JP2014521716A - 少なくとも1種の基礎インスリンの注射溶液 - Google Patents

少なくとも1種の基礎インスリンの注射溶液 Download PDF

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Abstract

【課題】皮下媒体中のインスリングラルギン型のインスリンの沈澱を可能とするにもかかわらず、食事インスリンの速効作用が保持される組成物を提供する。
【解決手段】
本発明は、pH7を有し、且つ少なくとも1種の、pIが5.8ないし8.5である基礎インスリンを含有する、注射可能な溶液に関する。本発明は、少なくともa)等電点(pI)が5.8ないし8.5である1種の基礎インスリン;及びb)カルボキシレート充填材を有する基及び疎水基により置換されたデキストランであって式I又はII[式中、Rは、−OHであるか、又は基о−(f−[A]−COOH)、о−(g−[B]−k−[D])からなる群より選択され、Dは、少なくとも8個の炭素原子を有する少なくとも1個のアルキル鎖を含有し、ここでRは、−OH又は基−(f−[A]−COOH)を表し、且つR’は、基о−CH2NH−[E](−о−[F])及びо−C(O)NH−[E](−о−[F])からなる群より選択される]で表されるデキストランを含有する、pHが6.0ないし8.0であって、注射可能な水溶液の形態にある組成物に関する。
【化1】
Figure 2014521716

【選択図】なし

Description

本発明は、糖尿病を治療するためのインスリン(類)の注射による治療に関する。
インスリンを注射することによるインスリン治療、又は糖尿病治療は、とりわけ、膵臓の生理活性のより良好なシミュレーションを可能とする、患者の血糖を修正せしめる新規インスリンの開発によって、ここ数年間に著しい進歩を遂げてきた。
毎日のインスリンの必要性を補うために、現在のところ、糖尿病患者は、補完作用を有する概略的に2種のインスリン、即ち食事インスリン(又は速効性インスリン)及び基礎インスリン(又は遅効性インスリン)を利用できる。
食事インスリンは、食事及び間食により与えられるグルコースの迅速な管理(代謝及び/又は貯蔵)を可能とする。患者は、各々の食品摂取前に、食事インスリンを注射、即ち、1日当りおよそ2、3回の注射をしなければならない。最も一般に用いられている食事インスリンは、組換え体ヒトインスリンであるノボログ(NovoLog(登録商標))(ノボ ノルディスク(Novo Nordisk)からのインスリンアスパルト)、ヒューマログ(Humalog(登録商標))(エリ リリー(Eli Lilly)からのインスリンリスプロ)及びアピドラ(Apidra(登録商標))(サノフィ−アベンチス(Sanofi−Aventis)からのインスリングルリシン)である。
基礎インスリンは、食品摂取期間外で、患者の血糖恒常性を維持している。それらは本質的に、グルコース(肝臓グルコース)の体内生産を防止することにより、作用している。基礎インスリンの毎日の投与量は、概して、毎日のインスリンの全必要量の40ないし50%に相当する。用いられる基礎インスリンに応じて、この投与量は、1日を通して定期的に分配される、1又は2回の注射に分配される。最も一般に用いられている基礎インスリンは、レベミル(Levemir(登録商標))(ノボ ノルディスクからのインスリンデテミル)及びランタス(Lantus(登録商標))(サノフィ−アベンチスからのインスリングラルギン)である。
完全を期すならば、NPH(NPHインスリン、即ちニュートラル プロタミン ハゲドン(Neutral Protamine Hagedorn);フムリンNPH(Humuline NPH(登録商標))、インスラタード(Insulatard(登録商標)))が最も古い基礎インスリンであることが留意される。この製剤は、カチオン性タンパク質であるプロタミンを用いたヒトインスリン(中性pHにてアニオン性である)の沈澱の結果物である。これら微結晶は、水性懸濁液中に分散され、そして皮下注射後にゆっくりと溶解する。このゆっくりとした溶解が、インスリンの持続的な放出を確実にする。しかしながら、この放出は、インスリン濃度を経時的に一定にすることを確実にするものではない。放出プロファイルは釣鐘状であり、且つ、12ないし16時間しか持続しない。このため、1日に2回注射される。このNPH基礎インスリンは、現代の基礎インスリンであるレベミル(Levemir(登録商標))及びランタス(Lantus(登録商標))よりも効果がずっと低い。NPHは中間的な作用をする基礎インスリンである。
速効性インスリン類似体の出現とともにNPHの本質が変化し、速効作用と中間作用の両方を与える“プレミックス(Premix)”製品を与えた。ノボログ ミックス(NovoLog Mix(登録商標))(ノボログ ノルディスク)及びヒューマログ ミックス(Humalog Mix(登録商標))(エリ リリー)は、部分的にプロタミンと複合している速効性インスリン類似体である、ノボログ(Novolog(登録商標))及びヒューマログ(Humalog(登録商標))を含有する製剤である。従ってこれら製剤は、作用が中間的であると言われるインスリンの微結晶、且つ、溶解し続け、作用が速効である割合のインスリンを含有している。これら製剤は、実際のところ、速効性インスリンの利点を与えているが、それらはまた、NPHの欠点、即ち作用期間が12ないし16時間に制限され、且つ釣鐘状のインシュリン放出である、という欠点をも有している。しかしながら、これら製品によって、患者が中間性の基礎インスリンと速効性の食事インスリンの1回注射をすることが可能となっている。実際に、多くの患者が注射の回数を減らすことを望んでいる。
目下のところ、基礎インスリンは市販され、そして臨床開発の下で、持続作用を得るための技術的解決の機能として分類され得、そして現時点で2つの方法が用いられている。
第一に、インスリンデテミルのそれは、生体内でアルブミンに結合している。インスリンデテミルは、生体内で当該インスリンがアルブミンに結合することを可能とする、B29位に結合した脂肪酸(テトラデカノイル)側鎖を有する、pH7で可溶性の類似体である。その持続作用は、主として、皮下注射後のアルブミンに対するこの親和性によるものである。
しかしながら、その薬物動態プロファイルは、丸1日に及ぶことを可能とするものではなく、このことは、大抵、1日に2回の注射を必要とすることを意味する。
デグルデック(Degludec(登録商標))のようなpH7で可溶性である他の基礎インスリンが、目下のところ開発下にある。デグルデック(Degludec(登録商標))もまた、インスリンに結合した脂肪酸側鎖(ヘキサデカンジオイル−Y−L−Glu)を有している。
第二に、インスリングラルギンのそれは、生理的pHにて沈澱する。このことは、2個のアルギニン残基によるヒトインスリンのB鎖のC−末端部分の伸長により、且つ、グリシン残基によるアスパラギン残基A21の置換により得られたヒトインスリンの類似体である(特許文献1)。2個のアルギニン残基の付加は、生理的pHでのインスリングラルギンのpI(等電点)を調節することが着想され、そしてこのことが当該インスリン類似体を生理的媒体中で不溶性としている。
インスリングラルギンを酸性pHで安定化させ、そしてこれによって、酸性pHの注射溶液の形態にそれを製剤化せしめるために、A21の置換が着想される。皮下注射の間、酸性pH(pH4ないし4.5)から生理的pH(中性pH)までのインスリングラルギンの移動は、皮下においてその沈澱を引き起こす。インスリングラルギン微粒子のゆっくりした再溶解が、ゆっくりとした、且つ持続的な作用を確実にする。
インスリングラルギンの低血糖効果は、24時間の期間を超えて実質的に一定であり、このことが、大部分の患者が1日に1回の注射に限定することを可能にしている。
インスリングラルギンは今や、市販される最良の基礎インスリンとして考えられている。
しかしながら、インスリングラルギン型の、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリン製剤の酸性pHが、他のタンパク質、及び特に食事インスリンとのいかなる医薬的な組合せをも、後者は酸性pHで不安定であるために、妨げている。
しかしながら、誰もこれまで、インスリングラルギン型の、等電点が5.8ないし8.5であるこれら基礎インスリンを、中性pHで溶解させる一方で、当該pHとは別に、生体外媒体(それを含有する)と生体内媒体(皮下)との間の溶解度の差を維持することを探索してこなかった。
とりわけ、それらは酸性pHで可溶性であり、そして生理的pHで沈澱する、という上記概説したインスリングラルギン型の基礎インスリンの作用本質が、インスリングラルギン型のインスリンがpH6ないし8で溶解する一方で、皮下媒体中で沈澱するというその不可欠な特徴を維持するいかなる解決策をも当業者にためらわせていた。
さらには、酸性pHで食事インスリンを製剤化する困難さは、食事インスリンがこれらの条件下にてA21位で脱アミノ副反応を受け、このことが米国薬局方の要件、つまり、30℃で4週間後に副生成物が5%未満であるという要件を満たすことを不可能にしている、という事実から生じている。
さらには、インスリングラルギン型の、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリン製剤の酸性pHが、中性pHでの食事インスリンとのいかなる偶発的な組合せをも妨げている。
69th Scientific Sessions of the American Diabetes Association,ニューオーリンズ,ルイジアナ州,2009年6月5〜9日において発表された最近の臨床研究が、インスリングラルギンの使用のこの限界を証明した。インスリングラルギンの投与量及び食事インスリン(適切には、インスリンリスプロ)の投与量が、注射直前に一緒に混合された(非特許文献1)。この実験は、食後高血糖及び夜間低血糖を生じてしまう、食事インスリンの薬物動態学的及び薬理学的プロファイルにおける有意な遅延を示すことを可能にした。この研究は、実際に、現在市販されている速効性インスリンとのインスリングラルギンの不適合性を裏付けている。
さらには、サノフィ−アベンチス社からのインスリングラルギンをベースとした市販品のランタス(Lantus(登録商標))の使用についての取扱説明書は、ユーザーに対して、インスリングラルギンの及び/又は混合した食事インスリンの薬物動態及び薬理を改変する深刻な危険性のため、食事インスリン溶液と混合すべきではないことを、明確に指摘している。
しかしながら、治療の観点から、2010年の米国糖尿病協会(ADA)の第70回科学総会、アブストラクツ2163−PO及びアブストラクツ番号0001−LB中に公表された臨床研究が、特にサノフィ−アベンチス社により行われた研究において、ランタス(Lantus(登録商標))、インスリングラルギン及び食事インスリンを組み合わせた治療が、“プレミックス”、ノボログミックス(Novolog Mix(登録商標))又はヒューマログミックス(Humalog Mix(登録商標))型の製品をベースとした治療よりもずっと効果的であることを示した。
インスリングラルギン及び速効性インスリンの組合せに関して、バイオデル(Biodel)社は、特許文献2において、キレート剤及びポリ酸の存在下の、3.0ないし4.2のpHでの基礎インスリン及び食事インスリンを含有する組成物について、顕著に記載した。当該特許文献は、食事インスリンを、インスリングラルギン型のインスリンの存在中、酸性pHにて、如何にして適合させるかを教示している。中性pHにで、インスリングラルギン型のインスリン及び食事インスリンの組合せを如何にして調製するかを教示していない。
公知文献及び特許文献に記載された組成物の解析から、インスリングラルギン型の基礎インスリンのpH7での不溶性が、その遅効作用を有することの要件であることが明らかとなっている。結果として、それらを食事インスリンのような他の製品と組み合わせるために提案された全ての解決法は、酸性pHでの食事インスリンの溶解又は安定化の試験を根拠としている(例えば、特許文献3及び特許文献4を参照のこと)。
米国特許第5656722号明細書 米国特許第7718609号明細書 国際公開第2007/121256号公報 国際公開第2009/021955号公報
E.Cengiz他.,2010年,Diabetes Care,33(5),1009−12
驚くことに、本発明に従う組成物が、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンを、pH7にて溶解させ得る。
驚くことに、本発明に従う組成物が、注射前のpH7でのその溶解性にもかかわらず、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの血糖降下活性の期間の維持を可能とした。この注目に値する特性が、本発明組成物中でpH7にて溶解しているインスリングラルギン型のインスリンが、皮下媒体の組成の変化によって当該媒体中に沈澱するという事実から生ずる。インスリングラルギン型のインスリンの沈澱を引き起こす要因は、もはやpH改変ではなく、生理的媒体中への医薬組成物の注入の間の環境の組成の改変である。
pH7における溶解性のこの問題を解決することにより、本発明は、
米国薬局方及び欧州薬局方の要件を満足する前記組成物のため、
−等電点が5.8ないし8.5であり、pH7にて均質溶液の形態にある、基礎インスリンを含有する一方で、その生理活性及びその作用プロファイルを保持する、糖尿病の治療を目的とした注射用組成物を提供すること;
−pH6ないし8にて溶解性であり、且つ酸性pHにて不安定性である一方で、基礎インスリンに固有の基礎作用プロファイルを維持する食事インスリンの活性プロファイルの改変をすることなく、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンと食事インスリンとの組合せを含有する製剤の形態にある組成物を提供すること;
−等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンと、GLP−1又は“グルカゴン様ペプチド−1”のような胃腸ホルモンの誘導体又は類似体との組合せをさらに含有する、糖尿病の治療を目的とした注射用組成物を提供すること;
−患者のために注射の回数を減らすこと;
を可能にする。
驚くことに、本発明の主題事項である、インスリングラルギン型と食事インスリンとのインスリン組合せにおいて、皮下媒体中のインスリングラルギン型のインスリンの沈澱を可能とするにもかかわらず、食事インスリンの速効作用が保持される。
本発明は、注射可能な水溶液の形態にある組成物であって、pHが6.0ないし8.0であり、少なくとも、
a)等電点pIが5.8ないし8.5である基礎インスリン;
b)式I:
Figure 2014521716
[式中、
Rは、−OHであるか、又は基:−(f−[A]−COOH);−(g−[B]−k−[D])からなる群より選択され、
ここで、Dは、少なくとも8個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキル鎖を有し;
nは、−f−[A]−COOHによるグルコシド単位の置換度を表し、0.1≦n≦2であり;
mは、−g−[B]−k−[D]によるグルコシド単位の置換度を表し、0<m≦0.5であり;
qは、グルコシド単位としての重合度、即ち、多糖鎖当りのグルコシド単位の平均数を表し、3≦q≦50であり;
−(f−[A]−COOH)について、
−A−は、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖基又は枝分れ基であって、前記−A−基は、エーテル、エステル及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基fを介してグルコシド単位に結合しており;
−(g−[B]−k−[D])について、
−B−は、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖状の又は枝分れ状の少なくとも2価の基であって;前記−B−基は、エーテル、エステル及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基gを介してグルコシド単位に結合しており;官能基kを介して−D基に結合しており;kは、エステル、アミド及びカルバメート官能基からなる群より選択され;前記D基は、−X(−l−Y)基(式中、Xは、カルボキシル又はアミン官能基を有していてもよく、及び/又は、アミノ酸、ジアルコール、ジアミン又はモノ−若しくはポリエチレングリコールモノ−若しくはジアミン由来であってもよい、C、N及びO原子からなる群より選択される1ないし12個の原子を有する少なくとも2価の基を表し;Yは、1個以上の炭素原子数1ないし3のアルキル基により置換されていてもよい、炭素原子数8ないし30の直鎖状又は環状アルキル基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を表し;p≧1であり、及び、lは、エステル、アミド及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基を表す)を表し;
f、g及びkは、同一又は異なっており;
前記遊離酸官能基は、Na及びKからなる群より選択されるアルカリ金属カチオン塩の形態にあり;及び
p=1である場合、Yが炭素原子数8ないし14のアルキルであるならば、q*m≧2であり、Yが炭素原子数15のアルキルであるならば、q*m≧2であり;及び、Yが炭素原子数16ないし20のアルキルであるならば、q*m≧1であり;及び
p≧2である場合、Yが炭素原子数8又は9のアルキルであるならば、q*m≧2であり、及び、Yが炭素原子数10ないし16のアルキルであるならば、q*m≧0.2である]又は
式II:
Figure 2014521716
[式中、
Rは、−OH又は−(f−[A]−COOH)
(式中、−A−は、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖基又は枝分れ基を表し;前記基−A−は、エーテル、エステル又はカルバメート官能基からなる群より選択される官能基fを介してグルコシド単位に結合しており;nは、−f−[A]−COOHによるグルコシド単位の置換度を表し、0.1≦n≦2である)
を表し;
R’は、基−C(O)NH−[E]−(o−[F]);−CHN(L)−[E]−(о−[F])
{式中、zは1又は2の正の整数であり、Lは、−H(即ち、zが1である場合)、−[A]−COOH(即ち、zが1又は2であり、fがエーテル官能基である場合)、−CO−[A]−COOH(即ち、zが1であり、fがエステル官能基である場合)及び−CO−NH−[A]−COOH(即ち、zが1であり、fがカルバメート官能基である場合)からなる群より選択される}からなる群より選択され;
−[E]−(о−[F])について、
−E−は、O、N及びSからなる群より選択されるヘテロ原子を有していてもよい1ないし8個の炭素原子を有する、直鎖状の又は枝分れ状の少なくとも2価の基を表し;
−F−は、1個以上の炭素原子数1ないし3のアルキル基により置換されていてもよい炭素原子数12ないし30の直鎖状又は環状アルキル基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を表し;
оは、エーテル、エステル、アミド及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基を表し;
tは、1又は2の正の整数であり;
qは、グルコシド単位としての重合度、即ち、多糖鎖当りのグルコシド単位の平均数を表し、3≦q≦50であり;
遊離酸官能基は、Na及びKからなる群より選択されるアルカリ金属カチオンの塩の形態にあり;
z=2である場合、窒素原子は4級アンモニウムの形態にある]
で表される、カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストラン
を含有する、組成物
に関する。
一の態様において、p=1である場合、Yが炭素原子数21ないし30の基であるならば、q*m≧1である。
一の態様において、p=1である場合、Yが炭素原子数21ないし30の基であるならば、q*m≧0.1である。
一の態様において、−(f−[A]−COOH)基は、−A−が1個の炭素原子を有する基であって、前記−A−基は、エーテル官能基fを介してグルコシド単位に結合しているものである。
一の態様において、−(g−[B]−k−[D])m基は、−B−が1個の炭素原子を有する基であって、前記−B−基はエーテル官能基gを介してグルコシド単位に結合しており、及びXはアミノ酸由来の基であるものである。
一の態様において、−(f−[A]COOH)基は、−A−が1個の炭素原子を有する基であって、前記−A−基がエーテル官能基fを介してグルコシド単位に結合しており、及び−(g−[B]−k−[D])m基は、−B−が1個の炭素原子を有する基であって、前記−B−基がエーテル官能基gを介してグルコシド単位に結合しており、及びXはアミノ酸由来の基であり、kはアミド官能基であるものである。
一の態様において、カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式III:
Figure 2014521716
[式中、
Rは、−OHであるか、又は基:−(f−[A]−COOH);−(g−[B]−k−[D])からなる群より選択され、
ここで、Dは、少なくとも8個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキル鎖を有し;
nは、−f−[A]−COOHによるグルコシド単位の置換度を表し、0.1≦n≦2であり;
mは、−g−[B]−k−[D]によるグルコシド単位の置換度を表し、0<m≦0.5であり;
qは、グルコシド単位としての重合度、即ち、多糖鎖当りのグルコシド単位の平均数を表し、3≦q≦50であり;
−(f−[A]−COOH)について、
−A−は、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖基又は枝分れ基であって、前記−A−基は、エーテル、エステル及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基fを介してグルコシド単位に結合しており;
−(g−[B]−k−[D])について、
−B−は、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖状の又は枝分れ状の少なくとも2価の基であって;前記−B−基は、エーテル、エステル及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基gを介してグルコシド単位に結合しており;官能基kを介して−D基に結合しており;kは、エステル、アミド及びカルバメート官能基からなる群より選択され;前記D基は、−X(−l−Y)基(式中、Xは、カルボキシル又はアミン官能基を有していてもよく、及び/又は、アミノ酸、ジアルコール、ジアミン又はモノ−若しくはポリエチレングリコールモノ−若しくはジアミン由来であってもよい、C、N及びO原子からなる群より選択される1ないし12個の原子を有する少なくとも2価の基を表し;Yは、1個以上の炭素原子数1ないし3のアルキル基により置換されていてもよい、炭素原子数8ないし20の直鎖状又は環状アルキル基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を表し;p≧1であり、及び、lは、エステル、アミド及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基を表す)を表し;
f、g及びkは、同一又は異なっており;
前記遊離酸官能基は、Na及びKからなる群より選択されるアルカリ金属カチオン塩の形態にあり;及び
p=1である場合、Yが炭素原子数8ないし14のアルキルであるならば、q*m≧2であり、Yが炭素原子数15のアルキルであるならば、q*m≧2であり;及び、Yが炭素原子数16ないし20のアルキルであるならば、q*m≧1であり;及び
p≧2である場合、Yが炭素原子数8ないし11のアルキルであるならば、q*m≧2であり、及び、Yが炭素原子数12ないし16のアルキルであるならば、q*m≧0.3である]
で表されるものである。
一の態様において、カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式IV:
Figure 2014521716
[式中、
Rは、−OHであるか、又は基:−(f−[A]−COOH);−(g−[B]−k−[D])からなる群より選択され、
ここで、Dは、少なくとも8個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキル鎖を有し;
nは、グルコシド単位当りの−f−[A]−COOHによるヒドロキシル官能基−OHの置換度を表し、0.1≦n≦2であり;
mは、グルコシド単位当りの−g−[B]−k−[D]によるヒドロキシル官能基−OHの置換度を表し、0<m≦0.5であり;
qは、グルコシド単位としての重合度、即ち、多糖鎖当りのグルコシド単位の平均数を表し、3≦q≦50であり;
−(f−[A]−COOH)について、
−A−は、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖基又は枝分れ基であって、前記−A−基は、エーテル、エステル及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基fを介してグルコシド単位に結合しており;
−(g−[B]−k−[D])について、
−B−は、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖状の又は枝分れ状の少なくとも2価の基であって;前記−B−基は、エーテル、エステル及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基gを介してグルコシド単位に結合しており;官能基kを介して−D基に結合しており;kは、エステル、アミド及びカルバメート官能基からなる群より選択され;前記D基は、−X(−l−Y)基(式中、Xは、カルボキシル又はアミン官能基を有していてもよく、及び/又は、アミノ酸、ジアルコール、ジアミン又はモノ−若しくはポリエチレングリコールモノ−若しくはジアミン由来であってもよい、C、N及びO原子からなる群より選択される1ないし12個の原子を有する少なくとも2価の基を表し;Yは、1個以上の炭素原子数1ないし3のアルキル基により置換されていてもよい、炭素原子数8ないし30の直鎖状又は環状アルキル基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を表し;p≧1であり、及び、lは、エステル、アミド及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基を表す)を表し;
f、g及びkは、同一又は異なっており;
前記遊離酸官能基は、Na及びKからなる群より選択されるアルカリ金属カチオン塩の形態にあり;及び
p=1である場合、Yが炭素原子数8ないし14のアルキルであるならば、q*m≧2であり、Yが炭素原子数15のアルキルであるならば、q*m≧2であり;及び、Yが炭素原子数16ないし30のアルキルであるならば、q*m≧1であり;及び
p≧2である場合、Yが炭素原子数8又は9のアルキルであるならば、q*m≧2であり、及び、Yが炭素原子数10ないし16のアルキルであるならば、q*m≧0.2である]
で表されるものである。
描かれている構造は、グルコシド単位間の大部分が(1,6)結合からなる多糖であるデキストランを表すのに共通して用いられる表現に対応しており、採用された表現である。デキストランはまた、意図して表されないが、もちろん本発明の目的内で包含される、概しておよそ5%の(1,3)結合をも有する。
用語の、等電点が5.8ないし8.5である“基礎インスリン”とは、pH7にて不溶性であって、且つ糖尿病の標準モデルにおいて8ないし24時間以上の作用期間を有するインスリンを意味するものと理解される。
これら等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンは、その第一構造が、主としてアルギニン又はリジンのような基礎アミノ酸の導入により変性されている、組換え体インスリンである。例えば、下記の特許文献、特許出願又は特許公開公報:国際公開第2003/053339号公報、国際公開第2004/096854号公報、特許文献1及び米国特許第6100376号明細書において記載されている。
一の態様において、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンは、インスリングラルギンである。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンの100IU/mL(即ち、およそ3.6mg/mL)を含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンの40IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンの200IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンの300IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンの400IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンの500IU/mLを含有する。
一の態様において、置換されたデキストランに対する、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの質量比、即ち、置換されたデキストラン/基礎インスリンは、0.2ないし5である。
一の態様において、置換されたデキストランに対する、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの質量比、即ち、置換されたデキストラン/基礎インスリンは、0.2ないし4である。
一の態様において、置換されたデキストランに対する、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの質量比、即ち、置換されたデキストラン/基礎インスリンは、0.2ないし3である。
一の態様において、置換されたデキストランに対する、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの質量比、即ち、置換されたデキストラン/基礎インスリンは、0.5ないし3である。
一の態様において、置換されたデキストランに対する、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの質量比、即ち、置換されたデキストラン/基礎インスリンは、0.8ないし3である。
一の態様において、置換されたデキストランに対する、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの質量比、即ち、置換されたデキストラン/基礎インスリンは、1ないし3である。
一の態様において、置換されたデキストランの濃度は、1ないし100mg/mLである。
一の態様において、置換されたデキストランの濃度は、1ないし80mg/mLである。
一の態様において、置換されたデキストランの濃度は、1ないし60mg/mLである。
一の態様において、置換されたデキストランの濃度は、1ないし50mg/mLである。
一の態様において、置換されたデキストランの濃度は、1ないし30mg/mLである。
一の態様において、置換されたデキストランの濃度は、1ないし20mg/mLである。
一の態様において、置換されたデキストランの濃度は、1ないし10mg/mLである。
一の態様において、多糖類の濃度は、5ないし20mg/mLである。
一の態様において、多糖類の濃度は、5ないし10mg/mLである。
一の態様において、本発明に従う組成物は、食事インスリンをさらに含有する。食事インスリンは、pH7にて可溶性である。
用語“食事インスリン”とは、“速効性”又は“中間性”インスリンを意味するものと理解される。
“速効性”の食事インスリンは、食事中のタンパク質及び炭水化物の消化により引き起こされる要件に合致しなければならない、即ち、30分未満で作用しなければならないインスリンである。
一の態様において、“中間性”食事インスリンとは、ヒュームリン(Humulin(登録商標))(ヒトインスリン)及びノボリン(Novolin(登録商標))(ヒトインスリン)からなる群より選択される。
“速効性”食事インスリンとは、その作用時間を減らすために、遺伝子組換えにより得られ、且つ変性されたインスリンである。
一の態様において、“速効性”食事インスリンは、インスリンリスプロ(ヒューマログ(Humalog(登録商標)))、インスリングルリシン(アピドラ(Apidra(登録商標)))及びインスリンアスパルト(ノボログ(Novolog(登録商標)))からなる群より選択される。
一の態様において、本発明に従う組成物は、食事インスリンと等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンとの組合せを、インスリンの全量で100IU/mL(即ち、およそ3.6mg/mL)を含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、食事インスリンと等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンとの組合せを、インスリンの全量で40IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、食事インスリンと等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンとの組合せを、インスリンの全量で200IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、食事インスリンと等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンとの組合せを、インスリンの全量で300IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、食事インスリンと等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンとの組合せを、インスリンの全量で400IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、食事インスリンと等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンとの組合せを、インスリンの全量で500IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、食事インスリンと等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンとの組合せを、インスリンの全量で600IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、食事インスリンと等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンとの組合せを、インスリンの全量で700IU/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、食事インスリンと等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンとの組合せを、インスリンの全量で800IU/mLを含有する。
上記40ないし800IU/mLの製剤について、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンと食事インスリンとの間の割合は、インスリンの全量に関するパーセンテージとして表すと、例えば、25/75、30/70、40/60、50/50、60/40、70/30、80/20及び90/10である。しかしながら、如何なる他の割合でも製造され得る。
全量で100IU/mLのインスリンを含有する製剤について、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンと食事インスリンとの間の割合は、例えば、IU/mLにて、25/75、30/70、40/60、50/50、60/40、70/30、80/20又は90/10である。しかしながら、如何なる他の割合でも製造され得る。
一の態様において、本発明に従う組成物は、GLP−1、GLP−1類似体又はGLP−1誘導体をさらに含有する。
一の態様において、GLP−1類似体又は誘導体は、エリ リリー アンド コ社(Eli Lilly & Co)及び アミリン ファーマスーティカルズ社(Amylin Pharmaceutricals)により開発されたエクセナチド(exenatide)即ちビエッタ(Byetta(登録商標))、ノボ ノルディスク社(Novo Nordisk)により開発されたリラグルチド(liraglutide)即ちビクトザ(Victoza(登録商標))及びサノフィ社(Sanofi)により開発されたリクシセナチド(lixisenatide)即ちリクスミア(Lyxumia(登録商標))、それらの類似体又は誘導体及びそれらの医薬的に許容され得る塩からなる群より選択される。
一の態様において、GLP−1類似体又は誘導体は、エクセナチド即ちビエッタ(Byetta(登録商標))、その類似体又は誘導体及びそれらの医薬的に許容され得る塩である。
一の態様において、GLP−1類似体又は誘導体は、リラグルチド即ちビクトザ(Victoza(登録商標))、その類似体又は誘導体及びそれらの医薬的に許容され得る塩である。
一の態様において、GLP−1類似体又は誘導体は、リクシセナチド即ちリクスミア(Lyxumia(登録商標))、その類似体又は誘導体及びそれらの医薬的に許容され得る塩である。
用語“類似体”とは、それがペプチド又はタンパク質に関して用いられる場合に、1以上の構成アミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換された、及び/又は1以上の構成アミノ酸残基が除かれた、及び/又は1以上の構成アミノ酸残基が付加された、ペプチド又はタンパク質を意味するものと理解される。類似体の定義について許容される同一性のパーセンテージは、50%である。
用語“誘導体”とは、それがペプチド又はタンパク質に関して用いられる場合に、参照ペプチド又はタンパク質又は類似体には存在していない置換基により化学的に変性されたペプチド又はタンパク質又は類似体、即ち置換基を導入するために共有結合の形成により変性されたペプチド又はタンパク質を意味するものと理解される。
一の態様において、GLP−1の、GLP−1類似体の又はGLP−1誘導体の濃度は、0.01ないし10mg/mLの範囲内である。
一の態様において、エクセナチド、その類似体又は誘導体及びそれらの医薬的に許容され得る塩の濃度は、0.05ないし0.5mg/mLである。
一の態様において、リラグルチド、その類似体又は誘導体及びそれらの医薬的に許容され得る塩の濃度は、1ないし10mg/mLである。
一の態様において、リクシセナチド、その類似体又は誘導体及びそれらの医薬的に許容され得る塩の濃度は、0.01ないし1mg/mLである。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの市販溶液と、GLP−1の、GLP−1類似体の、又はGLP−1誘導体の市販溶液とを、10/90ないし90/10の範囲内の容量比で混合することによって製造される。
一の態様において、本発明に従う組成物は、基礎インスリンの1日投与量及びGLP−1、GLP−1類似体又はGLP−1誘導体の1日投与量を含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの500IU/mL及びエクセナチドの0.05ないし0.5mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの500IU/mL及びリラグルチドの1ないし10mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの500IU/mL及びリクシセナチドの0.05ないし0.5mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの100IU/mL及びエクセナチドの0.05ないし0.5mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの100IU/mL及びリラグルチドの1ないし10mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの100IU/mL及びリクシセナチドの0.05ないし0.5mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの40IU/mL及びエクセナチドの0.05ないし0.5mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの40IU/mL及びリラグルチドの1ないし10mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの40IU/mL及びリクシセナチドの0.05ないし0.5mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの200IU/mL及びエクセナチドの0.05ないし0.5mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの200IU/mL及びリラグルチドの1ないし10mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの200IU/mL及びリクシセナチドの0.05ないし0.5mg/mLを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、0ないし5000μMの濃度で亜鉛塩をさらに含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、50ないし4000μMの濃度で亜鉛塩をさらに含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、200ないし3000μMの濃度で亜鉛塩をさらに含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、0ないし1000μMの濃度で亜鉛塩をさらに含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、20ないし600μMの濃度で亜鉛塩をさらに含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、50ないし500μMの濃度で亜鉛塩をさらに含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、0ないし100mM、好ましくは0ないし50mM又は15ないし50mMの濃度で、トリス、クエン酸塩及びリン酸塩からなる群より選択される緩衝液を含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、保存剤をさらに含有する。
一の態様において、保存剤は、m−クレゾール及びフェノールの単独又は混合物からなる群より選択される。
一の態様において、保存剤の濃度は、10ないし50mMである。
一の態様において、保存剤の濃度は、10ないし40mMである。
本発明に従う組成物は、添加剤、例えば、グリセロール、NaCl、マンニトール及びグリシンのような等張化剤を含有し得る。
本発明に従う組成物は、界面活性剤、例えばポリソルベートのような、薬局方に従う添加剤をさらに含有し得る。
本発明に従う組成物は、使用濃度で用いられるインスリンと相溶性のある、薬局方に従う全ての賦形剤をさらに含有し得る。
一の態様において、0.3≦n≦1.7である。
一の態様において、0.7≦n≦1.5である。
一の態様において、0.9≦n≦1.2である。
一の態様において、0.01≦m≦0.5である。
一の態様において、0.02≦m≦0.4である。
一の態様において、0.03≦m≦0.3である。
一の態様において、0.05≦m≦0.2である。
一の態様において、3≦q≦50である。
一の態様において、3≦q≦40である。
一の態様において、3≦q≦30である。
一の態様において、3≦q≦20である。
一の態様において、3≦q≦10である。
一の態様において、−(f−[A]−COOH)基は、下記配列:
Figure 2014521716
からなる群より選択され、fは上記意味を有する。
一の態様において、−(g−[B]−k−[D])基は、下記配列:
Figure 2014521716
からなる群より選択され、g、k及びDは上記意味を有する。
一の態様において、Dは、X基がアミノ酸由来の少なくとも2価の基であるものである。
一の態様において、Dは、X基が、グリシン、ロイシン、フェニルアラニン、リジン、イソロイシン、アラニン、バリン、アスパラギン酸及びグルタミン酸からなる群より選択されるアミノ酸由来の少なくとも2価の基であるものである。
アミノ酸由来の基は、左旋性又は右旋性のいずれかであり得る。
一の態様において、Dは、X基がモノ−又はポリエチレングリコール由来の少なくとも2価の基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がエチレングリコール由来の少なくとも2価の基であるものである。
一の態様において、Dは、X基が、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールからなる群より選択されるポリエチレングリコール由来の少なくとも2価の基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がモノ−又はポリエチレングリコールアミン由来の少なくとも2価の基であるものである。
一の態様において、Dは、X基が、エタノールアミン、ジエチレングリコールアミン及びトリエチレングリコールアミンからなる群より選択されるモノ−又はポリエチレングリコールアミン由来の少なくとも2価の基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がモノ−又はポリエチレングリコールジアミン由来の少なくとも2価の基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がエチレンジアミン由来の少なくとも2価の基であるものである。
一の態様において、Dは、X基が、ジエチレングリコールジアミン及びトリエチレングリコールジアミンからなる群より選択されるモノ−又はポリエチレングリコールジアミン由来の少なくとも2価の基であるものである。
一の態様において、Dは、Y基が疎水性アルコール由来のアルキル基であるものである。
一の態様において、Dは、Y基が、オクタノール(カプリルアルコール)、3,7−ジメチルオクタン−1−オール、デカノール(デシルアルコール)、ドデカノール(ラウリルアルコール)、テトラデカノール(ミリスチルアルコール)及びヘキサデカノール(セチルアルコール)からなる群より選択される疎水性アルコール由来のアルキル基であるものである。
一の態様において、Dは、Y基が疎水性酸由来のアルキル基であるものである。
一の態様において、Dは、Y基が、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸及びヘキサデカン酸からなる群より選択される疎水性酸由来のアルキル基であるものである。
一の態様において、Dは、Y基がステロール由来の基であるものである。
一の態様において、Dは、Y基が、コレステロール及びその誘導体からなる群より選択されるステロール由来の基であるものである。
一の態様において、Dは、Y基がトコフェロール由来の基であるものである。
一の態様において、Dは、Y基が、α−トコフェロールのラセミ体、L異性体又はD異性体より選択されるトコフェロール誘導体由来の基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がグリシンを由来とし、p=1であり、Y基がオクタノールを由来とし、且つ、官能基lがエステル官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がグリシンを由来とし、p=1であり、Y基がドデカノールを由来とし、且つ、官能基lがエステル官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がグリシンを由来とし、p=1であり、Y基がヘキサデカノールを由来とし、且つ、官能基lがエステル官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がフェニルアラニンを由来とし、p=1であり、Y基がオクタノールを由来とし、且つ、官能基lがエステル官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がフェニルアラニンを由来とし、p=1であり、Y基が3,7−ジメチルオクタン−1−オールを由来とし、且つ、官能基lがエステル官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がアスパラギン酸を由来とし、p=2であり、Y基がオクタノールを由来とし、且つ、官能基lがエステル官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がアスパラギン酸を由来とし、p=2であり、Y基がデカノールを由来とし、且つ、官能基lがエステル官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がアスパラギン酸を由来とし、p=2であり、Y基がドデカノールを由来とし、且つ、官能基lがエステル官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がエチレンジアミンを由来とし、Y基がドデカン酸を由来とし、且つ、官能基lがアミド官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がジエチレングリコールアミンを由来とし、p=1であり、Y基がドデカン酸を由来とし、且つ、官能基lがエステル官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がトリエチレングリコールジアミンを由来とし、p=1であり、Y基がドデカン酸を由来とし、且つ、官能基lがアミド官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がトリエチレングリコールジアミンを由来とし、p=1であり、Y基がヘキサデカン酸を由来とし、且つ、官能基lがアミド官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がロイシンを由来とし、p=1であり、Y基がコレステロールを由来とし、且つ、官能基lがエステル官能基であるものである。
一の態様において、Dは、X基がエチレンジアミンを由来とし、p=1であり、Y基がコレステロールを由来とし、且つ、官能基lがカルバメート官能基であるものである。
一の態様において、E基は、グリシン、ロイシン、フェニルアラニン、リジン、イソロイシン、アラニン、バリン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸及びグルタミン酸からなる群より選択されるアミノ酸由来の少なくとも2価の基である。
アミノ酸由来の基は、左旋性又は右旋性のいずれかであり得る。
一の態様において、E基は、モノ−又はポリエチレングリコールアミン由来の少なくとも2価の基である。
一の態様において、E基は、エタノールアミン、ジエチレングリコールアミン及びトリエチレングリコールアミンからなる群より選択されるモノ−又はポリエチレングリコールアミン由来の少なくとも2価の基である。
一の態様において、E基は、モノ−又はポリエチレングリコールジアミン由来の少なくとも2価の基である。
一の態様において、E基は、エチレンジアミン由来の少なくとも2価の基である。
一の態様において、E基は、ジエチレングリコールジアミン及びトリエチレングリコールジアミンからなる群より選択されるモノ−又はポリエチレングリコールジアミン由来の少なくとも2価の基である。
一の態様において、F基は、疎水性アルコール由来のアルキル基である。
一の態様において、F基は、ドデカノール(ラウリルアルコール)、テトラデカノール(ミリスチルアルコール)及びヘキサデカノール(セチルアルコール)からなる群より選択される疎水性アルコール由来の基である。
一の態様において、F基は、疎水性酸由来の基である。
一の態様において、F基は、ドデカン酸、テトラデカン酸及びヘキサデカン酸からなる群より選択される疎水性酸由来の基である。
一の態様において、F基は、ステロール由来の基である。
一の態様において、F基は、コレステロール及びその誘導体からなる群より選択されるステロール由来の基である。
一の態様において、F基は、トコフェロール由来の基である。
一の態様において、F基は、α−トコフェロールのラセミ体、L異性体又はD異性体より選択されるトコフェロール誘導体由来の基である。
一の態様において、E基はエチレンジアミン由来のものであり、t=1であり、oはカルバメート官能基であり、且つ、F基はコレステロール由来のものである。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがグリシン由来のものであり、lがエステル官能基であり及びYがオクタノール由来のものであり;
q=38であり、n=0.9であり、及びm=0.2である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがグリシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがヘキサデカノール由来のものであり;
q=19であり、n=1.0であり、及びm=0.1である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがフェニルアラニン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがオクタノール由来のものであり;
q=38であり、n=1.0であり、及びm=0.1である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがフェニルアラニン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがオクタノール由来のものであり;
q=19であり、n=1.0であり、及びm=0.2である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがフェニルアラニン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYが3,7−ジメチルオクタン−1−オール由来のものであり;
q=38であり、n=1.0であり、及びm=0.1である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがアスパラギン酸由来のものであり、p=2であり、lがエステル官能基であり及びYがオクタノール由来のものであり;
q=38であり、n=1.05であり、及びm=0.05である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがアスパラギン酸由来のものであり、p=2であり、lがエステル官能基であり及びYがデカノール由来のものであり;
q=38であり、n=1.05であり、及びm=0.05である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがアスパラギン酸由来のものであり、p=2であり、lがエステル官能基であり及びYがドデカノール由来のものであり;
q=19であり、n=1.05であり、及びm=0.05である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがエチレンジアミン由来のものであり、p=1であり、lがアミド官能基であり及びYがドデカン酸由来のものであり;
q=38であり、n=1.0であり、及びm=0.1である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−CH−基であり、及び、fがエステル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエステル官能基であり、Bが−CH−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがグリシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがドデカノール由来のものであり;
q=38であり、n=1.3であり、及びm=0.1である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがカルバメート官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがカルバメート官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがアスパラギン酸由来のものであり、p=2であり、lがエステル官能基であり及びYがオクタノール由来のものであり;
q=38であり、n=1.3であり、及びm=0.1である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがアスパラギン酸由来のものであり、p=2であり、lがエステル官能基であり及びYがドデカノール由来のものであり;
q=4であり、n=0.96であり、及びm=0.07である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがジエチレングリコールアミン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがドデカン酸由来のものであり;
q=38であり、n=1.0であり、及びm=0.1である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがトリエチレングリコールジアミン由来のものであり、p=1であり、lがアミド官能基であり及びYがドデカン酸由来のものであり;
q=38であり、n=1.0であり、及びm=0.1である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがトリエチレングリコールジアミン由来のものであり、p=1であり、lがアミド官能基であり及びYがヘキサデカン酸由来のものであり;
q=38であり、n=1.05であり、及びm=0.05である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがグリシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがヘキサデカノール由来のものであり;
q=19であり、n=1.05であり、及びm=0.05である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがグリシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがヘキサデカノール由来のものであり;
q=38であり、n=0.37であり、及びm=0.05である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがロイシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがコレステロール由来のものであり;
q=19であり、n=1.61であり、及びm=0.04である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがロイシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがコレステロール由来のものであり;
q=19であり、n=1.06であり、及びm=0.04である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがロイシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがコレステロール由来のものであり;
q=19であり、n=0.66であり、及びm=0.04である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがロイシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがコレステロール由来のものであり;
q=19であり、n=0.46であり、及びm=0.04である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがロイシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがコレステロール由来のものであり;
q=4であり、n=1.61であり、及びm=0.05である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがエチレンジアミン由来のものであり、p=1であり、lがカルバメート官能基であり及びYがコレステロール由来のものであり;
q=19であり、n=1.61であり、及びm=0.04である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがカルバメート官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがカルバメート官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがロイシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがコレステロール由来のものであり;
q=19であり、n=1.96であり、及びm=0.04である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−[E]−(o−[F])は、Eがエチレンジアミン由来のものであり、oがカルバメート官能基であり、及び、Fがコレステロール由来のものであり;
q=19であり、及びn=1.65である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがロイシン由来のものであり、p=1であり、lがエステル官能基であり及びYがコレステロール由来のものであり;
q=38であり、n=0.99であり、及びm=0.05である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがアスパラギン酸由来のものであり、p=2であり、lがエステル官能基であり及びYがドデカノール由来のものであり;
q=4であり、n=1.41であり、及びm=0.16である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがアスパラギン酸由来のものであり、p=2であり、lがエステル官能基であり及びYがドデカノール由来のものであり;
q=4であり、n=1.50であり、及びm=0.07である。
一の態様において、
−(f−[A]−COOH)は、Aが−CH−基であり、及び、fがエーテル官能基であるものであり;
−(g−[B]−k−[D])は、gがエーテル官能基であり、Bが−CH−基であり、kがアミド官能基であり、及び、Dが、Xがアスパラギン酸由来のものであり、p=2であり、lがエステル官能基であり及びYがデカノール由来のものであり;
q=4であり、n=1.05であり、及びm=0.05である。
一の態様において、本発明に従う組成物は、式I、III又はIVで表される下記デキストラン:
オクチルグリシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
セチルグリシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
オクチルフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
3,7−ジメチル−1−オクチルフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
ジオクチルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
ジデシルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
ジラウリルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
N−(2−アミノエチル)ドデカンアミドにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
ラウリルグリシネートにより変性されたナトリウムデキストランスクシネート、
ジオクチルアスパルテートにより変性されたN−(ナトリウムメチルカルボキシレート)デキストランカルバメート、
ジラウリルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
2−(2−アミノエトキシ)エチルドデカノエートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
2−[2−{2−(ドデカノイルアミノ)エトキシ}エトキシ]エチルアミンにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
2−[2−{2−(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ}エトキシ]エチルアミンにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
コレステリルロイシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
コレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
コレステリルロイシネートにより変性されたN−(ナトリウムメチルカルボキシレート)デキストランカルバメート
からなる群より選択されるデキストランを含有する。
一の態様において、本発明に従う組成物は、下記の式IIで表されるデキストラン:
還元鎖末端への還元的アミノ化によりグラフトされたコレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート
からなる群より選択されるデキストランを含有する。
本発明はまた、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリン及び食事インスリンを含有する、pH6.6ないし7.8の単回投与製剤にも関する。
本発明はまた、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリン及び食事インスリンを含有する、pH7ないし7.8の単回投与製剤にも関する。
一の態様において、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンは、インスリングラルギンである。
一の態様において、食事インスリンは、ヒュームリン(Humulin(登録商標))(ヒトインスリン)及びノボリン(Novolin(登録商標))(ヒトインスリン)からなる群より選択される。
一の態様において、食事インスリンは、インスリンリスプロ(ヒューマログ(Humalog(登録商標))、インスリングルリシン(アピドラ(Apidra(登録商標))及びインスリンアスパルト(ノボログ(Novolog(登録商標))からなる群より選択される。
pH6.6ないし7.8での、式I、II、III又はIVで表される多糖類による、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの溶解は、溶液の外観の変化により、裸眼で容易に観察及び制御され得る。
pH7ないし7.8での、式I、II、III又はIVで表される多糖類による、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの溶解は、溶液の外観の変化により、裸眼で容易に観察及び制御され得る。
さらには、且つまさに重要なことには、出願人会社は、式I、II、III又はIVで表される多糖類の存在中で溶解された等電点が5.8ないし8.5の基礎インスリンがその遅効的なインスリン作用を全く失わないということを確認し得ている。
本発明に従う組成物の製造は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの水溶液、食事インスリンの溶液及び水溶液の又は凍結乾燥の形態にある式I、II、III又はIVで表される多糖類の容易な混合により為され得る、という利点を示す。必要であれば、製造のpHは、pH7に調節される。
本発明に従う組成物の製造は、等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの水溶液、水溶液の又は凍結乾燥の形態にある式I、II、III又はIVで表される多糖類、及び水溶液の又は凍結乾燥の形態にある食事インスリンの容易な混合により為され得る、という利点を示す。
一の態様において、食事インスリンと多糖類との混合物は、水溶液の又は凍結乾燥の形態にある食事インスリンとの混合前に、限外濾過により濃縮される。
必要であれば、混合物の組成は、グリセロール、m−クレゾール、塩化亜鉛及びツイーンのような賦形剤の濃縮液の混合物への添加によって、調節される。必要であれば、製剤のpHは7に調節される。
図面の記載:
図1ないし6は、グルコースについての薬力学曲線の形態で得られた結果を与えている。縦軸は、注射後時間(分)の関数としてDグルコース(mM)を表す。
図1は、アピドラ(Apidra(登録商標))及びランタス(Lantus(登録商標))(□)と、本発明に従う組成物である多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))(75/25)(■)の連続投与についての平均曲線の平均値+標準偏差を示す図である。 図2は、アピドラ(Apidra(登録商標))ランタス(Lantus(登録商標))個別曲線(6頭のブタで試験した)を示す図である。 図3は、多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))個別曲線(6頭のブタで試験した)を示す図である。 図4は、ヒューマログ(Humalog(登録商標))及びランタス(Lantus(登録商標))(□)と、本発明に従う組成物である多糖類4/ヒューマログ(Humalog(登録商標))/ランタス(Lantus(登録商標))(■)の連続投与についての平均曲線の平均値+標準偏差を示す図である。 図5は、ヒューマログ(Humalog(登録商標))ランタス(Lantus(登録商標))個別曲線(6頭のブタで試験した)を示す図である。 図6は、多糖類4/ヒューマログ(Humalog(登録商標))/ランタス(Lantus(登録商標))個別曲線(6頭のブタで試験した)を示す図である。 図7ないし12は、グルコースについての薬力学曲線の形態で得られた結果を与えている。縦軸は、注射後時間(時間)の関数としてDグルコース(mM)を表す。 図7は、ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)(・・■・・)と、実施例B28に記載された本発明に従う組成物(0.53IU/kg)(−■−)の連続投与についての平均曲線の平均値+標準偏差を示す図である。 図8は、ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)(・・■・・)と、実施例B27に記載された本発明に従う組成物(0.47IU/kg)(−■−)の連続投与についての平均曲線の平均値+標準偏差を示す図である。 図9は、ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)(・・■・・)と、実施例B29に記載された本発明に従う組成物(0.53IU/kg)(−■−)の連続投与についての平均曲線の平均値+標準偏差を示す図である。 図10は、ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)(・・■・・)と、実施例B31に記載された本発明に従う組成物(0.48IU/kg)(−■−)の連続投与についての平均曲線の平均値+標準偏差を示す図である。 図11は、ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)(・・■・・)と、実施例B30に記載された本発明に従う組成物(0.64IU/kg)(−■−)の連続投与についての平均曲線の平均値+標準偏差を示す図である。 図12は、ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)(・・■・・)と、実施例B32に記載された本発明に従う組成物(0.53IU/kg)(−■−)の連続投与についての平均曲線の平均値+標準偏差を示す図である。
実施例
第A部:多糖類
下記表1は、限定されない方法で、本発明に従う組成物において用いられる多糖類の例を与える。
Figure 2014521716
Figure 2014521716
Figure 2014521716
Figure 2014521716
Figure 2014521716
実施例A1:多糖類1の製造
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス(Pharmacosmos))の16g(即ち、ヒドロキシル基の296mmol)を、水中に溶解して、420g/Lとした。10N NaOHの30mL(296mmol)を、当該溶液に添加した。混合液を35℃まで上げ、そしてその後、クロロ酢酸ナトリウムの46g(396mmol)を添加した。反応混合物の温度を、0.5℃/分で60℃まで上げ、そしてその後、60℃にて100分間維持した。反応媒体を、200mLの水で希釈し、酢酸を用いて中和し、そして水の6倍容量に対する5kDaのPESメンブランを通した限外濾過により精製した。最終溶液を、乾燥抽出物によりアッセイして、多糖類の濃度を決定し、そしてその後、50/50(V/V)の水/アセトン中の酸/塩基滴定によりアッセイして、グルコシド単位当りのメチルカルボキシレートの平均数を決定した。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類]=31.5mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:グルコシド単位当りのメチルカルボキシレート単位の平均数は1.1であった。
デキストランメチルカルボン酸を得るために、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレート溶液をプロライト(Purolite)樹脂(アニオン性)に通し、その後それを18時間で凍結乾燥した。
米国特許第4826818号明細書に記載される方法に従い、オクチルグリシネートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
デキストランメチルカルボン酸の10g(メチルカルボン酸の44.86mmol)をDMF中に溶解して60g/Lとし、そしてその後、0℃まで冷却した。オクチルグリシネートパラトルエンスルホン酸塩の3.23g(8.97mmol)をDMF中に懸濁して100g/Lとした。その後、トリエタノールアミンの0.91g(8.97mmol)を当該懸濁液に添加した。一旦、多糖類溶液を0℃とし、その後、DMF中のNMM(5.24g,51.8mmol)の溶液(530g/L)及びEtOCOClの5.62g(51.8mmol)を添加した。10分間の反応後、オクチルグリシネート懸濁液を添加した。その後、当該媒体を10℃にて45分間維持した。その後、当該媒体を30℃まで加熱した。イミダゾールの溶液(水17mL中の10.38g)及び水の52mLを、反応媒体に添加した。多糖類溶液を、0.9%NaCl溶液の15倍容量及び水の5倍容量に対する10kDaのPESメンブランに通して限外濾過した。当該多糖類溶液の濃度を、乾燥抽出物により決定した。溶液の画分を凍結乾燥し、そしてメチルカルボキシレートの置換度を決定してグルコシド単位当りのオクチルグリシネートを与えるために、DO中のH NMRにより、解析した。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類1]=36.4mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=0.9であった。
H NMRに従うと:m=0.2であった。
実施例A2:多糖類2の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、セチルグリシネートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、セチルグリシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類2]=15.1mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.05であった。
H NMRに従うと:m=0.05であった。
実施例A3:多糖類3の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、オクチルフェニルアラニネートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、オクチルフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類3]=27.4mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.0であった。
H NMRに従うと:m=0.1であった。
実施例A4:多糖類4の製造
およそ5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A3に記載されているのと類似の方法により、オクチルフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類4]=21.8mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.0であった。
H NMRに従うと:m=0.2であった。
実施例A5:多糖類5の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、3,7−ジメチル−1−オクチルフェニルアラニネートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、3,7−ジメチル−1−オクチルフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類5]=24.3mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.0であった。
H NMRに従うと:m=0.1であった。
実施例A6:多糖類6の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、ジオクチルアスパルテートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、ジオクチルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類6]=22.2mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.05であった。
H NMRに従うと:m=0.05であった。
実施例A7:多糖類7の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、ジデシルアスパルテートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、ジデシルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類7]=19.8mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.05であった。
H NMRに従うと:m=0.05であった。
実施例A8:多糖類8の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、ジラウリルアスパルテートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、ジラウリルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類8]=22.8mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.05であった。
H NMRに従うと:m=0.05であった。
実施例A9:多糖類9の製造
米国特許第2387201号明細書に記載されている方法に従い、ドデカン酸のメチルエステル(シグマ(Sigma))及びエチレンジアミン(ロス(Roth))から、N−(2−アミノエチル)ドデカンアミドを得た。
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、N−(2−アミノエチル)ドデカンアミドにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類9]=23.8mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.0であった。
H NMRに従うと:m=0.1であった。
実施例A10:多糖類10の製造
Sanchez−Chaves他,1998年(Manuel他,Polymer,1998年,39(13),第2751頁−第2757頁による文献に記載されている方法に従い、およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)から、ナトリウムデキストランスクシネートを得た。DO/NaOD中のH NMRに従うと、グルコシド単位当りのスクシネート基の平均数は、1.4であった。
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、ラウリルグリシネートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
実施例A1に記載されているのと類似の方法により、ラウリルグリシネートにより変性されたナトリウムデキストランスクシネートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類10]=16.1mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.3であった。
H NMRに従うと:m=0.1であった。
実施例A11:多糖類11の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、ジオクチルアスパルテートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)の12g(即ち、ヒドロキシル基の0.22mol)を、DMF/DMSO混合物中に溶解した。当該混合物を撹拌しながら80℃とした。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンの3.32g(0.03mol)及びその後にエチルイソシアナートアセテートの14.35g(0.11mol)を段階的に導入した。5時間反応させた後、当該媒体を水中に希釈し、そして、0.1N NaOH、0.9%NaCl及び水に対する5kDaのPESメンブランに通してダイアフィルトレーション(diafiltration)により精製した。乾燥抽出物により最終溶液をアッセイして、多糖類の濃度を決定し;そしてその後、50/50(V/V)の水/アセトン中の酸/塩基滴定によりアッセイして、グルコシド単位当りのN−メチルカルボキシレートカルバメートの平均数を決定した。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類]=30.5mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:グルコシド単位当りのN−メチルカルボキシレートカルバメートの平均数は、1.4であった。
実施例A1に記載されているのと類似の方法に従い、ジオクチルアスパルテートにより変性されたN−(ナトリウムメチルカルボキシレート)デキストランカルバメートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類11]=17.8mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.3であった。
H NMRに従うと:m=0.1であった。
実施例A12:多糖類12の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、ジラウリルアスパルテートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ1kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=4,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、ジラウリルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類12]=12.3mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=0.96であった。
H NMRに従うと:m=0.07であった。
実施例A13:多糖類13の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、2−(2−アミノエトキシ)エチルドデカノエートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、2−(2−アミノエトキシ)エチルドデカノエートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類13]=25.6mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.0であった。
H NMRに従うと:m=0.1であった。
実施例A14:多糖類14の製造
米国特許第2387201号明細書に記載されている方法に従い、ドデカン酸のメチルエステル(シグマ)及びトリエチレングリコールジアミン(ハンツマン(Huntsman))から、2−[2−{2−(ドデカノイルアミノ)エトキシ}エトキシ]エチルアミンを得た。
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、2−[2−{2−(ドデカノイルアミノ)エトキシ}エトキシ]エチルアミンにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類14]=24.9mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.0であった。
H NMRに従うと:m=0.1であった。
実施例A15:多糖類15の製造
米国特許第2387201号明細書に記載されている方法に従い、パルミチン酸のメチルエステル(シグマ)及びトリエチレングリコールジアミン(ハンツマン)から、2−[2−{2−(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ}エトキシ]エチルアミンを得た。
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、2−[2−{2−(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ}エトキシ]エチルアミンにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類15]=22.2mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.05であった。
H NMRに従うと:m=0.05であった。
実施例A16:多糖類16の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、セチルグリシネートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、セチルグリシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類13]=23mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.05であった。
H NMRに従うと:m=0.05であった。
実施例A17:多糖類17の製造
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)の10g(即ち、ヒドロキシル基の185mmol)を、水中に溶解して420g/Lとした。10N NaOHの19mL(185mmol)を当該反応液に添加した。当該混合物を35℃とし、そしてその後、クロロ酢酸ナトリウムの8.6g(74mmol)を添加した。当該反応混合物の温度を0.5℃/分で60℃とし、そしてその後、60℃にて100分間維持した。当該反応混合物を水200mLで希釈し、酢酸を用いて中和し、そして、6倍容量の水に対する5kDaのPESメンブランに通した限外濾過により、精製した。乾燥抽出物により最終溶液をアッセイして、多糖類の濃度を決定し、そしてその後、50/50(V/V)の水/アセトン中の酸/塩基滴定によりアッセイして、グルコシド単位当りのメチルカルボキシレート単位の平均数を決定した。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類]=35.1mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:グルコシド単位当りのメチルカルボキシレート単位の平均数は、0.42であった。
デキストランメチルカルボン酸を得るために、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレート溶液をプロライト樹脂(アニオン性)に通し、その後それを18時間で凍結乾燥した。
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、セチルグリシネートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
実施例A1に記載されているのと類似の方法により、セチルグリシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類17]=18mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=0.37であった。
H NMRに従うと:m=0.05であった。
実施例A18:多糖類18の製造
多糖類1について記載されているのと類似の方法に従い、5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス)から、グルコシド単位当り1.10のメチルカルボキシレートの置換度を特徴とするナトリウムデキストランメチルカルボキシレートの10gを合成し、そしてその後、凍結乾燥した。
グルコシド単位当り1.05のメチルカルボキシレートの置換度を特徴とするナトリウムデキストランメチルカルボキシレートの8g(即ち、ヒドロキシル基の64mmol)を水中に溶解して、1000g/Lとした。10N NaOHの6mL(64mmol)を添加した。当該混合物を35℃に加熱し、そして、クロロ酢酸ナトリウムの7.6g(65mmol)を添加した。当該混合物を、段階的に60℃の温度とし、そして当該温度にてさらに100分間維持した。当該混合物を水で希釈し、酢酸を用いて中和し、そしてその後、水に対する5kDaのPESメンブランに通した限外濾過により精製した。乾燥抽出物により最終溶液をアッセイして、多糖類の濃度を決定し、そしてその後、50/50(V/V)の水/アセトン中の酸/塩基滴定によりアッセイして、グルコシド単位当りのメチルカルボキシレート単位の平均数を決定した。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類]=45.8mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:グルコシド単位当りのメチルカルボキシレート単位の平均数は、1.65であった。
デキストランメチルカルボン酸を得るために、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレート溶液をプロライト樹脂(アニオン性)に通し、その後それを18時間で凍結乾燥した。
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、コレステリルロイシネートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
実施例A1に記載されているのと類似の方法により、コレステリルロイシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類18]=21mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.61であった。
H NMRに従うと:m=0.04であった。
実施例A19:多糖類19の製造
およそ5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、コレステリルロイシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類19]=19.4mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.06であった。
H NMRに従うと:m=0.04であった。
実施例A20:多糖類20の製造
およそ5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス)の16g(即ち、ヒドロキシル基の296mmol)を、水中に溶解して420g/Lとした。10N NaOHの30mL(296mmol)を当該反応液に添加した。当該混合物を35℃とし、そしてその後、クロロ酢酸ナトリウムの26g(222mmol)を添加した。当該反応媒体の温度を段階的に60℃とし、そしてその後、60℃にて100分間維持した。当該反応媒体を水200mLで希釈し、酢酸を用いて中和し、そして、水に対する5kDaのPESメンブランに通した限外濾過により、精製した。乾燥抽出物により最終溶液をアッセイして、多糖類の濃度を決定し、そしてその後、50/50(V/V)の水/アセトン中の酸/塩基滴定によりアッセイして、グルコシド単位当りのメチルカルボキシレート単位の平均数を決定した。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類]=33.1mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:グルコシド単位当りのメチルカルボキシレート単位の平均数は、0.70であった。
デキストランメチルカルボン酸を得るために、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレート溶液をプロライト樹脂(アニオン性)に通し、その後それを18時間で凍結乾燥した。
実施例A1に記載されているのと類似の方法により、コレステリルロイシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類20]=18.9mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=0.66であった。
H NMRに従うと:m=0.04であった。
実施例A21:多糖類21の製造
およそ5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス)の16g(即ち、ヒドロキシル基の296mmol)を、水中に溶解して420g/Lとした。10N NaOHの30mL(296mmol)を当該反応液に添加した。当該混合物を35℃とし、そしてその後、クロロ酢酸ナトリウムの18g(158mmol)を添加した。当該反応媒体の温度を段階的に60℃とし、そしてその後、60℃にて100分間維持した。当該反応媒体を水で希釈し、酢酸を用いて中和し、そして、水に対する1kDaのPESメンブランに通した限外濾過により、精製した。乾燥抽出物により最終溶液をアッセイして、多糖類の濃度を決定し、そしてその後、50/50(V/V)の水/アセトン中の酸/塩基滴定によりアッセイして、グルコシド単位当りのメチルカルボキシレート単位の平均数を決定した。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類]=52.6mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:グルコシド単位当りのメチルカルボキシレート単位の平均数は、0.50であった。
デキストランメチルカルボン酸を得るために、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレート溶液をプロライト樹脂(アニオン性)に通し、その後それを18時間で凍結乾燥した。
実施例A1に記載されているのと類似の方法により、コレステリルロイシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類21]=18.9mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=0.46であった。
H NMRに従うと:m=0.04であった。
実施例A22:多糖類22の製造
およそ1kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=4,ファルマコスモス)を用いて、実施例A18に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A18に記載されているのと類似の方法により、コレステリルロイシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類22]=20.2mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.61であった。
H NMRに従うと:m=0.04であった。
実施例A23:多糖類23の製造
特許文献(秋吉他,国際公開第2010/053140号公報)に記載されている方法に従い、コレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートヒドロクロリドを得た。
およそ5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス)を用いて、実施例A18に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A18に記載されているのと類似の方法により、コレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類23]=20.1mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.61であった。
H NMRに従うと:m=0.04であった。
実施例A24:多糖類24の製造
およそ5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス)の12g(即ち、ヒドロキシル基の0.22mol)を、DMF/DMSO混合物中に溶解した。当該混合物を撹拌しながら80℃とした。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンの3.32g(0.03mol)及びその後にエチルイソシアナートアセテートの26.8g(0.21mol)を段階的に導入した。5時間の反応後、当該媒体を水中に希釈し、そして0.1N NaOH、0.9%NaCl及び水に対する5kDaのPESメンブランに通したダイアフィルトレーションにより、精製した。乾燥抽出物により最終溶液をアッセイして、多糖類の濃度を決定し;そしてその後、50/50(V/V)の水/アセトン中の酸/塩基滴定によりアッセイして、グルコシド単位当りのN−メチルカルボキシレートカルバメート単位の平均数を決定した。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類]=30.1mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:グルコシド単位当りのN−メチルカルボキシレートカルバメート単位の平均数は、2.0であった。
実施例A1に記載されているのと類似の方法により、コレステリルロイシネートにより変性されたN−(ナトリウムメチルカルボキシレート)デキストランカルバメートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類24]=17.9mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.96であった。
H NMRに従うと:m=0.04であった。
実施例A25:多糖類25の製造
特許文献(秋吉他,国際公開第2010/053140号公報)に記載されている方法に従い、コレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートヒドロクロリドを得た。
およそ5kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=19,ファルマコスモス,構造鎖末端の3.2mmol)の10gを、80℃のDMSOに溶解した。コレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートヒドロクロリドの4.8g(9.5mmol)、トリエチルアミンの0.96g(9.5mmol)及びナトリウムシアノボロハイドライドの2.0g(32mmol)を、反応媒体に添加し、それを80℃にて24時間撹拌した。冷却後、当該混合物を、ジクロロメタンそしてその後にアセトンから沈澱させ、そして真空下に乾燥した。H NMRに従い、コレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートにより構造鎖末端で変性されたデキストランを得た。当該コレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートにより構造鎖末端で変性されたデキストランを用いて、実施例A18に記載されているのと類似の方法により、グルコシド単位当り1.65のメチルカルボキシレートの置換度を特徴とし、且つコレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートにより構造鎖末端で変性された、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成した。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類25]=13.7mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.65であった。
H NMRに従うと:各々のポリマー鎖は、還元鎖末端にグラフトされたコレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレート基を有していた。
実施例A26:多糖類26の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、コレステリルロイシネートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ10kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=38,ファルマコスモス)を用いて、実施例A1に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、コレステリルロイシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類26]=26.6mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=0.99であった。
H NMRに従うと:m=0.05であった。
実施例A27:多糖類27の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、ジラウリルアスパルテートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ1kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=4,ファルマコスモス)を用いて、実施例A18に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、ジラウリルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類27]=16.7mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.41であった。
H NMRに従うと:m=0.16であった。
実施例A28:多糖類28の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、ジラウリルアスパルテートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ1kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=4,ファルマコスモス)を用いて、実施例A18に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、ジラウリルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類28]=25mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.50であった。
H NMRに従うと:m=0.07であった。
実施例A29:多糖類29の製造
米国特許第4826818号明細書に記載されている方法に従い、ジデシルアスパルテートパラトルエンスルホン酸塩を得た。
およそ1kg/molの質量平均分子量を有するデキストラン(q=4,ファルマコスモス)を用いて、実施例A18に記載されている方法に従い、ナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを合成し、実施例A1に記載されているのと類似の方法により、ジデシルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートを得た。
乾燥抽出物に従うと:[多糖類29]=15mg/gであった。
酸/塩基滴定に従うと:n=1.05であった。
H NMRに従うと:m=0.05であった。
実施例
第B部:本発明に従う組成物の特性の証明
実施例B1:100IU/mLの速効性インスリン類似体の溶液(ノボログ(NovoLog(登録商標)))
当該溶液は、米国においてノボログ(NovoLog(登録商標))の名称の下で、そして欧州においてノボラピッド(Novorapid(登録商標))の名称の下で、ノボ ノルディスク社により販売されている、市販のインスリンアスパルトの溶液である。当該製品は、速効性インスリン類似体である。
実施例B2:100IU/mLの速効性インスリン類似体の溶液(ヒューマログ(Humalog(登録商標)))
当該溶液は、ヒューマログ(Humalog(登録商標))の名称の下で、エリ リリー社により販売されている、市販のインスリンリスプロの溶液である。当該製品は、速効性インスリン類似体である。
実施例B3:100IU/mLの速効性インスリン類似体の溶液(アピドラ(Apidra(登録商標)))
当該溶液は、アピドラ(Apidra(登録商標))の名称の下で、サノフィ−アベンチス社により販売されている、市販のインスリングルリシンの溶液である。当該製品は、速効性インスリン類似体である。
実施例B4:100IU/mLの遅効性インスリン類似体の溶液(ランタス(Lantus(登録商標)))
当該溶液は、ランタス(Lantus(登録商標))の名称の下で、サノフィ−アベンチス社により販売されている、市販のインスリングラルギンの溶液である。当該製品は、遅効性インスリン類似体である。
実施例B5:100IU/mLのヒトインスリンの溶液(アクトラピッド(ActRapid(登録商標)))
当該溶液は、アクトラピッド(ActRapid(登録商標))の名称の下の、ノボ ノルディスク社からの市販の溶液である。当該製品はヒトインスリンである。
実施例B6:置換されたデキストランを用いた、100IU/mLでの及びpH7でのランタス(Lantus(登録商標))の溶解
実施例A4に記載されている多糖類4の20mgを正確に秤量した。当該凍結乾燥物を、市販製剤のランタス(Lantus(登録商標))の2mL中に溶解させた。一時的な沈澱が現れたが、およそ30分後には当該溶液は清澄となった。当該溶液のpHは6.3であった。0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7に調節した。当該清澄な溶液を、0.22μmフィルターにより濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。
実施例B7:pH7での、置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))の75/25組成物の製造
pH7の組成物の1mLを作製するために、アピドラ(Apidra(登録商標))(市販製剤)の0.25mLを、実施例B6において製造された多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.75mLに添加した。当該組成物は清澄であり、これら配合条件下において、ランタス(Lantus(登録商標))及びアピドラ(Apidra(登録商標))の良好な溶解性を証明した。当該清澄な溶液を、0.22μmフィルターにより濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。
実施例B8:pH7での、置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/ヒューマログ(Humalog(登録商標))の75/25組成物の製造
pH7の組成物の1mLを作製するために、ヒューマログ(Humalog(登録商標))(市販製剤)の0.25mLを、実施例B6において製造された多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.75mLに添加した。当該組成物は清澄であり、これら配合条件下において、ランタス(Lantus(登録商標))及びヒューマログ(Humalog(登録商標))の良好な溶解性を証明した。当該清澄な溶液を、0.22μmフィルターにより濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。
実施例B9:pH7での、置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/ノボログ(NovoLog(登録商標))の75/25組成物の製造
pH7の組成物の1mLを作製するために、ノボログ(NovoLog(登録商標))(市販製剤)の0.25mLを、実施例B6において製造された多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.75mLに添加した。当該組成物は清澄であり、これら配合条件下において、ランタス(Lantus(登録商標))及びノボログ(NovoLog(登録商標))の良好な溶解性を証明した。当該清澄な溶液を、0.22μmフィルターにより濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。
実施例B10:pH7での、置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/アクトラピッド(ActRapid(登録商標))の75/25組成物の製造
pH7の組成物の1mLを作製するために、アクトラピッド(ActRapid(登録商標))(市販製剤)の0.25mLを、実施例B6において製造された多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.75mLに添加した。当該組成物は清澄であり、これら配合条件下において、ランタス(Lantus(登録商標))及びアクトラピッド(ActRapid(登録商標))の良好な溶解性を証明した。当該清澄な溶液を、0.22μmフィルターにより濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。
実施例B11:pH7での、置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))の60/40組成物の製造
pH7の組成物の1mLを作製するために、アピドラ(Apidra(登録商標))(市販製剤)の0.4mLを、実施例B6において製造された多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.6mLに添加した。当該組成物は清澄であり、これら配合条件下において、ランタス(Lantus(登録商標))及びアピドラ(Apidra(登録商標))の良好な溶解性を証明した。当該清澄な溶液を、0.22μmフィルターにより濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。
実施例B12:pH7での、置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))の40/60組成物の製造
pH7の組成物の1mLを作製するために、アピドラ(Apidra(登録商標))(市販製剤)の0.6mLを、実施例B6において製造された多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.4mLに添加した。当該組成物は清澄であり、これら配合条件下において、ランタス(Lantus(登録商標))及びアピドラ(Apidra(登録商標))の良好な溶解性を証明した。当該清澄な溶液を、0.22μmフィルターにより濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。
実施例B13:ランタス(Lantus(登録商標))の沈澱
ランタス(Lantus(登録商標))の1mLを、BSA(ウシ血清アルブミン)の20mg/mLを含有するPBS溶液の2mLに添加した。当該PBS/BSA混合物が、皮下媒体の組成をシミュレートしている。ランタス(Lantus(登録商標))の挙動の機構に良く合致する沈澱が現れた(pHの上昇による注射剤の沈澱)。
上澄みから沈殿物を分離するために、4000回転/分で遠心分離を行った。その後、上澄み中のランタス(Lantus(登録商標))をアッセイした。この結果、ランタス(Lantus(登録商標))の86%が沈澱形態で見出された。
実施例B14:置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))組成物の沈澱
実施例B6で製造した多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の1mLを、BSA(ウシ血清アルブミン)の20mg/mLを含有するPBS溶液の2mLに添加した。当該PBS/BSA混合物が、皮下媒体の組成をシミュレートしている。沈澱が現れた。
上澄みから沈殿物を分離するために、4000回転/分で遠心分離を行った。その後、上澄み中のランタス(Lantus(登録商標))をアッセイした。この結果、ランタス(Lantus(登録商標))の86%が沈澱形態で見出された。ランタス(Lantus(登録商標))の沈殿のパーセンテージは、実施例B13に記載される対照について得られたものと同一であった。
ランタス(Lantus(登録商標))の100IU/mL当りの多糖類の10mg/mLの同様の濃度での他のデキストランについて、実施例B6及びB14に記載されているのと同一の溶解及び沈澱試験を行った。凍結乾燥形態にある多糖類の20mgを正確に秤量した。当該凍結乾燥物を、市販製剤のランタス(Lantus(登録商標))の2mL中に溶解させた。一時的な沈澱が現れたが、およそ30分から2、3時間後には当該溶液は清澄となった(多糖類の性質による)。当該溶液のpHは6.3であった。0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7に調節した。当該清澄な溶液を、0.22μmフィルターにより濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。結果を表2に並べた。
Figure 2014521716
実施例B15:pH7での、置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))の75/25組成物の沈澱
実施例B7において製造された置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))の75/25組成物の1mL(多糖類の7.5mg/mL、ランタス(Lantus(登録商標))の75IU/mL及びアピドラ(Apidra(登録商標))の25IU/mLを含有)を、BSA(ウシ血清アルブミン)の20mg/mLを含有するPBS溶液の2mLに添加した。当該PBS/BSA混合物が、皮下媒体の組成をシミュレートしている。沈澱が現れた。
上澄みから沈殿物を分離するために、4000回転/分で遠心分離を行った。その後、上澄み中のランタス(Lantus(登録商標))をアッセイした。ランタス(Lantus(登録商標))の沈殿のパーセンテージは、実施例B13に記載される対照について得られたものと同一であった。
実施例B16:種々の組成物の沈澱、種々の置換されたデキストランの性質
他の置換されたデキストランの存在中で、実施例B15の同様の条件下、他の試験を行った。
結果を下記表3にまとめ、そしてランタス(Lantus(登録商標))の溶解及び沈澱が保持されていたことが観察された。
Figure 2014521716
実施例B17:種々の組成物の沈澱、種々の食事インスリンの性質
置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/食事インスリン組成物の1mL(多糖類の7.5mg/mL)、ランタス(Lantus(登録商標))の75IU/mL及び食事インスリンの25IU/mL含有)を作製するために、実施例B6において製造した多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.75mLを食事インスリンの0.25mLと混合することにより、組成物を製造した。
当該組成物を、BSA(ウシ血清アルブミン)の20mg/mLを含有するPBS溶液の2mLに添加した。当該PBS/BSA混合物が、皮下媒体の組成をシミュレートしている。沈澱が現れた。
上澄みから沈殿物を分離するために、4000回転/分で遠心分離を行った。その後、上澄み中のランタス(Lantus(登録商標))をアッセイした。試験された4種の食事インスリンの存在中において、ランタス(Lantus(登録商標))は、およそ90%まで沈澱した。このランタス(Lantus(登録商標))の沈澱のパーセンテージは、実施例B13に記載されている対照と類似していた。結果を表4に並べた。
Figure 2014521716
実施例B18:遅効性インスリン類似体(グラルギン)の濃縮溶液の製造
ランタス(Lantus(登録商標))の名称の下でサノフィ−アベンチス(Sanofi−Aventis)社により販売されている、インスリングラルギンの市販溶液を、再生セルロースから作られた3kDaメンブラン(ミリポア(Millipore)社により販売されているアミコン(Amicon(登録商標))ウルトラ(Ultra)−15)に通した限外濾過によって濃縮した。当該限外濾過段階の結びにおいて、逆相液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)により保留物中のインスリングラルギンの濃度をアッセイした。その後、所望の最終濃度を得るために、市販の100IU/mLグラルギン溶液の添加により、インスリングラルギンの最終濃度を調節した。当該方法によって、100IU/mLを超える種々の濃度(Cglargineで示される)、例えば、Cglargine=200、250、300及び333IU/mLのグラルギン濃縮溶液を得ることができた。当該濃縮溶液を、0.22μmフィルターにより濾過し、そしてその後、+4℃で保存した。
実施例B19:速効性インスリン類似体(リスプロ)の市販溶液の透析
ヒューマログ(Humalog(登録商標))の名称の下でリリー社により販売されている、インスリンリスプロの市販溶液を、再生セルロースから作られた3kDaメンブラン(ミリポア社により販売されているアミコン(Amicon(登録商標))ウルトラ(Ultra)−15)に通した限外濾過によって透析した。当該透析は、pH7の1mMリン酸緩衝液中で行った。当該透析段階の結びにおいて、逆相液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)により、保留物中のリスプロの濃度Cdialysed Humalogを決定した。当該透析された溶液を、−80℃の冷凍庫中で保存した。
実施例B20:市販の形態にある速効性インスリン類似体(リスプロ)の溶液の凍結乾燥
市販の形態にある100IU/mLの濃度の速効性インスリンリスプロの溶液の容量VHumalogを、予めオートクレーブ中で滅菌したリオガード(Lyoguard(登録商標))内に置いた。リオガード(Lyoguard(登録商標))を、およそ1時間、−80℃の冷凍庫内に置いた後、20℃の温度且つ0.31mbarの圧力にて、一晩凍結乾燥にかけた。
こうして得られた滅菌凍結乾燥物を、周囲温度で保存した。
実施例B21:速効性インスリン類似体(リスプロ)の透析された市販溶液の凍結乾燥
dialysed Humalogの濃度の実施例B19に従い得られた速効性インスリンリスプロの溶液の容量VHumalogを、予めオートクレーブ中で滅菌したリオガード(Lyoguard(登録商標))内に置いた。リオガード(Lyoguard(登録商標))を、およそ1時間、−80℃の冷凍庫内に置いた後、20℃の温度且つ0.31mbarの圧力にて、一晩凍結乾燥にかけた。
こうして得られた滅菌凍結乾燥物を、周囲温度で保存した。
実施例B22:液体形態(溶液形態)にあるグラルギン及び固体形態(凍結乾燥)にある多糖類を用いた方法に従った、置換されたデキストランを用いたpH7の置換されたデキストラン/グラルギン組成物の製造
多糖類18の質量Wpolys.を正確に秤量した。当該凍結乾燥物を、実施例B18に従い製造したグラルギンの濃縮溶液の容量Vglargine中に溶解させ、多糖類の濃度Cpolys.(mg/mL)=Wpolys./Vglargine及びグラルギンの濃度Cglargine(IU/mL)を示す組成物を得た。当該溶液は乳白色であった。当該溶液のpHはおよそ6.3であった。濃縮NaOHの添加によって、pHを7に調節し、そしてその後、当該溶液を、37℃のオーブン内でおよそ1時間、静止状態に置いた。当該視覚的に清澄な溶液の容量Vpolys./glargineを、+4℃に置いた。
実施例B23:液体形態(溶液形態)にあるグラルギン及び液体形態(溶液)にある多糖類を用いた方法に従った、置換されたデキストランを用いたpH7の置換されたデキストラン/グラルギン組成物の製造
m−クレゾール、グリセロール及びツイーン20の濃縮溶液を、濃度Cpolys.motherを示すpH7の多糖類20の母液に添加して、ランタス(Lantus(登録商標))の市販溶液の10mL容器に記載されているのと等しい含有量の賦形剤の存在中の、濃度Cpolys.mother/excipients(mg/mL)を有する多糖類溶液を得た。
100IU/mLの濃度のランタス(Lantus(登録商標))の名称の下で販売されている、遅効性インスリングラルギンの市販溶液の容量VLantusを、滅菌フラスコ内の濃度Cpolys.mother/excipients(mg/mL)の多糖類溶液の容量Vpolys.mother/excipientsに添加した。混濁した外観であった。1M NaOHの添加によってpHをpH7に調節し、そして、当該溶液を、37℃のオーブン内でおよそ1時間、静止状態に置いた。当該視覚的に清澄な溶液を、+4℃に置いた。
実施例B24:希釈した組成物の濃度についての方法に従った、置換されたデキストランを用いた、pH=7の、濃縮された多糖類/グラルギン組成物の製造
実施例B23に記載されるpH7の希釈した多糖類20/グラルギン組成物を、再生セルロースから作られた3kDaメンブラン(ミリポア社により販売されているアミコン(Amicon(登録商標))ウルトラ(Ultra)−15)に通した限外濾過によって濃縮した。当該限外濾過段階の結びにおいて、保留物は清澄であり、且つ、組成物中のインスリングラルギンの濃度を、逆相クロマトグラフィー(RP−HPLC)によりアッセイした。必要に応じ、その後、組成物中のインスリングラルギンの濃度を、ランタス(Lantus(登録商標))市販溶液の10mL容器に記載されているのと等しい濃度を各々について示すm−クレゾール/グリセロール/ツイーン20賦形剤の溶液中に希釈することによって、所望の数値に調節した。pH7の当該溶液は視覚的に清澄であり、グラルギン濃度Cglargine(IU/mL)を示し、且つ、多糖類濃度Cpolys.(mg/mL)を示す該溶液を+4℃に置いた。
実施例B25:市販形態にある、速効性インスリンリスプロから出発した、pH7の、置換されたデキストラン/グラルギン/リスプロ組成物の製造
実施例B22に従い製造した、グラルギン濃度Cglargine(IU/mL)及び多糖類18濃度CPolys.(mg/mL)を示す、pH7の、多糖類/グラルギン溶液の容量polysach./glargineを、比Vpolysach.glargine/Vlispro=100/Clispro{式中、Clisproは、当該組成物中の標的とされたリスプロの濃度(IU/mL)を表す}となるように、製造方法が実施例B19に記載されている、容量Vlisproの凍結乾燥により得られたインスリンリスプロ凍結乾燥物に添加した。当該溶液は清澄であった。当該製剤の亜鉛含有量を、濃縮塩化亜鉛溶液の添加によって、所望の濃度Czinc(μM)に調節した。最終的なpHを、濃縮NaOH又はHClの添加によって、7に調節した。
当該製剤は、これらの製剤条件下においてグラルギン及びリスプロの良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該溶液を0.22μmのフィルターにより濾過し、そして+4℃に置いた。
実施例26:市販の溶液の透析により得られた速効性インスリンリスプロから出発した、pH7の、置換されたデキストラン/グラルギン/リスプロ組成物の製造
実施例B24に従い製造した、グラルギン濃度Cglargine(IU/mL)及び多糖類20濃度CPolys.(mg/mL)を示す、pH7の、多糖類/グラルギン溶液の容量polysach./glargineを、比Vpolysach.glargine/Vdialyzed humalog=Cdialyzed humalog/Clispro{式中、Cdialyzed humalogは、段階が実施例B19に記載されている、当該市販溶液の透析の結びにおいて得られた、リスプロの濃度(IU/mL)を表し、及び、Clisproは、当該組成物中の標的とされたリスプロの濃度(IU/mL)を表す}となるように、製造方法が実施例B21に記載されている、容量Vdialyzed humalogの凍結乾燥により得られたインスリンリスプロ凍結乾燥物に添加した。当該溶液は清澄であった。当該製剤の亜鉛含有量を、濃縮塩化亜鉛溶液の添加によって、所望の濃度Czinc(μM)に調節した。最終的なpHを、濃縮NaOH又はHClの添加によって、7に調節した。
当該製剤は、これらの製剤条件下においてグラルギン及びリスプロの良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該溶液を0.22μmのフィルターにより濾過し、そして+4℃に置いた。
実施例B27:200IU/mLのグラルギン濃度及び33IU/mLのリスプロ濃度を示す、pH7の置換されたデキストラン/グラルギン/リスプロ組成物(インスリンのパーセンテージ割合:グラルギン/リスプロとして85/15)の製造
濃縮した200IU/mLグラルギン溶液を、実施例B18に従い製造した。pH7の、多糖類18(13mg/mL)/グラルギンの300IU/mL組成物を、実施例B22に記載の製造方法に従い、多糖類18から製造した。当該多糖類18/グラルギンの200IU/mL組成物を、実施例B25に記載の製造方法に従い、市販形態にある速効性類似体の溶液の凍結乾燥により得られた、インスリンリスプロ凍結乾燥物に添加した。当該溶液は清澄であった。当該製剤の亜鉛含有量を、濃縮塩化亜鉛溶液の添加によって、濃度Czinc(μM)=750μMに調節した。最終的なpHを、濃縮NaOH又はHClの添加によって、7に調節した。
当該組成を表5に記載する。
実施例B28:200IU/mLのグラルギン濃度及び66IU/mLのリスプロ濃度を示す、pH7の置換されたデキストラン/グラルギン/リスプロ組成物(インスリンのパーセンテージ割合:グラルギン/リスプロとして75/25)の製造
濃縮した200IU/mLグラルギン溶液を、実施例B18に従い製造した。pH7の、多糖類18(13mg/mL)/グラルギンの300IU/mL組成物を、実施例B22に記載の製造方法に従い、多糖類18から製造した。当該多糖類18/グラルギンの200IU/mL組成物を、実施例B25に記載の製造方法に従い、市販形態にある速効性類似体の溶液の凍結乾燥により得られた、インスリンリスプロ凍結乾燥物に添加した。当該溶液は清澄であった。当該製剤の亜鉛含有量を、濃縮塩化亜鉛溶液の添加によって、濃度Czinc(μM)=1500μMに調節した。最終的なpHを、濃縮NaOH又はHClの添加によって、7に調節した。
当該製剤は、これらの製剤条件下においてグラルギン及びリスプロの良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該溶液を0.22μmのフィルターにより濾過し、そして+4℃に置いた。
当該組成を表5に記載する。
実施例B29:300IU/mLのグラルギン濃度及び100IU/mLのリスプロ濃度を示す、pH7の置換されたデキストラン/グラルギン/リスプロ組成物(インスリンのパーセンテージ割合:グラルギン/リスプロとして75/25)の製造
濃縮した300IU/mLグラルギン溶液を、実施例B18に従い製造した。pH7の、多糖類18(23mg/mL)/グラルギンの300IU/mL組成物を、実施例B22に記載の製造方法に従い、多糖類18から製造した。当該多糖類18/グラルギンの300IU/mL組成物を、実施例B25に記載の製造方法に従い、市販形態にある速効性類似体の溶液の凍結乾燥により得られた、インスリンリスプロ凍結乾燥物に添加した。当該溶液は清澄であった。当該製剤の亜鉛含有量を、濃縮塩化亜鉛溶液の添加によって、濃度Czinc(μM)=2000μMに調節した。最終的なpHを、濃縮NaOH又はHClの添加によって、7に調節した。
当該製剤は、これらの製剤条件下においてグラルギン及びリスプロの良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該溶液を0.22μmのフィルターにより濾過し、そして+4℃に置いた。
当該組成を表5に記載する。
実施例B30:250IU/mLのグラルギン濃度及び150IU/mLのリスプロ濃度を示す、pH7の置換されたデキストラン/グラルギン/リスプロ組成物(インスリンのパーセンテージ割合:グラルギン/リスプロとして63/37)の製造
濃縮した300IU/mLグラルギン溶液を、実施例B18に従い製造した。pH7の、多糖類18(19mg/mL)/グラルギンの300IU/mL組成物を、実施例B22に記載の製造方法に従い、多糖類18から製造した。当該多糖類18/グラルギンの250IU/mL組成物を、実施例B25に記載の製造方法に従い、市販形態にある速効性類似体の溶液の凍結乾燥により得られた、インスリンリスプロ凍結乾燥物に添加した。当該溶液は清澄であった。当該製剤の亜鉛含有量を、濃縮塩化亜鉛溶液の添加によって、濃度Czinc(μM)=1500μMに調節した。最終的なpHを、濃縮NaOH又はHClの添加によって、7に調節した。
当該製剤は、これらの製剤条件下においてグラルギン及びリスプロの良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該溶液を0.22μmのフィルターにより濾過し、そして+4℃に置いた。
当該組成を表5に記載する。
実施例B31:333IU/mLのグラルギン濃度及び67IU/mLのリスプロ濃度を示す、pH7の置換されたデキストラン/グラルギン/リスプロ組成物(インスリンのパーセンテージ割合:グラルギン/リスプロとして83/17)の製造
濃縮した333IU/mLグラルギン溶液を、実施例B18に従い製造した。pH7の、多糖類18(20mg/mL)/グラルギンの300IU/mL組成物を、実施例B22に記載の製造方法に従い、多糖類18から製造した。当該多糖類18/グラルギンの333IU/mL組成物を、実施例B25に記載の製造方法に従い、市販形態にある速効性類似体の溶液の凍結乾燥により得られた、インスリンリスプロ凍結乾燥物に添加した。当該溶液は清澄であった。当該製剤の亜鉛含有量を、濃縮塩化亜鉛溶液の添加によって、濃度Czinc(μM)=2000μMに調節した。最終的なpHを、濃縮NaOH又はHClの添加によって、7に調節した。
当該製剤は、これらの製剤条件下においてグラルギン及びリスプロの良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該溶液を0.22μmのフィルターにより濾過し、そして+4℃に置いた。
当該組成を表5に記載する。
実施例B32:300IU/mLのグラルギン濃度及び100IU/mLのリスプロ濃度を示す、pH7の置換されたデキストラン/グラルギン/リスプロ組成物(インスリンのパーセンテージ割合:グラルギン/リスプロとして75/25)の製造
濃縮した300IU/mLグラルギン溶液を、実施例B18に従い製造した。pH7の、多糖類19(23mg/mL)/グラルギンの300IU/mL組成物を、実施例B22に記載の製造方法に従い、多糖類19から製造した。当該多糖類19/グラルギンの300IU/mL組成物を、実施例B26に記載の製造方法に従い、透析した形態にある速効性類似体の溶液の凍結乾燥により得られた、インスリンリスプロ凍結乾燥物に添加した。当該溶液は清澄であった。当該製剤の亜鉛含有量を、濃縮塩化亜鉛溶液の添加によって、濃度Czinc(μM)=3000μMに調節した。最終的なpHを、濃縮NaOH又はHClの添加によって、7に調節した。
当該製剤は、これらの製剤条件下においてグラルギン及びリスプロの良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該溶液を0.22μmのフィルターにより濾過し、そして+4℃に置いた。
当該組成を表5に記載する。
実施例B33:300IU/mLのグラルギン濃度及び100IU/mLのリスプロ濃度を示す、pH7の置換されたデキストラン/グラルギン/リスプロ組成物(インスリンのパーセンテージ割合:グラルギン/リスプロとして75/25)の製造
pH7の、多糖類20(23mg/mL)/グラルギンの300IU/mL組成物を、実施例B23に記載の製造方法に従い、多糖類20から製造した。当該多糖類20/グラルギンの300IU/mL組成物を、実施例B26に記載の製造方法に従い、市販溶液の透析由来の速効性類似体の溶液の凍結乾燥により得られた、インスリンリスプロ凍結乾燥物に添加した。当該溶液は清澄であった。当該製剤の亜鉛含有量を、濃縮塩化亜鉛溶液の添加によって、濃度Czinc(μM)=1500μMに調節した。最終的なpHを、濃縮NaOH又はHClの添加によって、7に調節した。
当該製剤は、これらの製剤条件下においてグラルギン及びリスプロの良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該溶液を0.22μmのフィルターにより濾過し、そして+4℃に置いた。
当該組成を表5に記載する。
Figure 2014521716
実施例B34:インスリングラルギン及びインスリンリスプロの種々の濃度並びに当該2種のインスリンの種々の組成比を示す、pH7の種々の置換されたデキストラン/グラルギン/リスプロ組成物の沈澱
実施例B27ないしB33において製造された置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/ヒューマログ(Humalog(登録商標))組成物の1mLを、BSA(ウシ血清アルブミン)の20mg/mLを含有するPBS溶液の2mLに添加した。当該PBS/BSA混合物が、皮下媒体の組成をシミュレートしている。沈澱が現れた。
上澄みから沈殿物を分離するために、4000回転/分で遠心分離を行った。その後、上澄み中のランタス(Lantus(登録商標))をアッセイした。この結果、ランタス(Lantus(登録商標))の沈澱のパーセンテージは、実施例B13に記載される対照と類似であった。結果を表6に概略する。
Figure 2014521716
実施例B35:組成物の化学的安定性
実施例B7、B27、B28及びB29に記載される置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))/食事インスリン組成物並びに対応する対照群を、30℃にて4週間置いた。法規によって、30℃での4週間後に、そのままの(分解されていない)インスリンの95%が要求される。
4週間後、実験された製剤は、法規に定義される仕様に合致していた。結果を表7にまとめる。
Figure 2014521716
このように、どの製剤について実験されても、法規の要請に従う、95%を超えるそのままのインスリンのパーセンテージが得られた。
実施例B36:溶液の注射適性
製造された全ての組成物は、インスリンの注射についての通常のシステムにより注射し得た。実施例B7ないしB12に記載される溶液及び実施例B27ないしB33に記載される組成物は、31本の測定用ニードル付きのインスリンシリンジ及びノボペン(Novopen(登録商標))の名称の下で販売されている、ノボ ノルディスクからの31本の測定用ニードル付きインスリンペンの両方を用いても、いかなる困難もなく注射された。
実施例B37:インスリン溶液の薬力学の測定用プロトコル
本発明に従う2種の組成物:
実施例B7に記載される、多糖類4(6mg/mL)を用いて配合された、ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))(75/25)及び
実施例B8に記載される、多糖類4(6mg/mL)を用いて配合された、ランタス(Lantus(登録商標))/ヒューマログ(Humalog(登録商標))(75/25)を評価する目的で、臨床前実験をブタについて行った。
これら組成物の血糖低下作用を、ランタス(Lantus(登録商標))(pH4)のそしてその後の食事インスリンであるアピドラ(Apidra(登録商標))又はヒューマログ(Humalog(登録商標))の同時ではあるが別々の注射によって行った注射に関して比較した。
予め頸静脈にカテーテル挿入したおよそ50kgの目方の6頭の家畜ブタに、実験の開始前の2ないし3時間、餌を断った。インスリンの注射前の時間において、基礎グルコース濃度を決定するために、3種の血液試料を採取した。
31本のニードル付きのノボペン(Novopen(登録商標))インスリンペンを用いて、当該動物の耳下の首への皮下注射によって、0.4IU/kgの投与量でのインスリンの注射を行った。
その後、4、8、12、16、20、30、40、50、60、90、120、240、360、480、600、660及び720分後に血液試料を採取した。各々の試料を採取した後、カテーテルを希釈ヘパリン溶液で洗浄した。
1滴の血液を採取して、グルコース測定器を用いて血糖値を決定した。その後、グルコースの薬力学曲線をプロットした。
得られた結果は、図1ないし6に表されるグルコースについての薬力学曲線の形態で与えられる。
多糖類4(6mg/mL)を用いて配合したランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))(75/25)。
図1:アピドラ(Apidra(登録商標))及びランタス(Lantus(登録商標))と、本発明に従う組成物である多糖類4/ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))(75/25)の、連続投与についての平均値曲線の平均値+標準偏差である。
図2:アピドラ(Apidra(登録商標))ランタス(Lantus(登録商標))個別曲線である。
図3:多糖類4/アピドラ(Apidra(登録商標))/ランタス(Lantus(登録商標))個別曲線である。
図1は、各々の製剤について試験したブタについての血糖値低下の平均値曲線及び平均値の標準偏差を与えている。最初の30分における血糖値の低下は、多糖類の存在が、アピドラ(Apidra(登録商標))の速効作用を阻害しなかったことを示す、当該2種の製剤について類似であった。
他方で、90分ないし10時間(600分)の間において、アピドラ(Apidra(登録商標))及びランタス(Lantus(登録商標))の連続投与は、3頭のブタに関して均一の安定応答、及び、他の3頭のブタに関して不均一の応答を有する、不均一のグルコース低下が生じた(図2)。対照的に、多糖類4/アピドラ(Apidra(登録商標))/ランタス(Lantus(登録商標))製剤を用いて試験された6頭のブタは、均一の応答を示した(図3)。このことは、アピドラ(Apidra(登録商標))ランタス(Lantus(登録商標))対照について平均54%(21%と113%の間)であり、及び多糖類4/アピドラ(Apidra(登録商標))/ランタス(Lantus(登録商標))について12%(5%と25%の間)であった、60分と10時間の間の変動係数(CV)の解析によって反映されている。
多糖類4(6mg/mL)を用いて配合したランタス(Lantus(登録商標))/ヒューマログ(Humalog(登録商標))(75/25)。
図4:ヒューマログ(Humalog(登録商標))及びランタス(Lantus(登録商標))の連続投与と、本発明に従う組成物である多糖類4/ヒューマログ(Humalog(登録商標))/ランタス(Lantus(登録商標))の投与についての、平均値曲線の平均値+標準偏差である。
図5:ヒューマログ(Humalog(登録商標))/ランタス(Lantus(登録商標)個別曲線である。
図6:多糖類4/ヒューマログ(Humalog(登録商標))/ランタス(Lantus(登録商標))個別曲線である。
図4は、各々の製剤について試験したブタについての血糖値低下の平均値曲線及び平均値の標準偏差を与えている。最初の30分における血糖値の低下は、多糖類4の存在が、ヒューマログ(Humalog(登録商標))の速効作用を阻害しなかったことを示す、当該2種の製剤について類似であった。他方で、60分ないし8時間(480分)の間において、ヒューマログ(Humalog(登録商標))及びランタス(Lantus(登録商標))の連続投与は、4頭のブタに関して均一の安定応答、及び、他の2頭のブタに関して不均一の応答を有する、不均一のグルコース低下が生じた(図5)。対照的に、多糖類4/ヒューマログ(Humalog(登録商標))/ランタス(Lantus(登録商標))製剤を用いて試験された5頭のブタは、均一の応答を示した(図6)。このことは、ヒューマログ(Humalog(登録商標))ランタス(Lantus(登録商標))対照について平均54%(31%と72%の間)であり、及び多糖類4/ヒューマログ(Humalog(登録商標))/ランタス(Lantus(登録商標))について15%(6%と28%の間)であった、60分と8時間の間の血糖値低下についてのデータに関する変動係数(CV)の解析によって反映されている。このように、多糖類4の存在は、血糖値低下に関してランタス(Lantus(登録商標))の変動性を大きく低減させた。
実施例B38:インスリン溶液の薬力学の測定のプロトコル
本発明に従う6種の組成物を評価する目的で、臨床前実験をイヌについて行った。
これら組成物の血糖低下作用を、ランタス(Lantus(登録商標))(pH4)のそしてその後の食事インスリンであるヒューマログ(Humalog(登録商標))の100IU/mLの同時ではあるが別々の注射によって行った注射に関して比較した。
およそ12kgの目方の10頭の家畜イヌに、実験開始前の18時間の間餌を断った。インスリンの注射前の時間において、基礎グルコース濃度を決定するために、3種の血液試料を採取した。
31本のニードル付きのノボペン(Novopen(登録商標))インスリンペンを用いて、当該動物の首への皮下注射によって、0.53IU/kg(下記実施例に記載がない限り)の投与量でのインスリンの注射を行った。
その後、10、20、30、40、50、60、90、120、180、240、300、360、420、480、540、600、660、720、780、840、900及び960分後に血液試料を採取した。カテーテルを用いて最初の試料を採取し(180分まで)、そしてその後は、頸静脈から直接採取した。各々の試料を採取した後、カテーテルを希釈ヘパリン溶液で洗浄した。
1滴の血液を採取して、グルコース測定器を用いて血糖値を決定した。その後、グルコースの薬力学曲線をプロットした。
得られた結果は、図7ないし12に表されるグルコースについての薬力学曲線の形態で与えられる。
実施例B28の溶液
図7:ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)と、実施例B28に記載の本発明に従う組成物(0.53IU/kg)の、連続投与についての平均値曲線の平均値+標準偏差である。
図7は、各々の製剤について試験したイヌについての血糖値低下の平均値曲線及び平均値の標準偏差を与えている。当該2つの曲線は、多糖類がヒューマログ(Humalog(登録商標))の速効作用を阻害しなかったことを示す、血糖値の急速な低下、ヒューマログ(Humalog(登録商標))によるピークとグラルギンによる安定期との間の著しい湾曲、及び、グラルギンの基礎作用が良好に保持されることを示す、12時間までのグラルギンのその後の安定期について、12時間までは類似であった。
実施例B27の溶液
図8:ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)と、実施例B27に記載の本発明に従う組成物(0.47IU/kg)の、連続投与についての平均値曲線の平均値+標準偏差である。
図8は、各々の製剤について試験したイヌについての血糖値低下の平均値曲線及び平均値の標準偏差を与えている。この比較において、基礎インスリン(ランタス(Lantus(登録商標)))の投与量は同一としたが、ヒューマログ(Humalog(登録商標))の投与量は、本発明組成物については対照に比して半分とした。対照は2倍のヒューマログ(Humalog(登録商標))を含有していたが、グルコース低下は、当該対照と比較して製剤B27の場合がより大きかった。他方、安定期の期間は、当該対照と比較して組合せの場合がより短かった。このことは、本組成物において、ランタス(Lantus(登録商標))の一部が注射において沈澱せず、ヒューマログ(Humalog(登録商標))と共に作用したことを示している。
実施例B29の溶液
図9:ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)と、実施例B29に記載の本発明に従う組成物(0.53IU/kg)の、連続投与についての平均値曲線の平均値+標準偏差である。
図9は、各々の製剤について試験したイヌについての血糖値低下の平均値曲線及び平均値の標準偏差を与えている。当該2つの曲線は、多糖類がヒューマログ(Humalog(登録商標))の速効作用を阻害しなかったことを示す、血糖値の急速な低下、ヒューマログ(Humalog(登録商標))によるピークとランタス(Lantus(登録商標))による安定期との間の著しい湾曲、及び、グラルギンの基礎作用が良好に保持されることを示す、13時間までのランタス(Lantus(登録商標))のその後の安定期について、類似であった。
実施例B31の溶液
図10:ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)と、実施例B31に記載の本発明に従う組成物(0.48IU/kg)の、連続投与についての平均値曲線の平均値+標準偏差である。
図10は、各々の製剤について試験したイヌについての血糖値低下の平均値曲線及び平均値の標準偏差を与えている。この比較において、基礎インスリン(ランタス(Lantus(登録商標)))の投与量は同一としたが、ヒューマログ(Humalog(登録商標))の投与量は、本発明組成物については対照に比して半分とした。グルコース低下は、実施例B31に関する組合せと比較して対照の場合がより大きかった。この応答は、対照のヒューマログ(Humalog(登録商標))の濃度の半分であったという、当該組合せ中のそれの観点において、予期された。さらには、ランタス(Lantus(登録商標))の安定期の期間は、当該対照と組合せの場合とは同一であった。このことは、本組成物において、且つ、実施例B29に記載の組成物との比較により(図9)、ランタス(Lantus(登録商標))の基礎作用を変えることなく、当該組合せ中のヒューマログ(Humalog(登録商標))の量を調節し得ることを、示している。
実施例B30の溶液
図11:ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.24IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)と、実施例B30に記載の本発明に従う組成物(0.64IU/kg)の、連続投与についての平均値曲線の平均値+標準偏差である。
図11は、各々の製剤について試験したイヌについての血糖値低下の平均値曲線及び平均値の標準偏差を与えている。当該2つの曲線は、多糖類がヒューマログ(Humalog(登録商標))の速効作用を阻害しなかったことを示す、血糖値の急速な低下、ヒューマログ(Humalog(登録商標))によるピークとランタス(Lantus(登録商標))による安定期との間の著しい湾曲、及び、グラルギンの基礎作用が良好に保持されることを示す、10時間までのランタス(Lantus(登録商標))のその後の安定期について、類似であった。
実施例B32の溶液
図12:ヒューマログ(Humalog(登録商標))(100IU/mL,0.13IU/kg)及びランタス(Lantus(登録商標))(100IU/mL,0.4IU/kg)と、実施例B32に記載の本発明に従う組成物(0.53IU/kg)の、連続投与についての平均値曲線の平均値+標準偏差である。
図12は、各々の製剤について試験したイヌについての血糖値低下の平均値曲線及び平均値の標準偏差を与えている。当該2つの曲線は、多糖類がヒューマログ(Humalog(登録商標))の速効作用を阻害しなかったことを示す、血糖値の急速な低下、ヒューマログ(Humalog(登録商標))によるピークとランタス(Lantus(登録商標))による安定期との間の著しい湾曲、及び、グラルギンの基礎作用が10時間まで保持されることを示す、ランタス(Lantus(登録商標))のその後の安定期について、10時間まで類似であった。
結論として、図7ないし12は、多糖類の組成並びにリスプロ及びグラルギンの濃度を調節することによって、異なった割合の速効性インスリン及び基礎インスリンを用いた2回の注射と同一のプロファイルを得ることが可能であることを、示している。速効性インスリンを損なうことなく基礎インスリンの期間を調節し、又は、基礎インスリンの作用を損なうことなく速効性インスリンの量を調節することもまた、可能である。
実施例
第C部:本発明に従うGLP−1類似体又は誘導体を含有する組成物の特性の証明
実施例C1:GLP−1類似体のエクセナチド(exenatide)(ビエッタ(Byetta(登録商標)))の0.25mg/mL溶液
当該溶液は、ビエッタ(Byetta(登録商標))の名称の下で、エリ リリー アンド カンパニー社により販売されている、エクセナチド溶液である。
実施例C2:GLP−1誘導体のリラグルチド(liraglutide)(ビクトザ(Victoza(登録商標)))の6mg/mL溶液
当該溶液は、ビクトザ(Victoza(登録商標))の名称の下で、ノボ ノルディスク社により販売されている、リラグルチド溶液である。
実施例C3:10mg/mLの濃度の置換されたデキストランを用いた、100IU/mLの及びpH7のランタス(Lantus(登録商標))の溶解
表1に記載のものより選択した置換されたデキストランの20mgを正確に秤量した。当該凍結乾燥物を、実施例B4のインスリングラルギン溶液の2mL中に溶解して、多糖類濃度が10mg/mLに等しい溶液を得た。周囲温度にてロール上で機械的に撹拌した後、当該溶液は清澄になった。当該溶液のpHは6.3であった。0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHを7に調節した。当該清澄な溶液を、メンブラン(0.22μm)フィルターを用いて濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。
概論:実施例C3に記載されているのと同様プロトコルにより、20及び40mg/mLの置換されたデキストランの濃縮物を用いて、100IU/mLの及びpH7の清澄なランタスの溶液をも得た。表1に記載されているもののうち、凍結乾燥した多糖類の質量を、正確に秤量した。当該凍結乾燥物を、実施例B4のインスリングラルギン溶液中に溶解して、表8に記載されるとおり、置換されたデキストランの濃度が20又は40mg/mLである溶液を得た。周囲温度でのロール上の機械的撹拌後、当該溶液は清澄となった。当該溶液のpHは7未満であった。その後、0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHを7に調節した。当該清澄な最終溶液を、メンブラン(0.22μm)フィルターを用いて濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。
Figure 2014521716
実施例C4:pH7.5のランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))の70/30組成物の製造
実施例C1のエクセナチド溶液の0.09mLを、実施例B4のインスリングラルギン溶液の0.21mLに添加して、混合してpHが4.5である組成物の0.3mLを得た。ランタス(Lantus(登録商標))の70IU/mL及びビエッタ(Byetta(登録商標))の0.075mg/mLを含有する当該組成物は、これら製剤条件下(pH4.5)におけるランタス(Lantus(登録商標))及びビエッタ(Byetta(登録商標))の良好な溶解性を証明する、清澄であった。その後、0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7.5に調節した。その後、当該組成物は、pH7.5のランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物の難溶解性を証明する、混濁であった。
実施例C4に記載されているのと類似のプロトコルに従い、pH4.5、5.5、6.5、8.5及び9.5の70/30のランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物をも製造した。これら組成物の各々について、実施例C1のエクセナチド溶液の0.09mLを、実施例B4のインスリングラルギン溶液の0.21mLに添加して、混合してpHが4.5である組成物の0.3mLを得た。当該組成物は、これら製剤条件下(pH4.5)におけるランタス(Lantus(登録商標))及びビエッタ(Byetta(登録商標))の良好な溶解性を証明する、清澄であった。0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHを5.5又は6.5又は8.5又は9.5に調節した。
pHを調節した後、5.5での組成物は僅かに混濁しており、6.5ないし7.5及び8.5の組成物は非常に混濁しており、そしてpH9.5の組成物は清澄であった。これら組成物を+4℃にて48時間置いた。+4℃にて48時間後、pH4.5の組成物のみが清澄のままであった。それぞれのpH値の70/30のランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物の48時間後の外観を、表9に概略した。
Figure 2014521716
実施例C5:pH7.5のランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))の70/30組成物の製造
実施例C2のリラグルチド溶液の0.09mLを、実施例B4のインスリングラルギン溶液の0.21mLに添加して、混合してpHが7である組成物の0.3mLを得た。グラルギンの70IU/mL及びエクセナチドの1.8mg/mLを含有する当該組成物は、これら製剤条件下におけるランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物の難溶解性を証明する、混濁であった。0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7.5に調節した。当該pHの調製した後も、当該組成物は混濁したままであった。当該組成物を+4℃にて48時間置いた。
実施例C5に記載されているのと類似のプロトコルに従い、pH4.5−5.5−6.5−8.5及び9.5の70/30のランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物をも製造した。これら組成物の各々について、実施例C1のリラグルチド溶液の0.09mLを、実施例B4のインスリングラルギン溶液の0.21mLに添加して、pHが7である組成物の0.3mLを得た。当該組成物は、これら製剤条件下(pH7)におけるランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物の難溶解性を証明する、混濁であった。0.1N塩酸溶液を用いて、pHを4.5若しくは5.5若しくは6.5に調節し、又は、0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いて、pH9.5に調節した。pHを調節した後、pH4.5ないし5.5及び6.5の組成物は、これら製剤条件下におけるランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物の難溶解性を証明する、混濁であった。これら組成物を+4℃にて48時間置いた。+4℃にて48時間後、pH9.5の組成物のみが清澄のままであった。それぞれのpH値の70/30のランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物の48時間後の外観を、表10に概略した。
Figure 2014521716
実施例C6:pH7の置換されたデキストラン−70/30のランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物の製造
実施例C1のエクセナチド溶液の0.09mLを、実施例C3において製造された置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.21mLに添加して、pHが5.3である組成物の0.3mLを得た。0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7に調節した。多糖類の7mg/mL、ランタス(Lantus(登録商標))の70IU/mL及びビエッタ(Byetta(登録商標))の0.075mg/mLを含有する当該組成物は、pH7の置換されたデキストラン存在中のランタス(Lantus(登録商標))及びビエッタ(Byetta(登録商標))の良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該清澄な溶液を+4℃に置いた。
概論:実施例C6に記載されているのと同様のプロトコルに従い、90/10、50/50、30/70及び10/90の容量比VLantus/VByettaの、pH7の、置換されたデキストラン−ランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物をも製造した。そして、実施例C1のエクセナチド溶液の容量VByettaを、実施例C3で製造された置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の容量VLantusに添加して、0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7に調節した組成物を得た。得られた組成物(表11を参照)は、pH7の置換されたデキストラン存在中のランタス(Lantus(登録商標))及びビエッタ(Byetta(登録商標))の良好な溶解性を証明する、清澄であった。これら清澄な溶液を+4℃に置いた。
実施例C7:pH7の置換されたデキストラン−100/50ランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物の製造
実施例C1のエクセナチド溶液の0.150mLを凍結乾燥し、そしてその後、実施例C3において製造された置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.3mLを当該凍結乾燥物に添加して、0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7に調節した組成物を得た。多糖類の10mg/mL、ランタス(Lantus(登録商標))の100IU/mL及びビエッタ(Byetta(登録商標))の0.125mg/mLを含有する当該組成物は、pH7の置換されたデキストラン存在中のランタス(Lantus(登録商標))及びビエッタ(Byetta(登録商標))の良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該清澄な溶液を+4℃に置いた。
Figure 2014521716
実施例C8:pH7の置換されたデキストラン−70/30ランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物の製造
実施例C2のリラグルチド溶液の0.09mLを、実施例C3において製造された置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.21mLに添加して、pHが7.6である組成物の0.3mLを得た。0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7に調節した。多糖類の7mg/mL、ランタス(Lantus(登録商標))の70IU/mL及びビクトザ(Victoza(登録商標))の1.8mg/mLを含有する当該組成物は、pH7の置換されたデキストラン存在中のランタス(Lantus(登録商標))及びビクトザ(Victoza(登録商標))の良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該清澄な溶液を+4℃に置いた。
概論:実施例C6に記載されているのと同様のプロトコルに従い、90/10、50/50、30/70及び90/10の容量比VLantus/VVictozaの、pH7の、置換されたデキストラン−ランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物をも製造した。そして、実施例C2のリラグルチド溶液の容量VVictozaを、実施例B3で製造された置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の容量VLantusに添加して、0.1N塩酸溶液を用いてpHを7に調節した組成物を得た。
得られた組成物(表12を参照)は、pH7の置換されたデキストラン存在中のランタス(Lantus(登録商標))及びビクトザ(Victoza(登録商標))の良好な溶解性を証明する、清澄であった。これら清澄な溶液を+4℃に置いた。
実施例C9:pH7の置換されたデキストラン−100/50ランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物の製造
実施例C2のリラグルチド溶液の0.150mLを凍結乾燥し、そしてその後、実施例C3において製造された置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.3mLを当該凍結乾燥物に添加して、0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7に調節した組成物を得た。多糖類の10mg/mL、ランタス(Lantus(登録商標))の100IU/mL及びビエッタ(Byetta(登録商標))の0.125mg/mLを含有する当該組成物は、pH7の置換されたデキストラン存在中のランタス(Lantus(登録商標))及びビクトザ(Victoza(登録商標))の良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該清澄な溶液を+4℃に置いた。
Figure 2014521716
実施例C10:pH7の置換されたデキストラン−60/20/20ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物の製造
実施例A3に記載される凍結乾燥した多糖類4の20mgを正確に秤量した。当該凍結乾燥物を、実施例B4のインスリングラルギン溶液の2mL中に溶解した。周囲温度でのロール上の機械的撹拌後、当該溶液は清澄となった。当該溶液のpHは6.3であった。0.1N水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHを7に調節した。実施例C1のエクセナチド溶液の0.2mL及び実施例B3のインスリングルリシン溶液の0.2mLを、上記製造した置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.6mLに添加して、pH7の組成物の1mLを得た。多糖類の6mg/mL、ランタス(Lantus(登録商標))の60IU/mL、アピドラ(Apidra(登録商標))の20IU/mL及びビエッタ(Byetta(登録商標))の0.05mg/mLを含有する当該組成物は、pH7の置換されたデキストラン存在中のランタス(Lantus(登録商標))、アピドラ(Apidra(登録商標))及びビエッタ(Byetta(登録商標))の良好な溶解性を証明する、清澄であった。当該清澄な溶液を、メンブラン(0.22μm)により濾過し、そしてその後、+4℃に置いた。
実施例C11:ランタス(Lantus(登録商標))の沈澱
ランタス(Lantus(登録商標))の0.25mLを、BSA(ウシ血清アルブミン)の20mg/mLを含有するPBS(リン酸緩衝溶液)溶液の0.5mLに添加した。当該PBS/BSA混合物が、皮下媒体の組成をシミュレートしている。
ランタス(Lantus(登録商標))の挙動の機構に良く合致する沈澱が現れた(pHの上昇による注射剤の沈澱)。
上澄みから沈殿物を分離するために、4000回転/分で遠心分離を行った。その後、上澄み中のランタス(Lantus(登録商標))をアッセイした。この結果、ランタス(Lantus(登録商標))の90%が沈澱形態で見出された。
実施例C12:置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))組成物の沈澱
実施例C3において製造された置換されたデキストラン/ランタス(Lantus(登録商標))溶液の0.250mLを、BSAの20mg/mLを含有するPBS溶液の0.5mLに添加した。当該PBS/BSA混合物が、皮下媒体の組成をシミュレートしている。沈澱が現れた。
上澄みから沈殿物を分離するために、4000回転/分で遠心分離を行った。その後、上澄み中のランタス(Lantus(登録商標))をアッセイした。この結果、ランタス(Lantus(登録商標))の90%が沈澱形態で見出された。ランタス(Lantus(登録商標))の沈澱のパーセンテージは、実施例C11に記載されている対照について得られたものと同一であった。
実施例C13:置換されたデキストラン−ランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物の沈澱
実施例C6において製造された置換されたデキストラン−ランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物の0.250mLを、BSAの20mg/mLを含有するPBS溶液の0.5mLに添加した。当該PBS/BSA混合物が、皮下媒体の組成をシミュレートしている。沈澱が現れた。
上澄みから沈殿物を分離するために、4000回転/分で遠心分離を行った。その後、上澄み中のランタス(Lantus(登録商標))及びビエッタ(Byetta(登録商標))をアッセイした。ランタス(Lantus(登録商標))の沈澱のパーセンテージは、実施例C11に記載されている対照と類似であった。
実施例C14:置換されたデキストラン−70/30ランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物の沈澱
実施例C8において製造された置換されたデキストラン−ランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物の0.250mLを、BSA(ウシ血清アルブミン)の20mg/mLを含有するPBS溶液の0.5mLに添加した。当該PBS/BSA混合物が、皮下媒体の組成をシミュレートしている。沈澱が現れた。
上澄みから沈殿物を分離するために、4000回転/分で遠心分離を行った。その後、上澄み中のランタス(Lantus(登録商標))及びビクトザ(Victoza(登録商標))をアッセイした。ランタス(Lantus(登録商標))の沈澱のパーセンテージは、実施例C11に記載されている対照と類似であった。
実施例C15:種々の組成物の沈澱、種々の置換されたデキストランの特性
実施例C13及びC14と同様の条件下にて、他のデキストランの存在中で、他の試験を行った。
置換されたデキストランの最大で20mg/mL及び70/30ランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物についての結果を、下記表13にまとめた。ランタス(Lantus(登録商標))の溶解及び沈澱が保持されたことが観察された。
Figure 2014521716
置換されたデキストランの最大で20mg/mL及び種々のランタス(Lantus(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物についての結果を、下記表14にまとめた。ランタス(Lantus(登録商標))の溶解及び沈澱が保持されたことが観察された。
Figure 2014521716
置換されたデキストランの最大で40mg/mL及び70/30ランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物についての結果を、下記表15にまとめた。ランタス(Lantus(登録商標))の溶解及び沈澱が保持されたことが観察された。
Figure 2014521716
置換されたデキストランの最大で20mg/mL及び種々のランタス(Lantus(登録商標))/ビクトザ(Victoza(登録商標))組成物についての結果を、下記表16にまとめた。ランタス(Lantus(登録商標))の溶解及び沈澱が保持されたことが観察された。
Figure 2014521716
実施例C16:pH7の置換されたデキストラン−60/20/20ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物の沈澱
実施例C10において製造された置換されたデキストラン−ランタス(Lantus(登録商標))/アピドラ(Apidra(登録商標))/ビエッタ(Byetta(登録商標))組成物の0.250mLを、BSAの20mg/mLを含有するPBS溶液の0.5mLに添加した。当該PBS/BSA混合物が、皮下媒体の組成をシミュレートしている。沈澱が現れた。
上澄みから沈殿物を分離するために、4000回転/分で遠心分離を行った。その後、上澄み中のランタス(Lantus(登録商標))をアッセイした。ランタス(Lantus(登録商標))の沈澱のパーセンテージは、実施例C11に記載されている対照と類似であった。

Claims (26)

  1. 注射可能な水溶液の形態にある組成物であって、pHが6.0ないし8.0であり、少なくとも、
    a)等電点pIが5.8ないし8.5である基礎インスリン;
    b)式I:
    Figure 2014521716
    [式中、
    Rは、−OHであるか、又は基:−(f−[A]−COOH);−(g−[B]−k−[D])からなる群より選択され、
    ここで、Dは、少なくとも8個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキル鎖を有し;
    nは、−f−[A]−COOHによるグルコシド単位の置換度を表し、0.1≦n≦2であり;
    mは、−g−[B]−k−[D]によるグルコシド単位の置換度を表し、0<m≦0.5であり;
    qは、グルコシド単位としての重合度、即ち、多糖鎖当りのグルコシド単位の平均数を表し、3≦q≦50であり;
    −(f−[A]−COOH)について、
    −A−は、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖基又は枝分れ基であって、前記−A−基は、エーテル、エステル及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基fを介してグルコシド単位に結合しており;
    −(g−[B]−k−[D])について、
    −B−は、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖状の又は枝分れ状の少なくとも2価の基であって;前記−B−基は、エーテル、エステル及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基gを介してグルコシド単位に結合しており;官能基kを介して−D基に結合しており;kは、エステル、アミド及びカルバメート官能基からなる群より選択され;前記D基は、−X(−l−Y)基(式中、Xは、カルボキシル又はアミン官能基を有していてもよく、及び/又は、アミノ酸、ジアルコール、ジアミン又はモノ−若しくはポリエチレングリコールモノ−若しくはジアミン由来であってもよい、C、N及びO原子からなる群より選択される1ないし12個の原子を有する少なくとも2価の基を表し;Yは、1個以上の炭素原子数1ないし3のアルキル基により置換されていてもよい、炭素原子数8ないし30の直鎖状又は環状アルキル基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を表し;p≧1であり、及び、lは、エステル、アミド及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基を表す)を表し;
    f、g及びkは、同一又は異なっており;
    前記遊離酸官能基は、Na及びKからなる群より選択されるアルカリ金属カチオン塩の形態にあり;及び
    p=1である場合、Yが炭素原子数8ないし14のアルキルであるならば、q*m≧2であり、Yが炭素原子数15のアルキルであるならば、q*m≧2であり;及び、Yが炭素原子数16ないし20のアルキルであるならば、q*m≧1であり;及び
    p≧2である場合、Yが炭素原子数8又は9のアルキルであるならば、q*m≧2であり、及び、Yが炭素原子数10ないし16のアルキルであるならば、q*m≧0.2である]又は
    式II:
    Figure 2014521716
    [式中、
    Rは、−OH又は−(f−[A]−COOH)
    (式中、−A−は、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖基又は枝分れ基を表し;前記基−A−は、エーテル、エステル又はカルバメート官能基からなる群より選択される官能基fを介してグルコシド単位に結合しており;nは、−f−[A]−COOHによるグルコシド単位の置換度を表し、0.1≦n≦2である)
    を表し;
    R’は、基−C(O)NH−[E]−(o−[F]);−CHN(L)−[E]−(о−[F])
    {式中、zは1又は2の正の整数であり、Lは、−H(即ち、zが1である場合)、−[A]−COOH(即ち、zが1又は2であり、fがエーテル官能基である場合)、−CO−[A]−COOH(即ち、zが1であり、fがエステル官能基である場合)及び−CO−NH−[A]−COOH(即ち、zが1であり、fがカルバメート官能基である場合)からなる群より選択される}からなる群より選択され;
    −[E]−(о−[F])について、
    −E−は、O、N及びSからなる群より選択されるヘテロ原子を有していてもよい1ないし8個の炭素原子を有する、直鎖状の又は枝分れ状の少なくとも2価の基を表し;
    −F−は、1個以上の炭素原子数1ないし3のアルキル基により置換されていてもよい炭素原子数12ないし30の直鎖状又は環状アルキル基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を表し;
    оは、エーテル、エステル、アミド及びカルバメート官能基からなる群より選択される官能基を表し;
    tは、1又は2の正の整数であり;
    qは、グルコシド単位としての重合度、即ち、多糖鎖当りのグルコシド単位の平均数を表し、3≦q≦50であり;
    遊離酸官能基は、Na及びKからなる群より選択されるアルカリ金属カチオンの塩の形態にあり;
    z=2である場合、窒素原子は4級アンモニウムの形態にある]
    で表される、カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストラン
    を含有する、組成物。
  2. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、前記式Iで表されるデキストランより選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、前記式IIで表されるデキストランより選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式中の−(f−[A]−COOH)基が、下記配列:
    Figure 2014521716
    (式中、fは上記意味を有する)
    からなる群より選択される、式Iで表されるデキストランより選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  5. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式中の−(g−[B]−k−[D])基が、下記配列:
    Figure 2014521716
    (式中、g、k及びDは上記意味を有する)
    からなる群より選択される、式Iで表されるデキストランより選択されることを特徴とする、請求項1、2又は4のうちいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式中の−(g−[B]−k−[D])基が、−B−が1個の炭素原子を有する基であり;前記−B−がエーテル官能基gを介してグルコシド単位に結合しているものであり、及び、Xがアミノ酸由来の基である、式Iで表されるデキストランより選択されることを特徴とする、請求項1、2、4又は5のうちいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式中のX基が、グリシン、フェニルアラニン、リジン、イソロイシン、アラニン、バリン、アスパラギン酸及びグルタミン酸からなる群より選択されるアミノ酸由来の少なくとも2価の基である、式Iで表されるデキストランより選択されることを特徴とする、請求項1、2及び4ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式中のY基が、疎水性アルコール、疎水性酸、ステロール及びトコフェロールからなる群より選択される、式Iで表されるデキストランより選択されることを特徴とする、請求項1、2及び4ないし7のうちいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式中のY基が、コレステロール誘導体より選択されたステロールである、式Iで表されるデキストランより選択されることを特徴とする、請求項1、2及び4ないし8のうちいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式中のR’基が−E−基がジアミン由来のものである、式IIで表されるデキストランより選択されることを特徴とする、請求項1又は3のうちいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式中のR’基が、−F−基がコレステロール誘導体由来のものである、式IIで表されるデキストランより選択されることを特徴とする、請求項1、3又は10のうちいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式Iで表される下記デキストラン:
    オクチルグリシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    セチルグリシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    オクチルフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    3,7−ジメチル−1−オクチルフェニルアラニネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    ジオクチルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    ジデシルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    ジラウリルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    N−(2−アミノエチル)ドデカンアミドにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    ラウリルグリシネートにより変性されたナトリウムデキストランスクシネート、
    ジオクチルアスパルテートにより変性されたN−(ナトリウムメチルカルボキシレート)デキストランカルバメート、
    ジラウリルアスパルテートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    2−(2−アミノエトキシ)エチルドデカノエートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    2−[2−{2−(ドデカノイルアミノ)エトキシ}エトキシ]エチルアミンにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    2−[2−{2−(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ}エトキシ]エチルアミンにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    コレステリルロイシネートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    コレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレート、
    コレステリルロイシネートにより変性されたN−(ナトリウムメチルカルボキシレート)デキストランカルバメート
    からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1、2及び4ないし9のうちいずれか1項に記載の組成物。
  13. 前記カルボキシレート電荷を有する基及び疎水基により置換されたデキストランは、式IIで表されるデキストランからなる群より選択され、且つ、
    還元鎖末端への還元的アミノ化によりグラフトされたコレステリル1−エチレンジアミンカルボキシレートにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートであることを特徴とする、請求項1、3、10又は11のうちいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンは、インスリングラルギンであることを特徴とする、請求項1ないし13のうちいずれか1項に記載の組成物。
  15. 等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンの40IU/mLないし500IU/mLを含有することを特徴とする、請求項1ないし14のうちいずれか1項に記載の組成物。
  16. 食事インスリンをさらに含有することを特徴とする、請求項1ないし15のうちいずれか1項に記載の組成物。
  17. 全量で40ないし800IU/mLのインスリンを含有する、請求項1ないし16のうちいずれか1項に記載の組成物。
  18. 食事インスリンに対して、前記等電点が5.8ないし8.5である基礎インスリンを、パーセンテージとして、25/75、30/70、40/60、50/50、60/40、70/30、80/20及び90/10の割合で含有することを特徴とする、請求項16又は17に記載の組成物。
  19. GLP−1、GLP−1類似体又はGLP−1誘導体をさらに含有することを特徴とする、請求項1ないし15のうちいずれか1項に記載の組成物。
  20. 0ないし5000μMの濃度で亜鉛塩をさらに含有することを特徴とする、請求項1ないし19のうちいずれか1項に記載の組成物。
  21. 0ないし100mM、好ましくは0ないし50mMの濃度で、トリス、クエン酸塩及びリン酸塩からなる群より選択される緩衝液を含有することを特徴とする、請求項1ないし20のうちいずれか1項に記載の組成物。
  22. 前記食事インスリンは、ヒトインスリン、インスリングルリシン、インスリンリスプロ及びインスリンアスパルトからなる群より選択されることを特徴とする、請求項16ないし18のうちいずれか1項に記載の組成物。
  23. 請求項1ないし18、又は20ないし22のうちいずれか1項に記載の組成物、及び食事インスリンを含有する、pH6.6ないし7.8の単回投与製剤。
  24. 請求項1ないし15、又は19ないし21のうちいずれか1項に記載の組成物、及びGLP−1、GLP−1誘導体又はGLP−1類似体を含有する、pH6.6ないし7.8の単回投与製剤。
  25. 前記食事インスリンは、ヒトインスリンからなる群より選択されることを特徴とする、請求項23に記載の単回投与製剤。
  26. 前記食事インスリンは、インスリンリスプロ、インスリングルリシン及びインスリンアスパルトからなる群より選択されることを特徴とする、請求項23に記載の単回投与製剤。
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