JP2014235253A - パターン形成装置及びパターン形成方法 - Google Patents

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康之 前田
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康之 前田
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Abstract

【課題】基本単位のストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現されたCAD/CAMデータから、図形の重なりによる白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータを速やかに作成する。【解決手段】基本単位のストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現された、基材に描画するパターンの図形のCAD/CAMデータから、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の直交する二辺の長さXs,Ysを、各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチPx,Pyとそれぞれ比較する第1の判定処理を行う(ステップ110,120)。第1の判定処理の結果、該四角形の直交する二辺の長さXs,Ysが、それぞれ各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチPx,Pyより小さい場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して(ステップ130)、ベクターデータを作成する。【選択図】図14

Description

本発明は、特定の波長の光によって重合や硬化等の化学反応を起こす感光性樹脂が塗布された基材へ光ビームを照射し、光ビームにより基材を走査して、基材にパターンを描画するパターン形成装置及びパターン形成方法に関する。
なお、本発明において、基材は、その表面又は内部にパターンが形成されるものであって、板状のもの(通常「基板」と呼ばれるもの)やフィルム状のものを含む。また、感光性樹脂には、フォトレジスト等の紫外線硬化樹脂、スクリーン印刷等の製版材に使用される樹脂、ホログラフィーの記録媒体用の樹脂、ラピッドプロトタイピングに使用される樹脂等が含まれる。
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基材やカラーフィルタ基材、プラズマディスプレイパネル用基材、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基材等の製造は、露光装置を用いて、フォトリソグラフィー技術により基材上にパターンを形成して行われる。露光装置としては、従来、レンズ又は鏡を用いてマスクのパターンを基材上に投影するプロジェクション方式と、マスクと基材との間に微小な間隙(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基材へ転写するプロキシミティ方式とがあった。
近年、フォトレジストが塗布された基材へ光ビームを照射し、光ビームにより基材を走査して、基材にパターンを描画する露光装置が開発されている。光ビームにより基材を走査して、基材にパターンを直接描画するため、高価なマスクが不要となる。また、描画データ及び走査のプログラムを変更することにより、様々な種類の基材に対応することができる。
光ビームにより基材にパターンを描画する際、光ビームの変調には、DMD(Digital Micromirror Device)等の空間的光変調器が用いられる。DMDは、光ビームを反射する複数の微小なミラーを二方向に配列して構成され、各ミラーの角度を変更することにより、基材へ照射する光ビームを変調する。DMDの駆動回路は、描画データに基づいて、各ミラーを駆動するための駆動信号をDMDへ出力する。光ビームによる基材の走査は、基材を支持するチャックと、DMDにより変調された光ビームを基材へ照射する照射光学系を有する光ビーム照射装置とを、相対的に移動して行われる。
DMDの駆動回路へ供給される描画データは、描画データ生成回路により、基材に描画するパターンの図形のCAD/CAMデータを処理したベクターデータから生成される。描画データは、パターンの図形に含まれるドットの座標を示すラスターデータ(ビットマップデータ)で表され、パターンの図形を構成する線の始点及び終点の座標と両点をつなぐ情報とから成るベクターデータに比べて、データ量が非常に多い。そのため、全ての描画データを予め用意しておくと、非常に大きな容量のメモリが必要となり、また、描画データを外部のメモリから供給する場合、描画データの供給量がデータの通信速度により制限されて、光ビームによる基材の走査速度を速くすることができない。そこで、描画データ生成回路による描画データの生成は、光ビームによる基材の走査中に行われる。そして、描画データの生成を速やかに行って光ビームによる基材の走査速度を速くするためには、CAD/CAMで作成された図形データを描画データ生成回路で扱い易いベクターデータに変換しておくことが望ましい。
特許文献1には、基材に描画するパターンの図形の円の弧で構成された部分を複数の直線で近似する際、円の半径に応じた分割角度を簡単な処理で高速に決定して、描画データの生成に適したベクターデータを速やかに作成する技術が開示されている。
特開2012−103321号公報
ベクターデータを元にした描画データの生成は、通常、スキャンライン方式で行われる。スキャンライン方式では、光ビームによる基材の走査方向と平行又は垂直な直線(走査線)と、パターンの図形を構成する線との交点を演算で求める処理を行う。そして、奇数番目の交点から偶数番目の交点の間にラスターオンの判定点が存在する箇所を描画領域として、描画データを生成する。このとき、後述する様に、パターンの図形同士が互いに重なっていると、重なり部分が偶数番目の交点から奇数番目の交点までの区間となるためオンと判定されず、白抜けが発生する。これを防止するためには、パターンの図形同士が互いに重なるか否かの判定処理を行い、重なると判定した場合には、パターンの図形同士が互いに重ならない様に図形の分割処理を行う必要がある。
図形の重なりを判定する単純な方法として、図形同士の重なりを総当たりで確認する方法がある。例えば、図形の総数をnとすると、図形同士の重なりを総当たりで確認するためには、
{n×(n−1)}/2
の回数だけ確認作業を行う必要がある。この方法は、図形の総数nが多いと、確認のためのデータの処理量が膨大となり、描画データの生成に適したベクターデータの作成に時間が掛かるという問題がある。
これに対し、描画領域全体を複数の区画に分割し、分割した区画毎に図形同士の重なりを確認する方法がある。描画する図形が描画領域全体に均等に存在する場合、描画領域全体をm個の区画に分割すると、区画毎に図形同士の重なりを確認するためには、
[(n/m)×{(n/m)−1)}]/2×m
の回数だけ確認作業が必要となる。この方法は、図形同士の重なりを総当たりで確認する方法に比べて、確認作業の回数が減少する。しかしながら、図形を各区画に分割するための計算処理が発生するため、計算量が多くなり、ベクターデータの作成時間が十分に短縮されないという問題がある。
一般に、基材に描画するパターンの図形のCAD/CAMデータは、データ量を小さくするために、基本単位のストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現される場合が多い。本発明の課題は、基本単位のストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現されたCAD/CAMデータから、図形の重なりによる白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータを速やかに作成することである。
本発明のパターン形成装置は、フォトレジストが塗布された基材を支持するチャックと、光ビームを反射する複数の微小なミラーを二方向に配列して構成され、各ミラーの角度を変更して光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器の各ミラーを駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を有する光ビーム照射装置と、チャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動する移動手段とを備え、移動手段によりチャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動し、光ビーム照射装置からの光ビームにより基材を走査して、基材にパターンを描画するパターン形成装置であって、基本単位のストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現された、基材に描画するパターンの図形のCAD/CAMデータから、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の直交する二辺の長さを、各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチとそれぞれ比較する第1の判定処理を行い、第1の判定処理の結果、該四角形の直交する二辺の長さが、それぞれ各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより小さい場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成するベクターデータ処理手段と、ベクターデータ処理手段により作成されたベクターデータから、光ビームによる基材の走査方向と平行又は垂直な直線と、パターンの図形を構成する線との交点を演算で求め、奇数番目の交点から偶数番目の交点の間にラスターオンの判定点が存在する箇所を描画領域として、光ビーム照射装置の駆動回路へ供給する描画データを生成する描画データ生成手段とを備えたものである。
また、本発明のパターン形成方法は、フォトレジストが塗布された基材をチャックで支持し、チャックと、光ビームを反射する複数の微小なミラーを二方向に配列して構成され、各ミラーの角度を変更して光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器の各ミラーを駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を有する光ビーム照射装置とを、相対的に移動し、光ビーム照射装置からの光ビームにより基材を走査して、基材にパターンを描画するパターン形成方法であって、基本単位のストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現された、基材に描画するパターンの図形のCAD/CAMデータから、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の直交する二辺の長さを、各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチとそれぞれ比較する第1の判定処理を行い、第1の判定処理の結果、該四角形の直交する二辺の長さが、それぞれ各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより小さい場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成し、作成したベクターデータから、光ビームによる基材の走査方向と平行又は垂直な直線と、パターンの図形を構成する線との交点を演算で求め、奇数番目の交点から偶数番目の交点の間にラスターオンの判定点が存在する箇所を描画領域として、光ビーム照射装置の駆動回路へ供給する描画データを生成するものである。
第1の判定処理の結果、該四角形の直交する二辺の長さが、それぞれ各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより小さい場合には、二次元に繰り返して配列された全てのストラクチャーが他のストラクチャーと互いに重ならないので、図形同士の重なりは発生しないことが判明する。そこで、その場合は、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成することにより、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータが速やかに作成される。
さらに、本発明のパターン形成装置は、ベクターデータ処理手段が、第1の判定処理の結果、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の少なくとも一辺の長さが、その辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより大きい場合、その辺の長さをその辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチで割った値未満の最大の自然数を求め、当該自然数以内の個数だけ離れたストラクチャーが元のストラクチャーと重なるか否かの第2の判定処理を行い、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重ならない場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成するものである。
また、本発明のパターン形成方法は、第1の判定処理の結果、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の少なくとも一辺の長さが、その辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより大きい場合、その辺の長さをその辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチで割った値未満の最大の自然数を求め、当該自然数以内の個数だけ離れたストラクチャーが元のストラクチャーと重なるか否かの第2の判定処理を行い、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重ならない場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成するものである。
第2の判定処理の結果、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重ならない場合には、当該自然数を超える個数だけ離れた残りのストラクチャー同士も互いに重ならず、二次元に繰り返して配列された全てのストラクチャーが他のストラクチャーと互いに重ならないので、図形同士の重なりは発生しないことが判明する。そこで、その場合は、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成することにより、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータが速やかに作成される。
そして、第2の判定処理の結果、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重なる場合も、当該自然数を超える個数だけ離れた残りのストラクチャー同士は互いに重ならないので、更なる判定処理は必要なく、第2の判定処理で重なると判定されたものについてだけ、白抜けを防止する図形の分割処理を行えばよい。従って、図形同士の重なりを総当たりで確認する判定処理や、描画領域全体を複数の区画に分割し、分割した区画毎に図形同士の重なりを確認する判定処理を行うことなく、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータが速やかに作成される。
本発明によれば、基本単位のストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現されたパターンの図形のCAD/CAMデータから、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の直交する二辺の長さを、各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチとそれぞれ比較する第1の判定処理を行い、第1の判定処理の結果、該四角形の直交する二辺の長さが、それぞれ各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより小さい場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成することにより、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータを速やかに作成することができる。
さらに、第1の判定処理の結果、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の少なくとも一辺の長さが、その辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより大きい場合、その辺の長さをその辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチで割った値未満の最大の自然数を求め、当該自然数以内の個数だけ離れたストラクチャーが元のストラクチャーと重なるか否かの第2の判定処理を行い、第2の判定処理の結果、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重ならない場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成することにより、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータを速やかに作成することができる。
そして、第2の判定処理の結果、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重なる場合も、当該自然数を超える個数だけ離れた残りのストラクチャー同士は互いに重ならないので、更なる判定処理は必要なく、第2の判定処理で重なると判定されたものについてだけ、白抜けを防止する図形の分割処理を行えばよい。従って、図形同士の重なりを総当たりで確認する判定処理や、描画領域全体を複数の区画に分割し、分割した区画毎に図形同士の重なりを確認する判定処理を行うことなく、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータを速やかに作成することができる。
本発明の一実施の形態によるパターン形成装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施の形態によるパターン形成装置の側面図である。 本発明の一実施の形態によるパターン形成装置の正面図である。 光ビーム照射装置の概略構成を示す図である。 移動ステージの側面図である。 移動ステージの正面図である。 DMDのミラー部の一例を示す図である。 レーザー測長系の動作を説明する図である。 描画制御部の概略構成を示す図である。 ベクターデータの作成を説明する図である。 スキャンライン方式を説明する図である。 CAD/CAMデータのストラクチャーの一例を示す図である。 CAD/CAMデータのストラクチャーの他の例を示す図である。 ベクターデータ処理回路による判定処理を示すフローチャートである。 光ビームによる基材の走査を説明する図である。 光ビームによる基材の走査を説明する図である。
図1は、本発明の一実施の形態によるパターン形成装置の概略構成を示す図である。また、図2は本発明の一実施の形態によるパターン形成装置の側面図、図3は本発明の一実施の形態によるパターン形成装置の正面図である。パターン形成装置は、ベース3、Xガイド4、移動ステージ、チャック10、ゲート11、光ビーム照射装置20、リニアスケール31,33、エンコーダ32,34、エンコーダ信号分配器35、レーザー測長系、レーザー測長系制御装置40、ステージ駆動回路60、主制御装置70、ベクターデータ処理回路91、及び入力装置93を含んで構成されている。なお、図2及び図3では、エンコーダ信号分配器35、レーザー測長系のレーザー光源41、レーザー測長系制御装置40、ステージ駆動回路60、主制御装置70、ベクターデータ処理回路91、及び入力装置93が省略されている。パターン形成装置は、これらの他に、基材1をチャック10へ搬入し、また基材1をチャック10から搬出する基材搬送ロボット、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えている。
なお、以下に説明する実施の形態におけるXY方向は例示であって、X方向とY方向とを入れ替えてもよい。
図1及び図2において、チャック10は、基材1の受け渡しを行う受け渡し位置にある。受け渡し位置において、図示しない基材搬送ロボットにより基材1がチャック10へ搬入され、また図示しない基材搬送ロボットにより基材1がチャック10から搬出される。チャック10は、基材1の裏面を真空吸着して支持する。基材1の表面には、フォトレジスト等の感光性樹脂が塗布されている。
基材1にパターンの描画を行う描画位置の上空に、ベース3をまたいでゲート11が設けられている。ゲート11には、複数の光ビーム照射装置20が搭載されている。なお、本実施の形態は、4つの光ビーム照射装置20を用いたパターン形成装置の例を示しているが、光ビーム照射装置の数はこれに限らず、本発明は1つ又は2つ以上の光ビーム照射装置を用いたパターン形成装置に適用される。
図4は、光ビーム照射装置の概略構成を示す図である。光ビーム照射装置20は、光ファイバー22、レンズ23、ミラー24、DMD(Digital Micromirror Device)25、投影レンズ26、及びDMD駆動回路27を含んで構成されている。光ファイバー22は、レーザー光源ユニット21から発生された特定の波長の光ビームを、光ビーム照射装置20内へ導入する。光ファイバー22から射出された光ビームは、レンズ23及びミラー24を介して、DMD25へ照射される。DMD25は、光ビームを反射する複数の微小なミラーを直交する二方向に配列して構成された空間的光変調器であり、各ミラーの角度を変更して光ビームを変調する。DMD25により変調された光ビームは、投影レンズ26を含むヘッド部20aから照射される。DMD駆動回路27は、主制御装置70から供給された描画データに基づいて、DMD25の各ミラーの角度を変更する。
なお、図4は、レーザー光源ユニットを用いた光ビーム照射装置の例を示しているが、光ビーム照射装置の光源として、水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の様に、高圧ガスをバルブ内に封入したランプを使用してもよい。
図2及び図3において、チャック10は、移動ステージに搭載されている。図5は、移動ステージの側面図である。また、図6は、移動ステージの正面図である。移動ステージは、Xステージ5、Yガイド6、Yステージ7、θステージ8、及びZ−チルト機構9を含んで構成されている。Xステージ5は、ベース3に設けられたXガイド4に搭載され、Xガイド4に沿ってX方向へ移動する。Yステージ7は、Xステージ5に設けられたYガイド6に搭載され、Yガイド6に沿ってY方向へ移動する。θステージ8は、Yステージ7に搭載され、θ方向へ回転する。Xステージ5、Yステージ7、及びθステージ8には、ボールねじ及びモータや、リニアモータ等の図示しない駆動機構が設けられており、各駆動機構は、図1のステージ駆動回路60により駆動される。Z−チルト機構9は、θステージ8に搭載され、チャック10の裏面を3点で支持して、チャック10をZ方向へ移動及びチルトする。
θステージ8のθ方向への回転により、チャック10に搭載された基材1は、直交する二辺がX方向及びY方向へ向く様に回転される。Xステージ5のX方向への移動により、チャック10は、受け渡し位置と描画位置との間を移動される。描画位置において、Xステージ5のX方向への移動により、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームが、基材1をX方向へ走査する。また、Yステージ7のY方向への移動により、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームによる基材1の走査領域が、Y方向へ移動される。図1において、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、θステージ8のθ方向へ回転、Xステージ5のX方向への移動、及びYステージ7のY方向への移動を行う。
図7は、DMDのミラー部の一例を示す図である。光ビーム照射装置20のDMD25は、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基材1の走査方向(X方向)に対して、所定の角度θだけ傾いて配置されている。DMD25を、走査方向に対して傾けて配置すると、直交する二方向に配列された複数のミラー25aのいずれかが、隣接するミラー25a間の隙間に対応する箇所をカバーするので、パターンの描画を隙間無く行うことができる。
なお、本実施の形態では、Xステージ5によりチャック10をX方向へ移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基材1の走査を行っているが、光ビーム照射装置20を移動することにより、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基材1の走査を行ってもよい。また、本実施の形態では、Yステージ7によりチャック10をY方向へ移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基材1の走査領域を変更しているが、光ビーム照射装置20を移動することにより、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基材1の走査領域を変更してもよい。
図1及び図2において、ベース3には、X方向へ伸びるリニアスケール31が設置されている。リニアスケール31には、Xステージ5のX方向への移動量を検出するための目盛が付けられている。また、Xステージ5には、Y方向へ伸びるリニアスケール33が設置されている。リニアスケール33には、Yステージ7のY方向への移動量を検出するための目盛が付けられている。
図1及び図3において、Xステージ5の一側面には、リニアスケール31に対向して、エンコーダ32が取り付けられている。エンコーダ32は、リニアスケール31の目盛を検出して、パルス信号をエンコーダ信号分配器35へ出力する。また、図1及び図2において、Yステージ7の一側面には、リニアスケール33に対向して、エンコーダ34が取り付けられている。エンコーダ34は、リニアスケール33の目盛を検出して、パルス信号をエンコーダ信号分配器35へ出力する。主制御装置70は、エンコーダ信号分配器35を介して、エンコーダ32,34のパルス信号を入力する。そして、主制御装置70は、エンコーダ32のパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量を検出し、エンコーダ34のパルス信号をカウントして、Yステージ7のY方向への移動量を検出する。
また、ステージ駆動回路60は、エンコーダ信号分配器35を介して、エンコーダ32,34のパルス信号を入力する。そして、ステージ駆動回路60は、エンコーダ32のパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量を検出し、エンコーダ34のパルス信号をカウントして、Yステージ7のY方向への移動量を検出し、Xステージ5及びYステージ7をフィードバック制御する。
図8は、レーザー測長系の動作を説明する図である。なお、図8においては、図1に示したゲート11、光ビーム照射装置20、ベクターデータ処理回路91、及び入力装置93が省略されている。レーザー測長系は、レーザー干渉式の測長系であって、レーザー光源41、レーザー干渉計42,44、及びバーミラー43,45を含んで構成されている。Y方向へ伸びるバーミラー43は、図5及び図6に示す様に、アーム51によりYステージ7のY方向へ伸びる一側面に取り付けられている。また、X方向へ伸びるバーミラー45は、図5及び図6に示す様に、アーム52によりYステージ7のX方向へ伸びる一側面に取り付けられている。
図8において、レーザー干渉計42は、レーザー光源41からのレーザー光をバーミラー43へ照射し、バーミラー43により反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源41からのレーザー光とバーミラー43により反射されたレーザー光との干渉を測定する。この測定は、Y方向の2箇所で行う。レーザー測長系制御装置40は、主制御装置70の制御により、レーザー干渉計42の測定結果から、移動ステージのX方向の位置を検出する。
一方、レーザー干渉計44は、レーザー光源41からのレーザー光をバーミラー45へ照射し、バーミラー45により反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源41からのレーザー光とバーミラー45により反射されたレーザー光との干渉を測定する。レーザー測長系制御装置40は、主制御装置70の制御により、レーザー干渉計44の測定結果から、移動ステージのY方向の位置を検出する。
図4において、主制御装置70は、光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ描画データを供給する描画制御部を有する。図9は、描画制御部の概略構成を示す図である。描画制御部71は、メモリ72、バンド幅設定部73、中心点座標決定部74、座標決定部75、描画図形座標メモリ82、及び描画データ生成部84を含んで構成されている。なお、図9では、エンコーダ32,34と主制御装置70との間に設けられたエンコーダ信号分配器35が省略されている。
描画図形座標メモリ82には、基材に描画するパターンの図形のCAD/CAMデータを処理したベクターデータが記憶されている。描画データ生成部84は、座標演算回路85、及び描画データ生成回路86を含んで構成されている。座標演算回路85は、描画図形座標メモリ82に記憶されたベクターデータから、光ビームによる基材の走査方向と平行又は垂直な直線(走査線)と、パターンの図形を構成する線との交点を演算で求めて、基材1に対し光ビームの照射を開始する位置と、光ビームの照射を終了する位置とを決定する。描画データ生成回路86は、座標演算回路85により決定された光ビームの照射を開始する位置と光ビームの照射を終了する位置との間を塗りつぶしてパターンを描画するため、両位置の間の描画データを生成する。メモリ72は、描画データ生成部84が生成した描画データを、そのXY座標をアドレスとして記憶する。
バンド幅設定部73は、メモリ72から読み出す描画データのY座標の範囲を決定することにより、光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射される光ビームのY方向のバンド幅を設定する。
レーザー測長系制御装置40は、描画位置におけるパターンの描画を開始する前の移動ステージのXY方向の位置を検出する。中心点座標決定部74は、レーザー測長系制御装置40が検出した移動ステージのXY方向の位置から、パターンの描画を開始する前のチャック10の中心点のXY座標を決定する。図1において、光ビーム照射装置20からの光ビームにより基材1の走査を行う際、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5によりチャック10をX方向へ移動させる。基材1の走査領域を移動する際、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Yステージ7によりチャック10をY方向へ移動させる。
中心点座標決定部74は、エンコーダ32,34からのパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量及びYステージ7のY方向への移動量を検出し、チャック10の中心点のXY座標を決定する。
座標決定部75は、中心点座標決定部74が決定したチャック10の中心点のXY座標に基づき、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する描画データのXY座標を決定する。メモリ72は、座標決定部75が決定したXY座標をアドレスとして入力し、入力したXY座標のアドレスに記憶された描画データを、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ出力する。
以下、本発明の一実施の形態によるパターン形成方法について説明する。図10は、ベクターデータの作成を説明する図である。描画図形座標メモリ82に記憶されるベクターデータは、CAD/CAM用コンピュータ90、ベクターデータ処理回路91、及び入力装置93を用いて作成される。CAD/CAM用コンピュータ90は、基材に描画するパターンの図形のCAD/CAMデータを作成する。CAD/CAM用コンピュータ90で作成されたCAD/CAMデータは、パターンの図形を構成する線の始点及び終点の座標と両点をつなぐ情報とから成るベクターデータである。ベクターデータ処理回路91は、CAD/CAM用コンピュータ90で作成されたCAD/CAMデータを、入力装置93から入力された条件に従い変換して、描画図形座標メモリ82に記憶されるベクターデータを作成する。ベクターデータ処理回路91は、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータであってもよい。
図9の描画データ生成部84において、描画図形座標メモリ82に記憶されたベクターデータを元にした描画データの生成は、スキャンライン方式で行われる。図11は、スキャンライン方式を説明する図である。なお、図11では、走査線を光ビームによる基材の走査方向(X方向)と平行にしているが、走査線を光ビームによる基材の走査方向(X方向)と垂直にしてもよい。図11(a),(b),(c)において、ラスター分解能が0.50であるとき、走査線の中心軸を、Y軸の値がそれぞれ0.25,0.75,1.25,1.75,2.25の所に設定する。次に、各走査線の中心軸上で、X軸の値がそれぞれ0.25,0.75,1.25,1.75,2.25,2.75,3.25,3.75,4.25,4.75である点を、ラスターオンの判定点とする。そして、各走査線の中心軸と各パターンの図形を構成する線との交点を求め、左側から奇数番目の交点から偶数番目の交点の間に判定点が存在する箇所を描画領域とする。
図11(a)は、パターンの図形の重なりが存在しない場合の一例を示す。図11(a)の場合、四角形パターン291は、灰色で示す9個の描画領域を有し、三角形パターン292は、灰色で示す4個の描画領域を有する。
図11(b)は、パターンの図形が重なっている場合の一例を示す。図11(b)において、四角形パターン291は、図11(a)の四角形パターン291と同じであるが、三角形パターン293は、図11(a)の三角形パターン292がX方向へ約−0.75だけ移動したものとなっている。その結果、四角形パターン291の右側の一部と三角形パターン293の左側の一部とが、相互に重なっている。この場合、上述と同様のラスターオンの判定処理を実行すると、四角形パターン291と三角形パターン293との論理積にあたる部分が偶数番目の交点から奇数番目の交点までの区間になるため、オンと判定されずに白抜けとなる。
図11(c)は、パターンの図形が重なっている場合の分割処理の一例を示す。図11(b)の様に四角形パターン291と三角形パターン293が互いに重なっている場合、図11(c)の例では、四角形パターン291をそのままにして、三角形パターン293を四角形パターン291に重ならない様に分割して、新たなパターン294を形成する処理を行っている。この様に、2つのパターンの図形が互いに重なっている場合、いずれか一方のパターン又は両方のパターンの図形を分割する処理を行って、図形の重なりによる白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータを作成する必要がある。
本発明において、CAD/CAM用コンピュータ90で作成されたCAD/CAMデータは、データ量を小さくするために、基本単位のストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現されている。例えば、規則的な回路パターンの図形や表示用パネルのカラーフィルタの図形等の様に、同じ模様が繰り返し現れる図形については、基本単位のストラクチャーを構成するストラクチャー構成要素の各線の始点及び終点の情報と、ストラクチャーの繰り返しピッチ(間隔)及び繰り返し回数の情報とを用い、ストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現することにより、CAD/CAMデータのデータ量が大幅に削減される。
図12は、CAD/CAMデータのストラクチャーの一例を示す図である。図12(a)において、灰色で示す本例のストラクチャー100は、4つのストラクチャー構成要素101,102,103,104を組み合わせて構成されている。そして、CAD/CAMデータは、図12(c)に示す様に、ストラクチャー100をX方向及びY方向にそれぞれ所定回数だけ繰り返して配列する方式で表現されている。
図13は、CAD/CAMデータのストラクチャーの他の例を示す図である。図13(a)において、灰色で示す本例のストラクチャー100は、1つのストラクチャー構成要素105から構成されている。そして、CAD/CAMデータは、図13(c)に示す様に、ストラクチャー100をX方向及びY方向にそれぞれ所定回数だけ繰り返して配列する方式で表現されている。
図14は、ベクターデータ処理回路による判定処理を示すフローチャートである。図10のベクターデータ処理回路91は、まず、ステップ110及びステップ120において、CAD/CAM用コンピュータ90で作成されたストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現されたCAD/CAMデータから、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の直交する二辺の長さを、各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチとそれぞれ比較する第1の判定処理を行う。
図12の例では、図12(b)において、一点鎖線で示す四角形が、1つのストラクチャー100を囲む最小の四角形であり、この四角形のX方向の辺の長さをXs、Y方向の辺の長さをYsとする。また、図12(c)において、ストラクチャー100のX方向の繰り返しピッチをPx、Y向の繰り返しピッチをPyとする。同様に、図13の例では、図13(b)において、一点鎖線で示す四角形が、ストラクチャー100を囲む最小の四角形であり、この四角形のX方向の辺の長さをXs、Y方向の辺の長さをYsとする。また、図13(c)において、ストラクチャー100のX方向の繰り返しピッチをPx、Y向の繰り返しピッチをPyとする。なお、図13(c)においては、太線で示した四角形内のストラクチャーが、繰り返しの基準となる元のストラクチャーである。第1の判定処理では、X方向の辺の長さXsが、X方向の繰り返しピッチPx以下であるか否かを判断し(ステップ110)、また、Y方向の辺の長さYsが、Y方向の繰り返しピッチYx以下であるか否かを判断する(ステップ120)。
図12の例では、X方向の辺の長さXsが、X方向の繰り返しピッチPxより小さく、また、Y方向の辺の長さYsが、Y方向の繰り返しピッチPyより小さい。この例の様に、第1の判定処理の結果、四角形の直交する二辺の長さXs,Ysが、それぞれ各辺の方向のストラクチャー100の繰り返しピッチPx,Pyより小さい場合、二次元に繰り返して配列された全てのストラクチャー100が他のストラクチャー100と互いに重ならないので、図形同士の重なりは発生しないことが判明する。そこで、その場合は、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して(ステップ130)、ベクターデータを作成することにより、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータが速やかに作成される。
第1の判定処理の結果、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の少なくとも一辺の長さが、その辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより大きい場合、ベクターデータ処理回路91は、ステップ210又はステップ220において、その辺の長さをその辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチで割った値未満の最大の自然数を求める。そして、ベクターデータ処理回路91は、ステップ221において、当該自然数以内の個数だけ離れたストラクチャーが元のストラクチャーと重なるか否かの第2の判定処理を行う。
図13の例では、X方向の辺の長さXsは、X方向のピッチPxより大きい。また、Y方向の辺の長さYsも、Y方向のピッチPyより大きい。図14のステップ110において、X方向の辺の長さXsがX方向のピッチPxより大きい場合、または、ステップ120において、Y方向の辺の長さYsがY方向のピッチPyより大きい場合には、X方向の辺の長さXsをX方向のピッチPxで割った値未満の最大の自然数Nxを求め(ステップ210)、また、Y方向の辺の長さYsをY方向のピッチPyで割った値未満の最大の自然数Nyを求める(ステップ220)。例えば、X方向の辺の長さXsをX方向のピッチPxで割った値が1.5であれば、その値未満の最大の自然数は1となる。図13の例では、X方向の辺の長さXsをX方向のピッチPxで割った値は3であり、3未満の最大の自然数Nxは2である。また、図13の例では、Y方向の辺の長さYsをY方向のピッチPyで割った値は1.1であり、1.1未満の最大の自然数Nyは1である。
続いて、各方向に当該自然数Nx及びNy以内の個数だけ離れたストラクチャーが元のストラクチャーと重なるか否かを判断する(ステップ221)。図13の例では、X方向の当該自然数Nxが2であり、Y方向の当該自然数Nyが1であるので、X方向に1つ離れた隣のストラクチャー100が元のストラクチャーと重なるか否か、X方向に2つ離れたストラクチャー100が元のストラクチャーと重なるか否か、Y方向に1つ離れた隣のストラクチャー100が元のストラクチャーと重なるか否か、Y方向に1つ離れX方向に1つ離れたストラクチャー100が元のストラクチャーと重なるか否か、及び、Y方向に1つ離れX方向に2つ離れたストラクチャー100が元のストラクチャーと重なるか否かを判断する。この例では、図13(c)において、それらのストラクチャー100全てが、元のストラクチャーと重ならない。
第2の判定処理の結果、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重ならない場合には、当該自然数を超える個数だけ離れた残りのストラクチャー同士も互いに重ならないので、図形同士の重なりは発生しないことが判明する。そこで、その場合は、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して(ステップ130)、ベクターデータを作成することにより、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータが速やかに作成される。
第2の判定処理の結果、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重なる場合には、白抜けを防止する図形の分割処理が必要と判断する(ステップ230)。その場合も、当該自然数を超える個数だけ離れた残りのストラクチャー同士は互いに重ならないので、更なる判定処理は必要なく、第2の判定処理で重なると判定されたものについてだけ、白抜けを防止する図形の分割処理を行えばよい。従って、図形同士の重なりを総当たりで確認する判定処理や、描画領域全体を複数の区画に分割し、分割した区画毎に図形同士の重なりを確認する判定処理を行うことなく、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータが速やかに作成される。
図15及び図16は、光ビームによる基材の走査を説明する図である。図15及び図16は、4つの光ビーム照射装置20からの4本の光ビームにより、基材1のX方向の走査を4回行って、基材1全体を走査する例を示している。図15及び図16においては、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aが破線で示されている。各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームは、Y方向にバンド幅Wを有し、Xステージ5のX方向への移動によって、基材1を矢印で示す方向へ走査する。
図15(a)は、1回目の走査を示し、X方向への1回目の走査により、図15(a)に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。1回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基材1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図15(b)は、2回目の走査を示し、X方向への2回目の走査により、図15(b)に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。2回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基材1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図16(a)は、3回目の走査を示し、X方向への3回目の走査により、図16(a)に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。3回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基材1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図16(b)は、4回目の走査を示し、X方向への4回目の走査により、図16(b)に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われ、基材1全体の走査が終了する。
複数の光ビーム照射装置20からの複数の光ビームにより基材1の走査を並行して行うことにより、基材1全体の走査に掛かる時間を短くすることができ、タクトタイムを短縮することができる。
なお、図15及び図16では、基材1のX方向の走査を4回行って、基材1全体を走査する例を示したが、走査の回数はこれに限らず、基材1のX方向の走査を3回以下又は5回以上行って、基材1全体を走査してもよい。
以上説明した実施の形態によれば、基本単位のストラクチャー100を二次元に繰り返して配列する方式で表現されたパターンの図形のCAD/CAMデータから、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の直交する二辺の長さXs,Ysを、各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチPx,Pyとそれぞれ比較する第1の判定処理を行い、第1の判定処理の結果、該四角形の直交する二辺の長さXs,Ysが、それぞれ各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチPx,Pyより小さい場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成することにより、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータを速やかに作成することができる。
さらに、第1の判定処理の結果、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の少なくとも一辺の長さが、その辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより大きい場合、その辺の長さをその辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチで割った値未満の最大の自然数を求め、当該自然数以内の個数だけ離れたストラクチャーが元のストラクチャーと重なるか否かの第2の判定処理を行い、第2の判定処理の結果、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重ならない場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成することにより、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータを速やかに作成することができる。
そして、第2の判定処理の結果、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重なる場合も、当該自然数を超える個数だけ離れた残りのストラクチャー同士は互いに重ならないので、更なる判定処理は必要なく、第2の判定処理で重なると判定されたものについてだけ、白抜けを防止する図形の分割処理を行えばよい。従って、図形同士の重なりを総当たりで確認する判定処理や、描画領域全体を複数の区画に分割し、分割した区画毎に図形同士の重なりを確認する判定処理を行うことなく、白抜けが発生しない描画データの生成に適したベクターデータを速やかに作成することができる。
本発明は、印刷技術によりフレキシブル基板等に表示回路、電子回路、電子部品等を作成するプリンタブルエレクトロニクス分野において、基材(基板、フィルム等)に印刷用の版(マスク)をパターニングする際に適用することができる。また、本発明は、パッケージ基材を含むプリント配線基材分野又は半導体分野において、高精細な永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストパターン等)を形成する際にも適用することができる。これらの技術分野の製品として、例えば、電子ペーパー、電子看板、プリンタブルTFT等がある。
本発明は、特定の波長の光によって重合や硬化等の化学反応を起こす感光性樹脂を用いた基材の表面改質にも適用することができる。また、本発明は、半導体のSi貫通電極(through−silicon via,TSV)のチップ間のリペア配線等のパターンの形成にも適用することができる。
さらに、本発明は、印刷の版を作成する装置、輪転機の版作成装置、リソグラフやプリポート等のステンシル印刷装置又は孔版印刷装置等にも適用できる。また、本発明は、スクリーン印刷等の製版装置、半導体装置のリペア装置、パッケージ基材を含むプリント配線基材製造装置、フラットパネルディスプレイやプリント基材等の微細な電極パターンや露光用マスクのパターン作成装置にも適用することができる。
基材には、ウエハ、プリント基材、フラットパネルディスプレイ、マスク、レチクル等や、雑誌、新聞、本等の複写に用いられる板型が含まれ、さらに、それらをフィルム状にしたものも含まれる。
1 基材
3 ベース
4 Xガイド
5 Xステージ
6 Yガイド
7 Yステージ
8 θステージ
9 Z−チルト機構
10 チャック
11 ゲート
20 光ビーム照射装置
20a ヘッド部
21 レーザー光源ユニット
22 光ファイバー
23 レンズ
24 ミラー
25 DMD(Digital Micromirror Device)
26 投影レンズ
27 DMD駆動回路
31,33 リニアスケール
32,34 エンコーダ
35 エンコーダ信号分配器
40 レーザー測長系制御装置
41 レーザー光源
42,44 レーザー干渉計
43,45 バーミラー
51,52 アーム
60 ステージ駆動回路
70 主制御装置
71 描画制御部
72 メモリ
73 バンド幅設定部
74 中心点座標決定部
75 座標決定部
82 描画図形座標メモリ
84 描画データ生成部
85 座標演算回路
86 描画データ生成回路
90 CAD/CAM用コンピュータ
91 ベクターデータ処理回路
93 入力装置
100 ストラクチャー
101,102,103,104,105 ストラクチャー構成要素

Claims (4)

  1. フォトレジストが塗布された基材を支持するチャックと、
    光ビームを反射する複数の微小なミラーを二方向に配列して構成され、各ミラーの角度を変更して光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器の各ミラーを駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を有する光ビーム照射装置と、
    前記チャックと前記光ビーム照射装置とを相対的に移動する移動手段とを備え、
    前記移動手段により前記チャックと前記光ビーム照射装置とを相対的に移動し、前記光ビーム照射装置からの光ビームにより基材を走査して、基材にパターンを描画するパターン形成装置であって、
    基本単位のストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現された、基材に描画するパターンの図形のCAD/CAMデータから、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の直交する二辺の長さを、各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチとそれぞれ比較する第1の判定処理を行い、第1の判定処理の結果、該四角形の直交する二辺の長さが、それぞれ各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより小さい場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成するベクターデータ処理手段と、
    前記ベクターデータ処理手段により作成されたベクターデータから、光ビームによる基材の走査方向と平行又は垂直な直線と、パターンの図形を構成する線との交点を演算で求め、奇数番目の交点から偶数番目の交点の間にラスターオンの判定点が存在する箇所を描画領域として、前記光ビーム照射装置の駆動回路へ供給する描画データを生成する描画データ生成手段とを備えたことを特徴とするパターン形成装置。
  2. 前記ベクターデータ処理手段は、第1の判定処理の結果、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の少なくとも一辺の長さが、その辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより大きい場合、その辺の長さをその辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチで割った値未満の最大の自然数を求め、当該自然数以内の個数だけ離れたストラクチャーが元のストラクチャーと重なるか否かの第2の判定処理を行い、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重ならない場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成装置。
  3. フォトレジストが塗布された基材をチャックで支持し、
    チャックと、光ビームを反射する複数の微小なミラーを二方向に配列して構成され、各ミラーの角度を変更して光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器の各ミラーを駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を有する光ビーム照射装置とを、相対的に移動し、
    光ビーム照射装置からの光ビームにより基材を走査して、基材にパターンを描画するパターン形成方法であって、
    基本単位のストラクチャーを二次元に繰り返して配列する方式で表現された、基材に描画するパターンの図形のCAD/CAMデータから、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の直交する二辺の長さを、各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチとそれぞれ比較する第1の判定処理を行い、第1の判定処理の結果、該四角形の直交する二辺の長さが、それぞれ各辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより小さい場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成し、
    作成したベクターデータから、光ビームによる基材の走査方向と平行又は垂直な直線と、パターンの図形を構成する線との交点を演算で求め、奇数番目の交点から偶数番目の交点の間にラスターオンの判定点が存在する箇所を描画領域として、光ビーム照射装置の駆動回路へ供給する描画データを生成することを特徴とするパターン形成方法。
  4. 第1の判定処理の結果、1つのストラクチャーを囲む最小の四角形の少なくとも一辺の長さが、その辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチより大きい場合、その辺の長さをその辺の方向のストラクチャーの繰り返しピッチで割った値未満の最大の自然数を求め、当該自然数以内の個数だけ離れたストラクチャーが元のストラクチャーと重なるか否かの第2の判定処理を行い、それらのストラクチャーが元のストラクチャーと重ならない場合、白抜けを防止する図形の分割処理を不要と判断して、ベクターデータを作成することを特徴とする請求項3に記載のパターン形成方法。
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