様々な図面中の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
以下の詳細な説明は、発明的態様について説明する目的で、いくつかの実装形態を対象とする。しかしながら、本明細書の教示は、多数の異なる方法で適用され得る。説明する実装形態は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成された任意のデバイスにおいて実装され得る。より詳細には、実装形態は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(たとえば、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(たとえば、オドメータディスプレイなど)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(たとえば、車両における後部ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダーまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、パーキングメータ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメータ、パッケージング(たとえば、電気機械システム(EMS)、MEMSおよび非MEMS)、審美構造物(たとえば、1つの宝飾品上の画像のディスプレイ)、ならびに様々な電気機械システムデバイスなど、様々な電子デバイス中に実装されるかまたはそれらに関連付けら得ると考えられる。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセス、電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示す実装形態に限定されるものではなく、代わりに、当業者に直ちに明らかになるであろう広い適用性を有する。
いくつかの実装形態では、照明システムは、光を分散させるために光ガイドを備えている。光ガイドは、変化する高度をもつ主面を有し得る。たとえば、主面は、光転向フィーチャを形成するためなどの凹みを有し得る。凹みは、金属層(たとえば、反射性金属層)、あるいは周囲ガスまたは水分に敏感であるかまたはそれらと反応する他の層を含んでいることがある。いくつかの実装形態では、光ガイドと凹みとの上にパッシベーション層が設けられる。パッシベーション層は、実質的に共形であり得る。いくつかの実装形態では、パッシベーション層は、光学的に透明な水分バリアであり、パッシベーション層が反射防止コーティングとして機能することを可能にする厚さと屈折率とを有し得る。パッシベーション層は、光ガイドの主面上で、凹み間のエリアにわたって延在し得る。いくつかの他の実装形態では、パッシベーション層はパターニングされ得る。たとえば、パッシベーション層は、凹みをキャッピングするのみであり得るか、または、場合によっては、伝導性材料などの下位材料を露光するためにパターニングされ得る。凹みの少なくとも一部が光転向フィーチャを形成するいくつかの実装形態では、光転向フィーチャは、光ガイド内を伝搬する光を光ガイド外にリダイレクトするように構成され得る。リダイレクトされた光は、いくつかの実装形態では、ディスプレイを照明するために適用され得る。
本開示で説明する主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。パッシベーション層は、光ガイド中に存在し得る金属含有光転向フィーチャなど、水分敏感下位フィーチャ(moisture-sensitive underlying feature)を保護するために、水分またはガスバリアを与え得る。それにより、光転向フィーチャに対する腐食または他の不要な変化が緩和または回避され得る。さらに、パッシベーション層は、いくつかの実装形態では、反射防止コーティングとして機能し得る。たとえば、光ガイドの主面上の凹みの輪郭に共形に従うことによって、パッシベーション層はまた、凹みを含む、実質的に、パッシベーション層がカバーするエリア全体にわたって、パッシベーション層が干渉反射防止コーティングとして機能することを可能にする厚さに形成され得る。反射を低減することによりディスプレイのコントラストが改善され得る。さらに、パッシベーション機能と反射防止機能とを組み合わせることにより光ガイド構造が簡略化され得、これには、歩留まりおよび/またはスループットを高めながら、製造の複雑さとコストとを低減することを含む、様々な利点があり得る。
説明する方法および実装形態が適用され得る好適なMEMSまたは電気機械システム(EMS)デバイスの一例は、反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために干渉変調器(IMOD)を組み込むことができる。IMODは、吸収体(absorber)、吸収体に対して可動である反射体(reflector)、ならびに吸収体と反射体との間に画定された光共振キャビティを含むことができる。反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それにより干渉変調器の反射率に影響を及ぼすことがある。IMODの反射スペクトルは、かなり広いスペクトルバンドをもたらすことができ、そのスペクトルバンドは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得る。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚さを変更することによって、すなわち、反射体の位置を変更することによって調整され得る。
図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示している。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉MEMSディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、MEMSディスプレイ要素のピクセルが、明状態または暗状態のいずれかにあることがある。明(「緩和」、「開」または「オン」)状態では、ディスプレイ要素は、たとえば、ユーザに、入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。いくつかの実装形態では、オン状態の光反射特性とオフ状態の光反射特性は逆にされ得る。MEMSピクセルは、黒および白に加えて、主に、カラーディスプレイを可能にする特定の波長において、反射するように構成され得る。
IMODディスプレイデバイスは、IMODの行/列アレイを含むことができる。各IMODは、(光ギャップまたはキャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な距離をおいて配置された反射層のペア、すなわち、可動反射層と固定部分反射層とを含むことができる。可動反射層は少なくとも2つの位置の間で移動され得る。第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きい距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それら2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合うようにまたは弱め合うように干渉し、各ピクセルについて全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実装形態では、IMODは、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、作動しているときに暗状態にあり、可視範囲外の光(たとえば、赤外光)を反射し得る。ただし、いくつかの他の実装形態では、IMODは、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実装形態では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。いくつかの他の実装形態では、印加電荷が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。
図1中のピクセルアレイの図示の部分は、2つの隣接する干渉変調器12を含む。(図示のような)左側のIMOD12では、可動反射層14が、部分反射層を含む光学スタック16からの所定の距離における緩和位置に示されている。左側のIMOD12の両端間に印加された電圧V0は、可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。右側のIMOD12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、またはそれに隣接する作動位置に示されている。右側のIMOD12の両端間に印加された電圧Vbiasは、可動反射層14を作動位置に維持するのに十分である。
図1では、ピクセル12の反射特性が、概して、ピクセル12に入射する光13を示す矢印と、左側のピクセル12から反射する光15とを用いて示されている。詳細に示していないが、ピクセル12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過され、光学スタック16に向かうことになることを、当業者なら理解されよう。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過されることになり、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過された光13の部分は、可動反射層14において反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻ることになる。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うまたは弱め合う)干渉が、ピクセル12から反射される光15の(1つまたは複数の)波長を決定することになる。
光学スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その(1つまたは複数の)層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実装形態では、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を堆積させることによって、作製され得る。電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、様々な金属、たとえば、クロム(Cr)、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実装形態では、光学スタック16は、光吸収体と導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の膜(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはIMODの他の構造の)異なる、より伝導性の高い層または部分が、IMODピクセル間で信号をバスで運ぶ(bus)ように働くことができる。光学スタック16は、1つまたは複数の伝導性層または伝導性/吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
いくつかの実装形態では、光学スタック16の(1つまたは複数の)層は、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング」という用語は、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用される。いくつかの実装形態では、アルミニウム(Al)などの高伝導性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の一連の平行ストリップとして形成されて、ポスト18の上に堆積された列とポスト18間に堆積された介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光キャビティが可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実装形態では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
いくつかの実装形態では、IMODの各ピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタである。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図1中の左側のピクセル12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間のギャップ19がある。しかしながら、電位差、たとえば、電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するピクセルにおける行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学スタック16の近くにまたはそれに対して移動することができる。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図1中の右側の作動ピクセル12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じである。いくつかの事例ではアレイ中の一連のピクセルが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配設される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
図2は、3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例を示している。電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえば、ディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図2には、図1に示したIMODディスプレイデバイスの断面が線1−1によって示されている。図2は明快のためにIMODの3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODを含んでいることがあり、列におけるIMODの数とは異なる数のIMODを行において有し得、その逆も同様である。
図3は、図1の干渉変調器についての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例を示している。MEMS干渉変調器の場合、行/列(すなわち、コモン/セグメント)書込みプロシージャが、図3に示すこれらのデバイスのヒステリシス特性(hysteresis property)を利用し得る。干渉変調器は、可動反射層またはミラーに緩和状態から作動状態に変更させるために、たとえば、約10ボルトの電位差を使用し得る。電圧がその値から低減されると、電圧が低下して、この例では、10ボルトより下に戻ったとき、可動反射層はそれの状態を維持するが、電圧が2ボルトより下に低下するまで、可動反射層は完全には緩和しない。したがって、図3に示すように、印加電圧のウィンドウがある電圧の範囲、約3〜7ボルトが存在し、そのウィンドウ内でデバイスは緩和状態または作動状態のいずれかで安定している。これは、本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と呼ばれる。図3のヒステリシス特性(hysteresis characteristics)を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込みプロシージャは、一度に1つまたは複数の行をアドレス指定するように設計され得、その結果、所与の行のアドレス指定中に、作動されるべきアドレス指定された行におけるピクセルは、この例では、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるべきピクセルは、ほぼ0ボルトの電圧差にさらされる。アドレス指定後に、それらのピクセルは、それらが前のストローブ状態にとどまるように、この例では、約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差にさらされる。この例では、アドレス指定された後に、各ピクセルは、約3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を経験する。このヒステリシス特性の特徴は、図1に示したピクセル設計などのピクセル設計が、同じ印加電圧条件下で作動または緩和のいずれかの既存の状態で安定したままであることを可能にする。各IMODピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタであるので、この安定状態は、電力を実質的に消費するかまたは失うことなしに、ヒステリシスウィンドウ内の定常電圧において保持され得る。その上、印加電圧電位が実質的に固定のままである場合、電流は本質的にほとんどまたはまったくIMODピクセルに流れ込まない。
いくつかの実装形態では、所与の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に従って、列電極のセットに沿って「セグメント」電圧の形態のデータ信号を印加することによって、画像のフレームが作成され得る。次に、フレームが一度に1行書き込まれるように、アレイの各行がアドレス指定され得る。第1の行におけるピクセルに所望のデータを書き込むために、第1の行におけるピクセルの所望の状態に対応するセグメント電圧が列電極上に印加され得、特定の「コモン」電圧または信号の形態の第1の行パルスが第1の行電極に印加され得る。次いで、セグメント電圧のセットは、第2の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に対応するように変更され得、第2のコモン電圧が第2の行電極に印加され得る。いくつかの実装形態では、第1の行におけるピクセルは、列電極に沿って印加されたセグメント電圧の変化による影響を受けず、第1のコモン電圧行パルス中にそれらのピクセルが設定された状態にとどまる。このプロセスは、画像フレームを生成するために、一連の行全体、または代替的に、一連の列全体について、連続方式で繰り返され得る。フレームは、何らかの所望の数のフレーム毎秒でこのプロセスを断続的に反復することによって、新しい画像データでリフレッシュおよび/または更新され得る。
各ピクセルの両端間に印加されるセグメント信号とコモン信号の組合せ(すなわち、各ピクセルの両端間の電位差)は、各ピクセルの得られる状態を決定する。図4は、様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときの干渉変調器の様々な状態を示す表の一例を示している。当業者によって容易に理解されるように、「セグメント」電圧は、列電極または行電極のいずれかに印加され得、「コモン」電圧は、列電極または行電極のうちの他方に印加され得る。
図4に(ならびに図5Bに示すタイミング図に)示すように、開放電圧VCRELがコモンラインに沿って印加されたとき、コモンラインに沿ったすべての干渉変調器要素は、セグメントラインに沿って印加された電圧、すなわち、高いセグメント電圧VSHおよび低いセグメント電圧VSLにかかわらず、代替的に開放または非作動状態と呼ばれる、緩和状態に入れられることになる。特に、開放電圧VCRELがコモンラインに沿って印加されると、そのピクセルのための対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、変調器の両端間の潜在的な電圧(代替的にピクセル電圧と呼ばれる)は緩和ウィンドウ(図3参照。開放ウィンドウとも呼ばれる)内にある。
高い保持電圧VCHOLD Hまたは低い保持電圧VCHOLD Lなどの保持電圧がコモンライン上に印加されたとき、干渉変調器の状態は一定のままであることになる。たとえば、緩和IMODは緩和位置にとどまることになり、作動IMODは作動位置にとどまることになる。保持電圧は、対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、ピクセル電圧が安定性ウィンドウ内にとどまることになるように、選択され得る。したがって、セグメント電圧スイング(voltage swing)、すなわち、高いVSHと低いセグメント電圧VSLとの間の差は、正または負のいずれかの安定性ウィンドウの幅よりも小さい。
高いアドレス指定電圧VCADD Hまたは低いアドレス指定電圧VCADD Lなどのアドレス指定または作動電圧がコモンライン上に印加されたとき、それぞれのセグメントラインに沿ったセグメント電圧の印加によって、データがそのコモンラインに沿った変調器に選択的に書き込まれ得る。セグメント電圧は、作動が印加されたセグメント電圧に依存するように選択され得る。アドレス指定電圧がコモンラインに沿って印加されたとき、一方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウ内のピクセル電圧をもたらし、ピクセルが非作動のままであることを引き起こすことになる。対照的に、他方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウを越えるピクセル電圧をもたらし、ピクセルの作動をもたらすことになる。作動を引き起こす特定のセグメント電圧は、どのアドレス指定電圧が使用されるかに応じて変動することができる。いくつかの実装形態では、高いアドレス指定電圧VCADD Hがコモンラインに沿って印加されたとき、高いセグメント電圧VSHの印加は、変調器がそれの現在位置にとどまることを引き起こすことがあり、低いセグメント電圧VSLの印加は、変調器の作動を引き起こすことがある。当然の結果として、低いアドレス指定電圧VCADD Lが印加されたとき、セグメント電圧の影響は反対であり、高いセグメント電圧VSHは変調器の作動を引き起こし、低いセグメント電圧VSLは変調器の状態に影響しない(すなわち、安定したままである)ことがある。
いくつかの実装形態では、変調器の両端間で同じ極性電位差を引き起こす保持電圧、アドレス電圧、およびセグメント電圧が使用され得る。いくつかの他の実装形態では、変調器の電位差の極性を交番する信号が使用され得る。変調器の両端間の極性の交番(すなわち、書込みプロシージャの極性の交番)は、単一の極性の反復書込み動作後に起こることがある電荷蓄積を低減または抑止し得る。
図5Aは、図2の3×3干渉変調器ディスプレイにおけるディスプレイデータのフレームを示す図の一例を示している。図5Bは、図5Aに示すディスプレイデータのフレームを書き込むために使用され得るコモン信号およびセグメント信号についてのタイミング図の一例を示している。それらの信号は、たとえば、図2の3×3アレイに印加され得、これは、図5Bに示すライン時間60eディスプレイ配置を最終的にもたらすことになる。図5A中の作動変調器は暗状態にあり、すなわち、その状態では、反射光の実質的部分が、たとえば、閲覧者に、暗い外観をもたらすように可視スペクトルの外にある。図5Aに示すフレームを書き込むより前に、ピクセルは任意の状態にあることがあるが、図5Bのタイミング図に示す書込みプロシージャは、各変調器が、第1のライン時間60aの前に、開放されており、非作動状態に属すると仮定する。
第1のライン時間60a中に、開放電圧70がコモンライン1上に印加され、コモンライン2上に印加される電圧が、高い保持電圧72において始まり、開放電圧70に移動し、低い保持電圧76がコモンライン3に沿って印加される。したがって、コモンライン1に沿った変調器(コモン1,セグメント1)、(1,2)および(1,3)は、第1のライン時間60aの持続時間の間、緩和または非作動状態にとどまり、コモンライン2に沿った変調器(2,1)、(2,2)および(2,3)は、緩和状態に移動することになり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、それらの前の状態にとどまることになる。図4を参照すると、コモンライン1、2または3のいずれも、ライン時間60a中に作動を引き起こす電圧レベルにさらされていないので(すなわち、VCREL−緩和、およびVCHOLD L−安定)、セグメントライン1、2および3に沿って印加されたセグメント電圧は、干渉変調器の状態に影響しないことになる。
第2のライン時間60b中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72に移動し、コモンライン1に沿ったすべての変調器は、アドレス指定または作動電圧がコモンライン1上に印加されなかったので、印加されたセグメント電圧にかかわらず、緩和状態にとどまる。コモンライン2に沿った変調器は、開放電圧70の印加により、緩和状態にとどまり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、コモンライン3に沿った電圧が開放電圧70に移動するとき、緩和することになる。
第3のライン時間60c中に、コモンライン1は、コモンライン1上に高いアドレス電圧74を印加することによってアドレス指定される。このアドレス電圧の印加中に低いセグメント電圧64がセグメントライン1および2に沿って印加されるので、変調器(1,1)および(1,2)の両端間のピクセル電圧は変調器の正の安定性ウィンドウの上端よりも大きく(すなわち、電圧差は、あらかじめ定義されたしきい値を超えた)、変調器(1,1)および(1,2)は作動される。逆に、高いセグメント電圧62がセグメントライン3に沿って印加されるので、変調器(1,3)の両端間のピクセル電圧は、変調器(1,1)および(1,2)のピクセル電圧よりも小さく、変調器の正の安定性ウィンドウ内にとどまり、したがって変調器(1,3)は緩和したままである。また、ライン時間60c中に、コモンライン2に沿った電圧は低い保持電圧76に減少し、コモンライン3に沿った電圧は開放電圧70にとどまり、コモンライン2および3に沿った変調器を緩和位置のままにする。
第4のライン時間60d中に、コモンライン1上の電圧は、高い保持電圧72に戻り、コモンライン1に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン2上の電圧は低いアドレス電圧78に減少される。高いセグメント電圧62がセグメントライン2に沿って印加されるので、変調器(2,2)の両端間のピクセル電圧は、変調器の負の安定性ウィンドウの下側端部(lower end)を下回り、変調器(2,2)が作動することを引き起こす。逆に、低いセグメント電圧64がセグメントライン1および3に沿って印加されるので、変調器(2,1)および(2,3)は緩和位置にとどまる。コモンライン3上の電圧は、高い保持電圧72に増加し、コモンライン3に沿った変調器を緩和状態のままにする。
最後に、第5のライン時間60e中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72にとどまり、コモンライン2上の電圧は低い保持電圧76にとどまり、コモンライン1および2に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン3上の電圧は、コモンライン3に沿った変調器をアドレス指定するために、高いアドレス電圧74に増加する。低いセグメント電圧64がセグメントライン2および3上に印加されるので、変調器(3,2)および(3,3)は作動するが、セグメントライン1に沿って印加された高いセグメント電圧62は、変調器(3,1)が緩和位置にとどまることを引き起こす。したがって、第5のライン時間60eの終わりに、3×3ピクセルアレイは、図5Aに示す状態にあり、他のコモンライン(図示せず)に沿った変調器がアドレス指定されているときに起こり得るセグメント電圧の変動にかかわらず、保持電圧がコモンラインに沿って印加される限り、その状態にとどまることになる。
図5Bのタイミング図では、所与の書込みプロシージャ(すなわち、ライン時間60a〜60e)は、高い保持およびアドレス電圧、または低い保持およびアドレス電圧のいずれかの使用を含むことができる。書込みプロシージャが所与のコモンラインについて完了されると(また、コモン電圧が、作動電圧と同じ極性を有する保持電圧に設定されると)、ピクセル電圧は、所与の安定性ウィンドウ内にとどまり、開放電圧がそのコモンライン上に印加されるまで、緩和ウィンドウを通過しない。さらに、各変調器が、変調器をアドレス指定するより前に書込みプロシージャの一部として開放されるので、開放時間ではなく変調器の作動時間が、ライン時間を決定し得る。詳細には、変調器の開放時間が作動時間よりも大きい実装形態では、開放電圧は、図5Bに示すように、単一のライン時間よりも長く印加され得る。いくつかの他の実装形態では、コモンラインまたはセグメントラインに沿って印加される電圧が、異なる色の変調器など、異なる変調器の作動電圧および開放電圧の変動を相殺するように変動し得る。
上記に記載した原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は大きく異なり得る。たとえば、図6A〜図6Eは、可動反射層14とそれの支持構造とを含む、干渉変調器の異なる実装形態の断面図の例を示している。図6Aは、金属材料のストリップ、すなわち、可動反射層14が、基板20から直角に延在する支持体18上に堆積される、図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面図の一例を示している。図6Bでは、各IMODの可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、コーナーにおいてまたはその近くでテザー32に接して支持体に取り付けられる。図6Cでは、可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、フレキシブルな金属を含み得る変形可能層34から吊るされる。変形可能層34は、可動反射層14の外周の周りで基板20に直接または間接的に接続することがある。これらの接続は、本明細書では支持ポストと呼ばれる。図6Cに示す実装形態は、変形可能層34によって行われる可動反射層14の機械的機能からのそれの光学的機能の分離から派生する追加の利益を有する。この分離は、反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料とが、互いとは無関係に最適化されることを可能にする。
図6Dは、可動反射層14が反射副層14aを含む、IMODの別の例を示している。可動反射層14は、支持ポスト18などの支持構造上に載る。支持ポスト18は、たとえば、可動反射層14が緩和位置にあるとき、可動反射層14と光学スタック16との間にギャップ19が形成されるように、下側静止電極(すなわち、図示のIMODにおける光学スタック16の一部)からの可動反射層14の分離を可能にする。可動反射層14は、電極として働くように構成され得る伝導性層14cと、支持層14bとをも含むことができる。この例では、伝導性層14cは、基板20から遠位にある支持層14bの一方の面に配設され、反射副層14aは、基板20の近位にある支持層14bの他方の面に配設される。いくつかの実装形態では、反射副層14aは、伝導性であることがあり、支持層14bと光学スタック16との間に配設され得る。支持層14bは、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)または二酸化ケイ素(SiO2)の、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実装形態では、支持層14bは、たとえば、SiO2/SiON/SiO23層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。反射副層14aと伝導性層14cのいずれかまたは両方は、たとえば、約0.5%の銅(Cu)または別の反射金属材料を用いた、アルミニウム(Al)合金を含むことができる。誘電支持層14bの上および下で伝導性層14a、14cを採用することは、応力のバランスをとり、伝導の向上を与えることができる。いくつかの実装形態では、反射副層14aおよび伝導性層14cは、可動反射層14内の特定の応力プロファイルを達成することなど、様々な設計目的で、異なる材料から形成され得る。
図6Dに示すように、いくつかの実装形態はブラックマスク(black mask)構造23をも含むことができる。ブラックマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために、光学不活性領域において(たとえば、ピクセル間にまたはポスト18の下に)形成され得る。ブラックマスク構造23はまた、光がディスプレイの不活性部分から反射されることまたはそれを透過されることを抑止し、それによりコントラスト比を増加させることによって、ディスプレイデバイスの光学的特性(optical properties)を改善することができる。さらに、ブラックマスク構造23は、伝導性であり、電気的バス層として機能するように構成され得る。いくつかの実装形態では、行電極は、接続された行電極の抵抗を低減するために、ブラックマスク構造23に接続され得る。ブラックマスク構造23は、堆積およびパターニング技法を含む様々な方法を使用して形成され得る。ブラックマスク構造23は1つまたは複数の層を含むことができる。たとえば、いくつかの実装形態では、ブラックマスク構造23は、それぞれ、約30〜80Å、500〜1000Å、および500〜6000Åの範囲内の厚さをもつ、光吸収体として働くモリブデンクロム(MoCr)層と、反射体として働くアルミニウム合金層と、バス層とを含む。1つまたは複数の層は、たとえば、MoCr層およびSiO2層の場合は、炭素テトラフルオロメタン(CF4)および/または酸素(O2)、ならびにアルミニウム合金層の場合は、塩素(Cl2)および/または三塩化ホウ素(BCl3)を含む、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを含む、様々な技法を使用してパターニングされ得る。いくつかの実装形態では、ブラックマスク23はエタロン(etalon)または干渉スタック(interferometric stack)構造であり得る。そのような干渉スタックブラックマスク構造23では、伝導性吸収体は、各行または列の光学スタック16における下側静止電極間で信号を送信するかまたは信号をバスで運ぶために使用され得る。いくつかの実装形態では、スペーサ層35が、ブラックマスク23中の伝導性層から吸収層16aを概して電気的に絶縁するのに、役立つことができる。
図6Eは、可動反射層14が自立している、IMODの別の例を示している。図6Dとは対照的に、図6Eの実装形態は支持ポスト18を含まない。代わりに、可動反射層14は、複数のロケーションにおいて、下にある光学スタック16に接触し、可動反射層14の湾曲は、干渉変調器の両端間の電圧が作動を引き起こすには不十分であるとき、可動反射層14が図6Eの非作動位置に戻るという、十分な支持を与える。複数のいくつかの異なる層を含んでいることがある光学スタック16は、ここでは明快のために、光吸収体16aと誘電体16bとを含む状態で示されている。いくつかの実装形態では、光吸収体16aは、固定電極としても、部分反射層としても働き得る。
図6A〜図6Eに示す実装形態などの実装形態では、IMODは直視型デバイスとして機能し、直視型デバイスでは、画像が、透明基板20の正面、すなわち、変調器が配置された面の反対の面から、閲覧される。これらの実装形態では、デバイスの背面部分(すなわち、たとえば、図6Cに示す変形可能層34を含む、可動反射層14の背後のディスプレイデバイスの任意の部分)は、反射層14がデバイスのそれらの部分を光学的に遮蔽するので、ディスプレイデバイスの画質に影響を及ぼすことまたは悪影響を及ぼすことなしに、構成され、作用され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、バス構造(図示せず)が可動反射層14の背後に含まれ得、これは、電圧アドレス指定およびそのようなアドレス指定に起因する移動など、変調器の電気機械的特性から変調器の光学的特性を分離する能力を与える。さらに、図6A〜図6Eの実装形態は、パターニングなどの処理を簡略化することができる。
図7は、干渉変調器のための製造プロセス80を示す流れ図の一例を示しており、図8A〜図8Eは、そのような製造プロセス80の対応する段階の断面概略図の例を示している。いくつかの実装形態では、製造プロセス80は、図7に示されていない他のブロックに加えて、たとえば、図1および図6に示す一般的なタイプの干渉変調器を製造するために実装され得る。図1、図6および図7を参照すると、プロセス80はブロック82において開始し、基板20上への光学スタック16の形成を伴う。図8Aは、基板20上で形成されたそのような光学スタック16を示している。基板20は、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得、それは、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学スタック16の効率的な形成を可能にするために、事前準備プロセス、たとえば、洗浄にかけられていることがある。上記で説明したように、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。図8Aでは、光学スタック16は、副層16aおよび16bを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実装形態では、より多いまたはより少ない副層が含まれ得る。いくつかの実装形態では、副層16a、16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と伝導特性の両方で構成され得る。さらに、副層16a、16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチングプロセスまたは別の好適なプロセスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、副層16a、16bのうちの1つは、1つまたは複数の金属層(たとえば、1つまたは複数の反射層および/または伝導性層)上で堆積された副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学スタック16は、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
プロセス80はブロック84において続き、光学スタック16上への犠牲層25の形成を伴う。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で(たとえば、ブロック90において)除去され、したがって、犠牲層25は、図1に示した得られた干渉変調器12には示されていない。図8Bは、光学スタック16上で形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示している。光学スタック16上への犠牲層25の形成は、後続の除去後に、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(図1および図8Eも参照)を与えるように選択された厚さの、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(Si)など、フッ化キセノン(XeF2)エッチング可能材料の堆積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理蒸着(PVD、たとえば、スパッタリング)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、熱化学蒸着(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
プロセス80はブロック86において続き、支持構造、たとえば、図1、図6および図8Cに示すポスト18の形成を伴う。ポスト18の形成は、支持構造開口を形成するために犠牲層25をパターニングすることと、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、ポスト18を形成するために開口中に材料(たとえば、ポリマーまたは無機材料、たとえば、酸化ケイ素)を堆積させることとを含み得る。いくつかの実装形態では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、ポスト18の下側端部が図6Aに示すように基板20に接触するように、犠牲層25と光学スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することがある。代替的に、図8Cに示すように、犠牲層25中に形成された開口は、犠牲層25は通るが、光学スタック16は通らないで、延在することがある。たとえば、図8Eは、光学スタック16の上側表面(upper surface)と接触している支持ポスト18の下側端部を示している。ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25上に支持構造材料の層を堆積させることと、犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分をパターニングすることとによって形成され得る。支持構造は、図8Cに示すように開口内に配置され得るが、少なくとも部分的に、犠牲層25の一部分の上で延在することもある。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、パターニングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替エッチング方法によっても実行され得る。
プロセス80はブロック88において続き、図1、図6および図8Dに示す可動反射層14などの可動反射層または膜の形成を伴う。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキング、および/またはエッチングステップとともに、1つまたは複数の堆積ステップ、たとえば、反射層(たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金)堆積を採用することによって、形成され得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層(electrically conductive layer)と呼ばれることがある。いくつかの実装形態では、可動反射層14は、図8Dに示すように複数の副層14a、14b、14cを含み得る。いくつかの実装形態では、副層14a、14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製された干渉変調器中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODは、本明細書では「非開放(unreleased)」IMODと呼ばれることもある。図1に関して上記で説明したように、可動反射層14は、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
プロセス80はブロック90において続き、キャビティ、たとえば、図1、図6および図8Eに示すキャビティ19の形成を伴う。キャビティ19は、(ブロック84において堆積された)犠牲材料25をエッチャントにさらすことによって形成され得る。たとえば、MoまたはアモルファスSiなどのエッチング可能犠牲材料が、ドライ化学エッチングによって、たとえば、一般に、キャビティ19を囲む構造に対して選択的に除去される、所望の量の材料を除去するのに有効である時間期間の間、固体XeF2から派生した蒸気などの気体または蒸気エッチャントに犠牲層25をさらすことによって、除去され得る。他のエッチング方法、たとえば、ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングも使用され得る。犠牲層25がブロック90中に除去されるので、可動反射層14は、一般に、この段階後に可動となる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODは、本明細書では「開放」IMODと呼ばれることがある。
干渉変調器ピクセルを用いた反射型ディスプレイなど、反射型ディスプレイが反射光を使用して画像を形成するので、いくつかの環境では、ディスプレイの輝度を高めるために周辺光を増強することが望ましいことがある。この増強は、光源からの光が反射型ディスプレイに導かれ、次いで反射型ディスプレイがその光を反射して閲覧者のほうへ戻す照明システムによって行われ得る。
図9Aに、照明システムの断面図の一例を示す。光ガイド120は、光源130からの光を受光する。光ガイド120中の複数の光転向フィーチャ121は、光源130からの光(たとえば、光線50)を下位反射型ディスプレイ160のほうへ後方にリダイレクトするように構成される。反射型ディスプレイ160中の反射性ピクセルは、そのリダイレクトされた光を閲覧者170のほうへ前方に反射する。いくつかの実装形態では、反射性ピクセルはIMOD12(図1)であり得る。
引き続き図9Aを参照すると、光ガイド120は、入射光が光ガイド120を通過してディスプレイ160に至り、ディスプレイ160から反射された光も、光ガイド120を通過して閲覧者170に戻るように、ディスプレイ160の主面に対向し、主面に平行に配設された平面光透過性パネルであり得る。
光源130は、任意の好適な光源、たとえば、白熱電球、エッジバー(edge bar)、発光ダイオード(「LED」)、蛍光灯、LED光バー(light bar)、LEDのアレイ、および/または別の光源を含み得る。いくつかの実装形態では、光源130からの光は、その光が全反射(「TIR:total internal reflection」)によって光ガイド120内で反射されるように、その光の一部分が、ディスプレイ160と整合された光ガイド120の表面に対して低いグレーズ角(graze angle)で光ガイド120の少なくとも一部分にわたって一方向に伝搬するように、光ガイド120に注入される。いくつかの実装形態では、光源130は光バーを含む。光生成デバイス(たとえば、LED)から光バーに入った光は、バーの長さの一部または全部に沿って伝搬し、光バーの長さの一部または全部にわたって光バーの表面またはエッジから出得る。光バーを出た光は、光ガイド120のエッジに入り、次いで光ガイド120内を伝搬し得る。
光ガイド120中の光転向フィーチャ121は、光の少なくとも一部が光ガイド120から反射型ディスプレイ160に通過するような十分な角度でその光をディスプレイ160中のディスプレイ要素のほうへ導く。光転向フィーチャ121は、閲覧者170から離れて対向する転向フィーチャ121の反射率を高め、および/または閲覧者面からのブラックマスクとして機能するように構成された1つまたは複数の層を含み得る。これらの層を全体としてコーティング140と呼ぶことがある。
図9Bに、コーティング140が複数の層を含む光転向フィーチャの断面図の一例を示す。いくつかの実装形態では、転向フィーチャ121のコーティング140は、光ガイド120内を伝搬する光をリダイレクトする反射層122と、スペーサ層123と、スペーサ層123の上にある部分反射層124とを有する干渉スタックとして構成され得る。スペーサ層123は、反射層122と部分反射層124との間に配設され、それの厚さによって光共振キャビティを画定する。
干渉スタックは、閲覧者170が見たときに、コーティング140に暗い外観を与えるように構成され得る。たとえば、光は反射層122および部分反射層124の各々から反射され得、スペーサ123の厚さは、閲覧者170(図9A)が上方から見たときにコーティング140が黒くまたは暗くみえるように、反射光が弱め合うように干渉するように選択される。
反射層122は、たとえば、金属層、たとえば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、金(Au)、およびクロム(Cr)を含み得る。反射層122は、約100Åと約700Åとの間の厚さであり得る。一実装形態では、反射層122は約300Åの厚さである。スペーサ層123は、様々な光透過性材料、たとえば、空気、シリコンオキシナイトライド(SiOXN)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化クロム(III)(Cr3O2)、窒化ケイ素(Si3N4)、透明導電性酸化物(TCO)、酸化インジウムスズ(ITO)、および酸化亜鉛(ZnO)を含むことができる。いくつかの実装形態では、スペーサ層123は、約500Åと約1500Åとの間の厚さである。一実装形態では、スペーサ層123は約800Åの厚さである。部分反射層124は、様々な材料、たとえば、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、クロム(Cr)など、ならびに合金、たとえば、MoCrを含むことができる。反射層124は、いくつかの実装形態では、約20Åと約300Åとの間の厚さであり得る。一実装形態では、部分反射層124は約80Åの厚さである。
引き続き図9Bを参照すると、光は主に光転向フィーチャ121の面126および127からディスプレイ160にリダイレクトされるので、いくつかの実装形態では、これらの面間のエリアにおいて、コーティング140は、そこを通って光が進むことができる開口125を備え得る。開口125は、ディスプレイ160への周辺光の伝搬および/または閲覧者170への反射光の伝搬を可能にすることができる。
反射コーティング140および部分反射層124など、金属層が、いくつかの実装形態では、腐食するか、または場合によっては不要な反応を受けることがあることがわかっている。理論によって限定されなければ、これらの不要な反応は、周囲からの水分またはガス(たとえば、オキシダント)が反射コーティング140および/または層124に拡散し、それと反応することにより、発生すると考えられる。これらの反応は、反射コーティング140の材料特性を変化させ(たとえば、コーティングおよび層の反射率を劣化させ)、それによってコーティング140および/または層124の所望の機能を劣化させることがある。
図10に、光ガイド120上に配設されたパッシベーション層110を備えた照明システムの断面図の一例を示す。光源130は、光を光ガイド120に注入するように構成される。いくつかの実装形態では、パッシベーション層110は、光転向フィーチャ121間に延在する光ガイドの部分など、光ガイド120の部分上に直接配設される。パッシベーション層110はまた、光転向フィーチャ121のコーティング140上に直接配設され得る。図示のように、光転向フィーチャ121は、光ガイド120中の凹みとして形成され得、パッシベーション層110は、光ガイド120の上部主面上に実質的に共形に延在し得る。いくつかの実装形態では、光転向フィーチャ121の下部の共形のパッシベーション層110の厚さと、その光転向フィーチャ121の側壁の共形のパッシベーション層110の厚さとの比は、約5:1、約3:1、約2:1、約1.5:1、または約1:1であり得る。厚さ均一性のそのようなレベルは、本明細書で論じるように、パッシベーションを行いながら反射防止コーティングを形成するための利点を与えることができる。
引き続き図10を参照すると、パッシベーション層110は水分バリアであり得る。いくつかの実装形態では、パッシベーション層110は、約1g/m2/日以下、または約0.01g/m2/日以下、または約0.0001g/m2/日以下の水分透過係数を有する。パッシベーション層110は、水分および/または周囲ガスに対するバリア特性を与えるために好適な厚さであり得る。約50nm以上、または約75nm以上の厚さが、環境に対する隔離と、付加光学的機能(たとえば、反射防止特性)とに特定の利点を与えることがわかっている。
いくつかの実装形態では、85%の相対湿度の85°Cの環境にさらされたときに、パッシベーション層110は、少なくとも約200時間、または少なくとも約500時間、または少なくとも約1000時間の持続時間の間、反射コーティング140中の腐食を防止する。いくつかの実装形態では、腐食防止は、デバイスがそれの動作仕様を満たすように、デバイスの動作が損なわれないほどのレベルである。たとえば、コーティング140中の部分反射層124が腐食するにつれて、コーティング140のブラックマスク特性が減少し、(たとえば、層122からの反射のために)コーティング140からの周囲反射の増加が生じることがある。いくつかの実装形態では、層124の腐食は、コーティング140からの知覚反射の増加が、85%の相対湿度の85°Cの環境において500時間後に約20%以下、約10%以下、または約5%以下である程度まで防止される。いくつかの実装形態では、幅10μmの光転向フィーチャ中にAlの50nm反射層122と、酸化ケイ素の72nmスペーサ層123と、MoCrの5nm部分反射層124と(図9B)を含む反射コーティング140の場合、これらの利益は達成される。
パッシベーション層110は、パッシベーション層110の下にある電気的構造を電気的に絶縁することに有利であり得る光透過性誘電材料を含む、光透過性材料から形成され得る。パッシベーション層110のための好適な材料の例には、酸化ケイ素(SiO2)、酸窒化ケイ素(SiON)、MgF2、CaF2、Al2O3、またはそれらの混合物がある。いくつかの実装形態では、パッシベーション層110はスピンオンガラスから形成される。
図11を参照すると、1つまたは複数の光デカップリング層が、光ガイド120内の光の伝搬を可能にするために設けられ得る。図11に、光デカップリング層を備えた照明システムの断面図の一例を示す。たとえば、光デカップリング層180aが、パッシベーション層110上に設けられ得る。いくつかの実装形態では、光デカップリング層180aは、パッシベーション層110または光ガイド120のいずれかよりも低い屈折率を有する。より低い屈折率は、パッシベーション層110と光デカップリング層180aとの間のインターフェースからの全反射を促進し、それにより、光ガイド120上の全反射によって光の伝搬を可能にする。いくつかの実装形態では、光デカップリング層180aは、追加の機能を与え得る。たとえば、層180aは、パッシベーション層110と光ガイド120とに機械的保護を与える材料から形成され得る。光デカップリング層180aのための好適な材料の例には、MgF2、CaF2、UV硬化性エポキシ、高分子コーティング、有機シロキサンコーティング、シリコーン接着剤、および可視スペクトルにおいて約1.48よりも小さい、または約1.45よりも小さい、または約1.42よりも小さい屈折率をもつ他の同様の材料がある。
引き続き図11を参照すると、いくつかの実装形態では、他の光デカップリング層180bが光ガイド120の下に設けられ得る。この他の光デカップリング層180bはまた、光ガイド120よりも低い屈折率を有しており、それによって光ガイド120との層180bのインターフェースにおける全反射を可能にし得る。層180bは、層180aと同じ材料または異なる材料から形成され得る。いくつかの他の実装形態では、層180bは省略され、光ガイド120の下側主面における全反射を可能にするためにギャップ(たとえば、エアギャップ)が低屈折率媒体を与える。
引き続き図11を参照すると、いくつかの実装形態では、パッシベーション層110は、反射防止特性を与えるように構成される。たとえば、パッシベーション層110の屈折率および厚さは、層110が干渉反射防止コーティングとして機能することを可能にするように選択され得る。いくつかの実装形態では、パッシベーション層110の屈折率は、光デカップリング層180aの屈折率と光ガイド120(または光ガイド120が複数の層を含む場合、パッシベーション層110に直接隣接する光ガイド120の層)の屈折率との間である。たとえば、パッシベーション層110の屈折率は、以下の式を使用して導出され得る。
上式で、RIPSはパッシベーション層の屈折率であり、RILGは光ガイドの屈折率であり、RIODLは光デカップリング層の屈折率である。
したがって、いくつかの実装形態では、パッシベーション層110の屈折率は、約RIPSであり得る。いくつかの実装形態では、パッシベーション層110の屈折率は、RIPSの10%以内、またはRIPSの5%以内である。
一例では、1.42の屈折率を有するシリコーンの光デカップリング層180aが、1.47の屈折率を有する酸化ケイ素から形成された、光ガイド120上に配設されたパッシベーション層110上に直接配設され得、光ガイド120は、パッシベーション層110のすぐ下にあるSiONの層を含み、SiON層は1.52の屈折率を有する。いくつかの実装形態では、シリコーンはシリコーン接着剤コーティングであり得る。光デカップリング層180aはパッシベーション層110と直接接触し得、パッシベーション層110は光ガイド120と直接接触し得る。いくつかの実装形態では、パッシベーション層110の屈折率は、光デカップリング層180a、光ガイド120、または光デカップリング層180aと光ガイド120の両方の0.1以内である。いくつかの実装形態では、光デカップリング層180aの屈折率は、約0.05以上、または約0.1以上であり、パッシベーション層110および/または光ガイド120の屈折率よりも小さい。
いくつかの実装形態では、パッシベーション層110の厚さは、約50nm以上、約75nm以上、または約75〜125nmであり得る。いくつかの他の実装形態では、パッシベーション層110の厚さは約250〜330nmであり得る。そのような厚さが、本明細書で説明するように、パッシベーション層110に光学的スペクトルにおける反射防止特性を与えるための利益を与えることがわかっている。光ガイド120上に共形にパッシベーション層110を形成することによって、パッシベーション層110は実質的に一様な厚さに形成され、それによって、光ガイド120にわたって所望の光学的スペクトル内で反射防止特性を常に与え得る。パッシベーション層110の厚さが光転向フィーチャ121の下部と側壁との間で変動するいくつかの実装形態では、上述の厚さは、光転向フィーチャ121の下部の厚さであり得る。いくつかの実装形態では、光転向フィーチャ121の下部のパッシベーション層110の厚さは、約100nm、または約290nmであり得、光転向フィーチャ121の側壁のパッシベーション層110の厚さは、下部の厚さの約40nm、または約25nm以内である。
照明システムは、光ガイド120の反射防止特性が利益を与え得る下位ディスプレイ160を含み得る。本明細書で説明するように、光源130からの光は、光ガイド120に注入され、光転向フィーチャ121によってディスプレイ160のほうへリダイレクトされ、ディスプレイ160によって閲覧者170のほうへ前方に反射され、それによって、閲覧者170によって知覚される画像を形成し得る。光デカップリング層180aとパッシベーション層110と光ガイド120とによって与えられる反射防止特性は、閲覧者170から見た反射を低減し、それによって、ディスプレイ160の知覚コントラストを改善することができる。
図12を参照すると、光ガイド上に直接位置する酸化ケイ素パッシベーション層の場合の反射率対厚さのプロットが示されている。酸化ケイ素パッシベーション層(屈折率1.47)は、下にある光ガイド中の上位光透過性層(たとえば、シリコーン層、屈折率=1.42)と下位光透過性層(たとえば、SiON層、屈折率1.52)との間に配設される。そのような中間値におけるパッシベーション層の屈折率の場合、パッシベーション層は、例外的な反射防止特性を与えることができる。たとえば、約75〜125nmの厚さでは、パッシベーション層をまったく有しない場合と比較して、反射率の14倍の減少が観測される。その上、この減少は、(法線に対して)0°から(法線に対して)30°までの入射角において光がパッシベーション層に当たっている場合に観測される。さらに、同様の厚さ(たとえば、約75〜125nm)において、反射率の減少は、この角度範囲について同様であり、単一の厚さをもつ単一のパッシベーション層が広範囲の入射角について反射率の同様の低減を達成し得ることを示す。また、より大きい厚さでは、反射率の有益な低減が観測される。たとえば、約275〜325nmの厚さでは、反射率の7倍の減少が観測され、約470〜500nmの厚さでは、3倍よりも大きい反射率の減少が観測される。
図13に、光転向フィーチャ上に直接位置する酸化ケイ素パッシベーション層の場合の反射率対厚さのプロットを示す。光転向フィーチャは、反射層(たとえば、Al)の50nm反射層と、光透過性スペーサ層(たとえば、酸化ケイ素)の72nmスペーサ層と、薄い金属(たとえば、MoCr)の5nm部分反射層とを含むコーティング140(図9B)を含む。パッシベーション層の上にあるのはシリコーンの層(屈折率=1.42)である。パッシベーション層は酸化ケイ素から形成される。図13に示すように、これらの層は良好な反射防止特性を達成する。約165〜185nmの厚さでは、パッシベーション層をまったく有しない場合と比較して、反射率が半分になることが観測される。反射率の減少は、(法線に対して)0°から法線に対して30°までの入射角において光がパッシベーション層に当たっている場合に観測される。単一の厚さをもつ単一のパッシベーション層が広範囲の入射角について反射率の同様の低減を達成し得るように、同様の厚さ(たとえば、約50〜100nm)において同様の減少が観測される。また、これらの厚さは、光ガイドの直接上のパッシベーション層に反射率の有意な低減を与える厚さに重なる(図12参照)。たとえば、約50〜110nm、または約75〜100nmの厚さは、光ガイド上と光転向フィーチャ上とに分布したパッシベーション層に高いレベルの反射防止率(anti-reflectivity)を与え得る。
引き続き図13を参照すると、より大きい厚さも反射率の低減を与える。たとえば、約260〜300nmの厚さでは、反射率のほぼ50%の減少が観測され、約450nmの厚さでは、反射率のほぼ40%の減少が観測される。
反射防止構造の一部としてなのか、反射防止機能なしに実装されるのかにかかわらず、パッシベーション層110は様々な構成で構成され得ることを諒解されよう。図14に、複数のパッシベーション層をもつ照明システムの断面図の一例を示す。パッシベーション層110は光ガイド120上に配設され、別のパッシベーション層112が光ガイド120の下に配設される。いくつかの実装形態では、パッシベーション層112は、パッシベーション層110について本明細書で説明したように、その層112が反射防止コーティングとして働くことを可能にする厚さと屈折率とを有する。いくつかの実装形態では、パッシベーション層112の厚さは、約75nm以上、約50〜125nm、約75〜125nm、または約250〜330nmであり得る。さらに、パッシベーション層112は、光ガイド120のすぐ上にある層129の屈折率よりも小さい屈折率を有し得る。(図11の層180bなど)より低い屈折率の光デカップリング層がパッシベーション層112の下に設けられ得る。いくつかの他の実装形態では、エアギャップが光デカップリング層として働く。
図15Aおよび図15Bを参照すると、パッシベーション層110は、光転向フィーチャ121のコーティング140上に直接配設され、光転向フィーチャ121間に延在する光ガイド120の部分上に連続的に延在するブランケット層であり得る。図15Aおよび図15Bに、光転向フィーチャ121と上位パッシベーション層110を有する光ガイド120との断面図の一例を示す。光転向フィーチャ121のコーティング140は、本明細書で説明するように、複数の層122、123および124から形成され得る。パッシベーション層110は、光ガイド120の全体にわたって実質的に延在する。図15Bを参照すると、光転向フィーチャ121に加えて、様々な他のフィーチャが光ガイド120の表面上に存在し得る。たとえば、導電性フィーチャ190が光ガイド120上に設けられ得る。導電性フィーチャ190は、たとえば、配線(interconnect)または電極を含み得る。フィーチャ190は、たとえば、タッチスクリーンディスプレイの一部を形成し得る。
いくつかの他の実装形態では、パッシベーション層110は、堆積された後にパターニングされ得る。図16Aおよび図16Bに、光転向フィーチャ121と上位パターンパッシベーション層110を有する光ガイド120とをもつ照明システムの断面図の一例を示す。いくつかの実装形態では、光転向フィーチャ121間のエリア中のパッシベーション層110の部分が実質的に除去される一方、パッシベーション層110の部分が、光転向フィーチャ121において実質的に局所化されるように、パッシベーション層110はパターニングされる。
いくつかの実装形態では、コーティング140とパッシベーション層110とを形成する層の各々は、光ガイド120上に堆積されたブランケットであり得る。次いで、これらの層は、コーティング140とパッシベーション層110とがエッチングによって同時に画定されることを可能にする単一のマスクを使用して同時にパターニングされ得る。パターンパッシベーション層110は、光転向フィーチャ121とコーティング140とをキャッピングする。図16Aおよび図16Bに示すように、コーティング140の面が露出されるか、またはパターンパッシベーション層110によって保護されないように、パターンパッシベーション層110の側壁とコーティング140の側壁とは実質的に共面であり得る。さらに、導電性フィーチャ190は光ガイド120上に存在し得る。フィーチャ190はまた、パッシベーション層110の側壁とフィーチャ190の側壁とが共面であり得、フィーチャ190の面が露出されるか、またはパターンパッシベーション層110によって保護されないように、パターンパッシベーション層110と同時にパターニングされ得る。
コーティング140の面が露出していることにより、それらの面は周囲環境からの水分およびガスとの相互作用を受けやすくなり得ることを、当業者は認識されよう。しかしながら、これらの層は数十ナノメートル程度の厚さを有し得るが、光転向フィーチャ121の幅はミクロン程度である。したがって、コーティング140の面の腐食または反応が、コーティング140を含んでいる照明システムの予想される寿命にわたって光転向フィーチャ121の機能を損なうのに十分な速度で進行するとは考えられない。
パッシベーション層110をパターニングすることは、パッシベーション層110の除去された部分によって残された開口における補助構造の形成を可能にすることができる。いくつかの実装形態では、パッシベーション層110は、下位電気的フィーチャへの電気接触を可能にするためにパターニングされる。図16Bに、パターンパッシベーション層110をもつ照明システムの断面図の一例を示す。光ガイド120は、照明システムがタッチスクリーンとして機能することを可能にする配線または電極(図示せず)などの導電性フィーチャでオーバーレイされ得る。パッシベーション層110にパターニングされた開口は、配線または電極と、上位導電性フィーチャとの間の接触を形成するために使用され得る。
説明および例示を容易にするために、本明細書では単一のエンティティと呼ぶが、光ガイド120は、材料の1つまたは複数の層から形成され得ることを諒解されよう。図17に、多層膜光ガイドをもつ照明システムの断面図の一例を示す。光ガイド120は、光転向膜128と下位支持層129とから形成され得る。転向膜128と支持層129の両方は、光がそれの長さに沿って伝搬することを可能にする実質的な光透過性材料から形成され得る。たとえば、転向膜128および支持層129は、それぞれ、アクリル、アクリレート共重合体、UV硬化性樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリマー、有機材料、無機材料、ケイ酸塩、アルミナ、サファイア、ガラス、ポリエチレンテレフタラート(「PET」)、ポリエチレンテレフタラートグリコール(「PET−G」)、シリコンオキシナイトライド、および/または他の光学的に透明な材料などの材料のうちの1つまたは複数を含み得る。機械的および化学的安定性のために、転向膜128を形成する材料は、低い水分吸収と、後の処理ステップにおいて使用される材料および温度に対する熱抵抗および化学抵抗と、脱ガスの制限または脱ガスが実質的にないこととを有し得る。いくつかの実装形態では、材料が支持層129上の液相中に堆積され得るように、転向膜128は、液体として堆積可能な材料から形成される。いくつかの実装形態では、転向膜128を形成する材料は、ガラス、たとえば、スピンオンガラスであり得る。いくつかの実装形態では、転向膜128を形成する材料は感光性であり、たとえば、感光性スピンオンガラスおよび/または感光性ポリマーから形成され得る。本明細書で使用するスピンオン材料は、材料が、支持層129などのスピニング下位支持体に堆積されるスピンオン堆積によって堆積され得る材料である。しかしながら、スピンオン材料は、スピンオン堆積によって堆積される必要はない。たとえば、いくつかの実装形態では、スピンオン材料は、定常支持層129に堆積され得る。いずれの場合も、いくつかの実装形態では、スピンオン材料は、支持層129上の液体として堆積され得る。その液体は、固相転向膜128を形成するために、たとえば硬化プロセスにおいて溶剤が除去された溶液であり得る。
いくつかの実装形態では、転向膜128および支持層129は同じ材料から形成され、他の実装形態では、転向膜および支持層129は異なる材料から形成される。いくつかの実装形態では、転向膜128はスピンオンガラスまたは感光性ポリマーから形成され得、支持層129はガラスから形成され得る。いくつかの実装形態では、光が実質的に層間の界面において反射または屈折させられることなしに層を通って連続的に伝搬し得るように、転向膜128の屈折率と支持層129の屈折率とは互いに近いかまたは等しくなるように一致させられ得る。いくつかの実装形態では、転向膜128の屈折率と支持層129の屈折率とは、互いの約0.05、約0.03、または約0.02以内である。一実装形態では、支持層129および転向膜128は、それぞれ約1.52の屈折率を有する。いくつかの他の実装形態によれば、支持層129の屈折率および/または転向膜128の屈折率は、約1.45から約2.05までわたることがある。いくつかの実装形態では、支持層129および転向膜128は、支持層129と転向膜128の一方または両方の屈折率と同様または等しい屈折率を有し得る接着剤(たとえば、感圧性接着剤)によって互いに保持され得る。さらに、いくつかの実装形態では、ディスプレイ160は、感圧性接着剤(「PSA」)など、屈折率が一致した接着剤を使用して光ガイド120に積層され得る。
支持層129と転向膜128の一方または両方は、1つまたは複数の光転向フィーチャ121を含むことができる。いくつかの実装形態では、光転向フィーチャ121は、光転向膜128の上面上に配設される。これらのフィーチャ121を形成する凹みは、エッチングおよび型押しを含む、様々なプロセスによって形成され得る。光転向膜128の厚さは、その膜内の光転向フィーチャ121のボリューム全体を形成するのに十分であり得る。いくつかの実装形態では、光転向膜128は、約1.0〜5μm、約1.0〜4μm、または約1.5〜3μmの厚さを有する。
さらに、光転向フィーチャ121の壁上のコーティング140は、所望の材料の1つまたは複数の膜を堆積(たとえば、ブランケット堆積)させ、次いで、光転向フィーチャ121のロケーションから外部に材料を除去するために堆積膜をエッチングすることによって形成され得る。凹みの形成および/またはコーティング140の形成は、転向膜129を支持層129に付着させる前に実行され得る。いくつかの実装形態では、これは、転向膜128を支持層129および照明システムの残部に付着させる前に凹みまたはコーティング140中の欠陥が発見され得るので、照明システムの作製を可能にすることができる。したがって、光転向フィーチャ121中の欠陥が発見されたとき、光ガイド120全体、および/または転向膜129に付着された他の部分を廃棄するのではなく、欠陥のある転向膜129を交換するだけで済むことがある。
いくつかの他の実装形態では、光ガイドは、転向膜129が支持層128と結合された後に、光転向フィーチャを画定するためにエッチングされ得る。次に図18A〜図18Fを参照すると、照明システムを製造するためのプロセスシーケンス中の様々な段階における照明システムの断面図の例が示されている。図18Aを参照すると、支持層129上に配設された光転向膜128が設けられている。いくつかの実装形態では、光転向膜128は、スピンオンガラスなど、ガラスから形成される。光転向膜128を形成する材料は感光性であり、感光性スピンオンガラスなど、感光性ガラスを含み得る。いくつかの他の実装形態では、感光性材料は、非ガラス材料であり、たとえば、感光性ポリマーであり得る。
図18Bに、凹み131を形成するために光転向膜128をパターニングした後の光転向膜128を示す。凹み131はフォトリソグラフィによって形成され得、フォトリソグラフィでは、光転向膜128がレチクルを介して光に露光され、次いで、光転向膜が、凹み131を形成するために光転向膜128の選択された部分を除去するために、ウェットエッチであり得る現像エッチに露出される。いくつかの実装形態では、凹み131のサイズおよび形状は、光転向膜128を形成する感光性材料を露光し、現像するプロセスを変更することによって制御され得る。
図18Cに、光転向膜128上に材料の1つまたは複数の層をブランケット堆積させた後の、図18Bの光転向膜128および凹み131を示す。図示のように、層122、123、および124は、本明細書で説明するように、支持層129および光転向膜128内を伝搬する光のための反射体として機能し、閲覧者に対するブラックマスクとしても機能する干渉スタックを形成するために連続的に堆積され得る。
図18Dは、凹み131(図18C)の外部に層122、123、および/または124の部分を実質的に除去するために、それらの層をエッチングし、それによって、光転向フィーチャ121の一部としてコーティング140を画定した後の層122、123、および/または124を示す。図18Eに示すように、凹み131の中間部分中にあり、凹み131の側壁上にない層122、123、および/または124の部分はまた、光がそれらの中間部分を通って進むことを可能にするためにエッチングされ得る。
図18Fに示すように、パッシベーション層110は、層128上に堆積され、光転向フィーチャ121中に堆積され得る。いくつかの実装形態では、パッシベーション層110は共形である。いくつかの他の実装形態では、パッシベーション層110は、光転向フィーチャ121を充填し、光ガイド120の凹みと主面とにわたって平坦面を与えることによって平坦化層(図示せず)として機能する。いくつかの実装形態では、平坦化層は、スピンオンガラス材料から形成され得、光デカップリング層として機能するために低い屈折率を有し得る。いくつかの実装形態では、本明細書で説明するように、パッシベーション層110は水分バリアとして機能する。
ガラスまたは感光性材料の使用が、いくつかの実装形態では、化学蒸着材料の使用に勝る利益を与えることができることを諒解されよう。(感光性ガラス材料を含む)感光性材料または非感光性ガラス材料の使用は、光転向膜が、より遅い化学蒸着ではなく、比較的速いバルク堆積によって、たとえば、スピンオンコーティングプロセスによって形成されることを可能にする。さらに、いくつかの実装形態では、光転向膜は、いくつかの化学蒸着材料よりも急速にエッチングされ得る。たとえば、感光性材料は、ウェットエッチであり得る現像エッチを使用してエッチングされ得る。また、光転向膜は、それ自体が感光性であるので、光転向膜中に凹みを画定するために別のマスク形成およびパターン転写ステップが必要とされない。その結果、製造スループットは高められ、それにより製造コストが低減され得る。さらに、材料のコストは化学蒸着材料のコストよりも低くなり、それにより製造コストがさらに低減され得る。
本明細書で説明する照明システムは様々な方法で製造され得ることを諒解されよう。図19に、照明システムのための製造プロセスを示す流れ図の一例を示す。200において、光ガイドを設ける。210において、光ガイドの主面上に配設された光透過性パッシベーション層を設ける。パッシベーション層は、本明細書で説明するように水分バリアである。光ガイドは、本明細書で説明する光ガイド120(たとえば、図9A〜図11および図14〜図19F参照)に対応し得る。パッシベーション層は、本明細書で説明するパッシベーション層110(たとえば、図10〜図11、図14〜図17、および図18F参照)に対応し得る。
200において光ガイドを設けることは、光ガイドをパネルとして設けることを含むことができる。光ガイドは、フィーチャ121(図9A〜図11、図14〜図17、および図18D〜図18F)など、複数の光転向フィーチャを備え得る。これらのフィーチャは、フィーチャのための凹みを画定するためにパネルをエッチングし、次いで、場合によっては、凹みの壁上にコーティング140(図9A〜図11、図14〜図17、および図18D〜図18E)を堆積させ、パターニングすることによって形成され得る。いくつかの実装形態では、パッシベーション層110は、コーティング140をパターニングする前に堆積される。パッシベーション層110は、次いで、コーティング140と同時にパターニングされ得る。
いくつかの他の実装形態では、光転向フィーチャ121は、後で下位支持層に付着された光転向膜128中に形成され得る。したがって、光転向フィーチャのための凹みの形成は、支持層に付着される前に実行され得る。いくつかの実装形態では、コーティング140および/またはパッシベーション層110は、支持層に付着される前に適用され得る。他の実装形態では、コーティング140および/またはパッシベーション層110は、支持層に付着された後に適用され得る。
パッシベーション層110を設けることは、光ガイド上にパッシベーション層110を堆積させることを含み得る。堆積は、化学蒸着を含む、当技術分野で知られている様々な方法によって達成され得る。いくつかの実装形態では、光ガイド120の上面は、パッシベーション層110でコーティングされる。いくつかの他の実装形態では、光ガイド120の上面と底面の両方は、パッシベーション層でコーティングされる。光ガイド120の上面と底面の両方をコーティングすることは、パッシベーション層110を各表面上に別々に堆積させることを含み得るか、または他の表面をパッシベーション層110で同時にコーティングすることを含み得る。たとえば、光ガイド120は、光ガイド120の各面上にパッシベーション層110を形成するために光ガイド120の両面をコーティング剤に同時にさらすウェットコーティングプロセスにかけられ得る。いくつかの実装形態では、最終パッシベーション層110が水分バリアと反射防止コーティングの両方として使用するために約50nm以上の厚さを有するように、コーティングまたは堆積プロセスの程度が測定される。
図20Aおよび図20Bは、複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図の例を示している。ディスプレイデバイス40は、たとえば、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはディスプレイデバイス40の軽微な変形が、テレビジョン、電子リーダーおよびポータブルメディアプレーヤなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、またはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明する干渉変調器ディスプレイを含むことができる。
ディスプレイデバイス40の構成要素は図20Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタ処理する)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28に、およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次にディスプレイアレイ30に結合される。電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計によって必要とされるすべての構成要素に電力を与えることができる。
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、g、またはnを含むIEEE802.11規格に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、BLUETOOTH規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3Gまたは4G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、モバイル通信のためのグローバルシステム(Global System for Mobile communications)(GSM)(登録商標)、GSM/ジェネラル・パケット・ラジオ・サービス(GSM/General Packet Radio Service)(GPRS)、向上したデータ・GSM(登録商標)・エンビロンメント(Enhanced Data GSM Environment)(EDGE)、テレスティアル・トランクド・ラジオ(Terrestrial Trunked Radio)(TETRA)、広帯域CDMA(W−CDMA)、エボリューション・データ・オプティマイズド(Evolution Data Optimized)(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、ロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution)(LTE)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、その信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、その信号を処理することができる。
いくつかの実装形態では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理されるフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和、およびグレースケールレベルを含むことができる。
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も適用される。
いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(たとえば、IMODコントローラ)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(たとえば、IMODディスプレイドライバ)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(たとえば、IMODのアレイを含むディスプレイ)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29はアレイドライバ22と一体化され得る。そのような実装形態は、セルラーフォン、ウォッチおよび他の小面積ディスプレイなどの高集積システムでは一般的である。
いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように、構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが使用され得る。
電源50は、当技術分野でよく知られている様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
いくつかの実装形態では、制御プログラマビリティがドライバコントローラ29中に存在し、これは電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実装形態では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実装され得る。
本明細書で開示する実装形態に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実装されるか、ソフトウェアで実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装することもできる。いくつかの実装形態では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。また、本明細書で説明する主題の実装形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実装され得る。
本開示で説明する実装形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実装形態に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与られるべきである。「例示的」という単語は、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書で説明するいかなる実装形態も、必ずしも他の実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、実装されたIMODの適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
また、別個の実装形態に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せて実装され得る。また、逆に、単一の実装形態に関して説明された様々な特徴は、複数の実装形態において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実装され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でまたは順番に実行されることを、あるいはすべての図示の動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。さらに、図面は、流れ図の形態で1つまたは複数の例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明するプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。