JP2014508124A - モノオルトアルコキシ置換触媒を用いるブタジエンのテロマー化方法 - Google Patents

モノオルトアルコキシ置換触媒を用いるブタジエンのテロマー化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014508124A
JP2014508124A JP2013546208A JP2013546208A JP2014508124A JP 2014508124 A JP2014508124 A JP 2014508124A JP 2013546208 A JP2013546208 A JP 2013546208A JP 2013546208 A JP2013546208 A JP 2013546208A JP 2014508124 A JP2014508124 A JP 2014508124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkoxy
catalyst
groups
butadiene
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013546208A
Other languages
English (en)
Inventor
アール. ブリッグス,ジョン
ティー. パットン,ジャッソン
ベイグザデ,ダリョーシ
エム. マーグル,ピーター
ハゲン,ヘンク
ヴェルマイレ−ロウ,ソネット
Original Assignee
ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー filed Critical ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Publication of JP2014508124A publication Critical patent/JP2014508124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C41/00Preparation of ethers; Preparation of compounds having groups, groups or groups
    • C07C41/01Preparation of ethers
    • C07C41/05Preparation of ethers by addition of compounds to unsaturated compounds
    • C07C41/06Preparation of ethers by addition of compounds to unsaturated compounds by addition of organic compounds only
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C1/00Preparation of hydrocarbons from one or more compounds, none of them being a hydrocarbon
    • C07C1/20Preparation of hydrocarbons from one or more compounds, none of them being a hydrocarbon starting from organic compounds containing only oxygen atoms as heteroatoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C41/00Preparation of ethers; Preparation of compounds having groups, groups or groups
    • C07C41/01Preparation of ethers
    • C07C41/18Preparation of ethers by reactions not forming ether-oxygen bonds
    • C07C41/20Preparation of ethers by reactions not forming ether-oxygen bonds by hydrogenation of carbon-to-carbon double or triple bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds
    • C07F9/50Organo-phosphines
    • C07F9/5022Aromatic phosphines (P-C aromatic linkage)

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

ブタジエンのテロマー化方法は、1,3−ブタジエンとアルカノールを、触媒促進剤ならびにVIII族遷移金属およびトリアリールホスフィン配位子を含むアルコキシ二量化触媒であって、前記トリアリールホスフィン配位子は、モノオルトアルコキシ置換されている1つのフェニル基、およびリン原子から電子を求引する置換基を少なくとも1つ含んでいる少なくとも1つの他のフェニル基を含むアルコキシ二量化触媒の存在下で反応させるステップを含む。生成物には、アルコキシ置換オクタジエンが含まれ、次に、このアルコキシ置換オクタジエンを使用して1−オクテンを生成することができる。前記触媒は、安定性、活性およびアルコキシ置換オクタジエンに対する選択性の改善を示す。

Description

本出願は、2010年12月21日出願の「モノオルトアルコキシ置換触媒を用いるブタジエンのテロマー化方法(PROCESS FOR TELOMERIZATION OF BUTADIENE USING A MONO−ORTHOALKOXY SUBSTITUTED CATALYST)」と題する、米国仮特許出願第61/425,373号の優先権を主張する非仮出願であり、この仮出願の教示は、本明細書において以下に全体が再現されるかのように、参照により本明細書に組み込まれている。
本発明は、共役ジエンのテロマー化方法に関する。より詳細には、本発明は、貴金属およびただ1つのオルトアルコキシ基を含有し、かつ少なくとも1つの電子求引基を含有するトリアリールホスフィン配位子を含有する触媒の存在下で、1,3−ブタジエンをアルコキシ二量化する方法であって、前記触媒が望ましい安定性および1−アルコキシオクタジエン生成物に対する選択性を示す方法に関する。
様々な目的に非常に有用な化学品である1−オクテンは、世界中の様々なところで製造されている。特に、1−オクテンはポリエチレン製造におけるコモノマーとして、およびオキソ合成(ヒドロホルミル化)によって線状アルデヒドを製造するための出発物質として使用されており、前記線状アルデヒドは、ひいては可塑剤であるノナン酸を製造するために使用されている。1−オクテンは、例えばエチレンのオリゴマー化またはフィッシャー−トロプシュ合成によって製造することができるが、ブタジエンのテロマー化による方法が、益々価値を高めている。このテロマー化反応は、求核剤の付加を伴うブタジエンのオリゴマー化、特に二量化を必要とする。そのような求核剤の例には、水、アルコールおよびアミンなどの1つまたは複数の活性水素原子を含有している化合物が含まれる。求核剤は、ブタジエンのオリゴマー、特にダイマーの末端部位に主に導入される。
VIII族遷移金属触媒によって触媒されるテロマー化反応は、従来技術において広く述べられている。歴史的には、回分条件下におけるテロマー化反応の転化率および選択性の最適化に、主として関心が向けられてきたが、結局、連続式製造方法をより容易にできるようにすることに関心が変わってきた。触媒選択に関する関心は、経済的理由のために、触媒再使用を可能にする方法の発展をもたらした。そのような方法は、例えば、蒸留、沈殿および/または抽出を含む手段によって、生成物の混合物から触媒を分離する技術を必要とすることが多かった。触媒の分解または金属化(metallization)は、後に、追加の触媒再生ステップが必要となることがあるため、回避するよう留意する必要がある。
確認された多くの方法および触媒があるにもかかわらず、こうした方法は様々な生成物を依然として生成しており、特に1−オクテンの製造に必要な生成物(すなわち1−メトキシ−2,7−オクタジエン(OD−1−R))に対する選択性は、求められるレベルよりも一般に低い。したがって、OD−1−Rに対する選択性を向上し、かつ触媒の不安定性などの問題を低減する方法が、依然として求められている。
一態様では、本発明は、少なくとも1つのアルコキシ置換オクタジエンを含む反応生成物が生成する条件下、液相中の反応域において、VIII族遷移金属および3つのフェニル基を有するホスフィン配位子を含む触媒であって、1つのフェニル基が置換基としてちょうど1つのオルトアルコキシ基を含んでおり、他の2つのフェニル基の少なくとも1つが各々、0よりも大きいハメット定数値を有する少なくとも1つの置換基を含んでおり、前記ホスフィン配位子が10〜18の範囲のTolmanのカイ値を有している触媒、ならびに触媒促進剤の存在下で、1,3−ブタジエンと活性水素含有化合物を反応させるステップを含むブタジエンのテロマー化方法を提供する。
別の態様では、本発明は、ブタジエンから1−オクテンを製造する方法であって、(1)アルコキシ置換オクタジエンの生成に適した条件下、VIII族遷移金属および3つのフェニル基を有するホスフィン配位子を含むアルコキシ二量化触媒であって、1つのフェニル基が置換基としてちょうど1つのオルトアルコキシ基を含んでおり、他の2つのフェニル基の少なくとも1つが、0よりも大きいハメット定数値を有する少なくとも1つの置換基を含んでおり、前記ホスフィン配位子が10〜18の範囲のTolmanのカイ値を有しているアルコキシ二量化触媒、ならびに触媒促進剤の存在下で、1,3−ブタジエンと活性水素含有化合物を反応させるステップ、(2)アルコキシ置換オクタンの生成に適した条件下で、前記アルコキシ置換オクタジエンを水素化するステップ、ならびに(3)1−オクテンの生成に適した条件下で、前記アルコキシ置換オクタンを分解するステップ、を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、ビス(4−クロロフェニル)(2−メトキシフェニル)ホスフィン、ビス(4−フルオロフェニル)(2−メトキシフェニル)ホスフィン、またはそれらの組合せを含む物質の組成物を提供する。
本発明は、1,3−ブタジエンから1−オクテンを製造する方法を提供する。本方法は概して、ジオレフィンの二量化およびアルコキシ置換を組み合わせてアルコキシ置換オクタジエン(好ましくはメトキシ置換オクタジエン)を生成するステップ、前記アルコキシ置換オクタジエンを水素化してアルコキシオクタン(好ましくはメトキシオクタン)を生成するステップ、ならびにアルコキシ基を脱離して対応するアルカノール(好ましくはメタノール)および目的の1−オクテンを生成するステップを含む。本方法は、転化効率が高いこと、ブタジエンおよびアルカノールは比較的安価な出発原料であること、ならびに本明細書に記載のホスフィン配位子は、類似の反応スキームにおいて使用される他のホスフィン系アルコキシ二量化用配位子と比較して、アルコキシ二量化生成物中における所望の1−アルコキシ置換オクタジエンに対する選択性の向上および安定性の改善の両方を示すことから、経済的に魅力的である。
アルコキシ二量化反応に関する一般的な反応スキームは、以下の通りである。
Figure 2014508124
アルコキシ二量化生成物のOD−1−Rフラクション、すなわち1−アルコキシ−2,7−オクタジエンは、次に水素化されて水素化生成物、とりわけその1−アルコキシ置換オクタンのフラクションを生成することができるフラクションである。次に、この1−アルコキシ置換オクタンを脱離させて、1−オクテンを生成することができる。これを鑑みると、アルコキシ二量化にとって、OD−1−Rフラクションに対する選択性が望ましい。テロマー化生成物のOD−3−Rフラクションは、より具体的には3−アルコキシ−1,7−オクタジエンであり、スキーム中の「オクタトリエン」(OT)として表されるフラクションは、より具体的には1,3,7−オクタトリエンである。
アルコキシ二量化のための第1の反応物質は、活性水素含有化合物である。ある特定の好ましい実施形態では、活性水素含有化合物は、より一般的な名称「アルコール」により反応スキーム中に示されるアルカノールであるが、やや好ましい実施形態では、水、カルボン酸、アミン、ポリオールまたはそれらの組合せから選択されてもよい。好ましいアルカノールが選択される場合、アルカノールは、望ましくは1〜10個の炭素原子、より好ましくは1〜3個の炭素原子を有し、溶媒および反応物質の両方として働くのに適している。特に、メタノールが好ましいが、エタノールまたはプロパノールも望ましく選択され得る。本明細書では便宜的に、アルカノールという用語は、これ以降、一般に活性水素含有化合物を表すために使用し、本来のアルカノールを含むが、それには限定されるものではない。
上記反応スキームから分かるように、アルコキシ二量化は触媒の存在下で実施される。この触媒は2つの部分から構成される。一方の部分はVIII族遷移金属含有化合物であり、もう一方の部分は特定のホスフィン配位子であり、それらの両方の態様について、さらに以下に説明する。
本発明において使用される触媒の第1の部分は、VIII族遷移金属、すなわち「貴」金属から選択される。貴金属としては、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)およびそれらの組合せが挙げられる。ある実施形態では、Pd、PtおよびRuが好ましく、Pdがより好ましく、上記反応スキーム中には単に例示目的で含まれている。これは、塩、好ましくは、組み込まれることになるアルカノールに対して可溶性の塩、または見かけ上不溶性の塩(この塩は、混合物として、以下で詳細に論じる配位子を含むこともできる)の形態で最も都合よく使用される。「見かけ上不溶性の」とは、アルコキシ二量化触媒が、アルカノール中またはアルカノール配位子混合物中において不溶に見えるが、触媒的に有効な「貴金属部分」を生じるようになる塩(複数可)を含むことを意味する。
いかなる特定の理論によっても拘束されることを望むものではないが、アルコキシ二量化触媒が関与する化学変換は、実に複雑であり、恐らく、貴金属塩もしくは貴金属部分、ブタジエン、含まれる任意の配位子、および/または推定されるブタジエン二量体の中間体の間の錯体の形成および分解を含んでいる。触媒的に有効な貴金属部分の形成は、アルコキシ二量化触媒とブタジエン、推定されるブタジエン二量体および/またはアルカノールとの相互作用によって影響を受けるものと考えられる。最適な反応速度を得るため、アルコキシ二量化触媒は、好ましくはアルカノール可溶性貴金属塩を含む。
限定されるものではないが適切な貴金属の塩は、有機酸または無機酸である。具体例としては、ハロゲン化物およびカルボン酸塩が挙げられる。Pdアセチルアセトネート(Pd(AcAc))などのアセチルアセトネート塩も有用となり得る。さらに、貴金属が例えば塩化パラジウム酸塩または塩化白金酸塩などのアニオンで存在している塩が適切である。三級窒素含有配位子を有する金属錯体などの金属錯体も適切である。公知のPdアリル錯体も適切である。やや好ましいアルコキシ二量化触媒は、1分子あたり2つの貴金属原子を含むことができる。そのようなアルコキシ二量化触媒としては、必ずしも限定されるものではないが、トリス(ジベンジリデンアセトン)二貴金属を挙げることができる。好ましいアルコキシ二量化触媒はトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムである。アルコキシ二量化の触媒は、新しく(fresh)供給されてもよく、および/またはアルコキシ二量化(すなわちテロマー化)法からリサイクルされた液流(stream)として供給されてもよい。
アルコキシ二量化触媒は、さらにホスフィン配位子を含む。本発明において使用されるホスフィン配位子は、他のいくつかのトリアリールホスフィン配位子と比較して、アルコキシ二量化生成物中のアルコキシ置換オクタジエン、とりわけ1−アルコキシ置換オクタジエンに対する選択性および活性の顕著な改善、さらには高メタノール濃度(例えば10.4モル濃度(M)よりも高い)における安定性の顕著な改善を可能にするものとして、新規に特定されたものである。選択される配位子は、望ましくは3つのフェニル基を有するホスフィン配位子、すなわちトリアリールホスフィンであり、1つのフェニル基がオルトアルコキシ基を置換基として含んでおり、他の2つのフェニル基が各々、オルトアルコキシ基ではない電子求引部分を、置換基として含んでいる。ここで定義するように、電子求引性置換基(複数可)は、リン原子から電子密度を求引する任意のものとすることができ、σまたはσ(リン原子に対して、それぞれ、メタ位またはパラ位に位置している)として示される正のハメット定数値を有するものとして特定することができ、したがって、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、ニトロ、有機官能基(アルデヒド、カルボン酸、エステル、ケトン、シアニド、0より大きいハメット定数を有する他の任意の基など)、およびそれらの組合せからなる群から選択することができる。好ましい実施形態では、電子求引性置換基は、トリフルオロメチル、フルオリド、クロリドおよびそれらの組合せから選択され、より好ましくは、フルオリド、クロリドおよびそれらの組合せである。
全体として、配位子は、ホスフィンの塩基性度について、Tolmanのカイパラメータ値を満足するのが望ましい。これは、Tolmanの方法(例えば、Tolman, C.A.「Steric Effects of Phosphorus Ligands in Organometallic Chemistry and Homogeneous Catalysis」、Chem. Rev. 1977、77、313-348、p.313を参照されたい)によって得られる配位子の推定カイ値が、10〜18、より好ましくは10〜16、最も好ましくは10〜14の範囲にあることを意味する。したがって、限定的な例ではないが、考えられる配位子としては、以下の「カイ値のチャート」中の構造「3」および「4」として表す化学構造に相当するものが挙げられる。
Figure 2014508124
触媒の各特徴の別の特徴に対する量は重要である。特定の実施形態では、定義したホスフィン配位子対VIII族遷移金属化合物のモル比は、好ましくは0.5:1〜4:1の範囲である。より好ましい実施形態では、1:1〜3:1の範囲である。最も好ましくは、1.5:1〜2.5:1の範囲である。2つの構成部分を含む触媒は、所望のアルコキシ二量化を生じるのに十分な量で使用されるのが望ましく、全反応物質基準で、貴金属の量が好ましくは0.005〜0.1モル%、より好ましくは0.01〜0.05モル%の範囲である。
触媒促進剤もまた、本発明の方法において含むことができる。例えば、パラジウム(II)化合物が触媒前駆体として使用される場合、一般に反応条件下において活性な触媒を形成させるために、ある一定の時間を要する。この時間は、ホスフィン配位子の電子的および立体的特性に依存するが、誘導期間と呼ばれる。この誘導期間は、一般に1分を超えるが2時間未満である。触媒促進剤は、誘導期間を短縮するか、または本質的になくすために有利に使用される。
触媒促進剤は、三級アミン、水素化ホウ素アルカリ金属、酸化物、および一般式(ROn+(式中、Rは水素、C〜C20ハイドロカルビルまたは置換C〜C20ハイドロカルビルであり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属または四級アンモニウムであり、nは1または2である)を有する化合物からなる群から選択することができる。より好ましくは、触媒促進剤は、一般式ROM(式中、ROは有機アルカノールから誘導され、Mはリチウム、ナトリウムまたはカリウムである)を有する化合物から選択される。
誘導期間を短縮するかまたは本質的になくす他に、促進剤はまた、パラジウム触媒の効率を向上することもある。いかなる正確な理論または機構的な議論によっても拘束されることを望むものではないが、本方法において使用される促進剤は、有利には、有機ヒドロキシル化合物(アルカノール)の少なくとも一部(fraction)を脱プロトン化するよう、本質的に十分に塩基性であり、これによりテロマー化反応速度が向上すると考えられる。
本方法は、塩基性および反応液への溶解度などの特性によって、誘導期間を短縮するまたは本質的になくしてしまうのに十分な量の触媒促進剤が使用されるのが好ましい。したがって、触媒促進剤対パラジウム(または他の貴金属)のモル比は、1:1〜1000:1、より好ましくは1:1〜100:1、最も好ましくは2:1〜20:1の範囲であるのが望ましい。
アルコキシ二量化反応を実施するために、最初に触媒混合物を調製して、それを「活性化条件」に供するのが通常である。そのような条件は、(a)アルコキシ二量化触媒以外の反応物質はいずれも溶解する、および(b)アルコキシ二量化触媒を活性化する、ために有効なものとして定義される。その結果、活性化している触媒混合物が得られる。活性化条件は、触媒を活性化するために有効な時間(活性化時間と呼ばれる)、活性化温度でアルコキシ二量化触媒の混合物を維持することを含む。アルコキシ二量化触媒がアルカノールに可溶な貴金属塩を含む場合、活性化温度および活性化時間は、アルカノール/配位子の溶液中に貴金属塩を溶かすために有効である。アルコキシ二量化触媒が見かけ上アルカノールに不溶である場合、活性化温度および活性化時間は、アルカノール/配位子の溶液中の「貴金属化合物の部分」を遊離させるために有効である。
「ブタジエン」が本明細書で使用される場合、この用語は、具体的には1,3−ブタジエンを意味しており、活性化した触媒混合物に添加されるのが好ましい。ブタジエンは、いかなる公知の供給源からも得ることができる。特に有利なブタジエンの供給源は、粗製のC4である。添加されるブタジエンの量は、好ましくはブタジエン:アルカノールの最適なモル比を生じるのに有効な量である。この比は、特定のアルカノールおよび所望の転化率に一部依存する。低い転化率が望ましいか、または許容される場合、1:5という低いブタジエン:アルカノールのモル比が適切である。より高い転化率を得るためには、一層多くの割合のブタジエンが好ましく、ブタジエン:アルカノールのモル比は1:3〜1:0.5の範囲とすることができる。最も好ましくは、ブタジエン:アルカノールのモル比は1:2〜1:1の範囲である。
反応に不活性な溶媒であれば、そうした追加の溶媒を、反応混合物中のアルカノールに加えて使用することが可能である。しかし、そうしたことは好ましくない。別の溶媒が望ましいと考えられる場合、選択される適切な溶媒としては、水素化に適したものとして後に列挙するものが挙げられる。
上記のスキーム中の「塩基」として一般に呼ばれる塩基性促進剤の存在下で、ブタジエンとアルカノールの反応を行うこともまた好ましい。この塩基性促進剤は、少なくとも一部のアルカノール、例えばメタノールを脱プロトン化して、テロマー化反応の速度を向上させるのに十分な塩基性である。限定的な例ではないが、該塩基性促進剤は、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、上記で提示された触媒促進剤の選択肢となる可能性のある任意のもの、またはそれらの組合せとすることができる。水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシドが好ましい。
ブタジエンを、好ましい実施形態を示す活性化した触媒混合物に加える場合、結果は発熱反応である。これに対処し、かつ適切な温度制御を確保するために、実験室規模の条件下では、ブタジエンの添加前に、活性化した触媒混合物を冷却することが望ましいことがあるが、商業規模では、こうしたことは不必要となり得る。したがって、実験室規模では、活性化した触媒混合物は70℃未満、より好ましくは約60℃の温度に冷却するのが好ましい。活性化した触媒混合物およびブタジエンの組合せは、アルコキシ二量化混合物を構成する。
次に、このアルコキシ二量化混合物は、好ましくは撹拌しながら、120℃以下、好ましくは60℃以下の準備温度までゆっくりと加熱され得る。その後、アルコキシ二量化混合物は、消費したブタジエン基準で、少なくとも90重量%の1−アルコキシ置換オクタジエン、すなわちOD−1−Rを生成するのに有効なアルコキシ二量化温度まで加熱して、この温度に維持され得る。好ましいアルコキシ二量化温度は、40〜130℃、より好ましくは50〜120℃、さらにより好ましくは60〜100℃、最も好ましくは60〜90℃の範囲である。アルコキシ二量化温度は、少なくとも2時間、好ましくは2〜8時間、より好ましくは2〜6時間、最も好ましくは約4時間のアルコキシ二量化時間、維持される。
典型的なアルコキシ二量化の圧力は、5〜30気圧(およそ0.51〜およそ3.04MPa)で変動し得る。アルコキシ二量化の圧力が自己発生の場合、多くの場合良好な結果を得ることができ、または、アルコキシ二量化の圧力が発生させた圧力である場合、反応物質は、密封反応器中でアルコキシ二量化温度に維持される。こうした圧力は、1〜30気圧(およそ0.01〜およそ3.04MPa)である。
一旦アルコキシ二量化の時間が経過したら、混合物は、好ましくは準備温度まで、冷却されるが、その温度は25℃以下が望ましい。冷却した生成物は減圧して、水素化反応に直接供給してもよく、または、アルコキシオクタジエンをまず回収し、次いで水素化反応に供給してもよい。アルコキシオクタジエンの回収は、選択的抽出、分別蒸留およびクロマトグラフ技法などの任意の適切な手段を使用して達成される。好ましい実施形態では、アルコキシ二量化の生成物は、所望の1−アルコキシ置換オクタジエンの少なくとも90重量%(wt%)、好ましくは少なくとも93重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%である。
上記で調製される1−アルコキシ置換オクタジエンは、水素化されてアルコキシオクタンを生成することができる。アルコキシ二量化触媒は貴金属を含むので、水素化反応はアルコキシ二量化触媒を使用して実施することができる。しかし、アルコキシ二量化生成物を分離して、固定床水素化触媒を含む水素化反応装置に供給すると、一層大きな効率を達成することができる。実質的に、公知の不均一または均一水素化触媒のいずれも使用することができる。好ましい水素化触媒は不均一触媒である。
適切な水素化触媒は、26〜78までの原子番号を有する金属を含み、該金属としては、必ずしも以下に限定されないが、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Br、Kr、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、te、I、Xe、Cs、Ba、ランタノイド系(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Th、Dy、No、Er、Tm、Yb、Luを含む)、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、およびPtが挙げられる。水素化触媒の好ましい金属は、28〜78の原子番号を有し、したがって、FeおよびCoを除く上記に列挙したものが挙げられる。水素化反応に適した他の公知の触媒としては、以下に限定されないが、Cr、MoおよびWを含むVI族の酸化物およびスルフィドが挙げられる。
水素は純粋な水素ガス(H)として供給されてもよく、または1つもしくは複数の追加のガスによって希釈されていてもよい。適切な希釈用ガスは不活性であり、水素化反応工程を妨げないものである。例えば、必要な水素を供給するため、合成ガスなどのプロセスガスを使用するのが望ましいことがある。プロセスガスが水素化反応工程を妨げないならば、そのようなプロセスガスは水素源としての使用に適している。
水素化反応は、回分法または連続法として、どちらでも実施することができ、連続法が好ましい。回分法では、均一触媒または不均一触媒は、反応物質と一緒に反応器に投入され、その反応器は水素または水素含有ガスによって加圧される。連続法では、水素化触媒は充填床に含まれている固体、より好ましくは担持金属触媒であり、アルコキシ置換オクタジエン(複数可)および水素が、水素化反応条件に維持されている該床を同時に通過する。
一般に、任意の従来の水素化反応方法も使用することができる。水素化反応は、液相または気相中で実施することができる。出発原料の性質によって、反応は0〜400℃の温度で行うことができる。好ましくは、温度は周囲温度から350℃の範囲である。より好ましくは、水素化反応は、50〜200℃の温度で行われる。圧力は重要ではなく、水素化反応が液相中または気相中で実施されるかどうかに依存する。一般に、圧力は、0.1〜100bar(10キロパスカル(kPa)〜10,000kPa)で変動し得る。
水素化反応は、溶媒の存在下または非存在下のいずれでも実施することができる。溶媒を使用する場合、水素化反応条件および反応物質に不活性であるものが好ましい。適切な溶媒としては、必ずしも以下に限定されないが、エーテル、芳香族炭化水素、パラフィン、ハロゲン化炭化水素、ニトリルおよびそれらの組合せを挙げることができる。
例として、適切なエーテルとしては、ジアルキルエーテル、アルキルアリールエーテル、環式エーテル、および低級アルキルエーテルを挙げることができる。具体的なエーテルの例としては、必ずしも以下に限定されないが、ジブチルエーテル、メチルヘキシルエーテル、アニソール、フェニルブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルおよびグリコールトリエチルエーテルが挙げられる。適切な芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエンおよびキシレンを挙げることができる。適切なハロゲン化炭化水素としては、クロロホルム、四塩化炭素、四塩化エチレン、塩化メチレンおよびブロモホルムを挙げることができる。適切なスルホキシドとしては、例えばジメチルスルホキシドを挙げることができる。適切なニトリルとしては、アセトニトリルおよびベンゾニトリルを挙げることができる。
水素化反応のステップの結果得られるのが、アルコキシオクタンである。次に、このアルコキシオクタンを、アルカノールの形態でのアルコキシ基の脱離と、多くの場合に所望の最終目的生成物である1−オクテンの生成との両方に適した分解条件に付すことができる。この分解は、技術的にはエーテル開裂であり、この場合、例えば、メチルオクチルエーテル(アルコキシオクタン)はエーテル開裂を受けて、1−オクテンおよびアルカノール(例えばメタノール)を与える。この分解は適切な触媒の非存在下で実施することができるが、1−オクテン収率を向上するために触媒を使用するのが好ましい。固体酸触媒、好ましくはアルミナ触媒が本目的に有効となり得る。そのような触媒の例としては、アルファ、デルタ、ガンマ、イータおよびシータアルミナを挙げることができ、これらのアルミナは、水酸化ナトリウムなどの塩基によって、または他の処理剤によって改質することができる。ある特定の実施形態では、ガンマアルミナが使用される。
分解が実施される温度は、触媒活性、および分解するそれぞれの化合物の分解温度の両方に依存する。例えば、分解する化合物がメチルオクチルエーテルである特定の実施形態では、分解温度は、200〜500℃、好ましくは200〜400℃、より好ましくは250〜350℃の範囲とすることができる。分解反応を行うことができる圧力もまた、幅広く変動し得るが、高活性を確保するため1〜2bar(100〜200kPa)に維持するのが好ましい。
最終ステップは、気相中または液相中で実施され、気相が多くの場合好ましい。不活性ガスまたは不活性な液状希釈剤が、分解する物質、例えばメチルオクチルエーテルを希釈するために使用されてもよい。そのような不活性ガスの例としては、窒素、ヘリウム、アルゴンおよびそれらの組合せを挙げることができる。あるいは、他のエーテルが希釈剤として使用されてもよい。希釈剤が使用される場合、希釈剤:反応物質は0.1:1より大きく100:1まで、好ましくは1:1〜20:1の範囲の重量比であるのが好ましい。希釈剤としてのエーテルの選択は、リサイクルを可能にすることによって、いくつかの利点を示すことがあり、ひいては、アルコールの正味の損失を低減する手助けとなり得る。例えば、メチルオクチルエーテルが試薬として選択される場合、ある量のメタノールが分解反応において生成することになる。次いで、このメタノールは脱水してジメチルエーテル(DME)および水を生成し、この反応は、1−オクテンおよびメタノールを与えるエーテル開裂反応と同時に起こる。次いで、生成したDMEが分解反応器にリサイクルして戻されると、水も加えることができ、これは、方法全体にわたり、アルコールの正味の損失がないことを確実にする手助けとなろう。生成したメタノールはまた、最初の工程ステップにリサイクルして戻すことができる。
分解反応は、連続式、半連続式または回分式に行うことができる。連続様式では、反応物質(複数可)、および使用する場合はどのような希釈剤(複数可)も、所望の反応条件下で触媒床上を連続的に通過することができる。反応物質(複数可)は、1時間当たり触媒グラム当たり1−置換オクタンを0.01グラム(g/g cat/h)から50g/g cat/h、好ましくは0.1〜10g/g cat/hの範囲の毎時重量空間速度(WHSV)で反応器に加えることができる。
別の態様では、分解ステップは一定温度で、あるいは断熱的に行うことができる。固定床の断熱運転の場合、反応器中の温度は、分解反応の吸熱的な性質により、反応器長さに沿って一般に低下することになる。反応器の出口温度は、触媒上での液体の凝縮を低減するまたは防止するために、望ましくは流出混合物の露点より高い状態であるべきである。初期の入口温度およびその温度低下の程度は、1−置換オクタンの1−オクテンへの転化率レベル、および希釈剤と反応物質との比と相互に関係する。すなわち、より大きな温度低下はより高い転化率レベルを示し、また希釈剤:反応物質の比がより高いと、所与の入口温度において、より高い転化率レベルをもたらす傾向がある。好ましい実施形態では、1−置換オクタンの1−オクテンへのモル転化率は、1−置換オクタンの入口濃度基準で、理論的には40〜80パーセントの範囲となり得る。
実験
アルドリッチ(Aldrich)から購入した無水メチルシクロヘキサン(MCH)およびメタノール(CHOH)を、グローブボックス中で、活性アルミナに通すことにより精製する。ジブチルエーテル(ガスクロマトグラフィー用内部標準、アルドリッチから購入、をナトリウム/カリウム合金上で一晩撹拌し、次に、活性アルミナによってろ過する。配位子1および配位子2として上記カイ値のチャート中で示されるホスフィン、臭化(4−クロロフェニル)マグネシウム(1.0Mのジエチルエーテル溶液)、臭化(4−フルオロフェニル)マグネシウム(2.0Mのジエチルエーテル溶液)、臭化(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)マグネシウム(1.0Mのジエチルエーテル溶液)、およびn−ブチルリチウム(n−BuLi)(2.0Mのシクロヘキサン溶液)は、アルドリッチから購入したものをそのまま使用する。
実施例1
ビス(4−クロロフェニル)(2−メトキシフェニル)ホスフィン、*配位子3(*上記カイ値のチャートを参照されたい)の調製
撹拌したジメチル2−メトキシフェニルホスホナイト(1.0g、5.0mmol)のジエチルエーテル(40mL)溶液に、臭化(4−クロロフェニル)マグネシウムのジエチルエーテル溶液(1M)(10.5mL、10.5mmol)を0℃で30分かけて滴下して加える。室温まで温めた後、この混合物をろ過してストリップするとオイルが得られ、これをMeOHによって粉末化すると白色固体が得られる(0.98g、58%)。1H NMR (C6D6): δ 7.09 (m, 5H), 7.03 (m, 4H), 6.78 (m, 1H), 6.74 (m, 1H), 6.47 (dのd, 1H, J = 8.2, 4.7), 3.16 (s, 3H); 13C NMR (C6D6): δ 161.47 (d, 1C, JCP = 15.1 Hz), 135.88 (d, 2C, JCP =13.8 Hz), 135.52 (d, 4C, JCP = 21.4), 135.30 (s, 2C), 133.74 (d, 1C, JCP = 2.6 Hz), 130.86 (s, 1C), 128.99 (d, 4C, JCP= 6.6 Hz), 125.60 (d, 1C, JCP = 14.2 Hz), 121.47 (s, 1C), 110.64 (s, 1C), 55.15 (s, 1C); 31P NMR (C6D6) δ -16.54. 元素分析:C19H15Cl2OPの計算値: C, 63.18; H, 4.19; O, 4.43; P, 8.58. 測定値: C, 63.31; H, 4.40.
実施例2
ビス(4−フルオロフェニル)(2−メトキシフェニル)、*配位子4の調製
0℃に冷却して撹拌したジクロロ(2−メトキシフェニル)ホスフィン(1.50g、7.18mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、臭化(4−フルオロフェニル)マグネシウム(2M、7.18mL、14.4mmol)のジエチルエーテル溶液を30分間かけて滴下して加える。この混合物を室温まで温め、次に、一晩還流すると沈殿物が得られ、これをろ取する。ろ液を真空中で濃縮すると茶色の粘ちょうなオイルとなり、これを温トルエンによって抽出する。このトルエン溶液を、脱ガスした脱イオン水およびブラインで洗浄する。上の有機層をMgS0上で脱水してろ過し、真空中で乾燥すると、粘ちょうな黄色オイルが得られる。−35℃でヘキサンから結晶化すると、所望の生成物0.490g(21%)が得られる。1H NMR (C6D6): δ 7.21 - 7.09 (m, 5H), 6.83 - 6.69 (m, 6H), 6.52 -6.48 (m, 1H), 3.18 (s, 3H); 13C NMR (C6D6): δ 165.32 (s), 162.03 (s), 161.37 (d, J = 15.2), 136.13 (dd, J = 22.3, 8.0), 133.62 (d, J = 1.8), 133.04 (dd, J = 12.7, 3.6), 130.65 (s), 121.40 (s), 115.84 (dd, J = 20.6, 7.7), 110.64 (d, 1.5), 55.26 (s); 31P NMR (C6D6): δ (未希釈H3PO4を外部基準とした): -17.12 (t, J = 4.9); 19F NMR (C6D6): δ (未希釈CCl3Fを外部基準とした): -133.00 (八重線).
比較例A
ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)(2−メトキシフェニル)ホスフィン、*配位子5の調製
実施例2に示した一般的方法を用いて、この化合物を合成し、所望の生成物を透明で粘ちょうなオイルとして、15%収率で単離する。1H NMR (C6D6): δ 7.74 - 7.72 (m, 4H), 7.66 - 7.65 (m, 2H), 7.04 - 6.98 (m, 1H), 6.87 - 6.81 (m, 1H), 6.64 - 6.58 (m, 1H), 6.35 - 6.31 (m, 1H), 3.03 (d, 3H, J = 1.1); 13C, ppm (C6D6, δ): 161.22 (d), 140.19 (d), 135.01 (d), 133.39 (m), 132.85 (s), 132.38 (d), 131.94 (d), 125.38 (s), 122.98 (m), 121.98 (m), 111.24 (s), 54.82 (s); 31P NMR (C6D6) δ, (未希釈H3PO4を外部基準とした): -9.26; 19F NMR (C6D6) δ(未希釈CCl3Fを外部基準とした): -63.33
比較例B
触媒1〜5を配位子1〜5から調製し、以下のように評価する。
プレ触媒のストック溶液の調製:
Pd(acac)(0.0294g、0.0000966モル、アルドリッチ)、ホスフィン配位子(0.0001932モル)および酢酸(0.0000966モル、CHOH中、0.1932MのHOAcを0.50mL)をMeOHに溶解し、全容量50.00mLとする。
触媒的テロマー化反応のスクリーニング:
各配位子を試験するために、ジ−n−ブチルエーテル、MeOH、メチルシクロヘキサン、プレ触媒のストック溶液から1種(1.00mL)、およびナトリウムメトキシド(NaOMe)溶液(MeOH中、0.00193MのNaOMeを0.5mL)を、開放フィッシャーポーターボトル(Fisher-Porter bottle)に注入する。4つの反応器を、異なるメタノール濃度(5.1、10.4、12.7および14.4M)で操作する。反応温度にて、反応器に、気密性シリンジによって1−3−ブタジエン(およそ3.5g)を加える。評価の結果を表1に示す。
Figure 2014508124
比較可能なメタノール濃度において、実施例の配位子(配位子3および4)は、比較例の配位子(配位子1、2および5)のものと比較すると、分岐状(OD−3−R)生成物に対する線状(OD−1−R)生成物の比、経時的なブタジエン転化率パーセントとして測定される活性、OD−3−RおよびOTと比較したOD−1−Rに対する選択性、ならびにターンオーバー数(TON)として測定される安定性において、全般的に改善を示している。

Claims (10)

  1. 少なくとも1つのアルコキシ置換オクタジエンを含む反応生成物が生成する条件下、液相中の反応域において、VIII族遷移金属および3つのフェニル基を有するホスフィン配位子を含む触媒であって、1つのフェニル基が置換基としてちょうど1つのオルトアルコキシ基を含んでおり、他の2つのフェニル基の少なくとも1つが各々、0よりも大きいハメット定数値を有する少なくとも1つの置換基を含んでおり、前記ホスフィン配位子が10〜18の範囲のTolmanのカイ値を有している触媒、ならびに触媒促進剤の存在下で、1,3−ブタジエンと活性水素含有化合物を反応させるステップを含むブタジエンのテロマー化方法。
  2. 前記活性水素含有化合物が、1〜10個の炭素原子を有するアルコールから選択されるアルカノールである、請求項1に記載の方法。
  3. 0より大きいハメット定数値を有する前記置換基が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージドおよびニトロ;アルデヒド基、カルボン酸基、エステル基、ケトン基およびシアニド基を含む有機官能基;ならびにそれらの組合せから選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ホスフィン配位子が、ビス(4−クロロフェニル)(2−メトキシ−フェニル)ホスフィン、ビス(4−フルオロフェニル)(2−メトキシフェニル)ホスフィン、およびそれらの組合せから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記アルコキシ置換オクタジエンが、1−メトキシ−2,7−オクタジエンであり、生成物が1,3,7−オクタトリエン、3−メトキシオクタジエンおよびそれらの組合せの少なくとも1つをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記触媒促進剤が、三級アミン、水素化ホウ素アルカリ金属、酸化物、および一般式(ROn+(式中、Rは水素、C〜C20ハイドロカルビルまたは置換C〜C20ハイドロカルビルであり、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属または四級アンモニウムであり、nは1または2である)を有する化合物から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記1−メトキシオクタジエンの少なくとも一部を前記生成物から分離するステップ、および、次いで、前記1−メトキシオクタジエンの前記一部を水素化反応および脱離反応に付して、1−オクテンを生成するステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ブタジエンから1−オクテンを製造する方法において、(1)アルコキシ置換オクタジエンの生成に適した条件下、VIII族遷移金属および3つのフェニル基を有するホスフィン配位子を含むアルコキシ二量化触媒であって、1つのフェニル基が置換基としてちょうど1つのオルトアルコキシ基を含んでおり、他の2つのフェニル基の少なくとも1つが、0よりも大きいハメット定数値を有する少なくとも1つの置換基を含んでおり、前記ホスフィン配位子が10〜18の範囲のTolmanのカイ値を有しているアルコキシ二量化触媒、ならびに触媒促進剤の存在下で、1,3−ブタジエンと活性水素含有化合物を反応させるステップ、(2)アルコキシ置換オクタンの生成に適した条件下で、前記アルコキシ置換オクタジエンを水素化するステップ、ならびに(3)1−オクテンの生成に適した条件下で、前記アルコキシ置換オクタンを分解するステップ、を含む方法。
  9. 0より大きいハメット定数値を有する前記置換基が、フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージドおよびニトロ;ならびにアルデヒド基、カルボン酸基、エステル基、ケトン基およびシアニド基を含む有機官能基;ならびにそれらの組合せから選択される、請求項8に記載の方法。
  10. ビス(4−クロロフェニル)(2−メトキシフェニル)−ホスフィン、ビス(4−フルオロフェニル)(2−メトキシフェニル)ホスフィン、またはそれらの組合せを含む物質の組成物。
JP2013546208A 2010-12-21 2011-12-14 モノオルトアルコキシ置換触媒を用いるブタジエンのテロマー化方法 Pending JP2014508124A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201061425373P 2010-12-21 2010-12-21
US61/425,373 2010-12-21
PCT/US2011/064764 WO2012087686A1 (en) 2010-12-21 2011-12-14 Process for telomerization of butadiene using a mono-orthoalkoxy substituted catalyst

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014508124A true JP2014508124A (ja) 2014-04-03

Family

ID=45478493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013546208A Pending JP2014508124A (ja) 2010-12-21 2011-12-14 モノオルトアルコキシ置換触媒を用いるブタジエンのテロマー化方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9174905B2 (ja)
EP (1) EP2655305B1 (ja)
JP (1) JP2014508124A (ja)
CA (1) CA2818033A1 (ja)
ES (1) ES2755761T3 (ja)
WO (1) WO2012087686A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3741769B1 (en) 2013-12-13 2023-06-28 Dow Global Technologies Llc Butadiene telomerization catalyst precursor preparation
CN107438630B (zh) 2015-04-10 2020-09-15 陶氏环球技术有限责任公司 丁二烯短链聚合催化剂及其制备

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04504267A (ja) 1989-12-29 1992-07-30 ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー 共役ジエンの連続的テロメリゼーション法
DE19730546A1 (de) 1997-07-17 1999-01-21 Degussa Verfahren zur Herstellung von 6,10- und 6,9-Dimethyl-5,10-undecadienyl-2-onen
DE19808260A1 (de) 1998-02-27 1999-09-02 Bayer Ag Verbessertes Verfahren zur Herstellung von Octa-2,7-dienyl-1-amin aus Butadien und Ammoniak, neue Triphenylphosphanmono- und -dimethoxytrinatriumsulfonate und die Verwendung von Triphenylphosphantrimethoxytrinatriumsulfonaten, Triphenylphosphantrimethyltrinatriumsulfonaten und Triphenylphosphantrifluordinatrium- und trinatriumsulfonaten als Liganden zur Herstellung von Palladium-Komplexen
DE10149347A1 (de) 2001-10-06 2003-04-10 Oxeno Olefinchemie Gmbh Verfahren zur Herstellung von 1-Octen durch reduktive Telomerisation
US7141539B2 (en) 2003-08-11 2006-11-28 Shell Oil Company Process for producing detergent molecules comprising an ether linkage from butadiene
US7425658B2 (en) 2003-08-11 2008-09-16 Shell Oil Company Process for producing 1-octene from butadiene
EP2321244B1 (en) 2008-08-12 2016-12-21 Dow Global Technologies LLC Improved process for telomerization of butadiene

Also Published As

Publication number Publication date
US20130261342A1 (en) 2013-10-03
US9174905B2 (en) 2015-11-03
ES2755761T3 (es) 2020-04-23
EP2655305B1 (en) 2019-09-04
CA2818033A1 (en) 2012-06-28
EP2655305A1 (en) 2013-10-30
WO2012087686A1 (en) 2012-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Seiche et al. Bidentate ligands by self‐assembly through hydrogen bonding: A general room temperature/ambient pressure regioselective hydroformylation of terminal alkenes
JP4090052B2 (ja) 非環状オレフィンをテロ重合する方法
TWI443083B (zh) 氫甲化醯化方法
US4152344A (en) Phosphino-ferrocene ligands
JPS60120837A (ja) エチレングリコ−ルのカルボン酸エステルの製法
JP2015515461A (ja) エチレングリコールの製造のための均一系水素化触媒の不活性化
CN103562213A (zh) 新的加氢甲酰化方法
JPS60120836A (ja) エチレングリコ−ルのカルボン酸エステルの製法
JP2776636B2 (ja) オクタジエノールの合成方法
JP2014508124A (ja) モノオルトアルコキシ置換触媒を用いるブタジエンのテロマー化方法
CN107986943B (zh) 环己烷二甲醇的合成方法、催化剂及其应用
JP5194542B2 (ja) アルコールの製造方法
US7425658B2 (en) Process for producing 1-octene from butadiene
EP2537582A1 (en) Novel phosphine-based catalysts suitable for butadiene telomerisation
CN111433181B (zh) 双环[2.2.2]辛烷衍生物的合成
CN111491911B (zh) 通过非连续的生产过程合成2-乙酰基-5,9,13-三甲基十四碳-4,8,12-三烯酸烷基酯和衍生物
JPS5843936A (ja) グリコ−ルアルデヒドの製法
Menéndez-Rodríguez et al. A Catalytic System for the Estragole to Anethole Isomerization Based on [{RuCl (μ-Cl)(η6-p-cymene)} 2]
Haynes Carbonylations Promoted by Third‐Row Transition Metal Catalysts
CN115141090B (zh) 一种烯醛的制备方法
TW200523351A (en) Process for producing detergent molecules comprising an ether linkage from butadiene
JPH11147860A (ja) アミン類の一段階製造方法
CN111018688B (zh) 一种制备3-羟基丙醛的方法及制备1,3-丙二醇的方法
JP6086594B2 (ja) 多価アルコールの製造方法
JP2011246426A (ja) ホルミルアシロキシアルカン及び環状エーテルの製造方法