JP6387570B2 - フルクトシド含有生成物を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、グルコースをフルクトースに異性化させる工程を含む、グルコースに富む原料からフルクトシド含有生成物を製造する方法に関する。
炭水化物は、広範な化学物質のためのバイオベースの出発物質として重要性を増している。発展の一つは、炭水化物を5-ヒドロキシメチルフルフラール並びにそのエーテル及びエステルに変換することである。エーテル誘導体に変換する方法が国際公開第2007/104514号パンフレットに記載されている。この方法によると、出発物質を酸触媒の存在下でアルコールと反応させることによって、フルクトース及び/又はグルコース含有出発物質を5-ヒドロキシメチルフルフラールのエーテル誘導体に変換する。国際公開第2012/091570号パンフレットは、この方法の供給原料の流れにおける出発物質の濃度を高めるには、炭水化物をエーテルに変換する前にグリコシドに変換することが有益であると記載している。この文献から、アルコールを含む反応物質媒体中で、グルコースの溶解度はフルクトースの溶解度よりも低いことも明らかである。
従って、5-ヒドロキシメチルフルフラールの誘導体を製造する方法に使用可能な高濃度のフルクトースを伴う方法が提供できれば、好都合であろう。
フルクトースに富む生成物を提供する方法が、先行技術において公知である。米国特許出願第2010/0006091号において、甘味果汁を清澄化・脱塩し、次いで、得られた生成物を処理してスクロースをフルクトースとグルコースとに加水分解する方法が開示されている。フルクトースはグルコースから分離される。続いて、グルコースをフルクトースへと異性化し、この2つのフルクトース画分を混ぜ合わせる。この文献によると、グルコースの異性化は、グルコースイソメラーゼ活性を有する酵素を使用して実現される。この公知の方法において、異性化は水性環境において行われる。そのため、多量の水の中で利用可能となる生成物が得られることとなる。しかしながら、製造されるフルクトースが非水性環境において使用されることになっている場合、次いで水を除去しなければならないため、含水量は欠点となる。この水の除去は蒸発によって達成可能であるが、そうした蒸発は、コストを大幅に増大させる。従って、国際公開第2007/104514号パンフレットに記載された5-ヒドロキシメチルフルフラールのエーテルを製造する方法は、出発物質がアルコール性媒体中で利用可能なものであれば有益であろう。多くの酵素の活性はアルコール性媒体中で悪影響を受けるため、米国特許出願第2010/0006091号による方法は、意図した目的には適していない。
アルミナ触媒によるグルコースのフルクトースへの異性化が米国特許第3431253号に記載されている。異性化は、グルコースの溶液を約35〜70℃の温度でアルミナに接触させることによって達成される。70℃を超える温度では、有機酸の形成が起こることが記述されている。米国特許第3431253号の明細書には、水と低級アルコールの混合溶液、例えば90%メタノール溶液、80%エタノール溶液、及び75%プロパノール溶液の使用が可能であることが記述されているが、実施例においては、100%グルコース水溶液のみをアルミナに50℃で接触させている。
同様の手順がH. Asaokaによる学術論文Carbohydrate Research 137 (1985) 99〜109に記載され、グルコースのフルクトースへの異性化が80%(v/v)メタノール水溶液中において五ケイ酸二ナトリウム触媒により45℃で達成されている。メタノールに代えてエタノール又は1,4-ジオキサンを使用した場合、結果は不良であった。プロパノール、アセトン、アセトニトリル、及びテトラヒドロフランを用いた試みは全て、不満足な結果に終わった。
90℃のエタノール中におけるSn含有ルイス酸ゼオライトベータによるグルコースのフルクトースへの変換を開示するLewら、Ind. Eng. Chem. Res.,51 (14) (2012) 5364〜5366に、同様の教示が記載されている。反応は、形成されたフルクトースがヒドロキシメチルフルフラールとなりその後エトキシメチルフルフラールとなる反応を触媒するイオン交換樹脂Amberlyst131の存在下で行われる。CanlasらによるChem. Abstr., 2011: 336348においては、水又はメタノール中における100〜160℃でのTi若しくはSn含有ブレンステッド酸又はルイス酸ゼオライトによるグルコースのフルクトースへの変換が記載されている。上記の先行技術文献は、フルクトシドの形成には関連していないことがわかる。
Saravanamuruganら、J. Amer. Chem. Soc., 135 (14) (2013) 5246〜5249においては、メタノール中における酸性ゼオライトによるグルコースの異性化が記載されている。得られる生成物は、フルクトシドを生成し、フルクトシドは続いてフルクトースに加水分解されると記述されている。この論文において、塩基性ゼオライトでは著しく少量のフルクトースしか生成されないことが示されている。酸性触媒では20%を超えるフルクトースが生成されるのに対し、塩基性触媒では4〜18%のフルクトースが生成される。
従って、先行技術における多くの文献が、異性化反応媒体が水を含有することを明記している。これに対し、現在では、反応温度が75℃を超える場合、水が存在することを必要としないことがわかっている。その場合、溶媒は純粋なアルコールからなっていてもよい。水が存在しない場合、必要以上の有機酸の形成が起こらないことがわかっている。更に、異性化反応を塩基性触媒の存在下で行い、フルクトシドの形成を酸性触媒の存在下で行った場合、フルクトシドの量が増加することがわかっている。
国際公開第2007/104514号パンフレット 国際公開第2012/091570号パンフレット 米国特許出願第2010/0006091号 米国特許第3431253号 米国特許第5270177号 米国特許第6013491号 米国特許第6660502号 米国特許出願第2007/0122892号 国際公開第2006/063220号パンフレット
H. Asaoka、Carbohydrate Research 137 (1985) 99〜109 Lewら、Ind. Eng. Chem. Res.,51 (14) (2012) 5364〜5366 Canlasら、Chem. Abstr., 2011: 336348 Saravanamuruganら、J. Amer. Chem. Soc., 135 (14) (2013) 5246〜5249
本発明は、5-ヒドロキシメチルフルフラールの誘導体を製造する方法に使用可能な高濃度のフルクトースを伴う方法を提供することを目的とする。
従って、本発明は、グルコース含有原料をアルコール性媒体中で少なくとも75℃の温度にて塩基性異性化触媒と接触させることによってグルコースをフルクトースに異性化してフルクトース含有生成物を生成する工程、及び、そこから得られたフルクトース含有生成物の少なくとも一部を酸触媒の存在下でアルコールと反応させてフルクトシド含有生成物を生成する工程を含む、グルコースに富む原料からフルクトシド含有生成物を製造する方法を提供する。この方法の利点の一つは、このようにすると、比較的高濃度のフルクトース及びフルクトシドが得られ、その結果として生じる生成物を5-ヒドロキシメチルフルフラール及びその誘導体への変換に用いた場合にはグルコースよりも速く反応するという事実にある。
異性化反応は、アルコール性媒体中にて行われる。アルコールは、一般的な条件では液体である任意のアルコールとすることができる。適するアルコールとしてはモノアルコールが挙げられるが、ジオール、例えばエチレングリコール若しくはプロピレングリコール、又はその混合物も使用できる。好ましくは、アルコールはモノアルコールである。モノアルコールは、直鎖状、分岐状、又は環状であってもよい。環状アルコールは、脂肪族又は芳香族であってもよい。アルコールは、1〜20の炭素原子を含んでもよい。異性化ゾーンにおけるアルコール性媒体は、1〜8の炭素原子を有する、好ましくは1〜4の炭素原子を有する、より好ましくはメタノールであるアルカノールを含むことが適切である。
アルコール中での工程のもう一つの利点は、反応混合物中のフルクトースがフルクトシドに変換され得ることである。アルコールに対するフルクトシドの溶解度は一般にフルクトースそれ自体の溶解度よりも高い。その上、フルクトシドは異性化の平衡に影響しないため、グルコース含有原料がフルクトシドも幾分か含有しても、そうしたフルクトシドがグルコースのフルクトースへの変換に影響を及ぼすことはないであろう。アルコール性媒体は、アルコール又はアルコールの混合物のみからなっていてもよい。しかし、実際には、グルコース含有原料は水を含み得る。それは、反応媒体がアルコール又はアルコールの混合物に加えて水も含むことを意味する。とりわけ、フルクトシドの形成を促進するには、水とアルコールとの混合物中の水の量は、最大で20%(v/v)、好ましくは最大で10%v/vであるが、より好ましくは最大で5%v/vである。水が存在しない場合、有機酸の形成は事実上完全に防止されるので、アルコール性媒体は、最も好ましくは水を含まない、即ち、1%v/v未満の水を含有する。
酵素を用いた異性化は上記反応条件により悪影響を受けると思われるので、本異性化は異性化触媒の存在下にて化学的方法で行われる。この反応のための多くの触媒が公知である。しかし、これらの触媒は、水性環境において使用される。それでも、これらの触媒の多くは使用可能である。これらの触媒は、均一系であっても、不均一系、即ち、固形の触媒であってもよい。異性化は、金属配位機構によって触媒され得ると考えられる。従って、配位が可能な金属イオンを含有する触媒が異性化触媒として適切に使用される。驚くべきことに、異性化触媒は、塩基性触媒が有利であることがわかっている。多くの塩基性の塩及び固体が異性化触媒として使用され得る。従って、適する異性化触媒は、ハイドロタルサイト、アルカリ交換ゼオライト、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属のアルコラート(アルコキシド)、ボラート(ホウ酸塩)、ボリナート(ボリン酸塩)及びボロナート(ボロン酸塩)、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩からなる群から選択される。アルミナ、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアルミン酸塩、シリカ、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のケイ酸塩、更には塩化アルミニウム及び塩化クロムも、配位能力を有する異性化触媒として使用できる。従って、適する触媒としては、Na、K、Ca又はMg交換ゼオライトX、Y、A、ベータ、ZSM-5、ZSM-11及びZSM-35が挙げられる。アルカリ金属含有均一系触媒の例としては、Na及びKの水酸化物、Na若しくはKのメタノラート、Na若しくはKのエタノラート、Na若しくはKのボラート、Na若しくはKのボリナート、又はNa若しくはKのボロナートが挙げられる。触媒の量は、反応選択性に影響を与えることなく広い範囲において変化させることができる。適する量は、グルコースに富む原料の質量を基準として0.01〜50%wtの範囲である。量を広い範囲内で変化させてもよいことは、当業者であれば認識されよう。均一系触媒の場合の量は、不均一系触媒の量とは異なってもよい。
異性化反応における温度は、少なくとも75℃である。化学的異性化触媒を使用するため、当業者は、酵素異性化反応の場合よりも温度範囲を広いものとし得る。異性化は、好ましくは75〜180℃、より好ましくは80〜150℃、最も好ましくは80〜130℃の温度で行われる。温度は、反応時間が過度に長くならないように適切に選択される。方法は、バッチ式に加え、連続式でも行うことができる。異性化を連続式で行う場合、流速は、グルコース含有原料の平均滞留時間がバッチ式における滞留時間と同じ範囲となるように設計される。典型的には、滞留時間は、0.1〜10時間、好ましくは0.2〜5時間から選択される。反応において圧力は重要な役割を果たすものではないが、圧力は、上昇させることが好適であり、より好ましくは、少なくとも一般的な温度での自然圧力のレベルである。このようにすると、アルコール性媒体が液相のままであり続けるだけでなく、異性化した生成物のアルコール性溶媒からの分離を減圧によるフラッシング(残留物除去)によって容易に達成できる。適切には、異性化反応の圧力は1〜60バール、好ましくは2〜25バールであり、その値は、温度と使用するアルコールに応じて選択してもよい。
グルコースに富む原料は、様々な供給源を起源としてもよい。グルコースに富む原料は、グルコースとアルコールとの混合物であってもよく、場合によって水を含有してもよい。一つの適切な供給源は、スクロースである。加水分解により、スクロース分子をフルクトースとグルコース部分とに分割してもよい。別の適切な供給源は、他の炭水化物、例えば、デンプン又はセルロースで構成される。公知の方法の例が、スクロースのグルコース及びフルクトースへの変換に生物活性触媒が使用される米国特許第5270177号、第6013491号、及び第6660502号、並びにその目的のために化学触媒としてのコハク酸が使用される米国特許出願第2007/0122892号に記載されている。スクロースのアルコール分解によってグルコースを回収する場合、アルコール分解は25〜150℃、好ましくは40〜100℃、より好ましくは60〜80℃の範囲の温度で適切に実施される。アルコール分解は、好ましくは酸触媒、例えば、硫酸の存在下で実施される。アルコール性媒体は水を含んでもよく、適切にはアルコールと水の質量を基準として10%wt以下の量、好ましくは5%wt以下の水である。より好ましくは、アルコール性媒体は実質的に水を含まない、即ち、最大で1.0%wtの水を含む。スクロース供給原料とアルコールとの接触時間は、適切には0.5〜6時間であり、好ましくは0.5〜1.25時間である。アルコール分解が行われるアルコールは、有利にはグルコースに富む原料の異性化に使用されたものと同じアルコールである。適するアルコールとしては、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4の炭素原子を有し、最も好ましくはメタノールである低級アルコールが挙げられる。スクロースの濃度は、スクロースとアルコールの合計を基準として20〜70%wt、好ましくは40〜60%wtの範囲であってもよい。当然ながら、スクロースは一般にアルコールに対する溶解度が低く、そのため、スラリーがアルコール分解に付される。
グルコースに富む原料の商業的に魅力のある供給源は、トウモロコシ、コムギ又はジャガイモのデンプンに由来するものである。周知の手順によりデンプンを通常は酵素的に加水分解して、グルコースを生成する。結果として生じる生成物を濃縮し、例えば、トウモロコシデンプンの加水分解の場合には、いわゆる異性化糖(HFCS)を生成してもよい。HFCSは最大90%wtのフルクトースを含有し得る。HFCS中に残存するグルコースもフルクトースに変換すれば好都合であろう。本方法は、そのための方法を提供する。フルクトースは、除去されるか、フルクトシドに変換されるかのいずれかである。続いて、フルクトースを除去した生成物又はフルクトシド生成物のいずれかである残りの生成物は、本発明による方法に付され、生成物中に残るグルコースの少なくとも一部を変換する。HFCSは十分に利用可能であるため、本方法にとって特に好適な原料である。HFCSが水に含有されている限りにおいては、水の少なくとも一部を除去し、HFCSの炭水化物を所望のアルコールに取り込むことが望ましいこともある。
グルコースに富む原料は、適切には原料を基準として10〜100%wtのグルコースを含む。原料は、適切にはフルクトースを更に含み、原料を基準として好ましくは90〜0%wtの範囲の量である。アルコールに対するフルクトース及びグルコースの溶解度はかなり限定的である。フルクトース部分の濃度を上昇させるには、例えば、国際公開第2012/091570号パンフレットに記載されているように、フルクトースをフルクトシドに変換することが公知である。従って、グルコースに富む原料は、適切にはフルクトシドを含む。こうした原料は、適切にはフルクトース含有出発物質とアルコールとの酸触媒の存在下での反応の生成物である。従って、グルコースに富む原料は、好ましくはこうした反応から得られるフルクトシドを更に含む。グルコースに富む原料に使用される別の適切な化合物は、レボグルコサンである。この化合物の加水分解は、グルコースを生成する。とりわけ、グルコース異性化の生成物をグリコシド形成に付す場合、レボグルコサンは、グリコシド形成において放出される水に対する捕捉剤として適切に機能し得るため、場合によって更なる異性化及び/又は後続の反応のためのグルコースを生成し得る。
本発明の異性化方法において得られるフルクトース含有生成物は、フルクトシドを形成するためのアルコールとの反応において少なくとも部分的に使用される。フルクトシドの形成は、グルコシドの形成よりも速く進行することがわかっている。これは、グルコースとフルクトースの混合物におけるフルクトシドの選択的形成を可能にする。従って、フルクトシドの形成時、どんな混合物においてもフルクトースに対するグルコースの比は上昇する。反応生成物が続いて異性化に付される場合、グルコースの相対的過剰分が一般的な異性化条件に存在する平衡に従ってフルクトースに変換する。既に上記に指摘したように、フルクトシドは平衡を妨げないため、多量のフルクトース及びフルクトシドを得られることが観察される。
フルクトシド形成反応は、酸触媒の存在下で行われる。反応条件は、国際公開第2012/091570号パンフレットから明らかとなり得る。触媒は均一系、例えば、鉱酸であってもよい。適する酸としては、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、及び臭化水素酸が挙げられる。ルイス酸を使用することもできる。有機酸、例えば、スルホン酸及びホスホン酸を使用することもできる。例としては、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸及びメチルホスホン酸が挙げられる。しかし、触媒は、不均一系触媒であってもよく、またそれが好ましく、特に、酸性ゼオライト又は酸性イオン交換樹脂である。このような酸性ゼオライトは、ゼオライトX、ゼオライトY、ゼオライトベータ、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM、35、フェリエライト、及びこれらの組合せからなる群から選択されてもよく、ゼオライトは全てH型であることが好ましい。適切には、酸性イオン交換樹脂としては、スルホン化ポリマー樹脂、例えば、Amberlyst樹脂(Rohm and Haas社製)等のスルホン化スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、及びNafion樹脂(DuPont社製)等のスルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマー共重合体が挙げられる。反応条件は、20〜100℃、好ましくは30〜80℃の反応温度、及び0.1〜12時間の範囲のグルコースに富む原料及びアルコールの酸触媒との接触時間を適切には含む。温度が高いほど、グルコシドへの変換に優先するフルクトシドへの変換の選択性が低下するであろう。
フルクトースとアルコールとのフルクトシドへの反応のために選択されるアルコールは、多様なアルコールから選択されてもよい。しかし、フルクトシド、フルクトース及びグルコースの溶解度が最適となるようにアルコールを選択することが好都合である。従って、アルコールは、1〜8の炭素原子を含有するモノアルコールから適切に選択される。好ましくは、変換ゾーンにおけるアルコールは、C1〜C4アルカノールから選択され、より好ましくはメタノールである。フルクトースのフルクトシドへの反応においては、異性化方法のアルコール性媒体と同じアルコールを使用することが便利である。
異性化反応及びフルクトシド形成は、単一の容器において実施してもよい。反応は、順次実施しても同時に実施してもよい。反応を同時に実施する場合、触媒は適切には不均一系であって、相互に分離される。そうした場合、触媒は、別々のベード(bades)又はバスケットに収容されてもよく、触媒の周囲で反応混合物を循環させてもよい。より適切な選択肢は、反応を順次行うことである。その場合、触媒は、同じ反応器に入っていても、別々の反応器に入っていてもよい。グルコースの異性化とフルクトースのフルクトシドへの変換との組合せは、グルコースに富む原料をいずれかの反応へと送り、いずれかの反応の生成物の一部をリサイクルし、別の一部を所望のフルクトシド生成物として回収する方法において経済的に使用可能であることがわかっている。
従って、本発明は、グルコースに富む原料からフルクトシドに富む生成物を製造する方法を提供し、その方法は、異性化ゾーンにおいて本発明に従ってグルコースに富む原料からグルコースをフルクトースに異性化してフルクトースを含有する異性化生成物を生成する方法、及び上記のように、変換ゾーンにおいてフルクトースを含有する異性化生成物の少なくとも一部を酸触媒の存在下でアルコールと反応させてフルクトシド含有変換生成物を生成するフルクトシド含有生成物を製造する方法を含み、
グルコースに富む原料が異性化ゾーン又は変換ゾーンに送られ;
異性化生成物の少なくとも一画分が変換ゾーンに送られ、変換生成物の少なくとも一画分が異性化ゾーンに送られ;
異性化生成物又は変換生成物のいずれかが少なくとも2つの画分に分割され、分割される少なくとも一方の画分、即ち生成物画分がフルクトシドに富む生成物として回収される。
後者の方法は、少なくとも一部のグルコースに富む原料が異性化に付される方法を提供する。異性化ゾーンにおいて、グルコースはグルコースとフルクトースの混合物に変換される。そうした混合物の少なくとも一部が変換ゾーンにおいてアルコールとの反応に付される。フルクトースはグルコースよりも反応性が高いため、変換は主としてフルクトシドを生じる。アルコールに対するフルクトシドの溶解度は、アルコールに対するフルクトースの溶解度よりも実質的に高い。従って、結果として生じる変換生成物におけるフルクトース部分及びグルコース部分の濃度は、高くなり得る。異性化生成物又は変換生成物のいずれかの一部が残存物から分離され、生成物として回収される。残存物の少なくとも一部が、残存物が変換生成物に由来する場合は異性化へと、残存物が異性化生成物に由来する場合は変換へとリサイクルされる。
このようにして、フルクトシド、フルクトース及びグルコースの濃度が十分に高い溶液を得ることができる。
本発明に記載の方法は、多くのやり方で実施してもよい。方法を行う適切やり方としては、
- グルコースに富む原料が異性化ゾーンに送られ;実質的に全ての異性化生成物が変換ゾーンに送られ;変換生成物が少なくとも2つの画分に分割され、変換生成物から分割される少なくとも1つの生成物画分がフルクトシドに富む生成物として回収され、変換生成物の少なくとも1つの他の画分が異性化ゾーンに送られる方法、
- グルコースに富む原料が異性化ゾーンに送られ;異性化生成物が少なくとも2つの画分に分割され、異性化生成物から分割される少なくとも1つの生成物画分がフルクトシドに富む生成物として回収され、異性化生成物の少なくとも1つの他の画分が変換ゾーンに送られ;実質的に全ての変換生成物が異性化ゾーンに送られる方法、
- グルコースに富む原料が変換ゾーンに送られ;実質的に全ての変換生成物が異性化ゾーンに送られ;異性化生成物が少なくとも2つの画分に分割され、異性化生成物から分割される少なくとも1つの生成物画分がフルクトシドに富む生成物として回収され、異性化生成物の少なくとも1つの他の画分が変換ゾーンに送られる方法、
及び
- グルコースに富む原料が変換ゾーンに送られ;変換生成物が少なくとも2つの画分に分割され、変換生成物から分割される少なくとも1つの生成物画分がフルクトシドに富む生成物として回収され、変換生成物の少なくとも1つの他の画分が異性化ゾーンに送られ;実質的に全ての異性化生成物が変換ゾーンに送られる方法が挙げられる。
本発明による方法の一実施形態を概略的に示すフロースキームである。 本発明による方法の一実施形態を概略的に示すフロースキームである。
本発明の利点は、反応がアルコール中で行われることである。アルコールに対するフルクトースとグルコースの溶解度は共に限定的であるが、フルクトシドの溶解度はそれよりも高い。驚くべきことに、アルコール中のフルクトシドの存在が、グルコースの溶解を助けることがわかっている。従って、フルクトースのフルクトシドへの変換は、グルコース部分及びフルクトース部分の濃度を高めることができる。同時に、水性環境において行わないことが好適なその後の任意の反応、例えば、これらの炭水化物の5-ヒドロキシメチルフルフラールのエーテルへの変換を、コストがかかりかつ煩雑なフルクトース部分及びグルコース部分を含有する水性環境の分離の必要なしに実施することができる。
変換ゾーンにおける反応は、上記に説明した条件下で、アルコールを用いて実施される。
本発明の方法において、変換生成物又は異性化生成物は、少なくとも2つの画分に分割される。適切には、分割して2つの画分とし、一方の画分を場合により異性化ゾーン又は変換ゾーンへとリサイクルし、他方の画分をフルクトシド生成物として回収する。
変換工程中には、フルクトシドの形成において水が生成される。系中への水の蓄積を回避するため、水は異性化生成物又は変換生成物の分割中又は分割後に除去することが好ましい。水の除去は、フラッシング、蒸留、吸着、又はそれらの組合せによって適切に達成してもよい。他の技術、例えば薄膜分離技法を使用することもできる。
使用するアルコールによっては、水を除去する際にアルコールが水に同伴される場合がある。それは、水の除去がフラッシング又は蒸留によって行われる場合にも起こり得る。そうした場合、分離される水の画分を更なる分離工程に付して同伴したアルコールを水から分離してもよい。そうして分離されたアルコールを、変換ゾーン又は異性化ゾーンのいずれかへとリサイクルしてもよい。
グルコースに富む原料は、液体の形態で変換ゾーン又は異性化ゾーンへと送られることが好都合である。それは、グルコース、及び場合によってフルクトースを適切な溶媒に溶解させることを意味する。溶媒は通例は水である。水のレベルは比較的低レベルに保つことが好都合であるので、グルコースに富む原料における水の濃度は、原料を基準として最大で5%wtが好ましく、0〜3%wtがより好ましい。他の溶媒が原料中に存在する場合、そうした溶媒はアルコール、例えば、変換ゾーン及び/又は異性化ゾーンで使用されるものを含むことが好ましい。グルコースに富む原料を変換ゾーンへと送る際、原料は既にフルクトースを含有していることが好ましい。グルコースに富む原料中のフルクトースは、変換ゾーンにおいてアルコールと反応してフルクトシドを生成する。この実施形態は、グルコースに富む原料が相当量のフルクトースを含有する場合にとりわけ好都合である。従って、フルクトースに富む流れ、例えばHFCSは、こうした実施形態にとって非常に適切な原料を構成する。
本発明による方法は、フルクトシドに富む生成物を生成する。この生成物は、製造したままの状態で回収されてもよい。生成物は、この形態で、例えば、5-ヒドロキシメチルフルフラール又はそのエーテル若しくはエステルの製造に使用することもできる。フルクトシドに富む生成物を精製して精製フルクトシドを生成することも好都合である。こうした精製は、脱水工程、例えば蒸発工程又は吸着工程を含んでもよい。こうして、最終的な生成物における水の量を低減することができ、更なる使用によっては有益となり得る。
本発明は、上記の製造方法において製造されたフルクトシド含有生成物、本発明による方法において製造されたフルクトシドに富む生成物、及び/又は上記の精製後に生成する精製フルクトシドの5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造又は5-ヒドロキシメチルフルフラールのエーテル又はエステルの製造のための原料としての使用を更に提供する。所望の生成物の製造は、エーテル生成物については国際公開第2007/104514号パンフレットに、エステル生成物については国際公開第2007/104515号パンフレットに、5-ヒドロキシメチルフルフラールについては国際公開第2006/063220号パンフレットに記載されているように実施されてもよい。従って、本発明は、上記の製造方法において製造されたフルクトシド含有生成物、本発明による方法において製造されたフルクトシドに富む生成物、及び/又は上記の精製後に生成する精製フルクトシドを溶媒、アルコール又は有機モノカルボン酸の存在下で酸触媒と反応させることによって、5-ヒドロキシメチルフルフラール又はそのエーテル若しくはエステルを製造する方法を更に提供する。
本発明を図面によって更に詳しく説明する。
図1において、グルコースに富む原料の流れ、例えば、HFCSの流れがライン1を通ってプロセスへと導入される。アルコール、例えば、メタノールがライン2を通ってプロセスへと導入される。混ぜ合わされたグルコースに富む原料とメタノールが変換ゾーン3へと送られ、そこでグルコースに富む原料に含有されたフルクトースがアルコール、例えば、メタノールによってフルクトシドへと変換される。変換ゾーンは、一つ又は直列又は並列の複数の反応器からなっていてもよい。反応器は、任意のタイプの連続反応器、例えば、栓流(pluf flow)反応器、細流(trickle flow)反応器又は連続撹拌槽(continuous stirred tank)反応器(CSTR)であってもよい。変換生成物はライン4を通って変換ゾーン3から抜き出され、異性化ゾーン5へと導入される。異性化ゾーンも、以上に記載した反応器を含む一つ又は直列又は並列の複数の連続反応器を内包してもよい。異性化生成物は、ライン6を通って異性化ゾーン5から抜き出され、フラッシュ室7へと送られる。フラッシュ室においては、水をアルコールと共に蒸発させ、フラッシュ室の頂部からライン8を通って抜き出す。残りの生成物は、フラッシュ室7の底からライン12を通って排出される。ライン8内の水とアルコールとの混合物は分離装置、この場合は蒸留塔9に送られる。水はアルコールから分離され、更なる処理又は廃棄のためにライン11を通って排出される。水よりも沸点が低いアルコール、例えば、メタノールは、頂部上に蒸留されてライン10を通って送られ、続いて、ライン12内の生成物と混ぜ合わされる。混ぜ合わされた成分はスプリッタ13へと送り込まれ、成分の画分はライン14を通って分離されてフルクトシド含有生成物として回収される。スプリッタ13からの別の画分はライン15を通って搬送され、続いてライン2においてメタノールと混ぜ合わされる。こうして、変換生成物の一部は異性化ゾーン3へとリサイクルされる。
図2は、異なる実施形態を示す。グルコースに富む原料は、ライン21を通って供給される。このグルコースに富む原料は、例えば、スクロースのアルコール分解、特にスクロースのメタノリシス(メタノール分解)によってもたらされるものであってもよい。アルコール、例えばメタノールは、ライン22を通って供給される。アルコールの流れは、ライン35からの流れと混ぜ合わされる。ライン35の中の流れは、以下に説明するように、フルクトシドを含有する。ライン21、22及び35の混合物は、異性化ゾーン23へと送り込まれる。異性化ゾーン23は、一つ又は複数の反応器からなっていてもよい。反応器は、任意のタイプの連続反応器、例えば、栓流反応器、細流反応器、又はCSTRであってもよい。異性化生成物は、異性化ゾーン23からライン24を通って抜き出されてフラッシュ室25へと送られ、そこで水及びアルコールを蒸発させ、ライン26を通って抜き出される。残った生成物は底のライン30を通って排出される。水とアルコールとの混合物は、蒸留塔27において図1に関連して記載したのと同様の方法で分離される。分離された水は、ライン29を通って抜き出され、廃棄又は更なる処理のために排出される。アルコールはライン28を通って抜き出され、ライン30において残った生成物と混ぜ合わされる。混ぜ合わされた成分は、スプリッタに送られ、そこで流れがフルクトシド含有生成物として回収される画分32と、変換ゾーン34へと送られる画分33とに分割される。変換ゾーン34においては、流れ33からのフルクトースがフルクトシドに変換される。変換生成物は変換ゾーン34からライン35を通って抜き出され、その結果スプリッタ31からの画分32に回収されるフルクトシドが得られる。
フロースキームは付属機器、例えばポンプ、コンプレッサ、冷却手段、制御手段、及び再沸騰ループを何も示していないことは、当業者には明らかである。これらの付属物は、当業者が一般常識を用いて加えることができる。
(実施例1)
7.5mlのバッチ反応器において、メタノール1.00ml中のグルコース100mgを20バール、80℃〜120℃の間の温度、均一系塩基触媒の存在下で反応させた。表1に、異なる均一系触媒を用いて得られた結果を記載する。フルクトース及びグルコースの量は、グルコースの初期量を基準としたモル百分率で表わされている。
Figure 0006387570
(実施例2)
水10%volを含有するメタノール中で実施し、水酸化ナトリウムを触媒として使用した以外は、実施例1と同じ条件下で反応を実施した。表2に、これらの実験で得られた結果を記載する。
Figure 0006387570
(実施例3)
メタノール中、水の非存在下で120℃にて実施し、不均一系塩基を触媒として使用した以外は、実施例1と同じ条件下で反応を実施した。表3に、これらの実験で得られた結果を記載する。
Figure 0006387570
(実施例4)
7.5mlのバッチ反応器において、メタノール500μl中でグルコースおよそ355mgとフルクトース240mgとを、20バール、60℃〜80℃の間の温度、均一系酸触媒としての硫酸の存在下で反応させた。溶媒、即ち混ぜ合わせたメタノール及び水の質量に対し、含水量を0wt%〜10wt%の間で変化させた。フルクトースとグルコースとを合わせた総充填量は、溶液の質量に対して約60wt%である。表4に、異なる条件での結果を記載する。メチルフルクトシド及びメチルグルコシドの収率を定量し、フルクトース及びグルコースの量をそれぞれ基準としてモル百分率で表した。他の化合物は定量しなかった。
Figure 0006387570
(実施例5)
スクロース63wt%のスラリーを水5wt%とH2SO4 6mMとを含有するメタノール中で60℃にて完全に変換するまで反応させることにより、スクロースをメタノリシスに付した。生成物は、43モル%を超えるメチルフルクトシド、16モル%を超えるフルクトース、約83モル%のグルコース、及び2.5モル%未満のメチルグルコシドを含有していた。他の生成物には、約6モル%の5-ヒドロキシメチルフルフラールが含まれていた。モル百分率は、スクロースのモル量を基準とした。他の副生成物は定量化しなかった。反応混合物を水酸化ナトリウムで中和した。
7.5mlのバッチ反応器において、このメタノリシス生成物1.00mlを20バール、80℃又は100℃の温度にて、均一系塩基触媒としての水酸化ナトリウムの存在下で反応させた。表5に、結果を記載する。
なお、表5におけるフルクトースの収率は、供給原料中に既に存在した量に加えたフルクトースの追加量を表している。この収率は、供給原料におけるグルコースを基準としたモル百分率で表されている。
Figure 0006387570
5-ヒドロキシメチルフルフラール及びメチルグリコシド、即ち、メチルフルクトシド及びメチルグルコシドは、異性化条件下では変換されなかった。
1 ライン
2 ライン
3 変換ゾーン
4 ライン
5 異性化ゾーン
6 ライン
7 フラッシュ室
8 ライン
9 蒸留塔
10 ライン
11 ライン
12 ライン
13 スプリッタ
14 ライン
15 ライン
21 ライン
22 ライン
23 異性化ゾーン
24 ライン
25 フラッシュ室
26 ライン
27 蒸留塔
28 ライン
29 ライン
30 ライン
31 スプリッタ
32 画分
33 画分
34 変換ゾーン
35 ライン

Claims (18)

  1. グルコースに富む原料からフルクトシドに富む生成物を製造する方法であって、異性化ゾーンにおいて、グルコースに富む原料をアルコール性媒体中で少なくとも75℃の温度にて塩基性異性化触媒と接触させることによって、グルコースに富む原料のグルコースをフルクトースに異性化させるプロセスを行って、フルクトース含有する異性化生成物を生成する工程及び変換ゾーンにおいて、フルクトース含有する異性化生成物の少なくとも一部を酸触媒の存在下でアルコールと反応させて、フルクトシド含有変換生成物を生成する工程を含み、
    グルコースに富む原料は、異性化ゾーン又は変換ゾーンに送られ;
    異性化生成物の少なくとも一画分が変換ゾーンに送られ、変換生成物の少なくとも一画分が異性化ゾーンに送られ;
    異性化生成物又は変換生成物のいずれかが少なくとも2つの画分に分割され、分割される少なくとも一方の画分、すなわち生成物画分が、フルクトシドに富む生成物として回収される、方法。
  2. 塩基性触媒が、ハイドロタルサイト、アルカリ交換ゼオライト、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、アルカリ金属のアルコラート、ボラート、ボロナート及びボリナート、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 異性化におけるアルコール性媒体が、1〜8個の炭素原子を有するアルカノールを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 異性化におけるアルコール性媒体が、メタノールである、請求項3に記載の方法。
  5. フルクトース含有生成物の少なくとも一部と反応させるアルコールがC1〜C4アルカノールから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. フルクトース含有生成物の少なくとも一部と反応させるアルコールがメタノールである、請求項5に記載の方法。
  7. グルコースに富む原料が異性化ゾーンに送られ;実質的に全ての異性化生成物が変換ゾーンに送られ;変換生成物が少なくとも2つの画分に分割され、変換生成物から分割される少なくとも1つの生成物画分がフルクトシドに富む生成物として回収され、変換生成物の少なくとも1つの他の画分が異性化ゾーンに送られる、請求項1に記載の方法。
  8. グルコースに富む原料が異性化ゾーンに送られ;異性化生成物が少なくとも2つの画分に分割され、異性化生成物から分割される少なくとも1つの生成物画分がフルクトシドに富む生成物として回収され、異性化生成物の少なくとも1つの他の画分が変換ゾーンに送られ;実質的に全ての変換生成物が異性化ゾーンに送られる、請求項1に記載の方法。
  9. グルコースに富む原料が変換ゾーンに送られ;実質的に全ての変換生成物が異性化ゾーンに送られ;異性化生成物が少なくとも2つの画分に分割され、異性化生成物から分割される少なくとも1つの生成物画分がフルクトシドに富む生成物として回収され、異性化生成物の少なくとも1つの他の画分が変換ゾーンに送られる、請求項1に記載の方法。
  10. グルコースに富む原料が変換ゾーンに送られ;変換生成物が少なくとも2つの画分に分割され、変換生成物から分割される少なくとも1つの生成物画分がフルクトシドに富む生成物として回収され、変換生成物の少なくとも1つの他の画分が異性化ゾーンに送られ;実質的に全ての異性化生成物が変換ゾーンに送られる、請求項1に記載の方法。
  11. 異性化生成物又は変換生成物の分割を、場合により、2つの画分とする、請求項110のいずれか一項に記載の方法。
  12. 異性化生成物又は変換生成物の分割前、分割時、又は分割後に水を除去する、請求項111のいずれか一項に記載の方法。
  13. 水がフラッシング、蒸留、吸着、又はこれらの組合せによって除去される、請求項12に記載の方法。
  14. グルコースに富む原料がスクロースのアルコール分解の反応生成物を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. スクロースのアルコール分解が25〜150℃の範囲の温度にて行われる、請求項14に記載の方法。
  16. フルクトースを更に含むグルコースに富む原料が変換ゾーンに送られる、請求項19又は10に記載の方法。
  17. グルコースに富む原料がHFCSである、請求項16に記載の方法。
  18. 5-ヒドロキシメチルフルフラール又はそのエーテル若しくはエステルを製造する方法であって、異性化ゾーンにおいて、グルコースに富む原料をアルコール性媒体中で少なくとも75℃の温度にて塩基性異性化触媒と接触させることによって、グルコースに富む原料のグルコースをフルクトースに異性化させるプロセスを行って、フルクトースを含有する異性化生成物を生成する工程、及び変換ゾーンにおいて、フルクトースを含有する異性化生成物の少なくとも一部を酸触媒の存在下でアルコールと反応させて、フルクトシド含有変換生成物を生成する工程を含み、
    グルコースに富む原料は、異性化ゾーン又は変換ゾーンに送られ;
    異性化生成物の少なくとも一画分が変換ゾーンに送られ、変換生成物の少なくとも一画分が異性化ゾーンに送られ;
    異性化生成物又は変換生成物のいずれかが少なくとも2つの画分に分割され、分割される少なくとも一方の画分、すなわち生成物画分が、フルクトシドに富む生成物として回収され、
    生成されたフルクトシドに富む生成物を溶媒、アルコール、又は有機モノカルボン酸の存在下で酸触媒と反応させる工程をさらに含む、方法。
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