JP2014508737A - 炭水化物含有原料の変換方法 - Google Patents

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Abstract

第1の工程において、第1の酸触媒の存在下、100℃より低い温度で、原料をアルコールと接触させて中間生成物を得ること、および第2の工程において、第2の酸触媒の存在下、100℃以上の温度で、中間生成物の少なくとも一部をアルコールと接触させることを含む方法において、炭水化物含有原料は変換される。このような変換生成物は、ヒドロキシメチルフルフラール、ヒドロキシメチルフルフラールエーテル、レブリン酸、それらのエーテルおよびフルフラールを包含してもよい。

Description

本発明は、炭水化物含有原料の変換方法に関する。本発明は特に、このような炭水化物含有原料がアルコールを用いた脱水によって変換される方法に関する。このような変換生成物は、ヒドロキシメチルフルフラール、ヒドロキシメチルフルフラールエーテル、レブリン酸、それらのエーテルおよびフルフラールを包含してもよい。
炭水化物含有原料が脱水される方法は、国際公開第2007/104514より公知である。この公知の方法では、フルクトースまたはグルコース含有出発材料を酸触媒の存在下、アルコールと接触させる。触媒は、均一系または不均一系、たとえば固体であってもよい。この公知の方法は、5−ヒドロキシメチルフルフラールのエーテルの調製に関して特に興味を示している。前記方法は、連続モードで実施するのに適している。そこへ、炭水化物およびアルコールを含む出発材料が、酸触媒を含有する反応器に供給された。反応器において、温度は125〜300℃であった。この方法は、アルコール1リットルにつき、約10グラムのグルコースまたはフルクトース含有原料を溶解させる実験によって例示された。反応の変換および選択性は満足であったが、この方法の欠点は、アルコール中の炭水化物の制限された溶解度である。よって、アルコール中の炭水化物の希釈溶液のみが、不均一系触媒の目詰まりなしに、連続フロー反応器で反応することが可能であった。
米国特許第2917537には、レブリン酸およびそのエステルの製造方法が記載されている。この方法では、炭水化物を低アルカノールおよび非反応性希釈剤と、強酸触媒の存在下、150〜250℃の温度で反応させる。希釈剤は、水に不溶性であり、水の気化熱より低い気化熱を有し、適切にはアルカノールの気化熱より低い気化熱を有する。希釈剤は、大気圧沸点が190℃より低い、炭化水素、塩化炭化水素、エーテルおよびエステルからなる群より選択されてもよい。一例として、1ポンドの硫酸の存在下、100ポンドの糖を160ポンドのメタノールおよび240ポンドのベンゼンと混合する。当業者には、反応混合物がすでに最初にメタノール/ベンゼン混合物中に固体の糖の分散物を含んでいることが明らかであろう。得られた混合物を215℃に加熱して、レブリン酸のメチルエステルへの変換を実施する。このような分散物を用いて方法を開始することによって、反応は連続様式で行うことが困難となり、また連続方法が固定床反応器で行われる場合には不可能となる。
本発明の目的は、炭水化物含有原料およびアルコールを1つの均一相において処理することができ、同時に炭水化物含有原料の濃度を、変換が経済的に魅力があるだろうレベルにできる方法を提供することである。
今や驚くべきことに、炭水化物およびアルコールが酸触媒も含む混合物中に存在する場合、100℃より低い温度で、アルコールにおける炭水化物の均一溶液を魅力のある濃度で得ることができる。
したがって、本発明は、炭水化物含有原料の変換方法を提供し、その方法は、第1の工程において、第1の酸触媒の存在下、100℃より低い温度で、原料をアルコールと接触させて中間生成物を得ること、および第2の工程において、第2の酸触媒の存在下、100℃以上の温度で、中間生成物の少なくとも一部をアルコールと接触させることとを含む。
第1の工程の間に、アルコールおよび炭水化物は酸触媒の影響下で反応して、炭水化物よりもアルコールに高い溶解性を有する傾向があるグリコシドを生成すると考えられる。よって、酸触媒も含有するアルコール性溶液中のこのようなグリコシドの濃度は、酸触媒の非存在下で炭水化物とアルコールが混合される場合よりも、著しく高くなり得る。そのような炭水化物溶液は、連続方法の使用においては炭水化物不均一懸濁物よりも好ましいため、およびより高い濃度によって方法が経済的により魅力的になるため、本発明が従来技術を超える著しい利点を提供することは明らかである。IUPACの定義によれば、グリコシドは、炭水化物基がそのアノマー炭素を通じてグリコシド結合によって別の基に結合されているいかなる分子である。炭水化物基はグリコシドのグリコンとして、アルコール基はグリコシドのアグリコンまたはゲニンとして公知である。グリコンは、単一の糖類(単糖)または複数の糖類(多糖)からなり得る。
第1の工程の温度は100℃より低い。グリコシドの生成を促進するためには、温度は好ましくは10℃以上、より好ましくは30〜80℃である。この温度範囲では、グリコシドの生成が容易に行われることが可能であり、これによりアルコール性溶液中の炭水化物由来物質の濃度を上昇させることができる。これらの低温では、脱水による炭水化物のヒドロキシメチルフルフラール、レブリン酸またはそれらの誘導体を含む生成物への変換は実質的に起こらない。第1の工程が大気圧にて行われる場合、温度は好ましくは、最高でも、使用されているアルコールの沸点である。このことは、典型的には、炭水化物のフラン誘導体またはレブリン酸もしくはその誘導体への変換が起こらないことを意味する。所望の温度がアルコールの大気圧沸点より下である場合、より高い圧力が印加されてもよいことが明らかであろう。ゆえに、第1の工程に好適な圧力は1〜5バールの範囲である。
第1の工程の持続時間は重要ではない。温度および持続時間は、グリコシドへの所望の変換に到達して完全な溶解および所望の濃度レベルを実現するように変更されてもよい。持続時間はさらに、炭水化物の性質、第1の酸触媒の量、酸触媒の性質、希釈剤の存在および存在する場合には希釈剤の量、ならびに撹拌速度に依存している。炭水化物含有原料がすでに液体、たとえば高フルクトースコーンシロップのようなシロップである場合、アルコールの添加は炭水化物の沈澱をもたらすことがある。このような液体原料およびアルコールの混合物への酸のさらなる混和によって、グリコシドの酸触媒生成は、アルコール添加後の炭水化物の結晶化を防止する。第1の工程における炭水化物含有原料およびアルコールの第1の酸触媒との接触時間は、適切である限り持続させてよいが、適切には最長で12時間である。これによって均一溶液の生成が可能となる。明らかに、当業者は接触時間を可能な限り短縮することを試みたいと考える場合がある。接触時間が0.1時間以上である場合に、良好な結果が得られる。ゆえに、炭水化物含有原料およびアルコールの第1の酸触媒との接触時間は、有利には0.1〜12時間の範囲である。
炭水化物含有原料は、多様な考えられる原料から選択されてもよい。よって、農業原材料または他のバイオマス資源を使用することが可能である。炭水化物含有原料は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類または多糖類を含んでいてもよい。バイオマスで特に関心の深い成分は、単糖を含有する原料である。適切な単糖類の例としては、フルクトースならびにフルクトースと、他のヘキソースおよび/またはペントースのような単糖類との混合物が挙げられる。ヘキソースは、化学式C12を有する炭素原子6個の単糖である。ヘキソースは官能基によって分類されてもよく、アルドヘキソースは1位にアルデヒドを有し、ケトヘキソースは2位にケトンを有する。フルクトースはケトヘキソースである。適切な他のヘキソースとしては、これに限定されるわけではないが、グルコース、ガラクトース、マンノースおよびそれらの酸化誘導体、たとえばアルドン酸、還元誘導体、たとえばアルジトール、エーテル化、エステル化およびアミド化誘導体が挙げられる。ペントースは、化学式C10を有する炭素原子5個の単糖である。これらは1位にアルデヒド官能基(アルドペントース)または2位にケトン官能基(ケトペントース)のどちらかを有してもよい。適切な5炭単糖としては、これに限定されるわけではないが、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロースおよびリキソースが挙げられる。
1を超える糖単位を含有する二糖およびオリゴ糖炭水化物は、アルコール中で適切に加水分解され、溶解した二糖類および/もしくはオリゴ糖類、モノマー性糖単位ならびに/またはグリコシド単位の混合物を生じる。適切な二糖類の例としては、マルトース、ラクトース、トレハロース、ツラノースおよびスクロースが挙げられ、スクロースが好ましい。スクロースは豊富に得られ、ゆえに非常に適切である。二糖類は、モノマー性単位に容易に変換することができる。適切なオリゴ糖の例は、多くの野菜に見出されるフラクトオリゴ糖類である。オリゴ糖類とは、3〜10個の単糖単位で構成されている炭水化物と理解される。多糖類は、10を超える単糖単位を有する。これらはグリコシド結合によって共に接合された反復単位で形成されたポリマー性構造である。多糖中の単糖単位の数は、ばらつきが大きくてもよく、10〜3000の範囲でもよい。適切な多糖類としては、フルクタン、すなわちフルクトース部位のポリマー、およびD−フルクトフラノシル部位から構成されているレバンが挙げられる。混合物も使用してよい。第1の工程で適用される穏やかな条件下ではこれらが容易に加水分解されないため、デンプン、ヘミセルロースおよび特にセルロースはが、第1の工程にとってあまり適切な出発材料ではない。しかし、デンプン、セルロースおよびヘミセルロースの酵素または触媒加水分解からの、または単糖類および二糖類をすでに含有するアルコール分解プロセスからの、加水分解プロセス流(hydrolysis process streams)は、第1の工程の出発原料として適切に使用することができる。上記を考慮すると、好ましい単糖はフルクトース、グルコースおよびその混合物である。好ましい二糖はスクロースである。
炭水化物含有原料は、炭水化物以外の化合物を含んでもよい。このような化合物としては、5−ヒドロキシメチルフルフラール、5−アルコキシメチルフルフラール、フルフラール、レブリン酸およびレブリン酸アルキルが挙げられる。しかし、好ましくは炭水化物は炭水化物含有原料の主要成分である。適切には、炭水化物含有原料は、炭水化物含有原料の重量に対し、50〜100重量%の炭水化物を含む。より好ましくは、炭水化物含有原料は実質的に炭水化物からなる。
グリコシド生成において、1個の単糖単位は1個のアルコール分子と反応して、同時に水を放出する。ゆえにアルコールのモル量は炭水化物の分子当量より大きいことが好ましく、分子当量とは単糖単位のモル量を指す。典型的には、大過剰のアルコールが存在してもよい。適切には、炭水化物含有原料は、炭水化物およびアルコールの総重量に対し、炭水化物について10〜50重量%の範囲の量で存在する。炭水化物がフルクトースである場合、量は適切には20から50重量%の範囲である。
アルコールは溶媒としておよび反応物質として作用する。炭水化物は、非極性溶媒よりも極性溶媒への溶解性が高い傾向がある。より低級のアルコール(smaller aclcohols)は、より高級のアルコール(larger alcohols)よりも極性であるため、1〜6個の炭素原子を含有するアルコールを使用することが好ましい。より低級のアルコールはまた、より高級のアルコールよりも迅速に反応してグリコシドを生成し、これによってこれらのアルコールを使用することがさらに有利となる。アルコールは脂肪族または芳香族でもよく、直鎖、分枝または環状でもよい。アルコールは1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。しかし、直鎖または分枝でもよいアルカノールを使用することが好ましい。よって、好ましいアルコールは、1から6個の炭素原子を有するアルカノールである。例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、ブタノール−2、t−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノールおよび2つ以上のこれらのアルコールの混合物が挙げられる。最高濃度を可能にする最も極性の溶媒は、炭素原子が最も少ないアルカノールであるため、最も好ましいアルカノールはメタノール、エタノールおよびそれらの混合物である。
所望である場合、炭水化物含有原料とアルコールとの混合物は、1つ以上の添加された希釈剤を含有してもよい。このため、第1および第2の工程で生成される水に加えて、好ましくは希釈剤が第1および/または第2の工程に添加される。適切な希釈剤は、水、DMSOのようなスルホキシド、アセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトンのようなケトンおよびそれらの混合物が挙げられる。水は好ましい希釈剤である。水は炭水化物にとって良溶媒である。これは、水が好ましい理由の1つを構成する。さらに炭水化物からグリコシドへの変換によって、水の生成が生じる。水が好ましいことには、炭水化物含有原料、アルコールまたは存在する他のどんな化合物も完全に乾燥される必要がないという、さらなる利点がある。このことによって方法はより経済的になる。アルコールと希釈剤との適切な比は、100:1〜1:1重量/重量、好ましくは50:1〜2:1重量/重量、より好ましくは40:1〜3:1重量/重量である。
第1の工程は第1の酸触媒の存在下、実施される。適切には、炭水化物含有原料およびアルコールは、混合物に溶解性である第1の酸触媒と共に混合されて、均一溶液を生成する。適切な均一系触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸および亜リン酸のような鉱酸が挙げられる。三フッ化ホウ素などのルイス酸を使用することも可能である。有機酸、たとえばトリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸のようなアルキルベンゼンスルホン酸、およびアルキルナフタレン−スルホン酸ならびにそれらの混合物も適切である。硫酸によって良好な結果が得られるため、この酸が第1の均一系酸触媒として好ましい。
このような第1の均一系酸触媒の量は好ましくは、炭水化物含有原料に対し、準化学量論的量(substoichiometric amount)である。典型的には、第1の均一系酸触媒の量は、原料中の炭水化物に対し、0.01〜40モル%の範囲である。好ましくは、触媒は0.05〜20モル%の、より好ましくは0.1〜10モル%の量で存在する。
あるいは、第1の工程における第1の酸触媒は不均一系触媒、すなわち液体アルコールとは異なる相の触媒である。第1の不均一系酸触媒は、有利には固体触媒である。適切には、固体触媒は固体有機酸、固体無機酸、酸性イオン交換樹脂、シリカ−アルミナ、粘土、ゼオライトおよびそれらの組合せからなる群から選択される。モンモリロナイトのような粘土は適切に使用できる。第1の工程における穏やかな温度条件のために、スチレンおよびジビニルベンゼンの架橋コポリマーをベースとする、強酸、スルホン酸のような酸性イオン交換樹脂、マクロ網状ポリマー樹脂も使用することができる。好ましい樹脂としては、ローム&ハース(Rohm & Haas)から入手できるアンバーリスト樹脂が挙げられる。固体触媒は、ゼオライトまたは有機酸が固定化された酸性イオン交換樹脂を含む。ゼオライトは、ゼオライト中の金属イオンの数を減少させるために、アンモニアまたはアンモニウム化合物によるイオン交換を受けていることが好ましい。アンモニウムイオンによるイオン交換後に、ゼオライトは焼成されて、酸性の特徴を有するH型ゼオライトが生じる。アルミノシリケートであるゼオライトは、モルデナイト、ゼオライトXまたはYのようなフォージャサイト、MCM−41型ゼオライト、ゼオライトベータ、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12およびそれらの混合物からなる群より選ばれることが好ましい。好ましくは、ゼオライトは、ゼオライトYのようなフォージャサイトである。
第1の酸触媒はルイス酸から選ばれてもよい。適切なルイス酸触媒としては、CrCl、CuCl、CuCl、MoCl、FeCl、CrClまたはVClのような塩が挙げられる。好ましくは、金属塩がそれ自体として使用される(used as such)。あるいは、適切には、塩化イミダゾリウムまたは塩化ピリジニウムと、CrCl、CuCl、CuCl、MoCl、FeCl、CrClまたはVClのような金属塩化物とを反応させることによって調製される、塩化イミダゾリウムまたはピリジニウムを含むイオン性液体を使用してもよい。このようにして得られたイオン性液体は、シリカが塩化アルコキシシリル−イミダゾリニウムまたはピリジニウムと反応する、金属塩化物をシリカの懸濁物と反応させることによって固定化することができる。
上記を考慮すると、第1の酸触媒は適切には、均一または不均一系触媒である。均一系触媒は好ましくは硫酸のような鉱酸であり、不均一系触媒は好ましくは、ゼオライトY、ZSM−12のようなゼオライトおよび酸性イオン交換樹脂、及びスルホン酸部位含有酸性樹脂からなる群より選択される。
第1の酸触媒を、アルコールおよび炭水化物含有原料の混合物に添加してもよい。触媒の触媒活性のために、どの固体の未溶解炭水化物もグリコシドに変換され、これは溶解するであろう。これは、均一系酸触媒および不均一系酸触媒の両方に当てはまる。不均一系触媒の場合、炭水化物含有原料およびアルコールのスラリーが、典型的にはいわゆる容器(basket)に含有されている固体触媒と接触して、一定のレベルのグリコシドへの変換によって溶解を達成する。炭水化物溶液を固体触媒から分離して、固体酸触媒を残してもよく、または任意で、より多くの炭水化物を添加して、初期混合物中の炭水化物よりも高濃度の炭水化物を達成してもよい。
上記で指摘したように、炭水化物含有原料およびアルコールの混合物は、1つ以上の添加された希釈剤を含有してもよい。水は好ましい希釈剤である。希釈剤は第1の工程および/または第2の工程に存在してもよい。典型的には、希釈剤はアルコール/希釈剤混合物として第1の工程で添加される。
第1の工程は、中間生成物の生成を生じる。中間生成物は、第1の工程からの流出物に含有されている。上記で指摘したように、中間生成物はグリコシドを含むと考えられる。よって、流出物は中間生成物、すなわち炭水化物および/またはグリコシド、ならびにさらにアルコール、グリコシド生成物の副生成物として生成された水、および任意で希釈剤を含有する。典型的には、中間生成物は、炭水化物含有原料中の炭水化物のモル数に対し、10〜100mol%のグリコシドを含む。原料のすべての炭水化物がグリコシドに変換される必要はない。中間生成物は、グリコシドと、原料からの最初の炭水化物も含んでいてよい。グリコシドの溶解性が原料の溶解性を向上させているので、中間生成物は適切には、炭水化物含有原料中の炭水化物のモル数に対し、50〜95mol%のグリコシドを含む。第2の工程のへの供給物として、中間生成物の一部のみを使用することが可能である。しかし、全ての中間生成物が第2の工程への供給物として通過することが好ましい。
中間生成物を含有する流出物の1つ以上の成分の一部または全部を除去して、残りを第2の工程への供給物として通過させることも可能である。よって、中間生成物からいくらかの水を抽出することが可能である。代わりに、または加えて、別の希釈剤が使用される場合、希釈剤の少なくとも一部も抽出されてよい。また所望により、第1の固体酸触媒が使用されている場合、分離されてもよく、または第1の均一系酸触媒が使用されている場合、塩基を化学量論量まで添加することによって中和してもよく、この後に別の酸触媒を第2の工程に使用することができる。中間生成物を含有する流出物に含有されている均一系触媒を、第2の工程に移すことが好ましい。有利には、第1の工程のアルコールも含有する、第1の工程からの中間生成物を含有する流出物の実質的に全体が、第2の工程の温度および圧力条件を受ける。
第2の工程は、100℃以上の温度で実施される。第2の工程に適切な温度は、105〜300℃、より好ましくは150〜280℃、最も好ましくは175〜250℃の範囲である。圧力も変化させてよい。第1の工程の反応は典型的には、大気圧にて実施されるのに対して、第2の工程では好ましくはより高圧が用いられるのは、この工程が典型的には、アルコールの沸点またはアルコール/希釈剤混合物、たとえばメタノール/水混合物の沸点より高い温度で実施されるためである。圧力は、温度および使用したアルコールに依存してもよい。第1の工程では適切な圧力は1〜5バールの範囲であるのに対して、第2の工程の圧力は好ましくは、2〜150バール、より好ましくは10〜120バール、最も好ましくは20〜80バールの範囲である。
第2の工程の第2の酸触媒は、第1の工程の第1の酸触媒と同じでもよい。よって、上記のすべての触媒は第2の工程で使用されてもよい。したがって、第2の工程の第2の酸触媒は、有利には不均一系または均一系触媒である。適切な均一系触媒としては、上記のような、鉱酸、ルイス酸および有機酸が挙げられる。適切には、第2の不均一系酸触媒は、固体有機酸、固体無機酸、酸性イオン交換樹脂、ゼオライトおよびそれの組合せからなる群から選択される。第2の均一系酸触媒は好ましくは、硫酸のような鉱酸であり、不均一系触媒は好ましくは固体ルイス酸およびゼオライトからなる群より選択される。第1および第2の工程における第1および第2の酸触媒は、同じである必要がないことが強調される。よって、上記で挙げた群からの別の触媒を第2の工程で使用してもよい。硫酸は第2の均一系酸触媒として、ルイス酸およびゼオライトは不均一系触媒として好ましい。好ましいルイス酸およびゼオライトは、第1の工程に関連して上記した通りである。両方の工程で同じ触媒を使用することが非常に便利であることも見出されている。したがって、均一系酸触媒を第1および第2の酸触媒の両方として使用することは非常に有利である。
本発明の方法は、別の反応器で実施されてもよい2つの工程を有する。工程のどちらか一方は、連続またはバッチ型方式で実施されてもよい。第1の工程はバッチまたは連続モードのどちらか実施され得る。この工程は第2の工程に対して重要度が低い。第1の工程がバッチ反応器で実施される場合、反応物質の接触時間は、有利には0.1〜12時間の範囲である。第1の工程が連続モードで実施される場合、第1の工程は、連続撹拌タンク反応器(CSTR)、プラグフロー反応器またはハウジング内に配置されたバッフルを含むスタティックミキサで実施されてもよく、プラグフロー反応器およびCSTRが好ましい。とりわけ均一系触媒を第1の工程で使用する場合、スタティックミキサはこの工程で反応器として適切に使用され得る。連続反応器において、接触時間は典型的には、0.1〜12時間の範囲である。
第2の工程は好ましくは、連続モードで実施される。それに加えて、均一系触媒が用いられる場合、適切には連続撹拌タンク反応器(CSTR)またはプラグフロー反応器を使用してもよく、プラグフロー反応器が好ましい。第2の工程が不均一系酸触媒によって実施される場合、典型的には、固定床反応器(fixed bed reactor)が使用される。第2の工程が連続反応器で実施される場合、第1の工程の反応器はバッチ反応器、CSTRまたはプラグフロー反応器であり得る。第2の工程での滞留時間は適切には、30秒〜2時間、好ましくは1分から1時間であってよい。第2の工程をプラグフロー反応器で実施する場合、液空間速度は0.1〜1,000時間−1、またはより好ましくは1〜100時間−1の範囲である。
最も好ましい構成において、第1および第2の工程の反応器は、1つの機構に一体化される。第2の工程の反応器の温度は第1の工程の反応器の温度よりも高いため、2台の反応器は、典型的には、熱交換器を介して連結されてもよい。
本発明の方法は、炭水化物からヒドロキシメチルフルフラール、その誘導体、レブリン酸、その誘導体および/またはフルフラールへの変換に、適切に使用することができる。アルコールを溶媒および反応物質として使用することにより、誘導体は、ヒドロキシメチルフルフラールのエーテルおよびレブリン酸のエステルとなるだろう。水が第1の工程の開始時に希釈剤として使用され、第1および第2の工程の方法において生成された水の量に依存する場合、5−ヒドロキシメチルフルフラールおよびレブリン酸の量は、ヒドロキシメチルフルフラールのエーテルおよびレブリン酸のエステルに加えて、第2の工程の生成物中に存在する。それは反応条件、特に酸強度、炭水化物の性質および量、主要生成物が何であるかにも依存する。
ヒドロキシメチルフルフラール、ヒドロキシメチルフルフラールのエーテル、レブリン酸、レブリン酸エステルおよびフルフラールは、各種の化学化合物、たとえばポリエステルの調製で使用してもよいフラン−ジカルボン酸、の有用な出発材料である。この化合物は、燃料または燃料添加剤として使用されてもよい。
本願発明は、以下の実施例によってさらに説明されるであろう。
実施例1
反応容器において、メタノール700mL中でフルクトース250g(1.39mol)を室温で一晩、すなわち約10時間、硫酸5.6mmolの存在下、大気圧にて撹拌した。均一溶液を得た。ほぼすべてのフルクトースがメチルフルクトシド(「Me−Frc」)に変換された。続いて、均一透明溶液1.0Lが得られるまでメタノール/水混合物を添加した。生じた溶液を1mL/分の流量にて、様々な温度に加熱したプラグフロー型反応器を通過させた。この工程の圧力は62バールに維持した。反応器の加熱域での滞留時間は120秒であった。第1および第2工程を組み合わせた結果を表1に示す。表では、以下の式に従って収率を計算する:
Y(P)=100P/nS、式中、Y(P)は、生成物Pの収率であり、nSは、質フルクトースの初期モル数であり、nPは、反応時間tにおける生成物Pのモル数である。「Me−Frc」はメチルフルクトシドを意味し、「HMF」は5−ヒドロキシメチルフルフラールであり、「MMF」はメトキシメチルフルフラールであり、「Me−Lev」はレブリン酸メチルである。
Figure 2014508737
実施例2
反応容器において、特定の量のフルクトース(260、350または500g)を60℃で4時間、5.6mmolの硫酸および700mLのメタノールおよび水の混合物(5体積%水)の存在下、撹拌した。混合物を冷却して、1.0Lの均一透明溶液が得られるまでメタノール/水混合物を添加した。この溶液は、フルクトース(「Fruc」)およびメチルフルクトシド(「Me−Frc」)の混合物を含有している。生じた混合物を第2の工程において、特定の温度(180、200または220℃)で加熱したプラグフロー型反応器にポンプで送入した。この工程の圧力を65バールに維持した。収率は上記で論じた通りであり、生成物はメトキシメチルフルフラール(「MMF」)およびレブリン酸メチル(「Me−Lev」)を包含する、結果を表2に示す。
Figure 2014508737
比較例1
室温で、各種の量のフルクトースを、硫酸を添加せずに、1リットルのメタノール−水混合物(5体積%の水)と混合した。
1リットルにつきフルクトース500gでは、均一溶液は得られなかった。
350g/lでは、均一溶液は得られなかった。
260g/lでは、均一溶液は得られなかった。均一溶液は得られなかったが、スラリーが得られたため、これらのスラリーは反応器において直接的な閉塞物(direct blockage)をもたらし、結果として不均一系触媒と反応しなかったのであろう。
これらの実験は、酸触媒なしでは、アルコールにおける炭水化物の濃縮溶液が得られないことを示している。
実施例3
200gの量のフルクトースを、55mmol(5.4g)の硫酸を含有するメタノールおよび水の混合物(5体積l%の水)800mLに添加した。得られた混合物を、約2時間、すべての固体が溶解するまで、60℃にて撹拌した。溶液を冷却して、1.0Lの均一透明溶液が得られるまでメタノール/水混合物(5体積%の水)を添加した。フルクトースを溶解した後、得られた溶液は、180から220℃までの各種の温度で加熱したプラグフロー反応器を通過させた。反応器の加熱域での滞留時間も変化させ、2または4分に設定した。この工程における圧力を65バールに維持した。反応器における定常状態条件が得られた後に、生成物流(product stream)を分析した。分析により、変換(パーセントで表した、出発材料中のフルクトースのモル数で割られた、生成物流中のフルクトースのモル数を、1から差し引く)、ならびに5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)、5−メトキシメチルフルフラール(「MMF」)、レブリン酸メチル(「Me−Lev」)およびレブリン酸(「LA」)の収率を決定した。収率はパーセントで表し、フルクトースの初期モル数で割った問題の化合物のモル数に100を掛けたとして計算した。結果を表3に示す。
Figure 2014508737
実施例4
生成物スレート(product slate)が反応条件によって影響される可能性があることを示すために、以下の実験を行った。
フルクトースの代わりに、100gのHMFまたはMMFを原料として用いて、実施例3に記載した実験を繰り返した。この原料は、フルクトースからHMFおよびそのエーテルへの変換の生成物と似ている(mimics)。これらの原料を、55mmol(5.4g)の硫酸を含有する1リットルのメタノールおよび水の混合物(5体積%の水)に溶解させた。圧力は65バールであった。これらの実験の他の反応条件および結果を表4に示す。変換および収率を実施例3と同じ方法で、ただしそれぞれの原料に対して計算した。
Figure 2014508737
実施例5
100gの量のグルコースを、55mmol(5.4g)の硫酸を含有する800mLのメタノールおよび水の混合物(5体積%の水)に添加した。得られた混合物を、約4時間、すべての固体が溶解するまで、60℃にて撹拌した。溶解後、メタノールおよび水の混合物(5体積%の水)を添加することによって、溶液の体積を1Lに調整する。グルコースおよびグルコシドの混合物を含有する、得られた溶液を、200から220℃までの各種の温度で加熱したプラグフロー反応器を通過させた。反応器の加熱域での滞留時間も異なり、2、4または8分に設定した。反応器内の圧力を65バールに維持した。反応器における定常状態条件が得られた後に、生成物流を分析した。分析により、変換(パーセントで表した、出発材料中のグルコースのモル数で割られた、生成物流中の生成物流グルコースおよびグルコシドのモル数を、1から差し引く)、ならびに5−ヒドロキシメチルフルフラール(「HMF」)、5−メトキシメチルフルフラール(「MMF」)、レブリン酸メチル(「Me−Lev」)およびレブリン酸(「LA」)の収率を決定した。収率はパーセントで表し、グルコースの初期モル数で割った問題の化合物のモル数に100を掛けたとして計算した。結果を表5に示す。
Figure 2014508737
比較例2
各種の量のグルコースを、1リットルのメタノール−水混合物(5体積%の水)と、硫酸を添加せずに混合した。
1リットルにつきグルコース100gでは、均一溶液は得られなかった。
50g/lでは、均一溶液は得られなかった。均一溶液は得られなかったが、スラリーが得られたため、これらのスラリーは反応器において直接的な閉塞物をもたらし、不均一系触媒と反応しなかったのであろう。
これらの実験は、酸触媒なしでは、アルコールにおける炭水化物の濃縮溶液が得られないことを示している。
実施例6
200gの量のフルクトースを800mLのメタノールおよび水の混合物(5体積%の水)に添加し、触媒容器(catalyst basket)中の20gのアンバーリスト15、すなわちローム・アンド・ハース製のスチレンおよびジビニルベンゼンをベースとする強酸性スルホン酸マクロ網状ポリマー樹脂を、反応容器に導入した。得られた混合物を、約3時間、すべての固体フルクトースが溶解するまで、60℃にて撹拌した。溶解後、触媒容器を取り出し、メタノールおよび水の混合物(5体積%の水)を添加することによって溶液の体積を1Lに調整した。フルクトースおよびフルクトシドの混合物を含有する得られた溶液を、プロトン化形のZSM−12固体酸触媒を含有する固定床プラグフロー反応器を、12.5時間−1のLHSV、180℃の温度を用いて通過させた。この工程における圧力を65バールに維持した。反応器における定常状態条件が12時間得られた後に、生成物流を分析した。分析により、変換(パーセントで表した、出発材料中のフルクトースのモル数で割られた、生成物流中のフルクトース及びフルクトシドのモル数を1から差し引く)、ならびに5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)、5−メトキシメチルフルフラール(「MMF」)、フルフラール(「F」)、レブリン酸メチル(「Me−Lev」)およびレブリン酸(「LA」)の収率を決定した。収率はパーセントで表し、フルクトースの初期モル数で割った問題の化合物のモル数に100を掛けたとして計算した。結果を表6に示す。
Figure 2014508737

Claims (21)

  1. 炭水化物含有原料の脱水方法であって、
    第1の工程において、第1の酸触媒の存在下、100℃より低い温度で、原料をアルコールと接触させて中間生成物を得ること、及び
    第2の工程において、第2の酸触媒の存在下、100℃以上の温度で、前記中間生成物の少なくとも一部をアルコールと接触させること、を含む方法。
  2. 第1の工程が10℃以上の温度、好ましくは30〜80℃の範囲の温度で実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の工程における、前記炭水化物含有原料および前記アルコールと前記第1の酸触媒との接触時間が0.1〜12時間の範囲である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記炭水化物が単糖類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類からなる群より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記二糖がスクロースである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記単糖がフルクトース、グルコースまたはそれらの混合物である、請求項4に記載の方法。
  7. 前記炭水化物含有原料が、前記炭水化物含有原料の重量に対し、50〜100重量%の炭水化物を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1および第2の工程で生成される水に加えて、希釈剤が前記第1および/または第2の工程に添加される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記希釈剤が水である、請求項8に記載の方法。
  10. アルコールと添加された希釈剤との重量比が50:1〜0.1:1重量/重量まで、好ましくは20:1〜1:1重量/重量である、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記アルコールが1〜6個の炭素原子を有するアルカノールである、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記アルコールがメタノール、エタノールまたはそれらの混合物である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1の酸触媒が均一系触媒、好ましくは鉱酸である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第1の酸触媒が不均一系触媒、好ましくはゼオライトおよび酸性イオン交換樹脂からなる群より選択される不均一系触媒である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第2の酸触媒が均一系触媒、好ましくは鉱酸である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記第2の酸触媒が不均一系触媒、好ましくはゼオライトおよび酸性イオン交換樹脂からなる群より選択される不均一系触媒である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第1および第2の酸触媒が同じである、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記第2の工程が105〜300℃の範囲の、好ましくは150〜280℃の範囲の温度で実施される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 少なくとも前記第2の工程が連続モードで実施される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記方法が連続撹拌タンク反応器、プラグフロー反応器または固定床反応器で実施される、請求項19に記載の方法。
  21. 液空間速度(liquid hourly space velocity)が0.1〜1,000時間−1、好ましくは1〜100時間−1である、請求項19または20に記載の方法。
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