JP2015522851A - 電気機械システムデバイス用キャビティライナ - Google Patents

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Abstract

本開示は、改善された電気的特性およびデバイスの寿命を有する電気機械システムデバイスのためのシステム、方法、および装置を提供する。一態様では、コンフォーマル抗スティクション層が、粗面の上の電気機械システム装置のキャビティ内に形成される。コンフォーマル抗スティクション層は、誘電体層を含むことができる。コンフォーマル抗スティクション層は、誘電体層の上に形成された自己組織化単分子膜(SAM)を含むことができる。コンフォーマル抗スティクション層は、それが堆積される表面の粗さを複製することができる。

Description

本開示は、電気機械システムのためのコーティングに関する。
電気機械システムは、電気的および機械的要素と、アクチュエータと、トランスデューサと、センサーと、光学的構成要素(たとえば、ミラー)と、電子回路とを有するデバイスを含む。電気機械システムは、限定はしないが、マイクロスケールおよびナノスケールを含む、様々なスケールで製造され得る。たとえば、マイクロ電気機械システム(MEMS:microelectromechanical system)デバイスは、約1ミクロンから数百ミクロン以上に及ぶサイズを有する構造を含むことができる。ナノ電気機械システム(NEMS:nanoelectromechanical system)デバイスは、たとえば、数百ナノメートルよりも小さいサイズを含む、1ミクロンよりも小さいサイズを有する構造を含むことができる。電気および電気機械デバイスを形成するために、堆積、エッチング、リソグラフィを使用して、ならびに/あるいは、基板および/または堆積された材料層の部分をエッチング除去するかまたは層を追加する、他の微細加工プロセスを使用して、電気機械要素が作成され得る。
1つのタイプの電気機械システムデバイスは干渉変調器(IMOD:interferometric modulator)と呼ばれる。本明細書で使用する干渉変調器または干渉光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。いくつかの実施態様では、干渉変調器は伝導性プレートのペアを含み得、そのペアの一方または両方は、全体的にまたは部分的に、透明でおよび/または反射性であり、適切な電気信号の印加時の相対運動が可能であり得る。一実施態様では、一方のプレートは、基板上に堆積された固定層を含み得、他方のプレートは、エアギャップによって固定層から分離された反射膜を含み得る。別のプレートに対するあるプレートの位置は、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることがある。干渉変調器デバイスは、広範囲の適用例を有しており、特にディスプレイ能力がある製品の場合、既存の製品を改善し、新しい製品を作成する際に使用されることが予期される。
電気機械システムデバイスの動作中、可動電極は、固定電極に繰り返し接触する。繰り返される接触は、表面に摩耗を引き起こす。接触面は、時には、当該技術分野でスティクションとして知られる物理的および静電気的引力により、表面が互いに接触する位置に「固着」する可能性があり、または分離することが困難になる可能性がある。
本開示のシステム、方法およびデバイスは、それぞれいくつかの発明的態様を有し、それらのうちの単一の態様だけが、本明細書で開示する望ましい属性に関与するとは限らない。
本開示で説明する主題の1つの発明的態様は、電気機械システム装置において実施され得る。実施態様では、電気機械システム装置は、第1の電極と、キャビティによって第1の電極から分離された第2の可動電極とを含む。電極の一方とキャビティとの間の表面は、粗面である。粗面の上および電極の他方の上のキャビティ内に、コンフォーマル抗スティクション層が形成される。
コンフォーマル抗スティクション層は、粗面を画定する材料よりも高い硬度を有する材料を含むことができる。粗面、およびその上に形成されたコンフォーマル抗スティクション層は、各々、約1.5nm rmsと約6nm rmsとの間の粗さを有することができる。コンフォーマル抗スティクション層は、その最も薄い部分がその最も厚い部分の約90%よりも厚い厚さを有するようにコンフォーマリティを有する誘電体層を含むことができる。コンフォーマル抗スティクション層は、誘電体材料と、自己組織化単分子膜とを含むことができる。電気機械システム装置は、干渉変調器であり得る。
別の発明的態様は、電気機械システムデバイスを製造するための方法で実施され得る。実施態様は、第1の電極を形成するステップと、第1の電極の上に犠牲材料を形成するステップと、犠牲層の上に第2の電極を形成するステップとを含み、第1の電極と第2の電極の一方と犠牲層との間で、粗面が犠牲層に面する。実施態様は、また、第1の電極および第2の電極によって画定される対向する側でキャビティを形成するために、犠牲層を除去するステップを含む。コンフォーマル層が、原子層堆積によって、キャビティ内に堆積される。
粗面は、粗化テンプレート面を有する犠牲層を形成し、粗化テンプレート面の上に粗面を有する第2の電極を形成することによって設けられ得る。コンフォーマル層を堆積するステップは、約2nm rmsよりも大きい粗さを有するように粗面を複製するステップを含むことができる。コンフォーマル層を堆積するステップは、粗面を画定する材料よりも硬い材料を堆積するステップを含むことができる。コンフォーマル層を堆積するステップは、誘電体材料を堆積するステップを含むことができる。自己組織化単分子膜(SAM: self−assembled monolayer)が、コンフォーマル層の上に形成され得る。
別の発明的態様は、電気機械システムデバイスで実施され得る。実施態様は、第1の電極手段と、第2の可動電極手段と、第1の電極手段と第2の電極手段との間に画定されたキャビティとを含む。第1および第2の電極手段の少なくとも一方は、キャビティに面する粗面を有する。スティクションを低減するための手段が、粗面の上を含む、キャビティに面する第1の電極手段および第2の電極手段の表面を覆う。
スティクションを低減するための手段は、コンフォーマル誘電体層を含むことができ、さらに、コンフォーマル誘電体層の上に形成された自己組織化単分子膜を含むことができる。コンフォーマル誘電体層は、ALDによって堆積され得、約2.5nmと約10nmとの間の厚さを有することができる。第1の電極手段は、固定電極であり得る。
本明細書で説明する主題の1つまたは複数の実施態様の詳細が、添付の図面および以下の説明において示されている。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対寸法は一定の縮尺で描かれていないことがあることに留意されたい。
干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示す図である。 3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例を示す図である。 図1の干渉変調器についての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例を示す図である。 図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面図の一例を示す図である。 干渉変調器の異なる実施態様の断面図の一例を示す図である。 干渉変調器の異なる実施態様の断面図の一例を示す図である。 干渉変調器の異なる実施態様の断面図の一例を示す図である。 干渉変調器の異なる実施態様の断面図の一例を示す図である。 干渉変調器のための製造プロセスを示す流れ図の一例を示す図である。 干渉変調器を製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図である。 干渉変調器を製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図である。 干渉変調器を製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図である。 干渉変調器を製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図である。 干渉変調器を製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図である。 コンフォーマル抗スティクション層を有する電気機械システムデバイスの概略断面図の一例である。 コンフォーマル抗スティクション層を有する干渉変調器の概略断面図の一例である。 図7Bの干渉変調器の一部の一例の拡大断面図である。 電気機械システムデバイスを処理するための方法を示す流れ図の一例である。 複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図の一例である。 複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図の一例である。
様々な図面中の同様の参照番号および名称は同様の要素を示す。
以下の詳細な説明は、発明的態様について説明する目的で、いくつかの実施態様を対象とする。しかしながら、本明細書の教示は、多数の異なる方法で適用され得る。説明する実施態様は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成された任意のデバイスにおいて実施され得る。より具体的には、実施態様は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(たとえば、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(たとえば、オドメータディスプレイなど)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(たとえば、車両における後部ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダーまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメーター、パッケージング(たとえば、MEMSおよび非MEMS)、審美構造物(たとえば、1つの宝飾品上の画像のディスプレイ)、ならびに様々な電気機械システムデバイスなど、様々な電子デバイス中に実施されるかまたはそれらに関連付けられ得ると考えられる。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、運動感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセス、および電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示す実施態様に限定されるものではなく、代わりに、当業者に直ちに明らかになるであろう広い適用性を有する。
電気機械システムデバイスを処理することは、デバイス内に内部キャビティを形成するために、各デバイスの一部をエッチングする解放エッチングプロセスを含むことができる。解放後、デバイス内のスティクションを低減するために、コンフォーマル抗スティクション層がキャビティ内に形成され得る。コンフォーマル抗スティクション層は、原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)によって形成された層を含むことができる。いくつかの実施態様では、誘電体層の上部に形成された自己組織化単分子膜(SAM)の追加の堆積は、誘電体層単独を超える抗スティクション特性をさらに提供することができる。いくつかの実施態様では、抗スティクション層は、抗スティクションコーティングが下にある表面と同様の粗さを示すようなコンフォーマリティおよび厚さで、キャビティ内の粗面の上にコンフォーマルに形成され得る。いくつかの実施態様では、抗スティクション層の粗さは、電気機械システムデバイスでの所望のピクセルカラーに基づいて変更され得る。
本開示で説明する主題の特定の実施態様は、以下の潜在的な利点の1つまたは複数を実現するために実施され得る。コンフォーマル抗スティクション層の硬度、および耐摩耗性は、デバイスの長時間の使用後でさえ、抗スティクション層の粗さを維持することができる。コンフォーマル抗スティクション層は、また、粗さの抗スティクション特性を高めることができ、および/または、所与の抗スティクション効果のために用いられる粗さの程度を低減することができる。粗面の上に形成されたコンフォーマル抗スティクション層の使用は、デバイスの増加した寿命などの、電気機械システムデバイス性能の改善をもたらすことができる。粗化抗スティクション層の使用は、湿気および他の汚染物質に対するデバイスの抵抗性を増大することができ、表面帯電を軽減することができ、これは、改善された電気的特性ならびにデバイス性能および安定性をもたらすことができる。
説明する実施態様が適用され得る好適なMEMSデバイスの一例は、反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために干渉変調器(IMOD)を組み込むことができる。IMODは、吸収器、吸収器に対して可動である反射体、ならびに吸収器と反射体との間に画定された光共振キャビティを含むことができる。反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それにより干渉変調器の反射率に影響を及ぼすことがある。IMODの反射スペクトルは、かなり広いスペクトルバンドをもたらすことができ、そのスペクトルバンドは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得る。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚さを変更することによって、たとえば、反射体の位置を変更することによって調節され得る。
図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示す。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉MEMSディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、MEMSディスプレイ要素のピクセルが、明状態または暗状態のいずれかにあることがある。明(「緩和」、「開」または「オン」)状態では、ディスプレイ要素は、たとえば、ユーザに、入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。いくつかの実施態様では、オン状態の光反射特性とオフ状態の光反射特性は逆にされ得る。MEMSピクセルは、黒および白に加えて、主に、カラーディスプレイを可能にする特定の波長において、反射するように構成され得る。以下の説明は、開状態が作動されないデバイスに対応し、閉状態が作動されるデバイスに対応する特定の実施態様に関係するが、当業者は、他の実施態様では、電気機械システムデバイスが、非作動状態で閉じられるように構成され得ることを理解するであろう。
IMODディスプレイデバイスは、IMODの行/列アレイを含むことができる。各IMODは、(光ギャップまたはキャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な距離をおいて配置された反射層のペア、たとえば、可動反射層と固定部分反射層とを含むことができる。可動反射層は、少なくとも2つの位置の間で移動され得る。第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きい距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それら2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合うようにまたは弱め合うように干渉し、各ピクセルについて全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実施態様では、IMODは、開であるときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、押しつぶされた(collapsed)または閉であるときに暗状態にあり、可視範囲外の光(たとえば、赤外光)を反射し得る。ただし、いくつかの他の実施態様では、IMODは、開であるときに暗状態にあり、押しつぶされたまたは閉であるときに反射状態にあり得る。いくつかの実施態様では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。いくつかの他の実施態様では、印加電荷が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。
図1中のピクセルアレイの図示の部分は、干渉変調器12の形態の2つの隣接する電気機械システムデバイスを含む。(図示のような)左側のIMOD12では、可動反射層14が、部分反射層を含む光学スタック16からの所定の距離における緩和位置に示されている。左側のIMOD12にわたって印加された電圧Vは、可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。右側のIMOD12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、またはそれに隣接する作動位置に示されている。右側のIMOD12にわたって印加された電圧Vbiasは、可動反射層14を作動位置に維持するのに十分である。
図1では、ピクセル12の反射特性が、概して、ピクセル12に入射する光13を示す矢印と、左側のピクセル12から反射する光15とを用いて示されている。詳細に示していないが、ピクセル12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過され、光学スタック16に向かうことになることを、当業者なら理解されよう。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過されることになり、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過された光13の部分は、可動反射層14において反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻ることになる。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うまたは弱め合う)干渉が、デバイスの閲覧側すなわち基板側のピクセル12から反射される光15の波長を決定することになる。
光学スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を堆積させることによって、作製され得る。電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、様々な金属、たとえば、クロム(Cr)、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、光吸収体と導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の膜(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはIMODの他の構造の)異なる、より伝導性の高い層または部分が、IMODピクセル間で信号をバスで運ぶ(bus)ように働くことができる。光学スタック16は、1つまたは複数の伝導性層または伝導性/吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
いくつかの実施態様では、光学スタック16の層は、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング」という用語は、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用される。いくつかの実施態様では、アルミニウム(Al)などの高伝導性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の一連の平行ストリップとして形成されて、図示されたポスト18などの支持体の上に堆積された列とポスト18間に堆積された介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光キャビティが可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実施態様では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
いくつかの実施態様では、IMODの各ピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタである。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図1中の左側のピクセル12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間のギャップ19がある。しかしながら、電位差、たとえば、電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するピクセルにおける行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学スタック16の近くにまたはそれに対して移動することができる。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図1中の右側の作動ピクセル12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じである。いくつかの事例ではアレイ中の一連のピクセルが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配設される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
図2は、3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例を示す。電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または任意の他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえば、ディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図2には、図1に示したIMODディスプレイデバイスの断面が線1−1によって示されている。図2は明快のためにIMODの3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODを含んでいることがあり、列におけるIMODの数とは異なる数のIMODを行において有し得、その逆も同様である。
図3は、図1の干渉変調器についての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例を示す。MEMS干渉変調器の場合、行/列(すなわち、コモン/セグメント)書込みプロシージャが、図3に示すこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用し得る。干渉変調器は、可動反射層またはミラーに緩和状態から作動状態に変更させるために、たとえば、約10ボルトの電位差を必要とし得る。電圧がその値から低減されると、電圧が低下して、たとえば、10ボルトより下に戻ったとき、可動反射層はそれの状態を維持するが、電圧が2ボルトより下に低下するまで、可動反射層は完全には緩和しない。したがって、図3に示すように、印加電圧のウィンドウがある電圧の範囲、約3〜7ボルトが存在し、そのウィンドウ内でデバイスは緩和状態または作動状態のいずれかで安定している。これは、本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込みプロシージャは、一度に1つまたは複数の行をアドレス指定するように設計され得、その結果、所与の行のアドレス指定中に、作動されるべきアドレス指定された行におけるピクセルは、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるべきピクセルは、ほぼ0ボルトの電圧差にさらされる。アドレス指定後に、それらのピクセルは、それらが前のストローブ状態にとどまるような、約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差にさらされる。この例では、アドレス指定された後に、各ピクセルは、約3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を経験する。このヒステリシス特性の特徴は、たとえば、図1に示した、ピクセル設計が、同じ印加電圧条件下で作動または緩和のいずれかの既存の状態で安定したままであることを可能にする。各IMODピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタであるので、この安定状態は、電力を実質的に消費するかまたは失うことなしに、ヒステリシスウィンドウ内の定常電圧において保持され得る。その上、印加電圧電位が実質的に固定のままである場合、電流は本質的にほとんどまたはまったくIMODピクセルに流れ込まない。
いくつかの実施態様では、所与の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に従って、列電極のセットに沿って「セグメント」電圧の形態のデータ信号を印加することによって、画像のフレームが作成され得る。次に、フレームが一度に1行書き込まれるように、アレイの各行がアドレス指定され得る。第1の行におけるピクセルに所望のデータを書き込むために、第1の行におけるピクセルの所望の状態に対応するセグメント電圧が列電極上に印加され得、特定の「コモン」電圧または信号の形態の第1の行パルスが第1の行電極に印加され得る。次いで、セグメント電圧のセットは、第2の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に対応するように変更され得、第2のコモン電圧が第2の行電極に印加され得る。いくつかの実施態様では、第1の行におけるピクセルは、列電極に沿って印加されたセグメント電圧の変化による影響を受けず、第1のコモン電圧行パルス中にそれらのピクセルが設定された状態にとどまる。このプロセスは、画像フレームを生成するために、一連の行全体、または代替的に、一連の列全体について、連続方式で繰り返され得る。フレームは、何らかの所望の数のフレーム毎秒でこのプロセスを断続的に反復することによって、新しい画像データでリフレッシュおよび/または更新され得る。
上記に記載した原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は大きく異なり得る。たとえば、図4A〜図4Eは、可動反射層14とそれの支持構造とを含む、干渉変調器の異なる実施態様の断面図の例を示している。図4Aは、金属材料のストリップ、すなわち、可動反射層14が、基板20から直角に延在する支持体18上に堆積される、図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面図の一例を示している。図4Bでは、各IMODの可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、コーナーにおいてまたはその近くでテザー32に接して支持体に取り付けられる。図4Cでは、可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、フレキシブルな金属を含み得る変形可能層34から吊るされる。変形可能層34は、可動反射層14の外周の周りで基板20に直接または間接的に接続することがある。これらの接続は、本明細書では支持ポストと呼ばれる。図4Cに示す実施態様は、変形可能層34によって行われる可動反射層14の機械的機能からのそれの光学的機能の分離から派生する追加の利益を有する。この分離は、反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料とが、互いとは無関係に最適化されることを可能にする。
図4Dは、可動反射層14が反射副層(reflective sub−layer)14aを含む、IMODの別の例を示している。可動反射層14は、支持ポスト18などの支持構造上に載る。支持ポスト18は、たとえば、可動反射層14が緩和位置にあるとき、可動反射層14と光学スタック16との間にギャップ19が形成されるように、下側静止電極(すなわち、図示のIMODにおける光学スタック16の一部)からの可動反射層14の分離を可能にする。可動反射層14は、電極として働くように構成され得る伝導性層14cと、支持層14bとをも含むことができる。この例では、伝導性層14cは、基板20から遠位にある支持層14bの一方の面に配設され、反射副層14aは、基板20の近位にある支持層14bの他方の面に配設される。いくつかの実施態様では、反射副層14aは、伝導性であることがあり、支持層14bと光学スタック16との間に配設され得る。支持層14bは、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)または二酸化ケイ素(SiO)の、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実施態様では、支持層14bは、たとえば、SiO/SiON/SiO3層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。反射副層14aと伝導性層14cのいずれかまたは両方は、たとえば、約0.5%の銅(Cu)または別の反射金属材料を用いた、アルミニウム(Al)合金を含むことができる。誘電支持層14bの上および下で伝導性層14aおよび14cを採用することは、応力のバランスをとり、伝導の向上を与えることができる。いくつかの実施態様では、反射副層14aおよび伝導性層14cは、可動反射層14内の特定の応力プロファイルを達成することなど、様々な設計目的で、異なる材料から形成され得る。
図4Dに示すように、いくつかの実施態様はブラックマスク構造23をも含むことができる。ブラックマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために、光学不活性領域において(たとえば、ピクセル間にまたは支持ポスト18の下に)形成され得る。ブラックマスク構造23はまた、光がディスプレイの不活性部分から反射されることまたはそれを透過されることを抑止し、それによりコントラスト比を増加させることによって、ディスプレイデバイスの光学的特性を改善することができる。さらに、ブラックマスク構造23は、伝導性であり、電気的バス層として機能するように構成され得る。いくつかの実施態様では、行電極は、接続された行電極の抵抗を低減するために、ブラックマスク構造23に接続され得る。ブラックマスク構造23は、堆積およびパターニング技法を含む様々な方法を使用して形成され得る。ブラックマスク構造23は1つまたは複数の層を含むことができる。たとえば、いくつかの実施態様では、ブラックマスク構造23は、光吸収器として働くモリブデンクロム(MoCr)層と、光キャビティ層と、反射体およびバス層として働く、アルミニウム合金とを含み、それぞれ、約30〜80Å、500〜1000Å、および500〜6000Åの範囲内の厚さである。1つまたは複数の層は、たとえば、MoCr層およびSiO層の場合は、四フッ化炭素(CF)および/または酸素(O)、ならびにアルミニウム合金層の場合は、塩素(Cl)および/または三塩化ホウ素(BCl)を含む、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを含む、様々な技法を使用してパターニングされ得る。いくつかの実施態様では、ブラックマスク23はエタロンまたは干渉スタック構造であり得る。そのような干渉スタックブラックマスク構造23では、伝導性吸収体は、各行または列の光学スタック16における下側静止電極間で信号を送信するかまたは信号をバスで運ぶために使用され得る。いくつかの実施態様では、スペーサ層35が、ブラックマスク23中の伝導性層から光学スタック16における電極または導体(たとえば、吸収層16a)を概して電気的に絶縁するのに、役立つことができる。
図4Eは、可動反射層14が自立している、IMODの別の例を示している。図4Dとは対照的に、図4Eの実施態様は別々に形成された支持ポストを含まない。代わりに、可動反射層14は、複数のロケーションにおいて、下にある光学スタック16に接触して一体型支持体18を作成し、可動反射層14の湾曲は、干渉変調器にわたる電圧が作動を引き起こすには不十分であるとき、可動反射層14が図4Eの非作動位置に戻るという、十分な支持を与える。複数のいくつかの異なる層を含んでいることがある光学スタック16は、ここでは明快のために、光吸収体16aと誘電体16bとを含む状態で示されている。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは、固定または静止電極としても、部分反射層としても働き得る。
図4A〜図4Eに示す実施態様などの実施態様では、IMODは直視型デバイスとして機能し、直視型デバイスでは、画像が、透明基板20の正面、すなわち、変調器が形成された面の反対の面から、閲覧される。これらの実施態様では、デバイスの背面部分(すなわち、たとえば、図4Cに示す変形可能層34を含む、可動反射層14の背後のディスプレイデバイスの任意の部分)は、反射層14がデバイスのそれらの部分を光学的に遮蔽するので、ディスプレイデバイスの画質に影響を及ぼすことまたは悪影響を及ぼすことなしに、構成され、作用され得る。たとえば、いくつかの実施態様では、バス構造(図示せず)が可動反射層14の背後に含まれ得、これは、電圧アドレス指定およびそのようなアドレス指定に起因する移動など、変調器の電気機械的特性から変調器の光学的特性を分離する能力を与える。さらに、図4A〜図4Eの実施態様は、たとえば、パターニングなどの処理を簡略化することができる。
図5は、干渉変調器のための製造プロセス80を示す流れ図の一例を示しており、図6A〜図6Eは、そのような製造プロセス80の対応する段階の断面概略図の例を示している。いくつかの実施態様では、製造プロセス80は、図5に示されていない他のブロックに加えて、たとえば、図1および図4A〜図4Eに示す一般的なタイプの干渉変調器を製造するために実施され得る。図1、図4A〜図4Eおよび図5を参照すると、プロセス80はブロック82において開始し、基板20上への光学スタック16の形成を伴う。図6Aは、基板20上で形成されたそのような光学スタック16を示している。基板20は、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得、それは、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学スタック16の効率的な形成を可能にするために、事前準備プロセス、たとえば、洗浄にかけられていることがある。上記で説明したように、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。図6Aでは、光学スタック16は、副層16aおよび16bを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実施態様では、より多いまたはより少ない副層が含まれ得る。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と伝導特性の両方で構成され得る。さらに、副層16a、16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチングプロセスまたは別の好適なプロセスによって実行され得る。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの1つは、1つまたは複数の金属層(たとえば、1つまたは複数の反射層および/または伝導性層)上に堆積された副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学スタック16は、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
プロセス80はブロック84において続き、光学スタック16上への犠牲層25の形成を伴う。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で(たとえば、ブロック90において)除去され、したがって、犠牲層25は、図1および図4A〜図4Eに示した得られた干渉変調器12には示されていない。図6Bは、光学スタック16上で形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示している。光学スタック16上での犠牲層25の形成は、後続の除去後に、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(図1、図4A〜図4Eおよび図6Eも参照)を与えるように選択された厚さの、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(Si)など、フッ化キセノン(XeF)エッチング可能材料の堆積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理堆積(PVD、たとえば、スパッタリング)、プラズマ強化化学堆積(PECVD)、熱化学堆積(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
プロセス80はブロック86において続き、支持構造、たとえば、図1、図4A、図4Dおよび図6Cに示すポスト18の形成を伴う。ポスト18の形成は、支持構造開口を形成するために犠牲層25をパターニングすることと、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、ポスト18を形成するために開口中に材料(たとえば、ポリマーまたは無機材料、たとえば、酸化ケイ素)を堆積させることとを含み得る。いくつかの実施態様では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、ポスト18の下側端部が図4Aに示すように基板20に接触するように、犠牲層25と光学スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することがある。代替的に、図6Cに示すように、犠牲層25中に形成された開口は、犠牲層25は通るが、光学スタック16は通らないで、延在することがある。たとえば、図6Eは、光学スタック16の上側表面(upper surface)と接触している支持ポスト18の下側端部を示している。ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25上に支持構造材料の層を堆積させることと、パターニングして犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分を除去することとによって形成され得る。支持構造は、図6Cに示すように開口内に配置され得るが、少なくとも部分的に、犠牲層25の一部分の上で延在することもある。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、パターニングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替エッチング方法によっても実行され得る。
プロセス80はブロック88において続き、図1、図4A〜図4Eおよび図6Dに示す可動反射層14などの可動反射層または膜の形成を伴う。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキング、および/またはエッチングステップとともに、1つまたは複数の堆積ステップ、たとえば、反射層(たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金)堆積を採用することによって、形成され得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層(electrically conductive layer)と呼ばれることがある。いくつかの実施態様では、可動反射層14は、図6Dに示すように複数の副層14a、14b、および14cを含み得る。いくつかの実施態様では、副層14aおよび14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製された干渉変調器中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODは、本明細書では「非開放(unreleased)」IMODと呼ばれることもある。図1に関して上記で説明したように、可動反射層14は、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
プロセス80はブロック90において続き、キャビティ、たとえば、図1、図4A〜図4Eおよび図6Eに示すキャビティ19の形成を伴う。キャビティ19は、(ブロック84において堆積された)犠牲材料25をエッチャントにさらすことによって形成され得る。たとえば、MoまたはアモルファスSiなどのエッチング可能犠牲材料が、ドライ化学エッチングによって、たとえば、一般に、キャビティ19を囲む構造に対して選択的に除去される、所望の量の材料を除去するのに有効である期間の間、固体XeFから派生した蒸気などの気体または蒸気エッチャントに犠牲層25をさらすことによって、除去され得る。他のエッチング方法、たとえば、ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングも使用され得る。犠牲層25がブロック90中に除去されるので、可動反射層14は、一般に、この段階後に可動となる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODは、本明細書では「開放」IMODと呼ばれることがある。
図7Aは、コンフォーマル抗スティクション層31を有する電気機械システムデバイスの概略断面図の一例を示す。一実施態様では、電気機械システムデバイスは、第1の電極14’と、キャビティ19によって第1の電極14’から分離された第2の電極16’とを含む。電極14’および16’の少なくとも一方は、可動である。一実施態様では、第1の電極14’は、可動であり、第2の電極16’は、固定である。キャビティ19に面する表面は、粗面を有する。図示の実施態様では、第1の電極14’は、粗面を有し、他の実施態様では、第2の電極16’、または第1の電極14’と第2の電極16’の両方は、粗面を有することができる。コンフォーマル抗スティクション層31は、キャビティ内に、粗面と他の電極の両方の上に形成される。一実施態様では、コンフォーマル抗スティクション層31は、原子層堆積(ALD)層と、自己組織化単分子膜(SAM)とを含む。図7Aには示していないが、別の実施態様では、コンフォーマル抗スティクション層は、また、キャビティ19から反対の方向に面する第1の電極14’の表面などの、デバイスの外側表面上に形成され得る。
図7Bは、コンフォーマル抗スティクション層を有する干渉変調器の概略断面図の一例を示す。図7Bに示すように、解放エッチングがキャビティを画定した後、少なくとも反射層14a、および光学スタック16の上部、ならびに、図示の実施態様では、キャビティ19のすべての内部表面は、抗スティクション層31でコンフォーマルにコーティングされ得る。図示のコンフォーマル抗スティクション層31は、原子層堆積(ALD)によって形成され得るコンフォーマル層31aと、後述するように自己組織化単分子膜(SAM)31bとを含む。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aは、無機層であり得る。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aは、誘電体層であり得る。抗スティクション特性は、コンフォーマル層31aとSAM31bの一方または両方によって得られ得ることが理解されるであろう。両方が用いられる実施態様に関して、コンフォーマル層31aは、その上にSAMを形成するためのシード層として機能することができる。
SAMは、様々な方法で形成され得る。一実施態様では、SAM層31bは、気相堆積プロセスでコンフォーマル層31aの上に形成される。一実施態様では、気相堆積は、キャビティ表面とのSAM前駆体の表面反応および/または鎖架橋結合を促進させる触媒を含む。他の気相堆積プロセスでは、触媒は、使用されない。一実施態様では、前駆体ガスは、静的モードで送達され、それによって、対象の基板表面が飽和され、SAM層31bが密に形成されるまで、基板は、モノマー前駆体で充填されたチャンバ内に配置される。別の実施態様では、SAMS前駆体の気相送達は、触媒ありまたはなしで、基板を収容する反応チャンバを通る連続流で提供され得る。他の実施態様では、SAM層のための前駆体は、液相で送達され得る。
いくつかの実施態様では、電気機械システム装置は、固定電極と、押しつぶし可能なキャビティによって固定電極から分離された可動電極とが設けられる。たとえば、図7Bに示す実施態様では、固定電極は、光学スタック16であり得、可動電極は、可動反射層14であり得、キャビティ19は、それらの間にある。電極の一方とキャビティ19との間の表面、たとえば、図7Bに示す実施態様では、コンフォーマル層31aに接触する誘電体16bの表面、または、コンフォーマル層31aに接触する反射層14aの表面は、粗面であり得る。図7Bの抗スティクション層31は、粗面の上、および電極の他方(たとえば、反射層14aまたは光学スタック16のいずれか)の上の、キャビティ19内に形成され得る。いくつかの実施態様では、抗スティクション層31は、コンフォーマル層31aなどのコンフォーマル誘電体材料を含む。抗スティクション層31は、SAM層31bを含むこともできる。コンフォーマル層31aとSAM層31bの両方は、それぞれ、ALDおよび自己組織化によって、コンフォーマルに形成され得る。抗スティクション層31は、図示のように、キャビティ19から反対の方向に面する可動電極の表面などの、電気機械システムデバイスの外部表面上に形成することもできる。
図7Cは、図7Bの干渉変調器の一部の概略断面図の一例の拡大断面を示す。図7Cは、粗面を有する反射層14aを示す。コンフォーマル抗スティクション層31は、反射層14aの粗面の上に形成され、下にある反射層14aの表面と同様の粗さを有する。図示の実施態様では、抗スティクション層は、コンフォーマル層31aと、同様にコンフォーマルであり、そのため、反射層14aによって提供される表面粗さを同様に複製する追加のSAM層31bとを含む。加えて、抗スティクション層31は、代替的にまたは追加的に、ギャップの反対側の光学スタック16上の(または、より一般的にはEMSのための固定電極上の)粗面を覆うことができる。抗スティクション層31の下のキャビティに隣接する粗面のための技術、および粗さの程度は、以下に説明される。
図8は、電気機械システムデバイスを製造するための方法91を示す流れ図の一例を示す。方法91は、図示の順序で行われる必要はない。いくつかの実施態様では、方法91は、第1の電極を形成するブロック92を含む。ブロック93では、犠牲層が、第1の電極の上に形成される。いくつかの実施態様では、犠牲層は、1つまたは複数の粗面が形成され得る。ブロック94では、第2の電極が、犠牲層の上に形成される。ブロック95では、粗面が、第1および第2の電極の一方と犠牲層との間に、犠牲層と対向して設けられる。粗面は、犠牲層の第1の電極側、または犠牲層の第2の電極側のいずれかに設けられ得る。ブロック96では、犠牲層が除去され、それによって、第1の電極および第2の電極によって画定される対向する側でキャビティを形成する。ブロック97では、コンフォーマル層が、原子層堆積(ALD)によってキャビティ内に堆積される。いくつかの実施態様では、自己組織化単分子膜(SAM)が、ALDによって堆積されたコンフォーマル層の上部に形成され得る。
いくつかの実施態様では、電気機械システムデバイスは、干渉変調器である。
上述したように、図7Aは、コンフォーマル層31aおよびSAM層31bがキャビティ19内に形成された、キャビティ19を有するIMODの一例を示す。蒸気相堆積反応物は、反射可動層14におけるエッチングホール(図示せず)、アレイ内の反射可動層14の隣接するストリップ間のギャップ、および、横方向の支持体18間のギャップなどの、解放エッチング蒸気が流れる同じ経路によって、キャビティ19の内部表面に達する可能性がある。図示していないが、当業者は、誘電体層および/またはSAM堆積物は、また、導電層14cの上面などの、デバイスの外側表面上に、誘電体およびSAM層を残す可能性があることを認識するであろう。
いくつかの実施態様では、可動電極は、キャビティに面する第1の表面と、第1の表面と反対の可動電極の他方の側の第2の表面とを有する。いくつかの実施態様では、コンフォーマル抗スティクション層は、可動電極の第1および第2の表面の上に形成される。
いくつかの実施態様では、抗スティクション層31は、コンフォーマル層31aとして、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタル(Ta)、および二酸化シリコン(SiO)のうちの1つまたは複数などの誘電体材料を含む。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aは、Alである。抗スティクション層31は、ALDまたはCVDによって形成され得る。コンフォーマル層31aは、アルミニウム、ハフニウム、タンタル、またはシリコンを含む反応物を酸化剤と一緒に提供することによって形成され得る。堆積チャンバは、反応性反応物を相互に分離しておくように、反応物パルス間でポンプダウンまたはパージされ得る。たとえば、金属前駆体は、1パルス中に単分子層以下を自己限定的に吸着することができ、過剰な金属前駆体は、パージなどによって堆積チャンバから除去され、酸化剤は、金属前駆体の吸着種と反応し、過剰な酸化剤は、次の前駆体の前に堆積チャンバから除去される。各サイクルは、この例では、金属酸化物の約1単分子層より多くを残さない。より複雑なシーケンスが、特に、より複雑な材料のために提供され得る。たとえば、酸化アルミニウムは、トリメチルアルミニウム(TMA、(CHAl)、および水などの酸素源蒸気の交互の順次パルスを使用するALDプロセスによって形成され得る。交互の順次パルスは、所望の厚さの酸化アルミニウム膜が堆積されるまで繰り返され得る。いくつかの実施態様では、反応空間は、ALDプロセスの交互の順次パルス中、約100℃未満の温度を有する。
酸化ハフニウムは、ハロゲン化ハフニウムまたはハフニウム有機化合物、および水などの酸化剤を交互かつ順次に提供することによって形成され得る。酸化タンタルは、ハロゲン化タンタルまたはタンタル有機化合物、および水などの酸化剤を交互かつ順次に提供することによって形成され得る。
いくつかの実施態様では、コンフォーマル抗スティクション層31は、約2.5nmまたは3.0nmより厚い厚さを有する。抗スティクション層31の厚さは、それ自体による誘電体材料またはコンフォーマル層31aの厚さ、または、コンフォーマル層31aの上部に形成された任意のSAM31bの厚さを含むことができる。いくつかの実施態様では、抗スティクション層の厚さは、約2.5または3.0nmから約10nmまでである。いくつかの実施態様では、抗スティクション層の厚さは、約2.5または3.0nmから約10nmまでである。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aの厚さは、約2.5nmよりも厚い。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aの厚さは、約40オングストロームから約60オングストロームまでである。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aの厚さは、約90オングストローム以下である。
コンフォーマル抗スティクション層に関する約100オングストローム未満の厚さは、電気機械デバイスの光学特性に影響しない可能性があり、光学スタックの厚さを変更することを必要としない可能性がある。コンフォーマル抗スティクション層に関する約100オングストローム〜約200オングストロームの厚さは、電気機械デバイスの光学特性に影響する可能性がある。光学スタックの厚さ、または電気機械システムデバイスの他の特性は、厚い抗スティクション層から生じるデバイスの光学的または機械的特性の何らかの変化を考慮するために変更され得る。
いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aは、ALDによって、約2.5nmまたは3.0nmよりも厚い厚さに形成される。いくつかの実施態様では、約25〜約30、またはそれよりも多くのALDサイクルが、2.5〜3.0nmの厚さを得るために使用される。いくつかの実施態様では、約80〜100のALDサイクルが、約8.0〜10.0nmの厚さを得るために使用される。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31a上に形成されたSAM31bの厚さは、約7Åと35Åとの間であり、約1.0nmよりも厚くてよい。
いくつかの実施態様では、抗スティクション層31は、固定電極(たとえば、16の一部)および可動電極(たとえば、14の一部)を含んで、キャビティ19内の表面の上に堆積され得る。抗スティクション層は、高いコンフォーマリティで堆積され得る。たとえば、コンフォーマル31aは、その最も薄い部分が、最も厚い部分の約90%よりも厚い厚さを有するようにコンフォーマリティを有することができる。
いくつかの実施態様では、抗スティクション層31は、粗面を画定する材料よりも高い硬度を有する材料を含む。いくつかの実施態様では、抗スティクション層31の下の粗面は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの反射性材料であり得る。いくつかの実施態様では、抗スティクション層31は、アルミニウム合金、たとえば、AlCuの硬度よりも高い硬度を有する。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aは、約160GPa〜190GPaの範囲のヤング率、約10GPa〜14GPaのバーコビッチ硬度、約7GPaと9GPaとの間のユニバーサル硬度、および/または、約350MPa〜500MPaの範囲の固有面内応力を有する。
いくつかの実施態様では、抗スティクション層31は、コンフォーマル層31aを、コンフォーマル層31a上に形成されたSAM31bと共に有することができる。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aは、コンフォーマル層31a上のキャビティ19内のSAM31bの堆積を容易にするために、シード層として使用され得る。自己組織化単分子膜(SAM)31bは、キャビティ19の内部に露出され得る。SAM31bは、誘電体材料と接触する親水性端部を、キャビティ19の内部に面する反対側の疎水性端部と共に有する典型的な有機鎖状分子であるモノマーから形成され得る。
いくつかの実施態様では、SAM31bは、反応物としてn−デシルトリクロロシランを使用して形成される。たとえば、n−デシルトリクロロシランは、反応物がコンフォーマル層31aに接触するように、液体または蒸気の形態で電気機械システムデバイスに提供され得る。コンフォーマル層31aは、水酸(−OH)基を含む表面終端を含むことができる。SAM反応物は、コンフォーマル層31aの表面上の水酸基と反応することができる。いくつかの実施態様では、反応空間は、SAMの堆積中、約50℃未満の温度を有する。いくつかの実施態様では、SAM反応物は、電気機械システムデバイスに提供され、反応空間に浸漬される。いくつかの実施態様では、SAM反応物の複数のパルスが、反応空間に提供される。いくつかの実施態様では、SAM31bは、オクタデシルトリクロロシラン、ペンタデシルトリクロロシラン、またはドデシルトリクロロシランを使用して形成され得る。
いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aを堆積すること、およびSAM31bを形成することは、同じ堆積チャンバ内で、インサイチュで行われる。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aは、クラスタツールの1つの反応空間内で堆積され得、SAM31bは、クラスタツール内の別の反応空間内で堆積され得る。いくつかの実施態様では、汚染を最小限にするために、コンフォーマル層31aを堆積することと、SAM31bを堆積することの間に真空破壊は存在しない。いくつかの実施態様では、コンフォーマル層31aを堆積することと、SAM31bを堆積することとの間に真空破壊が存在する。
いくつかの実施態様では、抗スティクション層31またはコンフォーマル層31aは、粗面の上に堆積される。粗面は、固定電極とキャビティとの間の抗スティクション層31によって画定され得る。コンフォーマル層31は、下にある層の粗さと同様の粗さを有するコーティング表面を残すように、粗面の上に堆積され得る。粗面は、様々な方法で形成され得る。抗スティクション層31は、何らかの下にある材料の表面モフォロジを保持することができる。
いくつかの実施態様では、粗面を設けることは、粗化テンプレート表面を有する犠牲層を形成することと、粗化テンプレート表面の上に粗面を有する可動反射層を形成することとを含む。犠牲層は、犠牲層の表面に特定の粗さをもたらす堆積条件(たとえば、温度、反応物の流量、堆積速度、など)を使用して堆積され得る。いくつかの実施態様では、犠牲層は、制御されたパワーおよび期間のイオン衝撃などの処理によって、堆積後に粗化され得る。
いくつかの実施態様では、犠牲層または固定電極は、バンプまたは粗面を有するようにパターン化され得る。固定電極または犠牲層の表面をパターン化するために、フォトリソグラフィが使用され得る。粗面、または粗面のためのテンプレートを形成するために、所与のエッチング液に対して異なるエッチング速度を有する領域を有するマスク層が使用され得る。いくつかの実施態様では、パターン化は、電子ビームリソグラフィおよび/または画像転写を含むことができる。いくつかの実施態様では、パターン化は、ポジ型またはネガ型フォトレジストの使用を含み得る。
いくつかの実施態様では、粗面上のバンプは、様々な堆積技術によって得られ得る。たとえば、フラッシュ堆積、短期間のスパッタリング、ナノチューブもしくは他のランダムなナノ型物体の(たとえば、ナノチューブを含む溶液のスピンコーティングによる)塗布、および/または、アルミニウム堆積/陽極酸化が使用され得る。
いくつかの実施態様では、ナノ粒子が、固定電極の上部、または犠牲層の上部に使用され得る。粒子のサイズは、表面の所望の粗さに基づいて選択され得る。いくつかの実施態様では、酸化物ナノ粒子が使用され得る。いくつかの実施態様では、酸化アルミニウムナノ粒子が使用され得る。いくつかの実施態様では、ナノ粒子を堆積することは、分散液を使用するスピンオンコーティングを使用することを含むことができる。
いくつかの実施態様では、粗面を設けるため、または、粗面のためのテンプレートを提供するために、多孔性表面が形成され得る。固定電極と可動電極のいずれかまたは両方は、多孔性表面を含むことができる。いくつかの実施態様では、多孔性表面は、酸化アルミニウムを形成するために、アルミニウムを陽極酸化することによって形成され得る。
犠牲層は、堆積されるように粗面を有することができ、および/または、その表面を粗化するために、表面処理を受けることができる。いくつかの実施態様では、犠牲層の下の表面は、下にある層から粗さを複製する犠牲層で粗化され得る。いくつかの実施態様では、粒子が、平滑な犠牲層の上部に堆積され得る。図6Cに示す実施態様では、可動反射層14aは、粗化された犠牲層25の上に堆積され得る。犠牲層25が除去された後、可動反射層14aの粗面は、キャビティ19に露出される。コンフォーマル層31aは、可動反射層14aの表面の粗さと実質的に同じである粗さを有するコーティング表面を残すように、可動反射層14aの粗面の上に堆積され得る。
いくつかの実施態様では、キャビティに面する可動層の表面は、粗化され得る。
いくつかの実施態様では、キャビティに面する固定電極の表面は、粗化され得る。
いくつかの実施態様では、誘電体層16bは、粗面を有することができる。誘電体層16bまたは固定電極の表面は、堆積されるように粗化され得、または、堆積され、表面を粗化するために表面処理を受けることができる。犠牲層25が除去された後、誘電体層16bの粗面は、キャビティ19に露出される。コンフォーマル層31aは、次いで、誘電体層16bと同様の粗さと同様の粗さを有するコンフォーマル層31aの表面を残すように、誘電体層16bの粗面上に堆積され得る。
SAM31bがコンフォーマル層31aの上に形成される実施態様では、SAM層31bの粗さは、下にあるコンフォーマル層31aの表面によって示される粗さと実質的に同様であり得る。
粗面の粗さは、変更し得る。いくつかの実施態様では、粗面、およびその上に形成された抗スティクション層31は、各々、約1.5nmの二乗平均平方根(rms)よりも大きい粗さを有することができる。いくつかの実施態様では、粗面、およびその上に形成された抗スティクション層31の表面は、各々、約1.5nm rmsと約6nm rmsとの間の粗さを有することができる。いくつかの実施態様では、抗スティクション層31を堆積することは、約2nm rmsよりも大きい厚さを有するように粗面を複製することを含む。
いくつかの実施態様では、抗スティクション層31の粗さは、ギャップサイズ(たとえば、オープン状態でのキャビティ19内の対向する電極表面の間の距離)、または結果として生じるピクセルの所望の色に基づいて堆積され得る。いくつかの実施態様では、赤色ピクセルに関して、抗スティクション層31の粗さは、約1.5nm〜約4.0nmであり得る。いくつかの実施態様では、緑色ピクセルに関して、コンフォーマル抗スティクション層の粗さは、約3.0nm〜約5.0nmであり得る。いくつかの実施態様では、青色ピクセルに関して、抗スティクション層31の粗さは、約3.0nm〜約6.0nmであり得る。いくつかの実施態様では、異なる粗さが、各異なるピクセルカラーのために使用される。ピクセルの粗さは、ピクセルのギャップサイズに基づいて変更することができる。各ギャップサイズは、各ギャップサイズに関する粗さがアレイにわたって別々に対象にされ得るように、別々に形成された犠牲層によって画定され得る。
いくつかの実施態様では、電気機械システムデバイスが提供される。電気機械システムデバイスは、固定電極手段と、デバイスを作動させるための可動電極手段と、固定電極手段と可動電極との間に画定されたキャビティとを含むことができる。固定電極および可動電極の少なくとも一方は、キャビティに面する粗面を有することができる。スティクションを低減する手段は、粗面の上を含むキャビティに面する固定電極手段および可動電極手段の表面を覆って使用され得る。
いくつかの実施態様では、スティクションを低減するための手段は、コンフォーマル誘電体層を含む。コンフォーマル誘電体層は、Al、HfO、Ta、SiOのうちの1つまたは複数を含むことができる。コンフォーマル誘電体層は、ALDによって堆積され得、約2.5nm〜約10nmの厚さを有することができる。いくつかの実施態様では、スティクションを低減するための手段は、コンフォーマル誘電体層の上に形成された自己組織化単分子膜(SAM)を含むこともできる。いくつかの実施態様では、粗面は、固定電極手段とキャビティとの間のコンフォーマル誘電体層によって画定される。
図9Aおよび図9Bは、複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図の例を示している。ディスプレイデバイス40は、たとえば、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはディスプレイデバイス40の軽微な変形も、テレビジョン、電子リーダーおよびポータブルメディアプレーヤなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、もしくはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明する干渉変調器ディスプレイを含むことができる。
ディスプレイデバイス40の構成要素は図9Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタ処理する)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28に、およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次にディスプレイアレイ30に結合される。電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計によって必要とされるすべての構成要素に電力を与えることができる。
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実施態様では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、gまたはnを含むIEEE802.11規格に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実施態様では、アンテナ43は、BLUETOOTH(登録商標)規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3Gまたは4G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、GSM(登録商標)/General Packet Radio Service(GPRS)、Enhanced Data GSM(登録商標) Environment(EDGE)、Terrestrial Trunked Radio(TETRA)、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))、Evolution Data Optimized(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、その信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、その信号を処理することができる。
いくつかの実施態様では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理されるフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和、およびグレースケールレベルを含むことができる。
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実施され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も適用される。
いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(たとえば、IMODコントローラ)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(たとえば、IMODディスプレイドライバ)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(たとえば、IMODのアレイを含むディスプレイ)であり得る。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29はアレイドライバ22と一体化され得る。そのような実施態様は、セルラーフォン、ウォッチおよび他の小面積ディスプレイなどの高集積システムでは一般的である。
いくつかの実施態様では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように、構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実施態様では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが使用され得る。
電源50は、当技術分野でよく知られている様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
いくつかの実施態様では、制御プログラマビリティがドライバコントローラ29中に存在し、これは電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実施態様では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実施され得る。
本明細書で開示する実施態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実施され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実施されるか、ソフトウェアで実施されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実施するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実施または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実施することもできる。いくつかの実施態様では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実施され得る。また、本明細書で説明した主題の実施態様は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実施され得る。
本開示で説明した実施態様への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実施態様に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与られるべきである。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、実施されたIMODの適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
また、別個の実施態様に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施態様において組合せで実施され得る。また、逆に、単一の実施態様に関して説明した様々な特徴は、複数の実施態様において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実施され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でまたは順番に実行されることを、あるいはすべての図示の動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明するプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実施態様が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。
12 干渉変調器、IMOD、ピクセル
13、15 光
14 可動反射層、層、反射層
14’ 第1の電極
14a 反射副層、伝導性層、副層、反射層
14b 支持層、誘電支持層、副層
14c 伝導性層、副層、導電層
16 光学スタック、層
16’ 第2の電極
16a 吸収層、光吸収体、副層、導体/吸収体副層
16b 誘電体、副層
18 ポスト、支持体、支持ポスト
19 ギャップ、キャビティ
20 透明基板、基板
21 プロセッサ、システムプロセッサ
22 アレイドライバ
23 ブラックマスク構造、ブラックマスク
24 行ドライバ回路
25 犠牲層、犠牲材料
26 列ドライバ回路
27 ネットワークインターフェース
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラ
30 ディスプレイアレイ、パネル、ディスプレイ
31 コンフォーマル抗スティクション層
31a コンフォーマル層
31b 自己組織化単分子膜、SAM層
32 テザー
34 変形可能層
35 スペーサ層
40 ディスプレイデバイス
41 ハウジング
43 アンテナ
45 スピーカー
46 マイクロフォン
47 トランシーバ
48 入力デバイス
50 電源
52 調整ハードウェア

Claims (46)

  1. 第1の電極と、
    キャビティによって前記第1の電極から分離された第2の可動電極であって、前記電極の一方と前記キャビティとの間の表面が粗面である、第2の可動電極と、
    前記粗面の上および前記電極の他方の上の前記キャビティ内に形成された、コンフォーマル抗スティクション層と
    を備える、電気機械システム装置。
  2. 前記コンフォーマル抗スティクション層が、前記粗面を画定する材料よりも高い硬度を有する材料を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記粗面、およびその上に形成された前記コンフォーマル抗スティクション層が、各々、約1.5nm rmsよりも大きい粗さを有する、請求項1に記載の装置。
  4. 前記粗面、およびその上に形成された前記コンフォーマル抗スティクション層が、各々、約1.5nm rmsと約6nm rmsとの間の粗さを有する、請求項1に記載の装置。
  5. 前記第1の電極が固定電極である、請求項1に記載の装置。
  6. 前記コンフォーマル抗スティクション層が誘電体材料を含み、前記誘電体材料が、その最も薄い部分がその最も厚い部分の約90%よりも厚い厚さを有するようにコンフォーマリティを有する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記コンフォーマル抗スティクション層が、約2.5nm〜約10nmの厚さを有する、請求項1に記載の装置。
  8. 前記コンフォーマル抗スティクション層が、Al、HfO、Ta、SiOのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の装置。
  9. 前記コンフォーマル抗スティクション層が、誘電体材料と自己組織化単分子膜(SAM)とを含む、請求項1に記載の装置。
  10. 前記SAMが、n−デシルトリクロロシランによって形成された、請求項9に記載の装置。
  11. 前記誘電体層が、約7GPaと9GPaとの間のユニバーサル硬度を有する、請求項1に記載の装置。
  12. 前記可動電極が、前記キャビティに面する第1の表面と、前記第1の表面と反対側の前記可動電極の他方の側の第2の表面とを有し、前記コンフォーマル抗スティクション層が、前記可動電極の前記第2の側の上に形成された、請求項1に記載の装置。
  13. 前記電気機械システム装置が干渉変調器である、請求項1に記載の装置。
  14. 請求項13に記載の前記干渉変調器と、
    ディスプレイと、
    前記ディスプレイと通信するように構成されたプロセッサであって、前記プロセッサが、画像データを処理するように構成されている、プロセッサと、
    前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスと
    を含む、ディスプレイ装置。
  15. 少なくとの1つの信号を前記ディスプレイに送るように構成されたドライバ回路をさらに含む、請求項14に記載のディスプレイ装置。
  16. 前記画像データの少なくとも一部を前記ドライバ回路に送るように構成されたコントローラをさらに含む、請求項15に記載のディスプレイ装置。
  17. 前記画像データを前記プロセッサに送るように構成された画像ソースモジュールをさらに含む、請求項14に記載のディスプレイ装置。
  18. 前記画像ソースモジュールが、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のディスプレイ装置。
  19. 入力データを受信し、前記入力データを前記プロセッサに通信するように構成された入力デバイスをさらに含む、請求項14に記載のディスプレイ装置。
  20. 第1の電極を形成するステップと、
    前記第1の電極の上に犠牲層を形成するステップと、
    前記犠牲層の上に第2の電極を形成するステップであって、前記第1および第2の電極の一方と前記犠牲層との間で、粗面が前記犠牲層に面する、ステップと、
    前記犠牲層を除去し、それによって、前記第1の電極および前記第2の電極によって画定される対向する側でキャビティを形成するステップと、
    原子層堆積(ALD)によって前記キャビティ内にコンフォーマル層を堆積するステップと
    を含む、電気機械システムデバイスを製造するための方法。
  21. 前記粗面を設けるステップが、粗化テンプレート表面を有する前記犠牲層を形成するステップと、前記粗化テンプレート表面の上に前記粗面を有する前記第2の電極を形成するステップとを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記粗化テンプレート表面を有する前記犠牲層を形成するステップが、前記粗面を有する前記犠牲層を堆積する条件下で前記犠牲層を堆積するステップを含む、請求項20に記載の方法。
  23. 粗化テンプレート表面を有する前記犠牲層を形成するステップが、前記犠牲層を堆積し、前記表面を粗化する表面処理を続けるステップを含む、請求項20に記載の方法。
  24. 前記コンフォーマル層を堆積するステップが、約2nm rmsよりも大きい粗さを有するように前記粗面を複製するステップを含む、請求項20に記載の方法。
  25. 前記コンフォーマル層を堆積するステップが、前記粗面を画定する材料よりも硬い材料を堆積するステップを含む、請求項20に記載の方法。
  26. 前記コンフォーマル層を堆積するステップが、誘電体材料を堆積するステップを含む、請求項20に記載の方法。
  27. 前記コンフォーマル層の上に形成された自己組織化単分子膜(SAM)を形成するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  28. 前記SAMが、n−デシルトリクロロシランによって堆積される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記コンフォーマル層を堆積するステップ、および前記SAMを形成するステップが、同じ堆積チャンバ内で、インサイチュで行われる、請求項27に記載の方法。
  30. ALDによって堆積された前記コンフォーマル層が、約2.5nm〜約10nmの厚さを有する、請求項20に記載の方法。
  31. ALDによって堆積された前記コンフォーマル層が、Al、HfO、Ta、SiOのうちの1つまたは複数を含む、請求項20に記載の方法。
  32. 前記コンフォーマル層を堆積するステップが、Alを形成するために、水およびトリメチルアルミニウムの交互の順次パルスを基板に供給するステップを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記犠牲層を形成するステップが、モリブデンを堆積するステップを含む、請求項20に記載の方法。
  34. 前記第2の電極を形成するステップが、約1.5nm rmsと約6nm rmsとの間の粗さを有する前記犠牲層に面する表面を設けるステップを含む、請求項20に記載の方法。
  35. 前記コンフォーマル層を堆積するステップが、約1.5nm rms〜約6nm rmsの粗さを有するように前記粗面を複製するステップを含む、請求項20に記載の方法。
  36. 前記電気機械システムデバイスが干渉変調器である、請求項20に記載の方法。
  37. 第1の電極手段と、
    前記デバイスを作動させるための第2の可動電極手段と、
    前記第1の電極手段と前記第2の電極手段との間に画定されたキャビティであって、前記第1の電極手段および前記第2の電極手段の少なくとも一方が前記キャビティに面する粗面を有する、キャビティと、
    前記粗面の上を含む、前記キャビティに面する前記第1の電極手段および前記第2の電極手段の表面を覆う、スティクションを低減するための手段と
    を備える、電気機械システムデバイス。
  38. 前記スティクションを低減するための手段が、コンフォーマル誘電体層を含む、請求項37に記載の装置。
  39. 前記コンフォーマル誘電体層が、約1.5nmから約6nm rmsまでの粗さを有する表面を有する、請求項38に記載の装置。
  40. 前記スティクションを低減するための手段が、前記コンフォーマル誘電体層の上に形成された自己組織化単分子膜(SAM)をさらに含む、請求項38に記載の装置。
  41. 前記SAMがnデシルトリクロロシランから形成された、請求項40に記載の装置。
  42. 前記コンフォーマル誘電体層が、Al、HfO、Ta、SiOのうちの1つまたは複数を含む、請求項38に記載の装置。
  43. 前記コンフォーマル誘電体層が、ALDによって堆積され、約2.5nm〜約10nmの厚さを有する、請求項38に記載の装置。
  44. 前記コンフォーマル誘電体層がAlである、請求項37に記載の装置。
  45. 前記粗面が、前記第1の電極手段と前記キャビティとの間の前記コンフォーマル誘電体層によって画定された、請求項38に記載の装置。
  46. 前記第1の電極手段が固定電極である、請求項37に記載の装置。
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