全ての量、比率、及びパーセンテージは、特に記載のない限り、重量である。組成物中の全ての成分の量は、合計100重量%である。課題を解決するための手段及び要約書は、参照により本明細書に含まれる。冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ、明細書の文脈により特に示されない限り、1つ以上を指す。範囲の開示には、範囲それ自体と、その中に包含される任意の数、並びに端点が含まれる。例えば、2.0〜4.0の範囲の開示には、2.0〜4.0の範囲だけでなく、2.1、2.3、3.4、3.5、及び4.0の個々の数、並びにその範囲に包含される任意の他の数も含まれる。更に、例えば2.0〜4.0の範囲の開示には、例えば2.1〜3.5、2.3〜3.4、2.6〜3.7、及び3.8〜4.0の部分集合、並びにその範囲に包含される任意の他の部分集合も含まれる。同様に、マーカッシュ群の開示には、群全体と、その中に包含される任意の個々の要素及び部分集合も含まれる。例えば、マーカッシュ群の水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基の開示は、個々のアルキルメンバー、アルキル及びアリールのサブグループ、並びにその中に包含される任意の他の個々のメンバー及びサブグループを含む。
「アルキル」は、少なくとも1つのへテロ原子をも含む非環式、分枝状又は無分枝状、飽和一価の炭化水素基を意味する。アルキルは、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル、並びに分枝状飽和の一価の6個以上の炭素原子の炭化水素基によって例示されるがこれに限定されない。
「アラルキル」は、側枝及び/又は末端アリール基を有するアルキル基又は側枝アルキル基を有するアリール基を意味する。代表的なアラルキル基としては、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、及びフェニルブチルが挙げられる。
「炭素環」及び「炭素環式」は、それぞれに炭化水素環を指す。炭素環は、単環式であってもよく、又は、あるいは縮合環、架橋環、又はスピロ多環式環であってもよい。単環式炭素環は、3〜9個の炭素原子、あるいは4〜7個の炭素原子、及びあるいは5〜6個の炭素原子を有してもよい。多環式炭素環は、7〜17個の炭素原子、あるいは7〜14個の炭素原子、及び、あるいは9〜10個の炭素原子を有してもよい。炭素環は、飽和であっても又は部分不飽和であってもよい。
「シクロアルキル」は、飽和炭素環を意味する。単環式シクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルによって例示される。
「複素環」及び「複素環式」は、それぞれ、環状の炭素原子及び1つ以上のへテロ原子からなる環基を意味する。へテロ原子は、N、O、P、S、又はこれらの組み合わせであってもよい。複素環は、単環式であってもよく、又は、あるいは縮合環、架橋環、又はスピロ多環式環であってもよい。単環式複素環は、環に3〜9個の構成原子を有してもよく、あるいは4〜7個の構成原子を有してもよく、かつ、あるいは5〜6個の構成原子を有してもよい。多環式複素環は、7〜17個の構成原子を有してもよく、あるいは7〜14個の構成原子を有してもよく、かつ、あるいは9〜10個の構成原子を有してもよい。複素環は、飽和であっても又は部分不飽和であってもよい。
「ハロゲン化炭化水素」は、炭素原子に結合する1つ以上の水素原子が形式的にハロゲン原子で置き換えられた炭化水素を意味する。ハロゲン化炭化水素基は、ハロアルキル基、ハロゲン化炭素環式基、及びハロアルケニル基を含む。ハロアルキル基としては、フッ化アルキル基(トリフルオロメチル、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル(nonafluorohexyl)、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチルなどの)、並びに塩化アルキル基(塩素メチル及び3−クロロプロピルなどの)が挙げられる。ハロゲン化炭素環式基としては、フッ化シクロアルキル基(2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルなどの)、並びに塩化シクロアルキル基(2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチルなどの)が挙げられる。ハロアルケニル基としては、塩化アリールが挙げられる。
「へテロ原子」は、炭素を除く、IUPAC元素周期表(http://www.iupac.org/fileadmin/user_upload/news/IUPAC_Periodic_Table−1Jun12.pdf)の13〜17族の元素を意味する。「へテロ原子」としては、例えば、N、O、P、S、Br、Cl、F、及びIが挙げられる。
「ヘテロ原子含有基」は、水素原子及び炭素原子からなり、かつ少なくとも1つのへテロ原子も含む有機基を意味する。ヘテロ原子含有基は、例えば、1つ以上のアシル、アミド、アミン、カルボキシル、シアノ、エポキシ、ハロゲン、ヒドロカーボンオキシ、イミノ、ケトオキシム、メルカプト、オキソ、酸素、オキシム、及び/又はチオールを含む場合がある。例えば、ヘテロ原子含有基が1つ以上のハロゲン原子を含有するとき、ヘテロ原子含有基は、上記のようにハロゲン化炭化水素基であってもよい。あるいは、へテロ原子が酸素である時、ヘテロ原子含有基は、ヒドロカーボンオキシ基(アルコキシ基又はアルキルアルコキシ基などの)であってもよい。
「ヘテロアルキル」基は、少なくとも1つのへテロ原子をも含む非環式、分枝状又は無分枝状、飽和一価の炭化水素基を意味する。「ヘテロアルキル」は、少なくとも1つの炭素原子が、N、O、P、又はSなどのへテロ原子と置き換えられたハロアルキル基及びアルキル基を含み、例えば、へテロ原子がOのとき、ヘテロアルキル基は、アルコキシ基となる場合がある。
「〜を含まない」とは、組成物が感知不可能な量でしか含有しない、又はその成分を含まない同じ組成物と比較したときに、実施例の項に記載される方法により測定される、視覚的な粘度が変化させるのに不十分な量でしか組成物がその成分を含有しないことを意味する。例えば、本明細書に記載の組成物は、スズ触媒を含まないものであり得る。「スズ触媒を含まない」とは、組成物が、組成物中の他の成分の加水分解性基との縮合反応を触媒することができるスズ触媒を感知不可能な量でしか含有しない、又はスズ触媒を含まない同じ組成物と比較したときに、実施例の項に記載される方法により測定される、視覚的な粘度を変化させるのに不十分な量でしか組成物がスズ触媒を含有しないことを意味する。組成物は、チタン触媒を含まないものであり得る。「チタン触媒を含まない」とは、組成物が、組成物中の他の成分の加水分解性基との縮合反応を触媒することができるチタン触媒を感知不可能な量でしか含有しない、又はチタン触媒を含まない同じ組成物と比較したときに、実施例に記載される方法により測定される視覚的な粘度を変化させるのに不十分な量でしか組成物がチタン触媒を含有しないことを意味する。あるいは、本明細書に記載される組成物は、金属縮合反応触媒(すなわち、本明細書に記載される成分(A)以外)を含まない場合がある。「縮合反応触媒を含まない」は、組成物が、感知不可能な量の、Al、Bi、Sn、Ti、及び/又はZrの化合物などの縮合反応を触媒することができる、周期表(CRC Handbook of Chemistry and Physics,65th ed.、CRC Press、Inc.、Boca Raton、Florida、1984の表表紙の見返しに見られるように)の3a、4a、5a、又は4b族の金属化合物を含有する、又は金属縮合反応触媒を含まない同じ組成物と比較したときに、かかる金属縮合反応触媒を、実施例に記載される方法により測定される視覚的な粘度を変化させるのに不十分な量しか含有しないことを意味する。本定義の目的では、「感知不可能な量」は、例えば、ASTM D7151−05 Standard Test Method for Determination of Elements in Insulating Oils by Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry(ICP−AES)の方法により測定されてもよい。
「非官能性」は、成分、例えば、ポリオルガノシロキサン、が縮合反応に関与する加水分解基を有しないことを意味する。
本明細書で使用される略語は、以下のように定義される。略語「cP」は、センチポアズを意味する。「DP」は、ポリマーの重合度を意味する。「FTIR」は、フーリエ変換赤外分光法を意味する。「GPC」は、ゲル透過クロマトグラフィーを意味する。「Mn」は、数平均分子量を意味する。Mnは、GPCを使用して測定され得る。「Mw」は、重量平均分子量を意味する。「NMR」は、核磁気共鳴を意味する。「Me」は、メチルを意味する。「Et」は、エチルを意味する。「Ph」は、フェニルを意味する。「Pr」は、プロピルを意味し、かつiPr及びnPrなどの様々な構造を含む「iPr」は、イソプロピルを意味する。「nPr」は、ノルマルプロピルを意味する。「Bu」は、ブチルを意味し、nBu、sec−butyl、tBu、及びiBuを含む様々な構造を含む。「iBu」は、イソブチルを意味する。「nBu」は、ノルマルブチルを意味する。「tBu」は、第三級−ブチルを意味する。
縮合反応(組成物)によって反応することができる少なくとも1つの成分を有する組成物は、
(A)Znを含有する縮合反応触媒と、
(B)1分子当たり、平均1つ以上の加水分解性置換基を有するケイ素含有ベースポリマー(ベースポリマー)と、を含む。理論に束縛されるものではないが、Zn含有縮合反応触媒は、ベースポリマーの縮合反応を触媒するために有効であると特徴付けることができると考えられる。ベースポリマーは、縮合反応によって反応することができる、加水分解置換基を有する。ベースポリマーの縮合反応は、反応生成物を調製する。この組成物は、場合により、1つ以上の追加成分を更に含み得る。1つ以上の追加成分は、成分(A)及び(B)とは異なる。適切な追加成分は、(C)架橋剤;(D)乾燥剤;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤;(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤;(J)難燃剤;(K)表面改質剤;(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)非反応性結合剤;(O)老化防止添加剤;(P)水放出剤;(Q)顔料;(R)レオロジー添加剤;(S)ビヒクル(溶媒及び/又は希釈剤などの);(T)粘着付与剤;(U)腐食防止剤;並びにこれらの組み合わせによって例示される。
成分(A)は、触媒として有効な量のZn含有縮合反応触媒を含む。Zn含有縮合反応触媒は、Zn前駆体及び配位子の反応生成物を含む。理論に束縛されるものではないが、この反応生成物はZn−配位子錯体を含むと考えられる。Zn前駆体は、Zn前駆体と配位子との反応生成物とは異なる。Zn前駆体は、一般式(i):Zn−A2を有するZnの有機化合物であり、式中、各Znは、亜鉛原子であり、各Aは、独立して交換可能な置換基である。各Aは、一価の有機基であってもよい。Aに対する一価の有機基の例としては、一価の炭化水素基、アミノ基、シラザン基、カルボキシルエステル基、並びにヒドロカーボンオキシ基が挙げられる。
Aに対する一価の炭化水素基の例としては、アルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシルなどの);アルケニル(ビニル、アリール、プロペニル、及びヘキセニルなどの);飽和炭素環式基によって例示される炭素環式基、例えば、シクロアルキル(シクロペンチルそしてシクロヘキシルなどの)、又は不飽和炭素環式基(シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニルなどの);アリール(フェニルなどの)、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル;並びにアラルキル(ベンジル又は2−フェニルエチルなどの)が挙げられるがこれに限定されない。あるいは、各Aは、直鎖及び分枝状アルキル基、及びシクロアルキル(シクロペンチルなどの)などのアルキル基(メチル、エチル、iPr、並びにnBuなどの)であってもよい。あるいは、各Aは、エチル基であってもよい。
Aに対するアミノ基の例は、式−NA’2を有し、式中、各A’は、独立して水素原子又は一価の炭化水素基である。A’に対する例示の一価の炭化水素基としては、アルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシルなどの);アルケニル(ビニル、アリール、プロペニル、及びヘキセニルなどの);飽和炭素環式基によって例示される炭素環式基、例えば、シクロアルキル(シクロペンチル及びシクロヘキシルなどの)、又は不飽和炭素環式基(シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル);アリール(フェニル、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチルなどの);並びにアラルキル(ベンジル又は2−フェニルエチルなどの)が挙げられるがこれに限定されない。あるいは、各A’は、水素原子又は1〜4個の炭素原子のアルキル基(メチル又はエチルなど)であってもよい。
あるいは、一般式(i)の各Aは、シラザン基であってもよい。
あるいは、一般式(i)の各Aは、カルボキシルエステル基であってもよい。Aに対する適切なカルボキシルエステル基の例としては、ヘキサン酸エチル(2−ヘキサン酸エチルなどの)、ネオデカン酸、オクタノエート、及びステアレートが挙げられるがこれに限定されない。あるいは、Aは、ヘキサン酸エチル及びオクタノエートから選択されてもよい。あるいは、各Aは、エチルオクタノエート基であってもよい。
Aに対する一価のヒドロカーボンオキシ基の例は、式−O−A”を有してもよく、式中A”は、一価の炭化水素基である。A”に対する一価の炭化水素基の例としては、アルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシルなどの);アルケニル(ビニル、アリール、プロペニル、及びヘキセニルなどの);シクロアルキル(シクロペンチル及びシクロヘキシルなどの);アリール(フェニル、トリル、キシリル、及びナフチルなどの);アラルキル(ベンジル又は2−フェニルエチルなどの)が挙げられるがこれに限定されない。あるいは、各A”は、アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、又はt−ブチルなどの)であってもよい。あるいは、各A”は、アルキル基であってもよく、かつ、あるいは各A”は、エチル、プロピル(イソ−プロピル又はn−プロピルなどの)、又はブチルであってもよい。
あるいは、各Aは、アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、又はt−ブチルなどの)であってもよい。あるいは、各Aは、エチル、ベンジル、メシチル、フェニル、−NEt2、シクロオクタジエン、エトキシド、イソ−プロポキシド、ブトキシド、2−ヘキサン酸エチル、ネオデカン酸、オクタノエート、及びステアレート、からなる群より選択されてもよい。
前駆体としての使用に対して適切なZnの有機化合物が市販されている。例えば、ジアルキル亜鉛化合物(Zn−Et2などの)及びジアリール亜鉛化合物(亜鉛化合物(Zn−Ph2などの)などの)は、Sigma−Aldrich(米国、ミズーリ州、St.Louis)から市販されている。亜鉛のジエステル(Zn(オクタノエート)2などの)は、City Chemicals LLC(米国、コネチカット州、West Haven)から市販されている。
配位子は、Znに配位した有機化合物である。有機化合物は、中性及び共役塩基形態を含む。理論に束縛されるものではないが、配位子がZn前駆体内の交換可能な置換基Aの1つ以上のインスタンスを置き換えると考えられる。配位子は、一般式(ii):
を有してもよい。
一般式(ii)では、式中の「Rn」を有する結合は、共有単結合又は環状構造の一部を形成する芳香族結合を表す。Q1は、O及びSから選択されてもよいへテロ原子である。
一般式(ii)では、各A2及び各A3は、水素原子及び一価の炭化水素基から独立して選択される。適切な一価の炭化水素基としては、1〜8個の炭素原子のアルキル基、5〜6個の炭素原子の炭素環式基、6〜9個の炭素原子のアリール基、及び6〜11個の炭素原子のアラルキル基が挙げられる。あるいは、各A2及び各A3は、アリール基である。
一般式(ii)では、A4、A5、A6、及びA7のそれぞれは、水素原子及び一価の有機基から独立して選択される。一価の有機基は、一価のハロゲン化炭化水素基などの一価の炭化水素基又は一価のヘテロ原子含有基であってもよい。適切な一価の炭化水素基としては、1〜8個の炭素原子のアルキル基、5〜6個の炭素原子の炭素環式基、6〜9個の炭素原子のアリール基、及び6〜11個の炭素原子のアラルキル基が挙げられる。あるいは、A5及びA6は、共に結合して、炭素環、アリール基、アラルキル基又は複素環基などの環状構造を形成してもよい。A5及びA6が互いに結合して環を形成するとき、A4及びA7は、Hであってもよい。
一般式(v)では、A1は、一価の炭化水素基又は二価の連結基のいずれかである。A1に対する適切な一価の炭化水素基としては、アルキル、アリール、及びアラルキルが挙げられる。A1に対する二価の連結基の例としては、アルキレン(エチレン、プロピレン、又はヘキシレンなどの);アリーレン(フェニレンなどの)、又はアルキルアリーレン(
)により例示される二価の炭化水素基であり得る。
A1が二価の連結基であるとき、A1は、一般式(ii)の構造を一般式(iii):
の構造と結合してもよく、式中A2、A3、A4、A5、A6、及びA7は、上記に定義されたとおりである。一般式(ii)の配位子の例としては、表1に示される配位子1及び配位子2が挙げられる。
一般式(ii)の適切な配位子の中性の形態は、以下の表1示される。
表1のある特定の配位子は、市販されている。例えば、配位子1は、Sigma−Aldrich(米国、ミズーリ州、St.Louis)からの2−(2−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾールである。配位子3は、Strem Chemicals,Inc.(米国、マサチューセッツ州、Newburyport)から市販されている。
成分(A)を調製するために使用される配位子は、表1に示される配位子であってもよい。あるいは、配位子は、前駆体の選択を含む様々な要因に依存して選択されてもよい。例えば、前駆体がジアルキル亜鉛化合物(ジエチル亜鉛など)であるとき、配位子は、表1からの配位子2であってもよい。あるいは、前駆体がジエステル亜鉛化合物(亜鉛ジオクタノエートなど)であるとき、配位子は、表1からの配位子1であってもよい。
成分(A)は、上記のように配位子及びZn前駆体を反応させ、これによってZn−配位子錯体を含む触媒活性反応生成物を形成することを含む方法によって調製されてもよい。方法は、所望により、Zn前駆体と配位子とを混合する前に、更にZn前駆体、若しくは配位子のいずれか、又は両方を溶媒中に溶解する工程を含んでもよい。適切な溶媒は、以下に成分(S)を記述したものによって例示される。あるいは、配位子は、容器内の溶媒中に溶解されてもよく、溶媒は、その後、Zn前駆体を配位子とともに容器に加える前に除去されてもよい。配位子及びZn前駆体の量は、Zn前駆体に対する配位子のモル比(配位子:金属比)が1:1〜10:1、あるいは1:1〜3:1、そして、あるいは1:1〜2:1となるように選択される。Zn前駆体と配位子とを混合することは、これらをともに容器内で混合する、または容器を振盪するなどの任意の都合の良い手段によって実行されてもよい。
Zn前駆体と配位子との反応は、Zn前駆体と配位子とが25℃の室温(RT)で一定期間、または加熱することによって反応するように上記のように準備できるようにするなどの、任意の都合の良い手段によって行われてもよい。加熱は、加熱マントル、加熱コイル、又は容器を炉内に置くことによるなどの任意の都合の良い手段によって行われてもよい。反応温度は、特定のZn前駆体と選択された配位子との反応性、及び配位子:金属の比を含む様々な要因によるが、温度は、25℃〜200℃、あるいは25℃〜75℃の範囲であってもよい。反応時間は、選択された反応温度を含む様々な要因によるが、反応時間は、1分から48時間、あるいは45分〜60分の範囲であってもよい。配位子及びZn前駆体は、混合され、順次加熱されてもよい。あるいは、配位子及びZn前駆体は、混合され、同時に加熱されてもよい。
成分(A)の触媒活性反応生成物を調製する方法は、反応後に溶媒を添加することを、所望により更に含んでもよい。適切な溶媒は、以下に成分(S)を記述したものによって例示される。あるいは、方法は、所望により、反応副成物及び/又は溶媒が存在する場合(例えば、加熱の前又は加熱中に、Zn前駆体と配位子の混合を容易にするために使用される)溶媒を除去することを更に含む。副成物としては、例えば、H−A(式中Aは、上記一般式(i)中で定義される)又は配位子がZn前駆体と反応するときにZn前駆体から有機基を反応させて取り出す結果もたらされる任意の化学種が挙げられる。副成物は、加熱又は真空下によるストリッピング若しくは蒸留又はこれらの組み合わせなどの任意の都合の良い手段によって除去されてもよい。結果として得られる、単離されたZn配位子錯体は、成分(A)の触媒的に活性の反応生成物として使用される場合がある。
あるいは、触媒活性反応生成物を成分(A)として使用する前には、反応副成物は、除去されない。例えば、配位子及びZn前駆体は、上記したように溶媒の除去により、又は除去せずに反応する場合があり、結果として得られる触媒活性反応生成物(Zn−配位子錯体及び反応副成物及び所望により溶媒又は希釈剤を含む)は、成分(A)として使用されてもよい。理論に束縛されるものではないが、副成物は、Zn−配位子錯体に加えて縮合反応触媒として、又はZn−配位子錯体のための共触媒若しくは活性剤として反応する場合があると考えられる。したがって、反応生成物は、縮合反応を触媒する場合がある。
組成物は、1つの単一触媒を含有してもよい。あるいは、組成物は、成分(A)として上記の2つ以上の触媒を含んでもよく、ここで2つ以上の触媒は、配位子の選択、前駆体の選択、配位子:金属比、及び一般式(i)での基Aに対する定義などの少なくとも1つの特性について異なる。組成物はスズ触媒を含まない場合があり、あるいは組成物はチタン触媒を含まない場合があり、あるい組成物は、スズ触媒を含まずかつチタン触媒を含まない場合がある。あるいは、組成物は、成分(A)以外の成分(B)の加水分解性基の縮合反応を触媒することになる、いかなるZn化合物も含まない場合がある。あるいは、組成物は、成分(A)以外の金属縮合反応触媒を含まない場合がある。あるいは、組成物は、成分(A)以外の成分(B)の加水分解性基の縮合反応を触媒することになる、いかなる成分も含まない場合がある。
成分(A)は、組成物内に触媒として有効な量存在する。正確な量は、成分(A)の反応性、成分(B)の種類及び量、及び存在する場合、任意の追加の成分の種類及び量を含む様々な要因に依存する。しかしながら、組成物中の成分(A)の量は、組成物中の全ての成分の総重量に基づいて、1百万分率(ppm)から5%、あるいは0.1%〜2%、そして、あるいは1ppmから1%、の範囲であってもよい。
成分(B)は、ケイ素含有ベースポリマー(ベースポリマー)である。成分(B)は、1分子当たり平均で1個以上の、共有結合した加水分解性置換基を有するポリマー主鎖を含む。あるいは、1つ以上の加水分解置換基は、加水分解シリル置換基である。ポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン(ポリジオルガノシロキサン、有機ポリマー主鎖、又はシリコーン−有機コポリマー主鎖(ポリマー主鎖内の原子に共有結合する1つ以上の加水分解シリル置換基を有する)などの)から選択される場合がある。あるいは、成分(B)のポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン主鎖又は有機主鎖であり得る。あるいは、成分(B)のポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン主鎖であり得る。加水分解性置換基は、水素原子、ハロゲン原子、アミド基(アセトアミド基、ベンズアミド基、又はメチルアセトアミド基などの)、アシルオキシ基(アセトキシ基などの)、ハイドロカーボンオキシ基(アルコキシ基又はアルケニルオキシ基などの)、アミノ基、アミノキシ基、水酸基、メルカプト基、オキシモ基、ケトキシモ(ketoximo)基、アルコキシシリルヒドロカルビレン基、又はこれらの組み合わせによって例示される。あるいは、成分(B)は、1分子当たり平均で2個以上の加水分解性置換基を有し得る。成分(B)中の加水分解性置換基は、ポリマー主鎖上の末端位置、側鎖位置又は末端位置と側鎖位置の両方に位置し得る。あるいは、成分(B)中の加水分解性置換基は、ポリマー主鎖上の1つ以上の末端位置に位置し得る。成分(B)は、直鎖、側鎖、環状又は樹脂性構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖、側鎖、又は環状構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖又は側鎖構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖構造及び樹脂状構造を含み得る。成分(B)は、ホモポリマー又はコポリマー又はこれらの組み合わせを含み得る。
成分(B)は、式(ii):
の基の中に含有される加水分解性置換基を有してもよく、
式中、各Dは、酸素原子、二価の有機基、二価のシリコーン有機基、又は二価の炭化水素基と二価のシロキサン基とのの組み合わせを独立して表し、各Xは、加水分解置換基を独立して表し、各Rは、一価の炭化水素基を独立して表し、下付き文字cは、0、1、2、又は3を表し、下付き文字aは、0、1、又は2を表し、下付き文字bは、0以上の値を有し、ただし(a+c)の合計が少なくとも1であるとき、これにより平均で少なくとも1つのXが式中に存在する。あるいは、下付き文字bは、0〜18の範囲の値を有し得る。
あるいは、各Dは独立して、酸素原子及び二価の炭化水素基から選択され得る。あるいは、各Dは、酸素原子であり得る。あるいは、各Dは、アルキレン基(例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン又はヘキシレン)、アリーレン基(例えば、フェニレン)、又はアルキルアリーレン基(例えば、
)により例示される二価の炭化水素基であり得る。あるいは、Dの例は酸素原子であり得、一方、Dの異なる例は二価の炭化水素基である。
あるいは、各Xは、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アミド基(アセタミド、メチルアセタミド基、又はベンズアミド基など)、アシルオキシ基(アセトキシなど)、アミノ基、アミノオキシ基、水酸基、メルカプト基、オキシム基、ケトキシム基、及びハロゲン原子からなる群より独立して選択される加水分解置換基であってもよい。あるいは、各Xは、アルコキシ基、アミド基、アシルオキシ基、アミノ基、水酸基、及びオキシム基からなる群より独立して選択されてもよい。
あるいは、上記の式中の各Rは独立して、1〜20個の炭素原子のアルキル基、6〜20個の炭素原子のアリル基、及び7〜20個の炭素原子のアラルキル基から選択され得る。
あるいは、下付き文字bは0であり得る。
成分(B)は、ベースポリマーの0.2mol%〜10mol%、あるいは0.5mol%〜5mol%、あるいは0.5mol%〜2.0mol%、あるいは0.5mol%〜1.5mol%、あるいは0.6mol%〜1.2mol%の範囲の量で上記の式(ii)により説明されている基を含み得る。
成分(B)は、直鎖構造を持つポリオルガノシロキサン主鎖、すなわち、ポリジオルガノシロキサン主鎖を有し得る。成分(B)がポリジオルガノシロキサン主鎖を有する場合、成分(B)は、アルコキシ末端封鎖ポリジオルガノシロキサン、アルコキシシリルヒドロカルビレン末端封鎖ポリジオルガノシロキサン、水酸末端封鎖ポリジオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせを含み得る。
成分(B)は、式(I)のポリジオルガノシロキサンを含み得:
の基の中に含有される加水分解性置換基を有してもよく、
(式中、各R1は独立して加水分解性置換基であり、各R2は独立して一価の有機基であり、各R3は独立して酸素原子又は二価の炭化水素基であり、各下付き文字dは独立して1、2又は3であり、下付き文字eは、25℃にて少なくとも100mPa.sの粘度及び/又は少なくとも87のDPを有するポリジオルガノシロキサンを与えるのに十分な値を有する整数である。DPは、ポリスチレン標準校正を使用して、GPCによって測定されてもよい。あるいは、下付き文字eは、1〜200,000の範囲の値を有し得る。)
R1に対する適切な加水分解性置換基としては、群Xに対する上記の加水分解性置換基が挙げられるが、これに限らない。あるいは、R1に対する加水分解性置換基は、ハロゲン原子、アセトアミド基、アシルオキシ基(アセトキシなどの)、アルコキシ基、アミド基、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、オキシモ基、ケトキシモ基、及びメチルアセトアミド基から選択されてもよい。
R2に好適な有機基としては、限定するものではないが、炭化水素基及びハロゲン化炭化水素基のような一価の有機基が挙げられる。R2の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリル(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びベンジル)、並びにアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)が挙げられる。R2の一価ハロゲン化炭化水素基の例としては、限定するものではないが、塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ素化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)、及びフッ素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル)が挙げられる。R2の他の一価の有機基の例としては、限定するものではないが、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)、及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)、及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル)が挙げられる。あるいは、各R2は、メチルなどのアルキル基であり得る。
成分(B)は、上記の式(I)において各下付き文字dが1であり、各R3が酸素原子である場合、α,ω−二官能性ポリジオルガノシロキサンを含み得る。例えば、成分(B)は、以下の式(II)を有し得る。R1R2 2SiO−(R2 2SiO)e’−SiR2 2R1(式中、R1及びR2は上記の通りであり、下付き文字e’は、式(II)のポリジオルガノシロキサンに上記の粘度を与えるのに十分な値を有する。あるいは、下付き文字e’は、1〜200,000、あるいは50〜1,000、あるいは200〜700の範囲の値を有し得る。)
あるいは、成分(B)は、上記の式(II)の水酸官能性ポリジオルガノシロキサンを含んでもよく、式中、各R1は水酸基であってもよく、各R2は、メチルなどのアルキル基であってもよく、下付き文字e’は水酸官能性ポリジオルガノシロキサンが25℃にて少なくとも100mPa・sの粘度を有するような値を有する場合がある。あるいは、下付き文字e’は、50〜700の範囲の値を有する場合がある。例示的な水酸末端封鎖ポリジオルガノシロキサンは、水酸末端封鎖ポリジメチルシロキサンである。成分(B)としての使用に好適な水酸末端封鎖ポリジオルガノシロキサンは、対応するオルガノハロシランの加水分解及び縮合、又は、環式ポリジオルガノシロキサンの平衡化といった、当該技術分野において既知の方法により調製され得る。
あるいは、成分(B)は、例えば、上記の式(I)において各R3が二価の炭化水素基、又は二価の炭化水素基と二価シロキサン基の組み合わせである場合に、アルコキシシリルヒドロカルビレン末端封鎖ポリジオルガノシロキサンを含み得る。各R3は、アルキレン基(例えば、エチレン、プロピレン又はヘキシレン)、アリーレン基(例えば、フェニレン)、又はアルキルアリーレン基(例えば、
)により例示される二価の炭化水素基であり得る。あるいは、各R1及び各R2はアルキルであり得、各R3は、アルキレン(例えば、エチレン)であり得、各下付き文字dは3であり得る。
アルコキシシリルヒドロカルビレン末端封鎖ポリジオルガノシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサンを(アルコキシシリルヒドロカルビル)テトラメチルジシロキサンと反応させることにより、調製され得る。
あるいは、成分(B)は、水分硬化性シラン官能性有機ポリマーを含み得る。あるいは、有機ポリマーは、ポリマー主鎖中の少なくとも半分の原子が、ケイ素原子に結合した加水分解性置換基を含有する末端水分硬化性シリル基を有する炭素原子ポリマーであり得る。有機ポリマーは、例えば、炭化水素ポリマー、ポリエーテル、アクリレートポリマー、ポリウレタン及びポリ尿素から選択することができる。
成分(B)は、エラストマーであってよく、すなわち、0℃未満のガラス転移温度(Tg)を有し得る。成分(B)がエラストマーである場合、成分(B)は、Tgに基づいて半結晶質及び非晶質ポリオレフィン(例えば、α−オレフィン)とは区別することができ、一般に熱可塑性ポリマーと呼ばれる。
成分(B)は、シリル化ポリ(α−オレフィン)、イソ−モノ−オレフィンとビニル芳香族モノマーのシリル化コポリマー、ジエンとビニル芳香族モノマーのシリル化コポリマー、オレフィンとジエンのシリル化コポリマー(例えば、所望によりハロゲン化され場合がある、ポリイソブチレンとイソプレンから調製されたシリル化ブチルゴム)、又はこれらの組み合わせ(シリル化コポリマー)、イソ−モノ−オレフィンのシリル化ホモポリマー、ビニル芳香族モノマーのシリル化ホモポリマー、ジエンのシリル化ホモポリマー(例えば、シリル化ポリブタジエン又はシリル化水素添加ポリブタジエン)、又はこれらの組み合わせ(シリル化ホモポリマー)、又はシリル化コポリマーとシリル化ホモポリマーの組み合わせを含んでもよい。議論を進めるため、シリル化コポリマー及びシリル化ホモポリマーは、集合的に「シリル化ポリマー」と表される。シリル化ポリマーは、所望により1つ以上のハロゲン基、特にシリル化ポリマーの原子に共有結合した臭素基を含有してもよい。
好適なモノ−イソ−オレフィンの例としては、限定するものではないが、イソアルキレン(例えば、イソブチレン、イソペンチレン、イソヘキシレン及びイソヘプチレン)、あるいはイソブチレンが挙げられる。好適なビニル芳香族モノマーの例としては、限定するものではないが、アルキルスチレン(例えば、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン及びパラ−メチルスチレン)、あるいはパラ−メチルスチレンが挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びt−ブチル、あるいはメチルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル及びヘキセニル、あるいはビニルが挙げられる。シリル化有機ポリマーは、20,000〜500,000、あるいは50,000〜200,000、あるいは20,000〜100,000、あるいは25,000〜50,000、あるいは28,000〜35,000の範囲のMnを有してもよく、ここで、Mnの値は1モル当たりグラム(g/mol)で示され、トリプル検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン分子量標準に基づいて計算した。
適切なシリル化ポリ(α−オレフィン)の例は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例としては、VESTOPLAST(登録商標)として流通している縮合反応硬化性シリル化ポリマーが挙げられ、これはDegussa AG Coatings & Colorants(Marl,Germany,Europe)から市販されている。
簡潔に述べると、シリル化コポリマーを調製する方法は、i)少なくとも50モル%の4〜7個の炭素原子を有するイソ−モノ−オレフィンの残部を含む繰り返し単位、及び最大でも50モル%のビニル芳香族モノマーの残部を含む繰り返し単位を有するオレフィンコポリマー;ii)少なくとも2つの加水分解基及び少なくとも1つのオレフィン系不飽和炭化水素又はヒドロカーボンオキシ基を有するシラン;及びiii)フリーラジカル発生剤に接触することを含む。
あるいは、シリル化コポリマーは、既知の方法(例えば、イソシアネート官能性アルコキシシランと反応させる手法、Naの存在下で塩化アリルと反応させ、その後、ヒドロシリル化する手法)により、市販の水酸化ポリブタジエン(例えば、Cray Valley SA(Paris,France)から商品名Poly BD及びKrasolで市販されているもの)を転化する工程を含む方法により、調製され得る。
あるいは、適切なシラン改質炭化水素ポリマーの例としては、テレケリックポリマーの形態で市販されているシラン改質ポリイソブチレンが挙げられる。シラン改質ポリイソブチレンは、例えば、シリル置換アルキルアクリレート又はメタクリレートモノマー(例えば、ジアルコキシアルキルシリルプロピルメタクリレート又はトリアルコキシシリルプロピルメタクリレート)から誘導された硬化性シリル基を含有することができ、これは、リビングアニオン重合、原子移動ラジカル重合又は連鎖移動重合により調製されたポリイソブチレンと反応することができる。
あるいは、成分(B)は、ポリエーテルを含み得る。ポリエーテルの1つのタイプは、式(−CtH2t−O−)の繰り返しオキシアルキレン単位を含むポリオキシアルキレンポリマーであり、式中、下付き文字tは2〜4の範囲の値を有する整数である。ポリオキシアルキレンポリマーは典型的には末端水酸基を有し、例えば、末端水酸基の過剰なアルキルトリアルコキシシランとの反応によって末端アルキルジアルコキシシリル基を導入することにより、ケイ素原子に結合した加水分解性置換基を有するシリル基で容易に末端封鎖することができる。あるいは、重合は、ヒドロシリル化型プロセスによって生じ得る。ほとんどオキシプロピレン単位から構成されるポリオキシアルキレンは、多くの封止剤用途に好適な特性を有し得る。末端アルキルジアルコキシシリル又はトリアルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレンポリマー(特にポリオキシプロピレン)は、成分(A)及び水分の存在下で互いに反応し得る。これらのベースポリマーを含有する組成物は、所望により更に架橋剤を含んでもよい。
あるいは、加水分解性シリル基を有する有機ポリマーは、アクリレートポリマーとすることができ、これはアクリレート及び/又はメタクリレートエステルモノマーの付加ポリマーであり、アクリレートポリマー中に少なくとも50モル%のモノマー繰り返し単位を含んでもよい。適切なアクリレートエステルモノマーの例は、n−ブチル、イソブチル、n−プロピル、エチル、メチル、n−ヘキシル、n−オクチル、及び2−エチルヘキシルアクリレートである。適切なメタクリレート樹脂エステルモノマーの例は、n−ブチル、イソブチル、メチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、及びラウリルメタクリレートである。一部の用途では、アクリレートポリマーは、周囲温度よりも低いTgを有する場合があり、アクリレートポリマーはメタクリレートポリマーよりも低いTgのポリマーを形成する場合がある。例示的なアクリレートポリマーは、ポリブチルアクリレートである。アクリレートポリマーは、スチレン、アクリロニトリル又はアクリルアミドのような他のモノマーをより少量含有する。アクリレートポリマーは、従来のラジカル重合又はリビングラジカル重合(例えば、原子移動ラジカル重合)、可逆的付加開裂連鎖移動重合、又はアニオン重合(例えば、リビングアニオン重合)といった様々な方法により調製することができる。硬化性シリル基は、例えば、シリル置換アルキルアクリレート又はメタクリレートモノマーから誘導することができる。加水分解性シリル基(例えば、ジアルコキシアルキルシリル又はトリアルコキシシリル基)は、例えば、ジアルコキシアルキルシリルプロピルメタクリレート又はトリアルコキシシリルプロピルメタクリレートから誘導することができる。アクリレートポリマーが、反応性末端基を形成する重合プロセス(例えば、原子移動ラジカル重合、連鎖移動重合又はリビングアニオン重合)により調製された場合、アクリレートポリマーは、シリル置換アルキルアクリレート又はメタクリレートモノマーと容易に反応して、末端加水分解性シリル基を形成することができる。
シラン改質ポリウレタン又はポリ尿素は、例えば、末端エチレン性不飽和基を有するポリウレタン又はポリ尿素を、加水分解性基とSi−H基とを含有するシリルモノマー(例えば、ジアルコキシアルキルケイ素水素化物又はトリアルコキシケイ素水素化物)と反応させることにより、調製することができる。
あるいは、ベースポリマーは、シリコーン−有機ブロックコポリマー主鎖を有し得、これは少なくとも1個のポリオルガノシロキサン基のブロックと、少なくとも1個の有機ポリマー鎖のブロックと、を含む。ポリオルガノシロキサン基は、式−(R4 fSiO(4−f)/2)−の基を含む場合があり、式中、各R4は独立して、有機基(1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜18個の炭素原子を有するハロゲン化炭化水素基(クロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル、及びノナフルオロヘキシルなど)、18個以下の炭素原子を有するハイドロカーボンオキシ基など)、又は、酸素原子含有基((メタ)アクリル又はカルボキシルなど)、窒素原子含有基(ミノ官能基、アミド官能基、及びシアノ官能基など)、イオウ原子含有基(メルカプト基など)により例示される別の有機基であり、下付き文字fは平均で1〜3、あるいは1.8〜2.2の範囲の値を有する。
あるいは、各R4は、1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基、又はハロゲン化炭化水素基であり得、下付き文字fは0、1又は2であり得る。R4に好適な基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、シクロヘキシル、フェニル、トリル基、塩素又はフッ素で置換されたプロピル基(例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル)、クロロフェニル、β−(ペルフルオロブチル)エチル又はクロロシクロヘキシル基が挙げられる。
ポリマー主鎖中の有機ブロックは、例えば、ポリスチレン及び/又は置換ポリスチレン、例えば、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(ビニルメチルスチレン)、ジエン、ポリ(p−トリメチルシリルスチレン)及びポリ(p−トリメチルシリル−α−メチルスチレン)を含み得る。ポリマー主鎖中に組み込まれてもよい他の有機基としては、アセチレン末端オリゴフェニレン、ビニルベンジル末端芳香族ポリスルホンオリゴマー、芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステル系モノマー、ポリアルキレン、ポリウレタン、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリアミド、及び芳香族ポリアミドを挙げることができる。
あるいは、成分(B)に対するシロキサン有機ブロックコポリマー中の有機ポリマーブロックは、平均的な式(−CgH2g−O−)hで例示される繰り返しオキシアルキレン単位を含むポリオキシアルキレン系ブロックであってもよく、式中、下付き文字gは、2〜4の範囲の値の整数であり、下付き文字hは、少なくとも4の整数である。各ポリオキシアルキレンポリマーブロックの数平均分子量(Mn)は、300〜10,000の範囲であってもよい。更に、オキシアルキレン単位は、ポリオキシアルキレンブロックを通して必ずしも同一でなくてもよいが、単位ごとに異なる可能性がある。例えば、ポリオキシアルキレンブロックは、オキシエチレン単位(−C2H4−O−)、オキシプロピレン単位(−C3H6−O−)又はオキシブチレン単位(−C4H8−O−)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。あるいは、ポリオキシアルキレンポリマーの主鎖は、本質的にオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位からなる。他のポリオキシアルキレンブロックは、例えば、構造:−[−R5−O−(−R6−O−)i−Pn−CR7 2−Pn−O−(−R6−O−)j−R5]−の単位を含んでもよく、式中、Pnは、1,4−フェニレン基であって、各R5は、同一又は異なり、かつこれは、2〜8個の炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、各R6は、同一又は異なり、かつこれは、エチレン基又はプロピレン基であり、各R7は、同一又は異なり、かつこれは水素原子又はメチル基であり、各下付き文字i及びjは、3〜30の範囲の値を有する正の整数を表す。
あるいは、成分(B)は、成分(B)について上述したポリマーのうちの1つに加えて又はその代わりに、シリコーン樹脂を含み得る。好適なシリコーン樹脂は、MQ樹脂により例示され、これは、次の式のシロキサン単位を含む:
R29 wR30 (3−w)SiO1/2及びSiO4/2(式中、R29及びR30は、一価の有機基(例えば、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリル(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びベンジル)、及びアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)により例示される一価の炭化水素基)、ハロゲン化炭化水素基(塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ素化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)及びフッ素化シクロアルキル(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル)により例示される)、並びに、他の一価の有機基(例えば、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル))であり、下付き文字wの各例は、0、1又は2である。あるいは、各R29及び各R30は、アルキル基であり得る。)MQ樹脂は、0.5:1〜1.5:1の、Mユニット対Qユニットのモル比(M:Q)を有し得る。これらのモル比は、Si29 NMR分光法により簡単に測定される。この技法は、シリコーン樹脂の総水酸量に加えて、シリコーン樹脂及び最初のシリコーン樹脂中に存在したネオペンタマー(neopentamer)Si(OSiMe3)4から誘導されたR29 3 SiO1/2(「M」)単位とSiO4/2(「Q」)単位の濃度を量的に測定することができる。
MQシリコーン樹脂は、液体炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン及びヘプタンにより例示される)のような溶媒又は液体有機ケイ素化合物(低粘度環状及び直鎖ポリジオルガノシロキサン)に可溶性である。
MQシリコーン樹脂は、式X”SiO3/2により表される末端単位を2.0%以下、あるいは0.7%以下、あるいは0.3%以下含有し得る(式中、X”は、水酸又は加水分解性基(例えば、アルコキシ(例えば、メトキシ及びエトキシ)、アルケニルオキシ(例えば、イソプロペニルオキシ)、ケトキシモ(例えば、メチルエチルケトキシモ)、カルボキシ(例えば、アセトキシ)、アミドオキシ(例えば、アセトアミドオキシ)及びアミノキシ(例えば、N,N−ジメチルアミノキシ))を表す。)シリコーン樹脂中に存在するシラノール基の濃度は、FTIRを使用して測定することができる。
MQシリコーン樹脂の所望の流動特性を達成するのに必要とされるMnは、シリコーン樹脂のMn、及びこの成分中に存在するR29により表される有機基の種類に少なくとも部分的に依存する可能性がある。MQシリコーン樹脂のMnは、典型的には3,000超、より典型的には4500〜7500である。
MQシリコーン樹脂は、任意の好適な方法により調製することができる。このタイプのシリコーン樹脂は、報告によると、対応するシランの共加水分解により、又は当該技術分野において既知のシリカヒドロゾルキャッピング法(silica hydrosol capping methods)により、調製されている。簡単に述べると、この方法は、酸性条件下でシリカヒドロゾルをトリメチルクロロシランなどの加水分解性トリオルガノシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン又はそれらの組み合わせと反応させる工程と、M及びQ単位を含む生成物(MQ樹脂)を回収する工程を包含する。得られるMQ樹脂は、2〜5重量パーセントのケイ素結合水酸基を含有し得る。
MQシリコーン樹脂を調製するのに使用される中間体は、式R29 3SiXのトリオルガノシランであり得る(式中、Xは、成分(B)について上述したように、4個の加水分解性基(例えば、ハロゲン、アルコキシ又は水酸)を有するシラン、又はアルカリ金属ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム)のいずれかのシラン加水分解性基を表す。)
一部の組成物では、シリコーン樹脂中のケイ素結合水酸基(すなわち、HOR29SiO1/2又はHOSiO3/2基)の量は、シリコーン樹脂の総重量の0.7重量%未満、あるいは0.3重量%未満であることが望ましい場合がある。シリコーン樹脂の調製中に形成されるケイ素結合水酸基は、シリコーン樹脂を、適切な末端基を含有するシラン、ジシロキサン又はジシラザンと反応させることにより、トリヒドロカルビルシロキシ基又は加水分解性基に転化される。加水分解性基を含有するシランは、シリコーン樹脂のケイ素結合水酸基の化学量論的量よりも過剰に添加される場合がある。
様々な好適なMQ樹脂が、例えばDow Corning Corporation(Midland、MI、U.S.A.)、Momentive Performance Materials(Albany、N.Y.、U.S.A.)、及びBluestar Silicones USA Corp.(East Brunswick、N.J.、U.S.A.)などの企業から市販されている。例えば、DOW CORNING(登録商標)MQ−1600固形樹脂、DOW CORNING(登録商標)MQ−1601固形樹脂、及びDOW CORNING(登録商標)1250界面活性剤、DOW CORNING(登録商標)7466樹脂、及びDOW CORNING(登録商標)7366樹脂(これらは全てDow Corning Corporationから市販されている)が、本明細書に記述されている方法での使用に好適である。あるいは、これもDow Corning Corporationから市販されているDOW CORNING(登録商標)MQ−1640 Flake樹脂のようなM、T及びQ単位を含有する樹脂が使用され得る。このような樹脂は、有機溶媒の溶液として供給され得る。
あるいは、シリコーン樹脂は、シルセスキオキサン樹脂、すなわち、式(R31SiO3/2)のT単位を含有する樹脂を含み得る。各R31は独立して水素原子及び一価の有機基、例えば、一価の炭化水素基(アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリル(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びベンジル)、及びアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)により例示される)、ハロゲン化炭化水素基(塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ素化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)、及びフッ素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルにより例示される))、及び別の一価の有機基(例えば、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)、及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル))から選択され得る。本明細書での使用に好適なシルセスキオキサン樹脂は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例えば、15のDPを有するメチルメトキシシロキサンメチルシルセスキオキサン樹脂及び1200g/molの重量平均分子量(Mw)は、Dow Corning Corporation(米国ミシガン州、Midland)からDOW CORNING(登録商標)US−CF 2403 Resinとして市販されている。あるいは、シルセスキオキサン樹脂は、フェニルシルセスキオキサン単位、メチルシルセスキオキサン単位、又はこれらの組み合わせを有してもよい。このような樹脂は、当該技術分野において既知であり、これもまたDow Corning CorporationからDOW CORNING(登録商標)200 Flake樹脂として市販されている。あるいは、シリコーン樹脂は、式(R31 2SiO2/2)及び/又は(R31R32SiO2/2)のD単位と、式(R31SiO3/2)及び/又は(R32SiO3/2)のT単位とを含み得る、すなわち、DT樹脂である(式中、R31は上記の通りであり、R32は、上記のX基のような加水分解性基である。)DT樹脂は当該技術分野において既知であり、市販されており、例えば、メトキシ官能性DT樹脂としては、DOW CORNING(登録商標)3074及びDOW CORNING(登録商標)3037樹脂が挙げられ、シラノール官能性樹脂としては、DOW CORNING(登録商標)800 Series樹脂が挙げられ、これらもまたDow Corning Corporationから市販されている。他の好適な樹脂としては、メチル及びフェニル基を含有するDT樹脂が挙げられる。
組成物に添加されるシリコーン樹脂の量は、組成物の最終用途に応じ変動する可能性がある。例えば、組成物の反応生成物がゲルである場合、シリコーン樹脂はほとんど又は全く添加されない可能性もある。しかしながら、組成物中のシリコーン樹脂の量は、組成物の全成分の重量に基づいて0〜90重量%、あるいは0.1〜50重量%の範囲であり得る。
成分(B)の量は、組成物の反応生成物の最終用途、成分(B)のために選択されるベースポリマーの種類、並びに存在する場合には、任意の追加の成分の種類及び量といった様々な因子に依存する可能性がある。しかしながら、成分(B)の量は、組成物の0.01〜99重量%、あるいは10〜95重量%、あるいは10〜65重量%の範囲であり得る。
成分(B)は、1つの単一ベースポリマー、又は以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上のベースポリマーを含む組み合わせであり得る:平均分子量、加水分解性置換基、シロキサン単位、配列、及び粘度。成分(B)の1つのベースポリマーが1分子当たり平均で1〜2個のみの加水分解性置換基を含有する場合、組成物は、1分子当たり平均で2個を超える加水分解性置換基を有する追加のベースポリマー、又は成分(C)架橋剤を更に含み得る。
組成物は、所望により、1つ以上の追加成分を更に含んでもよく、すなわち、成分(A)及び(B)に加えて、成分(A)及び(B)とは異なる1つ以上の成分を更に含んでもよい。追加成分は、存在する場合、組成物の使用方法及び/又は組成物の硬化生成物の最終用途のような因子に基づいて選択され得る。追加成分は、(C)架橋剤;(D)乾燥剤;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤(例えば、(f1)補強充填剤、(f2)増量充填剤、(f3)伝導性充填剤(例えば、導電性、熱伝導性又はその両方));(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤(例えば、(h1)殺真菌剤、(h2)除草剤、(h3)殺虫剤又は(h4)抗菌剤);(J)難燃剤;(K)表面改質剤(例えば、(k1)接着促進剤又は(k2)離型剤);(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)非反応性結合剤;(O)老化防止添加剤;(P)水放出剤;(Q)顔料;(R)レオロジー添加剤;(S)ビヒクル;(T)粘着付与剤;(U)腐食防止剤;及びこれらの組み合わせであってもよい。更なる成分は、互いに異なる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの、代替的な更なる成分(C)から(U)のそれぞれ、及びこれらの組み合わせであり、成分(B)の縮合反応を完全には妨げない。
成分(C)は、成分(B)が1分子当たり平均で1又は2個のみの加水分解性置換基を含有する場合に、並びに/あるいは、組成物の縮合反応により調製される反応生成物の架橋密度を増加させるために、組成物に添加され得る架橋剤である。一般に、成分(C)は、組成物の反応生成物において所望される架橋度に依存して変動する可能性がある官能基により、並びに、反応生成物が縮合反応の副生成物に起因する重量喪失を著しく示すことのないように、選択される。一般に、成分(C)の選択は、組成物が、水分不透過性パッケージにおいて、数ヶ月にわたる保存中に有用であるべく十分な反応性を保つように、行われる。一般的に、成分(C)は、成分(C)の加水分解置換基が、成分(B)と反応性であるように選択される。例えば、成分(B)中のXが水酸基である場合、成分(C)に対する加水分解置換基は、水素原子、ハロゲン原子;アミド基、アシルオキシ基、ヒドロカーボンオキシ基、アミノ基、アミノオキシ基、メルカプト基、オキシム基、ケトオキシム基、又はアルコキシシリルヒドロカルビレン基、又はこれらの組み合わせであってもよい。成分(C)の正確な量は、選択されるベースポリマー及び架橋剤の種類、ベースポリマー及び架橋剤の加水分解性可能な置換基の反応性、並びに、反応生成物に所望される架橋密度といった因子に依存して変動する可能性がある。しかしながら、架橋剤の量は、成分(B)100重量部に基づいて、0.5〜100重量部の範囲であり得る。
成分(C)は、加水分解性基を有するシラン架橋剤、又はその部分若しくは完全加水分解生成物を含み得る。成分(C)は、成分(B)の加水分解性置換基と反応性である置換基を、1分子当たり平均で2個を超えて有する。成分(C)に好適なシラン架橋剤の例は、一般式(III)を有し得る:R8 kSi(R9)(4−k)(式中、各R8は独立して、一価の炭化水素基(例えば、アルキル基)であり、各R9は加水分解性置換基であり、これは成分(B)について上述したXと同じであり得る。あるいは、各R9は、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アセトアミド基、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、アルコキシ基、アミド基、アミノ基、アミノキシ基、水酸基、オキシモ基、ケトキシモ基、又はメチルアセトアミド基であってもよく、下付き文字kの各例は、0、1、2、又は3であってもよい。成分(C)について、下付き文字kは、2より大きい平均値を有する。あるいは、下付き文字kは、3〜4の範囲の値を有し得る。あるいは、各R9は独立して、水酸、アルコキシ、アセトキシ、アミド又はオキシムから選択され得る。あるいは、成分(C)は、アシルオキシシラン、アルコキシシラン、ケトキシモシラン、及びオキシモシランから選択され得る。)
成分(C)は、アルコキシシラン(ジアルコキシシラン(例えば、ジアルキルジアルコキシシラン)、トリアルコキシシラン(例えば、アルキルトリアルコキシシラン)、テトラアルコキシシランにより例示される)、又は、その部分若しくは完全加水分解生成物、又はこれらの別の組み合わせを含み得る。好適なトリアルコキシシランの例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせ、あるいは、メチルメトキシシランが挙げられる。好適なテトラアルコキシシランの例としては、テトラエトキシシランが挙げられる。硬化性シリコーン組成物中で使用されるアルコキシシランの量は、成分(B)100重量部当たり0.5〜15重量部の範囲であり得る。
成分(C)は、アシルオキシシラン(例えば、アセトキシシラン)を含み得る。アセトキシシランとしては、テトラアセトキシシラン、オルガノトリアセトキシシラン、ジオルガノジアセトキシシラン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。このアセトキシシランは、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル及び三級ブチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル又はヘキセニル)、アリル基(例えば、フェニル、トリル、又はキシリル)、アラルキル基(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)、及びフッ素化アルキル基(例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル)を含有し得る。例示のアセトキシシランとしては、限定するものではないが、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、プロピルトリアセトキシシラン、ブチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、オクチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、フェニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、成分(C)は、オルガノトリアセトキシシラン、例えば、メチルトリアセトキシシランとエチルトリアセトキシシランとを含む混合物、を含み得る。硬化性シリコーン組成物中で使用されるアセトキシシランの量は、成分(B)100重量部当たり0.5〜15重量部、あるいは3〜10重量部の範囲であり得る。
組成物中で使用され得るアルコキシ基とアセトキシ基とを両方含有する成分(C)に好適なシランの例としては、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、ビニルジアセトキシシラン、ビニルアセトキシジメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(C)に好適なアミノ官能性アルコキシシランは、H2N(CH2)2Si(OCH3)3、H2N(CH2)2Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、及びこれらの組み合わせによって例示される。
成分(C)に好適なオキシモシランとしては、アルキルトリオキシモシラン(例えば、メチルトリオキシモシラン、エチルトリオキシモシラン、プロピルトリオキシモシラン、及びブチルトリオキシモシラン)、アルコキシトリオキシモシラン(例えば、メトキシトリオキシモシラン、エトキシトリオキシモシラン及びプロポキシトリオキシモシラン)、又はアルケニルトリオキシモシラン(例えば、プロペニルトリオキシモシラン又はブテニルトリオキシモシラン)、アルケニルオキシモシラン(例えば、ビニルオキシモシラン)、アルケニルアルキルジオキシモシラン(例えば、ビニルメチルジオキシモシラン、ビニルエチルジオキシモシラン、ビニルメチルジオキシモシラン、又はビニルエチルジオキシモシラン)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(C)に好適なケトキシモシランとしては、メチルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(methyl tris(methylpropylketoximo)silane)、メチルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、エチルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン(ethyl tris(dimethylketoximo)silane)、エチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン(ethyl tris(methylethylketoximo)silane)、エチルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(ethyl tris(methylpropylketoximo)silane)、エチルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン(ethyl tris(methylisobutylketoximo)silane)、ビニルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(vinyl tris(methylpropylketoximo)silane)、ビニルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、テトラキス(ジメチルケトキシモ)シラン(tetrakis(dimethylketoximo)silane)、テトラキス(メチルエチルケトキシモ)シラン、テトラキス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(tetrakis(methylpropylketoximo)silane)、テトラキス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン(tetrakis(methylisobutylketoximo)silane)、メチルビス(ジメチルケトキシモ)シラン(methylbis(dimethylketoximo)silane)、メチルビス(シクロヘキシルケトキシモ)シラン(methylbis(cyclohexylketoximo)silane)、トリエトキシ(エチルメチルケトキシム)シラン(triethoxy(ethylmethylketoxime)silane)、ジエトキシジ(エチルメチルケトキシム)シラン(diethoxydi(ethylmethylketoxime)silane)、エトキシトリ(エチルメチルケトキシム)シラン、メチルビニルビス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン(methylvinylbis(methylisobutylketoximo)silane)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、成分(C)は、高分子であり得る。例えば、成分(C)は、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン)、1,4−ビス[トリメトキシシリル(エチル)]ベンゼン、及びビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドといった、ジシランを含み得る。
成分(C)は、1つの単一の架橋剤、又は、以下の特性のうちの少なくとも1つにおいて異なる2つ以上の架橋剤を含む組み合わせであり得る:加水分解性置換基、及びケイ素に結合した他の有機基、並びに、高分子架橋剤が使用される場合には、シロキサン単位、構造、分子量及び配列。
成分(D)は、乾燥剤である。乾燥剤は、様々な供給源由来の水を捕捉する。例えば、乾燥剤は、水及びアルコールといった、縮合反応の副生成物を捕捉し得る。
成分(D)に好適な吸着剤の例としては、無機粒子を挙げることができる。吸着剤は、10マイクロメートル以下、あるいは5マイクロメートル以下の粒径を有し得る。吸着剤は、例えば、10Å(オングストローム)以下、あるいは5Å以下、あるいは3Å以下といった、水及びアルコールを吸着するのに十分な平均孔径を有し得る。吸着剤の例としては、沸石(例えば、菱沸石、モルデン沸石及び方沸石)、分子篩(例えば、アルカリ金属のアルミノケイ酸塩、シリカゲル、シリカマグネシアゲル、活性炭、活性アルミナ、酸化カルシウム)及びこれらの組み合わせが挙げられる。
市販の乾燥剤の例としては、乾燥分子篩(例えば、Grace Davidsonから商品名SYLOSIV(登録商標)で、及びZeochem(Louisville,Kentucky,U.S.A.)から商品名PURMOLで市販されている3Å(オングストローム)の分子篩、並びに、Ineos Silicas(Warrington,England)から入手可能なDoucilゼオライト4Aなどの4Å(オングストローム)の分子篩)が挙げられる。他の有用な分子篩としては、UOP(米国、イリノイ州)から全て市販されているMOLSIV ADSORBENT TYPE 13X、3A、4A及び5A、Atofina(米国、ペンシルバニア州、Philadelphia)からのSILIPORITE NK 30AP及び65xP、並びに、W.R.Grace(米国、メリーランド州)から入手可能な分子篩が挙げられる。
あるいは、乾燥剤は、化学的手段により水及び/又は他の副生成物を捕捉し得る。(成分(C)に加えて)組成物に添加された一定量のシラン架橋剤は、化学的乾燥剤としても機能し得る。理論に束縛されるものではないが、化学的乾燥剤は、組成物の複数の構成部分を一緒に混合した後に、この組成物を水に触れさせないようにするために、多部構成(multiplepart)組成物の乾燥部分に添加され得る。例えば、乾燥剤として好適なアルコキシシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(D)の量は、選択される具体的な乾燥剤に依存する。しかしながら、成分(D)が化学的乾燥剤である場合、その量は、0部〜5部、あるいは0.1部〜0.5部の範囲であり得る。成分(D)は、1つの化学的乾燥剤であり得る。あるいは、成分(D)は、2つ以上の異なる化学的乾燥剤を含み得る。
成分(E)は、増量剤及び/又は可塑剤である。非官能性ポリオルガノシロキサンを含む増量剤を、組成物に使用することができる。例えば、非官能性ポリオルガノシロキサンは、式R22 2SiO2/2の二官能性単位及び式R23 3SiD’−の末端単位を有し得る(式中、各R22及び各R23は独立して一価の有機基(例えば、一価の炭化水素基(アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル及びブチル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル及びヘキセニル)、アリル(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びナフチル)、及びアラルキル基(例えば、フェニルエチル)により例示される)であり、D’は、酸素原子、又は末端単位のケイ素原子を別のケイ素原子と連結する二価基(例えば、成分(B)について上述した基D)であり、あるいは、D’は酸素原子である)。非官能性ポリオルガノシロキサンは、当該技術分野において既知であり、市販されている。好適な非官能性ポリオルガノシロキサンは、限定するものではないが、ポリジメチルシロキサンにより例示される。かかるポリジメチルシロキサンとしては、Dow Corning Corporation(米国、ミシガン州、Midland)から市販されているDOW CORNING(登録商標)200 Fluidsが挙げられ、5E−5m2/s〜0.1m2/s(50cSt〜100,000cSt)、あるいは5E−5m2/s〜0.05m2/s(50cSt〜50,000cSt)、あるいは0.0125〜0.06m2/s(12,500〜60,000cSt)の範囲の粘度を有し得る。
有機可塑剤は、上記の非官能性ポリオルガノシロキサン増量剤に加えて、又はその代わりに、使用され得る。有機可塑剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。有機可塑剤は、フタル酸塩、カルボン酸塩、カルボン酸エステル、アジピン酸塩、又はこれらの組み合わせを含み得る。有機可塑剤は、ビス(2−エチルヘキシル)テレフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボキシレート、2−エチルヘキシルメチル−1,4−ベンゼンジカルボキシレート、分枝状及び直鎖の1,2シクロヘキサンジカルボン酸,ジノニルエステル、ビス(2−プロピルへプチル)フタレート、ジイソノニルアジペート、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
有機可塑剤は、式
の基を1分子当たり平均で少なくとも1個有し得、式中、R18は、水素原子又は一価の有機基を表す。あるいは、R18は、分枝状又は直鎖一価の炭化水素基を表し得る。一価の有機基は、4〜15個の炭素原子、あるいは9個〜12個の炭素原子のアルキル基といった、分枝状又は直鎖の一価の炭化水素基であり得る。好適な可塑剤は、アジピン酸塩、カルボン酸塩、フタル酸塩及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
あるいは、有機可塑剤は、環式炭化水素中の炭素原子に結合した上記の式の基を、1分子当たり平均で少なくとも2個有し得る。有機可塑剤は、次の一般式を有し得る:
この式では、基Zは、3つ以上の炭素原子を有する炭素環式基、あるいは3〜15個の炭素原子を有する炭素環式基を表す。下付き文字sは、1〜12の範囲の値を有し得る。Z基は、飽和又は芳香族であり得る。各R20は独立して水素原子、又は分枝状若しくは直鎖の一価の有機基である。R19の一価の有機基は、メチル、エチル又はブチルといった、アルキル基であり得る。あるいは、R20の一価の有機基は、エステル官能基であり得る。各R19は独立して、4〜15個の炭素原子のアルキル基といった、分枝状又は直鎖の一価の炭化水素基である。
好適な有機可塑剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。可塑剤は、フタレート(ジブチルフタレート(Eastman(商標)DBP Plasticizer)、フタル酸ジヘプチル、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、又はフタル酸ジイソデシル(DIDP)などのフタル酸ジアルキル、ビス(2−プロピルヘプチル)フタレート(BASF Palatinol(登録商標)DPHP)、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート(Eastman(商標)DOP Plasticizer)、フタル酸ジメチル(Eastman(商標)DMP Plasticizer);フタル酸ジエチル(Eastman(商標)DMP Plasticizer);フタル酸ブチルベンジル、及びビス(2−エチルヘキシル)テレフタレート(Eastman(商標)425 Plasticizer)などの);ジカルボン酸塩(ベンジル、C7〜C9直鎖及び分枝状アルキルエステル、1,2,ベンゼンジカルボン酸(Ferro SANTICIZER(登録商標)261A)、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(BASF Palatinol(登録商標)TOTM−I)、ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボン酸塩(Eastman(商標)168 Plasticizer)などの);2−エチルヘキシルメチル−1,4−ベンゼンジカルボン酸塩;1,2シクロヘキサンジカルボン酸、ジノニルエステル、分枝状及び直鎖(BASF Hexamoll *DINCH);ジイソノニルアジパート;トリメリタート(トリオクチルトリメリテート(Eastman(商標)TOTM Plasticizer)などの);トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)(Eastman(商標)TEG−EH Plasticizer);トリアセチン(Eastman(商標)Triacetin);非芳香族二塩基酸エステル(ジオクチルアジパート、ビス(2−エチルヘキシル)アジパート(Eastman(商標)DOA Plasticizer及びEastman(商標)DOA Plasticizer、Kosher)、ジ−2−エチルヘキシルアジパート(BASF Plastomoll(登録商標)DOA)、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、及びコハク酸ジイソデシルなどの);脂肪族エステル(オレイン酸ブチル及びリシノール酸メチルアセチルなどの);リン酸塩(リン酸トリクレシル及びリン酸トリブチルなどの);塩素化パラフィン;炭化水素油(アルキルジフェニル及び部分的に水素添加したテルフェニルなどの);プロセス油;エポキシ可塑剤(エポキシ化した大豆油及びベンジルエポキシステアレートなどの);トリス(2−エチルヘキシル)エステル;脂肪酸エステル;並びにこれらの組み合わせを含んでもよい。他の適切な可塑剤の例及びその商業的入手源としては、BASF Palamoll(登録商標)652及びEastman 168 Xtreme(商標)Plasticizerが挙げられる。
あるいは、ポリマー可塑剤を使用することもできる。ポリマー可塑剤の例としては、様々な方法によりビニル若しくはアリルモノマーを重合することによって得られるアルケニルポリマー;ポリアルキレングリコールエステル(例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、及びペンタエリスリトールエステル);二塩基酸(例えば、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸及びフタル酸)と二価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコール)から得られるポリエステル可塑剤;それぞれ500以上の分子量を有するポリエーテルポリオール(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール)とポリスチレン(例えば、ポリスチレン及びポリ−α−メチルスチレン)とを含むポリエーテル;並びに、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエンアクリロニトリル及びポリクロロプレンが挙げられる。
有機可塑剤が存在する場合、有機可塑剤の量は、組成物中の全成分の総重量に基づいて、5〜150重量部の範囲であり得る。
成分(E)について上述したポリオルガノシロキサン増量剤及び有機可塑剤は、それぞれ単独で、又は、これらを2つ以上組み合わせて、のいずれかで使用され得る。低分子量有機可塑剤と高分子量ポリマー可塑剤を組み合わせて使用してもよい。組成物中で使用される成分(E)の正確な量は、組成物及びその硬化生成物の所望される最終用途といった様々な因子に依存する可能性がある。しかしながら、成分(E)の量は、組成物中の全成分の総重量に基づいて0.1〜10重量%の範囲であり得る。
成分(F)は、充填剤である。充填剤は、補強充填剤、増量充填剤、伝導性充填剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、組成物は、場合により、成分(f1)補強充填剤を更に含み得、これは、存在する場合には、組成物の0.1〜95重量%、あるいは1〜60重量%の範囲の量で添加され得る。成分(f1)の正確な量は、組成物の反応生成物の形態、及び、他の充填剤が添加されるかどうか、といった様々な因子によって異なる。好適な補強充填剤の例としては、補強シリカ充填剤(例えば、ヒュームシリカ、シリカエアロゲル、シリカキセロゲル及び沈殿シリカ)が挙げられる。ヒュームドシリカは、当該技術分野において既知であり、市販されている:例えば、Cabot Corporation(Massachusetts,U.S.A.)から名称CAB−O−SILで販売されているヒュームドシリカ。
組成物は、場合により、成分(f2)増量充填剤を、組成物の0.1〜95重量%、あるいは1〜60重量%、あるいは1〜20重量%の範囲の量で更に含み得る。増量充填剤の例としては、破砕石英、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム(例えば、軽質炭酸カルシウム)、酸化亜鉛、タルク、珪藻土、酸化鉄、粘土、雲母、白亜、二酸化チタン、ジルコニア、砂、カーボンブラック、グラファイト、又はこれらの組み合わせが挙げられる。増量充填剤は、当該技術分野において既知であり、例えば、U.S.Silica(Berkeley Springs,WV)により名称MIN−U−SILで販売されている破砕シリカといったように、市販されている。好適な軽質炭酸カルシウムとしては、SolvayからのWinnofil(登録商標)SPM、並びに、SMIからのUltrapflex(登録商標)及びUltrapflex(登録商標)100が挙げられる。
組成物は、場合により、成分(f3)伝導性充填剤を更に含む。伝導性充填剤は、熱伝導性又は導電性であってよく、あるいはいずれもであってもよい。伝導性充填剤は、当該技術分野において既知であり、金属粒子(例えば、アルミニウム、銅、金、ニッケル、銀、及びこれらの組み合わせ);非伝導性基材上にコーティングされたこのような金属;金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛及びこれらの組み合わせ)、溶融性充填剤(例えば、はんだ)、窒化アルミニウム、アルミニウム三水和物、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、炭素繊維、ダイヤモンド、グラファイト、水酸化マグネシウム、オニキス、炭化ケイ素、炭化タングステン、及びこれらの組み合わせにより例示される。
あるいは、他の充填剤が組成物に添加されてもよく、タイプ及び量は、組成物の硬化生成物の最終用途などの因子によって異なる。このような他の充填剤の例としては、磁気粒子(例えば、フェライト)、及び誘電性粒子(例えば、溶融ガラス微小球、チタニア、及び炭酸カルシウム)が挙げられる。
組成物は、場合により、成分(G)処理剤を更に含み得る。成分(G)の量は、選択される処理剤のタイプ、処理される粒子のタイプ及び量、粒子が組成物の添加前に処理されるのかどうか、又は粒子がその場で処理されるのかどうか、といった因子に応じて変動する可能性がある。しかしながら、成分(G)は、組成物の0.01〜20重量%、あるいは0.1〜15重量%、あるいは0.5〜5重量%の範囲の量で使用され得る。粒子、例えば、充填剤、物理的乾燥剤、特定の難燃剤、特定の顔料、及び/又は、特定の水放出剤は、存在する場合には、場合により、成分(G)で表面処理され得る。粒子は、組成物に添加される前に、又は、その場にて、成分(G)で処理され得る。成分(G)は、アルコキシシラン、アルコキシ官能性オリゴシロキサン、環式ポリオルガノシロキサン、水酸官能性オリゴシロキサン、例えば、ジメチルシロキサン、又はメチルフェニルシロキサン、又は脂肪酸を含み得る。脂肪酸の例としては、ステアリン酸カルシウムといったステアリン酸塩が挙げられる。
成分(G)として使用できる一部の代表的な有機ケイ素充填剤処理剤としては、シリカ充填剤を処理するのに通常使用される組成物、例えば、オルガノクロロシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザン(例えば、ヘキサアルキルジシラザン)、及びオルガノアルコキシシラン、例えば、C6H13Si(OCH3)3、C8H17Si(OC2H5)3、C10H21Si(OCH3)3、C12H25Si(OCH3)3、C14H29Si(OC2H5)3、及びC6H5CH2CH2Si(OCH3)3が挙げられる。使用できる他の処理剤としては、アルキルチオール、脂肪酸、チタン酸塩、チタン酸塩カップリング剤、ジルコン酸塩カップリング剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、成分(G)は、式:R13 oSi(OR14)(4−p)を有するアルコキシシランを含んでよい(式中、下付き文字pは1〜3の範囲の値を有し得、あるいは下付き文字pは3である。各R13は独立して、1〜50個の炭素原子、あるいは8〜30個の炭素原子、あるいは8〜18個の炭素原子の一価の炭化水素基といった、一価の有機基である。R13としては、ヘキシル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル及びオクタデシルなどのアルキル基、並びにベンジル及びフェニルエチルなどの芳香族基が挙げられる。R13は、飽和又は不飽和、並びに、分枝状又は非分枝状であり得る。あるいは、R13は、飽和及び非分枝状であり得る。
各R14は、独立して、1〜4個の炭素原子、あるいは1〜2個の炭素原子の飽和炭化水素基である。)成分(G)は、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせにより例示される。
アルコキシ官能性オリゴシロキサンはまた、処理剤としても使用され得る。例えば、好適なアルコキシ官能性オリゴシロキサンとしては、式(R15O)qSi(OSiR16 2R17)(4−q)のものが挙げられる。(式中、下付き文字qは1、2、又は3であり、あるいは下付き文字qは3である。各R15は、アルキル基であり得る。各R16は、1〜10個の炭素原子の不飽和一価の炭化水素基であり得る。各R17は、少なくとも10個の炭素原子を有する不飽和一価の炭化水素基であり得る。)
金属充填剤などの特定の粒子は、アルキルチオール(例えば、オクタデシルメルカプタン)、脂肪酸(例えば、オレイン酸及びステアリン酸)、及びこれらの組み合わせで処理され得る。
他の処理剤としては、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンが挙げられる。好適なアルケニル官能性ポリオルガノシロキサンとしては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:
式中下付き文字rは、最大1,500の値を有する。
あるいは、水素結合可能なポリオルガノシロキサンが、処理剤として有用である。充填剤の表面を処理するためのこの方法は、相溶性の部分を充填剤表面に繋ぎ止める手段として、集積している又は分散している又はその両方のいずれかの多数の水素結合を利用する。水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、水素結合可能なケイ素結合基を1分子当たり平均で少なくとも1個有する。この基は、多数の水酸官能基を有する有機基、又は、少なくとも1個のアミノ官能基を有する有機基から選択され得る。水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、水素結合が、充填剤に対するポリオルガノシロキサンにとっての主な連結様式であることを意味する。ポリオルガノシロキサンは、充填剤と共有結合を形成できなくてもよい。ポリオルガノシロキサンは、縮合可能なシリル基(例えば、ケイ素が結合したアルコキシ基、シラザン、及びシラノール)を含まなくてもよい。水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、糖−シロキサンポリマー、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。あるいは、水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、糖−シロキサンポリマーであり得る。
成分(H)は、殺生物剤である。成分(H)の量は、選択される殺生物剤の種類及び所望される効果といった因子に応じて変動する可能性がある。しかしながら、成分(H)の量は、組成物の全成分の重量に基づいて0重量%超〜5重量%の範囲であり得る。成分(H)は、(h1)殺真菌剤、(h2)除草剤、(h3)殺虫剤、(h4)抗菌剤、又はこれらの組み合わせにより、例示される。
成分(h1)は、殺真菌剤であり、例えば、殺真菌剤としては、N−置換ベンゾイミダゾールカルバメート、ベンゾイミダゾリルカルバメート(例えば、メチル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、エチル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、イソプロピル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−5−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−5−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[2−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{1−(N,N−ジメチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[N−メチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−クロロベンゾイミダゾリル]}カルバメート、及びメチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−ニトロベンゾイミダゾリル]}カルバメート)、10,10’−オキシビスフェノキサルシン(商品名:Vinyzene,OBPA)、ジ−ヨードメチル−パラ−トリルスルホン、ベンゾチオフェン−2−シクロヘキシルカルボキサミド−S,S−ジオキシド、N−(フルオロジクロリド(fluordichloride)メチルチオ)フタルイミド(商品名:Fluor−Folper,Preventol A3)、メチル−ベンゾイミダゾール−2−イルカルバメート(商品名:Carbendazim,Preventol BCM)、亜鉛−ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)(亜鉛ピリチオン)2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾール、N−フェニル−ヨードプロパルギルカルバメート、N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロリド−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、及び/又は、トリアゾリル化合物(例えば、銀を含有するゼオライトと組み合わせたテブコナゾール)が挙げられる。
成分(h2)は除草剤であり、例えば、好適な除草剤としては、アミド系除草剤(例えば、アリドクロルN,N−ジアリル−2−クロロアセトアミド、CDEA 2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド、エトニプロミド(RS)−2−[5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロフェノキシ]−N−エチルプロピオンアミド)、アニリド系除草剤(例えば、シサニリドシス−2,5−ジメチルピロリジン−1−カルボキシアニリド、フルフェナセット4’−フルオロ−N−イソプロピル−2−[5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ]アセトアニリド、ナプロアニリド(RS)−α−2−ナフトキシプロピオンアニリド)、アリルアラニン系除草剤(例えば、ベンゾイルプロップN−ベンゾイル−N−(3,4−ジクロロフェニル)−DL−アラニン、フラムプロップ−M N−ベンゾイル−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−D−アラニン)、クロロアセトアニリド系除草剤(例えば、ブタクロールN−ブトキシメチル−2−クロロ−2’,6’−ジエチルアセトアニリド、メタザクロル2−クロロ−N−(ピラゾール−1−イルメチル)アセト−2’,6’−キシリジド、プリナクロル(RS)−2−クロロ−N−(1−メチルプロパ−2−イニル)アセトアニリド)、スルホンアニリド系除草剤(例えば、クロランスラム3−クロロ−2−(5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イルスルホンアミド)安息香酸、メトスラム2’,6’−ジクロロ−5,7−ジメトキシ−3’−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−スルホンアニリド)、抗生物質系除草剤(例えば、ビラナホス4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−L−ホモアラニル−L−アラニル−L−アラニン)、安息香酸系除草剤(例えば、クロランベン3−アミノ−2,5−ジクロロ安息香酸、2,3,6−TBA 2,3,6−トリクロロ安息香酸)、ピリミジニルオキシ安息香酸系除草剤(例えば、ビスピリバック2,6−ビス(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)安息香酸)、ピリミジニルチオ安息香酸系除草剤(例えば、ピリチオバック2−クロロ−6−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルチオ)安息香酸)、フタル酸系除草剤(例えば、クロルタールテトラクロロテレフタル酸)、ピコリン酸系除草剤(例えば、アミノピラリド4−アミノ−3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸)、キノリンカルボン酸系除草剤(例えば、キンクロラック3,7−ジクロロキノリン−8−カルボン酸)、ヒ素系除草剤(例えば、CMAカルシウムビス(水素メチルアルソネート)、MAMAアンモニウム水素メチルアルソネート、亜ヒ酸ナトリウム)、ベンゾイルシクロヘキサンジオン系除草剤(例えば、メソトリオン2−(4−メシル−2−ニトロベンゾイル)シクロヘキサン−1,3−ジオン)、ベンゾフラニルアルキルスルホネート系除草剤(例えば、ベンフレセート2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチルベンゾフラン−5−イルエタンスルホネート)、カルバミン酸塩系除草剤(例えば、カルボキサゾールメチル5−tert−ブチル−1,2−オキサゾール−3−イルカルバメート、フェナスラム(fenasulam)メチル4−[2−(4−クロロ−o−トリルオキシ)アセトアミド]フェニルスルホニルカルバメート)、カルバニル酸塩系除草剤(例えば、BCPC(RS)−sec−ブチル3−クロロカルバニレート、デスメジファムエチル3−フェニルカルバモイルオキシフェニルカルバニレート、スウェップメチル3,4−ジクロロカルバニレート)、シクロヘキセンオキシム系除草剤(例えば、ブトロキシジム(RS)−(EZ)−5−(3−ブチリル−2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(1−エトキシイミノプロピル)−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エン−1−オン、テプラロキシジム(RS)−(EZ)−2−{1−[(2E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル}−3−ヒドロキシ−5−ペルヒドロピラン−4−イルシクロヘキサ−2−エン−1−オン)、シクロプロピルイソオキサゾール系除草剤(例えば、イソキサクロルトール4−クロロ−2−メシルフェニル5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−4−イルケトン)、ジカルボキシミド系除草剤(例えば、フルメジン2−メチル−4−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリル)−1,2,4−オキサジアジナン−3,5−ジオン)、ジニトロアニリン系除草剤(例えば、エタルフルラリンN−エチル−α,α,α−トリフルオロ−N−(2−メチルアリル)−2,6−ジニトロ−p−トルイジン、プロジアミン5−ジプロピルアミノ−α,α,α−トリフルオロ−4,6−ジニトロ−o−トルイジン)、ジニトロフェノール系除草剤(例えば、ジノプロップ4,6−ジニトロ−o−シメン−3−オール、エチノフェンα−エトキシ−4,6−ジニトロ−o−クレゾール)、ジフェニルエーテル系除草剤(例えば、エトキシフェンO−[2−クロロ−5−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリルオキシ)ベンゾイル]−L乳酸)、ニトロフェニルエーテル系除草剤(例えば、アクロニフェン2−クロロ−6−ニトロ−3−フェノキシアニリン、ニトロフェン2,4−ジクロロフェニル4−ニトロフェニルエーテル)、ジチオカルバメート系除草剤(例えば、ダゾメット3,5−ジメチル−1,3,5−チアジアジナン−2−チオン)、ハロゲン化脂肪族系除草剤(例えば、ダラポン2,2−ジクロロプロピオン酸)、クロロ酢酸)、イミダゾリノン系除草剤(例えば、イマザピル(RS)−2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)ニコチン酸)、無機除草剤(例えば、四ホウ酸二ナトリウム十水和物、アジ化ナトリウム)、ニトリル系除草剤(例えば、クロロキシニル3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシベンゾニトリル、イオキシニル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−ヨードベンゾニトリル)、有機リン系除草剤(例えば、アニロホスS−4−クロロ−N−イソプロピルカルバニロイルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオネート、グルホシネート4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニン)、フェノキシ系除草剤(例えば、クロメプロップ(RS)−2−(2,4−ジクロロ−m−トリルオキシ)プロピオンアニリド、フェンテラコール2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)エタノール)、フェノキシ酢酸系除草剤(例えば、MCPA(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)酢酸)、フェノキシ酪酸系除草剤(例えば、MCPB 4−(4−クロロ−o−トリルオキシ)酪酸)、フェノキシプロピオン酸系除草剤(例えば、フェノプロップ(RS)−2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)プロピオン酸)、アリルオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤(例えば、イソキサピリホップ(RS)−2−[2−[4−(3,5−ジクロロ−2−ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオニル]イソオキサゾリジン)、フェニレンジアミン系除草剤(例えば、ジニトラミンN1,N1−ジエチル−2,6−ジニトロ−4−トリフルオロメチル−m−フェニレンジアミン)、ピラゾリルオキシアセトフェノン系除草剤(例えば、ピラゾキシフェン2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノン)、ピラゾリルフェニル系除草剤(例えば、ピラフルフェン2−クロロ−5−(4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−1−メチルピラゾール−3−イル)−4−フルオロフェノキシ酢酸)、ピリダジン系除草剤(例えば、ピリダフォル6−クロロ−3−フェニルピリダジン−4−オール)、ピリダジノン系除草剤(例えば、クロリダゾン5−アミノ−4−クロロ−2−フェニルピリダジン−3(2H)−オン、オキサピラゾン5−ブロモ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−フェニルピリダジン−4−イルオキサム酸)、ピリジン系除草剤(例えば、フルロキシピル4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジルオキシ酢酸、チアゾピルメチル2−ジフルオロメチル−5−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−イソブチル−6−トリフルオロメチルニコチネート)、ピリミジンジアミン除草剤(例えば、イプリダム6−クロロ−N4−イソプロピルピリミジン−2,4−ジアミン)、四級アンモニウム系除草剤(例えば、ジエタムクアット1,1’−ビス(ジエチルカルバモイルメチル)−4,4’−ビピリジニウム、パラクアット1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジニウム)、チオカルバメート系除草剤(例えば、シクロエートS−エチルシクロヘキシル(エチル)チオカルバメート、チオカルバジルS−ベンジルジ−sec−ブチルチオカルバメート)、チオカルボネート除草剤(例えば、EXD O,O−ジエチルジチオビス(チオホルメート))、チオ尿素系除草剤(例えば、メチウロン1,1−ジメチル−3−m−トリル−2−チオ尿素)、トリアジン系除草剤(例えば、トリアジフラム(RS)−N−[2−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1−メチルエチル]−6−(1−フルオロ−1−メチルエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、クロロトリアジン系除草剤(例えば、シプラジン6−クロロ−N2−シクロプロピル−N4−イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン、プロパジン6−クロロ−N2,N4−ジ−イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、メトキシトリアジン系除草剤(例えば、プロメトンN2,N4−ジ−イソプロピル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、メチルチオトリアジン系除草剤(例えば、シアナトリン2−(4−エチルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2−メチルプロピオニトリル)、トリアジノン系除草剤(例えば、ヘキサジノン3−シクロヘキシル−6−ジメチルアミノ−1−メチル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン)、トリアゾール系除草剤(例えば、エプロナズN−エチル−N−プロピル−3−プロピルスルホニル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド)、トリアゾロン系除草剤(例えば、カルフェントラゾン(RS)−2−クロロ−3−{2−クロロ−5−[4−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−4−フルオロフェニル}プロピオン酸)、トリアゾールピリミジン系除草剤(例えば、フロラスラム2’,6’,8−トリフルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアニリド)、ウラシル系除草剤(例えば、フルプロパシルイソプロピル2−クロロ−5−(1,2,3,6−テトラヒドロ−3−メチル−2,6−ジオキソ−4−トリフルオロメチルピリミジン−1−イル)ベンゾエート)、尿素系除草剤(例えば、シクルロン3−シクロ−オクチル−1,1−ジメチル尿素、モニソウロン(monisouron)1−(5−tert−ブチル−1,2−オキサゾール−3−イル)−3−メチル尿素)、フェニル尿素系除草剤(例えば、クロロクスロン3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1,1−ジメチル尿素、シデュロン1−(2−メチルシクロヘキシル)−3−フェニル尿素)、ピリミジニルスルホニル尿素系除草剤(例えば、フラザスルフロン1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)尿素、ピラゾスルフロン5−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸)、トリアジニルスルホニル尿素除草剤(例えば、チフェンスルフロン3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)チオフェン−2−カルボン酸)、
チアジアゾリル尿素除草剤(例えば、テブチウロン1−(5−tert−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,3−ジメチル尿素)、並びに/又は、未分類の除草剤(例えば、クロルフェナック(2,3,6−トリクロロフェニル)酢酸、メタゾール2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1,2,4−オキサジアゾリジン−3,5−ジオン、トリタック(tritac)(RS)−1−(2,3,6−トリクロロベンジルオキシ)プロパン−2−オール、2,4−D、クロリムロン、及びフェノキサプロップ)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(h3)は、殺虫剤である。好適な殺虫剤は、アトラジン、ダイアジノン、及びクロロピリホスにより、例示される。議論を進めるため、殺虫剤は、昆虫忌避剤(例えば、N,N−ジエチル−メタ−トルアミド)及びプレスロイド(例えば、ピレトリン)を包含するものとする。
成分(h4)は、抗菌剤である。好適な抗菌剤は市販されており、例えば、DOW CORNING(登録商標)5700及びDOW CORNING(登録商標)5772が挙げられ、これらはDow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)からのものである。
あるいは、成分(H)は、例えば、ホウ素無水物、ホウ砂又は八ホウ酸二ナトリウム四水和物といったホウ素含有物質を含有してもよく、これは殺虫剤、殺真菌剤、及び/又は難燃剤として機能し得る。
成分(J)は、難燃剤である。好適な難燃剤としては、例えば、カーボンブラック、水酸化アルミニウム水和物、及びケイ酸塩(例えば、ウォラストナイト)、白金及び白金化合物を挙げることができる。あるいは、難燃剤は、ハロゲン系難燃剤(例えば、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド(octabromordiphenyloxide)、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモビフェニルオキシド、ジフェニルオキシベンゼン、エチレンビス−テトラブロモフタルアミド、ペンタブロモエチルベンゼン、ペンタブロモベンジルアクリレート、トリブロモフェニルマレイン酸イミド、テトラブロモビスフェニルA、ビス−(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス−(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ポリジブロモフェニレンオキシド、トリブロモフェニルアリルエーテル、ビス−ジブロモプロピルエーテル、テトラブロモフタル酸無水物、ジブロモネオペンチルグリコール、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ペンタブロモジフェニルオキシド、トリブロモスチレン、ペンタブロモクロロシクロヘキサン、テトラブロモキシレン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリスチレン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、トリフルオロプロペン及びPVC)から選択され得る。あるいは、難燃剤は、リン系難燃剤(例えば、(2,3−ジブロモプロピル)−ホスフェート、リン、環式リン酸塩、トリアリルホスフェート、ビス−メラミニウムペンテート、ペンタエリスリトール二環式ホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、ホスフィンオキシドジオール、トリフェニルホスフェート、トリス−(2−クロロエチル)ホスフェート)、リン酸エステル(例えば、トリクレイル(tricreyl)、トリキシレニル、イソデシルジフェニル、エチルヘキシルジフェニル)、様々なアミンのリン酸塩(例えば、リン酸アンモニウム、トリオクチル、トリブチル又はトリス−ブトキシエチルホスフェートエステル)から選択され得る。他の難燃剤としては、テトラアルキル鉛化合物(例えば、テトラエチル鉛)、ペンタカルボニル鉄、メチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル、メラミン及び誘導体(例えば、メラミン塩)、グアニジン、ジシアンジアミド、スルファミン酸アンモニウム、アルミナ三水和物、及び水酸化マグネシウムとアルミナ三水和物を挙げることができる。
難燃剤の量は、選択される難燃剤、及び溶媒が存在するかどうかといった因子に応じて変動する可能性がある。しかしながら、組成物中の難燃剤の量は、組成物の全成分の総重量に基づいて0重量%超〜10重量%の範囲であり得る。
成分(K)は、表面改質剤である。好適な表面改質剤は、(k1)接着促進剤又は(k2)離型剤により、例示される。成分(k1)に好適な接着促進剤は、遷移金属キレート、ハイドロカーボンオキシシラン、例えば、アルコキシシラン、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせ、アミノ官能性シラン、又はこれらの組み合わせを含み得る。接着促進剤は、当該技術分野において既知であり、式R24 tR25 uSi(OR26)4−(t+u)を有するシランを含んでよい(式中、各R24は独立して、少なくとも3個の炭素原子を有する一価の有機基であり、R25は、接着促進基(例えば、アミノ、エポキシ、メルカプト、又はアクリレート基)を有するSic結合置換基を少なくとも1個含有し、下付き文字tは0〜2の範囲の値を有し、下付き文字uは1又は2のいずれかであり、(t+u)の合計は3以下である。)あるいは、接着促進剤は、上記シランの部分縮合体を含み得る。あるいは、接着促進剤は、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせを含み得る。
あるいは、接着促進剤は、不飽和又はエポキシ官能性化合物を含み得る。あるいは、接着促進剤は、不飽和又はエポキシ官能性アルコキシシランを含み得る。例えば、官能性アルコキシシランは、式R27 vSi(OR28)(4−v)を有することができ、下付き文字vは1、2又は3であり、あるいは、下付き文字vは1である。各R27は、独立して一価の有機基であるが、ただし、少なくとも1つのR27は、不飽和有機基又はエポキシ官能性有機基である。R27のエポキシ官能性有機基は、3−グリシドキシプロピル及び(エポキシシクロヘキシル)エチルにより例示される。R27の不飽和有機基は、3−メタクリロイルオキシプロピル、3−アクリロイルオキシプロピル、並びに、ビニル、アリル、ヘキセニル、ウンデシレノイル(undecylenyl)などの不飽和一価の炭化水素基により例示される。各R28は、独立して、1〜4個の炭素原子、あるいは1〜2個の炭素原子の飽和炭化水素基である。R28は、メチル、エチル、プロピル及びブチルにより例示される。
好適なエポキシ官能性アルコキシシランの例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な不飽和アルコキシシランの例としては、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ウンデシレノイル(undecylenyl)トリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン及びこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、接着促進剤は、上記のようなヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランの反応生成物、又は、ヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランの物理的ブレンドなどのエポキシ官能性シロキサンを含み得る。接着促進剤は、エポキシ官能性アルコキシシランとエポキシ官能性シロキサンの組み合わせを含み得る。例えば、接着促進剤は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、ヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応生成物と、の混合物、あるいは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンの混合物、あるいは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニル/ジメチルシロキサンコポリマーの混合物により、例示される。
あるいは、接着促進剤は、H2N(CH2)2Si(OCH3)3、H2N(CH2)2Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、及びその組み合わせによって例示されるアミノ官能性アルコキシシランなどのアミノ官能性シランを含んでもよい。
あるいは、接着促進剤は、遷移金属キレートを含み得る。好適な遷移金属キレートとしては、チタン酸塩、アセチルアセトナトジルコニウムなどのジルコン酸塩、アセチルアセトナトアルミニウムなどのアルミニウムキレート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(k2)は、離型剤である。好適な離型剤は、フッ素化化合物(例えば、フルオロ官能性シリコーン又はフルオロ官能性有機化合物)により、例示される。
あるいは、成分(K)にの表面改質剤は、組成物の反応生成物の表面の外観を変化させるために使用することができる。例えば、表面改質剤は、組成物の反応生成物の表面の光沢を増加させるために使用することができる。このような表面改質剤は、アルキル及びアリル基を有するポリジオルガノシロキサンを含み得る。例えば、DOW CORNING(登録商標)550流体は、Dow Corning Corporationから市販されている0.000125m2/s(125cSt)の粘度を有するトリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルフェニル)シロキサンである。
あるいは、成分(K)は、亜麻仁油、桐油、大豆油、ヒマシ油、魚油、麻実油、綿実油、オイチシカ油及び菜種油といった、植物又は動物資源から得られる天然油であり得る。
成分(K)の正確な量は、成分(K)として選択される表面改質剤のタイプ、並びに、組成物及びその反応生成物の最終用途といった、様々な因子に応じて異なる。しかしながら、成分(K)は、存在する場合、組成物の重量に基づいて0.01〜50重量部、あるいは0.01〜10重量部、あるいは0.01〜5重量部の範囲の量で組成物に添加され得る。成分(K)は、1つの接着促進剤であってもよい。あるいは、成分(K)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる表面改質剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。
鎖延長剤は、二官能性シラン及び二官能性シロキサンを含んでよく、これらは、架橋が生じる前にポリオルガノシロキサン鎖の長さを延長する。鎖延長剤は、硬化生成物の引張弾性率を減少させるために使用することができる。鎖延長剤と架橋剤は、成分(B)中の加水分解性置換基との反応において競合する。顕著な鎖延長を得るためには、二官能性シランは、これと共に使用される三官能性架橋剤よりもかなり高い反応性を有する必要がある。好適な鎖延長剤としては、ジアミノシラン(例えば、ジアルキルジアセトアミドシラン又はアルケニルアルキルジアセトアミドシラン、特にメチルビニルジ(N−メチルアセトアミド)シラン又はジメチルジ(N−メチルアセトアミド)シラン)、ジアセトキシシラン(例えば、ジアルキルジアセトキシシラン又はアルキルアルケニルジアセトキシシラン)、ジアミノシラン(例えば、ジアルキルジアミノシラン又はアルキルアルケニルジアミノシラン)、ジアルコキシシラン(例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン)、並びに、α−アミノアルキルジアルコキシアルキルシラン、2〜25の重合度を有し、1分子当たり平均で少なくとも2個の加水分解性基(例えば、アセトアミド又はアセトキシ又はアミノ又はアルコキシ又はアミド又はケトキシモ置換基)を有するポリジアルキルシロキサン、並びに、ジケトキシミノシラン(diketoximinosilanes)(例えば、ジアルキルケトキシミノシラン及びアルキルアルケニルジケトキシミノシラン)が挙げられる。成分(L)は、1つの鎖延長剤であってもよい。あるいは、成分(L)は、以下の特性、すなわち構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列、のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる鎖延長剤を含んでもよい。
成分(M)は、末端封鎖剤であり、これはM単位、すなわち、式R29 3SiO1/2のシロキサン単位を含み、式中、各R29は独立して、一価の炭化水素基などの、一価の有機基の反応性ではない成分(B)を表す。成分(M)は、一方の末端をトリオルガノシリル基(例えば、(CH3)3SiO−)により、もう一方の末端を水酸基により末端封鎖されたポリオルガノシロキサンを含み得る。成分(M)は、ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)であり得る。水酸末端基とトリオルガノシリル末端基の両方を有するポリジオルガノシロキサンは、全ての末端基の50%超、あるいは75%超を水酸基として有し得る。ポリジメチルシロキサン中のトリオルガノシリル基の量は、組成物の縮合反応により調製される反応生成物の弾性率を制御するために使用することができる。理論に束縛されるものではないが、トリオルガノシリル末端基の濃度が高いほど、特定の硬化生成物における弾性率が低くなり得ると考えられている。成分(M)は、1つの末端封鎖剤であってもよい。あるいは、成分(M)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる末端封鎖剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。
成分(N)は、非反応性のエラストマー有機ポリマーであり、すなわち、成分(B)と反応しないエラストマー有機ポリマーである。成分(N)は成分(B)と相溶性であり、すなわち、成分(N)は成分(B)と二相系を形成しない。成分(N)の気体及び水分透過性は低くてもよい。成分(N)は、30,000〜75,000の範囲のMnを有し得る。あるいは、成分(N)は、高分子量の非反応性エラストマー有機ポリマーと低分子量の非反応性エラストマー有機ポリマーとのブレンドであり得る。この場合、高分子量ポリマーは100,000〜600,000の範囲のMnを有し、低分子量ポリマーは900〜10,000、あるいは900〜3,000の範囲のMnを有する。Mnの範囲の下端の値は、成分(N)が成分(B)及び組成物の他の成分と相溶性を有するように、選択され得る。
成分(N)は、ポリイソブチレンを含み得る。ポリイソブチレンは当該技術分野において既知であり、市販されている。成分(N)として使用に好適な例としては、BASF Corporation(ドイツ)により商品名OPPANOL(登録商標)で流通しているポリイソブチレンが挙げられる。
他のポリイソブチレンとしては、日油株式会社化成事業部(150〜6019日本、東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号恵比寿ガーデンプレイスタワー)の最高分子量の水素添加ポリイソブテンPARLEAM(登録商標)SV(POLYSYNLANE SV)(運動粘度(98.9℃)4700)といった異なるグレードのParleamが挙げられる。他のポリイソブチレンは、ExxonMobil Chemical Co.(Baytown,Texas,U.S.A.)から市販されており、例としては、商品名VISTANEX(登録商標)(例えば、MML−80、MML−100、MML−120、及びMML−140)で流通しているポリイソブチレンが挙げられる。VISTANEX(登録商標)ポリイソブチレンは、鎖末端オレフィン結合のみを含有する長い直鎖マクロ分子から構成されるパラフィン系炭化水素である。VISTANEX(登録商標)MMポリイソブチレンは、70,000〜90,000の範囲の粘度平均分子量を有する。低分子量ポリイソブチレンとしては、VISTANEX(登録商標)LM、例えば、LM−MS(8,700〜10,000の範囲の粘度平均分子量、これもまたExxonMobil Chemical Co.製)及びVISTANEX LM−MH(10,000〜11,700の粘度平均分子量)、並びに、AmocoからのSoltex PB−24(Mn 950)及びIndopol(登録商標)H−100(Mn 910)及びIndopol(登録商標)H−1200(Mn 2100)が挙げられる。他のポリイソブチレンは、BP Chemicals(London,England)により商品名NAPVIS(登録商標)及びHYVIS(登録商標)で流通している。これらのポリイソブチレンとしては、NAPVIS(登録商標)200、D10及びDE3、並びに、HYVIS(登録商標)200が挙げられる。NAPVIS(登録商標)ポリイソブチレンは、900〜1300の範囲のMnを有し得る。
あるいは、成分(N)は、ブチルゴムを含み得る。あるいは、成分(N)は、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。SEBS及びSEPSブロックコポリマーは、当該技術分野において既知であり、かつKraton Polymers U.S.LLC(米国、テキサス州、Houston)からKraton(登録商標)G polymersとして、及びKuraray America,Inc.(米国、ニューヨーク州、New York)からSepton polymersとして市販である。あるいは、成分(N)は、ポリオレフィンプラストマーを含んでもよい。ポリオレフィンプラストマーは、当該技術分野において既知であり、Dow Chemical Company,Elastomers & Specialty Products Division(Midland,Michigan,U.S.A.)からAFFINITY(登録商標)GA 1900及びAFFINITY(登録商標)GA 1950として市販されている。
成分(N)の量は、組成物の重量に基づいて0部〜50部、あるいは10部〜40部、あるいは5部〜35部の範囲であり得る。成分(N)は、1つの非反応性エラストマー有機ポリマーであり得る。あるいは、成分(N)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる非反応性エラストマー有機ポリマーを含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。あるいは、成分(N)は、成分(B)が有機ポリマー主鎖を有するベースポリマーを含む場合に、組成物に添加され得る。
成分(O)は、老化防止添加剤である。老化防止添加剤は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、熱安定剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。好適な酸化防止剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。好適な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、及び、フェノール系酸化防止剤と安定剤の組み合わせが挙げられる。フェノール系酸化防止剤は、完全立体障害フェノール及び部分障害フェノールを含む。あるいは、安定剤は、テトラメチル−ピペリジン誘導体のような立体障害アミンであってもよい。適切なフェノール系酸化防止剤としては、ビタミンE及びCiba Specialty Chemicals(米国)からのIRGANOX(登録商標)1010が挙げられる。IRGANOX(登録商標)1010は、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含む。紫外線吸収剤の例としては、分枝状及び直鎖の、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール(TINUVIN(登録商標)571)が挙げられる。紫外線安定剤の例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピぺリジル/セバケート、及びこれらの組み合わせ(TINUVIN(登録商標)272)が挙げられる。これらの及び他のTINUVIN(登録商標)添加物(TINUVIN(登録商標)765などの)は、Ciba Specialty Chemicals(米国、ニューヨーク州、Tarrytown)から市販されている。他のUV及び光安定剤は、ChemturaからのLowLite、PolyOneからのOnCap、E.I.du Pont de Nemours and Company(米国デラウェア州)からのLight Stabilizer 210によって市販され、例示される。オリゴマー(より高分子量)安定剤が、例えば、組成物又はその硬化した製品から出る安定剤の移動に対する潜在性を最小限にするために、代替的に使用されてもよい。オリゴマーの酸化防止剤安定剤(特に障害アミン光安定剤(HALS))は、Ciba TINUVIN(登録商標)622であり、これは、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールと共重合したブタン二酸のジメチルエステルである。熱安定剤は、酸化鉄及びカーボンブラック、カルボン酸鉄、セリウム水和物、ジルコン酸バリウム、オクタン酸セリウム及びオクタン酸ジルコニウム、並びにポルフィリンを含み得る。
成分(O)の量は、選択される特定の老化防止添加剤及び所望される老化防止効果といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、成分(O)の量は、組成物の重量に基づいて0〜5重量%、あるいは0.1〜4重量%、あるいは0.5〜3重量%の範囲であり得る。成分(O)は、1つの老化防止添加剤であってもよい。あるいは、成分(O)は、2つ以上の異なる老化防止添加剤であってもよい。
成分(P)は、適用温度範囲にわたって水を放出する水放出剤である。成分(P)は、組成物と部分的又は完全に反応するのに十分な量の水を成分(P)が含有するように、並びに、使用温度(すなわち、組成物が使用される温度)に十分な時間にわたって曝露されたときに成分(P)が十分な量の水を放出するように、選択される。しかしながら、成分(P)は、組成物の製造工程の間及び組成物を貯蔵する間に過度の水が放出されないように水を十分に捕捉する。例えば、成分(P)は、組成物が使用される適用プロセスの間又はその後に、十分な水が組成物の縮合反応に利用可能であるように、組成物の混練中に水を十分に捕捉する。この「制御放出」特性はまた、過度の水が適用プロセス中にあまりにも急速に放出されないようにするという効果をもたらし得るが、それは、これが組成物の縮合反応により形成される反応組成物中に発泡又は空隙を生じ得るからである。軽質炭酸カルシウムは、適用温度が80℃〜120℃、あるいは90℃〜110℃、あるいは90℃〜100℃の範囲である場合に、成分(P)として使用され得る。しかしながら、組成物が連続(二軸)混練装置で調製される場合、成分は、短い時間にわたって適合温度よりも20℃〜30℃高い温度にて混練され得る。それゆえに、成分(P)は、混練中に含水量の全てを放出せず、しかしながら、十分な時間にわたって適用温度範囲に曝露されると成分(P)が組成物の縮合反応に十分な量の水を放出するように、選択される。
好適な水放出剤の例は、金属塩水和物、水和分子篩、及びSolvayから商品名WINNOFIL(登録商標)SPMで入手可能な軽質炭酸カルシウムにより、例示される。選択される水放出剤は、組成物のために選択される他の成分、触媒の種類及び量、並びに混練、包装及び適用中のプロセス条件といった、様々な因子に依存する可能性がある。二軸混練装置において、滞留時間は、数分未満、典型的には1〜2分未満であり得る。成分は急速に加熱されるが、それは、容器における及び軸に沿った表面積/容積比が高く、成分をせん断することにより熱が生じるからである。どれだけの量の水が成分(P)から得られるかは、水結合能力、温度、曝露時間(持続時間)、及び混練装置の中を通過する組成物を剥離するために使用される真空のレベルに応じて異なる。理論に束縛されるものではないが、120℃の二軸混練温度では、組成物が90℃にて適用された場合、室温にて1〜2週間にわたる縮合反応により組成物を反応させるのに十分な水が沈殿したCaCO3上に残ることになると考えられる。
水放出剤は、例えば、ベースポリマーの水透過性が低い場合(例えば、ベースポリマーが有機ポリマー主鎖を有する場合)に、添加することができ、並びに/又は、組成物中の成分(P)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の選択、及び、任意の追加成分が存在するかどうかといった様々な因子に応じて異なるが、成分(P)の量は、組成物の重量に基づいて5〜30部の範囲であり得る。
理論に束縛されるものではないが、組成物を適用温度に加熱すると、熱は水を遊離させることになり、水は、成分(B)の加水分解性基と反応して組成物を反応させることになると考えられる。組成物中に残されるアルコール及び/又は水などの副生成物は、乾燥剤により捕捉され得、これにより、縮合反応(平衡反応である)は完了に向かって進行する。
成分(Q)は、顔料である。議論を進めるため、用語「顔料」は、本明細書に記載の組成物の反応生成物に色を付与するのに使用される任意の成分を包含するものとする。顔料の量は、選択される顔料のタイプ及び反応生成物の所望される色合いといった様々な因子に応じて異なる。例えば、組成物は、組成物中の全成分の量に基づいて、0〜20重量%、あるいは0.001〜5重量%の顔料を含み得る。
好適な顔料の例としては、インディゴ、二酸化チタンStan−Tone 50SP01 Green(PolyOneから市販されている)及びカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックの代表的な非限定例としては、Shawiniganアセチレンブラック(Chevron Phillips Chemical Company LPから市販されている)、SUPERJET(登録商標)カーボンブラック(LB−1011)(Elementis Pigments Inc.(Fairview Heights,IL U.S.A.)により供給されている)、SR 511(Sid Richardson Carbon Co,(Akron,OH U.S.A.)により供給されている)、並びに、N330、N550、N762、N990(Degussa Engineered Carbons(Parsippany,NJ,U.S.A.))が挙げられる。
組成物は、場合により、組成物のレオロジーを改質するために、組成物の重量に基づいて最大で5重量%、あるいは1〜2重量%の成分(R)レオロジー添加剤を更に含み得る。レオロジー添加剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例としては、ポリアミド、Evonikから市販されているPolyvest、King Industriesから市販されているDisparlon、Du Pontから市販されているKevlar Fibre Pulp、Nanocorから市販されているRheospan、及びLubrizolから市販されているIrcogelが挙げられる。他の好適なレオロジー添加剤としては、ポリアミド蝋、硬化ヒマシ油誘導体、及び金属石鹸(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸バリウム)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、成分(R)は、25℃にて固体(蝋)である微結晶性ワックスを含み得る。融点は、所望される温度の適用範囲の下端にて蝋が融点を有するように、選択することができる。理論に束縛されるものではないが、成分(R)は、流動特性を改善する一方で、例えば、組成物を基材に適用した後に、組成物を数度冷却する際に生強度を急激に増大(すなわち、温度降下に伴って組成物から生成されるシールの負荷保持能力の増加に対応する粘度の大幅な増加)を可能にする加工助剤として働くと考えられる。理論に束縛されるものではないが、蝋の組み込みは、充填剤の組み込み、(組成物の製造中の)混練及び脱気、及び混合(多部構成組成物の複数の構成部分の適用中の静的又は動的混合)を促進し得ると考えられる。蝋は、溶融すると加工助剤として働き、混練中の組成物において充填剤の組み込み、混練プロセスそれ自体、並びに、使用される場合には脱気工程を容易にすると考えられる。蝋は、100℃以下の溶融温度では、単純な静的ミキサーでも、適用前の多部構成組成物の複数の構成部分の混合を促進し得る。蝋はまた、80℃〜110℃、あるいは90℃〜100℃の範囲の温度にて、良好なレオロジーを伴って、組成物の適用を促進し得る。
成分(R)としての使用に好適な蝋は、無極性炭化水素であり得る。蝋は、分枝状構造、環状構造、又はこれらの組み合わせを有し得る。例えば、石油微結晶性ワックスは、Strahl & Pitsch,Inc.(West Babylon,NY,U.S.A.)から入手可能であり、例としては、SP 96(62℃〜69℃の範囲の融点)、SP 18(73℃〜80℃の範囲の融点)、SP 19(76℃〜83℃の範囲の融点)、SP 26(76℃〜83℃の範囲の融点)、SP 60(79℃〜85℃の範囲の融点)、SP 617(88℃〜93℃の範囲の融点)、SP 89(90℃〜95℃の範囲の融点)、及びSP 624(90℃〜95℃の範囲の融点)が挙げられる。他の石油ミクロクリスタリンワックスとしては、Crompton Corporation of Petrolia(米国、ペンシルバニア州)によってMultiwax(登録商標)の商標で販売されているワックスが挙げられる。これらのワックスとしては、飽和分枝状かつ環式無極性の炭化水素を含み、79℃〜87℃の範囲の融点を有する180−W;飽和分枝状かつ環式無極性の炭化水素を含み、76℃〜83℃の範囲の融点を有するMultiwax(登録商標)W−445;並びに飽和分枝状かつ環式無極性の炭化水素を含み、73℃〜80℃の範囲の融点を有するMultiwax(登録商標)W−835が挙げられる。
成分(R)の量は、選択される特定のレオロジー添加剤及び組成物の他の成分の選択といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、成分(R)の量は、組成物の重量に基づいて0部〜20部、あるいは1部〜15部、あるいは1部〜5部の範囲であってもよい。成分(R)は、1つのレオロジー添加剤であってもよい。あるいは、成分(R)は、2つ以上の異なるレオロジー添加剤を含んでもよい。
ビヒクル(例えば、溶媒及び/又は希釈剤)が使用されてもよい。ビヒクルは、組成物の流動及びシリコーン樹脂のような特定の成分の導入を容易にする場合がある。本明細書で使用されるビヒクルは、組成物の成分の流動化を補佐するがこれらの成分のいずれとも本質的に反応しないものである。ビヒクルは、組成物中の成分の溶解性及び揮発性に基づいて選択されてもよい。「溶解性」は、ビヒクルが組成物の成分を溶解及び/又は分散させるのに十分であることを指す。「揮発性」は、ビヒクルの蒸気圧を指す。ビヒクルの揮発性が高すぎる(高すぎる蒸気圧を有する)場合、適用温度にて組成物中に気泡が生じる場合があり、この気泡は破裂を生じる、又は他の方法により硬化した組成物の特性を弱める、又は負の影響を与えるおそれがある。しかしながら、ビヒクルが十分に揮発性でない(蒸気圧が低すぎる)場合には、ビヒクルは、組成物の反応生成物において可塑剤のままとなる、又は反応生成物が物理特性を発現する時間が所望されるよりも長くなるおそれがある。
好適なビヒクルとしては、好適な蒸気圧を有するポリオルガノシロキサン、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン及び他の低分子量ポリオルガノシロキサン、例えば、5E−7〜1.5E−6m2/s(0.5〜1.5センチストークス(cSt))のDow Corning(登録商標)200 Fluids及びDow Corning(登録商標)OS FLUIDS(これらは、Dow Corning Corporation(米国、ミシガン州、Midland)から市販されている)が挙げられる。
あるいは、溶媒ビヒクルは有機溶媒であってもよい。有機溶媒は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn−プロパノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘプタン、ヘキサン、又はオクタン)、グリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、又はエチレングリコールn−ブチルエーテル)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、又は塩化メチレン)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ホワイトスピリット、ミネラルスピリット、ナフサ、n−メチルピロリドン、又はこれらの組み合わせであり得る。
ビヒクルの量は、選択されるビヒクルの種類並びに組成物のために選択される他の成分の量及び種類といった様々な因子に依存する可能性がある。しかしながら、ビヒクルの量は、組成物の1〜99重量%、あるいは2〜50重量%の範囲であってもよい。
組成物は、場合により、成分(T)粘着付与剤を更に含み得る。粘着付与剤は、脂肪族炭化水素樹脂、例えば、6〜20個の炭素原子を有する水素添加ポリオレフィン、水素添加テルペン樹脂、ロジンエステル、水素添加ロジングリセロールエステル、又はこれらの組み合わせを含み得る。粘着付与樹脂は、市販されている。脂肪族炭化水素樹脂は、Exxon ChemicalからのESCOREZ 1102、1304、1310、1315及び5600、EastmanからのEastotac樹脂(例えば、100℃の環球式軟化点を有するEastotac H−100、115℃の環球式軟化点を有するEastotac H−115E、及び130℃の環球式軟化点を有するEastotac H−130L)により、例示される。水素添加テルペン樹脂は、荒川化学工業株式会社のArkon P 100、及びGoodyearのWingtack 95により、例示される。水素添加ロジングリセロールエステルは、HerculesのStaybelite Ester 10及びForalにより、例示される。市販のポリテルペンの例としては、HerculesのPiccolyte A125が挙げられる。脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族樹脂としては、Exxon ChemicalのECR 149B又はECR 179Aが挙げられる。あるいは、固体粘着付与剤(すなわち、25℃以上の環球式軟化点を有する粘着付与剤)が添加され得る。好適な粘着付与剤としては、任意の適合性樹脂又はこれらの混合物、例えば、(1)天然又は変性ロジン(例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、揮発ロジン、水素添加ロジン、二量化ロジン、及び重合ロジン)、(2)天然又は変性ロジンのグリセロール及びペンタエリスリトールエステル(例えば、ペール、ウッドロジン(pale, woodrosin)のグリセロールエステル、水素添加ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素添加ロジンのペンタエリスリトールエステル、及びロジンのフェノール変性ペンタエリスリトールエステル)、(3)天然テルペン(例えば、スチレン/テルペン及びα−メチルスチレン/テルペン)のコポリマー及びターポリマー、(4)ASTM方法E28,58Tにより測定した場合に60℃〜150℃の範囲の軟化点を有するポリテルペン樹脂(後者のポリテルペン樹脂は一般に、やや低温にてフリーデル・クラフツ触媒の存在下でピネンとして知られる二環式モノテルペンのようなテルペン炭化水素の重合から生じ、また、水素添加ポリテルペン樹脂も含まれる)、(5)(例えば、酸性媒質中で二環式テルペンとフェノールの縮合から生じる樹脂生成物としての)フェノール系変性テルペン樹脂及びこれらの水素添加誘導体、(6)60℃〜135℃の範囲の環球式軟化点を有する脂肪族石油炭化水素樹脂(後者の樹脂は、主にオレフィン及びジオレフィンからなるモノマーの重合から生じ、水素添加脂肪族石油炭化水素樹脂も含む)、(7)脂環式石油炭化水素樹脂及びこれらの水素添加誘導体、並びに(8)脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族コポリマー及びこれらの水素添加誘導体が挙げられる。粘着付与剤の量は、選択される特定の粘着付与剤及び組成物中の他の成分の選択といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、粘着付与剤の量は、組成物の重量に基づいて0部〜20部の範囲であり得る。
組成物は、所望により、成分(U)、腐食防止剤を更に含む。適切な腐食防止剤の例としては、ベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、並びに市販の腐食防止剤(R.T.Vanderbilt(米国、コネチカット州、Norwalk)からの2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール誘導体(CUVAN(登録商標)826)及びアルキルチアジアゾール(CUVAN(登録商標)484)などの)が挙げられる。存在する場合、成分(U)の量は、組成物の重量に基づいて0.05%〜0.5%の範囲であってもよい。
本明細書に記載の特定の成分は1つを超える機能を有する場合があるため、上述の組成物の成分を選択する際、成分の種類に重複がある場合がある。例えば、特定のアルコキシシランは充填剤処理剤としても接着促進剤としても有用であり得、特定の脂肪酸エステルは可塑剤としても有用であり得、充填剤処理剤としても有用であり得、カーボンブラックは顔料、難燃剤、及び/又は充填剤として有用であり得、非反応性ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)は増量剤としても溶媒としても有用であり得る。
上記の組成物は、例えば、混合などの任意の好都合な手段によって全成分を組み合わせることにより、一部構成組成物として調製され得る。例えば、一部構成組成物は、場合により、ベースポリマー(B)と増量剤(E)を組み合わせ(予め混合し)、生じた展延ベースポリマーを充填剤(F)の全て又は一部と混合し、これを架橋剤(C)及び成分(A)を含むプレミックスと混合することにより、製造され得る。(O)老化防止添加剤及び(Q)顔料といった他の添加剤は、任意の所望される段階にて混合物に添加され得る。最終混合工程は実質的に無水の条件下で行うことができ、生じた組成物は一般に使用準備が整うまで実質的無水条件下で、例えば、密封容器で保管される。
あるいは、組成物は、架橋剤が存在する場合、多部構成(例えば、2部構成)組成物として調製され得る。この例では、触媒及び架橋剤は別個の構成部分として保管され、これらの構成部分は、組成物の使用直前に組み合わされる。例えば、二部構成硬化性組成物は、成分(B)及び(C)を含む成分を組み合わせて混合のような任意の好都合な手段により第一(硬化剤)構成部分を形成することによって、調製され得る。第二(ベース)構成部分は、混合のような任意の好都合な手段により成分(A)及び(B)を組み合わせることによって、調製され得る。これらの成分は、一部構成組成物又は多部構成組成物のどちらが選択されるかといった様々な因子に応じて、周囲条件又は無水条件下で周囲温度又は高温にて組み合わせられ得る。ベース構成部分と硬化剤構成部分は、使用直前に、混合のような任意の好都合な手段により、組み合わせることができる。ベース構成部分と硬化剤構成部分は、相対的に1:1〜10:1の範囲のベース:硬化剤量で組み合わせることができる。
成分の混合に使用される装置は、特に限定されない。適切な混合装置の例は、選択される各成分の種類及び量に応じて選択されてもよい。例えば、反応によりガム又はゲルを形成することになる組成物などの比較的低粘度の組成物には、撹拌バッチケトルが使用されてもよい。あるいは、例えば、より粘稠な組成物及び、粒子を比較的多量に含有する組成物には、二軸押出成形機のような押出成形機といった連続混練装置が使用され得る。本明細書に記載の組成物の調製に使用できる代表的な方法としては、例えば、米国特許出願公開第2009/0291238号及び同第2008/0300358号に開示されているものが挙げられる。
上述のように製造されるこれらの組成物は、水分への曝露から組成物を保護する容器での保管時に安定であり得るが、これらの組成物は、大気の水分に曝露されると縮合反応によって反応し得る。あるいは、低浸透性組成物が配合された場合、組成物は、水放出剤から水分が放出された際に硬化して、硬化生成物を生じ得る。
上記のように調製された組成物及びこれらの反応生成物は、様々な用途を有する。上記の成分は、成分(A)及び(B)を含む様々なタイプの組成物を調製するために、使用され得る。組成物は、組成物のタイプ並びに組成物及び/又は組成物の反応生成物の所望される最終用途に応じて、上記の追加成分のうちの1つ以上を更に含み得る。例えば、上記の成分及び方法は、例えば、ベースポリマーが1分子当たり平均で1〜2個の加水分解性基を有する場合に、ベースポリマーの粘度を増加させるために、及び/又は、ガムを形成するために、鎖延長プロセスに使用され得る。あるいは、上記の成分及び方法は、例えば、ベースポリマーが1分子当たり平均で2個以上の加水分解性基を有する場合に、及び/又は、架橋剤が組成物中に存在する場合に、硬化性組成物を配合するために使用することができる。本明細書に記載の組成物は、水分に曝露することにより縮合反応によって、反応し得る。例えば、組成物は、大気水分に曝露されると、縮合反応によって反応し得る。あるいは、組成物は、水放出剤が存在する場合に、水放出剤から放出される水分と反応する。本明細書に記載される各組成物は、反応して反応生成物を形成する。反応生成物は、ガム、ゲル、ゴム、又は樹脂から選択される形態を有してもよい。
これらの実施例は、本発明のいくつかの実施形態を例示することを目的とするものであり、請求項に記載の本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。参照例は、そのように示されていない限り先行技術とみなすべきではない。以下の成分は使用される。下記の実施例に使用される。ジエチル亜鉛(「ZnEt2」)及びジフェニル亜鉛(「ZnPh2」)は、Sigma−Aldrich(米国、ミズーリ州、St.Louis)から購入される。亜鉛オクタノエート(「ZnOCT2」)は、City Chemicals LLC(米国、コネチカット州、West Haven)から購入される。架橋剤、n−ブチルトリメトキシシラン(「n−BuSi(O−Me)3」)は、Gelest、Inc.(米国、ペンシルバニア州、Morrisville)から購入される。9E−5〜0.00012m2/s(90〜120cSt)の粘度、及び4200の数平均分子量Mwを有するシラノール末端ポリジメチルシロキサンであったベースポリマー(「PDMS 1」)もまた、Gelest、Inc.から購入される。
実施例1−金属−配位子錯体の形成
前駆体溶液を、上記のZn前駆体を、0.025Mの濃度でトルエンと混合することによって調製した.前駆体溶液は、無色だった。上記の表1に示す各配位子の溶液を、各配位子を、0.025Mの濃度でトルエンと混合することによって調製した。
上記で調製された各配位子の溶液は、予め重量測定した1ミリリットル(mL)バイアル内に分与した。24マイクロリットル(μL)の溶液(0.6マイクロモル、μmolの配位子に対応する)又は48μLの溶液(1.2μmolの配位子に対応する)のいずれかを、各バイアルの中で使用した。バイアル内のトルエンは、窒素を流している箱の中に蓋をせずに一晩バイアルを放置することにより除去した。
配位子(今では溶媒なし)を収容する各バイアルに、24μLの上記のように調製された前駆体溶液(0.6μmolの前駆体に対応する)を添加し、金属−配位子混合溶液を形成した。金属−配位子混合溶液を収容するバイアルを、毎分60回転(rpm)で、25℃又は75℃のいずれかで撹拌し、金属−配位子錯体を形成した。
実施例2−縮合反応
上記の錯化反応(実施例1)が完了したら、210ミリグラム(mg)のPDMS 1(235.7μL又は50μmolに対応する)及び17.8mgのn−BuSi(O−Me)3(19.1μL、又は100μmolに対応する)を、各金属−配位子錯体を収容するバイアル内に乾燥箱内で注入した。次いで、各バイアル内の総容積が確実に、325μLになるように、より多くのトルエンを添加した。実施例2のサンプルは、この様式で調製した。上記の前駆体を使用して、しかし配位子無しで、陰性対照サンプルも調製した。陰性対照サンプルでは、210mgのPDMS 1、17.8mgのn−BuSi(O−Me)3、トルエン(合計量が325μLに達するのに十分な量)を、前駆体の入ったバイアル内に注入した。上記の表1に記載された配位子を使用して、しかし前駆体無しで、追加の陰性対照サンプルも調製した。これらの追加の陰性対照サンプルでは、210mgのPDMS 1、17.8mgのn−BuSi(O−Me)3、トルエン(合計量が325μLに達するのに十分な量)を、配位子の入ったバイアル内に注入した。
組成物を収容する、結果として得られたバイアルを、乾燥箱から取り出し、フードに入れ、活発な撹拌(各組成物が均質化するように数百rpm)で一分間撹拌した。次いで、バイアルを、それぞれに穴の開いたプレートで蓋し、95%の相対湿度レベルが(RH)で30℃に維持した恒湿炉内に置いた。
恒湿炉内に48時間置いた後、バイアルを恒湿炉から取り出し、視覚粘度を観察し記録した。48時間視覚粘度測定は、サンプルを、異なる粘度参照基準を収容するバイアルと、隅から隅まで視覚的に比較して決定した。測定を、サンプルが最初に水分に暴露されてから48時間後に実行した。各サンプルの視覚粘度測定値は、最も厳密に適合した参照基準バイアルに基づいて割り当てた。参照基準は、異なる粘度のDOW CORNING(登録商標)200流体(「200 Fluid」)であり、これは、DOW CORNING Corporation(米国、ミシガン州、Midland)から市販されている。対応する視覚粘度の説明及び基準を、下記の表2に示す。0又は1の値は、サンプルが48時間以内に縮合反応を呈しないことを示した。2〜5の値は、縮合反応が次第に発生していることを示した。再現実験は、視覚粘度測定を行った操作者及び再現実験が異なる時間に行われたかどうかなどの様々な要因に起因する正常変動を受けた。
表3は、配位子、金属前駆体配位子:金属比、反応条件(時間及び温度)、及び表1の配位子を使用して調製されたサンプルに対する結果(48時間視覚粘度及び外観)を示す。
表3では、外観に対する値は、以下のように定義され、すなわち、「H」は、濁っていることを意味し、「C」は、透明であることを意味する。表3の各配位子に対して、陰性対照サンプルを調製し、配位子は、前駆体無しの使用を除いて、これにより、実施例2の方法で試験した。それぞれの場合で、48時間視覚粘度値は1だった。
実施例3−金属−配位子錯体の形成
前駆体溶液は、亜鉛2エチルヘキサノエートを0.025M濃度でトルエンと混合することによって調製した。前駆体溶液は、無色だった。表6に示す各配位子の溶液を、配位子を、0.025Mの濃度でトルエンと混合することによって調製した。
それぞれの上記で調製した配位子溶液を、予め重量測定した8ミリリットル(mL)バイアル内に分与した。240マイクロリットル(μL)の溶液(6マイクロモル、μmolの配位子に対応する)又は480μLの溶液(12μmolの配位子に対応する)のいずれかを、各バイアルの中で使用した。バイアル内のトルエンは、窒素を流している箱の中に蓋をせずに一晩バイアルを放置することにより除去した。
配位子(今では溶媒なしの)を収容する各バイアルに、240μLの上記のように調製された前駆体溶液(6μmolの前駆体に対応する)を添加し、金属−配位子混合溶液を形成した。金属−配位子混合溶液を収容するバイアルを、毎分60回転(rpm)で、25℃又は75℃のいずれかで撹拌し、金属−配位子錯体を形成した。
実施例4−縮合反応
上記の錯化反応(実施例3)が完了したら、2037ミリグラム(mg)のPDMS 1及び129.9mgのメチルトリメトキシシラン(MTM)を、各金属−配位子錯体を収容するバイアル内に乾燥箱内で注入した。次いで、各バイアル内の総容積が確実に3mLになるように、より多くのトルエンを添加した。実施例4のサンプルは、この様式で調製した。上記の前駆体を使用して、しかし配位子無しで、陰性対照サンプルも調製した。陰性対照サンプルでは、2037mgのPDMS 1、129.9mgのMTM、及びトルエン(合計量が3mLに達するのに十分な量)を、前駆体の入ったバイアル内に注入した。上記の表1に記載された配位子を使用して、しかし前駆体無しで、追加の陰性対照サンプルも調製した。これらの追加の陰性対照サンプルでは、2037mgのPDMS 1、129.9mgのMTM、及びトルエン(合計量が3mLに達するのに十分な量)を、配位子の入ったバイアル内に注入した。
組成物を収容する、結果として得られたバイアルを、乾燥箱から取り出し、フードに入れ、活発な撹拌(各組成物が均質化するように数百rpm)で一分間撹拌した。次いで、バイアルを、それぞれに穴の開いたプレートで蓋し、95%の相対湿度レベルが(RH)で30℃に維持した恒湿炉内に置いた。
恒湿炉内に48時間置いた後、バイアルを恒湿炉から取り出し、実施例2と同じ方法を用いて、視覚粘度を観察し記録した。結果は、以下の表5である。
これらの実施例は、成分(A)に対して上記され、かつ本明細書に記載されるように試験された触媒が縮合反応を触媒することができることを示す。本明細書に記載の組成物は、上記されたようにスズ触媒を含まないものであってもよい。理論に束縛されるものではないが、本明細書に成分(A)として記載される触媒は、一部の縮合反応硬化性組成物で、スズ触媒を含有する同じ組成物と比較して、代替的な、匹敵する、又はより良好に硬化する性能を提供する場合があると考えられる。