultiwax(登録商標)W−445、及び73℃〜80℃の範囲の融点をもち、飽和分枝及び環状の非極性炭化水素を含むMultiwax(登録商標)W−835が挙げられる。
成分(R)の量は、選択される特定のレオロジー添加剤及び組成物の他の成分の選択といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、成分(R)の量は、組成物の重量に基づいて0部〜20部、あるいは1部〜15部、あるいは1部〜5部の範囲であってよい。成分(R)は、1つのレオロジー添加剤であってもよい。あるいは、成分(R)は、2つ以上の異なるレオロジー添加剤を含んでもよい。
組成物中に、賦形剤(例えば、溶媒及び/又は希釈剤)を使用してもよい。賦形剤は、組成物の流動及びシリコーン樹脂のような特定の成分の導入を促進し得る。本明細書で使用される賦形剤は、組成物の成分の流動化を促進するが、これらの成分のいずれとも本質的に反応しないものである。賦形剤は、組成物中の成分の溶解性及び揮発性に基づいて選択され得る。「溶解性」は、賦形剤が組成物の成分を溶解及び/又は分散させるのに十分であることを指す。「揮発性」は、賦形剤の蒸気圧を指す。賦形剤の揮発性が高すぎる(高すぎる蒸気圧を有する)場合、適用温度にて組成物中に気泡が生じる場合があり、この気泡は破裂を生じる、又は、破裂を生じずとも硬化物の特性を弱める、又は負の影響を与えるおそれがある。しかしながら、賦形剤が十分に揮発性でない(蒸気圧が低すぎる)場合には、賦形剤は、組成物の反応生成物において可塑剤のままとなる、又は反応生成物が物理特性を発現する時間が所望されるよりも長くなるおそれがある。
好適な賦形剤としては、好適な蒸気圧を有するポリオルガノシロキサン、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン及び他の低分子量ポリオルガノシロキサン、例えば、5E−7〜1.5E−6m2/s(0.5〜1.5センチストークス(cSt))のDow Corning(登録商標)200流体及びDOW CORNING(登録商標)OS流体(これらは、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されている)が挙げられる。
あるいは、賦形剤は有機溶媒であり得る。有機溶媒は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn−プロパノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘプタン、ヘキサン、又はオクタン)、グリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、又はエチレングリコールn−ブチルエーテル)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、又は塩化メチレン)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ホワイトスピリット、ミネラルスピリット、ナフサ、n−メチルピロリドン、又はこれらの組み合わせであり得る。
賦形剤の量は、選択される賦形剤のタイプ並びに組成物のために選択される他の成分の量及びタイプといった様々な因子に応じて異なることができる。しかしながら、賦形剤の量は、組成物の1〜99重量%、あるいは2〜50重量%の範囲であり得る。
組成物は、場合により、成分(T)粘着付与剤を更に含み得る。粘着付与剤は、脂肪族炭化水素樹脂、例えば、6〜20個の炭素原子を有する水素添加ポリオレフィン、水素添加テルペン樹脂、ロジンエステル、水素添加ロジングリセロールエステル、又はこれらの組み合わせを含み得る。粘着付与樹脂は、市販されている。脂肪族炭化水素樹脂は、Exxon ChemicalからのESCOREZ 1102、1304、1310、1315及び5600、EastmanからのEastotac樹脂(例えば、100℃の環球式軟化点を有するEastotac H−100、115℃の環球式軟化点を有するEastotac H−115E、及び130℃の環球式軟化点を有するEastotac H−130L)により、例示される。水素添加テルペン樹脂は、荒川化学工業株式会社のArkon P 100、及びGoodyearのWingtack 95により、例示される。水素添加ロジングリセロールエステルは、HerculesのStaybelite Ester 10及びForalにより、例示される。市販のポリテルペンの例としては、HerculesのPiccolyte A125が挙げられる。脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族樹脂としては、Exxon ChemicalのECR 149B又はECR 179Aが挙げられる。あるいは、固体粘着付与剤(すなわち、25℃以上の環球式軟化点を有する粘着付与剤)が添加され得る。好適な粘着付与剤としては、任意の適合性樹脂又はこれらの混合物、例えば、(1)天然又は変性ロジン(例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、揮発ロジン、水素添加ロジン、二量化ロジン、及び重合ロジン)、(2)天然又は変性ロジンのグリセロール及びペンタエリスリトールエステル(例えば、ペール、ウッドロジン(pale, wood rosin)のグリセロールエステル、水素添加ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素添加ロジンのペンタエリスリトールエステル、及びロジンのフェノール変性ペンタエリスリトールエステル)、(3)天然テルペン(例えば、スチレン/テルペン及びα−メチルスチレン/テルペン)のコポリマー及びターポリマー、(4)ASTM方法E28,58Tにより測定した場合に60℃〜150℃の範囲の軟化点を有するポリテルペン樹脂(後者のポリテルペン樹脂は一般に、やや低温にてフリーデル・クラフツ触媒の存在下でピネンとして知られる二環式モノテルペンのようなテルペン炭化水素の重合から生じ、また、水素添加ポリテルペン樹脂も含まれる)、(5)(例えば、酸性媒質中で二環式テルペンとフェノールの縮合から生じる樹脂生成物としての)フェノール系変性テルペン樹脂及びこれらの水素添加誘導体、(6)60℃〜135℃の範囲の環球式軟化点を有する脂肪族石油炭化水素樹脂(後者の樹脂は、主にオレフィン及びジオレフィンからなるモノマーの重合から生じ、水素添加脂肪族石油炭化水素樹脂も含む)、(7)脂環式石油炭化水素樹脂及びこれらの水素添加誘導体、並びに(8)脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族コポリマー及びこれらの水素添加誘導体が挙げられる。粘着付与剤の量は、選択される特定の粘着付与剤及び組成物中の他の成分の選択といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、粘着付与剤の量は、組成物の重量に基づいて0部〜20部の範囲であり得る。
組成物は、場合により、成分(U)腐食防止剤を更に含む。適切な腐食防止剤の例としては、ベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、及び市販の腐食防止剤(例えば、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール誘導体(CUVAN(登録商標)826)及びR.T.Vanderbilt(Norwalk,Connecticut,U.S.A.)からのアルキルチアジアゾール(CUVAN(登録商標)484))が挙げられる。存在する場合、成分(U)の量は、組成物の重量に基づいて0.05%〜0.5%の範囲であってよい。
本明細書に記載の特定の成分は1つを超える機能を有し得るため、上述の組成物の成分を選択する際、成分の種類に重複があり得る。例えば、特定のアルコキシシランは充填剤処理剤としても接着促進剤としても有用であり得、特定の脂肪酸エステルは可塑剤としても有用であり得、充填剤処理剤としても有用であり得、カーボンブラックは顔料、難燃剤、及び/又は充填剤として有用であり得、非反応性ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)は増量剤としても溶媒としても有用であり得る。
上記の組成物は、例えば、混合等の任意の好都合な手段によって全成分を組み合わせることにより、一部構成組成物として調製され得る。例えば、一部構成組成物は、場合により、ベースポリマー(B)と増量剤(E)を組み合わせ(予め混合し)、生じた展延ベースポリマーを充填剤(F)の全て又は一部と混合し、これを架橋剤(C)及び成分(A)を含むプレミックスと混合することにより、製造され得る。(O)老化防止添加剤及び(Q)顔料といった他の添加剤は、任意の所望される段階にて混合物に添加され得る。最終混合工程は実質的に無水の条件下で行うことができ、生じた組成物は一般に使用準備が整うまで実質的無水条件下で、例えば、密封容器で保管される。
あるいは、組成物は、架橋剤が存在する場合、多部構成(例えば、2部構成)組成物として調製され得る。この例では、触媒及び架橋剤は別個の構成部分として保管され、これらの構成部分は、組成物の使用直前に組み合わされる。例えば、二部構成硬化性組成物は、成分(B)及び(C)を含む成分を組み合わせて混合のような任意の好都合な手段により第一(硬化剤)構成部分を形成することによって、調製され得る。第二(ベース)構成部分は、混合のような任意の好都合な手段により成分(A)及び(B)を組み合わせることによって、調製され得る。これらの成分は、一部構成組成物又は多部構成組成物のどちらが選択されるかといった様々な因子に応じて、周囲条件又は無水条件下で周囲温度又は高温にて組み合わせられ得る。ベース構成部分と硬化剤構成部分は、使用直前に、混合のような任意の好都合な手段により、組み合わせることができる。ベース構成部分と硬化剤構成部分は、相対的に1:1〜10:1の範囲のベース:硬化剤量で組み合わせることができる。
成分の混合に使用される装置は、特に限定されない。好適な混合装置の例は、選択される各成分のタイプ及び量に応じて選択されてよい。例えば、反応によりガム又はゲルを形成する組成物等の比較的低粘度の組成物には、撹拌バッチケトルが使用されてもよい。あるいは、例えば、より粘稠な組成物及び、粒子を比較的多量に含有する組成物には、二軸押出成形機のような押出成形機といった連続混練装置が使用され得る。本明細書に記載の組成物の調製に使用できる代表的な方法としては、例えば、米国特許出願公開第2009/0291238号及び同第2008/0300358号に開示されているものが挙げられる。
上述のように製造されるこれらの組成物は、水分への曝露から組成物を保護する容器での保管時に安定であり得るが、これらの組成物は、大気の水分に曝露されると縮合反応によって反応し得る。あるいは、低浸透性組成物が配合された場合、組成物は、水放出剤から水分が放出された際に硬化して、硬化生成物を生じ得る。
上記のように調製された組成物及びこれらの反応生成物は、様々な用途を有する。上記の成分は、成分(A)及び(B)を含む様々なタイプの組成物を調製するために、使用され得る。組成物は、組成物のタイプ並びに組成物及び/又は組成物の反応生成物の所望される最終用途に応じて、上記の追加の成分のうちの1つ以上を更に含み得る。例えば、上記の成分及び方法は、例えば、ベースポリマーが1分子当たり平均で1〜2個の加水分解性基を有する場合に、ベースポリマーの粘度を増加させるために、及び/又は、ガムを形成するために、鎖延長プロセスに使用され得る。あるいは、上記の成分及び方法は、例えば、ベースポリマーが1分子当たり平均で2個以上の加水分解性基を有する場合に、及び/又は、架橋剤が組成物中に存在する場合に、硬化性組成物を配合するために使用することができる。本明細書に記載の組成物は、水分に曝露することにより縮合反応によって、反応し得る。例えば、組成物は、大気水分に曝露されると、縮合反応によって反応し得る。あるいは、組成物は、水放出剤が存在する場合に、水放出剤から放出される水分と反応する。本明細書に記載の組成物はそれぞれ、反応して反応生成物を形成する。反応生成物は、ガム、ゲル、ゴム、及び樹脂から選択される形態をもっていてよい。
これらの実施例は、本発明の幾つかの実施形態を例示することを目的とするものであり、請求項に記載の本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。参考例は、従来技術であるとの記載がない限り、従来技術とみなされるべきではない。下記の成分が下記実施例において使用された。チタン(IV)エトキシド(「Ti(ethoxide)4」)は、Strem Chemicals Inc.(Newburyport,Massachusetts,U.S.A.)から購入された。テトラベンジルチタン(「Ti(benzyl)4」)はMCAT GmbH(Universitatsstrasse 10,78457 Konstanz,Gebaude L,Germany)から購入された。架橋剤、n−ブチルトリメトキシシラン(「n−BuSi(O−Me)3」)はGelest,Inc.(Morrisville,Pennsylvania,U.S.A.)から購入された。粘度が9E−5〜0.00012m2/s(90〜120cSt)であり、数平均分子量(Mw)が4200である、シラノール末端ポリジメチルシロキサン(「PDMS 1」)であるベースポリマーもまた、Gelest,Inc.から購入された。
実施例1−金属−配位子錯体の形成
前駆体溶液は、前駆体と、Ti(ethoxide)4又はTi(benzyl)4(濃度:0.025M)のどちらかとを、トルエンと混合することにより調製された。前駆体溶液は無色であった。上記表1に示される各配位子の溶液もまた、配位子(濃度:0.025M)を、トルエンと混合することにより調製された。
上述のとおり調製された配位子溶液はそれぞれ、予め秤量された1mL(ミリリットル)のバイアル瓶の中に入れられた。各バイアル瓶中、24μL(マイクロリットル)の溶液(0.6μmol(マイクロモル)の配位子に相当)か、又は48μLの溶液(1.2μmolの配位子に相当)が使用された。バイアル瓶中のトルエンは、窒素を流通させた箱の中に、バイアル瓶の蓋を外した状態で一晩置くことにより取り除いた。
配位子(溶媒を含まない)を含む各バイアル瓶に、上記のとおり調製された24μLの前駆体溶液(0.6μモルの前駆体に相当)を加え、金属−配位子混合液を生成した。金属−配位子混合液を含むバイアル瓶は、金属−配位子錯体を形成するために、25℃において60分間又は75℃において45分間、60rpm(回毎分)で振とうされた。
実施例2−縮合反応
上記(実施例1)の錯形成反応の完了後、210mg(ミリグラム)のPDMS 1(235.7μL、すなわち50μモルに相当)及び17.8mg(19.1μL、すなわち100μモルに相当)のn−BuSi(O−Me)3が、ドライボックス内の金属−配位子錯体を含む各バイアル瓶に注入された。その後、各バイアル瓶内の合計量が325μLとなるように、更にトルエンが加えられた。実施例2のサンプルはこのように調製された。陰性対照サンプルもまた上記前駆体を使用して調製したが、配位子は含まずに調製した。陰性対照サンプルには、210mgのPDMS 1、17.8mgのn−BuSi(O−Me)3、及びトルエン(合計量が325μLになるのに十分な量)が、前駆体の入ったバイアル瓶に注入された。追加の陰性対照サンプルもまた上記表1に示す配位子を使用して調製したが、前駆体は含まずに調製した。これらの追加の陰性対照サンプルには、210mgのPDMS 1、17.8mgのn−BuSi(O−Me)3、及びトルエン(合計量が325μLになるのに十分な量)が、配位子の入ったバイアル瓶に注入された。
得られた組成物入りのバイアル瓶はドライボックスからドラフトチャンバーに移動され、1分間勢いよく攪拌した(それぞれの組成物を均質にするため、数百rpmで攪拌した)。その後、バイアル瓶はそれぞれ多孔板で蓋をされ、相対湿度(RH)を95%、温度を30℃に保った恒湿オーブンに入れられた。
恒湿オーブンに48時間入れた後、バイアル瓶は恒湿オーブンから取り出され、目視による粘度の観察が記録された。48時間目視粘度測定は、サンプルと、異なる粘度の標準試料を含むバイアル瓶とを交互に比べて目視により測定した。測定は、サンプルが初めて水分に曝されてから48時間後に行われた。各サンプルの目視による粘度測定値は、サンプルが最も近く一致する標準試料のバイアル瓶に基づき特定される。標準試料は、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販の、粘度の異なるDOW CORNING(登録商標)200流体(「200 Fluid」)であった。目視による粘度の記述とそれに対応する標準は下記表2に示す。0又は1の値は、サンプルが縮合反応を48時間以内に起こさなかったことを示した。2〜5の値は、次第に縮合反応が起きたことを示した。繰り返し実験では、目視による粘度測定を行う作業者や、繰り返し試験が別の時に行われたかどうか等の様々な要因による通常の誤差が生じた。
表3は、表1の配位子を使用して調製されたサンプルの配位子、金属前駆体 配位子:金属比、反応条件(時間及び温度)、及び結果(48時間目視粘度及び外観)を示す。色は目視により検査された。サンプルの目視比較は1人により行われた。
表3において、外観の値は次のように定義される。「H」は濁っていることを、「C」は透明であることを、「C/C」は透明で且つ硬化されたことを意味する。表3の各配位子について、配位子が検査された陰性対照サンプルは、前駆体を使用しないことを除いて実施例2の方法に従って調製された。各例において、48時間目視粘度値は1だった。
成分(A)は透明及び/又は無色であってよい。これらの実施例は、金属−配位子錯体及びベースポリマー(本明細書においてそれぞれ、成分(A)及び成分(B)と記載される)をいくらか含む組成物が、透明及び/又は無色の反応生成物を生成するために使用されてもよいということを示す。例えば、配位子が、配位子1〜46、48〜68、70〜73、及び75〜88からなる群より選ばれる場合、そのような配位子で調製された成分(A)と、成分(B)とを含む組成物は無色であってもよい。あるいは、配位子が、配位子1〜46、48〜68、70〜73、及び75〜88からなる群より選ばれる場合、そのような配位子で調製された成分(A)と、成分(B)とを含む組成物の反応生成物は無色であってもよい。あるいは、配位子が、配位子1〜7、9〜16、18〜22、24〜29、31〜32、35〜37、39〜46、49〜58、60〜68、70〜73、75〜81、83〜85、及び87〜88からなる群より選ばれる場合、上記実施例の、そのような配位子で調製された成分(A)と、成分(B)とを含む組成物の反応生成物は無色透明であってもよい。あるいは、配位子が、配位子1〜7、9〜16、18〜22、24〜29、31〜32、35〜37、39〜46、49〜58、60〜68、70〜73、75〜81、83〜85、及び87〜88からなる群より選ばれる場合、上記実施例の、そのような配位子で調製された成分(A)と、成分(B)とを含む組成物の反応生成物は無色透明であってもよい。
実施例は、本明細書に記載のとおり検査された、上記成分(A)の触媒が、縮合反応を触媒できるということを示す。上記の触媒のように、本明細書に記載の組成物はスズ触媒を含まなくてもよい。理論に縛られることを望むものではないが、スズ触媒を含む同じ組成物と比較して、成分(A)として本明細書に記載される触媒は、いくつかの縮合反応硬化性組成物において、代替の、同等の、又はより良い硬化性能を提供し得ると考えられる。
成分(A)は透明及び/又は無色であってよい。理論に縛られることを望むものではないが、金属−配位子錯体及びベースポリマー(本明細書においてそれぞれ、成分(A)及び成分(B)と記載される)をいくらか含む組成物は、透明及び/又は無色であってもよいと考えられる。理論に縛られることを望むものではないが、金属−配位子錯体及びベースポリマー(本明細書においてそれぞれ、成分(A)及び成分(B)と記載される)をいくらか含む組成物が、透明及び/又は無色の反応生成物を生成するために使用されてもよいと考えられる。