JPH04504267A - 共役ジエンの連続的テロメリゼーション法 - Google Patents

共役ジエンの連続的テロメリゼーション法

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JPH04504267A JP3501257A JP50125791A JPH04504267A JP H04504267 A JPH04504267 A JP H04504267A JP 3501257 A JP3501257 A JP 3501257A JP 50125791 A JP50125791 A JP 50125791A JP H04504267 A JPH04504267 A JP H04504267A
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ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 共役ジエンの連続的テロメリゼーション法本発明は共役ジエンの連続的テロメリ ゼーション法に関するものであって、■族遷移金属触媒と三級のリン、ヒ素又は アンチモンのリガンド化合物の存在下に共役ジエンと活性水素原子を含有する化 合物とを液相で反応させることからなる方法に関する。
テロメリゼーシッン反応は、多年知られている反応であり、親核試薬たとえば活 性水素原子含有化合物の同時に生起する付加の下での共役ジエンのオリゴメリゼ ーシ5ン、特に二量体反応である。親核試薬は、共役ジエンのオリゴマー特に二 量体の末端位に主として導入される。
■族金属触媒によるテロメリゼーシッン反応は先行技術に広く記載されている。
1960年代後期及び70年代の初期には、回分条件下テロメリゼーションの転 化率及び選択率の最適化に主な関心が向けられていた。代表的刊行物は、米国特 許第3゜499、042号、同第3.518.315号、同第3.530.18 7号、英国特許GB−A第1.178.812号、フランス特許FR−^第1. 583.249号、オランダ特許NL−A第6.816.008号、英国特許G B−入第1.248.593号、オランダ特許NL−A第7.003.702号 、英国特許GB−A第1.354.507号、ドイツ特許DE−A第2.154 .370号である。
1970年代の中期から研究は更に触媒効率のよいテロメリゼーション法をめる 方向に向かった。この要望はテロメリゼーション法で用いる触媒が比較的高費用 であることに一部基(のであるが、これを解決するにはテロメリゼーション反応 後に触媒を(直接又は間接的に)活性な形態で獲得して該法に再使用することが 重要であると考えられた。しかしながら、大多数の場合、蒸留、沈殿又は抽出等 の分離技術を用いて触媒と所望の反応生生物を反応混合物から容易に回収するこ とはできなかった。抽出法は、触媒及び反応生成物が共に抽出に用いる有機溶剤 に可溶であるという欠点を有した。蒸留法は、一般に、触媒を反応副生物中に残 し、反応副生物は重質過ぎて蒸留では除去不可であった。更に、所望の反応生成 物及び/又は重質副生物を留去させる際に触媒の熱安定性が低いために蒸留温度 が高過ぎると分解したり金属化して再生を要するので特別な注意が必要になる。
触媒は一般に反応溶液に溶けるので、蒸留する反応溶液を再使用するか、或いは 別法として触媒を反応溶液から沈殿させ、例えば反応生成物と反応物の除去後に 沈殿させて金属形態で回収することが行われてきた。しかしながら前者の方法だ と溶液を繰り返し使用する際に高沸点物質の副生のため残留溶液量が増加するし 、かつまた、反応時に活性を失った触媒部分を処理させねばならない問題がある 。
下記の先行技術は、前記の諸問題を解決する試みを行なった。すなわち、米国特 許第4.142.060号及び同第4.219.677号は、遷移金属触媒、好 ましくはパラジウム及び水溶性ホ”スフィンの存在下に2.7−オクタジエン誘 導体を調製するテロメリゼーション法において、反応時又は反応後に水を導入す る方法を記載している。
本性の終期に得られる水相は水溶性のホスフィンと遷移金属触媒を含有する。こ のようにして活性な遷移金属触媒は回収されて該法に再使用され、従って連続法 になる。
米国特許第4.146.738号は、共役ジエンとアルカノールとをテロ重合す る方法に於て、テロメリゼーション前にテトラキス(トリフェニルホスフィン) パラジウムを酸素で酸化し、そのトリフェニルホスフィンリガンドの一部を除去 する方法を記載している。その後、適当量のホスフィンを添加すると同時にテロ メリゼーション生成物を反応混合物から蒸留して、テトラキス(トリフェニルホ スフィン)パラジウム触媒前駆体を回収することによりテトラキス(トリフェニ ルホスフィン)パラジウムを再生する。前記のテトラキス(トリフェニルホスフ ィン)パラジウム触媒前駆体は、前述のように該法で再使用されるのである。
米国特許第4.196.135号は、1.3−ジエンのテロメリゼーションの特 殊触媒としてビス[トリ(オルトドチル)ホスフィン]パラジウムを記載してい る。反応後に150℃より低い温度でテロメリゼーション生成物を留去して、こ の特定触媒錯体を固体状で沈殿させる。次に、この触媒を活性を維持した状態で 分離することができ、直ちに再使用することができる。
米国特許第4.356.333号及び同第4.417.079号は、パラジウム 触媒、特定構成の単座ホスフィン及び単座三級アミンの存在下、(重)炭酸イオ ン含むスルホラン水溶液中でブタジェンと水とを反応させてn−オクタジエノー ルを調製する方法も記載している。次工程で反応混合物を炭化水素で抽出し、最 終工程で活性触媒成分を含む抽出残分の少なくとも一部をテロメリゼーション反 応工程に再循環する。実施例中でこの一連の過程を32回まで繰り返している。
EP−A−218100号は、共役アルカジエンを有機ヒドロキシ化合物でテロ 重合して有機オキジアルカジエンを製造する相異なる二法を記載している。第一 の方法は、パラジウム触媒及びリン又はアンチモンのリガンドの存在下に化学量 論的必要量より過剰の有機ヒドロキシ化合物を使用すること、酸素が実質的に存 在せず、有機オキジアルカジエンより高い沸点を有する高沸点有機溶剤が存在す る条件下に反応を行うことからなる。次に、有機−オキシアルカジエンを触媒か ら分離し、触媒を更なるテロメリゼーシヨンのため再循環する。第二の方法は、 パラジウム触媒及び覇水基を担ったリガンドの存在下に反応物を反応させること からなる。反応は、酸素及び水が実質的に存在せず、極性溶剤が存在する条件下 で行なってテロマーを得る。前記テロマーは炭化水素溶剤で抽出される。
要するに、触媒効率の良い連続テロメリゼーション法を開発せんとして多数の試 みが為されてきたのである。これらの試みは全て、触媒を回収−再循環すること に向けられていて、触媒は比較的高濃度で、できるだけ多数回使用された。
本発明の目的は、触媒の再循環を必要としない触媒効率の良い連続的テロメリゼ ーション法を提供することである。
従って、本発明は、■族遷移金属触媒及び三級のリン、ヒ素又はアンチモンのリ ガンド化合物の存在下、液相で共役ジエンを活性水素原子含有化合物と反応させ ることからなる共役ジエンの連続的テロメリゼーション法であって、反応域に供 給される触媒の■族遷移金属ダラム原子当り10.000モル以上の共役ジエン を反応域に供給することを特徴とする方法を提供するものである。
驚くべきことに、ジエンのモル数/触媒中に存在する■族遷移金属のダラム原子 数で表した反応域に供給される共役ジエンと反応域に供給される■族金属触媒と の比(以下「ジエン/触媒比」と称する)を高くすることにより、触媒効率の良 い連続テロメリゼーション法にするため、テロメリゼーション反応工程又は反応 域の後で不活性形態の触媒を回収して再循環させる必要がないことが知見された 。このようにして、好適な触媒−回通し法が達成されたのである。
別の大利点は、反応工程又は反応域に続く回収工程又は回収域で、触媒を再循環 可能な形態に維持する条件を考慮ぜずに所望反応生成物の回収を最適にすること ができる点である。
本発明の方法で反応物として使用される共役ジエンには、1.3−ブタジェン及 びその2−及び/又は3−置換誘導体又はそれらの混合物がある。好適置換基の 例は、アルキル及びハロゲン置換基である。好適アルキル部分は低級アルキルで あり、メチルが特に好適である。好適なハロゲン置換基は塩素である。共役ジエ ンの好適例には1゜3−ブタジェン、イソプレン、ピペリレン、2.3−ジメチ ル−1,3−ブタジェン、クロロブレン等がある。
本発明の方法では1.3−ブタジェンの使用が好ましい。この1.3−ブタジェ ンは純粋なブタジェン又は粗C4炭化水素混合物として使用される。このような 粗C4−混合物は1.3−ブタジェンの他にブテンやブタン等その他のC4炭化 水素を含有する。
これらその他のCじ炭化水素は、1.3−ブタジェンの転化率及び所望テロメリ ゼーション生成物の選択率に本質的に影響を及ぼさない。この粗Cじ炭化水素混 合物は、ナフサ、ガスオイル、LPG等の熱分解副生物として製造することがで きる。
粗Cじ炭化水素混合物中に存在する1、3−ブタジェンを基準とする所望テロメ リゼーション生成物への転化率及び選択率は純1.3−ブタジエンに対する率と 同一なので、主たる1.3−ブタジェン源の一つであるC<−a合物から1.3 −ブタジェンを抽出・精製するための設備及び費用を避ける意味でも、本発明の 方法では粗C4−混合物を使用すると有利である。ナフサ、ガスオイル又はLP Gのクラブキングで製造される粗C6−混合物は、通常、1.3−ブタジェンを 20乃至70重量%含有する。粗CC混合物がアセチレン類を含有する際には、 本発明の方法に用いる前にこれらアセチレン類を除くため粗C4−混合物を選択 水素化すると有利である。
本発明の方法に共反応物として使用する活性水素含有化合物は、1以上の反応性 水素原子を含むものならば何れの化合物であってもよい。その好適例には、アル コール、ヒドロキシ芳香族化合物、カルボン酸、アンモニア、−級及び二級アミ ン、反応性メチレン基を含む化合物、シラノール及び水がある。1を超えた反応 性水素原子を含む化合物を使用する場合、それら反応性水素原子の全てがオリゴ マー化された、特に二量化された共役ジエン単位で置換された生成物が生成する 。
アルコールの例は、−級OH−基を含有し、かつ、20迄の炭素原子を有する線 状又は分枝鎖をもった飽和の一価又は多価のアルコール、並びに飽和アルコール 例えばアリルアルコール;特に8iまでの炭素原子を有するもの、例えばメタノ ール、エタノール、プロパツール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレ ングリコール、グリセロール、等である。−級脂肪族アルコール又はヒドロキシ 芳香族化合物の使用が好ましく、メタノール又はエタノールが更に好ましい。イ ンプロパツールのような二級アルコール及びシクロペンタノールやシクロヘキサ ノール等の脂環式アルコールも使用して有利である。
ヒドロキシ芳香族化合物の例は、−以上の環を含有する芳香族化合物たとえばフ ェノール、ベンジルアルコール、クレゾール、キシレノール、ナフタール並びに 多ヒドロキシ化合物たとえばレゾルシノール、ヒドロキシン及ピロカテコールで ある。アルキル−、アルコキシ−及び/又はハロゲン−置換された芳香族ヒドロ キシ化合物たとえば0−メトキシフェノール、p−クロロフェノール等も使用可 能である。
カルボン酸の好適例には、約20までの炭素原子を有する脂肪族カルボン酸があ る。好適カルボン酸は1−6炭素原子を有するもの、例えば酢酸、プロピオン酸 及び酪酸である。芳香族カルボン酸の好適例には、安息香駿及びトルエンカルボ ン酸がある。二塩基酸の代表例はアジピン酸、フタル酸等である。
好適アミン化合物の例は、アンモニア、−級及び二級のアミンである。好適アミ ン化合物には、例えばメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ドデシルア ミン等の一級脂肪族アミン;アニリン、トルイジン、ベンジルアミン等の一級芳 香族アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルアニリン、ジシクロ ヘキシルアミン、メチルベキシルアミン等の二級アミン:並びに7二二レンジア ミン、エチレンジアミン等のポリアミン:及びピペリジン、ピリジン等の複素環 式アミンがある。
反応性メチレン基を含む化合物の好適例には、アセチルアセトン、ベンゾイルア セチルアセトン、アセチル酢酸エチル等のアセチル酢酸エステル、マレイン酸ジ エチル及びニトロメタン等のニトロ化合物がある。
水も本発明方法の共反応物として使用される。水は不飽和アルコールを生成する 。水を共反応物として使用する際には、水と共役ジエンは普通は混合しないので 、反応混合物を均質にするため溶剤を使用する必要がある。
本発明の好適テトロメリゼーション生成物は、1−アルコキシ又はアリーロキシ 置換2.7−アルカジエンであり、メタノールと1.3−ブタジェンとのテロメ リゼーション触媒にて得られる1−メトキシ−2,7−オクタジエンが更に好適 である。
一般に活性水素原子を含む化合物と共役ジエンとの比(以下「反応物比」と称し 、反応域に供給される共役ジエンモル当たりの反応域に供給される活性水素原子 を含む化合物のモル数で表す)は0.5より大である。本発明では、活性水素原 子を含む化合物を共役ジエンモル当たり好ましくは1乃至20モル、更に好まし くは1乃至10モルの相対量で反応域に供給する。
本発明の方法に使用する触媒は、反応物をその存在下の適当な反応条件で接触さ せた際に、活性水素原子を含む化合物の末端位での付加を伴った共役ジエンのオ リゴマー、特に二量体の生成反応を促進するものならば何れの触媒であってもよ い。テロメリゼーション触媒の例は、遷移金属のFe、Co、Ni、Ru。
Rh、Pd、Os、I r及びptも(以下■族遷移金属と称す)とその化合物 であり、不活性担体上に支持されるものも含む。本発明の方法に用いる触媒の好 適例は、ベール(A、 Behr)のrAspects of Homogen ius Catalysis (1984) 、第5巻第3−73頁に「均一遷 移金属触媒」なる標題で記載されている。触媒は反応条件下で均一であることが 好ましい。
■族遷移金属触媒としてはニッケル、ロジウム、パラジウム又は白金触媒を使用 することが好ましく、パラジウム触媒が更に好ましい。本発明の方法にはパラジ ウム(n)パラジウム(II)塩、例えば臭化パラジウム、塩化パラジウム、ギ 酸パラジウム、酢酸パラジウム、プロピオン酸パラジウム、オクタン酸パラジウ ム、炭酸パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、ホウ酸パラジウム、ク エン駿パラジウム、水酸化パラジウム、アリール若しくはアルキルスルホン酸パ ラジウム、塩化パラジウム酸ナトリウム又はカリウム;化学式PdXzLzの化 合物であってXが一価の酸残基であり且つLが有機ニトリル例えばベンゾニトリ ル、三級アミン例えばピリジン、キノリン、ピコリン、ルチジン及びトリエチル アミンからなる群から選択されるもの、PdXzLz化合物の一例はジクロロビ ス(ベンゾニトリル)パラジウムである;パラジウムキレート、例えばパラジウ ムアセチルアセトナートπ−アリル錯体、例えば塩化又は酢酸π−アリルパラジ ウム及びビス(π−アリル)パラジウム:及び1.5−シクロオクタジエン塩化 パラジウムがある。ハロゲン化パラジウムを使用する場合には、ハロゲン化パラ ジウムを溶液中に解離させて触媒的な活性な種を形成するような触媒活性剤も必 要である。好適なパラジウム(の錯体には、ホスフィン、アルケン、ジエン、ニ トリル等の広範なりガントを包含する。これらの例にはテトラキス(トリフェニ ルホスフィン)パラジウム、ビス(1゜5−シクロオタタジエン)パラジウム等 がある。・本発明の方法には、触媒として二価のパラジウム化合物を使用するこ とが好ましく、パラジウム(n)アセチルアセトナートが更に好ましい。このパ ラジウム塩は、容易に人手することができ、比較的安価であって、しかも秀れた 結果を与えるものである。
本発明の方法には、■族遷移金属触媒の他に、リン、ヒ素又はアンチモン三級化 合物も使用される。好適リガンド化合物には、リン、ヒ素又はアンチモンの置換 水素化物、特に水素が全てアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール及 び/又はアリーロキシ基で置換されたものがある。2個のリン、ヒ素又はアンチ モン原子がアルキレン基を介して夫々互いに結合しているりガント化合物も使用 可能である。
後者化合物の例にはジホスフィン、シアルシン及びジスチビンがある。
使用して有利な三級ホスフィンには、(シクロ)アルキル及び/又はアリール基 を含むホスフィンがある。トリアルキルホスフィンの好適例は、トリエチルホス フィン、トリーn−ブチルホスフィン、トリーイソブチルホスフィン、トリペン チルホスフィン、トリへキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリラウ リルホスフィン、ラウリルジメチルホスフィン、ヘキシルジプロピルホスフィン 及びエチルブチルオクチルホスフィンである。−以上の芳香族基又はシクロアル キル基を含む好適ホスフィンの例は、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェ ニルホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン 、メチルジフェニルホスフィン、トリ(厖−エチルフェニル)ホスフィン(2, 4−ジメチルフェニル)ホスフィンである。使用できる好適ジホスフィンは、ビ ス(ジフェニルホスフィン)−エタンである。アルシン及びアンチモン同族体も 有利に使用することができる。前記のりガント化合物は、塩素原子等のハロゲン 原子、ニトリル及びl又はニトロ基等で更に置換されていてもよい。それに加え て親水基、例えば−〇 〇 〇 M、 −S OsM及び/又は−Nl2基が直 接又はアルキル基を介してホスフィン置換基(単数又は複数)に結合したリガン ド化合物も使用される。前記の基中のMは無機又は有機の力升オン残基、例えば アルカリ又はアルカリ土類金属カチオン、四級アンモニウムイオン等を表す。親 水性置換基を含むリガンド化合物は、特に水を共反応剤として使用した際に使用 される。
一価又は多価の■族金属化合物、例えば二価のパラジウム化合物を触媒として使 用する際には、それは反応系内に存在する共役ジエンによって還元される。活性 種は直ぐには形成されず、形成には一定の時間を要する。この期間を誘導期と称 する。塩基性を有する化合物(以下「触媒促進剤」共称する)を加えると、この 誘導期は驚異的に短なり、実質上ゼロになることが知見された。
好適な触媒促進剤には、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は四級アンモニウム の水酸化合物、アルコラード若しくはアルコキシド、エノラート、フェノキシト 、ホウ水素化アルカリ金属、ヒドラジン等がある。触媒促進剤としては、アルカ リ金属塩とくに活性水素原子を含む化合物のナトリウム又はカリウム塩が使用さ れる。これらのアルカリ金属塩は、例えば、そのものとして添加されるか、或い は活性水素原子を含む化合物中にアルカリ金属を溶かしてその場で形成される。
リガンド化合物は、一般に、触媒の■族遷移金属ダラム原子当たり1乃至20モ ル、好ましくは2乃至15モルの相対量で反応域に供給される。リガンド化合物 は、分離した化合物として反応混合物若しくは反応域に或いは触媒補給溶液に添 加してもよいし、■族遷移金属触媒錯体中に添入してもよい。触媒化合物として 例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを使用する際には、リ ガンド化合物として更にトリフェニルホスフィンを加える必要は一般にはない。
触媒促進剤は、普通、使用する触媒量iこ対しておよそ化学量論量以上の量で使 用される。触媒促進剤は、■族遷移金属触媒ダラム原子当たり0.5モル以上、 更には1モル以上、かつ、1000モル以下、更には150モル以下の相対量で 反応域に供給することが好ましい。
本発明の方法では、反応域に供給される触媒の■族遷移金属ダラム原子当たりi o、 oooモル以上の共役ジエンを反応域に供給する。共役ジエンの供給は、 触媒の■族遷移金属ダラム原子当たり20.000モル以上であることが好まし く、so、 oooモル以上であると更に好ましい。ジエン/触媒比の上限は限 界的ではなく、1.000゜000程の大きさにすることができる。
反応域に沿う二辺上の点も共役ジエンを反応域に供給すると有利であることが知 見された。共役ジエンの第−流を反応域の開始点に供給し、更なる一以上の流を その点より下流で供給すると、反応域の実質上全域にわたりジエン/触媒の比を 高く維持することができ、反応速度に有益な影響を与える。
本発明の方法は、反応物及び触媒を溶かすことができて反応物及びそれから調製 される生成物に対して不活性な溶剤の存在下又は非存在下に実施することができ る。−以上の反応物が反応条件下で液体でないか、或いは反応物が相互混和性に 乏しいか又は実質的に非混和性である場合(例えば、水と1.3−ブタジェン) には、溶剤を用いて所望の均−系にすることが好ましい。共役ジエン、活性水素 原子を含む化合物並びに触媒、リガンド及び任意選択成分の促進剤等の諸成分を 可溶化する溶剤は、何れも本発明の方法に使用することができる。好適な不活性 溶剤は、(シクロ)アルカン例えばC!−12−アルカン及びシクロヘキサン又 はそれらの混合物;芳香族化合物たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、ナフ テン;極性溶剤たとえば三級アルコール、アミド例えばアセタミド、ジメチルア セタミド又はジメチルホルムアミド;ニトリル化合物たとえばアセトニトリル又 はベンゾニトリル;ケトン例えばアセトン又はメチルエチルケトン:エステル化 合物たとえばエチレングリコールニ酢酸;エーテル化合物たとえばエチルエーテ ル、プロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン及びアニソール又はモ ノ/若しくはジエチレングリコールの低級アルキルなる二置換エーテル;並びに ジメチルスルホキシド及びスルホランである。場合によっては水を溶剤として使 用してもよい。
本発明の方法は、実質的に酸素の非存在下で行うことが好ましい。酸素はリガン ド化合物と反応し、従って触媒活性を低下させるからである。
本発明の方法を実施する温度は限界的ではない。通常、周囲温と150℃との間 の温度が使用可能である。反応温度は50−100℃であることが好ましく、7 0−100℃が更に好ましい。
テロメリゼーション反応を実施する圧力は、反応混合物を液体状態に保つために 十分ならば限界的ではない。反応圧は、一般に1乃至40バール、好ましくは5 乃至30バール、最も好ましくは10乃至20バールである。
本発明の方法に使用される触媒濃度は極めて低いので、反応混合物を十分な時間 にわたり反応させなければならない。大過剰の共役ジエンが存在する限り触媒は 長い滞留時間後も活性を維持することが見出された。滞留時間は、反応温度、反 応物、触媒系及び任意選択成分の溶剤にもよるが、一般に0.1乃至100時間 であると良好な結果を与える。滞留時間は0.1乃至20時間であることが好ま しく、0.2乃至10時間が更に好ましい。
反応物ユニットとしては、何れの型の連続反応器ユニットも使用することができ る。好適反応器例には、連続撹拌槽反応器や管状反応器がある。本発明の方法で は、管状反応器でテロメリゼーション反応を行うことが好ましく、栓流の管状反 応器で反応させるのが更に好ましい。
前述のように、本発明方法の生成物及び触媒回収工程では、生成物の回収に主な 注意が向けられる。このことは、触媒を活性又は回復できる形態に保つ考慮が要 でなく、適当な任意の方法でテロメリゼーション生成物を単離できることを意味 する。できるでけ多くの触媒をプロセス流から取り除くことは云うまでもない。
触媒は除去された後に、再生又は廃棄されたり、或いはその他の目的に使用され る。従って本発明では、触媒を活性形態で再循環させる必要はなく、触媒を一回 通しただけで高い触媒効率が得られるのである。これに対して、先行技術の方法 は、活性触媒を回収して連続的にそれを再使用する必要がある。
反応物、触媒成分、任意選択成分の溶剤及び所望のテロメリゼーション生成物の 物理的性質に応じ、蒸留、抽出又はその他の周知の分離技術の一以上或いはそれ らの組合せに反応混合物を付して所望の生成物を単離する。蒸留の場合には、触 媒は一般に蒸苗残渣内に留まる。触媒は、沈殿又は濾過又はその他の適当な既知 の方法により残渣から分離される。未転化反応物は一般に蒸音法を用いて分離さ れ、テロメリゼーション反応で再使用される。
粗C4−炭化水素混合物を使用する場合、粗C4−炭化水素混合物内に存在する 1、3=ブタジエンができるだけ多く転化されるようにテロメリゼーション反応 を行う。
使用済のCじ炭化水素混合物を再循環すると、非反応性のブテンやブタンが反応 混合物中に堆積するからである。
本発明の方法では、反応物と触媒成分の相対量を反応域に供給される量として表 しているが、反応物と触媒成分の全てを分離流として反応域に導入する必要はな いことは明らかであろう。例えば、−以上の触媒成分を活性水素原子を含む化合 物の流に添加し、次にこの組み合わせ流を反応域に添加してもよいのである。
その他の実施態様も、本発明の精神から逸脱しない限り使用することができる。
本発明に従って製造されるテロメリゼーション生成物は、各種用途たとえば界面 活性財、殺草剤、飽和エーテル、アルコール、エステル等々を調製するための有 用な中間体である。特に1.3−ブタジェンから製造されるテロメリゼーション 生成物は、1−オクテンの製造に価値ある中間体であり、前記テロメリゼーショ ン生成物を先ず水素化反応に付して1−置換オクタンとなし、次にそれを分解す ると1−オクテンが得られる。
以下の実施例により本発明の方法を更に説明する。実施例は本発明方法の種々の 実施態様を示すが、発明の範囲の限定を意図するものではない。
実施例序 以下の実施例では、本発明の方法を実施するため栓流の管状反応器を使用する。
この栓流反応器にはジャケットが設けられていて、ジャケットを流れる水により 反応器内の温度を2節する。共役ジエン、活性水素原子を含む化合物及び触媒溶 液を反応器に供給する。全実験共、全反応物を液相に維持するため反応圧を14 バールに維持する。
実験に用いる触媒溶液は以下のように調製される。
60gのパラジウムアセチルアセトナート(0,2モル)と103gのトリフェ ニルホスフィン(0,4モル)を181の脱酸素メタノールに溶かして触媒溶液 Aを調製する。Pd濃度は11ミリモル/L リガンド/触媒比は2である。
18gパラジウムアセチルアセトナート(59ミリモル)と31gのトリフェニ ルホスフィン(118ミリモル)を161の脱酸素メタノールに溶かして触媒溶 液Bを調製する。Pd濃度は3.7ミリモル/l、リガンド/触媒比は2である 。
以下の実施例では、転化率(転化した共役ジエンのモル数/供給した共役ジエン のモル数×100%で表す)、テロメリゼーション生成物の選択率(テロメリゼ ーション生成物に転化した共役ジエンのモル数/転化した共役ジエンの全モル数 ×100%で表す)及び触媒効率(所望生成物のダラムfi/使用した触媒遷移 金属のダラムで表す)を栓流反応器内で滞留時間を色々変えて特定する。これは 、栓流反応器に沿って反応混合物の試料を採取し、それをガスクロマトグラフで 分析して行った。
以下の実施例で MOD−1は1−メトキシ−2,7−オクタジエン(所望生成物)MOD−3は 3−メトキシ−1,7−オクタジエンであり、OTは1.3.7−オクタトリエ ンである。
実施例1 前記の実施例序に記したように、1.6kg/時の脱酸素メタノール、1.3k g/時の1.3−ブタジェン及び5g/時の触媒溶液Aを栓流反応器に供給する 。反応器内の温度を90℃に維持する。この結果、反応器入口では以下の諸濃度 になる。メタノール 12.3モル/l、 1.3−ブタジェン5.7モル/l 、Pri 16.4μモル/l、初期の1.3−ブタジェン/Pd比は350. 000モル/グラム原子であり、切部のメタノール/1.3−ブタジェン比は2 モル1モルである。
結果を表1に要約する。
表 1 滞留時間 転化率 選 択 率[%] 触媒効率[時間][%] N0D−I  N0D−30T [gliOD−1/gPd]0.6 5,6 87.6 5. 0 7.4 −’ u、40゜1.2 12.9. 84.9 5.39.8  25.4001.9 20.2 85.0 5.3 9.L 39.8002. 5 25.3 84.4 5.4 10.2 49.500実施例2 実施例1の記載と同様にして、0.9kg/時の脱酸素メタノール、1.2kg /時の粗C4−炭化水素混合物及び45g7時の触媒溶液Bを反応器に供給し、 それを80℃の温度に維持する。粗Cじ炭化水素混合物の分析値は、ブタン7重 量%、インブテン20.0重量%、0−ブテン24.6重量%、1.3−ブタジ ェン47.9重量%及び総アセチレン類60 ppm未満である。この結果、初 期濃度はメタノール9.2モル/ld、3−ブタジェン3.0モル/l、 Pd  62.6μモル/lである。初期の1.3−ブタジェン/Pd比は50.00 0モル/グラム原子、初期のメタノール/1,3−ブタジェン比は3モル1モル である。
結果を表2に要約する。
表 2 滞留時間 転化率 選 択 率 [%コ 触媒効率[時間] [%] l[0D −11[0D−30T [gMOD−1/gPd]0.1 2.5 85.0  4.7 10.3 7000.9 25.0 83.3 5.7 11.1 6 .9002.5 53.3 82.4 5.7 12.0 14.60013  62.3 82.5 5.6 12.0 17.100実施例3 実施例1の記載と同様にして、13kg/時の脱酸素メタノール、0.8kg/ 時の1.3〜ブタジエン及び45g/時の触媒溶液Bを反応器に供給し、それを 80℃の温度に維持する。この結果、初期濃度はメタノール 13.2モル/l 、1.3ブタジェン4.6モル/l及びPd67.3μモル/lになる。初期の 1.3−ブタジェン/Pd比は68.000モル/グラム原子であり、初期のメ タノール/1,3−ブタジェン比は3モル1モルである。
表 3 滞留時間 転化率 選 択 率 [%] 触媒効率0.2 0.4 94.9  5.1 0 2001.0 1B、4. 89.9 4.7 5.3 7.60 01.8 3!IJ、4 90.6 4.9 4.6 16.5002.6 6 2.5 90.3 5.0 4.7 26.1003.5 74,8 90.5  5.1 4.4 31.400実施例4 30g/時の触媒促進剤溶液を反応器に供給することも加えて実施例3を繰り返 す。この促進剤溶液は脱酸素メタノールにナトリウムメトキシド1.5重量%を 溶かした溶液である。初期濃度はメタノール13.4モル/l、1.3−ブタジ ェン4.5モル/l及びPd66.5μモル/7!である。1.3−ブタジェン /Pd比とメタノール/1゜3−ブタジェン比は実施例3と間−である。ナトリ ウムメトキシド/Pd比は100モル/グラム原子である。この結果を表4に要 約する。
表 4 滞留時間 転化率 選 択 率 [%] 触媒効率[時間] [%] l0D− 1110D−30T [gi[0D−1/gPdlO,213,188,05, 96,15,3001,062,789,75,44,926,0001,88 2,889,55,55,034,4002,692,689,45,65,0 38,4003,595,789,4165,039,700本実施例4は、触 媒促進剤を含まない反応系と比較した際の触媒促進剤の有用・な効果を示すもの である。
実施例5 2.5kg/時の脱酸素メタノール、0.7kg/時)1.3−ブタジェン及び 60g/時の触媒溶液Aを栓流反応器に供給し、それを90’Cの温度に維持す る。初期濃度はメタ/ −/l/ 18.2モル/j!、 1.3−ブタジェン 3.0モル/l及U P d 194.4 tt (−ル/lである。初期の1 .3−ブタジェン/Pd比は15.000モル/グラム原子であり、初期のメタ ノール/1.3〜ブタジエンの比は6モル1モルである。別の実験として(実施 例5 A) 、0.4kg7時の1.3−ブタジェン追加流を反応器の流れ方向 の中央点に注入する。
結果を表5に要約する。
表 5 滞留時間 転化率 選 択 率 [%] 触媒効率[時間] [%コ MOD−11[0D−30T [gMOD−1/gPd]特別追加のな い実施例5 12 79 88.0 5.9 6.1 7.2002.4 90 88.7  5.1 6.2 8,300特別追加した実施例5A 2.1 88 86.1 6.0 7.3 12.400本実施例は、1.3− ブタジェン多重注入の有用効果を示すものである。
要約書 ■族遷移金属触媒と三級のリン、ヒ素又はアンチモンのリガンド化合物との存在 下、液相で共役ジエンを活性水素原子含有化合物と反応させることを含む共役ジ エン連続的テロメリゼーション法であって、反応域に供給される触媒の■族遷移 金属ダラム原子当たり10,000モル以上の共役ジエンを反応域に供給するこ とを特徴とする共役ジエンの連続的テロメリゼーション方法。
国際調査報告 一聞1蜘−^−5IllJ=” PCT/EP 9010221;3国際調査報 告 EP 9002263 国際調査報告 SA 42770

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.VIII族遷移金属触媒と三級のリン、ヒ素又はアンチモンのリガンド化合 物との存在下、液相で共役ジエンを活性水素原子含有化合物と反応させることを 含む共役ジエン連続的テロメリゼーション法であって、反応域に供給される触媒 のVIII族遷移金属グラム原子当たり10,000モル以上の共役ジエンを反 応域に供給することを特徴とする共役ジエンの連続的テロメリゼーション方法。
  2. 2.共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用する請求の範囲第1項の方法。
  3. 3.1,3−ブタジエンを含有する粗C4−炭化水素混合物を使用する請求の範 囲第2項の方法。
  4. 4.活性水素原子含有化合物として一級の脂肪族アルコール又は芳香族ヒドロキ シ化合物を使用する請求の範囲第1項乃至第3項の方法。
  5. 5.メタノール又はエタノールを使用する請求の範囲第4項の方法。
  6. 6.1−メトキシ−2,7−オクタジエンが製造される請求の範囲第1項乃至第 5項の方法。
  7. 7.活性水素原子含有化合物を共役ジエンのモル当たり1乃至20モルの相対量 で反応域に供給する請求の範囲第1項乃至6項の方法。
  8. 8.VIII族遷移金属触媒としてパラジウム触媒を使用する請求の範囲第1項 乃至第7項の方法。
  9. 9.リガンド化合物として(シクロ)アルキル及び/又はアリール基を含有する 三級ホスフィンを使用する請求の範囲第1項乃至第8項の方法。
  10. 10.触媒のVIII族遷移金属グラム原子当たり1乃至20モルの相対量でリ ガンド化合物を反応域に供給する請求の範囲第1項乃至第9項の方法。
  11. 11.触媒促進剤として塩基性を有する化合物の存在下で反応を実施する請求の 範囲第1項乃至第10項の方法。
  12. 12.触媒促進剤が活性水素原子含有化合物のアルカリ金属塩である請求の範囲 第11項の方法。
  13. 13.VIII族遷移金属触媒グラム原子当たり1乃至1,000モルの相対量 で触媒促進剤を反応域に供給する請求の範囲第11項又は第12項の方法。
  14. 14.反応域に供給される触媒のVIII族遷移金属グラム原子当たり20,0 00モル以上の共役ジエン反応域に供給する請求の範囲第1項乃至第13項の方 法。
  15. 15.反応域に沿った二以上の点から共役ジエンを反応域に供給する請求の範囲 第1項乃至第14項の方法。
  16. 16.温度が約50−100℃である請求の範囲第1項乃至第15項の方法。
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