JP2014520216A

JP2014520216A - 抗アレルギー効果を有する多層不織布

Info

Publication number: JP2014520216A
Application number: JP2014517095A
Authority: JP
Inventors: ヘ−ドンパーク，; ジュンソクリー，
Original assignee: 3M Innovative Properties Co
Current assignee: 3M Innovative Properties Co
Priority date: 2011-06-20
Filing date: 2012-06-19
Publication date: 2014-08-21
Also published as: KR20120140003A; WO2012177648A3; TW201305401A; CN104302473A; KR20140048204A; WO2012177648A2; EP2721208A4; US20140216478A1; EP2721208A2

Abstract

竹繊維及びポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）系繊維のうちの少なくとも１つを含むスパンレース不織布で形成された外層と、メルトブローン不織布で形成された中間層と、メルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布で形成された内層と、を含み、外層がアレルゲン不活性化剤を含む、多層不織布と、その製造方法と、多層不織布を含む抗アレルギー製品とが提供される。多層不織布は、優れた空気透過性及び耐候性を示すことができ、更には、アレルゲンを不活性化、したがって抗アレルギー効果、抗菌効果、及び抗ウイルス効果を示すことができる。
【選択図】図３

Description

発明の詳細な説明

［背景］
アレルギーは、生物に侵入する異物（即ち、抗原）に対する生物の防御系の反応である。言い換えると、これは、免疫系の異常反応である。一般に、抗原が侵入すると、生物は特定の反応によって抗体及びリンパ球を生成する。この抗原が再度侵入すると、生物は、自己保存の防御機構として様々な免疫反応を引き起こす。これは、アレルギー反応として知られている。

アレルゲンは、アレルギー反応を起こす抗原である。代表的なアレルゲンとしては、チリダニ、花粉、動物の毛、皮膚の断片、植物繊維、病原菌、食物、染料、化学物質が挙げられる。チリダニの分泌物は、呼吸により入るか、又は皮膚に直接接触して、アレルギーを起こす。空中の花粉は、ヒトの目、鼻、及び肺に入って、アレルギーを起こす。特に、花粉がヒトの鼻及び頸部に入ると、花粉症と呼ばれる一連の季節性アレルギー性鼻炎を引き起こす。

ペットの毛及び皮膚の断片も、アレルゲンである。動物に対するアレルギーが進むのには、２年よりも長くかかる場合がある。場合によっては、動物と接触してから６ヶ月を超えると、アレルギーを低減させることができない。

多層不織布は、マスクの材料として使用されてきた。しかしながら、アレルギーを制御する、抗アレルギー処理された多層不織布は、まだ十分に開発されていない。

［概要］
本開示は、様々なアレルゲンに対する優れた抗アレルギー効果並びに抗生作用及び抗ウイルス効果を有する、経済的かつ製造が難しくない多層不織布及びその製造方法を提供する目的を有する。

本開示は、竹繊維、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）タイプの繊維、及びそれらを含むスパンレース不織布を有する外層と、メルトブローン不織布を有する中間層と、メルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布を有する内層と、を含む、多層不織布、並びに製造方法を提供する。外層は、アレルゲン不活性化剤を含む。

アニオン性界面活性剤は、アレルゲン不活性化剤に特に好適である。

いくつかの実施においては、外層が抗生作用剤を更に含むのが望ましい。

特定の実施においては、中間層にコロナ静電処理を施すのが有利であり得る。

中間層及び内層のうちの２つ以上の布地材料は、通常、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエステル、及びポリアミドからなる群から選択される。

本開示は、上述の多層不織布を含む抗アレルギー性製品を提供する。抗アレルギー性製品は、マスク、フィルター、ガスマスク、空気清浄器、及び空調装置の群から選択され得る。

本開示の多層不織布は、優れた抗アレルギー及び抗ウイルス効果を有する。これは、マスク、フィルター、ガスマスク、空気清浄器、及び空調装置などの抗アレルギー性製品に使用することができる。

上記の本発明の課題を解決するための手段は、開示される実施形態のそれぞれ、又は本発明のあらゆる実装を説明することを意図するものではない。以下の説明により、例示的実施形態を、より具体的に例示する。本出願の全体にわたる幾つかの箇所で、実施例のリストを通じて指針が提供され、それらの実施例は、様々な組み合わせで使用することができる。いずれの場合でも、記載されるリストは、代表的な群としての役割のみを果たすものであり、排他的なリストとして解釈するべきではない。

本発明は図面を参照して更に説明されるが、対応する参照記号は複数の図面を通して対応する部分を示す。
本開示の一実施形態における多層不織布の断面図である。本開示の一実施形態による多層不織布を有するマスクの外構造を示す。実施例１の多層不織布及び比較例１の不織布で様々なアレルゲン（チリダニ、花粉、及びペット）の不活性化機能を測定した結果を示すグラフである。

［発明の詳細な説明］
しかしながら、本発明は、それらの実施例及び図に限定されるものではない。特定されることもできるし別の形態に変更されることもできる。

図１は、本開示の一実施例における多層不織布の断面図である。図１に示されるように、本発明の多層不織布（１００）は、第１の外層（１１０）と、中間層（１２０）と、第２の外層（１３０）と、を含む３層の不織布層を含む。第１の外層（１１０）は、アレルゲン不活性化剤を含む。

本発明の多層不織布（１００）における第１の外層（１１０）は、竹繊維物、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）繊維、又はスパンレース不織布を含むことができる。

スパンレース不織布は、流体複合不織布であることができる。特定の実施において、流体複合不織布は、化学ツール又は熱ツールなしに流体を高圧で吹き付けることによる繊維間の摩擦運動により組み合わされた３次元繊維アセンブリである。スパンレース不織布は、接着剤による接着点又は繊維間の融合点を含まない。したがって、織物のように見え、強化されたドレープ性により柔らかい。これは、優れた吸収性及び補足液の特性を有する。これは安全に使用できる溶媒であり、ヒトに無害である。通常、スパンレース不織布は、レーヨンを含む。しかしながら、本開示では、竹繊維、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）タイプの繊維、又は竹とＰＥＴとの組み合わせを含む繊維を使用する。

竹繊維は、細断された竹を溶解させて抽出されたセルロースを放射状に広げることにより製造することができる。竹繊維は、引き裂き強度、防皺性、吸収性、空気透過性、及び脱臭性が高い。更に、紫外線遮断、アニオン生成、静電気防止、及び耐久性の特性を有する。また、竹繊維は、優れた抗生作用を有するため、本発明において別個の抗生作用処理なしのスパンレース不織布を有する外層に使用することができる。

また、本産業で既知の一般的なＰＥＴタイプの繊維をポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）タイプの繊維に制限なく使用することができる。一例として、これは、テレフタル酸及びエチレングリコールを主成分として有し、その重量比を調整し、放射状に広がる、繊維を使用することができる。

スパンレース不織布の第１の外層（１１０）は、上述の竹繊維及びＰＥＴタイプの繊維を適切な比率で混合することにより作製することができる。混合比は、当業者により理解されるように、外層の外形維持及び抗生作用を考慮して一般的な範囲内で調整してよい。また、スパンレース不織布の外層（１１０）は、不織布の強度、処理、可撓性、空気透過性を考慮して、坪量２０〜６０ｇ／ｍ^２であり得る。

本発明の竹繊維及び／又はＰＥＴタイプの繊維を含むスパンレース不織布の第１の外層（１１０）は、抗アレルギー処理によりアレルゲン不活性化剤を含有する。

抗アレルギー処理とは、本発明の外層（１１０）をアレルゲン不活性化剤でコーティングする又はアレルゲン不活性化剤の溶液に浸漬する処理を意味する。アレルゲン不活性化剤のコーティング方法は、グラビア、スプレー、スクリーン印刷、又はその他の既知の処理であり得る。

アレルゲン不活性化剤は、アレルギーを起こすタンパク質物質を吸収及び変化させてアレルゲン活性を低減させる物質である。通常本産業において一般に知られている対象アレルゲンを低減させる又は不活性化する限り、制限なく使用することができる。アレルゲン不活性化剤の目的のアレルゲンは、動物アレルゲン又は植物アレルゲンであり得る。典型的な例としては、これはアレルギー疾患の原因、即ち一種のイエダニ、花粉及びペットである。本発明におけるアレルゲン不活性化剤は、理想的には、強化された洗浄性及び乳化特性のあるアニオン性界面活性剤であるべきである。アレルゲン不活性化剤の量は、具体的に制限はされていない。例えば、外層（１１０）のアレルゲン不活性化剤の重量は、２．０ｇ／ｍ^２以上であり得る。

抗アレルギー処理中、必要に応じて抗アレルギー効果を増大させることができる溶媒若しくは結合剤又は添加剤に加えることにより、アレルゲン不活性化剤を使用することができる。好適な溶媒は、アレルゲン不活性化剤を溶解又は分配することができるものである。例えば、好適な溶媒には、水、アルコール類（メチルアルコール、アルコール、プロピルアルコール）、一種の炭化水素（トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ケロシン、シクロヘキサン）、エーテル類（ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン）、ケトン類（アセトン、メチルエチルケトン）、及びアミド類（Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド）が挙げられるが、これらに限定されない。

更に、抗アレルギー効果を増大させることができる添加剤の非限定的な例は、有機酸、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、没食子酸、アルコン酸、マレイン酸；キレート化剤、例えばエチレンアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）四ナトリウム；又はこれらの組み合わせであり得る。アレルゲン不活性化剤は、保湿剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、又はダニ殺菌剤、その他の消毒剤、真菌除去剤、アレルゲンの低減効果及び有効性を低減させない範囲内の消臭剤などの医薬助剤と共に使用してもよい。

外層（１１０）は、抗菌処理されてもよい。別個の抗生作用層が更に含まれてもよい。上述の抗生作用処理の方法は、抗生作用物質がスプレーされ乾燥されるか、又は浸漬される方法であり得る。また、抗生作用物質は、耐熱性のある無機又は有機の殺菌剤、例えばＰＨＭＢであることができる。

本発明における前述のスパンレース不織布（１１０）の一方の側と融着している中間層（１２０）は、メルトブローン不織布からなることができる。

メルトブローン不織布は、直径が１０μｍ以下の細繊維が互いに組み合わされているウェブ様構造を有する３次元繊維アセンブリを含む。メルトブローン不織布は、マイクロファイバーがスクリーンに貼合されたフィルター機能の高い不織布である。これは、微細な塵粒子又は空中の粉塵を収集する。更に、メルトブローン不織布は、優れた弾性及び空気透過性、並びに引張特性を有する。したがって、これは新規の構成材に対して高い機能を有する不織布、フィルター剤、吸収剤、及び絶縁体として使用できる。

中間層（１２０）の繊維材料は、特に限定されていない。例えば、一種のポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド又はそれらと混合されたその他の繊維を使用することができる。

上述したように、メルトブローン不織布を有する中間層（１２０）は、フィルター又は濾過媒体の機能を有する。このフィルター機能を強めるために、中間層は、更にコロナ放電、プラズマ電荷、帯電した水泡を使った水電荷、又はこれらと混合した形態で静電気処理されてもよい。特定の状況においては、コロナ静電処理の方法が理想的である。

また、中間層（１２０）は、静電気処理された坪量２０〜４０ｇ／ｍ^２の不織布である。集塵効率が８０〜９９．９％の範囲の効率が望ましい。

前述の外層（１１０）及び中間層（１２０）と結合した本発明の内層（１３０）は、メルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布からなることができる。

本発明の内層（１３０）の繊維材料は、中間層（１２０）の材料と同じでもよいし異なっていてもよい。代表的な繊維材料は、繊維タイプのポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、又はそれらと混合されたその他の繊維であり得る。

前述の外層と同様に、坪量が２０〜６０ｇ／ｍ^２の不織布が内層（１３０）には典型的である。

本開示の多層不織布は、以下の方法で製造することができる。しかしながら、他の製造方法を使用できることを当業者は理解するであろう。

製造方法の１つの実施例は、（１）竹繊維、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）タイプの繊維、又はそれらを含むスパンレース不織布；メルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布を順番に積層及び融着させて、多層不織布を製造する工程、及び（２）製造された多層不織布のスパンレース不織布をアレルゲン不活性化剤でコーティングする工程を含み得る。

更に、製造方法の別の実施例は、（１）竹繊維、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）タイプの繊維、又はそれらを含むスパンレース不織布をアレルゲン不活性化剤でコーティングし、メルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布を順番に積層及び融着させて、多層不織布を製造する工程、及び（２）コーティングされたスパンレース不織布の片側にメルトブローン不織布及びメルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布を順番に積層及び融着させる工程を含み得る。

このコーティング工程は、グラビア又はスプレーコーティングで処理することができる。また、３層の不織布を、接着剤、熱結合剤、又は超音波結合剤などの様々な方法で結合させることができる。更に、本産業において既知の一般的な物理的方法で結合させてもよい。

前述したように、本発明は、竹繊維又はポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）タイプの繊維を含むスパンレース不織布；不織布をメルトブローンした不織布積層体；メルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布を順番に積層させて構築される。

多層不織布の強度は、このタイプの積層の外層にある竹繊維又はＰＥＴタイプの不織布により増大する。また、比較的小さい孔を有するメルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布の機能は、大きい孔の不織布を外層に配置し、小さい孔の不織布を内層に配置することにより長持ちさせることができる。更に、多層不織布は、比較的弱い不織布を最大外角で配置しないことによって、優れた耐久性を有することができる。

多層不織布は、本発明においてスパンレース不織布を表面層に配置し、メルトブローン不織布を中間層に配置することにより、高機能のフィルターとして機能することができる。これは、最大外角層に含まれるアレルゲン不活性化剤で病原体が内部に進入するのを防ぐことにより、抗アレルギー、抗ウイルス及び抗生作用の効果を提供することができる。

本発明において空気の透過速度に対する、３層を有する多層不織布の顔部分の吸気抵抗は、理想的には１０．３ｍｍＨ_２Ｏ（１０１．０Ｐａ）以下であるべきである。この範囲では、マスクとして使用できる。

３層積層の多層不織布は、本開示の一例である。多層不織布における不織布の、使用に応じた数及び積層位置は、本開示の範囲内で自由に選択することができる。

本開示の多層不織布は、様々な抗アレルギー性製品に使用することができる。

この抗アレルギー性製品の非限定的例は、マスク、フィルター、空気清浄器、及び空調装置、及びガスマスクであり得る。例えば、図２は、本発明の多層不織布を有するマスク本体（２１０）及び耳掛け輪（２２０）を有するマスクを示す。抗アレルギー処理された外層は、理想的には、マスク本体（２１０）の、顔に接する層に面して配置されるべきである。

本発明は、以下の実施例で詳述される。本発明は、以下の実施例及び実験例に限定されない。

（実施例１）
竹繊維でできた織物でスパンレース不織布を作り出した。スパンレース不織布上に、有効成分としてのヘキサデシルジフェニルオキシド二スルホン酸二ナトリウム化学物質２０重量％、クエン酸２重量％、ポリヘキサメチレンビグアニド２重量％、及び水７６重量％を有するアレルゲン不活性化剤を４０ｇ／ｍ^２重量で、グラビアコーティングした。乾燥させたて、抗アレルギー処理が付与された。メルトブローン不織布及びメルトブローンスパンレース不織布をこの抗アレルギー性スパンレース不織布の片側に順番に積層した。超音波融着を行い、３層の不織布を作り出した。中間層として使用されるメルトブローン不織布は、Ｇ１００等級のコロナ処理された不織布であった。

その作り出された多層不織布でマスク本体は作製した。耳掛け輪を、マスク本体の片側に設置した。耳掛け輪は、綿糸で作製した。それらは融着させ、マスク本体の一方の側に取り付けた（図２）。

（実施例２）
実施例１からのマスク本体の外層に抗生作用処理をした。ＰＨＭＢを殺菌剤として使用した。

比較例１
抗アレルギー処理されていない単層のポリエステル不織布でマスク本体を作り出した。これに耳掛け輪を取り付け、マスクを作製した。

抗アレルギー性評価試験
ＥＬＩＳＡ、即ち酵素ＬＩＳＡ方法を使って、本発明のアレルゲンに対する不活性化機能を測定した。本方法は、抗原抗体反応によって起こる色の変化を調べて、アレルゲン濃度を測定する。

製造方法、並びに本開示の実施例に使用されるサンプル及び反応試薬の試験結果を測定する方法は、以下に示すとおりである。試験は、各実施例及び比較例における様々な、具体的な有効成分、アレルゲンのタイプ、有効成分の被覆量で行われた。

１．反応試薬の作製
使用されたアレルゲン
イエダニ：Ｄｅｒｐ１、Ｄｅｒｆ１、Ｄｅｒｐ２、Ｄｅｒｆ２
花粉：Ｂｅｔｖ１（樺の木）
ペット：Ｃａｎｆ１（ペットの鱗屑）

各抗原のＥＬＩＳＡ試験キットにＩｎｂｉｏＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎの製品を使用した。各抗原をＰＢＳに溶解させた。試験アレルゲン溶液２５０ｎｇ／ｍ１を作り出した。試薬作製の他の方法は、ＥＬＩＳＡキットの供給元の使用説明書に従った。

２．サンプル及び各抗原の反応
各サンプルを５×５ｍｍに切った。それを抗原溶液（２５０ｎｇ／ｍＬ）３００μＬに入れ、２５℃で１時間そのままにしておいた。１時間後、抗体としてのこの溶液（等価液）１００μＬをふたのある９６ウェルマイクロプレートに入れた。マイクロプレートリーダーで４０５ｎｍの光学密度が測定された。各サンプルでアレルゲン濃度を測定した。

３．試験結果の測定
４０５ｎｍのマイクロプレートリーダーを使用してサンプルと一緒の反応溶液中における各抗原の濃度を測定して、アレルゲンの不活性化効率を計算した。
効率（％）（即ち、アレルゲン不活性化率（％））＝（２５０−各サンプルの測定濃度）／２５０

実施例１及び比較例１
４つのタイプのイエダニ（Ｄｅｒｐ１、Ｄｅｒｆ１、Ｄｅｒｐ２、Ｄｅｒｆ２）、花粉（Ｂｅｔｖ１）及びペット（Ｃａｎｆ１）のアレルゲンを各試験アレルゲンとして使用した。花粉（Ｂｅｔｖ１）及びペット（Ｃａｎｆ１）のアレルゲンのタンパク質濃度は、２５０ｎｇ／ｍＬであった。各サンプル中の総有効成分の被覆量を１ｇ／ｍ^２にした後、ヘキサデシルジフェニルオキシド二スルホン酸二ナトリウムを有効成分として有するアレルゲン不活性化剤の各除去効率を測定した。結果を以下の表１に示す。

Ｄｅｒｐ１、Ｄｅｒｆ１、Ｄｅｒｐ２、Ｄｅｒｆ２、Ｂｅｔｖ１、Ｃａｎｆ１に本開示のアレルゲン不活性化剤が使用されると、アレルゲン不活性化効率は、表２及び図３を参照してわかるように、未処理のサンプルよりもはるかに優れていた。

本明細書中に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示内容を、恰もそれぞれが個々に組み込まれたのと同様に、それらの全体を組み込むものである。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な改変及び変更が当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書に記載される例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではない点、また、こうした実施例及び実施形態はあくまで例示を目的として示されるにすぎないのであって、本発明の範囲は本明細書において以下に記載する「特許請求の範囲」によってのみ限定されるものである点は理解すべきである。

Claims

竹繊維及びポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）系繊維のうちの少なくとも１つを含むスパンレース不織布で形成された外層と、
メルトブローン不織布で形成された中間層と、
メルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布で形成された内層と、を含み、
前記外層が、アレルゲン不活性化剤を含む、多層不織布。
前記アレルゲン不活性化剤がアニオン性界面活性剤である、請求項１に記載の多層不織布。
前記外層が抗菌剤を更に含む、請求項１に記載の多層不織布。
前記中間層がコロナ静電処理を施されている、請求項１に記載の多層不織布。
前記中間層及び前記内層の不織布のそれぞれが、ポリプロピレン系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、及びポリアミド系繊維からなる群から選択される少なくとも１つの繊維を含む、請求項１に記載の多層不織布。
前記外層及び前記内層を構成する前記不織布のそれぞれが、２０〜６０ｇ／ｍ^２の範囲の単位面積当たりの重量を有し、
前記中間層を構成する前記不織布が、２０〜４０ｇ／ｍ^２の範囲の単位面積当たりの重量及び８０〜９９．９％の範囲の集塵効率を有する、請求項１に記載の多層不織布。
請求項１〜６のいずれか一項に記載の多層不織布を含む、抗アレルギー性製品。
マスク、フィルター、ガスマスク、空気清浄器、及び空調装置からなる群から選択される、請求項７に記載の抗アレルギー性製品。
請求項１に記載の多層不織布の製造方法であって、
（ｉ）（ａ）竹繊維及びポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）系繊維のうちの少なくとも１つを含むスパンレース不織布、（ｂ）メルトブローン不織布、並びに（ｃ）メルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布を順に積み重ねて、多層不織布を得ることと、
（ｉｉ）前記多層不織布の前記スパンレース不織布の表面をアレルゲン不活性化剤でコーティングすることと、を含む、方法。
請求項１に記載の多層不織布の製造方法であって、
（ｉ）竹繊維及びポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）系繊維のうちの少なくとも１つを含むスパンレース不織布をアレルゲン不活性化剤でコーティングすることと、
（ｉｉ）（ａ）メルトブローン不織布、及び（ｂ）メルトブローン不織布又はメルトブローンスパンレース不織布を、前記スパンレース不織布の表面に順に積み重ね、次いで積層及び接着させることと、を含む、方法。
前記コーティングが、グラビアコーティングすること又はスプレーコーティングすることを含む、請求項９又は１０に記載の方法。