JP2014518197A - アリピプラゾール無水物b形結晶微粒子の製造方法 - Google Patents

アリピプラゾール無水物b形結晶微粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の新規な製造方法を提供する。
【解決手段】アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の製造方法であって、(a)粗製のアリピプラゾールを低級アルコールに加熱溶解した後、冷却し結晶を析出させてアリピプラゾールの低級アルコール和物結晶を得る工程、(b)アリピプラゾールの低級アルコール和物結晶を、低級アルコールを含むスラリーの状態で湿式粉砕する工程、及び(c)湿式粉砕後の結晶の分散液を固液分離して結晶を取得し、その結晶を加熱する工程、を含む製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の新規な製造方法に関する。
アリピプラゾール、即ち7−{4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル]ブトキシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリル又は7−{4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル]ブトキシ}−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノンは、統合失調症等の治療に有用な抗精神病薬である(特許文献1及び特許文献2)。
アリピプラゾールには種々の形態が存在し、一水和物形態(アリピプラゾール水和物A)ならびに多数の無水物形態、即ち無水物B形結晶、無水物C形結晶、無水物D形結晶、無水物E形結晶、無水物F形結晶及び無水物G形結晶の形態で存在することが知られている。
アリピプラゾールは微粒子状の無水物B形結晶の形態で医薬品として用いることができる。
アリピプラゾール無水物B形結晶を小さな粒子径(50μm未満)で用いる場合には、粒子径の大きな無水物B形結晶を粉砕することが必要となる。しかし、無水物B形結晶を直接粉砕する場合には、粉砕された薬物が粉砕機内で互いに付着し合うという問題があり、そのため粒子径の小さなアリピプラゾール無水物B形結晶を工業的に製造することが困難であった(特許文献3の段落0249を参照)。
この問題を解決すべく、粗製アリピプラゾールを含水エタノール(含水量20容量%)により結晶化させて一旦粉砕が容易なアリピプラゾールの水和物A形結晶を調製し、この水和物A形結晶を小さな粒子径(20〜25μm)になるまで乾式粉砕(小型アトマイザーを使用)した後、90〜125℃で加熱することにより粒子径の小さなアリピプラゾール無水物B形結晶を調製できることが見出されている(特許文献3の段落0250〜0251、参考例1〜2、及び実施例1〜4を参照)。
しかし、このアリピプラゾール無水物B形結晶の製造方法では、アリピプラゾールの水和物A形結晶を一旦取得し、これを乾式粉砕した後、さらに加熱処理するという多段階の工程を必要とするため、コスト及び労力の観点から更なる工程短縮が望まれていた。
ところで、特許文献4には、アリピプラゾールのアルコール和物(メタノール和物及びエタノール和物)の結晶形態が記載され、当該アルコール和物結晶から無溶媒(solvent-free)アリピプラゾールB形結晶を調製できることが記載されている。しかしながら、特許文献4には、医薬品として望まれる形態である微粒子(平均粒子径50μm未満)のアリピプラゾール無水物B形結晶を調製することについては一切教示がない。
むしろ、特許文献4のp6の1〜7行には、アリピプラゾールのヘミエタノール和物は粉砕(milling)に対し不安定であり、ミリングで得られた生成物は公知の無溶媒(solvent-free)アリピプラゾールのいずれの形態でもなく、B形、E形又は新たな形態の混合物である可能性が示されている。つまり、特許文献4には、アリピプラゾールのヘミエタノール和物を粉砕(milling)して微粒子化することで不純物を含有してしまうこと、結果として純度の高いアリピプラゾール無溶媒B形結晶の微粒子を得ることができないことが示唆されている。
このような状況下、依然として、微粒子状の高純度アリピプラゾール無水物B形結晶を、工業的スケールで短工程かつ効率的に調製する方法が強く望まれていた。
米国特許第4,734,416号明細書 米国特許第5,006,528号明細書 特開2003−212852号公報 WO 2006/053780号パンフレット
本発明は、アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の新規な製造方法を提供することを目的とする。具体的には、高純度アリピプラゾール無水物B形結晶の微粒子を、短工程かつ効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、粗製アリピプラゾールをエタノール中で再結晶し、析出したアリピプラゾールのヘミエタノール和物(1/2エタノール和物)をその再結晶溶媒中で湿式粉砕して微粒子(15〜20μm)のアリピプラゾールのヘミエタノール和物結晶を得て、その結晶を加熱(乾燥)することにより、簡便かつ効率的に高純度アリピプラゾール無水物B形結晶の微粒子を製造できることを見出した。かかる知見に基づきさらに検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
本発明は以下に示すアリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の製造方法を提供する。
項1.アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の製造方法であって、
(a)粗製のアリピプラゾールを低級アルコールに加熱溶解した後、冷却し結晶を析出させてアリピプラゾールの低級アルコール和物結晶を得る工程、
(b)アリピプラゾールの低級アルコール和物結晶を、低級アルコールを含むスラリーの状態で湿式粉砕する工程、及び
(c)湿式粉砕後の結晶の分散液を固液分離して結晶を取得し、その結晶を加熱する工程、
を含む製造方法。
項2.得られるアリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の体積平均粒子径が50μm未満(好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは15〜25μm、特に好ましくは15〜20μm)である項1に記載の製造方法。
項3.低級アルコールがメタノール又はエタノールである項1又は2に記載の製造方法。
項4.低級アルコールがエタノールである項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
項5.低級アルコールが実質的に水を含有していない項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
項6.低級アルコール中の水の含有量が10容量%未満(好ましくは5容量%未満、より好ましくは3容量%未満、さらに好ましくは2容量%未満、特に好ましくは1容量%未満)である項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
項7.工程(b)における湿式粉砕後の結晶の体積平均粒子径が50μm未満(好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは15〜25μm、特に好ましくは15〜20μm)である項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
項8.工程(b)における湿式粉砕後の結晶の体積平均粒子径が15〜20μmである項7に記載の製造方法。
項9.工程(c)における加熱温度が、低級アルコールの沸点付近から125℃程度の範囲である項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
項10.低級アルコールがエタノールであり、工程(c)における加熱温度が、78℃〜125℃程度の範囲である項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
項11.アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の製造方法であって、
(b)アリピプラゾールの低級アルコール和物結晶を、低級アルコールを含むスラリーの状態で湿式粉砕する工程、及び
(c)湿式粉砕後の結晶の分散液を固液分離して結晶を取得し、その結晶を加熱する工程、
を含む製造方法。
本発明の製造方法によれば、高純度のアリピプラゾール無水物B形結晶微粒子を簡便且つ効率的に製造することができる。特に、医薬品形態として望ましい微粒子状の高純度アリピプラゾール無水物B形結晶を短工程かつ効率的に製造できるため、工業的スケールの製造方法として極めて有用である。
以下、本発明を具体的に説明する。
1.アリピプラゾール無水物B形結晶
本発明の対象とするアリピプラゾール無水物B形結晶は、下記(1)〜(5)に示す理化学的性質を有する。
(1)H−NMRスペクトル(DMSO−d、TMS)δ:1.55〜1.63ppm(m,2H)、1.68〜1.78ppm(m,2H)、2.35〜2.46ppm(m,4H)、2.48〜2.56ppm(m,4H+DMSO)、2.78ppm(t,J=7.4Hz,2H)、2.97ppm(brt,J=4.6Hz,4H)、3.92ppm(t,J=6.3Hz,2H)、6.43ppm(d,J=2.4Hz,1H)、6.49ppm(dd,J=8.4Hz,J=2.4Hz,1H)、7.04ppm(d,J=8.1Hz,1H)、7.11〜7.17ppm(m,1H)、7.28〜7.32ppm(m,2H)、及び10.00ppm(s,1H)において特徴的なピークを有している。上記H−NMRスペクトルと実質的に同じH−NMRスペクトルを有するものも包含する。
(2)粉末X線回析スペクトル、2θ=11.0°、16.6°、19.3°、20.3°及び22.1°において特徴的なピークを有している。上記粉末X線回析スペクトルと実質的に同じ粉末X線回折スペクトルを有するものも包含する。
(3)IR(KBr)スペクトルにおいて、2945、2812、1678、1627、1448,1377、1173,960及び779cm−1に顕著な赤外線吸収バンドを有する。上記IR(KBr)スペクトルと実質的に同じIRスペクトルを有するものも包含する。
(4)熱重量測定/示差熱分析(昇温速度5℃/分)で約141.5℃付近に吸熱ピークを示す。
(5)示差走査熱量分析(昇温速度5℃/分)で約140.7℃付近に吸熱ピークを示す。
アリピプラゾール無水物B形結晶は低吸湿性であり、例えば、温度60℃、湿度100%に設定されたデシケーター内で24時間後、水分含有量0.4%以下、さらに0.1以下を維持する。水分含有量の測定方法としては、結晶の水分測定に慣用されている方法であれば公知の水分測定方法が使用可能である。例えば、カールフィッシャー法等を適用できる。
2.アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の製造方法
アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子は、例えば次のようにして製造することができる。
本発明の製造方法で用いられる粗製のアリピプラゾールは、例えば、特許文献3の参考例1に記載される方法に従い又は準じて調製することができる。
(a)アリピプラゾールの低級アルコール和物結晶の製造
得られた粗製アリピプラゾールを低級アルコールにより再結晶させてアリピプラゾールの低級アルコール和物の結晶を取得する。具体的には、粗製アリピプラゾールを低級アルコールに加熱溶解した後、冷却し結晶を析出させてアリピプラゾールの低級アルコール和物の結晶を取得する。加熱温度は、通常50℃〜低級アルコールの沸点付近であり、特に低級アルコールを還流させて溶解することが好ましい。冷却温度は、通常0℃〜20℃程度、特に5〜15℃程度が好ましい。
低級アルコールとしては、メタノール又はエタノールが挙げられ、投与後の生体への安全性を考慮するとエタノールが好ましい。
本工程では、アリピプラゾールの水和物の生成を抑制するために、低級アルコールは実質的に水を含まない低級アルコールであることが好ましい。ここで、実質的に水を含まないとは、水の含有量が10容量%未満、好ましくは5容量%未満、より好ましくは3容量%未満、さらに好ましくは2容量%未満、特に好ましくは1容量%未満であることを意味する。換言すれば、低級アルコールの含有量が90容量%以上、好ましくは95容量%以上、より好ましくは97容量%以上、さらに好ましくは98容量%以上、特に好ましくは99容量%以上であることを意味する。
低級アルコールとしてメタノールを用いて再結晶した場合には、通常、アリピプラゾールのモノメタノール和物が調製され、エタノールを用いて再結晶した場合には、通常、アリピプラゾールのヘミエタノール和物(1/2エタノール和物)が調製される。
(b)湿式粉砕
得られたアリピプラゾールの低級アルコール和物を、低級アルコールを含むスラリーの状態で湿式粉砕(wet-milling)する。再結晶後の低級アルコール中にアリピプラゾールの低級アルコール和物結晶が分散したスラリーをそのまま湿式粉砕することができ、或いは必要に応じ低級アルコールを加えたり減じたりして湿式粉砕することもできる。
この湿式粉砕によれば、再結晶後のスラリーからアリピプラゾールの低級アルコール和物の結晶を分離することなく低級アルコール中で粉砕するため、工程が簡便になるばかりか、高い純度を維持したままでアリピプラゾールの低級アルコール和物結晶を微粒子化できるという利点がある。
湿式粉砕により、アリピプラゾールの低級アルコール和物の結晶は微粒子化され、粉砕後の体積平均粒子径は50μm未満、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは15〜25μm、特に好ましくは15〜20μmとなる。
用いる湿式粉砕機は特に限定はなく、例えば、コロイドミル、コーンミル、ウルトラタラックス(IKAジャパン社製)、TKオートホモミクサー(プライミクス社製)、TKパイプラインホモミクサー(プライミクス社製)、TKフィルミックス(プライミクス社製)、TKロボミックス(プライミクス(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、クレアSS5(エム・テクニック社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)のようなローターステター型攪拌機、ビスコミル(アイメックス製)、アペックスミル(寿工業社製)、スターミル(アシザワ、ファインテック社製)、DCPスーパーフロー(日本アイリッヒ社製)、エムピーミル(井上製作所社製)、スパイクミル(井上製作所社製)、マイティーミル(井上製作所社製)、SCミル(三井鉱山社製)などのメディア攪拌機、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
典型例として、エム・テクニック(株)製のクレアミックスWモーション等を用いて、回転数はローター15,000〜22,000rpm、スクリーン15,000〜20,000rpmで10〜40分間循環粉砕することができる。
湿式粉砕時の温度は、通常5〜60℃程度、好ましくは15〜25℃であり、粉砕時に発熱を生じる場合には、適宜冷媒(例えば氷水)等を用いてスラリーの温度が上記範囲内になるように冷却することができる。
体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分析計を用いて測定される。例えば、(株)セイシン企業製のLMS−2000e、(株)島津製作所製のSALD−2200等が挙げられる。
(c)結晶の加熱処理
湿式粉砕後の結晶の分散液(循環液又はスラリー)を固液分離して結晶を取得し、その結晶を加熱して、アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子を得る。固液分離の方法は、例えば、濾過等の通常の分離手段を用いることができる。加熱処理(乾燥)の温度は、低級アルコール(メタノール又はエタノール)の沸点付近から125℃程度の範囲から選択できる。典型的には、低級アルコールとしてエタノールを用いた場合には、通常78℃〜125℃程度、好ましくは79℃〜120℃である。加熱時間は、通常10〜50時間程度である。
従来のアリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の製造方法(特許文献3)では、一旦粉砕されたアリピプラゾール水和物A形結晶を90℃〜125℃と比較的高い温度で加熱処理して、アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子を製造していたが、本発明の方法を採用すれば、水より低沸点の低級アルコールを含むアリピプラゾールの低級アルコール和物を用いるため比較的穏和な加熱温度に設定できる。例えば、アリピプラゾールのヘミエタノール和物を加熱する場合には、通常78〜85℃、さらに79〜82℃、特に80℃付近の加熱温度を採用できる。
加熱処理(乾燥)後の微粒子は、アリピプラゾール無水物B形結晶の微粒子であり、その体積平均粒子径は湿式粉砕後のアリピプラゾールの低級アルコール和物の微粒子の体積平均粒子径と同等であり、50μm未満、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは15〜25μm、特に好ましくは15〜20μmである。
加熱処理(乾燥)後の結晶微粒子は、アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子である。これは、前述した(1)〜(5)に示す理化学的性質を有すると共に、湿度100%、温度60℃に調整したデシケーター中に24時間放置した後の水分含有量が0.4%以下、さらに0.2%以下、特に0.1%以下のように吸湿性が低いという特性を有している。
3.医薬組成物
本発明の方法で製造されたアリピプラゾール無水物B形結晶微粒子は、薬剤学的に許容し得る担体とともに医薬組成物に調製される。
薬剤学的に許容し得る担体としては、医薬製剤に通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤、賦形剤等が挙げられる。
本発明の医薬組成物の製剤形態は、一般的な医薬製剤の形態でよく、例えば錠剤、フラッシュメルト錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が挙げられる。
具体的には、特許文献3に記載されるアリピプラゾール無水物B形結晶微粒子を含む医薬組成物を調製することができる。
次に、参考例及び実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
参考例1
炭酸カリウム8.39gを水140mlに溶解し、この中に7−(4−クロロブトキシ)−3,4−ジヒドロカルボスチリル19.4g及び1−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン・1塩酸塩16.2gを加え、撹拌下に約3時間還流した。反応後、冷却し、析出した結晶を濾取した。この結晶を酢酸エチル350mlに溶解し、還流下に約210mlの水/酢酸エチル共沸物を留去した。残った溶液を冷却し、析出晶を濾取した。得られた結晶を60℃で14時間乾燥して、粗製アリピプラゾール20.4g(収率74.2%)を得た。
実施例1
参考例1と同様の方法で得られた粗製アリピプラゾール50gを無水エタノール(99.5%濃度)1000ml(20倍量)で加熱攪拌して溶解させた。溶解後10℃まで冷却し結晶を析出させた。得られたヘミエタノール和物(体積平均粒子径100μm〜200μm)を含むスラリー液を湿式粉砕した。湿式粉砕機はエム・テクニック(株)製のクレアミックスWモーションを用いた。回転数はローター19,800rpm、スクリーン17,800rpmとし、30分間循環粉砕した。5分で結晶の体積平均粒子径は15μm〜20μmに達していた。その後循環液(結晶の分散液)を固液分離し、得られた結晶を80℃で40時間加熱乾燥して、アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子を得た。収量40g(収率90%)であった。結晶の体積平均粒子径は15〜20μmであった。
上記で得られたアリピプラゾール無水物B形結晶微粒子は、湿度100%、温度60℃に調整したデシケーター中に24時間放置しても、0.4%以上の吸湿性を示すことはなかった(表1参照)。
Figure 2014518197
これより、上記の方法を用いて、短工程でより温和な条件で所望の高純度アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子を得ることができた。
実施例2
前記参考例1と同様の方法で得られた粗製アリピプラゾール50gを無水エタノール(99.5%濃度)1000ml(20倍量)中で加熱攪拌して溶解させ、溶解後10℃まで冷却し結晶を析出させた。得られたヘミエタノール和物(体積平均粒子径100μm〜200μm)を含むスラリー液を、湿式粉砕機(エム・テクニック(株)製のクレアミックスシングルモーション)を用いて湿式粉砕した。回転数はローター19,800rpmで30分間循環粉砕した。30分で結晶の体積平均粒子径は15μm〜20μmに達していた。その後循環液(結晶の分散液)を固液分離し、得られた結晶を80℃で40時間乾燥して、アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子を得た。収量40g(収率90%)であった。結晶の体積平均粒子径は15〜20μmであった。
得られた結晶の水分含有量は0.01%であった。その結晶を湿度100%、温度60℃に調整したデシケーター中に24時間放置した後の水分含有量は0.01%以下であった。
実施例3
コルベン内で、粗製アリピプラゾール7gをメタノール560ml(80倍量)中で加熱攪拌した。溶解するまでメタノールを追加し、最終700ml(100倍量)で溶解したことを確認した。その後、10℃まで冷却し結晶を析出させた。得られたモノメタノール和物を含むスラリー液をビーカーに移し、ホモジナイザーで湿式粉砕した。ホモジナイザーは、プライミクス(株)製のTKロボミックスを使用した。回転数はローター12,000rpmで1時間粉砕した。その際、発熱がある為ビーカー外部は氷水で冷却した。粉砕後の結晶の体積平均粒子径は15μm〜26μmに達していた。得られたスラリー液(結晶の分散液)を固液分離し、結晶を80℃で40時間乾燥して、アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子を得た。収量6.11g(収率87.3%)であった。結晶の体積平均粒子径は15μm〜22μmであった。
得られた結晶の水分含有量は0.08%であった。その結晶を湿度100%、温度60℃に調整したデシケーター中に24時間放置した後の水分含有量は0.17%であった。
本明細書に記載される文献は参照として援用される。

Claims (10)

  1. アリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の製造方法であって、
    (a)粗製のアリピプラゾールを低級アルコールに加熱溶解した後、冷却し結晶を析出させてアリピプラゾールの低級アルコール和物結晶を得る工程、
    (b)アリピプラゾールの低級アルコール和物結晶を、低級アルコールを含むスラリーの状態で湿式粉砕する工程、及び
    (c)湿式粉砕後の結晶の分散液を固液分離して結晶を取得し、その結晶を加熱する工程、
    を含む製造方法。
  2. 得られるアリピプラゾール無水物B形結晶微粒子の体積平均粒子径が50μm未満である請求項1に記載の製造方法。
  3. 低級アルコールがメタノール又はエタノールである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 低級アルコールがエタノールである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 低級アルコールが実質的に水を含有していない請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 低級アルコール中の水の含有量が10容量%未満である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 工程(b)における湿式粉砕後の結晶の体積平均粒子径が50μm未満である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 工程(b)における湿式粉砕後の結晶の体積平均粒子径が15〜20μmである請求項7に記載の製造方法。
  9. 工程(c)における加熱温度が、低級アルコールの沸点付近から125℃程度の範囲である請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 低級アルコールがエタノールであり、工程(c)における加熱温度が、78℃〜125℃程度の範囲である請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
JP2013555685A 2011-06-29 2012-06-29 アリピプラゾール無水物b形結晶微粒子の製造方法 Withdrawn JP2014518197A (ja)

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