JP2014235355A - 退避機構、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潜像形成手段を精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構を提供する。
【解決手段】露光装置60を潜像形成位置と退避位置との間で移動させる退避機構100に次のような構成を備えた。回動することで露光装置60を潜像形成位置と退避位置との間で移動させる第1リンク101と、第1リンク101を付勢する引っ張りスプリング104と、露光装置60が潜像形成位置あるときに第1リンク101の回動を規制する突き当て部106とを備えた。第1リンク101に、突き当て部106で規制される規制位置から露光装置60を退避位置に位置させるときの回動位置の間に、引っ張りスプリング104の付勢力により作用する力の方向が切り替わる分極位置を有した。そして、第1リンク101が規制位置から分極位置に回動する間に、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101に作用する阻止方向の力が減衰するように構成した。
【選択図】図8

Description

本発明は、退避機構、及びこの退避機構を備えた画像形成装置に関するものである。
従来から、一様に帯電された感光体等の潜像担持体に画像情報に基づいた光を照射して潜像を形成するために、感光体軸方向に複数の発光素子を配置したLEDヘッド等の潜像形成手段を備えた画像形成装置が知られている。
LEDヘッドは、ポリゴンミラーやレンズを用いた露光装置(光書込み装置)よりも焦点距離が短いため、LEDヘッドの光照射面を感光体に近接配置しなければならず、感光体や現像装置を交換する時やジャム処理時に、感光体から離間させる必要がある。
LEDヘッドを感光体から離間させる方法としては、画像形成装置のフロントカバー等の開閉動作に連動させて、LEDヘッドを潜像形成位置から退避位置に退避させたり、退避位置から潜像形成位置に復帰させる方法が既に知られている。
例えば、特許文献1には、感光体や現像装置を交換する時やジャム処理時に、LEDヘッドを感光体表面に潜像を形成する潜像形成位置から交換の邪魔とならない退避位置へ退避させる退避機構を備えた画像形成装置が記載されている。この退避機構では、LEDヘッドを感光体より離間される方向に付勢し、装置本体のフロントカバーを開閉する動作に連動させて、LEDヘッドの感光体に対する間隔を変化させている。
このような退避機構を備え、感光体や現像装置等のLEDヘッドの近傍に配設される消耗部品を装置本体から取り外す際に、これらの部材からLEDヘッドを離間させておくことで、飛散するトナーによりLEDヘッドが汚されることを防止できるというものである。
図12は、特許文献1に記載された上記退避機構である退避機構250のLEDヘッド231周辺の構造を示す概略構成図であり、図13は、退避機構250の平面図である。
図12に示すように、LEDヘッド231は、ホルダ233に保持されている。ホルダ233には、ガイドロッド236が設けられており、ガイドロッド236は、画像形成装置の本体フレーム240を貫通している。ガイドロッド236の端部には、バネ受け部242が設けられており、バネ受け部242とフレーム240との間に圧縮スプリング243が設けられている。
図12、図13に示すように、退避機構250は、1対の押し込みレバー245、動作レバー248、動作アーム251、押し当てリブ262などを有している。
一対の押し込みレバー245は、画像形成装置の本体のフレーム240の上面から立設する一対のブラケット247に回転自在に支持されたシャフト246に対して、所定の間隔を介して固定されている。動作レバー248は、このシャフト246長手方向中央部に固定されて、この動作レバー248には、ワイヤ249の一端が接続されている。ワイヤ249の他端は、フレーム240のフロント側(図13の下側)の位置に、揺動自在に取り付けられた動作アーム251の一端に固定されている。また、動作アーム251の一端側は、コイルバネ249Bにより図中D方向に付勢されている。
また、押し当てリブ262は、装置本体のフロント側にヒンジ261によって開閉可能に取り付けられたフロントカバー260の内面に設けられている。
フロントカバー260が閉じられている時は、押し当てリブ262が、動作アーム251の他端を図中矢印A方向に押し込んで、押し込みレバー245がバネ受け部242を圧縮スプリング243の付勢力に抗して、ホルダ233を感光体211側に押し込んでいる。これにより、LEDヘッド231が感光体211に所定の距離で対向し、感光体211上に潜像が形成できる潜像形成位置に配置される。
感光体211等を交換するために、フロントカバー260を開けると、押し当てリブ262が、図13の矢印A方向とは反対側へ移動する。すると、動作アーム251は、コイルバネ249Bや圧縮スプリング243の付勢力により、図13の矢印B方向に回動し、ワイヤ249が、図中矢印C方向へと移動する。ワイヤ249が図中C方向へ移動することで、ワイヤ249の一端が接続されている動作レバー248の回動支点であるシャフト246が図中矢印E方向に回転し、押し込みレバー245が、図12の矢印G方向へと回動する。これにより、ホルダ233が圧縮スプリング243の付勢力により図中矢印H方向へと移動し、LEDヘッド231が潜像形成位置から退避位置へと移動する。
フロントカバー260が完全に開くと、動作レバー248が図12の点線のような姿勢となり、押し込みレバー245がバネ受け部242から離間する。その結果、圧縮スプリング243が自由長にまで延び、ホルダ233とともにLEDヘッド231が図中点線に示す退避位置へ移動する。
図12、図13に示した退避機構250では、LEDヘッド231が潜像形成位置に位置するとき、動作レバー248は、LEDヘッド231を潜像形成位置から退避位置へ移動させる方向に回動するよう、圧縮スプリング243の付勢力により常に付勢されている。よって、感光体211等を交換する時に画像形成装置に衝撃などが加わっても、LEDヘッド231が容易に退避位置から潜像形成位置へ移動してしまうの抑制することができる。
しかし、退避機構250は、フロントカバー260が閉じられているときに、回動部材としての動作アーム251の回動を規制し、LEDヘッド231を潜像形成位置に位置させる規制手段である押し当てリブ262が、フロントカバー260に設けられている。また、LEDヘッド231が潜像形成位置に位置するときは、動作アーム251はコイルバネ249Bや圧縮スプリング243の付勢力によりLEDヘッド231を潜像形成位置から退避位置に移動させる方向に常に付勢されている。これらのため、次のような問題があった。
押し当てリブ262が、装置本体に対して可動する部材であるフロントカバー260に設けられているため、高温環境下でのフロントカバー260の変形の影響や、フロントカバー260からの外乱(外部衝撃)の影響を受けてしまう。これらの影響を受けてしまうと、LEDヘッド231を潜像形成位置に精度よく位置させる(配置)ことができなくなってしまう。そして、精度よくLEDヘッド231を潜像形成位置に位置させることができないと、LEDヘッド231の焦点距離が合わず、感光体211上に正確に静電潜像を形成することができない。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、潜像形成手段を精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段を前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成位置と前記潜像担持体から離間した退避位置との間で移動させる退避機構において、画像形成装置本体に回動自在に支持され、回動することで前記潜像形成手段を前記潜像形成位置と退避位置との間で移動させる回動部材と、前記回動部材を付勢する付勢手段と、前記潜像形成手段が前記潜像形成位置にあるとき、前記付勢手段の付勢力による前記回動部材の回動を規制する規制手段とを備え、前記回動部材は、前記規制手段により回動が規制される回動位置である規制位置から、前記潜像形成手段を前記退避位置に位置させるときの回動位置まで回動する間に、前記付勢力により当該回動部材に作用する力の方向が、当該回動部材の回動を阻止する阻止方向から、該阻止方向と逆方向に切り替わる回動位置である分極位置を有しており、前記回動部材が前記規制位置から前記分極位置に回動する間に、前記付勢力が増大するのを抑制する方向に、前記回動部材の回動支点が移動することを特徴とするものである。
本発明は、潜像形成手段を精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構を提供できる。
一実施形態に係る、画像形成装置の概要説明図。 露光装置周辺の概略構成図。 退避機構と、露光装置と、感光体とを示す斜視図。 参考例に係る、第1リンク部材を規制位置に位置させて、露光装置を潜像形成位置に位置させたときの退避機構の説明図。 参考例に係る、第1リンク部材を分極位置に位置させたときの退避機構の説明図。 参考例に係る、第1リンク部材を規制位置側から分極位置を越えて回動させ、露光装置を退避位置に位置させたときの退避機構の説明図。 参考例に係る、第1リンク部材を露光装置が退避位置から潜像形成位置へ移動する方向に回動させるときの退避機構の説明図。 実施例に係る、第1リンク部材を規制位置に位置させて、露光装置を潜像形成位置に位置させたときの退避機構の説明図。 実施例に係る、第1リンク部材を分極位置に位置させたときの退避機構の説明図。 実施例に係る、第1リンク部材を規制位置側から分極位置を越えて回動させ、露光装置を退避位置に位置させたときの退避機構の説明図。 実施例に係る、第1リンク部材を露光装置が退避位置から潜像形成位置へ移動する方向に回動させるときの退避機構の説明図。 従来の退避機構の書込ヘッド周辺の構造を示す概略構成図。 従来の退避機構の平面図。
以下、本発明を、画像形成装置であるレーザプリンタ(以下、単に「プリンタ1」という)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ1の概略構成図である。
本プリンタ1は、装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジ50、潜像形成手段としての露光装置60、転写ローラ70、給紙カセット10、定着装置80などを備えている。
プロセスカートリッジ50は、潜像担持体としてのドラム状の感光体3、帯電手段としての帯電ローラ4、現像手段としての現像装置2、クリーニング手段としてのクリーニング装置5などを有している。
感光体3は、図中反時計回りに回転駆動されながら、帯電手段としての帯電ローラ4により、その表面を一様に帯電される。その後、潜像形成手段としての露光装置60により画像情報に基づき露光されて、感光体3の表面に静電潜像が形成される。感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置2により現像され、感光体3上にトナー像が形成される。感光体3上に形成されたトナー像は、転写ローラ70を備えた転写手段としての転写ユニットにより、給紙カセット10から給紙ローラ12及びレジストローラ対14を経て搬送される記録材としての用紙上に転写される。
転写終了後の用紙は、定着手段としての定着装置80によりトナー像が定着され、排紙ローラ15によりプリンタ1の上部に設けられた排紙トレー上に排紙される。なお、転写されずに感光体3上に残留した転写残トナーは、クリーニング手段としてのクリーニング装置5により感光体3の表面から除去される。また、感光体3上の残留電荷は、不図示の除電手段としての除電ランプで除去される。
本実施形態のプリンタ1では、感光体3や現像装置2の経時劣化によりプロセスカートリッジ50の交換が必要な場合には、プリンタ本体の前面側である図中左側の側面に設けられた開閉部材である開閉カバー91を開ける。そして、開閉カバー91を開けることで開放された開口部からプロセスカートリッジ50を図中左側に取り出すことができる構成となっている。このように構成することで、プロセスカートリッジ50を装置から容易に着脱することができる。また、スキャナー等を上部に設けた複合機等においても、重量バランスを考慮した設計を行うことができる。なお、本実施形態では、感光体3と現像装置2とを一体に支持するプロセスカートリッジ50としたが、感光体3と現像装置2とを個別に着脱可能な構成にしてもよい。
ここで、本実施形態のプリンタ1では、潜像形成手段である露光装置60に、感光体3の長手方向に配列されたLEDや有機EL素子等の複数の発光素子と複数のレンズ等とで構成された書込ヘッド64(図2参照)を有している。
書込ヘッド64は、焦点距離が短いため、露光装置60を感光体3に近接配置する必要がある。このように、露光装置60を感光体3に近接配置するため、プロセスカートリッジ50を装置本体に対して着脱するとき邪魔となる。そのため、本実施形態のプリンタ1では、開閉カバー91の開閉動作に連動して、感光体3に近接した潜像形成位置と、感光体3から離間した退避位置との間を、潜像形成手段である露光装置60を移動させる退避機構を備えることとした。
開閉カバーの開閉動作に連動して潜像形成手段を移動させる退避機構としては、例えば、図12及び図13を用いて説明した退避機構250が知られている。
しかし、退避機構250では、上記したように、潜像形成手段であるLEDヘッド231を、潜像形成位置と退避位置との間で移動させる回動部材としての動作アーム251は、次のように付勢されている。LEDヘッド231が潜像形成位置に位置するとき、付勢手段であるコイルバネ249Bや圧縮スプリング243の付勢力によりLEDヘッド231を潜像形成位置から退避位置へ移動させるときに回動する方向に常に付勢されている。
また、動作アーム251の回動を規制し、LEDヘッド231を潜像形成位置に位置させる規制手段である押し当てリブ262が、装置本体に対して開閉されるフロントカバー260に設けられている。
これらのため退避機構250では、LEDヘッド231を潜像形成位置から退避位置に移動させる動作を開始する前でも、外乱等の影響を受けてLEDヘッド231を精度よく潜像形成位置に位置させることができない場合がある。
なお、退避機構250では、LEDヘッド231が潜像形成位置にあるとき、コイルバネ249Bや圧縮スプリング243の付勢力によりLEDヘッド231を潜像形成位置から退避位置へ移動させる方向に動作アーム251を回動させる力が作用している。そして、この力で回動する動作アーム251のLEDヘッド231を潜像形成位置から退避位置へ移動させる方向の回動を押し当てリブ262で規制している。このため、退避機構250では、押し当てリブ262の位置を固定すると、動作アーム251はLEDヘッド231が潜像形成位置にあるときの規制位置を越えて回動できず、LEDヘッド231を潜像形成位置から退避位置へ移動させることができなくなる。
そこで、退避機構250では、押し当てリブ262を装置本体に対し移動可能な部材であるフロントカバー260に設けている。
また、フロントカバー260を閉位置に維持する構成によっては、振動等の外乱を画像形成装置が受けた際、フロントカバー260が急激に押されて開く場合もある。このようにフロントカバー260が開くと、意図しないタイミングでLEDヘッド231が潜像形成位置から退避位置に移動してしまい、LEDヘッド231を潜像形成位置に位置させることができないとともに、利用者の利便性も損なってしまう。
そこで、本実施形態のプリンタ1では、上記した従来の退避機構250の問題点に鑑み、次のような退避機構を備えることとした。露光装置60を精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構100である。加えて、露光装置60を長期に亘り精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構100である。また、退避動作が長期に亘って繰り返し行われても、露光装置60の耐久性の低下を抑制できる退避機構100である。
次に、本実施形態のプリンタ1に備える退避機構100の実施例、及び参考例について説明する。
以下に説明する退避機構100の実施例と参考例では、開閉カバー91の開閉動作に連動して、露光装置60を潜像形成位置と退避位置との間で移動させる、装置本体に回動自在に支持される回動部材である第1リンク101の支持方法等に係る点のみが異なる。
そこで、本実施形態の参考例から説明する。なお、以下の参考例及び実施例においては、同様な機能を果す機構や同一な部材については同一の符号を付すとともに、同様な構成や動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。
(参考例)
まず、本実施形態の退避機構100の参考例から、図を用いて説明する。
図2は、露光装置60周辺の概略構成図、図3は、退避機構100と、露光装置60と、感光体3とを示す斜視図であり、露光装置60が感光体3に潜像を形成する潜像形成位置に位置しているときの状態を示している。図4は、本参考例に係る、第1リンク101を規制位置に位置させて、露光装置60を潜像形成位置に位置させたときの退避機構100の説明図である。図5は、本参考例に係る、第1リンク101を分極位置に位置させたときの退避機構100の説明図であり、露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させる方向に回動させた場合の説明図である。
図6は、本参考例に係る、第1リンク101を規制位置側から分極位置を越えて回動させ、露光装置60を退避位置に位置させたときの退避機構100の説明図である。図7は、本参考例に係る、第1リンク101を露光装置60が退避位置から潜像形成位置へ移動する方向に回動させるときの退避機構100の説明図である。
なお、本参考例の各図、及び後述する実施例の各図では、感光体3の回転軸に略垂直な2枚の装置本体内に設けたガイド手段等を設ける側板(以下、本体側板という)は、各図が見ずらくなるため、図示を省略している。また、2枚の本体側板に設けられるガイド手段や各軸を支持する孔等は、各図が見ずらくなるため、その輪郭線だけを記載している。
図2に示すように潜像形成手段である露光装置60は、書き込み部である書込ヘッド64と、書込ヘッド64を保持する保持部材であるホルダ65とを有している。ホルダ65にはバネ部材66が設けられ、書込ヘッド64は、バネ部材66によって感光体3方向に付勢されてホルダ65に保持されている。書込ヘッド64は、画像情報に基づいて所定の位置の発光素子を発光させ、レンズを介して感光体3に照射することで感光体3を露光し、感光体3上に静電潜像を形成する。
ホルダ65の長手方向両端側面には、後述する退避機構100の第2回動部材である第2リンク102に支持される支持突起62と不図示の案内突起63(図3参照)とが設けられている。そして、支持突起62が第2回動部材である第2リンク102の回動にともない、後述する潜像ガイド手段である、感光体3の回転軸に略垂直な本体側板に設けられた露光案内孔105b(図4参照)に案内されて移動する。そして、同じく露光案内孔105bに案内される案内突起63が姿勢を規定して、ホルダ65が第2リンク102の回動に応じた位置まで移動する。なお、露光案内孔105bは短辺部と長辺部とを持つ屈曲形状の軌跡を描くように形成された長孔であり、支持突起62及び案内突起63は、この露光案内孔105bを貫通するように設けられ、露光案内孔105bの軌跡に沿って案内されることとなる。
プロセスカートリッジ50のケース50aには、露光装置60が潜像形成位置で位置決めされる規制部である位置決め部24が設けられている。具体的には、露光装置60に有した書込ヘッド64がこの位置決め部24に当接して位置決めされることにより、書込ヘッド64が、感光体3に対して所定の距離で位置めされ、良好な潜像を形成することができる。このように感光体3を備えたプロセスカートリッジ50のケース50aに露光装置60の位置決め部を設けることで、露光装置60を感光体3に対して、精度よく位置決めすることができる。
また、ケース50aには、露光装置60の書込ヘッド64を位置決め部24にガイドする潜像ガイド手段としてのガイド部23が設けられている。後述する退避機構100により、露光装置60が退避位置から潜像形成位置に移動するとき、このガイド部23により書込ヘッド64が所定の位置である位置決め部24に案内することができる。その後、書込ヘッド64が上記した位置決め部24に当接して、所定の潜像形成位置で位置決めされることとなる。
図3に示すように、退避機構100は、感光体3の長手方向に沿って配置される露光装置60の長手方向の一端側と他端側とに設けられ、露光装置60の両端の動きの偏差を抑制することができる構成となっている。片側のみに設けるほうが部品点数も少なくなるが、それでは、退避機構100のない側が退避機構100のある側に追従する形になり、両端の動きの偏差ができてしまう。また、露光装置60を両側から回転自在に支持するとともに、装置本体に回動自在に支持された第2の回動部材である2つの第2リンク102は、退避機構連結部材107で連結されて一体化されており、退避機構100の左右の捩れを抑制できる構成となっている。
一端側の退避機構と、他端側の退避機構とを連結させていない場合、一端側の退避機構と他端側の退避機構とで動作の遅れが生じると、露光装置60を移動させるときに、上記したように露光装置60に捩れが生じおそれがある。このように露光装置60を移動させるときに露光装置60が捩れると、露光装置60のホルダ65の長手方向両端部の側面に設けられた支持突起62や案内突起63が、露光案内孔105bに突き当り、各突起が露光案内孔105b内をスムーズに移動できなくなる。その結果、露光装置60をスムーズに移動させることができないおそれがある。
一方、本参考例のように、退避機構連結部材107により一端側の退避機構100と他端側の退避機構100とを連結することで、一端側の退避機構100と他端側の退避機構100とを一体的に動作させることができる。これにより、露光装置60の捩れを抑制することができ、露光装置60をスムーズに移動させることができる。
ここで、各退避機構100は、露光装置60を、その長手方向の両端部側から挟むようにして支持することに係る構成を除き、ほぼ同様な構成である。したがって、以下の説明では、いずれかの方向から露光装置60を支持するのか特定する必要が無い限り、区別せずに説明する。
図4に示すように、退避機構100は、装置本体に回動自在に支持された回動部材である第1リンク101と、上記した第2リンク102と、第1リンク101と第2リンク102とを連結する連結手段としての連結機構103とを備えている。また、連結機構103に有した第2の中間リンク部材である第2連結部材103bを、露光装置60が感光体3より離間する方向に付勢する付勢手段として、引っ張りばねである引っ張りスプリング104も備えている。
なお、図4紙面に対して前後に対向するように設けられている不図示の2枚の本体側板には、上記したように複数のガイド手段や各軸を支持する孔等が、それぞれ対向するように設けられている。
連結機構103は、第1の中間リンク部材である第1連結部材103aと、第2の中間リンク部材である第2連結部材103bと、第1連結部材103aと第2連結部材103bとを互いに回転自在に連結する連結軸103cとを有している。
第1連結部材103aは、第1リンク101に設けられた第1回転軸101bに回転自在に支持され、その中心が第1回転支点となる第1連結孔が一端側近傍に設けられている。一方、他端側近傍に連結軸103cに回動自在に支持され、その中心が第2回転支点となる第2連結孔が設けられている。
ここで、第1連結部材103aの第1連結孔の中心と、第1リンク101の第1回転軸101bの軸心とは同軸となっている。また、第1回転軸101bの第1連結孔側の端部には、露光装置60を退避位置から潜像形成位置に移動させるとき、開閉カバー91に設けられたフック部材92の第2当接面92bが当接する第2当接部である当接部112が形成されている。
第2連結部材103bは、一端側近傍に連結軸103cに回動自在に支持され、その中心が第3回転支点となる第3連結孔が設けられている。一方、他端側近傍に第2リンク102に設けられた第2回転軸102bに回転自在に支持され、その中心が第4回転支点となる第4連結孔が設けられている。また、この第2連結部材103bには、付勢手段である引っ張りスプリング104の一端側を引っ掛ける引っ掛け部113が設けられ、引っ張りスプリング104の他端側が装置本体に引っ掛けられて第2連結部材103bを図3中矢印S方向に付勢している。
ここで、第2連結部材103bの第3連結孔と、第1連結部材103aの第2連結孔とは同一の連結軸103cに回転自在に支持されており、第2連結部材103bの第3回転支点と第1連結部材103aの第2回転支点は同軸となっている。
連結軸103cは、感光体3の回転軸に略垂直な本体側板に設けられた所定の方向である、図4図中、閉じた状態の開閉カバー91の外部側面に略垂直な方向に伸びた長孔状の第1ガイド手段である連結案内孔105aを貫通している。
また、上記したように連結軸103cは、第1連結部材103aの第2回転支点となる第2連結孔の中心、及び第2連結部材103bの第3回転支点となる第3連結孔の中心と同軸になる。
そして、連結機構103は、連結軸103cが連結案内孔105aに案内されながら、第1リンク101の回動にともなう第1回転軸101bの変位を第2リンク102に伝達して、第2リンク102を回動させる。
詳しくは後述するが、露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させる場合には、図4の状態から図5の状態、図5の様態から図6の状態へと第2リンク102を回動させる。また、図5の図中矢印で示した回動方向は逆方向となるが、露光装置60を退避位置から潜像形成位置に移動させる場合には、図7の様態から図5の状態へ、図5の状態から図4の状態へと第2リンク102を回動させる。
本参考例の連結機構103は、上記したように2本の中間リンク部材である第1連結部材103aと第2連結部材103bとから構成されており、露光装置60の自由な退避軌跡を描くことができる。このため、露光装置60を感光体3から離間させるために必要な退避機構100のスペース(退避軌跡含む)を小さくすることができる。連結機構103を構成する中間リンク部材は、2本に限らないが、1本では退避軌跡が限られてきて、また3本以上だとリンクを配置するスペースが必要となるため、図4に示した本参考例の構成以上に退避手段のスペースが大きくなってしまう。
また、第2連結部材103bに設けられた引っ掛け部113に引っ掛けられた引っ張りスプリング104は、その付勢力により連結機構103を介して、第1リンク101を付勢するとともに、第1リンク101の回動位置に応じて、第2リンク102も回動させる。この第2リンク102の回動にともない、2つの第2リンク102で両側から回転自在に支持された露光装置60が、露光案内孔105bに案内されて潜像形成位置と退避位置との間で移動することとなる。
また、付勢手段である引っ張りスプリング104は、第1リンク101にも設けることはできるが、本参考例では、連結機構103(第2連結部材103b)に設けることによって退避機構100の構成を小さく(装置本体を小さく)する構成となっている。これは、連結機構103の第1連結部材103a、第2連結部材103b、及び連結軸103cの動作のために空けたスペースに引っ張りスプリング104を配置することができ、装置本体の小型化を図ることができるためである。
第2リンク102は、感光体3の回転軸に垂直な本体側板に設けられた支持孔を貫通する第2回動軸102aと、連結機構103に有した第2連結部材103bの第2連結孔を回転自在に支持する第2回転軸102bとが設けられている。また、露光装置60のホルダ65の長手方向両端部に設けられた支持突起62が貫通し、第2リンク102の回動支点である第2回動軸102aに向かって延びる長孔状の支持孔102cも設けられている。
露光装置60のホルダ65に設けられた支持突起62がこの支持孔102cを貫通することにより、露光装置60が退避機構100に支持される。また、上記したように露光装置60のホルダ65に設けられた支持突起62及び案内突起63は、露光案内孔105bを貫通するように設けられ、露光案内孔105bの軌跡に沿って案内されることとなる。
そして、第2リンク102は、第1リンク101の回動にともない、第2回転軸102bで回転自在に支持する第2連結部材103bの第4連結孔が移動することで、第2回動軸102aを回動中心として回動し、露光装置60を移動させることとなる。
上記のように、第2回動部材である第2リンク102は、露光装置60を回転自在に支持することによって、露光装置60を省スペースで、且つこじることなく感光体3に対し離間/近接させることができる構成となっている。
第1リンク101は、中心角が略90°の扇形状をしており、略90°の角部近傍に、その回動支点である第1回動軸101aが設けられている。また、第1リンク101の円周方向一端近傍(第1回動軸101aの図4図中右側)には、連結機構103に有した第1連結部材103aの第1連結孔を回転自在に支持する第1回転軸101bが設けられている。そして、円周方向他端近傍には、後述する第1リンク101を回動させる作用部材である不図示のフック部材92の第1当接面92aが、露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させるときに当接する第1当接部であるボス部101cが設けられている。
また、第1リンク101は、図4図中下方の辺に突き当て面を有しており、露光装置60が潜像形成位置に位置しているとき装置本体に設けられた規制部材である突き当て部106に突き当たることによって第1リンク101の回動が規制される。このように規制することで、露光装置60を、感光体3から所定の距離だけ離間した位置に案内することができる。
なお、本参考例では、フック部材92は開閉カバー91に設けられている。また、露光装置60を退避位置から潜像形成位置に移動させるときにフック部材92が当接する第2当接部としては、連結機構103に有した第1連結部材103aの第1連結孔が設けられた側の端部に形成された当接部112が機能する。
また、感光体3の回転軸に略垂直な不図示の2枚の本体側板には、上記したように複数のガイド手段や各軸を支持する孔等が、それぞれ対向するように設けられている。
具体的には、図4を用いて説明すると、装置本体の前面側である図中左側の下部近傍の位置には、開閉カバー91の回動支点であるカバー回動軸91aを回転自在に支持するカバー軸孔が設けられている。このカバー軸孔の右側上方には、開閉カバー91の開閉動作に連動して回動する第1リンク101の回動支点である第1回動軸101aを回転自在に支持する第1回動軸孔が設けられている。この第1回動軸孔の右側上方には連結機構103の連結軸103cを案内する第1ガイド手段である連結案内孔105aが、閉じた状態の開閉カバー91の外部側面に略垂直な方向に伸びる長孔状に形成されている。
また、連結案内孔105aの右側下方には、連結機構103の第2連結部材103bの第4連結孔の移動にともない回動する、第2リンク102の回動支点である第2回動軸102aを回転自在に支持する第1回動軸孔が設けられている。この第1回動軸孔の右斜め上方には、第2リンク102の支持孔102cに回転可能に支持される露光装置60のホルダ65に設けられた支持突起62と、案内突起63とを案内する屈曲形状に形成された露光案内孔105bが設けられている。
また、この本体側板には、図4に示すように、露光装置60が潜像形成位置に位置したときの、第1リンク101の回動位置を規制して維持する規制部材である突き当て部106が、不図示のステーを介して固定されている。なお、感光体3の回転軸を軸受を介して支持する不図示の感光体軸孔等も設けられている。
本参考例では、連結案内孔105aは、上記のように長孔状に形成され、第1リンク101側に近い側の一端部は、図6に示す露光装置60が退避位置に位置する際の、連結機構103の連結軸103cの位置を規制するように形成されている。すなわち、連結案内孔105aの第1リンク101側端部が、露光装置60を退避位置に退避させる際の退避位置を規制する退避位置規制手段として、連結案内孔105aの第1リンク101側端部に衝突する連結軸103cが被退避位置規制部材として機能する。
一方、露光装置60を潜像形成位置に規制する潜像形成位置規制手段としては突き当て部106が機能し、被潜像形成位置規制手段としては第1リンク101が機能する。このため、連結案内孔105aの第2リンク102側に近い側の他端部は、露光装置60が潜像形成位置に位置したときでも、連結軸103cが衝突しないように、余裕を持って設けられている。また、屈曲形状に形成された露光案内孔105bの両端部も、露光装置60が潜像形成位置又は退避位置に位置したときでも、露光装置60のホルダ65に設けられた支持突起62又は案内突起63が衝突しないように、余裕を持って設けられている。
また、露光案内孔105bは、屈曲形状の短辺部側を延長した先に、上記した連結案内孔105aの感光体3側端部が位置し、且つ、長辺部側を延長した先に感光体3の回転軸が位置するように設けられている。
また、上記した退避機構100に係る主な孔は、連結案内孔105aと露光案内孔105bとを除くと、いずれも支持する軸との間隙は、支持する軸を回転自在に支持できる分しか設けておらず、ガタツキを抑制できるように構成している。
そして、図4に示すように、第1連結部材103aに連結軸103cで互いに回転自在に連結されている第2連結部材103bの、図中、略中央の上部に設けられた引っ掛け部113には、付勢手段である引っ張りスプリング104の一端側が引っ掛けられている。
この引っ張りスプリング104の付勢力により、連結軸103cは本体側板に設けられた所定の方向である閉じた状態の開閉カバー91の外部側面に略垂直な方向に伸びる長孔状の連結案内孔105aに案内され、第1リンク101側へ移動するような力を受ける。そして、引っ張りスプリング104の付勢力により連結軸103cが受ける力が各リンク部材等に作用する。
ここで、開閉カバー91の開閉動作から独立した状態における、上記した連結軸103cが受ける力により、退避機構100の第1リンク101に作用する力について説明する。
図4に示すように、露光装置60が潜像形成位置にあるとき、第1リンク101の回動支点である第1回動軸101aと、連結機構103の連結軸103c及び第1連結部材103aとの関係は次のようになっている。
第1リンク101の第1回動軸101aの軸心と、連結軸103cの軸心とを通る直線:L0よりも、第1リンク101の第1回転軸101bの軸心が図中下側にある。すなわち、回動部材である第1リンク101の回動中心と、中間リンク部材である第1連結部材103aの第2回転支点とを通る直線:L0よりも、第1連結部材103aの第1回転支点が図中下側にある。
その結果、連結軸103cの第1リンク101側へ移動するような力によって、第1回転軸101bの軸心を図中下方に移動させようとする力が生じる。そして、この生じた力により、第1リンク101を、図中時計回りの方向(以下、第2の回動方向という)に回動させようとする力が作用する。その結果、第1リンク101は、装置本体に設けられた規制手段である突き当て部106に突き当たり、その回動が規制される。この突き当て部106により規制された回動位置が第1リンク101の規制位置となる。
このように、第1リンク101が、連結機構103を介して付勢手段である引っ張りスプリング104の付勢力により、図中時計回り方向に回動させる力が作用し、突き当て部106に突き当たることで、露光装置60を潜像形成位置に位置させている。
また、図6に示すように、露光装置60が退避位置にあるとき、第1リンク101の回動支点である第1回動軸101aと、連結機構103の連結軸103c及び第1連結部材103aとの関係は次のようになっている。
第1リンク101の第1回動軸101aの軸心と、連結軸103cの軸心とを通る直線:L2よりも、第1リンク101の第1回転軸101bの軸心が図中上側にある。すなわち、回動部材である第1リンク101の回動中心と、中間リンク部材である第1連結部材103aの第2回転支点とを通る直線:L2よりも、第1連結部材103aの第1回転支点が図中上側にある。
その結果、連結軸103cの第1リンク101側へ移動するような力によって、第1回転軸101bの軸心を図中上方に移動させようとする力が生じる。そして、この生じた力により、第1リンク101を、図中反時計回りの方向(以下、第1の回動方向という)に回動させようとする力が作用する。その結果、第1リンク101は、被退避位置規制手段として機能する連結軸103cの移動が、退避位置規制手段として機能する連結案内孔105aの第1リンク101側端部で規制されて、その回動が規制される。
このように連結案内孔105aの第1リンク101側端部で、連結軸103cの移動が規制されることで、露光装置60を退避位置に位置させている。
そして、露光装置60が潜像形成位置と退避位置との間にあるとき、図5に示すように第1リンク101の第1回動軸101aの軸心と、連結軸103cの軸心とを通る直線:L1上に、第1リンク101の第1回転軸101bの軸心が位置するときがある。すなわち、回動部材である第1リンク101の回動中心と、中間リンク部材である第1連結部材103aの第2回転支点とを通る直線:L1上に、第1連結部材103aの第1回転支点が位置するときがある。
このように第1回転軸101bの軸心が位置するような第1リンク101の回動位置では、連結軸103cが受ける力が第1リンク101の第1回動軸101aの中心に向け作用する。したがって、第1リンク101を回動させようとする力はいずれの方向にも作用しない。
そして、この図5に示した第1リンク101の回動位置は、引っ張りスプリング104の付勢力が作用して第1リンク101を回動させる方向が、切り替わる回動位置である分極位置となっている。
ここで、上記した引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を回動させる力が作用する方向をまとめると次のようになる。
図4に示すように第1回動軸101aと連結軸103cの中心を通る直線:L0よりも、第1回転軸101bの中心が図中下方にある場合、第1リンク101を図中時計回りの方向である第2の回動方向に回動させる力が作用する。また、図5に示すように第1回動軸101aと連結軸103cの中心を通る直線:L1上に第1回転軸101bの中心がある場合、第1リンク101を回動させる力はいずれの方向にも作用しない。そして、図6に示すように第1回動軸101aと連結軸103cの中心を通る直線:L2よりも、第1回転軸101bの中心が図中上方にある場合、第1リンク101を図中反時計回りの方向である第1の回動方向に回動させる力が作用する。
本参考例の退避機構100では、第1リンク101は、突き当て部106により回動が規制される回動位置である規制位置と、露光装置60を退避位置に位置させるときの回動位置との間に、上記した分極位置を有している。すなわち、第1リンク101は、規制位置から露光装置60を退避位置に位置させるときの回動位置まで回動する間に、引っ張りスプリング104の付勢力により作用する力の方向が、回動を阻止する阻止方向から、その逆方向に切り替わる分極位置を有している。
この分極位置に第1リンク101が位置したとき、第1リンク101の第1回動軸101aと連結軸103cの軸心を通る直線:L1上に第1リンク101の第1回転軸101bが位置することとなる。すなわち、分極位置に第1リンク101が位置すると、第1リンク101の回動支点となる第1回動軸101aと、第1連結部材103aの第1回転支点及び第2回転支点とそれぞれ同軸な、第1回転軸101b及び連結軸103cの軸心(中心)が一直線上になる。
ここで、第1リンク101の第1回動軸101aと連結軸103cの中心との距離は、第1リンク101が図6に示す、露光装置60を退避位置に位置させたときが最も短く、第1リンク101が図5に示す分極位置に位置するときが最も長くなる。このため、第1リンク101が図4に示す規制位置から、図5に示す分極位置まで回動する間、連結軸103cは、連結案内孔105aに案内されて、図5図中右側、つまり感光体3側に移動する。この移動により第2リンク102が第2回動軸102aを中心に回動し、露光装置60が感光体3側に近づくが、上記したように露光装置60の書込ヘッド64はバネ部材66を介してホルダ65に支持されており、書込ヘッド64と感光体3との距離は変化しない。
次に、本参考例の退避機構100で行う、プリンタ1に備えた開閉カバー91の作業者による開閉動作に連動させた、露光装置60の潜像形成位置と退避位置との間の移動について説明する。
図4に示すように、開閉カバー91が閉じられ、露光装置60が潜像形成位置にあるとき、第1リンク101は、図中下方の辺に有した突き当て面が突き当て部106に突き当たった回動位置である規制位置に位置している。また、この規制位置は、上記した分極位置よりも図4図中、第2の回動方向に回動した位置であり、引っ張りスプリング104の付勢力により露光装置60を退避位置から潜像形成位置へ移動させる方向に第1リンク101を回動させる力が作用している。そして、第1リンク101は、上記のような力が作用した状態で、その回動位置が規制位置に維持されるとともに、露光装置60も潜像形成位置に維持(規制)される。
このように維持されているので、上記従来の退避機構250と異なり、露光装置60が潜像形成位置にあるときに引っ張りスプリング104の付勢力が作用して、第1リンク101が露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動するように回動することがない。
また、規制位置と分極位置との間で第1リンク101が回動する間は、露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させる力が働かない。このため、規制位置と分極位置との間で第1リンク101が回動する間は、露光装置60が潜像形成位置から退避位置に移動することを抑制でき、露光装置60を潜像形成位置に確実に位置決めすることができる。
また、プリンタ1に備えた開閉カバー91には、その開閉動作を第1リンク101の回動動作に連動させる鉤形状の作用部材としてのフック部材92が設けられている。このフック部材92は、図4に示すように開閉カバー91を閉じた状態で、開閉カバー91の外部側面に略垂直な方向に感光体3側に持ち出された持出部と、その自由端付近から下方に垂れ下がるように形成された突出部とが設けられた鉤形状の部材である。フック部材92の突出部の開閉カバー91本体側には、開閉カバー91を開くときに第1リンク101のボス部101cと当接する第1当接面92aが形成されている。一方、フック部材92の突出部の感光体3側には、開閉カバー91を閉じるときに第1連結部材103aの当接部112と当接する第2当接面92bが形成されている。
また、上記したように開閉カバー91が閉じられており、露光装置60が潜像形成位置にあるときは、第1リンク101の回動位置は規制位置に維持されており、ボス部101cや当接部112の位置も第1リンク101の回動位置に応じた位置に維持される。このため、図4に示すように、開閉カバー91が閉じられており、露光装置60が潜像形成位置にあるときは、フック部材92の第1当接面92aを、第1リンク101のボス部101cから離間させることができる。また、フック部材92の第2当接面92bも、第1リンク101の第1回転軸101bに回転自在に支持されている第1連結部材103aの当接部112から離間させることができる。つまり、本参考例の退避機構100では、開閉カバー91が閉状態のときには、第1リンク101のボス部101c及び第1連結部材103aの当接部112のいずれとも、フック部材92の各当接面を非接触状態にすることができる。
したがって、本参考例の退避機構100では、開閉カバー91が閉じられており、露光装置60が潜像形成位置にあるとき、退避機構100側から開閉カバー91側に負荷を与えず、また、退避機構100側が開閉カバー91側から負荷を受けないように構成できる。
このため、高温環境下で開閉カバー91が変形するなどして、フック部材92の第1当接面92aの位置が正規の位置から開閉カバー91の開き方向側(図4の左側)に多少ずれても、第1当接面92aが第1リンク101のボス部101cに接触しない。また、高温環境下で開閉カバー91が変形するなどして、フック部材92の第2当接面92bの位置が正規の位置から開閉カバー91の閉じ方向側(図4の右側)に多少ずれても、第2当接面92bが第1連結部材103aの当接部112に接触することがない。
したがって、作用部材が回動部材に当接する、先の図12、13に示した従来の退避機構250に比べて、露光装置60の感光体に対する位置を精度よく出すことができる。また、開閉カバー91が外部衝撃を受けるなどして振動しても、退避機構100に伝達される振動を低減し、露光装置60が振動するのを抑制することができる。
よって、本参考例の退避機構100では、開閉カバー91が閉状態のとき、高温環境下での開閉カバー91の変形の影響や、開閉カバー91からの外乱(外部衝撃)を受けないようにでき、潜像形成手段である露光装置60を確実に位置決めすることができる。
また、図4に示すように露光装置60が潜像形成位置にあるときには、上記したように第1リンク101には、引っ張りスプリング104の付勢力により露光装置60を退避位置から潜像形成位置へ移動させる方向に第1リンク101を回動させる力が作用している。そして、この力で回動する第1リンク101の露光装置60を退避位置から潜像形成位置へ移動させる方向の回動を突き当て部106で規制している。このため、本参考例の退避機構100では、突き当て部106の位置を固定しても、第1リンク101は露光装置60を潜像形成位置から退避位置へ移動させる方向に回動して、露光装置60を潜像形成位置から退避位置へ移動させることができる。
したがって、本参考例の退避機構100は、突き当て部106を装置本体に固定することで、装置本体に対して可動する部材に設ける上記従来の退避機構250に比べて、外乱等により、突き当て部106による規制位置にばらつきが生じるのを抑制できる。
よって、露光装置60を精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構100を提供できる。
また、上記したように分極位置を設けて、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を回動させる力が作用する方向を分けている。そして、分極位置を越えて規制位置側に第1リンク101を第2の回動方向に回動させて、露光装置60を潜像形成位置に近接させるときには、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を回動させる力が作用するように構成している。このため、開閉カバー91のフック部材92の第2当接面92bから第1連結部材103aの当接部112が離間した後でも、露光装置60を感光体3に対して確実に近接させることができ、また露光装置60の位置を確実に決めることができる。すなわち、分極位置を越えて規制位置側に第1リンク101を回動させるとき、開閉カバー91の影響を低減し、退避機構100のみで露光装置60を感光体3に近接させることができ、露光装置60の位置を潜像形成位置に確実に位置決めすることができる。
この露光装置60が潜像形成位置に位置した状態から、露光装置60を退避位置へ移動させるときはには、作業者は、図5に示すように開閉カバー91の上部を、図中矢印方向に移動させる開動作を行い、カバー回動軸91aを中心に反時計回りに回動させる。すると、離間状態にあった開閉カバー91に設けたフック部材92の第1当接面92aが、規制位置に位置した第1リンク101のボス部101cに当接する。当接した後も開閉カバー91の開動作を続けると、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101に作用する第1リンク101を第2の回動方向に回動させる力に抗して、第1リンク101を第1の回動方向に回動させ始める。
その後、第1リンク101の回動位置が、図5に示した分極位置を越えると、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を回動させる力が作用する方向が、第2の回動方向から第1の回動方向に切り替わりる。そして、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を、露光装置60が潜像形成位置から退避位置に移動する第1の回動方向に回動させる力が作用し始める。
そこで、本参考例の退避機構100では、第1リンク101の分極位置を越えた第1の回動方向の回動が進行するほど、第1リンク101のボス部101cに対するフック部材92の第1当接面92aの掛かりしろが減少するように構成している。また、第1リンク101が、図6に示した退避位置に露光装置60が位置する回動位置まで回動する前に掛かりしろがなくなるように構成している。掛かりしろがなくった後、第1リンク101は、回動してきた慣性力と、引っ張りスプリング104の付勢力により作用する力とで回動し、退避位置まで露光装置60を移動させ、連結軸103cの移動が連結案内孔105aで規制され、その回動が規制される。
一方、開閉カバー91は、掛かりしろがなくなった後も、作業者の開動作、慣性力、又は自重で回動し続け、プロセスカートリッジ50の交換作業を邪魔しない回動位置である全開位置まで回動して開き、不図示のカバー開位置規制手段で、その回動が規制される。
なお、図6に破線で示すとともに、60’の符号を付したものは、潜像形成位置にあるときの第2リンク102及び露光装置60の外郭線である。
ここで、露光装置60を退避位置に移動させ、開閉カバー91が全開位置まで回動させて開いた後には、プロセスカートリッジ50の交換を行うことになる。
本参考例のプリンタ1では、作業者がプロセスカートリッジ50を装置本体から取り外す時の引き出し方向が、図6図中矢印Xで示した方向である。
そして、本参考例の退避機構100では、図6に示すように案内突起63が、露光案内孔105bの屈曲形状の短辺部側の部分にくると、露光装置60が、プロセスカートリッジ50の引き出し方向と略平行となるように構成している。すまわち、退避位置に露光装置60が位置するとき、露光装置60を、開閉カバー91により開閉されるプリンタ1の装置本体の開口部から引き出されるプロセスカートリッジ50の引き出し方向と略平行に保持するように構成している。
このように構成することで、露光装置60を潜像形成位置から退避位置へ移動させるためのスペースを狭めることができ、プリンタ1の小型化を図ることができる。
プロセスカートリッジ50を交換した後、作業者は、図6に示すように開閉カバー91を開いて、露光装置60を退避位置に位置させた状態から、図4に示すように開閉カバー91を閉じ、露光装置60を退避位置から潜像形成位置に移動させる作業を行う。
本参考例の退避機構100では、露光装置60を退避位置から潜像形成位置に移動させるときの第1リンク101の回動も、作業者が行う開閉カバー91の閉動作に次のようにして連動させている。
図6に示すように開閉カバー91が開いて、露光装置60が退避位置に位置した状態から、作業者は、開閉カバー91を閉じる方向(図6中時計回り方向)に回動させる。すると、図7に示すように、開閉カバー91に設けたフック部材92の第2当接面92bが、第1リンク101の第1回転軸101bに回転自在に支持された第1連結部材103aに形成された第2当接部である当接部112に当接する。
図7に示す状態から、開閉カバー91をさらに閉じていくと、フック部材92により第1連結部材103aが押され、引っ張りスプリング104の付勢力に抗して連結軸103cが移動し、第1リンク101を図中時計回りである第2の回動方向に回動させる。その後、作業者は、図5に示す分極位置に第1リンク101が回動するまで、開閉カバー91を閉位置に向けて押し続け、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101に作用する力に抗して、第1リンク101を第2の回動方向に回動させる。
その後、第1リンク101の回動位置が、図5に示した分極位置を越えると、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を回動させる力が作用する方向が、第1の回動方向から第2の回動方向に切り替わる。そして、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を、露光装置60が退避位置から潜像形成位置に移動する第2の回動方向に回動させる力が作用し始める。このため、作業者による開閉カバー91(フック部材92の第2当接面92b)の押し込みは、第1リンク101の回動位置が図5に示す分極位置を越えるまでで良い。
そこで、本参考例の退避機構100では、第1リンク101の第2の回動方向の回動が進行するほど、第1連結部材103aの当接部112に対するフック部材92の第1当接面92aの掛かりしろが減少するように構成している。また、第1リンク101が、図5に示した分極位置を越えて第2の回動方向回動すると掛かりしろがなくなるように構成している。掛かりしろがなくった後、第1リンク101は、回動してきた慣性力と、引っ張りスプリング104の付勢力により作用する力とで回動して、潜像形成位置まで露光装置60を移動させ、その突き当て面が突き当て部106突き当り、その回動が規制される。また、図2に示すように、露光装置60が、プロセスカートリッジ50のガイド部23に案内されながら、プロセスカートリッジ50の位置決め部24へ移動し、露光装置60が位置決め部24に突き当たって、潜像形成位置で位置決めされる。
一方、開閉カバー91は、掛かりしろがなくなった後も、作業者の閉動作、慣性力、又は自重で回動し続け、図4に示す回動位置である全閉位置まで回動して閉じ、不図示のカバー閉位置規制手段で、その回動が規制される。
上記したように、本参考例の退避機構100では、作業者が行う開閉カバー91の開閉動作に、退避機構100を連動させているので、次のような効果を奏することができる。感光体3等の交換時に必ず開閉する必要がある開閉カバー91の開閉動作に、露光装置60を潜像形成位置と退避位置との間で移動させる退避機構100を連動させることで、作業者の操作を簡略化できる。
また、感光体3等を有したプロセスカートリッジ50の着脱時に、開閉カバー91の開閉動作に連動して露光装置60が、退避位置と潜像形成位置との間を移動するので、別途、退避機構100を操作する必要がない。
また、開閉カバー91が開かれると、露光装置60が潜像形成位置から退避位置へ退避するので、プロセスカートリッジ50を交換するとき、露光装置60が、交換の邪魔となることがなく、作業者は開口部からプロセスカートリッジ50を容易に着脱できる。
また、開閉カバー91が開かれ、露光装置60が退避位置にあるとき、引っ張りスプリング104の付勢力により、第1リンク101に、露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させる第1の回動方向の力が作用している。このため、プロセスカートリッジ50の交換時にプリンタ1本体に衝撃や振動が生じたり、作業者が第1リンク101に触れたりして第1リンク101を第2の回動方向に回動させる力が加わっても、露光装置60が退避位置から潜像形成位置に移動することはない。
(実施例)
次に、本実施形態のプリンタ1に備える退避機構100の実施例について、図を用いて説明する。
図8は、本実施例に係る、第1リンク101を規制位置に位置させて、露光装置60を潜像形成位置に位置させたときの退避機構100の説明図、図9は本実施例に係る、第1リンク101を分極位置に位置させたときの退避機構100の説明図である。図10は本実施例に係る、第1リンク101を規制位置側から分極位置を越えて回動させ、露光装置60を退避位置に位置させたときの退避機構100の説明図である。図11は、本実施例に係る、第1リンク101を露光装置60が退避位置から潜像形成位置へ移動する方向に回動させるときの退避機構100の説明図である。
本実施例と上記した参考例では、上記したように、開閉カバー91の開閉動作に連動して、露光装置60を潜像形成位置と退避位置との間で移動させる、装置本体に回動自在に支持される回動部材である第1リンク101の支持方法等に係る点のみが異なる。したがって、他の同様な構成や動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。
なお、本実施例の退避機構100は、上記した参考例の退避機構の効果と同様な効果を奏することができる。
以下の説明では、本実施例の退避機構100と上記した参考例の退避機構の違いを明確にするため、まず、上記した参考例の退避機構の問題点について説明する。
上記した参考例では、本実施形態のプリンタ1に備える退避機構100の1つの目的とした、露光装置60を精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構100は提供できる。また、他の優れた効果も奏することができる。
しかし、さらに検討を重ねたところ、参考例の退避機構100の構成では、開閉カバー91を開閉する作業者の開閉動作に関わる、次のような不具合が発生する場合があることが分かった。
プロセスカートリッジ50の交換を行う作業者が、開閉カバー91を開閉動作、特に開動作を行うときに開閉カバー91に必要以上に大きな力を加えてしまう場合があることが分かった。
そして、必要以上に大きな力を開閉カバー91に加えることで、退避位置を規制する連結案内孔105aと連結軸103cとが衝突する際の衝撃力も増大し、この増大した衝撃力が繰り返し加わることで、退避機構100の耐久性が低下するおそれがある。また、増大した衝撃力が繰り返し加わることで、露光装置60が破損するおそれもある。
そこで、発明者は、上記した不具合が発生する理由について検討した。
以下に、本参考例の退避機構100で上記不具合が発生する主な理由に関して説明する。ここで、以下の説明では、本参考例の図4に示した規制位置に第1リンク101を位置させた状態から、図5に示した分極位置まで第1リンク101を回動させて露光装置60を潜像形成位置から退避位置に向け移動させる間の動作を初期動作と呼称する。また、この初期動作時に引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101に作用する力である、第1リンク101を規制位置から露光装置60を退避位置に位置させる回動位置まで回動するのを阻止する阻止方向の力を退避動作時負荷と呼称する。
まず、上記した参考例の退避機構100に有した第1リンクの回転(回動)メカニズムについて簡略化して説明する。また、各軸部材と本体側板に設けられ各ガイド手段との摩擦や、各部材の重量等の要素も以下のモデルから除外するとともに、引っ張りスプリング104の付勢力は連結軸103cを第1リンク101側に近い側に移動させるように働くものと仮定して説明する。
初期動作時の退避動作時負荷:Mは、第1リンク101の第1回動軸101aの回転軸である軸心を回転中心とした第1リンク101に作用する回転モーメントである。この退避動作時負荷:Mは、引っ張りスプリング104の付勢力により第1連結部材103aの第1回支点に生じたベクトル量である力(以下、軸力という):F1が、第1回支点と同軸な第1リンク101の第1回転軸101bの軸心に作用することで生じる。
退避動作時負荷:Mの大きさは、第1回動軸101aの軸心と第1回転軸101bの軸心に作用する軸力:F1の作用線とを結んだ垂線の距離であるモーメントアール:rと、第1回転軸101bの軸心に作用する軸力:F1の積となる。
このため、軸力:F1が一定な場合には、第1リンク101の規制位置から分極位置への回動にともないモーメントアール:rが減少するため、退避動作時負荷:Mも減少(減衰)する。
しかし、参考例で上記したように、第1リンク101の第1回動軸101aの軸心と、第1連結部材103aの第2回転支点と同軸な連結軸103cの軸心(中心)との距離は、第1リンク101が図5に示す分極位置に位置するときが最も長くなる。
このため、第1リンク101が図4に示す規制位置から、図5に示す分極位置まで回動する初期動作時、連結軸103cは、連結案内孔105aに案内されて、第1リンク101の回動に応じて、図5図中右側(感光体3側)に移動する。
この連結軸103cの移動により、第2連結部材103bは、連結案内孔105aに案内される連結軸103cと、第2回動軸102aを中心に図4図中時計回りに回動する第2リンク102の第2回転軸102bとに回転自在に支持された状態で移動する。具体的には、第2連結部材103bの一端側の連結軸103cの軸心と同軸な第3回転支点が図中、感光体3側へ移動し、他端側の第2回転軸102bと同軸な第4回転支点が第2回動軸102aを中心に斜め下方に回動するように位置が変位する。
この第2連結部材103bに設けられた引っ掛け部113は、図4図中、斜め下方(感光体3側)に位置が変位し、引っ掛け部113に引っ掛けられた引っ張りスプリング104が引き伸ばされる。このため、第2連結部材103bを図中右側に移動させようとする引っ張りスプリング104の付勢力:F0が大きくなり、連結軸103cを介して互いに回転自在に連結された第1連結部材103aの第1回支点に生じる軸力:F1も大きくなる。つまり、第1リンク101の規制位置から分極位置への回動にともない第1連結部材103aの第1回支点に生じる軸力:F1は大きくなる。
上記のように、参考例の退避機構100では第1リンク101の規制位置から分極位置への回動にともない、モーメントアール:rは減少し、第1リンク101の第1回転軸101bの軸心に作用する第1連結部材103aの軸力:F1は大きくなる。
このため、初期動作時の退避動作時負荷:Mは、第1リンク101が規制位置から分極位置へ回動する初期動作時に、規制位置での退避動作時負荷:M0の大きさから、一旦、大きくなった後、分極位置での退避動作時負荷が無くなる状態まで減衰する。
上記のように変化するので、作業者が開閉カバー91を、第1リンク101が規制位置にある閉じた状態から、第1リンク101が分極位置に位置する状態まで開くときに、作業者の開動作に抗しようとする退避動作時負荷は、次のように変化する。
作業者が、開閉カバー91を開く開動作を開始し、フック部材92の第1当接面92aが、離間した第1リンク101のボス部101cに当接するまでは、退避動作時負荷は作用しない。そして、開動作が進行し、第1当接面92aとボス部101cとが当接すると、所定の退避動作時負荷が作用し始め、第1リンク101を図5に示す分極位置まで回動させる途中で退避動作時負荷が大きくなり、その後、退避動作時負荷が無くなる状態まで減衰する。
すなわち、作業者が、露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させる初期動作時に作用し始めた退避動作時負荷が途中で大きくなる。
上記のように露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させる初期動作時に作用し始めた退避動作時負荷が途中で大きくなると、この初期動作を行なうときに、作業者が回動部材を回動させるために加える力が大きくなりすぎる場合がある。
通常、作業者は、開閉カバー91を開く(回動させる)開動作を開始した後に、所定の退避動作時負荷が加わり、この退避動作時負荷に抗する力を開閉カバー91に加えることで、開閉カバー91を開くことは予想している。このため、作業者は、開閉カバー91を開くために、自然に開閉カバー91に加える力を作用し始めた所定の退避動作時負荷に応じて開閉カバー91を開けるのに必要な大きさまで大きくする。
しかし、上記したように作用し始めた退避動作時負荷が途中で大きくなと、作業者は、開閉カバー91に加える力をさらに大きくするときに、実際に作用している退避動作時負荷に抗するのに必要以上の力を開閉カバー91に加えてしまう。そして、作業者は、一旦大きくした開閉カバー91に加える力は、退避動作時負荷が減衰し始めても、すぐには小さくしない。
このため、閉じ位置から開閉カバー91を開く初期動作を行なうときに、作業者が開閉カバー91を開くために加える力が大きくなりすぎてしまう場合がある。すなわち、潜像形成位置から退避位置に露光装置60を移動させる初期動作を行なうときに、作業者が第1リンク101を回動させるために加える力が大きくなりすぎてしまう場合がある。
このように作業者が第1リンク101を回動させるために加える力が大きくなりすぎると、上記のような不具合が発生する。すなわち、露光装置60を退避させる際の退避位置を規制する退避位置規制手段として機能する連結案内孔105aの第1リンク101側端部と、被退避位置規制部材として機能する連結軸103cが衝突する際の衝撃力が増大する。
このように衝撃力が増大すると、連結案内孔105a、連結軸103c、及び退避機構100に備えた各リンク部材の連結部等が劣化して耐久性が低下し、露光装置60を長期に亘り精度よく潜像形成位置に位置させることができるなくなる。また、増大した衝撃力が長期に亘って繰り返し加わることで、露光装置60が破損するおそれも高まる。
そこで、本実施例では、露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させる初期動作時に作用し始めた退避動作時負荷が途中で大きくならないように退避機構100を構成することとした。
以下に、本実施例の退避機構100の構成や動作、及び作用・効果の、上記した参考例と異なる点について説明する。
上記したように、本実施例の退避機構100は、参考例の退避機構と装置本体に回動自在に支持される回動部材である第1リンク101の支持方法等に係る点のみが異なる。
具体的には、上記した参考例では、図4に示すように、第1リンク101の回動支点である第1回動軸101aを本体側板に設けた第1回動軸孔で回転自在に支持していた。そして、第1回動軸孔と第1回動軸101aとの間隙は、第1回動軸101aを回転自在に支持できる分しか設けておらず、ガタツキを抑制できるように構成していた。
一方、本実施例の退避機構100では、図8に示すように、第1リンク101の第1回動軸101aを支持する孔を、第1回動軸101aを回転自在に、且つ、所定の方向に移動可能に支持する長孔部である回動軸案内孔105cを本体側板に設けた。また、第1リンク101の第1回転軸101bの突出量を長くするとともに、この第1回転軸101bに第1回動軸101a側から接触して案内する板状の第2ガイド手段である回転軸ガイド105dを、本体側板に固定されている突き当て部106に固定した。
上記した回動軸案内孔105cと回転軸ガイド105dは、露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させる初期動作時に、第1リンク101を次のように案内する。
第1リンク101が図8に示す規制位置と図9に示す分極位置との間で回動するとき、第1リンク101に第1連結部材103aを介して、引っ張りスプリング104の付勢力を伝達する連結軸103cの軸心の移動量を参考例よりも小さくなるように案内する。
具体的には、図9に示す分極位置に第1リンク101が位置し、第1リンク101の第1回動軸101aの軸心と連結軸103cの軸心との距離が最も長くなるとき、回動軸案内孔105cの図中左側の第1位置で第1回動軸101aを支持するように構成している。また、この分極位置に第1リンク101が位置したとき、突き当て部106に固定され、第1回動軸101a側から第1回転軸101bの円柱状の外周面に接触する板状の回転軸ガイド105dの先端部が第1回転軸101bに接触した状態となっている。
一方、図8に示す規制位置に第1リンク101が位置しているとき、第1回転軸101bは、上記した板状の回転軸ガイド105dにより、その外周面が案内されて、外周面下部が突き当て部106に当接する。そして、第1リンク101の第1回動軸101aは移動して、回動軸案内孔105cの図中右側の第2位置近傍に位置することとなる。
ここで、板状の回転軸ガイド105dの傾斜は、第1回転軸101bの軸心の軌道が、図9に示した連結軸103cの軸心の位置を中心とした軌道よりも、第1回転軸101bが規制位置に近づくにつれ遠ざかるように構成した。
すなわち、第1リンク101は、図9に示した分極位置から図8に示した規制位置に回動するとき、第1回転軸101bの移動にともない、第1回動軸101aが図8図中右側に移動し、その突き当て面が突き当て部106に突き当たって回動が規制される。そこで、本実施例では、図8に示したように第1回転軸101bが回転軸ガイド105dに案内され、突き当て面が突き当て部106に突き当たる際の第1回動軸101aの位置に案内する第2位置を図中右側に設けるように回動軸案内孔105cの形状を設定した。
また、板状の回転軸ガイド105dの傾斜を、第1回転軸101bの軸心の軌道が、図9に示した連結軸103cの軸心の位置を中心とした軌道よりも、第1回転軸101bが規制位置に近づくにつれ遠ざかるように構成した。
そして、上記した参考例の退避機構よりも第1リンク101の分極位置から規制位置への回動にともなう連結軸103cの移動量を小さくした。具体的には、第1リンク101が分極位置から規制位置に回動するときには転結軸103cが若干、第1リンクの第1回動軸側(前方側)に移動し、規制位置から分極位置に回動するときには若干、感光体3側(後方側)に移動するように構成した。すなわち、上記した参考例のように、露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させる初期動作時に作用し始めた退避動作時負荷が途中で大きくなることを防止できる。
したがって、第1リンク101が規制位置から分極位置に回動する間に、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101に作用する規制位置から分極位置に向けた回動を阻止する阻止方向の力である退避動作時負荷を減衰させることができる。
そして、上記した参考例のように途中で大きくなることがないので、潜像形成位置から退避位置に露光装置60を移動させる初期動作を行なうときに、作業者が第1リンク101を回動させるために開閉カバー91に加える力が大きくなりすぎることを抑制できる。このように抑制することで、露光装置60を退避させる際の退避位置を規制する退避位置規制手段としての連結案内孔105aの第1リンク101側端部と、被退避位置規制部材としての連結軸103cとが衝突する際の衝撃力の増大を抑制することができる。すなわち、図10に示すように、露光装置60を退避させる際の連結案内孔105aの第1リンク101側端部と、連結軸103cとが衝突する際の衝撃力の増大を抑制することができる。
したがって、連結案内孔105a、連結軸103c、及び退避機構100に備えた各リンク部材の連結部等の劣化を低減して耐久性を高め、露光装置60を長期に亘り精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構100を提供できる。また、増大した衝撃力が長期に亘って繰り返し加わることで、露光装置60が破損することも抑制できる。
また、第1リンク101が規制位置から分極位置まで回動する初期動作時に、退避動作時負荷が減衰し、途中で大きくなることがないので、開閉カバー91への負荷を低減し、露光装置60を容易に退避させることができる。
また、上記した参考例と同様に、本実施例の構成でも、規制位置と分極位置との間で第1リンク101が回動する間は、露光装置60を潜像形成位置から退避位置に移動させる力が働かない。このため、規制位置と分極位置との間で第1リンク101が回動する間は、露光装置60が潜像形成位置から退避位置に移動することを抑制でき、露光装置60を潜像形成位置に確実に位置決めすることができる。
なお、本実施例の退避機構100では、露光装置60を潜像形成位置に位置させる規制位置に位置させたときの第1リンク101の第1回動軸101aと第1回転軸101bの位置関係は、第1回動軸101aの方が第1回転軸101bよりも図8図中上側にある。これは、参考例と同様に、分極位置を設けるためである。分極位置を設けることで、図11に示すように、露光装置60を押し込む動作を行う場合に、図9に示した分極位置を越えると、第1リンク101は、引っ張りスプリング104の付勢力が作用して規制位置まで回動する構成となっている。また、露光装置60を押し込む動作を行う場合に、図9に示した分極位置を越えると、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を回動させる力が作用する方向は第2の回動方向であるため、露光装置60を確実に位置決めすることができる。
また、付勢手段として引っ張りばねである引っ張りスプリング104を用い、規制位置から分極位置に回動する間に、引っ張りスプリング104が伸びるのを抑制する方向に、第1リンク101の第1回動軸101aが移動するように構成している。これにより、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を回動させる力が作用する方向が切り替わる分極位置を設定できるとともに、規制位置から分極位置に回動するとき、第1リンク101に作用する阻止方向の力が減衰するようにできる。よって、露光装置60を長期に亘り精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構100を簡易な構成とすることが可能になる。
また、本実施例の退避機構100では、第1リンク101が分極位置にあるとき、第1リンク101の第1回動軸101a、第1回転軸101b、及び第1連結部材103aの第2回転支点と同軸な連結軸103cの中心が一直線上に配置される。そして、分極位置から規制位置に回動する間に、第1リンク101を第2の回動方向に回動させる力が次第に強まるように、第1回動軸101aを移動可能に支持する回動軸案内孔105cと、第1回転軸101bを案内する回転軸ガイド105dとを設けた。
このように退避機構100を構成することで、次のように退避機構100を構成できる。簡易な構成で、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を回動させる力が作用する方向が切り替わる分極位置を設定できるとともに、規制位置から分極位置に回動するとき、第1リンク101に作用する阻止方向の力が減衰するようにできる。よって、露光装置60を長期に亘り精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構100を簡易な構成にできる。
次に、開閉カバー91の開閉動作に連動させて第1リンク101を回動させるときの、第1回動軸101aと回動軸案内孔105c、及び第1回転軸101bと回転軸ガイド105dとの関係を説明する。なお、開閉カバー91の動作は、参考例と同様であるので、以下の説明で用いる各図に開閉カバー91は記載していない。
図8に示す規制位置では、第1回動軸101aと連結軸103cの軸心を通る直線:L0’よりも第1回転軸101bの軸心位置が図中下方に位置している。このように第1回転軸101bが位置しているため、第1リンク101には、引っ張りスプリング104の付勢力により第2の回動方向に退避動作時負荷が作用している。また、このとき第1回動軸101aは、回動軸案内孔105cの図中右側の第2位置の近傍で、その図中上下方向の移動が規制されている。このため、第1回転軸101bが、回転軸ガイド105dにより図中左側への移動を規制されつつ図中略下方に付勢され、第1リンク101の突き当て面が突き当て部106に突き当たって第1リンク101の回動が規制されている。
図8に示す規制位置から図9に示す分極位置まで回動するとき、第1リンク101には、規制位置と同様に第2の回動方向に退避動作時負荷が作用している。また、このとき第1回動軸101aは、回動軸案内孔105cにより、その図中上下方向の移動が規制されている。このため、第1回転軸101bが回転軸ガイド105dにより図中左側への移動を規制されつつ図中略斜め下方に付勢されている。しかし、ボス部101cに加わる開閉カバー91を開く力が、上記した退避動作時負荷を上回ることで、第1リンク101は第1の回動方向の回動し、図9に示す分極位置に位置するときの状態に近づく。この第1リンク101の回動が進行するほど、退避動作時負荷は減衰するとともに、第1回動軸101aが回動軸案内孔105cの図中左側の第1位置に近づき、第1回転軸101bが回転軸ガイド105dに接触する位置も回転軸ガイド105dの端部に近づく。
図9に示す分極位置では、第1回動軸101aと連結軸103cの軸心を通る直線:L1上に第1回転軸101bの軸心位置が位置する。このように第1回転軸101bが位置しているため、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を回動させる力はいずれの方向にも作用せず、退避動作時負荷も減衰しきってなくなる。また、このとき第1回動軸101aは、回動軸案内孔105cの図中左側の第1位置で支持され、第1回転軸101bも、回転軸ガイド105dにより直線:L1上の図中左側への移動を規制されている。
そして、規制位置側から図9に示す分極位置を越えて、第1リンク101が回動すると、図5を用いて説明した参考例の退避機構と同様に、第1の回動方向に回動させる力が作用し始める。以降の動作も図6を用いて説明した参考例の退避機構と同様である。
但し、第1リンク101の第1回動軸101aは、図9に示す分極位置から図10に示す露光装置60を退避位置に位置させた第1リンク101の回動位置まで、上記した回動軸案内孔105cの図中左側の第1位置で支持される。また、第1リンク101の第1回転軸101bは、図9に示す分極位置から図10に示す露光装置60を退避位置に位置させた第1リンク101の回動位置まで、上記した回転軸ガイド105dから離間した状態を保つ。
また、図11に示す露光装置60が退避位置に位置した状態から、作業者が、開閉カバー91を閉じる閉動作を開始した後、第1リンク101を図9に示した分極位置に位置させるまでは、図7を用いて説明した参考例と同様である。
但し、第1リンク101の第1回動軸101aは、図11に示す露光装置60を退避位置に位置させた第1リンク101の回動位置から、図9に示す分極位置まで、上記した回動軸案内孔105cの図中左側の第1位置で支持される。また、第1リンク101の第1回転軸101bは、図11に示す露光装置60を退避位置に位置させた第1リンク101の回動位置から、図9に示す分極位置に位置する直前まで、上記した回転軸ガイド105dから離間した状態を保つ。
その後、第1リンク101の回動位置が、図9に示した分極位置を越えると、引っ張りスプリング104の付勢力により第1リンク101を回動させる力が作用する方向が、参考例と同様に、第1の回動方向から第2の回動方向に切り替わる。以降の動作も参考例の退避機構と同様である。
但し、第1リンク101の第1回動軸101aと回動軸案内孔105c、及び第1回転軸101bと回転軸ガイド105dとの関係は、図8及び図9を用いて説明したものと同様である。そして、分極位置から規制位置に回動する間に、第1リンク101を第2の回動方向に回動させる力が次第に強まるように、第1回動軸101aを移動可能に支持する回動軸案内孔105cと、第1回転軸101bを案内する回転軸ガイド105dとを設けた。
上記した本実施形態では、開閉カバー91の開閉動作に連動させるため、第1リンク101のボス部101cと、第1連結部材103aの当接部112とに、開閉カバー91に設けた1つのフック部材92を開閉動作に応じて当接させる例について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、退避機構に設けたの2つ当接部の内、一方の当接部に開閉カバーを開くときに当接する作用部材と、他方の当接部に閉じるときに当接する作用部材とを個別に設けた構成にも適用可能である。但し、上記した本実施形態のように、作用部材として1つのフック部材92を設ける方が、シンプルな構成にできる。
また、フック部材92に当接する第1当接部を第1リンク101のボス部101c、第2当接部を第1連結部材103aの当接部112とした例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、フック部材92に当接する第1当接部を第1リンク101のボス部101c、第2当接部を第1リンク101の第1回転軸101bとした構成にも適用可能である。但し、上記した本実施形態のように、第2当接部を第1連結部材103aの当接部112とした構成の方が、第2当接部の形状の自由度が広がることで、よりスムーズな開閉カバー91の開閉動作が行えるようにフック部材92の形状を設定することが容易となる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
感光体3などの潜像担持体表面に潜像を形成する露光装置60などの潜像形成手段を前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成位置と前記潜像担持体から離間した退避位置との間で移動させる退避機構100などの退避機構において、プリンタ1などの画像形成装置本体に回動自在に支持され、回動することで前記潜像形成手段を前記潜像形成位置と退避位置との間で移動させる第1リンク101などの回動部材と、前記回動部材を付勢する引っ張りスプリング104などの付勢手段と、前記潜像形成手段が前記潜像形成位置にあるとき、前記付勢手段の付勢力による前記回動部材の回動を規制する突き当て部106などの規制手段とを備え、前記回動部材は、前記規制手段により回動が規制される回動位置である規制位置から、前記潜像形成手段を前記退避位置に位置させるときの回動位置まで回動する間に、前記付勢力により当該回動部材に作用する力の方向が、当該回動部材の回動を阻止する阻止方向から、該阻止方向と逆方向に切り替わる回動位置である第1回動軸101aと連結軸103cの軸心を通る直線:L1上に第1回転軸101bの軸心が位置する回動位置などの分極位置を有しており、前記回動部材が前記規制位置から前記分極位置に回動する間に、前記付勢力が増大するのを抑制する方向に、前記回動部材の第1回動軸101aなどの回動支点が移動することを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
先の図12、13に示した従来の退避機構では、潜像形成手段が潜像形成位置にあるとき、付勢力により潜像形成手段を潜像形成位置から退避位置へ移動させる方向に回動部材を回動させる力が作用している。そして、この力で回動する回動部材の潜像形成手段を潜像形成位置から退避位置へ移動させる方向の回動を規制手段で規制している。このため、上記従来の退避機構では、規制手段の位置を固定すると、回動部材は潜像形成手段が潜像形成位置にあるときの規制位置を越えて回動できず、潜像形成手段を潜像形成位置から退避位置へ移動させることができなくなる。
そこで、上記従来の退避機構では、規制手段を装置本体に対し移動可能な部材である開閉カバー(フロントカバー)に設けている。
これに対し、本態様の退避機構では、潜像形成手段が潜像形成位置にあるとき、付勢力により潜像形成手段を退避位置から潜像形成位置へ移動させる方向に回動部材を回動させる力が作用している。そして、この力で回動する回動部材の潜像形成手段を退避位置から潜像形成位置へ移動させる方向の回動を規制手段で規制している。このため、本態様の退避機構では、規制手段の位置を固定しても、回動部材は潜像形成手段を潜像形成位置から退避位置へ移動させる方向に回動して、潜像形成手段を潜像形成位置から退避位置へ移動させることができる。
したがって、本態様の退避機構は、規制手段を装置本体に固定することで、装置本体に対して可動する部材に設ける上記従来の退避機構に比べて、外乱等により規制位置にばらつきが生じるのを抑制できる。
よって、潜像形成手段を精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構を提供できる。
加えて、上記のように付勢力が増大するのを抑制する方向に、回動部材の回動支点が移動するので、上記した参考例と異なり、潜像形成手段を潜像形成位置から退避位置に移動させる初期動作時に作用し始めた退避動作時負荷が途中で大きくなることがない。このため、潜像形成位置から退避位置に潜像形成手段を移動させる初期動作を行なうときに、作業者が回動部材を回動させるために加える力が大きくなりすぎることを抑制できる。このように抑制することで、潜像形成手段を退避させる際の退避位置を規制する連結案内孔105aの第1リンク101側端部などの退避位置規制手段と、連結軸103cなどの被退避位置規制部材とが衝突する際の衝撃力の増大を抑制することができる。
したがって、退避位置規制手段、被退避位置規制部材、及び退避機構に備えた各リンク部材の連結部等の劣化を低減して耐久性を高め、潜像形成手段を長期に亘り精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構を提供できる。また、増大した衝撃力が長期に亘って繰り返し加わることで、潜像形成手段が破損することも抑制できる。
(態様B)
(態様A)において、前記付勢手段が引っ張りスプリング104などの引っ張りばねであり、第1リンク101などの前記回動部材が突き当て部106により回動が規制される第1リンク101の回動位置などの前記規制位置から第1回動軸101aと連結軸103cの中心を通る直線:L1上に第1回転軸101bの中心が位置する第1リンク101の回動位置などの前記分極位置に回動する間に、前記引っ張りばねが伸びるのを抑制する方向に、前記回動部材の第1回動軸101aなどの回動支点が移動することを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。引っ張りばねの付勢力により回動部材を回動させる力が作用する方向が切り替わる分極位置を設定できるとともに、規制位置から分極位置に回動するとき、回動部材に作用する阻止方向の力が減衰するようにできる。よって、潜像形成手段を長期に亘り精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構を簡易な構成とすることが可能になる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、第1リンク101などの前記回動部材と回転自在に接続された一端側近傍の第1回転軸101bに回転自在に支持される第1連結孔などの第1回転支点と、前記回動部材の変位を露光装置60などの前記潜像形成手段側に伝達する他端側近傍の連結軸103cに回転自在に支持される第2連結孔などの第2回転支点とが設けられた第1連結部材103aなどの中間リンク部材を備え、前記第2回転支点を、感光体3などの前記潜像担持体の回転軸に略垂直な閉じた状態の開閉カバー91の外部側面に略垂直な方向などの所定の方向に案内する連結案内孔105aなどの第1ガイド手段を設け、前記回動部材が前記分極位置に位置している場合、前記回動部材の第1回動軸101aなどの回動支点、第1回転軸101bなどの前記第1回転支点、及び前記第2回転支点の中心が一直線上に配置され、前記回動部材が突き当て部106により回動が規制される第1リンク101の回動位置などの前記規制位置から前記分極位置に回動する間に、引っ張りスプリング104の付勢力などの前記付勢力が増大するのを抑制する方向に、前記回動支点を移動可能に支持する回動軸案内孔105cなどの長孔部と、前記第1回転支点を案内する回転軸ガイド105dなどの第2ガイド手段とが設けられていることを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。簡易な構成で、引っ張りスプリング104などの付勢手段の付勢力により回動部材を回動させる力が作用する方向が切り替わる分極位置を設定できるとともに、規制位置から分極位置に回動するとき、回動部材に作用する阻止方向の力が減衰するようにできる。よって、潜像形成手段を長期に亘り精度よく潜像形成位置に位置させることができる退避機構を簡易な構成にできる。
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、プリンタ1などの画像形成装置本体の開口部を開閉する開閉カバー91などの開閉カバーを有し、前記開閉カバーの開閉動作に連動して第1リンク101などの前記回動部材を回動させることを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。感光体3などの潜像担持体等の交換時に必ず開閉する必要がある開閉カバーの開閉動作に、露光装置60などの潜像形成手段を潜像形成位置と退避位置との間で移動させる退避機構100などの退避機構を連動させることで、作業者の操作を簡略化できる。
(態様E)
(態様D)において、第1リンク101などの前記回動部材と回転自在に接続された一端側近傍の第1回転軸101bに回転自在に支持される第1連結孔などの第1回転支点と、前記回動部材の変位を露光装置60などの前記潜像形成手段側に伝達する他端側近傍の連結軸103cに回転自在に支持される第2連結孔などの第2回転支点とが設けられた第1連結部材103aなどの中間リンク部材を備え、前記回動部材又は前記中間リンク部材に当接して、前記回動部材を回動させるフック部材92などの作用部材を開閉カバー91などの前記開閉カバーに備え、前記開閉カバーが閉状態のとき、前記回動部材又は中間リンク部材のいずれとも、前記作用部材を非接触状態としたことを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、開閉カバーが閉状態のとき、高温環境下での開閉カバーの変形の影響や、開閉カバーからの外乱(外部衝撃)を受けないようにでき、潜像形成手段を確実に位置決めすることができる。
(態様F)
(態様E)において、第1リンク101などの前記回動部材は、開閉カバー91などの前記開閉カバーを開くときにフック部材92などの前記作用部材が当接して、当該回動部材を、露光装置60などの前記潜像形成手段が前記潜像形成位置から退避位置へ移動する第1の回動方向に回動させるボス部101cなどの第1当接部と、前記開閉カバーを閉じるときに前記作用部材が当接して、当該回動部材を、前記潜像形成手段が退避位置から前記潜像形成位置へ移動する第2の回動方向に回動させる第1回転軸101bなどの第2当接部を有していることを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。退避機構に設けたの2つ当接部の内、一方の当接部に開閉カバーを開くときに当接する作用部材と、他方の当接部に閉じるときに当接する作用部材とを個別に設けた構成に比べて、シンプルな構成にできる。
(態様G)
(態様E)において、第1リンク101などの前記回動部材は、開閉カバー91などの前記開閉カバーを開くときにフック部材92などの前記作用部材が当接して、当該回動部材を、露光装置60などの前記潜像形成手段が前記潜像形成位置から退避位置へ移動する第1の回動方向に回動させるボス部101cなどの第1当接部を有し、第1連結部材103aなどの中間リンク部材は、前記開閉カバーを閉じるときに前記作用部材が当接して、当該回動部材を、前記潜像形成手段が退避位置から前記潜像形成位置へ移動する第2の回動方向に回動させる第1連結部材103aの当接部112などの第2当接部を有していることを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。退避機構に設けたの2つ当接部の内、一方の当接部に開閉カバーを開くときに当接する作用部材と、他方の当接部に閉じるときに当接する作用部材とを個別に設けた構成に比べて、シンプルな構成にできる。また、第2当接部の形状の自由度が広がることで、よりスムーズな開閉カバーの開閉動作が行えるように作用部材の形状を設定することが容易となる。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、突き当て部106などの前記規制手段をプリンタ1などの画像形成装置本体に固定したことを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、図12、図13に示した従来の退避機構のように規制手段を画像形成装置に対して移動可能に構成した場合に比べて、露光装置60などの潜像形成手段を精度よく潜像形成位置に位置させることができる。
(態様I)
(態様A)乃至(態様H)において、露光装置60などの前記潜像形成手段を潜像形成位置にガイドするガイド部23などの潜像ガイド手段を設けたことを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、潜像形成手段を所定の位置に案内することができる。
(態様J)
感光体3などの潜像担持体と、前記潜像担持体に潜像を形成する露光装置60などの潜像形成手段と、前記潜像形成手段を前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成位置と前記潜像担持体から離間した退避位置との間で移動させる退避機構とを備えたプリンタ1などの画像形成装置において、前記退避機構として(態様A)乃至(態様I)のいずれかの退避機構100などの退避機構を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、(態様A)乃至(態様I)のいずれかの退避機構と同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
(態様K)
(態様J)において、少なくも感光体3などの前記潜像担持体を有し、開閉カバー91などの開閉カバーにより開閉される装置本体の開口部から装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ50などのユニットを備え、前記開閉カバーの開閉動作に連動して退避機構100などの前記退避機構の第1リンク101などの前記回動部材を回動させることを特徴とすることを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、潜像担持体を有したユニットの着脱時に、開閉カバーの開閉動作に連動して露光装置60などの潜像形成手段が、退避位置と潜像形成位置との間を移動するので、別途、退避機構を操作する必要がない。
(態様L)
(態様K)において、露光装置60などの前記潜像形成手段を潜像形成位置に位置決めする位置決め部24などの位置決め部をプロセスカートリッジ50などの前記ユニットに設けたことを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、感光体3などの潜像担持体を備えたユニットに位置決め部を設けることで、潜像形成手段を潜像担持体に対して、精度よく位置決めすることができる。
(態様M)
(態様K)又は(態様L)において、前記退避位置に露光装置60などの前記潜像形成手段が位置するとき、前記潜像形成手段を、開閉カバー91などの前記開閉カバーにより開閉されるプリンタ1などの装置本体の前記開口部から引き出されるプロセスカートリッジ50などの前記ユニットの引き出し方向と略平行に保持することを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、潜像形成手段を潜像形成位置から退避位置へ移動させるためのスペースを狭めることができ、画像形成装置の小型化を図ることができる。
(態様N)
(態様K)乃至(態様M)のいずれかにおいて、開閉カバー91などの前記開閉カバーは、プリンタ1などの装置本体の前面側の側面に設けられていることを特徴とするものである。
これによれば、上記した本実施形態で説明したように、プロセスカートリッジ50などのユニットを装置から容易に着脱することができる。また、スキャナー等を上部に設けた複合機等においても、重量バランスを考慮した設計を行うことができる。
1 プリンタ
2 現像装置
3 感光体
4 帯電ローラ
5 クリーニング装置
10 給紙カセット
12 給紙ローラ
14 レジストローラ対
15 排紙ローラ
23 ガイド部
24 位置決め部
50 プロセスカートリッジ
50a ケース(プロセスカートリッジ)
60 露光装置
62 支持突起
63 案内突起
64 書込ヘッド
65 ホルダ
66 バネ部材
70 転写ローラ
80 定着装置
91 開閉カバー
91a カバー回動軸
92 フック部材
92a 第1当接面
92b 第2当接面
100 退避機構
101 第1リンク
101a 第1回動軸
101b 第1回転軸
101c ボス部
102 第2リンク
102a 第2回動軸
102b 第2回転軸
102c 支持孔
103 連結機構
103a 第1連結部材
103b 第2連結部材
103c 連結軸
104 引っ張りスプリング
105a 連結案内孔
105b 露光案内孔
105c 回動軸案内孔
105d 回転軸ガイド
106 突き当て部
107 退避機構連結部材
112 当接部
113 引っ掛け部
特開2006−018127号公報

Claims (14)

  1. 潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段を前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成位置と前記潜像担持体から離間した退避位置との間で移動させる退避機構において、
    画像形成装置本体に回動自在に支持され、回動することで前記潜像形成手段を前記潜像形成位置と退避位置との間で移動させる回動部材と、前記回動部材を付勢する付勢手段と、前記潜像形成手段が前記潜像形成位置にあるとき、前記付勢手段の付勢力による前記回動部材の回動を規制する規制手段とを備え、
    前記回動部材は、前記規制手段により回動が規制される回動位置である規制位置から、前記潜像形成手段を前記退避位置に位置させるときの回動位置まで回動する間に、前記付勢力により当該回動部材に作用する力の方向が、当該回動部材の回動を阻止する阻止方向から、該阻止方向と逆方向に切り替わる回動位置である分極位置を有しており、
    前記回動部材が前記規制位置から前記分極位置に回動する間に、前記付勢力が増大するのを抑制する方向に、前記回動部材の回動支点が移動することを特徴とする退避機構。
  2. 請求項1に記載の退避機構において、
    前記付勢手段が引っ張りばねであり、前記回動部材が前記規制位置から前記分極位置に回動する間に、前記引っ張りばねが伸びるのを抑制する方向に、前記回動部材の回動支点が移動することを特徴とする退避機構。
  3. 請求項1又は2に記載の退避機構において、
    前記回動部材と回転自在に接続された一端側近傍の第1回転支点と、前記回動部材の変位を前記潜像形成手段側に伝達する他端側近傍の第2回転支点とが設けられた中間リンク部材を備え、
    前記第2回転支点を、前記潜像担持体の回転軸に略垂直な所定の方向に案内する第1ガイド手段を設け、
    前記回動部材が前記分極位置に位置している場合、前記回動部材の回動支点、前記第1回転支点、及び前記第2回転支点の中心が一直線上に配置され、前記回動部材が前記規制位置から前記分極位置に回動する間に、前記付勢力が増大するのを抑制する方向に、前記回動支点を移動可能に支持する長孔部と、前記第1回転支点を案内する第2ガイド手段とが設けられていることを特徴とする退避機構。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一に記載の退避機構において、
    画像形成装置本体の開口部を開閉する開閉カバーを有し、
    前記開閉カバーの開閉動作に連動して前記回動部材を回動させることを特徴とする退避機構。
  5. 請求項4に記載の退避機構において、
    前記回動部材と回転自在に接続された一端側近傍の第1回転支点と、前記回動部材の変位を前記潜像形成手段側に伝達する他端側近傍の第2回転支点とが設けられた中間リンク部材を備え、
    前記回動部材又は前記中間リンク部材に当接して、前記回動部材を回動させる作用部材を前記開閉カバーに備え、
    前記開閉カバーが閉状態のとき、前記回動部材又は中間リンク部材のいずれとも、前記作用部材を非接触状態としたことを特徴とする退避機構。
  6. 請求項5に記載の退避機構において、
    前記回動部材は、前記開閉カバーを開くときに前記作用部材が当接して、当該回動部材を、前記潜像形成手段が前記潜像形成位置から退避位置へ移動する第1の回動方向に回動させる第1当接部と、前記開閉カバーを閉じるときに前記作用部材が当接して、当該回動部材を、前記潜像形成手段が退避位置から前記潜像形成位置へ移動する第2の回動方向に回動させる第2当接部を有していることを特徴とする退避機構。
  7. 請求項5に記載の退避機構において、
    前記回動部材は、前記開閉カバーを開くときに前記作用部材が当接して、当該回動部材を、前記潜像形成手段が前記潜像形成位置から退避位置へ移動する第1の回動方向に回動させる第1当接部を有し、
    中間リンク部材は、前記開閉カバーを閉じるときに前記作用部材が当接して、当該回動部材を、前記潜像形成手段が退避位置から前記潜像形成位置へ移動する第2の回動方向に回動させる第2当接部を有していることを特徴とする退避機構。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一に記載の退避機構において、
    前記規制手段を画像形成装置本体に固定したことを特徴とする退避機構。
  9. 請求項1乃至8に記載の退避機構において、
    前記潜像形成手段を潜像形成位置にガイドする潜像ガイド手段を設けたことを特徴とする退避機構。
  10. 潜像担持体と、前記潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像形成手段を前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成位置と前記潜像担持体から離間した退避位置との間で移動させる退避機構とを備えた画像形成装置において、
    前記退避機構として請求項1乃至9のいずれか一に記載の退避機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10に記載の画像形成装置において、
    少なくも前記潜像担持体を有し、開閉カバーにより開閉される装置本体の開口部から装置本体に対して着脱可能なユニットを備え、
    前記開閉カバーの開閉動作に連動して前記退避機構の前記回動部材を回動させることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11の画像形成装置において、
    前記潜像形成手段を潜像形成位置に位置決めする位置決め部を前記ユニットに設けたことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項11又は12に記載の画像形成装置において、
    前記退避位置に前記潜像形成手段が位置するとき、前記潜像形成手段を、前記開閉カバーにより開閉される装置本体の前記開口部から引き出される前記ユニットの引き出し方向と略平行に保持することを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項11乃至13のいずれか一に記載の画像形成装置において、
    前記開閉カバーは、装置本体の前面側の側面に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
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