JPH07306306A - フレネルレンズ及びその製造方法 - Google Patents

フレネルレンズ及びその製造方法

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JPH07306306A
JPH07306306A JP9974194A JP9974194A JPH07306306A JP H07306306 A JPH07306306 A JP H07306306A JP 9974194 A JP9974194 A JP 9974194A JP 9974194 A JP9974194 A JP 9974194A JP H07306306 A JPH07306306 A JP H07306306A
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Japan
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fresnel lens
substrate
film
coating film
thin film
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Withdrawn
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JP9974194A
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English (en)
Inventor
Katsumi Ogi
勝実 小木
Masa Yonezawa
政 米澤
Nobuyuki Soyama
信幸 曽山
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高集光効率で耐久性に優れ、しかも製造が容
易なフレネルレンズを提供する。 【構成】 基板上に金属酸化物薄膜のフレネルレンズ用
パターンを形成したフレネルレンズ。基板上に加水分解
性金属化合物と、活性線の照射により水を遊離する感光
剤とを含有する組成物を塗布して塗膜を形成し、この塗
膜を活性線で画像形成露光し、溶媒で現像して未露光部
を除去した後、熱処理して露光部の膜を金属酸化物に変
換させてフレネルレンズパターンを形成する。 【効果】 ゾルーゲル法を利用して、フレネルレンズパ
ターンを形成することができるので、製造工程の短縮化
と高能率化が図れる。屈折率差が大きく集光効率、耐久
性に優れたフレネルレンズが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光応用システムとして
重要なフレネルレンズ及びその製造方法に係り、特に、
高集光効率で耐久性に優れ、しかも製造が容易なフレネ
ルレンズ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロレンズは光応用システムにおけ
る重要な構成要素であり、レーザーディスクプレーヤの
ピックアップ用レンズ、光ファイバ通信システムの半導
体レーザ・ファイバ結合用レンズ等に利用されている。
【0003】従来、マイクロレンズとしては、 球面収差が小さく回折限界に近い集光特性を持つ、 薄膜構造のためレプリカ作製、他の光学部品との一
体化、アレイ化が容易、 といった特徴を持つことから、フレネル回折を利用した
フレネルレンズが注目されている。
【0004】従来のフレネルレンズは、ニオブ酸リチウ
ム又はタンタル酸リチウムよりなる基板上に、Al膜を
電子ビーム蒸着により形成し、その上にフォトレジスト
を塗布し、フレネルレンズパターンを用いてレジスト上
にパターニングし、次いで、リン酸系エッチング液でA
lを除去し、最後に安息香酸中(240℃)、1.5時
間イオン交換を行った後、Al膜を除去することにより
製造されている(特公平6−16121号公報)。
【0005】また、最近になって、PMMA(ポリメチ
ルメタアクリレート)等の光硬化性樹脂を使用したフォ
トリソグラフィーで、方形状レジスト溝を硼珪酸ガラ
ス、石英ガラス等のガラス基板上に同心円状に配置して
フレネルレンズを製造することも報告されている(電子
通信学会論文誌 '81/10 Vol.J64-C No.10 第 652頁〜第
657頁)。
【0006】なお、このフォトリソグラフィーによるフ
レネルレンズの効率(入射光の何割が集光するか)は、
下式で表される。即ち、PMMA等のレジスト剤の膜厚
は1μmと、十分に薄いものであるので、そのグレーテ
ィングは平面グレーティングと見做せ、i(i=±1,
±2,………)次の回折波の効率ηi は下式で与えられ
る。下記式からも明らかなように、効率ηi を高めるた
めには、屈折率変化量Δnを大きくする必要がある。
【0007】
【数1】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のフレネルレンズ
のうち、ニオブ酸リチウム又はタンタル酸リチウムより
なる基板にパターニングした後イオン交換を行うもので
は、 Al蒸着,フォトレジスト塗布とパターニング,エ
ッチング,レジスト除去,イオン交換,Al除去という
ように、工程数が非常に多く、生産性が悪い。 工業的に良質な基板が得られるのはニオブ酸リチウ
ム、タンタル酸リチウムという高価な基板に限られ、製
造コストが高くつく。 基板と屈折率変化部との屈折率差が高々0.13程
度しかとれないために、屈折率変化部を2〜3μmと厚
くする必要がある。このため、この屈折率変化部を作製
するためのイオン交換時間を1.5時間と長くする必要
があり、生産効率が悪い。 といった欠点がある。
【0009】一方、PMMA等の光硬化性樹脂のフォト
リソグラフィーによるフレネルレンズでは、前述の如
く、高効率レンズとするためには、屈折率変化量Δnを
大きくする必要があるが、PMMA等のレジスト剤の屈
折率は、高々1.4〜1.5であるため、高効率化にも
限界があり、効率40%程度のフレネルレンズしか得ら
れていないのが現状である。
【0010】しかも、このフレネルレンズでは、樹脂膜
を形成するため、耐溶剤性、耐熱性等の耐久性が十分で
ないという欠点もある。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決し、高価
な基板を用いることなく、少ない製造工程数にて生産性
良く、安価に製造することができ、また、耐久性に優
れ、集光効率の高いフレネルレンズ及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1のフレネルレン
ズは、基板上に所定パターンの薄膜を形成してなるフレ
ネルレンズにおいて、該薄膜が金属酸化物薄膜であるこ
とを特徴とする。
【0013】請求項2のフレネルレンズの製造方法は、
請求項1に記載のフレネルレンズを製造する方法であっ
て、少なくとも加水分解性金属化合物と、活性線の照射
により水を遊離する感光剤とを含有する組成物を基板上
に塗布し、形成された塗膜に活性線を照射して画像形成
露光し、次いで溶媒で現像して未露光部を除去した後、
熱処理して露光部の膜を金属酸化物に変換させ、これに
より金属酸化物よりなる前記所定パターンの薄膜を形成
することを特徴とする。
【0014】請求項3のフレネルレンズの製造方法は、
請求項2の方法において、前記組成物は、更に、活性線
の照射により酸を遊離する感光剤を含有することを特徴
とする。
【0015】以下に本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明において、基板としては硼珪酸ガラ
ス、石英ガラス等のガラス基板が好適である。この基板
の形状及び大きさは任意であり、基板の厚さも、フレネ
ルレンズとしての十分な強度を有していれば良く、特に
制限はない。
【0017】この基板上に形成されるフレネルレンズ用
金属酸化物薄膜としては、屈折率の高いセラミック薄膜
が好適である。具体的には、硼珪酸((SiO2X
(B23Y )、珪酸タンタル((SiO2X (T
25Y )、珪酸バリウム((SiO2X (Ba
O)Y )、五酸化タンタル(Ta25 )、五酸化ニオ
ブ(Nb25 )、珪酸チタン((SiO2X (Ti
2Y )、珪酸ゲルマニウム((SiO2X ((G
eO2Y )、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タ
ンタル酸リチウム(LiTaO3 )、チタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)、ランタン含有チタン酸ジルコン酸(P
LZT)、チタン酸ストロンチウム(STO)、チタン
酸バリウム(BTO)、チタン酸バリウムストロンチウ
ム(BSTO)、チタン酸ビスマスといった金属酸化物
の薄膜が例示される。
【0018】この金属酸化物薄膜の厚さには特に制限は
なく、要求される集光特性等に応じて適宜決定される
が、通常の場合、0.01〜50μm、特に0.05〜
10μmの範囲とするのが好適である。特に、本発明に
おいては、屈折率の高い金属酸化物の薄膜を形成して、
屈折率差Δnを大きく取ることができることから、0.
05〜2μm、とりわけ0.1〜1μmの超薄金属酸化
物薄膜とすることができる。
【0019】本発明においては、基板と金属酸化物薄膜
とのなじみを良くし、高い層間付着性を得るために、基
板及び金属酸化物として、共に珪酸系のものを採用する
のが好適である。
【0020】以下に本発明のフレネルレンズの製造方法
について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発
明のフレネルレンズの製造方法の一実施例を示す断面図
である。
【0021】本発明方法においては、まず、加水分解性
金属化合物と、活性線の照射により水を遊離する感光剤
(以下「水発生剤」と称す。)とを含有する組成物(以
下「塗膜形成組成物」と称す。)を、基板1の全面にわ
たって塗布して塗膜2を形成する(図1(a))。
【0022】ここで使用する加水分解性有機金属化合物
としては、加水分解により前述の金属酸化物を生成し得
る金属の水酸化物を形成することができるものであれば
特に制限されないが、その代表例としては、金属アルコ
キシド、金属アセチルアセトナート錯体、及び金属カル
ボン酸塩を挙げることができる。金属アルコキシドは、
エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキ
シド、イソブトキシドなどの低級アルコキシドが好まし
い。同様に、金属カルボン酸塩も、酢酸塩、プロピオン
酸塩などの低級脂肪酸塩が好ましい。
【0023】また、金属ハロゲン化物としては、塩化
物、フッ化物などの使用が可能である。
【0024】これらの加水分解性金属化合物は、生成す
る金属酸化物の金属元素組成に応じて、1種又は2種以
上を所定割合で使用できる。
【0025】この加水分解性金属化合物を加水分解反応
させる水を発生する水発生剤としては、o−ニトロベン
ジルアルコール、1−ヒドロキシメチル−2−ニトロナ
フタレン、2−ニトロエタノール、ホルムアルデヒド、
酒石酸、2−ヒドロキシベンジルアルコール、2−カル
ボキシベンジルアルコール、2−カルボキシベンズアル
デヒド、2−ニトロベンズアルデヒド及びフタル酸より
なる群から選ばれる1種又は2種以上が例示される。
【0026】この水発生剤は、活性線の照射を受けて脱
水反応して水を発生する。
【0027】本発明においては、この水発生剤による加
水分解性金属化合物の加水分解反応をさらに促進させる
ため、水発生剤に加えて、活性線の照射により酸を遊離
する感光剤(以下「酸発生剤」と称す。)を併用しても
よい。酸発生剤が共存すると、露光部で活性線の照射を
受けて発生した酸が、加水分解性金属化合物の硬化反応
の触媒として作用し、硬化がより一層促進され、従っ
て、露光部と未露光部との溶解度差の一層の増大及び照
射量の一層の低減が可能となる。
【0028】酸発生剤としては、従来よりフォトレジス
トの分野で知られているものを使用することができる。
例としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩などのオ
ニウム塩;ハロゲン含有ベンゼン誘導体、ハロゲン置換
アルカンおよびシクロアルカン、ハロゲン含有s−トリ
アジンもしくはイソシアヌレート誘導体などの有機ハロ
ゲン化物;更にはo−もしくはp−ニトロベンジルエス
テル、ベンゼンポリスルホン酸エステル、ビスアリール
スルホニルジアゾメタン、2−フェニルスルホニルアセ
トフェノンなどの芳香族スルホン酸エステル又はスルホ
ニル化合物等が挙げられる。
【0029】水発生剤と酸発生剤はいずれも1種もしく
は2種以上を使用できる。
【0030】本発明で用いる塗膜形成組成物は、原料の
加水分解性金属化合物を適当な有機溶媒(例、エタノー
ル、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、n−
ブタノールなどのアルコール類;酢酸、プロピオン酸な
どの低級脂肪族カルボン酸類など)に溶解した後、得ら
れた溶液に水発生剤(または水発生剤と酸発生剤)を添
加し、溶解させることにより調製できる。
【0031】本発明において、塗膜形成組成物中の加水
分解性金属化合物の濃度は生成する金属酸化物換算で1
〜20重量%の範囲内が好ましい。水発生剤の濃度は、
0.001〜20重量%、特に、0.1〜10重量%の
範囲内、酸発生剤の濃度は20重量%以下、特に、0.
001〜20重量%、とりわけ0.1〜10重量%の範
囲内である。この場合、水発生剤と酸発生剤の合計濃度
は20重量%以下であることが好ましい。
【0032】ここで、水発生剤の添加量が少なすぎる
と、露光部と未露光部との溶解度差が大きくならず、鮮
明なパターンが形成できない。水発生剤の添加量が多す
ぎると、照射により周囲の未露光部の塗膜まで変性して
しまい、やはり鮮明なパターンが得られなくなる。
【0033】なお、塗膜形成組成物には、貯蔵時のゲル
化を防止する安定化剤として、アセチルアセトン、エタ
ノールアミン、オキソブタン酸エチルなどのキレート形
成化合物を、加水分解性金属化合物1モルに対して0.
05〜10モルの割合で添加しても良い。
【0034】この塗膜形成組成物の基板上への塗布は、
均一な膜厚の塗膜が形成される塗布法であれば特に制限
されないが、工業的にはスピンコート法が採用されるこ
とが多い。必要であれば、塗膜がゲル化した後、塗布操
作を繰り返して所望の塗膜厚みを得ることもできる。本
発明に係る塗膜形成組成物では、水発生剤の添加により
少ないエネルギーで照射することができるため、塗膜を
厚くすることも可能である。
【0035】得られた塗膜は、短時間の放置で流動性を
失い、露光が可能となる。放置時間は、画像形成のため
の活性線照射が可能な程度に塗膜が乾く(流動性を喪失
する)ように決めればよく、通常は数秒〜数分の範囲内
でよい。
【0036】次いで、所望のフレネルレンズ薄膜パター
ンに対応する画像を形成するために活性線により画像形
成露光を行う(図1(b))。活性線としては、感光剤
(水発生剤、酸発生剤)によっても異なるが、紫外線、
電子線、イオンビームまたはX線等が一般的である。紫
外線源は、例えば、低圧水銀灯、エキシマレーザー等で
よい。画像形成露光は、常法により、マスクを通して活
性線を照射するか、或いは活性線源がレーザーの場合に
はパターン化されたレーザー光を照射する直描法によっ
て行うことができる。照射エネルギー量は特に制限され
ず、膜厚や感光剤の種類によっても変動するが、通常は
100mJ/cm2 以上,好ましくは500mJ/cm
2 以上であれば良い。
【0037】この活性線の照射により、露光部2Aでは
前述した塗膜の硬化反応加水分解反応及び重合反応が進
行し、塗膜が硬く、緻密になって、アルコールなどの溶
媒への溶解度が低下する(図1(c))。本発明では、
水発生剤が共存しているので、少ない活性線照射エネル
ギーで、露光部の硬化反応を選択的に促進することがで
きる。そのため、電子線などのエネルギー量密度が著し
く高いものだけでなく、それらよりもエネルギー密度が
低い紫外線でも十分に照射の目的を達成できる。塗膜に
酸発生剤が共存する場合には、露光部で発生した酸によ
っても塗膜の硬化反応がさらに促進される。
【0038】なお、所望により、上記活性線の照射後、
乾燥不活性ガス(N2 ,Ar等)雰囲気中で40〜10
0℃に1〜10分間程度放置しても良い。こうして空気
中の水分を遮断して温度保持することにより、未露光部
2Bの塗膜成分の加水分解を抑制したまま、露光部2A
の塗膜の硬化反応を選択的に更に進めることができるの
で、露光部2Aと未露光部2Bとの溶解度差が一層大き
くなる。
【0039】照射後、必要に応じて、基板を全面的に加
熱することにより塗膜を乾燥しても良い。これにより、
パターンとして残る露光部に残留している水分や有機溶
媒が除去される。この全面的な加熱は、例えば、100
〜150℃で5〜10分間程度行えば良い。
【0040】その後、適当な溶媒を用いて現像すること
により、未露光部にある未硬化の塗膜を除去すると、露
光部2Aからなるネガ型のパターンが基板1上に形成さ
れる(図1(d))。現像剤として用いる溶媒は、未露
光部2Bの材料を溶解でき、露光部2Aの硬化膜に対す
る溶解性の小さい溶媒であれば良い。一般には、水又は
アルコール類を使用することが好ましい。適当なアルコ
ールとしては、2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノールなどのアルコキシアルコールがある。これで
は溶解力が高すぎ、露光部の溶解が起こりうる場合に
は、上記アルコールにエチルアルコール、イソプロピル
アルコール(IPA)などのアルキルアルコールを添加
することにより、溶解力を調整することができる。この
ように、現像にフッ酸/塩酸の混酸といった腐食性に強
い酸を使用する必要はなく、腐食性のない、安全で安価
なアルコール等の溶媒で現像を行うことができること
も、本発明の大きな利点の1つである。
【0041】現像は、例えば、常温の溶媒に10秒〜1
0分間程度浸漬することにより実施できる。現像条件
は、未露光部が完全に除去され、露光部は実質的に除去
されないように設定する。従って、現像条件は、活性線
の照射量、その後の熱処理の有無、現像に用いる溶媒の
種類に応じて変動する。
【0042】現像により未露光部を除去した後、必要以
上の塗膜溶解を阻止するために、露光部の塗膜の溶解能
がないか溶解能が小さい、適当な有機溶媒によってリン
スを行うことが好ましい。このリンス液としては、例え
ば、エステル類(例、酢酸エチル)、ケトン類(例、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、炭化水
素類(例、トルエン、n−ヘキサン)などが使用でき
る。また、イソプロピルアルコールのように、極性が比
較的小さいアルコールもリンス液として使用できる。
【0043】こうして露光部2Aが残留したネガ型の塗
膜パターンが基板1上に形成される。その後、基板1を
熱処理して塗膜中の金属化合物を完全に金属酸化物に変
換させると、基板1上に所望の金属酸化物薄膜パターン
3が形成されたフレネルレンズ4が得られる(図1
(e))。この熱処理は、通常は大気又は酸素雰囲気中
300〜800℃で1秒〜2時間の焼成により行うこと
が好ましい。
【0044】
【作用】本発明のフレネルレンズであれば、高価な基板
を用いることなく、安価なガラス基板を用いて、高屈折
率の金属酸化物薄膜を形成することにより、集光効率が
高く、耐久性に優れたフレネルレンズを構成することが
できる。
【0045】特に、本発明では、基板と金属酸化物薄膜
よりなる屈折率変化部との屈折率差を従来の0.13程
度から、1〜2程度に大きく取ることができ、結果とし
て金属酸化物薄膜の膜厚を従来の2〜3μmから0.0
5〜2μmに薄膜化できる。このため、レンズの設計の
自由度の拡大が図れる。
【0046】このような本発明のフレネルレンズは、本
発明の製造方法に従って、塗膜形成組成物の塗布とパタ
ーニング、エッチング及び焼成という少ない工程数にて
容易かつ効率的に、高い生産性にて製造することができ
る。
【0047】本発明に係る塗膜形成組成物中の加水分解
性金属化合物は、水と反応して加水分解し、含水金属酸
化物のゾルを経てゲル化し、さらに反応が進むと金属−
酸素の結合により三次元架橋する重合反応が起こって膜
が硬化する。この塗膜形成組成物は、活性線照射により
水を遊離する水発生剤を含有しており、活性線の照射に
よりこの水発生剤から水が発生し、加水分解性金属化合
物の加水分解反応が促進される。そのため、露光部では
塗膜形成組成物を塗布して得られた膜の硬化反応が著し
く進み、露光部と未露光部との溶解度差が非常に大きく
なる。
【0048】この塗膜形成組成物の塗膜に画像形成露光
した後、溶媒と接触させることにより未露光部が除去さ
れる。その後、熱処理することにより、露光部の生成物
がフレネルレンズ用金属酸化物薄膜として残留する。
【0049】なお、塗膜形成組成物が酸発生剤を含む場
合には、活性線の照射により酸が発生し、酸の触媒作用
により上記の加水分解反応及び重合反応が著しく促進さ
れる。
【0050】
【実施例】以下に実施例比較例を挙げて本発明をより具
体的に説明する。
【0051】実施例1 大きさ10×10mmで厚さ1mmの石英ガラス製の基
板に、本発明の方法に従って厚さ約0.1μmのフレネ
ルレンズ用のニオブ酸リチウム薄膜を形成してフレネル
レンズを製造した。
【0052】LiOC25 7.0gとNb(OC2
55 43.0gを2−メトキシエタノール80gに溶
解し、水発生剤としてo−ベンジルアルコール0.02
gを加えた。こうして調製した塗膜形成組成物の各金属
の原子比率はLi:Nb=1:1であった。
【0053】この塗布液をスピンコート法で石英基板上
に3000rpm、15秒の条件で塗布し、塗膜を作製
した。この塗膜を室温で1分間放置した後、低圧水銀灯
を光源とする遠紫外線(中心波長254nm)をマスク
パターンを通して塗膜に照射した。照射量は1200m
J/cm2 とした。
【0054】紫外線照射後、基板を乾燥器中で100℃
で1分間加熱して乾燥した。次いで、現像のために基板
を室温のエッチング液(2−メトキシエタノール)に1
分間浸漬して、塗膜の未露光部を完全に溶解除去した。
次いで、基板をリンス液のIPA(イソプロピルアルコ
ール)中に5秒浸漬した。その後、大気雰囲気中400
℃で60分間の焼成を行って、膜厚0.1μmのLiN
bO3 の薄膜パターンを得た。
【0055】得られたLiNbO3 薄膜はX線回折によ
り、チタン鉄鉱型構造であることが、また、EPMA及
びXPS分析により、LiNbO3 の組成を有している
ことが確認された。また、得られた薄膜パターンの膜性
状は良好であった。
【0056】得られたフレネルレンズの屈折率差、耐熱
性及び耐溶剤性を調べ、結果を表1に示した。
【0057】なお、屈折率差は薄膜と空気との屈折率の
差であり、耐熱性及び耐溶剤性は下記方法及び評価基準
で調べた。
【0058】耐熱性 400℃で24時間加熱後、割れやクラックの有無、寸
法や形状における変化の有無で判断した。 ◎:全く変化なし ○:極わずか認められる △:認められる ×:使用に値しない。
【0059】耐溶剤性 アセトン、イソプロピルアルコールに24時間浸漬後、
割れやクラックの有無、寸法や形状における変化の有無
で判断した。 ◎:全く変化なし ○:極わずか認められる △:認められる ×:使用に値しない。
【0060】なお、紫外線源として249nmの単一波
長を発生するKrFエキシマレーザーを同線量で照射し
た場合にも、同様の結果が得られた。また、紫外線照射
エネルギーは100mJ/cm2 以上(より好ましくは
500mJ/cm2 以上)で、良好なネガ型のLiNb
3 薄膜パターンを形成することができた。
【0061】更に、現像に用いた溶媒を2−メトキシエ
タノールとIPAとの混合液(混合割合は体積比で1:
1)に変えた場合でも、同様なネガ型パターンが得られ
た。
【0062】また、水発生剤と共に酸発生剤として、2
−フェニルスルホニルアセトフェノンを0.02g添加
したこと以外は同様に行った場合にも、同様なネガ型パ
ターンを得ることができた。
【0063】実施例2〜16 塗膜形成組成物として表1〜3に示す配合のもの(溶剤
としてはすべて2−メトキシエタノールを用いた。)を
用い、実施例1と同様にして表1〜3に示す材質の基板
に表1〜3に示す組成及び膜厚の金属酸化物薄膜パター
ンを形成した。なお、活性線としては、いずれも実施例
1と同様のものを用いたが、その照射量は表1〜3に示
す通りとした。その他、スピンコート、乾燥、エッチン
グ、焼成等の条件は実施例1における条件と全く同様の
条件を採用した。
【0064】得られたフレネルレンズの屈折率、耐熱性
及び耐溶剤性を実施例1と同様にして調べ、結果を実施
例1の結果と共に表1〜3に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】比較例1 LiNbO3 基板の上にAl膜を電子ビーム蒸着により
形成し、次いでフォトレジストを塗布してフレネルレン
ズパターンを用いてレジスト上にパターニングを行っ
た。その後、リン酸系エッチング液でAl膜をエッチン
グし、安息香酸中(240℃)1.5時間イオン交換を
行った。その後、Al膜を除去した。
【0069】得られたフレネルレンズの屈折率変化部の
厚さは2.47μmであり、実施例1と同様にして屈折
率差、耐熱性、耐溶剤性を調べたところ、屈折率差は
0.13、耐熱性は△、耐溶剤性は○であった。
【0070】比較例2 硼珪酸ガラス基板に、電子ビームレジストPMMA薄膜
をスピンコートして作製したフレネルレンズのPMMA
膜厚は0.65μmであり、実施例1と同様にして屈折
率差、耐熱性、耐溶剤性を調べたところ、屈折率差は
0.49、耐熱性は×、耐溶剤性は×であった。
【0071】以上の結果から明らかなように、本発明に
よれば、高価な基板を用いることなく、屈折率差が大き
く、フレネルレンズとしての集光効率に優れ、しかも耐
久性にも優れたフレネルレンズを少ない製造工程数にて
生産性良く製造できる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のフレネルレ
ンズによれば、安価な基板を用いて、屈折率差が大きく
フレネルレンズとしての集光効率に優れ、しかも耐久性
にも優れたフレネルレンズが安価に提供される。
【0073】このような本発明のフレネルレンズは、本
発明のフレネルレンズの製造方法により、少ない製造工
程数にて、生産性良く、容易かつ効率的に製造すること
が可能である。
【0074】請求項3の方法によれば、より一層効率的
な製造を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレネルレンズの製造方法の一実施例
方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 塗膜 2A 露光部 2B 未露光部 3 金属酸化物薄膜パターン 4 フレネルレンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に所定パターンの薄膜を形成して
    なるフレネルレンズにおいて、 該薄膜が金属酸化物薄膜であることを特徴とするフレネ
    ルレンズ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフレネルレンズを製造
    する方法であって、 少なくとも加水分解性金属化合物と、活性線の照射によ
    り水を遊離する感光剤とを含有する組成物を基板上に塗
    布し、 形成された塗膜に活性線を照射して画像形成露光し、次
    いで溶媒で現像して未露光部を除去した後、熱処理して
    露光部の膜を金属酸化物に変換させ、これにより金属酸
    化物よりなる前記所定パターンの薄膜を形成することを
    特徴とするフレネルレンズの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の方法において、前記組成物
    は、更に、活性線の照射により酸を遊離する感光剤を含
    有することを特徴とするフレネルレンズの製造方法。
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