JP2014235811A - 電子デバイスの製造方法 - Google Patents

電子デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014235811A
JP2014235811A JP2013115182A JP2013115182A JP2014235811A JP 2014235811 A JP2014235811 A JP 2014235811A JP 2013115182 A JP2013115182 A JP 2013115182A JP 2013115182 A JP2013115182 A JP 2013115182A JP 2014235811 A JP2014235811 A JP 2014235811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
organic
layer
organic thin
electronic device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013115182A
Other languages
English (en)
Inventor
修一 佐々
Shuichi Sasa
修一 佐々
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2013115182A priority Critical patent/JP2014235811A/ja
Publication of JP2014235811A publication Critical patent/JP2014235811A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】基板、電極および機能層に与えるダメージを抑制しつつ、短時間で有機薄膜を形成することができ、さらに特性の良好な電子デバイスの製造方法および該電子デバイスに用いられる薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】2以上の電極と、前記2以上の電極間に設けられる有機薄膜とを備える電子デバイスの製造方法であって、架橋性基を有する材料を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程と、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、前記塗布膜に電磁波を繰り返し照射して前記架橋性基を架橋させることにより、前記有機薄膜を形成する工程とを含む、電子デバイスの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子デバイスの製造方法および薄膜の製造方法に関する。
有機薄膜電子デバイスには、たとえば有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ということがある。)、有機光電変換素子、有機薄膜トランジスタ等がある。この電子デバイスは、2以上の電極と、これら2以上の電極間に設けられる有機薄膜とを備える。
前記有機薄膜は塗布法によって形成される。たとえば有機薄膜は、まずインクジェット法などの塗布法によって塗布膜を形成し、つぎにこれを固化することにより形成される。薄膜の固化は、たとえば塗布膜にレーザー光を照射することによりおこなわれる(特許文献1参照)。
電子デバイスを形成する工程では、上述のように塗布法で形成された有機薄膜の上に、さらに塗布法で有機薄膜を形成することがある(以下、先に形成される層を下層といい、下層形成後に、当該下層の直上に形成される層を上層ということがある)。この場合、上層の有機薄膜を形成するさいに、当該上層を形成するための塗布液を下層の表面に塗布することになる。そのさいに、一旦固化された下層の構成材料が、当該下層に塗布された塗布液に再び溶解することがある。
このような下層の再溶解を防止するために、たとえば架橋性基を導入した材料を塗布液に用いて塗布膜を形成し、その後、架橋性基を架橋させて有機薄膜を固化することによって、溶液に対して下層をあらかじめ不溶化しておくという方法がある。
国際公開第2006/064792号
しかしながら、たとえばホットプレートを用いて加熱することで架橋反応を生じさせる場合、長時間にわたる加熱処理が必要となる。そこで、レーザー光のように強い光を連続的に照射することによって短時間で架橋反応をおこなうことも考えられえるが、この方法では、基板、ならびに、基板上に既に設けられている電極および電極間に設けられる薄膜(以下、機能層という場合がある)の温度が過度に上昇し、基板、電極および機能層などがダメージを受けるおそれがある。
そこで本発明者等は、いわゆるキセノンフラッシュランプ等を用いて、塗布膜に対して間歇的に電磁波を照射するという方法を検討した。当該方法を用いれば、基板等に与えるダメージを低減しつつ、短時間で塗布膜を硬化できることができることを確認した。本発明者等はさらにすすんで、有機薄膜デバイスの特性(発光効率や素子寿命など)の向上を企図して、当該方法の改良について検討した。
したがって本発明は、基板、電極および機能層に与えるダメージを抑制しつつ、短時間で有機薄膜を形成することができ、さらに特性の良好な電子デバイスの製造方法および該電子デバイスに用いられる薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、2以上の電極と、前記2以上の電極間に設けられる有機薄膜とを備える電子デバイスの製造方法であって、
架橋性基を有する材料を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程と、
大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、前記塗布膜に電磁波を繰り返し照射して前記架橋性基を架橋させることにより、前記有機薄膜を形成する工程とを含む、電子デバイスの製造方法に関する。
また本発明は、前記雰囲気中の酸素濃度が4.0%以下である、前記電子デバイスの製造方法に関する。
また本発明は、前記雰囲気中の酸素濃度が2.0%以下である、前記電子デバイスの製造方法に関する。
また本発明は、前記電磁波の発生源が、キセノンフラッシュランプである、前記電子デバイスの製造方法に関する。
また本発明は、前記有機薄膜を形成する工程では、波長が370nm以下の電磁波の透過率が10%以下のフィルターを介して、前記電磁波を繰り返し照射して前記有機薄膜を形成する、前記電子デバイスの製造方法に関する。
また本発明は、前記電子デバイスが、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機光電変換素子、または有機薄膜トランジスタである、前記電子デバイスの製造方法に関する。
また本発明は、前記有機薄膜を形成する工程は、巻き出しロールに巻き取られた可撓性の基板から送り出された前記基板が、巻き取りロールに巻き取られる過程中において行われる、前記電子デバイスの製造方法に関する。
また本発明は、架橋性基を有する材料を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程と、
大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、前記塗布膜に電磁波を繰り返し照射して前記架橋性基を架橋させることにより、薄膜を形成する工程とを含む、薄膜の製造方法に関する。
本発明の電子デバイスの製造方法および薄膜の製造方法によれば、基板、電極および機能層に与えるダメージを抑制しつつ、短時間で有機薄膜を形成することができ、さらに特性の良好な電子デバイスを製造することができる。
図1は、酸素(O)濃度と、キセノンフラッシュランプを90秒間繰りし照射した後のオゾン(O)濃度との関係を示す図である。
以下、本発明の電子デバイスの製造方法について説明する。本実施形態の電子デバイスの製造方法は、2以上の電極と、前記2以上の電極間に設けられる有機薄膜とを備える電子デバイスの製造方法であって、架橋性基を有する材料を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程と、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、前記塗布膜に電磁波を繰り返し照射して前記架橋性基を架橋させることにより、前記有機薄膜を形成する工程とを含む。
なお、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気とは、酸素の物質量濃度(mol/m)が大気中の酸素の物質量濃度よりも低いことを意味し、大気圧においては酸素の体積濃度が大気中の酸素の体積濃度よりも低いことを意味する。
本発明の電子デバイスとしては、有機EL素子、有機光電変換素子、および有機薄膜トランジスタなどが挙げられる。
本発明の電子デバイスに用いられる有機薄膜は、当該有機薄膜上に、塗布法によってさらに薄膜が形成される形態に好適に適用される。
例えば本実施形態の薄膜の形成方法は、有機EL素子であれば、塗布法により形成される、正孔輸送層、発光層、電子輸送層等に好適に適用することができ、有機光電変換素子であれば、塗布法により形成される、正孔輸送層、活性層、電子輸送層等に好適に適用することができ、有機薄膜トランジスタであれば、塗布法により形成される、正孔注入層、活性層、電子注入層等に好適に適用することができる。
また「電極間に設けられる有機薄膜」とは、電極間を移動する電子または正孔の経路の少なくとも一部となり得るように配置される有機薄膜を意味する。
(架橋性基を有する材料を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程)
まず塗布液を用意する。塗布液には、有機薄膜の主成分である材料と溶媒とが含まれる。
主成分である材料の例としては、電子デバイスが有機EL素子である場合、電子輸送材料、発光材料および正孔輸送材料などが挙げられ、電子デバイスが有機光電変換素子である場合、電子輸送材料、光電変換材料および正孔輸送材料などが挙げられ、電子デバイスが有機薄膜トランジスタである場合、絶縁材料および半導体材料などが挙げられる。
なお架橋性基を有する材料を含む塗布液には、(1)有機薄膜の所定の機能を発現させるための材料自体は架橋性基を有しておらず、架橋性基を有する材料として架橋剤をさらに含む形態、(2)有機薄膜の所定の機能を発現させるための材料自体が架橋性基を有する形態、(3)有機薄膜の所定の機能を発現させるための材料自体が架橋性基を有するとともに、架橋剤をさらに含む形態が含まれる。
次に、用意された塗布液を塗布する。塗布法の例としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、およびインクジェットプリント法などが挙げられる。塗布液の塗布は、窒素ガスおよびアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気、減圧雰囲気、常圧程度の雰囲気、さらには大気雰囲気下でおこなうことができる。
(有機薄膜を形成する工程)
つぎに、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、前記塗布膜に電磁波を繰り返し照射して前記架橋性基を架橋させることにより、前記有機薄膜を形成する。なお「塗布膜に電磁波を繰り返し照射する」とは、塗布膜の任意の部位に対し、電磁波を繰り返し照射することを意味する。電磁波の発生源としては、定常的な強度で連続的に電磁波を放射するものでも、パルス状に電磁波を放射するものであってもよい。なお、電磁波の発生源として連続的に電磁波を放射するものを使用する場合には、当該発生源から放射される電磁波をたとえばチョッパーなどで断続的に遮断することにより、塗布膜に断続的に電磁波を照射することができる。
電磁波を繰り返し照射することにより、電磁波が照射される状態と、電磁波が照射されない状態とが交互に繰り返されるが、以下では、電磁波が照射される状態と、電磁波が照射されない状態との1回の繰り返しにおいて、電磁波が照射される状態の電磁波の連続を1パルスという。
1パルスの時間幅は、長すぎると基板等が過剰に加熱され、短すぎると架橋反応には十分とはいえず、固化工程が長くなりすぎるため、1μs〜1000μsであることが適当であり、50μs〜500μsであることが好ましく、10μs〜100μsであることがさらに好ましい。
また、繰り返しの周期は、高すぎると電磁波が照射されない状態が短くなり、基板等が過剰に加熱され、低すぎると固化工程が長くなるため、電磁波が照射される状態は、0.1Hz〜500Hzの周期で繰り返されることが適当であり、1Hz〜50Hzの周期で繰り返されることが好ましい。なお電磁波が照射される状態がXHzで繰り返されるとは、1パルスの電磁波が、1秒間にX回照射されることを意味する。
また、1パルスのエネルギーは、高すぎると基板等が過剰に加熱され、低すぎると架橋反応には十分とはいえず、固化工程が長くなりすぎるため、0.1J/cm〜100J/cmであることが適当であり、0.5J/cm〜50J/cmが好ましい。
また、電磁波を繰り返し照射することによって、任意の部位に照射される電磁波のトータルのエネルギーは、100J/cm〜10000J/cmであることが適当であり、500J/cm〜5000J/cmが好ましい。
照射される電磁波の波長は、特に制限されないが、形成される薄膜、その他の構成要素の機能、性状を損なわないことを考慮すると、可視光から近赤外光の範囲(波長が370nm〜1100nm程度の範囲)とすることが好ましい。なお可視光から近赤外光のみならず、紫外領域の波長を含む場合は、紫外領域の波長の光を減衰するフィルターを用いることが好ましい。
電磁波の発生源の例としては、レーザー光、キセノンフラッシュランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプなどが挙げられる。電磁波の発生源としては、キセノンフラッシュランプを用いることが好ましく、例えば特開2003−338265号が開示する構成を有するキセノンフラッシュランプを電磁波の発生源として用いることができる。
有機薄膜を形成する工程では、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、塗布膜に電磁波を繰り返し照射する。
本発明者等は、大気中において塗布膜に電磁波を繰り返し照射する場合に比べると、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、塗布膜に電磁波を繰り返し照射すると、電子デバイスの特性が向上することを見出した。たとえば有機EL素子の製造方法において、大気中において塗布膜に電磁波を繰り返し照射する場合に比べると、発光効率および素子寿命が向上することを見出した。
塗布膜に電磁波を繰り返し照射する際の雰囲気の酸素濃度は、6.0%以下が好ましく、4.0%以下がさらに好ましく、2.0%以下がさらに好ましく、0.1%以下がさらに好ましい。ここで、以下における酸素濃度は、特に断らない限り25℃、一気圧における体積濃度を意味する。
また塗布膜に電磁波を繰り返し照射する際の雰囲気の酸素濃度は、1.6×10−3mol/lが好ましく、8.2×10−4mol/lがさらに好ましい。
なお本発明者等は、塗布膜をホットプレート等で加熱処理する態様ではなく、とくに電磁波を塗布膜に照射するという態様において、酸素濃度を低くすることによって、電子デバイスの特性が顕著に向上することを見出した。このように電子デバイスの特性が顕著に向上するのは、雰囲気中のオゾン(O)濃度にあるものと推測される。すなわち本発明者等は、大気中において電磁波を塗布膜に照射した場合、雰囲気中のオゾン(O)濃度が高くなることを確認した。そこで、電磁波を塗布膜に照射する態様では、酸素分子(O)に電磁波が照射されることでオゾン(O)が発生し、さらに、このオゾンの存在によって電子デバイスの特性が低下するものと推測される。本実施形態のように、酸素濃度の低い雰囲気で電磁波を照射する場合には、このオゾンの生成が抑制されるため、電子デバイスの特性が顕著に向上するものと考えられる。
以上のことから、とくに、酸素分子(O)からオゾン(O)を発生可能な短波長の電磁波を含む電磁波を発生する「電磁波の発生源」を使用する場合に、とくに顕著な効果が奏される。たとえば190nm以下の波長の電磁波を含む電磁波を発生する「電磁波の発生源」を使用する場合に、とくに顕著な効果が奏され、このような電磁波の発生源としてはキセノンフラッシュランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプおよび紫外線ランプをあげることができる。
大気中の酸素濃度よりも酸素濃度を低くする方法としては、たとえばアルゴン、窒素、ヘリウムおよびネオンなどの不活性ガスで大気雰囲気を置換する方法、または、たとえば高真空チャンバーを用いることで酸素の物質量濃度を低くする方法が挙げられる。そのような酸素濃度を低くするための装置としては、ガス置換装置および真空装置などをあげることができる。
さらに、有機薄膜を形成する工程では、波長が370nm以下の電磁波の透過率が10%以下であるフィルターを介して、電磁波を繰り返し照射する工程とするのが好ましい。
このようなフィルターを用いれば、発光効率および素子寿命などの電子デバイスの特性が向上する。なおこのようなフィルターを用いれば、オゾン(O)の発生を抑制することができ、その結果として電子デバイスの特性が向上するものと推測される。
有機薄膜を形成する工程を含む電子デバイスの製造方法は、2以上の電極を形成する工程と、前記2以上の電極間に設けられる有機薄膜を形成する工程とを含む。なお、電子デバイスの製造方法は、2以上の電極間に、上述のようにして形成した有機薄膜以外の薄膜を形成する工程を有していてもよく、有機薄膜を形成する工程によって形成された有機薄膜の直上に、塗布法によって薄膜を形成する工程をさらに有することが好ましい。
2以上の電極間に設けられる有機薄膜を形成する工程は、いわゆるロールツーロール方式でおこなってもよく、また、枚様方式でおこなってもよい。
たとえば、巻き出しロールに巻き取られた可撓性の前記基板から送り出された前記基板が、巻き取りロールに巻き取られる過程中において、前記有機薄膜を形成する工程が行なわれる。
たとえば有機薄膜を形成する工程は、巻き出しロールに巻き取られた可撓性基板、または可撓性基板上に電極等があらかじめ形成された長尺の構造体を用意し、巻き出しロールから巻き出された可撓性基板または長尺の構造体を巻き取りロールに巻き取る過程において行ってもよい。
ここでロールツーロール方式の概略について説明する。
ロールツーロール方式による有機薄膜の形成工程では、巻き出しロールと巻き取りロールとの間に張り渡された長尺の可撓性基板を連続的に搬送しながら、まず巻き出しロールから巻き取りロール間に搬送されている可撓性基板の主表面上に、架橋性基を有する材料を含む塗布液を連続的に塗布して塗布膜を形成する。次いで塗布膜が形成された可撓性基板をさらに連続的に搬送しながら、塗布膜に対して電磁波を繰り返し照射して架橋性基を架橋させて固化することにより有機薄膜を形成する。なお本工程では、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度を低くした状態で電磁波を繰り返し照射する。本実施形態では少なくとも電磁波が放射される領域を、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度を低くする必要があるが、たとえば巻き出しロールと巻き取りロールとを含めたロールツーロール装置全体の雰囲気中の酸素濃度を、大気中の酸素濃度よりも低くなるようにしてもよい。
なお電子デバイスのすべての構成要素をロールツーロール方式で形成してもよいが、たとえば有機薄膜のみをロールツーロール方式で形成してもよい。たとえば、電極があらかじめ形成された可撓性基板を用意し、この可撓性基板を用いて、ロールツーロール方式で1または複数の有機薄膜を形成し、その後、所定の部位で可撓性基板を裁断し、枚葉方式でさらに電極を形成し、電子デバイスを作製してもよい。
有機EL素子、有機光電変換素子、有機薄膜トランジスタ等の電子デバイスを製造するにあたり、ロールツーロール法に好適に適用できる長尺の可撓性基板としては、無色透明な樹脂からなるフィルムまたはシートなどのロール状に巻き取り可能な基板であれば特に限定されない。このような基板に用いる樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルホン(PES);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物;ポリアクリロニトリル樹脂;アセタール樹脂;ポリイミド樹脂;エポキシ樹脂が挙げられる。
これらの樹脂のなかでも、耐熱性が高く、線膨張率が低く、製造コストが低いため、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリエチレンレテフタレート、ポリエチレンナフタレートが特に好ましい。また、これらの樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可撓性基板の厚さは特に限定されない。可撓性基板の厚さは成膜時の安定性を考慮して適宜に設定することができる。可撓性基板の厚さは、5μm〜500μmの範囲であることが好ましく、さらに、50μm〜200μmの範囲であることがより好ましく、50μm〜100μmの範囲であることが特に好ましい。
また基板としては、アルミニウム、銅およびSUSなどの金属基板ならびにガラス基板などを用いることができる。金属基板およびガラス基板などをロールツーロール法に使用する場合には、可撓性が発現する程度にその厚みを薄くすればよい。
長尺の可撓性基板または長尺の構造体を用いてロールツーロール方式で搬送しながら電子デバイスを製造するさいに、定常的に電磁波を照射すると、基板が過度に加熱され、撓んだり、構造体を構成する機能層が劣化する場合がある。しかしながら本発明の製造方法では電磁波を繰り返し照射するので、電磁波の照射に起因する基板の撓み、機能層の劣化等を抑制することができる。
また加熱処理によって架橋反応を生じさせる方法では、所期の程度にまで薄膜を固化するのに長い時間を要するため、これをロールツーロール方式でおこなうには、加熱時間に対応する長大な搬送距離を確保することが必要になる。たとえば基板を1(m/分)で搬送する場合、60分の加熱時間が必要であれば、少なくとも60mの搬送距離を確保する必要がある。しかしながら上記本実施形態の製造方法のように、所定の電磁波を所定の条件で繰り返し照射する場合、既に設けられている構成を過度に昇温させてしまうことなく極めて短時間で架橋反応を完結させることができる。そのため、本実施形態の電子デバイスの製造方法および該電子デバイスに用いられる薄膜の製造方法は、ロールツーロール法に好適に適用することができる。
加えて、本実施形態では、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度を低くした状態で電磁波を繰り返し照射することにより、素子特性を顕著に向上することができる。
以下、本実施形態の電子デバイス(有機EL素子、有機光電変換素子、有機薄膜トランジスタ)の取り得る構成例、並びに各層の構成およびその形成方法について説明する。
<有機EL素子>
本実施形態の有機EL素子は、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、陰極が、この順で基板上に順次積層された構成を備える。
本実施形態では、まず後述の基板を用意し、当該基板上に、後述の陽極、正孔注入層を順次形成する。
さらに本実施形態では、上述の本実施形態の塗布膜を形成する工程と有機薄膜を形成する工程とを行なうことにより正孔輸送層を形成する。具体的には、架橋性基を有する後述の正孔輸送材料を含む塗布液を正孔注入層上に塗布して塗布膜を形成し、さらに、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、前記塗布膜に電磁波を繰り返し照射して前記架橋性基を架橋させることにより、正孔輸送層を形成する。
次に後述の発光層を塗布法で形成し、さらに後述の電子注入層、陰極を順次形成する。
本実施形態のように、発光層(上層)を塗布法で形成したとしても、塗布液に対してあらかじめ正孔輸送層(下層)を不溶化しているため、発光層の形成工程において正孔輸送層が再び溶解することを防ぐことができる。そして正孔輸送層を上述の本実施形態の有機薄膜を形成する方法によって形成するため、基板、電極、正孔注入層に与えるダメージを抑制しつつ、短時間で正孔輸送層を形成することができ、さらに、特性(発光効率および素子寿命)の良好な有機EL素子を作製することができる。
以下、有機EL素子の構成について説明する。
有機EL素子は一対の電極(陽極および陰極)と、この電極間に設けられる発光層を備える。なお一対の電極間には、発光層以外に、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、および電子注入層などの所定の層が設けられることがある。また一対の電極間には、発光層は1層に限らず、複数層設けられることがある。
有機EL素子のとり得る層構成の例を以下に示す。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
f)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
g)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
h)陽極/発光層/電子注入層/陰極
i)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
記号「/」は、記号「/」の両側の層同士が接合していることを意味している。
上記構成を備える有機EL素子は、通常、基板上に設けられる。形成される層の順序、層の数、および各層の厚さについては、発光効率、寿命を勘案して適宜設定することができる。有機EL素子は、通常、陽極を基板側に配置して基板上に設けられるが、陰極を基板側に配置して基板上に設けてもよい。例えばa)〜i)の各有機EL素子を基板上に作製する場合、陽極を基板側に配置する形態では陽極側(各構成a〜iの左側)から順に各層を基板上に積層し、最後に陰極を形成する。他方、陰極を基板側に配置する形態では陰極(各構成a〜iの右側)から順に各層を基板上に積層し、最後に陽極を形成する。有機EL素子は、基板側から光を出射するボトムエミッション型であっても、基板とは反対側から光を出射するトップエミッション型であってもよい。
次に有機EL素子を構成する各層の材料および形成方法について、より具体的に説明する。
<基板>
基板は、有機EL素子の製造工程において化学的に変化しない基板が好適に用いられ、例えばガラス基板、シリコン基板などのリジッド基板であっても、プラスチック基板、高分子フィルムなどの可撓性基板であってもよい。たとえば上述の可撓性基板を用いることで、全体として可撓性の有機EL素子とすることができ、有機EL素子をロールツーロール方式で形成することができる。なお基板には有機EL素子を駆動するための電極、駆動回路が予め形成されていてもよい。
<陽極>
発光層から放射される光が陽極を通して出射する構成の有機EL素子の場合、陽極には光透過性を示す電極が用いられる。光透過性を示す電極としては、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物および金属などの薄膜を用いることができ、光透過率の高い薄膜が好適に用いられる。例えば酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、および銅などからなる薄膜が用いられ、これらの中でもITO、IZO、または酸化スズからなる薄膜が好適に用いられる。陽極の形成方法の例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などを挙げることができる。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機物の透明導電膜を用いてもよい。
陽極には、光を反射する材料を用いてもよく、その材料としては、仕事関数が3.0eV以上の金属、金属酸化物、金属硫化物が好ましい。
陽極の厚さは、光の透過性、電気伝導度などを考慮して適宜決定することができる。陽極の厚さは、例えば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
<正孔注入層>
正孔注入層を構成する正孔注入材料の例としては、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、および酸化アルミニウムなどの酸化物、フェニルアミン化合物、スターバースト型アミン化合物、フタロシアニン化合物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、およびポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)のようなポリチオフェン誘導体などを挙げることができる。
正孔注入層の形成方法としては、例えば正孔注入材料を含むインキを用いる既に説明した塗布法が挙げられる。また正孔注入層は塗布法とは異なる所定の公知の方法によって形成してもよい。
正孔注入層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、求められる特性および成膜の簡易さなどを勘案して適宜決定される。正孔注入層の厚さは、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<正孔輸送層>
正孔輸送層の形成方法には、特に制限はない。正孔輸送層の形成方法において、低分子の正孔輸送材料を用いる場合には、高分子バインダーと正孔輸送材料とを含む混合液を用いる形成方法を挙げることができ、高分子の正孔輸送材料を用いる場合には、正孔輸送材料を含むインキを用いる塗布法による形成方法を挙げることができる。
以下、上述した「架橋性基を有する材料を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程と、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、塗布膜に電磁波を繰り返し照射して架橋性基を架橋させることにより、有機薄膜を形成する工程」を、正孔輸送材料を含むインキを用いる塗布法によって正孔輸送層を形成する工程に適用する例を説明する。
本実施形態の有機EL素子を構成する正孔輸送層は正孔輸送材料を含む。正孔輸送材料は正孔輸送機能を有する有機化合物であれば特に限定されない。正孔輸送機能を有する有機化合物の具体例としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリフルオレン誘導体、芳香族アミン残基を有する高分子化合物、およびポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体が挙げられる。
正孔輸送機能を有する有機化合物は高分子化合物、例えば重合体であることが好ましい。正孔輸送機能を有する有機化合物が高分子化合物であると成膜性が向上し、有機EL素子の発光性を均一にすることができるからである。例えば、正孔輸送機能を有する有機化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、10000以上であり、好ましくは3.0×10〜5.0×10であり、より好ましくは6.0×10〜1.2×10である。また、正孔輸送機能を有する有機化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、1.0×10以上であり、好ましくは5.0×10〜1.0×10であり、より好ましくは1.0×10〜6.0×10である。
具体的には、正孔輸送材料の例として、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報に記載されている正孔輸送材料等が挙げられる。
これらの中で、正孔輸送機能を有する有機化合物としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリフルオレン誘導体、芳香族アミン残基を有する高分子化合物、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、およびポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリフルオレン誘導体、芳香族アミン残基を有する高分子化合物である。正孔輸送機能を有する有機化合物が低分子である場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送機能を有する有機化合物であるポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体は、例えばビニルモノマーをカチオン重合するか、またはラジカル重合することによって得られる。
正孔輸送機能を有する有機化合物であるポリシラン若しくはその誘導体の例としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が挙げられる。合成方法もこれらの文献に記載の方法を用いることができ、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサン若しくはその誘導体としては、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有する化合物が好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミン残基を側鎖または主鎖に有する化合物が挙げられる。
正孔輸送性を有する有機化合物としては、下記式(1)で表されるフルオレンジイル基を有する重合体が好ましい。縮合環または複数の芳香環を有する有機化合物と接触させて有機EL素子の正孔輸送層とした場合に、正孔注入効率が向上し、駆動時の電流密度が大きくなるからである。
Figure 2014235811
式(1)中、R、Rは同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基を表す。アルキル基としては、炭素原子数が1〜10の基が挙げられる。アルコキシ基としては炭素原子数が1〜10の基が挙げられる。アリール基の例としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。1価の複素環基の例としてはピリジル基等が挙げられる。アリール基、1価の複素環基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、高分子化合物の溶解性向上の観点から、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が1〜10のアルコキシ基等が挙げられる。
またアリール基、1価の複素環基は置換基は架橋基を有していてもよい。架橋基の例としては、ビニル基、エチニル基、ブテニル基、アクリル構造を有する基、アクリレート構造を有する基、アクリルアミド構造を有する基、メタクリル構造を有する基、メタクリレート構造を有する基、メタクリルアミド構造を有する基、ビニルエーテル構造を有する基、ビニルアミノ基、シラノール構造を有する基、小員環(例えばシクロプロパン、シクロブタン、エポキシド、オキセタン、ジケテン、エピスルフィド等)を有する基等が挙げられる。
好ましいフルオレンジイル基の具体例を以下に示す。
Figure 2014235811
特に好ましい正孔輸送機能を有する有機化合物は、繰り返し単位として上記フルオレンジイル基と芳香族3級アミン化合物の構造とを含む重合体、例えばポリアリールアミン重合体である。
芳香族3級アミン化合物の構造を含む繰り返し単位としては、下記式(2)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2014235811
式(2)中、Ar、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表す。Ar、ArおよびArは、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表す。あるいは、ArとArとは、一緒になって、ArとArが結合する窒素原子とともに環を形成していてもよい。mおよびnは、それぞれ独立に、0または1を表す。
アリーレン基の例としては、フェニレン基等が挙げられる。2価の複素環基の例としては、ピリジンジイル基等が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。
アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。1価の複素環基の例としては、ピリジル基等が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。
1価の複素環基の例としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基等が挙げられる。
アリーレン基、アリール基、2価の複素環基、1価の複素環基が有していてもよい置換基としては、高分子化合物の溶解性の観点からは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基が好ましく、アルキル基がより好ましい。アルキル基としては、炭素原子数が1〜10の基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜10の基が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
また置換基は、架橋基を有していてもよい。架橋基の例としては、ビニル基、エチニル基、ブテニル基、アクリル構造を有する基、アクリレート構造を有する基、アクリルアミド構造を有する基、メタクリル構造を有する基、メタクリレート構造を有する基、メタクリルアミド構造を有する基、ビニルエーテル構造を有する基、ビニルアミノ基、シラノール構造を有する基、小員環(例えばシクロプロパン、シクロブタン、エポキシド、オキセタン、ジケテン、エピスルフィド等)を有する基等が挙げられる。
Ar、Ar、ArおよびArは、アリーレン基であることが好ましく、フェニレン基であることがより好ましい。Ar、ArおよびArはアリール基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
さらにAr中の炭素原子とAr中の炭素原子とが直接結合するか、または−O−で表される基、−S−で表される基等の2価の基を介して結合していてもよい。
モノマーの合成の行いやすさの観点からは、mおよびnが0であることが好ましい。
式(2)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記式で表される繰り返し単位等が挙げられる。
Figure 2014235811
正孔輸送機能を有する有機化合物が架橋基を有しない場合には、架橋性基を有する材料として架橋剤がさらに用いられる。架橋剤の例としては、ビニル基、アセチル基、ブテニル基、アクリル基、アクリルアミド基、メタクリル基、メタクリルアミド基、ビニルエーテル基、ビニルアミノ基、シラノール基、シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン基、ジケテン基、エピスルフィド基、ラクトン基、及びラクタム基からなる群から選ばれる重合可能な置換基を有する化合物を挙げることができる。架橋剤としては、例えば多官能アクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、トリスペンタエリスリトールオクタアクリレート(TPEA)などが挙げられる。
このように架橋性基を有する材料を用いるか、または架橋剤を用いることにより、下層(正孔輸送層)上にさらに別の機能層(上層)を塗布法により形成したとしても下層の上層形成用の溶媒等による溶解を効果的に抑制することができる。
正孔輸送層を形成する方法に制限はないが、正孔輸送機能を有する有機化合物が低分子である場合は、高分子バインダーとの混合溶液を用いる成膜による方法が挙げられる。また、正孔輸送機能を有する有機化合物が高分子である場合は、溶液を用いる成膜による方法が挙げられる。
なお本実施態様の有機薄膜を形成する工程を適用して正孔輸送層を形成する場合には、上述した有機薄膜を形成する工程によって正孔輸送層を形成する。
溶液を用いる成膜に用いられる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。溶媒の例としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩化物溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル溶媒が挙げられる。
溶液を用いる成膜方法としては、既に説明した塗布法が挙げられる。
上記混合溶液に用いられる高分子バインダーとしては、電荷輸送を過度に阻害しないバインダーが好ましく、また可視光に対する吸収が小さいバインダーが好適に用いられる。
高分子バインダーの例としては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が挙げられる。
正孔輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率とが適度な値となるように選択すればよい。正孔輸送層は、少なくともピンホールが発生しない程度の厚さが必要であり、あまり厚いと、有機EL素子の駆動電圧が高くなるおそれがある。正孔輸送層の厚さは、例えば、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<発光層>
発光層は、通常、主として蛍光および/またはりん光を発光する有機物、または該有機物とこれを補助するドーパントとを含む。ドーパントは、例えば発光効率を向上させたり、発光波長を変化させたりするために加えられる。なお有機物としては、溶解性の観点からは高分子化合物であることが好ましい。発光層は、ポリスチレン換算の数平均分子量が、10〜10である高分子化合物を含むことが好ましい。発光層を構成する発光材料としては、例えば下記の色素材料、金属錯体材料、高分子材料、ドーパント材料を挙げることができる。
(色素材料)
色素材料としては、例えばシクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体などを挙げることができる。
(金属錯体材料)
金属錯体材料としては、例えばTb、Eu、Dyなどの希土類金属、またはAl、Zn、Be、Pt、Irなどを中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを配位子に有する金属錯体を挙げることができる。金属錯体としては、例えばイリジウム錯体、白金錯体などの三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体などを挙げることができる。
(高分子材料)
高分子材料としては、例えばポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素材料、金属錯体材料を高分子化した材料などを挙げることができる。
(ドーパント材料)
ドーパント材料としては、例えばペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。
発光層の厚さは、通常約2nm〜200nmである。発光層は、上記のような発光材料を含むインキを用いる塗布法により形成することができる。
<電子輸送層>
電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、公知の材料を使用できる。電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などを挙げることができる。
これらのうち、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の形成方法には特に制限はない。低分子の電子輸送材料を用いる場合には、電子輸送層の形成方法の例としては、粉末を用いる真空蒸着法、溶液若しくは溶融状態からの成膜を挙げることができ、高分子の電子輸送材料を用いる場合には、溶液または溶融状態からの成膜を挙げることができる。なお溶液または溶融状態からの成膜を実施する場合には、高分子バインダーを併用してもよい。
電子輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、求められる特性および成膜の簡易さなどを勘案して適宜決定される。電子輸送層の厚さは、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
<電子注入層>
電子注入層を構成する材料は、発光層の種類に応じて最適な材料が適宜選択される。電子注入層を構成する材料の例としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの1種類以上を含む合金、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、またはこれらの物質の混合物などを挙げることができる。アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物、および炭酸塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウムなどを挙げることができる。また、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。電子注入層は、2層以上を積層した積層体で構成されてもよく、例えばLiF/Caなどを挙げることができる。電子注入層は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法などの所定の公知の方法によって形成することができる。電子注入層の厚さは、1nm〜1μm程度が好ましい。
<陰極>
陰極の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易で、電気伝導度の高い材料が好ましい。また陽極側から光を取り出す有機EL素子では、発光層から放射される光を陰極で陽極側に反射することが発光効率を向上するためには好ましく、そのため、陰極の材料としては可視光反射率の高い材料が好ましい。陰極の材料としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および周期表第13族金属などを用いることができる。陰極の材料としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、前記金属のうちの2種以上の合金、前記金属のうちの1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうちの1種以上との合金、またはグラファイト若しくはグラファイト層間化合物などが用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などを挙げることができる。また陰極としては導電性金属酸化物および導電性有機物などからなる透明導電性電極を用いることができる。具体的には、導電性金属酸化物として酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、およびIZOを挙げることができ、導電性有機物としてポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などを挙げることができる。なお、陰極は、2層以上を積層した積層体で構成されていてもよい。なお、電子注入層が陰極として用いられる場合もある。
陰極の厚さは、電気伝導度、耐久性を考慮して適宜設定される。陰極の厚さは、例えば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。陰極の形成方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法などを挙げることができる。
以上説明した本実施形態の有機EL素子は、曲面状または平面状の照明装置、例えばスキャナの光源として用いられる面状光源、および表示装置に好適に用いることができる。
<有機光電変換素子>
本実施形態にかかる有機光電変換素子の概略について説明する。
有機光電変換素子は、活性層(有機半導体層という場合がある。)の構成から、バルクへテロ接合型またはヘテロ接合型の2種類に分けられる。本発明の電子デバイスの製造方法はいずれの種類の有機光電変換素子にも適用することができる。
有機光電変換素子は、基本的な構成として、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、これら一対の電極間に配置される、バルクヘテロ接合型の場合には有機薄膜からなる1層の活性層、またはヘテロ接合型の場合には有機薄膜からなる2層の活性層を含む積層構造とを備えている。
以下、有機光電変換素子を構成する、基板、電極、活性層、および必要に応じて形成される他の構成要素について説明する。
<基板>
有機光電変換素子は、通常、リジッド基板および可撓性基板を含む基板上に上記各層が積層された構成を有する。この基板は、電極を形成でき、有機薄膜を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、上記有機EL素子に用いられ得る基板と同様の基板を用いることができる。
<電極>
一対の電極(陽極および陰極)のうちの少なくとも一方は、透明または半透明の電極材料により構成される。不透明な基板側とは反対側の電極(即ち不透明な基板から遠い方の電極)が透明または半透明である。透明または半透明の電極材料の例としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。透明または半透明の電極材料の例としては、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、IZO、NESA等の導電性材料を用いて作製された膜、金、白金、銀、銅等が用いられる膜が挙げられる。なかでも、ITO、IZO、酸化スズの膜が好ましい。
一対の電極のうちのいずれか一方が透明または半透明である場合、他方は不透明な電極であってもよい。不透明な電極の材料としては、金属、導電性高分子等を用いることができる。不透明な電極の材料の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、または、1種以上の前記金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステンおよび錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体が挙げられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
これらの電極の作製方法の例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、電極材料として、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。透明または半透明の電極は、陽極であっても陰極であってもよい。
<活性層>
有機光電変換素子に含まれる活性層は、バルクヘテロ接合型の場合には電子供与性化合物および電子受容性化合物を含み、ヘテロ接合型の場合には電子供与性化合物を含む層と電子受容性化合物を含む層とが接合されている。
電子供与性化合物は、特に限定されない。電子供与性化合物としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、チオフェンを部分骨格として有する高分子化合物、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体が挙げられる。
電子受容性化合物としては、ベンゾチアジアゾール構造を含む化合物、繰り返し単位にベンゾチアジアゾール構造を含む高分子化合物、キノキサリン構造を含む化合物、繰り返し単位にキノキサリン構造を含む高分子化合物、酸化チタン、カーボンナノチューブ、フラーレン、フラーレン誘導体が好ましくい。
なお、活性層は、種々の機能を発現させるために、上記以外の成分を含有していてよい。上記以外の成分としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤、紫外線からの安定性を増すための光安定剤が挙げられる。
また活性層は、機械的特性を高めるため、電子供与性化合物および電子受容性化合物以外の高分子化合物を高分子バインダーとして含んでいてもよい。高分子バインダーとしては、電子輸送性または正孔輸送性を過度に阻害しないバインダー、および可視光に対する吸収が小さいバインダーが好ましく用いられる。
高分子バインダーの例としては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が挙げられる。
上述した構成を有する活性層は、例えば、バルクへテロ接合型の場合、電子供与性化合物、電子受容性化合物、および必要に応じて配合される他の成分を含む溶液を用いた成膜を行うことによって形成することができる。例えば、この溶液を陽極または陰極上に塗布することで、活性層を形成することができる。
溶液を用いた成膜に用いられる溶媒は、上述の電子供与性化合物および電子受容性化合物を溶解させる溶媒であればよく、複数の溶媒を混合してもよい。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル溶媒等が挙げられる。活性層を構成する材料は、例えば、上記の溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
活性層の成膜には、既に説明した塗布法を用いることができる。たとえば、活性層を上述の本実施形態の塗布膜を形成する工程と有機薄膜を形成する工程とにより形成する場合には、架橋性基を有する活性層の材料を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成し、さらに、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、前記塗布膜に電磁波を繰り返し照射して前記架橋性基を架橋させることにより、活性層を形成することができ、そのさいには、架橋性基を有する材料として、前述の架橋性基を置換基としてを有する材料や、前述の架橋剤を用いることができる。
<その他の層>
有機光電変換素子は、上述した基板、電極(陽極および陰極)および活性層の他に、光電変換効率を向上させるために、活性層以外の付加的な中間層(バッファ層、電荷輸送層等)を含んでいてもよい。このような中間層は、例えば、陽極と活性層との間、或いは、陰極と活性層との間に設けることができる。
中間層に用いられる材料の例としては、フッ化リチウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物または酸化物等が挙げられる。また、中間層の材料には、酸化チタン等の無機半導体の微粒子、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))とPSS(ポリ(4−スチレンスルホネート))との混合物(PEDOT:PSS)等を用いてもよい。
なお本実施形態の塗布膜を形成する工程と有機薄膜を形成する工程とにより形成する層は活性層に限られず、たとえば直上に塗布法で層が形成される層(下層)を、本実施形態の塗布膜を形成する工程と有機薄膜を形成する工程とにより形成することが好ましい。
<有機薄膜トランジスタ>
本実施形態にかかる有機薄膜トランジスタの概略について説明する。
有機薄膜トランジスタの例としては、ソース電極およびドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、本発明の高分子化合物を含む活性層と、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを備えた構成を有するトランジスタが挙げられる。このような構成を有する有機薄膜トランジスタの例としては、電界効果型有機薄膜トランジスタ、静電誘導型有機薄膜トランジスタ等が挙げられる。
電界効果型有機薄膜トランジスタは、通常、ソース電極およびドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となる高分子化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極と、活性層とゲート電極との間に配置される絶縁層とを有する。
静電誘導型有機薄膜トランジスタは、通常、ソース電極およびドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となる高分子化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを有し、該ゲート電極が活性層中に設けられている。
ゲート電極は、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成でき、かつ、ゲート電極に印加した電圧で該電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよく、その態様としては、例えば、くし型電極が挙げられる。
電界効果型有機薄膜トランジスタは、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報に記載の方法により製造することができる。また静電誘導型有機薄膜トランジスタは、特開2004−006476号公報に記載の方法等の公知の方法により製造することができる。
<基板>
有機薄膜トランジスタは、通常、リジッド基板および可撓性基板を含む基板上に形成される。基板の材料は、有機薄膜トランジスタの特性を阻害しない材料であれば特に限定されない。基板の材料としては、上記有機EL素子に用いられ得る基板と同様の基板を用いることができる。
<絶縁層>
絶縁層の材料は、電気的な絶縁性が高い材料であればよく、SiO、SiN、Ta、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、有機ガラス、フォトレジスト等を用いることができるが、動作電圧をより低くできるので、誘電率の高い材料を用いることが好ましい。
<ゲート電極>
ゲート電極には、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、低抵抗ポリシリコン、低抵抗アモルファスシリコン等の金属、錫酸化物、酸化インジウム、ITO等の材料を用いることができる。これらの材料は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、ゲート電極としては、高濃度に不純物がドープされたシリコン基板を用いてもよい。
<ソース電極およびドレイン電極>
ソース電極およびドレイン電極は、低抵抗の材料から構成されることが好ましく、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン等から構成されることが特に好ましい。これらの材料は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
<その他の層>
有機薄膜トランジスタにおいて、ソース電極およびドレイン電極と、活性層2との間には、更に他の化合物から構成された層が介在していてもよい。このような層としては、電子輸送性を有する低分子化合物、正孔輸送性を有する低分子化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、これらの金属と有機化合物との錯体、ヨウ素、臭素、塩素、塩化ヨウ素等のハロゲン、硫酸、無水硫酸、二酸化硫黄、硫酸塩等の酸化硫黄化合物、硝酸、二酸化窒素、硝酸塩等の酸化窒素化合物、過塩素酸、次亜塩素酸等のハロゲン化化合物、アルキルチオール化合物、芳香族チオール類、フッ素化アルキル芳香族チオール類等の芳香族チオール化合物等からなる層が挙げられる。
<保護膜>
有機薄膜トランジスタ上には、有機薄膜トランジスタを保護するため、保護膜を形成することが好ましい。これにより、有機薄膜トランジスタが大気から遮断され、有機薄膜トランジスタの電気的特性の低下を抑制することができる。また、有機薄膜トランジスタ上にさらに別の電子デバイスを形成する場合、その形成工程における有機薄膜トランジスタへの影響も該保護膜により低減することができる。保護膜を形成する方法としては、有機薄膜トランジスタを、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂、SiONを材料とする膜で覆う方法等が挙げられる。
電極間に設けられる有機薄膜(半導体層および絶縁層などを含む所定の層)のうちの少なくとも1層は、架橋性基を有する材料を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程と、大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、前記塗布膜に電磁波を繰り返し照射して前記架橋性基を架橋させることにより、有機薄膜を形成する工程とにより形成される。そのさいに使用する架橋性基を有する材料には、前述の架橋性基を置換基としてを有する材料や、前述の架橋剤を用いることができる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(合成例)
高分子化合物1の合成
不活性ガスで内部を置換した反応器に、下記式(3)で表される2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(C8BE)を18gと、下記式(4)で表されるビス(4−ブロモフェニル)−4−sec−ブチルフェニルアミン(TFBR)を13gと、下記式(5)で表される3,4−シクロブテノ−N,N−ビス(4−ブロモフェニル)アニリン(BCTR)を2gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat336,アルドリッチ製)を3gと、トルエンを200gとを量り取って仕込んだ。反応容器を100℃に加熱し、酢酸パラジウム(II)を7.4mgと、トリ(o−トリル)ホスフィンを70mgと、約18質量%の炭酸ナトリウム水溶液を64g加え、3時間以上加熱撹拌を続けた。その後、フェニルボロン酸を400mg添加し、さらに5時間加熱撹拌を続けた。1900gのトルエンで反応液を希釈し、3質量%の酢酸水溶液60gで2回洗浄し、さらにイオン交換水60gで1回水洗した後、取り出した有機相にDDC(ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物)を1.5g加え、4時間撹拌した。得られた溶液を、アルミナとシリカゲルとの等量混合物を固定相として用いたカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られたトルエン溶液をメタノール中に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物を濾取し乾燥させることにより、下記式(6)で表される繰り返し単位からなる高分子化合物1を得た。なお式(6)において、各繰り返し単位に付された数字は高分子化合物1における各繰り返し単位の組成比を表している。
得られた高分子化合物1のポリスチレン換算の数平均分子量は8.9×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.2×105であった。
Figure 2014235811
Figure 2014235811
Figure 2014235811
Figure 2014235811
(実施例1)
下記の構成を有する有機EL素子を作製した。
「ガラス基板/ITO層(厚さ50nm)/PEDOTを含む層(厚さ65nm)/高分子化合物1を含む層(厚さ20nm)/高分子化合物2を含む層(厚さ80nm)/NaF層(厚さ4nm)/Al層(厚さ100nm)」
ここでPEDOTを含む層は正孔注入層に相当し、高分子化合物1を含む層は正孔輸送層に相当し、高分子化合物2を含む層は発光層に相当する。
まずポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:Bayer社製、商品名「BaytronP AI4083」)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した。スパッタ法により厚さ50nmのITO膜(陽極)が形成されたガラス基板に、この濾過液をスピンコート法により塗布した。その後、200℃で20分間加熱処理することによって厚さが65nmの正孔注入層を得た。なお正孔注入層の形成は大気雰囲気中において行った。
次に、上記合成例により得られた高分子化合物1をキシレンに溶解させたキシレン溶液を用意した。このキシレン溶液における高分子化合物1の濃度を0.5重量%とした。次に大気雰囲気中において、得られたキシレン溶液をスピンコート法によりガラス基板に塗布し、厚さが20nmの正孔輸送層用の塗布膜を成膜した。
次いで、酸素濃度(JKO−25SII(ジコー製)を用いて測定した)が0.0%となるように、高純度窒素供給ラインを用いて基板雰囲気を窒素(N)雰囲気に置換した。このように調整された雰囲気において、ガラス基板上にXenon社製 370nm以下カットフィルター(Type A)を配置し、当該フィルターを介して、Xenon製 RC801フラッシュランプ(FL)を用いて、塗布膜に電磁波を繰り返し照射した。なお電磁波の照射条件は以下の通りである。
照射時間:90秒
1パルスのエネルギー:3.68J/cm
(なお、7.5cm角の領域に対して、1パルスのエネルギーが207Jの電磁波を照射した。)
1パルスのパルス幅:230μs
周波数:10Hz
これにより、塗布膜中の高分子化合物1の架橋基を架橋反応させて固化された薄膜(有機薄膜)とし、正孔輸送層を得た。
次に、キシレンに発光材料である高分子化合物2を溶解させたキシレン溶液を用意した。このキシレン溶液における高分子化合物2の濃度は1.3重量%とした。大気雰囲気中において、得られたキシレン溶液をスピンコート法によりガラス基板に塗布し、厚さが80nmの発光層用の塗布膜を成膜した。さらに酸素濃度および水分濃度がそれぞれ体積比で10ppm以下に制御された窒素ガス雰囲気中において、170℃で10分間保持して塗布膜を乾燥させることで、発光層を得た。
次に、真空下、フッ化ナトリウム(NaF)を厚さ約4nmで蒸着することにより電子注入層を形成し、さらにアルミニウム(Al)を厚さ約100nmで蒸着して陰極を形成した。陰極の形成後、封止基板であるガラス基板を用いて封止を行うことで、有機EL素子を作製した。
(実施例2〜5)
実施例2〜5では、塗布膜に電磁波を繰り返し照射する際の基板雰囲気中の酸素濃度のみを実施例1と異ならせて、他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(比較例1)
比較例1では、塗布膜に電磁波を繰り返し照射する際の基板雰囲気中の酸素濃度のみを実施例1と異ならせて、他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。すなわち比較例1では、塗布膜に電磁波を繰り返し照射する際の基板雰囲気を大気雰囲気とした。
(参考例1)
参考例1は、塗布膜中の高分子化合物1の架橋基を架橋反応させて塗布膜を固化する工程のみを実施例1と異ならせて、他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。すなわち参考例1では、厚さが20nmの正孔輸送層用の塗布膜が形成された基板をホットプレート(HP)を用いて加熱し、大気雰囲気中おいて200℃で60分間保持することによって、塗布膜中の高分子化合物1の架橋基を架橋反応させて塗布膜を固化した。
(参考例2)
参考例2は、塗布膜中の高分子化合物1の架橋基を架橋反応させて塗布膜を固化する工程における基板雰囲気のみを参考例1と異ならせて、他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。すなわち参考例2では、塗布膜中の高分子化合物1の架橋基を架橋反応させて固化する工程における基板雰囲気を窒素雰囲気とし、その酸素濃度を0.0%とした。
(残膜率の測定)
上記実施例1〜5、比較例1、参考例1、2において残膜率を下記のように測定した。
キシレンに高分子化合物1を溶解させ、キシレン溶液1を用意した。このキシレン溶液1における高分子化合物1の濃度を0.5重量%とした。次に大気雰囲気中において、キシレン溶液1をスピンコート法によりガラス基板に塗布して、高分子化合物1の塗布膜を得た。次に、実施例1〜5、比較例1、参考例1、2のそれぞれにおいて、正孔輸送層を形成するときの条件と同じ条件で、得られた塗布膜を硬化した。このようにして硬化した膜の上にキシレンを滴下し、スピンコート法によりキシレンを塗布した。キシレンを塗布した後に残存した膜の厚さを測定し、この測定値を膜厚1とした。なお膜厚は触針式膜厚計テンコール製 P16を用いて測定した。
次に残膜率の基準となる膜を形成した。まずキシレンに高分子化合物1を溶解させ、キシレン溶液1を用意した。このキシレン溶液1における高分子化合物1の濃度を0.5重量%とした。次に大気雰囲気中において、キシレン溶液1をスピンコート法によりガラス基板に塗布し、高分子化合物1の塗布膜を得た。得られた塗布膜の厚さを触針式膜厚計テンコール製 P16を用いて測定し、測定値を膜厚2とした。得られた膜厚1および膜厚2の測定値に下記式を適用して、実施例1〜5、比較例1、参考例1、2のそれぞれに対応する残膜率を算出した。
残膜率=(膜厚1/膜厚2)×100
(電流効率および寿命)
実施例1〜5、比較例1、参考例1、2で作製された有機EL素子の最大電流効率(Ea_max(cd/A))および寿命(LT70)を測定した。なおLT70は、初期輝度を5000cd/mとして、定電流駆動したときに、輝度が初期輝度の70%となるまでの時間を意味する。
(測定結果等)
上記の実施例および比較例に用いられた使用機器、条件、並びに残膜率(%)および最大電流効率(cd/A)、寿命(LT70(hr)の測定値を下記表1に示す。
Figure 2014235811
(FL:フラッシュランプ、HP:ホットプレート)
HPを使用した参考例1と参考例2とを比較すると、酸素濃度を0.0%にすることで、たしかに発光効率が約1.9倍、素子寿命が14倍向上することが理解される。
これに対して、FLを使用した場合には、酸素濃度を0.0%にすることで、比較例1と比べると、発光効率が約2.8倍、素子寿命が123倍も向上する。このように、実施例1ないし5のように酸素濃度を低減することで、参考例1と参考例2との比較からは予期しえない程度にまで、発光効率および素子寿命が顕著に向上することが理解される。
(参考例3)
雰囲気中の酸素(O)濃度を変えて、実施例1と同じ動作条件でフラッシュランプを作動させたときの雰囲気中のオゾン(O)濃度を順次測定した。図1にその結果を示す。図1は、酸素(O)濃度と、キセノンフラッシュランプを90秒間繰り返し照射した後のオゾン(O)濃度との関係を示す図である。図1に示すように、雰囲気中の酸素(O)濃度が高いと、オゾン(O)濃度が高くなることが確認された。すなわち雰囲気中の酸素(O)濃度を低くすることで、オゾンの発生を抑制できることが確認された。なおオゾン(O)濃度は、オゾン濃度測定装置APOA−3700(HORIBA製)を用いて測定した。

Claims (8)

  1. 2以上の電極と、前記2以上の電極間に設けられる有機薄膜とを備える電子デバイスの製造方法であって、
    架橋性基を有する材料を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程と、
    大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、前記塗布膜に電磁波を繰り返し照射して前記架橋性基を架橋させることにより、前記有機薄膜を形成する工程とを含む、電子デバイスの製造方法。
  2. 前記雰囲気中の酸素濃度が4.0%以下である、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  3. 前記雰囲気中の酸素濃度が2.0%以下である、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記電磁波の発生源が、キセノンフラッシュランプである、請求項1〜3のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 前記有機薄膜を形成する工程では、波長が370nm以下の電磁波の透過率が10%以下のフィルターを介して、前記電磁波を繰り返し照射して前記有機薄膜を形成する、請求項1〜4のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記電子デバイスが、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機光電変換素子、または有機薄膜トランジスタである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
  7. 前記有機薄膜を形成する工程は、巻き出しロールに巻き取られた可撓性の基板から送り出された前記基板が、巻き取りロールに巻き取られる過程中において行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
  8. 架橋性基を有する材料を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成する工程と、
    大気中の酸素濃度よりも酸素濃度の低い雰囲気中において、前記塗布膜に電磁波を繰り返し照射して前記架橋性基を架橋させることにより、薄膜を形成する工程とを含む、薄膜の製造方法。
JP2013115182A 2013-05-31 2013-05-31 電子デバイスの製造方法 Pending JP2014235811A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013115182A JP2014235811A (ja) 2013-05-31 2013-05-31 電子デバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013115182A JP2014235811A (ja) 2013-05-31 2013-05-31 電子デバイスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014235811A true JP2014235811A (ja) 2014-12-15

Family

ID=52138383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013115182A Pending JP2014235811A (ja) 2013-05-31 2013-05-31 電子デバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014235811A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016155376A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 高品質導電性特徴物のための銀ナノ粒子インクを用いるグラビア印刷プロセス
JPWO2018079323A1 (ja) * 2016-10-24 2019-09-12 住友化学株式会社 光電変換素子

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001209924A (ja) * 1999-11-19 2001-08-03 Showa Denko Kk 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2009129603A (ja) * 2007-11-21 2009-06-11 Canon Inc 有機電界発光素子の製造方法及び製造装置
JP2010505619A (ja) * 2006-10-13 2010-02-25 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 物の薄膜コーティング法
JP2010205548A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Fujifilm Corp 有機el素子および有機el素子の製造方法
JP2012246467A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機薄膜の製造方法、積層体及び基板

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001209924A (ja) * 1999-11-19 2001-08-03 Showa Denko Kk 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2010505619A (ja) * 2006-10-13 2010-02-25 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 物の薄膜コーティング法
JP2009129603A (ja) * 2007-11-21 2009-06-11 Canon Inc 有機電界発光素子の製造方法及び製造装置
JP2010205548A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Fujifilm Corp 有機el素子および有機el素子の製造方法
JP2012246467A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機薄膜の製造方法、積層体及び基板

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016155376A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 高品質導電性特徴物のための銀ナノ粒子インクを用いるグラビア印刷プロセス
JPWO2018079323A1 (ja) * 2016-10-24 2019-09-12 住友化学株式会社 光電変換素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2016208597A1 (ja) 有機電子素子の製造方法及び有機薄膜の形成方法
JP5293120B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法
JP5757244B2 (ja) 有機電界発光素子の製造方法、有機電界発光素子、表示装置及び照明装置
US10333067B2 (en) Method for manufacturing organic electronic element, and method for forming electron hole injection layer
JP2010502807A (ja) 光電気素子の導電性ポリマー組成物
JP2008098619A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2016208588A1 (ja) 有機電子素子の製造方法及び基板乾燥方法
JP2022025656A (ja) 芳香族化合物
JP2010040512A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法
JP6296701B2 (ja) 電子デバイスの製造方法
JP2006257196A (ja) 架橋形ポリカルバゾールとそれを用いた有機エレクトロニクスデバイス
JP2014235811A (ja) 電子デバイスの製造方法
JP2010055864A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法
JP2010073678A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2013222615A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2014232632A (ja) 電子デバイスの製造方法
WO2020120969A1 (en) Composition and organic light-emitting device
JP6440802B1 (ja) 有機デバイスの製造方法
JP2018117035A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2019075346A (ja) 有機電子デバイスの製造方法
Ohmori et al. Enhanced Emission from Polymeric Light-emitting Diodes Utilizing Poly (9, 9-dioctylfluorene) Derivatives

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170704