JP2014227612A - 軽量編織物 - Google Patents

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氏輝 丹羽
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寛晃 伊達
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紅川 景
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Abstract

【課題】仮撚加工や撚糸加工および製編織や染色加工工程での物理的圧力によっても、各単繊維の異形断面形状が維持されるとともに、生地品位と品質が良く軽量で嵩高性に富み、更には保温性にも優れた衣料用途および資材用途に適した軽量編織物を提供する。【解決手段】単繊維断面形状が、繊維表面の長手方向に沿って延びる一本の溝を持つ略C型、略U型および略V型の少なくとも3種類の異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を30質量%以上含む編織物であり、該編織物の嵩高度指数が1.2以上であり、目付当たりの保温性指数が1.2以上である軽量編織物。【選択図】図1

Description

本発明は、編織物に関するものであり、更に詳しくは、生地品位と品質が良く、軽量で嵩高性に富み、更には保温性にも優れた衣料用途および資材用途に適した軽量編織物に関するものである。
従来、秋冬時期で用いられる日常着、あるいは寒冷な環境のもとでの作業やスポーツのために、種々の保温性に優れた衣料用や資材用の編織物が提案されてきた。このような編織物として、例えば、綿やアクリル繊維を混紡した厚手の衣料用編織物が用いられているが、これらの編織物は、暖かいものの少し動くと重くて動き難いという課題があった。
このような中、中空断面構造を有する合成繊維を活用する考えが始まった。中空断面構造の合成繊維は、繊維重量に対し、占める空間が大きいため軽く、かつ保温性に優れた特性を有するため、このような合成繊維と利用方法についての開発が続けられてきた。
中空断面構造を有する繊維は、古くから、詰め綿や布団綿などの短繊維に用いられていたが、近年では一般衣料用途、衣料資材用途および産業資材用途等でも使用可能な長繊維(フィラメント)が開発され提案されている。
しかしながら、長繊維の場合、原糸以降の高次加工工程段階における仮撚加工、撚糸加工、あるいは製編、製織および染色加工段階での物理的な圧力によって、中空断面構造が潰れてしまうという問題が発生するため、使用や用途上に制約があった。
また、一般的に使用される丸中空断面形状の繊維の場合、前述のような中空断面構造を潰さないために仮撚加工や撚糸加工を行なわずに、原糸そのままのストレートヤーンで使用することが考えられるがこの場合、原糸製造に起因する中空率のバラツキが生じ、織物でのタテ筋や丸編地でのヨコ段問題が発生し、あるいはストレートヤーンによる独特のヌメリ感風合いや光沢感などが現われ易くなり、好ましくない態様のものであった。
また、厚さが0.3mm以上の厚地織物であって、経糸および緯糸のうちどちらか一方に、有機繊維からなる紡績糸が配され、他方に丸中空断面形状などの中空ポリエステルマルチフィラメント糸を含む2種以上の糸条からなる混繊糸が配されていることを特徴とする着用快適性に優れる厚地織物およびデニム商品が提案されている(特許文献1参照。)。
この厚地織物およびデニム商品は、紡績糸が配されていること、および2種以上の糸条からなる混繊糸が配されていることから、前記のような織物でのタテ筋問題や独特のヌメリ感風合いや光沢感などは回避できるものの、厚地織物からなるデニム商品に望まれる軽量感は十分に満足できるものではなかった。
このような課題を回避するために、ポリエステルを鞘成分とし、この鞘成分よりも易アルカリ溶液性の熱可塑性重合体を芯成分とし、かつ、この芯成分の一部が繊維表面に露出してなる、いわゆるC型断面形状の芯鞘型複合繊維からなる糸条に、仮撚捲縮加工を施した後、アルカリ水溶液で芯部分を除去する方法が提案されている(特許文献2および3参照。)。
しかしながら、この方法は、仮撚加工や撚糸加工、あるいは製編、製織および染色加工段階に物理的な圧力によって、中空断面構造が潰れてしまうという問題はないものの、芯成分の溶出除去工程において具体的な安定化技術の提案、更には具体的な編織物の提案には至っていないため、編織物とした際に、染色斑および織物や経編地でのタテ筋の発生および丸編地でのヨコ段問題が発生し易いという課題がある。
一方、前述の編織物用原糸の製法の改善製法として、製糸工程や芯成分の除去安定性が良好であり、品位の優れた中空断面構造を形成し得るポリエステル芯鞘複合繊維と、そのポリエステル芯鞘複合繊維を用いてなる繊維布帛を提供するために、ポリエステル芯鞘複合繊維およびその繊維布帛が提案されている(特許文献4参照。)。
しかしながら、この提案は、ポリエステル芯鞘複合繊維の製法には触れているものの、この原糸を活用した編織物、更には軽量編織物の製法の提案には十分に至っていない。
特開2007−270358号公報 特開昭55−93812号公報 特開平1−52839号公報 特開2007−131980号公報
そこで本発明の目的は、前述のような従来の発明からなる軽量編織物による欠点を解消し、仮撚加工や撚糸加工および製編織、染色加工工程での物理的圧力によっても各単繊維の異形断面形状が維持できるとともに、生地品位と品位が良く、軽量で嵩高性に富み、更には保温性にも優れた衣料用途および資材用途に適した軽量編織物を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決せんとするものであり、本発明の軽量編織物は、単繊維断面形状が、繊維表面の長手方向に沿って延びる一本の溝を持つ略C型、略U型および略V型の少なくとも2種類の異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を30質量%以上含む編織物であり、該編織物の嵩高度指数が1.2以上であり、目付当たりの保温性指数が1.2以上の軽量編織物である。
本発明の軽量編織物の好ましい態様によれば、前記の異形断面形状の繊維の溝開口部幅は、各単繊維の外周長の平均5〜30%である。
本発明の軽量編織物の好ましい態様によれば、前記の異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を含む編織物が、2種類の繊維形成性ポリマーが芯鞘複合形態で構成され、鞘部分と芯部分の複合質量比率が、芯/鞘=30/70〜70/30であり、芯部分の芯成分ポリマーがポリエステル系易溶出共重合物であり、かつ、繊維横断面において該芯部分の一部が該鞘部分の開口部から繊維表面に露出した芯鞘複合繊維糸が30質量%以上含まれる編織物を、アルカリ液中に浸漬して該芯部分を溶出除去することにより形成されてなるものである。
本発明の軽量編織物の好ましい態様によれば、前記の異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を含む編織物が、2種類の繊維形成性ポリマーが芯鞘複合形態で構成され、鞘部分と芯部分の複合質量比率が、芯/鞘=30/70〜70/30であり、芯部分の芯成分ポリマーがポリエステル系易溶出共重合物であり、かつ、繊維横断面において該芯部分の一部が該鞘部分の開口部から繊維表面に露出した芯鞘複合繊維糸をアルカリ液中に浸漬して該芯部分を溶出除去した後、得られた鞘成分からなるマルチフィラメント糸が30質量%以上含まれる編織物に形成されてなるものである。
本発明の軽量編織物の好ましい態様によれば、前記の鞘部分を構成する繊維形成性ポリマーが、ポリエステル系ポリマーまたはポリアミド系ポリマーである。
本発明の軽量編織物の好ましい態様によれば、前記芯鞘複合繊維糸は、単繊維繊度が0.5〜11デシテックスで、総繊度が11〜550デシテックスである。
本発明の軽量編織物の好ましい態様によれば、前記の芯部分が溶出除去された後に形成された繊維の異形断面形状部の内表面および/または外表面に、機能剤が付与されてなることである。
本発明の軽量編織物の好ましい態様によれば、前記の芯鞘複合繊維糸は、仮撚捲縮糸である。
本発明によれば、仮撚加工や撚糸加工および製編織や染色加工工程での物理的圧力によっても、各単繊維の異形断面形状を維持することができるとともに、生地品位と品質が良く軽量で嵩高性に富み、更には保温性にも優れた衣料用途や資材用途に適した軽量編織物が得られる。
図1は、本発明で用いられる異形断面形状の単繊維の断面形状の一態様を示す断面図代用写真である。 図2は、本発明で用いられる芯鞘複合繊維糸の単繊維の一態様を示す断面図である。 図3は、本発明で用いられる芯鞘複合繊維の芯部分溶出後の単繊維の一態様を示す断面図である。 図4は、本発明の編物の一態様を示す編物の編方図である。 図5は、本発明の織物の一態様を示す織物の組織図である。
本発明の軽量編織物は、単繊維断面形状が、繊維表面の長手方向に沿って延びる一本の溝を持つ略C型、略U型および略V型の少なくとも2種類の異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を30質量%以上含む編織物であり、該編織物の嵩高度指数が1.2以上であり、目付当たりの保温性指数が1.2以上の軽量編織物である。ここで述べる単繊維断面形状が、繊維表面の長手方向に沿って延びる一本の溝を持つ略C型、略U型および略V型の少なくとも2種類の異形断面形状の繊維の異形断面形状が混合されたマルチフィラメント糸については、具体的に図1に基づき説明する。図1は、本発明で用いられる異形断面形状の単繊維の断面形状の一態様を示す断面図代用写真である。
図1は、単繊維本数が36本からなる一本のマルチフィラメント糸を抱埋法により処理した顕微鏡写真の一例であるが、この図1において、各単繊維断面の一部が開いた溝状の開口部を有しており、この溝状の開口部は図3における繊維断面の空洞部Eを含むものであり、各単繊維表面の長手方向に沿って延びる一本の溝状形態を成している。
また、各単繊維におけるその溝の断面形状も異なっており、図1の(イ)のような断面が略C型形状、(ロ)のような略U型形状および(ハ)のような略V型形状の繊維が混合された集合体となっている。
本発明の単繊維断面形状は、古くから提案されている代表的なC型断面形状糸に比べ、各単繊維が前述の略C型形状、略U型形状および略V型形状として開口部が十分に開口しているため、染色加工工程での芯部分の安定的な溶出除去と、更には、一本のマルチフィラメント糸の各単繊維が異なった少なくとも2種類の異形断面形状の繊維が混合され、かつ、各単繊維の開口部の方向が好適には不均一なことから、編織物とした際に染色斑や織物、経編地でのタテ筋や丸編地でのヨコ段問題の発生も起こし難い。
この略C型形状、略U型形状および略V型形状の少なくとも2種類の形状の繊維が混合されて、一本のマルチフィラメント糸の集合体となることにより、編織物に形成されると単独断面形状の集合体に比べて、各単繊維同志の重なり合いや食い込み合いが避けられ、かつ各単繊維内部の溝部の空隙率の大きさから、生地の軽量性と嵩高性に富み、保温性にも優れたものが得られる。
また、この略C型形状、略U型形状および略V型形状は、各単繊維の長手方向に沿って、各形状が均一に形成されていてもよく、あるいは、各単繊維の長手方向に沿って、各形状がランダムに混合されて形成されていてもよい。
この各単繊維の略C型形状、略U型形状および略V型形状とは、図1の本発明で用いられる異形断面形状の単繊維の断面形状の一態様を示す断面図代用写真に示す各形状に類似するものであり、具体的な略C型形状は、図1の(イ)のように単繊維の断面形状内側が円弧状に湾曲しているものをいい、略U型形状は、図1の(ロ)のように単繊維の断面形状内側がU字形状に湾曲しているものをいう。また、略V型形状は、図1の(ハ)のように単繊維の断面形状内側底部が略U型形状よりもV字形状に湾曲しているものをいう。このように、図1においては、略C型形状、略U型形状および略V型形状の少なくとも3種類の形状の繊維が混合されて、一本のマルチフィラメント糸が構成されている。
また、略C型形状、略U型形状および略V型形状の3種類の形状の繊維が必ずしも混合される必要はないが、少なくとも2種類の形状が混合されることが必要である。
更に、図1に示す略C型形状、略U型形状および略V型形状の各単繊維各々の溝開口部の幅(S)は、各単繊維の外周長の平均5〜30%が好ましいものであり、6〜25%がより好ましいものである。
この各々の開口部の幅(S)が平均5%未満の場合は、アルカリ溶液による芯部分の芯成分ポリマーが十分に溶出除去できない場合がある。また、開口部の幅(S)が平均30%を超える場合は、芯成分ポリマーが十分に溶出除去できるものの、開口部の幅が大きすぎるため、単繊維同志が重なり合ったり、食い込み合ったりすることにより、編織物にした場合、嵩高性が低くなることがある。
この開口部の幅(S)の評価法は、図1に示すような単繊維36本からなる一本のマルチフィラメント糸の抱埋法による顕微鏡拡大写真を撮影し、各単繊維の開口部の幅を含めた各単繊維の全円周長に対する、開口部幅の比率(%)で表したものである。
この開口部の幅(S)の平均比率(%)は、一本のマルチフィラメント糸における任意の3ヶ所からの抱埋法顕微鏡拡大写真から、単繊維の合計108本の比率(%)の平均値を求めて表したものである。
略C型形状、略U型形状および略V型形状の各単繊維の好ましい配合割合は、略C型形状の繊維が30〜60%、略U型形状の繊維が30〜60%、略V型形状の繊維が5〜30%であり、より好ましくは、略C型形状の繊維が40〜50%、略U型形状の繊維が40〜50%、略V型形状が7〜20%である。
また、本発明の軽量編織物は、これらの少なくとも2種の異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を30%質量以上含むことが必要である。
これらの異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸が30質量%未満の場合は、生地の軽量性と嵩高性に欠け、保温性にも劣ることになる。また、これらのマルチフィラメント糸の割合は、40〜100質量%が好ましく、特に好ましくは50〜100質量%である。
本発明の軽量編織物は、嵩高度指数が1.2以上であることが重要である。基礎となる嵩高度の評価法は、実施例において述べるが、本発明を構成する異形断面形状を有するマルチフィラメント糸は、後述する図2に示すように、各単繊維Aが鞘部分Bと芯部分Mの2種類の繊維形成性ポリマーにより芯鞘複合形態に構成された原糸(芯鞘複合繊維糸)を編織物に形成した後、その原糸の芯部分Mを溶出除去することにより、原糸(芯鞘複合繊維糸)は、図3に示すように空洞部Eが得られるものである。
次に、先の編織物を形成する原糸(芯鞘複合繊維糸)の芯部分Mを溶出除去して得られた後の生地(編織物)の嵩高度と、一般的に使用される通常の丸断面原糸(中空糸ではない中実糸)であり、先の芯鞘複合繊維糸の芯部分を溶出除去する前と同一総繊度と同一単繊度の原糸(比較原糸とする。)を使用した生地(編織物)の嵩高度を各々評価し、かつ通常の原糸使いの嵩高度を1としたときの、芯鞘複合繊維糸の芯部分溶出後の生地(編織物)の嵩高度の比較値を次に示す。
この嵩高度指数が1.2未満の場合は、軽量編織物として嵩高性が少ない。この嵩高度指数は1.2〜3.0が好ましく、特に好ましくは1.2〜5.0である。一方、嵩高度指数が5.0を超える場合は、軽量編織物として嵩高性には優れるものの、編織物の嵩高性が大きくなり過ぎ動き難くなると共に、破裂強力や引裂強力にも劣ることになり衣料用や資材用として好ましくない。
また、本発明の軽量編織物は、目付当たりの保温性指数が1.2以上であることが重要である。基礎となる保温性(CLO値)の評価法は、実施例において述べるが、前述した原糸(芯鞘複合繊維糸)の芯部分Mを溶出除去した後の生地(編織物)の保温性(CLO値)を目付で割り、また、一般的に使用される通常の丸断面原糸(中空糸ではない中実糸)であり、先の芯鞘複合繊維糸の芯部分を溶出除去する前と同一総繊度、同一単繊度の通常原糸(比較原糸とする。)を使用した生地(編織物)の保温性(CLO値)を目付で割り、かつ通常原糸(比較原糸とする。)使いの保温性(CLO値)を1としたときの芯鞘複合繊維糸の芯部溶出後の生地の保温性(CLO値)の比較値を示す。
この目付当たりの保温性指数が1.2未満の場合は、軽量編織物として保温性が低い。保温性指数は1.2〜3.5が好ましく、特に好ましくは1.2〜4.0である。一方、保温性指数が4.0を超える場合は、軽量編織物として保温性に優れるものの、前述と同様に編織物の嵩高性が大きくなり過ぎ動きにくくなると共に、破裂強力や引裂強力にも劣ることになり衣料用や資材用として好ましくない。
本発明において、上記の異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を含む軽量編織物は、その一態様として、2種類の繊維形成性ポリマーが芯鞘複合形態で構成され、鞘部分と芯部分の複合質量比率が、好ましくは芯/鞘=30/70〜70/30であり、芯部分の芯成分ポリマーはポリエステル系易溶出共重合物であり、かつ、繊維横断面においてその芯部分の一部がその鞘部分の開口部から繊維表面に露出した芯鞘複合繊維糸を30質量%以上含む編織物を、アルカリ液中に浸漬して芯部分の芯成分ポリマーを溶出除去することにより得られるものである。
本発明で用いられる異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を形成する芯鞘複合繊維は、図2に示されるように、鞘部分Bと芯部分Mの2種類の繊維形成性ポリマーから成るものであり、その芯部分Mの芯成分ポリマーは、鞘部分Bの鞘成分ポリマーに比べて、アルカリ溶液に対して溶出し易いポリエステル系の易溶出共重合物である。
本発明の軽量編織物は、製編織後にアルカリ溶液により溶剤減量を施し、芯鞘複合繊維の芯部分を除去して、図3に示されるような空洞部Eを有する断面構造を形成させるため、鞘部分の溶剤浸食を低減させなければならない。鞘部分が溶剤浸食を受けた場合、編織物の破裂強力や引裂強力が低下するだけでなく、品質や品位の低下を伴うことになる。
この鞘部分の芯成分ポリマーは、アルカリ溶液に対してより易溶出性の点から、ポリエチレングリコールを共重合させたポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。特に、質量平均分子量500〜8000のポリエチレングリコールを8〜70質量%共重合させたポリエチレンテレフタレートであることが好ましいものである。このことにより、芯部分の除去の際にアルカリ溶液による溶出性が向上し、高品質な生地(編織物)が得られるとともに、製糸安定性が向上する。更に好ましいポリエチレングリコールの質量平均分子量は、4000〜6000であり、その好ましい共重合量は30〜70質量%である。
また、テレフタル酸とポリエチレングリコールと5−スルホイソフタル酸塩との共重合物であることも好ましい態様である。
更に、芯成分ポリマーは、アルカリ溶液による溶出性と製糸安定性を妨げない範囲で、5−スルホイソフタル酸塩以外に、アジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオキシ化合物、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸等のオキシカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体等が共重合されていてもよい。
また、本発明で用いられる芯鞘複合繊維は、芯成分Mの一部が鞘成分Bの開口部Hから露出している繊維横断面を有している。
この芯鞘複合形態で構成された鞘部分と芯部分の複合質量比率は、芯/鞘=30/70〜70/30であることが好ましい。
芯部分比率は、嵩高感、軽量感および保温性の観点から、更には芯部分除去後の編織物の破裂強力や引裂強力を考慮して、芯部分比率は設定されるが、複合比率(質量)は、より好ましくは芯/鞘=40/60〜60/40であり、更に好ましくは芯/鞘=50/50である。
この芯部分比率が30未満の場合は、編織物の破裂強力や引裂強力は満足するものの、嵩高感や軽量感、更には、保温性に劣ることになる。また、芯部分比率が70を超える場合は、嵩高感、軽量感および保温性は満足するものの、染色工程での物理的圧力で単繊維の大きな変形や鞘部分の割れ、更には、編織物の破裂強力や引裂強力にも劣ることになる。
同様な理由から、鞘部分Mの厚さも、前述の問題を避けるためから、5〜20ミクロンであることが好ましい。
更に、製糸性を向上させる観点および光沢感を抑える観点から、鞘成分中に酸化チタン粒子が0.05〜2.5重量%含有されてなることが好ましい態様である。
本発明で用いられる芯鞘複合繊維糸は、仮撚捲縮糸であることが好ましい。仮撚捲縮糸にすることにより、従来の異形断面形状のストレートなフィラメント糸にはない、図1に示すような略C型、略U型、および略V型の異形断面形状の繊維が混合された断面形状の繊維となり、編織物の嵩高性と軽量感および保温性を有し、更には、品位と品質を維持できるものである。
本発明の軽量編織物は、芯鞘複合繊維の仮撚捲縮糸を30質量%以上含む編織物を、アルカリ液中に浸漬して芯部分を溶出除去することにより、前述の略C型形状、略U型形状および略V型形の異形断面形状の繊維が混合されたフィラメント糸が形成されるものである。
本発明の軽量編織物は、製編または製織された後、染色加工工程でリラックス・精練を行い、その後、アルカリ溶液中で芯部分を溶出除去し、異形断面形状を形成することができる。アルカリ溶液中での溶出除去には、一般的に水酸化ナトリウムが用いられ、水で希釈した好適には1.5〜4.5%のアルカリ水溶液を80〜98℃の範囲の温度に加熱し、20〜50分程度の処理を行う。使用する設備としては、一般的に使用される液流リラクサー、連続リラクサーおよび液流染色機等を使用することができる。
更に、本発明の異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を含む軽量編織物は、前述のとおり、2種類の繊維形成性ポリマーが芯鞘複合形態で構成され、鞘部分と芯部分の複合質量比率が、好ましくは芯/鞘=30/70〜70/30であり、芯部分の芯成分ポリマーはポリエステル系易溶出共重合物であり、かつ、繊維横断面において芯部分の一部が鞘成分の開口部から繊維表面に露出した芯鞘複合繊維糸をアルカリ液中に浸漬して該芯部分を溶出除去した後、得られたマルチフィラメント糸を30質量%以上含む編織物に形成されることも好ましく適用できるものである。
即ち、本発明の軽量編織物は、製編または製織された後、染色加工工程でリラックス・精練を行い、その後、アルカリ溶液中で芯部分を溶出除去し、異形断面形状を形成するものであるのに対し、ここでは、芯鞘複合繊維糸の状態で、先にアルカリ液中で芯部分を溶出除去した後、得られたマルチフィラメント糸を30質量%以上含む編織物に形成されることも好ましく適用できるものである。
その芯部分を溶出除去する方法としては、古くからの技術である糸染設備を利用したアルカリ溶液での溶出除去、あるいは、デ・ニット技術である、糸条を一旦、筒編地にしてからアルカリ溶液で溶出除去後、筒編地の糸条を分解巻き取りして製編または製織工程に供給することができる。アルカリ溶液による芯部分を除去する条件は、前述した編織物の条件に準じて行うことができる。
本発明で用いられる芯鞘複合形態を構成する鞘部分の繊維形成性ポリマーは、ポリエステル系ポリマーであることが好ましい。
この鞘部分を構成する繊維形成性ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびカチオン可染ポリエステルなどが好ましく適用できる。
例えば、鞘部分の繊維形成性ポリマーに、ポリエステル系ポリマーを用いたポリエステル芯鞘複合繊維からなる糸条を得る方法としては、紡糸後、一旦ドラムに巻き取った後、更に、延伸や延伸仮撚する方法や紡糸段階で連続的に延伸する方法などが挙げられる。
これらの芯鞘複合繊維からなる糸条は、仮撚捲縮糸であることが好ましいものであり、紡糸後、一旦糸条をドラムに巻き取った後に延伸されたものは、更にその後、仮撚加工機で捲縮糸を得ることができる。また、紡糸段階で連続的に延伸する方法による糸条も同様に、その後、通常の仮撚加工機で加撚/解撚することにより、ストレッチ性を有する捲縮糸を得ることができる。
この仮撚捲縮糸の特性としての伸縮復元率は、15〜40%が好ましく、より好ましくは、20〜30%である。この伸縮復元率の評価法は、JIS L1013:2012の第8.12項に記載に準ずるものである。
特に、紡糸後、一旦ドラムに巻き取った後に延伸仮撚する方法が、コスト的にも品質的にも好ましく適用されるものである。
また、一旦ドラムに巻き取った未延伸糸を他の原糸との異繊度混繊加工や空気混繊加工などの複合延伸仮撚加工等を行うことも好ましく適用できるものである。
本発明で用いられる芯鞘複合形態を構成する鞘部分の繊維形成性ポリマーが、ポリアミド系ポリマーであることも好ましい態様である。
この鞘部分の繊維形成性ポリマーとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン56およびナイロン11などが好ましく適用できる。
鞘部分にポリアミド系ポリマーを用いたポリエステル芯鞘複合繊維からなる糸条を得る方法としては、前述したポリエステル系ポリマーを用いたポリエステル芯鞘複合繊維からなる糸条を得る方法に類似した、ナイロン専用の製造設備が用いられる。
本発明で用いられる芯鞘複合繊維糸は、その単繊維繊度が0.5〜11デシテックスで、総繊度が11〜550デシテックスであることが好ましい。単繊維繊度を11デシテックス以下とすることにより、編織物の風合いをソフトなものとし、衣料用および資材用として好ましく使用することができる。また、単繊維繊度を0.5デシテックス以上、さらに好ましくは、1.1デシテックス以上とすることより芯鞘複合繊維糸の製糸が良好となり好ましく適用できる。
また、単繊維繊度が0.5デシテックス未満の場合は、擦れによる毛羽立ちや毛玉が発生し易く、品位的に劣るものとなることがある。一方、単繊維繊度が11デシテックスを超えると、衣料用の場合、風合いが粗硬となり、肌触りにも劣ることになることがある。
また、総繊度を11〜550デシテックスの範囲とすることにより、薄地から厚地までの衣料用途や資材用途に幅広く適用することができる。
本発明の軽量編織物は、芯鞘複合繊維糸の芯部分を溶出除去した後に形成された異形断面形状部の繊維の内表面および/または外表面に機能剤を付与させることも好ましい態様である。
付与させる機能剤としては、求められる用途や要望により適宜選択すればよいが、例えば、撥水加工剤、防汚加工剤、抗菌加工剤、消臭加工剤、防臭加工剤、難燃加工剤、吸汗加工剤、吸湿加工剤、防カビ加工剤および紫外線吸収加工剤が好ましく適用することができる。これらの機能剤の付与は、染色加工工程で芯鞘複合繊維の芯部分を溶出除去した後に付与加工を行うことが好ましい態様である。
芯部分を溶出除去した後の芯鞘複合繊維は、機能剤が、その断面形状の外表面のみならず、異形断面形状の繊維の内表面にまで付着することにより、付着面積が大きくなると共に、芯鞘複合繊維の内表面が図3に示される空洞部Eのような凹状の窪みのため、高摩擦や高洗濯耐久性に優れ、従来の耐久性不足や風合い粗剛化の問題を解決することになり好ましく適用できる。加工方法は、染色加工工程で通常行われている方法に準じて行うことができる。
本発明の軽量編織物は、上記の芯鞘複合繊維から得られるマルチフィラメント糸100%使いの他に、他の繊維素材との混用も好ましく適用できる。他の繊維素材との混用方法としては、他の繊維素材との通常の交編、交織、交撚、引き揃え、カバーリングおよび混繊等を採用することができ、狙い用途、編織物形成法および編織物組織等に応じて適宜使い分けすることができる。
他の混用繊維素材としては、合成繊維であるポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリビニールアルコール系繊維、ポリ塩化ビニール系繊維、ポリウレタン系繊維もしくは半合成繊維であるアセテート系繊維もしくは再生繊維であるビスコース・レーヨン、キュプラを含むセルロース系繊維、牛乳蛋白繊維、大豆蛋白繊維を含む蛋白質系繊維、ポリ乳酸系繊維、もしくはこれらのフィラメント糸条使いや紡績糸使い、または、混紡糸使い、もしくは綿や麻を含む植物系天然繊維、もしくは羊毛、カシミヤや絹を含む動物系天然繊維または更にこれらの混紡糸使い等が挙げられる。
本発明の軽量編織物の形成法において、編物は、通常の緯編地または経編地からなる。緯編地としては、丸編地であるシングル丸編地やダブル丸編地、パイル丸編地、横編地、靴下編地および成型編地があり、各々の専用編機を用いて製編することができる。また、経編地としては、トリコット編地であるシングルトリコット編地やダブルトリコット編地、ラッシェル編地であるシングルラッシェル編地やダブルラッシェル編地、およびミラニーズ編地である平型ミラニーズ編地や円形ミラニーズ編地等があり、これらも各々の専用編機を用いて製編することができる。
また、織物は、通常の一重組織または二重組織からなる。一重組織としては、平織、綾織、朱子織およびそれらの変化組織が挙げられる。二重組織としては、タテ二重組織、ヨコ二重組織およびタテヨコ二重組織等があり、これらの織物もウォータージェット織機、エアージェット織機、レピア織機およびパイル織機などの専用織機を用いて製織することができる。
また、製編織された生機地の熱処理、精練や染色等の加工は、アルカリ溶液による芯鞘複合繊維の芯部分の溶出除去以外は、通常の編織物の加工法に準じて行えばよく、特に特別な設備等は必要ではない。また、染色段階での付帯加工として、前述した機能剤付与加工以外の後加工として、カレンダー加工、エンボス加工、シワ加工、起毛加工、プリント加工およびオパール加工等、最終用途の要求特性に応じて適宜付与することが望ましい。
本発明の軽量編織物は、適宜選択することにより、次のように幅広く展開可能である。例えば、衣料用途では、スポーツウエア類、水着類、肌着類、インナーウエア用ファンデーション類、ユニフォームウエア類、アウターウエア類、セーター・カーディガン類、手袋類、パンティストッキング類、タイツ類およびソックス類等に好ましく使用することができる。
また、資材用途では、カーシートを含む座席シート類、靴材類、鞄材類、衣料用芯地および裏地類、レース類、カーテン類、建築用断熱材および梱包用クッション材等に好ましく使用することができる。
本発明の軽量編織物の強力は、用途によって要求度が異なるが、編物の破裂強力は、0.25Mpa以上が好ましく、より好ましくは0.3Mpa以上である。この破裂強力の評価法は、JIS L1096:2012の第8.18.1項に記載のA法(ミューレン形法)に準ずるものである。
また、織物の引裂強力は、5.0N以上が好ましく、より好ましくは6.0N以上である。この引裂強力の評価法は、JIS L1096:2012の第8.17.4項に記載のD法(ベンジュラム法)に準ずるものである。
本発明の軽量編織物は、実施例において示される嵩高度指数で1.2以上有れば、衣服等で着用した場合、軽量感とソフト感を感じることができ、動き易く、かつ疲れにくいものである。また、本発明の軽量編織物は、実施例において示される目付当たりの保温性指数が1.2以上あることで、軽くても暖かさを感じることができ、好ましく使用することができるものである。
次に、本発明の軽量織編物について、実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明において用いた評価は、それぞれ次の方法により行ったものである。
(1)編織物の目付
最終加工上がりの編物と織物から、JIS L1096:2012の第8.3.2項に記載のA法(JIS法)に準じて行った。
即ち、20cm×20cmの試験片2枚を採取し、それぞれの標準状態における質量(g)を量り、次の式によって1m当たりの質量(g/m)を求め、その平均値を算出し、四捨五入して目付(g/m)とした。
・目付(g/m)=W/A
ここで、Wは標準状態における試験片の質量(g)で、Aは試験片の面積(m)である。
(2)編織物の目付軽減率
一般的に使用される通常の丸断面原糸(中空糸ではない中実糸)であり、先の芯鞘複合繊維糸の芯部分を溶出除去する前と同一総繊度、同一単繊度の原糸(比較原糸とする。)を使用した生地の目付に対し、本発明の原糸の芯部分を溶出除去した後の生地の目付の差を軽減率(%)で表した。
(3)編織物の厚さ
最終加工上がりの編物と織物から、JIS L1096:2012の第8.4項に記載のA法(JIS法)に準じて行った。即ち、試料の異なる5か所について厚さ測定器を用いて、一定時間および一定圧力の下で厚さ(mm)を測り、その平均値を算出し、四捨五入して小数点以下2桁で表した。測定時の一定圧力は、0.7Kpaとした。
(4)編織物の嵩高度
上記で求めた編織物の目付(g/m)と厚さ(mm)から、次の式によって嵩高度(cm/g)を求め、四捨五入して小数点以下1桁で表した。
・嵩高度(cm/g)=t/w×1000
ここで、tは試料の厚さ(mm)で、wは試料の目付(g/m)である。
(5)嵩高度指数
本発明で用いられる原糸(芯鞘複合繊維)の芯部分を溶出除去した後の生地(織編物)の嵩高度と、一般的に使用される通常の丸断面原糸(中空糸ではない中実糸)で、先の芯鞘複合繊維糸の芯部分を溶出除去する前と同一総繊度、同一単繊度の原糸(比較原糸とする。)を使用した生地の嵩高度を各々求め、かつ通常原糸使いの嵩高度を1としたときの、芯鞘複合繊維糸の芯部溶出後の生地の嵩高度の比較値を示す。数値が大きい程、嵩高性が有ることを示す。
(6)編織物の保温性(CLO値)
温度20℃、湿度65%に設定された調温室内で、カトーテック(株)製の精密迅速熱物性測定装置KES−F7(サーモラボ)を用い、40℃の温度に設定された10cm×10cmの熱板(BT・Box)の上に、10cm×10cmに採取した最終加工上がりの試料をのせ、1分間40℃の温度を保つための消費電力(W)を測定し、次の式によって、保温性(CLO値)を求め、試料3枚の平均値を四捨五入して小数点以下3桁で表した。
・CLO値=[△T×0.01]/[W×0.155]
ここで、△T:熱板40℃−BT・Box内温度
0.01:熱板(BT・Box)の面積(m
W:消費電力
0.155:定数。
(7)目付当たり保温性指数
本発明で用いられる原糸(芯鞘複合繊維)の芯部分を溶出除去した後の生地の保温性(CLO値)を目付で割り、また、一般的に使用される通常の丸断面原糸(中空糸ではない中実糸)であり、先の芯鞘複合繊維糸の芯部分を溶出除去する前と同一総繊度、同一単繊度の原糸(比較原糸とする。)を使用した生地の保温性(CLO値)を目付で割り、かつ通常原糸使いの保温性(CLO値)を1としたときの、芯鞘複合繊維糸の芯部溶出後の生地の保温性(CLO値)の比較値を示す。数値が大きい程、目付当たりの保温性が高いことを示す。
(8)各単繊維の溝の開口部幅の平均値
図1に示すような単繊維36本からなる一本のマルチフィラメント糸の抱埋法による顕微鏡拡大写真(600倍)を撮影し、各単繊維の開口部の幅を含めた全円周長に対する、開口部幅の比率(%)を求めた。
この開口部幅の平均比率(%)は、一本のマルチフィラメント糸における任意の3ヶ所から単繊維の合計108本の比率(%)の平均値を求め、四捨五入して小数点以下1桁で表したものである。
(9)軽量感とソフト感
最終加工上がりの編物と織物を手に持ち、10名による官能評価で次のように3段階評価で示した。判定表示で○と△ならば衣服等で着用したとき、一般品に比べ、軽さとソフト感を感じられることから、合格とした。
・判定表示 ○:軽量感とソフト感が非常に有る、
△:軽量感とソフト感が一般品よりは感じる、
×:軽量感とソフト感が無い。
(10)品位と品質
最終加工上がりの編物と織物の基本物性値評価と10名による視覚評価で品位と品質評価を行い、次のように3段階評価で示した。品位と品質がやや低くても、衣服等で着用したとき、一般品と同等レベルと判断されることから、判定表示で○と△を合格とした。
・判定表示 ○:品位と品質が良い、
△:品位と品質がやや劣る、
×:品位と品質が劣る。
(11)軽量編織物としての総合評価
次のように、2段階表示をした。生地(編織物)の嵩高度指数が1.2以上、目付当たりの保温性指数が1.2以上であり、かつ、官能評価による軽量感とソフト感および品位と品質からみて、判定表示で○を軽量編織物として適しているとした。
・判定表示 ○:軽量編織物として適している、
×:軽量編織物として適していていない。
[実施例1]
紡糸温度290℃の条件下で、芯成分ポリマーとして、質量平均分子量5000のポリエチレングリコールを60質量%共重合したポリエチレンテレフタレートと、鞘成分ポリマーとして、酸化チタン粒子(平均粒径0.4μm)を1.5質量%含有したポリエチレンテレフタレートポリマーを、複合質量比率が芯成分ポリマー/鞘成分ポリマー=50/50となるように、鞘成分側がC字型となる芯鞘断面用C型口金ノズル(36ホール)から吐出させて紡速3000m/分で紡糸し、繊維断面形状が図2の模式図に示すような部分配向複合繊維糸として、総繊度140デシテックス、36フィラメントの糸条を一旦巻き取った。続いて、得られた部分配向複合繊維糸を、延伸仮撚機を用いて、熱セット温度165℃、延伸倍率1.7倍および加工速度600m/分で仮撚加工をして、芯/鞘質量比率が50/50で、総繊度84デシテックス、36フィラメントの複合繊維仮撚加工糸を得た。
このようにして得られた複合繊維仮撚加工糸を、24Gの両面丸編機を用いて、図4の編方図における給糸口番号F1の構成糸(ニ)、給糸口番号F2の構成糸(ホ)、給糸口番号F3の構成糸(ヘ)および給糸口番号F4の構成糸(ト)の全ての構成糸に供給し、複合繊維仮撚加工糸100%からなる両面リバーシブル組織の生機編物を得た。
次に、この生機編物を染色加工工程として、リラックス・精練、中間セット、複合繊維の芯成分溶出除去加工、染色および仕上げセットを行い、最終加工上がりの編物を得た。この染色加工工程における芯成分溶出除去の加工条件は、水酸化ナトリウムを用い、水で希釈した2.0%のアルカリ水溶液を90℃の温度に加熱し、35分の処理で、芯部分50質量%を図3の模式図に示すように完全に除去したものである。実際には、前述の部分配向複合繊維糸は図2に類似した円形状の断面形状を有しているが、その後、仮撚加工をされることにより単繊維の断面形状は不均一に変形され、更に編物に形成された後のアルカリ溶液による芯成分溶出除去により、図1示すような略C型形状、略U型形状および略V型形の異形断面形状の3種が混合された単繊維断面形状のマルチフィラメント糸である。
複合繊維仮撚加工糸の芯部分溶出除去後のマルチフィラメント糸は、見掛け外径は芯成分溶出除去前の総繊度84デシテックスで単繊維繊度2.3デシテックスと同等であるものの、実総繊度は42デシテックス、実単繊維繊度は1.2デシテックスであった。
使用した設備は、一般的に使用される液流リラクサーを使用した。また、その他の加工工程である、リラックス・精練、中間セット、染色および仕上げセットは、通常のポリエステル丸編物の染色設備と加工条件に準じて行った。
最終加工上がりの編物は、目付が75g/m、嵩高度が9.5cm/g、保温性(CLO値)が0.747であることから、後述する比較例1の通常糸使いの同一設計編物に比べ、目付の軽減率が48%、嵩高度指数が1.9、目付当たり保温性指数が1.8と優れたものであった。また、各単繊維の溝の開口部幅の平均値は、16.4%であった。また、官能評価による軽量感とソフト感および基本物性値評価と視覚評価による品位と品質評価も良く、軽量編物として適していると判断されるものであった。詳細評価結果を、表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同一の設備と条件に準じて紡糸と延伸仮撚加工を行い、芯/鞘質量比率35/65で、総繊度84デシテックス、36フィラメントの複合繊維仮撚加工糸を得た。このようにして得られた複合繊維仮撚加工糸を、実施例1と同一の両面丸編機を用い、実施例1と同一の編方図、更に、同一の構成糸供給によって、複合繊維仮撚加工糸100%からなる両面リバーシブル組織の生機編物を得た。
次に、この生機編物を、実施例1と同一の染色加工工程、設備および条件で最終加工上がりの編物を得た。
複合繊維仮撚加工糸の芯部分溶出除去後のマルチフィラメント糸は、見掛け外径は芯成分溶出除去前の総繊度84デシテックスで単繊維繊度2.3デシテックスと同等であるものの、実総繊度は55デシテックス、実単繊維繊度は1.5デシテックスであった。
最終加工上がりの編物は、目付が101g/m、嵩高度が6.9cm/g、保温性(CLO値)が0.721であることから、後述する比較例1の通常糸使いの同一設計編地に比べ、目付の軽減率が30%、嵩高度指数が1.4、目付当たり保温性指数が1.4と優れたものであった。また、各単繊維の溝開口部幅の平均値は14.2%であった。また、官能評価による軽量感とソフト感および基本物性値評価と視覚評価による品位と品質評価も良く、軽量編物として適していると判断されるものであった。詳細評価結果を、表1に併せて示す。
[比較例1]
一般的に使用される通常のポリエステル丸断面原糸の仮撚加工糸(中空糸ではない中実糸)であり、実施例1と実施例2の芯鞘複合糸の芯部分を溶出除去する前と同一総繊度、同一単繊維繊度の原糸として、総繊度84デシテックス、36フィラメント(東レ(株)製“テトロン”(登録商標))を使用した。
この通常仮撚加工糸を、実施例1と同一の両面丸編機を用いて、実施例1と同一の編方図、更に、同一の構成糸供給によって、通常仮撚加工糸100%からなる両面リバーシブル組織の生機編物を得た。
次に、この生機編物の染色加工工程は、実施例1における芯成分溶出除去加工を外したこと以外は、実施例1と同一の染色加工工程、設備および条件で最終加工上がりの編物を得た。最終加工上がりの編物は、目付が145g/m、嵩高度が5.0cm/g、保温性(CLO値)が0.714と先の実施例1と2に比べ劣るものであった。また、官能評価による軽量感とソフト感も劣り、軽量編物として適していないと判断されるものであった。詳細評価結果を表1に併せて示す。
[実施例3]
実施例1と同一の芯/鞘質量比率50/50の、総繊度84デシテックス、36フィラメントの複合繊維仮撚加工糸と、比較例1に準ずる一般的に使用される通常の丸断面原糸の仮撚加工糸(中空糸ではない中実糸)であり、実施例1の芯鞘複合糸の芯成分を溶出除去する前と同一単繊維繊度の原糸として、総繊度168デシテックス72フィラメント(東レ(株)製“テトロン”(登録商標))の仮撚加工糸を準備した。
この各々の仮撚加工糸を、実施例1と同一の両面丸編機および同一の編方図における給糸口番号F1の構成糸(ニ)と給糸口番号F3の構成糸(ヘ)に芯/鞘質量比率50/50の、総繊度84デシテックス、36フィラメントの複合繊維仮撚加工糸を、給糸口番号F2の構成糸(ホ)と給糸口番号F4の構成糸(ト)に、通常の168デシテックス72フィラメント仮撚加工糸を供給し、芯/鞘質量比率50/50の、総繊度84デシテックス、36フィラメントの複合繊維仮撚加工糸が35質量%、通常の総繊度168デシテックス、72フィラメント仮撚加工糸が65質量%からなる両面リバーシブル組織の生機編物を得た。
次に、この生機編物を、実施例1と同一の染色加工工程、設備および条件で最終加工上がりの編物を得た。
複合繊維仮撚加工糸の芯成分溶出除去後のマルチフィラメント糸は、見掛け外径は芯部分溶出除去前の総繊度84デシテックスで単繊維繊度2.3デシテックスと同等であるものの、実総繊度は42デシテックス、実単繊維繊度は1.2デシテックスであった。
最終加工上がりの編物は、目付が168g/m、嵩高度が4.6cm/g、保温性(CLO値)が0.702であることから、後述する比較例2の通常糸100%使いの同一設計編物に比べ、目付の軽減率が17%、嵩高度指数が1.2、目付当たり保温性指数が1.2と一般品よりは良好なものであった。また、各単繊維の溝開口部幅の平均値は15.8%であった。また、官能評価による軽量感とソフト感および基本物性値評価と視覚評価による品位と品質評価も良く、軽量編物として適していると判断されるものであった。詳細評価結果を、表1に併せて示す。
[比較例2]
比較例1で使用した一般的に使用される通常の丸断面原糸の仮撚加工糸、総繊度84デシテックス、36フィラメントと、同じく実施例3で使用した一般的に使用される通常の丸断面原糸の仮撚加工糸、総繊度168デシテックス、72フィラメントを使用した。
この各々の仮撚加工糸を、実施例1と同一の両面丸編機および同一の編方図における給糸口番号F1の構成糸(ニ)と給糸口番号F3の構成糸(ヘ)に通常の84デシテックス36フィラメントの仮撚加工糸を、給糸口番号F2の構成糸(ホ)と給糸口番号F4の構成糸(ト)に通常の168デシテックス72フィラメント仮撚加工糸を供給し、通常の仮撚加工糸100%からなる両面リバーシブル組織の生機編物を得た。
次に、この生機編地を比較例1と同一の染色加工工程、設備および条件で最終加工上がりの編物を得た。最終加工上がりの編物は、目付が203g/m、嵩高度が3.9cm/g、保温性(CLO値)が0.697と先の実施例3に比べ劣るものであった。また、官能評価による軽量感とソフト感も劣り、軽量編物として適していないと判断されるものであった。詳細評価結果を、表1に併せて示す。
[実施例4]
実施例1と同一の芯成分ポリマーと鞘成分ポリマーおよび実施例1と同一の設備と条件に準じて紡糸と延伸仮撚加工を行い、芯/鞘質量比率70/30でポリエステルの総繊度168デシテックス、72フィラメントである複合繊維仮撚加工糸を得た。
このようにして得られた複合繊維仮撚加工糸を、エアージェット織機を用いて、図5に示す織物組織図における経糸(チ)と緯糸(リ)の全ての構成糸に供給し、複合繊維仮撚加工糸100%からなる2/2ツイル組織の生機織物を得た。
次に、この生機織物を実施例1と同一の染色加工工程、設備および条件に準じて、最終加工上がりの織物を得た。複合繊維仮撚加工糸の芯部分溶出除去後のマルチフィラメント糸は、見掛け外径は芯成分溶出除去前の総繊度168デシテックスで単繊維繊度2.3デシテックスと同等であるものの、実総繊度は50デシテックス、実単繊維繊度は0.7デシテックスであった。
最終加工上がりの織物は、目付が51g/m、嵩高度が3.1cm/g、保温性(CLO値)が0.681であることから、後述する比較例3の通常糸使いの同一設計織物に比べ、目付の軽減率が66%、嵩高度指数が2.4、目付当たり保温性指数が3.0と優れたものであった。また、各単繊維の溝開口部幅の平均値は20.3%であった。また、基本物性値評価において引裂強力が若干低いものであったが、官能評価による軽量感とソフト感は良く、軽量織物として適していると判断されるものであった。詳細評価結果を、表1に併せて示す。
[実施例5]
ナイロンの専用製造設備により、紡糸温度285℃の条件下で、芯成分ポリマーとして、質量平均分子量5000のポリエチレングリコールを60質量%共重合したポリエチレンテレフタレートと、鞘成分ポリマーとして、酸化チタン粒子(平均粒径0.4μm)を1.5質量%含有したナイロン66ポリマーを、複合質量比率が芯成分ポリマー/鞘成分ポリマー=50/50となるように、鞘成分側がC字型となる芯鞘断面用C型口金ノズル(68ホール)から吐出させて紡速1500m/分で紡糸し、引続いて一旦巻き取ることなく延伸し、160℃の延伸熱ローラで熱セット後、4000m/分で巻き上げ、総繊度154デシテックス、68フィラメントの延伸糸を採取した。
次に、この延伸糸をピンタイプの仮撚機を用い、スピンドル回転数325000回転/分、仮撚数3570T/M、延伸倍率1.06倍、ヒーター温度180℃で仮撚加工を行い、総繊度154デシテックス68フィラメントのナイロン複合繊維仮撚加工糸を得た。
また、一般的に使用される通常の丸断面のナイロン総繊度154デシテックス、68フィラメント(東レ(株)製“プロミラン”(登録商標))の仮撚加工糸を準備した。
この各々の仮撚加工糸を実施例4と同一のエアージェット織機で同一の図5に示す織物組織図における経糸(チ)に、通常の丸断面仮撚加工糸のナイロン154デシテックス68フィラメントを供給し、緯糸(リ)には、ナイロン154デシテックス68フィラメントの複合繊維仮撚加工糸を供給して、各々の仮撚加工糸の混率が各50質量%からなる2/2ツイル組織の生機織物を得た。
次に、この生機織物を実施例1と類似するナイロン織物の染色加工工程、設備および条件で最終加工上がりの織物を得た。
複合繊維仮撚加工糸の芯部分溶出除去後のマルチフィラメント糸は、見掛け外径は芯成分溶出除去前の総繊度154デシテックスで単繊維繊度2.3デシテックスと同等であるものの、実総繊度は77デシテックス、実単繊維繊度は1.1デシテックスであった。
最終加工上がりの織物は、目付が115g/m、嵩高度が1.6cm/g、保温性(CLO値)が0.694であることから、後述する比較例3の通常糸使いの同一設計織物に比べ、目付の軽減率が24%、嵩高度指数が1.2、目付当たり保温性指数が1.4と優れたものであった。また、各単繊維の溝開口部幅の平均値は15.4%であった。また、官能評価による軽量感とソフト感および基本物性値評価と視覚評価による品位と品質評価も良く、軽量編物として適していると判断されるものであった。詳細評価結果を、表1に併せて示す。
[実施例6]
実施例1と同一の芯成分ポリマーと鞘成分ポリマーおよび実施例1と同一の設備と条件に準じて紡糸と延伸仮撚加工を行い、芯/鞘質量比率50/50でポリエステル総繊度168デシテックス、72フィラメントの複合繊維仮撚加工糸を得た。
この原糸(芯鞘複合繊維糸)を一旦、ソフトなチーズ形状に巻き返した後、糸染設備である染色釜に入れ、実施例1と同様に水酸化ナトリウムを用い、水で希釈した2.0%のアルカリ水溶液を90℃の温度に加熱し、35分の処理で、芯部分50質量%を図3の模式図に示すように完全に除去した。実際には、アルカリ溶液による芯部分溶出除去により、図1示すような略C型形状、略U型形状および略V型形の異形断面形状の3種の繊維が混合された単繊維断面形状のマルチフィラメント糸である。
芯部分溶出除去後の加工糸は、見掛け外径は芯成分溶出除去前の総繊度168デシテックスで単繊維繊度2.3デシテックスと同等であるものの、実総繊度は84デシテックス、実単繊維繊度は1.2デシテックスであった。
この芯成分溶出除去後の原糸を乾燥し、次の製編織工程に供給できるように再リワインドしてチーズ形状に巻き返した。このようにして得られた仮撚加工糸を、実施例4と同様にエアージェット織機を用いて、図5に示す織物組織図における経糸(チ)と緯糸(リ)の全ての構成糸に供給し、仮撚加工糸100%からなる2/2ツイル組織の生機織物を得た。
次に、この生機織物の染色加工工程は、実施例1における芯成分溶出除去加工を外したこと以外は、実施例1と同一の染色加工工程、設備および条件で最終加工上がりの織物を得た。
最終加工上がりの織物は、目付が80g/m、嵩高度が2.3cm/g、保温性(CLO値)が0.691であることから、後述する比較例3の通常糸使いの同一設計織物に比べ、目付の軽減率が47%、嵩高度指数が1.7、目付当たり保温性指数が2.0と優れたものであった。また、各単繊維の溝開口部幅の平均値は16.5%であった。また、官能評価による軽量感とソフト感および基本物性値評価と視覚評価による品位と品質評価も良く、軽量編物として適していると判断されるものであった。詳細評価結果を、表1に併せて示す。
[比較例3]
実施例3で使用した一般的に使用される通常のポリエステル丸断面原糸の仮撚加工糸と同一の、総繊度168デシテックス、72フィラメントを使用した。
この仮撚加工糸を実施例4と同一のエアージェット織機を用いて、同一の図5に示す織物組織図における経糸(チ)と緯糸(リ)の全ての構成糸に供給し、通常仮撚加工糸100%からなる2/2ツイル組織の生機織物を得た。最終加工上がりの織物は、目付が151g/m、嵩高度が1.3cm/g、保温性(CLO値)が0.658と先の実施例4と実施例5および実施例6に比べ劣るものであった。また、官能評価による軽量感とソフト感も劣り、軽量編物として適していないと判断されるものであった。詳細評価結果を、表1に併せて示す。
A:芯鞘複合繊維
B:鞘部分
M:芯部分
H:鞘部分の開口部
E:空洞部(溝部)
S:単繊維の溝開口部の幅
F1〜F4:丸編機の給糸口番号
C1〜C6:丸編機のシリンダー針
D1〜D5:丸編機のダイヤル針
イ:単繊維
ロ:単繊維
ハ:単繊維
ニ:編地構成糸
ホ:編地構成糸
ヘ:編地構成糸
ト:編地構成糸
チ:織物構成糸の経糸
リ:織物構成糸の緯糸

Claims (9)

  1. 単繊維断面形状が、繊維表面の長手方向に沿って延びる一本の溝を持つ略C型、略U型および略V型の少なくとも2種類の異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を30質量%以上含む編織物であり、該編織物の嵩高度指数が1.2以上であり、目付当たりの保温性指数が1.2以上であることを特徴とする軽量編織物。
  2. 異形断面形状の繊維の溝開口部幅が、各単繊維の外周長の平均5〜30%あることを特徴とする請求項1記載の軽量編織物。
  3. 異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を含む編織物が、2種類の繊維形成性ポリマーが芯鞘複合形態で構成され、鞘部分と芯部分の複合質量比率が、芯/鞘=30/70〜70/30であり、芯部分の芯成分ポリマーがポリエステル系易溶出共重合物であり、かつ、繊維横断面において該芯部分の一部が該鞘部分の開口部から繊維表面に露出した芯鞘複合繊維糸が30質量%以上含まれる編織物を、アルカリ液中に浸漬して該芯部分を溶出除去することにより形成されてなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の軽量編織物。
  4. 異形断面形状の繊維が混合されたマルチフィラメント糸を含む編織物が、2種類の繊維形成性ポリマーが芯鞘複合形態で構成され、鞘部分と芯部分の複合質量比率が、芯/鞘=30/70〜70/30であり、芯部分の芯成分ポリマーがポリエステル系易溶出共重合物であり、かつ、繊維横断面において該芯部分の一部が該鞘部分の開口部から繊維表面に露出した芯鞘複合繊維糸をアルカリ液中に浸漬して該芯部分を溶出除去した後、得られた鞘部分からなるマルチフィラメント糸が30質量%以上含まれる編織物に形成されてなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の軽量編織物。
  5. 鞘部分を構成する鞘成分の繊維形成性ポリマーが、ポリエステル系ポリマーであることを特徴とする請求項3または4記載の軽量編織物。
  6. 鞘部分を構成する鞘成分の繊維形成性ポリマーが、ポリアミド系ポリマーであることを特徴とする請求項3または4記載の軽量編織物。
  7. 芯鞘複合繊維糸が、単繊維繊度0.5〜11デシテックス、総繊度11〜550デシテックスであることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の軽量編織物。
  8. 芯部分が溶出除去された後に形成された繊維の異形断面形状部の内表面および/または外表面に、機能剤が付与されてなることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の軽量編織物。
  9. 芯鞘複合繊維糸が、仮撚捲縮糸であることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の軽量編織物。
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