JP2012128299A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶装置等の電気光学装置において、例えば配線や素子での戻り光の再反射を低減し、高品位な表示を行う。
【解決手段】電気光学装置は、電気光学物質(50)を挟持する一対の基板(10a、20)と、一対の基板のうち入射光が出射される側に配置された一方の基板(10a)の入射光が出射される側の面に設けられた防塵用基板(410)と、一方の基板の電気光学物質に対向する面上に画像表示領域(DA)を取り囲むように設けられた反射防止膜(710)と、防塵用基板の一方の基板に対向する面上に表示領域を取り囲むように設けられた遮光膜(730)とを備え、反射防止膜の表示領域側の縁(710f)は、遮光膜の表示領域側の縁(730f)よりも表示領域に近く、遮光膜は、透過率が防塵用基板の外周縁(410f)側から表示領域側へ向かって徐々に高くなるように形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】電気光学装置は、電気光学物質(50)を挟持する一対の基板(10a、20)と、一対の基板のうち入射光が出射される側に配置された一方の基板(10a)の入射光が出射される側の面に設けられた防塵用基板(410)と、一方の基板の電気光学物質に対向する面上に画像表示領域(DA)を取り囲むように設けられた反射防止膜(710)と、防塵用基板の一方の基板に対向する面上に表示領域を取り囲むように設けられた遮光膜(730)とを備え、反射防止膜の表示領域側の縁(710f)は、遮光膜の表示領域側の縁(730f)よりも表示領域に近く、遮光膜は、透過率が防塵用基板の外周縁(410f)側から表示領域側へ向かって徐々に高くなるように形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクター等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置の一例である液晶パネルを、液晶プロジェクターにおけるライトバルブとして用いる場合、ライトバルブの表面にごみや埃等(以下、適宜「粉塵」と称する)が付着すると、映写幕上にその粉塵の像もまた投影されてしまうため、表示画像の品質が低下するおそれがある。このため、液晶パネルを構成する基板の外表面に防塵用の透明基板が設けられる場合がある(例えば特許文献1及び2参照)。
例えば特許文献1には、対向基板や防塵用の透明基板(第3透明基板)における表示領域の周辺に遮光膜を設けることで、電気光学装置の縁付近の遮光性能を高める技術が開示されている。例えば特許文献2には、対向基板の外周部に光透過領域(有効表示領域)を規定する額縁としての遮光層が形成された電気光学装置が開示されている。
前述のように液晶パネルを液晶プロジェクターにおけるライトバルブとして用いる場合、液晶パネルから表示光として出射された光の一部が、液晶パネル外に配置された例えばプリズム等の部材で反射され、戻り光となって再び液晶パネルに入射するおそれがある。このような戻り光は、液晶パネルを構成する基板上に設けられた各種の配線や素子で再反射して表示光に紛れ込むおそれがある。この結果、配線や素子の像が表示画面に映り込み、表示品質が劣化してしまうおそれがあるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、例えば配線や素子での戻り光の再反射を低減でき、高品位な表示を行うことが可能な電気光学装置、及びこのような電気光学装置を備える電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、電気光学物質を挟持する一対の基板と、前記一対の基板のうち入射光が出射される側に配置された一方の基板の前記入射光が出射される側の面に設けられた防塵用基板と、前記一方の基板の前記電気光学物質に対向する面上に表示領域を取り囲むように設けられた反射防止膜と、前記防塵用基板の前記一方の基板に対向する面上に前記表示領域を取り囲むように設けられた遮光膜とを備え、前記反射防止膜の前記表示領域側の縁は、前記遮光膜の前記表示領域側の縁よりも前記表示領域に近く、前記遮光膜は、当該遮光膜の透過率が前記防塵用基板の外周縁側から前記表示領域側へ向かって徐々に高くなるように形成されている。
本発明の電気光学装置は、例えば液晶等の電気光学物質を挟持する一対の基板を備えている。電気光学装置は、その動作時には表示領域に対して、例えば、白色ランプ等の光源から入射光が入射される。電気光学装置は、例えば、表示領域に入射される入射光を画素単位で電気光学物質によって変調することにより表示を実現する。表示領域には、例えば、複数の画素がマトリクス状に配置されており、走査信号を供給する走査線及び画像信号を供給するデータ線に夫々電気的に接続されている。各画素は、画像信号の電位に応じて、例えば液晶等の電気光学物質の配向状態を制御する。
防塵用基板は、一対の基板のうち入射光が入射される側(即ち、電気光学装置の光入射面側)とは反対側(即ち、電気光学装置の光出射面側、言い換えれば、入射光が出射される側)に配置された一方の基板の電気光学物質に対向する面とは反対側の面(即ち、電気光学物質に対向しない側の面、言い換えれば、入射光が出射される側の面)に設けられている。防塵用基板は、電気光学装置の表面に付着したごみや埃等が、表示画像の品質を低下させてしまうことを防止する機能を有する。なお、防塵用基板は接着剤などを介して一方の基板に貼り合わせられていてもよい。この場合、接着剤は光透過率や熱伝導率の高い材料を用いることが好ましい。
本発明では特に、一方の基板の電気光学物質に対向する面上に例えば遮光性材料からなる反射防止膜が表示領域を取り囲むように設けられるとともに、防塵用基板の一方の基板に対向する面上に遮光膜が表示領域を取り囲むように設けられており、反射防止膜の表示領域側の縁は、遮光膜の表示領域側の縁よりも表示領域に近い。
よって、電気光学装置(より具体的には、電気光学装置の表示領域)から表示光として出射された光の一部が、電気光学装置外に配置された例えばプリズム等の部材で反射され、戻り光となって再び電気光学装置に入射することを、反射防止膜及び遮光膜によって低減できる。
ここで特に、反射防止膜は、一方の基板の電気光学物質に対向する面上に設けられているので、戻り光が、一方の基板上に設けられた各種の配線や素子で再反射することを確実に低減できる。よって、配線や素子の像が表示画面に映り込むことを低減できる。さらに、反射防止膜の表示領域側の縁は、遮光膜の表示領域側の縁よりも表示領域に近いので、一方の基板上に設けられた各種の配線や素子での戻り光の再反射を反射防止膜によって確実に低減できるとともに、出射すべき表示光が遮光膜によって遮られてしまうことを低減或いは防止できる。
さらに、本発明では特に、遮光膜は、当該遮光膜の透過率が防塵用基板の外周縁側から表示領域側へ向かって徐々に高くなるように形成されている。
ここで、仮に、何らの対策も施さず、遮光膜の透過率が均一である場合には、反射防止膜の一方の基板に対向する側の面の反射率と遮光膜の防塵用基板に対向する側の面の反射率との差に起因して、遮光膜の表示領域側の縁に沿う輝度ムラが生じてしまうおそれがある。つまり、この場合、例えば、反射防止膜の一方の基板に対向する側の面の反射率が、遮光膜の防塵用基板に対向する側の面の反射率よりも高いときには、反射防止膜によって反射される戻り光の光量が、遮光膜によって反射される戻り光の光量よりも多いため、電気光学装置を光出射面側から見た場合における反射防止膜と遮光膜との境界に沿って輝度ムラが生じてしまうおそれがある。
しかるに本発明では特に、前述したように、遮光膜は、当該遮光膜の透過率が防塵用基板の外周縁側から表示領域側へ向かって徐々に高くなるように形成されているので、反射防止膜によって反射された戻り光が遮光膜を透過する光量を、防塵用基板の外周縁側から表示領域側へ向かって徐々に多くする(言い換えれば、表示領域側から防塵用基板の外周縁側へ向かって徐々に少なくする)ことができる。よって、遮光膜の表示領域側の縁に沿って輝度ムラが生じることを低減或いは防止できる。つまり、電気光学装置を光出射面側から見た場合における反射防止膜と遮光膜との境界に沿って生じる輝度ムラを目立たなくすることができる。さらに、本発明によれば、遮光膜と反射防止膜との反射率が異なる場合であっても、遮光膜の表示領域側の縁に沿って輝度ムラが生じることを低減或いは防止できるので、遮光膜と反射防止膜とを互いに異なる材料から形成することができる。よって、遮光膜及び反射防止膜の各々を形成する材料の選択の自由度が高まるので、実践上大変有利である。
なお、本発明に係る「遮光膜の透過率が防塵用基板の外周縁側から表示領域側へ向かって徐々に高くなる」とは、遮光膜の全て(言い換えれば、遮光膜の防塵用基板の外周縁側の縁から表示領域側の縁までの全て)について、透過率が防塵用基板の外周縁側から表示領域側へ向かって徐々に高くなること、及び遮光膜の一部について、透過率が防塵用基板の外周縁側から表示領域側へ向かって徐々に高くなることのいずれもを含む趣旨である。また、本発明に係る「徐々に高くなる」とは、遮光膜の透過率が連続的に高くなること、及び段階的(或いは不連続)高くなることのいずれもを含む趣旨である。
以上説明したように、本発明の電気光学装置によれば、例えば一方の基板上に設けられた配線や素子での戻り光の再反射を低減できる。さらに、遮光膜の表示領域側の縁に沿って輝度ムラが生じることを低減或いは防止できる。これらの結果、高品位な表示を行うことが可能になる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記遮光膜は、当該遮光膜の膜厚が前記外周縁側から前記表示領域側へ向かって徐々に小さくなるように形成されている。
この態様によれば、遮光膜を、当該遮光膜の透過率が防塵用基板の外周縁側から表示領域側へ向かって徐々に高くなるように比較的容易にかつ確実に形成できる。よって、遮光膜の表示領域側の縁に沿って輝度ムラが生じることを確実に低減或いは防止できる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記遮光膜は、当該遮光膜の膜密度が前記外周縁側から前記表示領域側へ向かって徐々に低くなるように形成されている。
この態様によれば、遮光膜を、当該遮光膜の透過率が防塵用基板の外周縁側から表示領域側へ向かって徐々に高くなるように比較的容易にかつ確実に形成できる。よって、遮光膜の表示領域側の縁に沿って輝度ムラが生じることを確実に低減或いは防止できる。なお、本発明に係る「膜密度」とは、遮光膜の防塵用基板上における粗密の度合いを意味し、典型的には、遮光膜の単位体積中に含まれる遮光性材料の質量を意味する。遮光膜の膜密度は、例えば、製造プロセスにおいて遮光膜を成膜する際の成膜条件を変更することにより、変化させることができる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、前述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
本発明の電子機器によれば、前述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品質な表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサー、ビューファインダー型又はモニター直視型のビデオテープレコーダー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
以下、図面を参照しながら、本発明の電気光学装置及び電子機器の各実施形態を説明する。以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例として、液晶プロジェクターにおけるライトバルブとして用いられる液晶装置を挙げる。なお、以下の図では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各図ごとに各層・各部材ごとの縮尺を異ならしめて図示することもある。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る液晶装置について、図1から図4を参照して説明する。
第1実施形態に係る液晶装置について、図1から図4を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶装置の概略構成を示す平面図であり、図2は、図1のII−II’線断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置1は、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子によって液晶素子を駆動するアクティブマトリクス駆動方式の表示パネルであり、本発明に係る「表示領域」の一例としての画像表示領域DAにおいて画像を表示することが可能に構成されている。
液晶装置1は、互いに対向配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20とを備えており、TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が設けられている。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域DAの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
図2に示すように、TFTアレイ基板10は、例えばガラス基板、石英基板、シリコン基板等の透明基板10a上に、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9や、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が、例えば層間絶縁膜41、42等の絶縁膜を介して積層されてなる。なお、図2では、透明基板10a上に設けられている例えば画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線などについては図示を省略している。透明基板10aに設けられた層間絶縁膜42上における画像表示領域DAには、画素電極9がマトリクス状に設けられている。画素電極9上には、配向膜(図示省略)が形成されている。また、透明基板10a上には、本発明に係る「反射防止膜」の一例としての反射防止膜710が、画像表示領域DAを取り囲むように設けられている。反射防止膜710は、透明基板10a上の積層構造における最下層側に配置されている。反射防止膜710は、例えばクロム(Cr)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)等の遮光性材料から形成されている。反射防止膜710の構成及び機能については、後に詳細に説明する。
対向基板20は、例えばガラス基板等の透明基板からなる。対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上の画像表示領域DAには、例えばITO等の透明材料からなる対向電極(図示省略)が複数の画素電極9と対向して例えばベタ状に形成されている。対向電極上には配向膜(図示省略)が形成されている。なお、対向基板20上の画像表示領域DAには、例えば格子状等にパターニングされた遮光膜(いわゆる「ブラックマトリクス」)が形成されていてもよい。また、対向基板20のTFTアレイ基板10との対向面上には、遮光性材料からなる遮光膜720が画像表示領域DAを取り囲むように設けられている。遮光膜720は、画像表示領域DAの周囲を規定する周辺見切り膜(或いは額縁遮光膜)として機能することができる。
液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、画素電極9上に設けられた配向膜と対向電極上に設けられた配向膜間で、所定の配向状態をとる。
TFTアレイ基板10及び対向基板20の各々には、互いに対向する側とは反対側に、例えばガラス基板等の透明基板を用いて構成される防塵用基板410及び420が設けられている。防塵用基板410及び420によって、TFTアレイ基板10及び対向基板20上に直接に塵埃或いは粉塵が付着するのを防止できると共に、防塵用基板410及び420上に仮に塵埃が付着したとしても、防塵用基板410及び420が所定の厚さを有することにより、表示画面上に塵埃の像が投影されるというような事態を未然に回避することができる。防塵用基板410は、接着剤からなる接着層910によってTFTアレイ基板10(より正確には、透明基板10a)に貼り合わされている。防塵用基板420は、接着剤からなる接着層920によって対向基板20に貼り合わされている。
防塵用基板410のTFTアレイ基板10との対向面上には、本発明に係る「遮光膜」の一例としての遮光膜730が、画像表示領域DAを取り囲むように設けられている。遮光膜730は、例えば酸化クロムなど、反射防止膜710よりも高い反射率を有する遮光性材料から形成されている。遮光膜730の構成及び機能については、後に詳細に説明する。
防塵用基板420の対向基板20との対向面上には、遮光性材料からなる遮光膜740が、画像表示領域DAを取り囲むように設けられている。遮光膜740は、前述した遮光膜720とともに、画像表示領域DAの周囲を規定する周辺見切り膜として機能することができる。
液晶装置1は、その動作時には、画像表示領域DAに対して、例えば白色ランプ等の光源から入射光が入射される。入射光は、液晶層50に対して対向基板20側(即ち、防塵用基板420側)から入射され、液晶層50によって変調されて、液晶層50に対してTFTアレイ基板10側(即ち、防塵用基板410側)から表示光として出射される。即ち、防塵用基板420の対向基板20に対向しない側の基板面S1が、入射光が入射される光入射面であり、防塵用基板410のTFTアレイ基板10に対向しない側の基板面S2が、表示光が出射される光出射面である。なお、以下では、防塵用基板420の対向基板20に対向しない側の基板面S1を「液晶装置1の光入射面S1」と適宜称し、防塵用基板410のTFTアレイ基板10に対向しない側の基板面S2を「液晶装置1の光出射面S2」と適宜称する。
次に、液晶装置1に特徴的な構成である反射防止膜710及び遮光膜730について、図2に加えて図3及び図4を参照して説明する。
図3は、液晶装置1を光出射面S2側から見た場合の平面図である。図4は、図2の部分C1を拡大して示す拡大断面図である。
図2から図4において、本実施形態では特に、透明基板10aの液晶層50に対向する面S3(図4参照)上に反射防止膜70が画像表示領域DAを取り囲むように設けられるとともに、防塵用基板410の透明基板10aに対向する面S4(図4参照)上に遮光膜730が画像表示領域DAを取り囲むように設けられており、反射防止膜710の画像表示領域DA側の縁710fは、遮光膜730の画像表示領域DA側の縁730fよりも画像表示領域DAに近い。
よって、液晶装置1の光出射面S2(より具体的には、その画像表示領域DA)から表示光として出射された光の一部が、液晶装置1外に配置された例えばプリズム等の部材で反射され、戻り光(図2参照)となって再び液晶装置1に入射することを、反射防止膜710及び遮光膜730によって低減できる。
ここで本実施形態では特に、反射防止膜710は、透明基板10aの液晶層50に対向する面S3上に設けられているので、戻り光が、透明基板10a上に設けられた各種の配線や素子で再反射することを確実に低減できる。よって、配線や素子の像が表示画面に映り込むことを低減できる。さらに、反射防止膜710の画像表示領域DA側の縁710fは、遮光膜730の画像表示領域DA側の縁730fよりも画像表示領域DAに近いので、透明基板10a上に設けられた各種の配線や素子での戻り光の再反射を反射防止膜710によって確実に低減できるとともに、出射すべき表示光が遮光膜730によって遮られてしまうことを低減或いは防止できる。
さらに、図4に示すように、本実施形態では特に、遮光膜730は、その膜厚d1が防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって徐々に小さくなるように形成されており、当該遮光膜730の透過率が防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって徐々に高くなっている。
ここで、仮に、何らの対策も施さず、遮光膜730の透過率が均一である場合には、反射防止膜710の透明基板10aに対向する側の面710sの反射率と遮光膜730の防塵用基板410に対向する側の面730sの反射率との差に起因して、遮光膜730の画像表示領域DA側の縁730fに沿う輝度ムラが生じてしまうおそれがある。つまり、この場合、例えば、反射防止膜710の透明基板10aに対向する側の面710sの反射率が、遮光膜730の防塵用基板410に対向する側の面730sの反射率よりも高いときには、反射防止膜710によって反射される戻り光の光量が、遮光膜730によって反射される戻り光の光量よりも多いため、液晶装置1を光出射面S2側から見た場合における反射防止膜710と遮光膜730との境界に沿って輝度ムラが生じてしまうおそれがある。
しかるに本実施形態では特に、前述したように、遮光膜730は、遮光膜730は、その膜厚d1が防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって徐々に小さくなるように形成されており、当該遮光膜730の透過率が防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって徐々に高くなっているので、反射防止膜710によって反射された戻り光が遮光膜730を透過する光量を、防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって徐々に多くする(言い換えれば、画像表示領域DA側から防塵用基板410の外周縁410f側へ向かって徐々に少なくする)ことができる。よって、遮光膜730の画像表示領域DA側の縁730fに沿って輝度ムラが生じることを低減或いは防止できる。つまり、液晶装置1を光出射面S2側から見た場合における反射防止膜710と遮光膜730との境界に沿って生じる輝度ムラを目立たなくする(或いは、ぼかす)ことができる。さらに、本実施形態によれば、遮光膜730と反射防止膜710との反射率が異なる場合であっても、遮光膜730の画像表示領域DA側の縁730fに沿って輝度ムラが生じることを低減或いは防止できるので、遮光膜730と反射防止膜710とを互いに異なる材料から形成することができる。よって、遮光膜730及び反射防止膜710の各々を形成する材料の選択の自由度が高まるので、実践上大変有利である。
なお、遮光膜730は、防塵用基板410上に所定の膜厚の遮光膜を成膜した後、該成膜した遮光膜にエッチングを施すことにより形成することができる。また、本実施形態では、遮光膜730の膜厚d1が防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって連続的に小さくなる例を示したが、遮光膜730の膜厚d1は、防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって段階的(或いは不連続)に小さくなってもよい。この場合にも、液晶装置1を光出射面S2側から見た場合における反射防止膜710と遮光膜730との境界に沿って生じる輝度ムラを目立たなくすることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置1によれば、例えばTFTアレイ基板10を構成する透明基板10a上に設けられた配線や素子での戻り光の再反射を低減できる。さらに、遮光膜730の画像表示領域DA側の縁730fに沿って輝度ムラが生じることを低減或いは防止できる。これらの結果、高品位な表示を行うことが可能になる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る液晶装置について、図5を参照して説明する。
第2実施形態に係る液晶装置について、図5を参照して説明する。
図5は、第2実施形態に係る液晶装置の一部を示す、図4と同趣旨の断面図である。なお、図5において、図1から図4に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図5において、第2実施形態に係る液晶装置は、前述した第1実施形態における遮光膜730に代えて遮光膜731を備える点で、前述した第1実施形態に係る液晶装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る液晶装置1と概ね同様に構成されている。
図5において、遮光膜731は、防塵用基板410の透明基板10aに対向する面S4上に、画像表示領域DAを取り囲むように設けられている。
遮光膜731は、当該遮光膜731の膜厚d2が防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって段階的に(即ち、徐々に)小さくなるように、遮光層731a、731b及び731cがこの順に積層された多層構造を有している。遮光層731a、731b及び731cは、互いに同じ遮光性材料から形成されている。遮光層731a、731b及び731cは、いずれも、例えば酸化クロムなど、反射防止膜710よりも高い反射率を有する遮光性材料から形成されている。
よって、遮光膜731の透過率は、防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって徐々に高くなっている。したがって、第1実施形態と概ね同様に、反射防止膜710によって反射された戻り光が遮光膜731を透過する光量を、防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって徐々に多くする(言い換えれば、画像表示領域DA側から防塵用基板410の外周縁410f側へ向かって徐々に少なくする)ことができる。これにより、遮光膜731の画像表示領域DA側の縁731fに沿って輝度ムラが生じることを低減或いは防止できる。
なお、本実施形態では、遮光膜731は、3つの遮光層が積層された3層構造を有する例を挙げたが、遮光膜731は、2つの遮光層或いは4つ以上の遮光層が積層された多層構造を有していてもよい。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る液晶装置について、図6及び図7を参照して説明する。
第3実施形態に係る液晶装置について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、第3実施形態に係る液晶装置の一部を示す、図4と同趣旨の断面図である。図7は、第3実施形態に係る液晶装置を光出射面側から見た場合の平面図である。尚、図6及び図7において、図1から図4に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図6において、第3実施形態に係る液晶装置は、前述した第1実施形態における遮光膜730に代えて遮光膜732を備える点で、前述した第1実施形態に係る液晶装置1と異なり、その他の点については、前述した第1実施形態に係る液晶装置1と概ね同様に構成されている。
図6及び図7において、遮光膜732は、防塵用基板410の透明基板10aに対向する面S4上に、画像表示領域DAを取り囲むように設けられている。遮光膜732は、例えば酸化クロムなど、反射防止膜710よりも高い反射率を有する遮光性材料から一定の膜厚d3で形成されている。
本実施形態では特に、遮光膜732は、当該遮光膜732の膜密度が、防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって徐々に低くなるように形成されている。
より具体的には、遮光膜732は、複数の膜部分732a、732b、732c、732d、732e、732f及び732gを有している。膜部分732aは、画像表示領域DAを取り囲むように枠状に形成されており、比較的低い膜密度を有している。膜部分732bは、膜部分732aを取り囲むように枠状に形成されており、膜部分732aよりも高い膜密度を有している。膜部分732cは、膜部分732bを取り囲むように枠状に形成されており、膜部分732bよりも高い膜密度を有している。膜部分732dは、膜部分732cを取り囲むように枠状に形成されており、膜部分732cよりも高い膜密度を有している。膜部分732eは、膜部分732dを取り囲むように枠状に形成されており、膜部分732dよりも高い膜密度を有している。膜部分732fは、膜部分732eを取り囲むように枠状に形成されており、膜部分732eよりも高い膜密度を有している。膜部分732gは、膜部分732fを取り囲むように枠状に形成されており、膜部分732fよりも高い膜密度を有している。よって、膜部分732aは、比較的高い透過率を有している。膜部分732bは、膜部分732aよりも高い透過率を有している。膜部分732cは、膜部分732bよりも高い透過率を有している。膜部分732dは、膜部分732cよりも高い透過率を有している。膜部分732eは、膜部分732dよりも高い透過率を有している。膜部分732fは、膜部分732eよりも高い透過率を有している。膜部分732gは、膜部分732fよりも高い透過率を有している。
よって、遮光膜732の透過率は、防塵用基板410の外周縁410f側から画像表示領域DA側へ向かって徐々に高くなっている。したがって、遮光膜732の画像表示領域DA側の縁に沿って輝度ムラが生じることを確実に低減或いは防止できる。
1…液晶装置、10…TFTアレイ基板、10a…透明基板、20…対向基板、50…液晶層、410、420…防塵用基板、710…反射防止膜、720、730、731、732、740…遮光膜、DA…画像表示領域。
Claims (4)
- 電気光学物質を挟持する一対の基板と、
前記一対の基板のうち入射光が出射される側に配置された一方の基板の前記入射光が出射される側の面に設けられた防塵用基板と、
前記一方の基板の前記電気光学物質に対向する面上に表示領域を取り囲むように設けられた反射防止膜と、
前記防塵用基板の前記一方の基板に対向する面上に前記表示領域を取り囲むように設けられた遮光膜と
を備え、
前記反射防止膜の前記表示領域側の縁は、前記遮光膜の前記表示領域側の縁よりも前記表示領域に近く、
前記遮光膜は、当該遮光膜の透過率が前記防塵用基板の外周縁側から前記表示領域側へ向かって徐々に高くなるように形成されている
ことを特徴とする電気光学装置。 - 前記遮光膜は、当該遮光膜の膜厚が前記外周縁側から前記表示領域側へ向かって徐々に小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記遮光膜は、当該遮光膜の膜密度が前記外周縁側から前記表示領域側へ向かって徐々に低くなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2010281237A JP2012128299A (ja) | 2010-12-17 | 2010-12-17 | 電気光学装置及び電子機器 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014238533A (ja) * | 2013-06-10 | 2014-12-18 | 日東電工株式会社 | 光学部材および画像表示装置 |
JP2015036242A (ja) * | 2013-08-16 | 2015-02-23 | 日本写真印刷株式会社 | 透明導電性シート、および透明導電性シートを用いたタッチパネル |
JP2016532273A (ja) * | 2013-08-26 | 2016-10-13 | ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド | Led街灯 |
-
2010
- 2010-12-17 JP JP2010281237A patent/JP2012128299A/ja not_active Withdrawn
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