JP2014232567A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高電圧状態の電池を高温雰囲気下で長時間放置しても、電池の膨れを抑制できる非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【解決手段】正極活物質、有機溶剤系バインダー、及びポリエチレングリコール基を含むポリマーを備えた正極合剤層を有する正極と、負極活物質を有する負極と、上記正負極間に設けられたセパレータと、上記セパレータに含浸された非水電解質と、を備えることを特徴とするものであり、上記ポリエチレングリコール基を含むポリマーとしてはポリエチレングリコールが用いられ、上記有機溶剤系バインダーとしてポリフッ化ビニリデンが用いられる。
【選択図】なし
【解決手段】正極活物質、有機溶剤系バインダー、及びポリエチレングリコール基を含むポリマーを備えた正極合剤層を有する正極と、負極活物質を有する負極と、上記正負極間に設けられたセパレータと、上記セパレータに含浸された非水電解質と、を備えることを特徴とするものであり、上記ポリエチレングリコール基を含むポリマーとしてはポリエチレングリコールが用いられ、上記有機溶剤系バインダーとしてポリフッ化ビニリデンが用いられる。
【選択図】なし
Description
本発明は、非水電解質二次電池に関するものである。
リチウムイオンが正極と負極との間を移動することにより充放電を行う非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
ここで、非水電解質二次電池においては、低コスト化を図るため、増粘剤としてポリエチレングリコールを含有した水分散性高分子系バインダーを用いることが提案されている(下記特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術では、正極作製時の分散媒として水を用いるため、電池作製後に、正極活物質と残留水分との反応によるアルカリ分の生成によって、ガスが発生する。特に、高電圧状態の電池を高温雰囲気下で長時間放置した場合には大量のガスが発生する。このため、電池が膨れるという課題を有していた。
本発明に係る非水電解質二次電池は、正極活物質と有機溶剤系バインダーとポリエチレングリコール基を含むポリマーとを備えた正極合剤層を有する正極と、負極活物質を備えた負極合剤層を有する負極と、正極と負極との間に設けられたセパレータと、セパレータに含浸された非水電解質と、を備える。
本発明によれば、電池の膨れを抑制できるといった優れた効果を奏する。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実施例1)
<正極の作製>
先ず、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、炭素導電剤としてのアセチレンブラックと、有機溶剤系バインダーとしてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)と、平均分子量が1000のポリエチレングリコールとを、94.5:2.5:2.5:0.5の質量比となるように秤量した。そして、これらを、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)を溶剤として、混合機を用いて混合し、正極合剤スラリーを調製した。次いで、この正極合剤スラリーを、正極集電体としてのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、圧延することにより、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極を作製した。尚、正極合剤層における充填密度が3.60g/cm3となるように、圧延を行った。
<正極の作製>
先ず、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、炭素導電剤としてのアセチレンブラックと、有機溶剤系バインダーとしてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)と、平均分子量が1000のポリエチレングリコールとを、94.5:2.5:2.5:0.5の質量比となるように秤量した。そして、これらを、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)を溶剤として、混合機を用いて混合し、正極合剤スラリーを調製した。次いで、この正極合剤スラリーを、正極集電体としてのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、圧延することにより、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極を作製した。尚、正極合剤層における充填密度が3.60g/cm3となるように、圧延を行った。
<負極の作製>
負極活物質としての人造黒鉛と、増粘剤としてのCMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)とを、純水に1.0質量%となるように溶解させた。そして、人造黒鉛とCMCと結着剤としてのSBR(スチレン−ブタジエンゴム)とを、固形分比が98:1:1の質量比となるように、SBRを秤量した。そして、負極活物質と増粘剤とが溶解された水溶液とSBRとを、特殊機化製T.K.CONBIMIXを用いて混合することにより、負極合剤スラリーを調製した。次いで、この負極合剤スラリーを、負極集電体としての銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、圧延することにより、負極集電体の両面に負極合剤層が形成された負極を作製した。尚、負極合剤層における充填密度が1.60g/cm3となるように、圧延を行った。
負極活物質としての人造黒鉛と、増粘剤としてのCMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)とを、純水に1.0質量%となるように溶解させた。そして、人造黒鉛とCMCと結着剤としてのSBR(スチレン−ブタジエンゴム)とを、固形分比が98:1:1の質量比となるように、SBRを秤量した。そして、負極活物質と増粘剤とが溶解された水溶液とSBRとを、特殊機化製T.K.CONBIMIXを用いて混合することにより、負極合剤スラリーを調製した。次いで、この負極合剤スラリーを、負極集電体としての銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、圧延することにより、負極集電体の両面に負極合剤層が形成された負極を作製した。尚、負極合剤層における充填密度が1.60g/cm3となるように、圧延を行った。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比30:70の割合で混合した混合溶媒に、電解質塩としての六フッ化燐酸リチウム(LiPF6)を1M(モル/リットル)となるように溶解させて、非水電解液を調製した。
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比30:70の割合で混合した混合溶媒に、電解質塩としての六フッ化燐酸リチウム(LiPF6)を1M(モル/リットル)となるように溶解させて、非水電解液を調製した。
<電池の組立>
正極と負極それぞれにリード端子を取り付けた。そして、正極と負極との間にポリエチレン製のセパレータ(膜厚16μm、空孔率47%)を配置したものを巻回して、渦巻状の電極体を作製した。そして、この電極体を押し潰して、扁平型の電極体を作製した。次に、この扁平型の電極体をアルミニウムラミネート製の外装体内に配置し、非水電解液を外装体内に注液した後、外装体を封止することによって、試験用電池を作製した。尚、該電池の設計容量は800mAhである。該電池の設計容量は、充電終止電圧が4.40Vで、放電終止電圧が2.75Vの場合を基準とした。
正極と負極それぞれにリード端子を取り付けた。そして、正極と負極との間にポリエチレン製のセパレータ(膜厚16μm、空孔率47%)を配置したものを巻回して、渦巻状の電極体を作製した。そして、この電極体を押し潰して、扁平型の電極体を作製した。次に、この扁平型の電極体をアルミニウムラミネート製の外装体内に配置し、非水電解液を外装体内に注液した後、外装体を封止することによって、試験用電池を作製した。尚、該電池の設計容量は800mAhである。該電池の設計容量は、充電終止電圧が4.40Vで、放電終止電圧が2.75Vの場合を基準とした。
このようにして作製した電池を、以下、電池A1と称する。
(実施例2)
正極合剤スラリーを調製する際、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFと、ポリエチレングリコールとの質量比を、94.75:2.5:2.5:0.25としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、電池A2と称する。
正極合剤スラリーを調製する際、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFと、ポリエチレングリコールとの質量比を、94.75:2.5:2.5:0.25としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、電池A2と称する。
(実施例3)
正極合剤スラリーを調製する際、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFと、ポリエチレングリコールとの質量比を、94.87:2.5:2.5:0.13としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、電池A3と称する。
正極合剤スラリーを調製する際、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFと、ポリエチレングリコールとの質量比を、94.87:2.5:2.5:0.13としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、電池A3と称する。
(実施例4)
正極合剤スラリーを調製する際、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFと、ポリエチレングリコールとの質量比を、94.95:2.5:2.5:0.05としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下、電池A4と称する。
正極合剤スラリーを調製する際、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFと、ポリエチレングリコールとの質量比を、94.95:2.5:2.5:0.05としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下、電池A4と称する。
(実施例5)
正極合剤スラリーを調製する際、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFと、ポリエチレングリコールとの質量比を、94.99:2.5:2.5:0.01としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池
を、以下、電池A5と称する。
正極合剤スラリーを調製する際、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFと、ポリエチレングリコールとの質量比を、94.99:2.5:2.5:0.01としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池
を、以下、電池A5と称する。
(実施例6)
正極合剤スラリーを調製する際、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFと、ポリエチレングリコールとの質量比を、94.995:2.5:2.5:0.005としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下、電池A6と称する。
正極合剤スラリーを調製する際、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFと、ポリエチレングリコールとの質量比を、94.995:2.5:2.5:0.005としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下、電池A6と称する。
(比較例1)
正極合剤スラリーを調製する際、ポリエチレングリコールを添加せず、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFとの質量比を、95:2.5:2.5としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、電池Z1と称する。
正極合剤スラリーを調製する際、ポリエチレングリコールを添加せず、コバルト酸リチウムと、アセチレンブラックと、PVDFとの質量比を、95:2.5:2.5としたこと以外は、電池A1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、電池Z1と称する。
(厚み増加率に関する実験)
先ず、電池A1〜A6およびZ1を、下記の条件で1回充放電した後、下記の条件で再度充電し、保存前における電池の厚みを計測した(この厚みをL1とした)。次に、各電池を80℃の恒温槽内で2日間保存した。次いで、各電池を恒温槽から取り出した直後に、保存後における電池の厚みを計測した(この厚みをL2とした)。そして、保存後の電池の厚み増加率を、下記(1)式を用いて算出し、その結果を表1に示す。
先ず、電池A1〜A6およびZ1を、下記の条件で1回充放電した後、下記の条件で再度充電し、保存前における電池の厚みを計測した(この厚みをL1とした)。次に、各電池を80℃の恒温槽内で2日間保存した。次いで、各電池を恒温槽から取り出した直後に、保存後における電池の厚みを計測した(この厚みをL2とした)。そして、保存後の電池の厚み増加率を、下記(1)式を用いて算出し、その結果を表1に示す。
<充放電条件>
・充電条件
1.0It(800mA)の電流で電池電圧が4.40Vとなるまで定電流充電を行い、更に、4.40Vの電圧で電流値が(1/20)It(40mA)となるまで定電圧充電を行った。
・放電条件
1.0It(800mA)の電流で電池電圧が2.75Vとなるまで定電流放電を行った。
・充電条件
1.0It(800mA)の電流で電池電圧が4.40Vとなるまで定電流充電を行い、更に、4.40Vの電圧で電流値が(1/20)It(40mA)となるまで定電圧充電を行った。
・放電条件
1.0It(800mA)の電流で電池電圧が2.75Vとなるまで定電流放電を行った。
〔電池厚み増加率の算出式〕
電池厚み増加率(%)=〔(L2―L1)/L1〕×100・・・(1)
電池厚み増加率(%)=〔(L2―L1)/L1〕×100・・・(1)
することによって、電池が膨れるのを抑制できたものと考えられる。これに対して、電池Z1では、正極中にポリエチレングリコールが添加されていないので、ガス発生による電池厚みの増加が抑制できなかったものと考えられる。以上の結果より、正極中にポリエチレングリコール基を含むポリマーを添加すると、高温保存特性を向上できることがわかる。
なお、電池A6は、電池A1〜A5と比較して、電池厚み増加率が高かった。したがって、予想されるガスの発生量に対してポリエチレングリコールの添加量が少なすぎる場合には、ガスが発生するのを十分に抑制できない場合があると考えられる。したがって、正極合剤層の総量に対するポリエチレングリコールの割合としては、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることが、より好ましい。
他方、ポリエチレングリコールの添加量を多くすると、正極合剤層中に含まれる正極活物質の割合を低下せざるを得ないとも考えられ、このような場合、電池のエネルギー密度が低下する。したがって、正極合剤層の総量に対するポリエチレングリコールの割合としては、1.0質量%以下であることが好ましく、0.75質量%以下であることが、より好ましく、実施例を考慮すれば0.5質量%以下が好ましいといえる。
また、電池A1〜A6について、正極合剤層のバインダーとして有機溶剤系バインダーを用いたため、正極を作製する際に、分散媒として水を用いることはない。したがって、正極活物質と残留水分との反応によるアルカリ分の生成によって、ガスが発生することをも抑制できる。
(正極活物質の検討)
次に、他の正極活物質について、検討した。
次に、他の正極活物質について、検討した。
(実施例7)
正極合剤スラリーを調整する際、正極活物質としてLi(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2を用いた以外は、電池A3と同様にして、電池を作製した。このようにして作製した電池を電池A7と称する。
正極合剤スラリーを調整する際、正極活物質としてLi(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2を用いた以外は、電池A3と同様にして、電池を作製した。このようにして作製した電池を電池A7と称する。
(比較例2)
正極合剤スラリーを調整する際、正極活物質としてLi(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2を用いた以外は、電池Z1と同様にして、電池を作製した。このようにして作製した電池を電池Z2と称する。
正極合剤スラリーを調整する際、正極活物質としてLi(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2を用いた以外は、電池Z1と同様にして、電池を作製した。このようにして作製した電池を電池Z2と称する。
(膨れ抑制率に関する実験)
電池A7とZ2についても、電池A1や電池A3、Z1と同様に、前述の充放電試験を行い、電池の厚み増加率を求めた。そして、電池A3について下記(2)式により、電池A7について下記(3)式により、各電池の膨れ抑制率を求めた。算出結果を表2に示した。
電池A3の膨れ抑制率(%)=(電池A3の電池厚み増加率/電池Z1の電池厚み増加率)×100 ・・・(2)
電池A7の膨れ抑制率(%)=(電池A7の電池厚み増加率/電池Z2の電池厚み増加率)×100 ・・・(3)
電池A7とZ2についても、電池A1や電池A3、Z1と同様に、前述の充放電試験を行い、電池の厚み増加率を求めた。そして、電池A3について下記(2)式により、電池A7について下記(3)式により、各電池の膨れ抑制率を求めた。算出結果を表2に示した。
電池A3の膨れ抑制率(%)=(電池A3の電池厚み増加率/電池Z1の電池厚み増加率)×100 ・・・(2)
電池A7の膨れ抑制率(%)=(電池A7の電池厚み増加率/電池Z2の電池厚み増加率)×100 ・・・(3)
(参考実験)
正極スラリーを作製する際に、水分散系高分子バインダーを用いた場合よりも、有機溶剤系バインダーを用いた場合のが、電池を高温保存した際のガスの発生量が少ないことを説明するために、実験を行った。
正極スラリーを作製する際に、水分散系高分子バインダーを用いた場合よりも、有機溶剤系バインダーを用いた場合のが、電池を高温保存した際のガスの発生量が少ないことを説明するために、実験を行った。
以下に説明する正極を用いたこと以外は、電池A1と同様にして、電池Rを作製した。そして、電池Rについても、電池A1や電池Z1と同様に前述の充放電試験を行い、電池の厚み増加率を求めた。
〔正極の作製〕 まず、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、炭素導電剤としてのアセチレンブラックと、分散剤としてのCMCとを、純水に1.0質量%溶解させた。そして、この水溶液と水溶系バインダーとしてのSBR(スチレン−ブタジエンゴム)とを、混合機を用いて混合し、正極合剤スラリーを調製した。なお、この際の溶媒としては、純水を用いた。正極合剤スラリーにおけるコバルト酸リチウムとアセチレンブラックとCMCとが、96:2.5:0.5:1.0:の質量比となるように、調整した。
次いで、この正極合剤スラリーを、正極集電体としてのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、圧延した。これにより、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極を得た。尚、正極合剤層における正極活物質の充填密度が3.60g/cm3となるように、圧延を行った。
発明を実施するための形態について、以下のとおり、説明を加える。
発明を実施するために用いられるポリエチレングリコール基を含むポリマーとしては、ポリエチレングリコール#1000、ポリエチレングリコール#6000のようなポリエチレングリコール類の他、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのようなポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールモノサクシネート(半エステル半カルボン酸)或いはポリエチレングリコールの両末端マレエート(半エステル
半カルボン酸)のようなポリエチレングリコールアシルエステル類、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル或いはソルビトールポリグリシジルエーテルのようなグリシジル基を有する化合物にポリエチレングリコール#400或いはポリエチレングリコール#600のようなポリエチレングリコール類を反応させて得られる化合物が挙げられる。
半カルボン酸)のようなポリエチレングリコールアシルエステル類、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル或いはソルビトールポリグリシジルエーテルのようなグリシジル基を有する化合物にポリエチレングリコール#400或いはポリエチレングリコール#600のようなポリエチレングリコール類を反応させて得られる化合物が挙げられる。
また、ポリエチレングリコール基を含むポリマーとして他には、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)あるいはトリレンジイソシアネート(TDI)のようなイソシアネート基を有する化合物にポリエチレングリコール#400或いはポリエチレングリコール#600のようなポリエチレングリコールを反応させて得られる化合物や、ビスオキサゾリン或いは1,3−ベンゾビスオキサゾリンのようなオキサゾリン基を有する化合物にポリエチレングリコール#400或いはポリエチレングリコール#600のようなポリエチレングリコールを反応させて得られる化合物などが挙げられる。
更に、ブタンテトラカルボン酸無水物或いはピロメリット酸無水物のような酸無水物に上述のポリエチレングリコールを反応させて得られる化合物や、ポリエチレングリコールモノアリルエーテルを重合成分とするホモ或いはコポリマーのようなポリマー類も、ポリエチレングリコール基を含むポリマーとして挙げられる。
なお、ポリエチレングリコール基を含有するポリマーは、単独または複数種類を混合して使用することができる。
ポリエチレングリコール基を含むポリマーの平均分子量は、200以上が好ましく、500以上であることがより好ましい。また、ポリエチレングリコール基を含むポリマーの平均分子量は、20000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましい。ポリエチレングリコール基を含むポリマーの平均分子量が小さいほど、ガスを吸着する能力が低下して、電池膨れ抑制効果が小さくなる。一方、ポリエチレングリコール基を含むポリマーの平均分子量が大きすぎると、ポリエチレングリコールの正極合剤スラリーへの溶解度が低下するため、電池の生産性が低下する。
発明を実施するために用いられる有機溶剤系バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ビニリデンフルオライド(VDF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロエチレン(TrFE)、ビニルフルオライド(VF)等の単独重合体もしくは共重合体等が例示される。
上述の如く、発明を実施するために用いられる正極のバインダーとしては、有機溶剤系バインダーを用い、水系バインダー(水分散性高分子系バインダー)は用いない。参考のために、当該水系バインダーを例示する。水系バインダーとしては、水性エマルジョンや水性ディスパージョンを含むものがある。水性エマルジョンとしては、ビニル系重合体エマルジョンやアクリル系重合体エマルジョン等がある。ビニル系重合体としては、酢酸ビニル系重合体(酢酸ビニル単独重合体、酢酸ビニル共重合体)、塩化ビニル系重合体(塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル共重合体)がある。アクリル系重合体としては、アクリル酸アルキル単独重合体(アクリル酸メチル重合体、アクリル酸エチル重合体等)、アクリル酸アルキル共重合体がある。また、具体的な共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸アルキル共重合体(酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エチル共重合体等)、エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸アルキル共重合体(塩化ビニル−アクリル酸メチル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エチル共重合体等)、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸アルキル共重
合体(エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エチル共重合体等)、アクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体がある。
合体(エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エチル共重合体等)、アクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体がある。
本発明は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の駆動電源用の非水電解質二次電池に適用することができる。また、高温下での連続駆動が要求される、HEVや電動工具などの高出力用途にも用いることができる。
Claims (5)
- 正極活物質と有機溶剤系バインダーとポリエチレングリコール基を含むポリマーとを備えた正極合剤層を有する正極と、
負極活物質を備えた負極合剤層を有する負極と、
前記正極と負極との間に設けられたセパレータと、
前記セパレータに含浸された非水電解質と、
を備える非水電解質二次電池。 - 前記正極合剤層の総量に対する前記ポリエチレングリコール基を含むポリマーの割合が、0.005質量%以上0.75質量%以下である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記ポリエチレングリコール基を含むポリマーの平均分子量が200以上20000以下である、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記ポリエチレングリコール基を含むポリマーが、ポリエチレングリコールである請求項1〜3の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記有機溶剤系バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン及びビニルフルオライドから成る群から選択される少なくとも1種が用いられる、請求項1〜4の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。[請求項6]
前記正極活物質が、Ni、Co、Mnを含有するリチウム含有遷移金属酸化物である、請求項1〜5の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。
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