JP2014240433A - 眼瞼炎の治療方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、対象における、非感染性、炎症性の慢性後部眼瞼炎の治療方法に関する。本発明はまた、2週間以上に渡る対象における慢性後部眼瞼炎の治療方法に関する。本発明はさらに、対象における、眼瞼炎に続発するドライアイに罹患する対象の治療方法に関する。本発明はさらに、眼瞼炎または眼瞼炎に続発するドライアイに起因する対象のコンタクトレンズ不耐性を緩和するための方法に関する。【解決手段】非感染性、炎症性の慢性後部眼瞼炎の治療方法であって、治療を必要としている対象を特定すること、及び対象の眼に対して有効量のアジスロマイシンから本質的に成る医薬製剤を局所的に投与することを含んでなる方法。ドライアイの治療方法であって、後部眼瞼炎に続発するドライアイに罹患する対象を特定する段階、及び対象の眼に対してアジスロマイシンの有効量を含んでなる医薬製剤を局所的に投与する段階を含んでなる方法。【選択図】なし

Description

本発明は、対象における、好適には炎症性でかつ感染症と関係のない、慢性の後部眼瞼炎の臨床徴候及び症状の軽減方法に関する。当該方法は、必要としている対象へ、アジスロマイシンから本質的に成る点眼用製剤を投与することを含む。
眼瞼炎は、皮膚及びその関連組織(毛髪及び皮脂腺)、皮膚粘膜の接合部、並びにマイボーム腺を含む、前及び後眼瞼縁の炎症を生じている慢性疾患である。これはまた、進行期には結膜、涙膜、及び角膜表面に発症する可能性があり、ドライアイと関係する。眼瞼炎は、眼瞼のまつ毛の生えている部位に発症する前部眼瞼炎、またはマイボーム腺開口部に第一に発症する後部眼瞼炎に一般的に分類される(American American Academy of Ophthalmology, Blepharitis. 2003; Thygeson, Arch Ophthalmol, 1946, 36:938-942; Foulks, Ocul Surf. 2003;l(3):107-120)。眼瞼炎は、眼科医によって診断される最も一般的な眼疾患の1つであり、そしてこの疾患に関して今日まで治療法がないか、またはFDAに認可された治療法はない。
軽症型の眼瞼炎は、通常診断が確定されず、対処されることは稀である。ある研究において、眼瞼炎の罹患率は一般集団において10%と推定されたが(Claoue, Eye, 1997, 11(6):865-868)、高齢者集団ではおそらくそれ以上である。眼瞼炎に罹患する患者の30%〜50%はまた、乾性角結膜炎に罹患する(Wu, In: Lee DA, Higginbotham EJ, eds. Clinical Guide to Comprehensive Ophthalmology, 1st ed. Thieme Medical Pub, 1999:189)。ドライアイ成因を有するまたは有しない眼瞼炎は、軽度の一過性の刺激から持続性の刺激、焼けるような痛み(burning)、かゆみ、発赤、痛み、眼性疲労及び視覚障害に及ぶ広範囲の眼性症状と関連する。
主として後眼瞼縁に限定される眼瞼炎の変化は、大部分はマイボーム腺周辺に集中した病理過程から生じる。マイボーム腺は、脂質を供給するホロクリン腺であり、角膜の涙膜の外側の脂質層を形成する。これは、この疾患で見られる臨床症状を生じるこの排泄方法及び涙膜脂質の組成の変化によるものである。
近年の臨床及び実験的検討により、マイボーム腺疾患/機能障害(MGD)の複数の形態が確認されてきた。マカリー(McCulley)等は、マイボーム腺及び管における生体顕微的な変化を特徴とするマイボーム腺炎の3つの形態を説明している(Ophthalmology, 1982, 89: 1173-1180)。「二次性マイボーム腺炎」は、前眼瞼縁の眼瞼炎に由来してマイボーム腺が斑状形状で二次的に炎症を起こした限局性の炎症性応答を表す。「マイボーム腺脂漏」及び「一次性マイボーム腺炎」はどちらも汎発性の腺機能障害を生じるが、根底にある腺異常に関しては異なる。マイボーム腺脂漏は、炎症の非存在下での過度のマイボーム腺分泌(分泌過剰形態)を特徴とする。一方、一次性マイボーム腺炎は、停滞及び濃縮されたマイボーム腺分泌(閉塞性形態)により区別される。
酒さ性ざ瘡、脂漏性皮膚炎、乾癬、アトピー及び細菌産物への過敏症は全て眼瞼炎の原因の一因となる可能性がある(Cher, Mod Med Austr., 1997, 52- 62)。一般的に感染は前眼瞼炎の一因となると考えられ(Thygeson, 1946; Dougherty, 1984; Smith, CLAOJ., 1995, 21(3):200-207)、さらにブドウ球菌抗原に対する細胞性免疫応答が強調されてきた(Fickcr, Am J Ophthalmol, 1991, 15; l l l(4):473-479)。
ドライアイ疾患は、不十分な量の涙に起因する障害である。ドライアイ疾患の徴候及び症状には、眼表面の損傷、眼瞼腫脹及び発赤、眼性刺激並びに異物感(ほこりが入ったようなまたはざらざらした眼の感覚)が含まれる。涙の量は、不十分な量の涙を生成できないこと或いは涙膜の急速な蒸発によって減少される可能性がある。ブロン(Bron)等(The Ocular Surface, 2: 149-164)は、涙膜の脂質層が眼表面からの蒸発に対する重要なバリアである、ことを開示する。涙膜の厚さの減少または機能的統合性の低下は、蒸発性のドライアイを生じる可能性がある。閉塞性マイボーム腺の機能障害は、蒸発性のドライアイの最も一般的な原因である。
慢性の眼瞼炎が、感染と関連のない炎症性の原因を有する可能性のあることが示唆されている(Seal, Br J Ophthalmol., 1985, 69(8):604-611)。一部の研究により、マイボーム腺機能障害(Mathers, Cornea., 1996,15(2):110-119)及び眼瞼炎に罹患する患者のごく一部だけが活動性感染の兆候を有するまたはブドウ球菌毒の産生を示すことが実証されてきた(Seal, Ophthalmology., 1990, 97(12): 1684- 1688)。組織学的研究では、眼瞼炎患者の真皮及び表皮における好中球及びリンパ球を含む炎症性細胞の浸潤が検出されてきた。慢性の眼瞼炎及び眼瞼結膜炎の大抵の場合には、慢性の非肉芽腫性の炎症性応答が観察される(Yanoff, Ocular pathology. 3rd ed. Lippincott Williams & Wilkins Publishers, 1989;171-172)。眼瞼炎の病態生理は、あまりよく理解されていないが、現在の総意は、細菌、変質されたマイバム(meibum)脂質組成物及び炎症が当該過程の主要な原因である、ということである。
眼瞼炎の炎症性側面は、3月以上の間、局所ステロイド並びに全身性のテトラサイクリンで治療されてきた。しかしながら、ステロイドの使用及び長期間の全身性の抗生物質の使用による周知の副作用によって、これらの治療のレジメンが最適でなくなる。さらに、抗生物質軟膏は、この疾患における常在細菌叢の異常増殖を治療するために使用されてきた。しかしながら、局所的な抗生物質治療は、眼瞼炎の炎症性の側面に対処するために使用されていない。
アジスロマイシンは、マクロライド抗生物質である。アザサイト(登録商標)(アジスロマイシン点眼液)は、デュラサイト(DURASITE)(登録商標)(ポリカルボフィル, エデト酸二ナトリウム, 塩化ナトリウム)で製剤化されたアジスロマイシンの1%の無菌水性の局所的点眼液である。アザサイト(登録商標)は、CDCのコリネ菌(coryneform group)G、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、黄色ブドウ球菌,(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス・ミティス菌(Streptococcus mitis group)、及び肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)の感受性分離株によって引き起こされる細菌結膜炎の治療用として、米国食品医薬品局(FDA)によって認可されている(アザサイト(登録商標)添付文書, 2007)。細菌性結膜炎の治療に対する推奨される用量レジメンは、以下の通りである:最初の2日間は、一日に二度、8〜12時間の間隔をおいて発症した眼(複数)に1滴を滴下し、その後、続く5日間は、一日に一度発症した眼(複数)に1滴を滴下する(アザサイト(登録商標)添付文書, 2007)。
疾患の高罹患率にもかかわらず、眼瞼炎は未解明なことの多い病型である。現在の治療、例えば温湿布、眼瞼洗浄、経口栄養剤、及び経口テトラサイクリン抗生物質等は、服薬遵守の困難性及び不本意な結果を示す。従って、眼瞼炎の炎症性側面を治療するための効率的かつ安全な方法が必要である。
本発明は、対象における、炎症性の慢性後部眼瞼炎、好適には非感染性の、炎症性の慢性後部眼瞼炎の治療方法を目的とする。当該方法は、非感染性の、炎症性の慢性後部眼瞼炎に罹患する対象を特定すること、及びアジスロマイシンの有効量から本質的に成る医薬製剤を対象の眼に対して局所的に投与することを含んでなる。
本発明はまた、対象における、慢性後部眼瞼炎の治療方法を目的とする。当該方法は、慢性後部眼瞼炎に罹患する対象を特定すること、及び2週間以上の間、有効量のアジスロマイシンから本質的に成る医薬製剤を対象の眼に対して局所的に投与することを含んでなる。
本方法は、対象における眼瞼炎の症状及び/又は臨床徴候、例えば眼瞼壊死組織片、眼瞼縁の発赤、眼瞼腫脹、マイボーム腺の閉塞、及びマイボーム腺分泌の閉塞を緩和することにおいて有効である。
本発明は、さらに対象における眼瞼炎に続発するドライアイの治療方法を目的とする。当該方法は、眼瞼炎に続発するドライアイに罹患する対象を特定する段階、及びアジスロマイシンの有効量を含んでなる医薬製剤を対象の眼に対して局所的に投与する段階を含んでなる。
本発明はさらに、眼瞼炎または眼瞼炎に続発するドライアイに起因する対象のコンタクトレンズ不耐性を緩和するための方法を目的とする。当該方法は、眼瞼炎または眼瞼炎に続発するドライアイに起因するコンタクトレンズ不耐性に苦しむ対象を特定すること、及びアジスロマイシンの有効量を含んでなる医薬製剤を対象の眼に対して局所的に投与することを含んでなる。
局所的なアジスロマイシン及び温湿布で治療された対象、並びに温湿布単独で治療された対象の平均総合徴候スコア(5つの臨床徴候重症度スコアの合計)を表す(平均値±標準誤差)。 局所的なアジスロマイシン及び温湿布で治療された対象、並びに温湿布単独で治療された対象の平均総合症状スコア(5つの臨床症状重症度スコアの合計)を表す(平均値±標準誤差)。 後部眼瞼炎の徴候への局所的なアジスロマイシン治療の効果を表す。アザサイト(登録商標)の1日に1回、4週間の投薬での治療前及び後について、個々の徴候の平均値を示す(平均値±標準誤差)。 後部眼瞼炎の症状への局所的なアジスロマイシン治療の効果を表す。アザサイト(登録商標)の1日に1回、4週間の投薬での治療前及び後について、個々の症状の平均値を示す(平均値±標準誤差)。 4週間の局所的なアジスロマイシン治療の、マイボーム腺脂質の炭化水素鎖の程度への効果を表す。(i)マイボーム腺疾患(MGD)患者、(ii)局所的なアジスロマイシンで治療のMGD患者、並びに(iii)正常な対象(コントロール)の脂質分析の平均値を示す(平均値±標準誤差)。括弧内の数値は、分析したサンプルの数を表す。 4週間の局所的なアジスロマイシン治療の、マイボーム腺脂質の相転移温度への効果を表す。(i)マイボーム腺疾患(MGD)患者、(ii)局所的なアジスロマイシンで治療のMGD患者、並びに(iii)正常な対象(コントロ−ル)の脂質分析の平均値を示す(平均値±標準誤差)。括弧内の数値は、分析したサンプルの数を表す。 4週間のアザサイト(登録商標)での治療前後の平均ドライアイ症状スコアを表す(平均値±標準誤差)。 4週間のアザサイト(登録商標)での治療前(処方前)及び治療後(処方後)の平均涙液破壊時間(TBUT)スコアを表す(平均値±標準誤差)。
本発明の詳細な説明
細菌感染及び炎症は、眼瞼炎の病態生理の2つの主要な原因である。本明細書で開示される本発明よりも以前には、局所的な抗生物質が、眼瞼炎の非細菌誘発性の慢性の炎症性側面を治療することにおいて有効であろう、ということは知られていなかった。本明細書で開示するように、本発明者は、局所的なアジスロマイシンが眼瞼炎のこれらの慢性の炎症性側面を治療することにおいて驚くほど有効であることを示した。
本発明者は、眼におけるアジスロマイシンの局所使用が強力な抗炎症性特性を有し、そして(さらなる抗炎症性薬剤、例えばコルチコステロイド、または抗アレルギー薬剤を使用しない)アジスロマイシン単独が、慢性後部眼瞼炎、好適には細菌感染に関連しない炎症性の後部眼瞼炎に罹患する対象を局所的に治療するための医薬として有効であることを発見した。本発明者は、局所的なアジスロマイシン点眼液での治療が様々な眼組織、特に眼瞼で、高く且つ持続性のあるアジスロマイシン濃度を生じ、このため慢性の後部眼瞼炎または慢性のマイボーム腺疾患を治療することにおいて有効である、ということを発見した。
本発明は、対象における炎症性の慢性後部眼瞼炎の治療方法を目的とする。本発明は、好適には対象における非感染性、炎症性の慢性後部眼瞼炎の治療方法を目的とする。当該方法は、炎症性の慢性後部眼瞼炎、または非感染性の、炎症性の慢性後部眼瞼炎に罹患する対象を特定すること、並びに対象の眼に対してアジスロマイシンの有効量から本質的に成る医薬製剤を局所的に投与すること、を含んでなる。
本明細書で用いられる「非感染性の」眼瞼炎は、活動性の病原性細菌種または常在細菌叢の異常増殖による流行の感染症に罹患していない眼瞼炎患者を意味する。非感染性の患者を特定することには、当技術分野で周知の手段を含めることができ、存在する様々な種に関して細菌負荷が病原性レベル未満であることを評価するために患者の細菌培養を取り出すこと、または一連の抗生物質を経験した患者を特定することを含めることができるがこれに限定されない。
眼瞼炎は、軽度の一過性刺激から持続的な刺激、焼けるような痛み、かゆみ、発赤、痛み、眼性疲労及び視覚障害に渡る広範囲の眼性症状に関連する。眼瞼炎の典型的な臨床徴候には、眼瞼壊死組織片、眼瞼縁の発赤、眼瞼腫脹、マイボーム腺の閉塞、及びマイボーム腺分泌の閉塞が含まれる。急性の炎症の典型的な徴候である眼瞼縁の発赤は、本方法によって改善される。
対象の眼表面に局所的に投与されるアジスロマイシンの「有効量」とは、疾患の臨床徴候及び/又は症状を緩和するのに有効な量である。
本明細書で用いられる「慢性の」は、4週間以上後部眼瞼炎またはマイボーム腺疾患に罹患する対象を意味する。
本発明は、局所的ステロイドの使用のない、炎症性及び非感染性の慢性後部眼瞼炎を治療するのに迅速且つ有効な方法を提供する。アジスロマイシンでの局所的な治療の1〜2週間後、患者によって眼瞼縁紅斑の緩和及びマイボーム腺開口部及び/又はマイボーム腺の分泌状況の改善が実証される。迅速及び顕著な改善は、アジスロマイシンの抗菌効果とは関係のない抗炎症活性に起因する。当該有効性はまた、眼表面への局所的な投与後の、角膜、結膜、及び眼瞼における高濃度のアジスロマイシンの持続性、並びに組織に対するアジスロマイシンの高親和性に起因する。本発明は、臨床上の改善を生じるのに6週以上、しばしば3月以上必要なテトラサイクリン薬、例えば経口ドキシサイクリンを使用する抗炎症性の治療より有効である(Aronowicz, 等, J Ophthalmol, 2006, 90:856-860)。
本発明はまた、対象を2週間以上毎日治療することによる、対象における慢性後部眼瞼炎の治療方法を目的とする。当該方法は、慢性後部眼瞼炎に罹患する対象を特定すること、及びアジスロマイシンの有効量から本質的に成る医薬製剤を、2週間以上、少なくとも3週間、または4週間毎日対象の眼に対して局所的に投与することを含んでなる。アザサイト(登録商標)(アジスロマイシン点眼液 , 1%)の製品添付文書の警告及び使用上の注意において、真菌を含む非感受性生物が異常増殖する可能性があるので、アジスロマイシン点眼液を長期間使用しないよう警告がなされる。急性の細菌感染は典型的には1週間のアジスロマイシン治療によって解決され、治療の7〜10日後にはおそらく感受性細菌は除去されるので、よって局所的なアジスロマイシン製剤での長期(2週間以上)の治療の利点は予期されていない。しかしながら、本発明者は、局所的な点眼用アジスロマイシン製剤での慢性眼瞼炎の有効な治療期間が、2週間以上であり、この長期治療はまた、この病理過程の非感染性の特質を示しており、アジスロマイシンの抗炎症性特性が後部眼瞼炎の慢性の炎症性要素において最大効果を有することができる、ことを発見した。慢性の炎症性眼瞼炎に罹患する患者は、典型的には活性細菌感染を有さないので、非感受性生物の異常増殖に関する上記の危険性、または新たな耐性細菌の発生は最小限と考えられる。
本発明の他の実施形態では、2週間以上の期間、患者を局所的なアジスロマイシン製剤で断続的に治療する。本明細書で用いられる「断続的に」は、患者を毎日治療しないことを意味する。断続的な投薬は、1日おきに、2日おきに、3日おきに、2〜6日の投薬及び2〜6日の休薬、1週間の投薬及び1週間の休薬、毎月に1週間の投薬、等とすることができる。好適な断続的な投薬の1つは、1日に1度の投与の1週間の実施を、各月で実施することである。局所的なアジスロマイシン製剤は、眼瞼を含む様々な眼組織で高く且つ持続性のあるアジスロマイシン濃度を生じ、このため、投薬の間隔をあけることができるので、断続的な投薬が可能である。断続的な投薬により、使用するアジスロマイシンの総投与量の低減という利点が供される。一実施形態では、2週間以上の初回の連日投薬後、対象を断続的に治療する。
本発明はまた、眼瞼炎、例えば前眼瞼炎、後部眼瞼炎、炎症性の後部眼瞼炎、及び非感染性の炎症性後部眼瞼炎に続発するドライアイ症状または徴候の治療方法を供する。当該方法は、眼瞼炎に続発するドライアイに罹患する対象を特定する段階、並びにアジスロマイシンの有効量を含んでなる医薬製剤を対象の眼に対して局所的に投与する段階を含んでなる。本発明者は、アジスロマイシンの眼への局所的な適用で眼表面の炎症を治療することによって、涙膜の脂質層の生成に主として関与するマイボーム腺がこの機能を改善し、良質な涙膜を生成し、このためドライアイ症状または徴候が緩和されることを発見した。本方法によって治療することができるドライアイ疾患の症状には、異物感(砂っぽさ(sandiness)またはざらざら感(grittiness))、眼の乾燥及び焼けるような眼の痛みまたは疼痛が含まれる。涙液破壊時間(TBUT)は、治療後に改善され、涙膜の安定が示される。一実施形態では、少なくとも2週間、2週間以上、少なくとも3週間、或いは少なくとも4週間、毎日医薬製剤を対象に投与する。他の実施形態では、少なくとも2週間、2週間以上、少なくとも3週間、或いは少なくとも4週間、対象に医薬製剤を断続的に投与する。さらに他の実施形態では、少なくとも2週間の初回の連日投薬後に、対象に医薬製剤を断続的に投与する。
本発明はまた、眼瞼炎または眼瞼炎に続発するドライアイに起因する、対象のコンタクトレンズ不耐性を緩和するための方法を目的とする。一実施形態では、対象は、後部眼瞼炎に続発する後部眼瞼炎またはドライアイに罹患する。他の実施形態では、対象は、炎症性の後部眼瞼炎または炎症性の後部眼瞼炎に続発するドライアイに罹患する。当該方法は、眼瞼炎または眼瞼炎に続発するドライアイに起因するコンタクトレンズ不耐性に苦しむ対象を特定する段階、並びに対象の眼に対してアジスロマイシンの有効量を含んでなる医薬製剤を局所的に投与する段階を含んでなる。一実施形態では、少なくとも2週間、2週間以上、少なくとも3週間、或いは少なくとも4週間、対象に医薬製剤を毎日投与する。他の実施形態では、少なくとも2週間、2週間以上、少なくとも3週間、或いは少なくとも4週間、対象に医薬製剤を断続的に投与する。さらに他の実施形態では、少なくとも2週間の初回の連日投薬後に、対象に医薬製剤を断続的に投与する。
コンタクトレンズ不耐性は、対象が快適にコンタクトレンズを装着することができる時間を制限する。本発明の方法は、対象における1日の快適なコンタクトレンズ装着時間を増加し、対象における1日の総コンタクトレンズ装着時間を増加する、または使用者のコンタクトレンズの装着をより快適にする。コンタクトレンズ不耐性の改善は、快適なコンタクトレンズ装着時間、総コンタクトレンズ装着時間、眼の掻痒、眼全体の快適さ、及び/又はリウェッティングドロップ(rewetting drop)の使用頻度、によって評価することができる。本発明で説明される快適なコンタクトレンズの使用の増加の幅は、コンタクトレンズ不耐性の重症度次第である。例えば、本発明は、軽度のコンタクトレンズ不耐性を有する対象に快適にコンタクトレンズを装着することをさらに3〜6時間可能とし、このため対象は1日に約14時間の最適な装着時間を達成することが可能となる。本発明はまた、重度のコンタクトレンズ不耐性を有する対象に有効である。一般的に、本方法は、少なくとも1日に2〜3時間ずつ快適なコンタクトレンズ装着時間を増加することができる。
本発明は、主としてヒトを対象とする治療に関係するが、また他の哺乳類、例えばイヌ、ネコ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ヤギ、及びウサギ等を対象とする治療のためにも使用することができる。
アジスロマイシンは、任意の適当な方法によって患者の眼に投与することができるが、好適には滴下、スプレーまたはゲルの形態で、液体またはゲル懸濁液として投与される。一実施形態では、アジスロマイシンは、点眼剤の形態であり、眼表面上に落とす。他の実施形態では、アジスロマイシンは、眼表面に適用することが可能なスワブまたはスポンジ内に含有される。他の実施形態では、アジスロマイシンは、眼表面に適用可能な液体スプレーまたは軟膏内に含有される。他の実施形態では、アジスロマイシンは、涙液組織の中に、または眼表面上に直接注射される。さらなる実施形態では、アジスロマイシン製剤(例えば、滴下形態)は、最初に指先または他のアプリケーターに適用され、その後眼瞼縁上に直接適用または塗り込まれる。また、アジスロマイシンは、リポソームを介して眼に適用することができる。さらに、アジスロマイシンは、ポンプカテーテルシステムを介して涙膜に注入することができる。本発明の他の実施形態では、持続的または選択的放出デバイス、例としては膜、例えばオキュサート(OCUSERT(登録商標))システムにおいて使用されるものであるがこれに限定されない膜内に含有されるアジスロマイシンが含まれる(薬剤の投与のための重合体の眼球挿入, Alza Corp., Palo Alto, CA)。さらなる実施形態としては、アジスロマイシンを、眼に挿入するコンタクトレンズまたは他の相性のよい制御放出物質内に含有させる、これらによって運ぶ、或いはこれらに付着させることができる。
局所用溶液に含まれるアジスロマイシンの濃度は、眼瞼炎またはドライアイの徴候及び/又は症状を緩和するのに十分な量である。アジスロマイシンの濃度は、好適には約0.01〜5%、好適には0.1%〜2%、より好適には約0.5〜1.5%、最も好適には約1%(w / v)の範囲内である。本明細書で用いられる「約」は、列挙された値の±15%を意味する。
本明細書で説明される発明は、アジスロマイシンの遊離塩基に限定されず、医薬的に許容し得るアジスロマイシンの塩もまた含む。医薬的に許容し得る塩は、アジスロマイシンの目的の生物活性を保持し、そして目的としない毒性効果を供しない塩である。
点眼分野の当業者は従来の基準の使用が選択可能なので、アジスロマイシンを含有する局所用溶液は、生理的に相性のよい賦形剤を含むことができる。点眼用賦形剤には、食塩水、水、ポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリビニル、例えばポリビニルアルコール及びポビドン、セルロース誘導体、例えばメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、石油派生物、例えばミネラルオイル及び白色ワセリン、動物性脂肪、例えばラノリン、アクリル酸のポリマー、例えばカルボキシポリメチレンゲル、植物性脂肪、例えばピーナッツ油及び多糖、例えばデキストラン、及びグリコサミノグリカン、例えばヒアルロン酸ナトリウム並びに塩、例えば塩化ナトリウム及び塩化カリウムが含まれるがこれらに限定されない。
本方法に適当なアジスロマイシンの好適な点眼用製剤は、米国特許第6,239,113、6,569,443及び7,056,893号に開示されるものであり、当該製剤は参照により本明細書に組み込まれている。例えば、当該製剤は、水、アジスロマイシン、及び0.1〜10%の重合体懸濁剤を含んでなる水性重合体懸濁液である。当該重合体懸濁剤は、水膨潤性で水に不溶性の架橋カルボキシビニルポリマーを含んでなる。例えば、重合体懸濁剤は、少なくとも90%のアクリル酸モノマー及び0.1%〜5%の架橋剤を含んでなる。アザサイト(登録商標)(アジスロマイシン点眼液)は、デュラサイト(登録商標)(ポリカルボフィル, エデト酸二ナトリウム, 塩化ナトリウム)で製剤されたアジスロマイシンの1%の無菌水性の局所性点眼液であり、最も好適な点眼用製剤である。当該好適な点眼用製剤は、持効性のある高アジスロマイシン濃度を眼表面で保持することができ、このため眼組織内へのこの浸透を促進する。
当該製剤には、保存料、例えば塩化ベンザルコニウム及び他の不活性原料、例えばEDTAが任意に含有される。2週間未満、好適には1週間未満の短期間の使用に関して、塩化ベンザルコニウムは、アジスロマイシンの眼組織内への浸透を増加する利点を有する。しかしながら、慢性の(2週間を超える)使用に関して好適な製剤は、保存料、例えば塩化ベンザルコニウム等への長期の頻繁な暴露に由来して、角膜上皮に損傷を与える可能性があるという理由から、いかなる保存料も含有しないものである。保存料非含有の製剤は、単位用量で調製され、使い捨ての容器内に保存される。
製剤のpHは、任意の生理的に及び眼科上認容し得るpH調整用酸、塩基または緩衝剤を、約5〜7.5、好適には6〜7の範囲内まで添加することによって調整される。酸の例には、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、塩酸等が含まれ、塩基の例には水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、トロメタミン、THAM(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)等が含まれる。塩及び緩衝剤には、クエン酸/ブドウ糖、炭酸水素ナトリウム、塩化アンモニウム及び上記の酸及び塩基の混合物が含まれる。
水性点眼用組成物の浸透圧は、一般的に約200〜約400ミリオスモル(mOsM)、より好適には260〜340mOsMである。浸透圧は、適当な量の生理的及び眼科上認容し得るイオン性または非イオン性薬剤を使用することによって調整することができる。塩化ナトリウムは、好適なイオン性薬剤であり、塩化ナトリウムの量は、約0.01%〜約1%(w / v)、好適には約0.05%〜約0.45%(w / v)の範囲である。上述の範囲内の浸透圧を達成するために、陽イオン、例えばカリウム、アンモニウム等、並びに陰イオン、例えば塩化物、クエン酸、アスコルビン酸、ホウ酸、リン酸、炭酸水素、硫酸、チオ硫酸、硫酸水素、硫酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム等で構成される、1または複数の塩の等価量を、塩化ナトリウムに加えてまたは代わりに使用することができる。さらに、非イオン性薬剤、例えばマンニトール、ブドウ糖、ソルビトール、グルコース等もまた、浸透圧を調整するために使用することができる。
慢性眼瞼炎の治療のための一日量は、1または複数の単位用量による投与に分割することができる。アジスロマイシンの一日量は、対象の年齢及び体調に応じて、例えば、1滴(約50μl)を1日に1〜4回の範囲が可能である。アジスロマイシンに関する好適なレジメンは、1%(w / v)溶液の1滴を1日に約1〜2回実施することである。例えば、好適な投与量は、1日に2回を2日間、その後1日に1度、それぞれの眼に1滴を実施することである。
後部眼瞼炎を治療する場合、本方法は機械的療法(mechanical therapy)、例えば温湿布または眼瞼衛生管理(眼瞼洗浄)と組み合わせることができる。
本発明は、本発明の範囲及び趣旨をこの明細書中で説明する特定の方法に限定するものとして理解されるべきでない以下の実施例によって、さらに説明される。
実施例1.後部眼瞼炎を有する対象へのアジスロマイシンの効果
目的
この試験の目的は、機械的療法(温湿布)との組み合わせにおける試験薬、アザサイト(登録商標)(アジスロマイシン点眼液)1%の、後部眼瞼炎に罹患する対象の徴候及び症状に対する有効性を2週間の治療期間に渡って、機械的療法単独と比較することであった。
対象
対象は、18歳以上であり、中度〜重度の後部眼瞼炎との臨床診断を受けた者である。対象には、眼性感染、眼瞼構造的異常の疑いがなかったか、或いは虹彩または前房における炎症及び/又は有効な構造変化は存在しなかった。この試験には、合計21人の対象が含まれた。
方法
本試験は、非盲検試験であった。1回目の外来(1日目)時に全対象を、(a)試験薬の使用のない機械的療法単独を14日間受けるグループ(湿布グループ)、または(b)機械的療法との組み合わせによる薬剤を14日間受けるグループ(組み合わせグループ)に、1:1の割合に無作為抽出した。試験薬を1滴各眼に1日に2度投与した1日目及び2日目を除いて、試験薬の1滴を各眼に1日に1度投与した。試験薬は対象によって自己投与された。
全対象に、試験期間中1日に2度、5〜10分間温湿布を各眼に適用することから成る機械的療法を正しく適用するよう指示した。試験に参加中は、スポンサー供給のアザサイト(登録商標)及び非保存的な涙物質(unpreserved tear substitute)を除いて、対象にはいずれの眼性薬物の使用も禁止した。
対象は、2回目の外来に訪れ(14日目)、眼瞼炎の5つの徴候の重症度に関して診察及び評価を受け、眼瞼炎の徴候及び症状に対する認識されたこれらの治療の総合な有効性について問診を受けた(有効性の全体的評価)。
眼瞼炎の徴候のスコア
調査者は、1回目及び2回目の外来での対象の眼瞼炎の徴候重症度を、以下の5つの分類に従って評価した:
眼瞼壊死組織片(鱗屑(collarettes)、凝集塊 / ストランド(strand))
(0)正常:クリアな眼瞼縁
(1)軽度:時折の断片(ふけ)、1〜5個の鱗屑
(2)中度:わずかな断片、6〜20個の鱗屑
(3)重度:多くの断片、21〜40個の鱗屑
(4)極めて重度:凝集塊/ストランド、>40個の鱗屑
眼瞼縁の発赤
(0)正常:無発赤
(1)軽度:若干拡張した血管;ピンク色の血管;眼瞼縁の一部分に存在する。
(2)中度:血管のより明白な拡張;より強い血管色、眼瞼の縁全体が関係する。
(3)重度:眼瞼縁の増加した血管分布、深紅色であり、明らかに拡張した多数の血管、眼瞼の縁全体が関与する。
(4)極めて重度:眼瞼縁の明らかに増加した血管分布、深紅色を特徴とする大きくて多数の拡張された血管、眼瞼の縁全体が関与する、結膜の顕著な充血。
肥大
(0)正常:眼瞼組織の肥大なし
(1)軽度:眼瞼縁の一部の肥大
(2)中度:眼瞼縁の広汎性の肥大
(3)重度:眼瞼の変化を有する眼瞼縁の重度の肥大
(4)極めて重度:明らかに眼瞼間の開口を減少する肥大
(下眼瞼の中央部の)マイボーム腺の閉塞
(0)正常:下眼瞼の中央部の、マイボーム腺のクリアな開口部
(1)軽度:開口部の1/3未満であるが、少なくとも1つが濁りまたは油質の分泌を含む
(2)中度:開口部の1/3〜2/3が、濁りまたは油状の分泌を含む
(3)重度:開口部の全部ではないが2/3以上が、濁りまたは油状の分泌を含む
(4)極めて重度:全開口部が、濁りまたは油質の分泌で詰まっている
マイボーム腺の分泌
(0)正常:最少限のクリアな分泌
(1)軽度:濁っている
(2)中度:粒状
(3)重度:ペースト状
(4)閉塞:表出不可能な分泌
総合臨床結果重症度スコア(Total Clinical Outcome Severity Score)を上述の5つの重症度スコアの合計と定義する。
結果
治療の14日後、組み合わせグループは、湿布処理グループと比較して、平均総合臨床結果重症度スコア(表1)、マイボーム腺閉塞、マイボーム腺分泌、及び眼瞼縁の発赤(表2)で顕著な改善を示した。組み合わせグループはまた、眼瞼炎の徴候及び症状に対する有効性の対象を評価した全体的な評価において、湿布処理グループと比較して改善を示した(表3)。組み合わせ治療は、眼瞼発赤、急性炎症の主徴を減弱した。
結果から、組み合わせ治療が、眼瞼発赤、急性炎症の重大な徴候を減弱することが示された。これらの発見は、アジスロマイシンの眼瞼炎における臨床上の有効性が、好中球機能の調節及び炎症性介在物の産生中の一部に少なくとも介在することを示唆する。
表1:眼瞼炎患者における総合臨床結果スコアに関する、温湿布単独(湿布)と対比した、温湿布との組み合わせでの局所的なアジスロマイシン(組み合わせ)の効果
Figure 2014240433
表1に提示されるように、総合重症度スコアは、各外来時の各治療に関する5徴候全ての個人の重症度スコアの合計であった。括弧内の数は、評価された眼の数を示す。ベースラインからのマイナスへの変化は、改善を示す。
組み合わせグループにおけるベースラインからの平均的変化は、湿布グループと有意に異なった(p< 0.001, ANCOVA)。
表2:眼瞼炎患者における、温湿布単独(湿布)と対比した、温湿布との組み合わせでの局所的なアジスロマイシン(組み合わせ)の、個々の臨床徴候に対する効果
Figure 2014240433
以下の臨床徴候における、ベースラインからの統計的に有意な改善が、組み合わせグループの患者に観察された:眼瞼縁発赤の程度(p< 0.001)、マイボーム腺閉塞(p< 0.001)、及びマイボーム腺分泌の質(p< 0.001)。温湿布単独で治療を受けた患者では、統計的に有意な違いが観察されなかった。
組み合わせで治療を受けた4人の患者(44%)では、少なくとも片目においてマイボーム腺閉塞が完全に消失したが、一方温湿布単独の治療を受けた患者では誰も消失しなかった。組み合わせの治療を受けた2人の患者(22%)でマイボーム腺分泌の正常化を生じたが、温湿布単独で治療を受けた患者ではゼロであった。
表3:眼瞼炎患者における、温湿布単独(湿布)と対比した、温湿布と組み合わせた局所的なアジスロマイシン(組み合わせ)の全体的な有効性。
Figure 2014240433
組み合わせグループの9人の患者及び湿布グループの11人の患者は、2回目の外来で(2週間の治療期間の終わりに)自身の感じた全体的な症状の軽減を評価した。組み合わせで治療を受けた67%の患者は、優または良と評価し、一方温湿布単独で治療を受けた患者は18%だけが、優または良と評価した。2週間という短期間に、1%アジスロマイシンの局所的な適用による慢性の眼瞼炎患者の徴候及び症状において、これらの著しい改善が見られたことは予想外であった。
実施例2.慢性の眼瞼炎を有する対象におけるアジスロマイシンの効果
目的
本試験の目的は、4週間の治療期間の、機械的療法との組み合わせでのアザサイト(登録商標)(アジスロマイシン点眼液, 1%)の、慢性の眼瞼炎を有する対象における徴候及び症状に対する安全性及び有効性を、アザサイトの使用のない機械的療法単独と比較することであった。
対象
対象は、18歳以上であり、中度〜重度の慢性の眼瞼炎と臨床診断され、眼瞼縁の発赤または肥大(或いは両方)並びにマイボーム腺(或いは両方)の眼瞼壊死組織片または閉塞に関して、少なくとも2(中度)の臨床徴候重症度スコアを有した。対象はまた、ベースラインにおいて彼らが自己申告した「最も厄介な」症状に関して少なくとも2(中度)の症状重症度スコア並びに任意の他の症状に関して少なくとも2(中度)のスコアを有した。対象は、疑わしい眼性感染、眼瞼構造的奇形を有さない、或いは虹彩または前房における炎症及び/又は有効な構造変化は存在しなかった。本試験では、合計76人の対象を登録した。
方法
本試験は、非盲検試験であった。試験デザインには6週間中に6回の外来が含まれた。スクリーニング外来(1回目の外来 / 1日目)に、対象適格性を判断した。この外来で、適格な対象を2つのうちのどちらかの治療群に無作為抽出し、そして1)機械的療法と組み合わせた試験薬の治療または2)機械的療法単独を開始した。無作為抽出した対象は全て、試験の全期間中に機械的療法を受け、これは1回目の外来で開始しそして6回目の外来で終了した。この試験の目的のために、機械的療法は、1日に2度(BID)、5〜10分間温湿布を各眼に適用することから成った。この試験の参加時に、試験薬の投与に割り当てられた対象は、機械的療法に続いて各眼にアザサイト(登録商標)の1滴、及び8〜12時間後の第2の用量を自己投与した。試験薬治療群に割り当てられた対象は2日目に試験薬を1日に2度、そして試験治療期間中1日に1度(QD)投与し続け、5回目の外来で終了した(合計約29日の試験薬治療)。
対象は、2〜5回目の外来の間は週1回の頻度でクリニックに再来し、経過観察外来に参加し、6回目の外来については、治療期間の終了の2週間後に再来した。外来毎に実施された有効性評価には、眼瞼炎の徴候に関して対象が申告した症状スコア及び調査者が申告したスコアが含まれた。
スポンサー供給のアザサイト(登録商標)及び非保存的な涙物質を除いて、試験に参加中、対象にはいずれの眼性薬物の使用も禁止した。
眼瞼炎徴候に関するスコア
調査者は、実施例1に記載される5つの分類に従って、1及び2回目の外来時に対象の眼瞼炎徴候の重症度を評価した。
眼瞼炎の症状に関すスコア
1〜6回目の外来時に以下の眼瞼炎症状を評価するために、対象に問診した。
眼瞼のかゆみ
眼瞼に掻痒を感じますか?
(0)なし:眼瞼に掻痒を感じない。
(1)軽度:時々、わずかに眼瞼に掻痒を感じるが、擦りたいと思わない。
(2)中度:時折、眼瞼に掻痒を感じ、擦る必要がある。
(3)重度:眼瞼を擦っても、掻痒感を軽減することが困難である。
(4)極めて重度:眼瞼を擦りたいという抑制し難い衝動を有する、我慢できないほどの眼瞼のかゆみ
異物感/砂っぽさ、ざらざら感
眼に何か砂っぽさ、ざらざら感がしますか?
(0)なし:眼に砂っぽさ、ざらざら感はない。
(1)軽度:時々眼の表面を意識する。
(2)中度:時折眼の中に何か小さなものがあるように感じる。
(3)重度:眼の中に何か大きなまたはざらざらしたものがあるように感じる。
(4)極めて重度:眼の異物感のため、眼を開けることができない。
眼の乾燥
眼に乾燥を感じますか?
(0)なし:眼に乾燥は感じない。
(1)軽度:乾燥を意識しており、良くなるようにまばたきしなければならない。
(2)中度:乾燥を意識しており、時折人工涙液を使用しなければならない。
(3)重度:乾燥を意識しており、定期的に人工涙液を使用しなければならない。
(4)極めて重度:乾燥を意識しており、常に人工涙液を保持し、1日に6回以上使用しなければならない。
焼けるような眼の痛みまたは疼痛
眼が焼けるように痛みますか、または疼痛を伴いますか?
(0)なし:眼に焼けるように痛みまたは疼痛はない。
(1)軽度:眼の表面を意識している;眼に軽度の焼けるような痛みまたは疼痛を感じる。
(2)中度:眼に焼けるような痛みを感じるが、まだ耐えられる。
(3)重度:焼けるような痛み/疼痛のため、眼がズキズキするまたはヒリヒリする。
(4)極めて重度:焼けるような痛み/疼痛のため、眼を開けることができない。
肥大した/重い眼瞼
眼瞼が重いまたは肥大している感じがしますか?
(0)正常:眼瞼が重い/肥大していると感じない。
(1)軽度:眼瞼が少し重い/肥大していると感じる。
(2)中度:眼瞼が重い/肥大していると感じるが、我慢可能である。
(3)重度:眼瞼が重い/肥大していると感じ、数分間眼をつぶりたい。
(4)極めて重度:眼瞼が重い/肥大していると感じ、眼を開けたままにするには努力しなければならない。
合計症状スコアを、上述の5つの症状重症度スコアの合計として定義する。
結果
総合臨床徴候重症度スコアにおいて平均値がベースラインから減少する(改善を示している)ことが、1〜6週後の各試験外来において両方の治療グループで観察された(図1)。平均値の減少は、2〜6週間後の各試験外来において、機械的療法単独のグループより機械的療法にアザサイト(登録商標)を加えたグループで大きいが、違いは3週間後でのみ統計的に有意であった(-3.3 vs. -2.1, p=0.047)。
総合症状重症度スコアの改善もまた、ベースライン後の各外来で両方の治療グループで観察された(図2)。平均値のベースラインからの減少は、4週間後のほぼ有意的な違い(-5.1 vs. -4.0, p=0.090)を除いて、1週間後(-3.5 vs. -1.8, p=0.016)〜6週間後(-5.9 vs. -4.1, p=0.011)の各試験外来において、機械的療法単独グループよりも、機械的療法にアザサイト(登録商標)を加えたグループにおいて統計的に有意に大きかった(p0.05)。
実施例3.局所的なアジスロマイシンによるマイボーム腺脂質の変化
目的
本試験の目的は、マイボーム腺疾患(後部眼瞼炎)に罹患する患者において、マイボーム腺分泌の物理化学的特性に対するアザサイト(登録商標)(アジスロマイシン点眼液 , 1%)の効果を評価することである。
対象
眼瞼マッサージ治療に反応のない、症候性マイボーム腺機能障害に罹患する17人の成人対象。合計17人の対象を本試験に登録した。
方法
本試験は、治療の1ヶ月間、毎日一度適用される局所的なアジスロマイシン1%溶液を使用しながらの前向き、非盲検、介入臨床試験であった。MGDの症状及び徴候を評価するために、治療の参加時、2週間後及び4週間後、並びに治療の中止の1ヶ月後に、臨床検査を実施した。各外来時にマイボーム腺の圧搾を実施し、分光分析まで回収されたマイバムをアルゴンガス存在下の冷凍庫で保存した。徴候及び症状を4点分類尺度でスコア化した。
回収された試料を、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、核磁気共鳴法(NMR)、及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(マルディトフ(MALDI-TOF))によって分析した。
臨床データを、スチューデントの対応のある両側t検定を使用し、ベースラインからの変化の平均スコアの比較によって分析した。
結果
アザサイト(登録商標)治療の4週間後、この試験でテストされたマイボーム腺機能障害の徴候(図 3)及び症状(図 4)は全て、有意に改善または回復した。閉塞された腺の数を、上眼瞼の中央の10個の腺の中の閉塞を示している腺の数として評価したことを除いて、徴候及び症状は全て、0〜4スケールで評価した。
増加した脂質の程度の兆候を有するMGD対象は、治療の前に異常性の脂質構造及び機能を有することが確認された(正常患者の34%に対して、MGD患者では48%がトランス回転異性体)(図 5)。アザサイト(登録商標)での治療は、治療の2週間後にマイボーム腺の脂質中のトランス回転異性体の割合を減少し、治療4週間の後、脂質を正常なものへと改善し続けた。
MGD対象は、正常(28℃)よりも高い相転移温度(32℃)を有することが確認された。14人の対象を1ヶ月間アザサイト(登録商標)溶液で治療した;対象は、治療の2及び4週間後に測定された異常性脂質の挙動で減少を示した(図 6)。
実施例4.後部眼瞼炎に罹患する(マイボーム腺疾患)患者におけるドライアイの徴候及び症状を緩和するためのアジスロマイシンの使用
目的
本試験の目的は、4週間の治療期間に渡って、後部眼瞼炎に罹患する対象におけるドライアイ疾患の徴候及び症状に対する、試験薬、アザサイト(登録商標)(アジスロマイシン点眼液 , 1%)の有効性を評価することであった。
対象
対象は、18歳以上であり、中度〜重度の後部眼瞼炎と臨床診断された。合計17人の対象を本試験に登録した。
方法
本試験は、非盲検試験であった。1回目の外来時(1日目)に、全対象にアザサイト(登録商標)を投与した。毎日1度各眼に1滴、試験薬を投与した。対象は試験薬を自己投与した。
1回目の外来及び2回目の外来(28日目)時に、眼の乾燥、眼の焼けるような痛み/疼痛、並びに異物感を含む症状を評価するために、患者を問診した。さらに、各外来時に、調査者は対象の涙液破壊時間(TBUT)を評価した。
ドライアイ疾患の症状に関するスコア
患者は、1回目及び2回目の外来時に以下の分類に従って自身のドライアイ症状の重症度を評価した:
異物感(FBS)/砂っぽさ、ざらざら感
眼に何か砂っぽさ、ざらざら感がしますか?
(0)ない:眼に砂っぽさ、ざらざら感は感じない。
(1)軽度:時々眼の表面を意識する。
(2)中度:時折眼の中に何か小さなものがあるように感じる。
(3)重度:眼の中に何か大きいまたはざらざらしたものがあるように感じる。
(4)極めて重度:眼の異物感のため、眼を開けることができない。
眼の乾燥
眼に乾燥を感じますか?
(0)なし:眼に乾燥は感じない。
(1)軽度:乾燥を意識しており、良くなるようにまばたきしなければならない。
(2)中度:乾燥を意識しており、時折人工涙液を使用しなければならない。
(3)重度:乾燥を意識しており、定期的に人工涙液を使用しなければならない。
(4)極めて重度:乾燥を意識しており、常に人工涙液を保持し、1日に6回以上使用しなければならない。
焼けるような眼の痛みまたは疼痛
眼が焼けるように痛みますか、または疼痛を伴いますか?
(0)なし:眼に焼けるように痛みまたは疼痛はない。
(1)軽度:眼の表面を意識している;眼に軽度の焼けるように痛みまたは疼痛を感じる。
(2)中度:眼に焼けるような痛みを感じるが、まだ耐えられる。
(3)重度:焼けるような痛み/疼痛のため、眼がズキズキするまたはヒリヒリする。
(4)極めて重度:焼けるような痛み/疼痛のため、眼を開けることができない。
ドライアイ疾患の徴候に関するスコア
調査者は、1及び2回目の外来時に、以下の分類に従って彼らのドライアイ徴候の重症度を評価した:
TBUT
対象のTBUTの評価を促進するために、フルオレセイン色素を対象の眼表面に適用した。細隙灯検査を介して、フルオレセインを投与後に対象にまばたきするよう指示し、最初の乾燥点の出現までの時間をTBUTとして記録した。
結果
2回目の外来(28日目)の個々の徴候及び症状に関する平均スコアをベースライン(1回目の外来)と比較した。アザサイト(登録商標)での治療後に個々のドライアイ症状に関する平均スコアの有意な減少が観察され、図7に提示する(p<0.001; スチューデントの対応のある両側t検定)。アザサイト(登録商標)での治療後にTBUTにおける有意な増加が観察され、図8に提示する(p<0.001; スチューデントの対応のある両側t検定)。
結論
上述の結果から、後部眼瞼炎に罹患する対象においてアザサイトでの治療が、ドライアイ疾患の徴候及び症状を有意に改善したことが示される。
本発明、及びその製造及び使用の方法は、今回、当業者が製造及び使用できるように完全、明瞭、簡潔かつ正確な用語で説明される。前述のものは本発明の好適な実施形態を説明し、請求項に説明される本発明を逸脱しない範囲で変更が可能である、ということを理解することができる。本発明と見なす対象を特に指示し明確に主張するために、以下の請求項で本明細書を終結する。

Claims (21)

  1. 対象における非感染性、炎症性の慢性後部眼瞼炎の治療方法であって、
    非感染性、炎症性の慢性後部眼瞼炎に罹患する対象を特定すること、及び、
    当該対象の眼に対して、アジスロマイシンの有効量から本質的に成る医薬製剤を局所的に投与すること、
    を含んでなる、方法。
  2. 前記アジスロマイシンの有効量が、約0.5〜1.5%(w / v)である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アジスロマイシンの有効量が、約l%(w / v)である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記アジスロマイシンが、ポリカルボフィル、エデト酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、及び水の中で製剤化される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記対象に前記医薬製剤が少なくとも2週間投与される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記対象に前記医薬製剤が少なくとも1ヶ月間投与される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記対象を機械的療法で治療する段階をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
  8. 対象における慢性後部眼瞼炎の治療方法であって、
    慢性後部眼瞼炎に罹患する対象を特定すること、及び、
    当該対象の眼に対してアジスロマイシンの有効量から本質的に成る医薬製剤を2週間以上局所的に投与すること、
    を含んでなる、方法。
  9. 前記アジスロマイシンの有効量が、約0.5〜1.5%(w / v)である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記アジスロマイシンの有効量が、約l%(w / v)である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記アジスロマイシンが、ポリカルボフィル、エデト酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、及び水の中で製剤化される、請求項8に記載の方法。
  12. 前記対象に前記医薬製剤が少なくとも3週間投与される、請求項8に記載の方法。
  13. 前記対象に前記医薬製剤が少なくとも4週間投与される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記対象を機械的療法で治療する段階をさらに含んでなる、請求項8に記載の方法。
  15. 対象における炎症性の慢性後部眼瞼炎の治療方法であって、
    非感染性、炎症性の慢性後部眼瞼炎に罹患する対象を特定すること、及び、
    2週間以上に渡って断続的に、当該対象の眼に対してアジスロマイシンの有効量を含んでなる医薬製剤を局所的に投与すること、
    を含んで成る、方法。
  16. 対象における眼瞼炎に続発するドライアイの治療方法であって、
    眼瞼炎に続発するドライアイに罹患する対象を特定すること、及び、
    当該対象の眼に対してアジスロマイシンの有効量を含んでなる医薬製剤を局所的に投与すること、
    を含んでなる、方法。
  17. 前記アジスロマイシンの有効量が、約0.5〜1.5%(w / v)である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記アジスロマイシンの有効量が、約l%(w / v)である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記アジスロマイシンが、ポリカルボフィル、エデト酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、及び水の中で製剤化される、請求項16に記載の方法。
  20. 前記対象に前記医薬製剤が、2週間以上毎日または断続的に投与される、請求項16に記載の方法。
  21. 眼瞼炎または眼瞼炎に続発するドライアイに起因する対象のコンタクトレンズ不耐性を緩和するための方法であって、
    眼瞼炎または眼瞼炎に続発するドライアイに起因するコンタクトレンズ不耐性に苦しむ対象を特定すること、及び、
    当該対象の眼に対してアジスロマイシンの有効量を含んでなる医薬製剤を局所的に投与すること、
    を含んでなり、
    これによって上記対象の1日の快適なコンタクトレンズ装着時間が増加される、方法。
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