JP2015531891A - 電気機械システムデバイス - Google Patents

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    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/001Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements based on interference in an adjustable optical cavity

Abstract

本開示は、1つまたは複数の蓄積キャパシタを含む電気機械システムデバイスのためのシステム、方法および装置を提供する。一態様では、デバイスは、基板構造と、基板構造に対して移動するように構成された可動要素と、少なくとも1つのスイッチとを含む。可動要素は、蓄積キャパシタを形成する第1の導電層と第2の導電層とを含む。スイッチは、ソースと蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成される。

Description

[0001]本開示は電気機械システムに関する。
関連技術の説明
[0002]電気機械システム(EMS:electromechanical system)は、電気的および機械的要素と、アクチュエータと、トランスデューサと、センサーと、ミラーおよび光学フィルムなどの光学的構成要素と、電子回路とを有するデバイスを含む。EMSデバイスまたは要素は、限定はしないが、マイクロスケールおよびナノスケールを含む、様々なスケールで製造され得る。たとえば、メムス(MEMS:microelectromechanical system)デバイスは、約1ミクロンから数百ミクロン以上に及ぶサイズを有する構造を含むことができる。ナノ電気機械システム(NEMS:nanoelectromechanical system)デバイスは、たとえば、数百ナノメートルよりも小さいサイズを含む、1ミクロンよりも小さいサイズを有する構造を含むことができる。電気および電気機械デバイスを形成するために、堆積、エッチング、リソグラフィを使用して、ならびに/あるいは、基板および/または堆積された材料層の部分をエッチング除去するかまたは層を追加する、他の微細加工プロセスを使用して、電気機械要素が作成され得る。
[0003]1つのタイプのEMSデバイスは干渉変調器(IMOD:interferometric modulator)と呼ばれる。IMODまたは干渉光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。いくつかの実装形態では、IMODディスプレイ要素が導電性プレートのペアを含み得、導電性プレートの一方または両方は、全体的にまたは部分的に、透明および/または反射性であり、適切な電気信号の印加時に相対運動が可能であり得る。たとえば、一方のプレートが、基板の上に堆積されたか、基板上に堆積されたか、または基板によって支持された固定層を含み得、他方のプレートが、エアギャップによって固定層から分離された反射膜を含み得る。別のプレートに対するあるプレートの位置は、IMODディスプレイ要素に入射する光の光学干渉を変化させることができる。IMODベースのディスプレイデバイスは、広範囲の適用例を有しており、既存の製品を改善し、新しい製品、特にディスプレイ能力をもつ製品を作成する際に使用されることが予期される。
[0004]EMSデバイスでは、反射膜は、反射膜に結合された電極と静止電極との間の電圧の印加によって作動位置と緩和位置との間で移動され得る。しかしながら、可動反射膜からの電荷リークがEMSデバイスの性能に影響を及ぼすことがある。たとえば、デバイスのリフレッシュレートは電荷リークによって影響を及ぼされることがある。したがって、電荷リークの影響を低減し、EMSデバイスの動作性能を改善する必要がある。
[0005]本開示のシステム、方法およびデバイスは、それぞれいくつかの発明的態様を有し、それらのうちの単一の態様が、本明細書で開示する望ましい属性を単独で担当するとは限らない。
[0006]本開示で説明する主題の1つの発明的態様は、基板構造と、可動要素と、少なくとも1つのスイッチとを含むデバイスにおいて実装され得る。可動要素は第1の導電層と第2の導電層とを含み、可動要素は、基板に対して概して直角な方向に移動するように構成される。第1および第2の導電層は蓄積キャパシタを形成する。少なくとも1つのスイッチは、ソースと蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成される。
[0007]いくつかの実装形態では、本デバイスは、蓄積キャパシタが可動要素に電気的に結合され、少なくとも可動要素が作動されたときに、可動要素に電圧を与えるように構成され得る。いくつかの実装形態では、本デバイスは、可動要素と基板構造との間に配置された光学的スタックを含むことができる。光学的スタックは部分反射および部分透過層を含むことができる。光学的スタックと可動要素とは干渉変調器(IMOD)ディスプレイ要素を形成することができる。
[0008]いくつかの実装形態では、少なくとも1つのスイッチは薄膜トランジスタを含むことができる。可動要素は、第1の導電層と第2の導電層との間に配置された誘電体層、たとえば、20nmから4000nmの間の厚さ寸法を有する酸窒化ケイ素(silicon oxy-nitride)を含むことができる。
[0009]本開示で説明する主題の別の発明的態様は、デバイスを形成する方法において実装され得る。本方法は、基板構造を形成することと、可動要素を形成することと、少なくとも1つのスイッチを形成することとを含む。可動要素は、基板構造に対して概して直角な方向に移動するように構成され、蓄積キャパシタを形成する第1の導電層と第2の導電層とを含む。スイッチは、ソースと蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成される。
[0010]いくつかの実装形態では、本方法は、光学的スタックを形成することを含むことができ、光学的スタックは可動要素と基板構造との間に配置される。少なくとも1つのスイッチを形成することは、いくつかの態様では、薄膜トランジスタを形成することを含むことができる。
[0011]本開示で説明する主題の別の発明的態様は、基板構造と、電荷を蓄積し、光を反射するための可動手段を含むディスプレイ要素とを含む電気機械システムを含むデバイスにおいて実装され得る。光反射電荷蓄積手段は、少なくとも第1の作動位置および緩和位置まで基板構造に対して概して直角な方向に駆動されるように構成される。光反射電荷蓄積手段は、可動手段が作動されている間、可動手段の少なくとも1つの導電層に電圧を与えるように構成される。本デバイスはまた、ソースと蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するための手段を含む。
[0012]いくつかの実装形態では、電荷を蓄積し、光を反射するための可動手段は、第1の導電層と、第2の導電層と、第1の導電層と第2の導電層との間の誘電体層とを含むことができる。第1および第2の導電層と誘電体層とは可動蓄積キャパシタを形成することができる。いくつかの実装形態では、電荷制御手段は、少なくとも1つのスイッチ、たとえば、薄膜トランジスタを含むことができる。
[0013]本開示で説明する主題の1つまたは複数の実装形態の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載されている。本開示で与える例は、主にEMSおよびMEMSベースのディスプレイに関して説明されるが、本明細書で提供する概念は、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイ、および電界放出ディスプレイなど、他のタイプのディスプレイに適用され得る。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対寸法は一定の縮尺で描かれていないことがあることに留意されたい。
[0014]干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスのディスプレイ要素のシリーズまたはアレイ中の2つの隣接するIMODディスプレイ要素を示す等角図。 [0015]IMODディスプレイ要素の3要素×3要素アレイを含むIMODベースのディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図。 [0016]IMODディスプレイ要素についての可動反射層の位置対印加電圧を示すグラフ。 [0017]様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときのIMODディスプレイ要素の様々な状態を示す表。 [0018]IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図。 IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図。 IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図。 IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図。 IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図。 [0019]IMODディスプレイまたはディスプレイ要素のための製造プロセスを示す流れ図。 [0020]IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するプロセスにおける様々な段階の断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するプロセスにおける様々な段階の断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するプロセスにおける様々な段階の断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するプロセスにおける様々な段階の断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するプロセスにおける様々な段階の断面図。 [0021]アクティブマトリックスIMODアレイの一例のための回路図。 [0022]ディスプレイ要素のアクティブマトリックスアレイの一例の概略平面図。 [0023]線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 [0024]デバイスを形成する方法を示す流れ図の一例を示す図。 [0025]蓄積キャパシタを含む可動要素と蓄積キャパシタなしの可動要素とについての時間に対する電圧の一例を示す図。 [0026]静止電極に対して測定される、図12Aの可動要素についての時間に対する位置の一例を示す図。 [0027]複数のIMODディスプレイ要素を含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図。 複数のIMODディスプレイ要素を含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図。
[0028]様々な図面中の同様の参照番号および名称は同様の要素を示す。
[0029]以下の説明は、本開示の発明的態様について説明する目的で、いくつかの実装形態を対象とする。ただし、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを、当業者は容易に認識されよう。説明する実装形態は、動いていようと(ビデオなど)、静止していようと(静止画像など)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成され得る任意のデバイス、装置、またはシステムにおいて実装され得る。より詳細には、説明する実施形態は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレーヤ(MP3プレーヤなど)、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(たとえば、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(オドメータおよびスピードメータディスプレイなどを含む)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両における後部ビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメータ、(マイクロ電気機械システム(MEMS)適用例を含む電気機械システム(EMS)適用例、ならびに非EMS適用例などにおける)パッケージング、審美構造物(1つの宝飾品または衣類上の画像のディスプレイなど)、ならびに様々なEMSデバイスなど、様々な電子デバイス中に含まれるかまたはそれらに関連付けられ得ると考えられる。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセスおよび電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示す実装形態に限定されるものではなく、代わりに、当業者に容易に明らかになるであろう広い適用性を有する。
[0030]いくつかの実装形態では、アクティブマトリックスEMSデバイスは少なくとも1つの蓄積キャパシタを含む。本明細書で使用する「アクティブマトリックス」という用語は、各ピクセル、サブピクセル、またはデバイスの要素が、薄膜トランジスタ(TFT)などのアクティブスイッチを使用して個々に制御(または駆動)される、EMSデバイスを指すことがある。言い換えれば、各ピクセル、サブピクセル、または要素の作動状態は、アクティブスイッチを使用して個々に制御され得る。EMSデバイスは、基板の上に配置された光学的スタックと、ギャップを画定するために光学的スタックの上に配置された可動反射膜(本明細書では機械層または可動要素とも呼ぶ)とを含むことができる。光学的スタックは、静止電極と1つまたは複数の誘電体層とを含むことができる。可動要素は、電極を含むことができ、可動要素と静止電極との間に印加された電圧に応答してギャップ内で可動である。たとえば、可動要素の1つまたは複数の導電性部分は可動電極を形成することができる。可動電極は導電層の可動部分を含むことができ、導電層は、可動要素を別の非可動電気的構成要素に電気的に結合する非可動部分をも有する。可動要素を移動することができる静電力を発生させるために可動電極と静止電極との間の電圧差が使用され得る。いくつかの実装形態では、可動要素は、第2の導電層からオフセットされた第1の導電層を含む。そのような実装形態では、第1または第2の導電層は可動電極を形成することができる。
[0031]いくつかの実装形態では、電気的および/または光学的性能を改善するために、EMSデバイスは、1つまたは複数の蓄積キャパシタと、少なくとも部分的にデバイスの光学的非アクティブ領域中に形成されたアクティブスイッチとを含むことができる。そのような非アクティブ領域は、光を与えるために使用されないデバイス中のディスプレイ要素の領域、たとえば、光を受信することからマスキングされた領域、および反射構造の後ろにある領域を含む。一体型蓄積キャパシタを含むEMSデバイスは、ピクセルに関連するキャパシタンスを増加させ、それによって、ピクセルリークを低減し、駆動電圧を低減し、および/またはディスプレイの画像リフレッシュを改善することができる。そのような蓄積キャパシタは、第1のプレートまたは層と、第2のプレートまたは層と、たとえば、第1の層と第2の層との間に配置された誘電体層であり得る、スペーサ層とを含むことができる。いくつかの実装形態では、可動要素は蓄積キャパシタの第1および第2の層とスペーサ層とを含む。いくつかの実装形態では、可動層の第1および第2の導電層の一方は可動電極と蓄積キャパシタの1つの端子とを形成することができ、第1および第2の導電層の他方は、スイッチに電気的に結合され得る蓄積キャパシタの第2の端子を形成することができる。蓄積キャパシタを形成するために可動要素の層を使用することは、複数の光学的および/または電気的機能を実行するためにEMSデバイスの既存の構成要素を利用することによってピクセルアレイの統合を改善し、それによってピクセルアレイフットプリントを低減することができる。いくつかの実装形態では、アクティブスイッチは、ディスプレイ統合をさらに向上させるために光マスク構造の上にも形成される。
[0032]本開示で説明する主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。たとえば、本開示で説明するいくつかの実装形態は、蓄積キャパシタを省略した他のアクティブマトリックスディスプレイなど、ディスプレイのいくつかの他の構成に対してディスプレイの駆動電圧を低減し、および/またはピクセル電流リークの影響を低減する。さらに、いくつかの実装形態は、蓄積キャパシタなしのアクティブマトリックスディスプレイと比較して、ディスプレイの画像リフレッシュレートを改善する(すなわち、ディスプレイ上の画像が劣化し始める前にその画像がリフレッシュされなければならない時間までの時間の長さを増加させる)。すなわち、リークを低減することによって、蓄積キャパシタは、ディスプレイ要素が、リフレッシュを必要とせずに、ディスプレイ要素に書き込まれた色または画像データを維持することを可能にし得る。その上、いくつかの実装形態はディスプレイの構成要素の統合を改善し、それによって、蓄積キャパシタが、それの構造のために既存の層のいずれをも使用しない別個の構成要素として追加される設計と比較して、より小さいダイ面積を使用してディスプレイが作製されることを可能にする。さらに、いくつかの実装形態は、ディスプレイのピクセルに関連するキャパシタンスを増加させるために使用され得る。いくつかの実装形態は、蓄積キャパシタを形成するために、ピクセルを形成する際にすでに使用された層を使用することによって、作製複雑さを低減するために使用され得る。いくつかの実装形態は、アレイの電力消費を低減し、および/またはさもなければアレイの性能を改善するために使用され得る。さらに、可動要素の一部として形成された蓄積キャパシタを駆動電圧と直列に入れることによって、可動要素と静止電極との間の電気的ギャップが、可動電極と静止電極との間の光学的または物理的ギャップを超えて拡大され得る。安定した移動範囲EMSデバイスは電気的ギャップの1/3に限定され得るので、いくつかの実装形態では、光学的または物理的ギャップを通した安定した移動範囲が拡大され得る。このようにして、本明細書で説明する実装形態は、電荷リーク影響を埋め合わせるための蓄積キャパシタを含まない他のデバイス、またはピクセルのアクティブ領域を低減する個別蓄積キャパシタを含む他のデバイスと比較して、デバイスのフィルファクタ(fill factor)に悪影響を及ぼさずに、ディスプレイデバイスのリフレッシュレート、電力消費、および色変化への電荷リークの影響を改善することができる。
[0033]説明する実装形態が適用され得る好適なEMSまたはMEMSデバイスまたは装置の一例は反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために実装され得る干渉変調器(IMOD)ディスプレイ要素を組み込むことができる。IMODディスプレイ要素は、部分光吸収体(absorber)、吸収体に対して可動である反射体(reflector)、ならびに吸収体と反射体との間に画定された光共振キャビティを含むことができる。いくつかの実装形態では、反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それによってIMODの反射率(reflectance)に影響を及ぼすことができる。IMODディスプレイ要素の反射スペクトルは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得るかなり広いスペクトルバンドをもたらすことができる。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚さを変更することによって調整され得る。光共振キャビティを変更する1つの方法は、吸収体に関して反射体の位置を変更することによる方法である。
[0034]図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスのディスプレイ要素のシリーズまたはアレイ中の2つの隣接するIMODディスプレイ要素を示す等角図である。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉EMS(MEMSなど)ディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、干渉MEMSディスプレイ要素は、明状態または暗状態のいずれかに構成され得る。明(「緩和」、「開」または「オン」など)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」など)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。MEMSディスプレイ要素は、黒および白に加えて、主にカラーディスプレイを可能にする光の特定の波長で反射するように構成され得る。いくつかの実装形態では、複数のディスプレイ要素を使用することによって、原色の様々な強度およびグレーの様々な濃淡が達成され得る。
[0035]IMODディスプレイデバイスは、行と列に構成され得るIMODディスプレイ要素のアレイを含むことができる。アレイ中の各ディスプレイ要素は、(光ギャップ、キャビティまたは光共振キャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な距離をおいて配置された、可動反射層(すなわち、機械層とも呼ばれる可動層)と固定部分反射層(すなわち、固定層)など、少なくとも反射層と半反射層のペアを含むことができる。可動反射層は少なくとも2つの位置間で移動され得る。たとえば、第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それらの2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置と入射光の(1つまたは複数の)波長とに応じて、強め合うようにおよび/または弱め合うように干渉し、各ディスプレイ要素について全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素は、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、作動しているときに暗状態にあり、可視範囲内の光を吸収し、および/または弱め合うようにそれに干渉し得る。ただし、いくつかの他の実装形態では、IMODディスプレイ要素は、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実装形態では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにディスプレイ要素を駆動することができる。いくつかの他の実装形態では、印加電荷が、状態を変更するようにディスプレイ要素を駆動することができる。
[0036]図1中のアレイの図示の部分は、IMODディスプレイ要素12の形態の2つの隣接する干渉MEMSディスプレイ要素を含む。(図示のような)右側のディスプレイ要素12では、可動反射層14は、光学的スタック16の近くの、それに隣接する、またはそれに接触する作動位置に示されている。右側のディスプレイ要素12の両端間に印加された電圧Vbiasは、可動反射層14を移動させ、またそれを作動位置に維持するのに十分である。(図示のような)左側のディスプレイ要素12では、可動反射層14は、部分反射層を含む光学的スタック16から(設計パラメータに基づいてあらかじめ決定され得る)ある距離をおいた緩和位置に示されている。左側のディスプレイ要素12の両端間に印加された電圧V0は、右側のディスプレイ要素12の作動位置などの作動位置への可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。
[0037]図1では、IMODディスプレイ要素12の反射特性が、概して、IMODディスプレイ要素12に入射する光13を示す矢印と、左側のディスプレイ要素12から反射する光15とを用いて示されている。ディスプレイ要素12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過し、光学的スタック16に向かい得る。光学的スタック16に入射する光の一部分は光学的スタック16の部分反射層を透過し得、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学的スタック16を透過した光13の部分は、可動反射層14から反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻り得る。光学的スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うおよび/または弱め合う)干渉が、デバイスの閲覧側または基板側のディスプレイ要素12から反射される光15の(1つまたは複数の)波長の強度を部分的に決定することになる。いくつかの実装形態では、透明基板20は(ガラスプレートまたはパネルと呼ばれることがある)ガラス基板であり得る。ガラス基板は、たとえば、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、または他の好適なガラス材料であるかまたはそれらを含み得る。いくつかの実装形態では、ガラス基板は、0.3、0.5または0.7ミリメートルの厚さを有し得るが、いくつかの実装形態では、ガラス基板は(数十ミリメートルなど)より厚いことも(0.3ミリメートル未満など)より薄いこともある。いくつかの実装形態では、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタラート(PET)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基板など、非ガラス基板が使用され得る。そのような実装形態では、非ガラス基板は0.7ミリメートル未満の厚さを有する可能性があるが、基板は設計考慮事項に応じてより厚いことがある。いくつかの実装形態では、金属箔またはステンレス鋼ベースの基板など、不透明基板が使用され得る。たとえば、固定反射層と、部分に透過性で、部分的に反射性である可動層とを含む逆方向(reverse)IMODベースのディスプレイは、図1のディスプレイ要素12として基板の反対側から閲覧されるように構成され得、不透明基板によってサポートされ得る。
[0038]光学的スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その(1つまたは複数の)層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実装形態では、光学的スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を堆積させることによって、作製され得る。電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、様々な金属(たとえば、クロムおよび/またはモリブデン)、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実装形態では、光学的スタック16のいくつかの部分は、部分光吸収体と電気導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の膜(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学的スタック16の、またはディスプレイ要素の他の構造の)異なる、電気的により伝導性の高い層または部分が、IMODディスプレイ要素間のバス信号に役立ちうる。光学的スタック16は、1つまたは複数の導電層または電気伝導性/部分吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
[0039]いくつかの実装形態では、光学的スタック16の(1つまたは複数の)層の少なくともいくつかは、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング」という用語を、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用する。いくつかの実装形態では、アルミニウム(Al)などの高導電性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学的スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の平行ストリップのシリーズとして形成されて、図示されたポスト18など、支持体の上に堆積された列と、ポスト18間に位置する介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光キャビティが可動反射層14と光学的スタック16との間に形成され得る。いくつかの実装形態では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は約10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
[0040]いくつかの実装形態では、各IMODディスプレイ要素は、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタと見なされ得る。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図1中の左側のディスプレイ要素12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学的スタック16との間にギャップ19がある。しかしながら、電位差、すなわち電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するディスプレイ要素における行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学的スタック16の近くにまたはそれに対して移動することができる。光学的スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図1中の右側の作動ディスプレイ要素12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じであり得る。いくつかの事例ではアレイ中のディスプレイ要素のシリーズが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。いくつかの実装形態では、行は「コモン」ラインと呼ばれることがあり、列は「セグメント」ラインと呼ばれることがあり、その逆も同様である。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指すことがある。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配置される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
[0041]図2は、IMODディスプレイ要素の3要素×3要素アレイを含むIMODベースのディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図である。電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
[0042]プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえばディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図2には、図1に示されたIMODディスプレイデバイスの断面が線1−1によって示されている。図2は明快のためにIMODディスプレイ要素の3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODディスプレイ要素を含んでいることがあり、列におけるIMODディスプレイ要素の数とは異なる数のIMODディスプレイ要素を行において有し得、その逆も同様である。
[0043]図3は、IMODディスプレイ要素についての可動反射層位置対印加電圧を示すグラフである。IMODの場合、行/列(すなわち、コモン/セグメント)書込みプロシージャが、図3に示されているディスプレイ要素のヒステリシス特性(hysteresis property)を利用し得る。IMODディスプレイ要素は、可動反射層またはミラーを緩和状態から作動状態に変更させるために、例示的な一実装形態では、約10ボルトの電位差を使用し得る。電圧がその値から低減されると、電圧が低下して、この例では、10ボルトより下に戻ったとき、可動反射層はそれの状態を維持するが、電圧が2ボルトより下に低下するまで、可動反射層は完全には緩和しない。したがって、図3の例では、印加電圧のウィンドウがある電圧の範囲、約3〜7ボルトが存在し、そのウィンドウ内で要素は緩和状態または作動状態のいずれかで安定している。これを本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と呼ぶ。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込みプロシージャは、一度に1つまたは複数の行をアドレス指定するように設計され得る。したがって、この例では、所与の行のアドレス指定中に、アドレス指定された行における作動されるべきディスプレイ要素は、約10ボルトの電圧差にさらされ得、緩和されるべきディスプレイ要素は、ほぼ0ボルトの電圧差にさらされ得る。アドレス指定後に、それらのディスプレイ要素は、それらが前にストローブされたかまたは書き込まれた状態にとどまるような、この例では約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差にさらされ得る。この例では、アドレス指定された後に、各ディスプレイ要素は、約3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を経験する。このヒステリシス特性の特徴は、IMODディスプレイ要素設計が、同じ印加電圧条件下で作動または緩和のいずれかの既存の状態で安定したままであることを可能にする。各IMODディスプレイ要素は、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタとして働くことができるので、この安定状態は、電力を実質的に消費するかまたは失うことなしに、ヒステリシスウィンドウ内の定常電圧において保持され得る。その上、印加電圧電位が実質的に固定のままである場合、電流は本質的にほとんどまたはまったくディスプレイ要素に流れ込まない。
[0044]いくつかの実装形態では、所与の行におけるディスプレイ要素の状態の所望の変化(もしあれば)に従って、列電極のセットに沿って「セグメント」電圧の形態のデータ信号を印加することによって、画像のフレームが作成され得る。次に、フレームが一度に1行書き込まれるように、アレイの各行がアドレス指定され得る。第1の行におけるディスプレイ要素に所望のデータを書き込むために、第1の行におけるディスプレイ要素の所望の状態に対応するセグメント電圧が列電極上に印加され得、特定の「コモン」電圧または信号の形態の第1の行パルスが第1の行電極に印加され得る。次いで、セグメント電圧のセットは、第2の行におけるディスプレイ要素の状態の所望の変化(もしあれば)に対応するように変更され得、第2のコモン電圧が第2の行電極に印加され得る。いくつかの実装形態では、第1の行におけるディスプレイ要素は、列電極に沿って印加されたセグメント電圧の変化による影響を受けず、第1のコモン電圧行パルス中にそれらのディスプレイ要素が設定された状態にとどまる。このプロセスは、画像フレームを生成するために、行のシリーズ全体、または代替的に、列のシリーズ全体について、連続方式で繰り返され得る。フレームは、何らかの所望の数のフレーム毎秒でこのプロセスを断続的に反復することによって、新しい画像データでリフレッシュおよび/または更新され得る。
[0045]各ディスプレイ要素の両端間に印加されるセグメント信号とコモン信号の組合せ(すなわち、各ディスプレイ要素またはピクセルの両端間の電位差)は、各ディスプレイ要素の得られる状態を決定する。図4は、様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときのIMODディスプレイ要素の様々な状態を示す表である。当業者によって容易に理解されるように、「セグメント」電圧は、列電極または行電極のいずれかに印加され得、「コモン」電圧は、列電極または行電極のうちの他方に印加され得る。
[0046]図4に示されているように、開放電圧(release voltage)VCRELがコモンラインに沿って印加されたとき、コモンラインに沿ったすべてのIMODディスプレイ要素は、セグメントラインに沿って印加された電圧、すなわち、高いセグメント電圧VSHおよび低いセグメント電圧VSLにかかわらず、代替的に開放(released)または非作動状態と呼ばれる、緩和状態に入れられることになる。特に、開放電圧VCRELがコモンラインに沿って印加されると、そのディスプレイ要素のための対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、変調器ディスプレイ要素またはピクセルの両端間の潜在的な電圧(代替的にディスプレイ要素またはピクセル電圧と呼ばれる)は緩和ウィンドウ(図3参照。開放ウィンドウとも呼ばれる)内にあり得る。
[0047]高い保持電圧VCHOLD_Hまたは低い保持電圧VCHOLD_Lなどの保持電圧がコモンライン上に印加されたとき、そのコモンラインに沿ったIMODディスプレイ要素の状態は一定のままであることになる。たとえば、緩和IMODディスプレイ要素は緩和位置にとどまることになり、作動IMODディスプレイ要素は作動位置にとどまることになる。保持電圧は、対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、ディスプレイ要素電圧が安定性ウィンドウ内にとどまることになるように選択され得る。したがって、この例におけるセグメント電圧スイング(voltage swing)は、高いVSHと低いセグメント電圧VSLとの間の差であり、正または負のいずれかの安定性ウィンドウの幅よりも小さい。
[0048]高いアドレス指定電圧VCADD_Hまたは低いアドレス指定電圧VCADD_Lなどのアドレス指定または作動電圧がコモンライン上に印加されたとき、それぞれのセグメントラインに沿ったセグメント電圧の印加によって、データがそのコモンラインに沿った変調器に選択的に書き込まれ得る。セグメント電圧は、作動が印加されたセグメント電圧に依存するように選択され得る。アドレス指定電圧がコモンラインに沿って印加されたとき、一方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウ内のディスプレイ要素電圧をもたらし、ディスプレイ要素が非作動のままであることを引き起こすことになる。対照的に、他方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウを超えるディスプレイ要素電圧をもたらし、ディスプレイ要素の作動をもたらすことになる。作動を引き起こす特定のセグメント電圧は、どのアドレス指定電圧が使用されるかに応じて変動することがある。いくつかの実装形態では、高いアドレス指定電圧VCADD_Hがコモンラインに沿って印加されたとき、高いセグメント電圧VSHの印加は、変調器がそれの現在位置にとどまることを引き起こすことがあり、低いセグメント電圧VSLの印加は、変調器の作動を引き起こすことがある。当然の結果として、低いアドレス指定電圧VCADD_Lが印加されたとき、セグメント電圧の影響は反対であり、高いセグメント電圧VSHは変調器の作動を引き起こし、低いセグメント電圧VSLは変調器の状態に実質的に影響しない(すなわち、安定したままである)ことがある。
[0049]いくつかの実装形態では、変調器の両端間で同じ極性電位差を引き起こす保持電圧、アドレス電圧、およびセグメント電圧が使用され得る。いくつかの他の実装形態では、時間ごとに変調器の電位差の極性を交替する信号が使用され得る。変調器の両端間の極性の交替(すなわち、書込みプロシージャの極性の交替)は、単一の極性の反復書込み動作後に起こることがある電荷蓄積を低減または抑止し得る。
[0050]IMODディスプレイおよびディスプレイ要素の構造の詳細は大きく異なり得る。図5A〜図5Eは、IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図である。図5Aは、金属材料のストリップが、基板20から概して直角に伸びるする支持体18上に堆積されて、可動反射層14を形成する、IMODディスプレイ要素の断面図である。図5Bでは、各IMODディスプレイ要素の可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、コーナーにおいてまたはその近くでテザー32に接して支持体に取り付けられる。図5Cでは、可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、フレキシブルな金属を含み得る変形可能層34から吊るされる。変形可能層34は、可動反射層14の外周の周りで基板20に直接または間接的に接続することがある。これらの接続を、本明細書では「一体型」支持体または支持ポスト18の実装形態と呼ぶ。図5Cに示された実装形態は、変形可能層34によって行われる可動反射層14の機械的機能からのそれの光学的機能の分離から派生する追加の利益を有する。この分離は、可動反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料とが、互いとは無関係に最適化されることを可能にする。
[0051]図5Dは、可動反射層14が反射副層(reflective sub-layer)14aを含む、IMODディスプレイ要素の別の断面図である。可動反射層14は、支持ポスト18などの支持構造上に載る。支持ポスト18は、図示のIMODディスプレイ要素における光学的スタック16の一部であり得る下側静止電極からの可動反射層14の分離を可能にする。たとえば、可動反射層14が緩和位置にあるとき、可動反射層14と光学的スタック16との間にギャップ19が形成される。可動反射層14は、電極として働くように構成され得る導電層14cと、支持層14bとをも含むことができる。この例では、導電層14cは、基板20から遠位にある支持層14bの一方の面に配置され、反射副層14aは、基板20の近位にある支持層14bの他方の面に配置される。いくつかの実装形態では、反射副層14aは、導電性であることがあり、支持層14bと光学的スタック16との間に配置され得る。支持層14bは、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)または二酸化ケイ素(SiO2)の、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実装形態では、支持層14bは、たとえば、SiO2/SiON/SiO23層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。反射副層14aと導電層14cのいずれかまたは両方は、たとえば、約0.5%の銅(Cu)または別の反射性金属材料を用いた、アルミニウム(Al)合金を含むことができる。誘電支持層14bの上および下で導電層14aおよび14cを採用することは、応力のバランスをとり、伝導の向上を与えることができる。いくつかの実装形態では、反射副層14aおよび導電層14cは、可動反射層14内の特定の応力プロファイルを達成することなど、様々な設計目的で、異なる材料から形成され得る。
[0052]図5Dに示されているように、いくつかの実装形態はブラックマスク(black mask)構造23または暗フィルム層をも含むことができる。ブラックマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために、(ディスプレイ要素間にまたは支持ポスト18の下になど)光学不活性領域中に形成され得る。ブラックマスク構造23はまた、光がディスプレイの不活性部分から反射されることまたはそれを透過することを抑止し、それによってコントラスト比を増加させることによって、ディスプレイデバイスの光学的特性を改善することができる。さらに、ブラックマスク構造23の少なくともいくつかの部分は、導電性であり、電気的バス層として機能するように構成され得る。いくつかの実装形態では、行電極は、接続された行電極の抵抗を低減するために、ブラックマスク構造23に接続され得る。ブラックマスク構造23は、堆積およびパターニング技法を含む様々な方法を使用して形成され得る。ブラックマスク構造23は1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実装形態では、ブラックマスク構造23はエタロン(etalon)または干渉スタック(interferometric stack)構造であり得る。たとえば、いくつかの実装形態では、干渉スタックブラックマスク構造23は、それぞれ、約30〜80Å、500〜1000Å、および500〜6000Åの範囲内の厚さをもつ、光吸収体として働くモリブデンクロム(MoCr)層と、SiO2層と、反射体およびバス層として働くアルミニウム合金とを含む。1つまたは複数の層は、たとえば、MoCr層およびSiO2層の場合は、テトラフルオロメタン(または四フッ化炭素、CF4)および/または酸素(O2)、ならびにアルミニウム合金層の場合は、塩素(Cl2)および/または三塩化ホウ素(BCl3)を含む、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを含む、様々な技法を使用してパターニングされ得る。そのような干渉スタックブラックマスク構造23では、導電性吸収体は、各行または列の光学的スタック16における下側静止電極間で信号を送信するかまたは信号をバスで運ぶために使用され得る。いくつかの実装形態では、スペーサ層35が、ブラックマスク構造23中の導電層から(吸収層16aなどの)光学的スタック16中の電極(または導体)を概して電気的に絶縁するように働くことができる。
[0053]図5Eは、可動反射層14が自立している、IMODディスプレイ要素の別の断面図である。図5Dは、構造的におよび/または物質的に可動反射層14とは別個である支持ポスト18を示しているが、図5Eの実装形態は、可動反射層14と一体化された支持ポストを含む。そのような実装形態では、可動反射層14は、複数のロケーションにおいて、下にある光学的スタック16に接触し、可動反射層14の湾曲は、IMODディスプレイ要素の両端間の電圧が作動を引き起こすには不十分であるとき、可動反射層14が図5Eの非作動位置に戻るという、十分な支持を与える。このようにして、基板または光学的スタック16に接触するように下に湾曲するかまたは曲がる可動反射層14の部分は「一体型」支持ポストと見なされ得る。複数のいくつかの異なる層を含んでいることがある光学的スタック16の一実装形態は、ここでは明快のために、光吸収体16aと誘電体16bとを含む状態で示されている。いくつかの実装形態では、光吸収体16aは、静止電極としても、部分反射層としても働き得る。いくつかの実装形態では、光吸収体16aは可動反射層14よりも1桁薄いことがある。いくつかの実装形態では、光吸収体16aは反射副層14aよりも薄い。
[0054]図5A〜図5Eに示された実装形態などの実装形態では、IMODディスプレイ要素は直視型(direct-view)デバイスの一部分を形成し、直視型デバイスでは、画像が、この例ではIMODディスプレイ要素がその上に形成された面の反対の面である透明基板20の正面から閲覧され得る。これらの実装形態では、デバイスの背面部分(すなわち、たとえば、図5Cに示された変形可能層34を含む、可動反射層14の背後のディスプレイデバイスの任意の部分)は、反射層14がデバイスのそれらの部分を光学的に遮蔽するので、ディスプレイデバイスの画質に影響を及ぼすことまたは悪影響を及ぼすことなしに、構成され、作用され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、電圧アドレス指定およびそのようなアドレス指定に起因する移動など、変調器の電気機械的特性から変調器の光学的特性を分離する能力を与える可動反射層14の背後にバス構造(図示せず)が含まれ得る。
[0055]図6は、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素のための製造プロセス80を示す流れ図である。図7A〜図7Eは、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するための製造プロセス80における様々な段階の断面図である。いくつかの実装形態では、製造プロセス80は、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素など、1つまたは複数のEMSデバイスを製造するために実装され得る。そのようなEMSデバイスの製造は、図6に示されていない他のブロックをも含むことができる。たとえば、プロセス80は、図10A〜図10Pを参照しながら以下で説明するように、関連する蓄積キャパシタをもつディスプレイ要素を製造するために利用され得る。プロセス80は、ブロック82において、基板20の上への光学的スタック16の形成から始まる。図7Aは、基板20の上に形成されたそのような光学的スタック16を示している。基板20は、図1に関して上記で説明した材料など、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得る。基板20は、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学的スタック16の効率的な形成を可能にするために、洗浄などの事前準備プロセスにかけられていることがある。上記で説明したように、光学的スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性で、部分的に吸収性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。
[0056]図7Aでは、光学的スタック16は、副層16aおよび16bを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実装形態では、より多いまたはより少ない副層が含まれ得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と電気伝導特性の両方で構成され得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bの一方は、モリブデンクロム(モリクロム(molychrome)またはMoCr)、または好適な複素屈折率をもつ他の材料を含むことができる。さらに、副層16aおよび16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチングプロセスまたは別の好適なプロセスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bのうちの1つは、下にある1つまたは複数の金属層および/または酸化物層(1つまたは複数の反射層および/または導電層など)の上に堆積された上側の副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学的スタック16は、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。図7A〜図7Eでは、副層16aおよび16bはやや厚く示されているが、いくつかの実装形態では、光吸収層など、光学的スタックの副層のうちの少なくとも1つは(たとえば、本開示で示される他の層と比較して)極めて薄いことがある。
[0057]プロセス80は、ブロック84において、光学的スタック16の上への犠牲層25の形成を続ける。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で除去される(ブロック90参照)ので、犠牲層25は、得られたIMODディスプレイ要素には示されていない。図7Bは、光学的スタック16の上に形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示している。光学的スタック16の上への犠牲層25の形成は、後続の除去後に、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(図7Eも参照)を与えるように選択された厚さの、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(Si)など、フッ化キセノン(XeF2)エッチング可能材料の堆積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理蒸着(スパッタリングなど、多くの異なる技法を含むPVD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、熱化学蒸着(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
[0058]プロセス80は、ブロック86において、支持ポスト18などの支持構造の形成を続ける。支持ポスト18の形成は、支持構造開口(aperture)を形成するために犠牲層25をパターニングすることと、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、支持ポスト18を形成するために開口中に(酸化ケイ素のような、ポリマーまたは無機材料などの)材料を堆積させることとを含み得る。いくつかの実装形態では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、支持ポスト18の下側端部が基板20に接触するように、犠牲層25と光学的スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することができる。代替的に、図7Cに示されているように、犠牲層25中に形成された開口は、犠牲層25を通って伸びることはできるが、光学的スタック16を通って伸びることはできない。たとえば、図7Eは、光学的スタック16の上側表面と接触している支持ポスト18の下側端部を示している。支持ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25の上に支持構造材料の層を堆積させることと、犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分をパターニングすることとによって形成され得る。支持構造は、図7Cに示されているように、開口内に配置され得るが、少なくとも部分的に犠牲層25の一部分の上に伸びることもできる。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、マスキングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替パターニング方法によっても実行され得る。
[0059]プロセス80は、ブロック88において、図7Dに示されている可動反射層14などの可動反射層または膜の形成を続ける。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキングおよび/またはエッチングステップとともに、たとえば、(アルミニウム、アルミニウム合金、または他の反射性材料などの)反射層堆積を含む1つまたは複数の堆積ステップを採用することによって形成され得る。可動反射層14は、たとえば、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層と呼ばれることがある。いくつかの実装形態では、可動反射層14は、図7Dに示されているように複数の副層14a、14bおよび14cを含み得る。いくつかの実装形態では、副層14aおよび14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。いくつかの実装形態では、機械的副層は誘電体材料を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製されたIMODディスプレイ要素中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODディスプレイ要素を、本明細書では「非開放(unreleased)」IMODと呼ぶこともある。
[0060]プロセス80は、ブロック90において、キャビティ19の形成を続ける。キャビティ19は、(ブロック84において堆積された)犠牲材料25をエッチング液にさらすことによって形成され得る。たとえば、所望の量の材料を除去するのに有効である時間期間の間、固体XeF2から生じた蒸気など、気体または蒸気エッチング液に犠牲層25をさらすことによって、MoまたはアモルファスSiなどのエッチング可能犠牲材料がドライ化学エッチングによって除去され得る。犠牲材料は、一般に、キャビティ19を囲む構造に対して選択的に除去される。ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングなど、他のエッチング方法も使用され得る。犠牲層25がブロック90中に除去されるので、可動反射層14は、一般にこの段階後に可動になる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODディスプレイ要素を、本明細書では「開放」IMODと呼ぶことがある。
[0061]いくつかの実装形態では、IMODベースのディスプレイなど、EMS構成要素またはデバイスのパッケージングは、(機械的干渉または潜在的に損害を与える物質からなど)損傷からEMS構成要素を保護するように構成され得るバックプレート(代替的にバックプレーン、バックガラスまたは凹形ガラスと呼ばれる)を含むことができる。バックプレートはまた、限定はしないが、ドライバ回路、プロセッサ、メモリ、相互接続アレイ、蒸気バリア、製品ハウジングなどを含む広範囲の構成要素のための構造的支持を与えることができる。いくつかの実装形態では、バックプレートの使用は、構成要素の統合を可能にし、それによってポータブル電子デバイスの体積、重量、および/または製造コストを低減することができる。
[0062]図8に、アクティブマトリックスIMODアレイ100の一例のための回路図を示す。図示したIMODアレイ100は、第1のデータライン102aと、第2のデータライン102bと、第1のスキャンライン104aと、第2のスキャンライン104bと、第1のピクセル106aと、第2のピクセル106bと、第3のピクセル106cと、第4のピクセル106dとを含む。ピクセル106a、106、106c、および106dがサブピクセルをも表し得ることを理解されたい。IMODアレイ100は、説明の明快のために、4つのピクセル106を含むものとして示されているが、IMODアレイ100の実装形態は、たとえば、様々な色のピクセルならびに/あるいは数百個または数千個、さらには何百万個ものピクセルを含む、追加のピクセルを含むことができる。
[0063]図8に示された例では、第1〜第4のピクセル106の各々は、薄膜トランジスタ(TFT)108と、蓄積キャパシタ110と、IMOD要素112とを含む。たとえば、第1のピクセル106aは、第1のTFT108aと、第1の蓄積キャパシタ110aと、第1のIMOD要素112aとを含む。同様に、第2のピクセル106bは、第2のTFT108bと、第2の蓄積キャパシタ110bと、第2のIMOD要素112bとを含む。同様に、第3のピクセル106cは、第3のTFT108cと、第3の蓄積キャパシタ110cと、第3のIMOD要素112cとを含む。さらに、第4のピクセル106dは、第4のTFT108dと、第4の蓄積キャパシタ110dと、第4のIMOD要素112dとを含む。
[0064]この実装形態では、第1のTFT108aは、第1のデータライン102aに電気的に結合されたソースと、第1のスキャンライン104aに電気的に結合されたゲートと、第1の蓄積キャパシタ110aの第1のプレートと第1のIMOD要素112aの第1の電極とに電気的に結合されたドレインとを含む。第2のTFT108bは、第2のデータライン102bに電気的に結合されたソースと、第1のスキャンライン104aに電気的に結合されたゲートと、第2の蓄積キャパシタ110bの第1のプレートと第2のIMOD要素112bの第1の電極とに電気的に結合されたドレインとを含む。第3のTFT108cは、第1のデータライン102aに電気的に結合されたソースと、第2のスキャンライン104bに電気的に結合されたゲートと、第3の蓄積キャパシタ110cの第1のプレートと第3のIMOD要素112cの第1の電極とに電気的に結合されたドレインとを含む。第4のTFT108dは、第2のデータライン102bに電気的に結合されたソースと、第2のスキャンライン104bに電気的に結合されたゲートと、第4の蓄積キャパシタ110dの第1のプレートと第4のIMOD要素112dの第1の電極とに電気的に結合されたドレインとを含む。
[0065]図8に概略的に示された実装形態では、第1〜第4の蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dは、たとえば、接地電圧であり得る第1のコモン電圧基準VCOM1に電気的に接続された第2のプレートまたは層をそれぞれ含む。さらに、第1〜第4のIMOD要素112a、112b、112cおよび112dは、たとえば、接地電圧であり得る第2のコモン電圧基準VCOM2にそれぞれ電気的に結合される。いくつかの実装形態では、第1〜第4のIMOD要素112a、112b、112cおよび112dの各々の第2の電極が第2のコモン電圧基準VCOM2に電気的に結合される。しかしながら、他の実装形態が可能である。たとえば、第1および第2のキャパシタ110aおよび110bの第2の端部は第1のコモン電圧基準に電気的に接続され得、第3および第4のキャパシタ110cおよび110dの第2の端部は第2のコモン電圧基準または第3のコモン電圧基準に電気的に接続され得る。さらに、第1および第2のIMOD112aおよび112bの第2の電極は第2のコモン電圧基準に電気的に接続され得、第3および第4のIMOD112cおよび112dの第2の電極は第3または第4のコモン電圧基準に電気的に接続され得る。いくつかの実装形態では、第1〜第4のIMOD要素112a、112b、112cおよび112dの各々の第1の電極は可動電極であり、第1〜第4のIMOD要素112a、112b、112cおよび112dの各々の第2の電極は静止電極である。
[0066]いくつかの実装形態では、図8に示された蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dは、約10fF〜約1,000fF、たとえば、約60fFの範囲内にあるように選択されたキャパシタンスを有することができる。蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dのキャパシタンスはまた、IMOD要素112a、112b、112cおよび112dのキャパシタンスに対して選択され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、各蓄積キャパシタは、関連するIMOD要素が非作動または非駆動状態にあるとき、そのIMOD要素のキャパシタンスの約1倍〜約3倍であるキャパシタンスを有する。キャパシタンス値は、エアギャップ、ピクセルサイズ、駆動電圧要件、電力消費など、多くのファクタに依存することがあることを、当業者は容易に理解されよう。
[0067]第1および第2のデータライン102aおよび102bならびに第1および第2のスキャンライン104aおよび104bは、図8のIMODアレイ100に画像データを書き込むために使用され得る。たとえば、ドライバ回路が、TFT108a、108b、108c、および108dなどのスイッチをオンにするためにイネーブル信号を与えることができる。イネーブル信号は、第1および第2のピクセル106aおよび106bに関連するIMODアレイ100の第1の行をアドレス指定するために、第1のスキャンライン104a上に与えられ得る。イネーブル信号はまた、第2のスキャンライン104b上に与えられ得、第3および第4のピクセル106cおよび106dに関連するIMODアレイ100の第2の行をアドレス指定するために使用され得る。さらに、第1および第2のデータライン102aおよび102bに与えられる電圧は、選択された行においてIMOD要素112の状態を設定するように制御され得る。たとえば、所与の行をアドレス指定するとき、作動されるべきアドレス指定された行中のピクセル106は、作動に好適なデータラインとコモン電圧基準VCOM1およびVCOM2との間の電圧差にさらされ得、緩和(または非作動に)されるべきピクセル106は、IMOD要素112の機械層または可動要素を緩和状態に移動させるのに好適なデータラインとコモン電圧基準VCOM1およびVCOM2との間の電圧差にさらされ得る。いくつかの実装形態では、作動電圧は約10V〜16Vの範囲内にあり、たとえば、約12Vであり、緩和電圧は約0V〜8Vの範囲内にあり、たとえば、約0Vまたは1Vである。
[0068]式1は、関連する蓄積キャパシタを有するIMOD要素112の可動要素を安定的に駆動するために必要な駆動電圧または作動電圧を与える。駆動電圧Vdriveは、可動要素に存在する機械力と、存在する電気力とのバランスをとることによって決定される。式1において、Vpiは可動要素のプルイン電圧であり、Coffは非作動状態での可動要素のキャパシタンスであり、Cstorageは蓄積キャパシタのキャパシタンスである。式1は、可動要素がある電圧まで駆動されたとき、可動要素が嵌合するか、または作動状態まで移動するように、十分な電荷を与えるのに必要な蓄積キャパシタのサイズを決定するように操作され得ることを、当業者は容易に諒解されよう。
Figure 2015531891
[0069]さらに図8を参照すると、第1〜第4の蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dを含むことは、各IMOD要素112の両端間の所与の量の電圧に関して蓄積される電荷量を増加させることができる。たとえば、IMOD要素112a、112b、112cおよび112dの各々に蓄積された電荷量は、約VIMOD*(CIMOD+Cstorage)に等しくなり得、ここで、VIMODは、IMOD要素112の第1の電極と第2の電極との間の電圧差であり、CIMODは、IMOD要素112が非作動または非駆動状態にあるときのIMOD要素112のキャパシタンスであり、これは、IMOD要素112と蓄積キャパシタ110の両方を充電するためにパルスが印加される時間の間一定であると仮定され得、Cstorageは蓄積キャパシタ110のキャパシタンスである。蓄積キャパシタ110を含むことは、ピクセル電荷蓄積を増加させることができ、ピクセル電流リークの影響を低減することができる。たとえば、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネルリークに関連するリークなど、電荷リークは、ピクセル106の電圧を時間とともに変化させ得、ピクセル106が十分に速いレートでリフレッシュされない場合、またはピクセル106が十分な量の蓄積された電荷を有しない場合、ピクセル106の状態が変化することになり得る。
[0070]したがって、図8の第1〜第4の蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dは、ピクセルリークが時間とともに第1〜第4のIMOD要素112a、112b、112cおよび112dの電極の両端間の電圧を変化させるのを防ぐことを助け、それによって画像リフレッシュレートを改善し、ピクセルアレイ100の駆動電圧と電力消費とを低減することができる。このようにして、駆動電圧が維持されることになるので、静止画像について画像がより少ないリフレッシュを必要とすることになるので、画像リフレッシュレートが改善されることになる。以下で説明するように、いくつかの実装形態では、一体型蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dは、IMOD要素112a、112b、112cおよび112dの可動要素の導電層から形成され得る。蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dを全体的にまたは部分的に形成するためにIMOD要素112a、112b、112cおよび112dの可動要素の層を使用することは、ピクセルアレイ100の設計を統合するのを助け、それによって、光マスク構造および蓄積キャパシタが別個の実装面積または空間を必要とするであろう設計と比較して、アレイの面積(またはフットプリント)を低減することができる。ピクセルアレイ100は、蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dを使用するのに好適な1つの構成を示しているが、一体型蓄積キャパシタは、たとえば、アクティブまたはアナログIMODアレイの他の実装形態を含む、任意の好適なピクセルアレイにおいて使用され得る。
[0071]上記で説明したように、いくつかの実装形態では、IMODデバイスは、導電性材料を含むことができる反射副層と導電層とを含む、可動要素または可動反射層を含むことができる。可動要素は、基板構造および/または光学的スタックに対して移動するように構成され得る。いくつかの実装形態では、反射副層は、誘電体支持層または何らかの他のスペーサ層によって導電層から電気的に絶縁され得る。このようにして、反射副層と導電層とは一体型蓄積キャパシタを形成することができる。そのようなIMODデバイスはアクティブマトリックスピクセルアレイ中に含まれ得、蓄積キャパシタは、アクティブマトリックスピクセルアレイの性能を改善するために使用され得る。たとえば、蓄積キャパシタは、アレイの画像リフレッシュレートを改善し、および/またはアレイの駆動電圧または電力消費を低減することができる。さらに、蓄積キャパシタを形成するために可動要素の層を使用することは、ピクセルアレイの統合を改善し、それによってピクセルアレイフットプリントを低減することができる。
[0072]図9に、ディスプレイ要素12のアクティブマトリックスアレイ155の一例の概略平面図を示す。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素またはピクセル12は、第1の導電層と、第2の導電層と、それらの間に配置された誘電体支持層とを含む可動要素14をそれぞれ有するIMODディスプレイ要素を含むことができる。いくつかの実装形態では、第1の導電層は反射層を含むことができ、可動要素は基板構造および/または光学的スタックに対して移動することができる。アクティブマトリックスアレイ155は、TFT162として概略的に示される薄膜トランジスタ(TFT)とビア160とをも含む。アレイ155は、隣接するディスプレイ要素12間に少なくとも部分的に配置された多層光マスク構造23をさらに含む。
[0073]明快のために図9に示されていないが、アレイ155は他の構造を含むことができる。また、図示したディスプレイ要素12は、アレイで構成されており、同様に構成されたディスプレイ要素のはるかに大きいアレイを表すことができる。この例におけるディスプレイ要素12の各々はTFT162およびビア160に関連し、ビア160は、TFT162をディスプレイ要素12に関連する電極に電気的に接続するために使用され得る。
[0074]多層可動要素14は、アレイ155のディスプレイ要素12の各々のための蓄積キャパシタを形成するために利用され得る。たとえば、蓄積キャパシタは、可動要素14の第1の導電層と第2の導電層とが重複する、アレイ155の領域中に形成され得る。たとえば、これらの層の各々が設けられた領域では、第1および第2の導電層は、蓄積キャパシタの電極、プレートまたは層として動作することができ、誘電体支持層は、これらの電極、プレートまたは層を互いから電気的に絶縁することができる。たとえば、第1の蓄積キャパシタCS1は、アレイ155の左上ディスプレイ要素12とともに示されており、それに関連し、第2の蓄積キャパシタCS2は、アレイ155の右下ディスプレイ要素12とともに示されており、それに関連する。以下で説明するように、可動要素14によって形成される各蓄積キャパシタは、ソースと関連するディスプレイ要素12との間の電荷の流れを制御するように構成された、少なくとも1つのスイッチ、たとえば、TFTに電気的に結合され得る。
[0075]図10A〜図10Pに、線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイ155を製作する方法における様々な段階の断面概略図の例を示す。特定の部品およびステップについて、アレイのいくつかの実装形態を作製するのに好適なものとして説明するが、他の実装形態では、異なる部品およびステップならびに材料が使用され得るか、あるいは部品は変更、省略、または追加され得る。
[0076]図10Aおよび図10Bでは、基板構造または基板20上に光マスク構造23が設けられている。基板20は、ガラス、プラスチック、または光が基板20を通過することを可能にする任意の透明ポリマー材料を含むことができる。「逆(inverse)」または「逆方向」IMOD構成では、基板20はまた不透明であり得る。図示した光マスク構造23は、第1の導電層23aと、スペーサ層23bと、第2の導電層23cとを含む多層構造である。第1の導電層23a、第2の導電層23cおよびスペーサ層23bは、任意の好適な材料を含むことができる。光マスク構造23の少なくとも1つの層は、アレイの光学不活性領域中で周辺光または迷光を吸収するように構成され得る。ただし、光マスク構造23の各層が光を吸収する必要はない。
[0077]いくつかの実装形態では、第1の導電層23aは、部分反射性、部分透過性、および部分吸収性材料、たとえば、MoCrを含むことができ、約30〜80Åの範囲内の厚さを有することができる。スペーサ層23bは、約500〜1000Åの範囲内の厚さを有する、非導電性または誘電体材料、たとえば、SiO2を含むことができる。第2の導電層23cは、反射性材料、たとえば、AlまたはMoを含むことができ、約500〜6000Åの範囲内の厚さを有することができる。いくつかの実装形態では、反射性の第2の導電層23cは第1の導電層23aよりも高い反射率を有し、第2の導電層23cは第1の導電層23aよりも低い吸収係数を有する。
[0078]図10Cは、スペーサまたはバッファ層35を設けることを示している。バッファ層35は、たとえば、SiO2、SiN、SiON、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate)(TEOS)、および/または他の好適な(1つまたは複数の)誘電体材料を含むことができる。いくつかの実装形態では、バッファ層35の厚さは約1,000〜10,000Åの範囲内にあるが、バッファ層35は、所望の光学的特性に応じて様々な厚さを有することができる。バッファ層35の一部分は、以下でさらに詳細に説明するように、光マスク構造23をTFTとディスプレイ要素の電極とに電気的に接続するためのビアの形成を可能にするように、第1の導電層23aの上で除去され得る(ここで「上」は、基板20の反対側の第1の導電層23aの側を指す)。たとえば、バッファ層35は、後に堆積される導体がそれを通して第2の導電層23cに接触することができる開口172を形成するために、バッファ層35の一部分を除去してパターニングされている。そのような実装形態では、光マスク構造中の導電層は、TFTにルーティングされる信号のためのバスとして働き得る。このようにして、光マスク構造23は、光マスク構造の上に配置された別の構造に電気的に接続され得る。たとえば、光マスク構造23はTFTと可動要素の電極とに電気的に結合され得る。
[0079]図10Dでは、バッファ層35上に活性層131が設けられ、パターニングされている。いくつかの実装形態では、活性層131は、シリコン(Si)、および/またはTFTデバイスのチャネル領域を形成するのに好適な他の半導体材料を含む。活性層131は、所望のチャネル導電率を達成するために、たとえば、ホウ素(B)、リン(P)、またはヒ素(As)を含む、n形またはp形ドーパントを使用してドープされ得る。ドーピングは、たとえば、イオン注入を含む、何らかの好適なプロセスを使用して達成され得る。
[0080]図10Eでは、図10Dのデバイスの上にゲート誘電体層132が設けられ、パターニングされている。図10Fでは、TFT162のゲート構造を形成するためにゲート誘電体層132の上にゲート層133が設けられている。いくつかの実装形態では、ゲート誘電体層132およびゲート層133は、それぞれ、二酸化ケイ素(SiO2)およびたとえばモリブデンを含むことができる。図10Eおよび図10Fに示されているように、ゲート誘電体層132は、後に堆積される層が光マスク構造23の第2の導電層23cに物理的におよび電気的に接触することを可能にするために、開口172がバッファ層35とゲート誘電体層132の両方を通って伸びるようにパターニングされ得る。
[0081]図10Gでは、ゲート層133の上にスペーサ誘電体層134が形成される。スペーサ誘電体層134は、後に堆積される導電層から、図10Fにおいて形成されたゲート層133を電気的に絶縁し、および/または加工中にゲート層133を保護するために使用され得る。いくつかの実装形態では、スペーサ誘電体層134は二酸化ケイ素(SiO2)を含む。スペーサ誘電体層134およびゲート誘電体層132は、活性層131に接触するために使用され得る開口など、開口を含むようにパターニングされ得る。さらに、スペーサ誘電体層134は、開口172がスペーサ誘電体層134をも通って伸びるするようにパターニングされ得る。
[0082]図10Hは、スペーサ誘電体層134の上にソース/ドレイン導電層またはトランジスタコンタクト層135を形成することを示している。ソース/ドレイン導電層135は、アルミニウム(Al)などの任意の好適な導体を含むことができ、TFT162のソースおよびドレインのための所望の金属接続性を形成するためにパターニングされ得る。図示した構成では、ソース/ドレイン導電層135は、ビア160を形成するために図10Gの開口172の上に形成されている。ビア160は、TFT162と、光マスク構造23と、後に堆積される可動要素の電極との間の電気的接続性を与えるために使用され得る。以下で説明するように、可動要素は蓄積キャパシタCs1を含むことができる。このようにして、光マスク構造23と、TFT162と、可動要素の蓄積キャパシタC s1とは電気的に接続され得る。図示した構成では、ビア160は、ソース/ドレイン導電層135を光マスク構造23の第2の導電層23cに電気的に接続するために使用される。しかしながら、以下で説明するように、ビア160は、ソース/ドレイン導電層135と第1の導電層23aとの間に接続を与えるなどのために他の方法で構成され得る。
[0083]図10Iでは、スペーサ誘電体層134およびソース/ドレイン導電層135の上に平坦化層136が形成されている。平坦化層136は、ディスプレイ要素がその上に形成され得る表面として使用され得、いくつかの実装形態では二酸化ケイ素(SiO2)を含むことができる。
[0084]図10Jに示されているように、平坦化層136の上に光学的スタック16が形成され得る。いくつかの実装形態では、光学的スタック16は、静止電極116aと、第1の誘電体層116bと、第2の誘電体層116cとを含むことができる。図示のように、静止電極116aは、アレイのピクセルまたはディスプレイ要素間の電気的絶縁を可能にするようにパターニングされ得る。いくつかの実装形態では、静止電極116aは、モリブデンクロム(MoCr)など、光学的に部分反射性、部分透過性、および部分吸収性の電気導体を含むことができる。いくつかの実装形態では、第1の誘電体層116bは二酸化ケイ素(SiO2)および/または酸窒化ケイ素(SiON)を含むことができ、第2の誘電体層116cはアルミニウム三酸化物(Al23)を含むことができる。光学的スタック16は、図示した構成では2つの誘電体層を含むが、いくつかの実装形態では、光学的スタック16は、より多いまたはより少ない誘電体層を含むことができ、および/または他の層(たとえば、1つまたは複数の非誘電体層)を含むように変更され得る。さらに、第1の誘電体層116bと第2の誘電体層116cとは同じパターンを有するものとして示されているが、他の構成が可能である。
[0085]図9中の線10−10はディスプレイ要素12を通って伸びない、しかし、次に、図10L〜図10Pを参照しながら、図9の線10−10を通る断面に隣接するディスプレイ要素12の形成について説明する。したがって、これらの図はアレイ155を通る断面図として特徴づけられるが、TFT162と、光マスク構造23と、ディスプレイ要素12との間の関係を示すために、たとえば、線10−10を通る断面図の一部でないディスプレイ要素12の部分を含む、アレイ155の部分が図示されていることが、当業者には容易に明らかになるであろう。さらに、便宜上、TFT162および他の構成要素は一定の縮尺で図示されていない。たとえば、TFT162は、TFT162とアレイ155の形成とを適切に図示するために、ディスプレイ要素162の幅に対してより大きく示されている。
[0086]図10Kは、光学的スタック16の上に犠牲層25を設け、パターニングすることを示している。犠牲層25は、ディスプレイ要素中にギャップまたはキャビティを形成するために、後で除去または開放され得る。光学的スタック16の上への犠牲層25の形成は、上記で説明したように堆積ステップを含むことができる。さらに、犠牲層25は、異なるディスプレイ要素間に多数の共振光ギャップを有するディスプレイデバイスの形成を助けるために、2つ以上の層を含むように、または様々な厚さの層を含むように選択され得る。IMODディスプレイ要素のアレイでは、各ギャップサイズは異なる反射色を表すことができる。
[0087]図10Lは、支持ポスト18を形成するために、犠牲層25の上に支持層を設け、パターニングすることを同じく示している。支持ポスト18は、たとえば、二酸化ケイ素(SiO2)および/または酸窒化ケイ素(SiON)から形成され得、支持層は、カーボンテトラフルーライド(CF4)および/または酸素(O2)を含むドライエッチを使用することなど、様々な技法によって、支持ポスト18を形成するためにパターニングされ得る。図10Lに示されているように、いくつかの実装形態では、支持ポスト18はピクセルコーナーに配置され得る。
[0088]図10Mは、犠牲層25の上にディスプレイ要素の可動要素または機械層14を設け、パターニングすること、ならびに静止電極116aへのビア174を開けることを示している。図示のように、可動要素14は、反射性であり得る第1の導電層14aと、第2の導電層14cと、それらの間に配置された誘電体支持層14bとを含む。第1の導電層14aと第2の導電層14cとの重複部分は、蓄積キャパシタCs1を形成するために使用され得る。たとえば、第1および第2の導電層14aおよび14cは蓄積キャパシタCs1のプレートまたは電極として動作することができ、誘電体支持層14bは蓄積キャパシタCs1のプレートまたは電極を電気的に絶縁することができる。図示のように、第1の導電層14aは、第1の導電層14aへの電気的接続または信号のルーティングを可能にするために、IMODディスプレイ要素の一方の側で他の層を越えて伸びる。たとえば、第1の導電層は、接地され得るか、または電圧(図8に示されたVcom1など)に接続され得る。そのような実装形態では、蓄積キャパシタの電極のうちの1つとIMODディスプレイ要素の電極のうちの1つとは同じ層であり、すなわちここでは、第1の導電層14aである。IMODディスプレイ要素の反対側で、導電層14cは、TFT162のドレインへのおよび静止電極116aへの接続を可能にするために、他の層を越えて伸びる。
[0089]第1の導電層14aと第2の導電層14cとは誘電体支持層14bによって互いから電気的に絶縁され、可動要素14を蓄積キャパシタCs1として動作させるために所望の電位に電気的に接続され得る。たとえば、第2の導電層14cは、TFT162を通して接地などの基準電圧に電気的に接続され得、第1の導電層14aはドライバに電気的に接続され得る。いくつかの実装形態では、誘電体支持層14bは、30nmから70nmの間、たとえば、50nmの電気的厚さを有することができる。いくつかの実装形態では、誘電体支持層14bは、酸窒化ケイ素を含み、20nmから4000nmの間の、たとえば、200nmから250nmの間の物理的厚さを有することができる。誘電体支持層14bの電気的厚さおよび得られた物理的厚さは、蓄積キャパシタCs1のキャパシタンスが、必要とされるときに可動要素14を駆動するのに十分であるように選択され得る。
[0090]図10Oは、開口191が、ポスト18、静止電極116a、第1の誘電体層116b、第2の誘電体層116c、および平坦化層136を通して形成された後のアクティブマトリックスアレイを示している。そのようなパターニングは、コンタクト層135を露出させ、開口191を介したコンタクト層135への電気的結合を可能にする。
[0091]図10Pは、導電層199の堆積およびパターニングと、ギャップ19を形成するための図10Mの犠牲層25の除去との後のディスプレイ要素12を示している。図10Pに示されているように、導電層199は、可動要素14の第2の導電層14cと静止電極116aとをTFT162に電気的に接続する。このようにして、蓄積キャパシタCs1の1つの端子、たとえば、可動要素14の第2の導電層14cがTFT162に電気的に接続され得る。犠牲層25は、前に説明したように、様々な方法を使用してこの時点で除去され得る。犠牲層25が除去されると、可動要素14は、静止電極116aと可動要素14との間に電圧が印加されたとき、少なくとも作動位置と緩和位置との間で静止電極116aのほうへギャップ19を通って移動し得る。
[0092]図10Pに示されたディスプレイ要素は、高フィルファクタピクセルアレイにおいて使用され得る。図示のように、可動要素14は、静止電極116aと、たとえば第1の導電層14aとの間に印加された電圧に応答して移動するように構成される。図10Pは図8の回路図の一実装形態として示されているが、TFT162と、静止電極116aと、第1の導電層14aと、第2の導電層14cとは、図8において示す回路を実装するために異なる方法で相互接続され得ることを理解されたい。
[0093]図10Oおよび図10Pを参照すると、ピクセルアレイ155の各ピクセルまたはディスプレイ要素12は、可動要素14から形成された蓄積キャパシタCsを含み、それによって、設計の統合を改善することができる。さらに、各TFT162が光マスク構造23の上に形成されており、蓄積キャパシタCsとTFT162との間に電気的接続性を与えるために一体型ビア160が使用されている。
[0094]アレイ中の各ディスプレイ要素のために蓄積キャパシタを設けることによって、アレイのフィルファクタに影響を及ぼさずに性能が改善され得る。たとえば、以下で説明するように、可動要素14が静止電極116aに近づくとき、可動要素14と静止電極116aとの間のキャパシタンスの増加にもかかわらず、駆動電圧が可動要素14を移動するのに十分なレベルに維持され得るので、蓄積キャパシタを設けることは、可動要素14が、蓄積キャパシタを含まない実装形態よりも、静止電極116aのほうへさらに移動することを可能にすることができる。
[0095]図11に、デバイスを形成する方法1100を示す流れ図の一例を示す。例示的な方法1100のブロック1101は、基板構造を形成することを含む。いくつかの実装形態では、基板構造は、ガラス、プラスチック、または光が基板を通過することを可能にする任意の透明ポリマー材料を含むことができる。いくつかの「逆」または「逆方向」IMODアーキテクチャでは、基板構造は透明である必要がなく、不透明でもよい。いくつかの実装形態では、基板構造は、図10A〜図10Pを参照しながら上記で説明した基板20に対して構成され得る。
[0096]例示的な方法1100はまた、ブロック1103によって示されるように、蓄積キャパシタを含む可動要素を形成することを含む。可動要素は、基板構造に対して直角な方向に移動するように構成され得る。いくつかの実装形態では、可動要素は、図10Pを参照しながら上記で説明した可動要素14と同様に構成され得、蓄積キャパシタを形成する第1の導電層と第2の導電層とを含むことができる。たとえば、可動要素は、第1の導電層と第2の導電層との間に配置された誘電体支持層を含むことができる。誘電体支持層は、可動要素14のために機械的機能を提供すると同時に、第1の導電層と第2の導電層との間の誘電体として電気的機能をも提供することができる。
[0097]例示的な方法1100はまた、ブロック1105によって示されるように、少なくとも1つのスイッチを形成することを含む。いくつかの実装形態では、少なくとも1つのスイッチは、ソースと蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成され得る。少なくとも1つのスイッチを形成することは、上記で説明したTFT構造162と同様の薄膜トランジスタ(TFT)を形成することを含むことができる。
[0098]いくつかの実装形態では、例示的な方法1100は、可動要素と基板構造との間に光学的スタックを形成することを含むことができる。光学的スタックは、上記で説明した静止電極116aならびに第1および第2の誘電体層116b、116cと同様の静止電極および1つまたは複数の誘電体層を含むことができる。多くの追加のステップが、図示のシーケンスの前、途中、または後に採用され得るが、そのようなステップは、ここでは説明の明快のために省略されている。
[0099]図12Aに、蓄積キャパシタを含む可動要素と蓄積キャパシタなしの可動要素とについての時間に対する電圧の一例を示す。上記で説明したように、IMODディスプレイ要素は、光学的スタックに対して可動要素の位置を変更することによって、および/またはそれらの間に画定される光共振キャビティの厚さを変更することによって、可視光の1つまたは複数の波長を反射することができる。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素によって反射されるスペクトルバンドの位置は、静止電極に対して可動要素を駆動するために可動要素と静止電極との間に電圧を印加することによって調整され得る。図12Aの曲線1204、1214、および1224は、それぞれ、緑色光、青色光、および赤色光を反射するように構成された、蓄積キャパシタなしのディスプレイ要素についての時間に対する電圧のプロットを示す。図12Aの曲線1202、1212、および1222は、それぞれ、緑色光、青色光、および赤色光を反射するように構成された、蓄積キャパシタを含むディスプレイ要素についての時間に対する電圧のプロットを示す。曲線1204、1214、および1224を曲線1202、1212、および1222と比較することによって示されるように、可動要素が静止電極のほうへ駆動されるとき、可動要素と静止電極との間のキャパシタンスが増加するので、蓄積キャパシタなしのディスプレイ要素についての可動要素と静止電極との間の電圧は、蓄積キャパシタを含むディスプレイ要素と比較して、時間とともにより急速に減少する。
[0100]図12Bに、静止電極に対して測定される、図12Aの可動要素についての時間に対する位置の一例を示す。この例では、曲線1203、1213、および1223は、それぞれ、緑色光、青色光、および赤色光を反射するように構成されたディスプレイ要素についての、蓄積キャパシタを含む可動要素の位置のプロットを示す。曲線、1205、1215、および1225は、それぞれ、緑色光、青色光、および赤色光を反射するように構成されたディスプレイ要素についての、蓄積キャパシタなしの可動要素の位置のプロットを示す。曲線1203、1213、および1223を曲線1205、1215、および1225と比較することによって、可動要素と静止電極との間のキャパシタンスが増加するとき、可動要素と静止電極との間の電圧が可動要素を駆動するのに十分高く維持され得るので、蓄積キャパシタを含む可動要素は、関連する静止電極のより近くに移動することができることがわかり得る。したがって、図12Aおよび図12Bは、蓄積キャパシタを組み込んだ可動要素が、静止電極に対して、蓄積キャパシタなしのディスプレイ要素よりも大きい安定した移動範囲を通して駆動され得ることを示す。
[0101]図13Aおよび図13Bは、複数のIMODディスプレイ要素を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはそれの軽微な変形は、テレビジョン、コンピュータ、タブレット、電子リーダー、ハンドヘルドデバイスおよびポータブルメディアデバイスなど、様々なタイプのディスプレイデバイスをも示す。
[0102]ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む、様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴムおよびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、またはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
[0103]ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む、様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明する、一体型蓄積キャパシタをもつIMODベースのディスプレイを含むことができる。
[0104]ディスプレイデバイス40の構成要素が図13Aに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合され得るアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40上に表示され得る画像データのためのソースであり得る。したがって、ネットワークインターフェース27は画像ソースモジュールの一例であるが、プロセッサ21および入力デバイス48も画像ソースモジュールとして働き得る。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、(信号をフィルタ処理するかまたはさもなければ操作するなど)信号を調整するように構成され得る。調整ハードウェア52はスピーカー45とマイクロフォン46とに接続され得る。プロセッサ21はまた、入力デバイス48とドライバコントローラ29とに接続され得る。ドライバコントローラ29はフレームバッファ28とアレイドライバ22とに結合され得、アレイドライバ22はディスプレイアレイ30に結合され得る。図13Aに特に示されていない要素を含む、ディスプレイデバイス40中の1つまたは複数の要素が、メモリデバイスとして機能するように構成され、プロセッサ21と通信するように構成され得る。いくつかの実装形態では、電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計において実質的にすべての構成要素に電力を与えることができる。
[0105]ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、g、nを含むIEEE802.11規格、およびそれらのさらなる実装形態に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、Bluetooth規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3G、4Gまたは5G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile communications)、GSM/汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、拡張データGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM Environment)、地上基盤無線(TETRA:Terrestrial Trunked Radio)、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))、エボリューションデータオプティマイズド(EV−DO:Evolution Data Optimized)、1xEV−DO、EV−DO RevA、EV−DO RevB、高速パケットアクセス(HSPA:High Speed Packet Access)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA:High Speed Uplink Packet Access)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+:Evolved High Speed Packet Access)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計され得る。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、それらの信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、それらの信号を処理することができる。
[0106]いくつかの実装形態では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、いくつかの実装形態では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理され得るフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和およびグレースケールレベルを含むことができる。
[0107]プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
[0108]ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29(またはドライバ回路)は、可動要素14(たとえば、図1および図10N)に少なくとも1つの信号を送るように構成され得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29(またはドライバ回路)は、少なくとも1つのスイッチを使用可能にするための信号を送るように構成され得る。そのような可動要素の例は、本明細書で説明および/または図示された可動要素の実装形態のうちのいずれかを含む。いくつかの実装形態では、少なくとも1つのスイッチは、たとえば、図8に示された薄膜トランジスタ108、または別のタイプのスイッチであり得る。
[0109]アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのディスプレイ要素のx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も印加される。
[0110]いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(IMODディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(IMODディスプレイ要素ドライバなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(IMODディスプレイ要素のアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化され得、一方または両方、あるいは両方が組み合わせられ得、ドライバ回路と呼ばれることがある。そのような実装形態は、高集積システム、たとえば、モバイルフォン、ポータブル電子デバイス、ウォッチまたは小面積ディスプレイにおいて、有用であり得る。
[0111]いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように、構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ30と一体化されたタッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが使用され得る。
[0112]電源50は様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。充電式バッテリーを使用する実装形態では、充電式バッテリーは、たとえば、壁コンセント(wall socket)あるいは光起電性デバイスまたはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリーはワイヤレス充電可能であり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
[0113]いくつかの実装形態では、電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得るドライバコントローラ29中に制御プログラマビリティが存在する。いくつかの他の実装形態では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実装され得る。
[0114]本明細書で使用する、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一部材を含む、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a−b、a−c、b−c、およびa−b−cを包含するものとする。
[0115]本明細書で開示する実装形態に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実装されるか、ソフトウェアで実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
[0116]本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組合せなどのコンピューティングデバイスの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
[0117]1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。また、本明細書で説明した主題の実装形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実装され得る。
[0118]本開示で説明した実装形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実装形態に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与られるべきである。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、たとえば、実装されたIMODディスプレイ要素の適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
[0119]また、別個の実装形態に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せで実装され得る。また、逆に、単一の実装形態に関して説明された様々な特徴は、複数の実装形態において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実装され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
[0120]同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序でまたは順番に実行される必要がないこと、あるいはすべての図示の動作が実行される必要があるとは限らないことを、当業者は容易に認識されよう。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明したプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。
[0120]同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序でまたは順番に実行される必要がないこと、あるいはすべての図示の動作が実行される必要があるとは限らないことを、当業者は容易に認識されよう。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明したプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。
以下に本願発明の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]静止電極を有する基板構造と、前記基板に対して概して直角な方向に移動するように構成された可動要素と、前記可動要素が第1の導電層と第2の導電層とを含み、前記第1および第2の導電層が蓄積キャパシタを形成する、ソースと前記蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成された少なくとも1つのスイッチとを備える、デバイス。
[C2]前記デバイスは、前記蓄積キャパシタが前記可動要素に電気的に結合され、少なくとも前記可動要素が作動されたときに、前記可動要素に電圧を与えるように構成された、C1に記載のデバイス。
[C3]前記可動要素と前記基板構造との間に配設された光学スタックをさらに備え、前記光学スタックが部分反射および部分透過層を含む、C2に記載のデバイス。
[C4]前記光学スタックと前記可動要素とが干渉変調器(IMOD)ディスプレイ要素を形成する、C3に記載のデバイス。
[C5]前記少なくとも1つのスイッチが薄膜トランジスタを含む、C1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
[C6]前記第2の導電層が前記薄膜トランジスタのドレインと前記静止電極とに接続された、C5に記載のデバイス。
[C7]前記可動要素が、前記第1の導電層と前記第2の導電層との間に配設された誘電体層を含む、C1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
[C8]前記誘電体層が酸窒化ケイ素を含む、C7に記載のデバイス。
[C9]前記誘電体層が20nmから4000nmの間の厚さ寸法を有する、C8に記載のデバイス。
[C10]前記第1の導電層が電気接地に接続された、C1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
[C11]前記可動要素が、前記静止電極と前記第1の導電層との間に印加された電圧差に応答して移動するように構成された、C1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
[C12]ディスプレイと、ここにおいて、前記ディスプレイが前記可動要素を含む、前記ディスプレイと通信するように構成されたプロセッサと、前記プロセッサが、画像データを処理するように構成される、前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスとをさらに備える、C1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
[C13]前記可動要素に少なくとも1つの信号を送ることと、前記少なくとも1つのスイッチを使用可能にするための信号を送ることとを行うように構成されたドライバ回路をさらに備える、C12に記載のデバイス。
[C14]前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部分を送るように構成されたコントローラをさらに備える、C13に記載のデバイス。
[C15]前記プロセッサに前記画像データを送るように構成された画像ソースモジュールをさらに備える、C14に記載のデバイス。
[C16]入力データを受信することと、前記プロセッサに前記入力データを通信することとを行うように構成された入力デバイスをさらに備える、C13から15のいずれか一項に記載のデバイス。
[C17]デバイスを形成する方法であって、前記方法は、基板構造を形成することと、前記基板構造に対して概して直角な方向に移動するように構成された可動要素を形成することと、前記可動要素が第1の導電層と第2の導電層とを含み、前記第1および第2の導電層が蓄積キャパシタを形成する、少なくとも1つのスイッチを形成することと、前記スイッチが、ソースと前記蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成される、を備える方法。
[C18]光学スタックを形成することをさらに備え、前記光学スタックが前記可動要素と前記基板構造との間に配設された、C17に記載の方法。
[C19]前記少なくとも1つのスイッチを形成することが、薄膜トランジスタを形成することを含む、C17または18に記載の方法。
[C20]基板構造と、電荷を蓄積し、光を反射するための可動手段を含むディスプレイ要素と、前記光反射電荷蓄積手段が、少なくとも第1の作動位置および緩和位置まで前記基板構造に対して概して直角な方向に駆動されるように構成され、前記光反射電荷蓄積手段は、前記可動手段が作動されている間、前記可動手段の少なくとも1つの導電層に電圧を与えるようにさらに構成される、を含む、電気機械システムと、ソースと蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するための手段とを備えるディスプレイデバイス。
[C21]電荷を蓄積し、光を反射するための前記可動手段が、第1の導電層と、第2の導電層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層との間の誘電体層とを含み、ここにおいて、前記第1および第2の導電層と前記誘電体層とが可動蓄積キャパシタを形成する、C20に記載のデバイス。
[C22]前記電荷制御手段が少なくとも1つのスイッチを含む、C20または21に記載のデバイス。
[C23]前記少なくとも1つのスイッチが薄膜トランジスタを含む、C22に記載のデバイス。
[0001]本開示は電気機械システムに関する。
関連技術の説明
[0002]電気機械システム(EMS:electromechanical system)は、電気的および機械的要素と、アクチュエータと、トランスデューサと、センサーと、ミラーおよび光学フィルムなどの光学的構成要素と、電子回路とを有するデバイスを含む。EMSデバイスまたは要素は、限定はしないが、マイクロスケールおよびナノスケールを含む、様々なスケールで製造され得る。たとえば、メムス(MEMS:microelectromechanical system)デバイスは、約1ミクロンから数百ミクロン以上に及ぶサイズを有する構造を含むことができる。ナノ電気機械システム(NEMS:nanoelectromechanical system)デバイスは、たとえば、数百ナノメートルよりも小さいサイズを含む、1ミクロンよりも小さいサイズを有する構造を含むことができる。電気および電気機械デバイスを形成するために、堆積、エッチング、リソグラフィを使用して、ならびに/あるいは、基板および/または堆積された材料層の部分をエッチング除去するかまたは層を追加する、他の微細加工プロセスを使用して、電気機械要素が作成され得る。
[0003]1つのタイプのEMSデバイスは干渉変調器(IMOD:interferometric modulator)と呼ばれる。IMODまたは干渉光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。いくつかの実装形態では、IMODディスプレイ要素が導電性プレートのペアを含み得、導電性プレートの一方または両方は、全体的にまたは部分的に、透明および/または反射性であり、適切な電気信号の印加時に相対運動が可能であり得る。たとえば、一方のプレートが、基板の上に堆積されたか、基板上に堆積されたか、または基板によって支持された固定層を含み得、他方のプレートが、エアギャップによって固定層から分離された反射膜を含み得る。別のプレートに対するあるプレートの位置は、IMODディスプレイ要素に入射する光の光学干渉を変化させることができる。IMODベースのディスプレイデバイスは、広範囲の適用例を有しており、既存の製品を改善し、新しい製品、特にディスプレイ能力をもつ製品を作成する際に使用されることが予期される。
[0004]EMSデバイスでは、反射膜は、反射膜に結合された電極と静止電極との間の電圧の印加によって作動位置と緩和位置との間で移動され得る。しかしながら、可動反射膜からの電荷リークがEMSデバイスの性能に影響を及ぼすことがある。たとえば、デバイスのリフレッシュレートは電荷リークによって影響を及ぼされることがある。したがって、電荷リークの影響を低減し、EMSデバイスの動作性能を改善する必要がある。
[0005]本開示のシステム、方法およびデバイスは、それぞれいくつかの発明的態様を有し、それらのうちの単一の態様が、本明細書で開示する望ましい属性を単独で担当するとは限らない。
[0006]本開示で説明する主題の1つの発明的態様は、基板構造と、可動要素と、少なくとも1つのスイッチとを含むデバイスにおいて実装され得る。可動要素は第1の導電層と第2の導電層とを含み、可動要素は、基板に対して概して直角な方向に移動するように構成される。第1および第2の導電層は蓄積キャパシタを形成する。少なくとも1つのスイッチは、ソースと蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成される。
[0007]いくつかの実装形態では、本デバイスは、蓄積キャパシタが可動要素に電気的に結合され、少なくとも可動要素が作動されたときに、可動要素に電圧を与えるように構成され得る。いくつかの実装形態では、本デバイスは、可動要素と基板構造との間に配置された光学的スタックを含むことができる。光学的スタックは部分反射および部分透過層を含むことができる。光学的スタックと可動要素とは干渉変調器(IMOD)ディスプレイ要素を形成することができる。
[0008]いくつかの実装形態では、少なくとも1つのスイッチは薄膜トランジスタを含むことができる。可動要素は、第1の導電層と第2の導電層との間に配置された誘電体層、たとえば、20nmから4000nmの間の厚さ寸法を有する酸窒化ケイ素(silicon oxy-nitride)を含むことができる。
[0009]本開示で説明する主題の別の発明的態様は、デバイスを形成する方法において実装され得る。本方法は、基板構造を形成することと、可動要素を形成することと、少なくとも1つのスイッチを形成することとを含む。可動要素は、基板構造に対して概して直角な方向に移動するように構成され、蓄積キャパシタを形成する第1の導電層と第2の導電層とを含む。スイッチは、ソースと蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成される。
[0010]いくつかの実装形態では、本方法は、光学的スタックを形成することを含むことができ、光学的スタックは可動要素と基板構造との間に配置される。少なくとも1つのスイッチを形成することは、いくつかの態様では、薄膜トランジスタを形成することを含むことができる。
[0011]本開示で説明する主題の別の発明的態様は、基板構造と、電荷を蓄積し、光を反射するための可動手段を含むディスプレイ要素とを含む電気機械システムを含むデバイスにおいて実装され得る。光反射電荷蓄積手段は、少なくとも第1の作動位置および緩和位置まで基板構造に対して概して直角な方向に駆動されるように構成される。光反射電荷蓄積手段は、可動手段が作動されている間、可動手段の少なくとも1つの導電層に電圧を与えるように構成される。本デバイスはまた、ソースと蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するための手段を含む。
[0012]いくつかの実装形態では、電荷を蓄積し、光を反射するための可動手段は、第1の導電層と、第2の導電層と、第1の導電層と第2の導電層との間の誘電体層とを含むことができる。第1および第2の導電層と誘電体層とは可動蓄積キャパシタを形成することができる。いくつかの実装形態では、電荷制御手段は、少なくとも1つのスイッチ、たとえば、薄膜トランジスタを含むことができる。
[0013]本開示で説明する主題の1つまたは複数の実装形態の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載されている。本開示で与える例は、主にEMSおよびMEMSベースのディスプレイに関して説明されるが、本明細書で提供する概念は、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイ、および電界放出ディスプレイなど、他のタイプのディスプレイに適用され得る。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対寸法は一定の縮尺で描かれていないことがあることに留意されたい。
[0014]干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスのディスプレイ要素のシリーズまたはアレイ中の2つの隣接するIMODディスプレイ要素を示す等角図。 [0015]IMODディスプレイ要素の3要素×3要素アレイを含むIMODベースのディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図。 [0016]IMODディスプレイ要素についての可動反射層の位置対印加電圧を示すグラフ。 [0017]様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときのIMODディスプレイ要素の様々な状態を示す表。 [0018]IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図。 IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図。 IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図。 IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図。 IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図。 [0019]IMODディスプレイまたはディスプレイ要素のための製造プロセスを示す流れ図。 [0020]IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するプロセスにおける様々な段階の断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するプロセスにおける様々な段階の断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するプロセスにおける様々な段階の断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するプロセスにおける様々な段階の断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するプロセスにおける様々な段階の断面図。 [0021]アクティブマトリックスIMODアレイの一例のための回路図。 [0022]ディスプレイ要素のアクティブマトリックスアレイの一例の概略平面図。 [0023]線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイを製作する方法における様々な段階の断面概略図の一例を示す図。 [0024]デバイスを形成する方法を示す流れ図の一例を示す図。 [0025]蓄積キャパシタを含む可動要素と蓄積キャパシタなしの可動要素とについての時間に対する電圧の一例を示す図。 [0026]静止電極に対して測定される、図12Aの可動要素についての時間に対する位置の一例を示す図。 [0027]複数のIMODディスプレイ要素を含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図。 複数のIMODディスプレイ要素を含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図。
[0028]様々な図面中の同様の参照番号および名称は同様の要素を示す。
[0029]以下の説明は、本開示の発明的態様について説明する目的で、いくつかの実装形態を対象とする。ただし、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを、当業者は容易に認識されよう。説明する実装形態は、動いていようと(ビデオなど)、静止していようと(静止画像など)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成され得る任意のデバイス、装置、またはシステムにおいて実装され得る。より詳細には、説明する実施形態は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレーヤ(MP3プレーヤなど)、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(たとえば、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(オドメータおよびスピードメータディスプレイなどを含む)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両における後部ビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメータ、(マイクロ電気機械システム(MEMS)適用例を含む電気機械システム(EMS)適用例、ならびに非EMS適用例などにおける)パッケージング、審美構造物(1つの宝飾品または衣類上の画像のディスプレイなど)、ならびに様々なEMSデバイスなど、様々な電子デバイス中に含まれるかまたはそれらに関連付けられ得ると考えられる。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセスおよび電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示す実装形態に限定されるものではなく、代わりに、当業者に容易に明らかになるであろう広い適用性を有する。
[0030]いくつかの実装形態では、アクティブマトリックスEMSデバイスは少なくとも1つの蓄積キャパシタを含む。本明細書で使用する「アクティブマトリックス」という用語は、各ピクセル、サブピクセル、またはデバイスの要素が、薄膜トランジスタ(TFT)などのアクティブスイッチを使用して個々に制御(または駆動)される、EMSデバイスを指すことがある。言い換えれば、各ピクセル、サブピクセル、または要素の作動状態は、アクティブスイッチを使用して個々に制御され得る。EMSデバイスは、基板の上に配置された光学的スタックと、ギャップを画定するために光学的スタックの上に配置された可動反射膜(本明細書では機械層または可動要素とも呼ぶ)とを含むことができる。光学的スタックは、静止電極と1つまたは複数の誘電体層とを含むことができる。可動要素は、電極を含むことができ、可動要素と静止電極との間に印加された電圧に応答してギャップ内で可動である。たとえば、可動要素の1つまたは複数の導電性部分は可動電極を形成することができる。可動電極は導電層の可動部分を含むことができ、導電層は、可動要素を別の非可動電気的構成要素に電気的に結合する非可動部分をも有する。可動要素を移動することができる静電力を発生させるために可動電極と静止電極との間の電圧差が使用され得る。いくつかの実装形態では、可動要素は、第2の導電層からオフセットされた第1の導電層を含む。そのような実装形態では、第1または第2の導電層は可動電極を形成することができる。
[0031]いくつかの実装形態では、電気的および/または光学的性能を改善するために、EMSデバイスは、1つまたは複数の蓄積キャパシタと、少なくとも部分的にデバイスの光学的非アクティブ領域中に形成されたアクティブスイッチとを含むことができる。そのような非アクティブ領域は、光を与えるために使用されないデバイス中のディスプレイ要素の領域、たとえば、光を受信することからマスキングされた領域、および反射構造の後ろにある領域を含む。一体型蓄積キャパシタを含むEMSデバイスは、ピクセルに関連するキャパシタンスを増加させ、それによって、ピクセルリークを低減し、駆動電圧を低減し、および/またはディスプレイの画像リフレッシュを改善することができる。そのような蓄積キャパシタは、第1のプレートまたは層と、第2のプレートまたは層と、たとえば、第1の層と第2の層との間に配置された誘電体層であり得る、スペーサ層とを含むことができる。いくつかの実装形態では、可動要素は蓄積キャパシタの第1および第2の層とスペーサ層とを含む。いくつかの実装形態では、可動層の第1および第2の導電層の一方は可動電極と蓄積キャパシタの1つの端子とを形成することができ、第1および第2の導電層の他方は、スイッチに電気的に結合され得る蓄積キャパシタの第2の端子を形成することができる。蓄積キャパシタを形成するために可動要素の層を使用することは、複数の光学的および/または電気的機能を実行するためにEMSデバイスの既存の構成要素を利用することによってピクセルアレイの統合を改善し、それによってピクセルアレイフットプリントを低減することができる。いくつかの実装形態では、アクティブスイッチは、ディスプレイ統合をさらに向上させるために光マスク構造の上にも形成される。
[0032]本開示で説明する主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。たとえば、本開示で説明するいくつかの実装形態は、蓄積キャパシタを省略した他のアクティブマトリックスディスプレイなど、ディスプレイのいくつかの他の構成に対してディスプレイの駆動電圧を低減し、および/またはピクセル電流リークの影響を低減する。さらに、いくつかの実装形態は、蓄積キャパシタなしのアクティブマトリックスディスプレイと比較して、ディスプレイの画像リフレッシュレートを改善する(すなわち、ディスプレイ上の画像が劣化し始める前にその画像がリフレッシュされなければならない時間までの時間の長さを増加させる)。すなわち、リークを低減することによって、蓄積キャパシタは、ディスプレイ要素が、リフレッシュを必要とせずに、ディスプレイ要素に書き込まれた色または画像データを維持することを可能にし得る。その上、いくつかの実装形態はディスプレイの構成要素の統合を改善し、それによって、蓄積キャパシタが、それの構造のために既存の層のいずれをも使用しない別個の構成要素として追加される設計と比較して、より小さいダイ面積を使用してディスプレイが作製されることを可能にする。さらに、いくつかの実装形態は、ディスプレイのピクセルに関連するキャパシタンスを増加させるために使用され得る。いくつかの実装形態は、蓄積キャパシタを形成するために、ピクセルを形成する際にすでに使用された層を使用することによって、作製複雑さを低減するために使用され得る。いくつかの実装形態は、アレイの電力消費を低減し、および/またはさもなければアレイの性能を改善するために使用され得る。さらに、可動要素の一部として形成された蓄積キャパシタを駆動電圧と直列に入れることによって、可動要素と静止電極との間の電気的ギャップが、可動電極と静止電極との間の光学的または物理的ギャップを超えて拡大され得る。安定した移動範囲EMSデバイスは電気的ギャップの1/3に限定され得るので、いくつかの実装形態では、光学的または物理的ギャップを通した安定した移動範囲が拡大され得る。このようにして、本明細書で説明する実装形態は、電荷リーク影響を埋め合わせるための蓄積キャパシタを含まない他のデバイス、またはピクセルのアクティブ領域を低減する個別蓄積キャパシタを含む他のデバイスと比較して、デバイスのフィルファクタ(fill factor)に悪影響を及ぼさずに、ディスプレイデバイスのリフレッシュレート、電力消費、および色変化への電荷リークの影響を改善することができる。
[0033]説明する実装形態が適用され得る好適なEMSまたはMEMSデバイスまたは装置の一例は反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために実装され得る干渉変調器(IMOD)ディスプレイ要素を組み込むことができる。IMODディスプレイ要素は、部分光吸収体(absorber)、吸収体に対して可動である反射体(reflector)、ならびに吸収体と反射体との間に画定された光共振キャビティを含むことができる。いくつかの実装形態では、反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それによってIMODの反射率(reflectance)に影響を及ぼすことができる。IMODディスプレイ要素の反射スペクトルは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得るかなり広いスペクトルバンドをもたらすことができる。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚さを変更することによって調整され得る。光共振キャビティを変更する1つの方法は、吸収体に関して反射体の位置を変更することによる方法である。
[0034]図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスのディスプレイ要素のシリーズまたはアレイ中の2つの隣接するIMODディスプレイ要素を示す等角図である。
IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉EMS(MEMSなど)ディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、干渉MEMSディスプレイ要素は、明状態または暗状態のいずれかに構成され得る。明(「緩和」、「開」または「オン」など)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」など)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。
MEMSディスプレイ要素は、黒および白に加えて、主にカラーディスプレイを可能にする光の特定の波長で反射するように構成され得る。いくつかの実装形態では、複数のディスプレイ要素を使用することによって、原色の様々な強度およびグレーの様々な濃淡が達成され得る。
[0035]IMODディスプレイデバイスは、行と列に構成され得るIMODディスプレイ要素のアレイを含むことができる。アレイ中の各ディスプレイ要素は、(光ギャップ、キャビティまたは光共振キャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な距離をおいて配置された、可動反射層(すなわち、機械層とも呼ばれる可動層)と固定部分反射層(すなわち、固定層)など、少なくとも反射層と半反射層のペアを含むことができる。可動反射層は少なくとも2つの位置間で移動され得る。たとえば、第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それらの2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置と入射光の(1つまたは複数の)波長とに応じて、強め合うようにおよび/または弱め合うように干渉し、各ディスプレイ要素について全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素は、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、作動しているときに暗状態にあり、可視範囲内の光を吸収し、および/または弱め合うようにそれに干渉し得る。
ただし、いくつかの他の実装形態では、IMODディスプレイ要素は、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実装形態では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにディスプレイ要素を駆動することができる。いくつかの他の実装形態では、印加電荷が、状態を変更するようにディスプレイ要素を駆動することができる。
[0036]図1中のアレイの図示の部分は、IMODディスプレイ要素12の形態の2つの隣接する干渉MEMSディスプレイ要素を含む。(図示のような)右側のディスプレイ要素12では、可動反射層14は、光学的スタック16の近くの、それに隣接する、またはそれに接触する作動位置に示されている。右側のディスプレイ要素12の両端間に印加された電圧Vbiasは、可動反射層14を移動させ、またそれを作動位置に維持するのに十分である。(図示のような)左側のディスプレイ要素12では、可動反射層14は、部分反射層を含む光学的スタック16から(設計パラメータに基づいてあらかじめ決定され得る)ある距離をおいた緩和位置に示されている。左側のディスプレイ要素12の両端間に印加された電圧V0は、右側のディスプレイ要素12の作動位置などの作動位置への可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。
[0037]図1では、IMODディスプレイ要素12の反射特性が、概して、IMODディスプレイ要素12に入射する光13を示す矢印と、左側のディスプレイ要素12から反射する光15とを用いて示されている。ディスプレイ要素12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過し、光学的スタック16に向かい得る。光学的スタック16に入射する光の一部分は光学的スタック16の部分反射層を透過し得、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学的スタック16を透過した光13の部分は、可動反射層14から反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻り得る。光学的スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うおよび/または弱め合う)干渉が、デバイスの閲覧側または基板側のディスプレイ要素12から反射される光15の(1つまたは複数の)波長の強度を部分的に決定することになる。いくつかの実装形態では、透明基板20は(ガラスプレートまたはパネルと呼ばれることがある)ガラス基板であり得る。ガラス基板は、たとえば、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、または他の好適なガラス材料であるかまたはそれらを含み得る。いくつかの実装形態では、ガラス基板は、0.3、0.5または0.7ミリメートルの厚さを有し得るが、いくつかの実装形態では、ガラス基板は(数十ミリメートルなど)より厚いことも(0.3ミリメートル未満など)より薄いこともある。いくつかの実装形態では、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタラート(PET)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基板など、非ガラス基板が使用され得る。そのような実装形態では、非ガラス基板は0.7ミリメートル未満の厚さを有する可能性があるが、基板は設計考慮事項に応じてより厚いことがある。いくつかの実装形態では、金属箔またはステンレス鋼ベースの基板など、不透明基板が使用され得る。たとえば、固定反射層と、部分に透過性で、部分的に反射性である可動層とを含む逆方向(reverse)IMODベースのディスプレイは、図1のディスプレイ要素12として基板の反対側から閲覧されるように構成され得、不透明基板によってサポートされ得る。
[0038]光学的スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その(1つまたは複数の)層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実装形態では、光学的スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を堆積させることによって、作製され得る。
電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、様々な金属(たとえば、クロムおよび/またはモリブデン)、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実装形態では、光学的スタック16のいくつかの部分は、部分光吸収体と電気導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の膜(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学的スタック16の、またはディスプレイ要素の他の構造の)異なる、電気的により伝導性の高い層または部分が、IMODディスプレイ要素間のバス信号に役立ちうる。光学的スタック16は、1つまたは複数の導電層または電気伝導性/部分吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
[0039]いくつかの実装形態では、光学的スタック16の(1つまたは複数の)層の少なくともいくつかは、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング」という用語を、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用する。いくつかの実装形態では、アルミニウム(Al)などの高導電性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学的スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の平行ストリップのシリーズとして形成されて、図示されたポスト18など、支持体の上に堆積された列と、ポスト18間に位置する介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光キャビティが可動反射層14と光学的スタック16との間に形成され得る。いくつかの実装形態では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は約10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
[0040]いくつかの実装形態では、各IMODディスプレイ要素は、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタと見なされ得る。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図1中の左側のディスプレイ要素12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学的スタック16との間にギャップ19がある。しかしながら、電位差、すなわち電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するディスプレイ要素における行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学的スタック16の近くにまたはそれに対して移動することができる。光学的スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図1中の右側の作動ディスプレイ要素12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。
その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じであり得る。いくつかの事例ではアレイ中のディスプレイ要素のシリーズが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。いくつかの実装形態では、行は「コモン」ラインと呼ばれることがあり、列は「セグメント」ラインと呼ばれることがあり、その逆も同様である。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指すことがある。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配置される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
[0041]図2は、IMODディスプレイ要素の3要素×3要素アレイを含むIMODベースのディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図である。電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
[0042]プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえばディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図2には、図1に示されたIMODディスプレイデバイスの断面が線1−1によって示されている。図2は明快のためにIMODディスプレイ要素の3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODディスプレイ要素を含んでいることがあり、列におけるIMODディスプレイ要素の数とは異なる数のIMODディスプレイ要素を行において有し得、その逆も同様である。
[0043]図3は、IMODディスプレイ要素についての可動反射層位置対印加電圧を示すグラフである。IMODの場合、行/列(すなわち、コモン/セグメント)書込みプロシージャが、図3に示されているディスプレイ要素のヒステリシス特性(hysteresis property)を利用し得る。IMODディスプレイ要素は、可動反射層またはミラーを緩和状態から作動状態に変更させるために、例示的な一実装形態では、約10ボルトの電位差を使用し得る。電圧がその値から低減されると、電圧が低下して、この例では、10ボルトより下に戻ったとき、可動反射層はそれの状態を維持するが、電圧が2ボルトより下に低下するまで、可動反射層は完全には緩和しない。したがって、図3の例では、印加電圧のウィンドウがある電圧の範囲、約3〜7ボルトが存在し、そのウィンドウ内で要素は緩和状態または作動状態のいずれかで安定している。これを本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と呼ぶ。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込みプロシージャは、一度に1つまたは複数の行をアドレス指定するように設計され得る。したがって、この例では、所与の行のアドレス指定中に、アドレス指定された行における作動されるべきディスプレイ要素は、約10ボルトの電圧差にさらされ得、緩和されるべきディスプレイ要素は、ほぼ0ボルトの電圧差にさらされ得る。アドレス指定後に、それらのディスプレイ要素は、それらが前にストローブされたかまたは書き込まれた状態にとどまるような、この例では約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差にさらされ得る。この例では、アドレス指定された後に、各ディスプレイ要素は、約3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を経験する。このヒステリシス特性の特徴は、IMODディスプレイ要素設計が、同じ印加電圧条件下で作動または緩和のいずれかの既存の状態で安定したままであることを可能にする。各IMODディスプレイ要素は、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタとして働くことができるので、この安定状態は、電力を実質的に消費するかまたは失うことなしに、ヒステリシスウィンドウ内の定常電圧において保持され得る。その上、印加電圧電位が実質的に固定のままである場合、電流は本質的にほとんどまたはまったくディスプレイ要素に流れ込まない。
[0044]いくつかの実装形態では、所与の行におけるディスプレイ要素の状態の所望の変化(もしあれば)に従って、列電極のセットに沿って「セグメント」電圧の形態のデータ信号を印加することによって、画像のフレームが作成され得る。次に、フレームが一度に1行書き込まれるように、アレイの各行がアドレス指定され得る。第1の行におけるディスプレイ要素に所望のデータを書き込むために、第1の行におけるディスプレイ要素の所望の状態に対応するセグメント電圧が列電極上に印加され得、特定の「コモン」電圧または信号の形態の第1の行パルスが第1の行電極に印加され得る。次いで、セグメント電圧のセットは、第2の行におけるディスプレイ要素の状態の所望の変化(もしあれば)に対応するように変更され得、第2のコモン電圧が第2の行電極に印加され得る。いくつかの実装形態では、第1の行におけるディスプレイ要素は、列電極に沿って印加されたセグメント電圧の変化による影響を受けず、第1のコモン電圧行パルス中にそれらのディスプレイ要素が設定された状態にとどまる。このプロセスは、画像フレームを生成するために、行のシリーズ全体、または代替的に、列のシリーズ全体について、連続方式で繰り返され得る。フレームは、何らかの所望の数のフレーム毎秒でこのプロセスを断続的に反復することによって、新しい画像データでリフレッシュおよび/または更新され得る。
[0045]各ディスプレイ要素の両端間に印加されるセグメント信号とコモン信号の組合せ(すなわち、各ディスプレイ要素またはピクセルの両端間の電位差)は、各ディスプレイ要素の得られる状態を決定する。図4は、様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときのIMODディスプレイ要素の様々な状態を示す表である。当業者によって容易に理解されるように、「セグメント」電圧は、列電極または行電極のいずれかに印加され得、「コモン」電圧は、列電極または行電極のうちの他方に印加され得る。
[0046]図4に示されているように、開放電圧(release voltage)VCRELがコモンラインに沿って印加されたとき、コモンラインに沿ったすべてのIMODディスプレイ要素は、セグメントラインに沿って印加された電圧、すなわち、高いセグメント電圧VSHおよび低いセグメント電圧VSLにかかわらず、代替的に開放(released)または非作動状態と呼ばれる、緩和状態に入れられることになる。特に、開放電圧VCRELがコモンラインに沿って印加されると、そのディスプレイ要素のための対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、変調器ディスプレイ要素またはピクセルの両端間の潜在的な電圧(代替的にディスプレイ要素またはピクセル電圧と呼ばれる)は緩和ウィンドウ(図3参照。開放ウィンドウとも呼ばれる)内にあり得る。
[0047]高い保持電圧VCHOLD_Hまたは低い保持電圧VCHOLD_Lなどの保持電圧がコモンライン上に印加されたとき、そのコモンラインに沿ったIMODディスプレイ要素の状態は一定のままであることになる。たとえば、緩和IMODディスプレイ要素は緩和位置にとどまることになり、作動IMODディスプレイ要素は作動位置にとどまることになる。
保持電圧は、対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、ディスプレイ要素電圧が安定性ウィンドウ内にとどまることになるように選択され得る。したがって、この例におけるセグメント電圧スイング(voltage swing)は、高いVSHと低いセグメント電圧VSLとの間の差であり、正または負のいずれかの安定性ウィンドウの幅よりも小さい。
[0048]高いアドレス指定電圧VCADD_Hまたは低いアドレス指定電圧VCADD_Lなどのアドレス指定または作動電圧がコモンライン上に印加されたとき、それぞれのセグメントラインに沿ったセグメント電圧の印加によって、データがそのコモンラインに沿った変調器に選択的に書き込まれ得る。セグメント電圧は、作動が印加されたセグメント電圧に依存するように選択され得る。アドレス指定電圧がコモンラインに沿って印加されたとき、一方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウ内のディスプレイ要素電圧をもたらし、ディスプレイ要素が非作動のままであることを引き起こすことになる。対照的に、他方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウを超えるディスプレイ要素電圧をもたらし、ディスプレイ要素の作動をもたらすことになる。作動を引き起こす特定のセグメント電圧は、どのアドレス指定電圧が使用されるかに応じて変動することがある。いくつかの実装形態では、高いアドレス指定電圧VCADD_Hがコモンラインに沿って印加されたとき、高いセグメント電圧VSHの印加は、変調器がそれの現在位置にとどまることを引き起こすことがあり、低いセグメント電圧VSLの印加は、変調器の作動を引き起こすことがある。当然の結果として、低いアドレス指定電圧VCADD_Lが印加されたとき、セグメント電圧の影響は反対であり、高いセグメント電圧VSHは変調器の作動を引き起こし、低いセグメント電圧VSLは変調器の状態に実質的に影響しない(すなわち、安定したままである)ことがある。
[0049]いくつかの実装形態では、変調器の両端間で同じ極性電位差を引き起こす保持電圧、アドレス電圧、およびセグメント電圧が使用され得る。いくつかの他の実装形態では、時間ごとに変調器の電位差の極性を交替する信号が使用され得る。変調器の両端間の極性の交替(すなわち、書込みプロシージャの極性の交替)は、単一の極性の反復書込み動作後に起こることがある電荷蓄積を低減または抑止し得る。
[0050]IMODディスプレイおよびディスプレイ要素の構造の詳細は大きく異なり得る。図5A〜図5Eは、IMODディスプレイ要素の様々な実装形態の断面図である。図5Aは、金属材料のストリップが、基板20から概して直角に伸びるする支持体18上に堆積されて、可動反射層14を形成する、IMODディスプレイ要素の断面図である。図5Bでは、各IMODディスプレイ要素の可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、コーナーにおいてまたはその近くでテザー32に接して支持体に取り付けられる。図5Cでは、可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、フレキシブルな金属を含み得る変形可能層34から吊るされる。変形可能層34は、可動反射層14の外周の周りで基板20に直接または間接的に接続することがある。これらの接続を、本明細書では「一体型」支持体または支持ポスト18の実装形態と呼ぶ。図5Cに示された実装形態は、変形可能層34によって行われる可動反射層14の機械的機能からのそれの光学的機能の分離から派生する追加の利益を有する。この分離は、可動反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料とが、互いとは無関係に最適化されることを可能にする。
[0051]図5Dは、可動反射層14が反射副層(reflective sub-layer)14aを含む、IMODディスプレイ要素の別の断面図である。可動反射層14は、支持ポスト18などの支持構造上に載る。支持ポスト18は、図示のIMODディスプレイ要素における光学的スタック16の一部であり得る下側静止電極からの可動反射層14の分離を可能にする。たとえば、可動反射層14が緩和位置にあるとき、可動反射層14と光学的スタック16との間にギャップ19が形成される。可動反射層14は、電極として働くように構成され得る導電層14cと、支持層14bとをも含むことができる。この例では、導電層14cは、基板20から遠位にある支持層14bの一方の面に配置され、反射副層14aは、基板20の近位にある支持層14bの他方の面に配置される。いくつかの実装形態では、反射副層14aは、導電性であることがあり、支持層14bと光学的スタック16との間に配置され得る。支持層14bは、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)または二酸化ケイ素(SiO2)の、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実装形態では、支持層14bは、たとえば、SiO2/SiON/SiO23層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。反射副層14aと導電層14cのいずれかまたは両方は、たとえば、約0.5%の銅(Cu)または別の反射性金属材料を用いた、アルミニウム(Al)合金を含むことができる。誘電支持層14bの上および下で導電層14aおよび14cを採用することは、応力のバランスをとり、伝導の向上を与えることができる。
いくつかの実装形態では、反射副層14aおよび導電層14cは、可動反射層14内の特定の応力プロファイルを達成することなど、様々な設計目的で、異なる材料から形成され得る。
[0052]図5Dに示されているように、いくつかの実装形態はブラックマスク(black mask)構造23または暗フィルム層をも含むことができる。ブラックマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために、(ディスプレイ要素間にまたは支持ポスト18の下になど)光学不活性領域中に形成され得る。ブラックマスク構造23はまた、光がディスプレイの不活性部分から反射されることまたはそれを透過することを抑止し、それによってコントラスト比を増加させることによって、ディスプレイデバイスの光学的特性を改善することができる。さらに、ブラックマスク構造23の少なくともいくつかの部分は、導電性であり、電気的バス層として機能するように構成され得る。いくつかの実装形態では、行電極は、接続された行電極の抵抗を低減するために、ブラックマスク構造23に接続され得る。ブラックマスク構造23は、堆積およびパターニング技法を含む様々な方法を使用して形成され得る。ブラックマスク構造23は1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実装形態では、ブラックマスク構造23はエタロン(etalon)または干渉スタック(interferometric stack)構造であり得る。たとえば、いくつかの実装形態では、干渉スタックブラックマスク構造23は、それぞれ、約30〜80Å、500〜1000Å、および500〜6000Åの範囲内の厚さをもつ、光吸収体として働くモリブデンクロム(MoCr)層と、SiO2層と、反射体およびバス層として働くアルミニウム合金とを含む。1つまたは複数の層は、たとえば、MoCr層およびSiO2層の場合は、テトラフルオロメタン(または四フッ化炭素、CF4)および/または酸素(O2)、ならびにアルミニウム合金層の場合は、塩素(Cl2)および/または三塩化ホウ素(BCl3)を含む、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを含む、様々な技法を使用してパターニングされ得る。そのような干渉スタックブラックマスク構造23では、導電性吸収体は、各行または列の光学的スタック16における下側静止電極間で信号を送信するかまたは信号をバスで運ぶために使用され得る。いくつかの実装形態では、スペーサ層35が、ブラックマスク構造23中の導電層から(吸収層16aなどの)光学的スタック16中の電極(または導体)を概して電気的に絶縁するように働くことができる。
[0053]図5Eは、可動反射層14が自立している、IMODディスプレイ要素の別の断面図である。図5Dは、構造的におよび/または物質的に可動反射層14とは別個である支持ポスト18を示しているが、図5Eの実装形態は、可動反射層14と一体化された支持ポストを含む。そのような実装形態では、可動反射層14は、複数のロケーションにおいて、下にある光学的スタック16に接触し、可動反射層14の湾曲は、IMODディスプレイ要素の両端間の電圧が作動を引き起こすには不十分であるとき、可動反射層14が図5Eの非作動位置に戻るという、十分な支持を与える。このようにして、基板または光学的スタック16に接触するように下に湾曲するかまたは曲がる可動反射層14の部分は「一体型」支持ポストと見なされ得る。複数のいくつかの異なる層を含んでいることがある光学的スタック16の一実装形態は、ここでは明快のために、光吸収体16aと誘電体16bとを含む状態で示されている。いくつかの実装形態では、光吸収体16aは、静止電極としても、部分反射層としても働き得る。いくつかの実装形態では、光吸収体16aは可動反射層14よりも1桁薄いことがある。いくつかの実装形態では、光吸収体16aは反射副層14aよりも薄い。
[0054]図5A〜図5Eに示された実装形態などの実装形態では、IMODディスプレイ要素は直視型(direct-view)デバイスの一部分を形成し、直視型デバイスでは、画像が、この例ではIMODディスプレイ要素がその上に形成された面の反対の面である透明基板20の正面から閲覧され得る。これらの実装形態では、デバイスの背面部分(すなわち、たとえば、図5Cに示された変形可能層34を含む、可動反射層14の背後のディスプレイデバイスの任意の部分)は、反射層14がデバイスのそれらの部分を光学的に遮蔽するので、ディスプレイデバイスの画質に影響を及ぼすことまたは悪影響を及ぼすことなしに、構成され、作用され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、電圧アドレス指定およびそのようなアドレス指定に起因する移動など、変調器の電気機械的特性から変調器の光学的特性を分離する能力を与える可動反射層14の背後にバス構造(図示せず)が含まれ得る。
[0055]図6は、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素のための製造プロセス80を示す流れ図である。図7A〜図7Eは、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を製作するための製造プロセス80における様々な段階の断面図である。いくつかの実装形態では、製造プロセス80は、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素など、1つまたは複数のEMSデバイスを製造するために実装され得る。そのようなEMSデバイスの製造は、図6に示されていない他のブロックをも含むことができる。たとえば、プロセス80は、図10A〜図10Pを参照しながら以下で説明するように、関連する蓄積キャパシタをもつディスプレイ要素を製造するために利用され得る。プロセス80は、ブロック82において、基板20の上への光学的スタック16の形成から始まる。図7Aは、基板20の上に形成されたそのような光学的スタック16を示している。基板20は、図1に関して上記で説明した材料など、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得る。基板20は、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学的スタック16の効率的な形成を可能にするために、洗浄などの事前準備プロセスにかけられていることがある。上記で説明したように、光学的スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性で、部分的に吸収性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。
[0056]図7Aでは、光学的スタック16は、副層16aおよび16bを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実装形態では、より多いまたはより少ない副層が含まれ得る。
いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と電気伝導特性の両方で構成され得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bの一方は、モリブデンクロム(モリクロム(molychrome)またはMoCr)、または好適な複素屈折率をもつ他の材料を含むことができる。さらに、副層16aおよび16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチングプロセスまたは別の好適なプロセスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bのうちの1つは、下にある1つまたは複数の金属層および/または酸化物層(1つまたは複数の反射層および/または導電層など)の上に堆積された上側の副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学的スタック16は、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。図7A〜図7Eでは、副層16aおよび16bはやや厚く示されているが、いくつかの実装形態では、光吸収層など、光学的スタックの副層のうちの少なくとも1つは(たとえば、本開示で示される他の層と比較して)極めて薄いことがある。
[0057]プロセス80は、ブロック84において、光学的スタック16の上への犠牲層25の形成を続ける。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で除去される(ブロック90参照)ので、犠牲層25は、得られたIMODディスプレイ要素には示されていない。図7Bは、光学的スタック16の上に形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示している。光学的スタック16の上への犠牲層25の形成は、後続の除去後に、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(図7Eも参照)を与えるように選択された厚さの、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(Si)など、フッ化キセノン(XeF2)エッチング可能材料の堆積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理蒸着(スパッタリングなど、多くの異なる技法を含むPVD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、熱化学蒸着(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
[0058]プロセス80は、ブロック86において、支持ポスト18などの支持構造の形成を続ける。支持ポスト18の形成は、支持構造開口(aperture)を形成するために犠牲層25をパターニングすることと、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、支持ポスト18を形成するために開口中に(酸化ケイ素のような、ポリマーまたは無機材料などの)材料を堆積させることとを含み得る。いくつかの実装形態では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、支持ポスト18の下側端部が基板20に接触するように、犠牲層25と光学的スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することができる。代替的に、図7Cに示されているように、犠牲層25中に形成された開口は、犠牲層25を通って伸びることはできるが、光学的スタック16を通って伸びることはできない。たとえば、図7Eは、光学的スタック16の上側表面と接触している支持ポスト18の下側端部を示している。支持ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25の上に支持構造材料の層を堆積させることと、犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分をパターニングすることとによって形成され得る。支持構造は、図7Cに示されているように、開口内に配置され得るが、少なくとも部分的に犠牲層25の一部分の上に伸びることもできる。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、マスキングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替パターニング方法によっても実行され得る。
[0059]プロセス80は、ブロック88において、図7Dに示されている可動反射層14などの可動反射層または膜の形成を続ける。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキングおよび/またはエッチングステップとともに、たとえば、(アルミニウム、アルミニウム合金、または他の反射性材料などの)反射層堆積を含む1つまたは複数の堆積ステップを採用することによって形成され得る。可動反射層14は、たとえば、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層と呼ばれることがある。いくつかの実装形態では、可動反射層14は、図7Dに示されているように複数の副層14a、14bおよび14cを含み得る。いくつかの実装形態では、副層14aおよび14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。いくつかの実装形態では、機械的副層は誘電体材料を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製されたIMODディスプレイ要素中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODディスプレイ要素を、本明細書では「非開放(unreleased)」IMODと呼ぶこともある。
[0060]プロセス80は、ブロック90において、キャビティ19の形成を続ける。キャビティ19は、(ブロック84において堆積された)犠牲材料25をエッチング液にさらすことによって形成され得る。たとえば、所望の量の材料を除去するのに有効である時間期間の間、固体XeF2から生じた蒸気など、気体または蒸気エッチング液に犠牲層25をさらすことによって、MoまたはアモルファスSiなどのエッチング可能犠牲材料がドライ化学エッチングによって除去され得る。犠牲材料は、一般に、キャビティ19を囲む構造に対して選択的に除去される。ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングなど、他のエッチング方法も使用され得る。犠牲層25がブロック90中に除去されるので、可動反射層14は、一般にこの段階後に可動になる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODディスプレイ要素を、本明細書では「開放」IMODと呼ぶことがある。
[0061]いくつかの実装形態では、IMODベースのディスプレイなど、EMS構成要素またはデバイスのパッケージングは、(機械的干渉または潜在的に損害を与える物質からなど)損傷からEMS構成要素を保護するように構成され得るバックプレート(代替的にバックプレーン、バックガラスまたは凹形ガラスと呼ばれる)を含むことができる。バックプレートはまた、限定はしないが、ドライバ回路、プロセッサ、メモリ、相互接続アレイ、蒸気バリア、製品ハウジングなどを含む広範囲の構成要素のための構造的支持を与えることができる。いくつかの実装形態では、バックプレートの使用は、構成要素の統合を可能にし、それによってポータブル電子デバイスの体積、重量、および/または製造コストを低減することができる。
[0062]図8に、アクティブマトリックスIMODアレイ100の一例のための回路図を示す。図示したIMODアレイ100は、第1のデータライン102aと、第2のデータライン102bと、第1のスキャンライン104aと、第2のスキャンライン104bと、第1のピクセル106aと、第2のピクセル106bと、第3のピクセル106cと、第4のピクセル106dとを含む。ピクセル106a、106、106c、および106dがサブピクセルをも表し得ることを理解されたい。IMODアレイ100は、説明の明快のために、4つのピクセル106を含むものとして示されているが、IMODアレイ100の実装形態は、たとえば、様々な色のピクセルならびに/あるいは数百個または数千個、さらには何百万個ものピクセルを含む、追加のピクセルを含むことができる。
[0063]図8に示された例では、第1〜第4のピクセル106の各々は、薄膜トランジスタ(TFT)108と、蓄積キャパシタ110と、IMOD要素112とを含む。たとえば、第1のピクセル106aは、第1のTFT108aと、第1の蓄積キャパシタ110aと、第1のIMOD要素112aとを含む。同様に、第2のピクセル106bは、第2のTFT108bと、第2の蓄積キャパシタ110bと、第2のIMOD要素112bとを含む。同様に、第3のピクセル106cは、第3のTFT108cと、第3の蓄積キャパシタ110cと、第3のIMOD要素112cとを含む。さらに、第4のピクセル106dは、第4のTFT108dと、第4の蓄積キャパシタ110dと、第4のIMOD要素112dとを含む。
[0064]この実装形態では、第1のTFT108aは、第1のデータライン102aに電気的に結合されたソースと、第1のスキャンライン104aに電気的に結合されたゲートと、第1の蓄積キャパシタ110aの第1のプレートと第1のIMOD要素112aの第1の電極とに電気的に結合されたドレインとを含む。第2のTFT108bは、第2のデータライン102bに電気的に結合されたソースと、第1のスキャンライン104aに電気的に結合されたゲートと、第2の蓄積キャパシタ110bの第1のプレートと第2のIMOD要素112bの第1の電極とに電気的に結合されたドレインとを含む。第3のTFT108cは、第1のデータライン102aに電気的に結合されたソースと、第2のスキャンライン104bに電気的に結合されたゲートと、第3の蓄積キャパシタ110cの第1のプレートと第3のIMOD要素112cの第1の電極とに電気的に結合されたドレインとを含む。第4のTFT108dは、第2のデータライン102bに電気的に結合されたソースと、第2のスキャンライン104bに電気的に結合されたゲートと、第4の蓄積キャパシタ110dの第1のプレートと第4のIMOD要素112dの第1の電極とに電気的に結合されたドレインとを含む。
[0065]図8に概略的に示された実装形態では、第1〜第4の蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dは、たとえば、接地電圧であり得る第1のコモン電圧基準VCOM1に電気的に接続された第2のプレートまたは層をそれぞれ含む。さらに、第1〜第4のIMOD要素112a、112b、112cおよび112dは、たとえば、接地電圧であり得る第2のコモン電圧基準VCOM2にそれぞれ電気的に結合される。いくつかの実装形態では、第1〜第4のIMOD要素112a、112b、112cおよび112dの各々の第2の電極が第2のコモン電圧基準VCOM2に電気的に結合される。しかしながら、他の実装形態が可能である。たとえば、第1および第2のキャパシタ110aおよび110bの第2の端部は第1のコモン電圧基準に電気的に接続され得、第3および第4のキャパシタ110cおよび110dの第2の端部は第2のコモン電圧基準または第3のコモン電圧基準に電気的に接続され得る。さらに、第1および第2のIMOD112aおよび112bの第2の電極は第2のコモン電圧基準に電気的に接続され得、第3および第4のIMOD112cおよび112dの第2の電極は第3または第4のコモン電圧基準に電気的に接続され得る。いくつかの実装形態では、第1〜第4のIMOD要素112a、112b、112cおよび112dの各々の第1の電極は可動電極であり、第1〜第4のIMOD要素112a、112b、112cおよび112dの各々の第2の電極は静止電極である。
[0066]いくつかの実装形態では、図8に示された蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dは、約10fF〜約1,000fF、たとえば、約60fFの範囲内にあるように選択されたキャパシタンスを有することができる。蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dのキャパシタンスはまた、IMOD要素112a、112b、112cおよび112dのキャパシタンスに対して選択され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、各蓄積キャパシタは、関連するIMOD要素が非作動または非駆動状態にあるとき、そのIMOD要素のキャパシタンスの約1倍〜約3倍であるキャパシタンスを有する。キャパシタンス値は、エアギャップ、ピクセルサイズ、駆動電圧要件、電力消費など、多くのファクタに依存することがあることを、当業者は容易に理解されよう。
[0067]第1および第2のデータライン102aおよび102bならびに第1および第2のスキャンライン104aおよび104bは、図8のIMODアレイ100に画像データを書き込むために使用され得る。たとえば、ドライバ回路が、TFT108a、108b、108c、および108dなどのスイッチをオンにするためにイネーブル信号を与えることができる。イネーブル信号は、第1および第2のピクセル106aおよび106bに関連するIMODアレイ100の第1の行をアドレス指定するために、第1のスキャンライン104a上に与えられ得る。イネーブル信号はまた、第2のスキャンライン104b上に与えられ得、第3および第4のピクセル106cおよび106dに関連するIMODアレイ100の第2の行をアドレス指定するために使用され得る。さらに、第1および第2のデータライン102aおよび102bに与えられる電圧は、選択された行においてIMOD要素112の状態を設定するように制御され得る。たとえば、所与の行をアドレス指定するとき、作動されるべきアドレス指定された行中のピクセル106は、作動に好適なデータラインとコモン電圧基準VCOM1およびVCOM2との間の電圧差にさらされ得、緩和(または非作動に)されるべきピクセル106は、IMOD要素112の機械層または可動要素を緩和状態に移動させるのに好適なデータラインとコモン電圧基準VCOM1およびVCOM2との間の電圧差にさらされ得る。いくつかの実装形態では、作動電圧は約10V〜16Vの範囲内にあり、たとえば、約12Vであり、緩和電圧は約0V〜8Vの範囲内にあり、たとえば、約0Vまたは1Vである。
[0068]式1は、関連する蓄積キャパシタを有するIMOD要素112の可動要素を安定的に駆動するために必要な駆動電圧または作動電圧を与える。駆動電圧Vdriveは、可動要素に存在する機械力と、存在する電気力とのバランスをとることによって決定される。
式1において、Vpiは可動要素のプルイン電圧であり、Coffは非作動状態での可動要素のキャパシタンスであり、Cstorageは蓄積キャパシタのキャパシタンスである。式1は、可動要素がある電圧まで駆動されたとき、可動要素が嵌合するか、または作動状態まで移動するように、十分な電荷を与えるのに必要な蓄積キャパシタのサイズを決定するように操作され得ることを、当業者は容易に諒解されよう。
Figure 2015531891
[0069]さらに図8を参照すると、第1〜第4の蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dを含むことは、各IMOD要素112の両端間の所与の量の電圧に関して蓄積される電荷量を増加させることができる。たとえば、IMOD要素112a、112b、112cおよび112dの各々に蓄積された電荷量は、約VIMOD*(CIMOD+Cstorage)に等しくなり得、ここで、VIMODは、IMOD要素112の第1の電極と第2の電極との間の電圧差であり、CIMODは、IMOD要素112が非作動または非駆動状態にあるときのIMOD要素112のキャパシタンスであり、これは、IMOD要素112と蓄積キャパシタ110の両方を充電するためにパルスが印加される時間の間一定であると仮定され得、Cstorageは蓄積キャパシタ110のキャパシタンスである。蓄積キャパシタ110を含むことは、ピクセル電荷蓄積を増加させることができ、ピクセル電流リークの影響を低減することができる。たとえば、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネルリークに関連するリークなど、電荷リークは、ピクセル106の電圧を時間とともに変化させ得、ピクセル106が十分に速いレートでリフレッシュされない場合、またはピクセル106が十分な量の蓄積された電荷を有しない場合、ピクセル106の状態が変化することになり得る。
[0070]したがって、図8の第1〜第4の蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dは、ピクセルリークが時間とともに第1〜第4のIMOD要素112a、112b、112cおよび112dの電極の両端間の電圧を変化させるのを防ぐことを助け、それによって画像リフレッシュレートを改善し、ピクセルアレイ100の駆動電圧と電力消費とを低減することができる。このようにして、駆動電圧が維持されることになるので、静止画像について画像がより少ないリフレッシュを必要とすることになるので、画像リフレッシュレートが改善されることになる。以下で説明するように、いくつかの実装形態では、一体型蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dは、IMOD要素112a、112b、112cおよび112dの可動要素の導電層から形成され得る。蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dを全体的にまたは部分的に形成するためにIMOD要素112a、112b、112cおよび112dの可動要素の層を使用することは、ピクセルアレイ100の設計を統合するのを助け、それによって、光マスク構造および蓄積キャパシタが別個の実装面積または空間を必要とするであろう設計と比較して、アレイの面積(またはフットプリント)を低減することができる。
ピクセルアレイ100は、蓄積キャパシタ110a、110b、110cおよび110dを使用するのに好適な1つの構成を示しているが、一体型蓄積キャパシタは、たとえば、アクティブまたはアナログIMODアレイの他の実装形態を含む、任意の好適なピクセルアレイにおいて使用され得る。
[0071]上記で説明したように、いくつかの実装形態では、IMODデバイスは、導電性材料を含むことができる反射副層と導電層とを含む、可動要素または可動反射層を含むことができる。可動要素は、基板構造および/または光学的スタックに対して移動するように構成され得る。いくつかの実装形態では、反射副層は、誘電体支持層または何らかの他のスペーサ層によって導電層から電気的に絶縁され得る。このようにして、反射副層と導電層とは一体型蓄積キャパシタを形成することができる。そのようなIMODデバイスはアクティブマトリックスピクセルアレイ中に含まれ得、蓄積キャパシタは、アクティブマトリックスピクセルアレイの性能を改善するために使用され得る。たとえば、蓄積キャパシタは、アレイの画像リフレッシュレートを改善し、および/またはアレイの駆動電圧または電力消費を低減することができる。さらに、蓄積キャパシタを形成するために可動要素の層を使用することは、ピクセルアレイの統合を改善し、それによってピクセルアレイフットプリントを低減することができる。
[0072]図9に、ディスプレイ要素12のアクティブマトリックスアレイ155の一例の概略平面図を示す。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素またはピクセル12は、第1の導電層と、第2の導電層と、それらの間に配置された誘電体支持層とを含む可動要素14をそれぞれ有するIMODディスプレイ要素を含むことができる。いくつかの実装形態では、第1の導電層は反射層を含むことができ、可動要素は基板構造および/または光学的スタックに対して移動することができる。アクティブマトリックスアレイ155は、TFT162として概略的に示される薄膜トランジスタ(TFT)とビア160とをも含む。アレイ155は、隣接するディスプレイ要素12間に少なくとも部分的に配置された多層光マスク構造23をさらに含む。
[0073]明快のために図9に示されていないが、アレイ155は他の構造を含むことができる。また、図示したディスプレイ要素12は、アレイで構成されており、同様に構成されたディスプレイ要素のはるかに大きいアレイを表すことができる。この例におけるディスプレイ要素12の各々はTFT162およびビア160に関連し、ビア160は、TFT162をディスプレイ要素12に関連する電極に電気的に接続するために使用され得る。
[0074]多層可動要素14は、アレイ155のディスプレイ要素12の各々のための蓄積キャパシタを形成するために利用され得る。たとえば、蓄積キャパシタは、可動要素14の第1の導電層と第2の導電層とが重複する、アレイ155の領域中に形成され得る。たとえば、これらの層の各々が設けられた領域では、第1および第2の導電層は、蓄積キャパシタの電極、プレートまたは層として動作することができ、誘電体支持層は、これらの電極、プレートまたは層を互いから電気的に絶縁することができる。たとえば、第1の蓄積キャパシタCS1は、アレイ155の左上ディスプレイ要素12とともに示されており、それに関連し、第2の蓄積キャパシタCS2は、アレイ155の右下ディスプレイ要素12とともに示されており、それに関連する。以下で説明するように、可動要素14によって形成される各蓄積キャパシタは、ソースと関連するディスプレイ要素12との間の電荷の流れを制御するように構成された、少なくとも1つのスイッチ、たとえば、TFTに電気的に結合され得る。
[0075]図10A〜図10Pに、線10−10に沿って取られた図9のアクティブマトリックスアレイ155を製作する方法における様々な段階の断面概略図の例を示す。特定の部品およびステップについて、アレイのいくつかの実装形態を作製するのに好適なものとして説明するが、他の実装形態では、異なる部品およびステップならびに材料が使用され得るか、あるいは部品は変更、省略、または追加され得る。
[0076]図10Aおよび図10Bでは、基板構造または基板20上に光マスク構造23が設けられている。基板20は、ガラス、プラスチック、または光が基板20を通過することを可能にする任意の透明ポリマー材料を含むことができる。「逆(inverse)」または「逆方向」IMOD構成では、基板20はまた不透明であり得る。図示した光マスク構造23は、第1の導電層23aと、スペーサ層23bと、第2の導電層23cとを含む多層構造である。第1の導電層23a、第2の導電層23cおよびスペーサ層23bは、任意の好適な材料を含むことができる。光マスク構造23の少なくとも1つの層は、アレイの光学不活性領域中で周辺光または迷光を吸収するように構成され得る。ただし、光マスク構造23の各層が光を吸収する必要はない。
[0077]いくつかの実装形態では、第1の導電層23aは、部分反射性、部分透過性、および部分吸収性材料、たとえば、MoCrを含むことができ、約30〜80Åの範囲内の厚さを有することができる。スペーサ層23bは、約500〜1000Åの範囲内の厚さを有する、非導電性または誘電体材料、たとえば、SiO2を含むことができる。第2の導電層23cは、反射性材料、たとえば、AlまたはMoを含むことができ、約500〜6000Åの範囲内の厚さを有することができる。いくつかの実装形態では、反射性の第2の導電層23cは第1の導電層23aよりも高い反射率を有し、第2の導電層23cは第1の導電層23aよりも低い吸収係数を有する。
[0078]図10Cは、スペーサまたはバッファ層35を設けることを示している。バッファ層35は、たとえば、SiO2、SiN、SiON、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate)(TEOS)、および/または他の好適な(1つまたは複数の)誘電体材料を含むことができる。いくつかの実装形態では、バッファ層35の厚さは約1,000〜10,000Åの範囲内にあるが、バッファ層35は、所望の光学的特性に応じて様々な厚さを有することができる。バッファ層35の一部分は、以下でさらに詳細に説明するように、光マスク構造23をTFTとディスプレイ要素の電極とに電気的に接続するためのビアの形成を可能にするように、第1の導電層23aの上で除去され得る(ここで「上」は、基板20の反対側の第1の導電層23aの側を指す)。たとえば、バッファ層35は、後に堆積される導体がそれを通して第2の導電層23cに接触することができる開口172を形成するために、バッファ層35の一部分を除去してパターニングされている。そのような実装形態では、光マスク構造中の導電層は、TFTにルーティングされる信号のためのバスとして働き得る。このようにして、光マスク構造23は、光マスク構造の上に配置された別の構造に電気的に接続され得る。たとえば、光マスク構造23はTFTと可動要素の電極とに電気的に結合され得る。
[0079]図10Dでは、バッファ層35上に活性層131が設けられ、パターニングされている。いくつかの実装形態では、活性層131は、シリコン(Si)、および/またはTFTデバイスのチャネル領域を形成するのに好適な他の半導体材料を含む。活性層131は、所望のチャネル導電率を達成するために、たとえば、ホウ素(B)、リン(P)、またはヒ素(As)を含む、n形またはp形ドーパントを使用してドープされ得る。ドーピングは、たとえば、イオン注入を含む、何らかの好適なプロセスを使用して達成され得る。
[0080]図10Eでは、図10Dのデバイスの上にゲート誘電体層132が設けられ、パターニングされている。図10Fでは、TFT162のゲート構造を形成するためにゲート誘電体層132の上にゲート層133が設けられている。いくつかの実装形態では、ゲート誘電体層132およびゲート層133は、それぞれ、二酸化ケイ素(SiO2)およびたとえばモリブデンを含むことができる。図10Eおよび図10Fに示されているように、ゲート誘電体層132は、後に堆積される層が光マスク構造23の第2の導電層23cに物理的におよび電気的に接触することを可能にするために、開口172がバッファ層35とゲート誘電体層132の両方を通って伸びるようにパターニングされ得る。
[0081]図10Gでは、ゲート層133の上にスペーサ誘電体層134が形成される。スペーサ誘電体層134は、後に堆積される導電層から、図10Fにおいて形成されたゲート層133を電気的に絶縁し、および/または加工中にゲート層133を保護するために使用され得る。いくつかの実装形態では、スペーサ誘電体層134は二酸化ケイ素(SiO2)を含む。スペーサ誘電体層134およびゲート誘電体層132は、活性層131に接触するために使用され得る開口など、開口を含むようにパターニングされ得る。さらに、スペーサ誘電体層134は、開口172がスペーサ誘電体層134をも通って伸びるするようにパターニングされ得る。
[0082]図10Hは、スペーサ誘電体層134の上にソース/ドレイン導電層またはトランジスタコンタクト層135を形成することを示している。ソース/ドレイン導電層135は、アルミニウム(Al)などの任意の好適な導体を含むことができ、TFT162のソースおよびドレインのための所望の金属接続性を形成するためにパターニングされ得る。図示した構成では、ソース/ドレイン導電層135は、ビア160を形成するために図10Gの開口172の上に形成されている。ビア160は、TFT162と、光マスク構造23と、後に堆積される可動要素の電極との間の電気的接続性を与えるために使用され得る。以下で説明するように、可動要素は蓄積キャパシタCs1を含むことができる。このようにして、光マスク構造23と、TFT162と、可動要素の蓄積キャパシタC s1とは電気的に接続され得る。図示した構成では、ビア160は、ソース/ドレイン導電層135を光マスク構造23の第2の導電層23cに電気的に接続するために使用される。しかしながら、以下で説明するように、ビア160は、ソース/ドレイン導電層135と第1の導電層23aとの間に接続を与えるなどのために他の方法で構成され得る。
[0083]図10Iでは、スペーサ誘電体層134およびソース/ドレイン導電層135の上に平坦化層136が形成されている。平坦化層136は、ディスプレイ要素がその上に形成され得る表面として使用され得、いくつかの実装形態では二酸化ケイ素(SiO2)を含むことができる。
[0084]図10Jに示されているように、平坦化層136の上に光学的スタック16が形成され得る。いくつかの実装形態では、光学的スタック16は、静止電極116aと、第1の誘電体層116bと、第2の誘電体層116cとを含むことができる。図示のように、静止電極116aは、アレイのピクセルまたはディスプレイ要素間の電気的絶縁を可能にするようにパターニングされ得る。いくつかの実装形態では、静止電極116aは、モリブデンクロム(MoCr)など、光学的に部分反射性、部分透過性、および部分吸収性の電気導体を含むことができる。いくつかの実装形態では、第1の誘電体層116bは二酸化ケイ素(SiO2)および/または酸窒化ケイ素(SiON)を含むことができ、第2の誘電体層116cはアルミニウム三酸化物(Al23)を含むことができる。光学的スタック16は、図示した構成では2つの誘電体層を含むが、いくつかの実装形態では、光学的スタック16は、より多いまたはより少ない誘電体層を含むことができ、および/または他の層(たとえば、1つまたは複数の非誘電体層)を含むように変更され得る。さらに、第1の誘電体層116bと第2の誘電体層116cとは同じパターンを有するものとして示されているが、他の構成が可能である。
[0085]図9中の線10−10はディスプレイ要素12を通って伸びない、しかし、次に、図10L〜図10Pを参照しながら、図9の線10−10を通る断面に隣接するディスプレイ要素12の形成について説明する。したがって、これらの図はアレイ155を通る断面図として特徴づけられるが、TFT162と、光マスク構造23と、ディスプレイ要素12との間の関係を示すために、たとえば、線10−10を通る断面図の一部でないディスプレイ要素12の部分を含む、アレイ155の部分が図示されていることが、当業者には容易に明らかになるであろう。さらに、便宜上、TFT162および他の構成要素は一定の縮尺で図示されていない。たとえば、TFT162は、TFT162とアレイ155の形成とを適切に図示するために、ディスプレイ要素12の幅に対してより大きく示されている。
[0086]図10Kは、光学的スタック16の上に犠牲層25を設け、パターニングすることを示している。犠牲層25は、ディスプレイ要素中にギャップまたはキャビティを形成するために、後で除去または開放され得る。光学的スタック16の上への犠牲層25の形成は、上記で説明したように堆積ステップを含むことができる。さらに、犠牲層25は、異なるディスプレイ要素間に多数の共振光ギャップを有するディスプレイデバイスの形成を助けるために、2つ以上の層を含むように、または様々な厚さの層を含むように選択され得る。IMODディスプレイ要素のアレイでは、各ギャップサイズは異なる反射色を表すことができる。
[0087]図10Lは、支持ポスト18を形成するために、犠牲層25の上に支持層を設け、パターニングすることを同じく示している。支持ポスト18は、たとえば、二酸化ケイ素(SiO2)および/または酸窒化ケイ素(SiON)から形成され得、支持層は、カーボンテトラフルーライド(CF4)および/または酸素(O2)を含むドライエッチを使用することなど、様々な技法によって、支持ポスト18を形成するためにパターニングされ得る。図10Lに示されているように、いくつかの実装形態では、支持ポスト18はピクセルコーナーに配置され得る。
[0088]図10Mは、犠牲層25の上にディスプレイ要素の可動要素または機械層14を設け、パターニングすること、ならびに静止電極116aへのビア174を開けることを示している。図示のように、可動要素14は、反射性であり得る第1の導電層14aと、第2の導電層14cと、それらの間に配置された誘電体支持層14bとを含む。第1の導電層14aと第2の導電層14cとの重複部分は、蓄積キャパシタCs1を形成するために使用され得る。たとえば、第1および第2の導電層14aおよび14cは蓄積キャパシタCs1のプレートまたは電極として動作することができ、誘電体支持層14bは蓄積キャパシタCs1のプレートまたは電極を電気的に絶縁することができる。図示のように、第1の導電層14aは、第1の導電層14aへの電気的接続または信号のルーティングを可能にするために、IMODディスプレイ要素の一方の側で他の層を越えて伸びる。たとえば、第1の導電層は、接地され得るか、または電圧(図8に示されたVcom1など)に接続され得る。そのような実装形態では、蓄積キャパシタの電極のうちの1つとIMODディスプレイ要素の電極のうちの1つとは同じ層であり、すなわちここでは、第1の導電層14aである。IMODディスプレイ要素の反対側で、導電層14cは、TFT162のドレインへのおよび静止電極116aへの接続を可能にするために、他の層を越えて伸びる。
[0089]第1の導電層14aと第2の導電層14cとは誘電体支持層14bによって互いから電気的に絶縁され、可動要素14を蓄積キャパシタCs1として動作させるために所望の電位に電気的に接続され得る。たとえば、第2の導電層14cは、TFT162を通して接地などの基準電圧に電気的に接続され得、第1の導電層14aはドライバに電気的に接続され得る。いくつかの実装形態では、誘電体支持層14bは、30nmから70nmの間、たとえば、50nmの電気的厚さを有することができる。いくつかの実装形態では、誘電体支持層14bは、酸窒化ケイ素を含み、20nmから4000nmの間の、たとえば、200nmから250nmの間の物理的厚さを有することができる。誘電体支持層14bの電気的厚さおよび得られた物理的厚さは、蓄積キャパシタCs1のキャパシタンスが、必要とされるときに可動要素14を駆動するのに十分であるように選択され得る。
[0090]図10Oは、開口191が、ポスト18、静止電極116a、第1の誘電体層116b、第2の誘電体層116c、および平坦化層136を通して形成された後のアクティブマトリックスアレイを示している。そのようなパターニングは、コンタクト層135を露出させ、開口191を介したコンタクト層135への電気的結合を可能にする。
[0091]図10Pは、導電層199の堆積およびパターニングと、ギャップ19を形成するための図10Mの犠牲層25の除去との後のディスプレイ要素12を示している。図10Pに示されているように、導電層199は、可動要素14の第2の導電層14cと静止電極116aとをTFT162に電気的に接続する。このようにして、蓄積キャパシタCs1の1つの端子、たとえば、可動要素14の第2の導電層14cがTFT162に電気的に接続され得る。犠牲層25は、前に説明したように、様々な方法を使用してこの時点で除去され得る。犠牲層25が除去されると、可動要素14は、静止電極116aと可動要素14との間に電圧が印加されたとき、少なくとも作動位置と緩和位置との間で静止電極116aのほうへギャップ19を通って移動し得る。
[0092]図10Pに示されたディスプレイ要素は、高フィルファクタピクセルアレイにおいて使用され得る。図示のように、可動要素14は、静止電極116aと、たとえば第1の導電層14aとの間に印加された電圧に応答して移動するように構成される。図10Pは図8の回路図の一実装形態として示されているが、TFT162と、静止電極116aと、第1の導電層14aと、第2の導電層14cとは、図8において示す回路を実装するために異なる方法で相互接続され得ることを理解されたい。
[0093]図10Oおよび図10Pを参照すると、ピクセルアレイ155の各ピクセルまたはディスプレイ要素12は、可動要素14から形成された蓄積キャパシタCsを含み、それによって、設計の統合を改善することができる。さらに、各TFT162が光マスク構造23の上に形成されており、蓄積キャパシタCsとTFT162との間に電気的接続性を与えるために一体型ビア160が使用されている。
[0094]アレイ中の各ディスプレイ要素のために蓄積キャパシタを設けることによって、アレイのフィルファクタに影響を及ぼさずに性能が改善され得る。たとえば、以下で説明するように、可動要素14が静止電極116aに近づくとき、可動要素14と静止電極116aとの間のキャパシタンスの増加にもかかわらず、駆動電圧が可動要素14を移動するのに十分なレベルに維持され得るので、蓄積キャパシタを設けることは、可動要素14が、蓄積キャパシタを含まない実装形態よりも、静止電極116aのほうへさらに移動することを可能にすることができる。
[0095]図11に、デバイスを形成する方法1100を示す流れ図の一例を示す。例示的な方法1100のブロック1101は、基板構造を形成することを含む。いくつかの実装形態では、基板構造は、ガラス、プラスチック、または光が基板を通過することを可能にする任意の透明ポリマー材料を含むことができる。いくつかの「逆」または「逆方向」IMODアーキテクチャでは、基板構造は透明である必要がなく、不透明でもよい。いくつかの実装形態では、基板構造は、図10A〜図10Pを参照しながら上記で説明した基板20に対して構成され得る。
[0096]例示的な方法1100はまた、ブロック1103によって示されるように、蓄積キャパシタを含む可動要素を形成することを含む。可動要素は、基板構造に対して直角な方向に移動するように構成され得る。いくつかの実装形態では、可動要素は、図10Pを参照しながら上記で説明した可動要素14と同様に構成され得、蓄積キャパシタを形成する第1の導電層と第2の導電層とを含むことができる。たとえば、可動要素は、第1の導電層と第2の導電層との間に配置された誘電体支持層を含むことができる。誘電体支持層は、可動要素14のために機械的機能を提供すると同時に、第1の導電層と第2の導電層との間の誘電体として電気的機能をも提供することができる。
[0097]例示的な方法1100はまた、ブロック1105によって示されるように、少なくとも1つのスイッチを形成することを含む。いくつかの実装形態では、少なくとも1つのスイッチは、ソースと蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成され得る。少なくとも1つのスイッチを形成することは、上記で説明したTFT構造162と同様の薄膜トランジスタ(TFT)を形成することを含むことができる。
[0098]いくつかの実装形態では、例示的な方法1100は、可動要素と基板構造との間に光学的スタックを形成することを含むことができる。光学的スタックは、上記で説明した静止電極116aならびに第1および第2の誘電体層116b、116cと同様の静止電極および1つまたは複数の誘電体層を含むことができる。多くの追加のステップが、図示のシーケンスの前、途中、または後に採用され得るが、そのようなステップは、ここでは説明の明快のために省略されている。
[0099]図12Aに、蓄積キャパシタを含む可動要素と蓄積キャパシタなしの可動要素とについての時間に対する電圧の一例を示す。上記で説明したように、IMODディスプレイ要素は、光学的スタックに対して可動要素の位置を変更することによって、および/またはそれらの間に画定される光共振キャビティの厚さを変更することによって、可視光の1つまたは複数の波長を反射することができる。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素によって反射されるスペクトルバンドの位置は、静止電極に対して可動要素を駆動するために可動要素と静止電極との間に電圧を印加することによって調整され得る。図12Aの曲線1204、1214、および1224は、それぞれ、緑色光、青色光、および赤色光を反射するように構成された、蓄積キャパシタなしのディスプレイ要素についての時間に対する電圧のプロットを示す。図12Aの曲線1202、1212、および1222は、それぞれ、緑色光、青色光、および赤色光を反射するように構成された、蓄積キャパシタを含むディスプレイ要素についての時間に対する電圧のプロットを示す。曲線1204、1214、および1224を曲線1202、1212、および1222と比較することによって示されるように、可動要素が静止電極のほうへ駆動されるとき、可動要素と静止電極との間のキャパシタンスが増加するので、蓄積キャパシタなしのディスプレイ要素についての可動要素と静止電極との間の電圧は、蓄積キャパシタを含むディスプレイ要素と比較して、時間とともにより急速に減少する。
[0100]図12Bに、静止電極に対して測定される、図12Aの可動要素についての時間に対する位置の一例を示す。この例では、曲線1203、1213、および1223は、それぞれ、緑色光、青色光、および赤色光を反射するように構成されたディスプレイ要素についての、蓄積キャパシタを含む可動要素の位置のプロットを示す。曲線、1205、1215、および1225は、それぞれ、緑色光、青色光、および赤色光を反射するように構成されたディスプレイ要素についての、蓄積キャパシタなしの可動要素の位置のプロットを示す。曲線1203、1213、および1223を曲線1205、1215、および1225と比較することによって、可動要素と静止電極との間のキャパシタンスが増加するとき、可動要素と静止電極との間の電圧が可動要素を駆動するのに十分高く維持され得るので、蓄積キャパシタを含む可動要素は、関連する静止電極のより近くに移動することができることがわかり得る。したがって、図12Aおよび図12Bは、蓄積キャパシタを組み込んだ可動要素が、静止電極に対して、蓄積キャパシタなしのディスプレイ要素よりも大きい安定した移動範囲を通して駆動され得ることを示す。
[0101]図13Aおよび図13Bは、複数のIMODディスプレイ要素を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはそれの軽微な変形は、テレビジョン、コンピュータ、タブレット、電子リーダー、ハンドヘルドデバイスおよびポータブルメディアデバイスなど、様々なタイプのディスプレイデバイスをも示す。
[0102]ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む、様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴムおよびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、またはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
[0103]ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む、様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明する、一体型蓄積キャパシタをもつIMODベースのディスプレイを含むことができる。
[0104]ディスプレイデバイス40の構成要素が図13に概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合され得るアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40上に表示され得る画像データのためのソースであり得る。したがって、ネットワークインターフェース27は画像ソースモジュールの一例であるが、プロセッサ21および入力デバイス48も画像ソースモジュールとして働き得る。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、(信号をフィルタ処理するかまたはさもなければ操作するなど)信号を調整するように構成され得る。調整ハードウェア52はスピーカー45とマイクロフォン46とに接続され得る。プロセッサ21はまた、入力デバイス48とドライバコントローラ29とに接続され得る。ドライバコントローラ29はフレームバッファ28とアレイドライバ22とに結合され得、アレイドライバ22はディスプレイアレイ30に結合され得る。図13Aに特に示されていない要素を含む、ディスプレイデバイス40中の1つまたは複数の要素が、メモリデバイスとして機能するように構成され、プロセッサ21と通信するように構成され得る。いくつかの実装形態では、電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計において実質的にすべての構成要素に電力を与えることができる。
[0105]ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、g、nを含むIEEE802.11規格、およびそれらのさらなる実装形態に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、Bluetooth規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3G、4Gまたは5G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile communications)、GSM/汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、拡張データGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM Environment)、地上基盤無線(TETRA:Terrestrial Trunked Radio)、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))、エボリューションデータオプティマイズド(EV−DO:Evolution Data Optimized)、1xEV−DO、EV−DO RevA、EV−DO RevB、高速パケットアクセス(HSPA:High Speed Packet Access)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA:High Speed Uplink Packet Access)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+:Evolved High Speed Packet Access)、
ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計され得る。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、それらの信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、それらの信号を処理することができる。
[0106]いくつかの実装形態では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、いくつかの実装形態では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理され得るフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和およびグレースケールレベルを含むことができる。
[0107]プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
[0108]ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。
次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29(またはドライバ回路)は、可動要素14(たとえば、図1および図10N)に少なくとも1つの信号を送るように構成され得る。
いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29(またはドライバ回路)は、少なくとも1つのスイッチを使用可能にするための信号を送るように構成され得る。そのような可動要素の例は、本明細書で説明および/または図示された可動要素の実装形態のうちのいずれかを含む。いくつかの実装形態では、少なくとも1つのスイッチは、たとえば、図8に示された薄膜トランジスタ108、または別のタイプのスイッチであり得る。
[0109]アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのディスプレイ要素のx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も印加される。
[0110]いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(IMODディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(IMODディスプレイ要素ドライバなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(IMODディスプレイ要素のアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化され得、一方または両方、あるいは両方が組み合わせられ得、ドライバ回路と呼ばれることがある。そのような実装形態は、高集積システム、たとえば、モバイルフォン、ポータブル電子デバイス、ウォッチまたは小面積ディスプレイにおいて、有用であり得る。
[0111]いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように、構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ30と一体化されたタッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが使用され得る。
[0112]電源50は様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。充電式バッテリーを使用する実装形態では、充電式バッテリーは、たとえば、壁コンセント(wall socket)あるいは光起電性デバイスまたはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリーはワイヤレス充電可能であり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
[0113]いくつかの実装形態では、電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得るドライバコントローラ29中に制御プログラマビリティが存在する。いくつかの他の実装形態では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実装され得る。
[0114]本明細書で使用する、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一部材を含む、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a−b、a−c、b−c、およびa−b−cを包含するものとする。
[0115]本明細書で開示する実装形態に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実装されるか、ソフトウェアで実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
[0116]本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組合せなどのコンピューティングデバイスの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
[0117]1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。また、本明細書で説明した主題の実装形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実装され得る。
[0118]本開示で説明した実装形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実装形態に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与られるべきである。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、たとえば、実装されたIMODディスプレイ要素の適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
[0119]また、別個の実装形態に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せで実装され得る。また、逆に、単一の実装形態に関して説明された様々な特徴は、複数の実装形態において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実装され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
[0120]同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序でまたは順番に実行される必要がないこと、あるいはすべての図示の動作が実行される必要があるとは限らないことを、当業者は容易に認識されよう。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明したプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。

Claims (23)

  1. 静止電極を有する基板構造と、
    前記基板に対して概して直角な方向に移動するように構成された可動要素と、前記可動要素が第1の導電層と第2の導電層とを含み、前記第1および第2の導電層が蓄積キャパシタを形成する、
    ソースと前記蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成された少なくとも1つのスイッチと、
    を備える、デバイス。
  2. 前記デバイスは、前記蓄積キャパシタが前記可動要素に電気的に結合され、少なくとも前記可動要素が作動されたときに、前記可動要素に電圧を与えるように構成された、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記可動要素と前記基板構造との間に配置された光学的スタックをさらに備え、前記光学的スタックが部分反射および部分透過層を含む、請求項2に記載のデバイス。
  4. 前記光学的スタックと前記可動要素とが干渉変調器(IMOD)ディスプレイ要素を形成する、請求項3に記載のデバイス。
  5. 前記少なくとも1つのスイッチが薄膜トランジスタを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. 前記第2の導電層が前記薄膜トランジスタのドレインと前記静止電極とに接続された、請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記可動要素が、前記第1の導電層と前記第2の導電層との間に配置された誘電体層を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
  8. 前記誘電体層が酸窒化ケイ素を含む、請求項7に記載のデバイス。
  9. 前記誘電体層が20nmから4000nmの間の厚さ寸法を有する、請求項8に記載のデバイス。
  10. 前記第1の導電層が電気接地に接続された、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
  11. 前記可動要素が、前記静止電極と前記第1の導電層との間に印加された電圧差に応答して移動するように構成された、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
  12. ディスプレイと、ここにおいて、前記ディスプレイが前記可動要素を含む、
    前記ディスプレイと通信するように構成されたプロセッサと、前記プロセッサが、画像データを処理するように構成される、
    前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスと、
    をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
  13. 前記可動要素に少なくとも1つの信号を送ることと、前記少なくとも1つのスイッチを使用可能にするための信号を送ることとを行うように構成されたドライバ回路をさらに備える、請求項12に記載のデバイス。
  14. 前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部分を送るように構成されたコントローラをさらに備える、請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記プロセッサに前記画像データを送るように構成された画像ソースモジュールをさらに備える、請求項14に記載のデバイス。
  16. 入力データを受信することと、前記プロセッサに前記入力データを通信することとを行うように構成された入力デバイスをさらに備える、請求項13から15のいずれか一項に記載のデバイス。
  17. デバイスを形成する方法であって、前記方法は、
    基板構造を形成することと、
    前記基板構造に対して概して直角な方向に移動するように構成された可動要素を形成することと、前記可動要素が第1の導電層と第2の導電層とを含み、前記第1および第2の導電層が蓄積キャパシタを形成する、
    少なくとも1つのスイッチを形成することと、前記スイッチが、ソースと前記蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するように構成される、
    を備える方法。
  18. 光学的スタックを形成することをさらに備え、前記光学的スタックが前記可動要素と前記基板構造との間に配置された、請求項17に記載の方法。
  19. 前記少なくとも1つのスイッチを形成することが、薄膜トランジスタを形成することを含む、請求項17または18に記載の方法。
  20. 基板構造と、
    電荷を蓄積し、光を反射するための可動手段を含むディスプレイ要素と、前記光反射電荷蓄積手段が、少なくとも第1の作動位置および緩和位置まで前記基板構造に対して概して直角な方向に駆動されるように構成され、前記光反射電荷蓄積手段は、前記可動手段が作動されている間、前記可動手段の少なくとも1つの導電層に電圧を与えるようにさらに構成される、
    を含む、電気機械システムと、
    ソースと前記蓄積キャパシタとの間の電荷の流れを制御するための手段と
    を備えるディスプレイデバイス。
  21. 電荷を蓄積し、光を反射するための前記可動手段が、第1の導電層と、第2の導電層と、前記第1の導電層と前記第2の導電層との間の誘電体層とを含み、ここにおいて、前記第1および第2の導電層と前記誘電体層とが可動蓄積キャパシタを形成する、請求項20に記載のデバイス。
  22. 前記電荷制御手段が少なくとも1つのスイッチを含む、請求項20または21に記載のデバイス。
  23. 前記少なくとも1つのスイッチが薄膜トランジスタを含む、請求項22に記載のデバイス。
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