JP2001209924A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2001209924A
JP2001209924A JP37586399A JP37586399A JP2001209924A JP 2001209924 A JP2001209924 A JP 2001209924A JP 37586399 A JP37586399 A JP 37586399A JP 37586399 A JP37586399 A JP 37586399A JP 2001209924 A JP2001209924 A JP 2001209924A
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polymerizable unsaturated
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JP37586399A
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English (en)
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Isamu Taguchi
勇 田口
Junya Kato
順也 加藤
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起動時動作性、耐久性に優れ、しかも表面潤
滑性が良好な磁気記録媒体を得る。 【解決手段】 非磁性基板1上に、少なくとも磁性層
2、保護膜層3、潤滑剤層4が順次積層さ、潤滑剤層4
が、重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物
の重合物を含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
などの磁気記録装置に用いられる新規な磁気記録媒体お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報処理装置の記憶装置として用いられ
る磁気記録装置であるハードディスク装置は、再生記録
用の磁気ヘッドと、磁性層を有する磁気記録媒体である
磁気ディスクを備えている。磁気ディスクにおいて磁性
層は、強磁性金属またはその合金をスパッタ、蒸着、無
電解メッキなどによって非磁性基板上に被着させて形成
される。ハードディスク装置には、通常、情報の記録、
再生方式としていわゆるCSS(Contact Sta
rt Stop)方式が採られている。CSS方式を採用
したハードディスク装置では、起動時において磁気ヘッ
ドが磁気ディスクに接触した状態にあり、ディスクが回
転を開始すると磁気ヘッドがディスク上を摺動し、ディ
スクの回転速度が高まると磁気ヘッドがディスクから浮
上し、この状態で記録再生が行われる。停止時において
磁気ディスクの回転速度が低下する際には再び磁気ヘッ
ドがディスク上を摺動する。
【0003】磁気ディスクでは、磁気ヘッドとの接触摺
動による摩耗損傷に起因して磁気ディスクの耐久性が劣
化するのを防ぐため、磁性層上に保護膜層や潤滑剤層を
設けて磁気ディスクの耐摩耗性を向上させ、磁気ヘッド
と磁気ディスクが接触摺動する際の静摩擦および動摩擦
を低減させることが行われている。保護膜層としては、
従来より、炭素質膜、SiO2、ZrO2などの酸化物
膜、窒化物膜、ホウ素化物膜などが一般的に使用されて
いる。また潤滑剤層は、一般に、液状のパーフロロポリ
エーテル化合物などの潤滑剤をディスク表面に塗布する
ことにより形成されている。
【0004】磁気ディスクでは、一般に、潤滑剤層中の
フリーな易動性分子、および保護膜層表面への潤滑剤層
中の結合分子の量や性質が耐摩耗性に重要な影響を及ぼ
す。例えば潤滑剤層中に易動性分子が多すぎると、ディ
スクの静摩擦係数が増加し、磁気ヘッドとディスクとの
間に吸着現象(いわゆるスティクション)が起こりやすく
なり、少なすぎれば磁気ディスク表面の動摩擦係数が増
加し潤滑性が低くなり、ヘッドクラッシュが起こりやす
くなる。
【0005】潤滑剤層については、記録密度の向上に伴
い、保護膜層との結合力を高めることが求められてい
る。これは以下の理由による。ハードディスク装置で
は、記録密度向上のため磁気ヘッドもMR素子、GMR
素子などの採用などにより小型化、軽量化されてきてお
り、磁気ヘッドへの負荷ともなる初期駆動力の低減のた
め、静摩擦係数を低くし起動時の動作性を向上させるこ
とが求められてきている。静摩擦係数を低減するには、
潤滑剤と保護膜層との結合力を高めることによって、潤
滑剤層中のフリーな易動性分子を少なくすることが有効
である。
【0006】また記録密度の向上のため、記録再生時に
おいてディスクの回転速度を高速化することも行われて
いる。回転速度を高速化する場合には、遠心力により潤
滑剤が飛散する、いわゆるスピンオフ現象が生じ、これ
により潤滑剤層の膜厚が減少してしまう問題が生じるこ
とがある。スピンオフ現象を防ぎ耐久性を高めるために
も、保護膜層との結合力を高めることが望まれている。
なお潤滑剤と保護膜層との結合力を表す指標としては、
Bonded ratioがある。これは、潤滑剤層が
形成された磁気ディスクをフッ素系溶剤(例えば旭硝子
(株)製AK225など)で洗浄したときに残留した潤滑
剤の割合(%)を示した数値であり、潤滑剤層の保護膜層
に対する結合力の目安となる。
【0007】このため、潤滑剤層の保護膜層に対する結
合力を高めることを目的として、潤滑剤層に各種の処理
を施すことが試みられている。例えば特開平11−25
452号公報では、塗布した潤滑剤に加熱処理を施し、
さらに紫外線照射処理を行う方法が開示されている。ま
た特開平8−124142号公報には、潤滑剤層形成
後、この潤滑剤層に波長150〜180nmの紫外線照
射を行う方法が開示されている。また特開平7−854
61号公報には、水素化カーボン保護膜上に潤滑剤を塗
布後、これに紫外線を照射する方法が開示されている。
また特開平5−217162号公報には、カーボン保護
膜上に潤滑剤を塗布した後、これを加熱処理する方法が
開示されている。
【0008】しかしながら、これらの方法によって得ら
れた磁気記録媒体では、動摩擦係数を増加させることな
く、潤滑剤層の保護膜層に対する結合力を高めるのが難
しかった。このため、起動時動作性および耐久性の点で
優れ、しかも十分な表面潤滑性を示す磁気記録媒体が要
望されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、起動時動作性、耐久性に優れ、
しかも表面潤滑性が良好な磁気記録媒体を得ることを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め鋭意検討を重ねた結果、本発明者は、重合性不飽和基
を持ったパーフロロポリエーテル化合物を含む潤滑剤を
用い、この化合物の重合性不飽和基を活性エネルギー線
照射処理により重合させることによって、潤滑剤どうし
の結合力を高めるとともに、潤滑剤の保護膜層に対する
結合力を高め、静摩擦係数を低くし起動時動作性を向上
させ、かつ高い耐久性を得ることができるばかりでな
く、優れた表面潤滑性を得ることができることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。本発明の磁気記録媒体
は、潤滑剤層が、重合性不飽和基含有パーフロロポリエ
ーテル化合物の重合物を含むことを特徴とする磁気記録
媒体である。上記重合性不飽和基含有パーフロロポリエ
ーテル化合物としては、下記一般式(1)、(2)、(3)また
は(4) F(CF2CF2CF2O)nCF2CF2CH2O-A ・・・(1) F(CF(CF3)CF2O)mCF(CF3)CH2O-A ・・・(2) A'-OCH2CF2O(CF2O)p(C2F4O)qCF2CH2O-A ・・・(3) CF3(OCF(CF3)CF2)r(OCF2)sOCF2CH2O-A ・・・(4) (但し、上記式(1)ないし(4)においてn、m、p、q、
r、sは正の整数であり、Aは重合性不飽和結合をもつ
有機基であり、A'はAと同様に重合性不飽和結合を持
つ有機基、または重合性不飽和基を持たない基であり、
この重合性不飽和基を持たない基はC、H、O、および
Nのうち少なくとも1つで構成されるものである。)で
表されるものを使用するのが好ましい。潤滑剤層は、重
合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物を含む
潤滑剤に活性エネルギー線を照射することにより前記重
合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物を重合
させることによって形成されたものとするのが好まし
い。活性エネルギー線を使用することによって、磁気記
録媒体の潤滑特性、耐久性をさらに高めることができ
る。これは、活性エネルギー線照射によってパーフロロ
ポリエーテル化合物の重合性基が化学的に活性化されて
重合する際に、その一部が保護膜層表面に強固に結合す
るためであると考えられる。また潤滑剤層は、重合性不
飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物を含む潤滑剤
を加熱処理することにより潤滑剤中の重合性不飽和基含
有パーフロロポリエーテル化合物を重合させることによ
って形成されたものであってもよい。加熱処理を採用す
ることによって、活性エネルギー線処理と同様に、磁気
記録媒体の潤滑特性、耐久性を高めることができる。本
発明の磁気記録媒体の製造方法は、潤滑剤層を形成する
にあたって、重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテ
ル化合物を含む潤滑剤を塗布した後、この潤滑剤に活性
エネルギー線を照射することによって前記重合性不飽和
基含有パーフロロポリエーテル化合物を重合させること
を特徴とする製造方法である。また本発明の製造方法で
は、潤滑剤層を形成するにあたって、塗布された潤滑剤
を加熱処理することによって前記重合性不飽和基含有パ
ーフロロポリエーテル化合物を重合させる方法を採るこ
ともできる。また、重合性不飽和基含有パーフロロポリ
エーテル化合物としては、下記一般式(1)、(2)、(3)ま
たは(4) F(CF2CF2CF2O)nCF2CF2CH2O-A ・・・(1) F(CF(CF3)CF2O)mCF(CF3)CH2O-A ・・・(2) A'-OCH2CF2O(CF2O)p(C2F4O)qCF2CH2O-A ・・・(3) CF3(OCF(CF3)CF2)r(OCF2)sOCF2CH2O-A ・・・(4) (但し、上記式(1)ないし(4)においてn、m、p、q、
r、sは正の整数であり、Aは重合性不飽和結合をもつ
有機基であり、A'はAと同様に重合性不飽和結合を持
つ有機基、または重合性不飽和基を持たない基であり、
この重合性不飽和基を持たない基はC、H、O、および
Nのうち少なくとも1つで構成されるものである。)で
表されるものを使用できる。また保護膜層の材料として
は、他の層に対する結合力向上の点から、プラズマCV
D法やスパッタ法などにより形成されたカーボン系材料
を用いるのが好ましい。スパッタ法により形成されたカ
ーボン保護膜層を用いる場合に比べ、プラズマCVD法
により形成されたカーボン保護膜層を用いる場合には、
特に大幅な上記結合力向上効果が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の磁気記録媒体の
一実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、
非磁性基板1上に、磁性層2、保護膜層3が順次積層さ
れ、最上層に潤滑剤層4が設けられて構成される。
【0012】非磁性基板1の材料としては、アルミニウ
ム、アルミニウム合金などの金属材料、ガラス、セラミ
ック、チタン、カーボンなどの無機材料、ポリエチレン
テレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリエチレンナフタレート、ポ
リ塩化ビニル、環状炭化水素基含有ポリオレフィンなど
の高分子化合物などを用いることができる。またこれら
基板表面には、NiP、および/または他の合金をメッ
キ、スパッタ法などにより蒸着させることもできる。
【0013】磁性層2の材料としては、Fe、Co、N
i等の金属、あるいはFe−Co、Fe−Ni、Co−
Ni、Fe−Co−Ni、Co−Pt、Co−Cr、F
e−Co−B、Co−Ni−Fe−B、Co−Ni−P
t、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−Pt
−Ta、Co−Cr−Pt−Si等の合金、あるいはこ
れらの合金にAl等の金属や、酸素、窒素、酸化物、窒
化物などを含有させたものなどが挙げられる。磁性層2
の膜厚は、残留磁化膜厚積Br・d(残留磁化Brと膜
厚dとの積(Gμm))が30〜150Gμmとなる範
囲で所定の記録再生信号が得られるように設定するのが
好ましい。
【0014】保護膜層3としては、プラズマCVD法に
より形成されたCVDカーボン、非晶質カーボン、含水
素カーボン、含窒素カーボン、含フッ素カーボンなどの
カーボン系材料、シリカ、ジルコニアなどのセラミック
系材料を用いることができる。なかでも、硬く緻密なC
VDカーボンが、耐久性の面ばかりでなく経済性、生産
性などの面から好適に用いられる。保護膜層3の膜厚
は、薄いと耐久性が低下し、厚いと記録再生時の損失が
大きくなるため、20〜150Å、好ましくは30〜1
20Åに設定される。
【0015】最上層である潤滑剤層4は、重合性不飽和
基含有パーフロロポリエーテル化合物の重合物を含むも
のである。重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル
化合物としては、主鎖であるパーフロロポリエーテルの
少なくとも一端に、重合性を有する不飽和結合を持つ有
機基が結合されてなる化合物を挙げることができる。
【0016】このような重合性不飽和基含有パーフロロ
ポリエーテル化合物としては、下記一般式(1)、(2)、
(3)または(4)で表される化合物を挙げることができる。 F(CF2CF2CF2O)nCF2CF2CH2O-A ・・・(1) F(CF(CF3)CF2O)mCF(CF3)CH2O-A ・・・(2) A'-OCH2CF2O(CF2O)p(C2F4O)qCF2CH2O-A ・・・(3) CF3(OCF(CF3)CF2)r(OCF2)sOCF2CH2O-A ・・・(4) (但し、上記式(1)ないし(4)においてn、m、p、q、
r、sは正の整数であり、Aは重合性不飽和結合をもつ
有機基であり、A'はAと同様に重合性不飽和結合を持
つ有機基、または重合性不飽和基を持たない基であり、
この重合性不飽和基を持たない基はC、H、O、および
Nのうち少なくとも1つで構成されるものである。)
【0017】式(3)における繰り返し単位(CF2O)、
(C24O)、および式(4)における繰り返し単位(OCF
(CF3)CF2)、(OCF2)は、ブロック型、ランダム型
のいずれでもよいが、通常はランダム型が用いられる。
式(1)〜(4)で表される化合物のパーフロロポリエーテル
鎖単位(A、A'を除く部分)の数平均分子量は、50
0〜10000の範囲、好ましくは2000〜8000
の範囲が望ましい。この数平均分子量は、500未満で
あると化合物の揮発性が大きくなり蒸散しやすくなり、
10000を越えるとスティクションが起こりやすくな
るため好ましくない。
【0018】式(1)〜(4)に示す化合物において、重合性
不飽和基を持つ有機基Aの具体的な例としては、(メタ)
アクリロイル基、3−((メタ)アクリロイルオキシル)−
2−ヒドロキシプロピル基、ビニル基、(メタ)アリル
基、プロペニル基、(メタ)アクリロイルオキシエチルカ
ルバモイル基、シンナモイル基、スチリル基、α−メチ
ルスチリル基、2−マレイイミドエチル基、マレイミド
プロピオニル基、マレイミドアセチル基、ビニルベンジ
ル基、ビニルベンゾイル基等が挙げられる。
【0019】式(3)におけるA'は、Aと同様に重合性不
飽和結合を持つ有機基(但し、AとA'とが互いに異なる
構造の基であってもよい)であってもよいし、重合性不
飽和基を持たない基であってもよい。ここで、この重合
性不飽和基を持たない基はC、H、O、およびNのうち
少なくとも1つで構成されるものである。
【0020】この重合性不飽和基を持たない基は、Aの
重合性に影響を与えない構造であることが望ましい。そ
のような基の具体例としては、炭素数1〜10の低級ア
ルキル基、炭素数2〜11の低級アシル基、炭素数6〜
18のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、2
−ヒドロキシエチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル
基などのOH基含有アルキル基、もしくはNを含むピリ
ジル基、イミダゾリル基、オキサザリル基、インドリル
基、キノリル基、さらには、Oを含むフリル基、テトラ
ヒドロフリル基、グリシジル基などの複素環含有有機基
等が挙げられる。またA'は水素であってもよい。また
良好な潤滑特性を得るには、潤滑剤中の重合性不飽和基
含有パーフロロポリエーテルの含有量は30重量%以上
とするのが好ましい。
【0021】また本発明において潤滑剤層に用いられる
重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物は、
2種以上の重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル
化合物を混合した混合物であってもよい。
【0022】また、潤滑剤には、重合性不飽和基含有パ
ーフロロポリエーテル化合物と、重合性不飽和基を持た
ないパーフロロポリエーテル化合物とを併用することも
可能である。重合性不飽和基を持たないパーフロロポリ
エーテル化合物の例としては、ダイキン社製デムナム
(Demnum、下記一般式(5))、アウジモント社製フ
ォンブリン(Fomblin、一般式(6))、デュポン社
製クライトックス(一般式(7))等が挙げられる。
【0023】以下にこれらの構造を示す。 F(CF2CF2CF2O)aCF2CF2-X ・・・(5) (但し、式中aは正の整数を表し、Xは−CH2OH、−
COOH、または−COOR(Rは炭素数1〜5のアル
キル基)を表す) X'-CF2O(CF2CF2O)b(CF2O)cCF2-X' ・・・(6) (但し、式中b、cは正の整数を表し、X'は−CH2
H、−CH2OCH2CH(OH)CH2OH、−CH2(O
CH2CH2)e−OH(eは1〜5の整数)、−COO
H、−COOR(Rは炭素数1〜5のアルキル基)、また
【化1】 を表す) F-(CF(CF3)CF2O)dCF(CF3)CH2-X" ・・・(7) (但し、式中dは正の整数を表し、X”は−OHまたは
−OR(Rは炭素数1〜5のアルキル基)を表す)
【0024】ハードディスク装置においては、使用する
ヘッドの種類(特にヘッド荷重の大きさの違い)によっ
て、要求される潤滑剤層/保護膜層間の結合力が異な
る。これらの重合性不飽和基を持たないパーフロロポリ
エーテル化合物を併用することによって、潤滑剤層と保
護膜層との結合力を調整することが可能となる。良好な
潤滑性を得るためには、重合性不飽和基を持たないパー
フロロポリエーテル化合物の使用量に制限があり、この
使用量は併用混合物全体に対して70重量%未満とする
のが望ましい。
【0025】潤滑剤層4の厚さは、5〜50Å、好まし
くは10〜30Åとするのが好ましい。この厚さが5Å
を下回ると、表面潤滑性が低下し、50Åを越えると、
記録再生時において磁性層2とヘッドとの距離が大きく
なり間隔損失が増大するため好ましくない。
【0026】次に、上記磁気記録媒体を製造する場合を
例として、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一実施形
態について説明する。まず、非磁性基板1上に、スパッ
タ法などにより磁性層2を形成した後、プラズマCVD
法などにより保護膜層3を形成する。保護膜層3をプラ
ズマCVD法により形成する際には、プラズマCVD装
置のチャンバ内において、磁性層2表面を炭化水素を含
む反応ガスに曝す。この反応ガスとしては、炭化水素含
有ガスと不活性ガス(アルゴン等)を含む混合ガスを用
いるのが好ましい。炭化水素含有ガスとしては、炭化水
素と水素を体積比が2:1〜1:100となるように混
合した混合ガスを用いるのが好ましい。この炭化水素と
しては、低級飽和炭化水素、低級不飽和炭化水素、低級
環式炭化水素などを用いるのが好ましい。低級飽和炭化
水素としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、オ
クタン等を用いることができる。また低級不飽和炭化水
素としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジ
エン、アセチレン等を用いることができる。また低級環
式炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、
スチレン、ナフタレン、シクロヘキサン、シクロヘキサ
ジエン等を用いることができる。
【0027】次いで、プラズマCVD装置のチャンバ内
において、好ましくは0.001〜0.1torrの圧
力条件下でプラズマを発生させ、上記炭化水素を原料と
するプラズマ化学気相成長により保護膜層3を形成す
る。プラズマCVD法により形成された保護膜層3は、
ダイヤモンドライクカーボンを多く含むため化学的に安
定であり、硬度が高く耐久性に優れたものとなる。
【0028】プラズマCVD法により保護膜層3を形成
する際には、基板1上に磁性層2を形成したディスク
に、バイアス、例えば高周波バイアスまたはパルス直流
バイアスを印加するのが好ましい。高周波バイアスを用
いる場合には、10〜300W、好ましくは10〜15
0Wの高周波電力をディスクに印加するのが望ましい。
パルス直流バイアスを用いる場合には、−400〜−1
0V、好ましくは−300〜−50Vの電圧(平均電
圧)をディスクに印加するのが望ましい。パルス直流バ
イアスのパルス幅は10〜50000ns、周波数は1
0kHz〜1GHzとするのが好ましい。このように成
膜を行うことにより、保護膜層3は、ダイヤモンドライ
クカーボンをより多く含み、強度に優れたものとなる。
【0029】次いで、重合性不飽和基含有パーフロロポ
リエーテル化合物を含む潤滑剤を保護膜層3上に塗布す
る。上記潤滑剤の塗布には、潤滑剤をフッ素系溶剤(パ
ーフロロヘキサン、AK225(旭硝子)など)に溶解し
ておき、この溶液をディップ法あるいはスピンコート法
などにより磁性層2上に塗布した後、溶剤を蒸散させる
方法を採用することができる。
【0030】また潤滑剤には、必要に応じて、市販のア
ゾ系重合開始剤、パーエステル系重合開始剤、パーアル
コール系重合開始剤などの光重合開始剤やベンゾフェノ
ン等の光増感剤を添加することも可能である。特に、潤
滑剤中の重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化
合物を重合させるために潤滑剤に照射する活性エネルギ
ー線として可視光を用いる場合には、可視光波長領域で
効果のあるビスアシルホスフィンオキサイド系開始剤
(例えばチバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製イル
ガキュア1700、149、1800、1850、81
9)や、ジフェニルホスフィンオキサイド系開始剤(例え
ばバスフ社製ルシリンTPOなど)やチオキサントン/
アミン系開始剤などの開始剤や、ローズベンガルなどの
色素系増感剤を添加して用いることも可能である。
【0031】このように潤滑剤を塗布した後、塗布した
潤滑剤に活性エネルギー線照射処理を行う。活性エネル
ギー線としては、紫外線、可視光、電子線、ガンマ線な
どが挙げられるが、なかでも特に、取り扱いが容易であ
りかつ効率的な処理が可能となることから、紫外線が好
ましい。
【0032】紫外線照射は、低圧水銀ランプ、高圧水銀
ランプ、メタルハライドランプなどを用いて行うことが
できる。照射強度が強すぎると保護膜層3に悪影響が及
び、弱すぎると上記重合性基の重合が不十分となるた
め、照射強度は0.1〜100mW/cm2の範囲、好
ましくは0.5〜50mW/cm2の範囲で設定するの
が好ましい。
【0033】照射時間は、照射強度によって異なるため
一概に規定できないが、好ましくは1〜60秒の範囲で
設定される。紫外線照射は、空気中で行うことも可能で
あるが、不活性ガス(窒素、アルゴンなど)中で行うのが
好ましい。空気中で照射を行う場合には、紫外線照射に
よって空気中の酸素からオゾンが発生し、保護膜層3や
潤滑剤層4の酸化分解が起こりやすくなることから、オ
ゾンの発生を抑制するために、300nm以下の低波長
領域を遮光するフィルタを介して紫外線照射を行うのが
好ましい。
【0034】上記活性エネルギー線照射処理を行うこと
によって、潤滑剤中の重合性基が反応し、保護膜層3上
にパーフロロポリエーテル化合物が重合した重合膜層で
ある潤滑剤層4が形成される。保護膜層3がカーボン系
材料からなるものである場合には、活性エネルギー線処
理により、保護膜層3表面のC−C、C=Cなどの結合
の一部が切れてラジカル点が発生し、これが潤滑剤分子
(不飽和基含有パーフロロポリエーテル)の重合性基と
反応し、保護膜層3と潤滑剤層4との間に強固な共有結
合が生じる。また潤滑剤分子の重合性基どうしもラジカ
ル反応により重合し、保護膜層3と潤滑剤層4との間、
および潤滑剤層4内に、これらの結合からなる強固なネ
ットワークが形成され、その結果、これら保護膜層3と
潤滑剤層4との間の結合力が高められるとともに、潤滑
剤層4の強度が高められると推測される。このようにし
て形成された潤滑剤層4は、Bonded ratio
が高く、安定性、耐久性に優れたものとなる。以上のよ
うにして、図1に示す磁気記録媒体が得られる。
【0035】本実施形態の磁気記録媒体にあっては、潤
滑剤層4が、重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテ
ル化合物の重合物を含むものであるので、潤滑剤層4表
面の静摩擦係数を十分に低くし、起動時の動作性を向上
させることができる。この磁気記録媒体では、保護膜層
3が、プラズマCVD法により形成されたCVDカーボ
ンのように化学的に安定であり表面が不活性である材料
からなるものである場合でも、優れた起動時動作性を得
ることができる。この効果は、潤滑剤層4に上記化合物
の重合物を用いることによって、潤滑剤層の保護膜層3
に対する結合力が高まり、潤滑剤層4中の易動性分子が
少なくなることにより得られると考えられる。
【0036】また、記録再生時の磁気記録媒体の回転速
度を高速化した場合でも、スピンオフ現象が起こるのを
防ぐことができ、耐久性を向上させることができる。ス
ピンオフ現象を防ぐことができるのは、重合性不飽和基
含有パーフロロポリエーテル化合物の重合物が、保護膜
層3表面に対し強固に結合することから、磁気記録媒体
を高速で回転させることにより潤滑剤層4に強い遠心力
が加わっても、この遠心力によって潤滑剤層4の一部が
他の部分から分離するのを防ぐことができるためである
と考えられる。
【0037】一般に、耐久性に優れた潤滑剤層は、潤滑
剤層中に存在する易動性分子が少なく、潤滑剤層表面の
潤滑性が低くなる。しかしながら、本実施形態の磁気記
録媒体では、Bonded ratioが高いことから
潤滑剤層中に易動性分子がほとんど存在しないと考えら
れるにもかかわらず、良好な表面潤滑性を示す。この効
果が得られる理由は明確でないが、次のように推定する
ことができる。すなわち重合性不飽和基含有パーフロロ
ポリエーテル化合物の重合物を含む潤滑剤から形成され
た潤滑剤層4では、保護膜層3に接する部分付近の潤滑
剤分子の自由度は非常に低いものの、最表面部分に限っ
ては潤滑剤分子が比較的高い自由度をもつことから、優
れた表面潤滑性が得られると推定される。
【0038】また、潤滑剤層4を、重合性不飽和基含有
パーフロロポリエーテル化合物を含む潤滑剤に紫外線な
どの活性エネルギー線を照射して上記重合性基を重合さ
せることにより形成することによって、潤滑剤層4の保
護膜層3に対する結合力を高めるとともに潤滑剤層4自
体の強度を向上させ、起動時動作性、耐久性をさらに高
めることができる。これは、上述のように、活性エネル
ギー線照射によってパーフロロポリエーテル化合物の重
合性基が重合する際に、重合性基の一部が保護膜層3表
面に共有結合などにより強固に結合するとともに、潤滑
剤分子の重合性基どうしがラジカル反応により重合する
ためであると考えられる。
【0039】また上記実施形態の方法では、潤滑剤層4
を形成するにあたって、保護膜層3上に塗布した潤滑剤
に活性エネルギー線を照射し、潤滑剤中の重合性不飽和
基含有パーフロロポリエーテル化合物を重合させる方法
を採用したが、潤滑剤層4を形成する方法はこれに限ら
ず、塗布済みの潤滑剤を、汎用のヒータなどを用いた輻
射加熱、誘導加熱などにより加熱し、これによって重合
性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物を重合さ
せる方法を採用することもできる。
【0040】また上記重合性不飽和基含有パーフロロポ
リエーテル化合物には、必要に応じて、市販の熱重合開
始剤を添加することも可能である。熱重合開始剤の添加
により、Bonded ratioを高くすることがで
きる。熱重合開始剤としては、脂溶性のものが使用でき
る。具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイ
ル、t−ブチルパーオキシピバレート等の過酸化物、さ
らには、アゾビスブチロニトリル、アゾビスシクロヘキ
サンカルボニル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジ
メチルアゾビスイソブチレート等のアゾ化合物が挙げら
れる。重合開始剤の添加量は、重合性不飽和基含有パー
フロロポリエーテルに対して、0.1〜20モル%とす
るのが好ましい。
【0041】加熱処理を行う際の加熱温度は、低すぎれ
ば重合性基の重合が不十分となり、高すぎれば保護膜層
の劣化を招くことから、80〜200℃、好ましくは1
00〜170℃とするのが望ましい。また加熱時間は、
加熱温度にもよるが、長すぎれば保護膜層が劣化しやす
くなるとともに生産性の点で不利となり、短すぎれば潤
滑剤の重合が不十分となるため、5〜30分とするのが
好ましい。また潤滑剤の加熱処理は、空気中で行うこと
も可能であるが、潤滑剤の酸化を防ぐため、不活性ガス
(窒素、アルゴンなど)雰囲気下で行うのが好ましい。
【0042】上記加熱処理によれば、潤滑剤中の重合性
基が反応し、保護膜層3上にパーフロロポリエーテル化
合物が重合した重合膜層である潤滑剤層4が形成され
る。このようにして形成された潤滑剤層4は、活性エネ
ルギー線処理によって形成されたものと同様に、Bon
ded ratioが高く、安定性、耐久性に優れたも
のとなるだけでなく、良好な表面潤滑性を示す。これは
以下の理由によるものであると考えられる。
【0043】すなわち保護膜層3表面、特にスパッタ法
やプラズマCVD法により形成された保護膜層3の表面
には、ダングリングボンドと呼ばれる活性点が存在す
る。このダングリングボンドは、特に空気中において、
時間とともに活性を失っていくが、上記加熱処理を行う
ことにより、再び活性化されて潤滑剤中の重合性基と反
応し潤滑剤層4と保護膜層3の間に強固な結合を形成す
る。また加熱処理の際には、潤滑剤中の重合性基も反応
性が増加し、潤滑剤分子(不飽和基含有パーフロロポリ
エーテル)どうしの結合形成も促進され、これらの結合
からなる強固なネットワークが形成され、保護膜層3と
潤滑剤層4との間の結合力が高められるとともに、潤滑
剤層4の強度が高められると推測される。
【0044】このようにして、潤滑剤層4が保護膜層3
表面に強固に結合するとともに、潤滑剤分子の重合性基
どうしの結合形成も促進され、その結果、活性エネルギ
ー線処理によって形成されたものと同様に、起動時動作
性に優れ、耐久性に富む磁気記録媒体が得られる。
【0045】またこの磁気記録媒体では、潤滑剤に活性
エネルギー線照射を行った場合と同様に、保護膜層3に
接する部分付近の潤滑剤分子の自由度は非常に低いもの
の、最表面部分の潤滑剤分子が比較的高い自由度をもつ
ことから、優れた表面潤滑性が得られる。
【0046】なお、潤滑剤層4をなす潤滑剤として、重
合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物と、重
合性基を持たない化合物とを併用する場合には、これら
化合物を混合し保護膜層3上に塗布した後、活性エネル
ギー線照射または加熱処理を行ってもよいし、重合性不
飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物からなる潤滑
剤を保護膜層3上に塗布し、これに活性エネルギー線照
射または加熱処理を行った後、その上に、重合性基を持
たない化合物からなる潤滑剤を塗布することもできる。
【0047】また、本発明では、基板と磁性層との間に
下地層を設けることができる。この下地層の材料として
は、従来公知の非磁性下地層用材料、例えばCr、T
i、Ni、Si、Ta、Wなど(単一組成)や、これら
のうち1種または2種以上を主成分とした合金を使用す
ることができる。図2は、基板1と磁性層2との間に下
地層5を形成した例を示すものである。また本発明で
は、磁性層と下地層との間に中間層を設けることもでき
る。この中間層の材料としては、CoCr合金等が使用
できる。図3は、下地層5と磁性層2との間に中間層6
を形成した例を示すものである。
【0048】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して本発明を
さらに詳しく説明する。なお本発明の技術範囲はこれら
の実施例によって限定されるものでない。 (実施例1〜8および比較例1〜3)重合性不飽和基含有
パーフロロポリエーテル化合物として、以下の化合物を
調製した。アウジモント社製Fomblin−ZDOL
(数平均分子量約4000)とアリルブロマイドから下記
式に示す化合物1を合成した。
【化2】
【0049】アウジモント社製Fomblin−ZDO
L(数平均分子量約4000)とアクリルクロライドから
下記式に示す化合物2を合成した。
【化3】
【0050】アウジモント社製Fomblin−ZDO
L(数平均分子量約4000)とメタクリルクロライドか
ら下記式に示す化合物3を合成した。
【化4】
【0051】ダイキン社製Demnum−SA(数平均
分子量約2600)とメタクリロイルオキシエチルイソ
シアネートから下記式で示す化合物4を合成した。
【化5】
【0052】アウジモント社製Galden MF40
2(数平均分子量700)とアクリルクロライドから下記
式で示す化合物5を合成した。
【化6】
【0053】デュポン社製KRYTOX(数平均分子量
4000)と、ビニルベンジルクロライドから下記式で
示す化合物6を合成した。
【化7】
【0054】また、重合性不飽和基を持たない比較化合
物として、アウジモント社Fomblin−ZDOL
(数平均分子量4000)(比較化合物1)、ダイキン社製
Demnum−SA(数平均分子量2600)(比較化合
物2)を用意した。
【0055】NiPメッキ膜を有するアルミニウム合金
基板(直径95mm)上に、スパッタ法によりCrから
なる下地層(厚さ600Å)を形成し、さらにCo/Cr
/Ta合金からなる磁性層(厚さ400Å)を形成した。
次いで、プラズマCVD装置を用いてCVDカーボンか
らなる保護膜層(厚さ80Å)を形成した。次いで、保
護膜層上に、上記化合物1〜6、比較化合物1、2のパ
ーフロロヘキサン(PF5060)溶液(濃度:0.05
重量%)を、溶液ディップ法により溶剤揮散後の膜厚が
20Åとなるように塗布し積層板を得た(実施例1〜
6、比較例1、2)。またカーボン保護膜層を、スパッ
タ装置を用いてスパッタリングにより厚さ120Åとな
るよう形成し、保護膜層上に、上記化合物3を膜厚が2
0Åとなるように塗布すること以外は上記実施例と同様
にして積層板を得た(実施例7)。さらに、保護膜層の
材料としてSiO2を用い、保護膜層上に、上記化合物
2を膜厚が20Åとなるように塗布すること以外は上記
実施例と同様にして積層板を得た(実施例8)。
【0056】このようにして潤滑剤を塗布して得た積層
板の表面に、低圧水銀灯を備えた紫外線照射装置を用い
て、照射強度40mW/cm2(254mμ)の条件で、
窒素雰囲気下において紫外線を10秒あるいは30秒間
照射し、磁気記録媒体である磁気ディスクを作製した。
また紫外線照射処理を行わないこと以外は実施例1と同
様に化合物1を用いて磁気ディスクを作製した(比較例
3)。得られた磁気ディスクの性能を、次の試験により
確認した。
【0057】試験1:Bonded ratioの測定 潤滑剤層の保護膜層に対する結合力の目安として、Bo
nded ratioを次のようにして測定した。上記
磁気ディスクを、フッ素系溶剤AK225(旭硝子製)に
15分間浸積して表面を洗浄し、洗浄前後の潤滑剤層の
厚さを半径20mmの位置においてFTIRを用いて測
定し、洗浄前の潤滑剤層厚さに対する洗浄後の潤滑剤層
厚さをBonded ratio(%)とした。結果を表
1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】表1より、実施例1〜8では、Bonde
d ratioの値が40%を越えており、保護膜層に
対する潤滑剤の結合力が十分に大きくなったことがわか
る。
【0060】試験2:動摩擦係数の測定(CSS耐久テ
スト) まず各実施例、比較例の磁気ディスク(紫外線照射処理
時間30秒間のもの)のCSS(Contact Sta
rt Stop)耐久テストを温度25℃、湿度60%R
Hの条件で行った。このテストでは、CSSテスタを用
い、磁気ヘッドには標準のMRヘッド(DLCコーティ
ング、30%スライダ、荷重2.5g)を用いて1万回
のCSS操作(最高回転数10000rpmでの回転(1
秒維持)と静止(1秒)とを5秒間隔で繰り返す)を行っ
た。1万回のCSS操作後の磁気ディスク表面の動摩擦
係数を表2に示す。
【0061】試験3:静摩擦係数の測定(CSS耐久テ
スト) 試験2と同様のCSS耐久テストを温度40℃、湿度8
0%RHの条件で行った。1万回のCSS操作後、磁気
ディスクとヘッドを24時間静置した後、磁気ディスク
表面の静摩擦係数を測定した。結果を表2に併せて示
す。
【0062】試験4:膜厚減少率の測定(スピンオフテ
スト) 各実施例、比較例の磁気ディスク(紫外線照射処理時間
30秒間のもの)を80℃の環境下、回転速度1000
0rpmで72時間にわたり回転させた。この操作の前
後において、半径20mmの位置における潤滑剤層の厚
さを測定し、試験前後の潤滑剤層の膜厚減少率をフーリ
エ変換赤外分光法で測定した。結果を表2に併せて示
す。
【0063】
【表2】
【0064】表2に示すように、実施例の磁気ディスク
は、比較例に比べ静摩擦係数が小さく、優れた起動時動
作性を示すことがわかる。また実施例の磁気ディスクの
膜厚減少率は、0〜3%と、10%未満の低い値を示し
たことから、比較例に比べ高い耐スピンオフ性を示し、
耐久性に優れていることがわかる。さらには、実施例の
磁気ディスクは、表1に示すとおり、Bonded r
atioが高く潤滑剤層中の易動性分子が少ないと考え
られるにもかかわらず、動摩擦係数は十分に低い値を示
し、優れた表面潤滑性を示したことがわかる。
【0065】(実施例9、10および比較例4)潤滑剤層
をなす潤滑剤として、化合物2と、重合性不飽和基を持
たない比較化合物1とを40:60(重量比)の割合で
混合した組成物を用いること以外は、実施例1と同様に
して潤滑剤層を形成し、磁気ディスクを作製した。(実
施例9)また、化合物2と、比較化合物1との混合比を
変えて潤滑剤層を形成した磁気ディスクを作製した。
(実施例10、比較例4)これら実施例9、10、比較例
4において、紫外線照射処理は、窒素雰囲気下において
照射強度40mW/cm2の条件で30秒間行った。こ
れら磁気ディスクのBonded ratio測定結果
を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】表3に示すように、重合性不飽和基を持た
ないパーフロロポリエーテルを含有量が70重量%未満
の範囲となるように併用した場合には、Bonded
ratioの値を40%以上とすることができたことが
わかる。次いで、磁気ヘッドとして、3.5g荷重のT
ripadヘッドを用いたこと以外は試験2、3と同様
にしてCSS耐久テストによる動摩擦係数および静摩擦
係数の測定を行った。またスピンオフテストを行い、膜
厚減少率を測定した。結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】表4より、化合物2と比較化合物1との混
合比を20/80とした比較例4では、膜厚減少率が1
0%を越え、静摩擦係数も1を越えたのに対し、化合物
2と比較化合物1との混合比を40/60、および70
/30とした実施例では、静摩擦係数が小さく起動時動
作性に優れ、膜厚減少率も10%未満と低く耐久性に優
れ、しかも動摩擦係数が小さく、良好な表面潤滑性を示
したことがわかる。
【0070】(実施例11〜18および比較例5、6)重
合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物とし
て、以下の化合物を調製した。
【0071】アウジモント社製Fomblin−ZDO
L(数平均分子量約4000)とマレイミドプロピオン酸
から下記式に示す化合物7を合成した。
【化8】
【0072】アウジモント社製Galden MF40
2(数平均分子量700)とアリルクロライドからアリル
エーテル化合物を合成しさらにそれを異性化してプロペ
ニルエーテル化合物である下記式の化合物8を合成し
た。
【化9】
【0073】NiPメッキ膜を有するアルミニウム合金
基板(直径95mm)上に、スパッタ法によりCrから
なる下地層(厚さ600Å)を形成し、さらにCo/Cr
/Ta合金からなる磁性層(厚さ400Å)を形成した。
次いで、プラズマCVD装置を用いてCVDカーボンか
らなる保護膜層(厚さ80Å)を形成した。次いで、保
護膜層上に、潤滑剤溶液(溶剤:旭硝子社製フロン系溶
剤AK225、潤滑剤濃度0.05重量%)を溶液ディ
ップ法により溶剤揮散後の膜厚が20Åとなるように塗
布し、積層板を得た。
【0074】使用した潤滑剤は以下の通りである。化合
物2(実施例11)、化合物3(実施例12)、化合物
7(実施例13)、化合物4(実施例14)、化合物8
(実施例15)、化合物6(実施例16)、比較化合物
1(比較例5)、比較化合物2(比較例6)。また、潤
滑剤として、化合物2と、アウジモント社製Fombl
in−ZDOL(数平均分子量約4000)とを3:1
(重量比)となるよう混合した混合物を用いること以外
は上記方法と同様にして積層板を得た(実施例17)。
また保護膜層を、スパッタ装置を用いてスパッタリング
により厚さ100Åとなるよう形成し、保護膜層上に、
上記化合物2を膜厚が20Åとなるように塗布すること
以外は上記実施例と同様にして積層板を得た(実施例1
8)。また、各実施例および比較例で用いた潤滑剤に、
重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリ
ル)を、含有量が5モル%となるように添加して積層板
を作製した。
【0075】上記各積層板それぞれ複数枚用意し、これ
らを表5、表6に示す温度で10分間加熱処理し、得ら
れた磁気ディスクのBonded ratio(表中で
はBRと表記)を測定した。結果を表5および表6に示
す。
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】表5および表6より、加熱処理を行わなか
った場合に比べ、加熱処理を行った場合には、Bond
ed ratioを高めることができたことがわかる。
【0079】各積層板を窒素雰囲気下で10分間加熱処
理した磁気ディスクについて、動摩擦係数、静摩擦係
数、膜厚減少率を測定した。結果を表7に示す。
【0080】
【表7】
【0081】表7に示すように、実施例の磁気ディスク
は、比較例に比べ静摩擦係数が小さく、優れた起動時動
作性を示すことがわかる。また実施例の磁気ディスクの
膜厚減少率は、10%未満の低い値を示したことから、
比較例に比べ高い耐スピンオフ性を示し、耐久性に優れ
ていることがわかる。また実施例の磁気ディスクは、B
onded ratioが高く潤滑剤層中の易動性分子
が少ないと考えられるにもかかわらず、動摩擦係数は十
分に低い値を示し、かつクラッシュが起こらず、優れた
表面潤滑性を示したことがわかる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体では、潤滑剤層が、重合性不飽和基含有パーフロロ
ポリエーテル化合物の重合物を含むものであるので、潤
滑剤層表面の静摩擦係数を十分に低くし起動時の動作性
を向上させ、かつスピンオフ現象を防ぎ耐久性を高める
ことができるばかりでなく、良好な表面潤滑性を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の一実施形態を示す
一部断面図である。
【図2】 本発明の磁気記録媒体の他の実施形態を示
す一部断面図である。
【図3】 本発明の磁気記録媒体のさらに他の実施形
態を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1・・・非磁性基板、2・・・磁性層、3・・・保護膜層、4・・・
潤滑剤層、5・・・下地層、6・・・中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田越 宏孝 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1 昭和 電工株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H104 BD06A CD04A EA21A JA20 LA20 PA16 5D006 AA01 AA06 5D112 AA07 AA11 BC02 GA19 GB01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護
    膜層、潤滑剤層が順次積層された磁気記録媒体におい
    て、該潤滑剤層が、重合性不飽和基含有パーフロロポリ
    エーテル化合物の重合物を含むことを特徴とする磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 重合性不飽和基含有パーフロロポリエー
    テル化合物が下記一般式(1)、(2)、(3)または(4) F(CF2CF2CF2O)nCF2CF2CH2O-A ・・・(1) F(CF(CF3)CF2O)mCF(CF3)CH2O-A ・・・(2) A'-OCH2CF2O(CF2O)p(C2F4O)qCF2CH2O-A ・・・(3) CF3(OCF(CF3)CF2)r(OCF2)sOCF2CH2O-A ・・・(4) (但し、上記式(1)ないし(4)においてn、m、p、q、
    r、sは正の整数であり、Aは重合性不飽和結合をもつ
    有機基であり、A'はAと同様に重合性不飽和結合を持
    つ有機基、または重合性不飽和基を持たない基であり、
    この重合性不飽和基を持たない基はC、H、O、および
    Nのうち少なくとも1つで構成されるものである。)で
    表されることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 潤滑剤層は、重合性不飽和基含有パーフ
    ロロポリエーテル化合物を含む潤滑剤に活性エネルギー
    線を照射することにより前記重合性不飽和基含有パーフ
    ロロポリエーテル化合物を重合させることによって形成
    されたものであることを特徴とする請求項1または2記
    載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 潤滑剤層は、重合性不飽和基含有パーフ
    ロロポリエーテル化合物を含む潤滑剤を加熱処理するこ
    とにより前記重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテ
    ル化合物を重合させることによって形成されたものであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護
    膜層、潤滑剤層を順次形成する磁気記録媒体の製造方法
    において、潤滑剤層を形成するにあたって、重合性不飽
    和基含有パーフロロポリエーテル化合物を含む潤滑剤を
    塗布した後、この潤滑剤に活性エネルギー線を照射する
    ことによって前記重合性不飽和基含有パーフロロポリエ
    ーテル化合物を重合させることを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護
    膜層、潤滑剤層を順次形成する磁気記録媒体の製造方法
    において、潤滑剤層を形成するにあたって、重合性不飽
    和基含有パーフロロポリエーテル化合物を含む潤滑剤を
    塗布した後、この潤滑剤を加熱処理することによって前
    記重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物を
    重合させることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 重合性不飽和基含有パーフロロポリエー
    テル化合物が下記一般式(1)、(2)、(3)または(4) F(CF2CF2CF2O)nCF2CF2CH2O-A ・・・(1) F(CF(CF3)CF2O)mCF(CF3)CH2O-A ・・・(2) A'-OCH2CF2O(CF2O)p(C2F4O)qCF2CH2O-A ・・・(3) CF3(OCF(CF3)CF2)r(OCF2)sOCF2CH2O-A ・・・(4) (但し、上記式(1)ないし(4)においてn、m、p、q、
    r、sは正の整数であり、Aは重合性不飽和結合をもつ
    有機基であり、A'はAと同様に重合性不飽和結合を持
    つ有機基、または重合性不飽和基を持たない基であり、
    この重合性不飽和基を持たない基はC、H、O、および
    Nのうち少なくとも1つで構成されるものである。)で
    表されることを特徴とする請求項5または6記載の磁気
    記録媒体の製造方法。
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