JP2014509722A - フランジ付き青銅ブシュ - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1つの滑り軸受(1)と、フランジの形式の少なくとも1つのアキシアル軸受(2)とが設けられており、滑り軸受(1)は、側部領域(6)に配置された少なくとも第1の凹所(4)及び第2の凹所(4’)とを有し、アキシアル軸受は、第1の位置(12)に配置された少なくとも1つの変形可能な突出部(3)と、隣接する空間(5)と、応力緩和領域(7)と、剛性の突出部(8)と、協働する面(10)とを有する。アキシアル軸受(2)は、第1の凹所(4)との、変形可能な突出部(3)の協働面(10)の係合により滑り軸受(1)と一体化されることができ、変形可能な突出部(3)は、固定された凹所(4’)との、剛性の突出部(8)の同時係合により、第1の位置(11)に対する塑性変形(AX)を生じる。

Description

本発明は、塑性変形を受ける固定手段によってアキシアル軸受に結合された滑り軸受が設けられた、内燃機関において使用されるフランジ付き青銅ブシュに関する。
従来技術の説明
ギヤを変更する間クラッチをつなぐためのより大きな力の使用、その結果として内部アキシアル軸受に対するより大きな反応につながる、より高い燃焼圧力により、ディーゼルエンジン及びオットーエンジンは、クランクシャフトディスクの表面に対するアキシアル荷重を増大させなければならない。その結果、フランジを使用する滑り軸受へのアキシアル反応は、荷重の増大をも受け、これは、製品が開発された特性でないならば、製品寿命を短縮する。
滑り軸受及びアキシアル軸受に様々な異なる材料を取り付ける可能性は、その適用を促進し、アセンブリの有効寿命を延ばす。この形式の製品の使用は、エンジンを製造する企業の信念によって影響される。エンジンを製造する企業は、スラスト座金、純粋にアキシアル軸受を選択することができる。アキシアル軸受は、一体的な部材から成る、剛性のフランジを備えた青銅ブシュによって、及びさらに、取り付けられたフランジを備える青銅ブシュであって、フランジは青銅ブシュ又はフレキシブルな木製ブシュに固定されている青銅ブシュによって、滑り軸受から完全に分離されている。この場合、変形、拡大及び取付け、並びに内燃機関の典型的な振動を適応させるという利点が得られる。
他に、青銅ブシュへの残りのワッシャの固定を保証するために、フレキシブルで、かつ剛性のリンクから自由に保ち、機械の特性である歪み及び振動に対応することを可能にしながら、それを3つの方向で制限する必要がある。第1の制限、すなわち回転の制限は、クランクシャフトの残りのディスクとアキシアル軸受の滑り面との間の摩擦、すなわち摩擦トルクによって生ぜしめられる応力を支持する。第2の制限、すなわち半径方向の制限は、フランジが、完全に解離して、駆動軸上に落下することを防止する。第3の制限は、軸方向であり、駆動軸の振動応力を支持する。全てのこれらの制限は、フランジが、機械の組立てまでは輸送中に、又はその有効寿命の間に、解離しないことを保証すべきである。
溶接、接着、圧潰及び弾性固定などの様々な固定形式が提案された。マイナーなジオメトリ及び不十分なプロセスから生じる高い製造コストにより、それらの固定形式は、製造のために禁止になった。青銅ブシュのジオメトリを介した永久変形による組立てプロセスは、特別な取付け装置を必要とせず、協働するジオメトリを備えたハウジングにおいて固定エレメントをそれ自体が変形させる軸方向取付力のみを必要とし、これは、コスト削減を伴う製造プロセスを促進する。
引用することができる従来技術の幾つかの例は、以後に引用される特許文献に説明されている。
米国特許第4076342号明細書は、フランジであって、その内径において、鋼側において、青銅軸受の後側におけるチャネルに収容される、より薄い部分を有し、軸方向での保持を保証する、フランジに関する。固定装置は、フランジ端部に配置された2つの突出部、及び青銅軸受に形成された2つの凹所をも有する。半径方向取付けにより、青銅軸受は、変形し、端部における凹所がフランジ突出部を収容することを可能にし、これにより、チャネル内に薄いフランジ部分が嵌合する。
米国特許第4533261号明細書は、青銅ブシュに対して半径方向でのフランジ取付けに関し、取付けプロセスは、フランジの剛性との青銅ブシュの剛性の相互作用である。フランジは、凸状のプリズムが設けられた、端部の近くの2つの離間した突出部を有し、前記プリズムは、青銅ブシュにおけるフックの形式の凹所の協働下で、部材を固定するための役割を担う。取付けが、弾性相において2つのエレメント、すなわち青銅ブシュ及びフランジとともに働く、クリック形式であるならば、フランジ突出部を青銅ブシュにおける凹所へ正確に押し付けるので、フランジ及び青銅ブシュは降伏し、突出部が凹所に嵌合することを可能にする。
英国特許第2210113号明細書は、1つのソリューションに関し、このソリューションでは、フランジは半径方向で青銅ブシュに取り付けられ、嵌合するための第1の突出部が中央の突出部であり、青銅ブシュの弾性変形によって、フランジ端部における他の箇所が、青銅ブシュをスタンピングする時点で形成された、面取りされた又は切り欠かれた、鳩尾状であってよい、その端部における協働する凹所に嵌合する。
英国特許第2225392号明細書は、中央に配置され、軸方向で取り付けられ、かつ青銅ブシュの側部におけるパンチの作用によって塑性形式でロックされる1つのフランジ固定用突出部のみを有するソリューションに関する。突出部は、スタンピングの時点で形成された側部面取り部を有し、この側部面取り部は、青銅ブシュの側部における、突出部の近くの、パンチを通じて、青銅ブシュの塑性変形させられた材料を収容するための支持体として働く。
英国特許第2225393号明細書は、英国特許第2225392号明細書と同様のソリューションに関するが、クランクシャフトのすみ肉半径を形成しながら、機械加工される材料を最小限にするために、平面から突出した2つ以上の突出部を備える。
英国特許第2241752号明細書は、1つのソリューションに関し、このソリューションでは、フランジが、ブシュの凹所内へ変形させられる突出部を有し、突出部は、ひいては、外部作用を受け、ブシュ領域におけるフランジ突出部の側において材料を開放させ、これによりそれらを固定する。
米国特許第5114246号明細書は、フランジが青銅ブシュに軸方向に取り付けられるソリューションに関する。スラストワッシャは、青銅ブシュにおける突出部と凹所との間の協働によって青銅ブシュに取り付けられる。凹所内への突出部の挿入後、それらは、フランジを固定するために圧潰される。
欧州特許第0515657号明細書は、1つのソリューションに関し、このソリューションでは、青銅ブシュへのフランジの固定が、固定用突出部のうちの1つの塑性変形によって行われ、固定用突出部は、クランクシャフト半径の逃げ凹所の領域の中央において青銅ブシュの側に配置されたスロットを通過し、凹所に曝されたままの突出部の部分が圧壊され、これは、フランジが半径方向に解離することを防止する。この設計は、クランクシャフト半径に大きなリスクを与え、ひいては、アセンブリを損傷する。フランジの回転運動の防止は、開放していることができるか又はスロットの形式であることができる青銅ブシュにおける凹所に固定された、変形不能な剛性の突出部によって達成される。
独国特許第第4041557号明細書は、青銅ブシュの弾性変形による半径方向取付けのソリューションに関し、これにより、青銅ブシュにおける凹所と係合するフック状凹所の導入を可能にする。
特許文献PI0703980−8号明細書は、相対移動を可能にする、青銅ブシュの側における、指定された弾性固定爪の、内径の延長部である、滑り軸受における対応する協働するジオメトリ凹所を有する、取り付けられ、嵌合させられ又は取り付けられることができるラジアル軸受の弾性変形による半径方向取付けを備えたソリューションを示す。
よりよく理解するために、引用された特許文献は、それらの取付け特性又は固定の形式に従って、以下に列挙されている。
表1−フランジを取り付けるための技術的ソリューション
Figure 2014509722
上記で説明したように、フランジ取付けのためのソリューションの多数の概念が存在し、そのうちの多くは、固定を保証するためのある角度のごく一部又は同じ機能のための最も低い10分の数ミリメートルに依存する、微妙なものを備える。
示されたほとんどの文献において、示されたロッキングエレメントは、アセンブリの寿命を減じる。なぜならば、ロッキングエレメントは、薄く、壊れることがあるからである。又は、ロッキングエレメントは、エレメントの大きな柔軟性により、製造さえされないことがある。溶接及び接着などのその他のソリューションも固定のために使用されたが、このようなソリューションは、システムを極めて剛性にし、青銅ブシュに関するフランジの柔軟性の利点を失わせる。
しかしながら、見られるように、今や、アキシアル軸受及び滑り軸受から成る青銅ブシュを有するソリューションがあり、その場合、アキシアル軸受は、フランジ固定エレメントの一体性を損なうことなく、塑性変形によって滑り軸受と係合する。なぜならば、固定エレメントの塑性変形は、現在の製造プロセスにおいて可能なジオメトリ及び寸法の範囲内で行われるからである。
発明の課題
従って、本発明の課題は、滑り軸受を有するフランジ付き青銅ブシュを提供することであり、青銅ブシュは、取り付けることができる、嵌合させることができる若しくはマウントすることができるフランジの形式の少なくとも1つのアキシアル軸受を取り付けることを可能にする青銅ブシュ又はブシュであってよく、ここでは変形可能な突出部と称されかつ内径の延長部であり、滑り軸受における対応する協働するジオメトリの凹所を有する、互いに関するプラスチック固定爪の相対移動を可能にする。
本発明の別の課題は、アキシアル軸受と滑り軸受との間で異なる材料の取付けを可能にすることである。すなわち、金属化合物の滑り軸受にポリマのフランジを取り付けることができる、又はポリマの滑り軸受に金属化合物のフランジを取り付けることができ、これら両方は、適用に適したトライボロジ特性を有し、これにより機械の技術開発に貢献する。
発明の簡単な説明
本発明の課題は、滑り軸受と、フランジの形式の少なくとも1つのアキシアル軸受とが設けられた青銅ブシュであって、前記滑り軸受は、側部領域に配置された少なくとも第1及び第2の凹所を有し、前記アキシアル軸受は、少なくとも1つの変形可能な突出部と、少なくとも2つの隣接したスペースと、少なくとも2つの張力軽減領域と、1つの剛性の突出部とを有し、前記変形可能な突出部は、協働面を有しかつ初期位置に配置されており、滑り軸受及びアキシアル軸受は、第1の凹所を備えた変形可能な突出部の係合と、第2の凹所を備えた剛性の突出部の係合とによって連結させられている、青銅ブシュによって達成される。変形可能な突出部は、塑性変形を受け、第1の凹所と連結した後に最終的な第2の位置を占める。
前記特徴は、本発明の他の特徴に加え、実施例と、添付の図面の詳細な説明とによってよりよく理解されるであろう。
ここで、図面に示された1つの実施の形態を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。
弾性の固定手段が設けられた従来のフランジ付き青銅ブシュを示す図である。 本発明によるフランジ付き青銅ブシュの1つの実施の形態を、その部材の間の連結前において示す図である。 滑り軸受の凹所への連結前におけるアキシアル軸受の突出部を示す図である。 部材間の連結後における、図2における細部"A"の図である。 部材間の連結前における、本発明のフランジ付き青銅ブシュの可能な実施の形態の図である。 部材間の連結後における、図5に示されたフランジ付き青銅ブシュの図である。 図6に示された青銅ブシュの細部"B"の図である。 変形可能な突出部の取付けの塑性変形の一例の図である。
図面の詳細な説明
本発明は、内燃機関において、特にクランクシャフトにおいて使用するためのフランジ付き青銅ブシュ100に関する。このような使用は、車両が走行中又は歯車連結されているとき、トランスミッションがクラッチによってモータに接続されたままであり、クラッチは、基本的に、トランスミッションからのエンジンの切断を促進するための支持箇所としてクランクシャフトを使用し、これは、車両クラッチにおけるステッピングから生じ、これによりギヤチェンジを可能にするということによるものである。この瞬間、クランクシャフトが大きな軸方向応力を受け、応力を、フランジとしても知られるアキシアル軸受に反映する。
本発明のフランジ付き青銅ブシュ100は、可動部材の完全な機能を可能にし、摩擦を最小限に減じ、それぞれの力の伝達とともに移動を保証する、ということを考慮して発明された。
しかしながら、本発明のフランジ付きブシュ100を説明する前に、従来技術に示されたソリューションから、本発明のフランジ付きブシュ100を区別すべきである。従来技術は、解離しないように、クランクシャフトによって生ぜしめられた前記軸方向移動を支持することができるフランジ付き青銅ブシュ200を有する。
この目的のために、及び図1に見られるように、従来技術のフランジ付き青銅ブシュ200は、弾性の突出部30が設けられたアキシアル軸受20と、弾性の突出部30を収容するための凹所40が設けられた滑り軸受10とを有する。
フランジ付き青銅ブシュ200の最終的な構成は、滑り軸受10にアキシアル軸受200を取り付けることによって達成される。このような取付けは、不等辺の凹所40を通過するための突出部30の弾性変形により生じ、次いで、突出部30は解放され、元の変形していない状態へ戻り、凹所40に嵌合し、その取外しを可能にする。この取付けは、突出部30が、突出部が応力を受けかつ突出部の初期位置へ戻ることを可能にする、すなわち突出部が、ばね効果としても知られる弾性変形を受けることを許容する特性を有するということだけにより、可能である。
本発明の課題は、アキシアル軸受の突出部が、取付け時に変形させられ、かつ滑り軸受に取り付けられた後に初期位置へ戻らない、すなわち、新たな位置、若しくは最終位置を占めるような固定形式が提供された、フランジ付き青銅ブシュ100によって、クランクシャフトの移動によって生ぜしめられる軸方向応力への抵抗の問題を解決する傾向がある。初期位置と最終位置との間の差は、0.1〜2.0mm、好適には0.1〜1.0mmの範囲であってよい塑性変形ΔXである。例として、図8は、約0.14mmの値によって、突出部30の塑性変形ΔXを示している。
図2は、基本的に滑り軸受1及びアキシアル軸受2を有する、本発明のフランジ付き青銅ブシュ100の1つの第1の可能な実施の形態を示す。この図は、取付け前、すなわち、変形可能な突出部3が固定用凹所4に挿入される前における位置を示す。
図2にさらに見られるように、滑り軸受1は、側部領域6又は厚さに配置された、それぞれの側における3つの凹所を有し、2つの凹所4は傾斜させられており、1つの凹所4’はそれぞれの側において固定されている。固定の凹所4’は、傾斜した方形(傾斜した側壁を備える)に似た形状を有し、そのそれぞれに、2つの傾斜した側壁が設けられており、壁部のうちの1つは、壁部と基部との間に100°〜170°、好適には135°の角度と、他方の側壁と基部との間に15°〜60°、好適には45°の角度とを有する。
アキシアル軸受2が、変形可能な固定用突出部3を有し、この固定用突出部3は、基部を除いて、その周囲の材料を除去することによって形成されており、基部が、固定用突出部をアキシアル軸受2の一部として維持していることを、図2において見ることがさらに可能である。突出部3は、フィンガに類似の薄いエレメント以外の何者でもなく、そのジオメトリは、使用された材料に関して突出部の塑性を保証することが意図されている。他方で、隣接するスペース5は、領域であって、この領域において、突出部3は、使用された材料の破壊限界に達することなく、材料の流動限界内で流動するように、部材の設計において規定された手段によって変形させられ、これにより、新たな位置を占める。隣接するスペース5は、メンテナンスの時にアキシアル軸受2の引き抜きのためにも機能する。変形可能な突出部3をスペース5内に取り付けるための変形は、図3に示したように、外力Fによって行われる。
変形可能な突出部3の基部における、取付けのための変形による応力は、変形可能な固定用突出部3に隣接した、固定用突出部3に塑性を付与する、この目的のために適しているとして技術文献において公知の、応力を軽減する丸みづけられた面7によって最小限に減じられる。アキシアル軸受2の変形可能な固定用突出部3は、さらに、それらの端部において、軸受の内径の前方に、面取り部若しくは面10を有し、この面取り部若しくは面10は、取付け時に、滑り軸受1のストッパ9によって形成された面と協働する。ストッパ9を有する傾斜した凹所4は、傾斜した方形のような形状であり、これにより、2つの変形可能な固定用突出部3の端部における面10は、ジオメトリにおける類似性により、固定用突出部の固定のために協働する。軸方向でのアキシアル軸受2の固定は、ストッパ9による面10の保持によって保証される。
図3は、2つの側壁が設けられた、傾斜した凹所4のうちの1つの詳細を示しており、側壁のうちの一方は、15°〜60°の範囲のより小さな角度を有し、かつアキシアル軸受2の変形可能な突出部3を捕捉するためのストッパとして機能し、他方の壁部は、100°〜170°の範囲のより大きな角度を有し、変形可能な突出部3が塑性変形を受け、取付け前位置と比較して異なる位置を占めることを助けるために機能する。取付け時、2つの壁部の構成は、面10とともに、変形可能な突出部3がストッパ9によって捉えられるようにする。
凹所4は、方向X(回転方向)、Y(軸方向)及びZ(半径方向)でのアキシアル軸受2及び滑り軸受1の解放を防止するという機能を有する。防止は、この機能に適した角度を有するストッパ9の形式により生じる。角度は、変形可能な固定用突出部3の端部における面10のジオメトリと協働するジオメトリを有する。
凹所4と変形可能な突出部3とが合致すると、これらは互いに協働し、アキシアル軸受2を滑り軸受1と係合させ、これにより、これらが互いから解離することを防止する。防止は、この機能に適した角度を有するストッパ9の形式により生じる。図4に示したように、角度は、変形可能な固定用突出部3の端部における、面10のジオメトリと協働するジオメトリを有する。
アキシアル軸受2と滑り軸受1との固定は、3つの主な方向、つまり軸方向、半径方向及び回転方向で行われることに留意すべきである。軸方向の固定は、ストッパ9と、面取り部10の幾何学的協働と、さらに、固定された凹所4’と、固定用突出部8とによって促進される。半径方向では、固定は、青銅ブシュ及び滑り軸受それぞれの180°に沿った、傾斜した凹所4及び変形可能な突出部3の分散配置によって行われ、これにより、ストッパ9は、解放移動から逸脱する。回転方向では、突出部のせん断力と、面取り部10及びストッパ9の協働するジオメトリによる圧潰と抵抗するセクションによって防止される。各滑り軸受1のために、2つのアキシアル軸受2、すなわち各側部領域6に1つのアキシアル軸受2が取り付けられることに留意すべきである。
次いで、図5は、取付け前の、フランジ付き青銅ブシュ100を示しているが、青銅ブシュ100は、2つのセットにグループ分けされた少なくとも4つの変形可能な突出部3を含む少なくとも1つのアキシアル軸受2と、やはり2つのセットにグループ分けされた、ストッパ9及びさらに少なくとも2つの、つまり滑り軸受1のそれぞれの側6に1つの固定された凹所4’を有する滑り軸受1とを有する。傾斜した凹所4は、この実施の形態のために、台形であってよく、より大きな基部の中央部分において、台形の突出部13が設けられており、この突出部13は、取付けプロセスの間、変形可能な突出部3の滑り部分として機能する。
図6は、取付け後のフランジ付き青銅ブシュ100を示しており、第1の実施の形態に関して説明したように、変形可能な突出部3は、力F(図3に示されている)を受けると、変形し、傾斜した凹所4の傾斜した壁部上を滑り、ストッパによって固定されることができ、これにより、3つの主な方向、すなわち軸方向、半径方向及び回転方向で強制的にアキシアル軸受2を滑り軸受1に固定させる。変形後、変形可能な突出部は、0.1〜1.0mmの範囲の塑性変形ΔXを有する(その一例を図8に見ることができる)。
図7は、図6に示された細部"B"を示し、突出部3が既に変形させられて最終位置12にあり、この位置は、取付け前の最初の位置11とは異なる。
滑り軸受1及びアキシアル軸受2は、同じ材料から形成されているか、異なる材料から形成されているか、又は異なる材料の様々な層を有してよいことに注意すべきである。例えば、以下の材料、すなわちプラスチック樹脂、エポキシ樹脂、フッ化物又はフルオロポリマを含有する材料である。
本発明の大きな利点は、寿命にとって不都合な残留応力、材料をはんだ付け又はスタンピングするプロセスに関連した疲労の発生なしに、軸方向取付けを促進することであり、これにより、製造プロセスを容易にし、取付けコストを削減する。
ストッパ9と表面10との間の完全な調節は、それらの類似性により、方向X、Y及びZにおける青銅ブシュ1からのフランジ2の解放を防止するように生じる。
アキシアル軸受2を滑り軸受1に取り付ける手順は以下に説明され、これらのステップに従う:
(I)アキシアル軸受2は自由位置にあり、固定用突出部3の1つのグループは、3.0mmの初期間隔を有する(図8に示されている)。
(II)変形可能な突出部3は外力Fを受け(図3参照)、傾斜した凹所4に滑り込み、最終位置12を占める。
(III)協働するジオメトリを有するストッパ9を備えた傾斜した凹所4は、既に変形させられたプラスチック突出部3を収容する。
(IV)傾斜した凹所4に取り付けられたアキシアル軸受2及びプラスチック突出部3は、最終位置12に達し、塑性特性により0.1〜1.0mmの範囲の塑性変形ΔXを受ける。
すなわち、フランジ付き青銅ブシュ100は、滑り軸受を製造するプロセスを容易にするソリューションを提供し、製造は関連する部材とは異なり、別個に、第3の可能な位置における2つのプロセスの最後に接合される。つまり、よりよいコスト/利益及びより大きな社会的リターンを生じるプロセス、材料及び製造場所の選択における自由度が提供される。本発明は、アキシアル軸受2のメンテナンスを可能にする。なぜならば、その取外し及び取付けは、いずれの部材にも損傷を生じず、製品を最終ユーザのためにより有利にするからである。
好適な実施の形態が説明されており、本発明の範囲は、可能な均等物を含む添付の請求項の内容によってのみ限定されるその他の可能な変化態様をも包含することを理解すべきである。

Claims (12)

  1. 少なくとも1つの滑り軸受(1)と、フランジの形式の少なくとも1つのアキシアル軸受(2)とが設けられており、前記滑り軸受(1)は、側部領域(6)に配置された少なくとも第1の凹所(4)及び第2の凹所(4’)を有し、前記アキシアル軸受(2)は、第1の位置(12)に配置された少なくとも1つの変形可能な突出部(3)と、剛性の突出部(8)と、協働する面(10)とを有する、フランジ付き青銅ブシュであって、
    前記アキシアル軸受(2)は、前記第1の凹所(4)との、前記変形可能な突出部(3)の協働する面の連結によって、前記変形可能な突出部(3)が、前記第1の位置(11)に対して塑性変形(ΔX)を生じた第2の位置(12)を占めることによって、及び、固定された凹所(4’)との、前記剛性の突出部(8)の同時係合によって、前記滑り軸受(1)と一体化させられることができることを特徴とする、フランジ付き青銅ブシュ。
  2. 前記塑性変形(ΔX)は、0.1〜1.0mmの範囲で生ずる、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
  3. 変形可能な固定用突出部(3)は、プラスチック製の構成要素である、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
  4. 傾斜した凹所(4)には、台形の突出部(13)が設けられている、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
  5. 回転応力の周方向でアキシアル軸受(2)を支持する1つ以上の剛性の突出部(8)が設けられている、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
  6. 変形可能な固定用突出部(3)及び剛性の突出部(8)は、それらのそれぞれの凹所(4,4’)に対して等しく角度づけられている、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
  7. 15°〜60°の間の範囲において端部から間隔を置かれた少なくとも2つの変形可能な固定用突出部(3)が設けられている、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
  8. 取付け時に、変形可能な固定用突出部(3)の変形を受容するスペース(5)が設けられている、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
  9. ストッパ(9)が、30°〜60°の範囲の凹所(4)の底部に対する角度を有する、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
  10. その側部(6)において、変形可能な固定用突出部(3)のジオメトリと協働するジオメトリを備える凹所(4)を有する、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
  11. 変形可能な固定用突出部(3)は、その端部に、協働するジオメトリ(10)を有する、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
  12. 滑り軸受(1)の180°における少なくとも2つの凹所と、アキシアル軸受(2)におけるそれぞれの変形可能な固定用突出部(3)とが設けられている、請求項1記載のフランジ付き青銅ブシュ。
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