JP2014225607A - 半導体チップの試験装置および試験方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図13は、IPM500に搭載されたIGBTチップ20のアバランシェ耐量を確認するためのアバランシェ耐量試験装置600の回路図である。このIPMのアバランシェ耐量試験装置600は、試験電源601、コンデンサ602、インダクタであるコイル603を有し、被試験体であるIPM500に搭載されたIGBTチップ20のアバランシェ耐量試験をスクリーニングテストとして実施している。
また、特許文献5では、半導体チップの電気的特性を評価する半導体チップ評価装置について記載されている。
メイン部32とセンス部33のそれぞれユニットセル数(pベース領域の数)の比がM:1となる場合、センス電流Isは、
Is=(1/M)Ic・・・(1)
となり、IPM500に内蔵されているセンス抵抗52の両端に生じるセンス電圧Vsは、センス抵抗52の抵抗値Rsとすると、
Vs=Rs×Is=(Rs/M)Ic・・・(2)
となる。
センス部33とメイン部32の耐圧が等しい場合、数式(1)に示されるセンス電流Isは設計値を得る。また、図14(a)は表1でセンス電流、電圧が正常な場合を示す。
VGE(sense)=Vs+|−Vg|・・・(3)
となる。
同図(a)において、コレクタ電流Icは半導体チップ20全域で均一に流れるため、センス電流Isは、前記の(1)式の比に従って流れ、センス部33に流れるダイナミックアバランシェ電流Iavdsはコレクタ電流Icのダイナミックアバランシェ電流Iavdと同様に、時間と共に低下して行きセンス電流Isおよびセンス電圧Vsには跳ね上がりは認められない。
図16は、IGBTチップ20のアバランシェ耐量を確認するためのアバランシェ耐量試験装置700の回路図である。このIGBTチップ20のアバランシェ耐量試験装置700は、試験電源11、コンデンサ10、インダクタであるコイル9およびゲートドライブ回路8を備える。
メイン−エミッタ電極28およびセンス−エミッタ電極29がコンタクトブロック5に固定されたコンタクトプローブ2の一端と接触し、コンタクトプローブ2,3の他端は導線などによりコイル9、コンデンサ10、試験電源11で構成される試験回路に接続している。また、その導線により隣接するコンタクトプローブ2,3同士が接続されているため、メイン−エミッタ電極28とセンス−エミッタ電極29は短絡状態となっている。
このセンス電流Isが跳ね上がるIGBTチップ20をIPM500に搭載した場合、前記したように、このIPM500はアバランシェ耐量試験で不良となり、IPM500の良品率が低下し、不良コストが増大する。
また、前記の特許文献1〜6では、センス部のダイナミックアバランシェ電流を測定できる試験装置および試験方法については記載されていない。
また、特許請求の範囲の請求項5に記載の発明によれば、前記請求項1〜4に記載の前記の半導体チップの試験装置を用いて行なう半導体チップの試験方法であって、前記第1コンタクトプローブおよび前記第2コンタクトプローブをそれぞれ前記半導体チップの前記メイン部と前記センス部に接続する過程と、前記電源により試験電圧が前記コンデンサに印加され前記コンデンサを充電する過程と、充電後、前記半導体チップのゲート電圧を入力し、前記インダクタを経由して前記半導体チップのメイン部とセンス部にコレクタ電流を流す過程と、前記半導体チップをスイッチング動作させて、前記半導体チップのコレクタ電圧を上昇させ、前記半導体チップをダイナミックアバランシェ降伏に突入させる過程と、前記ダイナミックアバランシェ降伏時のダイナミックアバランシェ電圧で、前記半導体チップの前記センス部にダイナミックアバランシェ電流を流す過程と、前記ダイナミックアバランシェ電流を前記センス抵抗を介してセンス電圧に変換する過程と、を含み、前記センス電圧の跳ね上がりの有無を測定し、跳ね上がりが現れた半導体チップを不良とする試験方法とする。
(1)図3において、電極支持台1にIGBTチップ20を載せ、メイン部32とセンス部33およびゲートパッド26aに第1,第2,第3コンタクトプローブ2,3,4を接触させる。続いて、試験電源22により試験電圧Vccをコンデンサ10に印加してコンデンサ10を充電する。
(2)つぎに、図4において、コンデンサ10が充電された後、ゲートパッド26aに制御回路8を介してパルス波形のゲート電圧Vgを印加して、コイル9を経由してメイン部32およびセンサ部33にコレクタ電流Icを流す。このコレクタ電流Icは、コイル9のインダクタンスLと電源電圧Vccによりdi/dt=Vcc/Lの傾斜で上昇して行く。このとき、コレクタ電流Icは、メイン部32に流れるメイン電流Imとセンス部33に流れるセンス電流Isに分かれる。
(3)つぎに、図5において、ゲート電圧Vgを、例えば−15Vにして、IGBTチップ20をターンオフさせる。このとき、コイル9に流れているコレクタ電流Ic上昇を続け、IGBTチップ20のコレクタ電圧Vcは上昇を開始する。
(4)つぎに、図6において、コレクタ電圧Vcがダイナミックアバランシェ電圧Vavdに到達すると、コレクタ電流Icは減少を開始する。このコレクタ電流Icは、IGBTチップ20のpベース領域22とnドリフト領域21aのpn接合がアバランシェ降伏することで流れるダイナミックアバランシェ電流Iavdである。このダイナミックアバランシェ電圧Vavdは、IGBTチップ20のターンオフ過程で、大きなアバランシェ電流が流れたときのアバランシェ電圧のことである。このダイナミックアバランシェ電圧Vavdとコイル9のインダクタンスLにより、コレクタ電流Icの立下りのdi/dt(=Vavd/L)が決定される。
センス部33のアバランシェ電圧Vavsが低下しているIGBTチップ20はセンス抵抗6で発生するセンス電圧Vsの上昇が測定され、異常品として選別が可能となる。センス電圧Vsに跳ね上がりが見られたIGBTチップ20を不良と判定することで、選別することができる。図中の符号でVspはセンス電圧VsのGNDからの跳ね上がり部分のピーク値を示し、Vsoはダイナミックアバランシェに突入する直前のセンス電圧Vsを示し(図7(b)に示すVsが上昇から下降に転じる電圧のこと)、VsjはVsoからの跳ね上がり電圧の高さを示す。
2 第1コンタクトプローブ
3 第2コンタクトプローブ
4 第3コンタクトプローブ
5 コンタクトブロック
6 センス抵抗
7 電圧測定器
8 ゲートドライブ回路
9 コイル
10 コンデンサ
11 試験電源
12 入力信号端子
20 IGBTチップ
21 n半導体基板
21a nドリフト領域
22 pベース領域
23 トレンチ
24 nエミッタ領域
25 ゲート酸化膜
26 ゲート電極
27 層間絶縁膜
28 メイン−エミッタ電極
29 センス−エミッタ電極
30 pコレクタ領域
31 コレクタ電極
32 メイン部
33 センス部
Is センス電流
100 半導体チップの試験装置
100a 半導体チップの試験装置の要部試験回路図
Iavds センス部のダイナミックアバランシェ電流
Ic コレクタ電流
Im メイン部のコレクタ電流
Iavd IGBTチップ全体のダイナミックアバランシェ電流
Vs センス電圧
Vavd IGBTチップ全体のダイナミックアバランシェ電圧
Vc コレクタ電圧
Rs センス抵抗の抵抗値
Claims (7)
- メイン部と電流検出用のセンス部を有する半導体チップの前記メイン部に接続するメイン電極に一端が接する第1コンタクトプローブと、
前記センス電極に一端が接する第2コンタクトプローブと、
前記第1、第2コンタクトプローブを固定するコンタクトブロックと、
前記第1コンタクトプローブの他端と第2コンタクトプローブの他端の間に挿設し第2コンタクトプローブに流れるセンス電流を測定する測定手段と、
半導体チップのスイッチング動作を制御するための制御回路と、
を備える半導体チップの試験装置であって、
前記測定手段で前記センス部のダイナミックアバランシェ電流を測定することを特徴とする半導体チップの試験装置。 - 前記半導体チップを支持する導電性支持体と、
前記導電性支持体に一端が接続するインダクタと、
前記インダクタの他端に一端が接続するコンデンサと、
前記コンデンサの一端に高電位側が接続する電源と、
前記第1コンタクトプローブの他端、前記コンデンサの他端および前記電源の低電位側がそれぞれ接続しグランドに接続する配線と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの試験装置。 - 前記測定手段が、前記第1コンタクトプローブと前記第2コンタクトプローブの間に接続し、前記第2コンタクトプローブに流れるセンス電流を検出するためのセンス抵抗と、前記センス抵抗に生じるセンス電圧を測定するための電圧測定器と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体チップの試験装置。 - 前記センス抵抗の抵抗値が、100Ω〜3kΩであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体チップの試験装置。
- 前記請求項1〜4に記載の前記の半導体チップの試験装置を用いて行なう半導体チップの試験方法であって、
前記第1コンタクトプローブおよび前記第2コンタクトプローブをそれぞれ前記半導体チップの前記メイン部と前記センス部に接続する過程と、
前記電源により試験電圧が前記コンデンサに印加され該コンデンサを充電する過程と、
充電後、前記半導体チップのゲート電圧を入力し、前記インダクタを経由して前記半導体チップのメイン部とセンス部にコレクタ電流を流す過程と、
前記半導体チップをスイッチング動作させて、前記半導体チップのコレクタ電圧を上昇させ、前記半導体チップをダイナミックアバランシェ降伏に突入させる過程と、
前記ダイナミックアバランシェ降伏時のダイナミックアバランシェ電圧で、前記半導体チップの前記センス部にダイナミックアバランシェ電流を流す過程と、
前記ダイナミックアバランシェ電流を前記センス抵抗を介してセンス電圧に変換する過程と、を含み、
前記センス電圧の跳ね上がりの有無を測定し、跳ね上がりが現れた半導体チップを不良とすることを特徴とする半導体チップの試験方法。 - 前記センス電圧の跳ね上がりのグランド電位からのピーク値が前記半導体チップのゲート絶縁膜の絶縁破壊電圧に前記半導体チップのゲートに印加されるマイナスのゲート電圧の絶対値を加算した電圧値の半分を超える半導体チップを不良とすることを特徴とする半導体チップの試験方法。
- また、前記半導体チップがセンス部を有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタチップであることを特徴とする請求項5または6に記載の半導体チップの試験方法。
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