JP2014232843A - ワーク分割装置及びワーク分割方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイシングテープに異方性がある場合やチップ形状の縦横比が異なる場合であっても、チップ同士を均等な且つ設定した離間距離にエキスパンドできる。【解決手段】ワークユニット12の冷却手段14、ダイシングテープSをエキスパンドしてウェハWをチップTに分割するワーク分割手段16、を有し、ワーク分割手段16は、少なくとも略均等な4分割のフレーム分割体に分割可能なフレームF、フレームFのフレーム分割体を着脱自在に保持し、フレーム分割体をフレームFが拡幅する方向に引っ張って分割させることによりダイシングテープSをエキスパンドする引張手段26、ダイシングテープSのエキスパンドによって分断予定ラインに沿って分割されるチップ同士の離間距離を撮像する撮像手段28、撮像手段28で撮像されたチップ同士の離間距離に基づいて引張手段26のそれぞれの引張力を調整する引張力調整手段30を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、ワーク分割装置及びワーク分割方法に係り、特に、ダイシングテープを介してリング状のフレームにマウントされ、個々のチップにダイシング、グルービング加工した半導体ウェハに対し、ダイシング加工後にダイシングテープをエキスパンドして個々のチップに分割するワーク分割装置及びワーク分割方法に関するものである。
従来、半導体チップの製造にあたり、例えば、予めレーザ照射等によりその内部に分断予定ラインが形成された半導体ウェハをDAF(Die Attach Film ダイアタッチフィルム)と呼ばれるダイボンディング用のフィルム状接着剤が付いたダイシングテープ(粘着テープ、粘着シート)を介してフレームに張り付けたワークユニットにおいて、ダイシングテープをエキスパンド(拡張又は引き伸ばし)して半導体ウェハ及びDAFを個々のチップに分割するようにしている。
図11にワークユニット12を示す。ここでワークユニット12とは、ワークとしての半導体ウェハWが、DAFを介してダイシングテープに貼付された全体を指す用語として使用する。
図11(a)はワークユニット12の斜視図、図11(b)はワークユニット12の断面図である。これらの図に示すように、ワークユニット12は、半導体ウェハWの裏面が、DAF(D)を介してダイシングテープSに貼り付けられて構成される。また、図11(a)に示すように、半導体ウェハWの面には、直交方向(X−Y方向)のダイシングにより、格子状にチップが配列されている。
そして、ダイシングテープSの周縁部は剛性のあるリング状部材であるフレームFにマウントされ、ダイシングテープSがエキスパンドされることによって、半導体ウェハWが各チップTに個片化(分割)される。
ここで、DAFは室温付近では粘性が高く、上述したようにDAFの付いたダイシングテープをエキスパンドして半導体ウェハをチップに個片化するためには、DAFを冷却して脆性化させた状態でテープをエキスパンドする必要がある。代表的な冷却方法としては、低温チャックテーブル方式や雰囲気冷却方式が知られている。
また一方で、テープをエキスパンドしてチップに個片化した後の工程での処理のため、エキスパンド後の弛んだダイシングテープを再度緊張させる必要がある。
例えば、ワーク分割装置として、水平方向に配置されたワークユニット12に対して、円環状の突き上げリングを垂直方向に移動させてダイシングテープSを突き上げることにより、ダイシングテープSをエキスパンドして半導体ウェハを個々のチップに分割する突き上げエキスパンド方式がある(例えば、特許文献1等参照)。
このワーク分割装置は、分断予定ラインが予め形成されたワークをダイシングテープを介して支持した状態のフレームであるワーク付きフレームのフレームを保持し、フレームとワークとをワークの面に直交する方向に離反させてダイシングテープをエキスパンドさせることにより、ワークを分断予定ラインに沿って分割する分割手段と、エキスパンドによって生じたダイシングテープの弛みを加熱して除去する加熱手段と、ワーク付きフレームを回転させながらワークに洗浄液を供給することによりワークを洗浄する洗浄手段と、ワークのダイシングテープに紫外線を照射する手段と、を備えたワーク分割装置が提案されている。
特開2010−206136号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された円環状のリングを突き上げてダイシングテープをエキスパンド方式(略して「リング突き上げ方式」という)は、ダイシングテープを突き上げる垂直方向の力を水平方向の力に変換することでダイシングテープを放射状にエキスパンドする方式であるため、以下の問題点がある。
(1)チップ同士を均等離間する際の問題点
(1-1)ダイシングテープを放射状方向にエキスパンドする力が均等であっても、ダイシングテープの異方性により縦方向及び横方向の伸び率が異なる。これにより、エキスパンド後のチップ同士の間隔が均等に離間しないという問題がある(テープ異方性による伸び率が異なる問題)。
(1-2)ダイシングテープをエキスパンドする際に、仮にテープの異方性を考慮してエキスパンドするように変化させたとしても、ある方向への引っ張り量を多くすると、その垂直方向は、ポアソン比の影響で縮んでしまう。この場合、リング突き上げ方式では、ポアソン比を考慮して縦横の引っ張り量を厳密に制御することはできない(テープ引っ張りによるポアソン比の問題)。
(1-3)また、チップ形状の縦横比が異なる場合(例えば正方形のチップではなく長方形のチップの場合)には、リング突き上げ方式では、エキスパンド後のチップ同士の間隔が均等に離間しないという問題がある(チップの縦横比が異なる場合の問題)。
(1-4)リング突き上げ方式の場合、すべてのダイシングテープを同じ量分だけ引っ張ることしかできない(独立した制御ができない問題)。
(1-5) リング突き上げ方式の場合、ダイシングテープがエキスパンドする過程で、リングの面とダイシングテープとが擦れると共に、リング面の位置によって擦れ方が微妙に異なる。これにより、この微妙な摩擦差によって、ダイシングテープの伸び方が方向によって変化する。(テープとリングとの間の摩擦による伸び方の差の問題)。
そして、チップ同士が均等に離間しないと、後工程への搬送段階でチップ同士が接触して破損する。また、後工程でダイシングテープSからチップを剥離する際に、剥離爪がチップ同士の隙間に入らないため剥離できないという問題が生じる。
(2)エキスパンドしたダイシングテープの緊張状態を維持する際の問題点
リング突き上げ方式は、円環状の突き上げリングの突き上げにより緊張したダイシングテープSを円環状の突き上げリングが退避した後も緊張した状態を維持するための緊張維持工程を必要とする。この緊張維持工程としては、現在、3つの方法が行われているが、次の問題点がある。
(2-1)加熱収縮方法…エキスパンド後のダイシングテープの弛んだ部分を加熱収縮して、ダイシングテープの緊張を維持する方法。しかし、この加熱収縮方法は、熱によって半導体ウェハWにダメージを与える虞がある。代表的な加熱収縮方法としては、温風ヒータ等で加熱する方式がある。この方式は、ランニングコストが安価である反面、温風は拡散してしまうという特性上、冷却・エキスパンドと加熱・緊張とを一つの処理ステージで行うことは困難である。
(2-2)かしめ方法…かしめ用リングをフレームに挿入して、ダイシングテープの緊張を維持する方法。しかし、このかしめ方法は、かしめるときにダイシングテープが破損する虞がある。
(2-3)フレーム移載方法…エキスパンド後のダイシングテープが緊張したまま、ワークユニットを別のフレームに移載することで、ダイシングテープの緊張を維持する方法。しかし、この移載方法は、移載する側のフレームはエキスパンドした際のフレームよりも径を小さくなくてはならず、大径な半導体ウェハに対応できないという問題がある。逆に、エキスパンドするフレームの径を移載するフレームの径よりも大きくすることも考えられるが、この場合にはダイシングテープの使用面積が大きくなりダイシングテープの費用コストが嵩むという問題がある。
このように、現在のワーク分割装置及びワーク分割方法は、未だ解決すべき複数の課題があり、これらの課題を解決するための新規なワーク分割装置及びワーク分割方法が要望されている。
本発明はこのような問題に鑑みて成されたものであり、ダイシングテープに異方性がある場合やチップ形状の縦横比が異なる場合であっても、チップ同士を均等な且つ設定した離間距離にエキスパンドできるワーク分割装置及びワーク分割方法を提供する。
更に本発明はこのような問題に鑑みて成されたものであり、エキスパンド後のダイシングテープの緊張を維持するために、半導体ウェハへのダメージがなく、ダイシングテープを破損することなく、更にはダイシングテープの費用コストが嵩むことのないワーク分割装置及びワーク分割方法を提供する。
前記目的を達成するために、本発明のワーク分割装置は、ワークとしての半導体ウェハが貼付されたダイシングテープをエキスパンドして前記ワークを予め形成された分断予定ラインに沿って個々のチップに分割するワーク分割手段を少なくとも備えたワーク分割装置において、前記ワーク分割手段は、前記ダイシングテープの周縁部を一体で保持し、ワーク分割時にはチップ離間方向に独立して分割することができるフレーム分割体で構成されたフレームと、前記フレームのそれぞれのフレーム分割体を個別に引っ張って、前記チップが離間する方向に略同一平面上で拡幅し、前記ダイシングテープをエキスパンドする引張手段と、を備えたことを特徴とする。
ここで、「ダイシングテープの周縁部を一体で保持」とは、フレームが分割されておらず一つにまとまった状態でダイシングテープの周縁部を保持することを言う。
また、「略同一平面上で拡幅し」とは、フレームを構成する各フレーム分割体が略同一の平面上で引っ張られることでフレームの直径が拡幅することを意味する。この場合、同一平面が水平面であることが一般的である。
本発明のワーク分割装置によれば、ダイシングテープの周縁部を一体で保持するフレームのそれぞれのフレーム分割体を個別に引っ張って、チップが離間する方向に略同一平面上で拡幅し、これによりダイシングテープをエキスパンドするようにしたので、上記に記載した従来の問題をすべて解消することができる。
即ち、本発明は、テープ異方性が存在したとしても、フレームをそれぞれフレーム分割体に分けて個別に引っ張ることができるため、異方性が存在した場合に、その異方性の方向に応じて引っ張る量を変えることができる。なお、異方性が存在しない場合には、均等に引っ張ってもよい。これにより、テープ異方性による伸び率が異なる問題を解決できると共に、同様にポアソン比の問題も解決できる。
また、本発明は、ダイシングテープを略同一平面上で引っ張るので、ダイシングテープの曲げ剛性を気にすることなく、純粋に、引っ張り方向のダイシングテープの異方性に見合った引っ張り強度に応じた分、その方向に引っ張ることが可能となる。したがって、チップの縦横比が異なる場合も上記のテープ異方性の場合と同様に、チップの縦横比に応じてダイシングテープの引っ張り量を求め、その引っ張り量になるようにそれぞれのフレーム分割体を個別に引っ張ればよい。これにより、チップの縦横比が異なる場合の問題を解決できる。
また、リング突き上げ方式では、各チップの離間方向であるX−Y方向に独立して引っ張ることができないが、本発明によれば、略同一平面上でX−Y方向に独立して引っ張ることが可能となる。これにより、リング突き上げ方式は独立した制御を行うことができないという問題を本発明により解決できる。
また、リング突き上げ方式では、リングで突き上げるため、ダイシングテープが伸びる際に、ダイシングテープとリング間の摩擦が起こる。その摩擦の微小なバラツキは、ダイシングテープの引っ張る大きさにも影響し、厳密に制御できない。
これに対して、本発明のように、ダイシングテープを保持するフレームを外周に向けて略同一平面上で引っ張るので、突き上げ方式のようにリングとの摩擦による影響を受けることなく、ダイシングテープを一定の力で精度良く引っ張ることができる。
また、リング突き上げ方式では、ダイシングテープをエキスパンドする際にチップが離間するX−Y方向に独立して引っ張ることができない。
これに対して、本発明のようにフレームがフレーム分割体で構成されているので、略同一平面上でダイシングテープを保持するフレームを外周に引っ張る場合、チップが離間するX−Y方向に独立して引っ張ることができ、ダイシングテープのポアソン比を考慮して、故意に引っ張り強度を変えることも可能となる。これにより、チップを等間隔に離間する利点を持つ。
また、本発明のワーク分割装置の態様によれば、前記ダイシングテープのエキスパンドによって前記分断予定ラインに沿って分割されるチップ同士の離間距離を撮像する撮像手段を更に備えることが好ましい。
これにより、ワーク分割時におけるチップのX−Y方向の離間状態がリアルタイムに分かるので、チップ同士を均等な且つ設定距離にエキスパンドできる。したがって、ダイシングテープに異方性がある場合やチップ形状の縦横比が異なる(例えば長方形)場合であっても、予めフレームを構成するそれぞれのフレーム分割体の引っ張り量を予備実験や計算により求めておく必要がない。
本発明のワーク分割装置の態様によれば、前記フレームは、X−Y方向に独立して拡幅することが可能であることが好ましい。
これにより、ダイシングテープの異方性、ポアソン比や、チップの縦横比が異なる場合に精度良く対応できる。
本発明のワーク分割装置の態様によれば、前記フレームは、完全に均等に4分割される必要はないが、略均等に4分割されたフレーム分割体を有することが好ましい。
フレームを、略均等に4分割することで、引張手段の引張力をワークユニットのX−Y方向(直交方向)に精度良く付与することができる。そして、分割される半導体ウェハWの面には、直交方向(X−Y方向)のダイシングにより、格子状にチップが配列されている。
したがって、フレームのX−Y方向と半導体ウェハの面に格子状に配列されたチップの配列方向であるX−Y方向とが一致するようにワークユニットをフレームにマウントして4つのフレーム分割体の引張力を調整しながら引張手段で引っ張れば、チップ同士のX方向の離間距離とY方向の離間距離とを均等に拡げることができる。
本発明のワーク分割装置の態様によれば、前記フレームのフレーム分割体同士は結合部材によって結合されていると共に、前記結合部材を着脱する着脱手段を設けた。
これは、ダイシングテープを一体で保持し、且つワーク分割時に分割可能なフレームの構造の一態様として示したものである。
本発明のワーク分割装置の態様によれば、前記ワーク分割装置は、前記ワーク分割手段でダイシングテープがエキスパンドされた状態のまま保持するワーク保持手段を更に備え、前記ワーク保持手段は、前記フレームと同一サイズのリング状部材であって、前記ダイシングテープをエキスパンドした状態で前記ワークを移載する移載用フレームと、前記移載用フレームを脱着可能に保持し、待機位置から移載位置へ移動させる移動手段と、前記エキスパンドした状態のダイシングテープを前記移載用フレームに貼り付ける貼付手段と、前記フレームに貼付されたダイシングテープを前記フレームから切り離す切断手段と、を有することが好ましい。
本発明の態様によれば、フレームを拡幅してダイシングテープをエキスパンドすることによりフレームが大径化するので、フレーム(拡幅前)と同一サイズの移載用フレームをフレームの内側に配置することができる。そして、貼付手段でダイシングテープを移載用フレームに貼付した後、切断手段でダイシングテープをフレームから切り離すようにした。
これにより、エキスパンドした後のダイシングテープの緊張を維持するために、加熱収縮方法やかしめ方法を行う必要がないので、半導体ウェハがダメージを受けたり、ダイシングテープを破損したりすることがない。しかもフレームと同一サイズの移載用フレームにワークを移載することができるので、大径の半導体ウェハにも対応できる。更には、フレームを移載用フレームよりも大径にする必要がないので、ダイシングテープの費用コストが嵩むこともない。
前記目的を達成するために、本発明のワーク分割方法は、ワークとしての半導体ウェハが貼付されたダイシングテープをエキスパンドして前記ワークを予め形成された分断予定ラインに沿って個々のチップに分割するワーク分割方法において、フレーム分割体に分割可能なフレームにマウントするマウント工程と、前記マウントされたワークを冷却するワーク冷却工程と、前記分割可能なそれぞれのフレーム分割体を前記フレームが拡幅する方向に引っ張って分割し、前記ワークにX−Y方向の張力を付与することにより前記ダイシングテープをエキスパンドして前記半導体ウェハを個々のチップに分割するエキスパンド工程と、分割中のチップ同士の離間距離を撮像する撮像工程と、撮像結果に基づいて前記離間距離が均等で且つ設定距離になるようにそれぞれの引張手段の張力を制御する張力調整工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明のワーク分割方法によれば、ダイシングテープに異方性がある場合やチップ形状の縦横比が異なる場合であっても、チップ同士を均等にエキスパンドできる。
本発明のワーク分割方法の態様において、前記張力調整工程の後に、移載用フレームを待機位置から移載位置に移動させる移載用フレーム移動工程と、前記エキスパンドされた状態のダイシングテープを前記移載用フレームに押圧して前記ダイシングテープと前記移載用フレームとを貼り付ける貼付工程と、前記移載用フレームに貼付されたダイシングテープを前記フレームから切り離す切断工程と、を備えることが好ましい。
これにより、エキスパンドした後のダイシングテープの緊張を維持するために、加熱収縮方法やかしめ方法を行う必要がないので、半導体ウェハがダメージを受けたり、ダイシングテープを破損したりすることがない。しかもフレームと同一サイズの移載用フレームにワークユニットを簡単に移載することができるので、大径の半導体ウェハにも対応できる。更には、フレームを移載用フレームよりも大径にする必要がないので、ダイシングテープの費用コストが嵩むこともない。
以上説明したように、本発明のワーク分割装置及びワーク分割方法によれば、ダイシングテープに異方性がある場合やチップ形状の縦横比が異なる場合であっても、チップ同士を均等な且つ設定離間距離にエキスパンドできる。
また、エキスパンド後のダイシングテープの緊張を維持するために、半導体ウェハへのダメージがなく、ダイシングテープを破損することなく、更にはダイシングテープの費用コストが嵩むこともない。
本発明のワーク分割装置の全体構成図 ワーク分割装置のワーク分割手段を説明する上面図 ワーク分割手段のフレームと結合部材の説明図 フレームの別態様の説明図 フレームの結合部材を着脱する着脱手段の説明図 フレームのフレーム分割体を引っ張る引張手段の説明図 フレームを引張手段で拡幅した上面図 撮像手段で分割中のチップ同士の離間状態を観察している図 ワーク分割手段の動作のフローチャート図 ワーク分割手段の主要なステップの説明図 ワーク分割手段の主要なステップの説明図 ワーク分割手段の主要なステップの説明図 ワーク分割手段の主要なステップの説明図 ワークユニットを示す(a)は斜視図、(b)は断面図
以下、添付図面を参照して、本発明に係るワーク分割装置及びワーク分割方法について詳細に説明する。
[ワーク分割装置]
図1は、本発明に係るワーク分割装置10の全体構成図である。
図1に示すように、ワーク分割装置10はワークとしての半導体ウェハW(以下、「ウエハW」という)を予め形成された分断予定ラインに沿って個々のチップT(図11参照)に分割する装置であり、主として、ワークユニット12を冷却する冷却手段14と、ワークユニット12のダイシングテープSをエキスパンドしてウェハWを個々のチップTに分割するワーク分割手段16と、ワーク分割手段16でエキスパンドされたワークユニット12をエキスパンド状態で保持するワーク保持手段18と、がワーク分割室20内に収納されて構成される。
そして、図11で示したようなワークユニット12のダイシングテープSの周縁部が、ワーク分割手段16のリング状の剛性なフレームFにマウントされる。なお、フレームFの構造の詳細は後述する。
即ち、本実施の形態のワーク分割装置10は、ワークユニット12の冷却、ワークユニット12のエキスパンド(拡張又は引き伸ばし)、及びエキスパンド状態のワークユニット12の保持を同一の処理ステージで実施するように構成されている。
なお、本発明の実施の形態では、ワーク分割装置10として、ワーク分割室20内に、ワーク分割手段16の他にワーク冷却手段14及びワーク保持手段18を備えるようにして、ワークユニット12の冷却、ワークユニット12のエキスパンド、及びエキスパンド状態のワークユニット12の保持を同一の処理ステージで実施するようにしたが、別々のステージ(別々の処理室)で行うように構成することもできる。
以下に、ワークユニット12、冷却手段14、ワーク分割手段16、ワーク保持手段18について詳しく説明する。
(ワークユニット)
図11に示したように、ウェハWの裏面は、DAF(Die Attach Film ダイアタッチフィルム…以下、「DAF(D)」と表示する。)を介してダイシングテープSに貼付された状態となっている。例えば、ウェハWは厚さ50μm程度、DAF(D)及びダイシングテープSはそれぞれ厚さ数μmから100μm程度のものが一般的に使用される。
ダイシングテープSとしては、次の種類のテープを好適に使用できる。即ち、ポリオレフィン(PO)系テープの場合、例えば古河電工製のUC−353EP−110やリンテック製のD−675、ポリ塩化ビニール(PVC)系テープの場合、日東電工製のUE−110Bやリンテック製のD−175、UV型DAFテープ(基材はPO系)の場合、日立化成工業製のFHシリーズ(例えば、FH−9011)等が挙げられる。また、感圧型DAFテープ(基材はPO系)としては、日立化成工業製のHRシリーズ(例えばHR−9004)が挙げられる。このようなダイシングテープSは、エキスパンド性を有するとともに加熱することによって熱収縮又は熱硬化する。
ウェハWを保持するエキスパンド性のダイシングテープSは、フレームFにマウントしてエキスパンドさせることが必要となるため、当然ウェハWよりも大きい領域となる。例えば、ウェハの径(直径)が200mmサイズの円板の場合、エキスパンドするダイシングテープSは、300mm程度の大きさのリング状のフレームFに貼られており、その内側にウェハWがある。ウェハWとフレームFの間も25mm〜40mm以上はある。
ウェハWの裏面とダイシングテープSの間にはDAF(D)が介在されている。DAF(D)はウェハWとほぼ同径ではあるが、実質はウェハWよりも少し大きくしている。なぜならば、DAF(D)は伸縮性の材料であるので、ウェハWと全く同一サイズとした場合、ウェハWが、DAF(D)に対して、少しずれて貼り付けられてしまう場合があるからである。こうした微妙なずれがあっても、必ずDAF上にウェハWを載せ置いて貼り付けるために、DAF(D)はそのずれ量も考慮して多少ウェハWよりも大きめ、即ち、外形にして約10mm程度大きくすることが好ましい。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、極端な場合、DAF(D)はダイシングテープSと同じようにフレームFいっぱいの大きさとしてもよい。
また、DAFテープは伸縮性の材料であり、ウェハWの裏面に確実に貼り付けるためには、貼り付け精度上のマージンからDAF径はウェハWの径よりも10mm程度、少なくとも、ウェハWの径よりも2mm以上(片側1mm以上)大きくすることが好ましい。
(冷却手段)
ワークユニット12を冷却する冷却手段14としては、ワークユニット12を冷却できればどのようなものでもよいが、例えば、円板状の冷凍チャックテーブル(図示せず)でワークユニット12の下面を吸引保持することによりワークユニット12を冷却するチャックテーブル方式のもの、ワーク分割室20内の雰囲気を冷却することによりワークユニット12を冷却する雰囲気冷却方式のものを好適に使用できる。なお、図1では、雰囲気冷却方式の冷却手段14の例で示している。
図1に示す冷却手段14は、冷却ガス製造装置14Aで製造された冷却ガスを、ダクト14Bを介してワーク分割室20内に導入することにより、ワーク分割室20内を冷却する。これにより、ワークユニット12をとりまく雰囲気を冷却してワークユニット12の分断予定ラインを含むウェハW及びDAF(D)を冷却する。この場合、冷却ガスのダクト14Bをワークユニット12の近傍まで延設し、ダクト先端に取り付けた吹出ノズル14Cからワークユニット12に冷却ガスを吹きつけるようにすることが好ましい。
ワーク分割室20内の雰囲気を冷却する方法としては、冷却ガスをワーク分割室20内に供給する方法の他に、ワーク分割室20の内壁面全体に冷却パネル(図示せず)を設ける方法でもよい。
ワークユニット12は、冷却手段14によってDAF(D)が0℃以下、例えば−5℃〜−10℃程度になるように冷却される。したがって、冷却ガスは、空気でもよいが、低温まで冷却しやすい窒素ガスや炭酸ガス等を使用することが好ましい。
(ワーク分割手段)
図1及び図2に示すように、ワーク分割手段16は、主として、ワークユニット12のダイシングテープSの周縁部を保持するリング状部材であって、略均等に4分割に分割可能なフレーム分割体F,F,F,F同士を結合部材22、22…で着脱自在に結合してなるフレームFと、フレームFに対して結合部材22を着脱する着脱手段24と(図2参照)、フレームFのそれぞれのフレーム分割体F,F,F,Fを着脱可能に保持し、それぞれのフレーム分割体F,F,F,FをフレームFが拡幅する方向に個別に引っ張る引張手段26、26…と、分断予定ラインに沿って分割されるチップT同士の離間距離を撮像する撮像手段28(図1参照)と、撮像手段28で撮像されたチップT同士の離間距離に基づいて引張手段26のそれぞれの張力を制御する引張力調整手段30と、で構成される。
そして、着脱手段24、引張手段26、撮像手段28、及び引張力調整手段30は、信号ケーブルを介してワーク分割装置10全体を制御するコントローラ32(図1参照)に接続される。
図3(A)は、4枚のフレーム分割体F,F,F,Fに略均等に4分割したフレームFにワークユニット12をマウントした図である。図3(B)は、図3(A)のa−a線に沿った断面図であり、図3(C)は、図3(A)のb−b線に沿った断面図である。また、図3(D)は、図3(A)のc−c線に沿った断面図である。
なお、図3では、既存のフレーム形状のものを4分割したフレームFの図で示したが、例えば、図4に示すように、正四角形のフレーム形状のものを4分割したフレームFとするようにしてもよい。これにより、フレームFを均等にX方向とY方向とのフレーム分割体F,F,F,Fに4分割することができるので、引張手段26でX方向とY方向とに精度良く引張力を付与し易い。また、図3では、4分割のフレームFの例で示したが、3分割以上であればよい。3分割以上のフレーム分割体であれば、引張手段26によってワークユニット12に対してX−Y方向の引張力成分を付与することができるからである。
以下の説明では、図3の既存のフレーム形状のフレームFの例で説明する。
図3(A)及び図3(B)に示すように、分割線Lで示す位置で分割される4枚のフレーム分割体F,F,F,Fは、直交するX−Y方向において、X方向に2枚のフレーム分割体F,Fが対向配置され、Y方向に2枚のフレーム分割体F,Fが対向配置される。そして、フレームFにワークユニット12をマウントするときには、ウェハWのX方向の分断予定ラインとフレームFのX方向、及びウェハWのY方向の分断予定ラインとフレームFのY方向とが一致するようにマウントする。
また、図3(C)に示すように、フレーム分割体同士を結合する結合部材22は、フレーム分割体同士を着脱自在に結合するものであり、例えば断面コ字形状に形成される。そして、図3(D)に示すように、断面コ字形状に形成された結合部材22の内側上下面には、分割線Lを挟んで平行な4本の凸状部22Aが形成される。一方、分割線Lを挟んだ2つのフレーム分割体(例えばF,F)の外側上下面には、4本の凸状部22Aがそれぞれ嵌入する溝FAが形成される。
これにより、結合部材22を着脱する着脱手段24により、結合部材22を保持して結合部材22の凸状部22Aを、フレーム分割体(例えばF,F)同士の溝FAに嵌入することで、フレーム分割体(例えばF,F)同士が分離することなく一体として結合される。また、着脱手段24により、結合部材22の凸状部22Aを、フレーム分割体(例えばF,F)同士の溝FAから引き抜くことで、結合部材22がフレームFから脱着され、フレームFがフレーム分割体F,F,F,Fに分割可能となる。
図2及び図5に示すように、着脱手段24は、主として、フレーム分割体F,F,F,F同士の分割線Lの延長線上に敷設されたレール34と、レール34上にスライド自在に設けられたスライダ36と、ピストンロッド38Aを介してスライダ36を支持するシリンダ装置38と、スライダ36から結合部材22に向けて出没するピン40(図5参照)と、で構成される。また、結合部材22には、ピン40が挿入されるピン孔42が形成されている。
そして、フレームFから結合部材22を脱着する場合には、図5(A)に示すように、シリンダ装置38のピストンロッド38Aを伸び動作してスライダ36を前進移動させ、スライダ36のピン40が結合部材22のピン孔42の真下に位置するようにする。
次に、図5(B)に示すように、スライダ36からピン40と突出させて結合部材22のピン孔42に挿入する。スライダ36からピン40を出没させる手段は、特に図示しないが、例えばモータとカムとで構成したり、スプリングと電動磁石とで構成したりすることができる。
次に、図5(C)に示すように、シリンダ装置38のピストンロッド38Aを縮動作してスライダ36を後退移動させる。これにより、フレームFから結合部材22を脱着することができる。また、結合部材22をフレームFに取り付ける場合には、図5の(A)〜(C)の動作を逆に行えばよい。
また、図3(A)に示すように、フレームFのそれぞれのフレーム分割体F,F,F,Fには、フレーム分割体F,F,F,Fを引張手段26に着脱可能に保持するための係合孔44が形成される。図3(A)では係合孔44をフレーム分割体F,F,F,Fの左右に1つずつ2個形成し、1つのフレーム分割体に対して2基の引張手段26を設けた例で示したが、2基に限るものではない。引張手段26でフレーム分割体F,F,F,Fを水平方向に引っ張ったときにフレーム分割体F,F,F,Fに均等なX方向又はY方向の引張力が付与されればよい。
なお、フレーム分割体F,F,F,F同士を結合する別の態様として、フレーム分割体F,F,F,F同士の結合部分に永久磁石(図示せず)を内包し、フレーム分割体F,F,F,Fをそれぞれの引張手段26で永久磁石の磁力よりも強い引張力で引っ張ることでフレーム分割体F,F,F,F同士が分割されるようにしてもよい。この態様であれば、着脱手段24を省略することが可能となる。
図2及び図6に示すように、引張手段26は、主として、ウェハWのX方向又はY方向の分断予定ラインの延長線上に敷設されたレール46と、レール46上にスライド自在に設けられたナット部材48と、ナット部材48に螺合するボールネジ50と、ボールネジ50を回転する正逆回転可能なサーボモータ52と、ナット部材48に搭載されフレームFのフレーム分割体F,F,F,Fを脱着可能に保持するフレーム分割体保持手段54と、で構成される。
図6に示すように、フレーム分割体保持手段54は、回動軸54Aを中心に回動する円板54Bからフレーム分割体F,F,F,Fの係合孔44に係合する係合フック54Cが延びており、回動軸54Aが回動モータ54Dに連結される。そして、ナット部材48を前進移動させて係合フックの位置をフレーム分割体F,F,F,Fの係合孔44の位置に位置決めし、回動モータ54Dによって円板54Bが反時計回り(矢印M方向)に回動する。これにより、係合フック54Cが係合孔44に係合して、フレーム分割体F,F,F,Fが引張手段26に保持される。また、円板54Bが時計回り(矢印N方向)に回動すると係合フック54Cが係合孔44から外れて、フレーム分割体F,F,F,Fが引張手段26の保持から解除される。
そして、図7に示すように、着脱手段24でフレームFから結合部材22を脱着し、引張手段26のそれぞれの係合フック54Cを対応するフレーム分割体F,F,F,Fの係合孔44に係合させ、それぞれの引張手段26のサーボモータ52によりボールネジ50を回転させて、ナット部材48を矢印方向に移動させる。これにより、フレームFが略同一平面上で拡幅してワークユニット12のダイシングテープSをエキスパンドするので、ウェハWを個々のチップTに分割することができる。同様に、DAFテープDも分割される。なお、本実施の形態では、略同一平面上を図1にしたがって水平面上として説明する。
図1に示すように、撮像手段28は、フレームFにマウントされたワークユニット12の上方に配設されたCCDカメラ28Aと、ワークユニット12の下方に配設された円板状の光源ランプ28Bとで構成される。
そして、図8に示すように、ワーク分割手段16の引張手段26によって分割中のチップT同士のX方向の離間距離XL、及びY方向の離間距離YLがCCDカメラ28Aによって撮像され、撮像された結果がコントローラ32(図1参照)に入力される。コントローラ32は、撮像されたすべてのチップT同士の離間距離XL、YLに基づいて、離間距離XL、YLが均等で且つ設定した離間距離になるように引張力調整手段30を介してそれぞれの引張手段26(図2の8基)のサーボモータ52を制御する。
(ワーク保持手段)
図1に示すように、ワーク分割手段16でエキスパンドされたワークユニット12をエキスパンド状態で保持するワーク保持手段18は、フレームFと同一サイズのリング状部材であって、ダイシングテープSをエキスパンドした状態のワークユニット12を移載する移載用フレーム56と、移載用フレーム56を脱着可能に保持し、待機位置から移載位置へ移動させる移動手段58と、エキスパンドした状態のダイシングテープSを移載用フレーム56にダイシングテープSを貼り付ける貼付手段60と、移載用フレーム56に貼付されたダイシングテープSをフレームFから切り離す切断手段62と、で構成される。
移載用フレーム56は、上記したフレームFのように分割される必要ななく、連続したリング状部材として形成される。
移動手段58は、例えば、水平方向にピストンロッド64Aが伸縮する水平用シリンダ装置64と、垂直方向にピストンロッド66Aを伸縮する垂直用シリンダ装置66と、垂直用シリンダ装置66のピストンロッド66Aの先端に設けた吸着盤68と、で構成することができる。吸着盤68の下面周縁部には、真空ポンプ(図示せず)に繋がる吸引ホース70によって吸引力が発生する複数の吸着パッド68Aが設けられる。これにより、吸着パッド68Aに移載用フレーム56を吸着保持して、水平用シリンダ装置64及び垂直用シリンダ装置66を駆動して、移載用フレーム56を待機位置から移載位置に移動させることができる。
なお、移動手段58は上記構成のものに限定するものではなく、移載用フレーム56を待機位置から移載位置に移動させることができる手段であればどのようなものでもよい。
図1に示すように、貼付手段60及び切断手段62は、1つのユニットとして構成される。即ち、フレームFにマウントされたワークユニット12の下方には、上記した円板状の光源ランプ28Bを囲むように断面凹状の円盤部材72が設けられる。この円盤部材72の上面周縁部には対向するように垂直方向に伸縮する一対のシリンダ装置74A、74Bが設けられる。なお、一対のシリンダ装置74は円盤部材72の上面周縁部に設けられればよく、対向することに限定されない。
そして、一方のシリンダ装置74Aのピストンロッド先端には支持部材78を介して押圧ローラ80が回転自在に支持される。また、他方のシリンダ装置74Bのピストンロッド先端には支持部材82を介してカッタ刃84が支持される。また、円盤部材72の下面中心が垂直な回転軸86に支持され、回転軸86が図示しない回転駆動源に連結される。
これにより、押圧ローラ80を支持するシリンダ装置74Aを伸び動作させてワーク分割手段16によってエキスパンドされた状態のワークユニット12のダイシングテープSに当接させ、円盤部材72を回転させることで、移載用フレーム56に粘着性のDAFを介してダイシングテープSを貼付させることができる。
また、他方のシリンダ装置74Bを伸び動作させて、カッタ刃84を、移載用フレーム56に貼付したエキスパンドされた状態のダイシングテープSに当接させ、円盤部材72を回転させることで、フレームFからダイシングテープSを切り離すことができる。
[ワーク分割方法]
次に、上記の如く構成されたワーク分割装置10を用いて、ワークユニット12のウェハWを個々のチップTに分割して個片化した後、ダイシングテープSが緊張状態のワークユニット12をフレームFから移載用フレーム56に移載するまでのステップを説明する。
図9は、ワーク分割方法のステップを示すフローチャート図である。
〈ステップ1:マウント工程〉
ワーク分割手段16のフレームFにワークユニット12をマウントする。
〈ステップ2:ワーク冷却工程〉
次に、冷却手段14からワーク分割室20内に冷気ガスを供給してワークユニット12の雰囲気を冷却することによって、フレームFにマウントされたワークユニット12を冷却する。特に、DAF(D)を−5℃〜−10℃程度に冷却してDAF(D)を脆性化し、力を加えることにより容易に割れるようにする。なお、ウェハWには、図11に示すように、予めレーザ照射等によりその内部に分断予定ラインが格子状に形成されている。
〈ステップ3:フレーム分割体保持工程〉
次に、図10(A)及び図10(B)に示すように、それぞれの引張手段26のナット部材48をフレーム分割体F1,F2,F3,F4の方向に前進移動させから係合フック54Cを備えた円板54Bを回転させて、係合フック54Cをフレーム分割体F,F,F,Fの係合孔44に係合する。これにより、フレームFのそれぞれのフレーム分割体F,F,F,Fがそれぞれの引張手段26に保持される。
〈ステップ4:結合部材脱着工程〉
次に、図5で説明したように、着脱手段24のスライダ36をフレーム分割体F,F,F,Fの方向に前進移動させてからピン40を結合部材22のピン孔42に挿入し、この状態でスライダ36を後退移動させる。これにより、フレームFから結合部材22を脱着することができる。
〈ステップ5:エキスパンド工程〉
次に、図10(C)に示すように、それぞれの引張手段26のナット部材48を矢印方向に後退移動させることによって、フレームFを拡幅する。ウェハWには、図11に示すように、予めレーザ照射等によりその内部に分断予定ラインが格子状に形成されている。したがって、フレームFを拡幅してダイシングテープSをエキスパンド(引き伸ばす)することにより、分断予定ラインが分断されてウェハWがDAF(D)とともに個々のチップTに分割される。この場合、フレームFの内側に移載用フレーム56が収納される直径まで拡幅する。
〈ステップ6:撮像工程〉
ステップ5と並行して、図10(C)に示すように、CCDカメラ28Aでワーク分割中のチップT同士の離間距離を撮像し、撮像結果をコントローラ32に入力する。
〈ステップ7:撮像工程〉
コントローラ32は、撮像されたチップ同士の離間距離がX−Y方向で均一且つ設定距離になっているかを判定し、NOの場合にはステップ8に進む。また、YESの場合にはステップ9に進む。
〈ステップ8:張力調整工程〉
コントローラ32は、撮像結果に基づいて引張力調整手段30を介してチップT同士の離間距離が均等で且つ設定距離になるようにそれぞれの引張手段26の張力を調整する。そして、撮像されたチップ同士の離間距離がX−Y方向で均一且つ設定距離になるまで、ステップ6、7、8を繰り返す。
〈ステップ9:移載用フレーム移動工程〉
図10(D)に示すように、移動手段58の吸着パッド68Aに移載用フレーム56を保持して、待機位置から移載位置に移動させて、移載用フレーム56をエキスパンドされた状態のダイシングテープSの上面に当接させる。
〈ステップ10:貼付工程〉
次に、押圧ローラ80のシリンダ装置74Aを伸び動作させて、ダイシングテープSを介して押圧ローラ80を移載用フレーム56に押し付けると共に円盤部材72を回転させる。これにより、ダイシングテープSと移載用フレーム56とを粘着性のDAFを介して貼り付ける。
〈ステップ11:切断工程〉
次に、押圧ローラ80のシリンダ装置74Aを縮動作させる一方、カッタ刃84のシリンダ装置74Bを伸び動作させて、ダイシングテープSを介してカッタ刃84を移載用フレーム56に押し付けると共に円盤部材72を回転させる。これにより、移載用フレーム56に貼付されたダイシングテープSをフレームFから切り離す。
以上のステップにより、フレームFで個々のチップTに分割されたワークユニット12を、ダイシングテープSがエキスパンドされた状態のまま移載用フレーム56に移載することができる。
このように、本発明の実施の形態では、フレームFの対向配置された4つのフレーム分割体F,F,F,Fを、引張手段26によって水平面上でX−Y方向に引っ張ってフレームFを拡幅することにより、ダイシングテープSをエキスパンドするようにした。また、4つのフレーム分割体F,F,F,Fの引張手段26は、個別に引張力を調整できるように構成されている。これにより、垂直方向の突上力を水平方向の引張力に変換する従来の突き上げエキスパンド方式のように、ダイシングテープS対して放射線方向に均等に引張力が付与されるのではなく、ウェハWの分断予定ラインが形成されたX−Y方向に個別に引張力を調整することができる。
したがって、ダイシングテープSに異方性がある場合やチップT形状の縦横比が異なる場合(例えば長方形)であっても、チップT同士を均等な且つ設定された離間距離にエキスパンドできる。
例えばダイシングテープSは、図2のX方向(横方向)は伸び易く、Y方向(縦方向)は伸び難いとする。このような異方性を解消するために、伸び易いX方向に配置された引張手段26に対しては、伸び難いY方向に配置された引張手段26よりも引張力が小さくなるように調整する。これにより、ダイシングテープSは縦方向及び横方向に均等に伸び、各チップTはX−Y方向に均等に引っ張られるので、チップT同士がくっついてしまったり、配列ずれを生じたりすることはない。
この結果、後工程への搬送段階でチップT同士が接触して破損したり、後工程でダイシングテープSからチップTを剥離する際に、剥離爪がチップT同士の隙間に入らないため剥離したりできないという従来の問題を解決することができる。
また、本発明の実施の形態では、フレームFの対向配置された4つのフレーム分割体F,F,F,Fを水平面上でX−Y方向に引っ張ってフレームFを拡幅するようにしたので、拡幅したフレームFの内側に移載用フレーム56を配置することができる。これにより、フレームと移載用フレーム56との径を同じ径にすることができる。
したがって、本発明の実施の形態のワーク分割方法によれば、エキスパンド後のダイシングテープSの緊張を維持するために、従来の加熱収縮方法のように、ワークユニット12を加熱する必要がないので、ウェハWへのダメージがない。更には、ワークユニット12の分割のための冷却だけでダイシングテープSの緊張維持のための加熱を必要としないので、ウェハWの分割から緊張維持までの処理を同一の処理ステージで行うことができる。
また、本発明の実施の形態のワーク分割方法によれば、エキスパンド後のダイシングテープSの緊張を維持するために、従来のかしめ方法のように、ダイシングテープが破損する虞がない。また、本発明の実施の形態のワーク分割方法によれば、エキスパンド後のダイシングテープSの緊張を維持するために、従来のフレーム移載方法のように、移載する側のフレームはエキスパンドした際のフレームよりも径を小さくしたり、エキスパンドするフレームの径を移載するフレームの径よりも大きくしたりする必要がない。本実施の形態では、フレームFと移載用フレーム56とを同一の径にすることができる。
10…ワーク分割装置、12…ワークユニット、14…冷却手段、16…ワーク分割手段、18…ワーク保持手段、20…ワーク分割室、22…結合部材、24…着脱手段、26…引張手段、28…撮像手段、30…引張力調整手段、32…コントローラ、34…レール、36…スライダ、38…シリンダ装置、40…ピン、42…ピン孔、44…係合孔、46…レール、48…ナット部材、50…ボールネジ、52…サーボモータ、54…フレーム分割体保持手段、56…移載用フレーム、58…移動手段、60…貼付手段、62…切断手段、64…水平用シリンダ装置、66…垂直用シリンダ装置、68…吸着盤、72…円盤部材、74A,74B…シリンダ装置、80…押圧ローラ、84…カッタ刃、D…ダイアタッチフィルム(DAF)、F…フレーム、F,F,F,F…フレーム分割体、S…ダイシングテープ、T…チップ、W…半導体ウェハ

Claims (8)

  1. ワークとしての半導体ウェハが貼付されたダイシングテープをエキスパンドして前記ワークを予め形成された分断予定ラインに沿って個々のチップに分割するワーク分割手段を少なくとも備えたワーク分割装置において、
    前記ワーク分割手段は、
    前記ダイシングテープの周縁部を一体で保持し、ワーク分割時にはチップ離間方向に独立して分割することができるフレーム分割体で構成されたフレームと、
    前記フレームのそれぞれのフレーム分割体を個別に引っ張って、前記チップが離間する方向に略同一平面上で拡幅し、前記ダイシングテープをエキスパンドする引張手段と、を備えたことを特徴とするワーク分割装置。
  2. 前記ダイシングテープのエキスパンドによって前記分断予定ラインに沿って分割されるチップ同士の離間距離を撮像する撮像手段を更に備えた請求項1に記載のワーク分割装置。
  3. 前記フレームは、X−Y方向に独立して拡幅することが可能である請求項1又は2に記載のワーク分割装置。
  4. 前記フレームは、略均等に4分割されたフレーム分割体で構成される請求項1〜3の何れか1に記載のワーク分割装置。
  5. 前記フレームのフレーム分割体同士は結合部材によって結合されていると共に、前記結合部材を着脱する着脱手段を更に設けた請求項1〜4の何れか1に記載のワーク分割装置。
  6. 前記ワーク分割装置は、前記ワーク分割手段でダイシングテープがエキスパンドされた状態のまま保持するワーク保持手段を更に備え、
    前記ワーク保持手段は、
    前記フレームと同一サイズのリング状部材であって、前記ダイシングテープをエキスパンドした状態で前記ワークを移載する移載用フレームと、
    前記移載用フレームを脱着可能に保持し、待機位置から移載位置へ移動させる移動手段と、
    前記エキスパンドした状態のダイシングテープを前記移載用フレームに貼り付ける貼付手段と、
    前記フレームに貼付されたダイシングテープを前記フレームから切り離す切断手段と、を有する請求項1〜5の何れか1に記載のワーク分割装置。
  7. ワークとしての半導体ウェハが貼付されたダイシングテープをエキスパンドして前記ワークを予め形成された分断予定ラインに沿って個々のチップに分割するワーク分割方法において、
    フレーム分割体に分割可能なフレームにマウントするマウント工程と、
    前記マウントされたワークを冷却するワーク冷却工程と、
    前記分割可能なそれぞれのフレーム分割体を前記フレームが拡幅する方向に引っ張って分割し、前記ワークにX−Y方向の張力を付与することにより前記ダイシングテープをエキスパンドして前記半導体ウェハを個々のチップに分割するエキスパンド工程と、
    分割中のチップ同士の離間距離を撮像する撮像工程と、
    撮像結果に基づいて前記離間距離が均等で且つ設定距離になるようにそれぞれの引張手段の張力を制御する張力調整工程と、を備えたことを特徴とするワーク分割方法。
  8. 前記張力調整工程の後に、
    移載用フレームを待機位置から移載位置に移動させる移載用フレーム移動工程と、
    前記エキスパンドされた状態のダイシングテープを前記移載用フレームに押圧して前記ダイシングテープと前記移載用フレームとを貼り付ける貼付工程と、
    前記移載用フレームに貼付されたダイシングテープを前記フレームから切り離す切断工程と、を備えた請求項7に記載のワーク分割方法。
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