JP2014507387A - 高度フッ素化スルフィン酸のオリゴマー及びコオリゴマー並びにその塩類の調製 - Google Patents

高度フッ素化スルフィン酸のオリゴマー及びコオリゴマー並びにその塩類の調製 Download PDF

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Abstract

高度フッ素化スルフィン酸のオリゴマー及びコオリゴマー並びにその塩類の調製方法が提供される。

Description

本開示は、高度フッ素化スルフィン酸オリゴマー及びコオリゴマー並びにその塩類に関する。本開示は、高度フッ素化スルフィン酸オリゴマー及びコオリゴマー並びにその塩類の製造方法に関する。
フッ素化スルフィナートは、フルオロポリマーと炭化水素の処理において有用である。フッ素化スルフィナートの合成方法及びその中間体としての使用は、文献で広く報告されている。例えば、ペルフルオロアルカンスルフィナートは、C.M.Hu,F.L.Quing,and W.Y.Huang,J Org Chem,1991,2801〜2804、及びW.Y.Huang,Journal of Fluorine Chemistry,58,1992,1〜8に報告されるように、対応するペルフルオロアルカンハライドから脱ハロゲン化及びスルフィン化反応によって調製できる。この反応での使用に向けて、亜硫酸塩+酸化剤、ヒドロキシメタンスルフィナート、二酸化チオ尿素、及び亜ジチオン酸ナトリウムなど、いくつかの試薬系が開発されている。脱ハロゲン及びスルフィン化試薬としての亜ジチオン酸ナトリウムの使用は、W.Y.Huang、B.N.Huang、及びW.Wangによって、Acta Chim.Sinica(Engl.Ed.),1986,178〜184、及びActa Chim.Sinica(Engl.Ed.),1986,68〜72にも報告されている。この後者の報告では、非水溶性臭化ペルフルオロアルキル(perfluoralkyl)を含む反応では、亜ジチオン酸ナトリウム水溶液との反応が非常に遅く、様々な反応物質の相互溶解性を改善し、30〜35時間以内での反応完了を可能にするには、共溶媒が必要であることが開示されている。記載される共溶媒として、アセトニトリル、グリコール、及びジエチレングリコールが挙げられる。
別の例では、F.H.Wu and B.N.Huang,Journal of Fluorine Chem,67,1994,233〜234では、DMF、アセトニトリル、又はアルコール類を共溶媒として用いる場合、ヨウ化ポリフルオロアルキル及び臭化ポリフルオロアルキルの両方が、二亜硫酸ナトリウムと中性水溶液中で反応し、良好な収率で対応するスルフィナートを生じると報告されている。同様に、CFCClは二亜硫酸ナトリウムと反応し、対応するスルフィン酸ナトリウムを生じる。対応するフッ素化ヨウ化物又は臭化物を出発材料とするフッ素化スルフィナート調製のデメリットは、得られる反応生成物が、大量の副生成物、特に、典型的にはスルフィナートから除去しなくてはならない無機塩を含有することである。
フッ化炭素スルフィナート調製の代替プロセスも、例えば、米国特許第3,420,877号(Pavlik)に開示されている。この特定の調製は、ペルフルオロアルキルスルホニルフッ化物を、亜硫酸アルカリ金属又は亜硫酸アルカリ土類と、約10〜約50重量パーセントの、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジエチレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択される、溶解した極性不活性有機溶媒を含有する水性媒体中で反応させる工程を含む。このプロセスは一般に、結果として得られた生成物から除去する必要がある大量の塩を生じないが、毒性がある場合があり、最終的にスルフィナートを用いるプロセス、例えばフリーラジカル重合反応に悪影響を及ぼし得る共溶媒の使用が必要である。対応するスルフィナートを製造するための、NHNHを用いるこれらフッ素化スルホニルフッ化物の還元も周知である。しかしながら、周知のプロセスは全て、モノスルフィナート及びジスルフィナートの製造に限られている。
溶媒の使用を要せず、好ましくは得られる反応混合物の更なる処理又は精製の必要がない、高度フッ素化スルフィン酸オリゴマー及びコオリゴマー並びにその塩類の調製プロセスへのニーズが引き続き存在する。高度フッ素化スルフィン酸オリゴマー及びコオリゴマー並びにその塩類が、良好な収率を有することが更に望ましい。
一態様では、
(a)高度フッ素化ビニルスルホニルハライドを準備する工程と、
(b)高度フッ素化ビニルスルホニルハライドを開始剤によってオリゴマー形成し、式(I):
Figure 2014507387
の高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドをもたらす工程と、
(c)高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドを還元して、式(IV):
Figure 2014507387
の高度フッ素化スルフィナートオリゴマーにする工程と、を含み、
式中、X、X、及びXは、F、Cl、及びCFから独立して選択され、Rは、H、I、Br、直鎖又は分岐鎖アルキル、及びカテナリー(caternary)ヘテロ原子を任意に含む直鎖又は分岐鎖フルオロアルキル基から独立して選択され、R1は、直鎖又は分岐鎖ペルフルオロ化連結基であり、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってよく、任意にカテナリーヘテロ原子を含み、Yはハライドであり、Mはカチオンであり、mは少なくとも2である、オリゴマーの調製方法が提供される。
別の態様では、工程(b)が、式(I)の高度フッ素化スルホニルハライドを高度フッ素化ビニルエーテルとコオリゴマー形成し、式(II):
Figure 2014507387
の構造をもたらす工程を更に含み、
式中、X、X、又はXは、H、F、Cl、及びCFから独立して選択され、R2は、直鎖又は分岐鎖フッ素化連結基であり、飽和又は不飽和及び置換又は非置換であってよく、任意にカテナリーヘテロ原子を含み、Gは、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、官能基、及びこれらの組み合わせから選択され、nは少なくとも1であり、ここで、式(II)の高度フッ素化ビニルエーテルが、式(I)の高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドと異なるように、X、X、X、G及びR2が選択される、上記で開示される方法が提供される。
更に別の態様では、工程(b)が、式(I)の高度フッ素化スルホニルハライド及び/又は式(II)の高度フッ素化ビニルエーテルを、エチレン性不飽和モノマーとコオリゴマー形成し、式(III):
Figure 2014507387
の構造をもたらす工程を更に含み、
式中、Zは、エチレン、プロピレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ素化アルキルビニルエーテル、フッ素化アルコキシビニルエーテル、官能基を含むフッ素化ビニルエーテル、ペルフルオロ−1,3−ジオキソール、及びこれらの組み合わせから選択されるモノマー由来であり、更にpは少なくとも1である、上記で開示される方法が提供される。
上記の概要は、各実施形態を説明することを目的とするものではない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細を以下の説明文においても記載する。他の特徴、目的、及び利点は、説明文及び「特許請求の範囲」から明らかとなるであろう。
本明細書では以下の用語を使用する。
「a」、「an」、及び「the」は、互換可能なものとして使用され、1つ以上を意味し、「及び/又は」は、一方又は両方の記述された事例が起こる場合があることを示すために使用され、例えば、A及び/又はBは、(A及びB)と(A又はB)とを含む。本明細書においては更に、端点によって表わされる範囲には、その範囲内に含まれる全ての数値が含まれる(例えば、1〜10には、1.4、1.9、2.33、5.75、9.98などが含まれる)。本明細書においては更に、「少なくとも1」の記載には、1以上の全ての数値が含まれる(例えば、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100など)。
「オリゴマー」は、20,000g/モル未満、15,000g/モル未満、10,000g/モル未満、5,000g/モル未満、2,000g/モル未満、1,000g/モル未満、更に500g/モル未満を意味する。
「連結基」は、二価連結基を意味する。一実施形態では、連結基は、少なくとも1個の炭素原子(いくつかの実施形態では、少なくとも2、4、8、10、又は更に20個の炭素原子)を含む。連結基は、直鎖又は分岐鎖、環式又は非環式構造であってよく、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってよく、任意に、イオウ、酸素、及び窒素からなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有し、並びに/又は任意に、エステル、アミド、スルホンアミド、カルボニル、カーボネート、ウレタン、尿素、及びカルバメートからなる群から選択される1つ以上の官能基を含有する。
「高度フッ素化」は、ペルフルオロ化又は部分フッ素化末端基でペルフルオロ化される繰返しモノマー単位を意味し、このモノマー由来のオリゴマー上に任意に塩素を含有してよい。例えば、ペルフルオロ化開始剤を用いると、ペルフルオロ化スルフィン酸オリゴマーが生成される。別の例では、有機開始剤を用いると、式(I)(上記)の「R」末端基に水素原子が存在するようになる。
「スルフィナート」は、スルフィン酸及びスルフィン酸塩の両方を示すために使用される。また、本明細書では「フルオロスルフィナート」及び「フッ素化スルフィナート」も互換可能なものとして使用され、少なくとも1つのフッ素原子を含有するスルフィン酸及びスルフィン酸塩を示す。
フルオロオレフィンは、フルオロポリマー製造のコモノマーとして有用である。フルオロスルフィナートは、ポリマーの加工に役立つ、イオン性末端部を含まないフルオロポリマーの製造に有用である。フルオロスルフィン酸反応性モノマーは、界面活性剤、開始剤、及び独特の分岐フルオロポリマーを生じる反応性モノマーとして使用できる。フルオロスルフィン酸基を含有するオリゴマーは、連鎖成長を開始し、例えば、くし型フルオロポリマー構造などの複雑なフルオロポリマー構造を提供できる。
本開示は、高度フッ素化オリゴマースルフィン酸の調製方法に関する。いくつかの実施形態では、高度フッ素化オリゴマースルフィン酸の調製方法は、
(a)高度フッ素化ビニルスルホニルハライドを準備する工程と、
(b)高度フッ素化ビニルスルホニルハライドを開始剤によってオリゴマー形成し、式(I):
Figure 2014507387
の高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドをもたらす工程と、
(c)高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドを還元して、式(IV):
Figure 2014507387
の高度フッ素化スルフィナートオリゴマーにする工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、X、X、及びXは、F、Cl、及びCFから独立して選択される。Rは、水素、ヨウ素、臭素、直鎖又は分岐鎖アルキル、及びカテナリーヘテロ原子を任意に含む直鎖又は分岐鎖フルオロアルキル基から独立して選択される。いくつかの実施形態では、アルキル基は最大20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、R1は、直鎖又は分岐鎖ペルフルオロ化連結基である。この連結基は、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってよく、任意にカテナリーヘテロ原子を含む。
いくつかの実施形態では、Yはハライドである。本開示で有用なハライドとして、フッ素及び塩素が挙げられる。Mはカチオンである。本開示で有用な代表的なカチオンとして、H、NH 、PH 、H、Na、Li、Cs、Ca+2、K、Mg+2、Zn+2、及びCu+2、及び/又は、N(CH 、NH(CH 、N(CHCH 、NH(CHCH 、NH(CH 、((CHCHCHCH)Pなどが挙げられるがこれらに限定されない有機カチオン、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。本開示に有用な方法において、mは、2以上の任意の数から選択される。
いくつかの実施形態では、高度フッ素化ビニルスルホニルハライドは、例えば、ペルフルオロビニルエーテルスルホニルフッ化物などのペルフルオロビニルスルホニルハライドである。本開示による代表的なペルフルオロビニルエーテルスルホニルフッ化物として、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない。
CF=CF−O−CFCF−SO
CF=CF−O−CFCF−SOCl
CF=CF−O−CFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCF−SOCl
Figure 2014507387
Figure 2014507387
CF=CF−O−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCF−SOCl
CF=CF−O−CFCFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCFCF−SOCl
CF=CF−O−CFCFCFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCFCFCF−SOCl
Figure 2014507387
Figure 2014507387
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
Figure 2014507387
Figure 2014507387
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SOCl
いくつかの実施形態では、高度フッ素化オリゴマースルフィン酸の調製方法は、工程(c)の高度フッ素化スルフィナートオリゴマーを酸性化し、そこから高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーを抽出する工程(d)も含む。工程(d)では、任意の酸を使用してよい。代表的な酸として、硫酸、塩酸、及びその他強鉱酸など、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、真空ストリッピング及び/又は、追加成分の添加を伴う、若しくは伴わない濾過の使用などの任意の周知の抽出手法を用いて、抽出を行ってよい。代表的な成分として、アルコール、エーテルなどが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、メタノールが好ましい。いくつかの実施形態では、メチル−t−ブチルエーテルが好ましい。
いくつかの実施形態では、高度フッ素化オリゴマースルフィン酸の調製方法は、工程(d)の高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーを変換し、その塩を形成する工程(e)も含む。いくつかの実施形態では、工程(e)を、有機塩基を用いて実施する。いくつかの実施形態では、工程(e)を、無機塩基を用いて実施する。いくつかの実施形態では、水酸化アンモニウムが好ましい。いくつかの実施形態では、水酸化カリウムが好ましい。
いくつかの実施形態では、高度フッ素化オリゴマースルフィン酸の調製方法は、高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドを部分的還元し、続いて、残存するスルホニルハライドをスルホン酸塩に加水分解することにより生成されるスルホン酸塩も含む。
いくつかの実施形態では、高度フッ素化スルフィン酸の調製方法は、式(I)の高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドを高度フッ素化ビニルエーテルとコオリゴマー形成し、式(II):
Figure 2014507387
の構造をもたらす工程も含む。
いくつかの実施形態では、X、X、及びXは、H、F、Cl、及びCFから独立して選択される。いくつかの実施形態では、R2は、直鎖又は分岐鎖フッ素化連結基である。この連結基は、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってよく、任意にカテナリーヘテロ原子を含む。
Gは、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、官能基、及びこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、ペルフルオロアルキル基は、最大30個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、ペルフルオロアルコキシ基は、最大30個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、Gが官能基であるとき、官能基は、カルボン酸及びその誘導体、ニトリル、スルホニルハライド、スルホネート、イミダート、アミジン、アルコール、メルカプタン、ヨウ素、臭素など、並びにこれらの組み合わせから選択される。
変数nは少なくとも1である。本開示に有用な方法では、X、X、X、G及びR2は、式(II)の高度フッ素化ビニルエーテルが、式(I)の高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドと異なるように選択される。
いくつかの実施形態では、式(II)の高度フッ素化ビニルエーテルは、例えば工程(c)のように還元され、高度フッ素化ビニルエーテルのアルコール誘導体がもたらされる。例えば、式(II)中Gがカルボニル基として選択されるとき、式(II)の高度フッ素化ビニルエーテルは、工程(c)において還元され、そのアルコール誘導体がもたらされる。
式(I)中R1及び式(II)中R2は、直鎖又は分岐鎖フッ素化連結基である。いくつかの実施形態では、R1及びR2は、−(CF−、−O(CF−、−(CF−O−(CF−、−(CF−[O−(CF−、及び−[(CF−O−]−[(CF−O−]、−(CF−[O−(CF(CF)CF、並びにこれらの組み合わせから独立して選択され、式中、a、b、c、及びdは、独立して少なくとも1である。本開示のR1及びR2として有用な代表的な直鎖及び分岐鎖連結基として、−CFCF−、−CFCFCFCF−、−CFCF(CF)−O−CFCF−が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、高度フッ素化スルフィン酸の調製方法は、上記工程(b)中で、式(I)の高度フッ素化ビニルスルホニルハライドをエチレン性不飽和モノマーとコオリゴマー形成し、式(III):
Figure 2014507387
の構造をもたらす工程も含んでよい。
いくつかの実施形態では、Zは、エチレン、プロピレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ素化アルキルビニルエーテル、フッ素化アルコキシビニルエーテル、官能基を含むフッ素化ビニルエーテル、ペルフルオロ−1,3−ジオキソールなど、及びこれらの組み合わせから選択されるモノマー由来である。変数pは少なくとも1である。
いくつかの実施形態では、式(III)のエチレン性不飽和モノマーは、式(I)の高度フッ素化ビニルスルホニルハライド及び式(II)の高度フッ素化ビニルエーテルとコオリゴマー形成できる。
いくつかの実施形態では、Zが官能基を含むエチレン性不飽和モノマーであるとき、官能基は、臭素及び/又はヨウ素から選択される。代表的な官能基を含むエチレン性不飽和モノマーは、1つ以上の式(V):
CX=CX(Z)の化合物由来である。
いくつかの実施形態では、各Xは、水素又はフッ素から独立して選択される。いくつかの実施形態では、Zは、ヨウ素、臭素、又はR−Uから選択され、式中、Uは、ヨウ素又は臭素から選択され、Rは、任意に酸素原子を含むペルフルオロ化又は部分的ペルフルオロ化アルキレン基である。いくつかの実施形態では、非フッ素化ブロモ−又はヨードオレフィン、例えば、ヨウ化ビニル及びヨウ化アリルを用いることができる。官能基を含む代表的なエチレン性不飽和モノマーとして、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない。
CH=CHI
CF=CHI
CF=CFI
CH=CHCH
CF=CFCF
CH=CHCFCF
CH=CHCFCFCHCH
CH=CH(CF
CH=CH(CFCHCH
CH=CH(CF
CH=CH(CFCHCH
CF=CFCHCH
CF=CFCFCF
CF=CFOCFCF
CF=CFOCFCFCHCH
CF=CFOCFCFCF
CF=CFOCFCFCFCF
CF=CFOCFCFCFCHCH
CF=CFOCFCFCH
CF=CFOCFCFCFCH
CF=CFCFOCHCH
CF=CFO(CFOCFCF
CH=CHBr
CF=CHBr
CF=CFBr
CH=CHCHBr
CF=CFCFBr
CH=CHCFCFBr
CF=CFOCFCFBr
CF=CFCl
CF=CFCFCl
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、オリゴマー形成工程(b)は、溶媒がない状態で実施される。つまり、工程(b)でオリゴマー形成又はコオリゴマー形成されている混合物に、溶媒は添加されない。いくつかの実施形態では、オリゴマー形成工程(b)は、溶媒がある状態で実施される。本開示で有用な溶媒として、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロエーテル、クロロフルオロエーテル、クロロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、及び水など、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
溶媒は、反応中に、適切な攪拌と熱伝導を可能にするのに十分な量で存在しなくてはならない。いくつかの実施形態では、反応完了後に溶媒を除去してよい。
抽出、減圧下における蒸留、カラムクロマトグラフィー、及び任意のその他既知の分離方法などの任意の従来の方法を用いて、溶媒を除去してよい。
いくつかの実施形態では、開始剤を用いる。例えば、過硫酸塩、過酸化物(例えば、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ジアルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド(hyrdoperoxides)等などの有機ペルオキシド)、光照射、γ線照射、アゾ化合物などといった、任意の従来の開始剤を用いてよい。いくつかの実施形態では、好ましい開始剤(iniator)は、過酸化化合物から選択される。過酸化水素、アシルペルオキシド、例えば、ジアセチルペルオキシド、ジプロピオニルペルオキシド、ジブチリルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルアセチルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、二コハク酸ペルオキシド、又は二グルタル酸ペルオキシドなどが本明細書で言及されるが、ただ単に例としてである。更に、過酢酸などの水溶性過酸、及びその水溶性塩(特に、アンモニウム、ナトリウム、又はカリウム塩)又はそのエステル、例えば、第三ブチルペルオキシアセテート及び第三ブチルペルオキシピバレートなどに言及してよい。また、その他過酸の水溶性塩、特に、アンモニウム、カリウム、及びナトリウム塩、例えばペルオキソモノ硫酸塩及びペルオキソジ硫酸塩、過リン酸塩、過ホウ酸塩、及び過炭酸塩を使用してもよい。更に、ペルフルオロアシルペルオキシド又はΩ−ヒドロペルフルオロアシルペルオキシドが好適である。本開示で有用なアゾ化合物として、アゾイソブチロニトリル及びアゾ−2−シアノ吉草酸などが挙げられる。いくつかの実施形態では、特定の水溶性アゾ化合物が好ましい。また、10℃〜50℃の温度、中でも低温範囲において十分な量でラジカルを発生する従来の活性酸化還元系も、開始剤として使用できる。代表的な酸化還元系として、水溶性過酸化化合物、好ましくはペルオキソ二硫酸塩と、亜硫酸水素塩若しくは二亜硫酸水素塩の組み合わせが挙げられ、又は、そのホルムアルデヒド、チオ硫酸、及びジイミン遊離化合物、例えば、ヒドラジン若しくはアゾジカルボキシアミドなどとの付加生成物にも言及されるが、ただ単に例としてである。言及される化合物の塩類、好ましくはアルカリ金属塩、及び特にアンモニウム塩も、酸化還元混合物中に存在する。オリゴマー形成が有機溶媒中で起こる場合、上記いずれの場合でも、対象とする溶媒中に十分に可溶性であるように触媒を選択しなくてはならない。
このプロセスにおいて、工程(b)のオリゴマー形成反応の最初に、開始剤の全量を添加してよい。しかしながら、比較的大きいバッチでは、工程(b)のオリゴマー形成工程中、継続的に開始剤を添加することが都合がよい場合もある。同様に、別の方法として、開始剤の一部の量を最初に加え、残りを後に1つ以上のバッチで加えてもよい。特に酸化還元系を開始剤として用いるとき、共活性剤、すなわち、例えば鉄及び銀の可溶性塩の添加が有利である場合もある。
本開示で有用な還元剤として、例えば以下に挙げるものなどの、還元剤として周知のものが挙げられる。代表的な還元剤として、MeLH(式中、Meはアルカリ金属であり、Lはアルミニウム又はホウ素のいずれかである)及びMeH(式中、Meはアルカリ金属又はアルカリ土類金属のいずれかであり、xは1又は2である)などの金属水素化物が挙げられる。この種の還元剤として、例えば、リチウムアルミニウム水素化物、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化バリウム、水素化カルシウムなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、好ましい還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムである。
いくつかの実施形態では、有用な還元剤として還元性無機酸が挙げられる。この種の還元剤として、例えば、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、ハイドロリン酸、硫化水素酸、亜ヒ酸、亜リン酸、亜硫酸、亜硝酸、ギ酸、シュウ酸などが挙げられる。いくつかの実施形態では、有用な還元剤として金属と酸の混合物が挙げられる。この種の還元剤で有用な金属として、例えば、スズ、鉄、亜鉛、亜鉛のアマルガムなどが挙げられる。この種の還元剤で有用な酸として、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸、ギ酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、有用な還元剤として、例えば、ブチルリチウム、グリニャール試薬(例えば、1〜8個の炭素原子のアルキル)、アリールマグネシウムハライド、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ナトリウム−ベンゼン、ナトリウム−ナフタレンなどといった有機金属化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、例えば、塩化第一スズ、硫酸第一鉄、三塩化チタン、塩化第一鉄、硫酸第一スズ、硫化第一鉄、硫化第一スズ、臭化第一鉄、臭化第一スズ、水酸化第一鉄などといった、低い価数の金属化合物が有用な還元剤である。いくつかの実施形態では、無機酸の還元性塩、及び同化合物が有用な還元剤である。この種の還元剤として、例えば、ヨウ化物、臭化物、硫化物、亜リン酸塩、亜硫酸塩、亜ヒ酸塩、亜ジチオン酸塩、亜硝酸塩、ギ酸塩などが挙げられる。本開示では、金属、水、水蒸気、アルコール、又はアルカリの混合物も還元剤として使用してよい。更に、例えば、トリエタノールアミン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、プロピルアルデヒドなどといった還元性有機化合物、及び、例えば、一酸化炭素、二酸化イオウ、ヨウ化水素、臭化水素、硫化水素などといった還元性ガスも、還元剤として有用である。いくつかの実施形態では、本開示で有用な還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、リチウムアルミニウム水素化物、NHNH、KSO、NaSO、NaHSO、及びKHSOのうち少なくとも1つから選択される。
以下の実施形態は、本出願の主題を代表するものである。
実施形態1.
(a)高度フッ素化ビニルスルホニルハライドを準備する工程と、
(b)高度フッ素化ビニルスルホニルハライドを開始剤によってオリゴマー形成し、式(I):
Figure 2014507387
の高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドをもたらす工程と、
(c)高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドを還元して、式(IV):
Figure 2014507387
の高度フッ素化スルフィナートオリゴマーにする工程と、を含み、
式中、X、X、及びXは、F、Cl、及びCFから独立して選択され、Rは、H、I、Br、直鎖又は分岐鎖アルキル、及びカテナリーヘテロ原子を任意に含む直鎖又は分岐鎖フルオロアルキル基から独立して選択され、R1は、直鎖又は分岐鎖ペルフルオロ化連結基であり、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってよく、任意にカテナリーヘテロ原子を含み、Yはハライドであり、Mはカチオンであり、mは少なくとも2である、オリゴマーの調製方法。
実施形態2.工程(c)の高度フッ素化スルフィナートオリゴマーを酸性化し、そこから高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーを抽出する工程(d)を更に含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.工程(d)の高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーを変換し、その塩を形成する工程(e)を更に含む、実施形態2に記載の方法。
実施形態4.有機塩基又は無機塩基を用いて、高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーをその塩に変換する、実施形態3に記載の方法。
実施形態5.水酸化アンモニウムを用いて、高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーをその塩に変換する、実施形態3に記載の方法。
実施形態6.水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて、高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーをその塩に変換する、実施形態3に記載の方法。
実施形態7.工程(b)が、式(I)の高度フッ素化スルホニルハライドを高度フッ素化ビニルエーテルとコオリゴマー形成し、式(II):
Figure 2014507387
の構造をもたらす工程を更に含み、
式中、X、X、又はXは、H、F、Cl、及びCFから独立して選択され、R2は、直鎖又は分岐鎖フッ素化連結基であり、飽和又は不飽和及び置換又は非置換であってよく、任意にカテナリーヘテロ原子を含み、Gは、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、官能基、及びこれらの組み合わせから選択され、nは少なくとも1であり、ここで、式(II)の高度フッ素化ビニルエーテルが、式(I)の高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドと異なるように、X、X、X、G及びR2が選択される、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8.Gが官能基であるとき、該官能基が、カルボン酸及びその誘導体、ニトリル、スルホニルハライド、スルホネート、イミダート、アミジン、アルコール、メルカプタン、ヨウ素、臭素、並びにこれらの組み合わせから選択される、実施形態7に記載の方法。
実施形態9.官能基がカルボニル基であるとき、該官能基が還元されてアルコール誘導体がもたらされる、実施形態8に記載の方法。
実施形態10.工程(b)が、高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドをエチレン性不飽和モノマーとコオリゴマー形成し、式(III):
Figure 2014507387
の構造をもたらす工程を更に含み、
式中、Zは、エチレン、プロピレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ素化アルキルビニルエーテル、フッ素化アルコキシビニルエーテル、官能基を含むフッ素化ビニルエーテル、ペルフルオロ−1,3−ジオキソール、及びこれらの組み合わせから選択されるモノマー由来であり、更にpは少なくとも1である、実施形態1、2、3、4、5、又は6に記載の方法。
実施形態11.エチレン性不飽和モノマーが、CH=CHI、CF=CHI、CF=CFI、CH=CHCHI、CF=CFCFI、CH=CHCFCFI、CH=CHCFCFCHCHI、CH=CH(CFI、CH=CH(CFCHCHI、CH=CH(CFI、CH=CH(CFCHCHI、CF=CFCHCHI、CF=CFCFCFI、CF=CFOCFCFI、CF=CFOCFCFCHCHI、CF=CFOCFCFCFI、CF=CFOCFCFCFCFI、
CF=CFOCFCFCFCHCHI、CF=CFOCFCFCHI、CF=CFOCFCFCFCHI、CF=CFCFOCHCHI、CF=CFO(CFOCFCFI、CH=CHBr、CF=CHBr、CF=CFBr、CH=CHCHBr、CF=CFCFBr、CH=CHCFCFBr、CF=CFOCFCFBr、CF=CFCl、CF=CFCFCl、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態10に記載の方法。
実施形態12.工程(b)が、高度フッ素化スルホニルハライドをエチレン性不飽和モノマーとコオリゴマー形成し、式(III):
Figure 2014507387
の構造をもたらす工程を更に含み、
式中、Zは、エチレン、プロピレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ素化アルキルビニルエーテル、フッ素化アルコキシビニルエーテル、官能基を含むフッ素化ビニルエーテル、ペルフルオロ−1,3−ジオキソール、及びこれらの組み合わせから選択されるモノマー由来であり、更にpは少なくとも1である、実施形態7、8、又は9に記載の方法。
実施形態13.R1及びR2が、−(CF−、−O(CF−、−(CF−O−(CF−、−(CF−[O−(CF−、−(CF−[O−(CF(CF)CF−、及び−[(CF−O−]−[(CF−O−]−、並びにこれらの組み合わせから独立して選択され、式中、a、b、c、及びdが、独立して少なくとも1である、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14.R1及びR2が、−CFCF−、−CFCFOCFCF−、−CFCF(CF)−O−CFCF−から独立して選択される、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態15.工程(a)において開始剤を更に含む、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16.開始剤が、過硫酸塩、過酸化物、光照射、γ線照射、及びアゾ化合物から選択される、実施形態15に記載の方法。
実施形態17.開始剤がペルフルオロ化過酸化物である、実施形態15に記載の方法。
実施形態18.ペルフルオロ化過酸化物が、CFOCCOOOCOCOCF、及びCCOOOCOCから選択される、実施形態17に記載の方法。
実施形態19.工程(b)のオリゴマー形成が、溶媒がない状態で実施される、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20.工程(b)のオリゴマー形成が、溶媒がある状態で実施される、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21.工程(b)のオリゴマー形成が、水性乳化オリゴマー形成として実施される、実施形態1〜20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22.工程(b)のオリゴマー形成が、不活性雰囲気下で実施される、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の方法。
実施形態23.高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドがペルフルオロビニルスルホニルハライドである、実施形態1〜22のいずれか1つに記載の方法。
実施形態24.ペルフルオロビニルスルホニルハライドがペルフルオロビニルエーテルスルホニルフッ化物である、実施形態23に記載の方法。
実施形態25.ペルフルオロビニルエーテルスルホニルフッ化物が、
CF=CF−O−CFCF−SO
CF=CF−O−CFCF−SOCl
CF=CF−O−CFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCF−SOCl
Figure 2014507387
Figure 2014507387
CF=CF−O−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCF−SOCl
CF=CF−O−CFCFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCFCF−SOCl
CF=CF−O−CFCFCFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCFCFCF−SOCl
Figure 2014507387
Figure 2014507387
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
Figure 2014507387
Figure 2014507387
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SOCl
からなる群から選択される。
実施形態26.還元工程(c)が還元剤を用いて実施される、実施形態1〜25のいずれか1つに記載の方法。
実施形態27.還元工程(c)が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、リチウムアルミニウム水素化物、NHNH、KSO、NaSO、NaHSO、及びKHSOを還元剤として用いて実施される、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の方法。
以下の実施例は、あくまで説明を目的としたものであって、付属の特許請求の範囲をいかなる意味においても限定することを目的とするものではない。実施例における部、百分率、比等は全て、特に記載しない限り、重量基準である。本明細書で使用した全ての物質は、特に記載のない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee,Wisconsin)より入手した。
Figure 2014507387
(実施例1)
200グラム(0.53モル)のMV4Sと20グラム(0.09モル)の「LUPEROX 575」を真空にした600mL容反応器(例えばParr Instruments(Moline,IL)から商標表記「600ml SERIES 4520 PARR」(「600mL PARR反応器」)で市販されている反応器など)に装入した。混合物を攪拌し、65℃で20時間加熱した。わずかな圧力上昇が計測され、反応物が20℃に達した後に排気した。217グラムの生成混合物を排出し、精留して、97グラムの未反応MV4Sと106グラムのオリゴマー化MV4S(o−MV4S)を、53%の収率で得た。38グラムのo−MV4Sサンプルを真空下で加熱して、145℃、4.6mmで沸騰する留分を除去した。28.4グラムのより高温で沸騰する生成物が容器中に残った。この28.4グラムの高沸騰物質を液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)にかけると、相対面積は、一般構造R−[CFCF(OCSOF)]−R(式中、nは2〜5に等しく、RはH、C、及び/又はC15であった)を示した。平均オリゴマー単位は2.9であり、平均分子量は1200グラム/モルであった。
(実施例2)
テトラヒドロフラン(tetrahydorfuran)(THF)100グラム中6.3グラム(0.17モル)の水素化ホウ素ナトリウムを、500mL容三口丸底フラスコに入れ、攪拌した。25グラム(0.06モル)の実施例1で調製したo−MV4S(平均2.9のオリゴマー単位を有する)を50グラムのTHFに溶解し、15分間かけて添加した。o−MV4S溶液の添加により、わずかに発熱する反応が起こった。この混合物を65℃で2時間反応させた。溶媒を真空ストリッピングし、水200グラム中14グラムの濃硫酸を20℃で添加した。この混合物を真空ストリッピングし、得られる固体を100グラムのメタノールで抽出した。次に、抽出した混合物を濾過し、再度真空ストリッピングして、26.5グラムの粘着性固体生成物を得て、続いてこれを水で50グラムに希釈した。核磁気共鳴分光法(NMR)により、98%の収率で所望のo−MV4SO2Hが確認された。
(実施例3)
200グラム(0.53モル)のMV4S、27グラム(0.12モル)の「LUPEROX 575」、及び52グラムのCTFE二量体を真空にした600mL PARR反応器に入れ、この混合物を攪拌して65℃で20時間加熱した。わずかな圧力上昇が計測され、反応物が20℃になった後に排気した。268グラムの生成混合物を排出し、精留して、15mm真空において225℃超の沸点を有する50グラムのo−MV4Sを得た。LCMSによる相対面積パーセントは、一般構造R−[CFCF(OCSOF)]n−R(式中、nは2〜5に等しく、Rは、H、C、及び/又はC15のうち1つであった)を有するオリゴマーを示した。この反応条件及び調製による平均的オリゴマーは3.2個の構成単位を有し、平均分子量は1320グラム/モルであった。
(実施例4)
THF 100グラム中の40グラム(0.11モル)の実施例3によるo−MV4S生成物を、1リットル容三口丸底フラスコ中にあるTHF 100グラム中の9グラム(0.24モル)の水素化ホウ素ナトリウムを含む攪拌溶液に加えた。o−MV4S溶液の添加後の10分以内に、わずかの発熱の反応がに起こった。この反応を65℃で20時間進行させた。水200グラム中の25グラムの濃硫酸を20℃で加えた。上部の生成物相の、THFを含む生成物135グラムを真空ストリッピングした。50グラムのメタノールを装入して生成物を溶解し、これを濾過して真空ストリッピングし、35グラムのo−MV4SO2Hを得た。NMRにより、所望のo−MV4SO2Hの存在が示された。
(実施例5)
実施例4で調製した35グラムのo−MV4SO2Hを、6.1グラム(0.1モル)のアンモニア(27%水酸化アンモニウムとして)に加えてアンモニウム塩を調製し、真空ストリッピングにより、粘着性固体として38グラムのo−MV4SO2NH4塩を得た。o−MV4SO2NH4について、融点は観察されず、209℃において分解開始されることが計測された。
(実施例6)
100mL容瓶に、26グラム(0.07モル)のMV4S、50グラムの蒸留水、実施例5で調製した1グラム(0.0004モル)のo−MV4SO2NH4の50%溶液、0.3グラム(0.001モル)の過硫酸ナトリウム、及び0.6グラム(0.003モル)のリン酸カリウムを装入した。溶液を窒素パージし、ラウンダーメータ、例えば、SDL Atlas(Rock Hill,South Caroline)より商標表記「Launder−Ometer M228AA」で市販されている装置に、80℃において20時間入れた。15グラムの未反応MV4Sが下相として回収された。残存する溶液を凍結融解し、5グラムの粘稠で冷たい流動性ポリマーを沈殿させ、これをLCMSにかけると、本法では検出できないほど高い分子量を有することがわかった。19F NMRにより、一般構造R−[CFCF(OCSOF]n−R(式中、nは平均数25に等しく、Rは、COOH及びHであった)を有する所望のo−MV4Sの存在が示された。この反応条件及び調製による平均的オリゴマーは平均分子量9,600グラム/モルを有した。
(実施例7)
100グラム(0.26モル)のMV4S、17グラム(0.07モル)の「LUPEROX 575」、及び103グラムのCTFE二量体を真空にした600mL PARR反応器に装入した。混合物を攪拌し、17グラム(0.27モル)のフッ化ビニリデンを装入した。得られた混合物を65℃で20時間加熱した。わずかな圧力上昇が計測され、反応物が20℃になった後に排気した。207グラムの生成混合物を排出し、精留して、15mm真空において75℃超の沸点を有し、投入モノマーに基づき収率50%のo−MV4S/VDFコオリゴマーを57グラム得た。LCMSによる相対面積パーセントは、一般構造R−[CFCF(OCSOF)]x−[CHCF]y−R(式中、x及びyは2〜5に等しく、Rは、H、C、及び/又はC15のうち1つであった)を有するコオリゴマーを示した。この反応条件及び調製による平均コオリゴマーは、3.1個の構成単位を有し、平均分子量は1478グラム/モルであった。
(実施例8)
100グラム(0.26モル)のMV4S、15グラム(0.04モル)のCI、10グラム(0.04モル)の「LUPEROX 575」、及び25グラムのCTFE二量体を真空にした600mL PARR反応器に装入した。混合物を攪拌し、65℃で20時間加熱した。わずかな圧力上昇が計測され、反応物が20℃に達した後に排気した。145グラムの生成混合物を排出し、精留して、15mm真空において180℃超の沸点を有する9グラムのo−MV4Sオリゴマーを得た。LCMSによる相対面積パーセントは、一般構造R−[CFCF(OCSOF)]n−R(式中、nは2〜5に等しく、Rは、C、I、H、C、及び/又はC15のうち1つであった)を有するオリゴマーを示した。この反応条件及び調製による平均オリゴマーは3.2個の構成単位を有し、平均分子量は1350グラム/モルであった。
(実施例9)
6.1グラムのKF(0.1モル)、390グラムのジグリムを600mL PARR反応器に装入し、攪拌しながら−5℃まで冷却した。170グラムのペルフルオロアジポイルフルオロリド(0.87モル)(Exfluor Research(Austin,Texas)から入手可能)を反応器に装入し、続いて140グラム(0.85モル)のヘキサフルオロプロピレンオキシド(E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,Delaware)から入手可能)を入れ、1時間かけて反応を進行させた。この反応物を25℃まで加熱し、250グラムの生成物であるFCOC10−O−CF(CF)COFを135℃で蒸留した。2リットル容三口丸底フラスコに、192グラム(1.8モル)のNaCO、390グラムのジグリムを装入して攪拌した。250グラム(0.69モル)のFCOC10−O−CF(CF)COFをゆっくりと加え、反応温度を最大71℃まで加熱した。スラリーを最大162℃まで加熱して、COがこれ以上発生しなくなるまでこのスラリーを脱炭酸した。この反応物を25℃まで冷却し、水350グラム中215グラム(2.19モル)の濃HSOを加えた。上相540グラムを、水200グラム中64グラムの濃HSOで更に洗浄し、下相317グラムを粗生成物として得た。116グラム(3.63モル)のメタノールと92グラム(0.94モル)の濃HSOを用いて、82℃で20時間加熱することにより、下相生成物をエステル化した。この反応物を25℃まで冷却し、200グラムの水を添加して、189グラムの下相生成物を粗生成物として単離した。真空蒸留により、132℃/15mmの沸点を有する129グラム(0.32モル)のCF=CF−O−C10−CO−CHが得られた。
100グラム(0.26モル)のMV4S、20グラム(0.05モル)のMV5CO2CH3、10グラム(0.04モル)の「LUPEROX 575」、及び25グラムのCTFE二量体を真空にした600mL PARR反応器に装入した。混合物を攪拌し、65℃で20時間加熱した。わずかな圧力上昇が計測され、反応物が20℃になった後に排気した。144グラムの生成混合物を排出し、精留して、15mm真空において225℃超の沸点を有する24グラムのo−MV4S/MV5CO2CH3コオリゴマーを得た。LCMSによる相対面積パーセントは、一般構造R−[CFCF(OCSOF)]x−[CFCF(OC10COCH)]y−R(式中、x及びyは2〜5に等しく、Rは、H、C、及び/又はC15のうち1つであった)を有するオリゴマーを示した。この反応条件及び調製による平均コオリゴマーは3.2個の構成単位を有し、平均分子量は1320グラム/モルであった。
(実施例10)
250ミリリットル容三口丸底フラスコの中に、THF 20グラム中、18グラム(0.02モル)の実施例9による生成物o−MV4S/MV5CO2CH3生成物を、THF 50グラム中、1.5グラム(0.04モル)の水素化ホウ素ナトリウムを含む攪拌溶液に加えた。o−MV4S/MV5CO2CH3溶液の添加後10分以内に、その添加によりわずかに発熱する反応が起こった。この反応を65℃で1時間進行させた。水50グラム中の10グラムの濃硫酸を20℃で加えた。50グラムのメチル−t−ブチルエーテルを装入して生成物を抽出し、真空ストリッピングを行って、17グラムのR−[CFCF(OCSOH)]x−[CFCF(OC10CHOH)]y−R(式中、x及びyは2〜5に等しく、Rは、H、C、及び/又はC15であった)を得た。核磁気共鳴分光法(NMR)により、フルオロスルフィン酸及びフルオロアルコール基を共に有する所望のコオリゴマーが94%の収率で示された。
(実施例11)
100グラム(0.26モル)のMV4S、14グラム(0.04モル)のMV31、10グラム(0.04モル)の「LUPEROX 575」、及び25グラムのCTFE二量体を真空にした600mL PARR反応器に装入した。混合物を攪拌し、65℃で20時間加熱した。わずかな圧力上昇が計測され、反応物が20℃になった後に排気した。146グラムの生成混合物を排出し、精留して、15mm真空において225℃超の沸点を有する、23グラムのo−MV4S/MV31コオリゴマーを得た。LCMSによる相対面積パーセントは、一般構造R−[CFCF(OCSOF)]x−[CFCF(OCOCF]y−R(式中、x及びyは2〜5に等しく、Rは、H、C、及び/又はC15のうち1つであった)を有するオリゴマーを示した。この反応条件及び調製による平均コオリゴマーは3.4個の構成単位を有し、平均分子量は1375グラム/モルであった。
(実施例12)
真空にした600mL PARR反応器に、50グラム(0.11モル)のMV3b2S、7グラム(0.03モル)の「LUPEROX 575」、及び196グラムのCTFE二量体を装入した。混合物を攪拌し、65℃で20時間加熱した。わずかな圧力上昇が計測され、反応物が20℃になった後に排気した。248グラムの生成混合物を排出し、精留して、15mm真空において225℃超の沸点を有する8グラムのo−MV3b2Sを得た。LCMSによる相対面積パーセントは、一般構造R−[CFCF(OCFCF(CF)OCSOF)]n−R(式中、nは2〜5に等しく、Rは、H、C、及び/又はC15のうち1つであった)を有するオリゴマーを示した。この反応条件及び調製による平均オリゴマーは2.5個の構成単位を有し、平均分子量は1250グラム/モルであった。
(実施例13)
250ミリリットル容三口丸底フラスコの中に、THF 20グラム中の6グラム(0.01モル)の実施例12によるo−MV3b2S生成物を、THF 50グラム中に1.5グラム(0.03モル)の水素化ホウ素ナトリウムを含む攪拌溶液に加えた。o−MV3b2S溶液の添加10分以内に、その添加によりわずかに発熱する反応が起こった。この反応を65℃で1時間進行させた。水50グラム中10グラムの濃硫酸を20℃で加えた。50グラムのメチル−t−ブチルエーテルを装入して生成物を抽出し、その後真空ストリッピングを行って、5.3グラムのo−MV3b2SO2H(収率91%)を得た。核磁気共鳴分光法(NMR)により、所望のo−MV3b2SO2Hの存在が確認された。
(実施例14)
5グラムの実施例13で調製したo−MV3b2SO2Hを、6.1グラム(0.1モル)のアンモニア(27%水酸化アンモニウムとして)に加えてアンモニウム塩を調製し、真空ストリッピングにより、粘着性固体として5.2グラムのo−MV3b2SO2NH4塩を得た。融点は156℃であり、分解開始は183℃であった。
(実施例15)
280g(1.2モル)のCFOCCOF(米国特許第2,713,593号(Briceら)の実施例2に記載のように電解フッ素化により調製)を、1L容三口丸底フラスコ中で−20℃に冷却された過剰のメタノールに加えた。次にこれを水洗し、下相のフッ素化物として、295g(1.2モル)のCFOCCOCHを単離した。続いて、水150g中89g(1.35モル)のKOHの装入量を上記フッ素化物に加え、CFOCCOK塩を調製した。これを乾燥し、水150g中150gの濃HSOで酸性化し、真空蒸留して、314g(1.3モル)のCFOCCOHを単離した。50g(0.22モル)のCFOCCOH、4gのジメチルホルムアミド、及び30g(0.2.5モル)の塩化チオニルを、500mL容三口丸底フラスコ中、72℃で1時間反応させて蒸留し、46g(0.19モル)のCFOCCOClを得た。250mL容三口丸底フラスコに、4.7g(0.05モル)の35% HOOHを加え、続いて攪拌しながら0℃に冷却し、その後水90g中4g(0.1モル)のNaOHを添加した。この反応物を、10℃で30分間維持し、その後、10℃において、「FC−72 FLUORINERT」(3M Company(St.Paul,MN)から市販)180g中20g(0.08モル)のCFOCCOClを加えた。この溶液を10℃で30分間攪拌し、「FC−72 FLUORINERT」中10重量%のCFOCCOOOCOCOCF(FNMR及びFTIRで確認)を含有する下相を除去した。120g(0.32モル)のMV4Sを、攪拌子を入れた500mL容三口丸底フラスコに加え、0℃に冷却した。その後、「FC−72 FLUORINERT」中10重量パーセント(0.02モル)のCFOCCOOOCOCOCF、100gを加え、10℃にて2時間攪拌した。この溶液を、20時間、25℃で更に反応させた。生成混合物を精留し、8mm真空において150℃超の沸点を有する11gのo−MV4Sを得た。FNMRにより、CFOCFCF末端基と、一般構造CFOCFCF−[CFCF(OCSOF)]n−CFCFOCF(式中、nは平均15であった)を有する所望のペルフルオロo−MV4Sが確認された。この反応条件及び調製によるオリゴマーは、平均分子量6050グラム/モルを有した。
(実施例16)
50グラムのMV4Sを、6.21グラムの「LUPEROX TAEC」を用いて、120℃、窒素下にて24時間かけてオリゴマー化した。低沸点留分を、120℃真空下でストリッピングし、単離収率62%で31グラムの粘稠な液体を得た。FTIRでは、炭化水素開始剤由来のCHに対する2968cm−1のシグナルと、1463、1349、1212、1148、及び1072cm−1(C−F及び−SOF基に対応)の強いシグナルが示された。19F NMRでは、CF=CFO−基に対するシグナルはみられず、−81及び−87ppmに−CFO−に対する2つのシグナルが、+43ppmにSOFシグナルが、−110ppmに−CFSOFシグナルが、−123及び−128にCFCF−シグナルが示された。オリゴマー化ビニルシグナルである−(CFCF(O−)−が、−121及び−147ppmに、複雑な多重線を伴ってみられた。LCMS分析により、オリゴマーは3.2個の構成単位を有し、平均分子量は1320グラム/モルであった。
THF溶媒37グラム中、25.6グラムの上記粘稠なオリゴマー液体(〜0.067当量の−SOF)を、0.5グラムのNaBH(0.0132モル)を用いて、−5〜10℃、窒素下にて20分間処理し、続いて20℃で更に2時間反応させた。19F NMRにより、20%の−SOF(+43ppm)が反応し、対応する−SOMが得られ、−111ppmにおける−CFSOFに対応するシグナルが減少し、−CFSOMに対する新たなシグナルが−132ppmに現れたことが示された。0.28グラムのNaBH(合計0.78グラム、0.0206モル)を、−5〜10℃で20分間かけて添加し、その後20℃で2時間反応させた。変換率が36%に上昇した。NaBHの添加を3回繰り返し、合計1.1グラムのNaBH(0.029モル)を添加したとき、変換率は50%に上昇した。19F NMRにより、−126、−128及び−132に化学シフトを有する−OCFCFCFCFSOM、並びに−123、−128及び−111ppmに化学シフトを有する−OCFCFCFCFSOFが示された。残存する−SOFのシグナルは+42ppmにみられた。
上記の部分的に還元されたオリゴマーのTHF溶液に攪拌しながら5グラムの水を添加し、全ての未反応還元剤を破壊した。次に、この溶液を、10% KOH水溶液を用いて、pHが塩基性(9を超えるpH)になるまで、攪拌しながら20℃で処理した。この溶液を、20℃で更に30分間攪拌した。19F NMRにより、+42ppmの−SOFシグナルが完全に消失したことが示された。2N HSOを用いて溶液のpHを2未満に酸性化した後、混合物をメチル−t−ブチルエーテルで抽出した(3×50mL)。溶媒をストリッピングした後、32グラムの湿潤状態の生成物が得られた。この湿潤状態の生成物を20グラムの水に溶解した。この溶液の19F NMR分析により、固形分重量%が約50であり、−CFSOH(−132ppm)と−CFSOH(−111ppm)のモル比が54:46であることが示された。
(実施例17)
実施例16における実施と同様に、50グラムのMV4Sを、2.81グラムのVAZO 67(5.6重量%)を用いて、窒素下、120℃で24時間、オリゴマー化した。固体除去のために25℃において濾過し、濾過溶液を100℃にて、完全真空下でストリッピングし、低沸点成分を除去した。9.7グラムの高粘稠な液体オリゴマーが得られた(収率19%)。19F NMR分析は、CF=CFO−シグナルがないことを示した。LCMS分析により、オリゴマーは2.6個の平均l構成単位を有し、平均分子量は1071グラム/モルであった。
本明細書中に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示内容を、恰もそれぞれが個々に援用されたのと同様にしてそれらの全容を援用するものである。本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書に記載した例示的な実施形態及び実施例によって過度に限定されるものではなく、かかる実施例及び実施形態は、一例として表されているだけであり、本発明の範囲は、以下のように本明細書に記載した請求項、及び本プロセスによって製造される多層物品によってのみ限定されることを意図するものと理解されるべきである。

Claims (18)

  1. (a)高度フッ素化ビニルスルホニルハライドを準備する工程と、
    (b)前記高度フッ素化ビニルスルホニルハライドを開始剤を用いてオリゴマー形成し、式(I):
    Figure 2014507387
    の高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドをもたらす工程と、
    (c)前記高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドを還元して、式(IV):
    Figure 2014507387
    の高度フッ素化スルフィナートオリゴマーにする工程と、を含み、
    式中、X、X、及びXは、F、Cl、及びCFから独立して選択され、Rは、H、I、Br、直鎖又は分岐鎖アルキル、及びヘテロ原子を任意に含む直鎖又は分岐鎖フルオロアルキル基から独立して選択され、R1は、直鎖又は分岐鎖ペルフルオロ化連結基であり、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってよく、かつ任意にヘテロ原子を含み、Yはハライドであり、Mはカチオンであり、mは少なくとも2である、オリゴマーの調製方法。
  2. 工程(c)の前記高度フッ素化スルフィナートオリゴマーを酸性化し、そこから高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーを抽出する工程(d)を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(d)の前記高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーを変換し、その塩を形成する工程(e)を更に含む、請求項2に記載の方法。
  4. 有機又は無機塩基を用いて、前記高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーをその塩に変換する、請求項3に記載の方法。
  5. 水酸化アンモニウムを用いて、前記高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーをその塩に変換する、請求項3に記載の方法。
  6. 水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて、前記高度フッ素化スルフィン酸オリゴマーをその塩に変換する、請求項3に記載の方法。
  7. 工程(b)が、式(I)の前記高度フッ素化スルホニルハライドを高度フッ素化ビニルエーテルとコオリゴマー形成し、式(II):
    Figure 2014507387
    の構造をもたらす工程を更に含み、
    式中、X、X、又はXは、H、F、Cl、及びCFから独立して選択され、R2は、直鎖又は分岐鎖フッ素化連結基であり、飽和又は不飽和及び置換又は非置換であってよく、任意にカテナリーヘテロ原子を含み、Gは、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、官能基、及びこれらの組み合わせから選択され、nは少なくとも1であり、かつ式(II)の前記高度フッ素化ビニルエーテルが、式(I)の前記高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドと異なるように、X、X、X、G及びR2が選択される、請求項1に記載の方法。
  8. Gが官能基であるとき、該官能基が、カルボン酸及びその誘導体、ニトリル、スルホニルハライド、スルホネート、イミダート、アミジン、アルコール、メルカプタン、ヨウ素、臭素、並びにこれらの組み合わせから選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 工程(b)が、前記高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドをエチレン性不飽和モノマーとコオリゴマー形成し、式(III):
    Figure 2014507387
    の構造をもたらす工程を更に含み、
    式中、Zは、エチレン、プロピレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ素化アルキルビニルエーテル、フッ素化アルコキシビニルエーテル、官能基を含むフッ素化ビニルエーテル、ペルフルオロ−1,3−ジオキソール、及びこれらの組み合わせから選択されるモノマー由来であり、更にpは少なくとも1である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記エチレン性不飽和モノマーが、CH=CHI、CF=CHI、CF=CFI、CH=CHCHI、CF=CFCFI、CH=CHCFCFI、CH=CHCFCFCHCHI、CH=CH(CFI、CH=CH(CFCHCHI、CH=CH(CFI、CH=CH(CFCHCHI、CF=CFCHCHI、CF=CFCFCFI、CF=CFOCFCFI、CF=CFOCFCFCHCHI、CF=CFOCFCFCFI、CF=CFOCFCFCFCFI、CF=CFOCFCFCFCHCHI、CF=CFOCFCFCHI、CF=CFOCFCFCFCHI、CF=CFCFOCHCHI、CF=CFO(CFOCFCFI、CH=CHBr、CF=CHBr、CF=CFBr、CH=CHCHBr、CF=CFCFBr、CH=CHCFCFBr、CF=CFOCFCFBr、CF=CFCl、CF=CFCFCl、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 工程(b)が、前記高度フッ素化スルホニルハライドをエチレン性不飽和モノマーとコオリゴマー形成し、式(III):
    Figure 2014507387
    の構造をもたらす工程を更に含み、
    式中、Zは、エチレン、プロピレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ素化アルキルビニルエーテル、フッ素化アルコキシビニルエーテル、官能基を含むフッ素化ビニルエーテル、ペルフルオロ−1,3−ジオキソール、及びこれらの組み合わせから選択されるモノマー由来であり、更にpは少なくとも1である、請求項7に記載の方法。
  12. R1及びR2が、−(CF−、−O(CF−、−(CF−O−(CF−、−(CF−[O−(CF−、−(CF−[O−(CF(CF)CF−、及び−[(CF−O−]−[(CF−O−]−、並びにこれらの組み合わせから独立して選択され、式中、a、b、c、及びdが、独立して少なくとも1である、請求項1に記載の方法。
  13. R1及びR2が、−CFCF−、−CFCFOCFCF−、−CFCF(CF)−O−CFCF−から独立して選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 工程(a)において開始剤を準備する工程を更に含み、該開始剤がペルフルオロ化過酸化物である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記ペルフルオロ化過酸化物が、CFOCCOOOCOCOCF、及びCCOOOCOCから選択される、請求項15に記載の方法。
  16. 前記高度フッ素化オリゴマースルホニルハライドがペルフルオロビニルスルホニルハライドである、請求項1に記載の方法。
  17. 前記ペルフルオロビニルスルホニルハライドが、
    CF=CF−O−CFCF−SO
    CF=CF−O−CFCF−SOCl
    CF=CF−O−CFCFCF−SO
    CF=CF−O−CFCFCF−SOCl
    Figure 2014507387
    Figure 2014507387
    CF=CF−O−CFCFCFCF−SO
    CF=CF−O−CFCFCFCF−SOCl
    CF=CF−O−CFCFCFCFCF−SO
    CF=CF−O−CFCFCFCFCF−SOCl
    CF=CF−O−CFCFCFCFCFCF−SO
    CF=CF−O−CFCFCFCFCFCF−SOCl
    Figure 2014507387
    Figure 2014507387
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
    Figure 2014507387
    Figure 2014507387

    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SO
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SOCl
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SO
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SOCl
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SO
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SOCl
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SO
    CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SOCl、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  18. 還元工程が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、リチウムアルミニウム水素化物、NHNH、KSO、NaSO、NaHSO、及びKHSOを還元剤として用いて実施される、請求項1に記載の方法。
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