JP2015503114A - 電気機械システムデバイス - Google Patents

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Abstract

本開示は、EMSデバイスのためのシステム、方法、および装置を提供する。一態様では、EMSデバイスは、1つまたは複数の電極に対して移動するように構成された、少なくとも1つの可動層を含む。少なくとも1つの可動層は、第1の伝導性層と、第2の伝導性層と、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に配設された非伝導性層とを含み得る。いくつかの実施態様では、可動層は、非伝導性層を通して、第1の伝導性層および第2の伝導性層を電気的に接続する、少なくとも1つの伝導性ビアを含み得る。

Description

本開示は、電気機械システムにおいて使用するための可動層に関する。
電気機械システム(EMS)は、電気的および機械的要素と、アクチュエータと、トランスデューサと、センサーと、(ミラーを含む)光学的構成要素と、電子回路とを有するデバイスを含む。電気機械システムは、限定はしないが、マイクロスケールおよびナノスケールを含む、様々なスケールで製造され得る。たとえば、マイクロ電気機械システム(MEMS:microelectromechanical system)デバイスは、約1ミクロンから数百ミクロン以上に及ぶサイズを有する構造を含むことができる。ナノ電気機械システム(NEMS:nanoelectromechanical system)デバイスは、たとえば、数百ナノメートルよりも小さいサイズを含む、1ミクロンよりも小さいサイズを有する構造を含むことができる。電気および電気機械デバイスを形成するために、堆積、エッチング、リソグラフィを使用して、ならびに/あるいは、基板および/または堆積された材料層の部分をエッチング除去するかまたは層を追加する、他の微細加工プロセスを使用して、電気機械要素が作成され得る。
1つのタイプのEMSデバイスは干渉変調器(IMOD:interferometric modulator)と呼ばれる。本明細書で使用する干渉変調器または干渉光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。いくつかの実施態様では、干渉変調器は伝導性プレートのペアを含み得、そのペアの一方または両方は、全体的にまたは部分的に、透明でおよび/または反射性であり、適切な電気信号の印加時の相対運動が可能であり得る。一実施態様では、一方のプレートは、基板上に堆積された固定層を含み得、他方のプレートは、エアギャップによって固定層から分離された反射膜を含み得る。別のプレートに対するあるプレートの位置は、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることがある。干渉変調器デバイスは、広範囲の適用例を有しており、特にディスプレイ能力がある製品の場合、既存の製品を改善し、新しい製品を作成する際に使用されることが予期される。
本開示のシステム、方法およびデバイスは、それぞれいくつかの発明的態様を有し、それらのうちの単一の態様だけが、本明細書で開示する望ましい属性に関与するとは限らない。
本開示で説明する主題の1つの発明的態様は、ライン中に配設された複数のディスプレイ要素を含む装置において実施され得る。各ディスプレイ要素は、部分透過および部分反射性の光学スタックを含む。各ディスプレイ要素はまた、可動層と光学スタックとの間にキャビティを少なくとも部分的に画定するように、光学スタックの少なくとも一部分の上に配設された可動層をも含む。可動層は、少なくとも部分反射性であり、第1の伝導性層と、第2の伝導性層と、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に配設された非伝導性層とを含む。各ディスプレイ要素の第1の伝導性層は、ディスプレイ要素のライン中で任意の隣接するディスプレイ要素の第1の伝導性層に電気的に接続される。同様に、各ディスプレイ要素の第2の伝導性層は、ディスプレイ要素のライン中で任意の隣接するディスプレイ要素の第2の伝導性層に電気的に接続される。複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つは、第1の伝導性層および第2の伝導性層を電気的に接続する、非伝導性層を通して可動層中に配設された少なくとも1つの伝導性ビアを含む。
一態様では、光学スタックは第1の電極を含み得、第1の伝導性層および第2の伝導性層は、第2の電極の少なくとも一部分を形成し得る。可動層は、第1および第2の電極の両端間に印加された電圧に基づいて、作動位置と緩和位置との間で移動するように構成され得る。別の態様では、複数のディスプレイ要素の各々は、第1の伝導性層および第2の伝導性層を電気的に接続する、少なくとも1つの伝導性ビアを含み得る。一態様では、少なくとも1つのディスプレイ要素は、第1の伝導性層および第2の伝導性層を電気的に接続する、2つ以上の伝導性ビアを含み得る。
一態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つのテザーエリア中に配設された伝導性ビアを含み得る。一態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つのエッジに沿って配設された伝導性ビアを含み得る。一態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、楕円形の断面積、長方形の断面積、および円形の断面積のうちの1つを有するように構成され得る。
本開示で説明する主題の別の発明的態様は、ライン中に配設された複数のディスプレイ要素を形成するステップを含む、装置を製造する方法において実施され得る。複数のディスプレイ要素の各々を形成するステップは、部分透過および部分反射性の光学スタックを形成するステップと、光学スタックの上に犠牲層を堆積させるステップと、犠牲層が除去されるとき、可動層が光学スタックのほうへ、および光学スタックから離れて可動であるように、犠牲層および光学スタックの上に可動層を形成するステップとを含む。可動層を形成するステップは、第1の伝導性層を形成するステップと、第1の伝導性層の上に非伝導性層を形成するステップと、非伝導性層の上に第2の伝導性層を形成するステップとを含む。各ディスプレイ要素の第1の伝導性層は、ディスプレイ要素のライン中で任意の隣接するディスプレイ要素の第1の伝導性層に電気的に接続され、各ディスプレイ要素の第2の伝導性層は、ディスプレイ要素のライン中で任意の隣接するディスプレイ要素の第2の伝導性層に電気的に接続される。この方法はまた、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間で、少なくとも1つのディスプレイ要素の可動層中に少なくとも1つの伝導性ビアを形成するステップをも含む。
一態様では、少なくとも1つの伝導性ビアを形成するステップは、ディスプレイ要素のうちの少なくとも1つの第1の伝導性層と、第1の伝導性層と反対の、少なくとも1つのディスプレイ要素の非伝導性層の表面との間で、少なくとも1つのディスプレイ要素の非伝導性層をエッチングするステップを含み得る。この態様では、少なくとも1つの伝導性ビアを形成するステップはまた、少なくとも1つのディスプレイ要素の非伝導性層の上に、第2の伝導性層を形成するステップをも含み得る。
この方法の一態様では、光学スタックは、第1の電極を含み得、第1の伝導性層および第2の伝導性層は、第2の電極の少なくとも一部分を形成し得、可動層は、第1および第2の電極の両端間に印加された電圧に基づいて、作動位置と緩和位置との間で移動するように構成され得る。一態様では、少なくとも1つの伝導性ビアを形成するステップは、複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つのテザーエリア中に配設された伝導性ビアを形成するステップを含み得る。一態様では、少なくとも1つの伝導性ビアを形成するステップは、複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つのエッジに沿って配設された伝導性ビアを形成するステップを含み得る。
本開示で説明する主題の別の発明的態様は、ライン中に配設された複数のディスプレイ要素を含む装置において実施され得る。各ディスプレイ要素は、光を部分的に透過させ、部分的に反射するための手段を含む。各ディスプレイ要素はまた、可動層と部分透過および部分反射手段との間にキャビティを画定するように、部分透過および部分反射手段の少なくとも一部分の上に配設された可動層をも含む。可動層は、少なくとも部分反射性であり、電気を伝導するための第1の手段と、電気を伝導するための第2の手段と、第1の伝導性手段と第2の伝導性手段との間に配設された非伝導性層とを含む。各ディスプレイ要素の第1の伝導性手段は、ディスプレイ要素のライン中で任意の隣接するディスプレイ要素の第1の伝導性手段に接続される。各ディスプレイ要素の第2の伝導性手段は、ディスプレイ要素のライン中で任意の隣接するディスプレイ要素の第2の伝導性手段に電気的に接続される。ディスプレイ要素のうちの少なくとも1つは、非伝導性層を通して第1の伝導性手段および第2の伝導性手段を電気的に接続するための少なくとも1つの手段を含む。
一態様では、第1の伝導性手段は、第1の伝導性層を含む。一態様では、第2の伝導性手段は、第2の伝導性層を含む。一態様では、電気的接続手段は、少なくとも1つの伝導性ビアを含む。
本開示で説明する主題の別の発明的態様は、複数の部分透過および部分反射性の光学スタックを含む装置において実施され得る。この装置はまた、複数の光学スタックの各々の上に延在し、光学スタックの各々と可動層との間で複数のディスプレイ要素を画定する、可動層をも含む。可動層の少なくとも一部分は、複数の光学スタックのうちの少なくとも1つおよび可動層の両端間に印加された電圧に基づいて、複数の光学スタックのうちの少なくとも1つのほうへ、および複数の光学スタックのうちの少なくとも1つから離れて可動である。可動層は、第1の伝導性層と、第2の伝導性層と、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に配設された非伝導性層と、非伝導性層を通して第1の伝導性層および第2の伝導性層を電気的に接続する少なくとも1つの伝導性ビアとを含む。
一態様では、可動層は、第1の伝導性層および第2の伝導性層を電気的に接続する、2つ以上の伝導性ビアを含み得る。一態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、複数のディスプレイ要素のうちの2つの間に配設された伝導性ビアを含み得る。一態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つの中央に配設された伝導性ビアを含み得る。一態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、楕円形の断面積、長方形の断面積、および円形の断面積のうちの1つを有するように構成され得る。一態様では、可動層は、2つの隣接するディスプレイ要素間に配設された1つのスロットを含み得る。一態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、少なくとも1つのスロット中に配設され得る。
本明細書で説明する主題の1つまたは複数の実施態様の詳細を、添付の図面および以下の説明において示す。本開示で提供する例は、主に、電気機械システム(EMS)およびマイクロ電気機械システム(MEMS)ベースのディスプレイに関して説明するが、本明細書で提供する概念は、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイ、および電界放出ディスプレイなど、他のタイプのディスプレイに適用され得る。他の特徴、態様、および利点は、明細書、図面、および特許請求の範囲から明らかとなろう。以下の図の相対寸法は一定の縮尺で描かれていないことがあることに留意されたい。
干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例である。 3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例である。 図1の干渉変調器についての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例である。 様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときの干渉変調器の様々な状態を示す表の一例である。 図2の3×3干渉変調器ディスプレイにおけるディスプレイデータのフレームを示す図の一例である。 図5Aに示すディスプレイデータのフレームを書き込むために使用され得るコモン信号およびセグメント信号についてのタイミング図の一例である。 図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面図の一例である。 干渉変調器の異なる実施態様の断面図の一例である。 干渉変調器の異なる実施態様の断面図の一例である。 干渉変調器の異なる実施態様の断面図の一例である。 干渉変調器の異なる実施態様の断面図の一例である。 干渉変調器のための製造プロセスを示す流れ図の一例である。 干渉変調器を製作する方法におけるある段階の断面概略図の一例である。 干渉変調器を製作する方法におけるある段階の断面概略図の一例である。 干渉変調器を製作する方法におけるある段階の断面概略図の一例である。 干渉変調器を製作する方法におけるある段階の断面概略図の一例である。 干渉変調器を製作する方法におけるある段階の断面概略図の一例である。 第1の伝導性層と第2の伝導性層とを有する可動層の電気回路図の一例である。 複数の伝導性ビアによって互いに電気的に接続される、第1の伝導性層と第2の伝導性層とを有する可動層の電気回路図の一例である。 可動層の端部間の第1の伝導性層中のブレークと、可動層の端部間の第2の伝導性層中のブレークとがある、図9Aの例示的な電気回路図である。 可動層の端部間の第1の伝導性層中のブレークと、可動層の端部間の第2の伝導性層中のブレークとがある、図9Bの例示的な電気回路図である。 可動層と複数の下にある電極とによって形成されたディスプレイ要素の中央に、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の伝導性ビアをそれぞれ有する、複数の可動層を有するEMSデバイスの一例の一部分の底面図である。 線10B−10Bに沿って取られた図10Aの例示的なEMSデバイスの断面図である。 装置を製造する例示的な方法を示す流れ図である。 図11Aの例示的な方法に従って図10Aおよび図10BのEMSデバイスを製造する例示的なプロセスの断面図である。 図11Aの例示的な方法に従って図10Aおよび図10BのEMSデバイスを製造する例示的なプロセスの断面図である。 図11Aの例示的な方法に従って図10Aおよび図10BのEMSデバイスを製造する例示的なプロセスの断面図である。 図11Aの例示的な方法に従って図10Aおよび図10BのEMSデバイスを製造する例示的なプロセスの断面図である。 可動層と複数の下にある電極とによって形成されたディスプレイ要素の対向するエッジに沿って、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の伝導性ビアをそれぞれ有する、複数の可動層を有するEMSデバイスの一例の一部分の底面図である。 可動層と複数の下にある電極とによって形成されたディスプレイ要素の4つのエッジに沿って、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の伝導性ビアをそれぞれ有する、複数の可動層を有するEMSデバイスの一例の一部分の底面図である。 可動層と複数の下にある電極とによって形成されたディスプレイ要素の対向するエッジに沿って、2つ1組で第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の伝導性ビアをそれぞれ有する、複数の可動層を有するEMSデバイスの一例の一部分の底面図である。 ディスプレイのブラックマスク構造の上で、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の円形の伝導性ビアをそれぞれ有する、複数の可動層を有するEMSデバイスの一例の一部分の底面図である。 ディスプレイのブラックマスク構造の上で、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の楕円形の伝導性ビアをそれぞれ有する、複数の可動層を有するEMSデバイスの一例の一部分の底面図である。 第1の伝導性層と第2の伝導性層との間の非伝導性層を通して延在する複数の伝導性ビアをそれぞれ有する、複数の可動層を有するEMSデバイスの一例の一部分の底面図である。 複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図の一例である。 複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図の一例である。
様々な図面中の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
以下の説明は、本開示の発明的態様について説明する目的で、いくつかの実施態様を対象とする。ただし、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用されてもよいことを、当業者は容易に認識されよう。説明する実施態様は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成され得る任意のデバイスまたはシステムにおいて実施され得る。より詳細には、説明する実施態様は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(すなわち、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(オドメータおよびスピードメータディスプレイなどを含む)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両における後部ビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダーまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメータ、(電気機械システム(EMS)、マイクロ電気機械システム(MEMS)および非MEMS適用例などにおける)パッケージング、審美構造物(たとえば、1つの宝飾品上の画像のディスプレイ)、ならびに様々なEMSデバイスなど、様々な電子デバイス中に含まれるかまたはそれらに関連付けられ得ると考えられる。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセスおよび電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示す実施態様に限定されるものではなく、代わりに、当業者に直ちに明らかになるであろう広い適用性を有する。
反射型ディスプレイデバイス、たとえば、干渉変調器デバイスは、1つまたは複数のディスプレイ要素またはサブピクセルをそれぞれ有し得る、1つまたは複数のピクセルを含み得る。各ディスプレイ要素は、本明細書では単に「光学スタック」と呼ぶことがある、光吸収層またはスタックに対して移動するように構成された可動層を含み得る。各ディスプレイ要素はまた、可動層と光学スタックとの間に配設された光共振キャビティをも含み得る。可動層、光学スタック、および光共振キャビティは、光学干渉の原理を使用して、その上に入射する光を選択的に吸収および/または反射するように構成され得る。可動層は、2つ以上の位置の間で移動され得、それによって光共振キャビティのサイズを変化させる。光共振キャビティのサイズを変化させることは、ディスプレイ要素の反射、および対応して、全体としての干渉変調器デバイスの反射に影響を及ぼし得る。
いくつかの実施態様では、可動層は、第1の伝導性層と、第2の伝導性層と、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に配設された非伝導性(または、スペーサ)層とを含む。第1の伝導性層は、光を反射するように構成され得、第2の伝導性層は、可動層上の機械的応力のバランスをとり、可動層に対称性を与えるように構成され得る。第1の伝導性層および第2の伝導性層は、典型的には、可動層の端部において互いに電気的に接続される(たとえば、短絡させられる)。非伝導性層は、所望の剛性を可動層に与えるように構成され得る。しかしながら、非伝導性層はまた、電気的に接続され得る可動層の端部間で、第1の伝導性層を第2の伝導性層から電気的に絶縁し得る。可動層の端部間での第1の伝導性層および第2の伝導性層の電気的分離は、信号が可動層に供給され、電荷が第1の伝導性層および第2の伝導性層上で増大するとき、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間で測定される実効キャパシタンスを生じ得る。
いくつかの実施態様では、可動層は、可動層と光学スタックとの間に電圧を印加するデータ信号を受信することによって、光学スタックのほうへ移動され得る。そのような実施態様では、可動層の実効抵抗および実効キャパシタンスは、データ信号が可動層に供給されるとき、可動層の応答性に影響を及ぼし得る。たとえば、より高い実効抵抗および実効キャパシタンスをもつ可動層は、より低い実効抵抗および実効キャパシタンスを有する可動層よりも、高いRC遅延を有し得る。
本明細書で開示するいくつかの実施態様では、干渉変調器デバイス中の可動層は、可動層の端部間の非伝導性層を通して、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する、1つまたは複数の伝導性ビアを含み得る。このようにして、そのような可動層は、第1の伝導性層および第2の伝導性層を電気的に接続する、非伝導性層を通して延在する伝導性ビアを含まない同様の可動層と比較して、減少した実効抵抗および実効キャパシタンスを有することができる。
本開示で説明する主題の特定の実施態様は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実施され得る。たとえば、第1の伝導性層および第2の伝導性層を電気的に接続するように非伝導性層を通して延在する、1つまたは複数の伝導性ビアを有する可動層は、そのような伝導性ビアを含まない他の可動層よりも低い実効抵抗および実効キャパシタンスを有することができる。第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する、1つまたは複数の伝導性ビアを有する可動層が、干渉変調器デバイスなどのEMSデバイスに組み込まれるとき、そのデバイスは、他のEMSデバイス、たとえば、干渉変調器デバイスよりも応答することができる。すなわち、そのような可動層を通して送信された信号は、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間の非伝導性層を通して延在する伝導性ビアを含まない可動層よりも、低いRC遅延を経験し得る。応答性の高まり、または対応するRC遅延の減少によって、干渉変調器デバイスのフレームレートを向上させることができる。さらに、可動層の実効抵抗および実効キャパシタンスの減少によって、干渉変調器デバイスの構成要素間のクロストークを減少させることができる。クロストークは、望ましくないように、可動層の誤った開放および/または誤作動につながり得るので、クロストークを減少させることによって、可動層を作動および/または開放させるために利用され得る使用可能な電圧ウィンドウを増すことができる。その上、第1の伝導性層および第2の伝導性層を電気的に接続するように非伝導性層を通して延在する伝導性ビアは、干渉変調器デバイスがタッチデバイスに組み込まれるとき、可動層を通して電気経路を維持するように働くことができる。そのようなデバイスでは、ハードタッチが、第1の伝導性層および/または第2の伝導性層の一部分をブレークし得る。第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する伝導性ビアは、可動層のブレークポイントの両端間で電気経路を保持することができる。
説明する実施態様が適用され得る好適なEMSまたはMEMSデバイスの一例は、反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために干渉変調器(IMOD)を組み込むことができる。IMODは、吸収体、吸収体に対して可動である反射体、ならびに吸収体と反射体との間に画定された光共振キャビティを含むことができる。反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それにより干渉変調器の反射率に影響を及ぼすことがある。IMODの反射スペクトルは、かなり広いスペクトルバンドをもたらすことができ、そのスペクトルバンドは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得る。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚さを変更することによって、すなわち、反射体の位置を変更することによって調節され得る。
図1は、IMODディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示す。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉MEMSディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、MEMSディスプレイ要素のピクセルが、明状態または暗状態のいずれかにあることがある。明(「緩和」、「開」または「オン」)状態では、ディスプレイ要素は、たとえば、ユーザに、入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。いくつかの実施態様では、オン状態の光反射特性とオフ状態の光反射特性は逆にされ得る。MEMSピクセルは、黒および白に加えて、主に、カラーディスプレイを可能にする特定の波長において、反射するように構成され得る。
IMODディスプレイデバイスは、IMODの行/列アレイを含むことができる。各IMODは、(光ギャップまたはキャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な距離をおいて配置された反射層のペア、すなわち、可動反射層と固定部分反射層とを含むことができる。可動反射層は、少なくとも2つの位置の間で移動され得る。第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きい距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それら2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合うようにまたは弱め合うように干渉し、各ピクセルについて全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実施態様では、IMODは、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、作動しているときに暗状態にあり、可視範囲外の光(たとえば、赤外光)を反射し得る。ただし、いくつかの他の実施態様では、IMODは、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実施態様では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。いくつかの他の実施態様では、印加電荷が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。
図1中のピクセルアレイの図示の部分は、2つの隣接する干渉変調器12を含む。(図示のような)左側のIMOD12では、可動反射層14が、部分反射層を含む光学スタック16からの所定の距離における緩和位置に示されている。左側のIMOD12の両端間に印加された電圧Vは、可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。右側のIMOD12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、またはそれに隣接する作動位置に示されている。右側のIMOD12の両端間に印加された電圧Vbiasは、可動反射層14を作動位置に維持するのに十分である。
図1では、ピクセル12の反射特性が、概して、ピクセル12に入射する光13と、左側のピクセル12から反射する光15とを示す矢印を用いて示されている。詳細に示していないが、ピクセル12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過され、光学スタック16に向かうことになることを、当業者なら理解されよう。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過されることになり、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過された光13の部分は、可動反射層14において反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻ることになる。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うまたは弱め合う)干渉が、ピクセル12から反射される光15の波長を決定することになる。
光学スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を堆積させることによって、作製され得る。電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、様々な金属、たとえば、クロム(Cr)、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、光吸収体と導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の厚みを含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはIMODの他の構造の)異なる、より伝導性の高い層または部分が、IMODピクセル間で信号を運ぶように働くことができる。光学スタック16は、1つまたは複数の伝導性層または伝導性/吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
いくつかの実施態様では、光学スタック16の層は、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング」という用語は、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用される。いくつかの実施態様では、アルミニウム(Al)などの高伝導性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の一連の平行ストリップとして形成されて、ポスト18の上に堆積された列とポスト18間に堆積された介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光キャビティが可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実施態様では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
いくつかの実施態様では、IMODの各ピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタである。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図1中の左側のピクセル12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間のギャップ19がある。しかしながら、電位差、たとえば、電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するピクセルにおける行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学スタック16の近くにまたはそれに対して移動することができる。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図1中の右側の作動ピクセル12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じである。いくつかの事例ではアレイ中の一連のピクセルが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配設される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
図2は、3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例を示す。電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえば、ディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図2には、図1に示したIMODディスプレイデバイスの断面が線1−1によって示されている。図2は明快のためにIMODの3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODを含んでいることがあり、列におけるIMODの数とは異なる数のIMODを行において有し得、その逆も同様である。
図3は、図1の干渉変調器についての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例を示す。MEMS干渉変調器の場合、行/列(すなわち、コモン/セグメント)書込みプロシージャが、図3に示すこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用し得る。干渉変調器は、可動反射層またはミラーに緩和状態から作動状態に変更させるために、たとえば、約10ボルトの電位差を必要とし得る。電圧がその値から低減されると、電圧が低下して、たとえば、10ボルトより下に戻ったとき、可動反射層はそれの状態を維持するが、電圧が2ボルトより下に低下するまで、可動反射層は完全には緩和しない。したがって、図3に示すように、印加電圧のウィンドウがある電圧の範囲、約3〜7ボルトが存在し、そのウィンドウ内でデバイスは緩和状態または作動状態のいずれかで安定している。これは、本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込みプロシージャは、一度に1つまたは複数の行をアドレス指定するように設計され得、その結果、所与の行のアドレス指定中に、作動されるべきアドレス指定された行におけるピクセルは、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるべきピクセルは、ほぼ0ボルトの電圧差にさらされる。アドレス指定後に、それらのピクセルは、それらが前のストローブ状態にとどまるような、約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差にさらされる。この例では、アドレス指定された後に、各ピクセルは、約3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を経験する。このヒステリシス特性の特徴は、たとえば、図1に示した、ピクセル設計が、同じ印加電圧条件下で作動または緩和のいずれかの既存の状態で安定したままであることを可能にする。各IMODピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタであるので、この安定状態は、電力を実質的に消費するかまたは失うことなしに、ヒステリシスウィンドウ内の定常電圧において保持され得る。その上、印加電圧電位が実質的に固定のままである場合、電流は本質的にほとんどまたはまったくIMODピクセルに流れ込まない。
いくつかの実施態様では、所与の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に従って、列電極のセットに沿って「セグメント」電圧の形態のデータ信号を印加することによって、画像のフレームが作成され得る。次に、フレームが一度に1行書き込まれるように、アレイの各行がアドレス指定され得る。第1の行におけるピクセルに所望のデータを書き込むために、第1の行におけるピクセルの所望の状態に対応するセグメント電圧が列電極上に印加され得、特定の「コモン」電圧または信号の形態の第1の行パルスが第1の行電極に印加され得る。次いで、セグメント電圧のセットは、第2の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に対応するように変更され得、第2のコモン電圧が第2の行電極に印加され得る。いくつかの実施態様では、第1の行におけるピクセルは、列電極に沿って印加されたセグメント電圧の変化による影響を受けず、第1のコモン電圧行パルス中にそれらのピクセルが設定された状態にとどまる。このプロセスは、画像フレームを生成するために、一連の行全体、または代替的に、一連の列全体について、連続方式で繰り返され得る。フレームは、何らかの所望の数のフレーム毎秒でこのプロセスを断続的に反復することによって、新しい画像データでリフレッシュおよび/または更新され得る。
各ピクセルの両端間に印加されるセグメント信号とコモン信号の組合せ(すなわち、各ピクセルの両端間の電位差)は、各ピクセルの得られる状態を決定する。図4は、様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときの干渉変調器の様々な状態を示す表の一例を示している。当業者によって容易に理解されるように、「セグメント」電圧は、列電極または行電極のいずれかに印加され得、「コモン」電圧は、列電極または行電極のうちの他方に印加され得る。
図4に(ならびに図5Bに示すタイミング図に)示すように、開放電圧(release voltage)VCRELがコモンラインに沿って印加されたとき、コモンラインに沿ったすべての干渉変調器要素は、セグメントラインに沿って印加された電圧、すなわち、高いセグメント電圧VSおよび低いセグメント電圧VSにかかわらず、代替的に開放または非作動状態と呼ばれる、緩和状態に入れられることになる。特に、開放電圧VCRELがコモンラインに沿って印加されると、そのピクセルのための対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSが印加されたときも、低いセグメント電圧VSが印加されたときも、変調器の両端間の潜在的な電圧(代替的にピクセル電圧と呼ばれる)は緩和ウィンドウ(図3参照。開放ウィンドウとも呼ばれる)内にある。
高い保持電圧VCHOLD_Hまたは低い保持電圧VCHOLD_Lなどの保持電圧がコモンライン上に印加されたとき、干渉変調器の状態は一定のままであることになる。たとえば、緩和IMODは緩和位置にとどまることになり、作動IMODは作動位置にとどまることになる。保持電圧は、対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSが印加されたときも、低いセグメント電圧VSが印加されたときも、ピクセル電圧が安定性ウィンドウ内にとどまることになるように、選択され得る。したがって、セグメント電圧スイング(voltage swing)、すなわち、高いVSと低いセグメント電圧VSとの間の差は、正または負のいずれかの安定性ウィンドウの幅よりも小さい。
高いアドレス指定電圧VCADD_Hまたは低いアドレス指定電圧VCADD_Lなどのアドレス指定または作動電圧がコモンライン上に印加されたとき、それぞれのセグメントラインに沿ったセグメント電圧の印加によって、データがそのコモンラインに沿った変調器に選択的に書き込まれ得る。セグメント電圧は、作動が印加されたセグメント電圧に依存するように選択され得る。アドレス指定電圧がコモンラインに沿って印加されたとき、一方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウ内のピクセル電圧をもたらし、ピクセルが非作動のままであることを引き起こすことになる。対照的に、他方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウを越えるピクセル電圧をもたらし、ピクセルの作動をもたらすことになる。作動を引き起こす特定のセグメント電圧は、どのアドレス指定電圧が使用されるかに応じて変動することができる。いくつかの実施態様では、高いアドレス指定電圧VCADD_Hがコモンラインに沿って印加されたとき、高いセグメント電圧VSの印加は、変調器がそれの現在位置にとどまることを引き起こすことがあり、低いセグメント電圧VSの印加は、変調器の作動を引き起こすことがある。当然の結果として、低いアドレス指定電圧VCADD_Lが印加されたとき、セグメント電圧の影響は反対であり、高いセグメント電圧VSは変調器の作動を引き起こし、低いセグメント電圧VSは変調器の状態に影響しない(すなわち、安定したままである)ことがある。
いくつかの実施態様では、常に変調器の両端間で同じ極性電位差を引き起こす保持電圧、アドレス電圧、およびセグメント電圧が使用され得る。いくつかの他の実施態様では、変調器の電位差の極性を交番する信号が使用され得る。変調器の両端間の極性の交番(すなわち、書込みプロシージャの極性の交番)は、単一の極性の反復書込み動作後に起こることがある電荷蓄積を低減または抑止し得る。
図5Aは、図2の3×3干渉変調器ディスプレイにおけるディスプレイデータのフレームを示す図の一例を示す。図5Bは、図5Aに示すディスプレイデータのフレームを書き込むために使用され得るコモン信号およびセグメント信号についてのタイミング図の一例を示す。それらの信号は、たとえば、図2の3×3アレイに印加され得、これは、図5Aに示すライン時間60eディスプレイ配置を最終的にもたらすことになる。図5A中の作動変調器は暗状態にあり、すなわち、その状態では、反射光の実質的部分が、たとえば、閲覧者に、暗いアピアランスをもたらすように可視スペクトルの外にある。図5Aに示すフレームを書き込むより前に、ピクセルは任意の状態にあることがあるが、図5Bのタイミング図に示す書込みプロシージャは、各変調器が、第1のライン時間60aの前に、開放されており、非作動状態に属すると仮定する。
第1のライン時間60a中に、開放電圧70がコモンライン1上に印加され、コモンライン2上に印加される電圧が、高い保持電圧72において始まり、開放電圧70に移動し、低い保持電圧76がコモンライン3に沿って印加される。したがって、コモンライン1に沿った変調器(コモン1,セグメント1)、(1,2)および(1,3)は、第1のライン時間60aの持続時間の間、緩和または非作動状態にとどまり、コモンライン2に沿った変調器(2,1)、(2,2)および(2,3)は、緩和状態に移動することになり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、それらの前の状態にとどまることになる。図4を参照すると、コモンライン1、2または3のいずれも、ライン時間60a中に作動を引き起こす電圧レベルにさらされていないので(すなわち、VCREL−緩和、およびVCHOLD_L−安定)、セグメントライン1、2および3に沿って印加されたセグメント電圧は、干渉変調器の状態に影響しないことになる。
第2のライン時間60b中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72に移動し、コモンライン1に沿ったすべての変調器は、アドレス指定または作動電圧がコモンライン1上に印加されなかったので、印加されたセグメント電圧にかかわらず、緩和状態にとどまる。コモンライン2に沿った変調器は、開放電圧70の印加により、緩和状態にとどまり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、コモンライン3に沿った電圧が開放電圧70に移動するとき、緩和することになる。
第3のライン時間60c中に、コモンライン1は、コモンライン1上に高いアドレス電圧74を印加することによってアドレス指定される。このアドレス電圧の印加中に低いセグメント電圧64がセグメントライン1および2に沿って印加されるので、変調器(1,1)および(1,2)の両端間のピクセル電圧は変調器の正の安定性ウィンドウの上端よりも大きく(すなわち、電圧差は、あらかじめ定義されたしきい値を超えた)、変調器(1,1)および(1,2)は作動される。逆に、高いセグメント電圧62がセグメントライン3に沿って印加されるので、変調器(1,3)の両端間のピクセル電圧は、変調器(1,1)および(1,2)のピクセル電圧よりも小さく、変調器の正の安定性ウィンドウ内にとどまり、したがって変調器(1,3)は緩和したままである。また、ライン時間60c中に、コモンライン2に沿った電圧は低い保持電圧76に減少し、コモンライン3に沿った電圧は開放電圧70にとどまり、コモンライン2および3に沿った変調器を緩和位置のままにする。
第4のライン時間60d中に、コモンライン1上の電圧は、高い保持電圧72に戻り、コモンライン1に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン2上の電圧は低いアドレス電圧78に減少される。高いセグメント電圧62がセグメントライン2に沿って印加されるので、変調器(2,2)の両端間のピクセル電圧は、変調器の負の安定性ウィンドウの下側端部(lower end)を下回り、変調器(2,2)が作動することを引き起こす。逆に、低いセグメント電圧64がセグメントライン1および3に沿って印加されるので、変調器(2,1)および(2,3)は緩和位置にとどまる。コモンライン3上の電圧は、高い保持電圧72に増加し、コモンライン3に沿った変調器を緩和状態のままにする。
最後に、第5のライン時間60e中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72にとどまり、コモンライン2上の電圧は低い保持電圧76にとどまり、コモンライン1および2に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン3上の電圧は、コモンライン3に沿った変調器をアドレス指定するために、高いアドレス電圧74に増加する。低いセグメント電圧64がセグメントライン2および3上に印加されるので、変調器(3,2)および(3,3)は作動するが、セグメントライン1に沿って印加された高いセグメント電圧62は、変調器(3,1)が緩和位置にとどまることを引き起こす。したがって、第5のライン時間60eの終わりに、3×3ピクセルアレイは、図5Aに示す状態にあり、他のコモンライン(図示せず)に沿った変調器がアドレス指定されているときに起こり得るセグメント電圧の変動にかかわらず、保持電圧がコモンラインに沿って印加される限り、その状態にとどまることになる。
図5Bのタイミング図では、所与の書込みプロシージャ(すなわち、ライン時間60a〜60e)は、高い保持およびアドレス電圧、または低い保持およびアドレス電圧のいずれかの使用を含むことができる。書込みプロシージャが所与のコモンラインについて完了されると(また、コモン電圧が、作動電圧と同じ極性を有する保持電圧に設定されると)、ピクセル電圧は、所与の安定性ウィンドウ内にとどまり、開放電圧がそのコモンライン上に印加されるまで、緩和ウィンドウを通過しない。さらに、各変調器が、変調器をアドレス指定するより前に書込みプロシージャの一部として開放されるので、開放時間ではなく変調器の作動時間が、必要なライン時間を決定し得る。詳細には、変調器の開放時間が作動時間よりも大きい実施態様では、開放電圧は、図5Bに示すように、単一のライン時間よりも長く印加され得る。いくつかの他の実施態様では、コモンラインまたはセグメントラインに沿って印加される電圧が、異なる色の変調器など、異なる変調器の作動電圧および開放電圧の変動を相殺するように変動し得る。
上記に記載した原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は大きく異なり得る。たとえば、図6A〜図6Eは、可動反射層14とそれの支持構造とを含む、干渉変調器の異なる実施態様の断面図の例を示している。図6Aは、金属材料のストリップ、すなわち、可動反射層14が、基板20から直角に延在する支持体18上に堆積される、図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面図の一例を示している。図6Bでは、各IMODの可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、コーナーにおいてまたはその近くでテザー32に接して支持体に取り付けられる。図6Cでは、可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、フレキシブルな金属を含み得る変形可能層34から吊るされる。変形可能層34は、可動反射層14の外周の周りで基板20に直接または間接的に接続することがある。これらの接続は、本明細書では支持ポストと呼ばれる。図6Cに示す実施態様は、変形可能層34によって行われる可動反射層14の機械的機能からのそれの光学的機能の分離から派生する追加の利益を有する。この分離は、反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料とが、互いとは無関係に最適化されることを可能にする。
図6Dは、可動反射層14が反射副層(reflective sub−layer)14aを含む、IMODの別の例を示している。可動反射層14は、支持ポスト18などの支持構造上に載る。支持ポスト18は、たとえば、可動反射層14が緩和位置にあるとき、可動反射層14と光学スタック16との間にギャップ19が形成されるように、下側静止電極(すなわち、図示のIMODにおける光学スタック16の一部)からの可動反射層14の分離を可能にする。可動反射層14は、電極として働くように構成され得る伝導性層14cと、支持層14bとをも含むことができる。この例では、伝導性層14cは、基板20から遠位にある支持層14bの一方の面に配設され、反射副層14aは、基板20の近位にある支持層14bの他方の面に配設される。いくつかの実施態様では、反射副層14aは、伝導性であることがあり、支持層14bと光学スタック16との間に配設され得る。支持層14bは、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)または二酸化ケイ素(SiO)の、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実施態様では、支持層14bは、たとえば、SiO/SiON/SiO3層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。反射副層14aと伝導性層14cのいずれかまたは両方は、たとえば、約0.5%の銅(Cu)または別の反射金属材料を用いた、アルミニウム(Al)合金を含むことができる。誘電支持層14bの上および下で伝導性層14a、14cを採用することは、応力のバランスをとり、伝導の向上を与えることができる。いくつかの実施態様では、反射副層14aおよび伝導性層14cは、可動反射層14内の特定の応力プロファイルを達成することなど、様々な設計目的で、異なる材料から形成され得る。
図6Dに示すように、いくつかの実施態様はブラックマスク構造23をも含むことができる。ブラックマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために、光学不活性領域において(たとえば、ピクセル間にまたはポスト18の下に)形成され得る。ブラックマスク構造23はまた、光がディスプレイの不活性部分から反射されることまたはそれを透過されることを抑止し、それによりコントラスト比を上げることによって、ディスプレイデバイスの光学的特性を改善することができる。さらに、ブラックマスク構造23は、伝導性であり、電気的バス層として機能するように構成され得る。いくつかの実施態様では、行電極は、接続された行電極の抵抗を低減するために、ブラックマスク構造23に接続され得る。ブラックマスク構造23は、堆積およびパターニング技法を含む様々な方法を使用して形成され得る。ブラックマスク構造23は1つまたは複数の層を含むことができる。たとえば、いくつかの実施態様では、ブラックマスク構造23は、それぞれ、約30〜80Å、500〜1000Å、および500〜6000Åの範囲内の厚さをもつ、光吸収体として働くモリブデンクロム(MoCr)層と、反射体として働くアルミニウム合金層と、バス層とを含む。1つまたは複数の層は、たとえば、MoCr層およびSiO層の場合は、カーボンテトラフルオロメタン(CF)および/または酸素(O)、ならびにアルミニウム合金層の場合は、塩素(Cl)および/または三塩化ホウ素(BCl)を含む、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを含む、様々な技法を使用してパターニングされ得る。いくつかの実施態様では、ブラックマスク23はエタロンまたは干渉スタック構造であり得る。そのような干渉スタックブラックマスク構造23では、伝導性吸収体は、各行または列の光学スタック16における下側静止電極間で信号を送信するかまたは信号をバスで運ぶために使用され得る。いくつかの実施態様では、スペーサ層35が、ブラックマスク23中の伝導性層から吸収層16aを概して電気的に絶縁するのに、役立つことができる。
図6Eは、可動反射層14が自立している、IMODの別の例を示している。図6Dとは対照的に、図6Eの実施態様は支持ポスト18を含まない。代わりに、可動反射層14は、複数のロケーションにおいて、下にある光学スタック16に接触し、可動反射層14の湾曲は、干渉変調器の両端間の電圧が作動を引き起こすには不十分であるとき、可動反射層14が図6Eの非作動位置に戻るという、十分な支持を与える。複数のいくつかの異なる層を含んでいることがある光学スタック16は、ここでは明快のために、光吸収体16aと誘電体16bとを含む状態で示されている。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは、固定電極としても、部分反射層としても働き得る。
図6A〜図6Eに示す実施態様などの実施態様では、IMODは直視型デバイスとして機能し、直視型デバイスでは、画像が、透明基板20の正面、すなわち、変調器が配置された面の反対の面から、閲覧される。これらの実施態様では、デバイスの背面部分(すなわち、たとえば、図6Cに示す変形可能層34を含む、可動反射層14の背後のディスプレイデバイスの任意の部分)は、反射層14がデバイスのそれらの部分を光学的に遮蔽するので、ディスプレイデバイスの画質に影響を及ぼすことまたは悪影響を及ぼすことなしに、構成され、作用され得る。たとえば、いくつかの実施態様では、バス構造(図示せず)が可動反射層14の背後に含まれ得、これは、電圧アドレス指定およびそのようなアドレス指定に起因する移動など、変調器の電気機械的特性から変調器の光学的特性を分離する能力を与える。さらに、図6A〜図6Eの実施態様は、パターニングなどの処理を簡略化することができる。
図7は、干渉変調器のための製造プロセス80を示す流れ図の一例を示しており、図8A〜図8Eは、そのような製造プロセス80の対応する段階の断面概略図の例を示している。いくつかの実施態様では、製造プロセス80は、図7に示されていない他のブロックに加えて、たとえば、図1および図6に示す一般的なタイプの干渉変調器を製造するために実施され得る。図1、図6および図7を参照すると、プロセス80はブロック82において開始し、基板20上への光学スタック16の形成を伴う。図8Aは、基板20上で形成されたそのような光学スタック16を示している。基板20は、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得、それは、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学スタック16の効率的な形成を可能にするために、事前準備プロセス、たとえば、洗浄にかけられていることがある。上記で説明したように、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。図8Aでは、光学スタック16は、副層16aおよび16bを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実施態様では、より多いまたはより少ない副層が含まれ得る。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と伝導特性の両方で構成され得る。さらに、副層16a、16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチングプロセスまたは別の好適なプロセスによって実行され得る。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの1つは、1つまたは複数の金属層(たとえば、1つまたは複数の反射層および/または伝導性層)上に堆積された副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学スタック16は、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
プロセス80はブロック84において続き、光学スタック16上への犠牲層25の形成を伴う。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で(たとえば、ブロック90において)除去され、したがって、犠牲層25は、図1に示した得られた干渉変調器12には示されていない。図8Bは、光学スタック16上で形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示している。光学スタック16上での犠牲層25の形成は、後続の除去後に、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(図1および図8Eも参照)を与えるように選択された厚さの、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(a−Si)など、二フッ化キセノン(XeF)エッチング可能材料の堆積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理堆積(PVD、たとえば、スパッタリング)、プラズマ強化化学堆積(PECVD)、熱化学堆積(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
プロセス80はブロック86において続き、支持構造、たとえば、図1、図6および図8Cに示すポスト18の形成を伴う。ポスト18の形成は、支持構造開口を形成するために犠牲層25をパターニングし、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、ポスト18を形成するために開口中に材料(たとえば、ポリマーまたは無機材料、たとえば、酸化ケイ素)を堆積させることを含み得る。いくつかの実施態様では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、ポスト18の下側端部が図6Aに示すように基板20に接触するように、犠牲層25と光学スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することがある。代替的に、図8Cに示すように、犠牲層25中に形成された開口は、犠牲層25は通るが、光学スタック16は通らないで、延在することがある。たとえば、図8Eは、光学スタック16の上側表面(upper surface)と接触している支持ポスト18の下側端部を示している。ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25上に支持構造材料の層を堆積させること、および犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分をパターニングすることによって形成され得る。支持構造は、図8Cに示すように開口内に配置され得るが、少なくとも部分的に、犠牲層25の一部分の上で延在することもある。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、パターニングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替エッチング方法によっても実行され得る。
プロセス80はブロック88において続き、図1、図6および図8Dに示す可動反射層14などの可動反射層または膜の形成を伴う。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキング、および/またはエッチングステップとともに、1つまたは複数の堆積ステップ、たとえば、反射層(たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金)堆積を採用することによって、形成され得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層(electrically conductive layer)と呼ばれることがある。いくつかの実施態様では、可動反射層14は、図8Dに示すように複数の副層14a、14b、14cを含み得る。いくつかの実施態様では、副層14a、14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製された干渉変調器中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODは、本明細書では「非開放」IMODと呼ばれることもある。図1に関して上記で説明したように、可動反射層14は、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
プロセス80はブロック90において続き、キャビティ、たとえば、図1、図6および図8Eに示すキャビティ19の形成を伴う。キャビティ19は、(ブロック84において堆積された)犠牲材料25をエッチャントにさらすことによって形成され得る。たとえば、MoまたはアモルファスSiなどのエッチング可能犠牲材料が、ドライ化学エッチングによって、たとえば、一般に、キャビティ19を囲む構造に対して選択的に除去される、所望の量の材料を除去するのに有効である期間の間、固体XeFから派生した蒸気などの気体または蒸気エッチャントに犠牲層25をさらすことによって、除去され得る。他のエッチング方法、たとえば、ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングも使用され得る。犠牲層25がブロック90中に除去されるので、可動反射層14は、一般に、この段階後に可動となる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODは、本明細書では「開放」IMODと呼ばれることがある。
上記で説明したように、IMODデバイスのいくつかの実施態様では、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間の非伝導性層を通して延在する、1つまたは複数の伝導性ビアを有する可動層を組み込むことが有利であり得る。このようにして、第1の伝導性層および第2の伝導性層は、可動層の端部間で互いに電気的に接続または短絡され得る。したがって、そのような可動層は、非伝導性層を通して延在するいかなる伝導性ビアをも含まない他の可動層よりも少ない、実効抵抗、実効キャパシタンス、および全体的なインピーダンスを有することができる。さらに、以下で説明するような1つまたは複数の伝導性ビアを組み込んだ可動層は、ブレークが第1の伝導性層および/または第2の伝導性層中に形成された後でも、可動層を通して電気経路を保持することができる。
図9Aは、第1の伝導性層914aと第2の伝導性層914cとを有する可動層901の電気回路図の一例を示す。可動層901、および本明細書で説明する可動層の他の実施態様は、たとえば、干渉変調器を含む双安定またはアナログEMSデバイスの一部であり得る。第1の伝導性層914aは、端部接続部911によって、可動層901の端部903および905において第2の伝導性層914cに電気的に接続され得る。可動層901は、可動層901と光学スタックとを含むディスプレイ要素912を形成するように、干渉変調器デバイス中で1つまたは複数の光学スタック(図示せず)から離間し得る。たとえば、可動層901は、1つまたは複数の光学スタックの下に配設され、1つまたは複数の光学スタックに対して移動するように構成され得る。図示のように、ディスプレイ要素912に対応する第1の伝導性層914aの一部分は、可動層901の端部903と端部905との間で直列に互いに接続される実効抵抗器(effective resistor)924aを形成し得る。同様に、ディスプレイ要素912に対応する第2の伝導性層914cの一部分は、可動層901の端部903と端部905との間で直列に互いに接続される実効抵抗器924cを形成し得る。加えて、第1の伝導性層914aと第2の伝導性層914cとの間に延在する端部接続部911は、第1の伝導性層914aと第2の伝導性層914cとの間に実効抵抗器921をそれぞれ形成し得る。
さらに図9Aを参照すると、可動層901はまた、端部接続部911の中間に、第1の伝導性層914aと第2の伝導性層914cとの間に配設された非伝導性層914bをも含む。端部接続部911は、第1の伝導性層914aおよび第2の伝導性層914cを電気的に接続することが可能な任意の伝導性材料を含み得る。この実施態様では、実効キャパシタ(effective capacitor)924bが、ディスプレイ要素912の中間で第1の伝導性層914aと第2の伝導性層914cとの間に形成されるように、非伝導性層914bは、端部接続部911間に連続的に延在する。可動層901のこれらの実効キャパシタ924b、ならびに実効抵抗器924a、924c、および921は、可動層901の全体的なインピーダンスに影響を及ぼし得る。すなわち、可動層901のキャパシタ924b、ならびに実効抵抗器924a、924c、および921は、列ドライバ回路からなど、可動層901を通過する電流または信号に対する抵抗(opposition)に影響を及ぼし得る。
図9Bは、複数の伝導性ビア977によって互いに電気的に接続される、第1の伝導性層964aと第2の伝導性層964cとを有する可動層951の電気回路図の一例を示す。第1の伝導性層964aもまた、端部接続部961によって、可動層951の端部953および955において第2の伝導性層964cに電気的に接続される。可動層951は、可動層951と光学スタックとの間でディスプレイ要素962を形成するように、干渉変調器デバイス中で1つまたは複数の光学スタック(図示せず)から離間し得る。たとえば、可動層951は、1つまたは複数の光学スタックの下に配設され、1つまたは複数の光学スタックに対して移動するように構成され得る。図示のように、ディスプレイ要素962に対応する第1の伝導性層964aの一部分は、可動層951の端部953と端部955との間で直列に互いに接続される実効抵抗器974aを形成し得る。同様に、ディスプレイ要素962に対応する第2の伝導性層964cの一部分は、可動層951の端部953と端部955との間で直列に互いに接続される実効抵抗器974cを形成し得る。加えて、第1の伝導性層964aと第2の伝導性層964cとの間に延在する端部接続部961は、実効抵抗器971をそれぞれ形成し得る。
さらに図9Bを参照すると、可動層951はまた、端部接続部961の中間に、第1の伝導性層964aと第2の伝導性層964cとの間に配設された非伝導性層964bをも含む。この実施態様では、可動層951は、非伝導性層964bを通して、第1の伝導性層964aおよび第2の伝導性層964cを電気的に接続する、伝導性ビア977を含む。このようにして、1つまたは複数の実効抵抗器979が、可動層951のディスプレイ要素962間の伝導性ビア977によって形成される。伝導性ビア977の実効抵抗器979、および実効抵抗器971は、第1の伝導性層964aと第2の伝導性層964cとの間で並列に接続されるので、可動層951は、非伝導性層914bを通して延在するいかなる伝導性ビアをも含まない図9Aの可動層901よりも、低い全体的な実効抵抗およびインピーダンスを有する。
いくつかの実施態様では、IMODデバイスなどのEMSデバイスは、ユーザ、または、ペンもしくはスタイラスなどの器具による、物理的接触またはタッチにさらされ得る。たとえば、EMSデバイスは、タッチ入力面またはインターフェースを含む装置において実施され得る。そのような実施態様では、EMSデバイスの可動層は、タッチまたは接触により起こる影響力の強い力を受けることがあり、影響力の強い力は、可動層の1つまたは複数の層をブレークまたは分離させることがある。
図9Cは、可動層901の端部903と端部905との間の第1の伝導性層914a中のブレーク930aと、可動層901の端部903と端部905との間の第2の伝導性層914c中のブレーク930cとがある、図9Aの例示的な電気回路図を示す。図9Aおよび図9Cにおける可動層901は、第1の伝導性層914aと第2の伝導性層914cとの間に延在する1つまたは複数の伝導性ビアを含まないので、ブレーク930aおよび930cは、可動層901の左側および右側を互いから電気的に分離する。したがって、ドライバからなど、可動層901に供給される信号は、一方の端部903から他方の端部905へと、可動層901を通過することができない。すなわち、ブレーク930aおよび930cは、可動層901の「ラインアウト」を生じ得る。
図9Dは、可動層951の端部953と端部955との間の第1の伝導性層964a中のブレーク980aと、可動層951の端部953と端部955との間の第2の伝導性層964c中のブレーク980cとがある、図9Bの例示的な電気回路図を示す。図9Aの可動層901とは対照的に、図9Bおよび図9Dの可動層951は、第1の伝導性層964aと第2の伝導性層964cとの間に延在する伝導性ビア977を含むので、可動層951は、ブレーク980がある場合でも、可動層951の端部953と端部955との間で電気経路を与える。すなわち、可動層951がブレーク980を含むにもかかわらず、ドライバからなど、可動層951に供給される信号は、第1の伝導性層964aおよび第2の伝導性層964cの一方から、伝導性ビア977を通して、第1の伝導性層964aおよび第2の伝導性層964cの他方へ通過することによって、一方の端部953から他方の端部955へと、可動層951を通過することができる。
図10Aは、可動層1004a、1004b、および1004cと複数の下にある電極1002とによって形成されたディスプレイ要素1006a、1006b、および1006cの中央に、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の伝導性ビア1025をそれぞれ有する、複数の可動層1004を有するEMSデバイス1000の一例の一部分の底面図を示す。本明細書で使用するとき、EMSデバイスの底面図は、入射光を受信するデバイスの側面と反対であるデバイスの図(たとえば、図1に示す基板20と反対である側面)を指す。図示のように、電極1002は、(図10Aにおいて水平方向に図示される)行に配設され、可動層1004a、1004b、および1004cは、電極1002に対して直角に延在する(図10Aにおいて垂直方向に図示される)列に配設される。電極1002および可動層1004a、1004b、および1004cの重なる部分は、9個のディスプレイ要素1006(ディスプレイ要素1006a、1006b、および1006cを3個ずつ含む)を画定する。支持体1008は、各ディスプレイ要素1006のコーナー領域に配設され、電極1002に対して可動層1004のエッジ部分を支持するように構成される。
いくつかの実施態様では、電極1002は、光学スタックの電気伝導性部分であり得る。したがって、この説明および以下の説明における電極1002への言及は、光学スタック、たとえば、図6A〜図6Eに示す光学スタック16の電気伝導性層への言及として理解されよう。図10Aは、明快のために光学スタックの他の層(たとえば、部分反射層もしくは吸収体、および/または1つもしくは複数の透明誘電体層)を省略するが、他の層は、特定の適用例では必要に応じて存在し得る。EMSデバイス1000はまた、(たとえば、図10Aの図から最も離れた)電極1002および可動層1004の下に配設された光学、またはブラックマスク構造1009をも含む。いくつかの実施態様では、ブラックマスク構造1009は、図6Dおよび図6Eを参照しながら上記で説明したブラックマスク構造23と同様に、EMSデバイス1000の不活性部分中の周辺光または迷光を吸収するように、かつ、コントラスト比を上げることによって、EMSデバイス1000の光学的応答を改善するように構成され得る。
図10Aに示す実施態様では、可動層1004は、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間の非伝導性層を通して延在する伝導性ビア1025をそれぞれ含む。たとえば、可動層1004aは、1つが可動層1004aと電極1002との間に形成されたディスプレイ要素1006aの各々の中央に配設される、3つの伝導性ビア1025aを含む。同様に、可動層1004bは、可動層1004bと電極1002との間に形成されたディスプレイ要素1006bの各々の中央に配設された、3つの伝導性ビア1025bを含む。最後に、可動層1004cは、可動層1004cと電極1002との間に形成されたディスプレイ要素1006cの各々の中央に配設された、3つの伝導性ビア1025cを含む。そのような実施態様では、可動層1004の第1の伝導性層および第2の伝導性層は、可動層1004の長さに沿って電気的に接続される。したがって、可動層1004は、他の可動層よりも低い抵抗を有することができ、図9A〜図9Dを参照しながら上記で説明したタッチの場合に、ラインアウトが防止され得る。
さらに図10Aを参照すると、各可動層1004は、支持体1008間に配設された1つまたは複数のスロットまたはカット1090を含み得る。いくつかの実施態様では、スロット1090は、ディスプレイ要素1006間で可動層1004中に配設される。このようにして、スロット1090は、ディスプレイ要素1006間の機械的クロストークを回避するために、可動層1004の別々の部分を互いから分離することができる。
図10Bは、線10B−10Bに沿って取られた図10Aの例示的なEMSデバイス1000の断面図を示す。図10Bはまた、電極1002と下にある基板層1020との間に配設された絶縁層1035をも示す。基板層1020は、任意の好適な基板、たとえば、ガラスを含み得る。上記で説明したように、各電極1002は、吸収層1016aと誘電体層1016bとを含む光学スタック1016の電気伝導性部分であり得る。したがって、いくつかの実施態様では、電極1002は、光学スタック1016の伝導性吸収層1016aであり得る。そのような実施態様では、干渉キャビティは、吸収層1016aおよび反射層1014aによって画定され得、誘電体層1016bと、誘電体層1016bと反射層1014aとの間のギャップ1021とを含み得る。
図10Aを参照しながら上記で説明したように、図10Aの可動層1004は、複数の層を含み得る。たとえば、図10Bに示すように、可動層1004bは、第1の伝導性層1014aと、第2の伝導性層1014cと、第1の伝導性層1014aと第2の伝導性層1014cとの間に配設された非伝導性層1014bとを含む。非伝導性層1014bは、第1の伝導性層1014aの部分および第2の伝導性層1014cの部分を電気的に分離する誘電材料を含み得るが、伝導性ビア1025が、非伝導性層1014bを通して第1の伝導性層1014aおよび第2の伝導性層1014cを電気的に接続する。
同じく図10Bに示すものはギャップ1021であり、たとえば、エアギャップであり得る。ギャップ1021は、可動層1004bと電極1002との間で画定される。可動層1004bは、電極1002のいずれかと可動層1004との間の作動電圧によって作動しているとき、ギャップ1021を通して光学スタック1016に対して移動するように構成される。いくつかの実施態様では、可動層1004bは、作動しているとき、第1の伝導性層1014aが光学スタック1016のうちの1つの誘電体層1016bと接触するように、ギャップ1021を通して移動するように構成され得る。
図11Aは、装置を製造する例示的な方法1100を示す流れ図を示す。方法1100は、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する1つまたは複数の伝導性ビアを有する、少なくとも1つの可動層を含む、IMODデバイスなどのEMSデバイスを製造するために使用され得る。たとえば、方法1100は、図10Aおよび図10BのEMSデバイス1000を製造するために使用され得る。
ブロック1101に示すように、方法1100は、ライン中に配設された複数のディスプレイ要素を形成することを含む。いくつかの実施態様では、複数のディスプレイ要素の各々を形成することは、部分透過および部分反射性の光学スタックを形成することを含む。たとえば、部分透過および部分反射性の光学スタックは、図10Bの光学スタック1016と同様に、吸収層(部分反射および部分透過層など)と誘電体層とを含み得る。いくつかの実施態様では、吸収層は、3nmと12nmとの間、たとえば、6nmの厚さを有するモリブデンクロム(MoCr)の層を含み得るが、吸収層は、所望の実施態様に応じてより厚いかまたはより薄くてもよい。誘電体層は、吸収層を可動層から絶縁することが可能な、任意の好適な非伝導性または誘電材料を含み得る。たとえば、誘電体層は、SiO、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化アルミニウム(Al)、二酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO)、またはそれらの混合物を含み得る。
複数のディスプレイ要素の各々を形成することはまた、光学スタックの上に犠牲層を堆積させること、ならびに、犠牲層および光学スタックの上に可動層を形成することをも含み得る。いくつかの実施態様では、可動層は、犠牲層が除去されるとき、可動層が光学スタックのほうへ、および光学スタックから離れて可動であるように、犠牲層の上に形成され得る。可動層を形成することは、第1の伝導性層を形成すること、第1の伝導性層の上に非伝導性層を形成すること、および第2の伝導性層を形成することを含み得る。可動層は、図10Aおよび図10Bの可動層1004と同様であり得る。
いくつかの実施態様では、第1の伝導性層は、約0.5%の銅(Cu)を含むアルミニウム(Al)合金、または別の反射性および伝導性材料を含み得る。第2の伝導性層は、第1の伝導性層と同じ材料を含み得、または異なる材料から形成され得る。たとえば、第2の伝導性層は、約0.5%のCuを含むAl合金、または別の伝導性材料を含み得る。いくつかの実施態様では、第1の伝導性層および第2の伝導性層の材料は、第1の伝導性層および第2の伝導性層が実質的に同様の熱膨張係数を有するように選択され得る。たとえば、第1の伝導性層は、第2の伝導性層の熱膨張係数の20%以内である熱膨張係数を有し得る。このようにして、第1の伝導性層および第2の伝導性層は、可動層がさらされる温度が変動するとき、可動層のバランスをとるように働くことができる。
非伝導性層は、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)またはSiOの1つまたは複数の層を含み得る。いくつかの実施態様では、非伝導性層は、たとえば、SiO/SiON/SiO3層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。さらに、いくつかの実施態様では、各ディスプレイ要素の第1の伝導性層は、ディスプレイ要素のライン中で任意の隣接するディスプレイ要素の第1の伝導性層に電気的に接続される。同様に、各ディスプレイ要素の第2の伝導性層は、ディスプレイ要素のライン中で任意の隣接するディスプレイ要素の第2の伝導性層に電気的に接続され得る。
いくつかの実施態様では、光学スタックは第1の電極を含み得、第1の伝導性層および第2の伝導性層は、第2の電極の少なくとも一部分を形成し得る。このようにして、各ディスプレイ要素の可動層は、第1および第2の電極の両端間に印加された電圧に基づいて、作動位置と緩和位置との間で移動するように構成され得る。したがって、各ディスプレイ要素は、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために、それに入射する光を干渉的に変調することができる。
ブロック1103に示すように、方法1100はまた、少なくとも1つのディスプレイ要素の可動層中に少なくとも1つの伝導性ビアを形成することをも含む。少なくとも1つの伝導性ビアは、ディスプレイ要素の第1の伝導性層とディスプレイ要素の第2の伝導性層との間に形成され得る。このようにして、第1の伝導性層および第2の伝導性層は、互いに電気的に接続され得、可動層の全体的な抵抗およびインピーダンスが低減され得る。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの伝導性ビアを形成することは、第2の伝導性層を形成する前に、ディスプレイ要素のうちの少なくとも1つの非伝導性層をエッチングすることを含み得る。非伝導性層は、非伝導性層を通して空隙または空間を形成するように、第1の伝導性層と、第1の伝導性層と反対の非伝導性層の表面との間でエッチングされ得る。次いで、第2の伝導性層を形成するために使用された材料が、伝導性ビアを形成するように第1の伝導性層に達するまで、非伝導性層を通して空隙または空間を通過するかまたはそこに入ってくることができるように、第2の伝導性層が非伝導性層の上に形成され得る。したがって、少なくとも1つの伝導性ビアは、第2の伝導性層と同じ材料を含み得る。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、第1の伝導性層および第2の伝導性層のうちの少なくとも1つとは異なる材料を含む。
以下でより詳細に説明するように、少なくとも1つの伝導性ビアは、少なくとも1つのディスプレイ要素の様々なロケーションに形成され得る。たとえば、少なくとも1つの伝導性ビアは、ディスプレイ要素のうちの少なくとも1つのテザーエリア中に配設され得る。すなわち、少なくとも1つの伝導性ビアは、電極または光学スタックの上で可動層を支持するポスト構造の近くで配設され得る。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つのエッジに沿って配設され得る。言い換えれば、少なくとも1つの伝導性ビアは、可動層のエッジに沿って、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間の非伝導性層を通して延在し得る。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、ディスプレイ要素の中央に形成され得る。さらに、いくつかの実施態様では、少なくとも1つの伝導性ビアは、EMSデバイスのブラックマスク構造の下に形成され得る。このようにして、少なくとも1つの伝導性ビアは、マスク構造によって遮蔽され得る。いくつかの実施態様では、各ディスプレイ要素が少なくとも1つの伝導性ビアを含み得、他の実施態様では、あらゆるディスプレイ要素が伝導性ビアを含むとは限らない。いくつかの実施態様では、ディスプレイ要素は、複数の伝導性ビア、たとえば、2〜10個の伝導性ビアを含み得、いくつかの実施態様では、10個を超える伝導性ビアさえ含み得る。
図11B〜11Eは、図11Aの例示的な方法に従って図10Aおよび図10BのEMSデバイスを製造する例示的なプロセスの断面図を示す。
図11Bは、図10Bの光学スタック1016と、絶縁層1035と、基板1020とを示す。犠牲層1030が、光学スタック1016の上に配設され、第1の伝導性層1014aが、犠牲層1030の上に配設される。いくつかの実施態様では、犠牲層1030は、フォトレジスト材料または他の溶解可能材料、たとえば、Moまたはa−Siなど、二フッ化キセノン(XeF)エッチング可能材料を含む。犠牲層1030の堆積は、物理堆積(PVD、たとえば、スパッタリング)、プラズマ強化化学堆積(PECVD)、熱化学堆積(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。第1の伝導性層1014aは、1つまたは複数のパターニング、マスキング、および/またはエッチングステップとともに、1つまたは複数の堆積ステップを使用して形成され得る。いくつかの実施態様では、第1の伝導性層は、Al合金、たとえば、0.5%のCuを有するAl合金を含む。
図11Cは、図11Bに示す第1の伝導性層1014aの上に堆積された非伝導性層1014bを示す。上記で説明したように、非伝導性層は、1つまたは複数の誘電体層、たとえば、1つまたは複数の酸窒化ケイ素(SiON)の層を含み得る。図11Dは、非伝導性層1014bを通して第1の伝導性層1014aまで延在する空隙またはホール1027を作成するために、パターニングおよびエッチングされた後の、非伝導性層1014bを示す。非伝導性層1014bは、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを含む様々な技法を使用して、パターニングおよびエッチングされ得る。
図11Eは、第2の伝導性層1014cが非伝導性層1014bの上に堆積された後の、可動層1004bを示す。第2の伝導性層1014cは、任意の伝導性材料、たとえば、0.5%のCuを有するAl合金を含み得る。いくつかの実施態様では、第2の伝導性層1014cを形成するために堆積された材料は、図11Dの空隙1027を通して延在し、または入ってきて、図11Eに示す伝導性ビア1025bを形成する。そのような実施態様では、伝導性ビア1025bは、可動層の端部間の非伝導性層1014bを通して、第1の伝導性層1014aおよび第2の伝導性層1014cを電気的に接続する。第2の伝導性層1014cが堆積された後、第1の伝導性層1014a、非伝導性層1014b、および第2の伝導性層1014cによって形成された可動層1004bが、スロット1090bを形成するためにパターニングおよびエッチングされ得る。上記で説明したように、そのようなスロット1090bは、可動層1004bおよび光学スタック1016によるディスプレイ要素間の機械的クロストークを回避するために、可動層1004bの部分を互いから分離し得る。
図11Eでは、スロット1090bは、いくつかの実施態様では、第1の伝導性層1014a、非伝導性層1014b、および第2の伝導性層1014cを全体的にパターニングおよびエッチングすることによって形成され得る。いくつかの実施態様における代替プロセスは、複数のステップを使用してスロット1090bをパターニングおよびエッチングすることであり、各ステップは、3つの層(たとえば、第1の伝導性層1014a、非伝導性層1014b、および第2の伝導性層1014c)のうちの1つまたは2つをパターニングおよびエッチングする。たとえば、第1の伝導性層1014aが、犠牲層1030の上に堆積された後、スロット1090bを形成するためにパターニングおよびエッチングされ得る。次いで、非伝導性層1014bが、第1の伝導性層1014aの上に堆積され得、ホール1027およびスロット1090bを形成するためにパターニングおよびエッチングされ得る。第2の伝導性層1014cが、第1の伝導性層1014aおよび非伝導性層1014bの上に堆積されて、伝導性ビア1025bが形成され得、第2の伝導性層1014cが、層中にスロット1090bを形成するためにパターニングおよびエッチングされ得る。伝導性ビア1025bがスロット1090b中に形成される実施態様では、複数ステッププロセスがより実施しやすくなり得る。
図11Eに示す構成から、犠牲層1030が除去され得、それによって図10Bに示すEMSデバイスが生じる。犠牲層1030は、ドライ化学エッチングによって、たとえば、一般に、犠牲層1030を囲む構造に対して選択的に、所望の量の材料を除去するのに有効である期間の間、固体XeFから派生した蒸気を含む気体または蒸気エッチャントに犠牲層をさらすことによって、除去され得る。他のエッチング方法、たとえば、ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングも使用され得る。犠牲層1030を除去することで、可動層1004bと光学スタック1016との間で、図10Bに示すギャップ1021が生じる。いくつかの実施態様では、ギャップ1021は、可動層1004bが基板1020に対して移動することを可能にする。
図10Aは、円形の断面形状を有し、ディスプレイ要素1006の中央に配設されている、伝導性ビア1025を示す。加えて、図10Aに示す伝導性ビア1025は、それぞれ同様のサイズである。しかしながら、いくつかの他の実施態様では、可動層中で第1の伝導性層と第2の伝導性層との間の非伝導性層を通して延在する伝導性ビアは、図12〜図17を参照しながら以下で説明するように、図10Aの伝導性ビア1025とは異なるサイズ、形状、および位置であってもよい。
図12は、可動層1204と複数の下にある電極1002とによって形成されたディスプレイ要素1206の対向するエッジに沿って、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の伝導性ビア1225をそれぞれ有する、複数の可動層1204を有するEMSデバイス1200の一例の一部分の底面図を示す。図10Aを参照しながら上記で説明したEMSデバイス1000と同様に、EMSデバイス1200の電極1002は行に配設され、可動層1204は、電極1002に対して直角に延在する列に配設される。電極1002および可動層1204の重なる部分は、9個のディスプレイ要素1206を画定する。支持体1008は、各ディスプレイ要素1206のコーナー領域に配設され、電極1002に対して可動層1204のエッジ部分を支持するように構成される。EMSデバイス1200はまた、電極1002および可動層1204の下に配設されたブラックマスク構造1009をも含む。
いくつかの実施態様では、各可動層1204は、複数の伝導性ビア1225を含み得る。伝導性ビア1225は、長方形であり得、ディスプレイ要素1206の対向するエッジ上に配設される。いくつかの実施態様では、伝導性ビア1225は、(図12において見られるように)可動層1204の下に延在する電極1002のエッジの上で、可動層1204内に配設される。いくつかの実施態様では、伝導性ビア1225は、図12に示すように、隣接する支持構造1008間で可動層1204中に配設され得る。言い換えれば、伝導性ビア1225は、支持構造1008の近位にある可動層1204のテザーエリアまたは領域中に配設され得る。そのような実施態様では、伝導性ビア1225は、支持構造1008の近くで可動層1204の剛性に影響を及ぼし得る。
図13は、可動層1304と複数の下にある電極1002とによって形成されたディスプレイ要素1306の4つのエッジに沿って、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の伝導性ビア1325をそれぞれ有する、複数の可動層1304を有するEMSデバイス1300の一例の一部分の底面図を示す。図13のEMSデバイス1300は、EMSデバイス1300が電極1002と、支持構造1008と、ブラックマスク構造とを含む点で、図12のEMSデバイス1200と同様である。しかしながら、図13の各可動層1304は、各ディスプレイ要素1306のすべての4つのエッジに沿って長方形の断面形状を有する伝導性ビア1325を含む。すなわち、伝導性ビア1325は、各ディスプレイ要素1306中の電極1002のエッジの上で、および各ディスプレイ要素1306中の可動層1304のエッジに沿って、可動層1304内に配設される。このようにして、図13の可動層1304は、図12の可動層1204よりも多い伝導性ビアを有する。したがって、可動層1204の抵抗は、可動層1304の抵抗よりも大きくなり得る。
図14は、可動層と複数の下にある電極1002とによって形成されたディスプレイ要素の対向するエッジに沿って、2つ1組で第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の伝導性ビア1425をそれぞれ有する、複数の可動層1404を有するEMSデバイス1400の一例の一部分の底面図を示す。伝導性ビア1425は、長方形であり、ディスプレイ要素1406の対向するエッジ上に2つ1組で配設される。すなわち、各ディスプレイ要素1406は、電極のエッジの上にあるディスプレイ要素の第1のエッジに沿って並んで配設された、長方形の伝導性ビア1425のペアを含む。さらに、各ディスプレイ要素1406は、電極の別のエッジの上にあるディスプレイ要素の第2のエッジに沿って並んで配設された、伝導性ビア1425の別のペアを含む。いくつかの実施態様では、伝導性ビア1425のペアは、隣接する支持構造1008間で可動層1404中に配設され得る。
図15は、ディスプレイのブラックマスク構造1009の上で、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の円形の伝導性ビア1525をそれぞれ有する、複数の可動層1504を有するEMSデバイス1500の一例の一部分の底面図を示す。図示のように、いくつかの実施態様では、伝導性ビア1525は、円形または曲線の断面形状を有し、図10Aおよび図12〜図14の伝導性ビアとは異なるサイズである(たとえば、各伝導性ビア1525の断面積は、図10Aおよび図12〜図14の伝導性ビアの断面積とは異なる)。
いくつかの実施態様では、伝導性ビア1525は、EMSデバイス1500のブラックマスク構造1009に重なる可動層1504の部分中に配設され得る。このようにして、図10Aおよび図12〜図14に概略的に示す伝導性ビアとは対照的に、伝導性ビア1525は、EMSデバイス1500が図15に示す反対側から見られるとき、ブラックマスク構造1009によって遮蔽またはマスキングされ得る。したがって、そのような実施態様では、伝導性ビア1525は、EMSデバイス1500からの干渉的に変調された反射に影響を及ぼさないように構成され得る。さらに、図示のように、いくつかの実施態様では、伝導性ビア1525は、ディスプレイ要素1506のテザーエリア中に配設され得る。したがって、伝導性ビア1525は、支持構造1008の近くで可動層1504の剛性を低減し得る。
図16は、ディスプレイのマスク構造1009の上で、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する複数の楕円形の伝導性ビア1625をそれぞれ有する、複数の可動層1604を有するEMSデバイス1600の一例の一部分の底面図を示す。図15の伝導性ビア1525と同様に、伝導性ビア1625は、ディスプレイ要素1606のテザーエリア中でブラックマスク構造1009に重なり得る。したがって、伝導性ビア1625は、EMSデバイス1600からの反射に影響を及ぼさないように構成され得る。しかしながら、図15に示す伝導性ビア1525とは対照的に、伝導性ビア1625は、異なるサイズおよび形状である。したがって、可動層1604は、図15の可動層1504とは異なる剛性または堅さ特性を有し得る。たとえば、可動層1604は、支持構造1008の近くで図15の可動層1504よりも剛性が低くなり得る。
図17は、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間の非伝導性層を通して延在する複数の伝導性ビア1725をそれぞれ有する、複数の可動層1704を有するEMSデバイス1700の一例の一部分の底面図を示す。図示の実施態様では、伝導性ビア1725は、ディスプレイ要素1706間で可動層1704中に形成されたスロット1790内に配設される。すなわち、いくつかの実施態様では、伝導性ビア1725は、スロット1790中に伝導性ビア1725を形成することによって、ディスプレイ要素1706間に配置され得る。そのような実施態様では、伝導性ビア1725は、スロット1790の幅と同じである幅を有し得る。いくつかの実施態様では、スロット1790の幅は、2μmと4μmとの間、たとえば、3μmであり得る。各伝導性ビア1725は、0.5μmと5μmとの間、たとえば、1.5μmの長さを有し得る。伝導性ビア1725のためのより大きい長さは、より高いフレームレートのために抵抗およびRC遅延を低減し得る。しかしながら、可動層1704の第1の伝導性層および第2の伝導性層はスロット1790中に堆積され得、それによってディスプレイ要素1706間で機械的クロストークを引き起こし得るので、伝導性ビア1725の長さは、依然としてディスプレイ要素1706間で機械的クロストークを引き起こさない最大の長さを有するように最適化され得る。さらに、伝導性ビア1725はディスプレイ要素1706間に形成されるので、伝導性ビア1725は、各ディスプレイ要素1706の反射特性に影響を及ぼし得ない。
図10Aおよび図12〜図17を比較することによって理解されるように、EMSデバイスは、様々な数の伝導性ビアを有する可動層を含み得る。また、可動層中に形成された伝導性ビアは、EMSデバイスの残部に対して様々なサイズ、形状、および位置を有し得る。たとえば、伝導性ビアは、円形、楕円形、曲線、多角形、長方形、正方形、または他の断面形状を有し得る。加えて、伝導性ビアは、たとえば、ディスプレイ要素間に、テザーエリア(支持構造の近くなど)中に、ディスプレイ要素の1つまたは複数のエッジに沿って、ディスプレイ要素の中央に、かつ/または、伝導性ビアが1つもしくは複数のブラックマスク構造によってマスキングもしくは遮蔽されるように配設され得る。さらに、伝導性ビアのサイズまたは断面積は異なり得る。いくつかの実施態様では、伝導性ビアは、2μmと20μmとの間の断面積を有し得る。たとえば、伝導性ビアは、3μmと4μmとの間の断面積を有し得る。いくつかの実施態様では、伝導性ビアは、3μmと10μmとの間の断面積を有し得る。
いくつかの実施態様では、伝導性ビアのサイズ、形状、量、および/または位置決めは、可動層の所望の剛性に基づいて選択され得る。たとえば、伝導性ビアは、可動層の剛性を低減するために、可動層のテザーエリア中に配設され得る。いくつかの実施態様では、伝導性ビアのサイズ、形状、量、および/または位置決めは、可動層の所望の反射特性に基づいて選択され得る。このようにして、1つまたは複数の伝導性ビアをもつ可動層を有するEMSデバイスは、光学干渉および吸収の原理を使用して、その上に入射する光を選択的に吸収および/または反射するように構成され得る。さらに、そのような可動層の1つまたは複数の伝導性ビアは、可動層の実効抵抗および/またはキャパシタンスを低下させ得る。また、そのような可動層の1つまたは複数の伝導性ビアは、第1の伝導性層および/または第2の伝導性層の一部分が、影響力の強い力によりブレークするとき、可動層のラインアウトを防止し得る。
図18Aおよび図18Bは、複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図の例を示している。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはディスプレイデバイス40の軽微な変形も、テレビジョン、タブレット、電子リーダー、ハンドヘルドデバイスおよびポータブルメディアプレーヤなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、もしくはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明する干渉変調器ディスプレイを含むことができる。
ディスプレイデバイス40の構成要素は図18Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタリングする)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28に、およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次にディスプレイアレイ30に結合される。いくつかの実施態様では、電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計において実質的にすべての構成要素に電力を与えることができる。
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実施態様では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、g、nを含むIEEE802.11規格、およびそれらのさらなる実施態様に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実施態様では、アンテナ43は、BLUETOOTH(登録商標)規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3Gまたは4G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM)、GSM/General Packet Radio Service(GPRS)、Enhanced Data GSM Environment(EDGE)、Terrestrial Trunked Radio(TETRA)、広帯域CDMA(W−CDMA)、Evolution Data Optimized(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、その信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、その信号を処理することができる。
いくつかの実施態様では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、いくつかの実施態様では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理されるフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和およびグレースケールレベルを含むことができる。
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実施され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も適用される。
いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(IMODコントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(IMODディスプレイドライバなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(IMODのアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29はアレイドライバ22と一体化され得る。そのような実施態様は、高集積システム、たとえば、モバイルフォン、ポータブル電子デバイス、ウォッチまたは小面積ディスプレイにおいて、有用であることがある。
いくつかの実施態様では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように、構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ30と一体化されたタッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実施態様では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが使用され得る。
電源50は様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。充電式バッテリーを使用する実施態様では、充電式バッテリーは、たとえば、壁コンセントあるいは光起電性デバイスまたはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリーはワイヤレス充電可能であり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
いくつかの実施態様では、制御プログラマビリティがドライバコントローラ29中に存在し、これは電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実施態様では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実施され得る。
本明細書で開示する実施態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実施され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実施されるか、ソフトウェアで実施されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実施するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実施または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成としても実装され得る。いくつかの実施態様では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実施され得る。また、本明細書で説明した主題の実施態様は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実施され得る。
本開示で説明した実施態様への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実施態様に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与えられるべきである。「例示的」という単語は、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。本明細書に「例示的」と記載されたいかなる実施態様も、必ずしも他の実施態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、実施されたIMODの適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
また、別個の実施態様に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施態様において組合せで実施され得る。また、逆に、単一の実施態様に関して説明した様々な特徴は、複数の実施態様において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実施され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でまたは順番に実行されることを、あるいはすべての図示の動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。さらに、図面は、流れ図の形態で1つまたは複数の例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明するプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実施態様が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。
12 干渉変調器、IMOD、ピクセル
13、15 光
14 可動反射層、層、反射層
14a 反射副層、伝導性層、副層
14b 支持層、誘電支持層、副層
14c 伝導性層、副層
16 光学スタック、層
16a 吸収層、光吸収体、副層、導体/吸収体副層
16b 誘電体、副層
18 ポスト、支持体、支持ポスト
19 ギャップ、キャビティ
20 透明基板、基板
21 プロセッサ、システムプロセッサ
22 アレイドライバ
23、1009 ブラックマスク構造
24 行ドライバ回路
25 犠牲層、犠牲材料
26 列ドライバ回路
27 ネットワークインターフェース
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラ
30 ディスプレイアレイ、パネル、ディスプレイ
32 テザー
34 変形可能層
35 スペーサ層
40 ディスプレイデバイス
41 ハウジング
43 アンテナ
45 スピーカー
46 マイクロフォン
47 トランシーバ
48 入力デバイス
50 電源
52 調整ハードウェア
60a 第1のライン時間、ライン時間
60b 第2のライン時間、ライン時間
60c 第3のライン時間、ライン時間
60d 第4のライン時間、ライン時間
60e ライン時間、第5のライン時間
62 高いセグメント電圧
64 低いセグメント電圧
70 開放電圧
72 高い保持電圧
74 高いアドレス電圧
76 低い保持電圧
78 低いアドレス電圧
901、951、1004、1004a、1004b、1004c、1204、1304、1404、1504、1604、1704 可動層
903、905、953、955 端部
911、961 端部接続部
912、962、1006、1006a、1006b、1006c、1206、1306、1406、1506、1606、1706 ディスプレイ要素
914a、964a 第1の伝導性層
914b、964b、1014b 非伝導性層
914c、964c、1014c 第2の伝導性層
921、924a、924c、971、974a、974c、979 実効抵抗器
924b 実効キャパシタ
930a、930c、980、980a、980c ブレーク
977、1025、1025a、1025b、1025c、1225、1325、1425、1525、1625、1725 伝導性ビア
1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700 EMSデバイス
1002 電極
1008 支持体、支持構造
1014a 反射層、第1の伝導性層
1016 光学スタック
1016a 吸収層、伝導性吸収層
1016b 誘電体層
1020 基板層、基板
1021 ギャップ
1027 空隙、ホール
1030 犠牲層
1035 絶縁層
1090 スロット、カット
1090b、1790 スロット

Claims (26)

  1. 複数のディスプレイ要素を備える装置であって、各ディスプレイ要素は、
    光を部分的に透過させ、部分的に反射するための手段と、
    可動層と前記部分透過および部分反射手段との間にキャビティを少なくとも部分的に画定するように、前記部分透過および部分反射手段の少なくとも一部分に隣接して配設された可動層であって、少なくとも部分反射性である可動層とを備え、各ディスプレイ要素の前記可動層は、第1の伝導性層と、第2の伝導性層と、前記第1の伝導性層と前記第2の伝導性層との間に配設された非伝導性層とを備え、
    各ディスプレイ要素の前記伝導性層のうちの少なくとも1つは、隣接するディスプレイ要素の伝導性層に電気的に接続され、前記ディスプレイ要素のうちの少なくとも1つは、前記非伝導性層の平面を通して前記第1の伝導性層および前記第2の伝導性層を電気的に接続するための手段を備える装置。
  2. 前記電気的接続手段が、少なくとも1つの伝導性ビアを備える、請求項1に記載の装置。
  3. 前記伝導性ビアが、3ミクロンから10ミクロンの間の断面積を有する、請求項2に記載の装置。
  4. 前記少なくとも1つの伝導性ビアが、前記複数のディスプレイ要素のうちの2つの間に配設された伝導性ビアを備える、請求項2または3に記載の装置。
  5. 前記少なくとも1つの伝導性ビアが、前記複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つの中央に配設された伝導性ビアを備える、請求項2から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記少なくとも1つの伝導性ビアが、前記複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つのテザーエリア中に配設された伝導性ビアを備える、請求項2から5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記電気的接続手段が、前記複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つのエッジに沿って配設された電気的接続を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記少なくとも1つの伝導性ビアが、楕円形の断面積、長方形の断面積、および円形の断面積のうちの1つを有するように構成される、請求項2から7のいずれか一項に記載の装置。
  9. ディスプレイ要素のラインの前記可動層が相互接続され、少なくとも1つのスロットが、隣接するディスプレイ要素の前記可動層間の前記相互接続において配設される、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記電気的接続手段が、前記少なくとも1つのスロット中に配設された電気的接続を備える、請求項9に記載の装置。
  11. 前記部分透過および部分反射手段が、層の光学スタックを備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記光学スタックが、第1の電極を備え、前記第1の伝導性層および前記第2の伝導性層が、第2の電極の少なくとも一部分を形成し、前記可動層が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加された電圧に基づいて、作動位置と緩和位置との間で可動である、請求項10に記載の装置。
  13. 前記第1の伝導性層および前記第2の伝導性層のうちの少なくとも1つが、アルミニウム合金を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記第1の伝導性層が、前記光学スタックと前記非伝導性層との間に配設された反射性材料を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記第1の伝導性層および前記第2の伝導性層が、実質的に同様の熱膨張係数を有するように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 前記非伝導性層が、酸窒化ケイ素を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記複数のディスプレイ要素と通信するように構成され、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
    前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスと
    をさらに備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 前記複数のディスプレイ要素に少なくとも1つの信号を送るように構成されたドライバ回路と、
    前記ドライバ回路に前記画像データの一部分を送るように構成されたコントローラと
    をさらに備える、請求項17に記載の装置。
  19. 前記装置が、前記プロセッサに前記画像データを送るように構成された画像ソースモジュールをさらに備え、前記画像ソースモジュールが、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを備える、請求項17または18に記載の装置。
  20. 入力データを受信し、前記プロセッサに前記入力データを通信するように構成された入力デバイスをさらに備える、請求項19に記載の装置。
  21. 装置を製造する方法であって、
    ライン中に配設された複数のディスプレイ要素を形成するステップを含み、前記ディスプレイ要素の各々を形成するステップは、
    部分透過および部分反射性の光学スタックを形成するステップと、
    前記光学スタックの上に犠牲層を堆積させるステップと、
    前記犠牲層が除去されるとき、可動層が前記光学スタックのほうへ、および前記光学スタックから離れて可動であるように、前記犠牲層および光学スタックの上に前記可動層を形成するステップであって、第1の伝導性層を形成するステップ、前記第1の伝導性層の上に非伝導性層を形成するステップ、および前記非伝導性層の上に第2の伝導性層を形成するステップを含む、前記可動層を形成するステップと
    を含み、
    各ディスプレイ要素の前記第1の伝導性層は、前記ディスプレイ要素のライン中で任意の隣接するディスプレイ要素の前記第1の伝導性層に電気的に接続され、各ディスプレイ要素の前記第2の伝導性層は、前記ディスプレイ要素のライン中で任意の隣接するディスプレイ要素の前記第2の伝導性層に電気的に接続され、
    前記方法は、前記第1の伝導性層と前記第2の伝導性層との間で、少なくとも1つのディスプレイ要素の前記可動層中に少なくとも1つの電気的相互接続を形成するステップをさらに含む方法。
  22. 前記少なくとも1つの電気的相互接続を形成するステップが、
    前記少なくとも1つのディスプレイ要素の前記第1の伝導性層と、前記第1の伝導性層と反対の前記非伝導性層の表面との間で、前記少なくとも1つのディスプレイ要素の前記非伝導性層をエッチングするステップと、
    前記少なくとも1つのディスプレイ要素の前記非伝導性層の上に、前記第2の伝導性層を形成するステップと
    を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記光学スタックの前記形成が、第1の電極を形成するステップを含み、前記第1の伝導性層および前記第2の伝導性層が、第2の電極の少なくとも一部分を形成し、前記可動層が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加された電圧に基づいて、作動位置と緩和位置との間で可動であるようにする、請求項21または22に記載の方法。
  24. 前記第1の伝導性層および前記第2の伝導性層のうちの少なくとも1つが、アルミニウム合金を備える、請求項21から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1つの電気的相互接続を形成するステップが、前記複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つのテザーエリア中に配設された伝導性ビアを形成するステップを含む、請求項21から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記少なくとも1つの電気的相互接続を形成するステップが、前記複数のディスプレイ要素のうちの少なくとも1つのエッジに沿って配設された電気的相互接続を形成するステップを含む、請求項21から25のいずれか一項に記載の方法。
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