JP2014238533A - 光学部材および画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】きわめて優れた外観を有する画像表示装置を実現し得る光学部材を提供すること。
【解決手段】本発明の光学部材は、前面板と平滑化層と偏光子と位相差フィルムとをこの順に有し、前面板の平滑化層側の面の周縁部に印刷層が形成されており、印刷層は、平坦部と、印刷層の内側端部に形成された、内側に向かって厚みが減少する傾斜部と、を有する。1つの実施形態においては、印刷層の傾斜部の傾斜角θは1°〜15°である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部材および画像表示装置に関する。
画像表示装置(例えば、液晶表示装置)においては、ゲートドライバおよびソースドライバなどを配置するために、周縁部に非表示領域を確保することが必要とされている。このような非表示領域は、通常、ベゼルとも称される額縁で覆われている。ところで、近年、スマートフォンおよびタブレット端末等の普及に伴い、画像表示装置に対するデザイン上の要求が厳しくなっている。デザイン性向上の手段の1つとして、前面板の非表示領域に対応する部分(代表的には、周縁部)に着色層、意匠層または装飾層等を設けることが提案されている(例えば、特許文献1および2)。しかし、前面板に着色層等を設けると、前面板を積層する際に着色層等の端部に気泡が発生し、画像表示装置の商品性を低下させるという問題がある。
特開2011−203317号公報 特開2012−150418号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、きわめて優れた外観を有する画像表示装置を実現し得る光学部材を提供することにある。
本発明の光学部材は、前面板と平滑化層と偏光子と位相差フィルムとをこの順に有し、該前面板の平滑化層側の面の周縁部に印刷層が形成されており、該印刷層が、平坦部と、該印刷層の内側端部に形成された、内側に向かって厚みが減少する傾斜部と、を有する。
1つの実施形態においては、上記印刷層の傾斜部の傾斜角θは1°〜15°である。
1つの実施形態においては、上記前面板は、20μm〜100μmの厚みを有する樹脂フィルムである。別の実施形態においては、上記前面板はガラス板である。さらに別の実施形態においては、上記前面板はハードコート層を有する樹脂板である。
1つの実施形態においては、上記平滑化層は粘着剤で構成されている。別の実施形態においては、上記平滑化層はエネルギー線硬化型樹脂の硬化層である。
1つの実施形態においては、上記印刷層の平坦部の厚みは3μm〜5μmであり、上記平滑化層の厚みは8μm〜50μmである。
1つの実施形態においては、上記位相差フィルムの面内位相差Re(550)は100nm〜180nmであり、かつ、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たす。
1つの実施形態においては、上記偏光子の吸収軸と上記位相差フィルムの遅相軸とのなす角度は、35°〜55°である。
本発明の別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記の光学部材を備える。
本発明によれば、前面板の視認側と反対側の面の周縁部に印刷層を形成し、かつ、特定の平滑化層で当該印刷層の段差を吸収することにより、ベゼルを用いずに画像表示装置の非表示領域を隠蔽することができる。さらに、本発明によれば、印刷層の内側端部に、内側に向かって厚みが減少する傾斜部を設けることにより、前面板を積層する際に当該印刷層端部における気泡の発生を防止することができる。その結果、最表面に段差がなく、かつ、印刷層端部に気泡のない、きわめて優れた外観を有する画像表示装置を実現することができる。1つの実施形態においては、実用上許容可能な機械的強度および表面硬度を確保しつつ、前面板として可撓性を有する樹脂フィルムを用いることができる。その結果、光学部材(結果として、画像表示装置)の大幅な薄型化および軽量化を実現することができる。さらに、いわゆるロールトゥロールによる製造が可能となるので、きわめて優れた製造効率で光学部材を作製することができる。
図1(a)は本発明の1つの実施形態による光学部材の概略断面図であり、図1(b)は本発明の別の実施形態による光学部材の概略断面図であり、図1(c)は印刷層の傾斜部の形状を説明するための要部概略断面図である。 本発明の1つの実施形態による光学部材に用いられる前面板の概略平面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルムの面内位相差である。例えば、「Re(450)」は、23℃における波長450nmの光で測定したフィルムの面内位相差である。Re(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長550nmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(450)」は、23℃における波長450nmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)フィルムおよび板
「フィルム」とは可撓性を有する膜状の成形物を意味し、「板」とは剛直な平板状の成形物を意味する。
(6)ロールトゥロール
ロールトゥロールとは、長尺のフィルム同士をロール搬送しながら、その長尺方向を揃えて連続的に貼り合わせる方法をいう。
(7)(メタ)アクリル
(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルをいう。
A.光学部材の全体構成
図1(a)は、本発明の1つの実施形態による光学部材の概略断面図である。本実施形態の光学部材100は、前面板10と平滑化層20と偏光子30と位相差フィルム40とをこの順に有する。前面板10の平滑化層20側の面の周縁部には、印刷層12が形成されている。本実施形態においては、平滑化層20は、粘着剤で構成されている(詳細は後述する)。本実施形態においては、図示するように、平滑化層20と偏光子30との間に保護フィルム50が配置されてもよい。なお、すべての図面について、見やすくするために、図面における長さ、幅、厚み等の縮尺は実際とは異なっている。
図1(b)は、本発明の別の実施形態による光学部材の概略断面図である。本実施形態の光学部材100’は、前面板10と平滑化層20’と偏光子30と位相差フィルム40とをこの順に有する。前面板10の平滑化層20側の面の周縁部には、印刷層12が形成されている。本実施形態においては、平滑化層20’は、エネルギー線硬化型樹脂の硬化層である(こちらについても詳細は後述する)。本実施形態においては、図示するように、平滑化層20’と偏光子30との間の保護フィルムは、省略されてもよい。
本発明においては、印刷層12は、その内側端部に、内側に向かって厚みが減少する傾斜部を有する。なお、印刷層の傾斜部以外の部分は、実質的に一定の厚みを有する平坦部である。印刷層についても詳細は後述する。
後述するように前面板として樹脂フィルムが採用される場合、1つの実施形態においては、本発明の光学部材は長尺状であり得る。すなわち、前面板10、平滑化層20または20’、存在する場合には保護フィルム50、偏光子30および位相差フィルム40のすべてが長尺状であり得る。この場合、本発明の光学部材は、いわゆるロールトゥロールで作製され得るので、製造効率が格段に向上する。長尺状の光学部材は、例えば、ロール状に巻回されて保管および/または運搬され得る。
以下、本発明の光学部材を構成する各層および各部材の代表的な形態を具体的に説明する。
A−1.前面板
前面板10としては、所望の位置に印刷層12を形成することが可能である限りにおいて、任意の適切なフィルムおよび板が採用され得る。代表例としては、ガラス板、樹脂板、樹脂フィルムが挙げられる。これらは、代表的には透明である。
ガラス板としては、画像表示装置の前面板として使用できる任意の適切な構成が採用され得る。ガラス板の厚みは、例えば、1000μm(1mm)〜10000μm(10mm)である。前面板としてガラス板を用いることにより、きわめて優れた機械的強度および表面硬度を有する光学部材を得ることができる。
樹脂板としては、画像表示装置の前面板として使用できる任意の適切な構成が採用され得る。樹脂板を構成する材料としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂(AS樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。必要に応じて、樹脂板の視認側表面にはハードコート層が形成されていてもよい。ハードコート層としては、任意の適切な構成が採用され得る。ハードコート層は、例えば、任意の適切な紫外線硬化樹脂の硬化層である。紫外線硬化樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。ハードコート層は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。当該添加剤の代表例としては、無機系微粒子および/または有機系微粒子が挙げられる。ハードコート層の詳細は、例えば、特開2007−171943号公報に記載されており、その記載は参考として本明細書に援用される。樹脂板の厚み(ハードコート層を有する場合には、樹脂板とハードコート層の合計厚み)は、例えば、1000μm(1mm)〜10000μm(10mm)である。前面板として樹脂板(例えば、ハードコート層を有する樹脂板)を用いることにより、実用上問題のない表面硬度を達成するとともに、ガラス板に比べ軽量化を図ることができる。さらに、ガラスよりも透明性の高い樹脂を用いることで低消費電力を達成することが出来る。
樹脂フィルムとしては、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムが採用され得る。樹脂フィルムを構成する材料としては、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、アセテート系樹脂が挙げられる。好ましくは、セルロース系樹脂であり、より好ましくはトリアセチルセルロース(TAC)である。前面板として適切な面内位相差を有し、かつ、入手容易だからである。樹脂フィルムの視認側表面には、目的に応じて任意の適切な表面処理が施され得る。表面処理の具体例としては、反射防止処理、スティッキング防止処理、拡散処理、アンチグレア処理が挙げられる。樹脂フィルムの厚みは、好ましくは20μm〜100μmであり、より好ましくは40μm〜80μmである。樹脂フィルムはロール搬送が可能であるので、このような樹脂フィルムを前面板として用い、かつ、後述するような長尺方向に対して斜め方向に遅相軸を有する位相差フィルムを用いることにより、前面板と偏光子と位相差フィルムとをロールトゥロールで積層することが可能となる。その結果、所望の円偏光機能を有する光学部材をきわめて優れた製造効率で製造することができる。さらに、このような樹脂フィルムを用いることにより、光学部材(結果として、画像表示装置)の大幅な薄型化および軽量化を実現することができる。このような薄型化および軽量化によりデザインの自由度を大幅に向上させることができ、さらに、後述する印刷層を形成することにより画像表示装置のベゼルの使用を回避できる効果との相乗的な効果により、きわめて優れた外観を有する画像表示装置を実現することができる。一方で、本発明によれば、後述する特定の平滑化層を組み合わせることにより、上記のような樹脂フィルムを用いるにもかかわらず、実用上許容可能な表面硬度および機械的強度を有する光学部材を実現することができる。
A−2.印刷層
印刷層12は、図1(a)〜図1(c)ならびに図2に示すように、前面板10の平滑化層20側の面の周縁部、より具体的には平面視で画像表示装置のベゼルに対応する位置に形成されている。印刷層12は、所定のデザインが施された意匠層であってもよく、ベタの着色層であってもよい。印刷層12は、好ましくはベタの着色層であり、より好ましくは黒色の着色層である。黒色の着色層をベゼルに対応する位置に形成することにより、非表示領域を隠蔽することができるので、本発明の光学部材を用いれば、ベゼルを用いない画像表示装置を実現することができる。その結果、最表面に段差のない、きわめて優れた外観を有する画像表示装置を提供することができる。
本発明においては、上記のとおり、印刷層12は、その内側端部に、内側に向かって厚みが減少する傾斜部と、傾斜部以外の部分である平坦部と、を有する。傾斜部を形成することにより、光学部材を作製する際の前面板の積層時に、印刷層端部での気泡の発生を防止することができる。結果として、きわめて優れた外観を有し、商品価値の高い画像表示装置を実現することができる。傾斜部の傾斜角θは、好ましくは1°〜15°であり、より好ましくは1°〜10°であり、さらに好ましくは1°〜6°である。傾斜角がこのような範囲であれば、気泡の防止効果がさらに顕著なものとなる。傾斜角θは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察し、当該観察画像について任意の適切な画像処理を行うことにより求めることができる。
印刷層12の幅Wに対する傾斜部の幅aの割合は、好ましくは0.3%〜40%であり、より好ましくは1%〜15%である。傾斜部の幅の割合がこのような範囲であれば、気泡の防止効果がさらに顕著なものとなる。なお、印刷層の幅Wは、例えば3mm〜20mmであり、傾斜部の幅aは、例えば1μm〜500μmである。
印刷層12は、任意の適切なインキまたは塗料を用いた任意の適切な印刷法により形成することができる。印刷法の具体例としては、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷が挙げられる。さらに、傾斜部は、以下の手段またはそれらの適切な組み合わせにより形成することができる:(1)塗料またはインキの粘度を調整して、塗膜のエッジを流動によりダレさせる;(2)複数回の塗工を行い、かつ、n回目の塗工を(n−1)回目の塗工の塗膜の内側端部を露出させるようにして行う;(3)印刷層の硬化後に所定の部位を切削する;(4)塗料またはインキの硬化中にスキージで成形する;(5)コーターの塗料またはインキ吐出部端部にテーパーを付けて端部への吐出量を連続的に減らす。したがって、傾斜部は、断面視が滑らかな直線状である傾斜面を有していてもよく、階段状であってもよい。なお、傾斜部が階段状である場合には、傾斜角θは、傾斜部の最内部の前面板表面と接する部分と傾斜部の最外部の平滑化層表面と接する部分とを結ぶ直線が前面板の面となす角度である。
使用されるインキまたは塗料は、代表的には、バインダーと着色剤と溶媒と必要に応じて用いられ得る任意の適切な添加剤とを含む。バインダーとしては、塩素化ポリオレフィン(例えば、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン)、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂が挙げられる。バインダー樹脂は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。1つの実施形態においては、バインダー樹脂は熱重合性樹脂である。熱重合性樹脂は、光重合性樹脂に比べて使用量が少なくてすむので、着色剤の使用量(着色層における着色剤含有量)を増大させることができる。その結果、特に黒色の着色層を形成する場合に、全光線透過率が非常に小さく、優れた隠蔽性を有する着色層を形成することができる。1つの実施形態においては、バインダー樹脂はアクリル系樹脂であり、好ましくは多官能モノマー(例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート)を共重合成分として含むアクリル系樹脂である。多官能モノマーを共重合成分として含むアクリル系樹脂を用いることにより、適切な弾性率を有する着色層が形成され得るので、前面板が樹脂フィルムで構成されロール形状とする場合にブロッキングを良好に防止することができる。さらに、印刷層の厚みによる段差も形成され、当該段差がブロッキング防止に効果的に機能し得る。加えて、アクリル系樹脂は、モノマーの広範囲の組み合わせが可能であり、硬化前の系の粘度の調整が容易であるので、傾斜部の形成が容易であるという利点を有する。
着色剤としては、目的に応じて任意の適切な着色剤が用いられ得る。着色剤の具体例としては、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、クロムバーミリオン、群青、コバルトブルー、黄鉛、チタンイエロー等の無機顔料;フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、ペリレンレッド、アニリンブラック等の有機顔料または染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢顔料(パール顔料)が挙げられる。黒色の着色層を形成する場合には、カーボンブラック、鉄黒、アニリンブラックが好適に用いられる。この場合、着色剤は併用することが好ましい。可視光を広範囲かつ均等に吸収し、色付きのない(すなわち、真っ黒な)着色層を形成し得るからである。例えば、上記の着色剤に加えて、アゾ化合物および/またはキノン化合物が用いられ得る。1つの実施形態においては、着色剤は、主成分としてのカーボンブラックとその他の着色剤(例えば、アゾ化合物および/またはキノン化合物)とを含む。このような構成であれば、色つきがなく、かつ、経時安定性に優れた着色層を形成し得る。黒色の着色層を形成する場合には、着色剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、好ましくは50重量部〜200重量部の割合で用いられ得る。この場合、着色剤中のカーボンブラックの含有割合は、好ましくは80%〜100%である。このような割合で着色剤(特にカーボンブラック)を用いることにより、全光線透過率が非常に小さく、かつ、経時安定性に優れた着色層を形成することができる。
印刷層12の平坦部の厚みは、好ましくは3μm〜5μmである。このような厚みであれば、平滑化層により段差を良好に吸収することができる。さらに、印刷層12は、厚み3μm〜5μmにおける全光線透過率が好ましくは0.01%以下であり、より好ましくは0.008%以下である。全光線透過率がこのような範囲であれば、ベゼルを用いることなく画像表示装置の非表示領域を良好に隠蔽することができる。さらに、後述するように、位相差フィルムの好ましい実施形態によれば色付きのない非常に良好な黒表示を実現できるので、当該実施形態との組み合わせにより、黒表示時に表示領域および非表示領域ともに色付きのない(すなわち、真っ黒な)状態とすることができる。その結果、表示領域と非表示領域との境界が目立たない、きわめて優れた外観を有する画像表示装置を実現することができる。
A−3.平滑化層
平滑化層は、1つの実施形態においては、粘着剤で構成され得る。このような構成によれば、平滑化層と前面板とを貼り合わせる工程が省略され得るので、光学部材の生産性を向上させることができる。この実施形態においては、図1(a)に示すように、平滑化層20と偏光子30との間に保護フィルム50が配置され得る。平滑化層を構成する粘着剤としては、代表的にはアクリル系粘着剤が挙げられる。アクリル系粘着剤の詳細は、例えば、特開2010−275522号公報に記載されており、その記載は参考として本明細書に援用される。
本実施形態においては、平滑化層の厚みは、好ましくは15μm〜50μmである。このような厚みであれば、印刷層の段差を良好に吸収できる。
平滑化層は、別の実施形態においては、エネルギー線硬化型樹脂の硬化層である。このような構成であれば、優れた機械的強度および表面硬度を有する光学部材を得ることができ、かつ、さらなる薄型化を図ることができる。加えて、このような構成であれば、積層の際の印刷層内側端部の気泡発生の防止効果がさらに顕著なものとなる。この実施形態においては、図1(b)に示すように、平滑化層20’と偏光子30との間の保護フィルムは、省略されてもよい。エネルギー線硬化型樹脂としては、エネルギー線の照射によって硬化し得る樹脂であれば、任意の適切な樹脂が用いられ得る。エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば、光(例えば、紫外線)硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。好ましくは、紫外線硬化型樹脂である。硬化速度が速く、生産性に優れるからである。
エネルギー線硬化型樹脂を構成する材料の具体例としては、ポリエステル系、(メタ)アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、エポキシ系等のモノマー、オリゴマーおよびポリマーが挙げられる。なお、本明細書においては、モノマーおよびオリゴマーをまとめてモノマーと称する場合がある。エネルギー線硬化型樹脂は、好ましくは、(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマー成分と光重合開始剤とを含む。本発明においては、(メタ)アクリル系のエネルギー線硬化型樹脂には以下の利点がある:(1)モノマーの広範囲の組み合わせが可能であり、硬化前の系の粘度の調整が容易であるので、印刷層の段差を良好に吸収するに適切なレベリング性を付与することができる;(2)多官能モノマーの導入が容易であるので、高い弾性率およびガラス転移温度を有する平滑化層を形成することが可能であり、結果として、優れた機械的強度および表面硬度を有する光学部材を得ることができる;(3)モノマー成分にウレタンアクリレートを用いることができるので、硬化後に印刷層および偏光子(存在する場合には保護フィルム)との優れた密着性を実現できる;(4)印刷層のバインダー樹脂がアクリル系樹脂である場合には、さらに優れた密着性と親和性とを実現することができる;および(5)硬化後の透明性に優れる。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート(MAおよびMMA)、エチル(メタ)アクリレート(EAおよびEMA)、ブチル(メタ)アクリレート(BAおよびBMA)、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(2−EHAおよび2−EHMA)、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリル系モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。(メタ)アクリル系モノマーは、全モノマー成分の好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上の割合で用いられ得る。
モノマー成分は、好ましくは、多官能モノマーを含む。多官能モノマーとしては、例えば、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;ウレタン(メタ)アクリレート;多官能ウレタンアクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート;オリゴエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能モノマーは、全モノマー成分の好ましくは50重量%〜100重量%の割合で用いられ得る。多官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
モノマー成分は、(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマー(コモノマー)を含んでいてもよい。コモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル(VAc)、アクリロニトリル(AN)、アクリルアミド(AM)、スチレン(St)が挙げられる。コモノマーは、全モノマー成分の好ましくは0重量%〜50重量%の割合で用いられ得る。コモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
モノマー成分は、官能基含有モノマーを含んでいてもよい。官能基含有モノマーとしては、例えば、メタクリル酸(MMA)、アクリル酸(AA)、イタコン酸(IA)などのカルボキシル基含有モノマー;ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)などのヒドロキシル基含有モノマー;ジメチルアミノエチルメタクリレート(DM)などのアミノ基含有モノマー;アクリルアミド(AM)、メチロールアクリルアミド(N−MAN)などのアミド基含有モノマー;グリシジルメタクリレート(GMA)などのエポキシ基含有モノマー;無水マレイン酸などの酸無水物基含有モノマーが挙げられる。官能基含有モノマーは、全モノマー成分の好ましくは0重量%〜50重量%の割合で用いられ得る。官能基含有モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤としては、目的および所望の特性等に応じて任意の適切な光重合開始剤が用いられ得る。光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)−ホスフィンオキサイド、チオキサントン系化合物が挙げられる。光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
平滑化層20は、上記のエネルギー線硬化型樹脂を任意の適切な基材上で硬化させた硬化層を、任意の適切な接着剤を介して、前面板10の印刷層12が形成された面に貼り合わせることにより形成され得る。
本実施形態においては、平滑化層の厚みは、好ましくは8μm〜15μmである。このように、本実施形態によれば、平滑化層を薄くすることができるので、結果として、光学部材の薄型化を図ることができる。一方で、このような厚みであれば、印刷層の段差を良好に吸収できる。
硬化後のエネルギー線硬化型樹脂(すなわち、平滑化層)の弾性率は、好ましくは1×10Pa以上であり、より好ましくは5×10Pa〜1×1011Paである。弾性率がこのような範囲であれば、前面板として樹脂フィルムを用いた場合であっても、優れた機械的強度および表面硬度を有する光学部材が得られ得る。
硬化後のエネルギー線硬化型樹脂(すなわち、平滑化層)のガラス転移温度は、好ましくは120℃以上であり、より好ましくは125℃〜200℃である。ガラス転移温度がこのような範囲であれば、前面板として樹脂フィルムを用いた場合であっても、優れた機械的強度および表面硬度を有する光学部材が得られ得る。
A−4.偏光子
偏光子30としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。好ましくは、光学特性に優れることから、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子が用いられる。
上記ヨウ素による染色は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは、3〜7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、ポリビニルアルコール系フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗することで、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
偏光子の厚みは、代表的には、1μm〜80μm程度である。
平滑化層20が粘着剤で構成される場合には、偏光子30は、平滑化層(粘着剤)20を介して前面板に貼り合わせられる(図1(a))。平滑化層20がエネルギー線硬化型樹脂の硬化層で構成される場合には、偏光子30は、例えばPVA系接着剤(図示せず)を介して平滑化層20に貼り合わせられる(図1(b))。
A−5.位相差フィルム
位相差フィルム40は、屈折率特性がnx>nyの関係を示し、遅相軸を有する。偏光子30の吸収軸と位相差フィルム40の遅相軸とのなす角度は、好ましくは30°〜60°、より好ましくは38°〜52°、さらに好ましくは43〜47°、特に好ましくは45°程度である。なお、本明細書において角度に言及するときは、特に明記しない限り、当該角度は時計回りおよび反時計回りの両方の方向の角度を包含する。位相差フィルムの面内位相差Re(550)は、好ましくは100nm〜180nm、より好ましくは135nm〜155nmである。位相差フィルムの遅相軸の角度および面内位相差がこのような範囲であれば、所望の円偏光特性を有する光学部材を得ることができる。
位相差フィルム40は、nx>nyの関係を有する限り、任意の適切な屈折率楕円体を示す。好ましくは、位相差フィルムの屈折率楕円体は、nx>ny≧nzまたはnx>nz>nyの関係を示す。位相差フィルムのNz係数は、好ましくは0.30〜1.30であり、より好ましくは0.40〜1.25であり、さらに好ましくは0.45〜1.20であり、特に好ましくは0.45〜1.15である。Nz係数がこのような範囲であれば、反射率および反射色相の視野角依存性に優れた画像表示装置を得ることができる。その結果、どの方向から見ても表示領域と非表示領域との境界が目立たない、きわめて優れた外観を有する画像表示装置を実現することができる。
位相差フィルムは、いわゆる逆分散の波長依存性を示す。具体的には、その面内位相差は、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たす。Re(450)/Re(550)は、好ましくは0.8以上1.0未満であり、より好ましくは0.8〜0.95である。Re(550)/Re(650)は、好ましくは0.8以上1.0未満であり、より好ましくは0.8〜0.97である。このような関係を満たすことにより、画像表示装置において色付きのない非常に良好な黒表示を実現できる。その結果、上記所定の全光線透過率を有する印刷層との組み合わせにより、黒表示時に表示領域および非表示領域ともに色付きのない(すなわち、真っ黒な)状態とすることができる。その結果、表示領域と非表示領域との境界が目立たない、きわめて優れた外観を有する画像表示装置を実現することができる。
位相差フィルム40は、その光弾性係数の絶対値が、好ましくは2×10−12(m/N)以上であり、より好ましくは10×10−12(m/N)〜100×10−12(m/N)である。
位相差フィルム40は、上記のような光学特性を満足させ得る、任意の適切な樹脂で形成される。位相差フィルムを形成する樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、セルロースエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。好ましくは、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルカーボネート系樹脂である。位相差フィルム40を形成する樹脂は、単独で用いてもよく、所望の特性に応じて組み合わせて用いてもよい。
上記ポリカーボネート系樹脂としては、任意の適切なポリカーボネート系樹脂が用いられる。例えば、ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂が好ましい。ジヒドロキシ化合物の具体例としては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂は、上記ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の他に、イソソルビド、イソマンニド、イソイデット、スピログリコール、ジオキサングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール類などのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。
上記のようなポリカーボネート樹脂の詳細は、例えば特開2012−67300号公報および特許第3325560号に記載されている。当該特許文献の記載は、本明細書に参考として援用される。
ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、110℃以上250℃以下であることが好ましく、より好ましくは120℃以上230℃以下である。ガラス転移温度が過度に低いと耐熱性が悪くなる傾向にあり、フィルム成形後に寸法変化を起こす可能性がある。ガラス転移温度が過度に高いと、フィルム成形時の成形安定性が悪くなる場合があり、また、フィルムの透明性を損なう場合がある。なお、ガラス転移温度は、JIS K 7121(1987)に準じて求められる。
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、任意の適切なポリビニルアセタール樹脂を用いることができる。代表的には、ポリビニルアセタール樹脂は、少なくとも2種類のアルデヒド化合物及び/又はケトン化合物と、ポリビニルアルコール系樹脂とを縮合反応させて得ることができる。ポリビニルアセタール樹脂の具体例および詳細な製造方法は、例えば、特開2007−161994号公報に記載されている。当該記載は、本明細書に参考として援用される。
位相差フィルム40は、代表的には、樹脂フィルムを少なくとも一方向に延伸することにより作製される。
上記樹脂フィルムの形成方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、溶融押出し法(例えば、Tダイ成形法)、キャスト塗工法(例えば、流延法)、カレンダー成形法、熱プレス法、共押出し法、共溶融法、多層押出し、インフレーション成形法等が挙げられる。好ましくは、Tダイ成形法、流延法およびインフレーション成形法が用いられる。
樹脂フィルムの厚み(未延伸フィルム)の厚みは、所望の光学特性、後述の延伸条件などに応じて、任意の適切な値に設定され得る。好ましくは50μm〜300μmであり、より好ましくは80μm〜250μmである。
上記延伸は、任意の適切な延伸方法、延伸条件(例えば、延伸温度、延伸倍率、延伸方向)が採用され得る。具体的には、自由端延伸、固定端延伸・自由端収縮、固定端収縮などの様々な延伸方法を、単独で用いることも、同時もしくは逐次で用いることもできる。延伸方向に関しても、水平方向、垂直方向、厚さ方向、対角方向等、様々な方向や次元に行なうことができる。延伸の温度は、好ましくは、樹脂フィルムのガラス転移温度(Tg)±20℃の範囲である。
上記延伸方法、延伸条件を適宜選択することにより、上記所望の光学特性(例えば、屈折率楕円体、面内位相差、Nz係数)を有する位相差フィルムを得ることができる。
1つの実施形態においては、位相差フィルム40は、樹脂フィルムを一軸延伸もしくは固定端一軸延伸することにより作製される。一軸延伸の具体例としては、樹脂フィルムを長尺方向に走行させながら、長尺方向に延伸する方法が挙げられる。一軸延伸の別の具体例としては、テンターを用いて横方向に延伸する方法が挙げられる。延伸倍率は、好ましくは10%〜500%である。
別の実施形態においては、位相差フィルムは、長尺状の樹脂フィルムを長尺方向に対して所定の角度(例えば45°)の方向に連続的に斜め延伸することにより作製される。斜め延伸を採用することにより、フィルムの長尺方向に対して所定の角度の配向角を有する(すなわち、長尺方向と遅相軸方向とが所定の角度をなす)長尺状の延伸フィルムが得られ、例えば、偏光子との積層に際してロールトゥロールが可能となり、製造工程を簡略化することができる。さらに、上記のとおり前面板として樹脂フィルムを採用する場合には、偏光子と位相差フィルムと前面板とをロールトゥロールで積層することが可能となり、製造工程をさらに簡略化することができる。この場合、長尺状の光学部材が得られ得る。
斜め延伸に用いる延伸機としては、例えば、横および/または縦方向に、左右異なる速度の送り力もしくは引張り力または引き取り力を付加し得るテンター式延伸機が挙げられる。テンター式延伸機には、横一軸延伸機、同時二軸延伸機等があるが、長尺状の樹脂フィルムを連続的に斜め延伸し得る限り、任意の適切な延伸機が用いられ得る。
斜め延伸の方法としては、例えば、特開昭50−83482号公報、特開平2−113920号公報、特開平3−182701号公報、特開2000−9912号公報、特開2002−86554号公報、特開2002−22944号公報等に記載の方法が挙げられる。
位相差フィルム(延伸フィルム)の厚みは、好ましくは20μm〜100μm、より好ましくは30μm〜80μmである。
位相差フィルム40は、市販のフィルムをそのまま用いてもよく、市販のフィルムを目的に応じて2次加工(例えば、延伸処理、表面処理)して用いてもよい。市販フィルムの具体例としては、帝人社製の商品名「ピュアエースWR」が挙げられる。
位相差フィルム40の偏光子30側の表面には、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、プライマー塗布処理、ケン化処理が挙げられる。コロナ処理としては、例えば、コロナ処理機により常圧空気中で放電する方式が挙げられる。プラズマ処理は、例えば、プラズマ放電機により常圧空気中で放電する方式が挙げられる。フレーム処理は、例えば、フィルム表面に直接火炎を接触させる方式が挙げられる。プライマー塗布処理は、例えば、イソシアネート化合物、シランカップリング剤等を溶媒で希釈し、当該希釈液を薄く塗布する方式が挙げられる。ケン化処理は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬させる方式が挙げられる。好ましくは、コロナ処理、プラズマ処理である。
A−6.保護フィルム
必要に応じて配置され得る保護フィルム50は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
保護フィルム50の厚みは、好ましくは10μm〜200μm、より好ましくは10μm〜100μm、さらに好ましくは15μm〜95μmである。保護フィルム50は、面内位相差Re(550)が例えば0nm〜10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が例えば−80nm〜+80nmである。
A−7.易接着層
1つの実施形態においては、平滑化層20の偏光子30側の表面および/または位相差フィルム40の偏光子30側の表面に易接着層(図示せず)が設けられてもよい。易接着層は、好ましくは、反応性官能基を有するシランを含む。このような易接着層を設けることにより、偏光子30と平滑化層20および/または位相差フィルム40との間の所望の接着力の実現が促進され得る。易接着層の詳細は、例えば、特開2006−171707号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。位相差フィルムに易接着層を設ける場合、位相差フィルム40は、上述の表面処理が施されていてもよく、施されていなくてもよい。好ましくは、位相差フィルム40には表面処理が施されている。易接着層と表面処理とを組み合わせることにより、偏光子30と位相差フィルム40との間の所望の接着力の実現が促進され得る。
A−8.その他
図示しないが、光学部材の位相差フィルム40の外側には、粘着剤層が設けられていてもよい。粘着剤層が予め設けられていることにより、他の光学部材(例えば、液晶パネル)へ容易に貼り合わせることができる。なお、この粘着剤層の表面には、使用に供されるまで、剥離フィルムが貼り合わされていることが好ましい。
B.画像表示装置
本発明の画像表示装置は上記光学部材を備える。画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置および有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置が挙げられる。一例として、液晶表示装置について簡単に説明する。液晶表示装置は、上記A項で説明した本発明の光学部材と液晶セルと偏光板とを視認側からこの順に備える。このような液晶表示装置は、本発明の光学部材の印刷層により周縁部の非表示領域が隠蔽されており、かつ、当該光学部材は実用上許容可能な機械的強度および表面硬度を有するので、ベゼルを使用することなく装置を構成することができる。しかも、光学部材の位相差フィルムにより色つきのない黒表示を実現できる。したがって、このような液晶表示装置は、最表面に段差がなく、黒表示時に色つきがなく、表示領域と非表示領域の境目が目立たないという、きわめて優れた外観を有する。加えて、このような液晶表示装置は、前面板に印刷層が形成されているにもかかわらず当該印刷層端部に気泡が発生しないので、この点でもきわめて優れた外観を有し、商品価値が高い。なお、液晶表示装置の具体的な構成は業界で周知であるので、詳細な説明は省略する。
画像表示装置が有機EL表示装置である場合、上記所定の印刷層と位相差フィルムとを組み合わせることにより、液晶表示装置の場合と同様に優れた外観が実現できる。この場合、より効果的な外光の反射防止のために、λ/4波長板つきの偏光板を用いる技術が知られている。このような場合、用いるλ/4板の波長依存性により、表示部の反射色相が変化し得る。上記の位相差フィルム(いわゆる逆分散の波長依存性を示す位相差フィルム)を用いることにより、色相はより色つきのない黒色に近づき、印刷層との境目が目立たなくなり、きわめて優れた外観が実現できる。なお、有機EL表示装置の具体的な構成についても業界で周知であるので、詳細な説明は省略する。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における試験および評価方法は以下のとおりである。なお、特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)印刷層端部の気泡
実施例および比較例で得られた有機EL表示装置について、光学顕微鏡(OM)または電子顕微鏡(SEM)を用いて気泡の有無について観察を行った。この評価は、平滑化層として粘着剤を用いた場合とエネルギー線硬化型樹脂の硬化層を用いた場合の両方について行った。
○・・・気泡が観察されなかった。
×・・・1つ以上の気泡が観察された。
(2)エッジ部見栄え
実施例および比較例で得られた有機EL表示装置について、蛍光灯点灯下での視認評価を行った。評価は、エッジに沿った反射光の有無を評価基準とした。
○・・・反射光が観測された。
×・・・反射光が観測されなかった。
[実施例1]
(前面板および印刷層)
トリアセチルセルロースフィルム(厚み60μm、富士フイルム社製、商品名:TD60UL)の一方の面に反射防止処理を施した。このフィルムを400mm×250mmに切り出した後、周縁部に黒色インクをグラビア印刷により印刷し、内側端部に傾斜部を有する印刷層(黒色の着色層)を形成した。黒色インクの処方は以下のとおりであった:バインダー樹脂(アクリル系樹脂:共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートPE−3A)100部、カーボンブラック100部、粘度調整のための溶媒(メチルエチルケトン:MEK)200部。これらの混合物を、超音波による高分散化処理に供し、拡散性向上を図った。印刷層の傾斜部は、前回の塗工時の塗膜の内側端部を露出させるようにしてインクを3回塗工することにより形成した。このようにして、内側端部に傾斜部を有する印刷層が一方の面に形成された前面板を得た。印刷層の厚みは3μm、全光線透過率は0.005%であった。さらに、印刷層の幅は3mmであり、傾斜部の幅は28μmであった。傾斜部の傾斜角は、6°であった。
(平滑化層)
剥離ライナー上に形成されたアクリル系粘着剤を、重合後の厚みが25μmとなるように、前面板の印刷層が形成されている面に転写した。
(偏光子)
長尺状のポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて6倍に一軸延伸し、長手方向に吸収軸を有する長尺状の偏光子を得た。この長尺状の偏光子は延伸後、巻き取って巻回体とした。
(保護フィルム)
保護フィルムとして、長尺状のトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み60μm、富士フイルム社製、商品名:TD60UL)を用いた。この保護フィルムは巻回体として用意した。なお、この保護フィルムの面内位相差Re(550)は5nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)は45nmであった。
(位相差フィルム)
逆分散の波長依存性を示す市販の位相差フィルム(帝人社製、商品名「ピュアエースWR」)を用いた。この位相差フィルムの面内位相差Re(550)は147nmであり、Re(450)/Re(550)は0.89であり、光弾性係数は65×10−12Pa−1(m/N)であった。
(光学部材の作製)
上記の偏光子、保護フィルムおよび位相差フィルムを、それぞれ400mm×250mmに切り出した。印刷層および平滑化層が形成された前面板と保護フィルムとを平滑化層(粘着剤)を介して貼り合わせた。さらに、保護フィルムの前面板と反対側の面に、ポリビニルアルコール(PVA)系接着剤を介して偏光子を貼り合わせた。前面板/平滑化層/保護フィルム/偏光子の積層体と位相差フィルムとを、PVA系接着剤を介して偏光子と位相差フィルムとが隣接するようにして貼り合わせ、前面板/平滑化層/保護フィルム/偏光子/位相差フィルムの構成を有する光学部材Aを作製した。なお、位相差フィルムは、貼り合わせた際に、その遅相軸と偏光子の吸収軸とが45°の角度をなすように切り出した。また、偏光子は、吸収軸が長辺方向に平行となるように切り出した。得られた光学部材Aは、位相差フィルムの外側に粘着剤層を設け、当該粘着剤層表面に剥離フィルムを貼り合わせて保護した。
紫外線硬化型アクリル樹脂を以下の処方で調製した:エチルアクリレート50部、ペンタエリスリトールトリアクリレート50部、光重合開始剤としてのイルガキュア819(BASF社製)0.5部。この紫外線硬化型アクリル樹脂を、印刷が施された反射防止層付き前面板(厚み71μm:上記と同様のもの)の印刷層側に液状状態で塗布した後、メタルハライドランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して硬化層を形成し、平滑化層(厚み10μm)とした。この硬化層を、アクリル系接着剤(厚み1μm未満)を介して、偏光子と貼り合わせた。以下の手順は上記と同様にして、光学部材Bを作製した。
(画像表示装置の作製)
上記で得られた光学部材AおよびBを用いて、画像表示装置として有機EL表示装置をそれぞれ作製した。具体的には以下のとおりである。有機ELパネル(LGディスプレイ社製、商品名15EL9500)から反射防止フィルムを剥離し、保護ガラスがむき出しの状態にした。次いで、この有機ELパネルの底部と横面を保護する筐体を設置した後、保護ガラス面に上記光学部材をハンドローラーで貼り合せた。なお、保護ガラス面からはみ出た光学部材はレーザー照射でトリミングし、取り除いた。得られた有機EL表示装置を上記の評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例2]
前面板としてハードコート層付ポリカーボネート板(旭硝子社製、製品名「カーボグラス」:合計厚み1500μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光学部材CおよびDをそれぞれ作製した。なお、光学部材Cが平滑化層として粘着剤を用いる構成であり、光学部材Dが平滑化層としてエネルギー線硬化型樹脂の硬化層を用いる構成であった。光学部材CおよびDを用いたこと以外は実施例1と同様にして、有機EL表示装置をそれぞれ作製した。得られた有機EL表示装置を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例1]
傾斜部を有さない印刷層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、光学部材EおよびFをそれぞれ作製した。なお、光学部材Eが平滑化層として粘着剤を用いる構成であり、光学部材Fが平滑化層としてエネルギー線硬化型樹脂の硬化層を用いる構成であった。印刷層は、1回の塗工で厚み3μmとなるようにしてグラビア印刷により印刷した。印刷層と前面板表面とのなす角度は90°であった。光学部材EおよびFを用いたこと以外は実施例1と同様にして、有機EL表示装置をそれぞれ作製した。得られた有機EL表示装置を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例2]
傾斜部を有さない印刷層を形成したこと以外は実施例2と同様にして、光学部材GおよびHをそれぞれ作製した。なお、光学部材Gが平滑化層として粘着剤を用いる構成であり、光学部材Hが平滑化層としてエネルギー線硬化型樹脂の硬化層を用いる構成であった。印刷層は、比較例1と同様にして形成した。光学部材GおよびHを用いたこと以外は実施例1と同様にして、有機EL表示装置をそれぞれ作製した。得られた有機EL表示装置を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
Figure 2014238533
[評価]
表1から明らかなように、傾斜部を有する印刷層を形成した本発明の実施例の光学部材および有機EL表示装置は、印刷層端部に気泡が発生せず、非常に優れた外観を有することがわかる。一方、傾斜部を有さない印刷層を形成した比較例の光学部材および有機EL表示装置は、粘着剤を平滑化層とする場合には気泡を除去できないことがわかる。さらに、比較例の有機EL表示装置は、外観も不満足であることがわかる。
本発明の光学部材は、画像表示装置、特に有機EL表示装置の視認側の表面部材として好適に用いられ得る。
10 前面板
12 印刷層
20 平滑化層
20’ 平滑化層
30 偏光子
40 位相差フィルム
100 光学部材
100’ 光学部材

Claims (11)

  1. 前面板と平滑化層と偏光子と位相差フィルムとをこの順に有し、
    該前面板の平滑化層側の面の周縁部に印刷層が形成されており、該印刷層が、平坦部と、該印刷層の内側端部に形成された、内側に向かって厚みが減少する傾斜部と、を有する、
    光学部材。
  2. 前記印刷層の傾斜部の傾斜角θが1°〜15°である、請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記前面板が、20μm〜100μmの厚みを有する樹脂フィルムである、請求項1または2に記載の光学部材。
  4. 前記前面板がガラス板である、請求項1または2に記載の光学部材。
  5. 前記前面板がハードコート層を有する樹脂板である、請求項1または2に記載の光学部材。
  6. 前記平滑化層が粘着剤で構成されている、請求項1から5のいずれかに記載の光学部材。
  7. 前記平滑化層がエネルギー線硬化型樹脂の硬化層である、請求項1から5のいずれかに記載の光学部材。
  8. 前記印刷層の平坦部の厚みが3μm〜5μmであり、前記平滑化層の厚みが8μm〜50μmである、請求項1から7のいずれかに記載の光学部材。
  9. 前記位相差フィルムの面内位相差Re(550)が100nm〜180nmであり、かつ、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たす、請求項1から8のいずれかに記載の光学部材。
  10. 前記偏光子の吸収軸と前記位相差フィルムの遅相軸とのなす角度が、35°〜55°である、請求項1から9のいずれかに記載の光学部材。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の光学部材を備える、画像表示装置。

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