JP2014529088A - 生体サンプル中のAβ特異的抗体を検出する方法 - Google Patents
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Abstract
以下のステップ:生体サンプルをAβ凝集体またはAβ凝集体様表面を含む粒子と接触させ、Aβ特異的抗体をAβ凝集体に結合させるステップ;および単粒子検出技術、好ましくは蛍光活性化細胞選別FACSによって、Aβ凝集体に結合したAβ特異的抗体を検出するステップ;を含む生体サンプル中のAβ特異的抗体を検出する方法を開示する。
Description
本発明は、特にアルツハイマー病に関連して、生体サンプル中のAβ特異的抗体を検出する方法に関する。
ADは、脳のアミロイドβ凝集およびプラーク形成、ニューロン内の絡みの形成を伴うタウたんぱく質の過剰リン酸化などの相互作用する病理学的カスケードを含む、複雑な進行性疾患である。該凝集およびこれらの脳タンパク質の過剰リン酸化に付随して、炎症プロセスは、シナプス統合の喪失および進行性神経変性に寄与する。
主としてアルファヘリックスまたはランダムコイル二次構造をもつ可溶型から、最終的に脳にアミロイドプラークを形成するベータシート二次構造をもつ凝集体へのアミロイドβペプチド(AβまたはA-ベータ)の変換は、AD病理学の第一の顕著な特徴の一つを表す。Aβのいくつかの形態である、CならびにN末端欠損もしくは修飾ペプチドは、脳のAβプラーク形成に寄与する。Aβの三つの主なC末端変異体として、ペプチドAβ1-40(最後のaaとしてVal-40をもつ40個のアミノ酸(aa)からなる)、Aβ1-42およびAβ1-43が挙げられる。これらの主なC末端欠損ペプチド形態のほかに、頻度は少ないが、他の欠損形態、すなわち、Aβ1-37、Aβ1-38およびAβ1-39が存在する。AβのN末端変異体は、Aβ3-40/42/43およびAβ11-40/42/43からなる。これらのN末端欠損体のすべてにおいて、グルタミン酸が最初の位置を保持している。このaaは、安定ではないが、変化してピログルタミン酸塩(pE)を形成し、Aβp(E)3-40/42およびAβp(E)11-40/42の形成をもたらす。pE残基は、自然に、あるいはグルタミニルシクラーゼとして知られる控訴によって酵素的に形成される。
最近まで、ADの診断は、別の識別可能な原因(たとえば、血管)はないが、患者の日常生活に否定的に影響を及ぼす、少なくとも二つのドメイン(たとえば、認知、機能)における認知障害の段階的出現に基づく純粋に臨床的なものであった。ADの臨床診断において制限があることは、高率の誤診(専門家による診断特異性80%)および疾患が機能障害をもたらすニューロンの損失を引き起こす遅い時点でしか実質的な診断を行なうことができないという事実をもたらした。
ここ二十年を通じて集められた知識に基づいて、ADを診断する方法は、急速に変化している。B. Dubois、パリによって導かれた研究者のグループが最初に、ADの原因となる病理学への研究および診断アルゴリズムへの研究から出現したデータを統合した(Duboisら、Lancet Neurol.9 (2010):1118-1127)。著者らによれば、ADの診断は、疾患特異的バイオマーカーの変化と組み合わせて起こらなければならない特定の認知障害(エピソード記憶の変更)に基づく(構造的MRIによって評価される海馬萎縮;AD-典型的な脳脊髄液の痕跡(低いA42、高い総タウ、高いホスホタウ);陽性アミロイド画像;定義されている遺伝的リスク)。最近、この病態生理駆動診断アルゴリズム(pathophysiology driven diagnostic algorithm)が、NIH-NINCDS研究グループによって広く採用されている(McKhannら、Alzheimer’s & Dementia 7 (2011):263-269)。主として実用的な目的のために、NIH NINCDS研究グループは、AD型のMCI(軽度認知障害)の診断を、ADの初期段階として保持した。
疾患の病理を反映しているバイオマーカーを用いてADの臨床診断を向上させる概念が、国立老化研究所(NIA、NIH、USA)およびアルツハイマー病協会(AA)によって任命された研究グループによって採用されている。そうすることによって、ADの診断は、もはや除外的診断ではなく、ポジティブな診断になり始める。NIAおよびAAが、Duboisらによって提案されたバイオマーカー駆動アルゴリズム(biomarker-driven algorithm)に完全にはしたがわなかったという事実は、現在入手可能なバイオマーカーに制限があることを反映している。ADの脳脊髄液(CSF)の痕跡は、一例として議論されてもよい。AD患者のCSFは、典型的なパターン、すなわち、Aβ1-42の低下および総タウ(tTau)およびリン酸化タウ(pTau)の上昇を示す。AD患者においてその痕跡は存在するが、経時変化を検出しない。実際に、ADのリスクを有する患者(すなわち、MCI患者)の集団において、それは、臨床症状を発症するようになる患者を同定する。そのステージにおいてすでに、CSFは、本格的なADと同じ発現パターンおよび変化の量を示す。したがって、Aβ1-42、tTauおよびpTauの正常な範囲を定義することはできない上に、ターニング・ポイント、すなわち、特定の患者におけるAβ生理が正常から病的に切り替わる時点の定義が存在しない。現在存続しており、まだ検証されていないバイオマーカーのいずれについても同じことが言える。この主な理由は、CSF-、MRI-、アミロイド造影実験が患者に課すリスクおよび/またはそれらを行なう際に伴う費用ゆえに、それらを繰り返すのが容易に可能ではないので、この問題を評価する研究がごくわずかしか行なわれていないことである。
したがって、低リスクおよび低費用で繰り返し適用できる信頼しうるバイオマーカーが依然として欠如している。これは、これまでのところ血液ベースのADバイオマーカーを開発するために行なわれたすべての努力が失敗していることから、特に真実である(Hampelら、Nat. Rev. Drug Discov. 9 (2010):560-574)。このようなバイオマーカーの利用可能性は、病態修飾療法の開発に対する重要性において最も外側に位置するものであろう。このような療法は、投与されるのが早ければ早いほど、成功するチャンスは大きい。そして、特定のバイオマーカーの助けによって同定された真性AD症例に対するこのような努力は制限されることが可能であった。
これまでに、Aβ(試験された様々なAβ種および凝集状態)は、ADおよびADの前認知症段階であるMCIにおいて評価されている。最近の発見は、AD患者および健康なコントロールの血漿および脳脊髄液に含まれるIgGおよびIgMの坑アミロイド形成活性が存在することを示している(O’Nuallainら、J. Clin. Immunol.30 (2010) Suppl.1:S37-S42;Marcelloら、J Neural. Transm.116 (2009):913-920)。様々なAβ体/凝集状態に特異的なIgGおよび/またはIgMを評価するELISAまたは免疫沈降アッセイによって得られた結果は、ADおよびMCI患者が、健康なコントロールよりも低いレベルの血清Aβ自己抗体を示すことを明らかにした。これらの研究は、自己抗体濃度における差異を明らかにしたが、使用した方法は、高い感度および特異性をもってADまたはMCI患者を同定するための予測診断ツールとしてその差異を用いるのに必要な感度および特異性を欠いている。これまで使用されている方法のほとんどは、ELISA技術に基づいている。これらのアッセイにおける感度を高めるために、いくつかのアプローチでは、Aβ1-42ペプチドの放射標識を用いている。Brettschneiderら(Brettschneiderら、Biol. Psychiatry 57 (2005):813-817)のROC(受信者動作特性)分析は、クロラミンT標識Aβ1-42による免疫沈降アッセイを用いて感度を81.3%にセットして健康コントロールとAD患者の間の差異を測定した場合に、46.7%の特異性に到達した。対照的に、Bayerら(WO 2010/128139 A1;Marcelloら、J Neural. Transm.116 (2009):913-920)は、ピログルタミン酸-Aβフラグメントがプレート上でコーティングされるELISAベースの方法を用いた。この場合、健康なコントロールおよび坑IgM-HRP抗体を有するAD患者における坑Aβ特異的IgM自己抗体の検出は、感度を80%にセットする場合に特異性が60%であることを示した。これまでのところ、これらの方法はいずれも、ADのための予測的バイオマーカーとして適合する基準(>80%の特異性)を満たしていない。
これらの二つのグループの患者におけるAβ特異的抗体の血清濃度の低下の理由は分かっていない。二つの相互排他的でない説明がある:産生の低下(疾患特異的 VS 一般的な免疫老化)および再分配(抗体は、たとえば、脳内に存在するアミロイド沈着に捕捉される)。これらのAβ特異的(自己)抗体の潜在的機能に対するサポートは、市販の血液製剤、すなわち、健康なドナーに由来する血漿から抽出されプールされたIgG画分が、Aβに特異的な抗体を含むことが明らかにされていることを実証している近年の研究によってもたらされる。二つのこのような製剤である、二つの異なる企業の静脈内免疫グロブリン(IVIG)製剤が、現在、それらのAD病変を妨害または予防する能力を評価するための臨床試験を受けている。
もう一つの答えの見つかっていない問題は、Aβ特異的抗体のレベルが、その病態生理においてAβ成分を有する疾患実体、すなわち、パーキンソン認知症(PDD)、レビー小体型認知症(DLB)、脳アミロイド血管症(CAA)、慢性頭部外傷(たとえば、ボクシング)などにおいて低下するかどうかである。これらの疾患におけるAβ凝集体特異的抗体のレベルの研究は、ADにおけるAβ凝集体特異的抗体の血清濃度の低下をもたらすプロセスの現在の理解に追加することができた。これらの疾患の患者の血清の研究は、ADが特定の免疫不全に由来する(Aβ特異的抗体力価は、ADのみにおいて低下し、他のAβ病変を特徴とする疾患においては低下しない場合)のかどうか、あるいはAβ特異的抗体のレベルの低下が、広範なAβ病変による再分配に起因するのかどうかに関する問題を明らかにすることができた。前者の場合、試験は、高度に疾患特異的なバイオマーカーであり、結果として、前述の疾患実体からADを区別するのに役立つべきである。第二のシナリオを仮定すると、試験は、疾患がAβ病変によって駆動される患者を同定するのに適合されうる。
WO 2010/128139 A1には、ADを診断するためのバイオマーカーおよび方法、特にpGlu Aβに対する抗体が開示されている。Funkeら(Curr. Alz. Res.、6 (3) (2009):285-289)は、体液中のAβ凝集体の検出が、ADの早期診断に適した方法であるかどうかを議論している。Maetzlerら(J. Alz. Dis. 26 (1) (2011):171-179)は、アミロイドおよびグリア由来抗原に対する自己抗体が、レビー小体関連認知症患者の血清および脳脊髄液中で増加することを報告している。Funkeら(Rejuv. Res. 13 (2-3) (2010):206-209)は、Aβ凝集体のための単粒子検出システムを開示している。Fukumotoら(Faseb J.、1 (24) (2010):2716-2726)は、高分子量β-アミロイドオリゴマーが、AD患者の脳脊髄液中で上昇することを開示している。
ADは、退行性脳疾患であるとみなされているが、免疫系もこの疾患において重要な役割をもっている。近年、脳からアミロイドベータペプチドを除去するための免疫ベースの療法が設計された。これらの療法の概念は、アルツハイマー病患者の活性アミロイドベータワクチン接種の臨床試験の動物モデルにおいて肯定的な結果を与えた。アルツハイマー病患者の活性アミロイドベータワクチン接種の臨床試験は、何人かの患者が、髄膜脳炎を発症した後は、中止された。現在、体液および細胞ベースのアプローチを用いる新たな免疫療法が、アルツハイマー病およびその他の関連疾患の治療および予防のために研究されている。このような免疫療法アプローチにおいて、疾患の治療および発症中の患者の免疫反応を監視または証明する信頼できるバイオマーカーに対する満たされていない必要性がある。ワクチン接種患者においてワクチン接種の目的を示す、関連するAβ抗体を同定する必要性もある。
したがって、本発明の目的は、生体サンプル、特にヒトAD患者、またはADを有するかもしくは発症するリスクをもつことが疑われるヒト個人のサンプル中の抗Aβ抗体を検出する手段を提供することである。さらなる目的は、薬物に対する臨床試験の進行を監視するため、特に免疫療法の介入のため、ADの治療のため、ならびにこのような免疫療法の介入によって治療される患者を監視するための信頼できるツールを提供することである。
したがって、本発明は、以下のステップ:
生体サンプルをAβ凝集体またはAβ凝集体様表面を有する粒子と接触させ、Aβ特異的抗体をAβ凝集体に結合させるステップ;および
単粒子検出技術、好ましくは蛍光活性化細胞選別(FACS)によって、Aβ凝集体に結合したAβ特異的抗体を検出するステップ;
を含む生体サンプル中のAβ特異的抗体を検出する方法を提供する。
生体サンプルをAβ凝集体またはAβ凝集体様表面を有する粒子と接触させ、Aβ特異的抗体をAβ凝集体に結合させるステップ;および
単粒子検出技術、好ましくは蛍光活性化細胞選別(FACS)によって、Aβ凝集体に結合したAβ特異的抗体を検出するステップ;
を含む生体サンプル中のAβ特異的抗体を検出する方法を提供する。
本発明は、ADを治療するための免疫療法アプローチを使用した臨床試験の開発を監視するのに非常に有用である診断ツールとして用いることができるAβ特異的抗体を検出する新規な方法を開示する。本発明方法は、Aβ特異的抗体に対する捕捉ツールとして単一Aβペプチドを用いるのみならず、代わりにAβ凝集体を用い、それによって生成された抗体-Aβ-凝集複合体を、単粒子検出技術を用いて検出する発明に基づいている。簡単に言えば、Aβ凝集体(異なるAβ欠損および修飾バージョンに由来するもの)は、たとえば、一晩のインキュベーションによって生成される。続いて、健康なドナー(HD)またはAD患者のいずれかに由来する血清サンプルとともにAβ凝集体をインキュベートして、存在する抗体(IgGとIgMの両方)を結合させる。Aβ凝集体に結合した抗体は、たとえば、Aβ凝集体に結合したAβ特異的抗体を認識する標識二次抗体の使用などの当業者に利用可能ないずれかの適当な方法によって検出することができる。たとえば、フィコエリトリン(PE)標識二次抗体を用いることができる。その後、Aβ凝集体に結合したAβ特異的抗体(および必要に応じて、二次抗体などの一つ以上の検出剤)を含む免疫複合体を、フローサイトメトリーとしても知られるFACS(蛍光活性化細胞選別)分析などの単粒子検出技術を用いて測定する。さらに、本発明方法を用いて、AD患者に由来するAβ特異的免疫グロブリン(本発明にしたがって提供されたAβ凝集体に向かう)を、デマスキング(demasking)として知られる手順(抗体から、結合した可能性のあるAβ抗原を除去すること)によって、増加することができることを明らかにすることができた。一方、デマスキング(=血清中のすでに結合したAβの解離)後のIgM抗体の反応性は、AD患者におけるIgMレベルの増加を明らかにした。さらに、本発明のデータは、本発明方法が、より高いAβ特異的抗体検出能力を有し、したがって、これまでに発表された方法と比べて、ADの血清サンプル中のAβ特異的抗体濃度の変化に対する、より高い監視力を有することを明らかにする。これらの事実を考えると、本発明方法は、治療に対する特定の患者の臨床反応を追跡する適切な方法の理論的前提条件を満たしている。
本発明は、ヒトサンプル中のAβ特異的抗体の分析のために開発された。したがって、ヒトAβ特異的抗体、好ましくはヒトIgGまたはIgM抗体、特にヒトIgG抗体を検出するのが好ましい実施態様である。すでに言及したように、ヒトにおけるAβ特異的抗体の検出は、当技術分野において原理的には知られている。しかしながら、可能性のあるバイオマーカーを検証することはできなかった。本発明において示すように、このことは、当技術分野で利用可能な検出方法の分析的不十分性もよるものであった。本発明方法の優位性により、特にAD免疫療法を監視するためのバイオマーカーとしてのヒトサンプル中のこれらの抗体の利用可能性は、有効である。したがって、本発明方法は、生体サンプル中の抗体の検出に特に適している。したがって、本発明方法の好ましい実施態様において、検出され、定量されるAβ特異的抗体は、抗体である。
従来技術の方法とは対照的に、本発明方法は、サンプルからAβ特異的抗体を結合するためのプローブとしてAβ凝集体を用いる。このような凝集体は、当技術分野において原理的には知られているが、Aβ特異的抗体、特にヒトサンプル中のAβ特異的抗体の分析において、さらにFACSなどの単粒子検出技術と組合せにおいて、このような凝集体の使用が、このような方法を大幅に改善しうるということは、実現されなかった。このような凝集体の使用により、単粒子検出技術(様々な分野において、そして様々な疑問のために確立された技術である)による検出が、通常、非常に複雑であり、取り扱いが困難であるヒトサンプル(血液など)中のAβ特異的抗体を分析することを可能にする。
本発明にしたがって用いられる凝集体の寸法は、分析的使用のために標準化されるのが好ましい。これは、凝集体の生成中に特定のパラメーターを確立することによって達成されうる。凝集体の生成中に適用される条件に応じて、凝集体のサイズを調節することができる。本発明のAβ凝集体の好ましいサイズは、50 nm〜15 μm、好ましくは100 nm〜10 μm、特に200 nm〜5 μmである(凝集体の長さ、すなわち、最長の伸長によって定義される)。
本発明に適した凝集体を提供する好ましい方法は、Aβ-1-42ペプチド、Aβ-1-43ペプチド、Aβ-3-42またはAβ-p(E)3-42ペプチド、あるいは好ましさの程度は低いが、Aβ-1-40などのC末端を欠損しているAβペプチドを、pH2〜9にて、少なくとも20分間、好ましくは1時間、特に少なくとも4時間インキュベートするステップを含む。インキュベーション継続時間は、凝集体のサイズを調節するパラメーターの一つである:インキュベーションが長いほど、凝集体は大きくなる。代表的なインキュベーション時間は10分〜24時間である。インキュベーション時間が短いと、非常に短く、少ない数の凝集体になる;48時間よりも大幅に長いインキュベーション時間で生成された凝集体は、本発明方法において、通常、好ましくない。もちろん、凝集体は、要すれば、たとえば、分画遠心分離および同様の技術などによって、所望のサイズを達成するために、選別され、「篩にかけられ」てもよい。
本発明方法によれば、Aβ特異的抗体が検出されるサンプルを、Aβ凝集体と接触させて、サンプル中に存在する可能性があるAβ特異的抗体(と反応性の向かい合ったAβ凝集体)との結合を達成させる。したがって、Aβ凝集体の濃度は、抗体に十分な結合位置を提供するように調節されなければならない。したがって、サンプル中の抗体を結合するためのAβ凝集体の濃度は、0.001〜1 μM、好ましくは0.01〜0.1 μMの範囲であるのが好ましい。最適濃度もまた、結合される抗体の性質、サンプルの性質、計画された接触時間および凝集体のサイズに応じて変わる。
本発明方法は、主として、ヒトサンプルにおける適用を目的とする。したがって、生体サンプルが、ヒト血液であるか、またはヒト血液由来のサンプル、好ましくはヒト血清もしくはヒト血漿;ヒト脳脊髄液あるいはヒトリンパ液であるのが好ましい。このようなサンプル源を用い、一連のルーチン試験(特に、血液由来のサンプルのための)を確立することができる。
凝集体へのサンプル中の抗体の適当な結合を可能にする好ましい接触時間は、少なくとも10分(たとえば、10分〜48時間)、好ましくは15分〜24時間、特に30分〜2時間である。
もし生体サンプルを特に前処理しないならば、Aβ凝集体への結合能力をもつAβ特異的抗体は、Aβ凝集体との接触中に結合するであろう。サンプル中でマスクされているAβ特異的抗体(すなわち、結合パートナー(たとえば、Aβ含有構造または内因性Aβペプチドなど)とすでに結合している抗体)は、特別のサンプル前処理などをしなければ、本発明方法によって検出されないであろう。多くの場合、反応性抗体のみの同定および定量が、十分であり、かつ望ましいであろうが、サンプル中のAβ特異的抗体の総量(反応性および非反応性)、あるいは反応性Aβ特異的抗体の数、非反応性(マスクされている)Aβ特異的抗体の数およびAβ特異的抗体の総数のすべてが、検出されるべきである状況または問診が存在しうる。
したがって、本発明のもう一つの好ましい実施態様によれば、本発明のAβ凝集体に接触する前に、サンプルはデマスクされる、すなわち、Aβ特異的抗体は、サンプル中に存在する結合パートナーへの結合から開放される。これによって、サンプル中の結合パートナーに結合していない抗体(「遊離」または「反応性」抗体)の検出のみならず、サンプル中のすべてのAβ特異的抗体の検出が可能となる。先に述べたように、本発明方法は、サンプル中のAβ特異的抗体の総量、すなわち、サンプル中の遊離(または「反応性))抗体ならびにすでに結合している(たとえば、Aβ構造に)抗体を決定するのにも適している。これは、AD診断にとって非常に重要なパラメーターである可能性がある、サンプル中の「反応性」対「非反応性」抗体の差(Δ)を確立するのに役立つ。AD診断用パラメーターとしてAβ特異的IgMを用いるためには、本発明方法を実行する前のデマスキングステップが特に好ましく、このようにして、サンプル中の「反応性」対「非反応性」抗体の差(Δ)が決定され、関連するパラメーターとして用いられるであろう。
本発明方法は、単粒子検出技術を利用する。このような技術により、Aβ凝集体へのAβ特異的抗体の「正の」結合結果の数および量を、同定および定量する(カウントする)ことが可能になる。この技術の好ましい具体例は、当技術分野における確立された技術であるFACSである。Aβ凝集体に結合している該抗体を検出するのに用いられる他の検出方法は、たとえば、Luminex(登録商標)またはマスサイトメトリーである。
「材料および方法」に記載するように、Luminex技術にしたがって、サンプル調製を行なってもよい。サンプル調製に続いて、たとえば、Luminexリーダーなどの検出システムにおいて検出することができる蛍光染色したマイクロスフェアに連結している二次抗体により、特異的Aβ特異的抗体によって認識されたAβ凝集体を検出することができる(Binderら、Lupus15 (2005):412-421)。
単粒子検出技術としてマスサイトメトリーを用いるならば、サンプル調製はまた、後記実施例セクションの「材料および方法」に記載のように行なうこともできる。サンプル調製は、記載のように行なう。サンプル調製に続いて、原子量分析法によって検出されうる遷移元素の安定同位体に連結している二次抗体により、特異的抗体によって認識されたAβ凝集体を検出することができる。次いで、>5,500 Kに加熱したアルゴンプラズマ充填誘導コイルを通して、サンプルを噴霧することができる。サンプルを気化し、イオン化して、原子的構成要素にし、飛行時間型質量分析によって、同位体タグ付けされた抗体の数を定量する(Janesら、Nat. Biotechnol. 29 (2011):602-604)。
別法として、一つの結合パートナー(Aβ凝集体または抗体/血清)が固定されているが、結合は流動条件下で測定される単粒子検出技術を用いることも可能である。Hybcell技術および表面プラズモン共鳴技術が例示される。本発明においてHybcell技術をもちいて、血清サンプルをHybcellの表面にスポッティングすることができ(回転シリンダー)、直接蛍光標識され、プレインキュベートされたAβ凝集体を用いて、あるいは蛍光標識されたモノクローナルAβ特異的二次抗体を用いて、インキュベーションを行なうことができる。Aβ凝集体に結合した抗体は、レーザーにより検出される(Ronacher、Anagnostics Technical Note ANA-TN-005 (2010))。本発明方法において表面プラズモン共鳴を用いるならば、逆のセットアップを適用することができる:プレインキュベートされたAβ凝集体をチップ表面に固定化することができる。血清からチップ上のAβ凝集体へのAβ特異的抗体の結合は、チップ表面の質量の増加によって検出することができ、したがって、結合パートナーの標識は必要ない。感度を高めるか、またはIgGサブタイプを決定するために、抗IgG-ABの連続注入が可能である(Cannonら、Anal. Biochem. 328 (2004):67-75)。チップ表面にAβ凝集体を直接固定化する代わりに、捕捉抗体を用いることができる。このセットアップのために、Aβ特異的抗体をチップ表面に固定化し、プレインキュベートされたAβ凝集体を注入する。該凝集体を捕捉した後、血清を注入し、質量の増加により、反応性を測定する。
本発明によるAβ凝集体へのAβ特異的抗体の結合の検出は、二次抗体(たとえば、二次標識抗IgGまたは抗IgM抗体)によるAβ凝集体へのAβ特異的抗体の結合を検出するための、たとえば、蛍光分光法(Missailidisら、Methods in Molecular Biology 248 (2003):431-441)などのいずれかの適当な方法によって行なうことができる。
凝集体に結合した自己抗体の検出は、プロテインAまたはプロテインGなどの、抗体を特異的に結合する基質を用いて行なうことができる。もう一つの可能性は、Aβ凝集体を用いて、Aβ凝集体特異的自己抗体を沈降させ、複合体を洗浄し、抗体をビオチン化することである。次いで、ストレプトアビジンを第二段階の試薬として用いることができる。
本発明の好ましい実施態様によれば、Aβ凝集体様表面を有する粒子は、その表面上に固定化されたAβ凝集体をもつビーズ、特に磁気ビーズである。
本発明は、ADの状態のマーカーとしての、免疫療法を受けているヒト患者におけるAβ特異的(自己)抗体を提供する。AD治療の開始の前に、AD患者を試験する。次いで、治療の過程(たとえば、特異的Aβワクチン、好ましくはミモトープワクチンを用いるADワクチン接種療法)でAβ特異的抗体を試験する。Aβ特異的抗体の量は、AD患者において上昇するべきである。この上昇は、抗体レベルにおける免疫反応の誘発の成功の証明である。したがって、もし、AD患者またはADを発症するリスクを有するか、またはADを有している疑いがある被験者にいてレベルが変更されるなら、このようなレベル変更は、AD免疫療法の成功に相関する。「変更された」レベルは、Aβ特異的抗体の絶対数の変更、あるいはAβ特異的抗体の(たとえば、特定のクラスのAβ特異的抗体(IgG、IgMなど)の)全体の反応性の変更である。たとえば、反応性Aβ特異的IgGの増加は、ADワクチン接種の成功と相関し、そのマーカーとなる。一方、IgMに関しては、(非反応性、すなわち、結合しているかマスキングされている)Aβ特異的IgMのレベルの逆方向への変化が、ADに関するマーカー機能を有する。本発明方法では、反応性Aβ特異的IgGの「初期」レベルを100%とする場合、反応性Aβ特異的IgGにおける有意な増加、たとえば、125%以上、150%以上、あるいは200%以上への増加は、免疫療法の成功を示す。一方、Aβ特異的IgMの「初期」レベルが、100%にセットされる場合、血液サンプル中における、少なくとも30%、たとえば、少なくとも50%または少なくとも100%の総IgM(反応性+非反応性)の増加は、ADの発症を示す。
Aβ特異的抗体の検出量が、他のAD状態試験、特にミニメンタルステート検査(MMSE)の結果、サンプルがその人物から採取された、同じ時点における同じAD患者のMMSEの結果と相関するのが好ましい。たとえば、この患者に対するワクチン接種方策の開始前のMMSEの結果を、治療過程を通して(およびその後に)作成されたMMSEと比較すると、劣化や改善がないこと(AD免疫療法の成功を示す)あるいは劣化(免疫療法の不成功)を観察することができる。
したがって、本発明方法は、疾患の治療の開発に関して特定のAD患者を監視するのに、特に、本発明の診断結果を、AD状態を決定するための他の診断ツールと相関させるのに、および/または、治療的介入の効果を監視するのに、特に適している。したがって、本発明の好ましい実施態様において、本発明方法を、異なる時点で採取した同じ患者のサンプルにおいて、少なくとも二回行なう。Aβ特異的抗体の検出量が、サンプルがその患者から採取された、同じ時点の同じ患者のMMSEの結果と相関するのが好ましい。特定の患者におけるADの発症を監視するために、一定の間隔で、たとえば、少なくとも六ヶ月に一回、好ましくは三ヶ月に一回、特に毎月一回、本発明方法を行なうのが好ましい。
定義された疾患状態に対するサンプル中のAβ特異的抗体の特定の閾値を決定するのも可能である(たとえば、「健康」、軽度のAD、進行したADまたはMMSEスケールにしたがって)。閾値は、もちろんサンプルや正確な検出システムに応じではあるが、本発明を行なういずれかの標準化された方法のために開発されてよい。健康人の血清中のAβ特異的IgG濃度は、通常、1000〜5000 ng/mlであるが、AD患者の該IgG濃度は、通常、より低く、たとえば、250〜1500 ng/mlなどである。大部分のAD患者では、1000 ng/ml未満である。したがって、本発明の好ましい実施態様によれば、閾値より低いサンプル中のAβ特異的抗体の量の検出は、ADを示す。ここで、閾値は、1500 ng/ml以下、好ましくは1000 ng/ml以下、特に750 ng/ml以下である。一方、AD治療、特に免疫療法によるAD治療の過程におけるこのIgG濃度の上昇は、免疫療法の成功を示す。たとえば、もし該レベルが750 ng/ml未満から1000 ng/mlを上回る、あるいは1500 ng/mlを上回るならば、これは免疫療法の成功を示す。
したがって、本発明方法は、経時モニタリング中の特定の患者のAD免疫療法と関連して用いるのに特に適している。
本発明はまた、Aβに結びつくか、あるいは関連するすべての病態(Aβ病態)、特に、Aβ蓄積が疾患の過程で起こっている病態に関する免疫療法のために用いるのに適している。このようなAβ病態の例は、パーキンソン認知症(PDD)、レビー小体型認知症(DLB)、脳アミロイド血管症(CAA)、封入体筋炎(IBM;特に散発性eIBM(sIBM))または慢性頭部外傷(たとえば、ボクシング)である(たとえば、WO 2004/062556 A、WO 2009/103105 A、WO 2009/149485 A、WO 2009/149486 A、WO 2009/149487 A、WO 2011/020133 A、WO2006/005707 A、WO2006/005706 A、WO 2005/025651 Aなどを参照)。
疾患の発症とともに可能な治療方法の性能、特に治療方法が「健康」またはAβ特異的抗体、特にIgGのレベル「増加」を確立するかどうかを観察するためにこの方法を用いることが可能である。
したがって、本発明方法は、AD患者、特にADを治癒もしくは軽減するための医薬で治療されているAD患者の監視のために用いられるのが好ましい。本発明方法を、ADワクチン(たとえば、WO 2004/062556 A、WO2006/005707 A、WO2009/149486 AおよびWO 2009/149485 Aにしたがって、ADミモトープを用いて;またはWO 99/27944 Aにしたがって、 Aβ誘導ワクチンを用いて)またはAβ標的疾患修飾薬に対する臨床試験において患者を観察するのに成功裏に適用することができる。
本発明によれば、Aβ特異的抗体に関する患者の免疫学的設定(immunological set-up)における変化を検出することが原理的に可能となる。これは、患者を、ADに対する早期治療計画および/または予防(もしくは遅延化)方策、特にワクチン接種に対して適格にする。
別の態様によれば、本発明は、
Aβ凝集体;および
サンプル容器、特にヒトサンプル(たとえば、血液、血清、血漿など)のための容器;
を含む、本発明方法を行なうキットに関する。
Aβ凝集体;および
サンプル容器、特にヒトサンプル(たとえば、血液、血清、血漿など)のための容器;
を含む、本発明方法を行なうキットに関する。
本発明のキットが、さらに、たとえば抗IgG-または抗IgM-抗体などのAβ特異的抗体、好ましくは二次抗体、特に標識二次抗体に結合しているAβ凝集体を検出する手段を含むのが好ましい。さらなる成分は、標準サンプル、正および/または負のコントロール、使用説明書ならびに適当な包装手段(たとえば、安定した箱、着色バイアルなど)でありうる。
本発明を以下の実施例および図面によってさらに説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例:
材料および方法
表面プラズモン共鳴(SPR-BIAcore)を用いるAβ特異的抗体の検出
Biacoreシステムは、免疫化のために用いることができる様々なチップを提供する。この実験のために、ストレプトアビジン(SA)でコーティングされたチップを用いた。チップ表面への、側鎖を介したリガンドの非特異的結合を回避するために、C末端ビオチン化Aβペプチド(Anaspecから購入)を用いた。ビオチン−ストレプトアビジン複合体は、非常に安定しているので、拡張された一連の実験に最も適している。チップのロバスト性、すなわち、再現性を最適化するために、最大の応答ユニット(〜1500RU)をフローセル群に固定し、フローセル1を空のままにして、対照として用いた。チップ表面上の非特異的結合を回避するために、遊離ビオチンを用いて、すべてのフローセル上の遊離SA結合部位を満たした。ヒトサンプル(HBS中、1:10〜1:100に希釈したもの、pH 7.4)および1 mg/ml〜10 μg/mlに連続希釈したIVIG(同様に、HBS中、pH 7.4で希釈したもの)を測定した。10mM グリシン-HCl(pH 1.8)とともに各サンプルを注入した後、チップ表面を再生させた。すべての実験は、25℃にて行なった。会合相200秒および解離相600秒で開始する注入のために、標準化されたプロトコルを用いた。サンプル注入の終了時における応答レベル(RUにて測定)として、Rmax値を定義する。シグナルを評価するために、統合BIA評価ソフトウェアを用いてRmax値を決定した。
材料および方法
表面プラズモン共鳴(SPR-BIAcore)を用いるAβ特異的抗体の検出
Biacoreシステムは、免疫化のために用いることができる様々なチップを提供する。この実験のために、ストレプトアビジン(SA)でコーティングされたチップを用いた。チップ表面への、側鎖を介したリガンドの非特異的結合を回避するために、C末端ビオチン化Aβペプチド(Anaspecから購入)を用いた。ビオチン−ストレプトアビジン複合体は、非常に安定しているので、拡張された一連の実験に最も適している。チップのロバスト性、すなわち、再現性を最適化するために、最大の応答ユニット(〜1500RU)をフローセル群に固定し、フローセル1を空のままにして、対照として用いた。チップ表面上の非特異的結合を回避するために、遊離ビオチンを用いて、すべてのフローセル上の遊離SA結合部位を満たした。ヒトサンプル(HBS中、1:10〜1:100に希釈したもの、pH 7.4)および1 mg/ml〜10 μg/mlに連続希釈したIVIG(同様に、HBS中、pH 7.4で希釈したもの)を測定した。10mM グリシン-HCl(pH 1.8)とともに各サンプルを注入した後、チップ表面を再生させた。すべての実験は、25℃にて行なった。会合相200秒および解離相600秒で開始する注入のために、標準化されたプロトコルを用いた。サンプル注入の終了時における応答レベル(RUにて測定)として、Rmax値を定義する。シグナルを評価するために、統合BIA評価ソフトウェアを用いてRmax値を決定した。
ELISAを用いたAβ特異的抗体の検出
異なるAβペプチド(rPeptideから購入)を濃度5μg/mlの100 mM NaHCO3(pH 9.2)にて希釈し、Maxisorp 96ウエルプレート上で一夜コーティングした。非特異的結合を防止するために、1% BSA/PBSを用いて37℃にて1時間プレートをブロックした。連続希釈したヒト血清サンプル(1:10の希釈から開始)、または結合緩衝液(PBS/0.1% BSA/0.1% Tween20)で希釈した1 mg/ml〜10 μg/ml濃度のIVIGを加えたサンプルを用いて、37℃にて1時間ELISAを行なった。PBS/0.1% Tween20での繰り返し洗浄ステップ(3回)を行なった後、二次 抗ヒトIg HRP (0.5μg/ml)検出抗体を37℃にて1時間加えた。サンプルを再び3回洗浄し、アッセイ開始のためにABTS(0.1 M クエン酸中0.68 mM、pH 4.3)を30分間加えた後、プレートリーダー(Biotek - Gen5 Program)上で波長405 nmにてOD測定を行なった。
異なるAβペプチド(rPeptideから購入)を濃度5μg/mlの100 mM NaHCO3(pH 9.2)にて希釈し、Maxisorp 96ウエルプレート上で一夜コーティングした。非特異的結合を防止するために、1% BSA/PBSを用いて37℃にて1時間プレートをブロックした。連続希釈したヒト血清サンプル(1:10の希釈から開始)、または結合緩衝液(PBS/0.1% BSA/0.1% Tween20)で希釈した1 mg/ml〜10 μg/ml濃度のIVIGを加えたサンプルを用いて、37℃にて1時間ELISAを行なった。PBS/0.1% Tween20での繰り返し洗浄ステップ(3回)を行なった後、二次 抗ヒトIg HRP (0.5μg/ml)検出抗体を37℃にて1時間加えた。サンプルを再び3回洗浄し、アッセイ開始のためにABTS(0.1 M クエン酸中0.68 mM、pH 4.3)を30分間加えた後、プレートリーダー(Biotek - Gen5 Program)上で波長405 nmにてOD測定を行なった。
FACS分析を用いたAβ特異的抗体の検出
分析前に、凍結乾燥β-アミロイドペプチドを分解手順に付した。この目的のために、凍結乾燥Aβを1% NH4OH (pH 11)に溶解した。次いで、溶解したAβペプチドをアリコート化し、−20℃にて保管した。凝集体の形成を誘発するために、エッペンドルフ管中、振とう器(350 rpm)で37℃にて一夜、20 μM水溶液(pH 5)として、異なるAβ種をインキュベートした。Aβ凝集体の形成は、FACS(FSC/FL1)にてチオフラビンT(ThT)染色によって確認することができた。凝集したAβ種を滅菌ろ過0.5% BSA中、0.15 μMに希釈し、96ウエルプレート上の最終体積95 μlにて30分間プレインキュベートした。5 μlの予め希釈したヒト血漿またはAbs(0.5% BSA/PBS中)を95 μlのAβ凝集体溶液に加えた。血漿の最終希釈は、1:1000〜1:10.000の範囲であった。モノクローナル抗体のために、0.5μg/ml以下の濃度を用いた。振とう器(350 rpm)で、室温にて45または60分間インキュベートした後、200 μlの0.5% BSA/PBSをすべての植えるに加え、3000 rpmにて5分間遠心分離した(96ウエルプレート-遠心分離機)。上清を除去し、200 μlの0.5% BSA/PBSを用いる洗浄ステップを繰り返した。第二の洗浄を行なった後、SNを捨て、100μlの、1:1000希釈した標識二次抗IgG (H+L)-PEまたは1:500希釈した抗IgM、Fc5μ抗体(両方ともJackson Immuno Research)を含む0.5% BSA/PBSに、ペレットを再懸濁させた。振とう器(350 rpm)で、室温にて45または60分間、サンプルをさらにインキュベートし、ハイスループットサンプラー(HTS)を備えたFACS Cantoで測定した。凝集体をFSC/SSCにおいてゲートでコントロールし、メジアン蛍光強度(MFI)を測定し、FL2-PEチャンネルにおいて評価し、Aβ凝集体に対するThTの反応性を測定し、FACS Divaソフトウェアを用いるFL1-FITCチャンネルにおいて評価した。
分析前に、凍結乾燥β-アミロイドペプチドを分解手順に付した。この目的のために、凍結乾燥Aβを1% NH4OH (pH 11)に溶解した。次いで、溶解したAβペプチドをアリコート化し、−20℃にて保管した。凝集体の形成を誘発するために、エッペンドルフ管中、振とう器(350 rpm)で37℃にて一夜、20 μM水溶液(pH 5)として、異なるAβ種をインキュベートした。Aβ凝集体の形成は、FACS(FSC/FL1)にてチオフラビンT(ThT)染色によって確認することができた。凝集したAβ種を滅菌ろ過0.5% BSA中、0.15 μMに希釈し、96ウエルプレート上の最終体積95 μlにて30分間プレインキュベートした。5 μlの予め希釈したヒト血漿またはAbs(0.5% BSA/PBS中)を95 μlのAβ凝集体溶液に加えた。血漿の最終希釈は、1:1000〜1:10.000の範囲であった。モノクローナル抗体のために、0.5μg/ml以下の濃度を用いた。振とう器(350 rpm)で、室温にて45または60分間インキュベートした後、200 μlの0.5% BSA/PBSをすべての植えるに加え、3000 rpmにて5分間遠心分離した(96ウエルプレート-遠心分離機)。上清を除去し、200 μlの0.5% BSA/PBSを用いる洗浄ステップを繰り返した。第二の洗浄を行なった後、SNを捨て、100μlの、1:1000希釈した標識二次抗IgG (H+L)-PEまたは1:500希釈した抗IgM、Fc5μ抗体(両方ともJackson Immuno Research)を含む0.5% BSA/PBSに、ペレットを再懸濁させた。振とう器(350 rpm)で、室温にて45または60分間、サンプルをさらにインキュベートし、ハイスループットサンプラー(HTS)を備えたFACS Cantoで測定した。凝集体をFSC/SSCにおいてゲートでコントロールし、メジアン蛍光強度(MFI)を測定し、FL2-PEチャンネルにおいて評価し、Aβ凝集体に対するThTの反応性を測定し、FACS Divaソフトウェアを用いるFL1-FITCチャンネルにおいて評価した。
デマスキング
患者血清中に存在する可能性があるAβへのAβ特異的自己抗体の結合を中断させ、それによって、抗原ベースの方法(ELISAまたはFACSなど)によるこれらのAβ結合自己抗体の検出を防止するために、1:16.7希釈溶液の10mMのグリシン(pH2.6)で血清を予め5分間希釈した。
患者血清中に存在する可能性があるAβへのAβ特異的自己抗体の結合を中断させ、それによって、抗原ベースの方法(ELISAまたはFACSなど)によるこれらのAβ結合自己抗体の検出を防止するために、1:16.7希釈溶液の10mMのグリシン(pH2.6)で血清を予め5分間希釈した。
自己抗体へのAβ抗原の潜在的結合を中断させるために、1:16.7希釈溶液の10mMのグリシン(pH2.6)で血清を予め5分間希釈した。次いで、5μlの酸性化血清を、 3μlのAβ1-42 (100μg/ml)とともにさらに5分間共インキュベートした。次いで、92μlの0.5%BSA/PBS を加えて混合物を中和し、20〜60分間インキュベートした。デマスキングされなかった血清に対して、上述した洗浄ステップおよび二次抗体とのインキュベーションを行なった。
結果
Aβ凝集体:オリゴマー化および線維形成
モノマー凝集体からのAβ凝集体(Aβオリゴマー、原線維および原線維凝集体など)の形成は、近年、複数の条件下で集中的に研究されている。Aβペプチドの凝集が、pH、温度、緩衝液組成およびタンパク質濃度などの様々な条件に大きく依存することが見出されている。凝集は、モノマーからのβヘアピンの形成から始まり、可溶性オリゴマーに至る。近年の発見は、pH 7.4にて産生されたAβ40およびAβ42凝集体が、横方向に束になる(15〜25 nm幅のフィラメント)傾向が若干ある5 nm幅のフィラメントを有する原線維を含むことを明らかにしている。このような単一の原線維の長さは、透過電子顕微鏡法によって決定されるように、サブマイクロメーター(50〜100 nm)から10〜15μmの範囲内にある。これらのAβ原線維の一つの特徴は、それらが蛍光染料であるチオフラビンT(ThT)と特異的にインターカレートすることである。
Aβ凝集体:オリゴマー化および線維形成
モノマー凝集体からのAβ凝集体(Aβオリゴマー、原線維および原線維凝集体など)の形成は、近年、複数の条件下で集中的に研究されている。Aβペプチドの凝集が、pH、温度、緩衝液組成およびタンパク質濃度などの様々な条件に大きく依存することが見出されている。凝集は、モノマーからのβヘアピンの形成から始まり、可溶性オリゴマーに至る。近年の発見は、pH 7.4にて産生されたAβ40およびAβ42凝集体が、横方向に束になる(15〜25 nm幅のフィラメント)傾向が若干ある5 nm幅のフィラメントを有する原線維を含むことを明らかにしている。このような単一の原線維の長さは、透過電子顕微鏡法によって決定されるように、サブマイクロメーター(50〜100 nm)から10〜15μmの範囲内にある。これらのAβ原線維の一つの特徴は、それらが蛍光染料であるチオフラビンT(ThT)と特異的にインターカレートすることである。
本発明によれば、ThTとインターカレートする異なるAβペプチド変異体(Aβ1-42、Aβ3-40およびAβp(E)3-40)のAβ凝集体が生成された。これらのAβ凝集体は、FACS分析を用いて検出することができる。この目的のためにMMに記載されたように、種なしの可溶性ペプチドを、20 μMの濃度で、37℃にて20時間インキュベートした。図1のA(上のパネル)において、ThT陽性の明らかに均質な集団として示されるように、本発明に従って開発されたFACSアッセイは、インビトロ生成Aβ凝集体の分析を可能にする。Aβ凝集体のサイズ分布(前方散乱FSC-Aによって定義)を、1〜15 μmの範囲のサイズ較正ビーズ(フローサイトメトリーサイズ較正キット(カタログ番号 F-13838)、Molecular probes)を用いて分析した(図1の下のパネル)。この分析を用いて、生成したAβ凝集体のサイズが、予測されたように、サブマイクロメーターレンジから10 μmまでの範囲であり、大部分の生成された凝集体が、〜200 nmから3 μmの範囲であることが明らかにされた。
mAbとAβ凝集体の反応性
Aβ凝集体がAβ特異的抗体の結合を許可するかどうかを決定するため、およびこのような相互作用が本明細書において記載したFACSベースのアッセイを用いて監視されうるかどうかを決定するために、もう一つの実験セットを行なった。この目的のために、Aβ1-42ならびにAβp(E)3-42凝集体を生成し、Aβ1-42 (3A5)に特異的であるか、またはAβp(E)3-42 (D129)に特異的であるモノクローナル抗体とともにインキュベートした。図2のFACSヒストグラムに示すように、モノクローナル抗体3A5は、Aβ1-42凝集体を排他的に結合するが、mAb D129は、N末端を欠損しているピログルタミン酸化Aβ種のみと相互作用する。このことは、記載したFACSベースアッセイが、特異的様式におけるAβ特異的抗体の検出を可能にすることを明らかにする。
Aβ凝集体がAβ特異的抗体の結合を許可するかどうかを決定するため、およびこのような相互作用が本明細書において記載したFACSベースのアッセイを用いて監視されうるかどうかを決定するために、もう一つの実験セットを行なった。この目的のために、Aβ1-42ならびにAβp(E)3-42凝集体を生成し、Aβ1-42 (3A5)に特異的であるか、またはAβp(E)3-42 (D129)に特異的であるモノクローナル抗体とともにインキュベートした。図2のFACSヒストグラムに示すように、モノクローナル抗体3A5は、Aβ1-42凝集体を排他的に結合するが、mAb D129は、N末端を欠損しているピログルタミン酸化Aβ種のみと相互作用する。このことは、記載したFACSベースアッセイが、特異的様式におけるAβ特異的抗体の検出を可能にすることを明らかにする。
IVIGを用いるヒト自己抗体のAβ結合のための異なる検出方法の感度の定義付け
IVIG(静注用免疫グロブリン)は、市販の血液製剤である。それは、健康なドナー由来の血漿(少なくとも1000人のドナーからのヒト血漿)から抽出されたIgG画分をプールしたものを含む。IVIG製剤が、Aβペプチドに特的な天然抗体(自己抗体)を含むことが明らかにされている。
IVIG(静注用免疫グロブリン)は、市販の血液製剤である。それは、健康なドナー由来の血漿(少なくとも1000人のドナーからのヒト血漿)から抽出されたIgG画分をプールしたものを含む。IVIG製剤が、Aβペプチドに特的な天然抗体(自己抗体)を含むことが明らかにされている。
この実験の目的は、IVIG(IVIG-Subcuvia、オーストリアのBaxterから入手)のAβ反応性のための三つの別々の検出方法(Biacore、ELISAおよびFACSベースアッセイ)の検出限界を定義し、比較することであった。したがって、それぞれSPRまたはELISA用の、チップ表面またはMaxisorpマイクロタイタープレート上にAβ1-42を固定化した。別法として、FACS分析用にAβ1-42凝集体を作成した。次いで、異なるIVIG希釈を、個々のシステムに適用し、SPRの場合にはRmax値を、ELISAの場合にはOD値を、あるいはFACSアッセイの場合には蛍光強度(MFI値)を定義した。比較するために、すべてのIVIG濃度について、ノイズに対するシグナル比を評価し、シグナルを「倍バックグラウンドシグナル」(xBG)として表した(図3)。SPR測定の場合、IVIG濃度のうち、バックグラウンドを超えるシグナルを与えたものはなかった(図3のC)。それとは対照的に、コントロール抗体3A5は、チップ表面にAβ1-42が成功裏に固定化され、Aβペプチドが、抗体によってチップ表面上で原理的に認識されうることを示す、強いシグナルを与えた。検出方法としてELISAを用いると、1000 μg/mlのIVIGは、バックグラウンドを超える明確なシグナル(バックグラウンドの7倍)を与えたが、100 μg/mlのIVIGによって誘発されたシグナルは、バックグラウンドのわずか2倍であった。10 μg/mlのIVIGは、バックグラウンドより大きいシグナルをもたらさなかった(図3のB)。図3のAに示されるように、FACSベースアッセイは、他の二つの検出方法によってデリバリーされるシグナルよりもはるかに高いシグナルを提供した。1000 μg/ml(バックグラウンドの24倍)または100 μg/ml(バックグラウンドの11倍)のIVIG希釈液のみならず、10 μg/ml(バックグラウンドの5倍)および1 μg/ml(バックグラウンドのほぼ2倍)のIVIG希釈液は、明らかにバックグラウンドを超えるシグナルをもたらした。このことは、Aβ特異的自己抗体を検出するために新たに開発されたFACSベースアッセイが、ELISAまたはBiacoreなどの従来のアッセイと比較して、少なくとも100倍感度が高いことを示す。
健康なドナーおよびAD患者由来のヒト血液中の抗ベータアミロイド抗体の定義づけ
a.Aβ1-42に対するIgGの反応性
認知と免疫学的データとの相関関係を定義する試みにおいて、AD患者の血清(n=24)のAβ凝集体に対する測定されたIgGの反応性は、血清サンプリングの時点における患者のミニメンタルステート検査(MMSE)からのスコアと相関した。図4に示すように、この相関関係は、試験パフォーマンスが弱い患者は、IgG反応性が低いという傾向を示すことを明らかにした。したがって、このAβ特異的IgG反応性の減少は、ADの進行を反映する。
a.Aβ1-42に対するIgGの反応性
認知と免疫学的データとの相関関係を定義する試みにおいて、AD患者の血清(n=24)のAβ凝集体に対する測定されたIgGの反応性は、血清サンプリングの時点における患者のミニメンタルステート検査(MMSE)からのスコアと相関した。図4に示すように、この相関関係は、試験パフォーマンスが弱い患者は、IgG反応性が低いという傾向を示すことを明らかにした。したがって、このAβ特異的IgG反応性の減少は、ADの進行を反映する。
認知と免疫学的データとの相関関係を定義する試みにおいて、AD患者の血清(n=24)の血清に対する測定されたIgGの反応性は、ミニメンタルステート検査(MMSE)からの結果と相関した。この試験は、通常、認知障害と認知症をスクリーニングし、特定の時点での個人の認知障害の重篤度を評価するのに用いられる。MFIとMMSEスコアとの相関関係は、図4に示すように、試験パフォーマンスが弱い患者は、IgG反応性が低いという傾向を示すことを明らかにした。
b.Aβ3-42およびAβp(E)3-42に対するIgGの反応性
Aβ1-42凝集体に対する、AD患者および健康な被験者の血清中の天然の免疫グロブリンの反応性を定義することに加えて、Aβ3-42ならびにAβp(E)3-42に対するこれらの血清の反応性も定義付けた。
Aβ1-42凝集体に対する、AD患者および健康な被験者の血清中の天然の免疫グロブリンの反応性を定義することに加えて、Aβ3-42ならびにAβp(E)3-42に対するこれらの血清の反応性も定義付けた。
c.様々なAβ凝集体に対するIgGの反応性
次の一連の実験において、上述と同じ血清を用いて、健康な個人またはAD患者由来の血清サンプル中のAβ凝集体特異的IgM反応性を定義付けた。図5のAから分かるように、Aβ凝集体に特異的なIgM同位体の天然の抗体は、すべての試験したサンプルにおいて検出された。IgG反応性とは対照的に、健康なコントロール由来の血清サンプルは、AD患者由来の血清サンプルよりも高い、Aβ凝集体に対するIgM反応性を持っていないように思われる。したがって、ROC曲線分析は、感度または特異性を示す曲線をもたらさなかった(図5のB)。
次の一連の実験において、上述と同じ血清を用いて、健康な個人またはAD患者由来の血清サンプル中のAβ凝集体特異的IgM反応性を定義付けた。図5のAから分かるように、Aβ凝集体に特異的なIgM同位体の天然の抗体は、すべての試験したサンプルにおいて検出された。IgG反応性とは対照的に、健康なコントロール由来の血清サンプルは、AD患者由来の血清サンプルよりも高い、Aβ凝集体に対するIgM反応性を持っていないように思われる。したがって、ROC曲線分析は、感度または特異性を示す曲線をもたらさなかった(図5のB)。
d.デマスキング後のAβ凝集体に対するIgGおよびIgMの反応性
これまでの研究では、Aβ特異的自己抗体、主としてIgMアイソタイプが、Aβ抗原で占有されて、ヒト血液中で安定であって循環している免疫複合体を作り上げることができることが明らかにされている(WO 2010/128139 A1;Marcelloら、2009;Lindhagen-Perssonら、PLoS ONE 5 (2010):e13928)。自己抗体に潜在的に結合したAβ抗原が、インビトロで生成されたAβ凝集体に対するこれらの抗体の反応性を遮断することができるかどうかを決定するために、個々の血清を「材料および方法」において記載したデマスキング手順に付した。低いpHを用いることにより、潜在的な免疫複合体の形成が妨害され、抗体結合ドメインからAβ抗原が除去される(抗原解離)。したがって、もし免疫複合体が、血清サンプル中に存在するならば、デマスキング手順は、FACSベースアッセイにおいて、より高い抗体シグナルをもたらすことができた。興味深いことには、図6に示したように、AD患者の血清のIgM反応性は、デマスキンブ後、有意に増加したが、健康なコントロールの血清の反応性は、非処置血清と比べて変化しなかった(図9のA)。
これまでの研究では、Aβ特異的自己抗体、主としてIgMアイソタイプが、Aβ抗原で占有されて、ヒト血液中で安定であって循環している免疫複合体を作り上げることができることが明らかにされている(WO 2010/128139 A1;Marcelloら、2009;Lindhagen-Perssonら、PLoS ONE 5 (2010):e13928)。自己抗体に潜在的に結合したAβ抗原が、インビトロで生成されたAβ凝集体に対するこれらの抗体の反応性を遮断することができるかどうかを決定するために、個々の血清を「材料および方法」において記載したデマスキング手順に付した。低いpHを用いることにより、潜在的な免疫複合体の形成が妨害され、抗体結合ドメインからAβ抗原が除去される(抗原解離)。したがって、もし免疫複合体が、血清サンプル中に存在するならば、デマスキング手順は、FACSベースアッセイにおいて、より高い抗体シグナルをもたらすことができた。興味深いことには、図6に示したように、AD患者の血清のIgM反応性は、デマスキンブ後、有意に増加したが、健康なコントロールの血清の反応性は、非処置血清と比べて変化しなかった(図9のA)。
図7では、図6に示した結果をROC曲線にまとめた。このROC曲線分析は、曲線下領域(AUC)が0.822であり、感度が78%である場合、特異性が84%であることを明らかにした。
結論
これらの結果に基づいて、本発明のFACS凝集アッセイの感度がより高いことは、Aβ1-42の異なる凝集状態に直接結びつけられると言うことができる。 BIAcore分析のために、新たに溶解し、ビオチン化したAβ1-40を用いて、ストレプトアビジンチップ上に固定化した。この方法は、プレインキュベーションなしでペプチドが迅速に固定化され、ビオチンタグが凝集体の形成を減速させるので、チップ表面上のモノマーAβ1-42の結合に有利である。Maxisorpプレート上のpH9でのAβ1-42のコーティングは、いくつかの凝集体のコーティングを除外することはできないが、Aβのモノマー体に有利であるようにみえる。これらのアッセイにおいて、抗体とAβ1-42ペプチドの間の親和性は、検出限界に貢献する。
これらの結果に基づいて、本発明のFACS凝集アッセイの感度がより高いことは、Aβ1-42の異なる凝集状態に直接結びつけられると言うことができる。 BIAcore分析のために、新たに溶解し、ビオチン化したAβ1-40を用いて、ストレプトアビジンチップ上に固定化した。この方法は、プレインキュベーションなしでペプチドが迅速に固定化され、ビオチンタグが凝集体の形成を減速させるので、チップ表面上のモノマーAβ1-42の結合に有利である。Maxisorpプレート上のpH9でのAβ1-42のコーティングは、いくつかの凝集体のコーティングを除外することはできないが、Aβのモノマー体に有利であるようにみえる。これらのアッセイにおいて、抗体とAβ1-42ペプチドの間の親和性は、検出限界に貢献する。
本発明のFACSベースアッセイのためのこれらの二つの方法とは対照的に、 Aβ-1-42凝集体は、特異的に誘発され、IVIGに存在するAβに特異的な抗体の検出のために用いられた。これらのより大きい分子は、複数の抗体結合部位を提供する。得られるアビディティー効果(複数の相乗的低アフィン抗体−抗原相互作用の合計)は、このアッセイの感度がより高いことの原因となりうるものであり、IVIG画分内の低アフィン抗体の検出を導く。Aβ凝集体に対するIVIGの反応性は、Aβの凝集体上に単独で存在するエピトープの存在によって説明することもできる。
例は、特に、得意性および感度などの分析特性に関し、現在当技術分野で利用可能な方法を超える本発明方法の優位性を明らかに示す。
EP 1 583 774 B1およびEP 1 679 319 B1によるミモトープワクチンを用いる臨床試験
Aβペプチドを特異的に標的化する抗体を誘発することができるEP 1 583 774 B1およびEP 1 679 319 B1に記載のAFFITOPEワクチンを、二群(two arms)臨床試験において試験した。集団1の患者を、アジュバントを含むAFFITOPEワクチンで免疫感作し、集団2の患者を、免疫反応増強剤としてのアジュバントを含まないAFFITOPEワクチンで免疫感作した。Aβ特異的IgG抗体の増加を予測することができない非アジュバントワクチンとは対照的に、アジュバントワクチンは、Aβを標的とする抗体を誘発する能力を有するべきである。
Aβペプチドを特異的に標的化する抗体を誘発することができるEP 1 583 774 B1およびEP 1 679 319 B1に記載のAFFITOPEワクチンを、二群(two arms)臨床試験において試験した。集団1の患者を、アジュバントを含むAFFITOPEワクチンで免疫感作し、集団2の患者を、免疫反応増強剤としてのアジュバントを含まないAFFITOPEワクチンで免疫感作した。Aβ特異的IgG抗体の増加を予測することができない非アジュバントワクチンとは対照的に、アジュバントワクチンは、Aβを標的とする抗体を誘発する能力を有するべきである。
本発明のFACSベースアッセイの、誘発されたIgG抗体を臨床試験の過程にわたって監視する能力を評価するために、ワクチンレシピエント由来の血清をこのアッセイに付した。それぞれ一人の患者に由来する一つの免疫前血清(免疫手順を開始する前に採取されたもの)および三つの免疫後血清を分析した。時点および患者当たり、血清サンプルの異なるアリコートにおいて二回の測定を行なった。個々の患者におけるAβ凝集体特異的IgG抗体の経時増加は、FACSアッセイが、経時で免疫療法介入の有効性を監視するために適用することができることを示し、さらに、このような結果は、ワクチン接種が成功したことを示す。
本発明のFACSベースアッセイを適用して、すべての被験者の免疫前血清が、予想通り、すでにAβ凝集体特異的IgGを含むことを見出した。これは、血液(血漿/血清)およびCSFなどの体液が、Aβ凝集体特異的IgMおよびIgG抗体を含むことを示す最近の刊行物と一致する。
図8に示す値は、二つの経時測定の平均値を示す。この図において、集団1の患者(患者A)およびアジュバントを含まないワクチンで免疫感作した患者(集団2−患者B)におけるAβ特異的IgG抗体反応の進行を例示的に示す。図8から明らかなように、患者Aからの血清2および3のMFIシグナルは、前血清に由来する蛍光シグナルよりも有意に高く、Aβ特異的IgGの増加を示す。これとは対照的に、患者Bに由来する免疫血清では蛍光シグナルは増加しなかった。これらの結果は、各グループを代表する。
個々の患者のAβ1-42反応性の増加を定義するために、各前血清に対する最後の免疫血清の二つの独立した測定の平均MFI値の差異を、計算した。図9において、FACSアッセイを用いる免疫血清の分析が、両方のグループ間に明確な差異をもたらしたことは明らかである。アジュバントを含むワクチンで免疫感作した患者からの免疫血清は、常に、Aβ特異的IgGの増加を示す。
アジュバントを含むワクチンまたは含まないワクチンのいずれかを接種された患者のメジアンFI値の間の統計的差異を評価するために、二つの異なる試験を行なった。すべての患者のデータが包含される場合、アジュバントグループにおける一つの極端値(外れ値)により、二つのグループの間に正規分布はなかった。この前提の下で、マンホイットニー検定を行ない、0.0473のp値が得られた(図9)。正規分布条件下の統計的分析も作成するために、データセットからアウトレイヤー(外れ値)を除去し、スチューデントのt検定を行なった。この分析からも、0.0089という統計的に有意なp値が得られた(図9)。
Claims (17)
- 以下のステップ:
生体サンプルをAβ凝集体またはAβ凝集体様表面を有する粒子と接触させ、Aβ特異的抗体をAβ凝集体に結合させるステップ;および
単粒子検出技術、好ましくは蛍光活性化細胞選別(FACS)によって、Aβ凝集体に結合したAβ特異的抗体を検出するステップ;
を含む生体サンプル中のAβ特異的抗体を検出する方法。 - Aβ特異的抗体が、ヒト抗体、好ましくはヒトIgGまたはIgM抗体、特にヒトIgG抗体であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- Aβ特異的抗体が、自己抗体であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- Aβ凝集体のサイズが、50 nm〜15 μm、好ましくは100 nm〜10 μm、特に200 nm〜5 μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
- Aβ凝集体が、β-1-42ペプチド、Aβ-1-43ペプチド、Aβ-3-42またはAβ-p(E)3-42ペプチド、あるいは好ましさの程度は低いが、Aβ-1-40などのC末端を欠損しているAβペプチドを、pH2〜9にて、少なくとも20分間、好ましくは1時間、特に少なくとも4時間インキュベートすることによって製造されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
- Aβ凝集体が、サンプルをAβ凝集体と接触させるために、0.001〜1 μM、好ましくは0.01〜0.1 μMの濃度で存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
- 生体サンプルが、ヒト血液であるか、またはヒト血液由来のサンプル、好ましくはヒト血清もしくはヒト血漿;ヒト脳脊髄液あるいはヒトリンパ液であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
- Aβ凝集体を、少なくとも10分、好ましくは10分〜24時間、特に20分〜2時間、サンプルと接触させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
- 特にIgM抗体が検出される場合、サンプルをAβ凝集体と接触させる前に、サンプル中のAβ特異的抗体上でデマスキングステップが行なわれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
- Aβ凝集体様表面を有する粒子が、その表面上に固定化されたAβ凝集体をもつビーズ、特に磁気ビーズであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
- 生体サンプルが、AD免疫療法、特にADワクチン接種を受けているか、または受けることになっているAD患者のサンプルである請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
- 生体サンプルが、AD免疫療法、特にADワクチン接種を受けているか、または受けることになっているAD患者のサンプルであり、Aβ特異的抗体の検出量が、サンプルがその患者から採取された、同じ時点の同じ患者のミニメンタルステート検査(MMSE)の結果と相関する請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
- 方法が、異なる時点で採取した同じ患者のサンプルにおいて、少なくとも二回行なわれ、好ましくは、Aβ特異的抗体の検出量が、サンプルがその患者から採取された、同じ時点の同じ患者のミニメンタルステート検査(MMSE)の結果と相関する請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
- 方法が、少なくとも六ヶ月に一回、好ましくは三ヶ月に一回、特に毎月一回で行なわれる請求項13に記載の方法。
- AD患者、特にADを治癒もしくは軽減するための医薬で治療されているAD患者の監視のための請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法の使用。
- パーキンソン認知症(PDD)、レビー小体型認知症(DLB)、脳アミロイド血管症(CAA)、封入体筋炎(IBM)または慢性頭部外傷の診断のための請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法の使用。
- Aβ凝集体;および
サンプル容器;
を含む、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法を行なうためのキット。
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