JP2014521307A - 液体試料中の細胞の検出方法およびこの方法を実施するための装置 - Google Patents

液体試料中の細胞の検出方法およびこの方法を実施するための装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、in vitro診断学分野であり、体液(例えば、血液、尿)ないしは液体が混合する組織試料(例えば、骨髄)からの生細胞、循環細胞または播種性細胞を検出する方法および装置に関する。本発明では、a)検出されるべき細胞が膜の表面の少なくとも一部上に沈積し、試料液の少なくとも一部が膜を通過するように、検出されるべき細胞を保持するのに適した多孔膜に通過させることによって液体試料がろ過され、b)検出されるべき細胞を第一のマーカで標識するための第一の薬剤を含有する第一の処理液が付与され、c)予め定められた時間の間、膜上で第一の処理液がインキュベーションされ、検出されるべき細胞が標識され、d)膜の表面上で、標識された検出されるべき細胞が検出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、インビトロ(in vitro)診断学分野であり、体液(例えば、血液、尿)ないしは液体が混合する組織試料(例えば、骨髄)からの生細胞、循環細胞または播種性細胞を検出する方法および装置に関する。本発明による方法は、特に循環腫瘍細胞の自動獲得および分析に利用され、それゆえ好ましくは腫瘍診断に適用される。
本発明は、血液または骨髄が特殊なろ過法によってろ過された後に、機能検査によって、末梢血または骨髄からの細胞または細胞成分の自動検出を可能にする。これらの細胞は、特に、循環腫瘍細胞(英語ではcirculating tumor cells、CTCまたは(複数で)CTCs)、末梢血からの間葉系幹細胞、または血液もしくは別の体液からの細菌、ならびに骨髄からの播種性腫瘍細胞(英語ではdisseminated tumor cells、DTC)である。
末梢血中におけるCTCsの出現は、通例のイメージング検査法によるとまだ転移を検出することができないきわめて早期の段階における固形腫瘍からの細胞の可能な播種を示唆する。それゆえ、末梢血中のCTCsの検出と同様に特徴づけも、全身的な腫瘍伝播をきわめて早期に認識し、CTCsを予後マーカとして利用する大いに期待のもてる可能性である。それにより、予後を宣告すること、ないしは全身療法の連続的観察を実施することができるかもしれない。さらに、CTCsの特徴づけおよび評価は固形腫瘍に適した治療を選択するために診断手段として利用できるかもしれない。
癌の早期発見、診断、および療法管理のためには、血液中の循環腫瘍細胞(CTC)の検出がますます重要になりつつある。その際、ミリリットルの血液中においてたった3〜5個の範囲にあり得る少数のCTCsゆえ、および白血球の高いバックグラウンド(ミリリットル当たり6〜10x106個)ゆえ、CTCsをできるだけ選択的に濃縮することができるか、または別の血液細胞が大過剰に存在する中で表示することができる方法を選択するべきである。その際、使用されるのは、例えば、適した孔径を利用することで細胞のサイズセレクションを可能にするろ過のような物理的方法、または例えば選択的抗体結合を介して血液試料中のCTCsの濃縮を可能にする別の方法である。
サイズセレクションに基づくどの方法もこれまでのところ全自動化されていない。濃縮ステップと本来のCTCs選択的免疫化学的検出反応との間には、常に手作業による作業ステップが欠かせない。
フローサイトメトリ法(例えば、FACS法、fluorescence activated cell sorting)およびろ過法のほかに、これまでのところ唯一使用可能な、ルーチンin vitro診断学用に認可されている市販の系は、Veridex(CellSearch)社の系である。使用されるこの方法は、検出されるべきCTCs数が1ミリリットル当たり3個以上である場合には、数mlという初期体積の血液中においてCTCsの検出を可能にする。使用されるこの濃縮法は、磁気ビーズに結合された抗体の、CTCsへの特異的結合を利用する。濃縮されたCTCsの特異的検出は、蛍光標識抗体を利用して光学的に行われる。
サイズセレクションによりCTCsを濃縮、ないしは血液中の白血球を減少させてからやさしく「固定する」物理的方法も知られている。その際、定められた孔径のフィルタが使用され、このフィルタは、白血球および別の血液成分の透過を可能にするが、CTCsのくぐり抜けを阻止する。続いて行われる一連の洗浄ステップおよび選択的染色ステップからなるプロセシングに関しては、手作業によりフィルタを染色ステーションに移行させるのが通例の方法である。
それに対して、本発明は、ある試料中の(生)細胞、特に血液試料中の腫瘍細胞を検出するための信頼できる安価な自動化可能な方法を可能にする。
本発明は、請求項1に記載の方法および請求項10に記載の装置に関する。
本発明におけるろ過過程では、フィルタ、例えばフィルタ膜を通して懸濁液がろ過される。その際、透過液は、フィルタを通して圧され、残留物はフィルタ表面上に(またはフィルタの細孔および空隙内にも)保持される。したがって、ろ過過程の際には、フィルタを通る透過液の主たる流動方向が存在するために(主要成分として細胞を含有する)残留物が保持されるフィルタの上流側領域と、通された透過液が例えば集められる下流側領域とがある。この主たる流動方向に関係せず、例外的な場合、流動方向は例えばフィルタを逆流洗浄する場合には逆になることも可能である。
フィルタを通るように透過液を加圧するためには圧力差を発生させることが可能であるが、その場合フィルタの上流には下流よりも高い圧力が存在する。それは、フィルタの上流に過圧を印加すること、下流に負圧を印加すること、または両方の組み合わせによって達成され得る。フィルタを通る透過液流を停止させる(ゼロに低下させる)ために、圧力差ゼロに調整することができる。このことは空間内でのフィルタの向きに関係しない。フィルタでの流動方向が垂直に延在するか、または垂直成分(つまり、重力方向またはそれと逆方向)が延在する特殊なケースでは、さらに、フィルタ上での水柱が圧力差に寄与することが考慮されるべきである。
本発明による方法のいくつかの適用に関しては、フィルタにおけるろ過の流動方向がほぼ重力方向に延びていると好ましい。その結果、保持される残留物はフィルタの表面上に沈積し、それにより例えば、残留物(細胞)の容易な継続処理が可能になる。
特定の適用に関しては、例えば、残留物が浮上する場合、またはろ過後に細胞をフィルタの裏面から収容容器に採集するためには、重力方向にではなく重力に反する方向にろ過すると好ましい。
本発明は、
a)検出されるべき細胞が膜の表面の少なくとも一部上に保持され、試料液の少なくとも一部が透過液として膜を通過するように、検出されるべき細胞を保持するのに適した多孔膜に通過させることによって、液体試料がろ過され、
b)検出されるべき細胞を標識するための第一の薬剤を含有する第一の処理液が付与され、
c)予め定められた時間の間、膜上で第一の処理液がインキュベーションされ、検出されるべき細胞が標識され、
d)膜の表面上で、識された検出されるべき細胞が検出される
液体試料中の細胞の検出方法に関する。
液体試料は、例えば、血液試料、尿試料、または血漿試料であってもよい。
本発明の一実施形態によると、ステップb)は、処理液を液体試料に直接添加することによって実現される。
本発明の一実施形態によると、第一の処理液は、標識された検出されるべき細胞を検出する前に、例えば、膜を通して通流させることによって除去される。
標識に適した薬剤は、非特異的または特異的に細胞を染色することができるマーカを含む。非特異的マーカは、例えば、タンパク質、核酸、または別の細胞成分を染色する色素であり得る。特異的マーカは、例えば、タンパク質、核酸配列、または別の細胞特有構造に特異的に結合する抗体、オリゴヌクレオチドプローブ、ペプチド、または別の分子であり得る。このマーカは、検出可能な標識、例えば、発色性色素、蛍光色素、同位体標識等々により直接標識されていてもよい。代替案として、このマーカは、二次検出試薬(例えば、二次抗体または酵素基質系)を介しても検出可能である。
その際、選択的に少なくとも1つのさらなる処理液を、例えばステップb)の前またはステップd)の後に付与することが可能である。
好ましくは、この少なくとも1つのさらなる処理液は、
・ 洗浄用薬剤、
・ 生物構造を固定するための薬剤、
・ 非特異的な標識を阻止するための薬剤、または
・ 検出されるべき細胞をさらなるマーカで標識するための薬剤(このさらなるマーカは標識用の第一のマーカとは異なる)
から選択されている薬剤を含有する。
洗浄用薬剤としては、適切な洗浄緩衝液が知られている。これらの洗浄緩衝液は、さらに、細胞膜を透過性にするための薬剤、例えば、界面活性剤、サポニン、それらの類似物を含有してもよい。
生物構造を固定するための薬剤としては、固定剤、例えば、ホルマリン、グルタルアルデヒド、それらの類似物を含有する適切な固定液が知られている。
非特異的な標識を阻止するための薬剤としては、適切なブロッキング緩衝液が知られている。例えば、マーカとして抗体が使用される場合には、マーカ抗体が由来する種と同一の種の非特異的免疫グロブリンを含有するブロッキング緩衝液によって、抗体の非特異的結合を飽和させることが知られている。
好ましくは、さらなる処理液は、細胞を洗浄もしくは固定するまたは非特異的な標識を阻止するのに適した薬剤を含有する。
本発明の好ましい一態様によると、本方法において、ろ過後に、膜上の細胞が、適切な処理液を用いたインキュベーションにより色素で染色される。そのためには、細胞または細胞成分を染色し、かつ細胞学および組織学から知られている複数の色素を選択することができる。これらは、特異的に細胞核もしくは別の細胞内小器官を染色するか、または特異的に特定の細胞成分、例えば核酸もしくはタンパク質を染色する色素である、生細胞染色色素または死細胞染色色素であり得る。公知の細胞染色色素は、例えばトリパンブルー、DAPI、それらの類似物である。
検出されるべき細胞は、膜上において、未染色のまま、または染色して、顕微鏡によっても分析することができる。
本発明の好ましい一実施形態によると、ステップc)の間に、検出されるべき細胞がステップa)において保持された膜の面とは反対側の面に過圧が印加され、この過圧は処理液が該膜を貫流するのを阻止するように選択されている。この過圧は、50mbar以下(≦50mbar)、20mbar以下(≦20mbar)、10mbar以下(≦10mbar)または5mbar以下(≦5mbar)である。好ましくは、過圧は3〜10mbarである。わずかな過圧により、処理液が膜を通って漏出することが阻止される。
好ましくは、この過圧は、下方(重力方向)に向く流動方向において、フィルタ上の水柱の圧力と同じであるかまたはフィルタ上の水柱の圧力を超えるように選定されている。その際、1cmの水柱は約1mbarに相当するということが当てはまる。この水柱はフィルタのほぼ水平な配置においてフィルタ上の懸濁液の液面レベルに相当しており、上から下に向かってろ過される。
本発明の好ましい一実施形態によると、ステップd)の間に、検出されるべき細胞がステップa)において沈積する膜の面とは反対側の面に負圧が印加され、この負圧は処理液が膜を通して吸引されるように選定されている。
本発明の好ましい一実施形態によると、検出されるべき細胞は腫瘍細胞である。本発明による方法はCTCsの検出に特に適している。
本発明の好ましい一実施形態によると、ステップc)において、処理液およびインキュベーション条件は、検出されるべき細胞が、予め定められた期間にわたって生存するのを可能にするように選択されている。その結果、細胞においてさらなる複数の機能検査を行うことが可能である。処理液としては生理的塩濃度の緩衝液が選択可能である。インキュベーションは適切な温度条件および湿度条件で行うことが可能である。
さらに、検出されるべき細胞から放出された物質を検出することができる。
さらに、本発明は、
a)検出されるべき細胞を保持するのに適した多孔膜、
b)膜上に液体を付与する手段、
c)この液体を膜に通す手段、
d)膜の前後の圧力差を調整する手段、
e)膜上に液体を付与すること、予め定められた時間の間膜上に液体を滞留させること、および液体を膜に通すことを制御可能である時間進行制御手段
を有し、
圧力差を調整する手段は、予め定められた期間の間膜上での液体の滞留を可能にするために、膜の裏面に過圧を発生することが可能である
本発明による方法のステップa)〜d)を実施するための装置に関する。
膜上に液体を付与する手段は、例えば、供給管としてまたはピペット装置として実施されていてもよい。
液体を膜に通す手段は圧力差を発生させる手段を含み、フィルタの上流では下流よりも高い圧力が存在する。
時間進行制御手段は、この装置において、予め定められた時間を生じさせることができるプログラミング可能な制御手段として設けられていてもよい。
本発明の好ましい一実施形態によると、検出されるべき細胞が保持された膜の面とは反対側の面に過圧が印加され、この過圧は処理液が膜を貫流するのを阻止するように選択されている。この過圧は、50mbar以下(≦50mbar)、20mbar以下(≦20mbar)、10mbar以下(≦10mbar)または5mbar以下(≦5mbar)である。好ましくは、過圧は3〜10mbarである。わずかな過圧により、処理液が膜を通って漏出することが阻止される。
好ましくは、この過圧は、下方(重力方向)に向く流動方向の場合、フィルタ上の水柱の圧力と同じであるかまたはフィルタ上の水柱の圧力を超えるように選択されている。その際、1cmの水柱は約1mbarに相当することが当てはまる。この水柱は、フィルタのほぼ水平な配置においてフィルタ上の懸濁液の液面レベルに相当し、上から下に向かってろ過される。
膜は、適切な固定装置に挟持されていることが可能であるので、適切な負圧または過圧を印加することができる。
好ましくは、この膜はスライドグラス上に配置され、それゆえ本発明の方法のステップa)〜b)を実施した後、膜を備えたスライドグラスは、細胞を検出するために、例えば顕微鏡を用いた検査によって評価することができる。
顕微鏡用スライドグラスは、約26×76mm(ISO8255−2)で約0.1〜1.5mmの厚みの透明プレートである。
スライドグラスは好ましくは複数の開口部を有するので、液体は問題なく吸引され得る。これらは複数の小さな開口部、例えば、細孔または穿孔であってもよい。代替案として、膜によって覆うことができる1つまたは複数の大きな切欠きであってもよい。
膜は例えば、0.1〜200μmの孔径を有する。その結果、細胞は保持され得るが、細胞破片、血小板、および試料の小さな固形成分はフィルタ(膜)を通って移動する。
本発明の好ましい一態様によると、膜は、2〜50μm、非常に好ましくは5〜20μm、さらに好ましくは5〜10μmの孔径を有する。寸法範囲が2〜50μm、5〜20μm、または特に5〜10μmである孔径は、細胞がその孔径によって保持されるが、部分的には細孔内に付着して留まるため、膜上に特に良好に付着し、さらなる分析のため使用可能であるという利点を提供する。
本発明の一態様によると、第一のマーカを用いて、以下のリスト1またはリスト2からの抗原が検出される。
本発明の好ましい一態様によると、血液試料を使用する際には、妨げになる赤血球を除去するために、ろ過前に(例えば、低浸透圧性溶解により)赤血球溶解を行う。
さらに、ろ過後であっても細胞を再び細胞培養培地に取り込み、さらなる検査のために培養することができる。したがって、特定の医薬品(例えば、細胞増殖抑制剤)に対する応答を点検するために、例えば、検出された腫瘍細胞を培養し、さらに検査することができる。
リスト1:好ましい細胞特異的抗原:
・ 肝細胞癌および性腺胚細胞腫瘍および性腺外胚細胞腫瘍におけるα−1−フェトプロテイン(AFP)
・ 多発性骨髄腫におけるベンスジョーンズタンパク
・ 卵巣胚細胞腫瘍および非セミノーマ精巣腫瘍におけるβ−HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニット)
・ 乳癌または卵巣癌におけるCA 15−3
・ 膵臓癌におけるCA 19−9およびCA 50
・ 卵巣癌におけるCA−125
・ 甲状腺髄様癌におけるカルシトニン(ヒトカルシトニン、hCT)
・ 腸癌、膵臓癌、ならびに肺腺癌における癌胎児性抗原(CEA)
・ 肺癌(気管支癌)の全変種におけるサイトケラチン21フラグメント(CYFRA21−1)およびセルピンB4(SCC)
・ HER−2/新
・ HPV抗体ないしはHPV抗原
・ 神経芽細胞腫におけるホモバニリン酸
・ カルチノイドにおける5−ヒドロキシインドール酢酸
・ 褐色細胞腫におけるカテコールアミン、バニリンマンデル酸
・ 胚細胞腫瘍における乳酸脱水素酵素(LDH)
・ 胚細胞腫瘍における乳酸脱水素酵素アイソザイム1(LDH−1);しかしながら、ルーチン定量は慣用のガイドラインではまだ勧められない
・ MAGE抗原
・ 褐色細胞腫におけるメタネフリン
・ 非小細胞肺癌(NSCLC)または乳癌におけるMUC1
・ 小細胞肺癌(SCLC)、神経芽細胞腫、ならびにセミノーマ胚細胞腫瘍におけるNSE
・ セミノーマ胚細胞腫瘍における胎盤性アルカリホスファターゼ(PLAP)
・ 前立腺癌におけるPSA
・ 甲状腺乳頭癌または甲状腺濾胞癌における、あらゆる濃度のサイログロブリン(Tg)
・ チミジンキナーゼ
・ サイトケラチン、例えば、サイトケラチン8、18、19
リスト2:付加的な細胞特異的抗原
・ β2−ミクログロブリン(β2−M)、
・ CA 54−9、
・ CA 72−4、
・ CA 195、
・ 血清中癌関連抗原(CASA)、
・ C−ペプチド、
・ サイトケラチン、
・ ガストリン、
・ グルカゴン、
・ グルコース−6−リン酸イソメラーゼ(GPI)、
・ インスリン、
・ ネオプテリン、
・ 核マトリックスプロテイン22(NMP22)、
・ オスターゼ、
・ p53−自己抗体、
・ 異常タンパク、
・ プロラクチン(PRL)、
・ S−100タンパク質、
・ セルピンB4(SCC)、
・ 妊娠特異β1糖タンパク質(SP−1)、
・ 腫瘍関連糖タンパク質12(TAG12)、
・ チミジンキナーゼ(TK)、
・ 組織ポリペプチド抗原(TPA)、
・ 組織ポリペプチド特異抗原(TPS)、
・ 腫瘍M2−PK、
・ 血管作動性腸管ポリペプチド(VIP)、
・ トランスケトラーゼ様1タンパク質(TKTL1)
リスト1および2に挙げた抗原は、特異的マーカ(例えば、抗体)の模範的な標的であって、これらの標的を介して、本発明による方法に基づき、細胞、特に腫瘍細胞を検出することができる。
図1は本発明による方法を説明するための図である。
以下においては本発明による方法が例示的に記載されている。添付の図1には本発明による方法のステップA)〜D)が概略的に示されている。
ステップAは、検出されるべき細胞が膜の表面上に保持されるないしは膜の表面上に沈積するように多孔膜を通る液体試料のろ過を示し、
ステップBは、検出されるべき細胞を標識するための第一の薬剤を含有する第一の処理液の付与を示し、
ステップCは、予め定められた時間の間膜上での第一の処理液のインキュベーションを示し(このとき、検出されるべき細胞が標識され、標識された細胞がハッチングにより示されている)、
ステップDは、例えば吸引による処理液の除去を示す。
周囲媒体(試料液)から分離されるべき固体(細胞、粒子、組織)は、それらの固体が、分離されるべき固体に対しては非透過性であるが周囲媒体に対しておよび分離されるべき固体を汚染する固体に対しても透過性であるフィルタ膜の表面上に留まることによって媒体から分離される。そのためには、気体または液体に対して透過性である表面を通るその気体または液体の流速を的確に定めるまた変化させることを可能にする手段が設けられている。好ましくは、医学診断学においては、それらの固体は細胞成分であり、周囲媒体は粒子も含み得る全血/血清/血漿であるが、それらの粒子に対して表面はその特性ゆえに透過性である(例えば、白血球)。
自動化された方法により、試料のほかに、単離/濃縮および検出に必要な全試薬が、例えばピペッティングロボットにより膜の表面上に適切に付与される。試料ならびに試薬は、インキュベーション目的で、制御下に表面上に留まることができ、および/またはそれらに対して透過性の表面を通して除去され得る。このことは、様々なセンサおよびアクチュエータの使用により達成され、これらのセンサおよびアクチュエータは、要件に応じて調整され膜の透過層(透過性の表面)を通る物質の貫流を可能にする。その際、調整は、例えば流速にしたがって、または特に敏感な細胞成分の場合にはシステムに印加される(周囲圧に対する)圧力差によっても行うことが可能である。
半透過性の表面上への媒体の付与から選択的な標識までのすべてのステップは、好ましくは、液体ハンドリングロボット内で自動的に行われ監視される。その際、検査されるべき複数の試料の同時並行処理を達成することができる。
逐次的な単離/濃縮プロトコルおよび選択的検出反応が、これまでは通例の手作業による中間ステップおよび試料移送を伴わずに、1つの装置ユニット内で実施されることにより、誤差をあまり含まない分析およびより迅速な処理時間が達成される。ここで提案される方法では、検出に必要なすべての処理液ないしは試薬のインキュベーションが同様に、半透過性の表面への的確な付与およびこの表面を通過する制御された流れによって調整されるので、使用される試薬体積を明らかに低下させることが可能であり、このことはしばしば高価な免疫化学試薬においては著しいコスト上の利点を意味する。手作業による免疫化学的染色においてもまた公知の「自動染色装置」においても、インキュベーション体積は明らかに大きい。というのは、処理されるべき表面をぬらす必要があるだけでなく、はるかに大きな面が洗い流されるため、ないしはインキュベーション容器全体を十分な体積で満たす必要があるからである。
濃縮ステップ/洗浄ステップおよび染色ステップを実施するためには、
a)半透過性の表面上の液体体積ないしは液面レベルと
b)半透過性の表面を通過する液体の透過速度と
c)透過に必要である周囲と装置との間での圧力差を知ること、および透過速度を制御するためにかつ現在分析されている試料体積を決定するために利用することと
が必要である。
そのために必要なセンサおよびアクチュエータは、透過用装置の構成要素であってもピペッティングロボットの構成要素であってもよいが、分配されて存在していてもよく、その場合構成要素間の通信が必要である。
それぞれの個別試料/チャネルを個々に制御するために少なくとも1つの圧力センサおよび少なくとも1つの弁が必要とされ、これを用いて、システムに与えられる周囲との圧力差(つまり過圧ないしは負圧)を調整することができる。それぞれの圧力差は例えば貯蔵容器との結合によって生み出され、その貯蔵容器内では周囲と比べて負圧または過圧となっている。
液体の貫流の監視は、有利には以下のステップ、
(a)オーバーフローを管理し追加ピペッティングの時点を制御するために、半透過性膜上の液体体積を決定するためのチャネル固有の液面レベル測定(例えば、容量性)、
(b)検出された測定データを、外部ソフトウェアにより読み取り可能でありかつさらなる処理に供給可能であるデータに変換、
(c)その都度の液面レベルに関係してさらなる一定分量(アリコット)の液体の追加ピペッティング
を実施する液体ハンドリングロボットによって行うことができる。
半透過性の表面を通過する媒体の透過が生じる速度は、有利には、流速、または透過に必要な圧力差を介して制御される。そのためには、単離されるべき成分が敏感である場合には、できるだけわずかな圧力差、例えば最高7mbarの圧力差が印加されるが、この圧力差は最高50mbarまで上昇させてもよい。連続的な圧力差測定は、半透過性膜上になおも試料材料が存在しているかどうかを確認するためにも利用され、したがって、透過の終了を表す信号として利用され得るが、アッセイプロセス中に半透過性の表面の詰まりが起こる場合には分析の停止信号として利用され得る。
例えば、液体ハンドリングロボットにより、試料を分けて添加し、試料を時々かき混ぜることにより、細胞の沈積、それに伴う細胞の損失を十分に回避することができる。
例示的に記載されるのは、血液試料中のCTCsの濃縮および免疫化学的検出ないしは分子生物学的特徴づけのための自動ステップである。
(i)手作業による作業ステップ:
・検査されるべき血液試料を装置内に装入
・準備された必要な試薬の装入
・その他の消耗材(例えばピペットチップ)の装入
・分析後:廃棄物の除去
(ii)自動CTC濃縮のプロセスおよび免疫化学的CTC検出:
・血液試料の混合
・血液試料の取り出し、および希釈緩衝液/溶解緩衝液/固定緩衝液への添加
・血液試料および緩衝液のインキュベーション
・一連の洗浄ステップおよびインキュベーションステップによる膜の選択的なコンディショニング
・膜が覆われるようにこの装置内に処理された血液試料のピペッティング
・液面レベル差および圧力差によって制御される、膜上でのCTCsの濃縮(例えば、ピペットチップ内の液面レベルセンサ、圧力測定および負圧/過圧用貯蔵容器への弁による圧力差の制御により)
・膜の持続的な目詰まり(クロッギング)が生じた場合に透過過程の停止
・半透過性膜上への細胞のやさしい固定および洗浄
・膜上の細胞を、必要な処理液/試薬とインキュベーションすることによる免疫化学的染色
・液面レベル差および圧力差により制御されるアッセイプロセス(ピペットチップ内の液面レベルセンサ、圧力測定および負圧/過圧用貯蔵容器への弁による圧力差の制御)
・膜の持続的なクロッギングが起きた場合に透過過程の停止
選択的に後続:(c)FISH(蛍光in−situハイブリダイゼーション)による「分子生物学的特徴づけ」
・必要な試薬を用いた、膜上での調温されたインキュベーションによる分子生物学的染色
・比較的長時間インキュベーションする際にはカバーグラスを載せることによって蒸発の阻止(インキュベーション後にカバーグラスを再び除去する)
(iv)最終ステップ
・硬化性であってもよい適切な封入剤を半透過性膜上へピペッティング
・カバーグラスの載置
ステップ(iv)は選択的に再び手作業で行われてもよい。
いわゆる免疫染色においては、体細胞または細胞塊(組織切片)が、例えば、抗体溶液、標識試薬、洗浄緩衝液、および様々な処理液と(たいていの場合は逐次的に)インキュベーションする。典型的には、顕微鏡スライドグラス(スライド)上の染色された対象物を顕微鏡で分析する。
染色(ステイニング)に必要とされる流体性のプロセスステップは、非常に多様かつ複雑である。使用される試薬は部分的には非常に高価である。スライドグラス上での自動処理は、小さな体積による費用節約の処理がほとんど可能ではない。たいていの場合、試薬は、スライドグラス上を通り過ぎて洗い流されるため、試薬の多量の消費に加えて、事情によっては対象物の部分的な損失も伴いかねない。
本発明によると、試薬は、表面を通り過ぎて洗い流されるのではなく、膜を通過して流されるので、試薬が節約され、対象物の損失が回避され、一般的にはより良好なプロセス管理を可能にする。
本発明は、インビトロ(in vitro)診断学分野であり、体液(例えば、血液、尿)ないしは液体が混合する組織試料(例えば、骨髄)からの生細胞、循環細胞または播種性細胞を検出する方法および装置に関する。本発明による方法は、特に循環腫瘍細胞の自動獲得および分析に利用され、それゆえ好ましくは腫瘍診断に適用される。
本発明は、血液または骨髄が特殊なろ過法によってろ過された後に、機能検査によって、末梢血または骨髄からの細胞または細胞成分の自動検出を可能にする。これらの細胞は、特に、循環腫瘍細胞(英語ではcirculating tumor cells、CTCまたは(複数で)CTCs)、末梢血からの間葉系幹細胞、または血液もしくは別の体液からの細菌、ならびに骨髄からの播種性腫瘍細胞(英語ではdisseminated tumor cells、DTC)である。
末梢血中におけるCTCsの出現は、通例のイメージング検査法によるとまだ転移を検出することができないきわめて早期の段階における固形腫瘍からの細胞の可能な播種を示唆する。それゆえ、末梢血中のCTCsの検出と同様に特徴づけも、全身的な腫瘍伝播をきわめて早期に認識し、CTCsを予後マーカとして利用する大いに期待のもてる可能性である。それにより、予後を宣告すること、ないしは全身療法の連続的観察を実施することができるかもしれない。さらに、CTCsの特徴づけおよび評価は固形腫瘍に適した治療を選択するために診断手段として利用できるかもしれない。
癌の早期発見、診断、および療法管理のためには、血液中の循環腫瘍細胞(CTC)の検出がますます重要になりつつある。その際、ミリリットルの血液中においてたった3〜5個の範囲にあり得る少数のCTCsゆえ、および白血球の高いバックグラウンド(ミリリットル当たり6〜10x106個)ゆえ、CTCsをできるだけ選択的に濃縮することができるか、または別の血液細胞が大過剰に存在する中で表示することができる方法を選択するべきである。その際、使用されるのは、例えば、適した孔径を利用することで細胞のサイズセレクションを可能にするろ過のような物理的方法、または例えば選択的抗体結合を介して血液試料中のCTCsの濃縮を可能にする別の方法である。
サイズセレクションに基づくどの方法もこれまでのところ全自動化されていない。濃縮ステップと本来のCTCs選択的免疫化学的検出反応との間には、常に手作業による作業ステップが欠かせない。
フローサイトメトリ法(例えば、FACS法、fluorescence activated cell sorting)およびろ過法のほかに、これまでのところ唯一使用可能な、ルーチンin vitro診断学用に認可されている市販の系は、Veridex(CellSearch)社の系である。使用されるこの方法は、検出されるべきCTCs数が1ミリリットル当たり3個以上である場合には、数mlという初期体積の血液中においてCTCsの検出を可能にする。使用されるこの濃縮法は、磁気ビーズに結合された抗体の、CTCsへの特異的結合を利用する。濃縮されたCTCsの特異的検出は、蛍光標識抗体を利用して光学的に行われる。
サイズセレクションによりCTCsを濃縮、ないしは血液中の白血球を減少させてからやさしく「固定する」物理的方法も知られている。その際、定められた孔径のフィルタが使用され、このフィルタは、白血球および別の血液成分の透過を可能にするが、CTCsのくぐり抜けを阻止する。続いて行われる一連の洗浄ステップおよび選択的染色ステップからなるプロセシングに関しては、手作業によりフィルタを染色ステーションに移行させるのが通例の方法である。
それに対して、本発明は、ある試料中の(生)細胞、特に血液試料中の腫瘍細胞を検出するための信頼できる安価な自動化可能な方法を可能にする。
このような課題は、本発明によれば、液体試料中の細胞を検出する方法において、
a)検出されるべき細胞が検出されるべき細胞を保持するのに適した多孔膜の表面の少なくとも一部上に沈積し、液体試料の少なくとも一部が多孔膜を通過することにより、液体試料が多孔膜によってろ過され、
b)検出されるべき細胞を第一のマーカで標識するための第一の薬剤を含有する第一の処理液が付与され、
c)予め定められた時間の間、多孔膜上で第一の処理液がインキュベーションされ、検出されるべき細胞が標識され、
d)多孔膜の表面上で、標識された検出されるべき細胞が検出される
液体試料中の細胞の検出方法によって解決される(請求項1)。
液体試料中の細胞の検出方法に関する本発明の実施態様は次の通りである。
・ステップb)の前またはステップc)の後に、少なくとも1つのさらなる処理液が付与される(請求項2)。
・前記少なくとも1つのさらなる処理液は、洗浄用薬剤、生物構造を固定するための薬剤、非特異的な標識を阻止するための薬剤、または検出されるべき細胞を第一のマーカとは異なる別のマーカで標識するための薬剤から選択されている薬剤を含有する(請求項3)。
・前記少なくとも1つのさらなる処理液が、細胞を洗浄もしくは固定するためにまたは非特異的な標識を阻止するのに適した薬剤を含有する(請求項4)。
・ステップc)の間、検出されるべき細胞がステップa)において沈積する多孔膜の面とは反対側の面に過圧が印加され、この過圧は第一の処理液が多孔膜を貫流するのを阻止するように選定されている(請求項5)。
・ステップd)の間、検出されるべき細胞がステップa)において沈積する多孔膜の面とは反対側の面に負圧が印加され、この負圧は第一の処理液が多孔膜を通して吸引されるように選定されている(請求項6)。
・検出されるべき細胞が腫瘍細胞である(請求項7)。
・ステップc)において、第一の処理液およびインキュベーション条件は、検出されるべき細胞が予め定められた時間にわたって生存するのを可能にするように選定されている(請求項8)
・検出されるべき細胞から放出された物質が検出される(請求項9)。
前述の課題は、本発明によれば、
a)検出されるべき細胞を保持する多孔膜、
b)多孔膜上に液体を付与する手段、
c)この液体を多孔膜に通す手段、
d)多孔膜の前後の圧力差を調整する手段、
e)多孔膜上に液体を付与すること、予め定められた時間の間液体を多孔膜上に滞留させること、および液体を多孔膜に通すことを制御できる時間進行制御手段
を備え、
圧力差を調整する手段は、予め定められた期間の間多孔膜上での液体の滞留を可能にするために、多孔膜の裏面に50hPa以下の過圧を発生することが可能である、本発明による方法を実施するための装置によっても解決される(請求項10)。
この装置に関する本願発明の実施態様は次の通りである。
・多孔膜がスライドグラス上に配置されている(請求項11)。
・さらに、多孔膜を通過した液体を集めるための廃棄物容器を有する(請求項12)。
本発明におけるろ過過程では、フィルタ、例えばフィルタ膜(多孔膜)を通して懸濁液がろ過される。その際、透過液は、フィルタを通して圧され、残留物はフィルタ表面上に(またはフィルタの細孔および空隙内にも)保持される。したがって、ろ過過程の際には、フィルタを通る透過液の主たる流動方向が存在するために(主要成分として細胞を含有する)残留物が保持されるフィルタの上流側領域と、通された透過液が例えば集められる下流側領域とがある。この主たる流動方向に関係せず、例外的な場合、流動方向は例えばフィルタを逆流洗浄する場合には逆になることも可能である。
フィルタを通るように透過液を加圧するためには圧力差を発生させることが可能であるが、その場合フィルタの上流には下流よりも高い圧力が存在する。それは、フィルタの上流に過圧を印加すること、下流に負圧を印加すること、または両方の組み合わせによって達成され得る。フィルタを通る透過液流を停止させる(ゼロに低下させる)ために、圧力差ゼロに調整することができる。このことは空間内でのフィルタの向きに関係しない。フィルタでの流動方向が垂直に延在するか、または垂直成分(つまり、重力方向またはそれと逆方向)が延在する特殊なケースでは、さらに、フィルタ上での水柱が圧力差に寄与することが考慮されるべきである。
本発明による方法のいくつかの適用に関しては、フィルタにおけるろ過の流動方向がほぼ重力方向に延びていると好ましい。その結果、保持される残留物はフィルタの表面上に沈積し、それにより例えば、残留物(細胞)の容易な継続処理が可能になる。
特定の適用に関しては、例えば、残留物が浮上する場合、またはろ過後に細胞をフィルタの裏面から収容容器に採集するためには、重力方向にではなく重力に反する方向にろ過すると好ましい。
本発明は、
a)検出されるべき細胞が多孔膜の表面の少なくとも一部上に保持され、試料液の少なくとも一部が透過液として多孔膜を通過するように、検出されるべき細胞を保持するのに適した多孔膜に通過させることによって、液体試料がろ過され、
b)検出されるべき細胞を標識するための第一の薬剤を含有する第一の処理液が付与され、
c)予め定められた時間の間、多孔膜上で第一の処理液がインキュベーションされ、検出されるべき細胞が標識され、
d)多孔膜の表面上で、標識された検出されるべき細胞が検出される
液体試料中の細胞の検出方法に関する。
液体試料は、例えば、血液試料、尿試料、または血漿試料であってもよい。
本発明の一実施形態によると、ステップb)は、第一の処理液を液体試料に直接添加することによって実現される。
本発明の一実施形態によると、第一の処理液は、標識された検出されるべき細胞を検出する前に、例えば、多孔膜を通して通流させることによって除去される。
標識に適した薬剤は、非特異的または特異的に細胞を染色することができるマーカを含む。非特異的マーカは、例えば、タンパク質、核酸、または別の細胞成分を染色する色素であり得る。特異的マーカは、例えば、タンパク質、核酸配列、または別の細胞特有構造に特異的に結合する抗体、オリゴヌクレオチドプローブ、ペプチド、または別の分子であり得る。このマーカは、検出可能な標識、例えば、発色性色素、蛍光色素、同位体標識等々により直接標識されていてもよい。代替案として、このマーカは、二次検出試薬(例えば、二次抗体または酵素基質系)を介しても検出可能である。
その際、選択的に少なくとも1つのさらなる処理液を、例えばステップb)の前またはステップd)の後に付与することが可能である。
好ましくは、この少なくとも1つのさらなる処理液は、
・ 洗浄用薬剤、
・ 生物構造を固定するための薬剤、
・ 非特異的な標識を阻止するための薬剤、または
・ 検出されるべき細胞をさらなるマーカで標識するための薬剤(このさらなるマーカは標識用の第一のマーカとは異なる)
から選択されている薬剤を含有する。
洗浄用薬剤としては、適切な洗浄緩衝液が知られている。これらの洗浄緩衝液は、さらに、細胞膜を透過性にするための薬剤、例えば、界面活性剤、サポニン、それらの類似物を含有してもよい。
生物構造を固定するための薬剤としては、固定剤、例えば、ホルマリン、グルタルアルデヒド、それらの類似物を含有する適切な固定液が知られている。
非特異的な標識を阻止するための薬剤としては、適切なブロッキング緩衝液が知られている。例えば、マーカとして抗体が使用される場合には、マーカ抗体が由来する種と同一の種の非特異的免疫グロブリンを含有するブロッキング緩衝液によって、抗体の非特異的結合を飽和させることが知られている。
好ましくは、少なくとも1つのさらなる処理液は、細胞を洗浄もしくは固定するまたは非特異的な標識を阻止するのに適した薬剤を含有する。
本発明の好ましい一態様によると、本方法において、ろ過後に、多孔膜上の細胞が、適切な処理液を用いたインキュベーションにより色素で染色される。そのためには、細胞または細胞成分を染色し、かつ細胞学および組織学から知られている複数の色素を選択することができる。これらは、特異的に細胞核もしくは別の細胞内小器官を染色するか、または特異的に特定の細胞成分、例えば核酸もしくはタンパク質を染色する色素である、生細胞染色色素または死細胞染色色素であり得る。公知の細胞染色色素は、例えばトリパンブルー、DAPI、それらの類似物である。
検出されるべき細胞は、多孔膜上において、未染色のまま、または染色して、顕微鏡によっても分析することができる。
本発明の好ましい一実施形態によると、ステップc)の間に、検出されるべき細胞がステップa)において保持された多孔膜の面とは反対側の面に過圧が印加され、この過圧は処理液が該多孔膜を貫流するのを阻止するように選択されている。この過圧は、50hPa以下(≦50hPa)、20hPa以下(≦20hPa)、10hPa以下(≦10hPa)または5hPa以下(≦5hPa)である。好ましくは、過圧は3〜10hPaである。わずかな過圧により、処理液が多孔膜を通って漏出することが阻止される。
好ましくは、この過圧は、下方(重力方向)に向く流動方向において、フィルタ上の水柱の圧力と同じであるかまたはフィルタ上の水柱の圧力を超えるように選定されている。その際、1cmの水柱は約1hPaに相当するということが当てはまる。この水柱はフィルタのほぼ水平な配置においてフィルタ上の懸濁液の液面レベルに相当しており、上から下に向かってろ過される。
本発明の好ましい一実施形態によると、ステップd)の間に、検出されるべき細胞がステップa)において沈積する多孔膜の面とは反対側の面に負圧が印加され、この負圧は処理液が多孔膜を通して吸引されるように選定されている。
本発明の好ましい一実施形態によると、検出されるべき細胞は腫瘍細胞である。本発明による方法はCTCsの検出に特に適している。
本発明の好ましい一実施形態によると、ステップc)において、処理液およびインキュベーション条件は、検出されるべき細胞が、予め定められた期間にわたって生存するのを可能にするように選択されている。その結果、細胞においてさらなる複数の機能検査を行うことが可能である。処理液としては生理的塩濃度の緩衝液が選択可能である。インキュベーションは適切な温度条件および湿度条件で行うことが可能である。
さらに、検出されるべき細胞から放出された物質を検出することができる。
さらに、本発明は、
a)検出されるべき細胞を保持するのに適した多孔膜、
b)多孔膜上に液体を付与する手段、
c)この液体を多孔膜に通す手段、
d)多孔膜の前後の圧力差を調整する手段、
e)多孔膜上に液体を付与すること、予め定められた時間の間多孔膜上に液体を滞留させること、および液体を多孔膜に通すことを制御可能である時間進行制御手段
を有し、
圧力差を調整する手段は、予め定められた期間の間多孔膜上での液体の滞留を可能にするために、多孔膜の裏面に過圧を発生することが可能である
本発明による方法のステップa)〜d)を実施するための装置に関する。
多孔膜上に液体を付与する手段は、例えば、供給管としてまたはピペット装置として実施されていてもよい。
液体を多孔膜に通す手段は圧力差を発生させる手段を含み、フィルタの上流では下流よりも高い圧力が存在する。
時間進行制御手段は、この装置において、予め定められた時間を生じさせることができるプログラミング可能な制御手段として設けられていてもよい。
本発明の好ましい一実施形態によると、検出されるべき細胞が保持された多孔膜の面とは反対側の面に過圧が印加され、この過圧は処理液が多孔膜を貫流するのを阻止するように選択されている。この過圧は、50hPa以下(≦50hPa)、20hPa以下(≦20hPa)、10hPa以下(≦10hPa)または5hPa以下(≦5hPa)である。好ましくは、過圧は3〜10hPaである。わずかな過圧により、処理液が多孔膜を通って漏出することが阻止される。
好ましくは、この過圧は、下方(重力方向)に向く流動方向の場合、フィルタ上の水柱の圧力と同じであるかまたはフィルタ上の水柱の圧力を超えるように選択されている。その際、1cmの水柱は約1hPaに相当することが当てはまる。この水柱は、フィルタのほぼ水平な配置においてフィルタ上の懸濁液の液面レベルに相当し、上から下に向かってろ過される。
多孔膜は、適切な固定装置に挟持されていることが可能であるので、適切な負圧または過圧を印加することができる。
好ましくは、この多孔膜はスライドグラス上に配置され、それゆえ本発明の方法のステップa)〜b)を実施した後、多孔膜を備えたスライドグラスは、細胞を検出するために、例えば顕微鏡を用いた検査によって評価することができる。
顕微鏡用スライドグラスは、約26×76mm(ISO8255−2)で約0.1〜1.5mmの厚みの透明プレートである。
スライドグラスは好ましくは複数の開口部を有するので、液体は問題なく吸引され得る。これらは複数の小さな開口部、例えば、細孔または穿孔であってもよい。代替案として、多孔膜によって覆うことができる1つまたは複数の大きな切欠きであってもよい。
多孔膜は例えば、0.1〜200μmの孔径を有する。その結果、細胞は保持され得るが、細胞破片、血小板、および試料の小さな固形成分はフィルタ(多孔膜)を通って移動する。
本発明の好ましい一態様によると、多孔膜は、2〜50μm、非常に好ましくは5〜20μm、さらに好ましくは5〜10μmの孔径を有する。寸法範囲が2〜50μm、5〜20μm、または特に5〜10μmである孔径は、細胞がその孔径によって保持されるが、部分的には細孔内に付着して留まるため、多孔膜上に特に良好に付着し、さらなる分析のため使用可能であるという利点を提供する。
本発明の一態様によると、第一のマーカを用いて、以下のリスト1またはリスト2からの抗原が検出される。
本発明の好ましい一態様によると、血液試料を使用する際には、妨げになる赤血球を除去するために、ろ過前に(例えば、低浸透圧性溶解により)赤血球溶解を行う。
さらに、ろ過後であっても細胞を再び細胞培養培地に取り込み、さらなる検査のために培養することができる。したがって、特定の医薬品(例えば、細胞増殖抑制剤)に対する応答を点検するために、例えば、検出された腫瘍細胞を培養し、さらに検査することができる。
リスト1:好ましい細胞特異的抗原:
・ 肝細胞癌および性腺胚細胞腫瘍および性腺外胚細胞腫瘍におけるα−1−フェトプロテイン(AFP)
・ 多発性骨髄腫におけるベンスジョーンズタンパク
・ 卵巣胚細胞腫瘍および非セミノーマ精巣腫瘍におけるβ−HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニット)
・ 乳癌または卵巣癌におけるCA 15−3
・ 膵臓癌におけるCA 19−9およびCA 50
・ 卵巣癌におけるCA−125
・ 甲状腺髄様癌におけるカルシトニン(ヒトカルシトニン、hCT)
・ 腸癌、膵臓癌、ならびに肺腺癌における癌胎児性抗原(CEA)
・ 肺癌(気管支癌)の全変種におけるサイトケラチン21フラグメント(CYFRA21−1)およびセルピンB4(SCC)
・ HER−2/新
・ HPV抗体ないしはHPV抗原
・ 神経芽細胞腫におけるホモバニリン酸
・ カルチノイドにおける5−ヒドロキシインドール酢酸
・ 褐色細胞腫におけるカテコールアミン、バニリンマンデル酸
・ 胚細胞腫瘍における乳酸脱水素酵素(LDH)
・ 胚細胞腫瘍における乳酸脱水素酵素アイソザイム1(LDH−1);しかしながら、ルーチン定量は慣用のガイドラインではまだ勧められない
・ MAGE抗原
・ 褐色細胞腫におけるメタネフリン
・ 非小細胞肺癌(NSCLC)または乳癌におけるMUC1
・ 小細胞肺癌(SCLC)、神経芽細胞腫、ならびにセミノーマ胚細胞腫瘍におけるNSE
・ セミノーマ胚細胞腫瘍における胎盤性アルカリホスファターゼ(PLAP)
・ 前立腺癌におけるPSA
・ 甲状腺乳頭癌または甲状腺濾胞癌における、あらゆる濃度のサイログロブリン(Tg)
・ チミジンキナーゼ
・ サイトケラチン、例えば、サイトケラチン8、18、19
リスト2:付加的な細胞特異的抗原
・ β2−ミクログロブリン(β2−M)、
・ CA 54−9、
・ CA 72−4、
・ CA 195、
・ 血清中癌関連抗原(CASA)、
・ C−ペプチド、
・ サイトケラチン、
・ ガストリン、
・ グルカゴン、
・ グルコース−6−リン酸イソメラーゼ(GPI)、
・ インスリン、
・ ネオプテリン、
・ 核マトリックスプロテイン22(NMP22)、
・ オスターゼ、
・ p53−自己抗体、
・ 異常タンパク、
・ プロラクチン(PRL)、
・ S−100タンパク質、
・ セルピンB4(SCC)、
・ 妊娠特異β1糖タンパク質(SP−1)、
・ 腫瘍関連糖タンパク質12(TAG12)、
・ チミジンキナーゼ(TK)、
・ 組織ポリペプチド抗原(TPA)、
・ 組織ポリペプチド特異抗原(TPS)、
・ 腫瘍M2−PK、
・ 血管作動性腸管ポリペプチド(VIP)、
・ トランスケトラーゼ様1タンパク質(TKTL1)
リスト1および2に挙げた抗原は、特異的マーカ(例えば、抗体)の模範的な標的であって、これらの標的を介して、本発明による方法に基づき、細胞、特に腫瘍細胞を検出することができる。
図1は本発明による方法を説明するための図である。
以下においては本発明による方法が例示的に記載されている。添付の図1には本発明による方法のステップA)〜D)が概略的に示されている。
ステップAは、検出されるべき細胞が多孔膜の表面上に保持されるないしは多孔膜の表面上に沈積するように多孔膜を通る液体試料のろ過を示し、
ステップBは、検出されるべき細胞を標識するための第一の薬剤を含有する第一の処理液の付与を示し、
ステップCは、予め定められた時間の間多孔膜上での第一の処理液のインキュベーションを示し(このとき、検出されるべき細胞が標識され、標識された細胞がハッチングにより示されている)、
ステップDは、例えば吸引による処理液の除去を示す。
周囲媒体(試料液)から分離されるべき固体(細胞、粒子、組織)は、それらの固体が、分離されるべき固体に対しては非透過性であるが周囲媒体に対しておよび分離されるべき固体を汚染する固体に対しても透過性であるフィルタ膜の表面上に留まることによって周囲媒体から分離される。そのためには、気体または液体に対して透過性である表面を通るその気体または液体の流速を的確に定めるまた変化させることを可能にする手段が設けられている。好ましくは、医学診断学においては、それらの固体は細胞成分であり、周囲媒体は粒子も含み得る全血/血清/血漿であるが、それらの粒子に対して表面はその特性ゆえに透過性である(例えば、白血球)。
自動化された方法により、試料のほかに、単離/濃縮および検出に必要な全試薬が、例えばピペッティングロボットにより多孔膜の表面上に適切に付与される。試料ならびに試薬は、インキュベーション目的で、制御下に表面上に留まることができ、および/またはそれらに対して透過性の表面を通して除去され得る。このことは、様々なセンサおよびアクチュエータの使用により達成され、これらのセンサおよびアクチュエータは、要件に応じて調整され多孔膜の透過層(透過性の表面)を通る物質の貫流を可能にする。その際、調整は、例えば流速にしたがって、または特に敏感な細胞成分の場合にはシステムに印加される(周囲圧に対する)圧力差によっても行うことが可能である。
半透過性の表面上への媒体の付与から選択的な標識までのすべてのステップは、好ましくは、液体ハンドリングロボット内で自動的に行われ監視される。その際、検査されるべき複数の試料の同時並行処理を達成することができる。
逐次的な単離/濃縮プロトコルおよび選択的検出反応が、これまでは通例の手作業による中間ステップおよび試料移送を伴わずに、1つの装置ユニット内で実施されることにより、誤差をあまり含まない分析およびより迅速な処理時間が達成される。ここで提案される方法では、検出に必要なすべての処理液ないしは試薬のインキュベーションが同様に、半透過性の表面への的確な付与およびこの表面を通過する制御された流れによって調整されるので、使用される試薬体積を明らかに低下させることが可能であり、このことはしばしば高価な免疫化学試薬においては著しいコスト上の利点を意味する。手作業による免疫化学的染色においてもまた公知の「自動染色装置」においても、インキュベーション体積は明らかに大きい。というのは、処理されるべき表面をぬらす必要があるだけでなく、はるかに大きな面が洗い流されるため、ないしはインキュベーション容器全体を十分な体積で満たす必要があるからである。
濃縮ステップ/洗浄ステップおよび染色ステップを実施するためには、
a)半透過性の表面上の液体体積ないしは液面レベルと
b)半透過性の表面を通過する液体の透過速度と
c)透過に必要である周囲と装置との間での圧力差
を知ること、および透過速度を制御するためにかつ現在分析されている試料体積を決定するために利用することとが必要である。
そのために必要なセンサおよびアクチュエータは、透過用装置の構成要素であってもピペッティングロボットの構成要素であってもよいが、分配されて存在していてもよく、その場合構成要素間の通信が必要である。
それぞれの個別試料/チャネルを個々に制御するために少なくとも1つの圧力センサおよび少なくとも1つの弁が必要とされ、これを用いて、システムに与えられる周囲との圧力差(つまり過圧ないしは負圧)を調整することができる。それぞれの圧力差は例えば貯蔵容器との結合によって生み出され、その貯蔵容器内では周囲と比べて負圧または過圧となっている。
液体の貫流の監視は、有利には以下のステップ、
(a)オーバーフローを管理し追加ピペッティングの時点を制御するために、半透過性膜上の液体体積を決定するためのチャネル固有の液面レベル測定(例えば、容量)、
(b)検出された測定データを、外部ソフトウェアにより読み取り可能でありかつさらなる処理に供給可能であるデータに変換、
(c)その都度の液面レベルに関係してさらなる一定分量(アリコット)の液体の追加ピペッティング
を実施する液体ハンドリングロボットによって行うことができる。
半透過性の表面を通過する媒体の透過が生じる速度は、有利には、流速、または透過に必要な圧力差を介して制御される。そのためには、単離されるべき成分が敏感である場合には、できるだけわずかな圧力差、例えば最高7hPaの圧力差が印加されるが、この圧力差は最高50hPaまで上昇させてもよい。連続的な圧力差測定は、半透過性膜上になおも試料材料が存在しているかどうかを確認するためにも利用され、したがって、透過の終了を表す信号として利用され得るが、アッセイプロセス中に半透過性の表面の詰まりが起こる場合には分析の停止信号として利用され得る。
例えば、液体ハンドリングロボットにより、試料を分けて添加し、試料を時々かき混ぜることにより、細胞の沈積、それに伴う細胞の損失を十分に回避することができる。
例示的に記載されるのは、血液試料中のCTCsの濃縮および免疫化学的検出ないしは分子生物学的特徴づけのための自動ステップである。
(i)手作業による作業ステップ:
・検査されるべき血液試料を装置内に装入
・準備された必要な試薬の装入
・その他の消耗材(例えばピペットチップ)の装入
・分析後:廃棄物の除去
(ii)自動CTC濃縮のプロセスおよび免疫化学的CTC検出:
・血液試料の混合
・血液試料の取り出し、および希釈緩衝液/溶解緩衝液/固定緩衝液への添加
・血液試料および緩衝液のインキュベーション
・一連の洗浄ステップおよびインキュベーションステップによる多孔膜の選択的なコンディショニング
多孔膜が覆われるようにこの装置内に処理された血液試料のピペッティング
・液面レベル差および圧力差によって制御される、多孔膜上でのCTCsの濃縮(例えば、ピペットチップ内の液面レベルセンサ、圧力測定および負圧/過圧用貯蔵容器への弁による圧力差の制御により)
多孔膜の持続的な目詰まり(クロッギング)が生じた場合に透過過程の停止
・半透過性膜上への細胞のやさしい固定および洗浄
多孔膜上の細胞を、必要な処理液/試薬とインキュベーションすることによる免疫化学的染色
・液面レベル差および圧力差により制御されるアッセイプロセス(ピペットチップ内の液面レベルセンサ、圧力測定および負圧/過圧用貯蔵容器への弁による圧力差の制御)
多孔膜の持続的なクロッギングが起きた場合に透過過程の停止
選択的に後続:(iii)FISH(蛍光in−situハイブリダイゼーション)による「分子生物学的特徴づけ」
・必要な試薬を用いた、多孔膜上での調温されたインキュベーションによる分子生物学的染色
・比較的長時間インキュベーションする際にはカバーグラスを載せることによって蒸発の阻止(インキュベーション後にカバーグラスを再び除去する)
(iv)最終ステップ
・硬化性であってもよい適切な封入剤を半透過性膜上へピペッティング
・カバーグラスの載置
ステップ(iv)は選択的に再び手作業で行われてもよい。
いわゆる免疫染色においては、体細胞または細胞塊(組織切片)が、例えば、抗体溶液、標識試薬、洗浄緩衝液、および様々な処理液と(たいていの場合は逐次的に)インキュベーションする。典型的には、顕微鏡スライドグラス(スライド)上の染色された対象物を顕微鏡で分析する。
染色(ステイニング)に必要とされる流体性のプロセスステップは、非常に多様かつ複雑である。使用される試薬は部分的には非常に高価である。スライドグラス上での自動処理は、小さな体積による費用節約の処理がほとんど可能ではない。たいていの場合、試薬は、スライドグラス上を通り過ぎて洗い流されるため、試薬の多量の消費に加えて、事情によっては対象物の部分的な損失も伴いかねない。
本発明によると、試薬は、表面を通り過ぎて洗い流されるのではなく、多孔膜を通過して流されるので、試薬が節約され、対象物の損失が回避され、一般的にはより良好なプロセス管理を可能にする。

Claims (12)

  1. a)検出されるべき細胞が膜の表面の少なくとも一部上に沈積し、試料液の少なくとも一部が膜を通過するように、検出されるべき細胞を保持するのに適した多孔膜に通過させることによって液体試料がろ過され、
    b)検出されるべき細胞を第一のマーカで標識するための第一の薬剤を含有する第一の処理液が付与され、
    c)予め定められた時間の間、膜上で第一の処理液がインキュベーションされ、検出されるべき細胞が標識され、
    d)膜の表面上で、標識された検出されるべき細胞が検出される
    液体試料中の細胞の検出方法。
  2. ステップb)の前またはステップc)の後に、少なくとも1つのさらなる処理液が付与される請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つのさらなる処理液は、洗浄用薬剤、生物構造を固定するための薬剤、非特異的な標識を阻止するための薬剤、または検出されるべき細胞を第一のマーカとは異なる別のマーカで標識するための薬剤から選択されている薬剤を含有する請求項1または2に記載の方法。
  4. 第二の処理液が、細胞を洗浄もしくは固定するためにまたは非特異的な標識を阻止するのに適した薬剤を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップc)の間、検出されるべき細胞がステップa)において沈積する前記膜の面とは反対側の面に過圧が印加され、この過圧は処理液が該膜を貫流するのを阻止するように選定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ステップd)の間、検出されるべき細胞がステップa)において沈積する前記膜の面とは反対側の面に負圧が印加され、この負圧は処理液が膜を通して吸引されるように選定されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 検出されるべき細胞が腫瘍細胞である請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ステップc)において、処理液およびインキュベーション条件は、検出されるべき細胞が予め定められた時間にわたって生存するのを可能にするように選定されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 検出されるべき細胞から放出された物質が検出される請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. a)検出されるべき細胞を保持する多孔膜、
    b)膜上に液体を付与する手段、
    c)この液体を膜に通す手段、
    d)膜の前後の圧力差を調整する手段、
    e)膜上に液体を付与すること、予め定められた時間の間液体を膜上に滞留させること、および液体を膜に通すことを制御可能である時間進行制御手段
    を備え、
    圧力差を調整する手段は、予め定められた期間の間膜上での液体の滞留を可能にするために、膜の裏面に≦50mbarの過圧を発生することが可能である請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置。
  11. 膜がスライドグラス上に配置されている請求項10に記載の装置。
  12. さらに、膜を通過した液体を集めるための廃棄物容器を有する請求項10または11に記載の装置。
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